特許第5979730号(P5979730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979730CPRパフォーマンスのリアルタイム評価
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979730
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】CPRパフォーマンスのリアルタイム評価
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20160818BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20160818BHJP
   A61B 5/0402 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   A61B5/08
   A61B5/04 310M
【請求項の数】20
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-538974(P2013-538974)
(86)(22)【出願日】2011年11月14日
(65)【公表番号】特表2014-503087(P2014-503087A)
(43)【公表日】2014年2月6日
(86)【国際出願番号】US2011060611
(87)【国際公開番号】WO2012065167
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】61/413,336
(32)【優先日】2010年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504242032
【氏名又は名称】ゾール メディカル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Medical Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パッカー、リチャード エイ.
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン、ゲイリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】コーフマン、クリストファー ルーク
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/037621(WO,A2)
【文献】 特開2004−280807(JP,A)
【文献】 特表2008−534083(JP,A)
【文献】 特開2000−176025(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0173501(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0122476(US,A1)
【文献】 特表2006−503659(JP,A)
【文献】 特表2008−529714(JP,A)
【文献】 特開2008−250291(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0082888(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0035740(US,A1)
【文献】 特表2010−540010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A61B 5/0402
A61B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
救命活動のためのサマリー情報を提供するための、コンピュータで実現されるシステムであって、
患者に接続された1つ以上のセンサから2以上の患者パラメータに関連する信号を受け取るためのインタフェースを有する患者モニタと;
複数の期間のわたって取得された前記2以上の患者パラメータを表すデータを一次表示の形態で組込み、かつ該データから前記患者に対する心肺蘇生術のパフォーマンスの二次表示を作成するように、格納された命令を使用してプログラムされた、救護者パフォーマンス分析システムと;
作成された前記二次表示表示を提供する1つ以上のユーザインタフェースと
を含み、
前記二次表示は、前記2以上の患者パラメータについて検知されたデータをそれぞれの期間に対する医療の指標に要約するサマリーデータを含み、前記医療の指標は、前記救護者が前記期間中に前記患者に対して少なくとも1つ活動を実施したときの速度および深さに少なくとも部分的に基づく、システム。
【請求項2】
前記システムは、一次表示と、次表示の1または複数から派生する前記二次表示と、を同時に表示するように配置構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記一次表示は胸部圧迫の速度および深さを含んでなり、前記二次表示は過去の期間にわたる胸部圧迫の平均の速度および深さを含んでなる、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記一次表示は前記2以上の患者パラメータに対するリアルタイムの値を含んでなり、前記二次表示は患者パラメータに対応する過去の値を含んでなる、請求項1から3のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項5】
一次の値はリアルタイムデータとして呈示され、二次の値は以前のCPRインターバルの平均として呈示される、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者モニタおよび前記救護者パフォーマンス分析システムはポータブル患者除細動器の中に一体化される、請求項1から5のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項7】
前記患者に対して実施された前記活動の図解表現の呈示のために、一次表示および二次表示に関するデータを遠隔システムに送信するように配置構成された無線インタフェースをさらに含んでなる、請求項1から6のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項8】
前記遠隔システムは、複数の案件および患者に共通する救護者を同定して該救護者によるパフォーマンスをその複数の案件および患者全体にわたって示すデータの表示を提供するようにプログラムされる、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
救命活動についてのサマリー情報を提供するための、コンピュータで実現されるシステムであって、
患者に接続された1つ以上のセンサから2以上の患者パラメータを含む信号を受け取るためのインタフェースを有する患者モニタと;
患者に対する心肺蘇生術の一次表示および二次表示を作成するための手段であって、前記一次表示は複数の期間にわたる前記2以上の患者パラメータの直接的表現であり、前記二次表示は前記2以上の患者パラメータから作成された派生表現であり前記一次表示は前記患者に対して実施された活動の速度および深さを示し、前記二次表示は前記2以上の患者パラメータについて検知されたデータをそれぞれの期間に対する医療の指標に要約するサマリーデータを含み、前記医療の指標は、前記期間中に前記患者に対して実施された活動の速度および深さに少なくとも部分的に基づく、手段と;
作成された前記二次表示の可聴表示または視覚表示を提供するための1つ以上のユーザインタフェースと
を含んでなるシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記一次表示と、前記二次表示と、を同時に表示するように配置構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記一次表示は前記2以上の患者パラメータに対するリアルタイムの値を含んでなり、前記二次表示は患者パラメータに対応する過去の値を含んでなる、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記患者モニタおよび一次表示および二次表示を作成するための前記手段はポータブル患者除細動器の中に一体化される、請求項9から11のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項13】
前記2以上の患者パラメータの図解表現の呈示のために、一次表示および二次表示に関するデータを遠隔システムに送信するように配置構成された無線インタフェースをさらに含んでなる、請求項9から12のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項14】
救命活動についてのサマリー情報を提供するためのシステムであって、
救護者によって実施される1または複数の救護活動に基づく胸部圧迫センサ、患者換気センサ、および心電図センサのうちの1または複数からの2以上のパラメータに関連する信号を受信するインタフェースを有する患者モニタと、
少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに前記少なくとも1つのプロセッサにより、複数の期間にわたって取得された前記2以上のパラメータを表すデータを組み込み、前記データから患者に対する心肺蘇生術のパフォーマンスに基づく医療の指標を生成するプログラミング命令が格納されているメモリを含む救護者パフォーマンス分析システムと、
前記医療の指標の表示を提供する1または複数のディスプレイと
を備え、
前記医療の指標は、それぞれの期間についての前記2以上のパラメータについて検知されたデータを要約するサマリーデータを含む、システム。
【請求項15】
前記システムは、前記2以上のパラメータを表す前記データおよび前記医療の指標を同時に表示するよう配置構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記患者モニタおよび前記救護者パフォーマンス分析システムはポータブル患者除細動器の中に一体化される、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記2以上のパラメータの図解表示の呈示のために、前記サマリーデータおよび前記医療の指標の少なくとも1つに関するデータを遠隔デバイスに送信するよう配置構成された無線インタフェースをさらに含んでなる、請求項14から16のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項18】
前記2以上のパラメータは、患者または救護者のパラメータである、請求項14から17のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項19】
前記救護者パフォーマンス分析システムから前記医療の指標を受信するタブレットをさらに含んでなる、請求項14から18のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項20】
前記タブレットは、無線ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)技術、または携帯電話のデータネットワークを介して前記医療の指標を受信する、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、CPRおよび他の関連する人命救助技法の実施時における救護者のパフォーマンスを分析するための、コンピュータに基づいたシステムおよび技法に関する。
【背景技術】
【0002】
突発的な心停止(口語的には「心臓発作」)は日常的な死亡原因である。心停止の最良の治療処置は、血液が傷病者の心臓を通って流れるように維持する迅速かつ適切な胸部圧迫である。一般に、心停止傷病者の治療処置において1分遅れるごとに、生存の可能性は約10パーセント低下する。その結果、適切な方法でCPRを提供する能力は非常に重要な個人的技能となりうるものであり、救急医療士(EMT)のような専門の医療従事者にとっては特に重要である。
【0003】
