特許第5979720号(P5979720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979720
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ成形器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
   A61M25/09 500
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-60520(P2013-60520)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-183964(P2014-183964A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】金沢 祐弥
【審査官】 田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−068965(JP,A)
【文献】 特開2012−065913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤの先端部の形状付けを行うためのガイドワイヤ成形器具であって、
前記ガイドワイヤの先端部が挿入される内腔を有する筒状体を備え、
前記筒状体の端部には、円周方向の位置が異なり、各々の厚みが異なる複数の部分が設けられ
前記内腔には、前記複数の部分の各々と対向する部分に摩擦抵抗部が設けられていることを特徴とするガイドワイヤ成形器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドワイヤの先端部の形状付けを行うためのガイドワイヤ成形器具に関する。
【背景技術】
【0002】
血管にカテーテルを挿入する際に用いるガイドワイヤが知られている。カテーテルを挿入する際には、先ずガイドワイヤを血管に挿入して病変部付近まで進行させ、その後にガイドワイヤに沿ってカテーテルを進行させる。このようにカテーテルを血管の病変部付近まで挿入した状態で、カテーテルを介した各種の治療が行われる。
【0003】
また、血管が分岐する箇所で所望の分岐先の方向にガイドワイヤの先端を上手く向けることができるように、手技に先立ち、ガイドワイヤの先端部を手技者が指で折り曲げることによって、先端部の形状付けを行うことが広く行われている。こうすることで、所望の分岐先の血管にガイドワイヤを進入させ易くすることができる。
【0004】
また、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業は大変細かい作業であり、容易な作業ではない。そこで、ガイドワイヤの形状付けを行うためのガイドワイヤ成形器具が提案されている(特許文献1)。このガイドワイヤ成形器具は棒状の器具であり、先端側に平板部を有し、後端側に円柱部を有している。そして、平板部分(または円柱部)の形状に沿わせてガイドワイヤの先端部を折り曲げることによって、先端部の形状付けを行うことができるようになっている。また、形状の異なる2箇所の部分(平板部と円柱部)を利用することで、異なる形状に先端部を形状付けることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−65913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来のガイドワイヤ成形器具では、依然として、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業が容易ではないという問題があった。
【0007】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題に対応してなされたものであり、ガイドワイヤの先端部を、異なる形状に簡単に形状付けることが可能なガイドワイヤ成形器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のガイドワイヤ成形器具は次の構成を採用した。すなわち、ガイドワイヤの先端部の形状付けを行うためのガイドワイヤ成形器具であって、前記ガイドワイヤの先端部が挿入される内腔を有する筒状体を備え、前記筒状体の端部には、円周方向の位置が異なり、各々の厚みが異なる複数の部分が設けられ、前記内腔には、前記複数の部分の各々と対向する部分に摩擦抵抗部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明のガイドワイヤ成形器具には、筒状体の端部に複数の部分が設けられており、各々の部分は、その断面形状(筒状体の軸方向の断面形状)が異なっている。このため、筒状体の内腔にガイドワイヤの先端部を挿入し、複数の部分の中の所望の部分に対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げるだけで、ガイドワイヤの先端部を異なる形状に簡単に形成することが可能となる。
【0010】
また、筒状体の内腔にガイドワイヤの先端部を挿入し、複数の部分の中の所望の部分に対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げるだけで、ガイドワイヤの先端部を、曲率半径の異なる湾曲形状に簡単に形成することが可能となる。
【0011】
