(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979813
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】送信装置および送受信システム
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20160818BHJP
H03F 3/34 20060101ALI20160818BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20160818BHJP
H04N 7/173 20110101ALI20160818BHJP
【FI】
H04L25/02 V
H04L25/02 W
H03F3/34 C
H03F3/45 Z
H04N7/173 630
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-241947(P2010-241947)
(22)【出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2012-95185(P2012-95185A)
(43)【公開日】2012年5月17日
【審査請求日】2013年9月25日
【審判番号】不服2015-9981(P2015-9981/J1)
【審判請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(74)【代理人】
【識別番号】100139000
【弁理士】
【氏名又は名称】城戸 博兒
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
【合議体】
【審判長】
大塚 良平
【審判官】
萩原 義則
【審判官】
中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−66860(JP,A)
【文献】
特開2008−227696(JP,A)
【文献】
特開2005−303830(JP,A)
【文献】
特開2006−174066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L25/02
H04N7/173
H03F3/45
H03F3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動信号線を介して接続された受信装置の終端抵抗器を負荷とする差動信号を前記差動信号線へ送出する送信装置であって、
前記差動信号線のうちの一方の信号線に接続される第1出力端と共通ノードとの間に設けられた第1トランジスタと、
前記差動信号線のうちの他方の信号線に接続される第2出力端と前記共通ノードとの間に設けられ、前記第1トランジスタとともに差動対を構成する第2トランジスタと、
基準電圧が入力される基準電圧入力端と前記共通ノードとの間に設けられた電流源と、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのうちの一方がオン状態で他方がオフ状態であるときの前記第1出力端および前記第2出力端それぞれからの出力電圧値の差(以下「対象電圧」という。)を参照電圧に基づいて評価し、その評価結果のみに基づいて、前記対象電圧が前記参照電圧に対応する目標値または目標範囲内となるように前記電流源の出力電流値を調整する電流調整部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記参照電圧を発生し該参照電圧を前記電流調整部に与える参照電圧発生部を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記電流調整部が、前記対象電圧を一定比率で降圧して得られた電圧を前記参照電圧と大小比較し、その比較結果に基づいて、前記対象電圧が所定値または所定範囲内となるように前記電流源の出力電流値を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記電流調整部が、前記受信装置との通信の開始に先立って前記電流源の出力電流値を調整し、その調整の後には前記電流源の出力電流値を固定する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記電流調整部が、複数の参照電圧から選択される何れかの参照電圧に基づいて前記対象電圧を評価し、その評価結果に基づいて、前記対象電圧が選択された参照電圧に対応する目標値または目標範囲内となるように前記電流源の出力電流値を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
差動信号を差動信号線へ送出する請求項1〜5の何れか1項に記載の送信装置と、
前記差動信号線を介して前記送信装置と接続され、前記差動信号線の負荷として終端抵抗器を有する受信装置と、
を備えることを特徴とする送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置および送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
