特許第5979579号(P5979579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979579プログラム、ゲームシステム、ゲーム制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979579
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームシステム、ゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20160817BHJP
   A63F 13/75 20140101ALI20160817BHJP
   A63F 13/77 20140101ALI20160817BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20160817BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20160817BHJP
【FI】
   A63F13/69 510
   A63F13/75
   A63F13/77
   A63F13/80 A
   A63F13/35
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-32191(P2012-32191)
(22)【出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2013-165899(P2013-165899A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】池淵 徹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 憲夫
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−513983(JP,A)
【文献】 特開2005−352681(JP,A)
【文献】 特開2003−117249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させるコンピューターに、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成するステップと、
前記プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開するステップと、
当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの前記部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定するステップと、
該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムにより抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させるステップと、
前記乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開するステップと、
を実行させ
各プレイヤーのゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種を前記部分乱数種とは別に生成し、該部分乱数種を結合した乱数種に当該共通乱数種をさらに結合して当該ゲームに用いる、プログラム。
【請求項2】
前記抽選結果を、当該ゲームにおいて各プレイヤーに配られるアイテムに反映させる、請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
各プレイヤーが選択した前記アイテムの種類に応じて前記共通乱数種を逐次変動させる、請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
各プレイヤーに対して当該プレイヤーに固有の前記部分乱数種のみを公開する、請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
対戦相手の検索と決定を行うマッチング処理が完了する前に各プレイヤーに対して当該プレイヤーに固有の前記部分乱数種を公開する、請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させる当該ゲームの制御方法であって、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成するステップと、
前記プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開するステップと、
当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの前記部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定するステップと、
該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムによる抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させるステップと、
前記乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開するステップと、
を含み、
各プレイヤーのゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種を前記部分乱数種とは別に生成し、該部分乱数種を結合した乱数種に当該共通乱数種をさらに結合して当該ゲームに用いる、ゲームの制御方法。