また、摩擦抵抗部を設けることによって、ガイドワイヤ成形器具に対してガイドワイヤをしっかりと固定することができる。その結果、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業をより一層、行い易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態のガイドワイヤ成形器具の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具の斜視図が示されており、(b)にはガイドワイヤ成形器具の平面図が示されている。
図2】本発明の第2実施形態のガイドワイヤ成形器具の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具の平面図が示されており、(b)には、平面図のAA断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具の断面図が示されており、(c)には、BB断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具の断面図が示されており、(d)には、CC断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具の断面図が示されている。(e),(f)には、第1の部分、第2の部分、または第3の部分の、他の断面形状が例示されている。
図3】本発明の第3実施形態のガイドワイヤ成形器具の平面図である。
図4】本発明の第4実施形態のガイドワイヤ成形器具の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具の斜視図が示されており、(b)にはガイドワイヤ成形器具の平面図が示されている。
図5】本発明の第5実施形態のガイドワイヤ成形器具の構成を示した説明図である。(a)は、ガイドワイヤ成形器具の平面図であり、(b)は、平面図のDD断面におけるガイドワイヤ成形器具の縦断面図であり、(c)は、本実施形態のガイドワイヤ成形器具を用いてガイドワイヤの先端部の形状付けを行う様子を示した説明図である。
図6】本発明の第5実施形態のガイドワイヤ成形器具の変形例を示した説明図である。(a)は、変形例のガイドワイヤ成形器具の平面図であり、(b)は、別の変形例のガイドワイヤ成形器具の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.第1実施形態 :
以下では、上述した本発明の内容を明確にするために、本発明のガイドワイヤ成形器具の各種の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具10の斜視図が示されており、(b)にはガイドワイヤ成形器具10の平面図が示されている。図示されているように、本実施形態のガイドワイヤ成形器具10は、内腔32を有する筒状体30を備えている。また、筒状体30の端部には、円周方向に位置が異なる複数の部分(本実施形態では3つの部分、以下、第1の部分50a,第2の部分50bおよび第3の部分50cと呼ぶ)が設けられている。
【0014】
図1(b)に示されているように、複数の部分(第1の部分50a,第2の部分50b,第3の部分50c)は、互いの厚みが異なるように形成されている。本実施形態では、第1の部分50aの厚みが最も大きくなっており、第1の部分50aの厚みよりも第2の部分50bの厚みの方が小さくなっており、第2の部分50bの厚みよりも第3の部分50cの厚みの方が小さくなっている。
【0015】
このような本実施形態のガイドワイヤ成形器具10は、次のようにして使用する。先ず、上述した複数の部分(第1の部分50a,第2の部分50b,第3の部分50c)が設けられていない側の端部から、筒状体30の内腔32にガイドワイヤ(図示は省略)の先端を挿入する。続いて、複数の部分の(第1の部分50a,第2の部分50b,第3の部分50c)の中の何れか1つを選択し、選択した部分に対して、ガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げる。こうすることで、ガイドワイヤの先端部が湾曲形状に形状付けられる。
【0016】
このとき、厚みが最も大きな第1の部分50aに対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げることで、ガイドワイヤの先端部を、曲率半径が比較的大きな湾曲形状に形成することができる。また、第1の部分50aよりも厚みが小さい第2の部分50bに対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げることで、ガイドワイヤの先端部を、第1の部分50aを用いた場合よりも曲率半径が小さい湾曲形状に形成することができる。さらに、第2の部分50bよりも厚みが小さい第3の部分50cに対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げることで、ガイドワイヤの先端部を、第2の部分50bを用いた場合よりもさらに曲率半径が小さい湾曲形状に形成することができる。
【0017】
以上のように、本実施形態のガイドワイヤ成形器具10を用いてガイドワイヤの先端部の形状付けを行う際には、筒状体30にガイドワイヤの先端部を挿入し、複数の部分(第1の部分50a,第2の部分50b,第3の部分50c)の中の所望の部分に対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げるだけでよい。このため、ガイドワイヤの先端部を、曲率半径の異なる湾曲形状に簡単に形成することが可能となる。
【0018】
上述した第1実施形態には、関連する他の実施形態が存在する。以下では、他の実施形態について簡単に説明する。尚、以下の説明では、第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10と同じ構成については同じ番号を付すこととし、その詳細な説明を省略する。
