【課題を解決するための手段】
【0005】
ソール面と打撃面とに垂直に面状薄板を設け、該面状薄板は打撃面側中央部の反打撃面側に設けた回転軸により、回転軸と直角方向に揺動可能な面状振り子として機能する部位を内蔵したヘッドを有することを特徴とするパターを実現し課題を解決した。
【0006】
請求項1を例にして本発明を順次説明する。パターに限らずドライバーなど他のクラブでも同様であるが、目標に向かってボールを打つと、事前に何も技術的に教わることなく自然の状態であるとボールは目標の右側に行くことになる。ボールを打つ前に特別に意識しない自然の構えで目の前のボールを見た後に、目標点を見ると目標点は右側に見えてしまうのである。これは後頭部もしくは後頭部から背骨を通る直線ラインを両目々線が目標を追うときの回転軸とした場合、この回転軸が水平面に対して斜めの角度がついているのが原因で、両目々線に錯覚による誤差が生じてしまうためである。
この錯覚について
図10によりパターを構えた場合について説明する。
目標に向かってボールを打つ時、まず目標点Oを見て確認する。次に目の前のボールに目線を移してから、ボールの位置、身体の方向などをチェックし構えを決める。構えのセット完了後、ボールを打つ直前に再確認のため目線は頭を回転させて目の前のボールから芝の上を辿り目標点を見る。
図10のごとくこの様に目線を移動させると本来Oにあるはずの正しい目標点がO2に見えてしまう錯覚が生じるのである。この錯覚の原因は、角度αだけ傾いた回転軸と、この回転軸と両目線がつくる仰俯角θが直角となっていない状態で頭を回転させたところにある。両目々線の動きは回転軸A0C0を中心に回転角γだけ回すことにより点M1 M2 ..... M6 .......M9 M10 と芝の上を曲線上に辿り点O1に達する。しかし両目々線が曲線上を辿ったのにもかゝわらず、人の脳は多少の補正するシステムが作用するものゝ両目々線が直線であるB0Oを辿ったものと判断してしまう。それゆえ、目の前のボール中心B0を通る直線が目標点に向けて真っ直ぐ延長させたのが点O1に見えるのである。その結果、当初の目標点Oは右側にずれて見えてしまう。実際には正しいのに、ずれが生じたとの誤った判断をしてしまうため、このずれを正しい方向に修正しようとする事になる。そして、点O1をやや右側にずらす様に両肩のラインを右回り方向に僅かにずらす事で錯覚している目標点O1を点Oに一致させる。狙う目標Oと認識する目標O1とが一致し、納得するのである。正しくセットされた構えを右側にずらしてしまったのである。これにより、当初そのまま打てば点Oに行くはずのボールは両肩のラインが右方向に僅かに向けてしまつているため、打ち出されたボールはO2に向かってしま結果となる、
図12(B)。
【0007】
以上は、パターについて述べたのであるが、ドライバーなどの大きいクラブの場合はこの錯覚による発生するくるいは明確である。自分の両肩との平行線のボールと目標点を結ぶ延長先がO1に見えてしまう事により木立などに決めた正しい目標Oは右側にずれた様に見える。このずれが出る理由を理解しておれば良いのであるが、それを分からないまま錯覚したO1を本来の正しいOに一致させる様に両肩のラインを右側方向に回し、開いた状態に修正しまう。これにより当初の目標OがO2に見え様になる事により、これが正しい構えであると確信してしまうのである。
100ヤードより長い距離の時は目標をボールの後ろから見ることにより、構えに入った時との目標のずれを認識できるが、パターなどでの数ヤードの時は目標ずれの認識すらとらえることが出来ず、なぜか理由が分からないままボールを右側に打ち出してしまう事になる。
世界トッププロの中でこの回転軸をやや傾けたままの姿勢でパターを打つプレイヤーがいるが、これは幼年期からの膨大な練習量により錯覚によるずれの誤差を補正する感覚がみについていると判断できる。練習量に限りのあるアマチュアにはこの補正する感覚を持つ事は困難に近いものである。
次に
図11でこの錯覚について説明する。これは両目々線が目標を辿るとき、頭を回す中心となる回転軸の傾き角αを水平にしたものある。すなわちα=0の条件となっている。これと同時に回転軸と両目々線がつくる仰俯角θが直角としている。これらの条件を満たす事により両目々線が目標に向かって芝生の上を辿っても回転軸が水平のため錯覚は生じない。
図12(A)。これにより、当初に認識した目標Oと回転軸を中心に頭を回転する事により両目線が辿った点M1 M2 .....M6 .......M9 M10 は直線となっており目標点Oに達する。錯覚による誤差は発生しないのである。