【請求項7】
対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させるゲームシステムであって、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成し、前記プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開し、当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの前記部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定し、該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムによる抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させ、さらに、前記乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開する制御手段と、
各プレイヤーがゲームを進行する際に所望の信号を入力する入力手段と、
を備え
各プレイヤーのゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種を前記部分乱数種とは別に生成し、該部分乱数種を結合した乱数種に当該共通乱数種をさらに結合して当該ゲームに用いる、ゲームシステム。
【請求項8】
ゲーム終了後の前記乱数種を保存しておき、該保存されている前記乱数種に関するデータを、当該システムと接続された端末に対して記録または送信し、あるいは該端末からの該データの参照を許容するサーバーをさらに含む、請求項に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、ゲームシステム、ゲーム制御方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させるゲームの制御等に関する。
【背景技術】
【0002】
アミューズメント施設等に設けられた所謂アーケードゲーム機等を用いて、複数のユーザーが対戦することができるゲームが提案されている。近年は、アーケードゲーム機をインターネット接続することにより、複数のユーザーがインターネットを介してサーバーに接続して行うオンライン型のゲームも提案されている。
【0003】
また、このようなオンライン型のゲームとして、地域を問わず全国的にプレイヤーのゲームスキル(技量)の優劣を競い、勝利数、敗北数、連勝数、総合ポイント等に関するランキングを発表する等の付加サービスを提供するものも提案されている。一例として、オンライン型麻雀ゲームの場合には、ランキングが発表されるほか、対戦結果に応じてプレイヤーに経験値が付与され、経験値が一定値以上蓄積されるとプレイヤーのスキルランクを表す段位が昇格するといった付加サービスも提供されている。
【0004】
ところで、対局時に配牌され、山牌から所定の牌を自摸(ツモ)する麻雀ゲームや、手札が配られるカードゲーム等のような、プレイヤーがアイテムを選ぶ手順がないゲームあるいはそのような局面においては、コンピューターがランダム(無作為)に抽選を行い、該抽選結果に基づいたアイテムを自動的に配ってゲームを進行させる。ただし、このようなランダム要素のあるゲームにおいて抽選をコンピューターによって行う場合、物理的な要素(例えばサイコロやルーレット等)で抽選を行った場合よりも、抽選結果の公平性に対するプレイヤーからの不満が出やすいというのが実情である。事実、例えば麻雀ゲームであれば、配牌やツモといった重要な要素がコンピューターの抽選に委ねられていることから、特に対戦結果に満足できないプレイヤーの中に、特定のプレイヤーが有利または不利になるように配牌やツモにおいてシステムが作為的な操作(例えば、特定のプレイヤーが有利になるように、乱数の種を選択したり、乱数の種を後づけしたりする欺瞞行為)を行っているのではないかといった不満や疑念を抱く者がいる。
【0005】
このような不満や疑念を払拭するべく、例えばトランプゲームについて、コンピューターにより映像で表示したトランプを十分にかきまぜ、かきまぜて得られた各トランプの配列順序を記録し、ゲーム進行中、該配列順序の記録を予め隠した状態でトランプをプレイヤーの選択に供し、さらに、ゲームオーバーの後、上記記録した配列順序を公開するようにしたゲーム装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、麻雀ゲームについては、例えば当該ゲームのメーカー公式ウェブサイト(一例として、本件出願人の公式ウェブサイト)上にて、山牌成やツモ牌に関して作為的な操作(欺瞞行為)は一切行われていない旨の宣言を告知することによってプレイヤーの不満や疑念を解消しようとしているものがある(非特許文献1参照)。
【0007】
さらに、オンライン麻雀ゲーム(いわゆるネット麻雀)として、乱数の種を試合終了後に公開する機能を実装しているものもある(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平6−30688号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】特集−セガネットワーク対戦麻雀MJ4 Evolution 公式サイト、株式会社セガ、[平成23年1月24日検索]、インターネット<URL:http://www.sega-mj.com/mj4evo/sp_faq.html>
