(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のデジタルカメラ1のブロック図である。本実施形態のデジタルカメラ1は、カメラ本体100と、レンズユニット200とを有する。
【0023】
カメラ本体100は、コントローラ111、撮像センサ121、電源スイッチ131、レリーズスイッチ132、設定スイッチ133、タッチパネルモニタ141及びメモリカードアダプタ151を有する。コントローラ111、撮像センサ121及びメモリカードアダプタ151は、カメラ本体100のケース101に内蔵されている。また、電源スイッチ131、レリーズスイッチ132、設定スイッチ133及びタッチパネルモニタ141は、ケース101の外側に露出している。
【0024】
カメラ本体100のケース101には、メモリカードスロット102が内蔵されており、メモリカードスロット102にメモリカードMを差し込んでメモリカードMをメモリカードアダプタ151に接続させることができる。メモリカードアダプタ151にメモリカードMが接続された状態では、コントローラ111は、メモリカードMにアクセスして撮影した画像データ等をメモリカードMに記憶させることができる。
【0025】
また、カメラ本体100のケース101の、撮像センサ121の近傍には、レンズユニット200を取り付けるための開口103が設けられている。開口103にレンズユニット200が取り付けられた状態では、レンズユニット200による像が、撮像センサ121の受光面上で結像する。撮像センサ121は、受光面上に結像した像に対応する映像信号を、コントローラ111に送信している。コントローラ111は、撮像センサ121から送られる映像信号を処理して所定の形式のビデオ信号を生成し、これをタッチパネルモニタ141に送信する。撮像センサ121は、通常(レリーズスイッチ132が押されていない状態)、周期的(例えば1/60秒おき)に1フレーム分の映像信号を出力しており、コントローラ111は受信した映像信号を逐次処理している。このため、タッチパネルモニタ141には、レンズユニット200が撮影した画像が動画として表示される。デジタルカメラ1の使用者は、タッチパネルモニタ141に表示される動画を確認しながら、撮影を行うことができる。
【0026】
図1に示されるように、電源スイッチ131、レリーズスイッチ132及び設定スイッチ133は、コントローラ111に接続されており、各スイッチが操作されるとコントローラ111は各スイッチに割り当てられている各機能を実行するように構成されている。
【0027】
電源スイッチ131は、撮影モードとスタンバイモードとを切り替える為のスイッチである。スタンバイモード時は、コントローラ111は、撮像センサ121、タッチパネルモニタ141、メモリカードアダプタ151及びレンズユニット200のモータ(後述)への電力供給を停止し、且つコントローラ111自身も省電力モードで動作するようになる。この結果、デジタルカメラ1の消費電力量は極めて小さい状態に保たれる。スタンバイモード時に電源スイッチ131が押されると、コントローラ111は省電力モードから通常モードに移行すると共に、撮像センサ121、タッチパネルモニタ141、メモリカードアダプタ151及びレンズユニット200のモータへの電力供給を再開する(撮影モードとなる)。
【0028】
撮影モード時に設定スイッチ133が押されると、タッチパネルモニタ141にメニュー画面が表示される。デジタルカメラ1の使用者は、タッチパネルモニタ141に表示されるメニュー画面を操作することによって、各種設定を行うことができる。例えば、静止画の撮影を行うか動画の撮影を行うかを選択することができる。
【0029】
撮影モード時であって静止画の撮影が選択されている場合、レリーズスイッチ132が押されると、撮像センサ121は、撮像センサ121の受光面上に結像した像を1フレーム分の高画質の映像信号として出力する。そして、コントローラ111は、撮像センサ121から出力された高画質の映像信号を処理して得られる静止画データを、タッチパネルモニタ141に静止画像として表示すると共にメモリカードMに記憶させる。
【0030】
一方、撮影モード時であって動画の撮影が選択されている場合、レリーズスイッチ132が押されると、コントローラ111は、撮像センサ121から出力された映像信号を逐次処理して得られる動画データを、タッチパネルモニタ141に動画像として表示すると共にメモリカードMに記憶させる。なお、動画撮影は、もう一度レリーズスイッチ132を押すか、あらかじめ設定された時間が経過した時に終了するようになっている。
【0031】
レンズユニット200の鏡筒201には、焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213が設けられている。デジタルカメラ1の使用者は、焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213を回転させることによって、焦点距離、ズーム及び絞り値の調整を行うことができる。
【0032】
また、レンズユニット200には、焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213の夫々を駆動する第1、第2及び第3のステッピングモータ221、222及び223が内蔵されている。カメラ本体100のコントローラ111は、上記第1、第2及び第3のステッピングモータ221、222及び223を制御することによって、焦点距離、ズーム及び絞り値の調整を行うことができる。また、焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213には、ロータリーエンコーダ(不図示)が内蔵されており、カメラ本体100のコントローラ111は、各ロータリーエンコーダの出力から、焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213の回転角度、すなわちレンズユニット200の焦点位置(合焦距離)、ズーム及び絞り値を検出することができる。
【0033】