図12は前記の後頭部ラインを回転軸として1、2、.....5,6と目標を両目々線が追ったときの頭の回転動作図である。上側の(A)は回転軸が水平で回転した時の場合である。下側の(B)は回転軸が傾斜して回転した場合の図で錯覚が発生することになる。
【0008】
以上に述べてきたように、回転軸に傾きがあり、なおかつ、両目々線が作る上下の仰俯角が直角でない時、両目々線が芝生の上を目標までに辿るのは直線上ではなく曲線上となり、これにより錯覚が生じるのである。この曲線は下の(1)の方程式で表され、錯覚方程式と名付けた。
【数1】
この式から述べると
図11のごとく錯覚を生じない条件は α:回転軸傾き角=0、θ: 両目々線上下の仰俯角=90度である。これは(1)錯覚方程式の特異点となり、解はX=±1となる。これは点B0及び点Oを通る直線を意味する。すなわち、この条件の場合のみ両目々線が芝の上を直線で辿ることになり、曲線上を辿ることがなくなるため錯覚は生じない。
図9は両肩と平行なライン上にある目標点Oを追ったときの両目々線の動きである。後頭部を通る回転軸C0A0を水平に保ち、なおかつ、この水平な回転軸と両目々線がつくる上下の仰俯角のθを90度にすることで、パターに設けられた面状振り子は
図1のごとく面状をした本体に自由に動く回動軸8を支点として持ち、鉄製錘9を下部に設けることにより、常時鉛直面の状態となる。これにより作られた鉛直面に両目々線を一致させる事が出来る。これにより両目々線が面状振り子を見る時の微かな平行作動によりできる面E1 E2 P1 P2は面状振り子と同一鉛直面となる。同様にして後頭部回転軸C0 A0を水平にして回転させた時に出来る面、すなわちE1 E2 E2 E2 P1 P2 B0 O は面状振り子により作られる鉛直面と同一の鉛直面となる。すなわちこれは
図11で説明した錯覚の生じない条件、後頭部を通る回転軸C0 A0が水平で、両目々線がつくる上下の仰俯角が直角となる、を満足している。
又、ボール打ち出し方向に対してのパター本体の傾きについては目の前のものを単純に水平にするだけであり紛れる要素がないため、それほど誤差が生じることなく調整することができる。この誤差はボールと打撃面とのロフト角の関係でオーバースピン量に僅かな影響を与える程度である。
【0009】
図13はパターを構えた時の姿勢を横から見た状態を表している。後頭部を通る回転軸A0C0が水平であるのに、両目々線上下の仰俯角θが90度になってない場合は、両目々線が上から第一スリットを通し面状振り子6を見ると、面状振り子6は常時、鉛直面を保っているゆえ、面状振り子6の側面が見えてしまうことになる。これは
図15で表した第一スリット4から面状振り子6の側壁が見える状態である。この時、両目々線がつくる上下の仰俯角θは90度より大きい鈍角となっているので、両目々線A0を水平に前方向に微移動させる。しかし面状振り子6の側壁が
図15に表したのと反対側に見える状態の時は両目々線が前方へ行き過ぎているのでθは90度より小さい鋭角になっている。両目々線A0を手前側に微移動させる事でθを90度に調整する。これにより頭と両目々線を微修正する事で両目々線は鉛直面3と一致し、面状振り子6の側壁は見えなくなり面状振り子上面7のみが見える状態の正しい構えが整ったことになる。このことは後頭部を通る回転軸A0C0を水平にして構える事ができさえすれば、面状振り子6が常時鉛直面になっている機能の助けにより、両目々線がつくる上下の仰俯角θを90度に補正出来るのである。
この様にパターのスリットに面状振り子を内蔵させる事により鉛直面を作ることが可能になり、この鉛直面に両目々線、ボール、目標点を一致することができるのである。パターによる誤差を単に左右への誤差ずれと、2次元的に捉えるのではなく、立体すなわち3次元のゆえに発生する錯覚によるものであるとして捉える事で、打ち出し方向に錯覚の生じる事がない精度の高いパターが実現した。
次に面状の振り子をパターヘッドが水平の時パターヘッド中心線である鉛直面3に合致する様にして組み込んだ事により、必ずしもパターヘッドを 水平にして構えて第一、第二スリット使って鉛直面出す必要がなくなった。パターヘッドと水平面がなす角度であるライ角は既に述べたように個人差がある。
図14のごとく鉛直面と一致している面状振り子にハンドファーストの構えで両目々線を合せられることで個人のもっている固有ライ角を変えることなしに自然に構えることが可能になったのである。このライ角を常時高精度に再現できる技能を持ったプレイヤーは面状振り子を固定させて使う。
図3及び
図16はハンドファーストの状態で面状振り子を固定した時のものである。
