特許第5979641号(P5979641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979641滅菌用紫外線発光ダイオードを用いた腹膜透析患者接続システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979641
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】滅菌用紫外線発光ダイオードを用いた腹膜透析患者接続システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
   A61M1/28 120
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-99886(P2013-99886)
(22)【出願日】2013年5月10日
(62)【分割の表示】特願2010-515248(P2010-515248)の分割
【原出願日】2008年7月2日
(65)【公開番号】特開2013-150878(P2013-150878A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2013年5月10日
(31)【優先権主張番号】11/773,824
(32)【優先日】2007年7月5日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare SA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100152191
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100139000
【弁理士】
【氏名又は名称】城戸 博兒
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 克好
(72)【発明者】
【氏名】中島 健
(72)【発明者】
【氏名】松崎 敦志
(72)【発明者】
【氏名】奥田 稔
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−238871(JP,A)
【文献】 特開2001−353217(JP,A)
【文献】 特公平06−022621(JP,B2)
【文献】 特開平04−212361(JP,A)
【文献】 特開平01−171565(JP,A)
【文献】 特開2008−068049(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0017073(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00−1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析システムであって、
循環装置と、
前記循環装置とともに動作可能である使い捨てカセットと、
前記使い捨てカセットに接続される供給バッグと、
供給コネクタと、
前記使い捨てカセットから延在し、前記供給コネクタで終端する供給ラインと、
患者の留置カテーテルと流体連通している患者コネクタと、
前記供給コネクタまたは前記患者コネクタと物理的に接触することなしに、前記患者コネクタに前記供給コネクタを接続するように構成されたデバイスと、
前記デバイスの周囲に設置可能な筺体であって、前記筺体は、(i)前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを接続する直前に、および/または(ii)前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを解除した直後に、前記供給コネクタおよび前記患者コネクタに向かって前記デバイスを通して複数の角度からエネルギーを向けるように前記供給コネクタおよび前記患者コネクタの周りに配置された複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)を含む、筐体と
を備える、腹膜透析システム。
【請求項2】
前記供給コネクタおよび前記患者コネクタのうちの少なくとも1つは、UV光に対して少なくとも部分的に不透過である、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項3】
前記UV−LEDの少なくとも1つは、バッテリを介して電力供給される、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項4】
前記UV−LEDの少なくとも1つは、前記循環装置を介して電力供給される、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項5】
前記腹膜透析システムは、輸送セットを含み、前記輸送セットは、前記患者コネクタを前記留置カテーテルに接続する、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項6】
前記筐体は、接続デバイスの周囲に適合されるように、ヒンジ接合または半割りにされた第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は、それぞれ複数のUV−LEDを含む、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項7】
