特許第5979769号(P5979769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979769腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5979769
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/00 20060101AFI20160818BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   A44C5/00 F
   G04B37/16 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-160897(P2015-160897)
(22)【出願日】2015年8月18日
【審査請求日】2015年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-213272(P2014-213272)
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-33169(P2015-33169)
(32)【優先日】2015年2月23日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514266149
【氏名又は名称】有限会社アビキャン
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】大槻健吾
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3191983(JP,U)
【文献】 特開2003−172787(JP,A)
【文献】 米国特許第2895658(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00
G04B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計本体部と、
前記時計本体部に接続され使用者の腕に巻きつけるための一対のバンド部と、
前記バンド部と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材とを有し、
前記緩衝部材は、帯状の弾性部材と、前記帯状の弾性部材を前記バンド部に接続するための接続部材と、を備えてなる腕時計であって、
前記帯状の弾性部材は、一方が前記接続部材によって前記バンド部に固定される一方、他方は解放されており、前記帯状の弾性部材の他方が折り曲げられて前記帯状の弾性部材はリング状となり、前記接続部材と使用者の腕の間に前記帯状の弾性部材が配置される腕時計。
【請求項2】
前記帯状の弾性部材は四隅近傍又は側部に突起部を備えたものであり、
前記突起部は、前記帯状の弾性部材が折り曲げられた場合に一方の面側に突出するよう配置されている請求項1記載の腕時計。
【請求項3】
時計本体部と、
前記時計本体部に接続され使用者の腕に巻きつけるための一対のバンド部と、
前記バンド部と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材とを有し、
前記緩衝部材は、リング状に接続した帯状の弾性部材と、前記帯状の弾性部材を前記バンド部に接続するための接続部材と、を備えており、前記接続部材と使用者の腕の間に前記帯状の弾性部材が配置されている腕時計。
【請求項4】
四隅近傍又は側部に突起部を備えた帯状の弾性部材と、
時計本体部に接続され使用者の腕に巻きつけるためのバンド部に前記帯状の弾性部材を接続するための接続部材と、を備えた腕時計用固定補助具であって、
前記帯状の弾性部材には、折り曲げられた場合において、一方の面側に突出するよう前記突起部が配置されている腕時計用固定補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計は、使用者の腕にバンドによって装着することでいつでも時刻を知ることのできる日常生活において非常に有用な装置である。
【0003】
また近年の人々の健康意識の高まりから、ランニング人口は増加傾向にあり、ランナーは、ランニングの際、自分がどの程度の時間走っているのかに関し、腕時計によって計測するのが一般的である。
【0004】
ところで、腕時計は、一般に、前腕の手の甲と同じ側(以下「表側」という。)に時計本体部(時刻を表示する部材)を配置することとなるため、ランナーはランニングの際、腕を捻って時刻を確認しなければならず、その手間が煩わしく感じるといった課題がある。そのため、前腕の側部(ランナーの顔に近い側)に安定的に配置することができればこの手間を解消することができる。
【0005】