図3はパターヘッド側面の拡大図でハンドファースト角がδの場合の面状振り子及び両目々線A0の状態を表わしている。
【0010】
請求項2の第一スリットセンター線はライ角のないプレイヤーには面状振り子上面7と一致しボール打撃時の方向を指針の役目をなすが、ライ角をつけて使用するプレイヤーの時には面状振り子上面7のラインがボールセンターを狙う指針ラインとなる。又、面状振り子に加えられる外力からのカバーと同時に
図7の裏側には集光用第二反射板13を取り付けたものとなる。
請求項3のごとく面状薄板の上部に強化ガラス又は可視光を透過する樹脂板を設けたヘッドを有することで面状振り子側面に光があたり易くなる。
請求項4,5,6のごとく、打撃面にボールとの摩擦抵抗を減じる効果を有する材料を設置する事によりボール横方向のスピンを減少させられる。
請求項7のごとく打撃面に溝を設けることによりボールに縦方向のスピンを加え事で転がりの良いボールを打てることが可能となる。
請求項8のごとく面状薄板と回動軸との構成により自由に回動する面状振り子が実現した。
請求項9、10のごとく第二スリットを設けることにより、パターを水平に保持してかまえる条件の時、第一、第二スリットの重なりと面状振り子との両方から面状振り子の鉛直面を確認できる。又面状振り子への採光条件が良好になる効果を生む。
請求項10のごとく採光反射部を設けることにより面状振り子への採光条件が良好になる効果を生む。
本願の第1の発明は、ソール面と打撃面とに垂直に面状薄板を設け、該面状薄板は打撃面側中央部の反打撃面側に設けた回転軸により、回転軸と直角方向に揺動可能な面状振り子として機能する部位を内蔵したヘッドを有することを特徴とするパターである。
第2の発明は、面状薄板の上部に第1スリットを設けたヘッドを有することを特徴とする第1の発明のパターである。
第3の発明は、面状薄板の上部に強化ガラス又は可視光を透過する樹脂板を設けたヘッドを有することを 特徴とする第1の発明のパターである。
第4の発明は、打撃面が含油樹脂からなるヘッドを有することを特徴とする第1乃至第3のいずれかの発明のパターである。
第5の発明は、打撃面が複層型又は複合型構造の含油複合系樹脂からなるヘッドを有することを特徴とする第1乃至第4のいずれかの発明のパターである。
第6の発明は、打撃面が外径が0.01〜5.0mmのボールベアリングを埋め込んだ打撃面板を有することを特徴とする第1乃至第3のいずれかの発明のパターである。
第7の発明は、打撃面にソール面に対し0〜45度の角度で幅0.1mm〜0.7mmの溝を設けたヘッドを有することを特徴とする第1乃至第6のいずれかの発明のパターである。
第8の発明は、面状薄板が0.1mmから1.8mm径の回動軸を上部に有し、該面状薄板の厚さが0.1〜2.0mmであるヘッドを有することを特徴とする第1乃至第7のいずれかの発明のパターである。
第9の発明は、第1スリット下部に第1スリットに平行に第2スリットを設けたヘッドを有することを特徴 とする第2の発明のパターである。
第10の発明は、第1スリットと第2スリットにはさまれた空間の内側面上下の少なくとも片側に光反射部 を設けたヘッドを有することを特徴とする第1又は第9の発明のパターである。
ここで第一、第二スリットと上下に採光反射板を持ったパターについて説明する。
これはパターを水平に保持してかまえるプレーヤーにとっては両目々線が鉛直面と一致したことで第一、第二スリットの重なりと同時に、面状振り子からの両方から確認できる。両目々線と目標点とで作る三角面が鉛直面に一致している条件は、
図13に表すごとく両目々線がA0の位置にあることにより、上からパターのスリットを見ると面状振り子の最上面7のみが見えて両側壁が見えない事と、第一スリット4、第二スリット5が重なっているため、第二スリット5の両端縁が見えずに下の芝が見えることの二つである。二つの方法で確認できる長所はあるが、スリットの上部と下部の重なりは、雨天時及び夕方に近くには第二スリットが見えにくい状況になる事がある。ここで上から第一のスリット越しに第二スリット5の両端辺に採光反射板13を持つことで、上から第二のスリットを見た時、第一スリットと重なっていない状態であると採光反射板13が光った帯として見える。
図7、13、15に表した通り、採光反射板13と面状振り子6の側面が見える状態である。この時、両目々線を水平方向微調整によりこの光の帯が消えた時が第一スリット4と第二スリット5が重なったことを意味する。そして両目々線と目標とで作る三角形面は鉛直面に一致したことになる。周りの状況が良くないときでも、両目々線と目標とで作る三角面が鉛直面と一致した事を二つの方法で認識できるパターが実現した。
