(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979768
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】電気的短絡を最小限にするための二段マイクロアクチュエータフレキシャの特徴
(51)【国際特許分類】
G11B 5/48 20060101AFI20160818BHJP
G11B 5/596 20060101ALI20160818BHJP
H05K 3/32 20060101ALI20160818BHJP
G11B 5/60 20060101ALN20160818BHJP
G11B 21/10 20060101ALN20160818BHJP
G11B 21/21 20060101ALN20160818BHJP
【FI】
G11B5/48 D
G11B5/596
H05K3/32 B
!G11B5/60 P
!G11B21/10 N
!G11B21/21 D
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-10899(P2015-10899)
(22)【出願日】2015年1月23日
(65)【公開番号】特開2015-138572(P2015-138572A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】14/163,845
(32)【優先日】2014年1月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503116280
【氏名又は名称】エイチジーエスティーネザーランドビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 英人
(72)【発明者】
【氏名】上松 義雄
【審査官】
齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−129220(JP,A)
【文献】
米国特許第6965501(US,B1)
【文献】
米国特許第7403357(US,B1)
【文献】
特開2008−34307(JP,A)
【文献】
特開2001−60843(JP,A)
【文献】
特開2010−218626(JP,A)
【文献】
特開2013−211078(JP,A)
【文献】
特開2000−138532(JP,A)
【文献】
米国特許第8085508(US,B2)
【文献】
特開2005−197927(JP,A)
【文献】
米国特許第8593765(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B5/48−5/60
G11B21/10
G11B21/21
H01L41/00−41/47
H05K3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクドライブ用のフレキシャジンバルアセンブリであって、
フレキシャであって、導電性ばね層と、フレキシャトングを備える絶縁層と、を備えるフレキシャと、
導電性接着剤により前記フレキシャトングに結合される1つ以上のピエゾ作動装置を備え、ヘッドスライダを回転させるためのモーメント力を提供するよう構成されるマイクロアクチュエータと、
を備え、
前記フレキシャトングは、前記フレキシャトングの前記絶縁層に形成され、前記フレキシャトングにより全体的に囲まれた間隙を備え、前記間隙は、前記導電性接着剤と前記導電性ばね層との間の接触を妨げるよう位置決めされる、
フレキシャジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記間隙は、前記導電性ばね層と接触する前記導電性接着剤の流動を妨げるよう前記1つ以上のピエゾ作動装置と前記導電性ばね層との間に位置決めされる、
請求項1に記載のフレキシャジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記導電性接着剤は、10パスカル秒(Pa・s)から60パスカル秒(Pa・s)の範囲の粘度を有する接着剤を備える、
請求項1に記載のフレキシャジンバルアセンブリ。
【請求項4】
ハードディスクドライブであって、
スピンドルに回転自在に取り付けられるディスク媒体と、
アクチュエータアームに結合されるサスペンションであって、前記サスペンションはフレキシャジンバルアセンブリを備え、前記フレキシャジンバルアセンブリは、
フレキシャであって、導電性ばね層と、フレキシャトングを備える絶縁層と、を備えるフレキシャと、
