(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主要殻および外殻が、ゼラチンとアルギネート、ゼラチンとペクチン、ゼラチンとアラビアゴム、ゼラチンと低メトキシルペクチンまたはゼラチンとホエータンパク質との複合コアセルベートから形成される、請求項1に記載の方法。
前記充填物質が、生物学的に活性な物質、微生物の油、海産の油、藻類の油、真菌の油、植物油、魚油、オメガ−3脂肪酸、オメガ−3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ−3脂肪酸のトリグリセリドエステル、オメガ−3脂肪酸のフィトステロールエステルおよび/またはそれらの混合物、ドコサヘキサエン酸および/もしくはエイコサペンタエン酸および/もしくはアラキドン酸、それらのC1−C6アルキルエステル、それらのトリグリセリドエステル、それらのフィトステロールエステルならびに/またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本明細書中に記載される材料、化合物、組成物および方法は、開示される主題の特定の局面の以下の詳細な説明およびその中に含まれる実施例ならびに図面を参照することによって一層容易に理解され得る。
【0012】
本発明の材料、化合物、組成物および方法が開示され、説明される前に、以下に記載される局面は、特定の合成方法または特定の試薬に限定されず、当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本明細書中で使用される用語は、特定の局面のみを説明する目的であり、限定する意図ではないことも理解されるべきである。
【0013】
また、本明細書を通じて、様々な刊行物が参照される。開示される事項が関係する分野の状況をより十分に説明するために、これらの刊行物の開示の全体が、本明細書によって本願中に参考として援用される。開示される参考文献はまた、その参考文献が信頼している文章に開示されているそれらに含まれる題材について、個々に、そして明示的に、本明細書中で参考として援用される。
【0014】
全般的な定義
本明細書および以下の特許請求の範囲において、以下の意味を有するように定義されるべきである多くの用語が言及される:
本明細書および特許請求の範囲において、単語「〜を含む(comprise)」およびこの単語の他の形態(例えば、「〜を含む(comprising)」および「〜を含む(comprises)」)は、〜を含むがこれらに限定されないを意味し、例えば、他の付加物、成分、整数または工程を排除すると意図されない。
【0015】
説明および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかに別のものを指していない限り、複数の指示物を包含する。従って、例えば、「化合物(a compound)」についての言及は、2つ以上のそのような化合物の混合物を包含し、「オメガ−3脂肪酸(an omega−3 fatty acid)」についての言及は、2つ以上のそのような酸の混合物を包含し、「マイクロカプセル(the microcapsule)」についての言及は、2つ以上のそのようなマイクロカプセルの混合物を包含する。
【0016】
「任意の」または「必要に応じて」は、それに続いて記載される出来事または状況が、起き得るかまたは起き得ないこと、そして、その説明が、その出来事または状況が起きる場合および起きない場合を包含することを意味する。例えば、句「充填物質、第2ポリマー成分および必要に応じて組成物をエマルションに加える」は、その組成物が、そのエマルションに加えられる場合およびその組成物がそのエマルションに加えられない場合を包含する。
【0017】
範囲は、本明細書中において、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値に、と表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の局面は、その1つの特定の値から、および/またはその他の特定の値に、を含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用することによって近似で表現されるとき、その特定の値は、別の局面を形成すると理解される。範囲の各々の終点は、他の終点に関して、と、他の終点とは独立して、の両方において重要であることがさらに理解される。本明細書中に多くの値が開示され、その各々の値が、その値自体に加えて、「約」その特定の値として本明細書中で開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。ある値が開示されるとき、当業者によって適切に理解されるように、その値「以下」、「その値以上」およびその値の間の可能性のある範囲もまた開示されると理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「10以下」ならびに「10以上」もまた開示される。本願を通じて、多くの異なる様式でデータが提供されることおよびこれらのデータが終点および起点ならびにそのデータポイントの任意の組み合わせに対する範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示される場合、10〜15と同様に、10および15より大きい、10および15以上、10および15未満、10および15以下ならびに10および15に等しい、が開示されると考えられると理解される。2つの特定の単位の間の各々の単位もまた開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14もまた開示される。
【0018】
本明細書および末尾の特許請求の範囲における組成物中の特定の成分の重量部に対する言及は、その成分とその組成物中の他の任意の成分との重量関係を述べており、そのために、重量部が表現される。従って、2重量部の成分Xおよび5重量部の成分Yを含む化合物において、XおよびYは、2:5の重量比で存在し、さらなる成分がその化合物中に含まれているか否かに関係なく、その比で存在する。
【0019】
ある成分の重量パーセント(wt.%)は、逆のことが明示的に述べられていない限り、処方物または組成物の総重量(その成分を含む)に基づく。
【0020】
本明細書中で使用されるとき、「被験体」は、個体を意味する。1つの局面において、被験体は、霊長類のような哺乳動物であり、別の局面において、被験体は、ヒトである。用語「被験体」はまた、家畜化された動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ショウジョウバエなど)も含む。
【0021】
ここで、開示される材料、化合物、組成物、物品および方法の特定の局面に対する言及が詳細になされ、それらの例は、添付の実施例において例示される。
【0022】
材料および組成物
開示される方法および組成物に使用され得るか、開示される方法および組成物とともに使用され得るか、開示される方法および組成物のための調製に使用され得るか、または、開示される方法および組成物の製品である、材料、化合物、組成物および成分が、本明細書中で開示される。これらの材料および他の材料が、本明細書中で開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示されるとき、これらの様々な個別の化合物ならびにこれらの化合物の集合的な組み合わせおよび順列の各々についての特定の言及が、明示的に開示されないかもしれないが、その各々は、本明細書中で明確に企図され、説明されると理解される。例えば、ある化合物が開示され、その化合物の多くの成分または残基に対してなされ得る多くの改変が記述される場合、逆のことが明示的に述べられていない限り、可能性のある組み合わせおよび順列の各々およびすべてが、明示的に企図される。従って、成分A、BおよびCのクラスが開示され、そして成分D、EおよびFのクラスならびに組み合わせ組成物A−Dの例が開示される場合(たとえ各々が個々に列挙されていなくても)、その各々は、個々におよび集合的に企図される。従って、この例では、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fの各々が、A、BおよびC;D、EおよびF;ならびに組み合わせ例A−Dの開示から、明示的に企図され、そして開示されると考えられるべきである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせもまた、明示的に企図され、開示される。従って、例えば、A−E、B−FおよびC−Eのサブグループが、A、BおよびC;D、EおよびF;ならびに組み合わせ例A−Dの開示から、明示的に企図され、そして、開示されると考えられるべきである。この概念は、本開示のすべての局面(開示される組成物を作製および使用する方法における工程が挙げられるがこれらに限定されない)に適用される。従って、実施され得る種々の追加工程が存在する場合、これらの追加工程の各々は、開示される方法の任意の特定の局面または局面の組み合わせとともに実施され得、そして、そのような組み合わせの各々は、明示的に企図され、開示されると考えられるべきであると理解される。
【0023】
マイクロカプセル
多くのマイクロカプセルの殻、例えば、ゼラチン殻を有するマイクロカプセルは、しばしば、空気中の酸素と接触し得る「多孔性」であるか、または充填物質コア内に拡散するために水に溶解され得る。充填物質の酸化によって、安定性および官能性(sensory)の問題が生じ得る。これらの問題を克服するために、殻が改善されたマイクロカプセルおよびそれを調製する方法が本明細書中で開示される。概して、マイクロカプセル殻の孔を封鎖し、そして/またはマイクロカプセル殻内の架橋数を増加させる、ろう、サッカリド、タンパク質および小分子(例えば、アミノ酸および糖)の使用を含むマイクロカプセルを調製する方法が開示される。従って、本明細書中で開示されるマイクロカプセルは、通常、構造強度と不透過性と高荷重(high payload)との組み合わせを有する。
【0024】
ある特定の局面において、主要マイクロカプセルと充填物質との集塊(個別の主要マイクロカプセルは主要殻を有する)を含むマイクロカプセルが本明細書中で開示され、ここで、その充填物質は、主要殻によって被包され、集塊は、外殻によって被包されている。これらのマイクロカプセルは、本明細書中で「マルチコアマイクロカプセル」と呼ばれる。1つのコアを含む「シングルコア」マイクロカプセルもまた開示され、ここで、そのコアは、充填物質、コアを取り囲んでいる主要殻および主要殻を取り囲んでいる外殻を含む。別段述べられない限り、用語「マイクロカプセル」は、マルチコア、シングルコアまたはマルチコアとシングルコアの混合物のマイクロカプセルのことを指すために本明細書中で使用される。これらのマイクロカプセル(および本明細書中で開示されるその他のもの)において、主要殻、外殻または主要殻と外殻の両方は、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含む。
【0025】
用語「残基」とは、本明細書中で使用されるとき、特定の反応スキームまたはその後の処方物もしくは化学製品の特定の化学種から生じる生成物である部分(その部分が、特定の化学種から実際に得られるか否かに関係ない)のことをいう。例えば、「アミノ酸残基」とは、アミノ酸が特定の反応に関与するときに生じる部分のことをいう(例えば、その残基は、トランスグルタミナーゼに触媒される架橋反応を別のアミノ酸とともに起こすアミノ酸の生成物であり得る)。この場合、アミノ酸残基は、アミノ酸に「由来する」。この部分が、特定のアミノ酸以外の種との反応によって、例えば、アミノ酸を含むタンパク質またはペプチドとの反応などによって、得ることができることが理解される。この概念は、本明細書中で開示される他の化学種(例えば、タンパク質、キトサン、ラクトースおよびスクロースのようなサッカリドならびにろう)に対しても適用される。従って、そのような種が、特定の反応または処理(例えば、酸/塩基反応、他の化学種との架橋反応および官能基変換)を起こすとき、それらは、対応する化学種の残基として本明細書中で言及される。
【0026】
1つ以上のさらなる殻層が、マイクロカプセルの外殻上に配置され得ることも企図される。国際公開番号WO2004/041251A1(その全体が参考として援用される)に記載されている手法を使用して、さらなる殻層をマイクロカプセルに付加することができる。
【0027】
述べるように、本明細書中で開示されるマイクロカプセルは、主要殻、外殻または主要殻と外殻の両方が、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含むことがあり得る。この残基成分は、主要殻および/または外殻を構成する材料と異なるものであり得る。例えば、主要殻および/または外殻が、サッカリドから作製されており、その主要殻および/または外殻がサッカリドの残基を含むといわれる場合、開示されるマイクロカプセルにおいて、サッカリド残基はその殻材料を作製するために使用されているサッカリドと異なる。同様に、主要殻および/または外殻が、タンパク質から作製されており、その主要殻および/または外殻が、タンパク質の残基を含むといわれる場合、開示されるマイクロカプセルにおいて、タンパク質残基は、その殻材料を作製するために使用されているタンパク質と異なる。
【0028】
誘導時間
本明細書中で開示されるマイクロカプセルの多くの例において、マイクロカプセルは、長い誘導時間を有する。誘導時間は、マイクロカプセルの不透過性の基準である。誘導時間は、マイクロカプセル(約5g)のサンプルを容器(例えば、ガラス容器)内に置き、次いで、そのサンプルを含む容器を酸素加圧金属ボンベ内に入れることによって測定され得る。その加圧ボンベの初期圧力は、65℃において5バール(500kPa)であり得る。次いで、圧力の変化を経時的に記録する。変曲点を誘導時間とみなす。誘導時間を測定するために使用され得る市販の装置は、OXIPRES
TM(Mikrolab Aarhus A/S;Hojbjerg,Denmark)である。一般に、一定温度において、粉末が安定であるほど、その誘導時間は長い。
【0029】
本明細書中で開示されるマイクロカプセルの多くは、約40、47、50、75または100時間を越える誘導時間(すべての誘導時間の結果は、別段特定されない限り、65℃における測定から得られる)を有し得る。例えば、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120時間を越える誘導時間を有するマイクロカプセルが、本明細書中で開示され、ここで、述べた値のいずれかは、ある範囲の高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0030】
殻材料
多くの様々なポリマーを使用して、開示されるシングルコアおよびマルチコアマイクロカプセルの殻層を作製することができる。例えば、開示されるマイクロカプセルの主要殻および/または外殻の材料は、界面活性剤、ゼラチン、タンパク質、ポリホスフェート、多糖またはそれらの混合物を含み得る。主要殻および/または外殻に適した材料のさらなる例としては、A型ゼラチン、B型ゼラチン、ポリホスフェート、アラビアゴム、アルギネート、キトサン、カラギナン、ペクチン、低メトキシルペクチン、デンプン、加工デンプン、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン(beta−lactoglobumin)、オボアルブミン(ovalbumin)、ポリソルビタン(polysorbiton)、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、ホエー(whey)タンパク質、ダイズタンパク質、キャノーラタンパク質(canola protein)、アルブミン、キチン、ポリ乳酸、ポリ−ラクチド−コ−グリコリド、誘導化(derivatized)キチン、ポリ−リジン、コーシャ(kosher)ゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラル(Halal)ゼラチンおよび非ハラルゼラチンが挙げられる(それらの組み合わせおよび混合物を含む)が、これらに限定されない。これらのポリマーの誘導体も同様に使用され得ることも企図される。開示されるマイクロカプセルにおいて使用され得る主要殻および/または外殻の材料の1つの特定の種類は、魚ゼラチンまたは豚ゼラチンである。
【0031】
適当なマイクロカプセルの多くの例において、主要殻および/または外殻の材料は、約0〜約350のブルーム強度(Bloom number)を有する。ブルーム強度は、17±1時間でゲル化する6.67%溶液を用いて10℃において形成されるゲル強度を説明するものである。物質のブルーム強度の測定は、当該分野で公知の方法によって達成され得る。主要殻および/または外殻の材料は、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349または350のブルーム強度を有し得ると企図され、ここで、述べた値のいずれかは、適切な場合、高い方の終点または低い方の終点を形成し得る。いくつかの特定の例において、主要殻および/または外殻の材料は、約0〜約50のブルーム強度を有し得、他の例では、主要殻および/または外殻の材料は、約51〜約350のブルーム強度を有し得る。なおも他の特定の例は、約0、約210、約220または約240のブルーム強度を有する主要殻および/または外殻の材料を含むマイクロカプセルを含む。1つの例において、マイクロカプセルは、50未満のブルーム強度を有するゼラチンである「低ブルーム」ゼラチンを含まない。
【0032】
殻材料は、異なる種類のポリマー成分の混合物から作製される2成分系であり得、ここで、組成物は、不透過性を改善する系に加えられる。他の例では、殻材料は、2つ以上のポリマー成分(例えば、ゼラチンAおよびポリホスフェート)の複合コアセルベートであり得る。成分Aは、A型ゼラチンであり得るが、殻材料について上で述べたもののような他のポリマーもまた、成分Aとして企図される。成分Bは、B型ゼラチン、ポリホスフェート、アラビアゴム、アルギネート、キトサン、カラギナン、ペクチン、低メトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースまたはそれらの混合物であり得る。また、殻材料について上で開示されたもののような他のポリマーもまた、成分Bとして企図される。使用される成分A:成分Bのモル比は、成分の種類に依存するが、代表的には、約1:5〜約15:1である。例えば、A型ゼラチンおよびポリホスフェートがそれぞれ成分AおよびBとして使用されるとき、成分A:成分Bのモル比は、約8:1〜約12:1であり得;A型ゼラチンおよびB型ゼラチンが、それぞれ成分AおよびBとして使用されるとき、成分A:成分Bのモル比は、約2:1〜約1:2であり得;そして、A型ゼラチンおよびアルギネートが、それぞれ成分AおよびBとして使用されるとき、成分A:成分Bのモル比は、約3:1〜約5:1であり得る。開示されるマイクロカプセルの多くにおいて、主要殻および/または外殻は、複合コアセルベートを含み得る。例えば、主要殻および/または外殻は、ゼラチンとポリホスフェートとの複合コアセルベートを含み得る。他の例としては、ゼラチンとアルギネート、ゼラチンとペクチン、ゼラチンとアラビアゴム、ゼラチンとキサンタン、ゼラチンと低メトキシルペクチンおよびゼラチンとホエータンパク質との複合コアセルベートが挙げられる。
【0033】
開示されるマイクロカプセルにおいて、外殻は、約1μm〜約2,000μm、約20μm〜約1,000μmまたは約30μm〜約80μmの平均直径を有し得る。さらなる例では、外殻の平均直径は、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900または2000μmであり得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なときに、高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0034】
開示されるマイクロカプセルの主要殻は、約40nm〜約10μmまたは約0.1μm〜約5μmの平均直径を有し得る。さらなる例では、主要殻の平均直径は、約40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μmであり得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なときに、高い方または低い方の終点を形成し得る。粒径は、当該分野で公知の任意の代表的な装置、例えば、Coulter LS230 Particle Size Analyzer,Miami,Florida,USAを使用して測定され得る。
【0035】
追加組成物
本明細書中で開示されるとき、マイクロカプセルは、マイクロカプセルの不透過性を改善する追加組成物を含む殻(主要殻および/または外殻)を有し得る。これらの追加組成物は、本明細書中でより十分に記述されるように、マイクロカプセル調製方法における異なる点において殻内に組み込まれ得る。一般に、追加組成物は、物理的、静電気的、イオン的、ファンデルワールス的、立体的または化学的な相互作用を介して、殻と会合され得る。例えば、追加組成物は、殻に存在する孔の内部に物理的に捕捉され、ゆえに、その孔を封鎖し得る。別の例では、追加組成物は、共有結合を介して(例えば、酵素的に触媒される架橋反応を介して)殻材料に化学的に結合し得る。
【0036】
開示されるマイクロカプセルの殻(主要殻および/または外殻)に存在し得る追加組成物のいくつかの特定の例としては、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、サッカリド(すなわち、単糖、二糖、オリゴ糖または多糖)およびろうが挙げられる(それらの組み合わせおよびそれらの残基を含む)が、これらに限定されない。さらに説明するために、多糖キトサンは、開示されるマイクロカプセルの殻に存在し得、殻材料を作製するために使用される第1および/または第2ポリマー成分間の酵素的な架橋反応に関与し得る。従って、複数の架橋部位を有するキトサンは、殻材料において他のポリマー成分に化学的に結合し、それよって、殻の不透過性を増大し得る。他の例では、アミノ酸または糖のような小分子は、マイクロカプセルの殻に物理的に捕捉されるか、からまるか、または化学的に結合し得るので、殻を強化するように、および/または任意の孔を封鎖するように作用し得る。より大きなろう粒子およびタンパク質もまた、任意の孔を封鎖することによって不透過性を補強、強化および/または改善するために、マイクロカプセル殻内に組み込まれ得る。