米国心臓病協会(AHA)のガイドラインに記されるように、救護者が適切な速度および適切な圧迫深度でCPR胸部圧迫を実施しているかどうかを該救護者に知らせる様々なCPRフィードバックデバイスが利用可能である。例えば、iPhone(商標)およびiPod(商標)のためのPocketCPR(商標)アプリケーションは、ダミーまたはフォームブロックなどにおけるCPRの練習のために使用可能であり、直近の一連の圧迫が適切な速度および適切な深さで実施されたかどうかを示すことができる。同様に、ゾールメディカル(ZOLL Medical)のCPR D‐Padz(登録商標)は、除細動器に接続し、かつ傷病者に対する胸部圧迫の深さおよび速度を計算するために使用されうる加速度計を備えた除細動パッドであって、例えば該ユニットにより圧迫の深さが浅すぎると判断された場合に、救護者は「もっと強く押す」と指示されるべきであることを、該除細動器が登録された音声指示メッセージによって知らせることができるようにする、除細動パッドである。
【0004】
EMTのような専門の対応要員は、コードレビューと呼ばれることもあるプロセスによって事後フィードバックを受けることもできる。特に、患者モニタ(除細動器に組み込まれる場合もある)からのデータは保存される場合があり、また次いでコンピュータにロードされてもよく、該コンピュータにおいて、該対応要員および監督指導者は該データを再検討することが可能であり、そして該対応要員がどこで誤りを犯したか、または見事に実施したか、また該対応要員が自身のパフォーマンスを改善するために何を行うことができるかについて、議論することができる。これらのコードレビューは、その案件の後に、該対応要員が該案件の重要な側面を大部分忘れてしまった後でも十分に行われうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、患者に対するCPRおよび他の救命技法のパフォーマンスに関する情報を収集するために使用可能であり、かつそのようなパフォーマンスに関していくつかの異なる場所で1以上の報告を提供することができる、システムおよび技法について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、データは、圧迫の深さおよび頻度のようなCPRの局面の直接的な一次測定結果について収集されうる。そのデータは、救護者がCPRを実施している間に患者モニタ上に直ちに報告されうる。さらに、救護者のパフォーマンスの派生的な指標も、一次指標のうち2つ以上から派生するCPRのパフォーマンスの二次表示のために決定されうる。そのような二次表示は、救護者がCPRを実施している間に該救護者に対しても表示されうる。加えて、ある測定結果がCPRサイクルまたはインターバルのサブセット内におけ
る行為について報告される一方で、他の測定結果はインターバル全体の期間にわたって報告されて、その結果、救護者が自身の現在のパフォーマンスを前のCPRインターバルについてのパフォーマンスと比較することが可能となっていてもよい(CPRインターバルとは、2010年のAHAのCPRガイドラインによって定義されるように、モニタリング、除細動、および患者への一連の胸部圧迫の提供という完全な1サイクルの期間である)。
【0007】
そのような情報、特に、二次的に派生した情報は、該救護者に関する一種の報告書を作成するために使用されてもよく、該報告書用のデータは、その報告書を作成するために使用される生データ(例えば圧迫の速度および深さについての生データ)と共に患者モニタ上にリアルタイムで表示されてもよい。その結果、最終的にはその救護者のパフォーマンスの再検討の基になるパラメータが救護者に対して示されていることを考えれば、該救護者は自身のパフォーマンスを改善するための一層高いモチベーションを受け取ることができる。一次および二次測定結果はまた、モニタに格納されてさらなる分析のために遠隔地に転送されてもよい。例えば、他の医療提供者が、救護者に表示されているのとほぼ同時に測定データを受信してもよい。一例として、患者が搬送されることになっている救急処置室のチームが、救護者に指示を与えるために、または傷病者が救急処置室に到着するのを待つ間に該傷病者を治療する機会を見出すために、データを参照することができる。
【0008】
さらに、一次および二次測定結果は、後の分析および詳細なコードレビューのために中央システムに格納されてもよい。例えば、特定の救護者は、ユーザ名およびパスワードのタイプ入力、またはバイオメトリック認証の提示(例えば、自身のデジタル写真の撮影、または電子指紋読み取り装置への指先のスワイプ)などにより患者モニタにログイン可能であり、その結果として測定データが該救護者に関する識別子に関連づけられてもよい。データが中央システムに提供されると、該データはその後、救護者の識別子を使用することによりその救護者の他の案件に関する測定データと組み合わせて検索可能である。その後、例えば複数の患者についての救護者の灌流レベルを決定することによって、複数の救護案件にわたる集約データが包括的コードレビューのために作成され、その結果として、該救護者が、自身はより十分な灌流を提供する必要があるか、または他の有用な方法で自身のパフォーマンスを修正する必要があるかを判断することができるようになっていてもよい。
【0009】
そのようなデータは、救護事象について提示される請求書作成についての照合を行うために医療費請求システムによって処理されてもよい。特に、該情報は、傷病者に対して、かつ医療提供者組織によってなされた支払い請求を検証するために使用されうる。情報の内容は、医療が提供されたかどうか、またどのような医療が提供されたかを判断するために調査されて、医療提供者組織による正式な支払い請求に対して照合が行われうる。
【0010】
該データのより全般的な再検討が、より大きな救護者集団全体について(すなわち多数の異なる救護者に関するデータ全体について)実施されてもよい。例えば、コードレビューは、単一の特定されたグループ内の救護者全体(例えば特定の講座もしくはプログラムで訓練された全ての救護者、または特定の機関から輩出された全ての救護者など)について、特定の固有の問題が該救護者の救助パフォーマンスにおいて現われているかどうか、またその結果としてそのグループ内の個々のメンバーに関して是正措置が必要どうかを判断するために、実施されてもよい。さらに、二次データが、格納された一次データから中央システムによって作成されてもよく、特定の案件について患者モニタにより生成された二次データと比較されてもよい。例えば、救護隊は、救護者のパフォーマンスを測定する新しい方法を同定する場合があり、その新しい技法が古い技法より改良されているかどうかを判断するために、その新しい技法を、過去にモニタによってパフォーマンスが決定された方法と比較して試験してもよい。
【0011】
ある実施例では、ここで議論されるシステムおよび技法は1つ以上の利点を備えうる。例えば、救護者が評価される基になる全般的な測定値と符号する二次的な派生的パフォーマンス測定結果の形式で該救護者にリアルタイムの評点を提供することにより、システムは、リアルタイムで該救護者のパフォーマンスを改善するために該救護者にとってのより高いモチベーションを提供することができる。さらに、前のCPRサイクルのデータの隣に一次リアルタイムデータを示すことによって、救護者は、現在の許容範囲外のパフォーマンスが一時的問題なのか救護案件全体にわたる問題であったのかを迅速に判断することができる。加えて、救護者は、前のCPRサイクルにおいて生じた問題を補うことができる。遠隔地へのそのようなデータの提供は、傷病者に提供された医療の実態をより十分に第三者(例えば救急処置室チームまたは事後評価者)が知りうるようにすることによって、さらなる利点を有することができる。加えて、救護者のための基本手順およびガイドラインを改善するために該データを使用する研究者などによって、救護者データのより広範な分析が実施されてもよい。
【0012】
1つの実施例では、救命活動についてのサマリー情報を提供するための、コンピュータで実現される方法について説明される。該方法は、救護者によって傷病者に対して反復的かつ周期的に実施される1つ以上の活動を感知するステップと;該1つ以上の活動の整数回サイクルについてパフォーマンスが分析されるべき周期的な時間間隔を同定し、その時間間隔の間の1つ以上の活動の感知からデータを収集するステップと;該1つ以上の活動の分析から、1つ以上の活動について感知されたデータを縮約して該1つ以上の活動のサマリーとするサマリーデータを作成するステップと;ユーザへの表示用に、同定された時間間隔に関する1つ以上の活動のパフォーマンスの視覚的サマリーを提供するステップと、を含んでなる。センサは、胸部圧迫センサ、患者換気センサ、および心電図センサから成る群から選択された1つ以上のセンサを含んでなることができる。さらに、表示用に視覚的サマリーを提供するステップは、1つ以上の活動に関するデータを、1つ以上の活動を感知するデバイスからビジュアルディスプレイ装置ディスプレイ(a visual display device display)を有する遠隔装置へと無線送信することを含んでなることができる。加
えて、遠隔装置は、1つ以上の活動を感知するデバイスに近い救護車に位置していてもよい。更に、1つ以上の活動を感知するデバイスはセンサに無線接続されてもよく、遠隔装置は1つ以上の活動を感知するデバイスから遠く離れた主要医療施設に位置していてもよく、視覚的サマリーを作成するためのデータは公衆データ網を介した送信によって提供されてもよい。
【0013】
ある態様では、サマリーは、1つ以上の活動が実施された質的水準を1つ以上のアルファベット数字式の指標によって示すスコアを含んでなる。加えて、視覚的サマリーは、複数のデバイスでの表示用に同時に提供されうる。該方法はさらに、1つ以上の活動が為される間の傷病者の心電図データをモニタリングするステップ、ならびに、除細動器を提供して該除細動器を充電することおよび救護者の用手介入のない傷病者にショックを与えることのうち少なくとも1つを行うステップ、を含むこともできる。加えて、サマリーデータを作成するステップは、傷病者に対して実施された2つ以上の別個の行為の測定結果から受け取られた情報から単一のデータ値を生成することを含んでなることができる。
【0014】
別の実施例では、救命活動のためのサマリー情報を提供するためのシステムであって、患者に接続された1つ以上のセンサから信号を受け取るためのインタフェースを有する患者モニタと;救護者によって患者に対して実施された複数の活動を表すデータを一次表示の形態で組込み、かつ該データから患者に対する心肺蘇生術のパフォーマンスの二次表示を作成するように、格納された命令を使用してプログラムされた、救護者パフォーマンス分析システムと;作成された二次表示の可聴表示または視覚表示を提供する1つ以上のユーザインタフェースと、を含んでなるシステムが開示される。
【0015】
さらに別の実施例では、救命活動についてのサマリー情報を提供するための、コンピュータで実現されるシステムが開示される。該システムは、患者に接続された1つ以上のセンサから信号を受け取るためのインタフェースを有する患者モニタと;患者に対する心肺蘇生術の一次表示および二次表示を作成するための手段であって、一次表示は該患者ら測定されたデータの直接的表現であり、二次表示は1つ以上の該一次表現から作成された派生表現である、手段と;作成された二次表示の可聴表示または視覚表示を提供するための1つ以上のユーザインタフェースと、を含んでなる。
【0016】
1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明において述べられる。その他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】緊急の病状に対応するためのシステムを示す図。
図1B】CPRデータ取得プロセスの流れ図。
図2A】CPRの場における救護者のパフォーマンスのサマリーを示しているタブレットデバイスのスクリーンショットを示す図。
図2B】CPRの場における救護者のパフォーマンスのサマリーを示しているタブレットデバイスのスクリーンショットを示す図。
図3】CPRの提供中にユーザのパフォーマンスデータを取り込むプロセスのフローチャート。
図4】より大きな医療システムにおいて様々なサブシステム間でCPRのパフォーマンスデータを共有するプロセスのスイムレーン図。
図5】本明細書に記載された技法と共に使用可能な一般的なコンピュータデバイスおよび一般的なモバイルコンピュータデバイスの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示している。
詳細な説明
