特許第5979581号(P5979581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979581
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】掃除口の固定構造
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
   E03D11/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-57304(P2012-57304)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-189817(P2013-189817A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】永冨 実花
(72)【発明者】
【氏名】松井 利樹
(72)【発明者】
【氏名】久保 英次
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 隆
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−141881(JP,U)
【文献】 実開平06−079879(JP,U)
【文献】 特開2003−003552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00 − 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物を受けるボウル部と、このボウル部の下方より上昇する上昇管路およびこの上昇管路の端部から下降する下降管路からなる排水路と、を備え、前記下降管路の上部側方には、前記排水路と外部を連通する連通孔が設けられ、この連通孔に前記排水路に連通した状態で前記排水路の側壁から突出する筒状の掃除口が固定されている水洗大便器において、
前記連通孔に前記掃除口挿入されている状態で、
前記排水路内に位置する前記掃除口の外周に設けられた第1挟着用部材と、
前記側壁から外部へ突出した前記掃除口の外周面に設けられたねじ山に螺合可能なねじ山を有し、前記突出した掃除口の一端側から他端側へ移動可能に前記掃除口に螺合された第2挟着用部材とで、
前記側壁と、
前記第1挟着用部材と前記側壁との間に挟着され、外周が傾斜しておりその傾斜した外周面が前記連通孔の内側周縁に当接するパッキンと、
前記第2挟着用部材と前記側壁との間に挟着され、前記排水路内の汚水が外部へ漏れないよう前記側壁および前記掃除口に水密に密着可能な密着部を有する弾性部材と、
挟み込まれた状態で、前記掃除口前記連通孔に挟着固定されていることを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記弾性部材は、環状の基部と、前記基部の上面および内周面のそれぞれに周状に立設され、その先端部分に前記密着部を形成するリブと、を有し、
前記リブの断面は、前記側壁もしくは前記掃除口に近いほど幅が小さいことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗便器に係り、特に掃除口を有する水洗便器に関する発明である。

【背景技術】
【0002】
従来より、排水路内に異物が詰まった際に、便器を取り外すことなくその異物を除去するために排水路に連通する掃除口を設けた水洗大便器が知られている。その一例として、特許文献1に開示された水洗大便器が挙げられる。特許文献1に開示された水洗大便器は、排水路に連通する状態で後方に突出させて設けた短い円筒状をなす掃除口を有しており、この円筒状の掃除口は便器と一体に陶器にて形成されている。このように掃除口を突設することにより、点検時等に掃除口より流出する排水路内の汚水を受ける容器を配置するための空間を掃除口下方に確保することができる。なお、掃除口の先端には、掃除口蓋を密着させる固定フランジが一体に形成されており、掃除口蓋は複数のボルトとナットによってその固定フランジに固定される。
【0003】
通常、上記構成の水洗大便器は、便器本体の形状に成形された泥漿に、この便器本体とは別途に成形された円筒状の泥漿および肉薄の円環状の泥漿を接着した後、焼成され製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−302987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、そのように円筒状の掃除口が一体に形成された水洗大便器は、その製造工程において、便器本体の形状に成形された泥漿や、これに接着される各泥漿のそれぞれの形状、大きさ、含有水分量等の違いに起因して生じる乾燥度合いの差から、焼成時にそれらの接着面に亀裂が入りやすく、歩留まりが悪いという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、焼成後の水洗大便器に円筒状の掃除口を別途取り付ける方法が考えられる。