特許第5979648号(P5979648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979648
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】フリット密封システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/073 20060101AFI20160817BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20160817BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20160817BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20160817BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20160817BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20160817BHJP
【FI】
   B23K26/073
   H05B33/04
   H05B33/14 A
   H05B33/10
   B23K26/00 H
   B23K26/064 K
   B23K26/064 N
   B23K26/064 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-20513(P2014-20513)
(22)【出願日】2014年2月5日
(62)【分割の表示】特願2009-42346(P2009-42346)の分割
【原出願日】2009年2月25日
(65)【公開番号】特開2014-133262(P2014-133262A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0023926
(32)【優先日】2008年3月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】李 廷 敏
(72)【発明者】
【氏名】丁 憙 星
(72)【発明者】
【氏名】李 忠 浩
(72)【発明者】
【氏名】呉 準 植
(72)【発明者】
【氏名】柳 濟 吉
(72)【発明者】
【氏名】崔 元 奎
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−281053(JP,A)
【文献】 特開2002−184206(JP,A)
【文献】 特開2007−227343(JP,A)
【文献】 特開2008−053232(JP,A)
【文献】 特開2003−112279(JP,A)
【文献】 特開昭55−153327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/073
B23K 26/00
B23K 26/064
H01L 51/50
H05B 33/04
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリットを利用して第1基板と第2基板とを接合するフリット密封システムにおいて、
バンドルタイプのマルチコアソースであるレーザー発振装置と、
前記レーザー発振装置からの複数のレーザービームを受け取る、多重モード光ファイバー、光パイプ、光導波路及びマイクロレンズのアレイの少なくとも一つを含むホモジナイザーと、
前記ホモジナイザーからのレーザービームを集光する集光レンズと、
を備え、
前記ホモジナイザーにおける複数の経路を経てプロファイルが均一化されたレーザービームを前記集光レンズで集光してビーム断面での強度が均一な一つの大きなビームを形成し、さらに一定程度デフォーカスして照射することにより、少なくとも、前記フリットで密封する前記第1及び第2基板上における密封部分の温度を均一に保持するようにするフリット密封システム。
【請求項2】
前記レーザー発振装置で発振される前記レーザービームを前記ホモジナイザーに伝達する連結部材をさらに備える、請求項1に記載のフリット密封システム。
【請求項3】
前記連結部材は、コリメートレンズ及びフォーカスレンズのうち少なくとも一つを備える、請求項に記載のフリット密封システム。
【請求項4】
第1基板上にフリットを塗布した後に焼成するステップと、
前記第1基板に第2基板を合わせるステップと、
前記第1基板に、請求項1〜3のいずれか1項記載のフリット密封システムから発生するレーザービームを照射することにより前記第1基板と第2基板とを前記フリットで密封するステップと
を含む、フリット密封方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリット密封システム及び方法に関し、詳細には、ホモジナイザーを利用して均一な品質のレーザーを生成することによって密封の品質を向上させるフリット密封システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ディスプレイ装置は、携帯の可能な薄型の平板ディスプレイ装置に急速に置き換わっている。平板ディスプレイ装置のうちでも、電界発光ディスプレイ装置は自発光型ディスプレイ装置であって、視野角が広くてコントラストが優秀なだけではなく応答速度が速いという長所を持って次世代ディスプレイ装置として注目されている。また発光層の形成物質が有機物で構成される有機発光ディスプレイ装置は、無機発光ディスプレイ装置に比べて輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れて多色化が可能であるという点を持つ。
