特許第5979875号(P5979875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979875電動モータのセグメント化されたステータエレメント/ロータエレメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979875
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】電動モータのセグメント化されたステータエレメント/ロータエレメント
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/04 20060101AFI20160818BHJP
   H02K 3/34 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H02K1/04 B
   H02K3/34 B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-535921(P2011-535921)
(86)(22)【出願日】2009年11月13日
(65)【公表番号】特表2012-509048(P2012-509048A)
(43)【公表日】2012年4月12日
(86)【国際出願番号】EP2009008082
(87)【国際公開番号】WO2010054824
(87)【国際公開日】20100520
【審査請求日】2011年7月19日
【審判番号】不服2014-24630(P2014-24630/J1)
【審判請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】102008057390.6
(32)【優先日】2008年11月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アーノ ハック
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ ボアナー
【合議体】
【審判長】 中川 真一
【審判官】 矢島 伸一
【審判官】 新海 岳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−048502(JP,A)
【文献】 特表2008−517581(JP,A)
【文献】 特開2008−278685(JP,A)
【文献】 特開2008−278683(JP,A)
【文献】 特開2008−160938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00 - 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ用のステータティース(2)を製造する方法であって、電動モータが、少なくとも1つのステータと、ロータとを有しており、ステータが、少なくとも1つのステータティース(2)を有していて、前記ステータティース(2)が、コイルの一部のための当付け面として第1の区分(8)を有していて、該第1の区分(8)を、少なくとも2つのセグメント(11a,11b,11c)から製造し、該セグメントを前記ステータティース(2)の長手方向(L)に配置し、前記セグメント(11a,11b,11c)を第1および第2の端部片(15a,15b)によって長手方向で閉じる方法において、
前記各セグメント(11a,11b,11c)の両端部の接触領域(26)において、2つのセグメント(11a,11b,11c)の間、およびセグメント(11a,11b,11c)と端部片(15a,15b)との間に、差込みによる結合を形成する連結エレメント(30a,30b,30c)を設け、
前記端部片(15a,15b)を電気絶縁体で形成し、前記第1の区分(8)に電気絶縁体を被覆形成し、
前記少なくとも2つのセグメント(11a,11b,11c)を、前記連結エレメント(30a,30b,30c)による前記長手方向(L)での結合前に部分的にプラスチック射出成形により被覆することを特徴とする、ステータティースを製造する方法。
【請求項2】
少なくとも前記第1の区分(8)が、部分的に、プラスチック射出成形により被覆されている、請求項1記載のステータティースを製造する方法。
【請求項3】
前記セグメント(11a,11b,11c)が、互いに解離不能に結合されている、請求項1または2項記載のステータティースを製造する方法。
【請求項4】
各端部片(15a,15b)が、1つのセグメント(11a,11b,11c)に解離不能に結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のステータティースを製造する方法。
【請求項5】
前記第1の区分(8)が、前記ステータティース(2)の長手方向(L)に、少なくとも10mmの長さよび磁石長さの整数倍の長さを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のステータティースを製造する方法。
【請求項6】