その一例として、焼成後の便器本体の排水路と連通する連通孔に円筒状の部材を挿入し、これを便器本体に固定する方法が挙げられる。しかし、この方法では、陶器製の便器本体の焼成時の収縮率のばらつきに起因して生じる陶器の表面粗さから、円筒状の部材を便器本体に固定する際、様々な部分に排水路と外部を連通する隙間を生じてしまい、汚水が漏出しやすくなるという恐れがある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、排水路に連通した状態で水洗便器側壁から突出する筒状の掃除口を陶器製の水洗便器に固定する掃除口の固定構造において、高い水密性を有する掃除口の固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る掃除口の固定構造を備えた水洗大便器は、汚物を受けるボウル部と、このボウル部の下方より上昇する上昇管路およびこの上昇管路の端部から下降する下降管路からなる排水路と、を備え、下降管路の上部側方には、排水路と外部を連通する連通孔が設けられ、この連通孔に排水路に連通した状態で排水路の側壁から突出する筒状の掃除口が固定されている水洗大便器において、連通孔に掃除口挿入されている状態で、排水路内に位置する掃除口の外周に設けられた第1挟着用部材と、側壁から外部へ突出した掃除口の外周面に設けられたねじ山に螺合可能なねじ山を有し、突出した掃除口の一端側から他端側へ移動可能に掃除口に螺合された第2挟着用部材とで、側壁と、第1挟着用部材と側壁との間に挟着され、外周が傾斜しておりその傾斜した外周面が連通孔の内側周縁に当接するパッキンと、第2挟着用部材と側壁との間に挟着され、排水路内の汚水が外部へ漏れないよう側壁および掃除口に水密に密着可能な密着部を有する弾性部材と、挟み込まれた状態で、掃除口連通孔に挟着固定されていることを特徴とする。


【0009】
このように構成された本発明においては、水洗便器側面から外部へ突出した掃除口の一端側から他端側へ移動可能に螺合された第2挟着用部材の移動量を調節することにより、第1挟着用部材と第2挟着用部材とで弾性部材を挟み込む力を調節することができる。これにより、その弾性部材が有する水洗便器の側壁に水密に密着可能な密着部に作用する圧力の調節が可能となる。特に第2挟着用部材は螺合に基づいて移動することから、段階的な調節ではなく、連続的な調節が可能であるため、例え各部の収縮誤差に起因して表面に凹凸が生じやすい陶器の表面であっても、その表面と弾性部材との間に、外部へ汚水を漏出させる隙間が生じないよう、適した圧力を弾性部材に作用させることができる。また、パッキンの傾斜した外周面によって、掃除口の軸心が、連通孔の中心軸に一致するように誘導されるため、掃除口が側壁の表面に対して傾いた状態で固定されることを防止することができる。さらに、弾性部材は、掃除口に水密に密着可能な密着部を有しているため、掃除口と弾性部材の間から汚水が漏れることを防止することができる。したがって、焼成後の水洗便器に筒状の掃除口を固定する場合であっても、高い水密性を実現することができる。
【0010】
本発明は、好ましくは、弾性部材は、環状の基部と、基部の上面および内周面のそれぞれに周状に立設され、その先端部分に密着部を形成するリブと、を有し、リブの断面が、側壁もしくは掃除口に近いほど幅が小さくなるよう構成されている。
【0011】
のように構成された本発明においては、密着部を有するリブの断面が、水洗便器側壁もしくは掃除口に近いほど小さくなるよう形成されているため、その側壁もしくは掃除口に近い密着部ほど水洗便器側壁もしくは掃除口との密着面積が小さく、その分大きな圧力を受けやすいことから、密着部が変形しやすくなる。したがって、表面に凹凸を生じやすい陶器の表面や掃除口に対しても、この密着部の変形のしやすさによって、より密着部が陶器もしくは掃除口表面に密着しやすくなるため、より確実に高い水密性を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の掃除口の固定構造によれば、排水路に連通した状態で水洗便器側壁から突出する筒状の掃除口を陶器製の水洗便器に固定する場合であっても、特に高い水密性を実現することができる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】掃除口が固定される前の水洗大便器の縦断面図。
図2】本発明の第1実施形態に係る掃除口の固定構造を有する水洗大便器の背面図。
図3】本発明の第1実施形態に係る掃除口の固定構造部の断面図。
図4】本発明の第1実施形態に係る掃除口の固定構造部の分解図。
図5】本発明の第1実施形態におけるリブ付パッキンの平面図。
図6】本発明の第1実施形態におけるリブ断面の拡大図。
図7】本発明の第1実施形態における掃除口の閉塞構造部の分解図。
図8】本発明の第2実施形態に係る掃除口の固定構造部の断面図。