この詳細な説明では、患者または傷病者(ここでは該用語はCPRおよび関連する治療処置またはその他の医療処置が意図されているか実際に施用されている対象である人を示すために互換的に使用される)に対してCPRその他の関連活動を実施している救護者からのデータの取り込みに使用可能な実施例について議論する。該データは、患者に対して実施された行為のパラメータを直接測定する一次データ、および複数個の一次データから派生した二次データの両方を含みうる。さらに、該データは、現在のCPRインターバルの部分についてのリアルタイムデータ、および前のCPRインターバルについての過去データを含みうる。例えば、デバイスは、救護者によって実施された圧迫の深さおよび速度を、最後の圧迫について(例えば深さについて)、またはここ数回の胸部圧迫について(例えば速度について)示すことができる。その表示に隣接して、該デバイスは、それ以前の数回のCPRインターバルそれぞれについて実施された圧迫の平均の速度および深さを示すことができる。そのような方式で、救護者は、自身がどのように対処しているかを迅速に知ることが可能であり、それに応じて自身のパフォーマンスを調節し、次いでその調節が有効であったかどうかについて即時のフィードバックを受け取ることができる。
【0019】
図1は、傷病者102の緊急の病状に対応するためのシステム100を示す。一般に、システム100は、突然の心停止を来している傷病者102または交通事故の現場の傷病者102のような、緊急事態の傷病者に施される実地医療をモニタリングするための、様々なポータブルデバイスを備えている。この様々なデバイスは、救急医療士114のような、現場に到着して傷病者102に医療を提供する救急医療士によって提供されうる。本実施例において、救急医療士114はいくつかのデバイスを配備しており、傷病者102
に医療を提供している。図示されていないが、1人以上の他の救急医療士が、規定のプロトコールおよび訓練に従って救急医療士114と協力して補佐および作業を行っていてもよい。
【0020】
本実施例における救急医療士114は、タッチスクリーンタブレット116の形態のコンピューティングデバイスと対話している。タブレット116は、救急医療士114に対して情報を報告するためのグラフィックディスプレイを備えることが可能であり、また救急医療士114がシステム100にデータを入力するためのキーボードまたはタッチスクリーンのような入力機構を有することができる。タブレット116はさらに、携帯電話のデータネットワークを通じた、さらにはインターネットを通じた長距離通信を可能にする3Gまたは4Gのチップセットのような、無線ネットワークと通信するための無線トランシーバも備えうる。
【0021】
別途、ポータブル除細動器112が配備状態で示され、傷病者102に接続されている。除細動の提供に加え、除細動器112は様々なセンサまたはセンサパッケージにより患者モニタとしての役割を果たすこともできる。例えば、本明細書中に示されるように、電極108は傷病者102の裸の胸部に貼付されて除細動器112に接続済みであって、傷病者102を除細動する試みにおいて該電極に電気ショック用パルスが提供され、かつ心電図(ECG)信号が傷病者102から読み取られるようになっていてもよい。除細動器112は、ゾールメディカル(ZOLL Medical)のRシリーズ、Eシリーズ、またはMシリーズの除細動器など様々な形態をとりうる。
【0022】
電極108のためのアセンブリは、加速度計アセンブリ110が搭載される中央部分を備えている。加速度計アセンブリ110は、加速度計センサ構成物が内部に搭載されるハウジングを備えうる。加速度計アセンブリ110は、救護者が傷病者102に対して心肺蘇生術(CPR)胸部圧迫を実施する時に該救護者の手のひらを置く予定の場所に配置されうる。その結果、加速度計アセンブリ110は傷病者102の胸部および救護者の手とともに移動し、そのような移動の加速度は、そのような動きの鉛直変位を同定するために(すなわち米国心臓病協会(AHA)のガイドラインとの比較のため傷病者の胸骨の変位を計算するために)二重積分されうる。
【0023】
除細動器112は、加速度計アセンブリ110からのそのような情報の受信に応じて、救急医療士114のような救護者に従来かつ既知の方式でフィードバックすることができる。例えば、除細動器112は、胸部圧迫の提供においてそのようなユーザのペース配分を行うためのメトロノームを作り出すことができる。加えて、または別例として、除細動器112は、救護者の手枝が適切なプロトコール(ここで適切なプロトコールとは該システムによって作成されたプロトコールであってよく、任意の公表されたプロトコールとは一致しない)に一層適ったものとなるように救護者が該手技を変えるよう奨励するために、救護者が提供している圧迫が速すぎる、もしくは遅すぎる、または押し方が強すぎる、もしくは弱すぎる、と救護者に伝えることになどにより、救護者に言葉による指示を提供することができる。加えて、同様のフィードバックは、深さおよび速度が適正であるか、低すぎるか、高すぎるかを示すための適切な機構を用いて、深さを示す棒グラフまたは数値および速度を示す別のものを表示することなどにより、除細動器のスクリーン上に視覚的に提供されてもよい。
【0024】
除細動器112は、ブルートゥース(BLUETOOTH(登録商標))技術を使用するなど、
近距離無線データ接続を通じてタブレット116と通信することができる。除細動器112は、傷病者102のECG情報など、電極アセンブリ108によって受け取られた情報のような状況情報をタブレット116に提供することができる。さらに、除細動器112は、胸部圧迫についての深さおよび速度の情報のような、胸部圧迫のパフォーマンスに関
する情報を送信することができる。タブレット116は、救急医療士114のためにそのような情報を(さらにはETCO2およびSPO2に関する除細動器からの情報のような他の情報も)グラフ式に表示してもよいし、救急現場における様々な機構の運転を制御するために救急医療士114からの入力情報を受け取ることもできる。例えば、救急医療士114は、除細動器112の充電電圧を変えることなどにより、除細動器112が作動する方式を変更するために、タブレット116を使用することができる。
【0025】
下記の場合、データの処理および表示は、除細動器112、タブレット116、または両方において行われうる。例えば、除細動器112は、タブレット116のディスプレイと一致するディスプレイを備えることが可能であり、従ってその2つが一致するデータを示してもよい。対照的に、除細動器112はタブレット116よりも貧弱なディスプレイを有して、医療士のパフォーマンスに関する基本情報しか示すことができない一方で、タブレット116は二次的な病歴情報などのより完全な情報を示してもよい。さらに、二次情報を得るための一次情報の処理は、除細動器112、タブレット116、またはこの2つの組合せによって実施可能であり、該2つのデバイスは、該デバイスが受信もしくは処理した情報を相互に提供するため、または医療士114によって該デバイスに提供されたコマンドを中継するために、様々な方式で往復通信することができる。
【0026】
換気バッグ104の形態の別の電子機構が、傷病者102の口の周りを密閉した状態で示されている。換気バッグ104は、大部分はよく知られた形態をとるものであってよく、傷病者102が自力で十分に呼吸していない場合に傷病者102に換気を提供するため救護者が周期的に押しつぶす可撓体構造物を含むことができる。
【0027】
換気バッグ104に設けられているのは気流センサ106である。気流センサ106は、換気バッグ104のマウスピースまたはマスクの近くの、換気バッグ104の首部に位置している。気流センサ106は、傷病者に生じている換気の速度を確認するために、患者の口を出入りする空気の流れをモニタリングするように構成されうる。加えて、ある実施例では、気流センサ106は、傷病者102を出入りする空気流の体積をモニタリングするように配置構成されてもよい。
【0028】
本実施例において、気流センサ106は、ブルートゥース技術を介して通信する機構のような近距離無線データ送信機またはトランシーバに接合される。そのため、気流センサ106は、除細動器112とタブレット116との通信に類似の方式でタブレット116と通信することができる。例えば、気流センサ106は、患者に提供されている換気の速度、および状況によっては換気の体積のコンピュータ計算を可能にする情報を報告することができる。タブレット116は、例えば、換気の適切な提供を決定してそれを傷病者が受けている換気のレベルと比較することが可能であり、また救護者へのフィードバックを、タブレット116のスクリーン上にフィードバックを示すことやタブレット116の音声システムによってフィードバックを行うことなどにより直接的に、または、除細動器112もしくは気流センサ106にそのようなフィードバックを行なわせることにより間接的に、提供することができる。例えば、除細動器112または気流センサ106は、換気バッグ104をより強くもしくはより弱く、またはより速くもしくはより遅く押しつぶすように救護者に伝える、メトロノームまたは言葉によるフィードバックを提供することができる。さらに、システム100は、バッグが押しつぶされて傷病者102に換気が提供されるべき時間毎に音声の合図を救護者に提供することができる。
【0029】
そのようなフィードバックは様々な方式で行われうる。例えば、フィードバックは、タブレット116、除細動器112、または気流センサ106のうちいずれかに搭載された内蔵のラウドスピーカで行なわれてもよい。別例として、または追加として、そのようなユニットの任意の組合せにおいて視覚的通知が提供されてもよい。さらに、フィードバッ
クは、無線ヘッドセット(または他の形態のパーソナルデバイス、例えばスマートフォンまたは類似のデバイスであって、各救護者が情報の入手およびデータ入力に使用することが可能であり、かつ各救護者が身につける一般的なネットワーク(例えばWiFiもしくは3G/4G)または小エリアネットワーク(例えばブルートゥース)を通じて無線通信することができるデバイスに提供され、また2つの通信チャネルが維持されて、各救護者が、一方は除細動器112を操作する役割を有し、他方は換気バッグ104を操作する役割を有する場合に、各自の役割に固有の指示を受けるようになっていてもよい。このようにして、二人の救護者は、自身に関係のない指示によって偶発的に刺激され、気をとられ、または混乱することを避けることができる。
【0030】
中央サーバシステム120は、インターネットの一部(プライバシーを守るためデータが適切に暗号化可能であるところ)を含みうる無線ネットワークおよびネットワーク118を通じて、救助現場のタブレット116または他のデバイスと通信することができる。中央サーバシステム120は、医療組織のためのより大きなシステムであって該システム内に様々な患者についての医療記録が保存されているシステムの、一部分であってもよい。その後、傷病者102に関する情報は、識別番号またはその他の識別子と対応付けられて、今後のアクセスのために中央サーバシステム120に格納されてもよい。傷病者102が誰であるかを確定できる場合、該情報はその傷病者102用に関する既存の電子カルテ(EMR)とともに格納されうる。傷病者102が誰であるかを確定できない場合、該情報は一時的な識別番号または識別子を備えて格納されてもよく、該識別番号または識別子は、システムの他のユーザによる検索に好都合なように該システム内で特定の救助隊に結び付けられてもよい。
【0031】
救護案件について格納される情報はさらに、医療士114および救助に参加した任意の他の医療士についての識別子も含むことができる。そのような識別子を使用して、後日、サーバシステム120に対し、特定の医療士が関与したすべての案件に関するデータを引き出すようにクエリーが行われてもよい。タブレット116または除細動器112は、医療士が自分の名前を名乗ることが可能であり、よって自分の識別子を情報とともに格納することができるような機構を備えることができる。例えば、医療士は、自身のシフトの開始時にタブレット116を用いてログインすることを義務付けられて、それ以降タブレット116または該タブレットと通信している構成要素によって得られたすべての情報が識別子に関連づけられるようになっていてもよい。そのようなログインは、ユーザ名およびパスワードの入力を必要としてもよいし、タブレット116に組み込まれた指紋読み取り装置に医療士の指先を押しつけるかまたはスワイプすることなどによるバイオメトリック認証を伴うものであってもよい。
【0032】