前記腹膜透析システムは、前記コネクタが、前記デバイスを介して嵌合されている間に、前記LEDからUV光を放出するように構成されている、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項8】
前記複数のLEDは、前記筺体の内表面上に形成された少なくとも1つのトレースワイヤを介して互いに電気的に接続されている、請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項9】
腹膜透析システムであって
給バッグと、
供給コネクタと、
前記供給バッグから前記供給コネクタに透析液を搬送するように位置けられ、かつ構成された供給ラインと、
患者の留置カテーテルと流体連通している患者コネクタと、
前記患者コネクタに前記供給コネクタを接続するように構成されたデバイスと、
(i)前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを接続する直前に、および/または(ii)前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを解除した直後に、前記供給コネクタおよび前記患者コネクタの両方のすべての嵌合部表面に向かって前記デバイスを通してエネルギーを向けるように配置された複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)を含む、筐体と
を備える、腹膜透析システム。
【請求項10】
前記腹膜透析システムは、循環装置と、前記循環装置とともに動作可能である使い捨てカセットとを含み、前記供給バッグおよび前記供給ラインのうちの少なくとも1つは前記使い捨てカセットと流体連通している、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項11】
記筺体は、前記デバイスの周囲に設置可能である、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項12】
前記筺体の内表面は、UV光反射材を含む、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項13】
前記複数のLEDは、前記筺体の内表面上に形成された少なくとも1つのトレースワイヤを介して互いに電気的に接続されている、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項14】
前記LEDのそれぞれは、約280ナノメートルの出力波長を有する、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項15】
前記複数のLEDは、約50個の搭載されたLEDを含み、前記筐体は、2つの円筒形の半分体を含む、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項16】
前記複数のLEDは、約50個のLEDを含み、前記筐体は、2つの円筒形の半分体を含み、各半分体は、約10mmの内径と約40mmの長さとを有する、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項17】
前記腹膜透析システムは、一定の時間の間に前記複数のLEDの第1の部分に電力供給し、前記一定の時間の後に前記複数のLEDの第2の部分に電力供給するように構成されている、請求項9に記載の腹膜透析システム。
【請求項18】
腹膜透析システムの動作のための方法であって、前記腹膜透析システムは、腹膜透析供給コネクタおよび患者コネクタの周囲に配置された筺体を含み、前記方法は、
前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを接続する直前に、前記供給コネクタおよび前記患者コネクタのすべての嵌合部表面に向かって前記供給コネクタと前記患者コネクタを接続するためのデバイスを通してエネルギーを向けるように、前記腹膜透析システムの回路が、前記供給コネクタおよび前記患者コネクタの周りに配置された複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)を制御することと
前記供給コネクタおよび前記患者コネクタを解除した直後に、前記嵌合部表面にUVエネルギーを向けるように、前記腹膜透析システムの回路が前記複数のLEDを制御することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記エネルギーは、前記供給コネクタと前記患者コネクタを接続している間に前記デバイスを通して向けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギーは、前記UVエネルギーを向けるように反射される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスコネクタに関し、より具体的には、腹膜透析のための滅菌患者接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の原因によって、ヒトの腎臓系は、機能不全となり得る。腎不全は、いくつかの生理的異常をもたらす。水分、ミネラル、および日々の代謝負荷の排出のバランスは、もはや不可能となり、窒素代謝の毒性最終生成物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)が、血液および組織中に蓄積され得る。