【0037】
そのような追加組成物の任意の組み合わせが使用され得、また、開示されるマイクロカプセルの殻材料に存在し得ることも企図される。つまり、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のタンパク質、1つ以上のサッカリドまたは1つ以上のろうが使用され得る。さらに、1つ以上のアミノ酸およびタンパク質、1つ以上のアミノ酸およびサッカリドまたは1つ以上のアミノ酸およびろうが使用され得る。なおもさらに、1つ以上のタンパク質およびサッカリドまたは1つ以上のタンパク質およびろうが使用され得る。また、1つ以上のサッカリドおよびろうが使用され得る。なおも別の例では、1つ以上のアミノ酸、タンパク質およびサッカリド、1つ以上のアミノ酸、タンパク質およびろう、1つ以上のタンパク質、サッカリドおよびろう、1つ以上のアミノ酸、サッカリドおよびろうが使用され得る。
【0038】
開示されるマイクロカプセル殻において使用され得るアミノ酸(その残基を含む)の特定の例は、タンパク質およびポリペプチドを構成する20個の天然に遭遇するアミノ酸を含む。さらに、その例は、天然に存在するもの(例えば、ホルミルメチオニンおよびセレノシステインであるがこれらに限定されない)であるそれほど代表的でない構成物、代表的に見られるアミノ酸のアナログおよびアミノ酸の模倣物またはアミノ酸官能性をさらに含む。ポリリジンのようなアミノ酸の場合のポリマーもまた企図される。これらの分子および他の分子の非限定的な例が本明細書中に記載される。多くの例において、追加組成物は、リジン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、メチオニン、チロシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システインまたはそれらの任意の組み合わせを含む。アミノ酸は、第2ポリマー成分との比較において約1:5〜約5:1(例えば、約2:1)の比で殻材料に存在し得る。さらなる例としては、アミノ酸と第2ポリマー成分との比が約1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1および5:1であるマイクロカプセルが挙げられ、ここで、任意の比が、一連の比の高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0039】
適当なタンパク質(「ペプチド」も含む)は、化学的にともに結合したアミノ酸から構成される化合物である。通常、アミノ酸は、アミド結合(−CONH−)を介してともに化学的に結合する;しかしながら、アミノ酸は、当該分野で公知の他の化学結合によっても、ともに結合し得る。例えば、アミノ酸は、アミン結合によって結合し得る。他の分子に連結されたペプチドおよびタンパク質(例えば、結合体)を使用することも可能である。例えば、炭水化物(例えば、糖タンパク質)は、タンパク質またはペプチドに連結され得る。ペプチドおよびタンパク質のそのような誘導体、改変体(variant)およびアナログは、本明細書中において、用語タンパク質の意味の中に企図される。いくつかの特定のタンパク質としては、乳タンパク質、ゼラチン、ホエータンパク質単離物(isolate)、ホエータンパク質濃縮物(concentrate)、カゼイネート、ダイズタンパク質、BSAおよび他のアブメン(abumen)が挙げられる(それらの混合物を含む)が、これらに限定されない。タンパク質は、約1:1〜約40:1(例えば、約28.5:1)という第2ポリマー成分との比で殻材料に存在し得る。さらなる例としては、約1:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1および40:1というタンパク質と第2ポリマー成分との比を有するマイクロカプセルが挙げられ、ここで、任意の比は、一連の比の高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0040】
1つ以上のアミン官能基を含むオレフィンベースのポリマーである重合体のアミンもまた適当である。多くのそのようなポリアミンは、商業的に入手可能であるか、または当該分野で公知の方法によって調製可能である。開示されるセルロース/活性な物質の複合物において第1の活性な物質として使用され得るポリアミンの適当な例としては、ポリビニルアミンおよびポリエチレンイミンのようなポリアルキレンイミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
サッカリド(その残基を含む)もまた、開示されるマイクロカプセル殻に存在し得る適当な組成物である。特定の例としては、キトサンおよびキチンのようなN−アセチルグルコサミンポリマーが挙げられる。キトサンは、多くの真菌に見られる天然に存在するポリマーである。しかしながら、都合上、キトサンは、2番目に多い(セルロースの次)天然のポリマーであるキチンから得られる。キチンは、甲殻類または昆虫の外骨格から容易に単離され、軟体動物および真菌においても見られる。キチンは、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルコサミンとの水に不溶性の共重合体であるが、多い方のモノマー単位は、N−アセチル−D−グルコサミン残基である。キトサンは、同じ2つのモノマー単位の共重合体であるが、多いほうのモノマー単位は、D−グルコサミン残基である。D−グルコサミン残基は、塩基性のアミノ官能基を有するので、それらは、酸と容易に塩を形成する。これらの塩の多くは、水溶性である。高温での濃腐食薬によるキチンの処理は、N−アセチル−D−グルコサミン残基をN−グルコサミン残基に変換し、それによって、キチンがキトサンに変換される。純粋なポリ−N−アセチル−D−グルコサミンと純粋なポリ−D−グルコサミンとの間で可能性のある一連の組成物が存在する。これらの組成物はすべて、調製分野の範囲内であり、本明細書中に記載される使用に適している。
【0042】
本明細書中に記載される方法において使用するためのキトサン塩を調製するために適した酸は、キトサンとともに水溶性の塩を形成する酸である。その酸自体が水溶性である必要はない;しかしながら、そのような水溶性の酸は、取扱いが容易であり得る。水溶性のキトサン塩を形成する無機酸としては、ハロゲン酸および硝酸が挙げられるが、硫酸およびリン酸は除外される。なぜなら、それらは、キトサンと水溶性の塩を形成しないからである。有機酸は、特に適当であり、そのような有機酸としては、乳酸、グリコール酸、グルタミン酸、ギ酸、酢酸およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。単官能または多官能カルボン酸もまた使用され得る。それらは、キトサンと水溶性の塩を形成する限り、脂肪族であっても、芳香族であってもよい。
【0043】
開示されるマイクロカプセルに適したサッカリドである他の多糖およびその残基は、マルトデキストリン(DE18、DE21、DE40など)、加工デンプン(N−LOK)、オリゴフルクタン、シクロデキストリン(アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリン)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(Methocel)、エチルセルロース(Ethocel)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(例えば、Klucel)、セルロースエーテル(例えば、Benecel)、寒天、アルギネート、ペクチン、低メトキシルペクチン、アラビアゴム、カラギナン、セルロースゴム、ジルタンガム(dilutan gum)、ジェランガム、ローカスビーンガム(locus bean gum)、ウェランガム(welan gum)およびキサンタンガムである。
【0044】
他の適当なサッカリド(その残基を含む)は、単糖類(例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、マンノースおよびキシルロース)である。なおもさらに適当なサッカリド(その残基を含む)としては、二糖類または三糖類が挙げられ、ここで、それらのサッカリドは、ピラノースまたはフラノース(6または5員環)の形態で存在する。二糖類および三糖類の非限定的な例としては、スクロース、ラクトース、セロビオース、ソルボース、セロトリオース(cellotriose)、トレハロース、マルトースおよびラフィノースなどが挙げられる。使用され得るサッカリドの特に有用な形態は、メープルシロップ、蜂蜜およびコーンシロップであり、それらは、安全であり、マイクロカプセルに風味を付加し得る。様々なサッカリド誘導体(例えば、キシリトール、ソルビトール、イソマルト(isomalt)およびグルコサミン)もまた、開示されるマイクロカプセルにおける使用に適している。
【0045】
本明細書中で開示されるサッカリドは、約1:0.2〜約1:5という殻材料全体(第1および第2ポリマー成分)に対する比または約1:0.02〜1:0.5という第2ポリマー成分(例えば、ポリホスフェート)との比で、殻材料に存在し得る。さらなる例としては、約1:0.2、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2.0、1:2.5、1:3.0、1:3.5、1:4.0、1:4.5および1:5.0というサッカリドとポリマー成分全体との比を有するマイクロカプセルが挙げられ、ここで、任意の比は、一連の比の高い方または低い方の終点を形成し得る。なおもさらなる例としては、約1:0.02、1:0.05、1:0.1、1:0.15、1:0.2、1:0.25、1:0.3、1:0.35、1:0.4、1:0.45および1:0.5というサッカリドと第2ポリマー成分との比を有するマイクロカプセルが挙げられ、ここで、任意の比は、一連の比の高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0046】
開示されるマイクロカプセル殻に存在し得る適当なろうは、マイクロエマルションの形態で存在し得るカルナウバろうである。他の適当なろうとしては、カンデリラ、セレシン(cersines)、(合成)木ろう、オレンジピールワックス、米糠ろう、シェラック、パラフィン、モンタン(montan)、微晶質ワックス(microcrystalline wax)、ポリエチレンおよび蜜ろうが挙げられるが、これらに限定されない。ろうは、1:1〜約1:10(例えば、1:6)という第2ポリマー成分との比で殻材料に存在し得る。さらなる例としては、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9および1:10という、ろうと第2ポリマー成分との比を有するマイクロカプセルが挙げられ、ここで、任意の比は、一連の比の高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0047】
充填物質
開示されるマイクロカプセルにおいて、充填物質は、マイクロカプセル化されることが望まれる任意の物質(例えば、被験体に送達されることが望まれる物質)であり得る。多くの例において、適当な充填物質は、水性混合物に完全に溶解性であるわけではない。充填物質は、固体、疎水性の液体または固体と疎水性の液体との混合物であり得る。本明細書中の例の多くにおいて、充填物質は、長鎖多価不飽和脂肪酸を含み得、その特定の例は、以下に含まれる。さらに、充填物質は、生物学的に活性な物質、栄養補給剤(nutritional supplement)のような栄養分、香味物質、オメガ−3脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、ステロイド、微量元素および/またはタンパク質など(それらの混合物および組み合わせを含む)を含み得る。他の例では、充填物質は、微生物の油、藻類の油(例えば、渦鞭毛藻類(例えば、Crypthecodinium cohnii)由来の油)、真菌の油(例えば、Thraustochytrium、Schizochytriumまたはそれらの混合物由来の油)および/または植物油(例えば、アマ、野菜)(それらの混合物および組み合わせを含む)を含み得る。他の例では、充填物質は、薬学的組成物(例えば、薬物および/または酵素)または香料であり得る。充填物質はまた、疎水性液体(例えば、グリース、油またはそれらの混合物)でもあり得る。代表的な油は、魚油、植物油(例えば、アブラナ、オリーブ、トウモロコシ、ナタネ)、鉱油、それらの誘導体またはそれらの混合物であり得る。充填物質は、精製された油性物質または部分的に精製された油性物質(例えば、脂肪酸、トリグリセリドまたはそれらの混合物)を含み得る。
【0048】
なおも他の例では、適当な充填物質は、海産の油(marine oil)(例えば、天然の魚油および精製魚油および濃縮魚油)を含み得る。適当な魚油の例としては、大西洋魚油(Atlantic fish oil)、太平洋魚油(Pacific fish oil)、地中海魚油(Mediterranean fish oil)、軽く加圧された(light pressed)魚油、アルカリ処理された魚油、熱処理された魚油、淡茶色および濃茶色の(light and heavy brown)魚油、カツオ油(bonito oil)、ピルチャード油、マグロ油、シーバス油(sea bass oil)、ハリバ油(halibut oil)、フウライカジキ油(spearfish oil)、バラクーダ油(barracuda oil)、タラ油(cod oil)、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油(anchovy oil)、カラフトシシャモ油(capelin oil)、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油(Atlantic mackerel oil)、大西洋メンハーデン油、サケ油(salmonid oil)およびサメ油が挙げられる(それらの混合物および組み合わせを含む)が、これらに限定されない。アルカリ処理されていない魚油もまた、適当な充填物質である。本明細書中における使用に適した他の海産の油としては、イカ(squid)油、コウイカ油、タコ油、オキアミ(krill)油、アザラシ(seal)油、鯨油などが挙げられる(それらの混合物および組み合わせを含む)が、これらに限定されない。任意の海産の油および海産の油の組み合わせは、開示される送達デバイスおよび開示される食料品ならびに方法において使用され得る。
【0049】
本明細書中で開示される微生物、藻類、真菌、植物および海産の油の多くは、オメガ−3脂肪酸を含む。そのため、本明細書中で開示されるある特定の送達デバイスは、オメガ−3脂肪酸、オメガ−3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ−3脂肪酸のトリグリセリドエステル、オメガ−3脂肪酸のフィトステロールエステルならびに/またはそれらの混合物および組み合わせを含む充填物質を含み得る。オメガ−3脂肪酸は、その末端としてCH
3−CH
2−CH=CH−を含む不飽和脂肪酸である。一般に、オメガ−3脂肪酸は、以下の式:
【0050】
【化1】
を有し、ここで、R
1は、少なくとも1つの二重結合を含むC
3−C
40アルキルまたはアルケニル基であり、R
2は、Hまたはアルキル基である。用語「アルカン」または「アルキル」は、本明細書中で使用されるとき、飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど)である。用語「アルケン」または「アルケニル」は、本明細書中で使用されるとき、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素基である。(AB)C=C(CD)のような不斉性の構造は、E異性体とZ異性体(シスとトランス)の両方を含むと意図される。さらなる例では、R
1は、C
5−C
38、C
6−C
36、C
8−C
34、C
10−C
32、C
12−C
30、C
14−C
28、C
16−C
26またはC
18−C
24アルケニル基であり得る。なおも別の例では、R
1のアルケニル基は、2〜6個、3〜6個、4〜6個または5〜6個の二重結合を有し得る。なおもさらに、R
1のアルケニル基は、1、2、3、4、5または6個の二重結合を有し得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なときに、高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0051】
開示される送達デバイスにおいて使用され得る適当な充填物質であるオメガ−3脂肪酸の特定の例としては、α−リノレン酸(18:3ω3)、オクタデカテトラエン酸(18:4ω3)、エイコサペンタエン酸(20:5ω3)(EPA)、エイコサテトラエン酸(20:4ω3)、ヘンイコサペンタエン酸(21:5ω3)、ドコサヘキサエン酸(22:6ω3)(DHA)、ドコサペンタエン酸(22:5ω3)(DPA)が挙げられる(それらの誘導体および混合物を含む)が、これらに限定されない。多くの種類の脂肪酸誘導体が、当業者に周知である。適当な誘導体の例は、エステル(例えば、フィトステロールエステル、フラノイドエステル、分枝状もしくは非分枝状のC
1−C
30アルキルエステル、分枝状もしくは非分枝状のC
2−C
30アルケニルエステルまたは分枝状もしくは非分枝状のC
3−C
30シクロアルキルエステル)であり、特にフィトステロールエステルおよびC
1−C
6アルキルエステルである。さらなる例において、充填物質は、ドコサヘキサエン酸および/もしくはエイコサペンタエン酸のフィトステロールエステル、ドコサヘキサエン酸および/もしくはエイコサペンタエン酸のC
1−C
6アルキルエステル、ドコサヘキサエン酸および/もしくはエイコサペンタエン酸のトリグリセリドエステルならびに/またはそれらの混合物であり得る。
【0052】
開示される送達デバイスに存在し得る適当な充填物質の他の例は、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個または少なくとも20個の炭素原子を含む。他のいくつかの例では、充填物質は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44または45個の炭素原子を含み得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なときに、高い方または低い方の終点を形成し得る。なおも他の例では、充填物質は、ある範囲の炭素原子を有する脂肪酸の混合物(それらの誘導体を含む)を含み得る。例えば、充填物質は、約8〜約40個、約10〜約38個、約12〜約36個、約14〜約34個、約16〜約32個、約18〜約30個または約20〜約28個の炭素原子を含み得る。
【0053】
充填物質のいくつかのさらなる例は、少なくとも1つの不飽和結合(すなわち、炭素−炭素二重結合または三重結合)を含むものである。例えば、充填物質は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個もしくは少なくとも8個の、炭素−炭素二重結合、三重結合またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。別の例では、充填物質は、1、2、3、4、5、6、7または8個の不飽和結合を含み得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なときに、高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0054】
不飽和脂肪酸である充填物質のいくつかの特定の例を、以下の表に示す。これらの脂肪酸の誘導体も適当であり、ゆえに、それらは本明細書中で企図される。
【0055】
【表1】
メチレンで中断されている不飽和結合の少なくとも1つの対を含む不飽和脂肪酸もまた、適当な充填物質である。「メチレンで中断されている不飽和結合」とは、1つの炭素−炭素二重結合または三重結合が、少なくとも1つのメチレン基(すなわち、CH
2)によって別の炭素−炭素二重結合または三重結合から分断されていることを意味する。そのような充填物質の特定の例としては、9、12、15−16:3から得られるn−1ファミリー;9、12、15−17:3、15:3、17:3、17:4、20:4から得られるn−2ファミリー;9、12、15−18:3、15:2、15:3、15:4、16:3、16:4、18:3(α−リノレン酸)、18:4、18:5、20:2、20:3、20:4;20:5(EPA)、21:5、22:3、22:5(DPA)、22:6(DHA)、24:3、24:4、24:5、24:6、26:5、26:6、28:7、30:5から得られるn−3ファミリー;9,12−16:2、16:2、16:3、18:2、18:3から得られるn−4ファミリー;9、12−17:2、15:2、17:2、17:3,19:2、19:4、20:3、20:4、21:4、21:5から得られるn−5ファミリー;9、12−18:2、15:2,16:2,18:2(リノール酸)、18:3(γ−リノレン酸);20:2、20:3、20:4(アラキドン酸)、22:2、22:3、22:4(アドレン酸)、22:5、24:2、24:4、25:2、26:2、30:4から得られるn−6ファミリー;9−16:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2から得られるn−7ファミリー;9−17:1、15:2、16:2、17:2、18:2、19:2から得られるn−8ファミリー;9−18:1、17:2、18:2、20:2、20:3、22:3、22:4から得られるn−9ファミリー;n−11ファミリー19:2およびn−12ファミリー20:2が挙げられるが、これらに限定されない。1つの特定の例において、充填物質は、アラキドン酸を含み得る。
【0056】