格納される情報は、傷病者102の現在の状態を判断するために必要とされる関連情報、およびある時点までの傷病者102に提供された医療であってよい。例えば、傷病者102のバイタルサインは、追加情報が(例えば除細動器112を介して)タブレット116から受け取られるにつれて中央サーバシステム120において絶えず更新されうる。同様に、傷病者102のECGデータも中央サーバシステム120にアップロードされうる。さらに、傷病者に提供される薬物に関する情報が格納されうる。加えて、派遣センターからの情報も中央サーバシステム120に格納され、救護者のような様々なユーザによりアクセスされうる。例えば、救急要請が入った時刻が格納されてもよく、救護者が(手動または自動のいずれかで自身のポータブルコンピューティングデバイスを介して)その時刻を患者の治療のためのプロトコール決定に使用することができる(例えば、換気または胸部圧迫の必要性は、傷病者が治療処置を必要としていた時間がどれくらいであるかに依存して変わりうる)。
【0033】
その後、他のユーザが中央サーバシステム120のデータにアクセスしてもよい。例え
ば、本図面に示されるように、救急処置室の医師122は携帯電話のデータネットワークなどを通じて無線通信する自分のタブレット124を操作している。医師122は、傷病者102が救急処置室に到着する予定であることを通知されており、準備中も、傷病者102の病状に関して常に情報を得ており、かつ傷病者102が緊急処置室に到着次第とるための最良の行動計画の決定をすすめることができる。このように、医師122は中央サーバシステム120からのデータを閲覧することができる。加えて、医師122は、文章、口頭、または他の方式により救急医療士114と通信することができる。通信を行う際、医師122は、傷病者102が救急処置室に到着した時に医師122がより十分に準備できているように、救急医療士114に質問をしてもよい。医師122はさらに、救急処置室へ向かう途中に救急車の中などで救急医療士114が傷病者102に提供するべき医療について説明することなどによって、救急医療士114に意見を述べて、救急処置室の人員がそのような行為を行なう時間を費やす必要がないようにしてもよい。さらに、医師は、システム上で現在作動しているプロトコール(例えばAHAのCPRプロトコール)の局面を知ることも考えられるし、該プロトコールを無視するように行動することも考えられ、このことは救護者がプロトコールのそのような変更が行なわれたことを知る必要の有無には関わらない(例えば、救護者のデバイスは、手動で改訂されたプロトコールのパラメータに従って指示を開始するだけとなる)。
【0034】
公開プロトコールがフローチャート形式で編成されている場合、該フローチャートが救護者または医師に対して表示され、そのようなユーザは該プロトコールを再編成するためにフローチャートの一部をドラッグすることができる。別例として、ユーザがフローチャート内のブロックをタップしてそのブロックに関するパラメータを表示させて、ユーザがそのようなパラメータ(例えば換気量または換気の間の時間)を変更できるようになっていることも考えられる。その後、そのような編集されたプロトコールについて記述するデータは、後のユーザが閲覧できるように案件に関する他の情報とともに保存され、また、ユーザは、再編成されたプロトコールを保存して今後より容易かつ迅速に使用できるようにしてもよい。
【0035】
このように、システム100は、傷病者102に提供される医療を調整するために様々なポータブル電子デバイスが相互に通信することを可能にする。加えて、システム100は、医療士114らが救護の試みに関してリアルタイムの生データおよび派生したリアルタイムデータまたは過去のデータを参照することを可能にする。そのようなデータは配置構成されて、その結果として医療士は、自身のパフォーマンスが取り決められた基準に合致しているかまたは合致してきたかを直ちに知ることができるように、またその案件が依然進行中である間も自身のパフォーマンスを迅速に調節することができるようになっていてもよい。加えて、そのような情報は、パフォーマンスについてのより広範な報告書を提供することができるように、また(例えば傷病者を決まって灌流不足にする救護者については)今後のパフォーマンスのより全般的な改変を可能にするように、特定の救護者についての複数の案件にわたって、また複数の救護者についての複数の案件にわたって、集約されてもよい。
【0036】
システム100の各デバイスは、傷病者102に提供される医療に関する情報を感知すること、または、そのような医療に関する指示の提供もしくはデータの格納を行うことのうち少なくともいずれかを行うことができる。その結果、システム100は、傷病者102が受ける各種医療をよりよく統合および調整することにより、該傷病者102に改善された医療を提供することができる。このように、作られた(made)傷病者102は、改善された医療と、出来事の結果を良いものとする見込みの上昇とを受ける。
【0037】
ある事例では、傷病者の治療のためのプロトコールを作成するために使用される傷病者の病状は、救護者による現場での観察、傷病者についてのEMRの情報、またはこれら両
方に基づくことができる。例えば、傷病者が特定の薬を服用しているというEMRからの判断は、換気速度についてのプロトコールの変更をもたらす可能性がある。同様に、現場で傷病者が頭部外傷を受けたという救護者による観察も、換気速度についてのプロトコールに影響を及ぼす可能性がある。この2つの要因は、救護者が傷病者に提供するように指示されることになるさらに一層正確な換気速度を決定するために、合わせて考慮される場合もある。さらに、医療士114に提供されるリアルタイムのフィードバックは、EMRの中の、または医療士114によって(例えば意識のある傷病者が医療士114に情報を提供した後で)入力された情報の中の、そのような特殊事例の確認に応じて自動的に変更されてもよい。
【0038】
したがって、活動中、2名の救護チームが現場に到着する場合がある。チームの一方のメンバーは、傷病者への除細動器/モニタの設定および取付けを行い、かつ換気バッグアセンブリについても同じことを行うことができる。他方のメンバーは傷病者の診察を始め、診察から得られた情報を一般的なタブレットコンピュータ(例えばiPad(商標)またはネットブック(netbook))のようなポータブルコンピューティングデバイスに入力
すればよい。状況によっては、第2の救護者は、少なくとも当初は、傷病者が意識清明かどうか、傷病者が何の薬物を摂取している可能性があるか、などを判断するために、傷病者に口頭でインタビューしてもよい。第2の救護者はさらに、目視観察(例えば傷病者の外傷の種類)を行ってそれらをコンピューティングデバイスに記録することも考えられる。さらに、救護者のうちの1人は傷病者についてのバイタルサイン情報を得てもよく、そのような情報は、コンピューティングデバイスに手動で入力されてもよいし、または自動的に、例えば血圧測定用カフもしくは他の適切な医療用デバイスからの無線リンクを通じて、入力されてもよい。
【0039】
その後、該コンピューティングデバイスは、入力された情報をすべて使用して、該傷病者を治療するためのプロトコールを作成することができる。
そのような作成は、プロトコールセレクタに観察結果を入力することにより複数の利用可能なプロトコールの中から選択することにより行われうる。
作成はさらに、より動的であってもよく、観察結果を入力情報として使用し、プロトコール(1つ以上のサブプロトコールから構成されてもよい)を出力結果として作成する一連のヒューリスティックスによって決まる場合もある。
さらに、ルックアップテーブルが参考にされてもよく、該テーブルは、特定の観察される患者の状態または物理的パラメータと、治療プロトコールの特定の特徴との間の相関を規定するものであってよい。
【0040】
コンピューティングデバイスはさらに、インターネットのようなネットワークを通じて観察情報を提出してもよく、プロトコールは中央コンピュータサーバシステムによって作成された後でポータブルコンピューティングデバイスに自動的にダウンロードされて該ポータブルコンピューティングデバイスに実装されてもよい。そのような手法は、プロトコール作成規則を容易に更新および修正することができるという利点を有しうる。
【0041】
その後、コンピューティングデバイスは、除細動器、補助換気ユニット、または他の医療用デバイス(例えば血圧計)上の有線または無線送信機などから救護者によるパフォーマンスに関する情報を得ることができる。コンピューティングデバイスは、パフォーマンスが規定のプロトコールから外れたときにフィードバックもしくは指導を提供してもよいし、パフォーマンスをプロトコールに合致するよう維持するためにフィードバックを提供してもよい。フィードバックを提供する際に、コンピューティングデバイスまたは除細動器/モニタは、傷病者の測定パラメータ由来のいくつかの派生パラメータを生成することが可能であり、測定されたパラメータおよびより包括的な派生パラメータの両方が、コンピューティングデバイス、除細動器/モニタ、または両者によって、視覚または聴覚に訴
えるように報告されてもよい。さらに、コンピューティングデバイスは、医療が傷病者に提供されるにつれてプロトコールを更新することができる。例えば、必要とされる換気または胸部圧迫の速度は時間の関数として変化してもよい。さらに、救護者のうちの1人が換気アセンブリに酸素源を取り付ける場合(例えば接続が行われる場所のスイッチにより、システムへの救護者の手動入力により、または補助換気システムのセンサにより、感知されたときに)、必要とされる換気の速度は変化しうる。患者の状態の他の変化、例えばETCO2またはSpO2の測定レベルの変化は、改訂プロトコールを作成して救護者にフィードバックを提供し、その結果として該救護者が(時にはプロトコールが改訂されたことを意識することなく)その改訂プロトコールに適応するようになっている、コンピューティングデバイスをもたらすことができる。
【0042】
図1BはCPRデータ取得プロセスの流れ図である。一般に、データ取得は、「2010年 米国心臓病協会 心肺蘇生と緊急心血管治療のためのガイドライン」に従ったCPRのパフォーマンスに応じて行われる。本実施例におけるデータ取得は、傷病者へのCPR提供の全体にわたってリアルタイムで行われ、そのようなリアルタイムデータは常に更新されて救護者らに対して表示されうる。さらに、該リアルタイム情報から、サイクル中の各CPRインターバルの終了時など周期的に、または救護案件の終了時(案件が傷病者を救護する試み全体である場合は、データ収集の開始から、患者モニタが患者から取り除かれるか、患者がその案件の現場から離れるか、または、別の救護者もしくは救護者グループが引き継ぐ時まで)に、ある種の二次情報も生成されうる。
【0043】
CPRガイドラインによれば、該プロセスはステップ140で始まり、ステップ140において救護者は傷病者の診断を行うように努める。そのような診断は、傷病者が呼吸しているか、反応があるか、または脈拍があるかどうかを判断することなど、よく知られた方法によって行われうる。傷病者に関する問題点が決定されると、救護者はステップ142の緊急対応を開始する。例えば、救護者は現場に緊急対応チームを呼び寄せてもよいし、傷病者が突然の心停止または類似の病気を患っているようである場合は除細動器144を入手するかまたは別の人に除細動器を取って来させることができる。
【0044】
そのような行為が行なわれれば、救護者はステップ146の傷病者に対する心肺蘇生術(CPR)を実行し始めることができる。プロトコールによれば、図中の回転矢印によって示されるように、CPRは2分ごとに繰り返される循環プロセスを含んでいる。各サイクルの初めに、リード線を傷病者に取付け済みの除細動器は、該傷病者がショックを要するリズムを有するかどうかを判断するために傷病者のECGの読取値またはその他の情報の分析などにより、傷病者を分析することができる。そのような分析を実施するための技法は良く知られており、本明細書中で使用される特定の技法は必須ではない。ショックを要するリズムが存在すると判断された場合、ステップ148によって示されるようにショックが送達されうる。例えば、除細動器は救護者に画面表示を提供してもよいし、ショックが送達されるべきであることを示す言葉を救護者に対して発してもよい。その後、救護者は、傷病者の周囲の人々が全て傷病者から離れた後で、ショックが送達されるように除細動器のボタンを押せばよい。
【0045】
その後、救護者は、そのサイクルまたはインターバルの残りの間、傷病者に胸部圧迫を実施することができる。胸部圧迫を提供する所定時間の後、または胸部圧迫中に、除細動器は、ショックを要するリズムを有するかどうかを判断するために傷病者の状態を再度分析することができる。例えば、除細動器は、ECG信号と比較して胸部圧迫由来のCPRアーチファクトをフィルタリングするための構成要素類を備え、そのフィルタリングされた信号について分析を実施してもよい。
【0046】
ステップ150は、サイクル中の現在時間を示すためにCPRサイクルのループに沿っ