本実施形態のデジタルカメラ1は、動画撮影時にフェードイン・フェードアウト等の画像効果を加えることが可能である(アクション機能)。以下、本実施形態のデジタルカメラ1のアクション機能について説明する。なお、当該アクション機能は、カメラ本体のコントローラ111が、下記の処理をプログラムとして実行することによって実現される。
【0034】
アクション機能を有効にする、或いはアクション機能の詳細設定を行う場合は、設定スイッチ133を操作して、メニュー画面をタッチパネルモニタ141に表示させ、メニュー画面を操作することによって行われる。
【0035】
図2は、アクション機能を有効にして動画の撮影を行う際にタッチパネルモニタ141に表示されるアクション選択画面である。
図2に示されるように、アクション選択画面には、「プリセットアクション」及び「カスタムアクション」と記載されたアクション選択ボタンB11及びB12が表示されている。「プリセットアクション」は、予めデジタルカメラ1に設定されている定型のアクション条件(撮影条件)に従って撮影するモードであり、「カスタムアクション」は、ユーザによって設定されたアクション条件に従って撮影するモードである。
【0036】
タッチパネル操作によりアクション選択ボタンB11が選択されると、タッチパネルモニタ141には、
図3に示されるプリセットアクション選択画面が表示される。プリセットアクション選択画面には、
図3に示されるように、「フェードイン」、「フェードアウト」、「フォーカスイン」、「フォーカスアウト」、「カラーイン」、「カラーアウト」、「デプスプラス」、「デプスマイナス」と記載されたプリセットアクションボタンB21a、B21b、B22a、B22b、B23a、B23b、B24a及びB24b、並びに「カスタム」と記載されたカスタムアクションボタンB25、及び完了ボタンB26が表示される。タッチパネル操作によりプリセットアクションボタンB21a〜B24bのいずれかを選択し、ついで、完了ボタンB29を操作すると、プリセットアクション選択画面で選択されたプリセットアクションが登録される。そして、レリーズスイッチ132が押された時に、登録されたプリセットアクションで撮影が実行される。また、タッチパネル操作によりプリセットアクションボタンB21a〜B24bのいずれかを選択し、ついで、カスタムアクションボタンB25を操作すると、選択されたプリセットアクションのアクション条件を一時的に変更した上で撮影を実行することができる(後述)。
【0037】
以下、各プリセットアクションの詳細について説明する。
図4は、「フェードイン」プリセットアクションが実行された場合の動画の一例を示したものである。なお、
図4に表示されている6枚の画像は、「フェードイン」プリセットアクションを実行することによって得られた動画から抽出したものであり、上側に示された画像の状態から下側に示された画像の状態へと徐々に移行していくことを示している。
図4に示されるように、「フェードイン」プリセットアクションが実行されると、撮影される動画は、時間が経過するにつれて徐々に明るくなる。具体的には、「フェードイン」プリセットアクションが実行されると、コントローラ111は、予めデジタルカメラ1に設定されている絞り値と時間との関係に基づいて、第3のステッピングモータ223を駆動して絞り調節リング213の絞りの開度を徐々に大きくしながら撮影を行う。なお、他の実施形態として、コントローラ111は、撮像センサ121の感度を徐々に高くする制御を行って、画像全体を徐々に明るくしながら撮影を行う。或いは、コントローラ111は、予めデジタルカメラ1に設定されているシャッター速度と時間との関係に基づいて、シャッター速度を徐々に遅くしながら撮影を行う(シャッター開となっている時間を長くする)、或いは、コントローラ111による画像処理によって、徐々に画像の輝度値を上げながら撮影することも可能である。またこれらを適宜併用しても良い。「フェードアウト」プリセットアクションは、「フェードイン」プリセットアクションとは逆に、撮影される動画の明るさを徐々に暗くするものである。なお、「フェードイン」処理が行われる時間(すなわち、画像が最も暗い状態から最も明るい状態に移行するまでに必要な時間)は固定されている。「フェードアウト」処理についても同様である。
【0038】
図5は、「フォーカスイン」プリセットアクションが実行された場合の動画を示したものである。なお、
図5に表示されている6枚の画像は、「フォーカスイン」プリセットアクションを実行することによって得られた動画から抽出したものであり、上側に示された画像の状態から下側に示された画像の状態へと徐々に移行していくことを示している。
図5に示されるように、「フォーカスイン」プリセットアクションが実行されると、撮影される動画は、最初は所定の距離の被写体像(主要被写体)にピントがあっていない状態(撮影画面中のどこにもピントがあっていない状態も含む)であり、時間が経過するにつれ徐々に主要被写体にピントがあった状態へと移行する。「フォーカスイン」プリセットアクションは、コントローラ111が第1のステッピングモータ221を駆動することによって実現される。具体的には、まず、動画像の撮影(記録)を行うことなく第1のステッピングモータ221を駆動し、主要被写体の像のコントラスト値が最大となった状態をピントがあった状態と判断し、その時の焦点位置調節リング211の位置を記録する。次に、主要被写体にピントがあっていない状態となるように、第1のステッピングモータ221によって焦点位置調節リング211を十分に移動させ、動画像の撮影を開始する。そして、動画像を撮影しながら上記記録した位置に徐々に近づくよう、第1のステッピングモータ221が駆動される。また、「フォーカスアウト」プリセットアクションは、「フォーカスイン」プリセットアクションとは逆に、主要被写体にピントがあった状態からピントがあっていない状態に徐々に移行するものである。なお、「フォーカスイン」処理が行われる時間(すなわち、ピントがあっていない状態からピントがあった状態に移行するまでに必要な時間)は固定されている。「フォーカスアウト」処理についても同様である。
【0039】