【0003】
腎臓系および低下した腎機能は、透析によって治療されている。透析は、そうでなければ、正常に機能する腎臓によって除去されたであろう、老廃物、毒素、および過剰な水分を身体から除去する。腎機能の代用のための透析治療によって生命が救われるため、治療は、多くの人々にとって重大である。
【0004】
腎臓系療法の種類の1つは、腹膜透析であって、透析液とも呼ばれる透析溶液を使用し、カテーテルを介して、透析液が患者の腹腔内に注入される。透析液は、腹腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分は、拡散および浸透によって、患者の血流から、腹膜を通って、透析液中へと通過する。すなわち、浸透勾配が膜をまたいで生じる。廃透析液は、患者から排出され、老廃物、毒素、および過剰な水分を患者から除去する。本サイクルが繰り返される。
【0005】
種々の種類の腹膜透析療法が存在し、持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)、潮流透析、および持続的流量腹膜透析(「CFPD」)が含まれる。
【0006】
腎臓不全患者の血液から不純物を除去するためのCAPDの技術は、概して、腹膜透析輸送セットに(断続的に)接続される、外科的に埋め込まれたカテーテルを透析患者に持ち運びさせる。CAPD治療の場合、輸送セットは、順に、腹膜透析溶液のバッグに接続され、腹膜透析溶液は、輸送セットを通して腹腔内へと移される(CAPD注入相)。CAPDの場合、患者は、機械装置に「締結」されず、腹膜をまたいで透析が生じている間(CAPD滞留相)、独歩可能である。滞留相後、腹膜透析溶液は、腹腔から排出される(CAPD排出相)。これは、溶液を供給バッグ内に逆流させることによって行なわれ得る。好ましくは、滞留相の際、バックの解除は行なわれない。排出相後、廃腹膜透析溶液を伴うバッグは、輸送セットから解除され、廃棄され得る。
【0007】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含むという点において、CAPDと類似する。しかしながら、APD機械装置または「循環装置」は、典型的には、患者が睡眠中に、自動的にサイクルを行なう。APD機械装置は、治療サイクルを手動で行なう必要性、および日中供給装置を運搬する必要性から、患者を解放する。APD機械装置は、埋め込まれたカテーテル、源、または未使用透析液のバッグと、流体排出管とに流体的に接続する。APD機械装置は、透析液源から、カテーテルを通して、患者の腹腔内へと未使用透析液を送出し、透析液を腔内に滞留させ、老廃物、毒素、および過剰な水分の輸送を生じさせる。源は、複数の滅菌透析液溶液バッグであり得る。
【0008】
APD機械装置は、腹腔から、カテーテルを通して、排出管へと廃透析液を送出する。手動プロセスと同様に、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析中に生じる。「最後の充填」は、CAPDおよびAPDの終了時に生じ、次の治療まで、患者の腹腔内に残存する。
【0009】
CAPDおよびAPDは両方とも、廃透析流体を排出管へと送出する、バッチ型システムである。潮流システムは、改良型バッチシステムである。潮流によって、長時間にわたって、患者から流体すべてを除去する代わりに、僅かな時間増分の後、流体の一部が除去および交換される。
【0010】
持続的流量またはCFPDシステムは、廃棄せずに、廃透析液を浄化または再生成する。システムは、ループを通して、患者内外に流体を送出する。透析液は、一方のカテーテル管腔を通して、腹腔内へ流入し、別のカテーテル管腔から流出する。患者から流出する流体は、透析液から老廃物を除去する再構成デバイスを通して、例えば、ウレアーゼを採用し、尿素をアンモニアに酵素的に変換する尿素除去カラムを介して、通過する。次いで、アンモニアは、腹腔内への透析液の再導入に先立って、吸収によって、透析液から除去される。付加的センサが採用され、アンモニアの除去を監視する。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のシステムはすべて、輸送セットを介して、患者の留置カテーテルをPD供給装置に接続することを患者に要求する。患者との接続は、滅菌状態を維持しなければならず、そうでなければ、患者は、腹膜炎と呼ばれる疾患に罹患し得る。また、患者は、通常、自宅および/または単独で、これらのタスクを行なうため、患者との接続は、患者にとって、容易に行なわれるべきである。故に、改良型腹膜透析患者接続システムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、接続を必要とする医療システムのために、供給コネクタを患者に接続するためのシステムおよび方法を含む。そのような接続は、供給コネクタまたは接続プロセスから汚染物質が患者に到達しないように、多くの場合、滅菌環境において行なわれる必要がある。腹膜透析では、例えば、カテーテルは、患者の腹腔内に埋め込まれる。カテーテルは、ポートを伴う本体の外側で終端する。ポートは、患者輸送セットと呼ばれるものに接続される。患者輸送セットは、順に、例えば、供給バッグ(典型的には、手動腹膜透析(「CAPD」)を伴う)または使い捨てカセットから延在する、供給ラインに接続される。
【0013】