導電性接着剤により前記フレキシャトングに結合される1つ以上のピエゾ作動装置を備え、ヘッドスライダを回転させるためのモーメント力を提供するよう構成されるマイクロアクチュエータと、
を備え、
前記フレキシャトングは、前記フレキシャトングの前記絶縁層に形成され、前記フレキシャトングにより全体的に囲まれた間隙を備え、前記間隙は、前記導電性接着剤と前記導電性ばね層との間の接触を妨げるよう位置決めされる、サスペンションと、
前記サスペンションおよび前記ヘッドスライダを移動させて前記ディスク媒体の一部にアクセスするよう構成されるボイスコイルモータと、
を備える、
ハードディスクドライブ。
【請求項5】
前記フレキシャトングの前記間隙は、前記導電性ばね層と接触する前記導電性接着剤の流動を妨げるよう前記1つ以上のピエゾ作動装置と前記導電性ばね層との間に位置決めされる、
請求項4に記載のハードディスクドライブ。
【請求項6】
前記導電性接着剤は、10パスカル秒(Pa・s)から60パスカル秒(Pa・s)の範囲の粘度を有する接着剤を備える、
請求項4に記載のハードディスクドライブ。
【請求項7】
ハードディスクドライブ用のフレキシャジンバルアセンブリを製造する方法であって、
導電性接着剤を用いて、1つ以上のピエゾ作動装置を、導電層と、フレキシャトングを備える絶縁層と、を備えるフレキシャのフレキシャトングに取り付けることを含み、
前記フレキシャトングは、前記フレキシャトングの前記絶縁層に形成され、前記フレキシャトングにより全体的に囲まれた間隙を備え、前記間隙は、前記導電性接着剤と前記導電層との間の接触を妨げるよう位置決めされる、
方法。
【請求項8】
前記取り付けることは、前記1つ以上のピエゾ作動装置を、前記導電層と接触する前記導電性接着剤の流動を妨げるよう前記1つ以上のピエゾ作動装置と前記導電層との間に位置決めされる前記間隙を有する前記フレキシャトングに取り付けることを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記取り付けることは、前記1つ以上のピエゾ作動装置が前記フレキシャトングを越える前記接着剤上で浮動しないよう、かつ、前記接着剤が前記フレキシャトングの下に溢れないよう、10パスカル秒(Pa・s)から60パスカル秒(Pa・s)の範囲の粘度を有する前記導電性接着剤を用いて取り付けることを含む、
請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概して、ハードディスクドライブに関し、より詳細には、二段マイクロアクチュエータフレキシャアセンブリに関連する電気的短絡を最小限にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)は、保護エンクロージャ内に収容され、デジタル的にコード化されたデータを磁気面を有する1つ以上の円形ディスク上に格納する不揮発性記憶装置である。HDDが動作している場合、各磁気記録ディスクはスピンドルシステムによって高速で回転される。データは、アクチュエータによってディスクの特定の位置の上に位置決めされる読み書きヘッドを用いて磁気記録ディスクから読み取られ、そこへ書き込まれる。
【0003】
読み書きヘッドは磁界を用いて、磁気記録ディスクの表面からデータを読み取り、そこへ書き込む。書込みヘッドは、磁界を生成するコイルを流れる電気を利用する。電気パルスが正および負の電流の異なるパターンで書込みヘッドに送られる。書込みヘッドのコイル内の電流は、ヘッドと磁気ディスクとの間の間隙を横切る磁界を誘起し、次いで記録媒体上の小さな領域を磁化する。
【0004】
HDDは、一般にヘッドを収納するスライダとサスペンションとを含む少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ(HGA)を含んでいる。各スライダは、次いでアクチュエータの剛体アームから片持ちするよう突出するサスペンションの自由端に取り付けられる。いくつかの半剛体アームは組み合わされて、リニア軸受または回転枢動軸受システムのいずれかを有する単一の可動ユニットのヘッドスタックアセンブリ(HSA)を形成し得る。従来のディスクドライブのサスペンションは通常、基端部に取付プレートを有する比較的剛性のロードビームを含み、その後アクチュエータアームに取り付けられ、その自由端がスライダとそのヘッドを担持するフレキシャに取り付けられる。フレキシャの仕事は、読み書きヘッドがその配向を調整するためにピッチおよびロール動作できるように、スライダに対するジンバル支持を提供することである。
【0005】