【0019】
B.第2実施形態 :
図2は、本発明の第2実施形態のガイドワイヤ成形器具12の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具12の平面図が示されており、(b)には、平面図のAA断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具12の断面図が示されており、(c)には、BB断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具12の端部の断面図が示されており、(d)には、CC断面を矢印の方向から見たときのガイドワイヤ成形器具12の断面図が示されている。(e),(f)には、第1の部分52a、第2の部分52b、または第3の部分52cの、他の断面形状が例示されている。
【0020】
図2に示されているように、本実施形態のガイドワイヤ成形器具12では、第1の部分52a,第2の部分52b,第3の部分52cにおける断面形状(筒状体30の軸方向の断面形状)が互いに異なる形状となっている。尚、本実施形態では、第1の部分52aの断面形状は略長方形となっており、第2の部分52bの断面形状は、先端側に凸の部分を有する形状となっており、第3の部分52cの部分の断面形状は、略L字形となっている。
【0021】
このような本実施形態のガイドワイヤ成形器具12においても、筒状体30の内腔32にガイドワイヤの先端部を挿入し、複数の部分(第1の部分52a,第2の部分52b,第3の部分52c)の中の所望の部分に対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げるだけで、ガイドワイヤの先端部を異なる形状に簡単に形成することができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ成形器具12を用いれば、湾曲形状以外の形状も形成することができる。例えば、第2の部分52bを用いることで、ガイドワイヤの先端部を屈曲形状(湾曲形状よりも急角度で折れ曲がる形状)に形成することができる。また、第3の部分52cを用いることで、先端部を階段状に折れ曲がる形状に形成することができる。このように、ある種の形状(例えば湾曲形状)だけではなく、複数種の異なる形状をガイドワイヤの先端部に形成したい場合には、本実施形態のガイドワイヤ成形器具12を好適に用いることができる。
【0022】
尚、第1の部分52a,第2の部分52b,または第3の部分52cの断面形状は、図2(b)〜図2(d)に例示した断面形状に限られず、各種の断面形状を採用することができる。例えば、図2(e)に例示されているように、第1の部分52a,第2の部分52b,または第3の部分52cの断面形状として、円筒体30の外周から内周に向かって傾斜する形状を採用すれば、ガイドワイヤの先端部を、より急角度で折れ曲がる形状に形成することができる。また、図2(f)に例示されているように、第1の部分52a,第2の部分52b,または第3の部分52cの断面形状として、円弧形状(いわゆるR形状)を採用すれば、ガイドワイヤの先端部の形状付けを行う際に、ガイドワイヤ成形器具12の端部の角でガイドワイヤを傷つけてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0023】
C.第3実施形態 :
図3は、本発明の第3実施形態のガイドワイヤ成形器具14の平面図である。図示した本実施形態のガイドワイヤ成形器具14は、前述した第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10と同様に、筒状体30の端部に、厚みが異なる複数の部分(第1の部分54a,第2の部分54b,第3の部分54c)が設けられている。一方で、本実施形態では、第1の部分54a、および第2の部分54bが筒状体30の内腔32側に突出しており、この点で第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10とは異なっている。
【0024】
このような第3実施形態のガイドワイヤ成形器具14においても、筒状体30にガイドワイヤの先端部を挿入し、複数の部分(第1の部分54a,第2の部分54b,第3の部分54c)の中の所望の部分に対してガイドワイヤの先端部を沿わせて折り曲げるだけで、ガイドワイヤの先端部を、曲率半径の異なる湾曲形状に簡単に形成することが可能である。
【0025】
もっとも、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業を行う際の作業性の観点からすれば、第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10(または第2実施形態のガイドワイヤ成形器具12)のほうが、第3実施形態のガイドワイヤ成形器具14よりも望ましい。すなわち、第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10(または第2実施形態のガイドワイヤ成形器具12)は、筒状体30の内腔32の横断面形状(筒状体30の軸方向と直交する方向の断面形状)が円形となるように形成されているので、筒状体30の内周面が凹凸の無い面となっている(図1,2を参照)。従って、ガイドワイヤが筒状体30の内周面で引っ掛かることなく、スムーズに挿入することができるので、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業が行い易くなるからである。
【0026】