前記第1の区分(8)が、プラスチック層を有しており、該プラスチック層の厚さが、0.5mmよりも小さく形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のステータティースを製造する方法。
【請求項7】
前記セグメント内に、磁性体が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のステータティースを製造する方法。
【請求項8】
前記端部片(15a,15b)の横断面が、前記セグメント(11a,11b,11c)の横断面に一致する、請求項1から7までのいずれか1項記載のステータティースを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータと、特に電動モータのステータティースおよびロータティースとに関する。この場合、電動モータはサーボモータとして形成されていてよい。このようなステータティースおよびロータティースは、公知先行技術に基づき、多様な実施形態で知られている。公知先行技術に基づいて公知の電動モータは、一体的に、つまりワンピースに形成されかつ絶縁紙で覆われたステータティースを有している。この絶縁紙は、コイルの銅巻き線と、ティースの導電性の基体との間で、電気的な絶縁を形成するために必要とされる。さらにこの絶縁紙は、電気的な絶縁の他に、熱的な絶縁をも生ぜしめる。これによってモータの熱放出が妨げられる。
【0002】
熱放出が妨げられることを回避するために、射出成形工具を用いて、プラスチック層が基体に被着される。プラスチック層は、より良好な熱伝導性を、同じ電気的な絶縁のままで可能にする。基体にプラスチック層を被着させることは、射出成形工具を用いて行われる。セグメント長さが100mmよりも大きくなると、より困難な、もしくはプロセスが不確実な射出成形工程が生じ、さらに、必要となる接合継ぎ目において高められた技術的なリスクが発生する(電気的な耐絶縁破壊性、機械的な安定性)。さらに、各セグメント構造長さのために、1つの射出成形工具を使用しなければならなない。これによって、高いコストが発生する。
【0003】
したがって、本発明の根底を成す課題は、種々異なるステータティース長さを備える電動モータの廉価な製造を可能にすることであり、この場合、種々異なるモータ構造長さ、つまり種々異なるセグメント構造長さを有するモータ構造サイズの電動モータを製造するために、有利には唯1つの射出成形工具しか必要とならないことが望ましい。同時に、必要な射出成形長さが減じられて、これによって、構成部材の精度および射出成形プロセスに対する要求が低減されることが望ましい。
【0004】
上記課題は、本発明の請求項1、13および14に記載の構成により解決される。有利な別の実施形態および変化形は請求項2以下に記載されている。
【0005】
本発明による電動モータは、少なくとも1つのステータと、ロータとを有している。この場合、ステータは、少なくとも1つのステータティースを有している。少なくとも1つのステータティースは、少なくとも1つの第1の端部片と、第2の端部片と、第1および第2の端部片の間の少なくとも1つの結合体とを有している。この場合、結合体は、これらの、第1および第2の端部片を結合させる。さらに、結合体は、コイルの一部のための当付け面として、少なくとも1つの第1の区分を有している。本発明によれば、結合体は複数の部分から形成されていて、少なくとも2つのセグメントを有している。
【0006】
このような配置により、必要となる射出成形長さの減少が達成され、ひいては製造技術および構成部材の精度に対する著しく減じられた要求が達成される。このことは、射出成形プロセスを簡単にし、欠陥品割合を減少させ、ひいては製造コストを減じる。
【0007】
12個もしくは18個のステータティースを備えた電動モータが特に有利である。しかしこのことは、本発明をこの個数のステータティースを備える電動モータにしか利用することができないことを意味するものではない。さらに、より多くのティースもしくはより少ないティースを備えた電動モータおよび奇数のステータティースを備えた電動モータも有利である。
【0008】
端部片が、プラスチックから成っていると有利であり、これによって電気的な絶縁を生ぜしめる。本発明の有利な別の実施形態では、結合体の少なくとも1つの第1の区分が、少なくとも部分的に、プラスチック射出成形によってプラスチックにより被覆されている。プラスチック射出成形によって被覆された第1の区分は、電気的な絶縁作用を有しており、したがって第1の区分は有利には電気的に絶縁された区分である。
【0009】
絶縁紙が使用されていた公知先行技術と比べて、射出成形によって被着されたプラスチック層により、同等の電気的な絶縁が得られる。この場合、少なくとも500ボルト、特に有利には800ボルトを超える電気的な絶縁が達成される。しかし、有利には、プラスチック層によって著しく改善された熱伝導性が付与されている(絶縁紙は約0.2W/K*m、プラスチックは1.0W/K*m)。さらに有利には、絶縁紙と、使用されるプラスチックとの熱伝導性の比が、1:5から、1:7.5、有利には1:10に変更される。言い換えると、プラスチック層が高い熱伝導性を有していることが望まれており、したがって別の実施形態では、たとえば1.5W/K*mもしくは2W/K*mまたはそれより高い熱伝導性のプラスチック層が所望される。