上の段落において(および上の段落を通じて)、化合物は、まず「n−xファミリー」と呼ばれることによって同定され、ここで、xは、第1の二重結合が始まる脂肪酸の位置である。このナンバリングスキームは、脂肪酸の末端から始まっており、ここで、例えば、末端のCH
3基は、1位と命名される。この意味において、n−3ファミリーは、上で記載したようなオメガ−3脂肪酸であり得る。その次の数字が、その脂肪酸における炭素原子の総数を特定する。3番目の数字(コロンの後の数字)は、その脂肪酸における二重結合の総数を示す。従って、例えば、n−1ファミリーにおいて、16:3とは、3つの二重結合(各々がメチレンによって分断されている)を有する16炭素長の脂肪酸のことを指し、ここで、第1の二重結合は、1位、すなわち、脂肪酸の末端で始まっている。別の例では、n−6ファミリーにおいて、18:3とは、3つのメチレン分断二重結合が6位、すなわち、脂肪酸などの末端から6番目の炭素で始まっている、18炭素長の脂肪酸のことを指す。
【0057】
メチレンで中断されている不飽和結合の少なくとも1つの対を含む充填物質のさらなる例を表2に示す。
【0058】
【表2】
共役された不飽和結合を含む適当な充填物質の特定の例としては、表3におけるものが挙げられるが、これらに限定されない。「共役された不飽和結合」とは、メチレン(CH
2)基なしに、炭素−炭素二重結合および/または三重結合の少なくとも1つの対がそれらの間でともに結合していること(例えば、−CH=CH−CH=CH−)を意味する。
【0059】
【表3】
適当な充填物質の上の例では、開示される充填物質の誘導体もまた使用され得る。「誘導体」とは、脂肪酸のエステル(例えば、メチルエステルおよびエチルエステル)、脂肪酸の塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)ならびにトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリド、ステロールエステル、酸化防止剤−油結合体(例えば、パルミチン酸アスコルビル)ならびにフラノイド脂肪酸誘導体のような天然の誘導体を意味する。
【0060】
本明細書中で開示される充填物質はまた、本明細書中で開示される供給源からの原油、半精製油(アルカリ精製(alkaline refined)油ともいわれる)または精製油であり得る。なおもさらに、開示される組成物および方法は、再エステル化されたトリグリセリドを含む油を使用し得る。
【0061】
開示される充填物質の1つ以上が使用され得ることが本明細書中で企図される。例えば、開示される送達デバイスは、2つ以上の異なる充填物質を含み得る。さらに、充填物質は、マイクロカプセルの約1重量%〜約50重量%の量で存在し得る。特定の例において、充填物質は、マイクロカプセルの約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%または約1重量%〜約10重量%の量で存在し得る。
【0062】
1つの例において、充填物質は、脂肪酸結合体ではない。脂肪酸結合体は、別の化学部分(例えば、金属(例えば、クロム)または補因子(CoQ
10))と共役(例えば、結合)している脂肪酸である。他の例では、充填物質は、低い界面張力(IT)を有する(すなわち、約15ダイン/cm未満の界面張力を有する)油ではない。他の例では、充填物質は、そのような脂肪酸結合体または低IT油である。
【0063】
1つの例において、充填物質は、酸化防止剤であり得るか、または酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤の適当な例としては、フェノール化合物、植物抽出物または硫黄含有化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で開示されるある特定の例において、酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、例えば、アスコルビン酸ナトリウムであり得る。他の例では、酸化防止剤は、クエン酸またはその塩であり得る。なおも他の例では、酸化防止剤は、ビタミンE、CoQ
10、ルテイン、ゼアキサンタン(zeaxanthan)、カロテン(例えば、ベータ−カロテン)トコフェロール、より極性の酸化防止剤の脂溶性誘導体(例えば、アスコビル脂肪酸エステル(例えば、パルミチン酸アスコビル))、植物抽出物(例えば、ローズマリー油、セージ油およびオレガノ油)、藻類抽出物および合成酸化防止剤(例えば、BHT、TBHQ、エトキシキン、没食子酸アルキル、ヒドロキノン、トコトリエノール)またはそれらの混合物であり得る。
【0064】
開示される充填物質はまた、他の栄養分(例えば、ビタミン、他の微量元素(例えば、亜鉛)、ミネラルなど)であり得るか、またはそれらを含み得る。さらに、充填物質は、他の成分(例えば、保存剤、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤(dispersing aids)または結合剤)(それらの任意の混合物を含む)を含み得る。
【0065】
さらに、充填物質は、低い界面張力を有し得る。例えば、適当な充填物質は、約20ダイン/cm未満、約15ダイン/cm未満、約11ダイン/cm未満、約9ダイン/cm未満、約7ダイン/cm未満または約5ダイン/cm未満の界面張力を有し得る。他の例では、充填物質は、約0.1〜約20、約1〜約15、約2〜約9、約3〜約9、約4〜約9、約5〜約9または約2〜約7ダイン/cmの界面張力を有し得る。なおもさらなる例において、充填物質は、約0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5または20.0の界面張力を有し得、ここで、適切なとき、述べた値のいずれかは、高い方または低い方の終点を形成し得る。特定の例において、充填物質は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0ダイン/cmの界面張力を有する藻類の油であり得る。充填物質はまた、約3.0、3.1、3.2、3.3または3.4ダイン/cmの界面張力を有する真菌の油であり得る。
【0066】
充填物質の界面張力は、当該分野で公知の方法によって測定され得る。例えば、充填物質からの標準的なゼラチン溶液に対する界面張力または充填物質からの蒸留水に対する界面張力は、Fisher Surface Tensiomatを用いて測定され得る。通常、標準的なゼラチン溶液または蒸留水をサンプル容器に注ぎ込み、それをtensiomatのサンプル台の上に載せる。次いで、充填物質をそのサンプル容器に加える。tensiomatの輪が充填物質中に浸漬するようにそのサンプルを上げる。界面張力は、充填物質と標準的なゼラチン溶液との界面または充填物質と蒸留水との界面を通過するときのその輪における下向きの力の尺度であり、どの実験装置を使用するかに依存する。
【0067】
本明細書中で開示される充填物質に対する界面張力の測定値とは、蒸留水に溶解された、3.3%(w/w)の240ブルームのコーシャ魚ゼラチン(例えば、LAPI,Tuscany,Italy製)、0.5%(w/w)アスコルビン酸ナトリウムおよび0.33%(w/w)ポリホスフェート溶液を含む標準的なゼラチン溶液(50℃)を使用して、記載されたように測定される値のことをいう。
【0068】
さらに、開示されるマイクロカプセルにおける充填物質の荷重は、そのマイクロカプセル約20重量%〜約90重量%、50重量%〜約70重量%または約60重量%であり得る。他の例では、開示されるマイクロカプセルは、そのマイクロカプセルの約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90重量%を含み得、ここで、適切なとき、述べた値のいずれかは、高い方または低い方の終点を形成し得る。
【0069】
特定の例
任意の殻材料および任意の充填物質を含むマイクロカプセルの特定の例が、本明細書中で開示される。いくつかの特定の例としては、殻材料が、複合コアセルベート、例えば、ゼラチンとポリホスフェートとのコアセルベートであるマイクロカプセルが挙げられるが、これらに限定されない。殻材料は、ある特定の例において、約0〜約50のブルーム強度を有するゼラチンを含み得る。使用され得る充填物質は、多くの場合において、海産の油(例えば、魚油および藻類の油)を含み得る。オメガ−3脂肪酸(例えば、EPAおよびDHA)を含む充填物質もまた望ましい。さらに、オメガ−3脂肪酸の誘導体(例えば、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド、アルキルエステル、ステロールエステル、酸化防止剤エステル(例えば、アスコルビルエステルおよびシトリルエステル)ならびにフラノイドエステル)もまた、適当な充填物質であり得る。
【0070】
いくつかの特定の適当なマイクロカプセルは、魚油を含むマイクロカプセルを含む。そのような魚油の例としては、イワシ油、アンチョビ油、カツオ油および/またはマグロ油が挙げられるが、これらに限定されない。魚油はまた、本明細書中において、その油において見られるEPAおよびDHAまたはそれらの誘導体との近似比で言及され得る。例えば、18:12油は、通常、約18:12のEPAとDHA(または例えばそれらのトリグリセリドエステル)との比を含む。同様に、5:25油は、通常、約5:25のEPAとDHAとの比を含む。これらの油のいずれかは、魚ゼラチンまたは豚ゼラチンを含む複合コアセルベート内に被包され得る。そのようなマイクロカプセルは、Generally Regarded as Safe(GRAS)、コーシャおよび/またはハラルであり得る。また、そのようなマイクロカプセルは、粉末1グラムあたり、少なくとも約130mgのDHAまたは少なくとも約150mgのEPAおよびDHAを有し得る。さらに、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、クエン酸および/またはリン酸(またはそれらの塩))が、そのようなマイクロカプセル中に存在し得る。
【0071】
本明細書中で開示される食料品のいくつかの特定の例は、マイクロカプセル1グラムあたり約130mgのDHAを有するマイクロカプセル(例えば、充填物質がマグロおよび/またはカツオ由来の5:25油を含むマイクロカプセル)を含み、そのマイクロカプセルの外殻は、豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。別の特定の例では、本明細書中で開示される食料品は、マイクロカプセル1グラムあたり約150mgのDHAおよびEPAを有するマイクロカプセル(例えば、充填物質がイワシおよび/またはアンチョビ由来の18:12油を含むマイクロカプセル)を含み得、そのマイクロカプセルの外殻は、豚ゼラチンまたは魚ゼラチンを含む。
【0072】
特定の適当なマイクロカプセルは、米国特許第6,974,592号および同第6,969,530号ならびに米国公開番号2005−0019416−A1に開示されており、それらすべては、少なくとも、マイクロカプセル、それらの調製方法およびそれらの使用方法の開示について、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0073】
マイクロカプセルを作製する方法
本明細書中で開示される方法によって調製されるマイクロカプセルは、代表的には、本明細書中で開示される食料品、サプリメント(supplement)、処方物ビヒクル(formulation vehicle)および方法に適した荷重と構造強度との組み合わせを有する。1つの例において、米国特許第6,974,592号および同第6,969,530号ならびに米国公開番号2005−0019416−A1(これらは、その全体が参考として援用される)に開示されている方法は、マイクロカプセルを調製するために使用され得る。1つ以上の追加殻層が、シングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルの外殻上に配置され得ることも企図される。1つの例において、国際公開番号WO2004/041251A1(その全体が参考として援用される)に記載されている手法を使用して、シングルコアおよびマルチコアマイクロカプセルに追加殻層を加えることができる。
【0074】
一般に、適当なマイクロカプセルは、第1ポリマー成分および充填物質を含むエマルションを提供する工程;そのエマルションに第2ポリマー成分を加える工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(ここで、その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、その主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;およびその水性混合物をさらに冷却して、集塊の周囲に外殻を形成する工程を含む方法によって調製され得る。
【0075】
これらの方法において、第1ポリマー成分および第2ポリマー成分は、本明細書中に記載される主要殻および外殻の材料のいずれかと同じであり得る。つまり、第1および第2ポリマー成分は、マイクロカプセルを調製するための開示される方法において、主要殻および/または外殻の材料になり得る。さらに、本明細書中に記載される充填物質のいずれかは、マイクロカプセルを調製するためのこれらの方法において使用され得る。
【0076】
開示される方法において、充填物質と、殻材料の第1ポリマー成分と、殻材料の第2ポリマー成分との水性混合物が形成される。その水性混合物は、機械的な混合物、懸濁液またはエマルションであり得る。液体の充填物質、特に疎水性液体が使用されるとき、水性混合物は、充填物質とポリマー成分とのエマルションであり得る。別の例では、第1ポリマー成分は、酸化防止剤のような加工補助剤(processing aid)とともに、水溶液中に提供される。次いで、例えば、ホモジナイザーを使用することによって、充填物質を水性混合物中に分散し得る。充填物質が疎水性液体である場合、エマルションが形成され、ここで、第1ポリマー成分の画分が、充填物質の個別の液滴の周囲に堆積し始めることにより、主要殻の形成が開始される。充填物質が、固体粒子である場合、懸濁液が形成され、ここで、第1ポリマー成分の画分が、個別の粒子の周囲に堆積し始めることにより、主要殻の形成が開始される。この時点において、第2ポリマー成分の別の水溶液が、水性混合物に加えられ得る。
【0077】
本明細書中で開示されるマイクロカプセルを調製するための方法において、第1ポリマー成分と充填物質とのエマルションを提供する工程は、当該分野で公知の方法および装置、例えば、均質化および高圧/高剪断ポンプによって達成され得る。例えば、乳化は、約1,000〜約15,000rpmにおいて乳化することによって起き得る。乳化工程は、混合物のサンプルを取り出し、それを顕微鏡観察、光散乱、混濁度などのような方法によって分析することによってモニターされ得る。一般に、乳化は、約1,000、750、500、100または10nm未満の平均液滴サイズが得られるまで行われ得る。理論に拘束するつもりはないが、乳化速度を変化させることによって、シングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルを作製することができると考えられる。例えば、遅い乳化速度(例えば、1,000〜2,000rpm)を使用するとき、充填物質の液滴は、単一粒子を形成するのに十分大きく、それは、カプセル化の際に、シングルコアマイクロカプセルを生成する。逆に、速い乳化速度を使用する場合(例えば、5,000〜15,000rpm)、生じる充填物質の液滴は、通常、小さい(例えば、1〜10μm)。これらの小さい液滴は、高い表面エネルギーを有し得、pHおよび/または温度がしかるべく調節されるとき、集塊を容易に形成し得、その結果、カプセル化の際にマルチコアマイクロカプセルが形成される。粒径は、当該分野で公知の任意の代表的な装置、例えば、COULTER
TM LS230 Particle Size Analyzer,Miami,Fla.USAを使用して測定され得る。
【0078】
乳化工程は、室温より高い温度、30、40、50、60、70または80℃より高い温度において行われ得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なとき、高い方または低い方の終点を形成し得る。特定の例は、約30℃〜約60℃または約40℃〜約50℃において混合物を乳化することを含む。
【0079】
本明細書中に記載される酸化防止剤および/または界面活性剤をエマルションおよび/または水性混合物に加えることができることもさらに企図される。そのような酸化防止剤および/または界面活性剤は、エマルションの提供前、提供中および/または提供後に、加えられる。さらに、充填物質、殻材料、酸化防止剤および追加組成物を含む系全体において、抗酸化能力は、使用される酸化防止剤の量が与えられるときのある特定のレベルにおけるものである。ゆえに、本明細書中で開示されるマイクロカプセルを調製するための方法において、乳化、混合、コアセルベーションおよびまたは冷却方法のいずれかまたはすべてにおける窒素のような不活性なガスでのパージは、空気中の酸素による酸化防止剤の消費を防止し得、そして、貯蔵中の充填物質の酸化を遅延し得る。それにより、マイクロカプセル化方法における酸化に起因する腐臭化合物の形成を防ぐこともできる。
【0080】
キレート剤が、エマルションおよび/または水性混合物に加えられ得ることも企図される。脂質の自動酸化は、金属イオン、特に鉄イオンおよび銅イオンによって触媒される。従って、金属イオンのキレート化は、酸化を遅らせることを補助し得、そして、その「誘導期」を延長し得るので、バルク油または被包性油の保管寿命を延長し得る。酸化防止剤と同様に、キレート剤は、エマルションの提供前、提供中および/または提供後に加えられ得る。適当なキレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されず、これは、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸などを食品加工する際に最も頻繁に使用されているキレート剤の1つである。
【0081】
水性混合物中に提供される殻材料のポリマー成分の量は、代表的には、マイクロカプセルの充填集塊の主要殻と外殻の両方を形成するのに十分な量である。その充填物質は、水性混合物の約1重量%〜約15重量%、約3重量%〜約8重量%または約6重量%の量で提供され得る。
【0082】
pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物が形成され得、ここで、その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、その充填物質を取り囲んでいる。2つ以上の種類のポリマー成分が存在する場合、それらの成分間に複合コアセルベーションが生じることにより、コアセルベートが形成され、それが、さらに充填物質の周囲に堆積して、殻材料の主要殻を形成する。pHの調節は、形成される殻材料の種類に依存する。例えば、pHは、3.5〜5.0または4.0〜5.0の値に調節され得る。混合物のpHが、所望の範囲から開始する場合、pHの調節はほとんど必要ないか、または全く必要ない。
【0083】
水性混合物の開始温度は、約20℃〜約60℃または約30℃〜約50℃であり得る。
【0084】
混合は、マイクロカプセルが形成されるときに、マイクロカプセルが崩壊しない良好な混合であるように、調節され得る。特定の混合パラメータは、使用される装置の種類に依存する。当該分野で公知の種々の種類の混合装置のいずれかが使用され得る。1つの例において、LIGHTNTN
TMA310またはA510のような軸流回転翼が使用され得る。
【0085】
本明細書中で開示される多くの例において、開示されるマイクロカプセルの主要殻および外殻は、複合コアセルベートを含み得る。複合コアセルベートは、第1および第2ポリマー成分から形成され得る。例えば、主要殻および外殻は、ゼラチンとポリホスフェートとの複合コアセルベートを含み得る。第1および第2ポリマー成分のすべての組み合わせが、複合コアセルベートならびに主要殻および外殻について本明細書中で企図される。
【0086】
次いで、水性混合物を、制御された冷却速度および混合パラメータのもとで冷却することにより、主要殻が凝集できるようになり、主要殻の被包性集塊が形成され得る。理論に拘束するつもりはないが、被包性集塊は、別々の粒子自体である。殻材料のゲル化点より高い温度において被包性集塊の形成を制御することおよび過剰な殻材料がより厚い外殻を形成することは、有益である。この段階において、より多くのポリマーを加えることも可能であり、ここで、外殻を厚くするため、ならびに/または異なる組成の主要殻および外殻を有するマイクロカプセルを生成するために、ポリマーは使用される殻材料と同じかまたは異なるものである。外殻が、主要殻の集塊を被包することにより、マイクロカプセルの強固な被包性集塊が形成される。
【0087】
水性混合物の冷却は、当該分野で公知の方法(例えば、冷却装置の使用)によって達成され得る。冷却速度は、約1〜約100分あたり約1℃であり得る。例えば、冷却速度は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100分あたり約1℃であり得、ここで、述べた値のいずれかは、適切なとき、高い方または低い方の終点を形成し得る。特定の例において、冷却速度は、約1℃/5分であり得る。冷却は、混合物が約5℃〜約10℃の温度、例えば、約5℃に達するまで起き得る。
【0088】