て示されている。特に、ステップ150は、除細動器または別のデバイスが、現在時点において、傷病者に提供されている医療に関するある種のパラメータを計算および表示している場合があることを示している。それらのパラメータのうちあるものは、患者から読み取られた値を直接表しているという点で初期または一次パラメータとなりうる。そのようなパラメータには、傷病者に提供される胸部圧迫の深さおよび速度が挙げられる。報告されるパラメータの他のものは、様々な初期パラメータのうち1つまたは複数のいずれかの、初期パラメータに由来するという点で、二次パラメータとなりうる。例えば、ある値は、圧迫速度と圧迫深さとの組合せから計算されうる。さらに、救護者が現在どのように遂行しているかを示す文字または数値の評点など、より全体的な複合値も生成されうる。
【0047】
ステップ152は、例えばCPRインターバルの各サイクル毎に該インターバルの特定の位置において、または案件の終了時など、周期的に生成される値を表わしている。生成される値には、例えば、インターバルの期間における特定の一次パラメータの平均値が含まれうる。例えば、インターバルの間の平均の速度および深さが各インターバルの終了時に計算されて、ステップ152で示された方式のようにデータベース内に保存されてもよい。さらに、保存されるパラメータには、初期パラメータから計算される派生パラメータまたは二次パラメータ、例えば初期パラメータの平均値に由来するもの、または、インターバル全体からの複数の初期パラメータを組み合わせ、次いで該組合せを平均することによるものが挙げられる。本実施例では、灌流率が二次パラメータまたは派生パラメータの一例として与えられ、また各インターバルについての文字の評点も二次パラメータまたは派生パラメータである。
【0048】
このように、パフォーマンスを報告する手法は、実際の救護の後で救護者または関係者にとって特に意義のある情報を取り込みかつ報告するために、標準的なCPR技法と協調するかたちで実現されうる。該情報は、患者に対するCPRのパフォーマンスに由来する基礎的な測定値を含んでもよく、また救護者のパフォーマンスのモデルや説得力があるかまたは理解しやすい表現を提供しうる派生値も含みうる。例えば、救護者に対して表示されるパラメータは、救護者のパフォーマンスがコードレビューの一部として案件の後の再検討作業で判断される基になるパラメータに類似しているかまたは該パラメータと同じであってよい。よって救護者は、救護者のパフォーマンスが不十分である場合のそのような表示パラメータに対して、救護者が圧迫の深さおよび速度という単純な値に応答するよりも更に反応が良くなりうる。その結果、救護者は、患者または傷病者に提供される医療を改善するように、自身の行動を積極的に変更する可能性が高くなりうる。
【0049】
そのようなプロセスによって提供されるモニタリングおよびフィードバックも、システムによって得られた基本構成データによって影響を受ける可能性がある。例えば、システムによるモニタリングが始まる前に、プロセスはそのモニタリングを支援するための一定のデータを収集済みであってもよい。例えば、救護者が除細動器を設定して傷病者に接続するとともに、除細動器は、救護者が一人であるか助力があるかについて救護者に(ディスプレイ上で、または音声による要求で)尋ねてもよいし、また何人の追加の救護者が利用可能かをさらに尋ねる可能性もある。救護者が一人であることを該救護者が示した場合、システムは、救護者の交替を推奨しないが単独の救護者が直面することになる過剰な疲労を克服するためのフィードバックをより積極的に提供する、というプログラミングのブランチに従うことができる。救護者に同行者がいる場合、システムは該救護者らがいつ役割を交替するべきかを続いて示すことができる。システムはさらに、各救護者に「救護者1」および「救護者2」または該救護者らの実際の名前などのラベルを割り当ててもよい(該ラベルは、例えば該システムを頻繁に使用するEMTについてなど、あらかじめプログラミングされることも考えられるし、例えば該デバイスからの指示メッセージに応じて一般の救護者が該デバイスに自分の名前を話すことなどにより得られることも考えられる)。3人以上の救護者がいる場合、交替の指示はより複雑となりうる ― すなわち、単
に入れ替わるように指示するだけでなく、任意の特定の期間にCPRのどの構成要素を実施していなければならないかを各救護者に伝えることを必要とする。
【0050】
救護者の人数に関する判断は推論的に行われてもよい。例えば、換気バッグは除細動器または他のボックスに対して報告を行う電子機器を備えても良く、該ボックスは、少なくとも2人の救護者がいると推論するために、バッグが配備もしくは使用されていること、または実施されている胸部圧迫と同時に使用されていることを感知することができる。除細動器は、そのような状況においては上記に議論された方式で(例えば役割を交替するという救護者のための指示メッセージを有効にすることにより)該除細動器の運転を適宜調節することができる。
【0051】
CPRの実施の間のシステムの運転に関して、ある環境においては、CPRを実施するための指示メッセージは、パフォーマンスの低下が存在していたという表示に応じてCPRが実施されることになる方法を変更することができる。例えば、ユーザが指示を受けるプロトコールは、そのようなパフォーマンスが低下してしまったという観察に基づいて、その水準が不十分であるとしてもユーザがよりうまく維持することができるパフォーマンス水準に達するように、変化することができる。特に、不十分な水準でのCPRの指示メッセージは、その不十分な水準が救護者を完全に疲労させるよりも良いかぎりは提供されうる。
【0052】
例えば、血行力学的データは、胸部圧迫の深さが圧迫の速度よりも傷病者の容態にとって重要であるかもしれないこと、すなわち、その圧迫のうち1度として真に有効なものがなければ、いかに速く圧迫を実施していてもほとんど全く意味がない可能性があることを示している。その結果、システムは、促される圧迫の速度(例えばメトロノーム)を遅くし、かつその促された速度の変化に応じた圧迫の深さの変化をモニタリングしてもよい。深さおよび速度を有効性に関連付ける、格納された血行力学的データを使用して、システムは、(例えば良く知られている空気室モデルまたは他の手法を使用して)特定の救護者についての血行力学的効果を最大限にする最も好ましい速度を同定することができる。
そのような変更は、特定の救護者が疲労していることを感知した後にのみ行われてもよいが、他の時点および他の基準で、例えば救護サイクル全体を通じてそのような調整を行うことなどによっても、起動されうる(例えば、メトロノームの速度は軽微かつほぼ連続的に調節されてもよく、救護者から測定される深さおよび速度の組合せは、安全性の許す範囲内で血行力学的効果を高めようとして行われるその後のメトロノームの速度の変化と共に、血行力学的効果を計算する公式にリアルタイムで入力されてもよい)。
【0053】
さらに、傷病者に医療が提供されている間の救護者の身体データも、例えばその救護者が疲労しており異なる方式で指示メッセージが示されるべきであるか、または該救護者が疲労しているので他の救護者と入れ替わるように命じられるべきであるかを判断するために、モニタリングされてもよい。例えば、救護者は、傷病者の胸部の上のCPRパックに添着可能であって救護者が1本以上の指を入れることができるものなどの脈波型酸素飽和度計を装備していてもよい。救護者の血液酸素レベルおよび脈拍数の読み取り値は、救護者が疲労しておりパフォーマンスを現在の水準にあまり長くは持続することはできないであろうことを判断するために使用されてもよい。その結果、医療用デバイスは、救護者をもう一人の救護者と交替させることも可能であれば、救護者に対する激励を提供する場合もあり、または、他の場合には最適水準の医療と考えられるものを下回るとしても該救護者がなしうる仕事が最大限となるように、該救護者が医療を提供している速度または厳格さを低下させる場合もある。
【0054】
したがって、これらの技法は、様々な時点において救護者または他の人々が再検討するために、救護者のパフォーマンスを、そのようなパフォーマンスを提供する間の疲労の兆
候も含めて、同定するために使用されてもよい。例えば、医療用デバイスは、救護活動の全体にわたって最良水準のパフォーマンスを維持するために、例えば疲労の影響を小さくするため適時に交替するよう救護者に指示することなどにより、フィードバックを提供するかまたはフィードバックを提供する方式を調節するため、パフォーマンスを直ちにモニタリングすることができる。救護者自身も、該救護者が医療を行なっているときにリアルタイムで傷病者に対する自身の医療のパフォーマンスを調節することができるように、上記および下記に説明されるような情報の提供を受けてもよい。さらに、医療は、案件の後に、救護者がどのようにしてチームとしてより一層うまく遂行することができるかを判断するために、または恐らくは救護者が疲労と闘うために自身の身体調整を高めるべきであることを判断するために、救護者により、またさらには監督者により、再検討される場合もある。
【0055】
図2Aは、CPRの場における救護者のパフォーマンスのサマリーを示すタブレットデバイスのスクリーンショットである。概して、このスクリーンショットは、事故現場の救護者のためのフィードバックとして、または傷病者に対する医療のパフォーマンスを遠隔地から見守っている医師へ向けて、タブレットコンピュータに表示されうるパラメータの種類を概略的に示している。
【0056】
本実施例における情報の呈示は、2つの部分、すなわち案件全体にわたって平均されたパフォーマンスを示す上の部分と、直近3回のCPRインターバルについてのパフォーマンス平均を示す下の部分とに分割され、その第2の部分のすぐ下には現在の深さおよび速度の表示が示される。
【0057】
ここでディスプレイの具体的な部分を参照すると、救護者に対して、CPR実施中の該救護者の平均的な圧迫の深さがある案件について4.6cm(1.8インチ)であること、および、圧迫の適切な範囲は3.8cm(1.5インチ)〜7.6cm(3.0インチ)であることが示されている。同様に、該救護者に対し、該救護者の平均的な圧迫速度が毎分118回(CPM:compressions per minute)であってこれは100〜120CP
Mの是認範囲内にあることが示されている。圧迫率についての是認範囲は75%超であるが、この救護者の平均は73%である。該救護者が是認範囲から外れているという事実は、ここでは、この平均値に改善が必要であるという事実を救護者に注目させるために、該平均値の周囲の破線ボックスによって示されている。同様に、値は、ショック前およびショック後の活動における該救護者の遅れ、および該救護者による灌流指数についても表示されている。ここに示された具体的な値は、除細動器/モニタ、タブレットコンピュータ、または類似デバイスなどで救護者に対して値がどのように表示されうるかを単に実証するために選択されており、実際の状況において必ず表示されることになる実際の値を表わすためのものではない。
【0058】
該ディスプレイの1分毎のCPRのエリアでは、3行の値が示されており、これらの値は、傷病者に対して実施された直近3回のCPRインターバルそれぞれについての平均値であり、したがってその値は、傷病者に対して実施されたCPRの全体ではないかもしれないが、傷病者に対して実施されたCPRの直近の6分にほぼ相当する。この場合も、個々のインターバルについて個々の値が提供され、範囲外の値は破線のボックスによって強調されるが、下記に議論されるように、範囲外または範囲内の値に注目させるための他の機構も使用されうる。
【0059】
さらに、値のうち2つ(圧迫の深さおよび速度についての値)はその現在状況に従って示される。具体的には、救護者によって実施された直近の圧迫は8.1cm(3.2インチ)の移動距離を有し、かつ直近の数回の圧迫は110CPMの速度で実施された。救護者がこれらの値に特に注目するように、該値の周囲に実線のボックスが示されて、救護者
が自身の今現在のパフォーマンスがどうであったかを迅速に知ることができるようになっている。
【0060】
追加のガイダンスが、色、アニメーション、および音のフィードバックの使用により、救護者などディスプレイの視聴者に対して提供されてもよい。例えば、所望範囲から外れているディスプレイ上の任意の値は赤で表示される一方、範囲の端にある値は黄色で表示され、また、範囲の内側の値は緑色で表示されてもよい。さらに、特に重要な値は、視聴者をその値に注目させるために、その値を明滅(blink)、蠕動(wiggle)、または微発
光(shimmer)させることにより強調されてもよい。さらに、デバイスは、是認されるパ