本開示は、滅菌環境において行なわれ得るように、上述の接続部を囲む発光アプリケータを提供する。アプリケータは、光アプリケータ内のコネクタを保持する接続機構の設置を可能にするようにヒンジ接合される、筐体を含む。筐体の内表面は、紫外線(「UV」)光反射材、例えば、エッチングされたアルミニウム被膜を有し、アプリケータ内の内容物に印加される紫外線光の暴露を最大限にし得る。接続機構は、光透過性であって、アプリケータからの光を接続機構によって保持されるコネクタに到達させる。
【0014】
従来のUV光素子は、キセノンランプを使用する。しかしながら、キセノンランプは、十分な光エネルギーを生成するために、比較的高動作電圧、例えば、約数百ボルトを必要とする。本開示では、光アプリケータは、キセノンランプの代用となる、一連の紫外線発光ダイオード(「LED」)を含む。UV−LEDは、同高電圧を必要とせず、光アプリケータをより軽量かつ小型にすることを可能とする。
【0015】
UV−LEDは、光アプリケータの内表面の周りに、アレイ状に離間し、少なくとも実質的に円筒形であり得る。上述のように、光アプリケータの円筒形筐体は、一実施形態では、患者補助接続デバイスをアプリケータ内に装填させるようにヒンジ接合される。また、光アプリケータは、電源に接続する回路を含み、回路は、UV−LEDが、集合的に、一定の時間にわたって、適切な量の電力を供給し、接続または解除される患者セットのコネクタを効果的に殺菌するように、UV−LEDのそれぞれに同時に電力を印加するように動作可能である。電源は、コードレス動作を可能にするバッテリ源、あるいは壁ユニットまたはPD循環装置から等のAC源であり得る。
【0016】
代替実施形態では、例えば、一定の時間の間、UV−LEDの半分にフル電力供給し、次いで、同時間の間、UV−LEDの残りの半分にフル電力供給する等、電源は、照射時間全体にわたって、UV−LEDに順に電力供給するように切り替えられる。電力は、順に3分割または4分割可能であって、2分割に限定されない。さらに代替として、電源は、所望に応じて、何回でも、総時間にわたって、同時と順次電力供給とを交互に切り替えるように操作される。
【0017】
一実装では、各UV−LEDは、280ナノメートルのピーク波長において、1ミリワットのUVエネルギーを放射する。0.2ジュール/cmの総エネルギーが必要とされる場合、以下に詳述のように、50個のUV−LEDが光アプリケータの筐体の内表面上にアレイ状に設置され、稼動可能時間にわたって、必要とされる総エネルギーを提供可能である。UV−LEDは、システムの横方向に配置された内表面、例えば、その破断に先立って、メス(例えば、供給)コネクタを初期に被覆する隔壁の外表面を照射可能である。また、UV−LEDは、スパイクコネクタのスパイクの複雑な表面を照射する。
【0018】
光アプリケータは、一実施形態では、各滅菌手技において印加される紫外線光の総エネルギーを測定する、フォトセルを含む。総エネルギーが、所定の全体的所望の暴露レベル、例えば、約200ミリジュール(「mJ」)/cmに到達すると、フォトセルは、フォトセルに接続される変換器を作動し、紫外線光素子を遮断する。全体的暴露時間は、殺菌される微生物学的負荷に依存する。代替として、適切な殺菌レベルをもたらすために必要とされるエネルギーの量は、接続前に、微生物学的評価によって判定され、必要とされる暴露の総時間を与える。次いで、光アプリケータは、暴露の所定時間の間、励起される。いずれの方法も、エネルギー暴露レベルは、スパイクおよびメスコネクタに対し、最大抗菌効果を保証する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
腹膜透析導管接続のための光アプリケータであって、
内表面を有する筐体と、
該筐体の該内表面上に位置付けられる複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)と、
電力が供給され、同時に該UV−LEDを励起可能なように、該UV−LEDに接続される回路と
を備える、光アプリケータ。
(項目2)
上記筐体の上記内表面は、UV反射表面を含む、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目3)
上記筐体は、腹膜透析チューブコネクタを受容するように動作可能かつ閉鎖可能である、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目4)
上記筐体の上記内表面は、少なくとも実質的に円筒形であって、上記UV−LEDは、該内表面の周りに、円周方向に離間する、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目5)
上記UV−LEDは、上記筐体の上記内表面の周りに、アレイ状に離間する、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目6)
上記UV−LEDは、組み合わせて、1分未満で少なくとも0.2ジュール/cmの放射エネルギーを提供する、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目7)
上記UV−LEDのうちの少なくとも1つは、(i)約280ナノメートルのピーク波長を有すること、および(ii)約1ミリワットの電力出力を有すること、から成る群から選択される、少なくとも1つの特徴を有する、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目8)