加工補助剤が、殻材料(例えば、主要殻および/または外殻)中に含められ得る。加工補助剤は、種々の理由のために使用され得る。例えば、それらは、主要マイクロカプセルの集塊を促進するために、エマルション系を安定化するために、外殻の特性を改善するために、マイクロカプセルサイズを制御するために、および/または酸化防止剤として作用するために、使用され得る。1つの局面において、加工補助剤は、乳化剤、脂肪酸、脂質、ろう、微生物細胞(例えば、酵母細胞株)、粘土または無機化合物(例えば、炭酸カルシウム)であり得る。理論に拘束するつもりはないが、これらの加工補助剤は、マイクロカプセルの遮断特性を改善し得る。1つの局面において、1つ以上の酸化防止剤が、殻材料に加えられ得る。酸化防止剤特性は、方法中(例えば、コアセルベーション中および/または噴霧乾燥中)と、マイクロカプセルが形成された後のマイクロカプセルにおいて(すなわち、保管寿命を延長するために)との両方において有用である。好ましくは、多数の機能を発揮する少数の加工補助剤が使用され得る。1つの局面において、酸化防止剤は、フェノール化合物、植物抽出物または硫黄含有アミノ酸であり得る。1つの局面において、アスコルビン酸またはクエン酸(またはそれらの塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウムもしくはアスコルビン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムもしくはクエン酸カリウム))は、主要マイクロカプセルの集塊を促進するために、マイクロカプセルサイズを制御するために、そして、酸化防止剤として作用するために、使用され得る。酸化防止剤は、約100ppm〜約12,000ppmまたは約1,000ppm〜約5,000ppmの量で使用され得る。例えば金属キレート剤のような他の加工補助剤も同様に使用され得る。例えば、金属イオンと結合するエチレンジアミン四酢酸を使用することができ、それは、充填物質の触媒的酸化を低下させ得る。
【0089】
開示されるマイクロカプセルにおいて、殻材料はまた、架橋され得る。従って、開示される方法は、架橋剤の添加もまた含み得る。架橋剤は、外殻と主要殻の両方における殻材料を架橋することによってマイクロカプセルの硬度をさらに増加させるために、および水性媒質と油性媒質との両方に不溶性の殻を生成するために加えられ得る。1つの例において、架橋剤は、マイクロカプセルの外殻が生成された後に加えられる。任意の適当な架橋剤が使用され得、架橋剤の選択は、第1および第2ポリマー成分の選択に応じて変化し得る。別の例において、架橋剤は、酵素的な架橋剤(例えば、トランスグルタミナーゼ)、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒド)、タンニン酸、ミョウバンまたはそれらの混合物であり得る。別の局面において、架橋剤は、植物抽出物またはフェノール類であり得る。1つ以上の充填物質(例えば、酸化防止剤)が、架橋剤とともに使用され得ることも企図される。マイクロカプセルが、ある生物に送達される処方物において使用されるとき、架橋剤は、好ましくは無毒性または十分に低い毒性である。使用される架橋剤の量は、選択される成分に依存し、所望されるとき、より高いかまたは低い構造の硬度を提供するように調節され得る。1つの局面において、使用され得る架橋剤の量は、第1ポリマー成分の約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.5重量%〜約5.0重量%、約1.0重量%〜約5.0重量%、約2.0重量%〜約4.0重量%または約2.5重量%の量である。一般に、当業者は、任意の所与の場合において単純な実験によって所望の量を日常的に決定し得る。架橋剤は、上記方法の任意の段階において加えられ得る;しかしながら、代表的には、冷却工程の後に加えられ得る。
【0090】
さらに、いくつかの応用法において、マイクロカプセルを架橋するトランスグルタミナーゼの使用は、望ましくないかもしれない(例えば、温度およびpHが低すぎる、および/またはトランスグルタミナーゼが高価である)。従って、開示されるマイクロカプセルを架橋するために、開示される方法においてグルタルアルデヒドが使用され得ることが本明細書中において企図される。ある特定の例において、アミノ酸またはタンパク質を含む1つ以上の組成物の使用は、架橋反応において完全にまたは部分的に未反応であった残余グルタルアルデヒドと反応し得る。つまり、未反応のおよび半分反応した(すなわち、1つのアルデヒド基がなおも反応性である)グルタルアルデヒドが、タンパク質上のリジンのε−アミノ基または他のアミノ基によって中和され得ることにより、最終生成物がより安全なものとなる。この意味において、アミノ酸および/またはタンパク質を含む組成物は、任意の孔を埋めることによってマイクロカプセル殻を改善し得、また、架橋反応からのグルタルアルデヒドを中和し得る。このアプローチは、そのマイクロカプセルが、本質的にグルタルアルデヒドを含まないので、架橋後のマイクロカプセルの洗浄の必要性を排除し得る。架橋は、ゲニピン(genipin)を用いて(例えば、ゲニピンおよびカルボキシルメチルキトサンを用いて)も達成され得る。
【0091】
さらに、開示されるマイクロカプセルは、水で洗浄され、そして/または乾燥されることにより、自由流動性の粉末が提供され得る。従って、マイクロカプセルを調製する開示される方法は、マイクロカプセルに対する乾燥工程を含み得る。乾燥は、当該分野で公知の多くの方法(例えば、凍結乾燥、エタノールを用いた乾燥または噴霧乾燥)によって達成され得る。1つの局面において、噴霧乾燥は、マイクロカプセルを乾燥するために使用され得る。噴霧乾燥技術は、“Spray Drying Handbook”,K.Masters,5th edition,Longman Scientific Technical UK,1991(この開示は、少なくとも噴霧乾燥方法の教示について、本明細書によって参考として援用される)に開示されている。
【0092】
コアセルベーション前のサッカリドの添加
ある特定の例において、多糖キトサン、キチンおよび本明細書中で開示されるその他のもののようなサッカリドを、乳化およびコアセルベーションの前に加えることにより、不透過性が改善されたマイクロカプセルが提供され得る。理論に拘束するつもりはないが、ポリマー成分(例えば、ゼラチン)溶液へのサッカリドの添加は、媒質の粘度を上げ、ゆえに、乳化後の油滴の安定性に役立ち得る。例えば、D−グルコサミン(glucoseamine)単位から構成される多糖キトサンは、下記に示すように、多数のアミン基を有する。
【0093】
【化2】
従って、ある特定のpHにおいて、陽イオン性分子が、コアセルベーション中の静電気的相互作用に関与する。ここで、キトサンは、第1および第2ポリマー材料とともに「複合性の」殻材料(例えば、ゼラチン−ポリホスフェートコアセルベート)を形成する。
【0094】
さらに、トランスグルタミナーゼ(TGアーゼ)は、タンパク質(すなわち、ゼラチン)(キトサンとともに組み込まれるゼラチンを含む)を架橋し得る(
図1)。リジン上のアミン基およびゼラチン上のグルタミン残基のすべてが、TGアーゼによって架橋されるわけではないが、キトサンのようなサッカリドを殻材料に組み込むことによって、さらなる架橋が形成されて、ゼラチン分子間に架橋が形成され得る。ゆえに、殻の強度が大きくなり得、孔のサイズは、小さくなり得る(従って、よりよい酸素遮断がもたらされる)(
図2)。
【0095】
殻形成および架橋の後のサッカリドおよび/またはアミノ酸の添加
別の例において、マイクロカプセルが形成された後であるが、トランスグルタミナーゼによる架橋の前または後に、リジンおよび/またはグルタミンのようなアミノ酸がマイクロカプセルに加えられ得る。上で述べたように、リジンとグルタミンのアミン基間に架橋を形成するためには、TGアーゼが反応を触媒し得るように、これらの2つのアミノ残基は、正しい空間的位置に存在しなければならない。アミン基のすべてが、架橋を形成することができるわけではないと考えることができる。ゆえに、殻形成および架橋の後に、利用可能なゼラチン殻材料上にアミン基が存在する。リジンおよびグルタミンが加えられるとき、TGアーゼは、それらをゼラチン分子におけるそれぞれグルタミン残基およびリジン残基に結合することができる。従って、これにより、殻の孔内部においてアミノ酸の結合が形成され得、マイクロカプセルの遮断特性が改善され得る。
【0096】
キトサンのような多糖とアミノ酸との組み合わせもまた使用され得る。例えば、キトサンが殻形成および殻の架橋の後に加えられるとき、キトサンは、リジン残基およびグルタミン残基上に結合し得るか、または、リジンの利用可能なNH
2部分および/またはグルタミンの利用可能なNH
2部分を用いてゼラチン分子間またはドメイン間に架橋を形成し得る。
【0097】
キトサンが、リジンおよびグルタミンとともに加えられるとき、それらが様々なサイズの孔に適合し得るので、その効果はある特定の状況においてよりよくなり得る。
【0098】
いくつかの状況において、リジンおよびグルタミンを使用することによって、水分吸着が促進され得るが、それは、望ましくないかもしれない。従って、アミノ酸(例えば、システイン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびチロシン)の単独での使用、併用での使用またはグルタミンおよび/もしくはキトサンとの併用が本明細書中で開示される。そのようなマイクロカプセル粉末は、これらのアミノ酸がリジンより疎水性が高いので、よりよい水分の遮断を有し得る。ゆえに、粉末の固化が遅れ得る。
【0099】
ろうの添加
ろうのような疎水性材料は、特にタンパク質および炭水化物と比べて良好な水分遮断特性を有し得る。従って、マルチコア集塊内部の空隙容量にろう粒子を含むマイクロカプセルが本明細書中で開示される。ろう粒子の添加は、集塊における空間ならびに殻の孔を埋め得る(
図3)。ろうは、マイクロカプセル調製方法における様々な時点において加えられ得る。例えば、ろう(例えば、ろう粒子のマイクロエマルションにおけるろう)は、コアセルベーションの前に、エマルションおよび/または水性混合物に加えられ得る。あるいはまたはさらに、ろうは、殻形成および架橋の後に(例えば、噴霧乾燥の前に)加えられ得る。このように、ろうは、保護層を形成し得るので、マイクロカプセルの水分および酸素の遮断を改善する(
図4)。
【0100】
殻形成および架橋の後の保護性サッカリドおよび/またはタンパク質の同時噴霧乾燥
殻が形成され、架橋によって硬化された後、マイクロカプセルを、関連する応用法においてスラリーの形態で直接使用するか、または噴霧乾燥のような脱水方法によって乾燥粉末製品に変換することができる。保護性材料を含む開示されるマイクロカプセルの同時噴霧乾燥は、充填物質の安定性をさらに改善し得る。保護性組成物としては、本明細書中に記載されるような、脂質およびろう、炭水化物、サッカリド、アミノ酸、ペプチドならびにタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。殻の孔を埋めることによって、および/または殻表面を被覆することによって、保護性材料は、同時噴霧乾燥後に、水分および酸素に対するさらなる遮断を提供し得る。これらの保護性組成物の1つ以上は、乾燥形態または溶液中(例えば、水溶液中)のマイクロカプセルのスラリーに加えられ得る。保護性組成物は、スラリーの噴霧乾燥の直前に適用され得ることにより、溶解し、混合されるのに十分な時間がもたらされる。
【0101】
炭水化物は、タンパク質および脂質より高いガラス転移温度を有する(すなわち、分子運動性に関してより安定性である)。炭水化物はまた、タンパク質および脂質よりも良好な酸素遮断物である(乾燥状態のとき)。炭水化物とのマイクロカプセルの同時噴霧乾燥は、より安定なマトリックスを形成し得、そのマトリックスは、被包性充填物質において酸素攻撃からのより良好な保護を提供し得る。マイクロカプセルとともに同時噴霧乾燥される多糖は、主にマイクロカプセル殻の表面上で被覆層として保護的マトリックスを形成することによって、不透過性の改善を提供し得る。コーティング材料が、両親媒性部分を有するとき、そのようなフィルム形成材料は、その疎水性部分のおかげで、水分と酸素の両方に対する改善された遮断特性を示す。この種類の保護性材料の例は、本明細書中で開示され、それらとしては、アラビアゴムおよび加工デンプン(例えば、デンプンコハク酸オクテニルナトリウム(starch sodium octenyl succinate))が挙げられる。殻表面上のマトリックスコーティングに加えて、中型の炭水化物分子または小さい糖もまた、殻ポリマーの多孔性ネットワーク中に拡散し、そして、酸素ならびに/または腐臭および異臭のような揮発性化合物の通り路を封鎖する。
【0102】
噴霧乾燥の前にタンパク質をマイクロカプセルスラリーに組み込むことによって、乾燥性能が改善された、刺激が少なく、安定した粉末の生成が補助され得る。熱変性タンパク質は、不可逆的な熱ゲル化を起こし得、それにより、マイクロカプセルの表面上に安定なコーティングが形成される。乾燥前に混合物を加熱することによってもまた、腐臭化合物が減少し得る。タンパク質との同時噴霧乾燥組成物はまた、可塑剤(例えば、グリセロール、ソルビトール、単糖、二糖またはオリゴ糖(例えば、ラクトース))を含み得る。オリゴペプチドおよび疎水性アミノ酸のような小分子もまた、コーティングするためのマイクロカプセルの表面上でのフィルム形成に加えて、殻材料の多孔性分子ネットワークを埋め得る。
【0103】
粉末の流動性を改善する乾燥剤/アンチケーキング(anticaking)剤の組み込み
乾燥剤またはアンチケーキング剤を使用することによってもまた、流動性粉末の生成が補助され得る。代表的には、乾燥剤は、高い多孔度を有し、それにより、原材料または脂質の酸化に起因する表面の油および香料化合物の吸着が補助され得る。適当な乾燥剤および/またはアンチケーキング剤の例としては、HUBERSORB
TMおよびZEOTHIX
TM(J.M.Huber Corp;Harve de Grace,MD)およびCAPSUL
TM(National Starch & Chemical Co.製)およびVITACEL
TM(J.Rettenmair USA;Schoolcraft,MI)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
粉末への酸化防止剤の組み込み
他の例では、主要殻、外殻または主要殻と外殻の材料の両方の中および/または上に酸化防止剤を組み込むための方法が、本明細書中で開示される。その開示される方法は、マイクロカプセルを提供する工程、ポリマー成分および酸化防止剤を含むエマルションを提供する工程;そのエマルションおよびマイクロカプセルを組み合わせることにより、酸化防止剤を含む殻材料を有するマイクロカプセルを提供する工程を含む。適当な酸化防止剤としては、CoQ
10、ルテイン、ゼアキサンタン、カロテンおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、単独で使用され得るか、または、本明細書中で開示されるアミノ酸、タンパク質、サッカリドもしくはろうに加えて使用され得る。
【0105】
マイクロカプセルは、任意のマイクロカプセルであり得るが、特に適当なマイクロカプセルは、本明細書中で開示されるものである。そのようなマイクロカプセルは、例えば、第1ポリマー成分、充填物質、第2ポリマー成分を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要マイクロカプセルの集塊を形成する工程(ここで、個別の主要マイクロカプセルが主要殻を有し、充填物質は、主要殻によって被包され、集塊は、外殻によって被包され、そして、主要殻および外殻は、第1および第2ポリマー成分を含む)によって調製され得る。次いで、得られた集塊が、酸化防止剤と第3のポリマー成分(第1または第2ポリマー成分と同じであり得るかまたは異なり得る)とのエマルションと組み合わされ得る。次いで、得られた懸濁液を冷却し得、コーティングされたマイクロカプセルを乾燥し得る。多くの適当な例において、マイクロカプセルは、酸化防止剤を含むスラリー中に含まれ得、そして、そのスラリーが噴霧乾燥され得る。
【0106】
粉末への亜鉛の組み込み
他の例において、主要殻、外殻または主要殻と外殻の材料の両方の中および/または上に亜鉛を組み込むための方法が、本明細書中で開示される。その開示される方法は、マイクロカプセルを提供する工程、すなわち、ポリマー成分および亜鉛を含むエマルションを提供する工程;そのエマルションとマイクロカプセルとを組み合わせることにより、亜鉛を含む殻材料を有するマイクロカプセルが提供される工程を含む。亜鉛は、単独で使用され得るか、または、本明細書中で開示されるアミノ酸、タンパク質、サッカリドもしくはろうに加えて使用され得る。
【0107】
マイクロカプセルは、任意のマイクロカプセルであり得るが、特に適当なマイクロカプセルは、本明細書中で開示されるものである。そのようなマイクロカプセルは、例えば、第1ポリマー成分、充填物質、第2ポリマー成分を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要マイクロカプセルの集塊を形成する工程(ここで、個別の主要マイクロカプセルは、主要殻を有し、充填物質は、主要殻によって被包され、集塊は、外殻によって被包され、そして、主要殻および外殻は、第1および第2ポリマー成分を含む)によって調製され得る。次いで、得られた集塊が、酸化防止剤と第3のポリマー成分(第1または第2ポリマー成分と同じであり得るかまたは異なり得る)とのエマルションと組み合わされ得る。次いで、得られた懸濁液が、冷却され得、そして冷却されたマイクロカプセルが乾燥され得る。多くの適当な例において、マイクロカプセルは、亜鉛を含むスラリー中に含まれ得、そして、そのスラリーは、噴霧乾燥され得る。
【0108】
特定の例
特定の例において、第1ポリマー成分およびサッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む組成物を含むエマルションを提供する工程;充填物質、第2ポリマー成分および必要に応じてその組成物を上記エマルションに加える工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(ここで、主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;および水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程(ここで、主要殻材料、外殻またはその両方が、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む)を含む、マイクロカプセルを調製するための方法が、本明細書中で開示される。
【0109】
別の特定の例では、第1ポリマー成分、充填物質および第2ポリマー成分を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(ここで、主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;サッカリドを含む組成物を水性混合物に加える工程;およびその水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程(ここで、主要殻材料、外殻またはその両方が、サッカリドを含む)を含む、マイクロカプセルを調製するための方法が、本明細書中で開示される。
【0110】
さらに別の特定の例では、1つ以上のマイクロカプセルのスラリーを提供する工程(ここで、そのマイクロカプセルは、殻材料および充填物質を含む);そのスラリーに、1つ以上のアミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろう、酸化防止剤、亜鉛またはそれらの組み合わせを含む組成物を加える工程;およびそのスラリーを乾燥する工程を含む、マイクロカプセルを調製するための方法が、本明細書中で開示される。
【0111】
なおも別の特定の例では、第1ポリマー成分、充填物質、第2ポリマー成分およびキレート剤を含むエマルションをそのエマルションに提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(ここで、主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;およびその水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程を含む、マイクロカプセルを調製するための方法が、本明細書中で開示される。
【0112】
処方物ビヒクル
本明細書中で開示されるマイクロカプセルを含む処方物ビヒクルもまた、本明細書中で開示される。本明細書中に記載されるマイクロカプセルのいずれかは、処方物ビヒクル中に組み込まれ得る。処方物ビヒクルの例は、本明細書中に提供され、それらとしては、食料品、飲料、栄養補助処方物(nutraceutical formulation)、薬学的処方物、ローション、クリームまたはスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの他の特定の例において、開示されるエマルションおよび/またはマイクロカプセルは、ゲル、ゲルカプセルまたは錠剤中に組み込まれ得る。他のビヒクルとしては、散剤またはポリマーでコーティングされた散剤が挙げられる。そのようなビヒクルは、経口的に投与され得るか、または、散剤の場合は、例えば、食料もしくは飲料の上に振りかけられ得る。
【0113】
サプリメント
本明細書中で開示されるマイクロカプセルを含む栄養補給剤もまた本明細書中で開示される。栄養補給剤は、栄養分(例えば、ビタミン、ミネラル、必須微量元素、アミノ酸、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、コレステロール、ステロイド、炭水化物など)を提供するか、供給するか、または増加させるために、被験体に投与され得るか、または被験体によって摂取され得る、任意の化合物または組成物である。例えば、栄養補給剤は、本明細書中で開示される1つ以上の充填物質を含む組成物を含み得る。
【0114】
栄養補給剤は、本明細書中で開示される任意の量のマイクロカプセルを含み得るが、代表的には、被験体に所望の用量の充填物質(例えば、EPAおよび/またはDHA)を供給するために決められた量を含む。栄養補給剤中に求められるマイクロカプセルの正確な量は、被験体の種、年齢、体重および全般的な状態、処置される任意の食餌性欠乏の重症度、特定の投与様式などに応じて、被験体ごとに異なる。従って、すべての栄養補給剤についての正確な量を明記することはできない。しかしながら、適切な量は、当業者が本明細書中の教示を考慮し、日常的な実験のみを使用することにより決定することができる。
【0115】
栄養補給剤はまた、他の栄養分(例えば、ビタミン、他の微量元素、ミネラルなど)を含み得る。さらに、栄養補給剤は、他の成分(例えば、保存剤、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤または結合剤)を含み得る。
【0116】