「カラーイン」プリセットアクションは、白黒の状態から徐々にカラーの画像へと移行するアクションである。このアクションは、コントローラ111の画像処理によって、画像の彩度を最低の状態(白黒画像となる)から徐々に上昇させることによって実現される。なお、「カラーアウト」プリセットアクションは、「カラーイン」プリセットアクションとは逆に、カラー画像から白黒画像に徐々に移行するものである。なお、「カラーイン」処理が行われる時間(すなわち、彩度が最小の状態から最大の状態に移行するまでに必要な時間)は固定されている。「カラーアウト」処理についても同様である。
【0040】
図6は、「デプスプラス」プリセットアクションが実行された状態での動画を示したものである。なお、
図6に表示されている6枚の画像は、「デプスプラス」プリセットアクションを実行することによって得られた動画から抽出したものであり、上側に示された画像の状態から下側に示された画像の状態へと徐々に移行していくことを示している。
図6に示されるように、「デプスプラス」プリセットアクションが実行されると、撮影される動画は、最初は被写界深度が浅い状態であり、時間が経過するにつれ徐々に被写界深度が深い状態へと移行する。「デプスプラス」プリセットアクションは、第3のステッピングモータ223を駆動して絞り調節リング213の絞りの開度を徐々に小さくすると共に、撮像センサ121の感度を徐々に上昇させる(画像処理により受光された信号を増幅する)ことによって実現される。なお、撮像センサ121の感度を上昇させる代わりに、画像処理によって画像の輝度値を徐々に上げる、或いはシャッター速度を徐々に遅くする、またはこれらを併用することによっても、同等の効果が得られる。なお、「デプスマイナス」プリセットアクションは、「デプスプラス」プリセットアクションとは逆に、被写界深度の深い状態から被写界深度の浅い状態に徐々に移行するものである。なお、「デプスプラス」処理が行われる時間(すなわち、被写体深度が最も浅い状態から最も深い状態に移行するまでに必要な時間)は固定されている。「デプスマイナス」処理についても同様である。
【0041】
また、
図2のアクション選択画面において、タッチパネル操作によりカスタムアクション選択ボタンB12が選択されると、タッチパネルモニタ141には、
図7に示される端点設定画面(1)が表示される。
【0042】
図7に示されるように、端点設定画面(1)には、アクションを開始時の初期状態(BEFORE)及びアクションを終了時の最終状態(AFTER)の合焦距離(FOCUS)、ズーム(ZOOM)、絞り値(Av.)、撮像センサ121の感度及び彩度を設定するためのスライダLB及びLAが表示される。なお、合焦距離、ズーム及び絞り値を設定する為のスライダLB及びLAは、レンズユニット200の焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213を模したデザインとなっている。カスタムアクション設定画面にて、タッチパネルを操作する(例えば、タッチパネルモニタ141に表示されているスライダLB又はLAをドラッグする)ことによって、初期状態(BEFORE)及び最終状態(AFTER)の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度を設定することができる。なお、端点設定画面(1)においては、スライダLBとLAの双方が編集可能であることを示すため、スライダLB及びLAは夫々枠FB及びFAに囲まれている。
【0043】
また、端点設定画面(1)には、アクション機能の実行時間を設定するためのプルダウンメニューP34が表示されている。デジタルカメラ1の使用者は、このプルダウンメニューP34を操作して、アクションが実行される時間(秒数)を指定することができる。
【0044】
なお、端点設定画面(1)は、
図3のプリセットアクション選択画面において、タッチパネル操作によりプリセットアクションボタンB21a〜B24bのいずれかを選択し、ついで、カスタムアクションボタンB25を操作した時にも呼び出されるようになっている。この場合、合焦距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の初期状態及び最終状態の表示内容は、選択されたプリセットアクションにおける各撮影パラメータの初期状態及び最終状態での値に設定される。
【0045】
図3におけるプリセットアクションボタンB22aに対応する「フォーカスイン」処理は、撮影直前に主要被写体までの距離(合焦距離)を検出(オートフォーカス動作)し、この合焦距離から十分離れた距離設定を初期状態、合焦距離設定を最終状態とするものである。同様に、
図3におけるプリセットアクションボタンB22bに対応する「フォーカスアウト」処理は、撮影直前に主要被写体までの距離を検出し、この合焦距離設定を初期状態、合焦距離から十分離れた距離設定を最終状態とするものである。このため、プリセットアクションボタンB22a及びB22bを選択した後にカスタムアクションボタンB25を操作した場合は、まずオートフォーカス動作によって主要被写体までの距離が検出される。そして、プリセットアクションボタンB22aが選択されている場合には、検出された主要被写体までの距離が最終状態(スライダLA)に設定され、初期状態(スライダLB)には、無限遠または最短撮影距離が自動的に設定される。一方、プリセットアクションボタンB22bが選択されている場合には、検出された主要被写体までの距離が初期状態(スライダLB)に設定され、最終状態(スライダLA)には、無限遠または最短撮影距離が自動的に設定される。その後、カメラの光学ファインダー(不図示)を見ながらプリセットアクションボタンB22aの場合にはスライダLAを、プリセットアクションボタンB22bの場合にはスライダLBをドラッグ操作(または焦点位置調節リング211を回転調整)して最終状態又は初期状態の値を調節することができるように構成されている。
【0046】
また、
図3のプリセットアクション選択画面において、タッチパネル操作によりプリセットアクションボタンB21a〜B24bのいずれかを選択し、ついで、カスタムアクションボタンB25を操作した場合、プルダウンメニューP34に指定されている時間の初期値は、選択されたプリセットアクションの実行時間となる。