【非特許文献2】オンライン対戦麻雀 天鳳、有限会社シー・エッグ、[平成23年1月24日検索]、インターネット<URL:http://tenhou.net/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のような手段を講じても、なお不満や疑念を抱く者が存在しており、ユーザー離れの誘因となっているケースもある。
【0011】
そこで、本発明は、コンピューターがランダム(無作為)に抽選を行い該抽選結果に基づいたアイテムをプレイヤーに配るゲームにおいて、プレイヤーが抱くことのある公平性に対する不満や疑念を解消できるようにしたプログラム、ゲームシステム、ゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。例えば、オンライン対戦型ゲームに類似するものとしてオンラインカジノやパチスロ等の遊戯機があり、これら製品の中には、第三者機関が審査によって欺瞞行為がないことを証明しているものもあるが、このような手法を一般的なソフトに採用するのは現実的ではない。一方で、ゲームメーカーやサービス提供者がウェブサイトやマニュアル上で一方的に宣言しているだけでは客観性に欠ける面もある。また、乱数の種を試合終了後に公開する方法は、特定のプレイヤーが有利になるように乱数の種を選択していたり、乱数の種を後づけしたりしているのではないかという疑念を払拭しきれていない。そこで検討するに、そもそも、ゲームメーカーやサービス提供者側において実際に欺瞞行為をするはずもないのであるから、そのことをプレイヤーに理解しやすい形でゲーム本来の興趣性を損ねることなく伝え、安心してゲームを楽しんでもらうことが重要であると考えられる。このような観点からさらに検討を重ねた本発明者は、課題の解決につながる知見を得るに至った。
【0013】
本発明はかかる知見に基づくものであり、対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させるコンピューターに、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成するステップと、
前記プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開するステップと、
当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの前記部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定するステップと、
該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムにより抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させるステップと、
前記乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開するステップと、
を実行させるプログラムである。
【0014】
本発明においては、抽選を行う際に用いられる乱数種(乱数の種、プレイヤーシード)が、当該ゲーム開始前にプレイヤーに公開され、さらに、当該ゲームの終了後にもプレイヤーに公開される。このようなゲームのプレイヤーは、所望すれば、ゲーム開始前に公開される乱数種とゲーム終了後に公開される乱数種とを照合して両者が一致することを確認することにより、乱数種がゲーム中に後づけされるような欺瞞行為が行われることなくゲームが公平に進行したことを確認することができる。
【0015】
また、いくら乱数種を公開したところで、該乱数種が当該ゲームの抽選行為とは無関係な単なる文字や数の羅列にすぎなければ公開する意味がない。この点、本発明においては、乱数種を用い、所定のアルゴリズムによる抽選を実施した際の当該アルゴリズムを予め開示しておき、所望するプレイヤー等が随時確認できるようにしている。所望するプレイヤーは、開示された該アルゴリズムを用い、抽選結果が該アルゴリズムにしたがってゲームに反映されていることを確認することができる。
【0016】
本発明に係るプログラムにおいて、各プレイヤーのゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種を部分乱数種とは別に生成し、該部分乱数種を結合した乱数種に当該共通乱数種をさらに結合して当該ゲームに用いることが好ましい。ゲーム進行内容に応じて変動する不確定要素を乱数種に織り込むことで、ゲームに用いられる乱数種は、ゲームメーカーやサービス提供者等が意図的に操作するといった関与やコントロールがもはやできないものとなる。したがって、このような乱数種を用いるゲームにおいてはゲームメーカー等の作為が働く余地がない。
【0017】
このプログラムは、抽選結果を、当該ゲームにおいて各プレイヤーに配られるアイテムに反映させることができる。この場合、各プレイヤーが選択したアイテムの種類に応じて共通乱数種を逐次変動させるようにすることもできる。
【0018】
また、上述のプログラムは、各プレイヤーに対して当該プレイヤーに固有の部分乱数種のみを公開するものであってもよい。仮に、すべての乱数種を公開してしまうと、何らかの手段(例えば、公開された乱数種を入力するとゲーム内容(例えば牌山やサイコロの目など)が再現されるアプリケーションソフトなど)により、対局中に牌山のすべてがわかってしまうような事態が懸念される場合、このように当該プレイヤーに固有の部分乱数種のみを公開することとすれば、そのような懸念が払拭される。
【0019】