【0010】
択一的または付加的に、本発明による思想によれば、一体的、つまりワンピースに形成され、かつ従属請求項によって第1の区分が少なくとも部分的にプラスチック射出成形によってプラスチックで被覆されている結合体も含まれる。この構成は、従属請求項で挙げられた全ての組合せを含んでいる。
【0011】
特に、さらに択一的または付加的には、特に互いに異なる少なくとも2つのステータ長さを有する電動モータの型式が含まれている。この型式では、請求項1の上記概念部に記載の特徴の他に、1つまたは複数のセグメントから成る結合体が形成されている。この場合、この型式内で、それぞれの型のために、同じ構造のセグメント、特に同様または同一のセグメントが使用される。この型式にも、それぞれ1つまたは複数のセグメントを備える請求項2以下に挙げられた全ての組合せと、特に、セグメントの第1の区分が少なくとも部分的にプラスチック射出成形によって被覆されていることとが適用される。
【0012】
本発明の有利な別の実施形態では、少なくとも2つのセグメントが、ほぼ同様に形成されている。これによって、互いに隣り合って配置され得る多数のセグメントにより、結合エレメントもしくは第1の区分を、任意の長さだけ延長することができるという利点が生じる。
【0013】
さらに有利には、互いに異なる長さの少なくとも2つのセグメントが、モータ構造サイズ毎に使用される。これによって、たとえば、各モータ構造サイズのための可変のモジュラシステムを形成することができ、このモジュラシステムを用いて、あらゆる所望のセグメント構造長さが、種々異なる長さのセグメントもしくは同じ長さのセグメントの組合せによって可能となる。これにより、プラスチックにより被覆された2つ以上のステータセグメントおよびロータセグメントの、電気的に絶縁され(有利には700ボルトを超える)かつ機械的に安定した結合を形成することができる。この場合、ステータセグメントおよびロータセグメントの構造長さは磁石ピッチにより予め規定され得る。理想的には、ステータセグメントおよびロータセグメントは任意の長さで延びていてよい。
【0014】
セグメントにより組み立てられた結合体の別の利点は、方法技術的に必要となるプラスチック厚さの減少によって得られる。これによって、モータ内のより高い銅充填係数(銅率)が可能となり、このことはモータの出力増大をもたらす。さらに、より短い打抜きパケットおよびセグメントにおいて構成部材の安定性が高められる。なぜならば、基体に作用する、自重によってのみ形成される力およびモーメントがより小さく形成され、さらに改善されて支持され得るからである。
【0015】
本発明の既に挙げられた対象の別の利点は、既に示唆されたように、射出成形被覆時のより僅かな工具コストが得られることである。このための別の理由は、射出成形被覆時の、短い部品のより簡単な取扱いであると見なすことができる。さらに、上述の、必要とされるプラスチック厚さの減少を、射出成形プロセス時のより高い精度により(短いセグメントでは平行性および戻しばね力が著しく改善される)達成することができる。さらに、多数の「A,B,C,D,E−長さ」に代わりに、より少ない個数の変化形が必要となる。なぜならば、セグメントの唯1つの基本長さと端部材としか必要とされないからである。これによって、同一部分の個数が増大し、このことは、材料および素材の注文もしくは保管時に後述の利点をもたらす。
【0016】
本発明の別の有利な実施形態では、セグメントの少なくとも長さが種々異なって形成されている。
【0017】
個別の基体は1つのセグメントとして、2つの基体は2つのセグメントとして理解され得る。この場合、セグメントを、差込み、接着、溶接、ならびに公知の別の製造技術および接合技術によって結合させることが可能である。両セグメントは、有利には同じ横断面を有している。さらに同じように、両セグメントは、ほぼ同じ形状を有している。この場合、個別のエレメントのサイズは、特定の係数Xだけ互いに異なっていてもよい。しかし、個別のセグメントが互いに接触する接触箇所では、セグメントは実質的に連続的な移行部を有している。
【0018】
ステータティースの長さは、セグメントの長さと同様に、モータの回転軸線の方向に延びている。ステータティースがより長く形成されているほど、ロータをより長く形成することができる。これによってモータ出力の増大が生ぜしめられる。
【0019】
本発明の有利な別の実施形態では、セグメントが解離不能に互いに結合されている。解離不能の結合により、セグメントが極めて安定的に互いに結合されて、セグメント間での相対運動が発生しないようになる。これにより、一体的に形成されたステータティースの欠点が生じることなしに、ほぼ一体的なステータティースが得られる。
【0020】
さらに、セグメントが解離可能に互いに結合されていると有利である。これにより、分解に関する利点が得られ、これによって、変更、リサイクルまたは保守作業が容易にされるか、もしくは可能にされる。
【0021】
本発明の別の有利な実施形態では、それぞれ1つの端部片が、解離不能にセグメントに結合されている。このことはさらに、個別のセグメント間の解離不能な結合におけるように、この場合も、できるだけ安定的な配置が得られる。