一体型リードサスペンションにおけるフレキシャは一般に、積層される多層材料からできている。通常、それは、支持層(例えば、鋼)、誘電絶縁層(例えば、ポリイミド)、導体層(例えば、銅)、および、導体層を絶縁するカバー層(例えば、ポリイミド)からなる。電気的リード線は導体層にエッチングされる一方で、ポリイミド層は下層の鋼支持層からの絶縁体として機能する。鋼支持層はまた、強度およびジンバル特性をフレキシャに提供するようパターン化されている。ヘッドトランスデューサを読み書き電子部品に電気的に接続するトレースと呼ばれる導電リードは、しばしばサスペンションの両側、特にジンバル領域にルート設定される。通常、トレースはポリイミドの誘電絶縁層およびカバー層と共に銅導体からなるが、支持ステンレス鋼層は無く、電気的機能のみを備える。一次機械的支持機能は、通常トレース近傍を通るフレキシャ脚部(例えば、鋼)によって提供される。
【0006】
面密度(ディスク面の所定領域に格納できる情報ビット量の尺度)を高めることは、ハードディスクドライブ設計の進化の常に存在する至高の目標のうちの1つであり、比較的粗い位置決めを提供する一次ボイスコイルモータ(VCM)アクチュエータに加えて、比較的精細な位置決めによる向上したヘッド位置決めのための二次的およびさらに三次的なアクチュエータの必要な開発および実装につながっている。いくつかのハードディスクドライブは、記録ヘッドの第2段作動を提供して記録トラックに対するヘッドのより精確な位置決めを可能にするようマイクロまたはミリアクチュエータ設計を採用している。ミリアクチュエータは、ばね、ロードビーム、フレキシャ、およびスライダといったサスペンションのフロントエンド全体を移動させるアクチュエータとして広く分類される。マイクロアクチュエータは、ロードビームに対して移動するスライダのみを移動させるか、スライダ本体に対して移動する読み書き素子のみを移動させるアクチュエータとして広く分類される。
【0007】
圧電(PZT)ベースおよび容量型マイクロマシン化トランスデューサは、HDDスライダと共に使用するために提案されている2種類のマイクロアクチュエータである。マイクロアクチュエータは、非常に限られた機械公差と共に、導電性接着剤を用いることによって等、フレキシャ支持構造に機械的および電気的に結合される必要がある。従って、望ましくない電気的短絡は、このマイクロアクチュエータ組立プロセスに関連して生じる可能性がある。さらに、製造歩留まりは通常、基本設計および製造目標であるため、電気的短絡を解消するか、最小限にすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,085,508号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、電気的短絡のリスクを低減するための特徴を有するハードディスクドライブ(HDD)用のフレキシャジンバルアセンブリに向けられる。問題の電気的短絡は、二次作動システムのピエゾ作動装置をヘッドスライダサスペンションの支持フレキシャ部に取り付けるプロセスにおいて生じる可能性があるものである。
【0010】
実施形態において、フレキシャジンバルアセンブリは、導電層と、1つ以上のマイクロアクチュエータピエゾ作動装置が、例えば、導電性接着剤により結合されるフレキシャトングを有する絶縁層とを有するフレキシャを備える。フレキシャトングは、電気的短絡を生じる可能性のある導電性接着剤とフレキシャの導電層との間の接触を妨げるよう位置決めされる間隙、スリット、孔、ボイド等を備える。さらに、実施形態によれば、用いられる導電性接着剤は、接着剤がフレキシャトングの下に溢れることを許容しないで、堅固な浮きの無い接着が達成されるように、10Pa・s〜60Pa・sの範囲の粘度を有する。
【0011】
発明の概要のセクションで検討した実施形態は、本明細書中で検討する実施形態のすべてを提案、説明、または教示することを意味するものではない。従って、本発明の実施形態は、本項で検討したもの以外の追加または異なる特徴を包含することができる。
【0012】
本発明の実施形態を、添付図面の図において例を用いて示すが、限定するものではなく、同様の参照符号は、同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるハードディスクドライブを示す正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態によるヘッドジンバルアセンブリ(HGA)を示す斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、スライダおよびピエゾ作動装置が省略されて示されている、本発明の実施形態によるフレキシャジンバルアセンブリを示す底面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態による、スライダおよびピエゾ作動装置を所定位置に示した、