さらには、マッチング処理(対戦相手の検索と決定をする処理)が完了する前に各プレイヤーに対して当該プレイヤーに固有の部分乱数種を公開することも好ましい。マッチングが完了した後で部分乱数種を公開したのでは、マッチングの結果を反映し、特定のプレイヤーが有利になるように後づけで乱数種を生成することが可能ではある。この点を考慮し、マッチング前に部分乱数種を公開することで、乱数の種が後づけでないことが証明される。
【0020】
また、本発明は、対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させる当該ゲームの制御方法であって、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成するステップと、
プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開するステップと、
当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定するステップと、
該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムによる抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させるステップと、
乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開するステップと、
を含むというものである。
【0021】
さらに、本発明は、対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果をゲーム内容に反映させるゲームシステムであって、
当該ゲームに参加する各プレイヤーに固有の部分乱数種を生成し、プレイヤー固有の部分乱数種を当該ゲームの開始前に当該プレイヤーに公開し、当該ゲームに参加するすべてのプレイヤーの部分乱数種を結合して当該ゲームに用いるべき乱数種を決定し、該乱数種を用い、予め開示されている所定のアルゴリズムによる抽選を実施し、該抽選結果を当該ゲームに反映させ、さらに、乱数種を当該ゲームの終了後に当該プレイヤーに公開する制御手段と、
各プレイヤーがゲームを進行する際に所望の信号を入力する入力手段と、
を備えるものである。
【0022】
このゲームシステムは、ゲーム終了後の乱数種を保存しておき、該保存されている乱数種に関するデータを、当該システムと接続された端末に対して記録または送信し、あるいは該端末からの該データの参照を許容するサーバーをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、コンピューターがランダム(無作為)に抽選を行い該抽選結果に基づいたアイテムをプレイヤーに配るゲームにおいて、プレイヤーが抱くことのある公平性に対する不満や疑念を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態におけるゲーム装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態におけるゲームシステムを示す概念図である。
図3】本発明の一実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
図4】対戦相手の検索中(マッチング)である場合の画面例を示す図である。
図5】ゲーム本編中にシード情報を表示した場合の画面例を示す図である。
図6】ゲーム本編中にシード情報を非表示にした場合の画面例を示す図である。
図7】ゲーム終了後にシード情報は非表示にしたコンティニュー画面例を示す図である。
図8】ゲーム終了後にシード情報を非表示したコンティニュー画面例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態における制御例を示すフローチャートである。
図10】山牌生成のアルゴリズムのソースプログラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1図10に本発明の一実施形態を示す。以下では、オンライン型の麻雀ゲームに本発明を適用した場合を例示して説明する。
【0027】
(ゲームシステムの概要)
本発明の一実施形態におけるゲーム装置およびゲーム制御方法を図1図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるゲーム装置を示す斜視図である。図2は、本実施形態におけるゲームシステム1を示す概念図である。
【0028】
図2中の符号10は、例えば日本全国の各地域に所在しているアミューズメント施設(アミューズメントアーケード)を表す。各アミューズメント施設10には、ゲームを行うための複数台のゲーム装置12が設けられている。また、ゲーム装置12の他、アミューズメント施設10に処理装置14が設けられている場合、該処理装置14に設けられたディスプレイモニター15を通じて第三者らは当該ゲームを観戦することが可能となっている。
【0029】
ゲーム装置12は例えば業務用の麻雀ゲーム機であり、プレイヤーはコインを投入して麻雀ゲームを行うことができる。ゲーム装置12にはメンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F(インターフェース)18が設けられている。メンバーズカード16には固有のID番号が記載されている。
【0030】
各ゲーム装置12はアミューズメント施設10内のLAN20に接続されており、アミューズメント施設10内の他のゲーム装置12と相互に通信可能である。また、アミューズメント施設10のLAN20はインターネット22に接続されており、他のアミューズメント施設10内のゲーム装置12とも相互に通信可能である。したがって、設置場所が離れていても、任意の4台(対戦者が4人揃わない場合、コンピューター(CPU40)との対局が可能)のゲーム装置により共通の麻雀ゲームを行うことができるように構成されている。