上記筐体は、(i)内径が15mm以下、および(ii)長さが50mm以下、のうちの少なくとも1つである、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目9)
上記UV−LEDは、組み合わせて、1分未満で腹膜透析導管接続に十分な殺菌効果を提供するに足るエネルギーを供給する、項目1に記載の光アプリケータ。
(項目10)
腹膜透析患者補助デバイスであって、
患者の留置カテーテルと流体連通する第1のコネクタと、透析液の供給部と流体連通する第2のコネクタとを受容するように構成される本体であって、該第1のコネクタと該第2のコネクタとを嵌合させるようにさらに構成される、本体と、
該第1のコネクタと該第2のコネクタとの該嵌合部に向けて放射エネルギーを向けるように、該本体に対して位置付けられる複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)と
を備える、デバイス。
(項目11)
上記本体を封入し、内表面を有する筐体と、該内表面上に位置付けられるUV−LEDとを含む、項目10に記載の腹膜透析患者補助デバイス。
(項目12)
上記筐体は、(i)該筐体を開閉し、上記本体を受容することを可能にする装置、および(ii)UV光反射内表面、のうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載の腹膜透析患者補助デバイス。
(項目13)
電力が供給され、(i)同時に、(ii)順に、または(iii)同時かつ順に、上記UV−LEDを励起可能なように、該UV−LEDに接続される回路を含む、項目10に記載の腹膜透析患者補助デバイス。
(項目14)
上記本体は、UV光透過性材料から成る、項目10に記載の腹膜透析患者補助デバイス。
(項目15)
上記本体は、上記第1のコネクタと該第2のコネクタとを並進させ、該コネクタを嵌合および解除させるように構成される、項目10に記載の腹膜透析患者補助デバイス。
(項目16)
腹膜透析システムであって、
循環装置と、
該循環装置と動作可能である使い捨てカセットと、
該使い捨てカセットに接続される供給バッグと、
該使い捨てカセットから延在し、供給コネクタで終端する供給ラインと、
該供給コネクタを患者の留置カテーテルと流体連通する患者コネクタに接続するように構成される本体と、
該本体の周囲に設置可能であって、該供給コネクタおよび該患者コネクタのうちの少なくとも1つに向かってエネルギーを向けるように位置付けられる複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)を含む筐体と
を備える、システム。
(項目17)
上記供給コネクタは、(i)メスコネクタであること、(ii)穿刺可能隔壁を有すること、および(iii)UV光に対して少なくとも部分的に不透過である、から成る群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、項目16に記載の腹膜透析システム。
(項目18)
上記少なくとも1つのUV−LEDは、(i)バッテリを介して、または(ii)交流電力を介して、電力供給される、項目16に記載の腹膜透析システム。
(項目19)
輸送セットを含み、該輸送セットは、上記患者コネクタを上記留置カテーテルに接続する、項目16に記載の腹膜透析システム。
(項目20)
上記筐体は、上記接続本体の周囲に適合されるように、ヒンジ接合または半割りにされる、項目16に記載の腹膜透析システム。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本開示の患者補助システムの実施形態を示す。
図2図2は、図1のシステムの紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)アプリケータの端面図であって、参考のためにコネクタを示し、一実施形態ではヒンジ接合されるアプリケータを例証する。
図3図3は、図2の端面図であって、アプリケータのUV−LEDが、多くの異なる角度からコネクタ上に光を放出するように位置付けられるように、コネクタの周りに閉鎖されるアプリケータを示す。
図4図4は、図3の線IV−IVに沿った断面の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で論じられる装置および方法は、持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)または自動腹膜透析(「APD」)等の腹膜透析システムとの併用において例証される。しかしながら、添付の図面と関連付けられる教示は、多くの種類の医療流体システムに適用可能であることを理解されたい。CAPDおよびAPDでは、患者は、供給バッグに直接(CAPD)、またはポンプ循環装置と動作可能な使い捨てカセット(APD)へと延設する供給ラインを接続する。そのような接続は、滅菌状態で行なわれることが重要である。また、病気または高齢患者にとって、操作が便宜であるシステムを有することが望ましい。
【0021】
患者は、患者ラインに供給ラインを接続し、患者ラインは、PD輸送セットの一部であり得、順に、患者の腹膜内に留置するカテーテルに接続される。次いで、患者は、患者ラインを排出バッグに接続し、廃透析液を患者の腹膜から除去させる必要がある。患者は、それぞれ、別個の供給バッグから、患者ラインへと延設する、複数の供給ラインを接続する必要がある場合がある。各供給バッグ間において、患者は、排出バッグにつながる必要がある。ここでは、患者は、古い供給ラインを解除し、排出ラインを補正し、次いで、容易かつ滅菌環境において、新しい供給ラインを接続することが可能であることが重要である。
