(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式(I)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位のモル数(m)と式(II)で示される二酸化イオウ単位のモル数(n)の比(m/n)が、1/1〜99/1である、請求項1に記載の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体。
前記極性溶媒が、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミド、からなる群から選ばれる一種以上である、請求項3に記載の(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
先ず、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体(以下、「本発明の共重合体」ともいう)について説明する。
【0018】
【化4】
(nは2〜5の整数、R
1は水素原子又はメチル基、R
2、及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基、R
4は水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が7〜10のアラルキル基、X
−はカウンターイオンを表す。)
で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位と、式(II)
【0019】
【化5】
で示される二酸化イオウ単位を含む。
【0020】
本発明の共重合体としては、上記式(I)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位と上記式(II)で示される二酸化イオウ単位とがランダムに結合しているランダム共重合体が特に好ましい。
【0021】
また、本発明の共重合体は、式(I)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位および式(II)で示される二酸化イオウ単位とともに第三の単位を含んでいてもよく、このような第三の単位として、例えば、ジアリルアミン付加塩、ジアリルメチルアミン付加塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩等から導かれる構成単位を挙げることができ、ジアリルアミン付加塩またはジアリルメチルアミン付加塩を構成する付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、アミド硫酸塩、メタンスルホン酸塩を例示することができ、ジアリルジメチルアンモニウム塩を構成するアンモニウム塩としては、アンモニウムクロリド、アンモニウムブロミド、アンモニウムヨージドを例示することができる。
第三の単位は1種類のみを使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0022】
本発明の共重合体において、上記式(I)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位のモル数(m)と式(II)で示される二酸化イオウ単位のモル数(n)の比(m/n)は1/1〜99/1であることが好ましく、1/1〜9/1であることがより好ましく、1/1〜3/1が更に好ましい。
上記式(I)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位と式(II)で示される二酸化イオウ単位とともに第三の単位を含む場合、第三の単位の含有割合は、式(I)の構成単位と式(II)の構成単位の合計量を基準(100モル%)にして10モル%以下が好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
【0023】
本発明の共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量で、通常500〜10,000、好ましくは800〜3,000の範囲である。
【0024】
次に、本発明の共重合体の製造方法について説明する。
本発明の共重合体の好適な製造方法は、式(III)
【0025】
【化6】
(nは2〜5の整数、R
1は水素原子又はメチル基、R
2、及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基、R
4は水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が7〜10のアラルキル基、X
−はカウンターイオンを表す。)
で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを、極性溶媒中でラジカル重合させることを特徴とする。
【0026】
本発明の製造方法に用いる一般式(III)の(メタ)アクリルアミド類としては、R
1が水素原子のときは4級カチオン性アクリルアミド類となり、一方、R
1がメチル基のときは、4級カチオン性メタクリルアミド類となる。
【0027】
R
2、及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基、R
4は水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が7〜10のアラルキル基である。
【0028】
X
−のカウンターイオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、カルボン酸イオン、ジカルボン酸イオン、リン酸イオン、メチルスルホン酸等のアルキルスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、スルファミン酸イオン、メチルサルフェート等のアルキルサルフェートを例示できる。
【0029】
4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類としては、
(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノエチルトリプロピルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノエチルトリブチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリブチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノブチルトリメチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノブチルトリエチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノブチルトリプロピルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノブチルトリブチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノペンチルトリメチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノペンチルトリエチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノペンチルトリプロピルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノペンチルトリブチルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノジエチルベンジルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノジプロピルベンジルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノジブチルベンジルアンモニウムクロリド、