栄養補給剤は、一般に、経口的に摂取され、また、経口投与に適した任意の形態であり得る。例えば、栄養補給剤は、代表的には、錠剤、ジェルキャップ、カプセル、液体、サシェ剤またはシロップ剤の形態であり得る。
【0117】
栄養補給剤は、所与の個体によって推奨される食餌性摂取に基づいて、ヒトまたは動物に対して設計され得る。そのような考慮は、一般に、様々な因子(例えば、上に記載したような種、年齢および性別)に基づくものであり、それらは、当業者に公知であるか、または当業者によって決定され得る。1つの例において、開示されるサプリメントは、動物(例えば、家畜(例えば、ブタ、ニワトリ、ウシ、ヤギ、ウマなど)および家庭内の愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、鳥類など)であるがこれらに限定されない)用の餌の成分として使用され得る。
【0118】
薬学的処方物
開示されるマイクロカプセルを含む薬学的処方物もまた、本明細書中で開示される。適当な薬学的処方物は、薬学的に許容可能なキャリアとともに、開示される組成物のいずれかを含み得る。例えば、薬学的処方物は、開示されるエマルションおよび/またはマイクロカプセルの1つ以上ならびに薬学的に許容可能なキャリアを含み得る。開示される薬学的処方物は、治療的または予防的に使用され得る。
【0119】
「薬学的に許容可能な」とは、生物学的にまたは別途望ましくなくない材料、すなわち、その材料が、任意の望ましくない生物学的影響を引き起こさずに、または、それが含まれる薬学的処方物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用せずに、被験体に投与され得ることを意味する。当業者に周知であるように、キャリアは、当然、活性成分の任意の分解を最小限にするように、そして被験体における任意の有害な副作用を最小限にするように選択される。
【0120】
薬学的キャリアは、当業者に公知である。最も代表的には、これらは、溶液(例えば、滅菌水、食塩水および生理学的pHの緩衝溶液)を含む、ヒトへの薬物投与のための標準的なキャリアであり得る。適当なキャリアおよびそれらの処方物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21
st ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Philidelphia,PA,2005(キャリアおよび薬学的処方物の教示について、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。代表的には、適切な量の薬学的に許容可能な塩が、処方物を等張性にするためにその処方物中で使用される。薬学的に許容可能なキャリアの例としては、食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、約5〜約8(例えば、約7〜約7.5)であり得る。さらなるキャリアとしては、徐放性調製物(例えば、開示される化合物を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックス)が挙げられ、このマトリックスは、成形された物品の形態、例えば、フィルム、リポソーム、微小粒子またはマイクロカプセルである。例えば、投与経路および投与される組成物の濃度に応じて、ある特定のキャリアが、より好ましいことは、当業者に明らかである。当業者が使用する標準的な手順に従って、他の化合物が投与され得る。
【0121】
薬学的処方物は、本明細書中で開示される化合物に加えて、さらなるキャリアならびに増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、界面活性物質などを含み得る。薬学的処方物はまた、1つ以上の追加活性成分(例えば、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬など)を含み得る。
【0122】
薬学的処方物は、局所的または全身性の処置が望ましいか否かに応じて、そして、処置される領域に応じて、多くの方法で投与され得る。投与は、局所的(眼科的、膣内、直腸、鼻腔内を含む)、経口的、吸入によって、または、非経口的、例えば、静脈内点滴、皮下注射、腹腔内注射もしくは筋肉内注射によって、であり得る。開示される化合物は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内または経皮的に、投与され得る。
【0123】
非経口投与用の調製物は、滅菌された水性または非水溶性の溶液、懸濁液およびエマルションを含む。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、海産の油およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。水性キャリアとしては、水、アルコール溶液/水溶液およびエマルションまたは懸濁液(食塩水および緩衝媒質を含む)が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガーならびに固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、流体および栄養補充剤(nutrient replenisher)、電解質補給剤(例えば、リンガーデキストロースに基づくもの)などが挙げられる。保存剤および他の添加剤もまた、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性なガスなどであり得る。
【0124】
局所的投与用の薬学的処方物としては、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点眼剤、坐剤、スプレー、液体および散剤が挙げられ得る。従来の薬学的キャリア、水性、散剤または油性基剤、増粘剤などが望まれ得る。
【0125】
経口投与用の薬学的処方物としては、散剤もしくは顆粒剤、水もしくは非水性媒質中の懸濁液または溶液、カプセル、サシェ剤あるいは錠剤が挙げられるが、これらに限定されない。増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤または結合剤が望まれ得る。
【0126】
いくつかの処方物は、潜在的に、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸)および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸)との反応によって形成されるか、または、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム)および有機塩基(例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミンおよびアリールアミンならびに置換エタノールアミン)との反応によって形成される、薬学的に許容可能な酸付加塩または塩基付加塩として投与され得る。
【0127】
食料品
開示されるマイクロカプセルのいずれかを含む食料品もまた、本明細書中で開示される。「食料品」とは、被験体によって消費され得る(例えば、食べられ得るか、飲まれ得るか、または摂取され得る)任意の物品を意味する。1つの例において、開示される組成物は、食料品に加えられる栄養補給剤として使用され得る。例えば、開示されるマイクロカプセルは、食料または飲料に加えられ得る。この意味において、開示される組成物は、例えば、粉末の形態で調製され得、また、サシェまたはシェーカーのような物品中に含まれ得、それらは、開示される組成物を食料および飲料の上および中に注ぎ込むか、または振りかけることにより、使用され得る。
【0128】
いくつかの例において、食料品は、焼いたもの、パスタ、肉製品、冷凍乳製品、乳製品、チーズ製品、卵製品、香辛料、スープミックス、スナック食品、ナッツ製品、植物タンパク質製品、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、家禽製品、加工果汁、グラニュー糖(例えば、白砂糖またはブラウンシュガー)、ソース、肉汁、シロップ、栄養バー(nutritional bar)、飲料、乾燥飲料粉末、ジャムもしくはゼリー、魚製品またはペットフードである。他の例では、食料品は、パン、トルティーヤ、シリアル、ソーセージ、鶏肉、アイスクリーム、ヨーグルト、乳、サラダドレッシング、米糠、果汁、乾燥飲料粉末、液体飲料、ロールパン、クッキー、クラッカー、フルーツパイまたはケーキである。
【0129】
エマルション
第1ポリマー成分および充填物質を含む噴霧乾燥されたエマルション、ならびに、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含む組成物もまた、開示される。第1ポリマー成分は、本明細書中で開示される第1ポリマー成分のいずれかであり得る。同様に、充填物質は、本明細書中で開示される充填物質のいずれかであり得る。なおもさらに、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうおよびそれらの組み合わせは、本明細書中で開示されるもののいずれかであり得る。
【0130】
使用方法
開示されるマイクロカプセルは、多岐にわたる用途を有する。例えば、本明細書中で開示されるようなマイクロカプセルを被験体に投与することによって充填物質を被験体に送達するための方法が、本明細書中で開示される。充填物質を被験体に送達するための薬物を調製するための本明細書中で開示されるようなマイクロカプセルの使用もまた、開示される。
【0131】
マイクロカプセルの使用によって、ある特定の組成物が酸化および分解から保護され得、充填物質が新鮮に保たれ得る。また、マイクロカプセルが、ある特定の組成物の不快な臭気または風味を隠すことができるので、本明細書中で開示される方法は、不快な組成物を送達および補充するために特に有用であり得る。なおもさらに、マイクロカプセルの使用によって、別段補充に影響を受けにくい食料品に様々な充填物質を加えることができる。例えば、オメガ−3脂肪酸は、空気中で分解または酸化し得、また、食品調製技術(例えば、ベーキング)に敏感であり得る。オメガ−3脂肪酸のマイクロカプセル化を使用することによって、著しい分解なく、これらの組成物を食品調製中に食品に加えることができる。
【0132】
特に適当なマイクロカプセルとしては、食料品の調製(食料品の包装、輸送および貯蔵を含む)中の破裂に耐えるものが挙げられる。いくつかの例において、マイクロカプセルは、食料品の質感および構成を損なわないサイズおよび稠性であり得る。
【0133】
特定の例において、開示されるマイクロカプセル(開示されるマイクロカプセルを含む栄養補給剤、薬学的処方物、送達デバイスおよび食料品を含む)を、脂肪酸(例えば、オメガ−3脂肪酸)の起源として使用することにより、トリグリセリドを低下させ、そして、糖尿病関連の生化学に影響することができる。別の特定の例では、有効量の本明細書中で開示されるマイクロカプセルを投与することによって、被験体においてオメガ−3脂肪酸を補充する方法が本明細書中で開示され、ここで、充填物質は、オメガ−3脂肪酸を含む。別の例では、有効量の本明細書中で開示されるエマルションおよび/またはマイクロカプセルを投与することによって、被験体においてコレステロールレベル、トリグリセリドレベルまたはそれらの組み合わせを低下させる方法が、本明細書中で開示される。
【0134】
オメガ−3脂肪酸は、日々の生活および機能に不可欠なものである。例えば、血清トリグリセリドを低下させる際のシス−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)およびシス−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)のようなオメガ−3脂肪酸の有益な効果は、十分に確証されている。これらの化合物は、他の心保護的な利点(例えば、心臓の不整脈の予防、動脈硬化巣の安定化、血小板凝集の減少および血圧の低下)も知られている。例えば、Dyrbergら、Omega−3 Fatty Acids:Prevention and Treatment of Vascular Disease.Kristensenら、eds.,Bi & Gi Publ.,Verona−Springer−Verlag,London,pp.217−26,1995;O’Keefe and Harris,Am.J.Cardiology 2000,85:1239−41;Radackら、“The effects of low doses of omega−3 fatty acid supplementation on blood pressure in hypertensive subjects:a randomized controlled trial.”Arch.Intern.Med.1991,151:1173−80;Harris,“Extending the cardiovascular benefits of omega−3 fatty acids.”Curr Atheroscler Rep 2005,7:375−80;Holub,“Clinical nutrition:4 omega−3 fatty acids in cardiovascular care.”CMAJ2002,166(5):608−15を参照のこと。実際に、American Heart Associationも、オメガ−3脂肪酸が心臓血管および心臓の疾患リスクを低下し得ると報告している。オメガ−3脂肪酸の他の利点は、炎症および神経変性疾患の予防および/または処置ならびに認知発達の改善に関連するものである。例えば、Sugano and Michihiro,“Balanced intake of polyunsaturated fatty acids for health benefits.”J.Oleo Sci.2001,50(5):305−11を参照のこと。
【0135】
脂肪酸であるEPAおよびDHAは、ヒトの体内でα−リノレン酸(18:3)から合成され得る;しかしながら、この前駆体分子からの変換速度は、有限である(Muskietら“Is docosahexaenoic acid(DHA)essential? Lessons from DHA status regulation,our ancient diet,epidemiology and randomized controlled trials.”J.Nutr.2004,134(1):183−6)。従って、体内のEPAおよびDHAは、主に食餌性起源(例えば、油質の魚)から得られる。魚油が豊富な食餌は、心臓疾患、癌、関節炎、アレルギーおよび他の慢性疾患に対する多くの有益な効果を有することが知られている。疫学的臨床試験から、魚または魚油サプリメントの形態でオメガ−3脂肪酸の食餌性摂取を増加させることにより、循環器疾患に関連する様々な危険因子が減少し得ることが示されている。例えば、The American Heart Association,Scientific Statement,“Fish Consumption,Fish Oil,Omega−3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease,”November 2002;Appelら“Does supplementation of diet with ‘fish oil’reduce blood pressure? A meta−analysis of controlled clinical trials.”Arch.Intern.Med.1993,153(12):1429−1438;GISSI−Prevenzione Investigators.“Dietary supplementation with omega−3 polyunsaturated fatty acids and vitamin E after myocardial infarction:results of the GISSI−Prevenzione trial.”Lancet 1999,354:447−55を参照のこと。
【0136】
循環器疾患の予防におけるEPAおよびDHAのようなオメガ−3脂肪酸の利点に対する強力な証拠にもかかわらず、北米人によるこれらの脂肪酸の1日の平均消費量は、0.1〜0.2グラムと推定されており、これに対し、利点をもたらすために提唱されている1日摂取量は0.65グラムである(Webb,“Alternative sources of omega−3 fatty acids.”Natural Foods Merchandiser 2005,XXVI(8):40−4)。国民の食餌パターンを変化させることは困難であり、多くの人々が魚を嫌っているため、EPAおよびDHAの食餌性の補充は、この問題に立ち向かうための重要なアプローチである。残念なことに、オメガ−3脂肪酸の多くのサプリメントは、酸化に敏感であり、悪臭のある臭いおよび味であり得る。さらに、食餌性のサプリメントレジメンの順守は、訓練が必要であり、これが足りていないことが多い。オメガ−3脂肪酸の健康上の利点に鑑みて、開示されるマイクロカプセルを使用することにより、被験体にオメガ−3脂肪酸を送達することができる。
【0137】
開示される使用方法において、投与されるエマルションおよび/またはマイクロカプセルは、本明細書中で開示される組成物のいずれかであり得る。例えば、開示されるマイクロカプセルは、開示される方法において、本明細書中で開示される栄養補給剤のいずれかの形態で使用され得る。別の例では、開示されるマイクロカプセルは、開示される方法において、本明細書中で開示される薬学的処方物のいずれかの形態で使用され得る。なおも別の例では、開示されるマイクロカプセルは、本明細書中で開示される送達デバイスのいずれかに組み込まれ得るか、または本明細書中で開示される任意の食料品に組み込まれ得、そして、開示される方法において使用され得る。
【0138】
本明細書中で開示される方法が、様々な形態の開示されるマイクロカプセルを投与することによって達成され得ることが企図される。例えば、薬学的処方物のいずれかは、本明細書中で開示される食料品のいずれかとともに投与され得る。別の例では、錠剤またはカプセルは、本明細書中で開示される栄養補給剤のいずれかとともに投与され得る。さらに別の例では、薬学的処方物のいずれかは、本明細書中で開示される送達デバイスおよび栄養補給剤などのいずれかとともに投与され得る。
【0139】
投与量
本明細書中で開示される薬学的処方物、送達デバイスまたは食料品は、上に記載した方法もしくは他の処置法または栄養補給剤において使用されるとき、「有効量」の開示されるマイクロカプセルの1つを純粋な形態で、または、そのような形態が存在する場合は薬学的に許容可能な塩の形態で、薬学的に許容可能な賦形剤、キャリアもしくは他の添加剤とともに、もしくはそれらなしで、使用され得る。
【0140】
任意の特定の被験体に対する特定の有効な用量レベルは、種々の因子(処置される障害およびその障害の重症度;使用される特定の組成物の正体および活性;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食餌;投与時間;投与経路;使用される特定の組成物の排出速度;処置の持続時間;使用される特定の組成物と組み合わせて使用されるかまたは同時に使用される薬物、ならびに医学分野で周知の因子を含む)に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するためおよび所望の効果が得られるまで投与量を徐々に増加させるために、必要なレベルよりも低いレベルから組成物の用量を開始することは、十分、当該分野の技術範囲内である。所望であれば、有効な1日量は、投与の目的で反復投与に分割され得る。その結果として、単一用量組成物は、1日量を構成する量またはその約数の量を含み得る。
【0141】
任意の反対指示(counterindication)がある場合には、投与量は個別の医師または被験体によって調節され得る。投与量は、変化し得るし、1日または数日間、1日1回以上の用量の投与において投与され得る。所与のクラスの薬学的生成物に対する、適切な投与量についての指針が文献において見られる。
【0142】
さらに、本明細書中で開示される栄養補給剤、薬学的処方物、送達デバイスおよび/または食料品のいずれかを被験体に投与することによって、開示される組成物を被験体に送達するための方法が開示される。その開示される組成物(栄養補給剤、送達デバイスおよび薬学的処方物を含む)は、代表的には、経口的に投与され得る。
【実施例】
【0143】
以下の実施例は、開示される主題の方法および結果を例示するために下記に示される。これらの実施例は、本明細書中で開示される主題のすべての局面を含むと意図されず、代表的な方法および結果を例示すると意図される。これらの実施例は、当業者に明らかである本発明の均等物および変形物を排除すると意図されない。
【0144】
数値(例えば、量、温度、pHなど)に関して、正確を保証する努力がなされているが、いくらかの誤差および偏差が、釈明されるべきである。別段示されない限り、部は、重量部であり、温度は、単位が℃であるかまたは外界温度であり、そして圧力は、大気圧または大気圧付近である。製品純度を最適化し、記載される方法から得られる収率を最適化するために使用され得る多くの条件のバリエーションおよび組み合わせ、例えば、成分濃度、温度、圧力ならびに他の反応の範囲および条件が存在する。そのような方法条件を最適化するために必要なのは、妥当な実験および日常的な実験だけである。
【0145】
本明細書中で開示されるある特定の材料、化合物、組成物および成分は、商業的に入手され得るか、または一般に当業者に公知の手法を使用して容易に合成され得る。例えば、開示される組成物の調製において使用される出発物質および試薬は、商業的供給源(例えば、Ocean Nutrition Canada,Ltd.(Dartmouth,Canada)、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、Acros Organics(Morris Plains,N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)またはSigma(St.Louis,Mo.))から入手可能であるか、または、参考文献(例えば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplements(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989))に示されている手順に従って当業者に公知の方法によって調製される。