【0047】
そして、この状態からスライダLB及びLA、並びにプルダウンメニューP34を操作することによって、選択されたプリセットアクションと、各撮影パラメータの相対的な経時変化(すなわち、後述するグラフGの形状)を変えることなく、その初期状態及び最終状態の値、並びに実行時間を変化させるものである。例えば、プリセットアクションにおけるある撮影パラメータの経時変化が関数p(t)で示される場合、スライダLB及びLA、並びにプルダウンメニューP34を操作することによって変化した撮影パラメータの経時変化を示す関数p´(t)は、下記の数1に基づいて算出される。
【0049】
なお、上記の数1において、PBはスライダLBにて指定された撮影パラメータの初期状態の値、PAはスライダLAにて指定された撮影パラメータの初期状態の値、Tは選択されたプリセットアクションの実行時間、T´はプルダウンメニューP34にて設定されたアクションの実行時間である。
【0050】
図7に示されるように、端点設定画面(1)には、手動操作ボタンB31、画面切り替えボタンB32及び完了ボタンB33が表示されている。
【0051】
図7の端点設定画面(1)において、タッチパネル操作により手動操作ボタンB31が操作されると、タッチパネルモニタ141には、
図8に示される端点設定画面(2)が表示される。端点設定画面(2)の画面構成は、
図7の端点設定画面(1)と略同じであり、初期状態及び最終状態の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度を示すスライダLB及びLAが表示されているが、手動操作ボタンB31、画面切り替えボタンB32及び完了ボタンB33は表示されておらず、代わりに停止ボタンB35が表示されている。また、端点設定画面(2)においては、スライダLBを操作することはできず、スライダLAについても、焦点距離、ズーム、絞り値は操作できないようになっている。端点設定画面(2)においては、初期状態(BEFORE)の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度は、端点設定画面(1)において手動操作ボタンB31が操作された時点での設定値に固定されている。
【0052】
端点設定画面(2)では、レンズユニット200の焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213、並びにタッチパネルモニタ141上に表示されているスライダLAを操作して、アクション実行時の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動を記録する。上記記録の完了は、端点設定画面(2)に表示されている停止ボタンB35を操作することによって行われる。停止ボタンB35が操作されて、アクション実行時の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動の記録が完了すると、タッチパネルモニタ141には、
図7の端点設定画面(1)が再び表示される。なお、端点設定画面(2)では、初期状態のズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度が設定できないことを明確に示すため、枠FBは表示されておらず、枠FAも、スライダLAのうち撮像センサ121の感度及び彩度を調整するためのスライダのみを覆っている。なお、端点設定画面(2)における、操作パラメータの初期状態の値は、
図7の端点設定画面(1)にてスライダLBを操作することによって設定された値がそのまま使用される。
【0053】
図7の端点設定画面(1)にて、画面切り替えボタンB32が操作されると、タッチパネルモニタ141には、
図9又は
図10に示される動作設定画面(1)が表示される。
【0054】
図9及び
図10に示されるように、動作設定画面(1)には、アクション実行時における焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度といった撮影パラメータの経時変動を示すグラフGが表示されている。このグラフGは、端点設定画面(1)又は(2)、或いは後述する動作設定画面(2)で設定されたグラフである。端点設定画面(1)で焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の初期値及び最終値を設定した後に動作設定画面(1)を表示させた場合は、
図9のように、焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の各項目につきアクション実行時の各項目の値の変動を示す線が一本ずつ表示される。一方、端点設定画面(2)又は動作設定画面(2)で焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動を記録した場合は、
図10に示されるように各項目に付き変動を示す線が二つずつ表示される。線の一方は、端点設定画面(2)又は動作設定画面(2)で記録されたものであり、線の他方は、上記記録された線を理想化(後述)したものである。
【0055】
図9の動作設定画面(1)には、端点設定画面(1)で設定された焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の経時変動を示すグラフGが表示されている。前述のように、端点設定画面(1)は、焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の初期値と最終値を設定するものであるため、端点設定画面(1)がアクション選択画面(
図2)のカスタムアクション選択ボタンB12を操作することによって呼び出されたものである場合は、動作設定画面(1)に表示されるグラフGは、初期値から最終値まで線形的に変化するものとなっている。一方、端点設定画面(1)がプリセットアクション選択画面(
図3)から呼び出されたものである場合は、動作設定画面(1)に表示されるグラフGは、上記数1にて演算された関数p´(t)に対応するグラフとなる。