【0022】
次に、図面、特に、図1を参照すると、システム10は、本開示の患者補助システムの一実施形態を例証する。図1は、概略的かつ全体的にシステム10を示し、構成要素間の全体的物理的かつ動作可能な関係を強調する。システム10は、紫外線(「UV」)光アプリケータ20を含む。光アプリケータ20は、プラスチックまたは他の好適な医療等級材料から形成され得る、筐体22を含む。以下に詳述されるように、筐体22は、一実施形態では、接続/解除デバイス50の周囲に適合可能なようにヒンジ接合される。複数の紫外線(「UV」)発光ダイオード(「LED」)30は、光アプリケータ20の筐体22の内表面24上に設置される。UV−LED30は、それぞれ、供給またはポートコネクタ90への患者コネクタ80の接続およびそこからの解除に対し殺菌光を向けるために、接続/解除デバイス50の本体52を通して内側にエネルギーを向けるように位置付けられる。故に、接続/解除デバイス50の本体52は、UV透過性材料から成る。
【0023】
解除/再接続デバイス50は、異なる構成を有し、依然として、UV−LEDアプリケータ20を伴うシステム10内で動作可能である。しかしながら、好適な解除/再接続デバイスの1つは、2007年7月5日出願の同時係属米国特許出願第11/773,623号(「第623号出願」)「Peritoneal Dialysis Patient Connection System」に開示される(本出願の最終的譲受人に付与され、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれる)。
【0024】
患者コネクタ80は、患者の輸送セットの一部であって、患者の留置カテーテルに流体的に接続可能な、患者チューブ82に密封して接続される。供給またはポートコネクタ90は、順に、上述のように、供給バッグに直接、または使い捨てカセットへと延設可能な、供給ライン92に接続される。ポートコネクタ90は、穿刺可能隔壁94を含む。患者またはスパイクコネクタ80は、コネクタが嵌合されると、ポートコネクタ90の隔壁94を穿刺または破断する、スパイク84を含むか、あるいは画定する。患者コネクタ80は、事実上、オスとして示され、ポートコネクタ90は、事実上、メスとして示されるが、その逆も、代替として、可能である。コネクタ80および90は、一実施形態では、UV光に対して、少なくとも部分的に遮光性である。
【0025】
接続/解除デバイス50は、コネクタ80および90を物理的に接触させず、潜在的に汚染することなく、接続および解除させる。UV−LED30からの殺菌光は、本願に詳細に図示および説明されるように、概して、コネクタの嵌合直前およびコネクタの解除直後に、コネクタ80および90上に放射される。
【0026】
次に、図2から4を参照すると、UVアプリケータ20が、より詳細に例証される。図2は、UVアプリケータ20の筐体22が、一実施形態では、少なくとも実質的に円筒形の形状であって、ヒンジ32によって分離される、半分体26および28を含むことを示す。ヒンジ32は、参照として、図2および3に示されるコネクタ80および90を保持する、接続/解除デバイス50の周りに、半分体26および28が適合されることを可能にする。
【0027】
図3は、コネクタ80および90の周りに閉鎖される、半分体26および28を示す。UV−LED30は、コネクタ80および90の接続または解除部上にエネルギーを放射するように位置付けられる。少なくとも実質的に円筒形形状の筐体22は、UV−LED30のそれぞれから、アプリケータ20を通って延設する中心線に向かって、したがって、コネクタに向かって、集光させる。図4は、図3に示される線IV−IVに沿った、光アプリケータ20の筐体22の半分体28の内表面24の図である。
【0028】
図4は、各半分体26および28が、5x5のアレイのUV−LED30を含むことを示す。トレースワイヤ34が、一実施形態では、UV−LED30が、コネクタ80および90の接続および解除部を殺菌するための全体量のエネルギーを供給するように、半分体26および28の内表面24上に形成され、各UV−LED30に同時に電力を供給する。図4に示されるように、トレースワイヤ34は、電力供給端子V+およびV−で終端する。ある実施形態では、単一対の電力供給端子V+およびV−が、半分体26および28の両方のUV−LED30に提供される。UV−LED30は、内蔵の交換可能または再充電可能バッテリ等の直流(「DC」)源から、もしくは、例えば、壁コンセントを介して、あるいは循環装置または基盤機器からの交流源によって、電力供給可能である。
【0029】
代替実施形態では、ソフトウェアおよび回路は、電源を切り替え、照射期間全体にわたって、例えば、一定の時間の間、UV−LED30の半分体26にフル電力供給し、次いで、同時間の間、UV−LED30の他の半分体28にフル電力供給する等、UV−LED30に順に電力供給ように構成される。フル電力は、代替として、所望に応じて、半分体、3等分、4等分、または別様に、順次に切り替え可能である。さらに代替として、ソフトウェアおよび回路は、電源を操作し、所望に応じて、何回でも、総時間にわたって、UV−LED30の同時と連続電力供給とを交互に切り替えるように構成される。
【0030】