【0011】
図3及び
図16はハンドファーストにして面状振り子6を固定させた時の図である。
図3においてはライ角をδとしている。パターをハンドファーストにして角度δだけ傾けて構えたとき、常時鉛直面を作る面状振り子6は、当然、パターヘッドが水平の時に作る第一スリット、第二スリットを通り支点を含む鉛直面と角度δだけ傾く。スリットの両内側縁とは関係なく前で述べたように面状振り子6をパターの真上から見た時、面状振り子上面7は見えるが両側面が見えなくなる位置に両目々線に水平移動させる事で、両目々線と目標点の作る三角面を面状振り子の鉛直面に一致させられる。これにより後頭部を通る回転軸C0A0と両目々線の作る三角面を直角にして目標を見ることにより、ハンドファーストであっても錯覚曲線を辿る事はない。
当然の事ではあるが、この場合面状振り子の最上面長手方向の中心線と第一スリットの中心線は合致しない。ハンドファーストの構えの時、パター本体の傾きに係わらず面状振り子は鉛直面を保持するのであり、この傾きの分だけ面状振り子上面7は第一スリットの体より遠方側の内壁近くで固定される事になる。
【0012】
ゴルフは本能を使ったスポーツであるとの信条を持って道具の助けを不用とする人、又は競技ルールにより規定された場合の時は面状振り子を固定させて使用する。これにより面状振り子をその人の感性により鉛直面にセットさせることが必要になる。普通の状態で面状振り子は外から力が加えられない限り常時鉛直面の状態にあるから、この面状振り子をパター本体の鉛直面、すなわちソール面に垂直のスイートスポットを通る面3と一致する位置にくるように永久磁石を使い固定させるようにする。
図1は面状振り子6の回動軸8より下部にある鉄製錘9が永久磁石10により磁力吸引されて面状振り子がソール面に垂直のスイートスポットを通る面3と一致した位置に固定された状態である。これとは逆に、面状振り子の機能を使うために磁石の引力を解放し面状振り子が自由に回動軸を中心に動く状態を表しているのは
図8である。この様に面状振り子6を固定した状態で錯覚が生じさせずにボールを目標に打つには後頭部を通る回転軸A0C0を水平に保ち、パターヘッド本体1を水平にして構える必要がある。
ハンドファーストの構えを横から見たのが
図3及び
図16である。
ハンドファーストの人は前記と同じ要領で、自分のフイーリングに合ったライ角度位置に面状振り子を永久磁石によって固定させる。この固定された面状振り子の角度はその人にとっての最適鉛直面となっており、正しい構えの時は、真上から見たとき面状振り子の両側壁は見えない。これがこの人にとって正しい構えの状態になっている。前記の面状振り子が自由に回動するときと同様で
図13で表すごとく、両目々線と目標点とで作られる三角面は最初から正しい構えにはなっていないのであるから、最初には両目々線が(ロ)の状態に近いものになっている。これから錯覚の生じないボールを打つためには両目々線が後頭部を通る回転軸A0 C0との角度θから正しい両目々線(イ)の90度に微調整する必要がある。
【0013】
この時、当然ではあるがパターを真上から見た両目々線と目標点とで作る三角面は後頭部を通る回転軸A0 C0と直角になっている。
図2はパターを上から見た平面図で、ハンドファーストの人が面状振り子を自分に最適な意図した角度に固定しようとする前の永久磁石10の位置を表している。
図3は面状振り子6が永久磁石10により固定された状態のパターヘッド背面方向からの断面であり、ライ角がδ度のハンドファーストの人に対応している。
図8図13及び
図14は永久磁石10から鉄製錘9解放した状態の図で、パターヘッド1が水平及びハンドファーストの構えの状態を表している。これと同時にこれらの図は永久磁石10と鉄製錘9の位置と鉛直面3及び両目々線の関係を表している構えのヘッドを横から見た図である。
【0014】
又、普通に面状振り子の機能を生かして使う場合、永久磁石の磁力吸引力は面状振り子の自由な回動の妨げになる。これを避けるために
図8に表すごとく非磁性体製保持部11を固定している非磁性体製皿ビス及びナット12を緩めて永久磁石を180度反転させて固定する。パター本体1は非磁性体製保持部11と同様に非磁性体の材質であるため永久磁石10を保持していても磁化されることはない。そして、この永久磁石が反転した後の位置は面状振り子下部の鉄製錘9に磁力吸引力の影響を及ぼさないほどの十分な距離となる。これにより面状振り子6は磁力から解除された状態となり、自由に回動することが可能となる。