【0056】
図9の動作設定画面(1)では、タッチパネルモニタ141の操作によって、焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の夫々について、初期値から変動を始める時間と、最終値に達する時間を設定することができる。具体的には、動作設定画面(1)に表示されているグラフGにおいて、各値が初期値から変動を始める又は最終値に達する部分に指fを置き(図中実線部)、そのまま時間軸方向にドラッグすることによって、初期値から変動を始める時間又は最終値に達する時間を移動させる(図中破線部)ことができる。
【0057】
図10の動作設定画面(1)には、端点設定画面(2)又は動作設定画面(2)で記録された焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の撮影パラメータの経時変動を示す線(図中一点鎖線部)と、上記記録された変動を理想化した線(図中実線部)が表示されたグラフGが配置されている。なお、
図10においては、記録された値の変動を一点鎖線、理想化した値の変動を実線で示しているが、実際は、両者は色違いの実線である。なお、本実施形態における「理想化」とは、記録された値をスムージング処理し、「線形的に値が増加する」「線形的に値が減少する」及び「値が変動しない」という三種類の線の組合せで近似する整形を行ったものである。
【0058】
図10の動作設定画面(1)では、
図9の動作設定画面(1)と同様のタッチパネルモニタ141の操作によって、理想化した値における焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の夫々の変動を調整可能となっている。具体的には、動作設定画面(1)に表示されている理想化された値の線において、値が不連続となっている点(すなわち、値が変動しない領域と値が線形的に変動している領域の境界)pに指fを置き(図中実線部)、そのまま時間軸方向にドラッグすることによって、点pを時間軸方向に移動させ、理想化された値の変動の線の形状を調整することかできる。
【0059】
また、
図9及び
図10に示されるように、動作設定画面(1)には、手動操作ボタンB41、画面切り替えボタンB42及び完了ボタンB43が表示されている。
【0060】
図9又は
図10の動作設定画面(1)において、タッチパネル操作により手動操作ボタンB41が操作されると、タッチパネルモニタ141には、
図11に示される動作設定画面(2)が表示される。動作設定画面(2)の画面構成は、
図9又は
図10の動作設定画面(1)と略同じであるが、手動操作ボタンB41、画面切り替えボタンB42及び完了ボタンB43は表示されておらず、代わりに停止ボタンB51が表示されている。また、動作設定画面(2)には、撮像センサ121の感度及び彩度を変更するためのスライダL52及びL53が表示されている。また、動作設定画面(2)においては、初期状態(BEFORE)の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度は、動作設定画面(1)において手動操作ボタンB21が操作された時点での設定値に固定されている。
【0061】
動作設定画面(2)では、レンズユニット200の焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213、並びにタッチパネルモニタ141上に表示されているスライダL52及びL53を操作して、アクション実行時の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動を記録する。上記記録の完了は、端点設定画面(2)に表示されている停止ボタンB51を操作することによって行われる。また、
図10に示されるように、アクション実行時の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動の記録中は、上記値の変動がグラフとして表示される。停止ボタンB51が操作されて、アクション実行時の焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度の変動の記録が完了すると、コントローラ111はグラフの理想化を行い、タッチパネルモニタ141に
図10の動作設定画面(1)を表示させる。
【0062】
図9又は
図10の動作設定画面(1)にて、画面切り替えボタンB42が操作されると、タッチパネルモニタ141には、
図7に示される端点設定画面(1)が表示される。
【0063】
また、
図7の端点設定画面(1)中の完了ボタンB33、或いは
図9又は
図10の完了ボタンB43が操作され、次いでカメラのレリーズスイッチ132(
図1)が押されると、設定された通りに焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度が変動しながら、動画の撮影が行われる。なお、
図11の動作設定画面(2)にて上記値の変動の設定が行われた場合、動画の撮影が始まる前に、記録された値の変動(
図10中一点鎖線部)に従うか、理想化された値の変動(
図10中実線部)に従うかを選択可能な構成としてもよい。
【0064】
以上説明した本実施形態のデジタルカメラ1の動作フローを、コントローラ111が実行するルーチンのフローチャートを参照して説明する。
図12は、
図2のアクション選択画面において、プリセットアクションを実行するためのアクション選択ボタンB11が操作された時に実行される、プリセットアクション選択ルーチンのフローチャートである。
【0065】
本ルーチンが開始すると、ステップS1が実行される。ステップS1では、コントローラ111は、タッチパネルモニタ141に
図3のプリセットアクション選択画面を表示させる。次いで、ステップS2に進む。
【0066】
ステップS2では、デジタルカメラ1の操作者からの、タッチパネルモニタ141の入力操作を受け付ける。
【0067】
ステップS2にて入力された操作がプリセットアクションボタンB21a〜B24bのいずれかを操作するものであった場合は(S2:プリセットアクションボタン)、ステップS3に進む。
