技術分野
光導波路に関し、特に、光通信等の光信号処理の分野において光信号を出力用光導波路に分配して出力する多モード干渉光カプラ
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
多モード干渉光カプラの基本的な性能として過剰損失および分岐比がある。ここで、過剰損失は主に多モード干渉光カプラの光結合部で発生する損失である。また、分岐比は、光結合器で分岐された2つの出力光の光強度の比率であり、例えば、二入力/二出力の多モード干渉光カプラでは、入力光導波路の光軸の延長上にある出力光導波路から導出される光強度(Through)と入力光導波路の光軸の延長から外れた光軸上にある他方の出力光導波路から導出される光強度(Cross)との比率(Through/Cross)で表される。
多モード干渉光カプラを多段に接続する構成では、接続された系全体の損失は各段の多モード干渉光カプラの損失を加算したものであるため、系全体の損失を低減するには各段の多モード干渉光カプラの過剰損失が小さいことが求められる。
例えば、各段の多モード干渉光カプラの過剰損失が0.3dB以下であれば、10段の多モード干渉光カプラを直列接続した場合の損失は3dB以下に抑えることができる。
また、所望とされる分岐比は目的によって異なるものの、基本的には二つの出力光導波路に対して分岐の比率が1:1であることが求められる。
多モード干渉光カプラに求められる過剰損失の低減と1:1の分岐比の要求を満たすために、多モード干渉光カプラの設計パラメータの最適化が行われる。設計パラメータの最適化は、はじめに光結合部を構成する幅広の矩形形状の導波路部分の幅と長さを最適化し、次に接続部を構成する二入力/二出力光導波路を最適化する。
接続部の最適化では、一般に接続部の外形形状を緩やかな傾斜を有したテーパー形状とすることによって、光結合部の矩形導波路の光を二出力光導波路に導くことで損失を低減させている。
また、接続部と光結合部の矩形導波路との接続個所において、隣接する接続部の光導波路を接近させると、矩形導波路から光導波路間の隙間を抜けて放出される成分が減少するため、放出による損失を低減させることができる。
しかしながら、接続部の最適化において、接続部を緩やかな傾斜を有するテーパー形状とし、共に接近させて配置すると、隣接する2つの接続部の光導波路間において光の結合が発生して光導波路間でパワーのやり取りが起こり、分岐比が1:1に定まらないという問題がある。
したがって、
・光結合部の矩形形状の光導波路部分の幅と長さの最適化
・接続部を構成する二入力/二出力光導波路のテーパー形状の長さの最適化
・接続部の隣接する光導波路間の間隔の最適化
の多モード干渉光カプラの設計パラメータの最適化において、接続部の隣接する光導波路間の光結合によって分岐比が不安定となるという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、多モード干渉光カプラの設計パラメータの最適化において、接続部の隣接する光導波路間の光結合による分岐比の不安定さを解消することを目的とする。
また、多モード干渉光カプラにおいて、損失の低減と安定した分岐比との両要求を満たすことを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本願発明は、多モード干渉光カプラにおいて、接続部のテーパー形状を光軸方向に対して非対称とする。この接続部の非対称構造によって、
1.接続部の隣接する光導波路が結合面から所定の距離の間において、光導波路間の間隔を離して光導波路間の結合を抑制し、分岐比を安定化させる。
2.光結合部の矩形の多モード光導波路中の伝搬光の波面と、接続部のテーパー形状の単一モード光導波路中の波面との整合を保って・・・ 続きを
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【発明の効果】
以上説明したように、本願発明の多モード干渉光カプラによれば、光結合部の矩形の多モード干渉光導波路中の伝搬光の波面と、接続部のテーパー形状の単一モード光導波路中の波面との整合を保持し、波面の不整合による損失を低減することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本願発明の多モード干渉光カプラの一構成例を説明するための図である。
【図2】 解析モデル例を説明するための図である。
【図3】 光結合部の長さLに対する分岐比の変化を示すシミュレーション結果である。
【図4】 光結合部の長さLに対する過剰損失の変化を示すシミュレーション結果である。
【図5】 接続部間の配置間隔gapに対する過剰損失の変化を示すシミュレーション結果である。
【図6】 設計パラメータとして光結合部の長さL、幅W、接続部の配置間隔gapを用いて得られた最適値における伝搬モードのy方向(面垂直方向)の磁界分布Hyを示す図である。
【図7】 設計パラメータとして接続部の配置間隔gapを変化させたときの伝搬モードのy方向(面垂直方向)の磁界分布Hyを示す図である。
【図8】 最適化したモデルの磁界分布を示す図である。
【図9】 テーパー長taperLに対する分岐比および過剰損失の変化を示す図である。
【図10】 設計パラメータとして接続部のテーパー長taperLを加えた最適化例を示す図である。
【図11】 テーパー形状が対称形状である場合と非対称形状である場合の磁界分布を示す図である。
【図12】 光結合部の長さLに対する分岐比および過剰損失の変化のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】 光結合部の幅Wに対する分岐比および過剰損失の変化のシミュレーション結果を示す図である。
【図14】 接続部の配置間隔gapに対する分岐比および過剰損失の変化のシミュレーション結果を示す図である。
【図15】 テーパー長taperLに対する分岐比および過剰損失の変化のシミュレーション結果を示す図である。
【図16】 従来の多モード干渉光カプラの一構成例を説明するための図である。
10 多モード干渉光カプラ
11 光結合部
12,13,12a,12b,13a,13b 接続部
14 入力端
15 出力端
16a,16b,17a,17b 光軸
18 壁部
19 壁部
20 結合面
22a,22b 入力光導波路
23a,23b 出力光導波路
110 多モード干渉光カプラ
111 光結合部
112a,112b,113a,113b 接続部
114 入力端
115 出力端
116a,116b 光軸
117a,117b 光軸
122a,122b 入力光導波路
123a,123b 出力光導波路
Hy 磁界分布
taperL テーパー長
taperW1 テーパー幅
taperW2 テーパー幅
Through/Cross 分岐比
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