(メタ)アクリロイルアミノジペンチルベンジルアンモニウムクロリド、
等の(メタ)アクリルアミド類の4級アンモニウムクロリドを例示できるが、これらには限定されない。
【0030】
本発明の共重合体の好ましい製造方法においては、原料として上記式(III)で示される4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとが用いられ、二酸化イオウの使用量に対する(メタ)アクリルアミド類の使用量の比(4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類の使用量/二酸化イオウの使用量)には特に制限はなく、得ようとする共重合体において求められる4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類単位のモル数(m)と二酸化イオウ単位モル数(n)の比(m/n)によって変動するが、モル比で、0.5/1〜99/1であることが好ましく、0.75/1〜50/1であることがより好ましい。
二酸化イオウの使用量に対する4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類の使用量の比が0.5/1以上では4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類の単独重合が抑制され共重合体が生成され易く、99/1以下では重合反応が適切に進行する。
【0031】
本発明の共重合体の好ましい製造方法において用いられる極性溶媒には特に制限はないが、例えば、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルアセトアミドから選ばれる一種以上を用いることが好ましい。
本発明の共重合体の好ましい製造方法において通常用いられる、ラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムのような無機過酸化物、第三ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物、硝酸アンモニウム、硝酸カリウムのような硝酸塩、2、2’−アゾビスイソブチロニトリルのような脂肪族アゾ化合物等を挙げることができる。
これらのアゾ系ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、空気等の酸素を含む気体を原料に加えたり、放射線、紫外線、可視光線を原料に照射することによってラジカル重合を開始させてもよい。
【0032】
本発明の共重合体の好ましい製造方法においては、通常、上記極性溶媒中に4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを溶解させた溶液を調製した後、これにラジカル重合開始剤を加えることにより、重合を開始する。
重合温度は0〜100℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。また、重合時間は2〜120時間が好ましい。
本発明の共重合体の好ましい製造方法においては、室温下、常圧でも反応が進行するため、耐圧反応器等の特別な反応装置を必要とせずに、簡便な方法で目的とする共重合体を製造することができる。
反応終了後、本発明の共重合体を含む溶液にイソプロピルアルコール等の溶媒を加えることにより、本発明の共重合体を再沈させ、ろ取することもできる。
上記の通り、本発明の共重合体の製造方法によれば、簡単な操作により安価に目的とする共重合体を製造することができる。
【0033】
本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体は、レベリング剤用途に好適に使用することができる。以下、本発明の共重合体を用いたレベリング剤について説明する。上記レベリング剤は、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体を含み、好ましくは酸性銅メッキ浴に用いられる銅メッキ液に含まれるレベリング剤である。
上記レベリング剤は、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体を含んでいればよく、その構成にそれ以外の制限はない。したがって、上記レベリング剤が本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体のみで構成されていてもよいし、上記レベリング剤が本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体とそれ以外の成分とで構成されていてもよい。
それ以外の成分について特に制限はなく、本技術分野で通常用いられている成分1種類又は2種類以上を適宜使用することができる。例えば、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体以外の、レベリング作用を有する共重合体、後述の(ii)ポリマー成分(iii)ブライトナー成分等と組み合わせてもよい。
【0034】
上記レベリング剤を含む銅メッキ液は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
当該銅メッキ液は、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体(i)を含んでいればよく、その構成にそれ以外の制限はない。好ましい銅メッキ液としては、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体(i)に加えて、ポリマー成分(ii)、ブライトナー成分(iii)、銅イオン源となる化合物(iv)、並びに/又は、有機酸及び/若しくは無機酸(v)を含む組成物を挙げることができる。
【0035】
前記(i)成分である4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体の濃度は、最終的な酸性銅メッキ浴の組成中において、10〜1200mg/Lであることが好ましく、特に50〜500mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0036】
前記(ii)成分であるポリマー成分は、メッキ液の濡れ性を向上させる湿潤剤として作用するものであり、このようなものとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテルおよびポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルなどを例示することができる。