図9】本発明の第2実施形態に係る掃除口の固定構造部の分解図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、掃除口が固定される前の水洗大便器の縦断面図である。図1に示すように、水洗大便器2は、汚物を受けるボウル部8およびボウル部8の下方に接続された排水管路4(排水路)を有しており、排水管路4は、ボウル部8下方より上昇する上昇管路10と、上昇管路10の端部から下降する下降管路12からなっている。そして、下降管路12の上部側方には、排水路と外部を連通する連通孔6が設けられている。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態に係る掃除口の固定構造を有する水洗大便器の背面図であり、図3は掃除口の固定構造部の断面図である。また、図4は、この掃除口の固定構造部の分解図である。
【0017】
本実施形態の掃除口の固定構造は、図4に示す各部材を組み合わせたものであるため、これら一つ一つの部材について説明していく。
【0018】
14は、一端にフランジ14a(第1挟着用部材)を有する円筒部材(特許請求の範囲における掃除口に相当)であって、その外周には、フランジ14aが設けられていない方の一端側より所定の距離に亘って雄ねじ14bが形成されている。なお、この円筒部材14はステンレス鋼からなるものである。16は、断面形状が台形をなすパッキンであり、図3に示すように、外周面が傾斜した形状となっている。18は、図5に示すように、環状の基部18aの上面および内周面のそれぞれにリブ18b、18cが周状に立設された、水密性及び弾性が高いゴム等の弾性素材からなるリブ付パッキン(弾性部材)である。20はリブ付パッキン18を収容するワッシャーであり、22および24は、円筒部材14に形成されている雄ねじ14bに螺合する雌ねじを内周面に有する六角ナットである。
【0019】
次に、図4の各部材の取り付け手順について説明する。まず、円筒部材14の雄ねじ14bが形成された一端側から、パッキン16を、その外径がフランジ14a側に拡径する向きに嵌め込む。そして、この円筒部材14を、水洗大便器2の底部から下降管路12を通して、雄ねじ14bが形成された一端側から連通孔6に挿入する。このとき、パッキンの傾斜した外周面が、図3に示すように排水管路4側の連通孔6の周縁に当接すると共に、円筒部材14の一部が、水洗大便器2の側壁2aの外表面より突出した状態となる。
【0020】
続いて、リブ付パッキン18をワッシャー20の窪み部20aに収納し、リブ付パッキン18のリブ18bが側壁2aの外表面に当接するよう、ワッシャー20を側壁2aから突出している円筒部材14に嵌め込む。そして、円筒部材14の先端より、六角ナット22(第2挟着用部材)の雌ねじ22aを円筒部材14の雄ねじに螺合させ、この六角ナット22を締めていく。これにより、円筒部材14のフランジ14aと六角ナット22とにより、パッキン16とリブ付パッキン18を収容したワッシャー20が水洗大便器2の連通孔6周縁の側壁2aを挟んで締め付けられるので、円筒部材14が、水洗大便器2に固定された状態となる。この締め付け時においては、パッキン16の傾斜した外周面によって、円筒部材14の軸心が、連通孔6の中心軸に一致するよう誘導されるため、円筒部材14が、側壁2aの表面に対して傾いた状態で固定されることはほとんどなく、このときの締め付け力を調節することにより、リブ18bと側壁2aとの間に作用する圧力の大きさを調節することができる。
【0021】
最後に、もう一つの六角ナット24を円筒部材14の先端より螺合させ、先に取り付けられていた六角ナット22に締め付ける。これによって、六角ナット22が振動等の影響を受けて緩むことを防止することができる。
【0022】
このようにして、円筒部材14が固定された水洗大便器においては、パッキン16は、連通孔6周縁とフランジ14aとの間にかかる大きな圧力によって、陶器である連通孔6周縁が損傷(例えば、割れなど)しないように、その力を緩衝する機能を果たす。
【0023】
ここで、上記締め付け時における、リブ付パッキン18のリブ18b、18cの挙動について説明する。図6は、リブ18bの断面の拡大図であり、この図に示すように、リブ18bの側壁2a表面に密着可能な密着部18dは、断面視において円弧状に形成されているため、側壁2aに近い程、リブ18bの断面の幅が小さくなる。したがって、側壁2aに近い程、密着部18dに作用する圧力は大きくなり、その密着部18dは変形しやすい。したがって、リブ18bが密着する対象が、例え焼成時の収縮誤差に起因して表面に凹凸を生じやすい陶器であっても、フランジ14aと六角ナット22とによる上記締め付け力を調節し、リブ18bと側壁2aとの間に最適な圧力を作用させることによって、リブ18bがその全周に亘って陶器の表面の凹凸になじむよう変形し、リブ18bが側壁2aに密着する。同様に、もう一方のリブ18cも、先端の断面が円弧状に形成されているため、円筒部材14に対して高い密着性を有している。このように、リブ18b、18cがそれぞれ便器表面および円筒部材14外表面に対して高い密着性を有しているため、排水管路4から、パッキン16と連通孔6周縁との間に発生している隙間を通過し、便器の外表面側に流出してきた汚水が外部に漏れるのを確実に防止することができ、高い水密性を実現することができる。