図3Aのフレキシャジンバルアセンブリを示す底面図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施形態による、スライダおよびピエゾ作動装置を所定位置に示した、
図3Aのフレキシャジンバルアセンブリを示す平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態によるハードディスクドライブ用のフレキシャジンバルアセンブリを製造するためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
電気的短絡のリスクを低減するための特徴を有するハードディスクドライブ(HDD)用のフレキシャジンバルアセンブリに対するアプローチを説明する。以下の説明において、説明する目的のため、多数の具体的な詳細を、本明細書で説明する本発明の実施形態の完全な理解を提供するために説明する。しかしながら、本明細書で説明する本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細が無くとも実施できることは明らかであろう。別の例において、本明細書で説明する本発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および装置をブロック図の形で示す。
【0015】
[本発明の例示的実施形態の具体的説明]
本発明の実施形態は、ハードディスクドライブ(HDD)記憶装置用のマイクロアクチュエータフレキシャジンバルアセンブリにおける電気的短絡のリスクを低減することとの関連の中で使用されてもよい。従って、HDD100を示す平面図を
図1に示す。
図1は、磁気読取り/記録ヘッド110aを含むスライダ110bを含むHDDの構成要素の機能的配置を示している。総称して、スライダ110bおよびヘッド110aをヘッドスライダと称してもよい。HDD100は、ヘッドスライダと、ヘッドスライダに取り付けられるリードサスペンション110cと、リードサスペンション110cに取り付けられるロードビーム110dとを含む少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ(HGA)110を含んでいる。また、HDD100は、スピンドル124に回転自在に取り付けられる少なくとも1つの磁気記録媒体120と、媒体120を回転させるためスピンドル124に取り付けられる駆動モータも含んでいる。ヘッド110aは、HDD100の媒体120に格納される情報をそれぞれ書き込み、読み取るための書込み素子および読取り素子を含んでいる。媒体120または複数のディスクは、ディスククランプ128によりスピンドル124に取り付けられてもよい。
【0016】
HDD100はさらに、HGA110に取り付けられるアーム132と、キャリッジ134と、キャリッジ134に取り付けられるボイスコイル140を含む電機子136を含むボイスコイルモータ(VCM)と、ボイスコイル磁石を含む固定子144とを含んでいる。VCMの電機子136は、キャリッジ134に取り付けられ、アーム132およびHGA110を、ピボット軸受アセンブリ152によってピボット軸148に取り付けられている媒体120のアクセス部へ移動させるよう構成されている。複数のディスクまたはディスクとしてのプラッタを有するHDDを、場合によって当該技術分野で言及する場合、キャリッジ134は「Eブロック」またはコームと呼ばれ、その理由は、キャリッジがくし形の外観を与えるアームの連動配列を担持するよう構成されるためである。
【0017】
ヘッドスライダが結合されるサスペンションフレキシャを含むヘッドジンバルアセンブリ(例えば、HGA110)と、サスペンションが結合されるアクチュエータアーム(例えば、アーム132)と、アクチュエータアームが結合されるアクチュエータ(例えば、VCM)とを備えるアセンブリは、総称してヘッドスタックアセンブリ(HSA)と呼ばれてもよい。しかし、HSAは説明するそれらのものよりも多い、または少ない構成部品を含んでもよい。例えば、HSAは、サスペンションテール等の電気的相互接続部品をさらに含むアセンブリについて言及してもよい。一般に、HSAは、読み書き操作のために、ヘッドスライダを移動させて媒体120(例えば、磁気記録ディスク)の一部にアクセスするよう構成されるアセンブリである。
【0018】