【0031】
このようなゲーム装置12において、プレイヤーは、当該ゲーム装置12とともに設置された椅子(図示省略)に着席し、コインを投入し、タッチパネル24、選択ボタン26、実行ボタン28等の操作を行うことにより麻雀ゲームを行うことができる。
【0032】
プレイデータ管理サーバー30はインターネット22に接続されている。このプレイデータ管理サーバー30は、ゲーム装置12により実行された麻雀ゲーム等のプレイデータ(遊戯に関するデータ)をインターネット22を介して収集し、当該プレイデータを蓄積し、管理する。本実施形態のプレイデータ管理サーバー30には、各プレイヤーの段位や経験値のデータが記憶されている。経験値は、対戦結果に応じて付与されるものである。各プレイヤーには、経験値が一定値以上蓄積されると昇格する段位が付与されている。
【0033】
(ゲーム装置12の構成)
本実施形態におけるゲーム装置12の構成を図1図3を用いて説明する。図3は、本実施形態におけるゲーム装置12のブロック図である。
【0034】
ゲーム装置12の筐体32には、ゲーム内容を表示するディスプレイモニター34と、プレイヤーがゲームの操作を行うためディスプレイモニター34上に設けられたタッチパネル24と、コインを投入するためのコイン投入部36と、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18と、プレイヤーが牌を選択するための選択ボタン26と、各種の操作を実行するための実行ボタン28とが設けられている(図1参照)。ディスプレイモニター34には、実際の麻雀卓の座席に座ったプレイヤーから見えるゲームのリアルな様子(ゲームフィールド)が表示されるようになっている。
【0035】
ゲーム装置12においては、ゲームプログラムの実行やシステム全体の制御や画像表示のための座標計算等を行うCPU40と、CPU40が処理を行うのに必要なプログラムやデータを格納するバッファメモリとして利用されるシステムメモリ(RAM)42とがバスラインにより共通接続され、バスアービタ44に接続されている(図3参照)。バスアービタ44は、ゲーム装置12の各ブロックや外部に接続される機器とのプログラムやデータの流れを制御する。
【0036】
ゲームプログラムやデータ(映像データや音楽データも含む)が格納されたプログラムデータ記憶装置または記憶媒体(ゲーム用記録媒体であるCD−ROM等を駆動する光ディスクや光ディスクドライブ等も含む)46と、ゲーム装置を起動するためのプログラムやデータが格納されているBOOTROM48とがバスラインを介してバスアービタ44に接続されている。
【0037】
また、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置または記憶媒体46から読み出した映像(MOVIE)データを再生したり、プレイヤーの操作やゲーム進行に応じて画像表示のための画像を生成したりするレンダリングプロセッサー50と、そのレンダリングプロセッサー50が画像生成を行うために必要なグラフィックデータ等を格納しておくグラフィックメモリ52とが接続されている。レンダリングプロセッサー50から出力される画像信号は、ビデオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、ディスプレイモニター54に表示される。
【0038】
また、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置または記憶媒体46から読み出した音楽データを再生したりプレイヤーによる操作やゲーム進行に応じて効果音や音声を生成したりするサウンドプロセッサー56と、そのサウンドプロセッサー56により効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等を格納しておくサウンドメモリ58とが接続されている。サウンドプロセッサー56から出力される音声信号は、オーディオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカー60から出力される。
【0039】
バスアービタ44には、通信インターフェース62が接続されている。通信インターフェース62はモデム64を介して電話回線等の外部ネットワークに接続される。ゲーム装置12はモデム64により電話回線を介してインターネットに接続され、他のゲーム装置12やネットワークサーバー30等との通信が可能となる。なお、通信インターフェース62およびモデム64は電話回線を使用するものであるが、電話回線を使用するターミナルアダプター(TA)やルーター、ケーブルテレビ回線を使用するケーブルモデム、携帯電話やPHSを利用して無線通信手段、光ファイバーを用いた光ファイバー通信手段等の他の通信方法を利用してもよい。
【0040】
また、バスアービタ44には、ペリフェラルI/F(インターフェース)66を介して選択ボタン26や実行ボタン28が接続されている。選択ボタン26は、プレイヤーが手牌の選択を行うためのものである。実行ボタン28は、各種操作の実行の指示を入力するためのものである。ペリフェラルI/F66は、プレイヤーによる操作にしたがって、ゲーム装置12や外部に接続された機器を制御するための信号を出力する。
【0041】
また、バスアービタ44には、ペリフェラルI/F68を介してタッチパネル24が接続されている。タッチパネル24は、プレイヤーが指を触れることにより各種操作を入力するためのものである。ペリフェラルI/F68は、プレイヤーによる操作にしたがって、ゲーム装置12や外部に接続された機器を制御するための信号を出力する。タッチパネル24は、指が接触した位置の座標値を取得して位置座標情報を生成する位置座標取得手段として機能する。