【0068】
ステップS3では、コントローラ111は、操作されたプリセットアクションボタンB21a〜B24bに応じた撮影パラメータ(焦点距離、ズーム、絞り値、撮像センサ121の感度及び彩度)の経時変化データを内蔵する不図示のストレージ(フラッシュメモリ等)から読み出して、これをコントローラ111のメモリに保存する。次いで、ステップS2に戻る。
【0069】
また、ステップS2にて入力された操作が完了ボタンB26を操作するものであった場合は(S2:完了ボタン)、ステップS4に進む。
【0070】
ステップS4では、コントローラ111は、撮影パラメータの経時変化データがメモリに記憶されているかどうかのチェックを行う。メモリに経時変化データが記憶されていない場合は(S4:NO)、プリセットアクションボタンB21a〜B24bがまだ選択されていないということを意味するため、ステップS2に戻り、タッチパネルモニタ141の入力操作を再度受け付ける。一方、ステップS4において、コントローラ111のメモリに経時変化データが記憶されていることが確認された場合は(S4:YES)、ステップS5に進む。
【0071】
ステップS5では、上記経時変化データに基づいて撮影を行うための撮影画面の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS5を経て本ルーチンが終了した場合は、引き続いて上記撮影画面が表示されることになり、レリーズスイッチ132を押下することにより、上記経時変化データに基づいた撮影が開始される。なお、本実施形態では上記経時変化データに基づいてプリセットアクションの撮影が完了すると、コントローラ111のメモリに記憶された経時変化データは消去されるようになっているが、経時変化データを保持し、同一の経時変化データで繰り返し撮影可能に構成することも可能である。その場合には、例えば、プリセットアクションの撮影を終了するためのボタンを上記撮影画面中に表示する。
【0072】
ステップS2にて入力された操作がカスタムアクションボタンB25を操作するものであった場合は(S2:カスタムアクションボタン)、ステップS6に進む。ステップS6では、コントローラ111は、撮影パラメータの経時変化データがメモリに記憶されているかどうかのチェックを行う。メモリに経時変化データが記憶されていない場合は(S6:NO)、プリセットアクションボタンB21a〜B24bがまだ選択されていないということを意味するため、ステップS2に戻り、タッチパネルモニタ141の入力操作を再度受け付ける。一方、ステップS6において、コントローラ111のメモリに経時変化データが記憶されていることが確認された場合は(S6:YES)、ステップS7に進む。
【0073】
ステップS7では、
図7の端点設定画面(1)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS7を経て本ルーチンが終了した場合は、後述のカスタムアクション設定ルーチン(1)が引き続いて実行される。
【0074】
次に、カスタムアクション設定ルーチン(1)について説明する。
図13は、カスタムアクション設定ルーチン(1)のフローチャートである。本ルーチンは、
図2のアクション選択画面においてカスタムアクションを実行するためのアクション選択ボタンB12が操作されるか、
図12のプリセットアクション選択ルーチンがステップS7を経て終了する(すなわち、
図3のプリセットアクション選択画面において、プリセットアクション選択ボタンB21a〜B24bが操作された後にカスタムアクションボタンB25が操作される)か、後述する
図14のカスタムアクション設定ルーチン(2)が実行された後に、デジタルカメラ1のコントローラ111によって実行されるようになっている。
【0075】
本ルーチンが開始すると、ステップS11が実行される。ステップS11では、コントローラ111は、タッチパネルモニタ141に
図7の端点設定画面(1)が表示される。次いで、ステップS12に進む。
【0076】
ステップS12では、コントローラ111は、内蔵するメモリに操作パラメータの経時変化データが記憶されているかの確認が行われる。経時変化データが記憶されているのであれば(S12:YES)、ステップS15に進む。また、経時変化データが記憶されていないのであれば(S12:NO)、ステップS14に進む。
【0077】
ステップS14では、経時変化データを生成する。具体的には、あらかじめ設定されている操作パラメータの初期状態及び最終状態の値、及びアクションが実行される時間の値に基づいて、
図9に実線で示されるような、初期状態の操作パラメータの値と最終状態の操作パラメータの値とを直線的に結ぶような経時変化データを生成し、コントローラ111のメモリに記憶させる。次いで、ステップS15に進む。
【0078】
ステップS15では、デジタルカメラ1の操作者からの、タッチパネルモニタ141の入力操作を受け付ける。
【0079】
ステップS15にて入力された操作がスライダLB、LA或いはプルダウンメニューP34を操作するものであった場合は(S15:スライダ又はメニュー)、ステップS16に進む。
【0080】
ステップS16は、コントローラ111のメモリに記憶されている経時変化データを、上記数1に基づいて変更する。次いで、ステップS15に戻る。
【0081】
また、ステップS15にて入力された操作が手動操作ボタンB31を操作するものであった場合は(S15:手動操作ボタン)、ステップS18に進む。
【0082】
ステップS18では、スライダLBにて設定された操作パラメータの初期状態の値をコントローラ111のメモリに上書き記憶する。さらに、コントローラ111は、端点設定画面(2)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS18を経て本ルーチンが終了した場合は、後述のカスタムアクション設定ルーチン(2)が引き続いて実行される。
【0083】
また、ステップS15にて入力された操作が、完了ボタンB33を操作するものであった場合は(S15:完了ボタン)、ステップS19に進む。
【0084】