D.第4実施形態 :
図4は、本発明の第4実施形態のガイドワイヤ成形器具16の構成を示した説明図である。(a)には、ガイドワイヤ成形器具16の斜視図が示されており、(b)にはガイドワイヤ成形器具16の平面図が示されている。
【0027】
図示した本実施形態のガイドワイヤ成形器具16は、前述した第1実施形態のガイドワイヤ成形器具10に対して、以下の点が異なっている。すなわち、ガイドワイヤ成形器具16において、筒状体30の端部の複数の部分(第1の部分56a,第2の部分56b,第3の部分56c)は隣接しておらず、円周方向に対して互いに間隔を空けて設けられている。
【0028】
本実施形態のガイドワイヤ成形器具16では、複数の部分(第1の部分56a,第2の部分56b,第3の部分56c)の間に間隔が設けられているので、各部分の見分けが付き易くなる。従って、複数の部分(第1の部分56a,第2の部分56b,第3の部分56c)の中から所望の部分を確実に選択することができるので、ガイドワイヤの先端部を、より確実に、所望の形状に形成することが可能となる。
【0029】
E.第5実施形態 :
図5は、本発明の第5実施形態のガイドワイヤ成形器具18の構成を示した説明図である。(a)は、ガイドワイヤ成形器具18の平面図であり、(b)は、上面図のDD断面におけるガイドワイヤ成形器具18の縦断面図であり、(c)は、本実施形態のガイドワイヤ成形器具18を用いてガイドワイヤの先端部の形状付けを行う様子を示した説明図である。
【0030】
図5(a),(b)に示されているように、本実施形態のガイドワイヤ成形器具18では、筒状体30の内周面において、複数の部分(第1の部分58a,第2の部分58b,第3の部分58c)の各々と対向する位置に、摩擦抵抗部60a,60b,60cが設けられている。この摩擦抵抗部60a,60b,60cは、筒状体30の内腔32の全長に亘って設けられている。
【0031】
尚、本実施形態では、摩擦係数の大きな別部材(例えばゴム製のシートなど)を筒状体30の内周面の対応する位置に貼り付けることによって、摩擦抵抗部60a,60b,60cが設けられている。しかし、別部材を用いるのではなく、筒状体30の内周面を研磨して荒らすことによって、摩擦抵抗部60a,60b,60cを設けることとしてもよい。こうすれば、別部材(摩擦抵抗部60a,60b,60c)が筒状体30の内周面から剥がれることを回避することができる。
【0032】
このような本実施形態のガイドワイヤ成形器具18を用いてガイドワイヤの先端部の形状付け作業を行うと、図5(c)に示されているように、ガイドワイヤが摩擦抵抗部60aと接触する。この状態では、ガイドワイヤ成形器具18に対してガイドワイヤが動かないように、しっかりと固定される。その結果、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業をより一層、行い易くすることが可能となる。
【0033】
図6は、本発明の第5実施形態のガイドワイヤ成形器具18の変形例を示した説明図である。図5に示した例では、摩擦抵抗部60a,60b,60cは、筒状体30の内周面の、複数の部分(第1の部分58a,第2の部分58b,第3の部分58c)の各々と対向する位置に設けられているものと説明した。しかし、摩擦抵抗部60は、図6(a)に示すガイドワイヤ成形器具20のように、筒状体30の内周面の全体に設けられていてもよい。もっとも、図5に示したように、摩擦抵抗部60を設ける位置を限定した方が、筒状体30の内腔32にガイドワイヤを挿入する際に摩擦抵抗部60に接触し難くなるので、ガイドワイヤを挿入し易くすることができる。従って、作業性を向上させる観点からすれば、図5に示したように摩擦抵抗部60a,60b,60cを設けることが望ましい。
【0034】
また、摩擦抵抗部60は、図6(b)に示すガイドワイヤ成形器具22のように、筒状体30の軸方向の一部分に設けることとしてもよい。このように摩擦抵抗部60を設けても、ガイドワイヤの一部が摩擦抵抗部60と接触することで、ガイドワイヤ成形器具22に対してガイドワイヤが固定されるので、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業を行い易くすることができる。また、図6(b)に示したガイドワイヤ成形器具22では、図5に示したガイドワイヤ成形器具18よりも摩擦抵抗部60の設置位置がさらに限定されているので、筒状体30の内腔32にガイドワイヤを挿入する際に摩擦抵抗部60にさらに接触し難くなる。その結果、ガイドワイヤの先端部の形状付け作業の作業性をより一層、向上させることが可能となる。
【0035】
以上、各種実施形態のガイドワイヤについて説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、図5に示したガイドワイヤ成形器具では、複数の部分(第1の部分58a,第2の部分58b,第3の部分58c)の各々と対向する位置の全てに、摩擦抵抗部60を設けるものと説明した。しかし、複数の部分の各々と対向する位置の一部にのみ(例えば、第1の部分58aと対向する位置にのみ)、摩擦抵抗部60を設けることとしてもよい(図示は省略)。
【符号の説明】
【0036】
10,12,14,16,18,20,22・・・ガイドワイヤ成形器具、
30・・・筒状体、
32・・・内腔、
50a,52a,54a,56a,58a・・・第1の部分、
50b,52b,54b,56b,58b・・・第2の部分、
50c,52c,54c,56c,58c・・・第3の部分、
60a,60b,60c・・・摩擦抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6