【0042】
また、バスアービタ44には、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18が接続されている。
【0043】
また、バスアービタ44にはバックアップメモリ(図示せず)が接続され、これにゲームの成績などの記録を行う。バックアップメモリは、システムメモリ(RAM)で代用してもよい。
【0044】
なお、ゲーム装置12は、アミューズメント施設10やゲームカフェ等の店舗に設置されるゲーム装置に限定されるものではなく、家庭用のゲーム装置やパーソナルコンピューター、携帯型電子ゲーム機、携帯電話やPDA等の電子装置、ゲーム情報処理装置でもよい。
【0045】
(ゲームの実行)
まず、プレイヤーは、アミューズメント施設10に設けられたゲーム装置12の椅子に着席し、続いて、ゲーム装置12にメンバーズカード16を挿入し、タッチし、あるいはスキャンする等の情報読み取り動作をする。ゲーム装置12はメンバーズカード16に記載された磁気的手段または電気的手段による記録情報からID番号を読み取る。これにより、ゲーム装置12は、そのID番号のメンバーズカードを所有するプレイヤーが麻雀ゲームを行うことを認識することができる。
【0046】
続いて、プレイヤーは、ゲーム装置12により麻雀ゲームを開始する。ゲーム装置12のディスプレイモニター34にゲーム画面が表示される。このゲーム画面には、麻雀卓とともに参加するプレイヤーのキャラクタが表示され、麻雀卓上にはゲームの進行状態が表示される。
【0047】
(ゲームの流れ)
次に、本実施形態のゲーム装置12におけるゲームの流れを、ディスプレイモニター34上に映し出される画面例(図4図8参照)、およびフローチャート(図9参照)を用いて説明する。なお、以下の説明中における「乱数の種(プレイヤーシード)」、「不確定要素」については後の項目において詳述する。
【0048】
アドバタイズ(広告画面)ループ中にゲーム装置12において、プレイヤーが画面(ディスプレイモニター34)上のタッチパネル24に触れると(ステップS200)、「カード使用」と「カード不使用」のいずれかを選択する画面に移行する(ステップS201)。
【0049】
プレイヤーが「カード使用」を選択した場合(ステップS202にてYES)、ICカードI/F(インターフェース)18に自己のメンバーズカード16をかざす(あるいはスキャンする)等により認証を行う(ステップS203)。認証が成功すれば、画面(ディスプレイモニター34)はクレジット投入画面に移行する(ステップS204)。一方、ステップS201で「カード不使用」が選択された場合には、そのままクレジット投入画面に移行する(ステップS204)。
【0050】
プレイヤーが、クレジット投入画面上のゲーム開始ボタンにタッチすると、当該プレイヤーに固有の乱数の種(部分乱数種)(以下、「シード」ともいい、画面中では「プレイヤーシード」と表示する)PSが生成される(ステップS205)。その後、画面は「プレイモード選択画面」へと移行する(ステップS206)。プレイヤーがプレイモードの選択を完了すると、画面は「マッチング画面」へと移行する(ステップS207)。
【0051】
マッチング画面においては、対戦相手の検索中(マッチング)であることのメッセージ、当該時点でのエントリー数、当該プレイヤーの乱数の種(プレイヤーシード)PS等の情報が表示される(図4参照)。さらに、「対戦者が揃わなかった場合、CPUとの対局を行う」旨の情報等を併せて表示することもできる(図4参照)。マッチングが完了すれば(ステップS208にてYES)、対局を開始する(ステップS210)。一方、所定時間内にマッチングが完了しないといった場合には(ステップS208にてNO)、コンピューター(CPU40)との対局(CPU戦)を開始する(ステップS209)。このCPU戦の間、裏でマッチングを継続してもよい(ステップS209,208)。
【0052】
対局を開始したら(ステップS210)、ゲーム本編へと移行する(ステップS211)。ゲーム本編中は、画面上に、必要に応じて「自分のシード」(当該プレイヤーに固有のプレイヤーシード)、「不確定要素の現在の値」、「不確定要素の局毎の履歴」を表示する(図5参照)。本実施形態では、ゲーム本編中における通常のゲーム画面内にシード情報表示/非表示のアイコン90を設けておき(図6参照)、プレイヤーのタッチ操作に応じてシード情報の表示/非表示を切り換えることができるようにしている(図5図6参照)。この「シード情報」アイコン90にタッチしている間、あるいはタッチしてから次にタッチするまで、「自分の乱数の種(プレイヤーシード)」と「不確定要素の局単位の履歴」が表示される。
【0053】
対局が終了したら、対局結果を併せて表示したコンティニュー画面に移行する(ステップS212)。この画面では、「全員のシード」(各プレイヤーに固有のプレイヤーシード)、「不確定要素の局毎の履歴」を表示する(図8参照)。本実施形態では、コンティニュー画面内にシード情報表示/非表示のアイコン92を設けておき(図7参照)、プレイヤーのタッチ操作に応じてシード情報の表示/非表示を切り換えることができるようにしている(図7図8参照)。
【0054】
いずれかのプレイヤーがコンティニュー(継続しての対局)をしたら(ステップS213にてYES)、当該プレイヤーの乱数の種(プレイヤーシード)PSを生成し(ステップS214)、「マッチング画面」へ戻る(ステップS207)。一方、所定時間中にコンティニューされなければゲームオーバーとなり(ステップS215)、アドバタイズループに移行する。