ステップS19では、上記経時変化データに基づいて撮影を行うための撮影画面の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS19を経て本ルーチンが終了した場合は、引き続いて上記撮影画面が表示されることになり、レリーズスイッチ132を押下することにより、上記経時変化データに基づいた撮影が開始される。なお、本実施形態においては、上記経時変化データに基づいてプリセットアクションの撮影が完了すると、コントローラ111のメモリに記憶された経時変化データは消去されるようになっているが、経時変化データを保持し、同一の経時変化データで繰り返し撮影可能に構成することも可能である。その場合には、例えば、プリセットアクションの撮影を終了するためのボタンを上記撮影画面中に表示する。
【0085】
また、ステップS15にて入力された操作が画面切り替えボタンB32である場合は(S15、画面切り替えボタン)、ステップS20に進む。
【0086】
ステップS20では、動作設定画面(1)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS20を経て本ルーチンが終了した場合は、後述のカスタムアクション設定ルーチン(3)が引き続いて実行される。
【0087】
以上のように、本ルーチンが実行されることによって、初期状態及び最終状態の操作パラメータ及びアクションの実行に要される時間を変更することができる。
【0088】
次に、上記カスタムアクション設定ルーチン(2)について説明する。
図14は、カスタムアクション設定ルーチン(2)のフローチャートである。本ルーチンは、
図7の端点設定画面(1)において、手動操作ボタンB31が操作された場合にデジタルカメラ1のコントローラ111によって実行されるようになっている。
【0089】
本ルーチンが開始すると、ステップS31が実行される。ステップS31では、コントローラ111は、レンズユニット200の焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213の設定値が
図13のカスタムアクション設定ルーチン(1)のステップS18でコントローラ111のメモリに記憶された値となるよう、各リング211〜213を移動させる。次いでステップS33に進む。
【0090】
ステップS33では、コントローラ111は、
図8の端点設定画面(2)をタッチパネルモニタ141に表示させる。なお、端点設定画面(2)のスライダLBの設定されている操作パラメータの値は、
図13のカスタムアクション設定ルーチン(1)のステップS18でコントローラ111のメモリに記憶された初期状態の操作パラメータの値が使用される。次いで、ステップS34に進む。
【0091】
ステップS34では、一定時間(0.1秒程度)待機する。なお、ステップS34による待機が行われている間は、リング211〜213及びスライダLAの操作による操作パラメータの変化が、逐次記録されるようになっている。次いで、ステップS35に進む。
【0092】
ステップS35では、ステップS34にて記録された操作パラメータの変化値に基づいて、経時変化データを更新する。また、この時に、スライダLAの表示内容も、変化後の操作パラメータの値に変更する。次いで、ステップS36に進む。
【0093】
ステップS36では、ステップS34が実行されている間に停止ボタンB35が操作されたかどうかの確認が行われる。停止ボタンB35が操作されたのであれば(S36:YES)、ステップS37に進む。一方、停止ボタンB35がまだ操作されていないのであれば(S36:NO)、ステップS34に戻る。
【0094】
このように、ステップS34〜S36のループを繰り返すことによって、経時変化データ(すなわち、リング211〜213及びスライダLAの操作による操作パラメータの変化)が記録されるようになっている。
【0095】
ステップS37では、
図7の端点設定画面(1)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。本ルーチンが終了した場合は、カスタムアクション設定ルーチン(1)が再び最初のステップS11から実行される。
【0096】
次に、カスタムアクション設定ルーチン(3)について説明する。
図15は、カスタムアクション設定ルーチン(3)のフローチャートである。本ルーチンは、
図7の端点設定画面(1)において、画面切り替えボタンB32が操作されるか、
図11の動画設定画面(2)の終了ボタンB51が操作された場合にデジタルカメラ1のコントローラ111によって実行されるようになっている。
【0097】
本ルーチンが開始すると、ステップS42が実行される。ステップS42では、コントローラ111は、
図10の動作設定画面(1)又は
図11の動作設定画面(2)をタッチパネルモニタ141に表示させる。次いで、ステップS43に進む。
【0098】
ステップS43では、コントローラ111は、メモリに記憶されている経時変化データから、操作パラメータの経時変化を示す線図が表示されるグラフGを生成し、このグラフGをタッチパネルモニタ141に表示させる。次いでステップS44に進む。
【0099】
ステップS44では、操作パラメータの経時変化データを理想化する必要があるかどうかの判定を行う。すなわち、操作パラメータの経時変化データが、
図9又は
図10の手動操作にて入力されたものである場合は、経時変化データの理想化が必要と判断し(S45:YES)、ステップS45に進む。一方、経時変化データが、
図9又は
図10の手動操作を行うことなく得られたものである場合は、経時変化データの理想化は不要と判断し(S44:NO)、ステップS46に進む。
【0100】
ステップS45では、コントローラ111は、メモリに記憶された経時変化データから、理想化された経時変化データを生成し、これをメモリに記憶させると共に、理想化された操作パラメータの経時変化を示す線図をグラフGに重畳描画する。次いでステップS46に進む。
【0101】
ステップS46では、タッチパネル141の入力操作を受け付ける。
【0102】