【0003】
通例的な有機発光ディスプレイ装置は、一対の電極、すなわち第1電極と第2電極との間に発光層を備えた少なくとも一つ以上の有機層が介された構造を持つ。前記第1電極は基板上に形成されており、正孔を注入する正極の機能を行い、前記第1電極の上部には有機層が形成されている。前記有機層上には、電子を注入する負極の機能を行う第2電極が前記第1電極と対向するように形成されている。
【0004】
これらの有機発光ディスプレイ装置は、周辺環境から水分や酸素が素子内部に流れ込む場合、電極物質の酸化、剥離などで素子寿命が短縮し、発光効率が低下するだけではなく発光色の変質などの問題点が発生する。
【0005】
したがって、有機発光ディスプレイ装置の製造に当って、水分が浸透しないように素子を外部から隔離する密封処理が通例的に行われている。これらの密封処理方法として、通例的には有機発光ディスプレイ装置の第2電極上部にポリエステル(たとえば、PET)などの有機高分子をラミネートするか、吸湿剤を含む金属やガラスでカバーまたはキャップを形成し、その内部に窒素ガスを充填させた後、前記カバーまたはキャップの枠をエポキシのような密封材でカプセル封合する方法が使われている。
【0006】
しかし、これらの方法は、外部から流れ込む水分や酸素などの素子破壊性因子を100%遮断し難く、素子構造が水分に特に弱い能動型前面発光構造の有機発光ディスプレイ装置に適用するには不利であり、これを具現するための工程も複雑である。前記のような問題点を解決するために、密封材としてフリットを使用して素子基板とキャップとの密着性を向上させるカプセル封合方法が考案された。
【0007】
このように、ガラス基板にフリットを塗布して有機発光ディスプレイ装置を密封する構造を使用することによって、素子基板とキャップとの間が完全に密封されるので、さらに効果的に有機発光ディスプレイ装置を保護することができる。
【0008】
フリットでカプセル封合する方法は、フリットをそれぞれの有機発光ディスプレイ装置の密封部に塗布した後、レーザー照射装置が移動しつつそれぞれの有機発光ディスプレイ装置の密封部にレーザーを照射してフリットを硬化させて密封する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、これらの従来のフリット密封システムでは、密封の品質を向上させるために、主にフリットの材料の開発のみに重点をおいただけで、フリットを溶かすために照射されるレーザーの品質についての研究はまったくなかった。しかし、フリット密封システムでは、レーザーの均一性がシールの温度分布を大きく左右し、小さな温度変化にも密封の品質が大きく変化するため、フリットに照射されるレーザーの均一性を確保するための研究が至急に要請された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記のような様々な問題点を解決するためのものであり、均一な品質のレーザーを生成することによって、密封の品質を向上させるフリット密封システムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、フリットを利用して第1基板と第2基板とを接合するフリット密封システムにおいて、レーザービームを発振するレーザー発振装置と、前記レーザー発振装置で発振されるレーザービームの断面での強度を均一にするホモジナイザーと、を備えるフリット密封システムを提供する。
【0012】
本発明において、前記ホモジナイザーは、多重モード光ファイバー、光パイプ、及びフライアイレンズのいずれかである。
【0013】
本発明において、フリット密封システムは、前記レーザー発振装置で発振される前記レーザービームを前記ホモジナイザーに伝達する連結部材をさらに備える。
【0014】
ここで、前記連結部材は、コリメートレンズ及びフォーカスレンズのうち少なくとも一つを備える。
【0015】
本発明において、前記ホモジナイザーは、対向する一対の反射面を持つ光導波路を備える。
【0016】
本発明において、前記レーザー発振装置は、バンドルタイプのマルチコアソースである。
【0017】
本発明において、前記レーザー発振装置で発振されて前記ホモジナイザーに入射した前記レーザービームは、前記ホモジナイザー内で全反射される。
【0018】
また、本発明は、第1基板上にフリットを塗布した後に焼成するステップと、第1基板に第2基板を合わせるステップと、第1基板にレーザービームを照射することにより第1基板と第2基板とをフリットで密封するステップとを含むフリット密封方法を提供する。ここで、レーザービームは、複数の光経路を経ることにより、当該ビーム断面におけるビーム強度が少なくとも第2基板上で均質化される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のフリット密封システム及び方法によれば、密封の品質が向上し、したがって、セルの長期信頼性が向上する効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムを示す概略的な図面である。
図2図1のフリット密封システムのレーザー照射部材を概略的に示す図面である。
図3】ホモジナイザーとして使われた多重モード光ファイバーを示す図面である。
図4A】ホモジナイザーとして使われた光パイプを示す図面である。
図4B】ホモジナイザーとして使われた光パイプを示す図面である。
図4C】ホモジナイザーとして使われた光パイプを示す図面である。