【0055】
(乱数の種PS等の公開)
本実施形態では、以下を公開(開示)することで、不正行為がないこと(欺瞞行為が行われることなくゲームが公平に進行したこと)を証明する。
(A)牌山生成
(B)席・サイコロ
(C)乱数の種
【0056】
上記のうち、(A)牌山生成については、牌山生成方法のアルゴリズムを開示する。(B)席・サイコロについては、場決め・親決め・サイコロ等、麻雀部分のランダム要素について、全てアルゴリズムを開示する。(C)乱数の種PSについては、不正行為がないと分かり尚かつ悪用されることのない方法で公開する。
【0057】
不正行為がないことの証明は、例えば以下のようにゲームの流れで説明することで行うことができる。すなわち、(1)対戦相手検索中の画面で、当該プレイヤーの乱数の種PSを表示する(図9中のステップS207参照)。このように、事前に公開することで、後づけ行為がないことを証明する。ただし、文字数が多すぎると確認し難くなってしまうので、乱数の種PSとして十分な文字数としながらも適度な文字数に抑えることが好ましい。
【0058】
次に、(2)マッチング(対戦相手の検索と決定)が完了したら(図9中のステップS208にてYES)、各プレイヤーの「乱数の種」(PS)を結合してゲームに用いる「乱数の種」(CS)を決定する。結合する際には、各プレイヤーの「乱数の種」(PS)を例えば小さい順に並び替える等して結合してもよい。要は、プレイヤー毎に生成されたプレイヤー固有の乱数の種(プレイヤーシード)は「部分乱数種」あるいは「乱数の種の一部」というべきものであり、各プレイヤー固有の「乱数の種の一部」が結合されていわば「乱数の種の全部」(結合乱数種)が決定する。また、このようにして決定された「乱数の種の全部」に「0」を連結(+0)して、最初のゲーム(例えば東一局)の内容に反映されるべき新規な乱数の種が決定される。ゲーム開始後、該新規な「乱数の種」を元に、場決め、親決めを行う。
【0059】
また、(3)ゲーム中、各プレイヤーの「乱数の種」(PS)に不確定要素(UE)を連結ないし加味して新規な「乱数の種」とする(「乱数の種」の随時更新)。「不確定要素」は、各プレイヤーのゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種というべきもので、各プレイヤーに固有の「乱数の種」(PS)とは別に生成され、該共通乱数種にしたがった抽選の結果が併せて当該ゲームに反映されるようになっている。「不確定要素」は、例えば、各プレイヤーが取捨選択したアイテム(例えば、自己の場から捨てた捨牌)の種類や内容に応じた数値などのような、ゲームの進行内容に応じて変わりうる内容とすることができる。このような「不確定要素」は、例えば、実際の麻雀においてA牌とB牌のどちらを捨牌するかによって次局(あるいは次々局)の山牌の内容が変わってくるといった事情をも麻雀ゲームに盛り込む要素として機能しうる。また、不確定要素(あるいは該不確定要素が反映された乱数の種(プレイヤーシード)PS)を加味して牌山生成、サイコロの目などを行うこともできる。不確定要素の現在の値は、当該プレイヤー(自分)の乱数の種(プレイヤーシード)PSとともに画面上に表示される(図9中のステップS211)。
【0060】
さらに、(4)ゲーム後においては、全プレイヤーの乱数の種PSを画面上で公開する(図9中のステップS212、図8参照)。また、全プレイヤーの乱数の種PSと併せて、不確定要素UEの局毎の履歴も表示する(図8参照)。なお、途中抜けしたりネット接続が途中で切断されたりしたプレイヤーがいる場合には、乱数の種を公開しない。プレイヤーによっては、対戦が終わるタイミングが異なる場合があるので、早く終わった側のプレイヤーが同席したプレイヤーに教えるアシストが可能になってしまう(例えば、不正者2人が同じ卓にマッチングし、1人が途中抜けして、もう1人に乱数の種を教えることが可能になってしまう)のを防ぐことができる。このように公開を差し控える場合は、その理由も併せて予めユーザーに説明することが好ましい。こうすることにより、プレイヤー等が余計な不満や疑念を抱くことを回避することが可能となる。
【0061】
牌山は、すべての牌の組合せ以上のパターン数であることが望ましい。4人打ちで、赤牌(役が一つ上がるボーナス牌)を1枚ずつ入れるルールの場合、全牌数(136枚)の全組合せを、同じ種類の牌の組み合わせで割った数を基準として、適宜設定することができる(なお、赤牌がない牌は4枚、赤牌がある牌は3枚が同じ種類の牌となる)。
【0062】
(牌山生成方法)
本実施形態では、牌山を生成するにあたり、下記のようにランダム性を満たすようにしている。
【0063】
<ランダム性>各局で使用する乱数の種は、「ゲーム前に予め生成された乱数の種(プレイヤーシード)」+「不確定要素」となる。上述したように、局が終わるたび、乱数の種に不確定要素UEを連結(加味)して更新していく。この場合、不確定要素UEは、ゲーム進行内容に応じて変動する不確定な共通乱数種であることから、該不確定要素UEが連結された乱数の種も毎回変動する不確定な要素となる。各局の山牌に法則性があるようでは問題があるが、本実施形態においては、乱数の種にしたがった抽選の結果がゲームに反映される際、法則性のないゲーム信号(ランダム性)が実現されている。
【0064】
<アルゴリズムの開示>プレイヤー等に牌山生成方法のアルゴリズムを予めゲームに先立って開示しておく。開示手段としては、プレイヤー等の要求に応じて随時情報を提供できるもの、例えば当該情報を含むウェブサイトを公開することが挙げられる。一例として、図5においては、牌山の生成ロジックがウェブページに公開されている旨と該URLを、上述したシード情報とともに示している(図5参照)。本実施形態のアルゴリズムは、「乱数の種から、どのように抽選してゲーム(牌山とかサイコロの目)に反映させるか」を表す。本実施形態では、ソースプログラムを公開することにより当該アルゴリズムの説明を行う。