フォーマンス範囲に戻る際に救護者がガイダンスを必要とする場合、ビープ音を鳴らしてもよいし、記録された指示を話し伝えてもよい。
【0061】
この図面のディスプレイ上の値の具体的な配置構成は、医療が傷病者に提供されている一方で救護者または医師に示されうるデータの単なる一例として提供されている。情報の他の配置構成も使用されうる。特に、ここに示されているよりも少ない情報が提供されてもよいし、またスクリーンのより狭い部分に示されてもよく、その結果として、救護者に関係しうる他の情報の表示のための余地が残されてもよい。1つのそのような例は図2Bに示されている。
【0062】
特に、図2Bは、救護者に表示される可能性のある、患者モニタまたはタブレットコンピュータのようなデバイスからの別のスクリーンを示す。この例において、パフォーマンスエリア238(すなわち救護者のパフォーマンスを評価して報告するエリア)は、ディスプレイ全体の比較的狭い部分しか使用していない。表示されるデータは図2Aに表示されたデータに似ているが、案件全体にわたる平均値と、深さおよび速度についての直近の値のみが表示されている。数値またはアルファベットによる評点(図示せず)も、パフォーマンスのより高水準でより要約された所見として、上記エリアの付近に提供されうる。
【0063】
比較的小さなサイズのパフォーマンスエリア238は、救護案件に関する他のデータを示すためにディスプレイ上に補助的な空間を残す。例えば、ディスプレイの左上隅の傷病者識別エリアは、傷病者の画像232および傷病者に関する個人情報234を備えている。画像232は、傷病者の識別情報の入力に応じて中央サーバシステムから得られてもよい。例えば、傷病者とともに見つかった運転免許証が該傷病者の名前を示してもよいし、指紋読み取り装置が血液酸素化センサに組み込まれうる場合には、傷病者用に関して該指紋読み取り装置から指紋が得られてもよい。傷病者を識別するためのそのような機構は、血液型、アレルギーおよび該傷病者が摂取した薬物のような傷病者に関する限られた医療記録情報を取り出すために使用されてもよい。画像232は、該システムによって識別された患者が救護者の前に横たわっている傷病者(ここで傷病者は身元を明かすことができない)と同一人物であることを救護者が手動で確認しうるように、表示されてもよい。
【0064】
ECG表示236も、よく知られた方式でエリア内に提供され、表示236はECGトレースを示しており、またさらに、警告または他のデータであって例えば除細動器上のキャパシタが充電された量、および該キャパシタは放電の準備ができているかどうかの目安となるデータを表示してもよい。ここで示されていない他の情報もディスプレイ上に提供されうる。例えば、救護チームによって実施される必要がある将来の活動を知らせるためにカウントダウンタイマーが表示されてもよい。一例として、カウントダウンタイマーはCPRインターバル中の残り時間の量を示すことができる。さらに、カウントダウンタイマーは、別の救護者のために、時間、例えば患者もしくは傷病者に換気を提供する時間、または特定の薬物が救護者によって傷病者に提供されることになっている時までの時間などを示すことができる。
【0065】
該ディスプレイはさらに、緊急処置室において医師によってタイプ入力される内容、または他の類似の内容を示してもよい。例えば、医師は、この図面に示されたものと同様の情報をモニタリングしてもよいし、また、オンラインチャットシステムのように、救護者に対するガイダンスをタイプ入力により提供してもよい。他の実施例では、医師との音声接続が行われて、医師からの指示が、タブレットコンピュータ、除細動器モニタ、該タブレットもしくはモニタからのデータが提供されるブルートゥースヘッドセットを通じて、または救護者が使用する別の形態の通信デバイスを通じて、聞こえてもよい。
【0066】
図2Aおよび2Bに示されるもののようなディスプレイを使用して、システムは、緊急事態において救護者に改善されたフィードバックを提供することができる。救護者にとって最も重要な情報であり従って救護者が行動する基準となる可能性が最も高い情報を示すフィードバックは、図解式で提供されてもよい。さらに、提供される情報は、その救護活動についてのより高水準の見通しを提供する結合情報の形態であってもよい。例えば、傷病者に対して救護者によって実施されるいくつかの異なる行為または活動は、該傷病者に与えられる医療の質についてより一般的な記述子を生じるために、所定の式またはアルゴリズムを使用して組み合わされてもよい。システムによるそのような自動的な組合せにより、救護者はそのような決定を自身で行わなければならないことから解放されうる。例えば、圧迫の速度および深さの特定の組合せは、名目上は速度もしくは深さのいずれかまたは両方について範囲外であっても、速度および深さに関する値が互いに対して適用された場合には所望の範囲内となり、各変数について範囲外の値が互いに相殺するようになっていてもよい。さらに、情報がより一般化される場合、該情報は、救護者が自身の作業のパフォーマンスについて判定を受ける基になる情報の形態に一層合わせられてもよく、その結果、救護者が該情報に対応する可能性が高くなりうる。
【0067】
図3は、CPRの提供中にユーザのパフォーマンスデータを取り込むプロセスのフローチャートである。一般に、該プロセスは、上記に記載されるような除細動器に組み込まれうる、患者モニタに接続されたセンサから生情報を受け取るステップと、派生データを作成するステップと、生データおよび派生データについてのモニタ値をユーザに表示するステップと、さらにリアルタイムの測定値および過去の測定値についての値を表示するステップとを伴う。例えば、リアルタイムの生の測定値には、モニタリングされている患者に対して実施されているCPRの間の圧迫の深さおよび速度が含まれうる。派生的測定値には、灌流率およびユーザのパフォーマンスに関する全体的な文字または数値による評点が含まれうる。過去の測定値には、前のCPRインターバルの一部分もしくは全体についての測定値、または、そのような期間からの、もしくは複数のインターバルにわたっての平均値が含まれうる。
【0068】
該プロセスはステップ302で始まり、ステップ302では、数あるパラメータの中でも特に胸部圧迫の動きおよびECG信号をモニタリングするための機能が内蔵された除細動器のような医療用デバイス/モニタが、患者に対して実施されている周期的な活動を感知する。そのような周期的な活動には、上に記載した8Hのガイドラインに従って再帰的な(recursive)サイクルでCPRを提供することが含まれうるが、該サイクルは、例え
ば患者が心臓全体のリズムのショックを示すかどうか判断するために患者を分析すること、患者がそのようなリズムを有している場合にショックを提供すること、および、心臓内における、また心臓を通り抜ける血液の灌流を引き起こすために心臓に胸部圧迫を提供することを伴う。この具体的な活動は、センサからデータを生成させうるものであり、該活動を感知するステップは、該データを、例えば加速度計から受け取られた電圧を患者の胸部について算定された圧迫の深さへと変換することなどにより、より使いやすい形態に変換することを含みうる。
【0069】
ステップ304では、該プロセスは傷病者または患者への医療の提供におけるサイクル
のインターバルを同定する。したがって、例えば、該プロセスはCPRインターバルそれぞれについて開始点および終了点を同定してもよく、これにより、各開始点と終了点との間で受信されたデータを特定の1つのインターバルと関連付けることができる。受信データを特定のインターバルとそのように関連付けることにより、データに関する情報のユーザへの呈示は、該情報が受信された特定のインターバルに対して該情報が関連付けられたかたちで行われることが可能となりうる。
【0070】
ステップ306では、データは、同定されたサイクル中の活動を感知するために収集される。そのようなデータ収集は、患者または傷病者に対するCPRおよび他の活動の実施中は連続的であって、その結果、本明細書中に記載された行為のうち特定の1つは、救護者が本明細書中に記載されたモニタリングを終了するまで何度も繰り返されるようになっていてもよい。データが収集されるにつれて、データは、第1レベルの処理、例えば、上記に記載されるように、電圧を変位または加速のようなより使いやすい値に変換するなどの処理を受けることができる。同様に、モニタは、患者に取付けられたリード線からの電圧を、該モニタまたは別のデバイス上で容易に図解表示されうるECG信号のための値に変化させることができる。その後、そのような初期処理データは該デバイスに格納されてもよく、またデータの一部または全てのコピーが他のデバイスに提供されてもよい。例えば、データは、図1のタブレット116またはサーバ120のようなデバイスに近距離無線接続によって転送されてもよい。そのようなデータ転送はバッチでなされてもよいし、連続的またはほぼ連続的であってもよい。例えば、データの自動的なバッチ式アップロードは、患者の治療中の特定の時点で、例えば救護者が治療を終了した後で誘発されてもよい。モニタが救急車のような車両に戻ったという理由で医療処置が終了したことを判断するために、近接センサが使用されてもよく、そのような感知は、モニタと救急車内のデバイスとの間の、さらにはサーバ120のような個別のデバイスへの、データのバッチ転送を誘発するために使用されてもよい。別の実施例では、バッチ転送は、デバイスが例えば6.7m/s(15mph)のような特定の速度を越えて移動していることを感知し、従って該デバイスは救急車内に設置されており、かつその使用は完了している、ということを結論するデバイス中のGPSユニットによって誘発されてもよい。そのような判断は、デバイスが接続されている様々なセンサから患者の状態がもはや受信されていないという判断と組み合わされてもよい。データの連続転送は、様々な機構によって、例えば受信されて最初に処理されたデータをキャッシュに格納し、次いでアップロードまたは他の方法で時間間隔を空けずにデータを転送することにより、行われうる。
【0071】
ステップ308では、収集されたデータは、当初収集されたデータの派生形であるサマリーデータを作成するために処理される。例えば、胸部圧迫の速度および深さに関する情報は、患者について灌流のレベルを同定するために、システムによって得られた他の情報と共に使用されてもよい。加えて、サマリーはCPRインターバル全体または複数のCPRインターバルについて作成されてもよい。一例として、患者についての活動のパフォーマンスに関して取り込まれかつ記録された特定の値は、例えばCPRインターバルの平均値または複数のCPRインターバルにわたる平均値を作成することなどによって集約されてもよい。したがって、例えば、救護者が患者に対してCPRを実施している時間全体についての灌流レベルが計算されてもよいし、また該灌流レベルが救護者に折り返し報告されてもよい。
【0072】
さらに、ステップ310で示されるように、サマリーデータは、患者に提供されてきた医療の全体的指標を同定するために組み合わせることが可能な、胸部圧迫に関連するデータおよび換気に関連するデータのようないくつかの活動にわたって統合されてもよい。したがって、そのような例において、派生データは、圧迫の深さのような元データに由来するものだけでなく、別々に得られた2つの元データに由来する場合もある。患者に対して実施されている複数の活動にわたるデータソースのそのような組み合わせは、それまで患
者に提供された医療についてのスコアまたは評点を作成して、提供されるその後の医療を救護者が変更することが可能な方式を示すためにも使用されうる。例えば、図2Aおよび2Bで議論されたもののようなパラメータのモニタリングは、救護者が医療を提供する際に(例えば、救護者がCPRインターバルのある部分においてあまりにも静かに、もしくはあまりにも強く胸部を圧迫しているか、またはあまりにも急いで、もしくはあまりにもゆっくりと行動しすぎているため)意気込みすぎているかまたは気を抜きすぎていることを示すことができる。そのような状況では、−5〜+5までのスコアが割り当てられてもよく、その場合スコア0は完璧であり、0未満のスコアは救護者がその医療においてより活動的である必要があることを示し、0を上回るスコアは救護者が深呼吸して少し力を抜く必要があることを示す。そのようなスコアは、モニタ、タブレットコンピュータまたは類似のコンピューティングデバイスのスクリーン上の場所に表示されうる。活動期間(session)全体のスコアまたは評点も、該活動期間の事後コードレビューの一部として救護
者の監督者に提出されうる。
【0073】