図4D】ホモジナイザーとして使われた光パイプを示す図面である。
図5】ホモジナイザーとして使われたフライアイレンズを示す図面である。
図6】従来のフリット密封システムで、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されたレーザービームの画像である。
図7図6のレーザービームを一定程度デフォーカスしたレーザービームの画像である。
図8図6のレーザービームを使用する場合、温度の低い領域と高い領域とが交差しつつガラスフリット上に縞Gで現れた態様を示す図面である。
図9図6のレーザービームを使用する場合、密封後にそのままシールが剥げてしまった態様を示す図面である。
図10図6のレーザービームを使用する場合、熱によってマイクロクラックが多く発生した態様を示す図面である。
図11】本発明に第1実施形態に関するフリット密封システムで、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されて、ホモジナイザーを経つつ均質化したレーザービームの画像である。
図12図11のレーザービームを一定程度デフォーカスしたレーザービームの画像である。
図13図11のレーザービームを使用する場合、密封部分の温度が均一に保持されつつ、ガラスフリット上に縞が現れずにきれいな密封が行われた態様を示す図面である。
図14】本発明の第2実施形態に関するフリット密封システムを示す概略的な図面である。
図15図14の連結部材を詳細に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を添付した図面を参照してさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムを示す概略的な図面である。
【0023】
一般的に、フリットという用語は、粉末状態のガラスという意味で使われるが、本発明のフリットは、粉末状態に有機物を添加したゲル状のガラスやレーザーを照射して硬化した固体状態のガラスを通称する。
【0024】
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムは、ベッド部材110及びレーザー照射部材120を備える。
【0025】
ベッド部材110上には、第1基板101及び第2基板102が載置されている。そして、第1基板101と第2基板102との間にはフリット103が塗布されている。
【0026】
レーザー照射部材120は、第1基板101と第2基板102との間のフリット103にレーザーを照射して、フリット103を溶融させる。ここで、レーザーヘッド(図示せず)がレーザーヘッドガイド(図示せず)により支持され、前記基板101、102の上部を移動可能にレーザー照射部材120に設けられている。
【0027】
これらのフリット密封システムを利用した有機発光ディスプレイ装置の製造方法は、次の通りである。まず、第2基板102上にフリット103を塗布した後に焼成し、第1基板101と第2基板102とを合着する。次いで、第2基板102にレーザーを照射してフリット103を硬化させる。
図2は、図1のフリット密封システムのレーザー照射部材を概略的に示す図面である。
【0028】
図2を参照すれば、本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムは、制御PC(Personal Computer)121、レーザー発振装置123、ビームファイバー125、ホモジナイザー127及び集光レンズ129を備える。
【0029】
制御PC121は、フリット密封システムのレーザー照射強度、レーザー照射時間、レーザー照射位置などレーザー照射装置120の作動を全体的に制御する。
【0030】
レーザー発振装置123は、レーザービームを発振する装置である。レーザー発振装置123としては、レーザー密封用として一般的に使われる高出力レーザーソースであるバンドルタイプのマルチコアソースを使用できる。
【0031】
レーザー発振装置123は、減衰器(図示せず)をさらに備えることができる。減衰器は、レーザービームの出力を調整してビームファイバー125に伝送する。前記レーザービームを使用してフリットを密封する過程で、レーザービームの出力は工程時間によって変化するので、工程条件の最適化のためには工程時間によってレーザービームの出力を調整せねばならない。しかし、レーザー発振装置123の内部電流を調整してレーザービームの出力を調整すると発振されるレーザービームの特性が変化するので、レーザービームの出力は減衰器を使用して調整することができる。
ビームファイバー125はレーザー発振装置123に接続され、レーザー発振装置123から伝送されるレーザービームをホモジナイザー127に伝送する。
【0032】
ホモジナイザー127は、レーザー発振装置123で発振されるレーザービームの断面での強度を均一にする。前記ホモジナイザー127については、後述する。
【0033】
集光レンズ129は、適宜に設計された一つ以上のレンズで構成され、基板101、102上の一定領域にスキャンされて入射するレーザービームを、照射領域の位置によって歪曲させずに基板101、102の上面に結像させる。
【0034】
以下、前記レーザー発振装置123について詳細に説明する。
【0035】
一般的に、レーザー発振装置123としては、レーザー密封用として一般的に使われる高出力レーザーソースであるバンドルタイプのマルチコアソースを使用できる。これらのバンドルタイプのマルチコアソースの場合、それぞれのコアの出力がいずれも少しずつ異なる可能性がある。最悪の場合には、いくつかのバンドルファイバーが切れても総出力は一定になるように電圧をさらに高めて使用してもよく、この場合、金属を溶接するなどの一般的な用途に使用するにはあまり問題がないと知られている。