ステップS46にて受け付けられた操作がグラフGのドラッグ操作である場合は(S46:グラフのドラッグ)、ステップS47に進む。
【0103】
ステップS47では、上記ドラッグ操作に基づいて、経時変化データ(理想化された経時変化データがある場合は、理想化された経時変化データ)の内容を変更する。次いでステップS48に進む。
【0104】
ステップS48では、ステップS47で変更された経時変化データに基づいてグラフGの再描画を行う。次いでステップS46に戻り、別の入力を受け付ける。
【0105】
また、ステップS46にて受け付けられた操作が手動操作ボタンB41の操作である場合は(S46:手動操作ボタン)、ステップS50に進む。
【0106】
ステップS50では、コントローラ111は、経時変化データの操作パラメータの初期状態の値をメモリに記憶させた後、
図11の動作設定画面(2)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。本ルーチンがステップS50を経て終了した場合は、後述するカスタムアクション設定ルーチン(4)が実行される。
【0107】
また、ステップS46にて受け付けられた操作が完了ボタンB43の操作である場合は(S46:完了ボタン)、ステップS51に進む。
【0108】
ステップS51では、上記経時変化データに基づいて撮影を行うための撮影画面の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS51を経て本ルーチンが終了した場合は、引き続いて上記撮影画面が表示されることになり、レリーズスイッチ132を押下することにより、上記経時変化データに基づいた撮影が開始される。なお、上記経時変化データに基づいてプリセットアクションの撮影が完了すると、コントローラ111のメモリに記憶された経時変化データは消去されるようになっているが、経時変化データを保持し、同一の経時変化データで繰り返し撮影可能に構成することも可能である。その場合には、例えば、プリセットアクションの撮影を終了するためのボタンを上記撮影画面中に表示する。
【0109】
また、ステップS46にて受け付けられた操作が画面切り替えボタンB42の操作である場合は(S46:画面切り替えボタン)、ステップS52に進む。
【0110】
ステップS52では、端点設定画面(1)の呼出を行うルーチン(カスタムアクション設定ルーチン(1))の実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。ステップS20を経て本ルーチンが終了した場合は、
図13に示すカスタムアクション設定ルーチン(1)が引き続いて実行される。
【0111】
以上のように、本ルーチンが実行されることにより、ドラッグ操作にて操作パラメータの経時変化データを調整することができる。
【0112】
次に、上記カスタムアクション設定ルーチン(4)について説明する。
図16は、カスタムアクション設定ルーチン(4)のフローチャートである。本ルーチンは、
図9又は
図10の端点設定画面(1)において、手動操作ボタンB41が操作された場合にデジタルカメラ1のコントローラ111によって実行されるようになっている。
【0113】
本ルーチンが開始すると、ステップS61が実行される。ステップS61では、コントローラ111は、レンズユニット200の焦点位置調節リング211、ズーム調節リング212及び絞り調節リング213の設定値が
図15のカスタムアクション設定ルーチン(3)のステップS50でコントローラ111のメモリに記憶された値となるよう、各リング211〜213を移動させる。次いでステップS63に進む。
【0114】
ステップS63では、コントローラ111は、
図11の動作設定画面(2)をタッチパネルモニタ141に表示させる。なお、動作設定画面(2)のグラフG及びスライダL52、L53の各操作パラメータの初期値は、カスタムアクション設定ルーチン(3)のステップS50でコントローラ111のメモリに記憶された初期状態の操作パラメータの値が使用される。次いで、ステップS64に進む。
【0115】
ステップS64では、一定時間(0.1秒程度)待機する。なお、ステップS64による待機が行われている間は、リング211〜213及びスライダL52、L53の操作による操作パラメータの変化は、逐次記録されるようになっている。次いで、ステップS65に進む。
【0116】
ステップS65では、ステップS64にて記録された操作パラメータの変化値に基づいて、経時変化データを更新する。また、この時に、スライダL52、L53及びグラフGの表示内容も、変化後の操作パラメータの値に変更する。次いで、ステップS66に進む。
【0117】
ステップS66では、ステップS64が実行されている間に停止ボタンB51が操作されたかどうかの確認が行われる。停止ボタンB51が操作されたのであれば(S66:YES)、ステップS67に進む。一方、停止ボタンB51がまだ操作されていないのであれば(S66:NO)、ステップS64に戻る。
【0118】
このように、ステップS64〜S66のループを繰り返すことによって、経時変化データ(すなわち、リング211〜213及びスライダL52、L53の操作による操作パラメータの変化)が記録されるようになっている。
【0119】
ステップS66では、
図9又は
図10の動作設定画面(1)の呼出ルーチンの実行指示を行った上で、本ルーチンを終了する。本ルーチンが終了した場合は、カスタムアクション設定ルーチン(3)が再び最初のステップS42から実行される。
【0120】
以上のように、
図12〜
図16のルーチンが実行されることにより、上記説明されたデジタルカメラ1の各種機能が実現されるようになっている。
【0121】
なお、本実施形態においては、端点設定画面(1)及び(2)並びに動画設定画面(1)及び(2)において、撮像センサ121の感度を調整するようになっているが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、撮像センサ121の感度の代わりに、絞り値を変化させることなく画像の明るさを変更する他の撮影パラメータ、例えば画像処理時の輝度値やシャッター速度を調整可能な構成としてもよい。