HDMI(high definition multimedia interface)規格に拠る送受信システムは、送信装置から受信装置へ映像信号や音声信号を高速に送信することができ、デジタル機器等に採用されている。また、HDMI規格に拠り送信装置から受信装置へ信号を送信する際の物理層仕様としてTMDS(transition minimized differential signaling)方式が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
TMDS方式に拠る送受信システムでは、送信装置の第1出力端および第2出力端と受信装置の第1入力端および第2入力端とが差動信号線を介して互いに接続される。受信装置は、第1入力端と基準電圧入力端との間に設けられた第1終端抵抗器と、第2入力端と基準電圧入力端との間に設けられた第2終端抵抗器とを備える。また、送信装置は、第1出力端と共通ノードとの間に設けられた第1トランジスタと、第2出力端と共通ノードとの間に設けられた第2トランジスタと、共通ノードと基準電圧入力端との間に設けられた電流源とを備える。この送信装置は、受信装置の第1終端抵抗器および第2終端抵抗器を負荷とする差動信号を、第1出力端および第2出力端から差動信号線へ送出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような受信装置の終端抵抗器を負荷とする差動信号を送信装置から受信装置へ送信する送受信システムでは、送信される差動信号の振幅は、終端抵抗器の抵抗値および電流源の出力電流値に依存する。受信装置によって終端抵抗器の抵抗値が異なっていたり、送信装置の電流源の出力電流値がばらついていたりすると、送信される差動信号の振幅が要求仕様を満たすことができない場合があり、或いは、要求仕様を満たすために回路の規模が大きくなってしまう。また、差動信号の振幅が大きいとEMIノイズが発生し易くなり、逆に差動信号の振幅が小さいと通信エラーが発生し易くなる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、受信装置の終端抵抗器の抵抗値がばらついている場合であっても安定した通信を行うことができる送信装置および送受信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の送信装置は、差動信号線を介して接続された受信装置の終端抵抗器を負荷とする差動信号を差動信号線へ送出する送信装置であって、(1) 差動信号線のうちの一方の信号線に接続される第1出力端と共通ノードとの間に設けられた第1トランジスタと、(2) 差動信号線のうちの他方の信号線に接続される第2出力端と共通ノードとの間に設けられ、第1トランジスタとともに差動対を構成する第2トランジスタと、(3) 基準電圧が入力される基準電圧入力端と共通ノードとの間に設けられた電流源と、(4) 第1トランジスタおよび第2トランジスタのうちの一方がオン状態で他方がオフ状態であるときの第1出力端および第2出力端それぞれからの出力電圧値の差(以下「対象電圧」という。)を参照電圧に基づいて評価し、その評価結果のみに基づいて、対象電圧が
参照電圧に対応する目標値または目標範囲内となるように電流源の出力電流値を調整する電流調整部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の送信装置は、参照電圧を発生し該参照電圧を電流調整部に与える参照電圧発生部を更に備えるのが好適である。本発明の送信装置では、電流調整部は、対象電圧を一定比率で降圧して得られた電圧を参照電圧と大小比較し、その比較結果に基づいて、対象電圧が所定値または所定範囲内となるように電流源の出力電流値を調整するのが好適である。電流調整部は、受信装置との通信の開始に先立って電流源の出力電流値を調整し、その調整の後には電流源の出力電流値を固定するのが好適である。また、電流調整部は、複数の参照電圧から選択される何れかの参照電圧に基づいて対象電圧を評価し、その評価結果に基づいて、対象電圧が選択された参照電圧に対応する目標値または目標範囲内となるように電流源の出力電流値を調整するのが好適である。
【0009】
本発明の送受信システムは、(1) 差動信号を差動信号線へ送出する上記の本発明の送信装置と、(2) 差動信号線を介して送信装置と接続され、差動信号線の負荷として終端抵抗器を有する受信装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信装置の終端抵抗器の抵抗値がばらついている場合であっても、安定した通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1実施形態の送信装置10Aの構成を示す図である。
【
図5】第2実施形態の送信装置10Bの構成を示す図である。
【
図6】第3実施形態の送信装置10Cの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、送受信システム1の構成を示す図である。この図に示される送受信システム1は、差動信号線30により電気的に互いに接続されている送信装置10および受信装置20を備える。差動信号線30は第1信号線31および第2信号線32を含む。第1信号線31および第2信号線32それぞれは、接地電位に接続されるシールド線で覆われている。
【0014】
送信装置10は、第1信号線31に接続される第1出力端10a、および、第2信号線32に接続される第2出力端10bを有し、また、内部に共通ノード10cを有する。送信装置10は、第1トランジスタ11、第2トランジスタ12、電流源13および送信回路14を備える。
【0015】