前腕の側部に時計本体部の表示面を配置しようとする技術が、例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−172787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の技術について検討を行ったところ、ランニングは上下及び腕の振り等非常に激しい運動であり、バンド部及びその接続部材の位置を調整しただけではランニング中に時計本体部がずれてしまうといった課題があることに想到した。さらに、上記特許文献1の技術は時計の構造に特殊な形状を採用するため、既に購入した一般的構造の腕時計に適用することを前提としていないといった課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、既存の腕時計に適用可能であり、ランニングの際であってもずれる虞の少ない腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る腕時計用固定補助具は、内側曲面、この内側曲面の一方の端辺に一方の端辺が接続される平坦面、この平坦面の他方の端辺及びこの内側曲面の他方の端辺に接続される外側曲面、を備え、この内側曲面で使用者の前腕表側及び裏側を覆う一対の緩衝部材を備えてなることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決する他の一観点に係る腕時計は、時計本体部と、この時計本体部に接続され使用者の腕に巻きつけるためのバンド部と、このバンド部と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材とを有し、この緩衝部材は、内側曲面、前記内側曲面の一方の端辺に一方の端辺が接続される平坦面、前記平坦面の他方の端辺び前記内側曲面の他方の端辺に接続される外側曲面、を備え、前記内側曲面で使用者の前腕表側及び裏側を覆うものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上本発明によって、既存の腕時計に適用可能であり、ランニングの際であってもずれる虞の少ない腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る腕時計用固定補助具の概略を示す図である。
図2】実施形態に係る腕時計用固定補助具を用いた腕時計の概略を示す図である。
図3】実施形態に係る腕時計用固定補助具の形状を説明する図である。
図4】実施形態に係る腕時計用固定補助具の接続の関係を示す図である。
図5】実施形態に係る腕時計用固定補助具の他の一例を示す図である。
図6】他の実施形態に係る腕時計用固定補助具の概略を示す図である。
図7】他の実施形態に係る腕時計用固定補助具を用いた腕時計の概略を示す図である。
図8】他の実施形態に係る腕時計用固定補助具の概略を示す図である。
図9】他の実施形態に係る腕時計用固定補助具の概略を示す図である。
図10】他の実施形態に係る腕時計用固定補助具の一部の概略を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る腕時計用固定補助具(以下「本補助具」という。)及びこれを用いた腕時計(以下「本腕時計」という。)について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の例示にのみ限定されるわけではない。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本補助具1の概略を示す図である。本補助具は、本図で示すように、内側曲面111、この内側曲面の一方の端辺1111に一方の端辺1121が接続される平坦面112、平坦面112の他方の端辺1122及び内側曲面111の他方の端辺1112に接続される外側曲面113、を備え、この内側曲面111で使用者の前腕表側及び裏側を覆う一対の緩衝部材11を備えている。また、本補助具1には、接続される腕時計の一対のバンドのそれぞれに対して固定するための第一の固定部材12を備えている。
【0015】
図2は、本補助具を利用して使用者が自身の腕に腕時計を装着した場合の概略図を示す。具体的に説明すると、本腕時計2は、時計本体部21と、時計本体部21に接続され使用者の腕に巻きつけるためのバンド部22と、バンド部22と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材11とを有する。またバンド部22は、改めて後述するが一対のバンド221、222とこれらを接続するための接続部材223を備えている。また、本実施形態において、緩衝部材11のそれぞれの内側曲面は、使用者の前腕の表側又は裏側に当たり、それぞれ十分な範囲を覆うよう配置されている。
【0016】
本実施形態において、緩衝部材11は、上記の記載から明らかなように、バンド部22と使用者の前腕との間に配置されるものであって、バンド部22と使用者の前腕とが摺れてしまわないよう衝撃を緩和する部材となっているとともに、時計本体部21を前腕の側部に安定的に配置できるよう、それぞれ平坦面112を備えている。なお一対の緩衝部材11は理想的には一対の平坦面112それぞれで時計本体部の裏面を支える(腕時計の本体裏面に設置される)構成となっている。
【0017】
また、本実施形態に係る緩衝部材11は一対となっており、これら各々を前腕に装着することで、前腕を十分に覆うことができる一方、前腕全てを厚く覆ってしまうことで腕周りが長くなってしまうのを防止することができる。また、接続される腕時計の一対のバンドのそれぞれに対して固定するための第一の固定部材12を備えることで、ランナーは腕時計を装着する手間を一度で行うことができるようになるといった利点がある。
【0018】
このため、本実施形態に係る緩衝部材11は、一の観点によると、たとえば図3で示しているように、平坦面の垂直方向における長さが、前記平坦面の平行方向における長さよりも長く、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上となっている。このようにすることで、前腕を十分におおう寸法となる。