【0146】
(対照実施例A:275ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
275ブルーム豚皮膚ゼラチン(44g)を水(482g)に溶解し、その溶液を50℃に加熱した。そのゼラチン溶液の初期pHは、4.638であった。次いで、アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)をそのゼラチン溶液に加えたところ、pHは、5.271であった。
【0147】
高DHA魚油(72.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。乳化の後、そのエマルションを顕微鏡下で検査することにより、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。
【0148】
2Lの反応器に、蒸留水(890g)を加え、その温度を50℃に維持した。次いで、その反応器中の蒸留水に上記エマルションを加えたところ、pHは、5.058であることが見出された。蒸留水(84g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(4.4g)を反応器中の希釈エマルションに加えたところ、得られた混合物のpHは、5.821であった。
【0149】
次いで、主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、10%リン酸を用いてpHを低下させた。pHがさらに4.686に低下したとき、第2のマイクロカプセルが、30〜50μmの集塊を形成した。その混合物を、1℃/5分という平均冷却速度で50℃から4℃に冷却した。
【0150】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加え、その温度を室温(約25℃)に16時間維持した。
【0151】
ここで、そのスラリーは食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにそのスラリーを噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき44.7時間であった。
【0152】
(対照実施例B:240ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
240ブルーム魚ゼラチン(44g)を水(320g)に溶解し、その溶液を40℃に加熱した。そのゼラチン溶液の初期pHは、5.807であった。次いで、アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)をそのゼラチン溶液に加えたところ、pHは、5.902であった。
【0153】
高DHA魚油(72.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。乳化の後、そのエマルションを顕微鏡下で検査することにより、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。
【0154】
2Lの反応器に、蒸留水(1051g)を加え、その温度を40℃に維持した。次いで、そのエマルションを反応器中の蒸留水に加えたところ、pHは、5.812であることが見出された。次いで、蒸留水(84g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(4.4g)を反応器中の希釈エマルションに加えたところ、得られた混合物のpHは、6.512であった。
【0155】
次いで、主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、10%リン酸を用いてpHを低下させた。pHがさらに4.773に低下したとき、第2のマイクロカプセルが、30〜50μmの集塊を形成した。その混合物を、1℃/5分という平均冷却速度で40℃から5℃に冷却した。
【0156】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、マイクロカプセルの殻を架橋して硬化するために、5℃で1時間、15℃で8時間および20℃で9時間、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。
【0157】
ここで、そのスラリーは食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにそのスラリーを噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき43.5時間であった。
【0158】
(対照実施例C:0ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
0ブルーム魚ゼラチン(44g;Kenny & Ross Ltd.,Shelburne,NS)を水(323g)に溶解し、その溶液を35.6℃に加熱した。そのゼラチン溶液の初期pHは、5.807であった。次いで、アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)をそのゼラチン溶液に加えたところ、pHは、6.042であった。次いで、蒸留水(84g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(4.4g)をそのゼラチン溶液に加えた。その混合物のpHは、34.1℃において6.306であり、それを、10%リン酸を用いて4.9に調節した。
【0159】
高DHA魚油(72.6g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液と混合し、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。乳化の後、そのエマルションを顕微鏡下で検査することにより、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。
【0160】
2Lの反応器に、蒸留水(1060g)を加え、その温度を35℃に維持した。次いで、上記エマルションを反応器中の蒸留水に加えたところ、pHは、4.9412であることが見出された。主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、その混合物を撹拌しながら、10%リン酸を用いてpHを低下させた。pHを4.751に低下させた後、第2マイクロカプセルの直径は、およそ40μmであった。その混合物を、1℃/5分という平均冷却速度で35℃から5℃に冷却した。
【0161】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、マイクロカプセルの殻を架橋するために5℃で5時間、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた後、20℃で10時間酵素的に硬化させた。
【0162】
ここで、得られたマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき36.9時間であった。
【0163】
(実施例1:コアセルベーション前にキトサンを組み込むことによるオメガ−3マイクロカプセルの調製)
(実施例1.1:240ブルーム魚ゼラチンおよびキトサン(乳化およびコアセルベーションの前に加える)を用いたオメガ−3マイクロカプセルの調製)
240ブルーム魚ゼラチン(44g;Lapi Gelatine S.p.A.,Empoli,Italy製)を、アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)を含む水(256g)に溶解し、41℃に加熱した。水の全質量が320gとなるような追加の水の量を考慮に入れて、1%酢酸中の1%キトサン溶液(44g)をそのゼラチン溶液に加えた。リン酸(10%溶液,17.6mL)をそのゼラチン溶液に加えることにより、pHが約4.5に達した。次いで、高DHA魚油(72.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン−キトサン溶液に加え、POLYTRON
TM ホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。
【0164】
2Lの反応器に、蒸留水(752g)を加え、その温度を41℃に維持した。次いで、上記エマルションを反応器中の蒸留水に加え、その混合物を41℃で撹拌した。蒸留水(300g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(4.4g)を反応器中の希釈エマルションに50mLアリコートずつ加えた(ポリリン酸ナトリウムとキトサンとの比は、50:1〜5:1の範囲であり得る;しかしながら、この特定の実施例において、10:1比を使用した)。すべてのポリリン酸ナトリウム溶液を加えた後の反応器中の混合物のpHは、約4.7であった。
【0165】
主要マイクロカプセルの30〜70μm集塊を形成するために、その混合物を撹拌しながら、10%リン酸を用いてpHを4.301に調節した。次いで、その混合物を、1℃/5分という平均冷却速度で41℃から3℃に冷却した。
【0166】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋するためにそのスラリーを1時間3℃に維持した後、15℃で8時間および20℃で10時間、酵素的に硬化させた。
【0167】
ここで、得られたマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき)61時間であった。その誘導時間は、改善され、対照Bサンプルよりも17.4時間良好であった。
【0168】
(実施例1.2:240ブルーム魚ゼラチンおよびキトサンを用いたオメガ−3マイクロカプセルの調製(2工程方法を使用することによって))
240ブルーム魚ゼラチン(44g;Lapi Gelatine S.p.A.,Empoli,Italy製)を、アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)を含む水(289g)に溶解し、41℃に加熱した。リン酸(10%溶液)をそのゼラチン溶液に加えることにより、pHを約4.5にした。次いで、1%酢酸中の1%キトサン溶液(31.4g)をそのゼラチン溶液に加えた。次に、高DHA魚油(72.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン−キトサン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。
【0169】
2Lの反応器に、蒸留水(752g)およびポリリン酸ナトリウム(3.14g)を加え、その温度を41℃に維持した。次いで、上記エマルションを反応器中の蒸留水に加え、その混合物を41℃で撹拌した。
【0170】
蒸留水(192g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(1.26g)を、0.13gのキトサンを含む1%酢酸溶液(192g)に加えて、撹拌した(この特定の実施例におけるポリリン酸ナトリウムとキトサンとの比は、10:1であった)。次いで、このキトサン−ポリリン酸混合物を反応器中の希釈エマルションに加えることにより、粒子を凝集させた。次いで、その混合物を1℃/5分という平均冷却速度で41℃から3℃に冷却した。
【0171】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋するためにそのスラリーを1時間3℃に維持した後、15℃で8時間および20℃で10時間、酵素的に硬化させた。
【0172】
ここで、得られたマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき、49.7時間であった。この誘導時間は、対照Bのサンプルよりも6.2時間長かった。
【0173】
(実施例2:コアセルベーションおよび殻形成の後にキトサン、リジンおよび/またはグルタミンを組み込むことによるオメガ−3マイクロカプセルの調製)
(実施例2.1:240ブルーム魚ゼラチンを使用し、集塊後であるが、殻形成前にキトサンを加えることによる、オメガ−3マイクロカプセルの調製)
240ブルーム魚ゼラチン(44g;Lapi Gelatine S.p.A.,Empoli,Italy製)を水(320g)に溶解し、40℃に加熱した。アスコルビン酸ナトリウム(7.3g)もそのゼラチン溶液に加えた。次いで、高DHA魚油(72.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。
【0174】
2Lの反応器に、蒸留水(944g)およびポリリン酸ナトリウム(4.4g)を加え、その温度を40℃に維持した。次いで、そのエマルションをその反応器に加えた。主要マイクロカプセルの約30〜60μm集塊を形成するために、その混合物を撹拌しながら、10%リン酸を用いてpHを約4.3に調節した。
【0175】
次いで、その混合物を1℃/5分という平均冷却速度で40℃から3℃に冷却した。その温度が23℃に達したら、キトサン(0.44gのキトサンを含む192gの1%酢酸溶液)をその反応器に加えた。冷却を中断することなく続けた。
【0176】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋するためにそのスラリーを1時間3℃に維持した後、15℃で8時間および20℃で10時間、酵素的に硬化させた。
【0177】
ここで、得られたマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。この粉末の誘導時間は、Oxipres(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,DNK.)を使用することによって、65℃において、酸素の初期圧力約550kPaで測定したとき、49.7時間であった。この誘導時間は、対照Bのサンプルよりも6.2時間長かった。
【0178】
(実施例2.2:キトサン、リジンおよびグルタミンとともに組み込まれた0ブルーム魚ゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
0ブルーム魚ゼラチン(88g;Kenny & Ross Ltd.,Shelburne,NS)を水(640g)に溶解し、その溶液を35℃に加熱した。アスコルビン酸ナトリウム(14.6g)もそのゼラチン溶液に加えた。高DHA魚油(144.0g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液と混合し、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。乳化の後、そのエマルションを顕微鏡下で検査することにより、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。
【0179】
3Lの反応器に、蒸留水(2000g)を加え、その温度を35℃に維持した。次いで、上記エマルションを反応器中の蒸留水に加えたところ、pHが5.98であることが見出された。次に蒸留水(160g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(6.0g)を反応器中の希釈エマルションに加えた。反応器中の得られた混合物のpHは、6.50であった。
【0180】
直径約50μmの主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、その混合物を撹拌しながら10%リン酸を用いてpHを4.78に調節した。次いで、その混合物を1℃/5分という平均冷却速度で35℃から4℃に冷却した。
【0181】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、そのスラリーを架橋するために5時間4℃に維持し、次いで、6時間8℃に維持した。次に、その溶液を20℃に温めた。
【0182】
この基礎スラリーの2つの同一バッチを調製し、そしてさらなる処理のためにともに混合した。
【0183】
(実施例2.2.1:対照)
実施例2.2からの基礎スラリー(1000g)を、室温(約25℃)で6時間、さらに架橋した。次いで、この対照スラリーを噴霧乾燥させた。
【0184】
(実施例2.2.2:高MWキトサンによる処理)
実施例2.2からの基礎スラリー(1000g)をまず1.5L反応器に移すことによって、そのスラリーを高MWキトサン(131.3kDa)で処理した。1.0%w/wキトサンの1.0%w/w酢酸溶液(250g)を調製し、蒸留水で0.5%w/wに希釈した。次いで、この0.5%キトサン溶液を、1.5L反応器中の基礎スラリーにゆっくり加えた。pHを6.0に調節し、混合物を室温(約25℃)で5時間撹拌した。
【0185】
(実施例2.2.3:低MWキトサンによる処理)
実施例2.2からの基礎スラリー(1000g)をまず1.5L反応器に移すことによって、そのスラリーを低MWキトサン(5.3kDa)スラリーで処理した。1.0%w/wキトサンの1.0%w/w酢酸溶液(200g)を調製し、蒸留水で0.4%w/wに希釈した。次いで、この0.4%キトサン溶液を1.5L反応器中のスラリーにゆっくり加えた。pHを5.6に調節し、その混合物を室温(約25℃)で5時間撹拌した。
【0186】
(実施例2.2.4:リジンおよびグルタミンによる処理)
実施例2.2からの基礎スラリー(1000g)をまず1.5L反応器に移すことによって、そのスラリーをリジンおよびグルタミンで処理した。蒸留水(40g)中のリジン(5.0g)を1.5L反応器中のスラリーにゆっくり加えた。pHを6.0に調節した。2時間後、蒸留水(60.0g)中のグルタミン(2.0g)もそのスラリーにゆっくり加えた。その混合物を室温(約25℃)で3時間撹拌した。
【0187】
(実施例2.2.5:高MWキトサンおよびグルタミンによる処理)
実施例2.2からの基礎スラリー(1000g)をまず1.5L反応器に移すことによって、そのスラリーを高MWキトサンおよびグルタミンで処理した。1.0%w/wキトサンの1.0%w/w酢酸溶液(250g)を調製し、蒸留水で0.5%w/wに希釈した。次いで、この0.5%キトサン溶液を1.5L反応器中のスラリーにゆっくり加えた。pHを6.0に調節した。2時間後、蒸留水(60.0g)中のグルタミン(2.0g)もそのスラリーにゆっくり加えた。その混合物を室温(約25℃)で3時間撹拌した。
【0188】
次いで、実施例2.2.1〜2.2.5のマイクロカプセルからの完成したマイクロカプセルのスラリーサンプルを噴霧乾燥させることにより、流動性粉末生成物を得た。これらのすべてのサンプル粉末の誘導時間は、対照サンプル2.2.1および対照サンプルCと比べて改善された(表1)。
【0189】
【表4】
。
【0190】
(実施例3:集塊および殻形成の前にろうが組み込まれた、0ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
0ブルーム魚ゼラチン(44.1g)を水(323.8g)に溶解し、35℃に加熱した。アスコルビン酸ナトリウム(7.32g)およびカルナウバろうのマイクロエマルション(7.90g;Michelman Inc.,Cincinnati,OH製のME28230)をそのゼラチン溶液に加えた。高DHA魚油(73.54g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。
【0191】
そのエマルションを、35℃に維持された蒸留水(1061.4g)を含む2L反応器に移した。そのエマルションのpHは、35℃において5.88であった。5%ポリリン酸ナトリウム溶液(88.0g)をその混合物に加えたところ、pHが、35℃において6.59であることが見出された。主要マイクロカプセルの30〜60μm集塊が形成するために、その混合物を撹拌しながら、10%リン酸を用いてpHを35℃において4.68に調節した。
【0192】
次いで、得られたマルチコアマイクロカプセルの混合物を、1℃/5分という平均冷却速度で35℃から4℃に冷却した。10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋するためにそのスラリーを5時間5℃に維持した後、20℃で10時間酵素的に硬化させた。
【0193】
ここで、完成したマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。ろうを組み込んでいない対照(例えば、対照実施例C)ではその誘導時間が36.9時間であったのに対して、この粉末の誘導時間は、70.5時間であった。
【0194】
(実施例4:殻形成後にろうが組み込まれた、275ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
275ブルーム魚ゼラチン(40.92g)を水(452g)に溶解し、50℃に加熱した。アスコルビン酸ナトリウム(6.82g)をそのゼラチン溶液に加えた。高DHA魚油(68.25g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、6,400rpmで11分間乳化した。
【0195】
そのエマルションを、50℃に維持された蒸留水(833.3g)を含んでいる2L反応器に移した。そのエマルションのpHは、51.8℃において5.23であった。5%ポリリン酸ナトリウム溶液(82.5g)をその混合物に加えたところ、pHは、50.4℃において5.66であることが見出された。主要マイクロカプセルの約30〜60μm集塊を形成するために、その混合物を撹拌しながら、10%リン酸を用いてpHを50.4℃において4.80に調節した。
【0196】
次いで、マルチコアマイクロカプセルの混合物を1℃/5分という平均冷却速度で50℃から4℃に冷却した。10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋し、硬化させるために、そのスラリーを室温(約25℃)で16時間維持した。
【0197】