第1トランジスタ11および第2トランジスタ12それぞれはNMOSトランジスタである。第1トランジスタ11は第1出力端10aと共通ノード10cとの間に設けられている。第1トランジスタ11のドレイン端子は第1出力端10aに接続され、第1トランジスタ11のソース端子は共通ノード10cに接続されている。第2トランジスタ12は第2出力端10bと共通ノード10cとの間に設けられている。第2トランジスタ12のドレイン端子は第2出力端10bに接続され、第2トランジスタ12のソース端子は共通ノード10cに接続されている。第1トランジスタ11および第2トランジスタ12は差動対を構成している。
【0016】
電流源13は、基準電圧(接地電位)が入力される基準電圧入力端と共通ノード10cとの間に設けられている。送信回路14は、送信すべき差動電圧信号を第1トランジスタ11および第2トランジスタ12それぞれのゲート端子に与える。
【0017】
受信装置20は、第1信号線31に接続される第1入力端20a、および、第2信号線32に接続される第2入力端20bを有する。また、受信装置20は、第1終端抵抗器21、第2終端抵抗器22および受信回路24を備える。
【0018】
第1終端抵抗器21は、基準電圧(電源電位)が入力される基準電圧入力端と第1入力端20aとの間に設けられている。第2終端抵抗器22は、基準電圧(電源電位)が入力される基準電圧入力端と第2入力端20bとの間に設けられている。受信回路24は、第1入力端20aおよび第2入力端20bそれぞれの電圧を差動入力して、送信回路10から出力され差動信号線30を経て送られて来た差動信号を受信する。
【0019】
このように構成される送受信システム1において、送信装置10は、差動信号線30を介して接続された受信装置20の終端抵抗器21,22を負荷とする差動信号を、出力端10a,10bから差動信号線30へ送出する。受信装置20は、送信装置10から差動信号線30を経て入力端20a,20bに到達する差動信号を受信する。
【0020】
送信装置10の電流源13の出力電流値をIとし、受信装置20の終端抵抗器21,22それぞれの一端に入力される基準電圧(電源電位)をV
DDとし、受信装置20の終端抵抗器21,22それぞれの抵抗値をRとすると、受信装置20の第1入力端20aおよび第2入力端20bそれぞれに到達する信号のレベルは V
DDまたは V
DD−RIとなる。すなわち、送信装置10から受信装置20へ送信される差動信号の振幅は、終端抵抗器21,22の抵抗値Rおよび電流源13の出力電流値Iに依存する。
【0021】
受信装置20によって終端抵抗器21,22の抵抗値Rが異なっていたり、送信装置10の電流源13の出力電流値Iがばらついていたりすると、送信される差動信号の振幅が要求仕様を満たすことができない場合があり、或いは、要求仕様を満たすために回路の規模が大きくなってしまう。また、差動信号の振幅が大きいとEMIノイズが発生し易くなり、逆に差動信号の振幅が小さいと通信エラーが発生し易くなる。以下に説明する本実施形態の送信装置10A〜10Cは、このような問題点の解消を図るものであって、
図1に示された送受信システム1において送信装置10に替えて用いられる。
【0022】
図2は、第1実施形態の送信装置10Aの構成を示す図である。この
図2に示される第1実施形態の送信装置10Aは、
図1中の送信装置10の構成に加えて、参照電圧入力端10d,差演算部15および電流調整部16を更に備えている。参照電圧入力端10dは、外部から供給される一定の参照電圧を入力する。
【0023】
差演算部15は、第1トランジスタ11および第2トランジスタ12のうちの一方がオン状態で他方がオフ状態であるときの第1出力端10aおよび第2出力端10bそれぞれからの出力電圧値を入力して、これら2つの出力電圧値の差(対象電圧)を求める。この対象電圧は、受信装置20の第1入力端20aおよび第2入力端20bそれぞれに到達する信号のレベルの差に相当する。
【0024】
電流調整部16は、差演算部15により求められた対象電圧を入力するとともに、参照電圧入力端10dに入力された参照電圧を入力して、参照電圧に基づいて対象電圧を評価し、その評価結果に基づいて、対象電圧が目標値または目標範囲内となるように電流源13の出力電流値を調整する。このとき、参照電圧が対象電圧の目標値に等しく設定されていれば、電流調整部16は、対象電圧と参照電圧とを大小比較して、対象電圧が参照電圧(すなわち、対象電圧の目標値)となるように電流源13の出力電流値を調整する。
【0025】
図3は、差演算部15の回路構成例を示す図である。この図に示される差演算部15は、入力端15a,15bおよび出力端15cを有し、差動アンプ60および抵抗器61〜64を含む。入力端15aは第1出力端10aに接続されている。入力端15bは第2出力端10bに接続されている。出力端15cは電流調整部16の一方の入力端に接続されている。差動アンプ60の一方の入力端は、抵抗器61を介して入力端15aに接続され、抵抗器62を介して接地端に接続されている。差動アンプ60の他方の入力端は、抵抗器63を介して入力端15bに接続され、抵抗器64を介して差動アンプ60の出力端に接続されている。差動アンプ60の出力端は、出力端15cに接続されている。この差演算部15は、抵抗器61〜64それぞれの抵抗値が同一である場合、入力端15a,15bそれぞれに入力される電圧の差を表す電圧を出力端15cから出力することができる。
【0026】