ここで、ポリエチレングリコールとしては、オキシエチレン単位の繰り返し数が10〜500の範囲、ポリプロピレングリコールとしては、オキシプロピレン単位の繰り返し数が1〜20の範囲にあるものが好ましく用いられる。
【0037】
本実施形態においては、(ii)成分として、これらのポリマー成分を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、該(ii)成分の濃度は、最終的な酸性銅メッキ浴の組成中において、100〜20000mg/Lであることが好ましく、特に1000〜10000mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0038】
前記(iii)成分であるブライトナー成分は、メッキの結晶配列を均一化する作用を有している。このようなものとしては、メルカプトアルキルスルホン酸塩、有機ジスルフィド化合物およびジチオカルバミン酸誘導体などを例示することができる。
本実施形態においては、(iii)成分として、ブライトナー成分を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、該(iii)成分の濃度は、最終的な酸性銅メッキ浴の組成中において、0.02〜200mg/Lであることが好ましく、特に0.2〜5.0mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0039】
前記(iv)成分である銅イオン源となる化合物としては、通常酸性溶液において溶解する銅化合物であればよく、特に制限はない。この銅化合物の具体例としては、硫酸銅(五水和物が好ましい)、酸化銅、塩化銅、炭酸銅、ピロリン酸銅や、メタンスルホン酸銅、プロパンスルホン酸銅等のアルカンスルホン酸銅、プロパノールスルホン酸銅等のアルカノールスルホン酸銅、酢酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅などの有機酸銅及びその塩などが挙げられる。これらの銅化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
この(iv)成分からもたらされる銅イオンの濃度は、酸性銅メッキ浴の組成において、10〜75g/Lであることが好ましく、15〜65g/Lであることがより好ましい。特に、酸性銅メッキ浴がスルーホールメッキ及び樹脂フィルムメッキ用の場合は、銅イオンとして15〜30g/Lが、ブラインドビアホールメッキ用の場合は、銅イオンとして25〜65g/Lとすることが、それぞれ好ましい。
銅イオン源として硫酸銅五水和物を用いる場合、メッキ浴におけるその濃度は40〜300g/Lであることが好ましい。また、スルーホールおよび金属スパッタフィルム用としては、好ましくは60〜120g/Lであり、ブラインドビアホール用としては、好ましくは100〜250g/Lである。
【0041】
また、(v)成分である有機酸及び/若しくは無機酸としては、銅を溶解しうるものであればよく、特に制限はない。
この有機酸若しくは無機酸の好ましい具体例としては、硫酸を始め、メタンスルホン酸、プロパンスルホン酸等のアルカンスルホン酸類、プロパノールスルホン酸等のアルカノールスルホン酸類、クエン酸、酒石酸、ギ酸などの有機酸類などが挙げられる。これらの有機酸や無機酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この(v)成分の有機酸や無機酸の濃度は、酸性銅メッキ浴の組成において、30〜300g/Lであることが好ましく、50〜250g/Lであることがより好ましい。特に、スルーホールメッキおよび樹脂フィルムメッキ用として使用する場合は、150〜250g/Lが、ブラインドビアホールメッキ用として使用する場合は、50〜150g/Lとすることが、それぞれ好ましい。
有機酸や無機酸として硫酸を用いる場合、メッキ浴におけるその濃度は30〜300g/Lであることが好ましい。また、スルーホールおよび金属スパッタフィルム用としては、好ましくは150〜250g/Lであり、ブラインドビアホールとしては、好ましくは50〜150g/Lである。
【0042】
本実施形態の銅メッキ液、及びこれを用いる酸性銅メッキ浴には、前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)成分の他に、(vi)成分として塩素イオンを、濃度20〜100mg/Lで含有させることが好ましく、特に30〜70mg/Lで含有させることが好ましい。
このような組成の酸性銅メッキ浴を用いることにより、銅メッキ後の銅メッキ付き部材の表面粗さを、銅メッキ前の表面粗さより小さくするという効果が実現でき、銅メッキ付き部材の表面の乱反射が少なくなるため光沢が上がる。
【0043】
上記の銅メッキ液を用いる銅メッキ方法、銅メッキ付き部材の製造方法は、本発明の好ましい実施形態のひとつである。
本実施形態のメッキ方法、製造方法は、上記の銅メッキ液を用いればよく、それ以外の制限は特に存在しないが、例えば、前述の酸性銅メッキ浴を用い、(1)穴あけされ、かつ導電化処理された基板をメッキ処理する方法および(2)表面に金属被覆が形成された樹脂フィルムをメッキ処理する方法の2つを、その好ましい態様として例示することができる。
【実施例】
【0044】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何等限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例における共重合体の重量平均分子量の測定は、下記の方法に従って行った。
〈共重合体の重量平均分子量の測定〉
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器、カラムはアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)とをダブルに接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調整し、20μlを用いた。溶離液には、0.4mol/lの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に共重合体の重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0045】
(実施例1)
[(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体の製造
攪拌機、ジムロート還流冷却器、温度計を備えた3ツ口フラスコに、原料である、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドモノマー150g(0.73モル)を仕込み、これに水150gを加えモノマー濃度を50質量%に調整した後、室温下で攪拌しながら、二酸化イオウ93g(1.45モル)をモノマーに対し加え溶解して原料水溶液を得た。次いで、濃度28.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液(以下APSと記載する)0.15gを適宜分割して、室温に維持された上記原料水溶液に加えて24時間反応させ、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体を含む水溶液を得た。