図1をさらに参照すると、本発明の一実施形態に従って、電気信号、例えば、VCMのボイスコイル140への電流、ヘッド110aへの書込み信号およびそこからの読取り信号が、フレキシブル相互接続ケーブル156(「フレックスケーブル」)によって提供される。フレックスケーブル156とヘッド110aとの間の相互接続は、読取り信号用のオンボードプリアンプを有してもよいアーム電子部品(AE)モジュール160、並びに他の読取りチャネルおよび書込みチャネル電子部品によって提供されてもよい。AE160は、図示のようにキャリッジ134に取り付けられてもよい。フレックスケーブル156は、HDDハウジング168によって提供される電気フィードスルーを介する電気通信を提供する電気コネクタブロック164に結合される。HDDハウジングが鋳造されるかどうかにより、鋳造部品とも称されるHDDハウジング168は、HDDカバーと共に、HDD100の情報記憶構成要素のための密閉された保護エンクロージャを提供する。
【0019】
図1をさらに参照して、本発明の一実施形態によれば、ディスクコントローラと、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含むサーボ電子部品とを含む他の電子部品は、電気信号を駆動モータ、VCMのボイスコイル140、およびHGA110のヘッド110aに与える。駆動モータに与えられる電気信号は、駆動モータを回転させてスピンドル124にトルクを与え、次いで、ディスククランプ128によってスピンドル124に取り付けられる媒体120に伝達され、その結果として、媒体120が符号172の方向に回転する。回転する媒体120は、スライダ110bの空気ベアリング面(ABS)が乗る空気ベアリングとして作用する空気のクッションを生じ、その結果、情報が記録される薄い磁気記録媒体と接触することなく、スライダ110bが媒体120の表面の上を浮上する。
【0020】
VCMのボイスコイル140に与えられる電気信号により、HGA110のヘッド110aが、情報が記録されているトラック176にアクセスできる。従って、VCMの電機子136は弧180を通って揺動し、それによって、アーム132によって電機子136に取り付けられるHGA110が媒体120上の種々のトラックにアクセスできる。情報は、媒体120上のセクタ、例えば、セクタ184で編成される複数の積層トラックにおいて媒体120上に格納される。それに応じて、各トラックは、複数のセクタ化トラック部、例えば、セクタ化トラック部188によって構成される。各セクタ化トラック部188は、記録されたデータと、サーボバースト信号パターン、例えば、ABCDサーボバースト信号パターン、トラック176を特定する情報、およびエラー修正コード情報を含むヘッダとによって構成される。トラック176へのアクセスにおいて、HGA110のヘッド110aの読取り素子は、位置エラー信号(PES)をサーボ電子部品に与えるサーボバースト信号パターンを読み取り、VCMのボイスコイル140へ与えられる電気信号を制御して、ヘッド110aがトラック176を追従することを可能にする。トラック176を探し出し、特定のセクタ化トラック部188を特定する時に、外部エージェント、例えば、コンピュータシステムのマイクロプロセッサからディスクコントローラが受信した命令によって、ヘッド110aは、トラック176からデータを読み取るか、トラック176へデータを書き込むかのいずれかを行う。
【0021】
[導入]
本発明の実施形態はHGAマイクロアクチュエータの設計に関連している。例えば、実施形態は、特に、(特許文献1)に記載されているようなフレキシャ一体型マイクロアクチュエータシステムに適用できるが、それに限定されず、その要旨を、完全に本明細書中で述べるものとして、すべての目的に対して引用して組み込む。引用する(特許文献1)に記載のマイクロアクチュエータシステムは、一次VCMアクチュエータの原点から見た場合、フレキシャジンバル内部に載置され、スライダの直近位に位置する2つの圧電(PZT)モータを備える。説明するように、マイクロアクチュエータは、そのすべてが高い位置精度を有する比較的小型で、薄型の部品であるフレキシャ支持構造に機械的および電気的に結合される必要がある。従って、望ましくない電気的短絡は、このマイクロアクチュエータ組立プロセスに関連して生じる可能性がある。さらに、製造歩留まりが、特にハードディスクドライブとの関連において、一般的に基本設計および製造目標であるため、電気的短絡を解消するか、低減することが望まれる。
【0022】
[フレキシャジンバルアセンブリ]