生データおよび派生データのそのような呈示は、ユーザのパフォーマンスの視覚的サマリーが表示されるステップ312によって表わされる。そのような表示は、上記に議論されるように、モニタ上であってもよいし、タブレット上であってもよいし、もう一人の医療提供者によって使用される別個のコンピュータ上であっても、または他の機構によるものであってもよい。該表示は、例えば図2Aおよび2Bに示されたものに類似の形式をとることができる。
【0074】
ステップ314では、当該案件または活動期間についてのサマリー情報が保存される。そのようなステップは、上記に議論されるように、案件全体を通じて連続または半連続的に行われることも考えられるし、その案件が終了したらバッチアップロードとして行われてもよい。情報は特定の場所に保存されてもよく、また監督者または分析者が生データおよび派生データの両方にアクセスすることが可能なより広域のサーバシステムに保存されてもよい。上記に示されたものに類似のデータのプレゼンテーションが提供されてもよく、救護者に表示されていたであろうデータの再現がなされてもよい。その結果、救護者および担当者は順を追って該活動期間を辿ることも可能であり、該担当者は、救護者が行ったことの善し悪しを正確に指摘することができる。該プレゼンテーションは、より要約された形式をとることも可能であり、また特定の救護者についての特定の種類の最近の全ての案件(例えば傷病者が重症の突発的な心停止または類似の傷害に罹患した全ての案件)など、多数の異なる案件由来のデータをロールインすることができる。例えば、上述の−5〜+5のスコアリング技法を使用して、救護者についての最近12件の案件のスコアが監督者に呈示されてもよく、該監督者はそのスコアが概ね0未満であることに気づくかもしれない。その後、監督者は、より積極的になる(すなわち、より強い胸部圧迫を提供し、かつCPRインターバルの間より迅速にプロンプトに反応する)訓練を該救護者に提供することを決定してもよい。
【0075】
図4は、より大きな医療システムにおいて様々なサブシステム間でCPRパフォーマンスデータを共有するプロセスのスイムレーン図である。概して、大きなシステムの特定の構成要素で実施される行為はそのような行為が1つの実施例において実施されうる方式の例を示すためにより詳細に示されているが、ここで議論されるプロセスは上記に議論されたものに類似している。
【0076】
該プロセスは事故現場で始まり、該現場において救護者は、救助車から機器を、例えば除細動器および該除細動器と無線データ接続を通じて通信することが可能な関連のコンピューティングデバイス、例えばタブレットコンピュータなどを配備した。ステップ402、404では、救護者によって該2つのデバイスに動力が供給され、該デバイスが初期活動を実施し終えて活動状態になったとき、該デバイスは、例えば該デバイス間でブルート
ゥースのペアリングを実施することなどによりデータ接続を自動的に確立してもよい(ステップ406、408)。その後、救護者は、ステップ410において、患者の病状、患者の血圧および脈拍、ならびに患者の性別に関する基本的な情報などの患者情報をタブレットコンピュータに入力することができる。血圧および脈拍のような情報は、傷病者の血圧および脈拍をとるツールとの有線または無線接続などにより、タブレットに自動的に記録されてもよい。
【0077】
ステップ414では、救護者は患者にセンサを接続する。例えば、救護者は、患者のシャツを開けて該患者に除細動パッドを設置することができる。除細動パッドは、患者の心臓の活動を感知するためのECG電極も備えることができる。この時点で、除細動器は、患者の心臓の活動を分析することなどにより、患者に医療を送達するための標準的プロトコールに従って稼働を開始することができる。そのような動作は、救護者が患者に胸部圧迫および他のCPR活動を実施するよりも先行することもできる。したがって、ステップ422では、除細動器は、圧迫の深さおよび速度のデータならびに上記に議論された他のデータのようなCPRデータの取り込みを開始することができる。さらに、除細動器は、特定のサイクルにデータを関連付けるために、CPRのパフォーマンスにおける各インターバルまたはサイクルの開始点を同定してもよい。ステップ424では、除細動器は、CPRのパフォーマンスから取り込まれているデータに関する報告を作成、表示、および送信する。そのような報告は様々な形式をとりうる。例えば、その報告は、リアルタイムで取り込まれている初期または一次パラメータを示すだけでもよく、かつそれらのパラメータに関する報告は、例えば毎秒または1秒の数分の1毎に連続的に更新されてもよい。その後、報告はそのようなリアルタイムデータを含みうるが、1以上のCPRインターバルまたは案件期間全体についての要約された二次データも含むことができる。
【0078】
様々な時点において、除細動器は、同様の報告を作成するためのデータをタブレットコンピュータに転送することも可能であり、また、タブレットコンピュータは、患者へのCPRの提供に関係する情報を表示してもよく、かつ、傷病者が搬送されることになっている緊急処置室のnエリアのコンピューティングデバイスにデータをさらに送信することもできる(ステップ426)。次いで、該情報は緊急処置室において報告書として表示されうる。緊急処置室のための報告書は、除細動器またはタブレットコンピュータで示されるものと同じ形式であっても異なる形式であってもよい。例えば、緊急処置室内の視聴者が該報告に対して救護者ほどには注意を払えないと仮定すると、緊急処置室の報告書はより少ない情報しか提供せず、また除細動器またはタブレットコンピュータにおける報告書ほどには頻繁に更新されなくてよい。各報告書に示される具体的な値、その値が更新される頻度、その値が表示される方法、およびその値が表示される順序は、特定の用途および特定のユーザの要求に応じて変化しうる。
【0079】
ステップ434では、除細動器はその案件が終了したことを識別する。例えば、ECG信号が所定期間受信されない場合、除細動器は、該除細動器が傷病者から取り外されていること、および該除細動器は再び該傷病者に対して使用されないであろうことを推測することができる。案件が終了したと判断するための他の機構は上記に議論されている。そのような判断がなされると、除細動器は該除細動器の残りのデータをタブレットコンピュータに転送することが可能であり、さらにその案件のサマリーを作成してそのサマリーをタブレットコンピュータに送信することができる(ステップ438)。ステップ446では、タブレットコンピュータは該サマリーを表示し、また中央サーバシステムへの該サマリーに関する情報の送信も行う。そのような送信は、傷病者に提供された医療に関する半永久的または永久的な記録を提供するために行われうる。
【0080】
したがって、ステップ450では、中央サーバシステムは、タブレットコンピュータから受信された情報を処理してその案件に関する情報を格納する。ある実施形態では、除細
動器によって取り込まれた全てまたはほぼ全ての情報が格納されうる。空間の制限または他の配慮が優先する場合は、サマリー情報が格納されてもよい。例えば、各々の心臓インターバルまたはCPRインターバルについて、各インターバル内のはるかに小さいが数の多い時間区分についての生の値を格納するのではなく、各種パラメータの平均値が格納されてもよい。
【0081】
後日、救護者または別の人物が特定の案件または一群の案件について保存されたデータの分析に関心を持つ可能性がある。したがって、ステップ452では、そのような要請を中央サーバシステムが受けた時、該システムはその案件または他の案件に関するデータの要請への対応に役立つ可能性がある。その案件についてのデータの供給時に、中央サーバシステムは、その1または複数の案件に関する情報を呈示するための1つ以上の追加の報告書を作成することができる。例えば、特定の救護者が活動した各案件のグラフが並べて表示されてもよく、かつ、傾向線(trend line)または他の傾向特性(trend feature)
が表示されて、救護者の技能の進歩が審査されうるようになっていてもよく、評者または救護者は、救護者が救護状況における医療提供への自身の手法を調整する必要があるかどうかを判断することができる。
【0082】
図4は、本明細書に記載された技法と共に使用可能な、一般的なコンピュータデバイス400および一般的なモバイルコンピュータデバイス450の例を示す。コンピューティングデバイス400は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、個人用デジタル情報処理端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、およびその他の適切なコンピュータのような、デジタルコンピュータの様々な形態を表わすように意図されている。コンピューティングデバイス450は、個人用デジタル情報処理端末、携帯電話、スマートフォン、およびその他類似のコンピューティングデバイスのような、モバイルデバイスの様々な形態を表わすように意図されている。本明細書に示された構成要素、該構成要素の接続および関係、ならびに該構成要素の機能は、単なる典型例であるように意図されており、本文書における説明または特許請求の範囲への記載のうち少なくともいずれかがなされた発明の実施例を限定するということは意図されていない。
【0083】
コンピューティングデバイス400は、プロセッサ402、メモリ404、記憶装置506、メモリ404および高速拡張ポート410に接続する高速インタフェース408、ならびに低速バス414および記憶装置406に接続する低速インタフェース412を備えている。該構成要素402、404、406、408、410および412はそれぞれ様々なバスを使用して相互接続され、通常のマザーボードに搭載されてもよいし、または必要に応じて他の方式で搭載されてもよい。プロセッサ402は、コンピューティングデバイス400内での実行のための命令、例えば高速インタフェース408に連結されたディスプレイ416のような外付けの入出力デバイスにGUIのための図解情報を表示するためにメモリ404または記憶装置406に格納された命令を、処理することができる。他の実施例では、複数のプロセッサまたは複数のバスのうち少なくともいずれかが、必要に応じて、複数のメモリおよび複数種類のメモリと共に使用されてもよい。さらに、複数のコンピューティングデバイス400は、必要なオペレーション(例えばサーバ・バンク、ブレードサーバ群、またはマルチプロセッサシステムとしてのオペレーション)の部分を提供する各デバイスと、接続されてもよい。
【0084】
メモリ404は、コンピューティングデバイス4500の内部に情報を格納する。1つの実施例では、メモリ404は1または複数の揮発性メモリユニットである。別の実施例では、メモリ404は1または複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ404はさらに、磁気ディスクまたは光ディスクのようなコンピュータ可読媒体の別の形態であってもよい。
【0085】
記憶装置406は、コンピューティングデバイス400に大量記憶を提供することができる。1つの実施例では、記憶装置406は、コンピュータ可読媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス、または記憶域ネットワークもしくは他の構成のデバイスを含む数々のデバイスであってもよいし、前記デバイスを包含してもよい。コンピュータプログラム製品は情報媒体において明確に具体化されうる。コンピュータプログラム製品はさらに、実行時に上述の方法のような1または複数の方法を実施する命令も包含することができる。情報媒体は、メモリ404、記憶装置406、プロセッサ402上のメモリ、または伝播された信号のような、コンピュータ可読または機械可読媒体である。
【0086】
高速制御機構408はコンピューティングデバイス400について帯域幅集約的オペレーションを管理する一方、低速制御機構412は低帯域幅集約的オペレーションを管理する。そのような機能配分は例示にすぎない。1つの実施例では、高速制御機構408は、メモリ4504、ディスプレイ416(例えばグラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通じて)、および、様々な拡張カード(図示せず)を受け付け可能な高速拡張ポート410に、連結される。該実施例では、低速制御機構412は記憶装置406および低速拡張ポート414に連結される。様々な通信ポート(例えばUSB、ブルートゥース、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット(登録商標))を備えうる低速拡張ポートは、1つ以上の入出力デバイス、例えばキーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、またはスイッチもしくはルータのようなネットワーキングデバイスに、例えばネットワークアダプタによって連結されうる。