反応終了後、上記(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体を含む水溶液にイソプロピルアルコールを加えて再沈し、沈殿物をろ別し、この沈殿物を40℃で24時間真空乾燥し、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体を得た。
【0046】
得られた(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体の赤外分光スペクトルを
図1に示す。1300cm
−1、1130cm
−1に二酸化イオウに起因する吸収ピーク、1660cm
−1にアミドに起因する吸収ピークが観察され、得られた共重合体が(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体であることを支持している。
また、GPC測定により重量平均分子量を測定したところ、得られた(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体の重量平均分子量は900であった。本測定において得られたGPCチャートを
図2に示す。
さらに、得られた(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体を蒸留水に溶解して1質量%水溶液を調製し、燃焼装置付き陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオン分析を実施したところ、塩化物イオン濃度863ppm、硫酸イオン濃度2,427ppm(イオウ濃度810ppm)であり、塩化物イオンとイオウのモル比が1:1であった。これより、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド単位のモル数(m)と二酸化イオウ単位のモル数(n)の比(m/n)が1/1であることが分かった。
【0047】
(実施例2)
[メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体の製造]
原料として、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの代わりにメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリドモノマー150g(0.68モル)を用い、水350gを加えモノマー濃度を30質量%とし、二酸化イオウ87g(1.36モル)を用いた以外は実施例1と同様にして操作した。
【0048】
得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体の赤外分光スペクトルを
図3に示す。1260cm
−1、1100cm
−1に二酸化イオウに起因する吸収ピーク、1660cm
−1にアミドに起因する吸収ピークが観察され、得られた共重合体がメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体であることを支持している。
また、GPC測定により重量平均分子量を測定したところ、得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体の重量平均分子量は1,600であった。本測定において得られたGPCチャートを
図4に示す。
さらに、得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−二酸化イオウ共重合体を蒸留水に溶解して1質量%水溶液を調製し、燃焼装置付き陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオン分析を実施したところ、塩化物イオン濃度875ppm、硫酸イオン濃度1,690ppm(イオウ濃度564ppm)であり、塩化物イオンとイオウのモル比が1:0.52であった。これより、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド単位のモル数(m)と二酸化イオウ単位のモル数(n)の比(m/n)が1.9/1(1:0.52)であることが分かった。
【0049】
(実施例3)
[メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートと二酸化イオウとの共重合体の製造
原料として、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの代わりにメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートモノマー150g(0.51モル)を用い、水225gを加えモノマー濃度を40質量%とし、二酸化イオウ65g(1.02モル)を用いた以外は実施例1と同様にして操作した。
【0050】
得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート−二酸化イオウ共重合体の赤外分光スペクトルを
図5に示す。1240cm
−1、1120cm
−1に二酸化イオウに起因する吸収ピーク、1660cm
−1にアミドに起因する吸収ピークが観察され、得られた共重合体がメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート−二酸化イオウ共重合体であることを支持している。
また、GPC測定により重量平均分子量を測定したところ、得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート−二酸化イオウ共重合体の重量平均分子量は1,700であった。本測定において得られたGPCチャートを
図6に示す。
さらに、得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート−二酸化イオウ共重合体を蒸留水に溶解して1質量%水溶液を調製し、燃焼装置付き陰イオンクロマトグラフィーによる陰イオン分析を実施したところ、硫酸イオン濃度3,367ppm(イオウ濃度1,124ppm)であった。また、得られたメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート−二酸化イオウ共重合体を蒸留水に溶解して0.9質量%水溶液を調製し、コロイド滴定を実施したところ、カチオン濃度は1.78×10
−3(mol/L)であった。これより、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート単位のモル数(m)と二酸化イオウ単位のモル数(n)の比(m/n)が2.8/1(1:0.36)であることが分かった。
【0051】
(比較例1)
[アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体の製造
原料として、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの代わりにアクリルアミド150g(2.11モル)を用い、水64.3g加えてモノマー濃度70質量%とし、二酸化イオウ135g(2.11モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
操作終了後、得られた溶液を用いてGPC測定を行ったところ、アクリルアミド−二酸化イオウ共重合体は生成していないことが確認された。