図2は、本発明の実施形態によるヘッドジンバルアセンブリ(HGA)を示す斜視図である。HGA200は、フレキシャ202と、ディンプル206を有するロードビーム204とを備えている。実施形態によれば、フレキシャ202は、絶縁体(または「絶縁」)層202bと結合されるステンレス鋼層202a(本明細書中では、その機能特性のうちの1つにより「ばね層」とも称される)等の複数の組立てられた層を備えている。また、フレキシャ202は(特許文献1)に記載されているような別体の導体層も、必要ではないが、備えることができる。フレキシャ202は、ジンバル206を介してロードビーム204に移動可能に結合され、ディンプル軸210を中心とする回転の自由度を有している。スライダはフレキシャ202のスライダ取付プラットホーム302(
図3A)に結合されているため、スライダは同様にディンプル軸210を中心とする回転の自由度を有している。
【0023】
図3Aは、スライダおよびピエゾ作動装置が省略されて示されている、本発明の実施形態によるフレキシャジンバルアセンブリを示す底面図である。フレキシャジンバルアセンブリ300aは、ステンレス鋼層202aおよび絶縁体層202bを備えるフレキシャ202を備えている。フレキシャジンバルアセンブリ300aはさらに、スライダ取付プラットホーム302と、フレキシャトング310とを備えている。
【0024】
図3Bは、本発明の実施形態による、スライダおよびピエゾ作動装置を所定位置に示した、
図3Aのフレキシャジンバルアセンブリの底面図である。フレキシャアセンブリ300bは、スライダ314(
図1のスライダ110b等)と、ピエゾ作動装置316aと、ピエゾ作動装置316bとが取り付けられた、
図3Aのフレキシャアセンブリ300aの構成部品を備えている。スライダ314およびピエゾ作動装置316a、316bはフレキシャアセンブリ300aの反対側に位置し、ここで、スライダ側が任意に底部側と称され、ピエゾ側が任意に上部側と称される。
【0025】
図3Cは、本発明の実施形態による、スライダ314およびピエゾ作動装置316a、316bを所定位置に示した、
図3Aのフレキシャジンバルアセンブリを示す平面図である。説明したように、フレキシャアセンブリ300bは、スライダ314およびピエゾ作動装置316a、316bが取り付けられた、
図3Aのフレキシャアセンブリ300aの構成部品を備えている。
【0026】
図3Bおよび3Cに示すように、各ピエゾ作動装置316a、316bは、フレキシャトング310の、一端(遠位端)でそれぞれのピエゾヒンジ306aおよびピエゾヒンジ306bに取り付けられ、他端(近位端)でそれぞれの前縁部308aおよび前縁部308bに取り付けられる。マイクロアクチュエータは、ディンプル軸210(
図2)を中心としてスライダ314を選択的に回転させる。1つのピエゾが膨張し、他のピエゾが収縮してスライダ314を対応するモーメント力の下で回転させるように、反対極性の電圧が2つの異なるピエゾ作動装置316aおよび316bに印加される。ピエゾヒンジ306aおよびピエゾヒンジ306bは、2つの異なるピエゾが同時に線形的に伸長し、収縮することを可能にする一方で、スライダ取付プラットホーム302およびスライダ314が回転することを可能にする。
【0027】
[フレキシャジンバルアセンブリにおける電気的短絡の減少]
さらに
図3A〜3Cを参照して、ピエゾ作動装置316a、316bが絶縁体層202bの一部であるフレキシャトング310の前縁部308aおよび前縁部308bに取り付けられることに留意されたい。しかし、絶縁体層202bに近接する前縁部308a、308bの領域は、ステンレス鋼層202aである。この微小で厳しい公差のシナリオにより、かかるマイクロアクチュエータの組立は、(1)ピエゾ作動装置316a、316bをフレキシャトング310に取り付けるために用いられる導電性接着剤等の導電性取付手段と(2)フレキシャジンバルアセンブリ200のステンレス鋼層202aとの間の電気的短絡により、不具合の割合が高くなる傾向がある。
【0028】
従って、実施形態によれば、フレキシャトング310は、各前縁部308aおよび前縁部308b近傍のそれぞれの間隙312aおよび間隙312bと共に作製される。従って、導電性取付手段が適用されて、各ピエゾ作動装置316a、316bをフレキシャトング310のそのそれぞれの前縁部308a、308bに組み立てる場合、各間隙312a、312bは、導電性取付手段と導電性ばね層との間の接触を妨げるように位置決めされる。実施形態によれば、各間隙312a、312bは、導電性接着剤318a、318b(