【0087】
図に示されるように、コンピューティングデバイス400は多くの異なる形態に実装されうる。例えば、該デバイスは標準的なサーバ420してもよいし、一群のそのようなサーバにおいて複数個設けられてもよい。さらに、ラックサーバシステム424の一部として実装されてもよい。加えて、ラップトップコンピュータ422のようなパーソナルコンピュータ内に実装されてもよい。別例として、コンピューティングデバイス400由来の構成要素が、デバイス450のようなモバイルデバイス(図示せず)中の他の構成要素と組み合わされてもよい。そのようなデバイスはそれぞれ、1つ以上のコンピューティングデバイス400、450を包含してもよく、システム全体が、互いに通信する多数のコンピューティングデバイス400、450から構成されてもよい。
【0088】
コンピューティングデバイス450は、多くの他の構成要素の中でも特に、プロセッサ452、メモリ464、ディスプレイ454のような入出力デバイス、通信インタフェース466、およびトランシーバ468を備えている。デバイス450にはさらに、追加記憶装置を提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイスのような記憶装置が提供されてもよい。構成要素450、452、464、454、466および468の各々は様々なバスを使用して相互接続され、該構成要素のうちいくつかは、通常のマザーボードに搭載されてもよいし、または必要に応じて他の方式で搭載されてもよい。
【0089】
プロセッサ452は、メモリ464に格納された命令を含む、コンピューティングデバイス450の内部の命令を実行することができる。該プロセッサは、個別かつ複数のアナログおよびデジタルプロセッサを備えたチップのチップセットとして実装されうる。該プロセッサは、例えば、デバイス450の他の構成要素、例えばユーザインタフェースの制御装置、デバイス450によって実行されるアプリケーション、およびデバイス450による無線通信の協調をもたらすことができる。
【0090】
プロセッサ452は、ディスプレイ454に連結された制御インタフェース458およびディスプレイインタフェース456によってユーザと通信することができる。ディスプ
レイ454は、例えばTFT LCD(薄膜トランジスタ駆動液晶ディスプレイ)またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイであってもよいし、その他の適切なディスプレイ技術であってもよい。ディスプレイインタフェース456は、ユーザに図解情報および他の情報を呈示するためにディスプレイ454を駆動するための、適切な回路構成を含んでなることができる。制御インタフェース458はユーザからのコマンドを受信し、該コマンドをプロセッサ452への依頼のために変換することができる。加えて、外部インタフェース462は、他のデバイスとのデバイス450の近接エリア通信(near area communication)を可能にするように、プロセッサ452と通信し合う状態で提供されて
もよい。外部インタフェース462は、例えば、ある実施例においては有線通信、他の実施例においては無線通信を提供することが可能であり、複数のインタフェースが使用されることも可能である。
【0091】
メモリ464は、コンピューティングデバイス450の内部に情報を格納する。メモリ464は、1または複数の、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット、または不揮発性メモリユニットとして実装されることが可能である。増設メモリ474が提供されてもよく、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインタフェースを備えうる拡張インタフェース472を通じてデバイス450に接続されてもよい。そのような増設メモリ474はデバイス450に余剰の記憶空間を提供することもできるし、デバイス450のためのアプリケーションまたはその他の情報を格納することもできる。具体的には、増設メモリ474は、上述のプロセスを実行または補足する命令を含むことが可能であり、さらに安全な情報(secure information)も含むことができる。したがって、例えば、増設メモリ474は、セキュリティモジュールとしてデバイス450に提供されて、デバイス450の安全な使用を可能にする命令がプログラムされてもよい。さらに、セキュアアプリケーションは、追加情報と同様に、例えば不正侵入不可能な方式でSIMMカードに識別情報を設置するなど、SIMMカードを介して提供されてもよい。
【0092】
下記に議論されるように、メモリは、例えばフラッシュメモリまたはNVRAMメモリのうち少なくともいずれかを含むことができる。1つの実施例では、コンピュータプログラム製品は情報媒体において明確に具体化されうる。該コンピュータプログラム製品は、実行時に上述の方法のような1または複数の方法を実施する命令も包含する。該情報媒体は、コンピュータ可読または機械可読媒体、例えばメモリ464、増設メモリ474、プロセッサ452上のメモリ、または、例えばトランシーバ468もしくは外部インタフェース462を通じて受信可能な伝播される信号である。
【0093】
デバイス450は、必要な場合はデジタル信号処理回路を備え得る通信用インタフェース466を通じて無線通信することができる。通信用インタフェース466は、様々なモードまたはプロトコール、例えば、数ある中でも特に、GSM(登録商標)音声通話、SMS、EMS、もしくはMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000、またはGPRSの下で通信を提供することができる。そのような通信は、例えば、高周波トランシーバ468によって行われてもよい。加えて、近距離通信は、例えばブルートゥース、WiFi、または他のそのようなトランシーバ(図示せず)などを使用して行われてもよい。さらに、GPS(全地球測位システム)レシーバモジュール470は、デバイス450に追加のナビゲーションおよびロケーションに関連する無線データを提供可能であり、該データはデバイス450で作動するアプリケーションによって必要に応じて使用されうる。
【0094】
デバイス450はさらに、ユーザから口頭での情報を受信して該情報を使用可能なデジタル情報に変換することができる音声コーデック460を使用して、音声で通信してもよい。音声コーデック460は、同様に、例えばデバイス450のハンドセット内のスピーカーなどを通じて、ユーザのために可聴音を生成することができる。そのような可聴音は
、声による電話通話からの音を含んでもよいし、記録された音(例えば音声メッセージ、音楽ファイル等)を含んでもよいし、デバイス450において作動するアプリケーションによって生成された音を含むこともできる。
【0095】
図に示されるように、コンピューティングデバイス450は多くの異なる形態にて与えられうる。例えば、該デバイスは携帯電話480としてもよい。さらに、該デバイスは、スマートフォン482、個人用デジタル情報処理端末、または他の同様のモバイルデバイスの一部として実装されてもよい。
【0096】
本明細書に記載されたシステムおよび技法の様々な実施例は、デジタル電子回路、集積回路、特別設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せにおいて実現されうる。これらの様々な実施例は、記憶システムからのデータおよび命令を受信するため、また記憶システムにデータおよび命令を送信するために連結された少なくとも1台のプログラマブルプロセッサ(専用でも汎用でもよい)、少なくとも1つの入力デバイス、ならびに少なくとも1つの出力デバイスを備えたプログラマブルシステムにおいて実行可能であるかまたは解釈可能であるかのうち少なくともいずれかの、1以上のコンピュータプログラム内における実装を含むことができる。
【0097】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られている)は、プログラマブルプロセッサのための機械語命令を含み、高レベル手続き型プログラミング言語もしくはオブジェクト指向プログラミング言語のうち少なくともいずれかにおいて、かつ/またはアセンブリ/機械言語において、実装されうる。本明細書中で使用されるように、用語「機械可読媒体」「コンピュータ可読媒体」とは、例えば機械可読信号としての機械語命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械語命令またはデータのうち少なくともいずれかを提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、またはデバイスのうち少なくともいずれか(例えば磁性ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。用語「機械可読信号」とは、プログラマブルプロセッサに機械語命令またはデータのうち少なくともいずれかを提供するために使用される任意の信号を指す。
【0098】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書中に記載されたシステムおよび技法は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例えばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)を有するコンピュータ、ならびにユーザが該コンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えばマウスまたはトラックボール)において実装されうる。他の種類のデバイスが同様にユーザとの対話を提供するために使用されてもよく;例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってよく;また、ユーザからの入力は、例えば音響入力、発話入力、または接触入力を含む任意の形態で受信されうる。
【0099】
本明細書中に記載されたシステムおよび技法は、バックエンド構成要素を(例えばデータサーバとして)備えているか、またはミドルウェア構成要素(例えばアプリケーションサーバ)を備えているか、またはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザが本明細書中に記載されたシステムおよび技法の実装と対話することが可能なグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を備えているか、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せを備えている、コンピューティングシステムにおいて実装されうる。システムの該構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(例えば通信ネットワーク)
によって相互接続されうる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが挙げられる。
【0100】
コンピューティングシステムはクライアントおよびサーバを含みうる。クライアントおよびサーバは一般に互いに遠く離れており、典型的には通信ネットワークを通じて対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で作動し、かつ相互にクライアント‐サーバの関係を有しているコンピュータプログラムによって生じる。
【0101】
多くの実施形態について説明してきた。しかしながら、本発明の思想および範囲から逸脱することなく様々な変更形態をなしうることが理解されるであろう。例えば、この文書のほとんどは主治医を伴うICUモニタリングに関して説明されてきたが、他の形態の患者モニタリングおよび報告も取り組まれうる。
【0102】
さらに、図面に表された論理の流れは、所望の結果を達成するために、図示された特定の順序、または連続順を必須とはしない。加えて、記載されたフローに他のステップが提供されてもよいし、該フローからステップが削除されてもよく、また、記載されたシステムに他の構成要素が追加されてもよいし、該システムから除去されてもよい。従って、他の実施形態は特許請求の範囲の範囲内にある。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図5
図4