【0065】
なお、ソースプログラムだけが公開されても通常のユーザーには確認作業が行えない。そこで、詳しい説明はしないが、乱数の種を入力すると、牌山やサイコロの目が表示されるアプリケーション(例えば携帯端末用にインストール可能なソフトウェア)などを利用し、当該ゲームのプレイ結果をリプレイ再生できるようにして簡単に確認作業ができるようにしてもよい。
【0066】
また、特に詳しい説明はしないが、当該ゲームシステム1に、プレイヤーが所有する携帯電話やPC等の端末にアルゴリズムまたはこれに関する情報を提供する機能を備え付けることもできる。例えば、上述したプレイデータ管理サーバー30に、ゲーム終了後の乱数の種(プレイヤーシード)PS、不確定要素(共通乱数種)を保存しておき、該保存されている乱数の種(プレイヤーシード)PSや不確定要素に関するデータを端末に対して記録または送信し、あるいは該端末から該データを参照することを一定条件下で許容するようにすることができる。さらに、アルゴリズムだけでなく、牌譜ビューアの機能として乱数の種や不確定要素を入力すると牌山を確認できる機能を付与してもよい。例えば席、サイコロ、場決め、親決め等、麻雀ゲーム進行上のランダム要素についてはすべてアルゴリズムを公開することが望ましい。
【0067】
<アルゴリズムの例>(図10参照)山牌生成のアルゴリズムとしては、各プレイヤーの乱数の種(プレイヤーシード)PSを連結して、上述のごとく不確定要素UEを加味して、乱数の種を完成させる。初期値として山牌を順番にセットし、完成した乱数の種を使って山牌すべてをランダムにSWAPさせる動作を行う。使用する乱数によっては、複数回に分けて山牌を入れ替える。例えば完成した乱数の種が640bitで、使用する乱数のシードが128bit長の場合、640/128回ループすることとなる。
【0068】
本実施形態によれば、CPU(コンピューター)40がランダムに抽選を行い該抽選結果に基づいて牌を各プレイヤーに配る麻雀ゲームにおいて、プレイヤーが抱くことのある公平性に対する不満や疑念を解消することができる。すなわち、山牌の生成に対する公正さが証明されることで、「コンピューター麻雀では、ゲームメーカーやサービス提供者等が意図的に操作するといった関与やコントロール等の不正行為がされている」という旨の風評、吹聴、噂などが実在している場合や、そのように思い込んでいるプレイヤーが存在している場合に、このような乱数の種(プレイヤーシード)PSを用いるゲームにおいてゲームメーカー等の作為が働く余地がないこと、ゲーム進行が公明正大に行われていることを証明することができる。このように、本実施形態のゲームシステム1は、山牌の生成等において作為的な操作が行われていないことをシステム的に担保された状態でCPU40を実装し、こうしたユーザーの不満を解消する。したがって、コンピューター麻雀ゲームに不満や疑念を抱くなど否定的見解を有するプレイヤー等、ゲーム愛好者やユーザー等に安心感を与え、遊戯するモチベーションを高め、プレイヤー離れを抑止することに供しうる。
【0069】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態は本発明を麻雀ゲームに適用したものであり、乱数の種を用い、所定のアルゴリズムによる抽選結果を各プレイヤーに配られる麻雀牌に反映させるようにしたがこれは好適な一例にすぎず、この他、オンラインポーカー、ボードゲーム、落ちモノパズルなどといった、コンピューターが抽選を行う対戦ゲーム全般において適用することが可能である。また、上述した実施形態においては、抽選結果が反映されるアイテムが各プレイヤーに配られる麻雀牌ということであったが、他の対戦ゲームにおいては当該ゲームで各プレイヤーに配られるカード等がここでいうアイテムに該当することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、対戦ゲームにおいて無作為に抽選を実施して該抽選結果を遊戯内容に反映させるゲームに適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0071】
1…ゲームシステム
10…アミューズメント施設
12…ゲーム装置
14…処理装置
15…ディスプレイモニター
16…メンバーズカード
18…ICカードI/F
20…LAN
22…インターネット
24…タッチパネル
26…選択ボタン
28…実行ボタン
30…プレイデータ管理サーバー
32…筐体
34…ディスプレイモニター
36…コイン投入部
40…CPU(コンピューター)
42…システムメモリ
44…バスアービタ
46…プログラムデータ記憶装置または記憶媒体
48…BOOTROM
50…レンダリングプロセッサー
52…グラフィックメモリ
54…ディスプレイモニター
56…サウンドプロセッサー
58…サウンドメモリ
60…スピーカー
62…通信インターフェース
64…モデム
66…ペリフェラルI/F
68…ペリフェラルI/F
70…手牌(アイテム)
72…指
74…カーソル
76…カーソル
78…捨牌
80…鳴き牌
82…相手プレイヤーの手牌
84…ドラ表示牌
86…自摸切り牌
88…手牌の中から捨てた牌
90…アイコン
92…アイコン
PS…乱数の種またはプレイヤーシード(プレイヤーに固有の部分乱数種)
UE…不確定要素(不確定な共通乱数種)
図1
図2
図3
図9
図10
図4
図5
図6
図7
図8