図3C)と導電性ステンレス鋼層202aとの間の接触を妨げるように位置決めされ、それによって、各間隙312a、312bが、接着剤318a、318bとステンレス鋼層202aとの間の窪みとして効果的に機能する。
【0029】
より詳細に、および実施形態によれば、各間隙312a、312bは、(1)導電性接着剤が塗布されるフレキシャトング310の領域と(2)ステンレス鋼層202aとの間に位置決めされる。間隙312a、312bのかかる位置は、フレキシャトング310とステンレス鋼層202aとの間の細い間隙を横切って、ステンレス鋼層202aと接触する導電性接着剤318a、318bの流れを妨げるよう機能し、それによって、各ピエゾ作動装置316a、316bとステンレス鋼層202aとの間の電気的短絡の可能性を防止するか、大きく減少させる。
【0030】
図4は、本発明の実施形態によるハードディスクドライブ用のフレキシャジンバルアセンブリを製造するためのプロセスを示すフローチャートである。ブロック402において、導電性接着剤を用いて、1つ以上のピエゾ作動装置を、導電層およびフレキシャトングを含む絶縁層を有するフレキシャのフレキシャトングに取り付け、ここで、フレキシャトングは、導電性接着剤とフレキシャの導電層との間の接触を妨げるよう位置決めされる間隙を備えている。例えば、1つ以上のピエゾ作動装置316a、316b(
図3B)を、導電層202a(
図3A)およびフレキシャトング310を含む絶縁層202b(
図3A)を有するフレキシャ202(
図3A)のフレキシャトング310(
図3B)に取り付け、ここで、フレキシャトングは、導電性接着剤318a、318b(
図3C)とフレキシャ202の導電層202aとの間の接触を妨げるよう位置決めされる間隙312a、312b(
図3A〜3C)を備えている。
【0031】
[導電性接着剤の粘度]
異なる動粘度を有する種々の導電性接着剤の研究により、接着剤の粘度が非常に高いと、ピエゾ作動装置はフレキシャトングの上に浮いた状態でフレキシャトングに取り付けられる可能性があり、望ましくない可能性があることがわかった。また、研究により、接着剤の粘度が非常に低いと、接着剤は、場合により間隙312a、312b等の間隙を介してさえも、フレキシャトングの下に溢れる可能性があり、これも、望ましくない可能性があることがわかった。
【0032】
実施形態によれば、導電性接着剤318a、318bは、ピエゾ作動装置316a、316bがフレキシャトング310に流動することも溢れることもないよう、および、接着剤318a、318bがフレキシャトング310の下に溢れないよう、10パスカル秒(Pa・s)から60パスカル秒(Pa・s)の範囲の動粘度を有している。
【0033】
前記の明細書において、本発明の実施形態を、実装毎に変えてもよい多くの特定の詳細を参照して説明した。従って、本発明であり、出願人によって発明であると意図された唯一の、および排他的な指標は、いずれの後続の修正も含むかかる請求項に由来する特定の形態での本出願に由来する一連の請求項である。かかる請求項に包含される用語に対して本明細書で明示的に述べた定義のすべては、請求項内で用いられるようなかかる用語の意味を定める。従って、一請求項において明示的に引用されていない如何なる制限、要素、特性、特徴、利点、または性質も、かかる請求項の適用範囲をどのような方法でも制限しない。従って、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で捉えられるべきである。
【符号の説明】
【0034】
100 ハードディスクドライブ
110、200 ヘッドジンバルアセンブリ
110a 磁気読取り記録ヘッド
110b、314 スライダ
110c リードサスペンション
110d ロードビーム
120 磁気記録媒体
124 スピンドル
128 ディスククランプ
132 アーム
134 キャリッジ
136 電機子
140 ボイスコイル
144 固定子
148 ピボット軸
152 ピボット軸受アセンブリ
156 フレキシブル相互接続ケーブル
160 アーム電子部品モジュール
164 電気コネクタブロック
168 HDDハウジング
176 トラック
180 弧
184 セクタ
188 セクタ化トラック部
202 フレキシャ
202a ステンレス鋼層
202b 絶縁体層
204 ロードビーム
206 ジンバル
210 ディンプル軸
300a フレキシャジンバルアセンブリ
300b フレキシャアセンブリ
302 スライダ取付プラットホーム
306a、306b ピエゾヒンジ
308a、308b 前縁部
310 フレキシャトング
312a、312b 間隙
316a、316b ピエゾ作動装置
318a、318b 導電性接着剤
402 ブロック