【0036】
しかし、レーザーの均一性がシールの温度分布を大きく左右し、小さな温度変化にも密封部分の品質が大きく変化するフリット密封システムの場合、十分な密封パワーを得るためにバンドルタイプのマルチコアソースを使用すると高品質のレーザーを獲得し難く、したがって、均一な密封が行えないという問題点が存在している。
【0037】
これらの問題点を解決するために、本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムでは、ホモジナイザーを利用して均一な品質のレーザーを生成することによって、密封部分の品質を向上させることを一つの特徴とする。
【0038】
ここで、図3に示したように、ホモジナイザー127は、多重モード光ファイバー127aでありうる。これらの多重モード光ファイバー127a形態のホモジナイザーを利用する場合、入射するレーザービームが多様な経路で光ファイバー127aを通じて伝えられるので、光ファイバー127aの長さと曲率によってレーザービームのプロファイルを均一化できる。
【0039】
この時、レーザービームは、光ファイバー127aの反射面によって反射されるため、入射したあらゆるレーザービームが分散されずに出口に到達する。言い換えれば、光ファイバー127aが存在することによって、光ファイバー127aが存在していない時には広く広がってしまうレーザービームが全部出口に到達する。したがって、光ファイバー127aにレーザービームを入射すれば、光ファイバー127a内で反射を繰り返しつつ出口に到達し、したがって、入射するレーザービームが均一化する。
【0040】
ここで、光学的に密な媒質から疎な媒質に光が進む時、特定臨界角より大きい入射角で入射した光が屈折せずに100%反射される現象を全反射という。光ファイバーはこの原理を利用して情報を伝送する時に損失率を低めることができる。詳細に、光が光学的に密な媒質(屈折率の大きい物質)から疎な媒質(屈折率の小さな物質)に入射する時、入射角が特定角度以上ならば、その境界面で光が全部反射して屈折光線は存在しない。これが全反射であり、全反射が起きる入射角の最小値を臨界角という。例えば、光がガラスから空気に進む時の臨界角は42゜であり、入射角がこれより大きければ、光がいずれもガラス内面に反射して空気には進まない。全反射プリズムは、これらの性質を利用したものである。また他の例で、本発明で使われるように、屈折率の大きいガラスファイバーを屈折率の小さなガラス層で覆って作った光ファイバーがある。光ファイバーの内側ガラスに入射した光は全反射を繰り返すので、光ファイバーが曲がっていても損失なしに遠くまでエネルギーを伝達できる。
【0041】
または、図4Aないし図4Dに示したように、ホモジナイザー127は、光パイプ127b(127b1〜127b4)でありうる。光パイプ127bとは、光源から遠く離れたところまで光を移すものを意味し、パイプ中に水や油の代わりに光を流すという概念である。光パイプ127bは、光ファイバーと類似した原理でガラス棒の全反射特性を利用してレーザービームのプロファイルを均一化できる。図4Aないし図4Dには、前記光パイプの多様な形態が図示されている。
【0042】
または、図5に示したように、ホモジナイザー127は、フライアイレンズ127cでもありうる。フライアイレンズ127cは、入射光を集光させる役割を行う。すなわち、フライアイレンズのようなマイクロレンズアレイを利用してレーザービームの経路を拡張することによってレーザービームのプロファイルを均一化できる。
【0043】
図6は、従来のフリット密封システムで、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されたレーザービームの画像であり、図7は、図6のレーザービームを一定程度デフォーカスしたレーザービームの画像である。前記画像はビームプロファイラを利用して観測できる。
【0044】
図6及び図7に示したように、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されたレーザービームを均質化せずに使用すれば、レーザーの均一性が確保されない。
【0045】
そして、これらのレーザービームが実際に密封するのに使われれば、図8に示したように、温度の低い領域と高い領域とが交差しつつガラスフリット上に縞Gで現れるか、図9に示したように、密封後にそのままシールが剥げてしまうこともあり、図10に示したように、熱によってマイクロクラックが多く発生する問題点が存在している。
【0046】
すなわち、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されたレーザービームを均質化しない場合、焦点においてレーザービームの品質がよくないため密封が不可能であり、常にデフォーカスさせて初めて密封の可能なレーザービーム品質を得ることができ、さらに、デフォーカスさせても常に良質のレーザービーム品質を得られる保証がないという問題点が存在している。
【0047】
図11は、本発明の第1実施形態に関するフリット密封システムで、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されてホモジナイザーを経つつ均質化したレーザービームの画像であり、図12は、図11のレーザービームを一定程度デフォーカスしたレーザービームの画像である。前記画像は、ビームプロファイラを利用して観測できる。