ある実施形態では、各LED30は、20mA時0.6ボルトで動作し、120ミリワット/LED30の電力要件をもたらす。したがって、合計50個のLED30は、6ワットの全体的電力要件を必要とするであろう。これは、キセノンランプアプリケータによって必要とされる約43ワットを大幅に下回る。
【0031】
半分体26および28の内表面24は、一実施形態では、UV光反射材、例えば、エッチングされたアルミニウム被膜を含み、UV−LED30がコネクタ80および90上に付与するUV光の暴露を最大限にする。別様に、筐体22の材料は、比較的安価なプラスチック、例えば、メタクリル樹脂(黄色)等である、好適な医療等級材料から成る。
【0032】
好適なUV−LED30の1つは、Seoul Semiconductor Co., Ltd(148−29 Gasan−dong Geumcheon−gu Seoul, Korea(型番S8D28D))から提供されている。一実施形態では、各UV−LED30は、約280ナノメートルのピーク波長を有する。各UV−LED30は、約1ミリワットの電力出力を有する。コネクタ80および90の所定の適切な殺菌が、総エネルギー約0.2ジュールを必要とする場合、例えば、50個のUV−LED30は、好適な時間にわたって必要とされるエネルギーを供給するためには、上述の定格で十分である。
【0033】
図4における5x5のアレイのUV−LED30は、ヒンジ接合された半分体26上で反復され、合計50個のUV−LED30を提供する。一実施形態では、50個のUV−LED30は、一実装では、例えば、ほぼコネクタ80のスパイク84のサイズである内径10mmおよび長さ40mmを有する、筐体22の半分体26および28にわたって、均等に拡散する。筐体22は、代替として、より大きく、例えば、第’623号出願の接続/解除デバイスを包囲するために十分な大きさであり得る。第’623号出願は、ヒンジ接合システムを開示しており、接続/解除デバイスの半分体は、コネクタの自動接続および解除のためのモータならびに他の装置を保持する筐体にヒンジ接合される、蓋に接続される。第’623号出願の接続/解除デバイスとの併用では、半分体26および28は、互いにヒンジ接合される可能性が低いが、代わりに、順に、互いにヒンジ接合される、上述の蓋および筐体内に設置される。故に、アプリケータ20は、それ自体ヒンジ接合される必要はない。各別個の半分体は、その独自の電源V+およびV−を有し得、必要とされる総電力を提供可能である。また、任意の構成(ヒンジ接合または別個)において、半分体26および28の内表面24は、洗浄のために除去可能であることを理解されたい。
【0034】
50個のUV−LED30からの結合放射は、(1ミリワットx50個のUV−LED)/(10mmxπx40mm)=4ミリワット/cmに等しい光強度または輝度(Lux)を提供する。
【0035】
UV有効エネルギーLuxeffは、キセノン波長が、254ナノメートル(「nm」)であって、280nmのLEDが、254nm光(キセノンまたはLED)に対して90%の滅菌効率を有することが分かっている場合、Luxeff=4ミリワット/cmx0.9=3.6ミリワット/cmである。3.6ミリジュールの50個のUV−LEDに対するUV有効性を考えると、0.2ジュール/cmの総エネルギー出力に対して必要とされる時間は、放射時間=200ミリジュール/cm/3.6ミリワット/cm=56秒である。
【0036】
暴露時間を評価する別の方法では、254nmのキセノン波長が、基準として使用される。すなわち、200mJ/cmのキセノン光は、適切な殺菌のために十分である。したがって、200mJ/cmの254nmのUV−LED光も、十分な殺菌であるとみなされる。280nmのUV−LEDの滅菌効率は、UV−LEDまたはキセノン光が使用されるかにかかわらず、0.9x254nmである。したがって、280nmのUV−LED光が使用される場合、200mJ/cm/0.9=222mJ/cmが、コネクタ、例えば、スパイクコネクタ80に印加されるために必要である。論じられるように、コネクタ80のスパイク84は、10mmx4mmであり得、表面積S=10mmxπx40mm=(4xπ)cmをもたらす。50個の280nmのLEDは、50mW=50mJ/秒の出力をもたらす。故に、アプリケータ20は、50mW/S=50/(4xπ)mJ/cm/秒を送達可能である。222mJが必要とされることが分かっている場合、50個の280nmのLEDは、55.8秒間に222x(4xπ)/50を照射するであろう。
【0037】
56秒の照射は、コネクタ80および90を接続または解除する際、患者に対して許容可能な時間量である。比較的小型サイズのUV−LED30およびその付随する比較的小電力要件は、アプリケータ20を小型かつ軽量のパッケージにする。さらに、照射のための時間は、LED電力出力増加を低減するはずである。例えば、LED出力は、過去5年間にわたって、5から10倍になっている。
【0038】
本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する種々の変更および修正は、当業者には明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を低減することなく、成され得る。したがって、変更および修正は、添付の請求項によって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4