pHを9.3に調節し、カルナウバろうのマイクロエマルション(187g;ME62125Am,Michelman Inc.)を加えた。その混合物のpHは、8.69であり、混合物は、総重量46.7gのカルナウバろうを含んでいた。
【0198】
ここで、完成したマイクロカプセルの懸濁液は食品用途の準備が整っていた。流動性粉末を作製するためにその懸濁液を噴霧乾燥させた。ろうを組み込んでいない対照(例えば、対照実施例A)ではその誘導時間が44.7時間であったのに対し、この粉末の誘導時間は、80.0時間であった。
【0199】
(実施例5:殻形成後に炭水化物およびタンパク質が組み込まれた240ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
(実施例5.1:240ブルーム魚ゼラチンを使用した魚油マイクロカプセルの基礎スラリーの調製)
240ブルーム魚ゼラチン(325.8g)を10,000g反応器において水(3599g)に溶解し、撹拌しながら40℃に加熱した。アスコルビン酸ナトリウム(49.4g)および20%リン酸溶液(60mL)をそのゼラチン溶液に加えた。高DHA魚油(565g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、高剪断ポンプを使用して、液滴の直径が1〜5μmとなるまで乳化した。蒸留水(5453.4g)をその反応器に加え、その温度を40℃に維持した。
【0200】
次いで、蒸留水(100g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(32.6g)を、反応器中の希釈エマルションに加えた。主要マイクロカプセルの約30μm集塊を形成するために、20%リン酸(約100mL)を用いてpHを4.57に調節した。
【0201】
次いで、その混合物を1℃/5分という平均冷却速度で40℃から6℃に冷却した。10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、そのスラリーを15℃で9時間および20℃で8時間架橋した。
【0202】
ここで、完成したマイクロカプセルの懸濁液は、コーティング方法の準備が整っていた。流動性粉末を作製するために、その懸濁液を噴霧乾燥させることもできた。
【0203】
(実施例5.2:マイクロカプセルへの加工デンプンの組み込み)
加工デンプン(40g;National Starch & Chemical Co.,Bridgewater,NJ製のN−LOK)を撹拌しながら水(60g)に溶解した。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。次いで、その加工デンプン溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0204】
(実施例5.3:マイクロカプセルへの加工デンプンおよびラクトースの組み込み)
加工デンプン(20g;National Starch & Chemical Co.,Bridgewater,NJ製のN−LOK)を撹拌しながら水(30g)に溶解することによって、40%懸濁液を作製した。ラクトース(25g)を撹拌しながら水(25g)に溶解することによって、50%溶液を作製した。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。そのデンプン溶液およびラクトース溶液を激しく混合し、基礎スラリーに加え、それを30分間撹拌した。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0205】
(実施例5.4:マイクロカプセルへのラクトースの組み込み)
加熱し、撹拌することによって、ラクトース(50g)を水(50g)に溶解した。次いで、Tween80(5g)をそのラクトース溶液に加えた。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。そのラクトース−Tween80溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0206】
(実施例5.5:マイクロカプセルへのメープルシロップの組み込み)
実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。メープルシロップ(100g;スーパーマーケットで入手)をそのスラリー加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0207】
(実施例5.6:マイクロカプセルへのスクロースの組み込み)
加熱し、撹拌することによって、スクロース(50g)を水(50g)に溶解した。次いで、Tween80(5g)をそのスクロース溶液に加えた。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。そのスクロース−Tween80溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0208】
(実施例5.7:マイクロカプセルへのメチルセルロースの組み込み)
加熱し、撹拌することによって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(5g;DOW Chemical Co.,Midland,MI製のMethocel E3)を水(95g)に懸濁した。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。そのHPMC溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0209】
(実施例5.8:マイクロカプセルへの乳タンパク質の組み込み)
加熱し、撹拌することによって、高カルシウム乳タンパク質(50g;NZMP(North America)Inc.,Santa Rosa,CA製のAlaco9090)を水(50g)に懸濁した。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。次いで、その乳タンパク質溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0210】
(実施例5.9:マイクロカプセルへのホエータンパク質およびグリセリンの組み込み)
加熱し、撹拌することによって、ホエータンパク質(50g;NZMP(North America)Inc.,Santa Rosa,CA製のAlacen841)を水(50g)に溶解した。グリセリン(5g)も加えた。実施例5.1において調製された基礎スラリー(600g)を1000mLビーカーに移し、そしてそのスラリーを、ホットプレート上で回転子を用いて撹拌した。そのホエータンパク質−グリセリン溶液をそのスラリーに加え、30分間撹拌を続けた。流動性粉末を作製するために、そのスラリーを噴霧乾燥させた。
【0211】
【表5】
。
【0212】
(実施例6:窒素パージによって官能性が改善された、0ブルーム魚ゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
720gの0ブルーム魚ゼラチン溶液(12%w/w,35℃)を調製した。次いで、アスコルビン酸ナトリウム(3.6g)をそのゼラチン溶液に加えた。高DHA魚油(140g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)も加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用し、窒素パージ下で4分間7,500rpmにてその溶液を乳化した。
【0213】
蒸留水(1050g)を2つの2L反応器の各々に加え、その温度を35℃に維持した。アスコルビン酸ナトリウム(5.7g)も各反応器中の水に加えた。上記エマルションの半分を各反応器に移した(約430g)。一方の反応器を対照として使用し(実施例6.1、大気下)、他方の反応器(実施例6.2)を、空気から酸素を排除し、魚油の酸化変質を最小限にするために一定の窒素パージ下に置いた。各反応器中の混合物を一定に撹拌し、その混合物は、36.0℃の温度および6.086のpHを有した。
【0214】
5%ポリリン酸ナトリウム溶液(89.4g)を各反応器に加え、pHを6.607に上げた。5%リン酸を用いてpHを4.888に調節した後、第2マイクロカプセルが形成し、その集塊の直径は、各反応器において約50μmであった。次いで、それらのサンプルを、1℃/5分という平均速度で35℃から5℃に冷却した。
【0215】
10%NaOHを加えることによってpHを6.0に調節した後、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)を加えた。次いで、架橋するためにそのスラリーを5℃で5時間維持した後、20℃で10時間酵素的に硬化させた。
【0216】
流動性粉末を作製するために、完成したマイクロカプセルの懸濁液を噴霧乾燥させた。それらの粉末サンプルの誘導時間は、それぞれ50.8および50.3時間であった。表3に示されるように、窒素パージによって、最終生成物の官能性の改善が助けられたことが見出された。
【0217】
【表6】
。
【0218】
(実施例7:スラリーに200mg/L Na
2EDTAが組み込まれた、275ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(Na
2EDTA)(0.2919g)を水(464g)に溶解した;その溶液のpHは、4.63であった。次いで、Great Lakes豚ゼラチン(42g)をその溶液に加えた(pH4.73)。次に、アスコルビン酸ナトリウム(7.0g)を加えたところ、pHは、5.23であった。
【0219】
高DHA魚油(73.54g;Ocean Nutrition Canada Ltd.製のXODHA)をそのゼラチン溶液に加え、POLYTRON
TMホモジナイザーを使用して、7,500rpmで4分間乳化した。乳化の後、そのエマルションを顕微鏡下で検査することにより、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。
【0220】
2Lの反応器に蒸留水(855g)を加え、その温度を53℃に維持した。そのエマルションを反応器中の蒸留水に加えたところ、pHは5.25であった。次いで、蒸留水(80g)に溶解したポリリン酸ナトリウム(4.25g)を反応器中の希釈エマルションに加えた。次いで、反応器中の混合物のpHは、5.92であった。油滴の直径は1〜5μmであり、規則的なゼラチン中魚油エマルションと同様に見えた。
【0221】
次いで、主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、10%リン酸を用いてpHを低下させた。通常の豚油マイクロカプセル化方法は、代表的には、pH4.5〜5付近で実施する必要がある。この場合、pHを4.67に低下させた後、油滴の直径は、20〜40μmになった。
【0222】
次いで、そのスラリーを1℃/5分という平均速度で5℃に冷却した。温度が4℃に達したら、1%w/wトランスグルタミナーゼ調製物(Ajinomoto USA Inc.,Fort Lee,NJ)をそのスラリーに加えた。次いで、10%NaOHを用いてpHを6.0に調節した。次いで、スラリー中のマイクロカプセルを室温(約25℃)において16時間、架橋し、硬化させた。
【0223】
そのスラリーを噴霧乾燥させ、様々な品質パラメータおよび安定性パラメータについて試験した。その粉末は、自由流動性であり、その誘導時間は、56.4時間であった。誘導時間は、Na
2EDTAなしの対照サンプルと類似であったが、過酸化物価(PV)によって比較される生成物の脂質酸化レベルは、異なっていた。Na
2EDTAの添加ありおよびなしのマイクロカプセル粉末のPVは、それぞれ1.18および2.35 meq/kgであった。
【0224】
(実施例8:自由流動特性の改善のためにアンチケーキング剤が組み込まれたオメガ−3マイクロカプセルの調製)
対照実施例Aにおけるように魚油マイクロカプセルスラリーを調製し、最終生成物の流動性について試験した。試験された乾燥補助剤(drying aids)としては、Hubersorb600(J.M.Huber Corp.,Harve de Grace,MD)、Zeothix265(J.M.Huber Corp.)、Capsul加工デンプン(National Starch & Chemical Co.)およびVitacelセルロース(J.Rettenmaier USA LP,Schoolcraft,MI)が挙げられる。実施例および得られた粉末生成物の流動性を表4に示す。すべての乾燥剤が、マイクロカプセルの自由流動特性を改善したことが見出された。
【0225】
【表7】
。
【0226】
(実施例9:グルタルアルデヒドで架橋され、アミノ酸が加えられたオメガ−3マイクロカプセルの調製)
マイクロカプセルのスラリーを本明細書中で開示されるように調製し得る。マイクロカプセルを架橋するためにそのスラリーをゼラチン重量に基づいた約2.5%グルタルアルデヒドで処理し得る。グルタルアルデヒドおよびリジンのMWが、それぞれ100g/molおよび146.2g/molであるので、アルデヒド残基を中和するためにはリジンの量の3倍が必要である。次いで、最低限の480mgのリジン/kgスラリーが必要である(スラリー中約0.05重量%)。0.25%リジン(またはロイシン、イソロイシンおよび他のアミノ酸)を加えることによって、予備試験からの誘導時間の延長が証明された。疎水性アミノ酸もまた、30℃/75%RHオープンディッシュテスト(open dish test)中の粉末の固化を改善した。次いで、これは、反応性が5倍の過剰なアミノ基である。0.5%のリジンのようなアミノ酸を使用し得る。そのアミノ酸またはタンパク質を、架橋方法が終わるちょうど1〜2時間前に加え得る。
【0227】
(実施例10:油と混合しない、CoQ10のカプセル化およびオメガ(omgega)−3との同時送達)
CoQ
10が、マイクロカプセル化の前に魚油と混合されることなくマイクロカプセル中に送達され得ることを証明するために、以下の実施例を行った。
【0228】
本明細書中に記載されるように、魚油をゼラチン溶液に乳化し、得られた油滴を、ポリホスフェートとの複合コアセルベーションによって凝集させた。凝集後、次いで、ゼラチン溶液中のCoQ
10のエマルションを、送達されるすべての500mgのEPA+DHAに30〜200mgのCoQ
10のレベルで加えた。冷却中に、CoQ
10液滴は、殻の一部となり、集塊の表面上に堆積した。次いで、冷却方法の後に架橋することにより、ゼラチンベースの殻を硬化させた。
【0229】
以下は、1つあたり30、100および200mgのCoQ
10の充填レベルでの3つの実施例である。これらの実験の粉末サンプルは、0.1%未満の遊離油量および80℃において試験された13.5〜14.5時間の誘導時間を有した。
【0230】
(実施例10.1:豚ゼラチン殻における充填比100mg CoQ
10/500mg EPA/DHAでのDHA油のマイクロカプセル化)
39.1gの豚ゼラチンを464.0gの50℃の蒸留水に溶解した。反応器をサーキュレータに接続し、温度を50℃に設定した。次いで、690.0gの蒸留水をその反応器に加え、温度を50℃に維持した。そのゼラチン溶液に、72.0gの魚油を混合し、7500rpmで4分間乳化した。エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの油滴を含んでいた。そのエマルションを、50℃の水が入っている反応器に加えた。その混合物のpHは、5.045であった。次に、6.4gのアスコルビン酸ナトリウムをその混合物に加えた。室温の85.2gの5%w/wポリリン酸ナトリウム溶液のアリコートをその反応器にさらに加えた。pH値を4.488に調節し、光学顕微鏡で検査しながら、集塊を約40μmまで成長させた。この段階で形成されたマルチコア魚油粒子を
図6Aに示す。
【0231】
16.0gの豚ゼラチンを184.0gの蒸留水と混合した。それを水に分散した後、ゼラチンを溶解し、57℃に加熱し、維持した。次に、24.0gのCoQ
10粉末をそのゼラチン溶液に加え、6000rpmで2分間および7500rpmで1分間乳化した。CoQ
10エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの液滴を含んでいた。次いで、41.0gのCoQ
10エマルションを50℃の反応器中の凝集したスラリーに混合した。マルチコア魚油粒子の周囲におけるCoQ
10液滴のコーティングが、
図6Bに示されるように見られた。
【0232】
次いで、上記のマイクロカプセル集塊を含む懸濁液を2.5時間以内にわたって4℃に冷却した。0.2%w/wのトランスグルタミナーゼの酵素調製物を加え、酵素的な硬化のために、少なくとも12時間、温度を20℃に調節した。
図6Cに示されるような、完成したマイクロカプセルの懸濁液を噴霧乾燥させた。そのマイクロカプセルの粉末は、自由流動性であり、表面の遊離油は、0.1%w/w未満であった。
【0233】
(実施例10.2:豚ゼラチン殻における充填比30mg Co−Q10/500mg EPA/DHAでのDHA油のマイクロカプセル化)
41.1gの豚ゼラチンを464.0gの50℃の蒸留水に溶解した。反応器をサーキュレータに接続し、温度を50℃に設定した。717.0gの蒸留水をその反応器に加え、温度を50℃に維持した。この新たに調製したゼラチン溶液に、72.0gの魚油を混合し、7500rpmで4分間乳化した。エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの油滴を含んでいた。そのエマルションを、50℃の水が入っている反応器に加えた。その混合物のpHは、5.045であった。次いで、6.4gのアスコルビン酸ナトリウムをその混合物に加えた。室温の85.2gの5%w/wポリリン酸ナトリウム溶液のアリコートをその反応器にさらに加えた。pH値を4.488に調節し、光学顕微鏡で検査しながら、集塊を約40μmまで成長させた。この段階で形成されたマルチコア魚油粒子を
図7Aに示す。
【0234】
16.0gの豚ゼラチンを184.0gの蒸留水と混合した。それを水に分散した後、ゼラチンを溶解し、57℃に加熱し、維持した。24.0gのCoQ
10粉末をそのゼラチン溶液に加え、6000rpmで2分間および7500rpmで1分間乳化した。CoQ
10エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの液滴を含んでいた。次いで、12.2gのCoQ
10エマルションを48.3℃の反応器中の凝集したスラリーに混合した。そのCoQ
10コートされたマイクロカプセルを
図7Bに示す。
【0235】
次いで、上記のマイクロカプセル集塊を含む懸濁液を2.5時間以内にわたって4℃に冷却した。0.2%w/wのトランスグルタミナーゼの酵素調製物を加え、酵素的な硬化のために、少なくとも12時間、温度を20℃に調節した。完成したマイクロカプセルの懸濁液を噴霧乾燥させた。そのマイクロカプセルの粉末は、自由流動性であり、表面の遊離油は、0.1%w/w未満であった。
【0236】
(実施例10.3:充填比200mg Co−Q10/500mg EPA/DHAの豚ゼラチンを使用したDHA油のマイクロカプセル化)
36.1gの豚ゼラチンを396.7gの蒸留水と混合した。それを水に分散した後にゼラチンを溶解し、50℃に加熱し、維持した。反応器をサーキュレータに接続し、温度を50℃に設定した。728.0gの蒸留水をその反応器に加え、温度を50℃に維持した。この新たに調製したゼラチン溶液に、72.0gの魚油を加え、7500rpmで4分間乳化した。エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの油滴を含んでいた。そのエマルションを、50℃の水が入っている反応器に加えた。その混合物のpHは、5.045であった。次に、6.4gのアスコルビン酸ナトリウムをその混合物に加えた。室温の85.2gの5%w/wポリリン酸ナトリウム溶液のアリコートをその反応器にさらに加えた。pH値を4.488に調節することにより、光学顕微鏡で検査しながら、集塊を約40μmまで成長させた。
【0237】
16.0gの豚ゼラチンを184.0gの蒸留水と混合した。それを水に分散した後にゼラチンを溶解し、57℃に加熱し、維持した。次に、24.0gのCoQ
10粉末をそのゼラチン溶液に加え、6000rpmで2分間および7500rpmで1分間乳化した。CoQ
10エマルションが形成され、それは直径約1〜5μmの液滴を含んでいた。次に、82.0gのCoQ
10エマルションを48.3℃の反応器中の凝集したスラリーに混合した。次いで、マイクロカプセル集塊を含む上記懸濁液を2.5時間以内にわたって4℃に冷却した。0.2%w/wのトランスグルタミナーゼの酵素調製物を加え、酵素的な硬化のために、少なくとも12時間、温度を20℃に調節した。
図8に示されるような完成したマイクロカプセルの懸濁液を噴霧乾燥させた。そのマイクロカプセルの粉末は、自由流動性であり、表面の遊離油は、0.1%w/w未満であった。
【0238】
(実施例11:マイクロカプセル粉末における亜鉛と魚油との同時送達)
使用したオメガ−3マイクロカプセル粉末は、平均180.5mg/gのDHA+EPA粉末および210.9mg/gの全オメガ−3粉末を有した。500mgのEPA+DHA粉末あたり2、5、10、50および100mgにおいて亜鉛を送達するために、噴霧乾燥の前に、ZnCl
2を完成したスラリーに加えた。使用した処方物を(表8)に記載する。
【0239】
【表8】
。
【0240】
(実施例11.1:240ブルーム魚ゼラチンを使用した魚油マイクロカプセルの基礎スラリーの調製)