図4は、電流源13の回路構成例を示す図である。この図に示される電流源13は、定電流源41〜44およびスイッチ51〜54を含む。互いに直列的に接続された電流源41およびスイッチ51、互いに直列的に接続された電流源42およびスイッチ52、互いに直列的に接続された電流源43およびスイッチ53、ならびに、互いに直列的に接続された電流源44およびスイッチ54は、互いに並列的に設けられている。スイッチ51〜54それぞれの開閉は、電流調整部16により制御される。スイッチ51〜54のうち閉じているスイッチに対応する定電流源から供給される電流の和が、電流源13の出力電流となる。すなわち、電流源13は、スイッチ51〜54それぞれの開閉状態に応じた電流を出力することができる。
【0027】
送信装置10Aにおける差演算部15および電流調整部16による電流源13の出力電流値の調整は、送信装置10Aと受信装置20との間の通信の開始に先立って行われればよい。この調整の後には電流源13の出力電流値は固定される。
【0028】
このようにして電流源13の出力電流値が調整されることにより、受信装置20によって終端抵抗器21,22の抵抗値Rが異なっていても、送信される差動信号の振幅が要求仕様を満たすことが可能となる。しかも、その為に送信装置10Aに付加される回路の規模は小さい。そして、差動信号の振幅が大きいことに因るEMIノイズの発生が抑制され、また、差動信号の振幅が小さいことに因る通信エラーの発生が抑制されて、安定した通信が可能となる。
【0029】
図5は、第2実施形態の送信装置10Bの構成を示す図である。この
図5に示される第2実施形態の送信装置10Bは、
図2に示された第2実施形態の送信装置10Aの構成に加えて、参照電圧発生部17を更に備えている。参照電圧発生部17は、一定の参照電圧を発生し該参照電圧を電流調整部16に与える。
【0030】
参照電圧発生部17は、バンドギャップリファレンス回路を含んで構成されるのが好適である。この場合には、参照電圧発生部17は、供給される電源電圧の値の変動や温度の変動があっても、値の変動が小さい参照電圧を出力することができる。
【0031】
また、参照電圧発生部17は、複数の参照電圧から選択される何れかの参照電圧を電流調整部16に与えるのも好適である。このとき、電流調整部16は、参照電圧発生部17により選択されて与えられた参照電圧に基づいて対象電圧を評価し、その評価結果に基づいて、対象電圧が該参照電圧に対応する目標値または目標範囲内となるように電流源13の出力電流値を調整する。
【0032】
この第2実施形態の送信装置10Bは、第1実施形態の送信装置10Aと同様に動作し同様の効果を奏する。第2実施形態の送信装置10Bは、参照電圧発生部17がバンドギャップリファレンス回路を含んで構成される場合には、より安定した動作をすることができる。
【0033】
図6は、第3実施形態の送信装置10Cの構成を示す図である。この
図6に示される第3実施形態の送信装置10Cは、
図5に示された第2実施形態の送信装置10Bの構成に加えて、抵抗器71〜74を更に備えている。
【0034】
抵抗器71と抵抗器72とは互いに直列的に接続されていて、抵抗器71の一端は第1出力端10aに接続され、抵抗器72の一端は接地端に接続されている。抵抗器73と抵抗器74とは互いに直列的に接続されていて、抵抗器73の一端は第2出力端10bに接続され、抵抗器74の一端は接地端に接続されている。
【0035】
抵抗器71と抵抗器72との接続点の電圧は、抵抗器71の抵抗値R
71と抵抗器72の抵抗値R
72との比(R
72/(R
71+R
72))に応じて第1出力端10aの電圧を降圧した電圧となる。抵抗器73と抵抗器74との接続点の電圧は、抵抗器73の抵抗値R
73と抵抗器74の抵抗値R
74との比(R
74/(R
73+R
74))に応じて第2出力端10bの電圧を降圧した電圧となる。比(R
72/(R
71+R
72))と比(R
74/(R
73+R
74))とは、互いに等しい。
【0036】
差演算部15は、抵抗器71と抵抗器72との接続点の電圧を入力するとともに、抵抗器73と抵抗器74との接続点の電圧を入力して、これら2つの電圧値の差を求める。すなわち、差演算部15は、対象電圧を一定比率で降圧して得られた電圧を求めることができる。電流調整部16は、対象電圧を一定比率で降圧して得られた電圧を参照電圧と大小比較し、その比較結果に基づいて、対象電圧が所定値または所定範囲内となるように電流源13の出力電流値を調整する。
【0037】
この第3実施形態の送信装置10Cは、第2実施形態の送信装置10Bと同様に動作し同様の効果を奏する。第3実施形態では、例えば、受信装置20の終端抵抗器21,22それぞれの一端に入力される基準電圧(電源電位)V
DDが3.3Vであるのに対して、送信装置10Cが電源電圧1.8Vで駆動される場合に、送信装置10Cにおいて、対象電圧を降圧して得られた電圧を参照電圧と比較することで、単一の電源電圧1.8の電源を用いるだけでよい。
【符号の説明】
【0038】
1…送受信システム、10,10A〜10C…送信装置、10a…第1出力端、10b…第2出力端、10c…共通ノード、11…第1トランジスタ、12…第2トランジスタ、13…電流源、14…送信回路、15…差演算部、16…電流調整部、17…参照電圧発生部、20…受信装置、20a…第1入力端、20b…第2入力端、21…第1終端抵抗器、22…第2終端抵抗器、24…受信回路、30…差動信号線、31…第1信号線、32…第2信号線。