【0019】
また本実施形態に係る緩衝部材11は、他の観点によると、例えば図3で示しているように、平坦面側から内側曲面の接線の変化量が90度以上あることが好ましい。このようにすることで、前腕を十分におおう孤を形成することができる。また、この結果、内側曲面の接線が、平坦面の垂線に対し平行な部分を有するともいえる。また、この結果、内側局面の両端部における接線同士のなす角が90度以上あり、少なくとも一方は180度以上であることが好ましい。
【0020】
また本実施形態に係る緩衝部材11の内側曲面は、中央近傍より端辺近傍の曲率が大きいことが好ましい。一般に人間の前腕の断面は、表側及び裏側は平坦に近く、側部に近づくに従い丸みを帯びる形状となっているものであり、このような形状を取ることでより安定的に使用者の前腕に配置させることができる。すなわち緩衝部材の内側曲面は、中央近傍において使用者の腕甲部に合わせた曲面を備えたものであることが好ましい。
【0021】
また本実施形態において、一対の緩衝部材11は、上記のように、使用者の前腕の表側及び裏側を十分に覆うよう長く構成されている。特に、緩衝部材11の一方は、バンド部22に備えられる一対のバンド221、222同士を接続する接続部材223の内側に配置されている。接続部材223は一般に金属、硬質なプラスチック等で構成されており、ランニングのような激しい運動では腕との接触で皮膚が傷つく等の虞がある。そこで、この接続部材223と前腕との間に緩衝部材11を延伸して配置することで前腕と接続部材223とが摺れてしまう虞を少なくすることができる。
【0022】
特に、本補助具1では、接続される腕時計の一対のバンドのそれぞれに対して固定するための第一の固定部材12を備えており、緩衝部材11の一方は、接続部材223を備えた側の一方のバンドに固定された場合において、接続部材よりも内側に配置される長さを備えていることが好ましい。また、第一の固定部材は中央の一近傍でバンドと固定されるため、接続部材近傍では遊びが生じており、他方のバンドと固定される際に邪魔をする虞は少ない。また、金具があたることによる痛みや不快感を軽減することができる。
【0023】
一方で、本補助具1では、緩衝部材11の長さに違いがあることが好ましい。接続部材223に接続される側は、接続部材223よりも前腕側に緩衝部材11が配置されるよう長くなるとともに、他方は、この緩衝部材223よりも短くすることで重なり合わないようにすることが可能となる。
【0024】
ここで、本実施形態における第一の固定部材12は、上記のとおり、バンドと緩衝部材11を固定するための部材であり、限定されるわけではないが、例えば細い帯状の面ファスナー等を採用することができるがこれに限定されない。
【0025】
また本実施形態において、緩衝部材11の材質は、特に限定されることなく様々なものを用いることができるが、エラストマー等であれば、弾性があり腕を動かしたとしても、使用者の腕と擦れて傷つけてしまう虞を少なくすることができる。なおエラストマーとしては、例えばポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素樹脂等を例示することができるがこれに限定されない。
【0026】
また本実施形態において、緩衝部材11は、幅の厚さが1cm以上4cm以下の厚みを有するものであることが好ましい。一般的な時計のバンドは1cm〜2cm程度のものであるのが多く、この範囲とすることで、バンドが緩衝部材11からはみ出してしまうことによるずれを防止することができるといった利点がある。
【0027】
以上本実施形態によって、既存の腕時計に適用可能であり、ランニングの際であってもずれる虞の少ない腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計を提供することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、一対の緩衝部材が完全に分離した状態となっているが、緩衝部材同士を固定する第二の固定部材24を備える構成も可能ではある。この場合のイメージ図を図4に示しておく。このようにしておくことで、腕時計を装着する際に一度手間が増えるが、より安定的に腕時計用固定補助具を装着させることができる。この第二の固定部材は、上記第一の固定部材と同様の構成を採用することができるがこれに限定されない。
【0029】
また、上記の例では、一対の緩衝部材それぞれが一体のものとして構成されているが、それぞれの緩衝部材が更に、複数の緩衝部材から構成されていてもよい。このようにすることで、使用者は必要に応じて厚さを調整することができるようになる。この場合の例を図5に示しておく。そしてさらに、複数の緩衝部材のうちの一つには、貫通孔が設けられており、この貫通孔に面ファスナーなどの接続部を有する帯状部材を通すことで一体として固定することができる。
【0030】
(実施形態2)
本実施形態では、ほぼ上記実施形態1と同様であるが、一対の緩衝部31が中央の連結部32を介して連結されていることを特徴とする。すなわち、本実施形態に係る腕時計用固定補助具1は、一対の緩衝部31と、この一対の緩衝部31を連結する連結部32とが一体に形成されていることを特徴とする。この図を図6、7に示しておく。
【0031】
本実施形態において、緩衝部31の構造としては、ほぼ上記実施形態1と同様の構造、寸法を採用することができる。
【0032】