【0048】
図11及び図12に示したように、バンドルタイプのマルチコアソースから発振されたレーザービームを、ホモジナイザーを通過させつつ均質化を行って使用すれば、レーザーの均一性が確保される。そして、これらのレーザービームが実際の密封に使われれば、図13に示したように、密封部分の温度が均一に保持されつつガラスフリット上に縞が現れずに、きれいな密封が行われる。
【0049】
前記のように行われた本発明のフリット密封システムによれば、密封の品質が向上し、したがって、セルの長期信頼性が向上する効果を得ることができる。
【実施例2】
【0050】
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に関するフリット密封システムを示す概略的な図面であり、図15は、図14の連結部材を詳細に示す図面である。
【0051】
図14を参照すれば、本発明の第2実施形態に関するフリット密封システムは、制御PC221、レーザー発振装置223、ビームファイバー225、ホモジナイザー227、集光レンズ229及び連結部材231を備える。
【0052】
制御PC221は、フリット密封システムのレーザー照射強度、レーザー照射時間、レーザー照射位置などレーザー照射装置220の作動を全体的に制御する。
【0053】
レーザー発振装置223は、レーザービームを発振する装置である。レーザー発振装置223としては、レーザー密封用として一般的に使われる高出力レーザーソースであるバンドルタイプのマルチコアソースを使用できる。
【0054】
レーザー発振装置223は、減衰器(図示せず)をさらに備えることができる。減衰器は、レーザービームの出力を調整してビームファイバー225に伝送する。前記レーザービームを使用してフリットを密封する過程で、レーザービームの出力は工程時間によって変化するので、工程条件の最適化のためには工程時間によってレーザービームの出力を調整せねばならない。しかし、レーザー発振装置223の内部電流を調整してレーザービームの出力を調整すると発振されるレーザービームの特性が変化しうるので、レーザービームの出力は減衰器を使用して調整することができる。
【0055】
ビームファイバー225はレーザー発振装置223に接続され、レーザー発振装置223から伝送されるレーザービームを連結部材231に伝送する。
【0056】
連結部材231は、ビームファイバー225を通じて伝えられたレーザービームがさらに効率的にホモジナイザー227に伝えられるようにする。連結部材231については、図15で後述する。
【0057】
ホモジナイザー227は、レーザー発振装置223で発振されるレーザービームの断面での強度を均一にする。ホモジナイザーを利用して均一な品質のレーザーを生成することによって、密封部分の品質を向上させることができる。前述したように、ホモジナイザーとして、多重モード光ファイバーを使用してもよく、多様な形態の光パイプが使われてもよく、フライアイレンズが使われてもよい。これらのホモジナイザーによって密封部分の品質が向上し、それにより、セルの長期信頼性が向上する効果を得ることができる。
【0058】
集光レンズ229は、適宜に設計された一つ以上のレンズで構成され、基板201、202上の一定領域にスキャンされて入射するレーザービームを、照射領域での位置によって歪曲させずに基板201、202の上面に結像させる。このように、集光レンズ229によって結像されたレーザービームによって、第1基板201と第2基板202との間のフリット203が硬化して、第1基板201と第2基板202とが結合する。
図15を参照すれば、連結部材231は、入力部231a、出力部231b、コリメートレンズ231c及びフォーカスレンズ231dを備える。
【0059】
入力部231aを通じてビームファイバー225から入射したレーザービームは、コリメートレンズ231c及びフォーカスレンズ231dを通過し、出力部231bを経てホモジナイザー227側へ出射する。
【0060】
コリメートレンズ231cは、入射するレーザービームを調節して平行光を作る。詳細に、レーザー発振装置223から出るレーザービームは発散する。これらのレーザービームをコリメートレンズ231cに通過させて集める。これらのレンズを利用して、レーザービームで平行光を作ることもあり、必要に応じては集光して使用することもある。このようにレーザー発振装置223から出るレーザービームを調節して平行光を作るレンズを、コリメートレンズという。
【0061】
フォーカスレンズ231dは、コリメートレンズ231cを通過しつつ平行になったレーザービームを集める機能を行う。
【0062】
このように、連結部材231を使用してバンドルタイプのマルチコアソースから発生する不規則なマルチコアレーザービームを平行にし、かつ集光させてホモジナイザーに伝達することによって、ホモジナイザーのレーザービーム均質化効率をさらに高めることができる。
【0063】
本発明は図面に示した実施形態を参考に説明したが、これらは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、ディスプレイ装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0065】
101 第1基板
102 第2基板
103 フリット
110 ベッド部材
120 レーザー照射部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
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