【0052】
(比較例2)
[(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド単独重合体の製造
攪拌機、ジムロート還流冷却器、温度計を備えた3ツ口フラスコに、原料である、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド72g(0.35モル)を仕込み、これに水108gを加えモノマー濃度を40質量%に調整した後、フラスコ内温を60℃まで加温した。次いで、濃度28.5質量%のAPS水溶液0.36gを適宜分割して加えて24時間反応させ、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド単独重合体を得た。GPC測定により重量平均分子量は532,000であった。
【0053】
(比較例3)
[メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド単独重合体の製造
攪拌機、ジムロート還流冷却器、温度計を備えた3ツ口フラスコに、原料である、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド116g(0.53モル)を仕込み、これに水174gを加えモノマー濃度を40質量%に調整した後、フラスコ内温を60℃まで加温した。次いで、濃度28.5質量%のAPS水溶液0.58gを適宜分割して加えて24時間反応させ、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド単独重合体を得た。GPC測定により重量平均分子量457,000であった。
【0054】
(比較例4)
[メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートの製造
攪拌機、ジムロート還流冷却器、温度計を備えた3ツ口フラスコに、原料である、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート60g(0.20モル)を仕込み、これに水240gを加えモノマー濃度を20質量%に調整した後、フラスコ内温を60℃まで加温した。次いで、濃度28.5質量%のAPS水溶液0.24gを適宜分割して加えて24時間反応させ、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート単独重合体を得た。GPC測定により重量平均分子量は507,000であった。
【0055】
[電解銅メッキ用レベリング剤としての評価試験
実施例1〜3で得られた共重合体、比較例2〜4で得られた重合体の電解銅メッキ用レベリング剤としての性能評価のため、以下の組成の銅メッキ液を調製した。
(基準メッキ液の組成)
硫酸銅五水和物 90g/L
硫酸 180g/L
塩化物イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 250mg/L
3,3’−ジチオビス(1−プロパンスルホン酸ナトリウム) 2mg/L
【0056】
(実施例4)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体10mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0057】
(実施例5)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体20mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0058】
(実施例6)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体40mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0059】
(実施例7)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体60mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0060】
(実施例8)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体80mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0061】
(実施例9)
基準メッキ液に、実施例1の共重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0062】
(実施例10)
基準メッキ液に、実施例2の共重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0063】
(実施例11)
基準メッキ液に、実施例3の共重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0064】
(比較例5)
基準メッキ液に、比較例2の単独重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0065】
(比較例6)
基準メッキ液に、比較例3の単独重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0066】
(比較例7)
基準メッキ液に、比較例4の単独重合体110mg/Lを加え、銅メッキ液を調製した。
【0067】
(比較例8)
基準メッキ液のままとした。
【0068】
容量267mlのハルセル容器(山本鍍金試験器株式会社製)に、上記銅メッキ液を標線まで入れ、脱脂処理した黄銅製のテストピースを浸漬し、次の条件にて電解銅メッキを行った。
(銅メッキの条件)
電流値 2A(一定)
メッキ時間 10分
陽極 含りん銅
液温度 室温
攪拌方法 空気攪拌
【0069】
(評価方法)
銅メッキされたテストピース上の0.1、0.5、1、2、3、4、6、8、10A/dm
2の各電流密度に対応する位置における光沢度を次の条件で測定した。
銅メッキされたテストピース上の各電流密度に対応する位置における光沢度を、テストピースにB−61ハルセル電流密度早見板を当てて確認した。
使用機器 デジタル変角光沢計(スガ試験機株式会社製UGV−5D)
入射角 60°
受光角 60°
測定した結果を表1に示す。各実施例においては、広い電流密度範囲にわたって200以上の高い光沢度が観測され、本発明の4級カチオン性(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体を用いたレベリング剤が広い電流密度範囲にわたって優れたレベリング効果を示すことがわかった。
【0070】
【表1】
表中の「※」はテストピースにおける電流密度(A/dm
2)を表す。
表中の使用した重合体の略称は以下の通りである。
DMAPAA−Q:(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド
MAPTAC:メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド
MAPTAS:メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート
SO
2:二酸化イオウ