44gの240ブルーム魚ゼラチンを320gの水に溶解することによって、オメガ−3魚油マイクロカプセルを調製した。次いで、この溶液を40℃に加熱した。7.3gのアスコルビン酸ナトリウムをそのゼラチン溶液に加えた。溶液のpHを5.385から5.650に上げた。次いで、72.0gの高DHA魚油(OXDHA,Ocean Nutrition Canada Ltd.,Dartmouth,NS)をそのゼラチン溶液に加え、次いで、高速Polytronホモジナイザーを用いて7500rpmで4分間乳化した。乳化した後、そのエマルションを顕微鏡下で検査し、油滴が小さく、均一であること(直径約1〜5μm)を確かめた。1051gの蒸留水を2L反応器に加え、温度を40℃に維持した。そのエマルションを反応器中の蒸留水に加えたところ、その混合物のpHが、39.6℃において5.662であることが見出された。次に、4.4gのポリリン酸ナトリウムを84gの蒸留水に溶解し、そして、反応器中の希釈エマルションに加えた。反応器中の混合物のpHは、6.403であった。次いで、主要マイクロカプセルの集塊を形成するために、10%リン酸を用いてpHを低下させた。pHが4.459に低下した後、第2マイクロカプセル集塊は、直径30〜70μmのサイズであった。次いで、そのスラリーを、1℃/5分という平均速度で40℃から5℃に冷却した。pHを6.0に調節した後、その殻を架橋し、硬化させるために、5℃で1時間、15℃で8時間および20℃で9時間、1%トランスグルタミナーゼをそのスラリーに加えた。
【0241】
前述の工程を4つの同一スラリーサンプルについて行った。それらのスラリーを架橋後に混合した。次いで、1リットルの混合したスラリーを噴霧乾燥させることにより、流動性粉末を作製した。このサンプルは、送達にむけて、オメガ−3油のみを有しており、亜鉛を有していなかった。脂質解析から、この粉末が、129mgのDHA/g、31mgのEPA/gおよび176mg/g粉末での総オメガ−3を有することが示された。
【0242】
(実施例11.2:スラリーに亜鉛が組み込まれた、240ブルームゼラチンを使用したオメガ−3マイクロカプセルの調製)
240ブルームゼラチンを使用して、上の実施例11.1に記載したように、亜鉛−オメガ−3マイクロカプセルを調製した。1リットルの混合スラリーを採取し、マグネチックスターラで混合した。0.15gのZnCl
2をそのスラリーに溶解した。30分間混合した後、次いで、そのスラリーを噴霧乾燥させることにより、送達用のオメガ−3油ならびに亜鉛を含む流動性粉末を作製した。様々な量のZnCl
2(それぞれ0.38、0.76、3.81および7.63g)を1Lの混合スラリーに組み込むことにより、送達用の異なる亜鉛レベルがもたらされた。これらを実施例11.2.1〜11.2.5として列挙する。亜鉛および解析の結果を表9に示す。
【0243】
【表9】
マイクロカプセル粉末中の亜鉛の量は、噴霧乾燥の前にスラリーに加えられた量によって十分予測された(
図9)。
【0244】
特定の実施形態
主要マイクロカプセルと充填物質との集塊を含むマイクロカプセルが、本明細書中で開示され、個別の主要マイクロカプセルは、主要殻を有し、充填物質は、主要殻によって被包され、集塊は、外殻によって被包され、そして主要殻、外殻またはその両方は、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含む。コアを含むシングルコアマイクロカプセルもまた開示され、ここで、そのコアは、充填物質、コアを取り囲んでいる主要殻および主要殻を取り囲んでいる外殻を含み、主要殻、外殻またはその両方は、アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含む。
【0245】
マイクロカプセルを調製するための方法もまた開示され、その方法は、第1ポリマー成分、充填物質、第2ポリマー成分およびアミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせの1つ以上を含む組成物を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;および水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程(主要殻材料、外殻またはその両方は、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む)を含む。
【0246】
マイクロカプセルを調製するための方法がなおもさらに開示され、その方法は、1つ以上のマイクロカプセルのスラリーを提供する工程(そのマイクロカプセルは、殻材料および充填物質を含む);アミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろう、酸化防止剤もしくは亜鉛またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む組成物をそのスラリーに加える工程;およびそのスラリーを乾燥する工程を含む。
【0247】
さらに、マイクロカプセルを調製するための方法が本明細書中で開示され、その方法は、第1ポリマー成分、充填物質および第2ポリマー成分を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;アミノ酸、タンパク質、サッカリドまたはろうの1つ以上を含む組成物を水性混合物に加える工程;および水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程(その主要殻材料、外殻またはその両方は、サッカリドを含む)を含む。
【0248】
また、マイクロカプセルを調製するための方法が開示され、その方法は、第1ポリマー成分、充填物質、第2ポリマー成分およびキレート剤を含むエマルションをそのエマルションに提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;および水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程を含む。
【0249】
第1ポリマー成分および充填物質ならびにアミノ酸、タンパク質、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の組成物の残基を含む、噴霧乾燥されたエマルションを含む組成物もまた開示される。
【0250】
さらに、本明細書中で開示されるマイクロカプセルのいずれかを含む処方物ビヒクルが開示される。その処方物ビヒクルは、食料品、飲料、栄養補助処方物または薬学的処方物であり得る。本明細書中で開示されるマイクロカプセルのいずれかを含むサシェもまた開示される。
【0251】
なおもさらに、充填物質を被験体に送達する方法が開示され、その方法は、本明細書中で開示されるマイクロカプセルのいずれかまたは本明細書中で開示される処方物ビヒクルのいずれかを被験体に投与する工程を含む。被験体は、哺乳動物であり得る。被験体は、ヒトであり得る。充填物質は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ−3脂肪酸のトリグリセリドエステル、オメガ−3脂肪酸のフィトステロールエステルおよび/またはそれらの混合物を含み得る。被験体に充填物質を送達するための薬物を調製するための、本明細書中で開示されるマイクロカプセルのいずれかの使用もまた開示される。
【0252】
上記マイクロカプセルは、第1ポリマー成分、充填物質および第2ポリマー成分を含むエマルションを提供する工程;pH、温度、濃度、混合速度またはそれらの組み合わせを調節することにより、主要殻材料を含む水性混合物を形成する工程(その主要殻材料は、第1および第2ポリマー成分を含み、充填物質を取り囲んでいる);主要殻材料が集塊を形成するまで、主要殻材料のゲル化点より高い温度に水性混合物を冷却する工程;および水性混合物をさらに冷却することにより、集塊の周囲に外殻を形成する工程を含む方法によって調製され得る。
【0253】
開示されるマイクロカプセルは、約40時間を超えるか、約50時間を超えるか、約75時間を超えるか、または約100時間を超える誘導時間を有し得る。
【0254】
上記組成物は、アミノ酸を含み得、そのアミノ酸と第2ポリマー成分との比は、約1:5〜約5:1であり得る。1つ以上の組成物は、アミノ酸である、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、システイン、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニンまたはそれらの混合物を含み得る。1つ以上の組成物は、アミノ酸であるリジンを含み得る。1つ以上の組成物は、アミノ酸であるグルタミンを含み得る。1つ以上の組成物は、アミノ酸である、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、システイン、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニンまたはそれらの混合物およびグルタミンを含み得る。1つ以上の組成物は、乳タンパク質を含み得る。1つ以上の組成物は、ホエータンパク質、ホエータンパク質単離物またはホエータンパク質濃縮物を含み得;そのホエータンパク質は、グリセリンと組み合わされ得る。
【0255】
上記組成物は、タンパク質を含み得、そのタンパク質と第2ポリマー成分との比は、約1:1〜約40:1であり得る。そのタンパク質は、乳タンパク質、ゼラチン、ホエータンパク質単離物、ホエータンパク質濃縮物、カゼイネート、ダイズタンパク質、BSAまたはそれらの混合物であり得る。組成物は、ホエータンパク質、ホエータンパク質単離物またはホエータンパク質濃縮物を含み得る。そのホエータンパク質は、グリセリンと組み合わされ得る。
【0256】
上記組成物は、サッカリドを含み得、そのサッカリドと第2ポリマー成分との比は、約1:0.02〜約1:0.5であり得る。上記組成物は、サッカリドを含み得、そのサッカリドと殻材料全体との比は、約1:0.2〜約1:5であり得る。
【0257】
1つ以上の組成物は、約100,000ダルトンを超えるか、または約100,000ダルトン未満の分子量を有するサッカリドを含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるキトサンを含み得る。1つ以上の組成物は、キトサンおよびグルタミン、キトサン、リジンおよびグルタミン、キトサン、グルタミンおよびロイシン、イソロイシン、メチオニン、システイン、チロシン、トリプトファンもしくはフェニルアラニンの1つ以上、またはキトサンおよびロイシン、イソロイシン、メチオニン、システイン、チロシン、トリプトファンもしくはフェニルアラニンの1つ以上を含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるデンプンを含み得;そのデンプンは、加工デンプンであり得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるラクトースを含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるデンプンおよびラクトースを含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドをメープルシロップ、蜂蜜、コーンシロップまたはそれらの混合物の形態で含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるスクロースを含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドである、マルトデキストリン、オリゴフルクタン、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエーテル、寒天、アルギネート、ペクチン、低メトキシルペクチン、アラビアゴム、カラギナン、セルロースゴム、ジルタンガム、ジェランガム、ローカスビーンガム、ウェランガム、キサンタンガムまたはそれらの混合物を含み得る。1つ以上の組成物は、サッカリドである、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、セロビオース、マンノース、キシロース、リボース、ソルボース、セロトリオース、トレハロース、マルトース、ラフィノース、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、グルコサミンまたはそれらの混合物を含み得る。冷却後であるが、水性混合物をさらに冷却する前に、サッカリドを加えることにより、集塊の周囲に外殻が形成され得る。
【0258】
1つ以上の組成物は、ろうであるカルナウバろうを含み得る。組成物は、ろうであるカルナウバろうをマイクロエマルションの形態で含み得る。1つ以上の組成物は、ろうである、カンデリラ、セレシン、木ろう、オレンジピールワックス、米糠ろう、シェラック、パラフィン、モンタン、微晶質ワックス、ポリエチレン、蜜ろうまたはそれらの混合物を含み得る。1つ以上の組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。組成物は、ろうを含み得、そのろうと第2ポリマー成分との比は、約1:1〜約1:10である。
【0259】
1つ以上の組成物は、酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、コエンザイムQ10、ルテイン、ゼアキサンタン、カロテン(例えば、ベータ−カロテン)またはそれらの混合物を含み得る。
【0260】
開示されるマイクロカプセルは、キレート剤をさらに含み得る。キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムであり得る。キレート剤は、クエン酸、フィチン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、ポリリン酸またはそれらの混合物の1つ以上を含み得る。キレート剤は、エマルションおよび/または水性混合物に加えられ得る。
【0261】
開示されるマイクロカプセルは、アンチケーキング化合物をさらに含み得る。アンチケーキング化合物は、乾燥前、乾燥中または乾燥後にマイクロカプセルに加えられ得る。
【0262】
酸化防止剤は、エマルションおよび/または水性混合物に加えられ得る。酸化防止剤は、フェノール化合物、植物抽出物または硫黄含有化合物を含み得る。酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩を含み得る。
【0263】
上記組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。
【0264】
主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、界面活性剤、ゼラチン、ポリホスフェート、サッカリドまたはそれらの混合物を含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、B型ゼラチン、ポリホスフェート、アラビアゴム、アルギネート、キトサン、カラギナン、ペクチン、低メトキシルペクチン、デンプン、加工デンプン、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、キャノーラタンパク質、アルブミン、コーシャゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラルゼラチン、非ハラルゼラチンまたはそれらの混合物を含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、酸化防止剤を含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、亜鉛を含み得る。
【0265】
主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、A型ゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、魚ゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、豚ゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、約0〜約300のブルーム強度を有するゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、約0〜約50のブルーム強度を有するゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、約51〜約300のブルーム強度を有するゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、約0、約210、約220または約240のブルーム強度を有するゼラチンを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、複合コアセルベートを含み得る。主要殻もしくは外殻または主要殻と外殻の両方は、ゼラチンおよびポリホスフェートの複合コアセルベートを含み得る。主要殻材料および外殻は、ゼラチンとポリホスフェートとの複合コアセルベートを含み得る。主要殻材料および外殻は、ゼラチンとアルギネート、ゼラチンとペクチン、ゼラチンとアラビアゴム、ゼラチンとキサンタン、ゼラチンと低メトキシルペクチンまたはゼラチンとホエータンパク質との複合コアセルベートを含み得る。
【0266】
第1ポリマー成分は、界面活性剤、ゼラチン、ポリホスフェート、サッカリドまたはそれらの混合物を含み得る。第1ポリマー成分は、B型ゼラチン、ポリホスフェート、アラビアゴム、アルギネート、キトサン、カラギナン、ペクチン、低メトキシルペクチン、デンプン、加工デンプン、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、キャノーラタンパク質、アルブミン、コーシャゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラルゼラチン、非ハラルゼラチンまたはそれらの混合物を含み得る。第1ポリマー成分は、A型ゼラチンを含み得る。第1ポリマー成分は、魚ゼラチンを含み得る。第1ポリマー成分は、豚ゼラチンを含み得る。第1ポリマー成分は、約0〜約300のブルーム強度を有し得る。第1ポリマー成分は、約0〜約50のブルーム強度を有し得る。第1ポリマー成分は、約51〜約300のブルーム強度を有し得る。第1ポリマー成分は、約0、約210、約220または約240のブルーム強度を有し得る。
【0267】
第2ポリマー成分は、界面活性剤、ゼラチン、ポリホスフェート、サッカリドまたはそれらの混合物を含み得る。第2ポリマー成分は、A型ゼラチン、B型ゼラチン、ポリホスフェート、アラビアゴム、アルギネート、キトサン、カラギナン、ペクチン、低メトキシルペクチン、デンプン、加工デンプン、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブミン、オボアルブミン、ポリソルビタン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、キャノーラタンパク質、アルブミン、コーシャゼラチン、非コーシャゼラチン、ハラルゼラチン、非ハラルゼラチンまたはそれらの混合物を含み得る。第2ポリマー成分は、ポリホスフェートを含み得る。
【0268】
充填物質は、生物学的に活性な物質、栄養補給剤、微生物の油、海産の油、藻類の油、渦鞭毛藻類由来の油、Crypthecodinium cohnii由来の油、真菌の油、Thraustochytrium、Schizochytriumもしくはそれらの混合物由来の油または植物油を含み得る。
【0269】
充填物質は、魚油(例えば、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽く加圧された魚油、アルカリ処理された魚油、熱処理された魚油、淡茶色および濃茶色の魚油、カツオ油、ピルチャード油、マグロ油、シーバス油、ハリバ油、フウライカジキ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油、カラフトシシャモ油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ油またはサメ油)を含み得る。充填物質は、アルカリ処理されていない魚油を含み得る。充填物質は、アラキドン酸を含み得る。充填物質は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−3脂肪酸のアルキルエステル、オメガ−3脂肪酸のトリグリセリドエステル、オメガ−3脂肪酸のフィトステロールエステルおよび/またはそれらの混合物を含み得る。充填物質は、ドコサヘキサエン酸および/もしくはエイコサペンタエン酸、それらのC
1−C
6アルキルエステル、それらのトリグリセリドエステル、それらのフィトステロールエステルならびに/またはそれらの混合物を含み得る。
【0270】
開示されるマイクロカプセルにおいて、外殻は、約1μm〜約2,000μm、約20μm〜約1,000μmまたは約30μm〜約80μmの平均直径を有し得る。主要は、約40nm〜約10μmまたは約0.1μm〜約5μmの平均直径を有し得る。充填物質は、マイクロカプセルの約20重量%〜約90重量%または約50重量%〜約70重量%であり得る。
【0271】
開示される方法において、工程のいずれかまたはすべては、窒素雰囲気下で行われ得る。
【0272】
開示される方法は、トランスグルタミナーゼを加える工程をさらに含み得る。開示される方法は、グルタルアルデヒドを加える工程をさらに含み得る。
【0273】
開示される方法は、マイクロカプセルを乾燥する工程をさらに含み得る。マイクロカプセルは、噴霧乾燥され得る。マイクロカプセルは、炭水化物の存在下において噴霧乾燥され得る。
【0274】
開示される方法において、エマルションは、約1,000〜約15,000rpmにおいて乳化することによって調製され得る。エマルションは、サッカリド、ろうまたはそれらの組み合わせを含む組成物をさらに含み得る。
【0275】
開示される方法において、冷却は、約1〜約100分あたり約1℃の速度または約1℃/5分の速度であり得る。混合物は、約5℃〜約10℃または約5℃の温度に達するまで冷却され得る。
【0276】
開示される方法に従って調製されたマイクロカプセルもまた、本明細書中で開示される。
【0277】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の様々な改変および変更がなされ得ることは、当業者に明らかであろう。本明細書中で開示される本発明の詳述および実施を考慮することにより、本発明の他の実施形態が当業者に明らかであろう。
本明細書および実施例は、単なる例示と考えられ、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されると意図される。