【0024】
なお、この円筒部材14の雄ねじが形成されている先端には、図7に示すように、内周面に円筒部材14の雄ねじ14aと螺合する雌ねじ30bが形成された蓋体30の凹部30aに、パッキン32とスリップワッシャー34を嵌め込み、この蓋体30を円筒部材14の先端に螺合することにより、円筒部材14先端の開口15の閉塞が可能になっている。この蓋体30は、いたずらなどによってむやみに円筒部材14から取り外されないよう、蓋体30の上面に設けられた凹部(図示省略)に所定の工具を差し込むことによってのみ取り外しできるようになっている。また、この蓋体30の円筒部材14への着脱は、所定の工具を用いて蓋体30を回転させるだけで良いため、点検時等における作業性が非常に良い。なお、この蓋体30は、排水管路4内部の様子を外部から確認できるよう透明な部材からなることが好ましい。蓋体30が透明であれば、排水管路4内部で異物が詰まった際に排水管路4内部のいずれの位置において異物の詰まりが生じているのかを蓋体30を取り外す前に把握することができる。すなわち、異物が詰まった場合、外部より排水管路4内部の様子を確認したときに、排水管路4内部が汚水で満ちている状態であれば下降管路12もしくは下降管路12の下端に接続された管路において異物の詰まりが生じており、そうでない場合は上昇管路10において異物の詰まりが生じていることが分かる。
【0025】
次に、本発明の掃除口の固定構造に係る第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態に係る掃除口の固定構造部の断面図であり、図9は第2実施形態に係る掃除口の固定構造部の分解図である。
【0026】
第1実施形態と同様、第2実施形態に係る掃除口の固定構造は、図9に示す各部材を組み合わせたものであるため、それら一つ一つの部材について説明していく。
【0027】
36は、一端にテーパ状のフランジ36aを有する円筒部材であって、このテーパ状フランジ36aを除く円筒部材36の外周には雄ねじ36bが形成されている。なお、テーパ状フランジ36aは、その外周の最大直径が水洗大便器2の連通孔6の直径よりも小さくなるよう形成されている。38は、内周面がテーパ状フランジ36aの外周と密着するようなされた傘状のパッキンである。40はパッキン18と同様に、環状の基部40aの上面および内周面にそれぞれリブ40b、40cを有するリブ付パッキンである。そして、42はスリップワッシャーであり、44は、円筒部材36の雄ねじ36bに螺合する雌ねじ44aが内周面に形成されたフランジ付ナットである。
【0028】
次に、図9の各部材の取り付け手順について説明する。まず、水洗大便器2の外部から、連通孔6に円筒部材36を挿入する。この際、テーパ状フランジ36が設けられた一端側から円筒部材36を挿入する。そして、水密性及び弾性が高いゴム等の弾性素材からなるパッキン38を変形させ連通孔6に入れ込んだ後、このパッキン38を、テーパ状フランジ36が設けられていない円筒部材36の一端側から嵌め込む。その後、雄ねじ36bが形成された円筒部材36が便器外表面より突出するよう、円筒部材36を外部側に引っ張る。このとき、外周面の一部の直径が連通孔6の直径よりも大きくなるように形成されているパッキンが連通孔6の周縁に当接するため、この円筒部材36が連通孔6から外部へ抜け出ることはない。
【0029】
続いて、フランジ付ナット44の窪み部44bにスリップワッシャー42およびリブ付パッキン40を順に収容し、便器外表面より突出した円筒部材36の先端から、フランジ付ナット44の雌ねじ44aを円筒部材36の雄ねじ36bに螺合させ、フランジ付ナット44を締めていく。これにより、円筒部材36のフランジ36aとフランジ付ナット44とにより、パッキン38とリブ付パッキン40およびスリップワッシャー42が水洗大便器2の連通孔6周縁の側壁2aを挟んで締め付けられるので、円筒部材36が水洗大便器2に固定された状態となる。
【0030】
本実施形態においては、水洗大便器2に円筒部材36を固定する際、第1実施形態のように円筒部材等を水洗大便器2の底部から回し込む必要がなく、便器外部からの作業のみで済むため、作業性が非常に良い。特に、通常、人が持ち上げることが困難な程の重さを有する陶器製の大便器においてはなおさらである。
【符号の説明】
【0031】
2…水洗大便器
2a…側壁
3、5…掃除口固定構造部
4…排水管路
6…連通孔
8…ボウル部
10…上昇管路
12…下降管路
14、36…円筒部材
14a…フランジ
14b、36b…雄ねじ
15、17…開口
16、32、38…パッキン
18、40…リブ付パッキン
18a、40a…基部
18b、18c、40b、40c…リブ
18d…密着部
20…ワッシャー
20a…窪み部
22、24…六角ナット
22a、24a、44a…雌ねじ
34、42…スリップワッシャー
30…蓋体
30a…凹部
36a…テーパ状フランジ
44…フランジ付ナット
44b…窪み部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9