本実施形態において、連結部32は、上記緩衝部31の構造と同様である。また連結部32は、上面及びその反対である下面に平坦面を有しており、上面は腕時計の本体裏面に、下面は使用者の腕甲部に当たる構成となっている。連結部32の厚さとしては適宜調整可能であるが、1mm以上2cm以下であることが好ましく、より好ましくは1cm以下である。本実施形態では、腕時計用固定補助具による腕を覆う全体の厚さが厚くなってしまうことになるが、連結部32によって一対の緩衝部21をより安定的に固定することが可能となるとともに、腕時計と使用者の腕甲部との接触を防ぐことも可能となり、腕に対する不快感を軽減することができるといった効果がある。
【0033】
(実施形態3)
図8は、本実施形態の腕時計用補助具を利用して使用者が自身の腕に腕時計を装着した腕時計を示す概略図である。腕時計部分についての基本的な構造については上記実施形態と同様であるが、緩衝部材11の形態が異なる。具体的に説明すると、本腕時計2は、時計本体部21と、時計本体部21に接続され使用者の腕に巻きつけるためのバンド部22と、バンド部22と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材11とを有する。またバンド部22は、一対のバンド221、222とこれらを接続するための接続部材223を備えている。また、本実施形態において、緩衝部材11は、使用者の前腕の表側又は裏側に当たり、それぞれ十分な範囲を覆うよう配置されている。
【0034】
本実施形態において、緩衝部材11は、上記の記載から明らかなように、バンド部22と使用者の前腕との間に配置されるものであって、バンド部22と使用者の前腕とが摺れてしまわないよう衝撃を緩和する部材となっているとともに、時計本体部21を前腕の側部に安定的に配置できるよう、薄い帯状の弾性部材をリング状に巻いたものとなっている。このようにしておくことで、前腕の側部に安定的に配置できるとともに、弾性部材の輪の変形によって運動中における衝撃を緩衝して受け止めることができる。
【0035】
本実施形態において弾性部材の材質としては特に限定されるわけではないが、ゴム又は弾性を備えたプラスチックであることは好ましい一例である。
【0036】
また本実施形態において緩衝部材11は、上図で示すように帯状部材の端部同士を接続してリング状態としておいてもよいが、図9で示すように、一つの帯状部材を腕時計に装着する際にリング状に折り曲げたものとしてもよい。予めリング状に接続したものである場合は装着する際あえてリング状に巻く作業が必要なくなるといった利点がある一方、帯状部材としてリング状に折り曲げることで、腕時計のバンド部と使用者の前腕部の隙間に合わせて設置を調節することができるといった利点がある。なおこの場合において、帯状部材の一方はバンド部に固定される一方、他方は解放されていることが好ましい。このようにすることで前腕部とバンド部との間の隙間を少なくし、より安定的に前腕部とバンド部を密着させることができるようになる。
【0037】
なお、帯状部材とする場合、その四隅近傍好ましくは側部に突起部を備えていることが好ましく、その突起部は帯状部材の一方の面側に突出するよう配置されていることが好ましい。この場合の概略を図10に示しておく。このようにすることで、帯状部材を折り曲げようとする際、この突起部がガイドとなり、横ずれを防止することができる。そしてさらに、一方の端部の突起部を帯状部材の厚さより厚いものとすることで腕時計のガイド部にもかみ合わせることが可能となり、その横ずれを防止することができるといった利点がある。
【0038】
なお、本実施形態に係る緩衝部材11は上記実施形態の例と同様一対となっており、これら各々を前腕に装着することで、前腕を十分に覆うことができる一方、前腕全てを厚く覆ってしまうことで腕周りが長くなってしまうのを防止することができる。また、接続される腕時計の一対のバンドのそれぞれに対して固定するための第一の固定部材12を備えることで、ランナーは腕時計を装着する手間を一度で行うことができるようになるといった利点がある。
【0039】
なお、本実施形態では、説明のため、一対の緩衝部材を帯状部材をリング状にしたものを用いて説明しているが、一方を、上記実施形態1又は2の緩衝部材とすることが可能である。また、少なくとも一方の緩衝部材において図8及び図9で示したものの組み合わせとすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、腕時計用固定補助具及び腕時計として産業上の利用可能性がある。

【要約】
【課題】既存の腕時計に適用可能であり、ランニングの際であってもずれる虞の少ない腕時計用固定補助具及びこれを備えた腕時計を提供する。
【解決手段】
本発明の一観点に係る腕時計用固定補助具は、内側曲面、内側曲面の一方の端辺に一方の端辺が接続される平坦面、平坦面の他方の端辺及び内側曲面の他方の端辺に接続される外側曲面、を備え、内側曲面で使用者の前腕表側及び裏側を覆う一対の緩衝部材を備えてなる。また、本発明の他の一観点に係る腕時計は、時計本体部と、時計本体部に接続され使用者の腕に巻きつけるためのバンド部と、バンド部と使用者の腕の間に配置される一対の緩衝部材とを有し、緩衝部材は、内側曲面、内側曲面の一方の端辺に一方の端辺が接続される平坦面、平坦面の他方の端辺及び内側曲面の他方の端辺に接続される外側曲面、を備え、内側曲面で使用者の前腕表側及び裏側を覆うものである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10