【0022】
本発明の別の有利な実施形態では、ステータティースの第1の区分が、少なくとも10mm、有利には50mm〜90mmの長さ(L)を有していて、特に有利には、磁石長さの倍数に応じた長さを有している。
【0023】
ステータティースが長ければ長いほど、ロータをより長く形成することができる。これによりモータ出力の増大が生じる。
【0024】
有利な別の実施形態では、第1の区分がプラスチック層を有している。該プラスチック層の厚さは、0.5mmよりも小さく、有利には0.4mmよりも小さく、特に有利には0.3mmよりも小さい。プラスチック層が薄ければ薄いほど、銅充填係数(銅率)をより高くすることができる。これによりモータの出力が改善される。
【0025】
本発明の有利な別の実施形態では、第2の区分の少なくとも一部および/または第3の区分の少なくとも一部が、電気的に絶縁されて構成されている。この場合、第2の区分として、第1の区分に隣接するステータティース基部の領域が示され、第3の区分として、第1の区分に隣接するステータティースヘッドの領域が示される。第2の区分および/または第3の区分の絶縁された構成により、1つまたは両方の領域と、コイルとの間の短絡が阻止される。
【0026】
第2および/または第3の領域は、平坦にまたは湾曲して形成されていてよい。さらに、第1および/または第2の区分は、第1の区分に対して傾斜しているか、または直角に配置されていてよい。
【0027】
さらに別の実施形態によれば、セグメントに磁化可能な基体、つまり磁性体が配置されている。この場合、磁性体として、特に鉄心が使用される。しかし、全ての別の磁化可能な材料を使用することができる。
【0028】
本発明の別の有利な実施形態によれば、端部片の横断面は、セグメントの横断面にほぼ一致する。このことは、端部片が同様の横断面を有していることを意味する。同様の2つの端部片と、同様の複数のセグメントとから成るステータティース構造では、同一部材の個数が増し、これによりやはり上述の利点を生ぜしめる。
【0029】
さらに、セグメントの横断面とは実質的に異なる横断面を有する端部片が使用可能である。この場合に重要なのは、まず、コイルの巻き線が、この巻き線のために設けられた箇所に配置され得ることである。さらに、コイルとステータティースとの間に不断の、もしくは一貫した電気的な絶縁が設けられていることが重要である。このことは、コイルと、ステータティースの導電性の材料との間の接触を阻止しなければならないことを意味していて、これによって、短絡が発生しない。
【0030】
さらに本発明は、電動モータに使用するためのステータティースを製造する方法に関する。この場合、ステータティースは、第1の区分を有している。この第1の区分は、本発明によれば、少なくとも2つのセグメントから製造される。これらのセグメントは、ステータティースの長手方向に配置される。この場合、セグメントは、第1の端部分および第2の端部分により閉じられる。この長手方向も、既に上述したように、回転軸線の方向に延びている。
【0031】
この場合、端部分は、互いに対して向けられた面に配置されていて、かつ互いに反対の方向に方向付けられている。
【0032】
本発明の別の有利な実施形態では、電動モータに使用するためのステータティースが提供される。この場合、ステータティースは、金属製の基体を有している。本発明によれば、少なくとも2つのセグメントが、ステータティースの結合体に配置されていて、これにより、ステータティースの少なくとも10mmの長さが生じる。この場合、さらに2つの端部片が配置されていて、この場合、各セグメントの少なくとも2つの面に1つの端部片またはセグメントが配置されているようにされる。
【0033】
基体は、規定された寸法に打ち抜かれた金属薄板から成っている。100mmよりも小さな長手方向領域で、プラスチックを金属薄板上にプラスチック射出成形により被着する場合に、前述したように、<0.5mmのプラスチック層の厚さが達成され得る。
【0034】
別の利点および実施形態は、添付された図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】ステータティースの可能な配置を示す図である。
図2】ステータティースの斜視図である。
図3】ステータティースの結合片を示す図である。
図4】ステータティースの断面図である。
図5a】複数の部分から組み立てられたステータを(側面図で)示す図である。
図5b】複数の部分から組み立てられたステータを(斜視図で)示す図である。
図5c】結合箇所の詳細図である。
図6】構成要素を示す図であり、この構成要素からセグメント化されたステータティースが組み立てられる。
【0036】
図1は、ステータ24の斜視図を示している。図示されたステータ24は、隣り合って配置された多数のステータティース2を有している。さらに図面には、ステータティース2の他に、端部片15a,15bおよび結合エレメント28,29も示されている。これらの結合エレメント28,29によって、複数のステータティース2が互いに接触している。
【0037】
図2は、ステータセグメント11a,11bおよび11cの斜視図を示している。さらに、接触領域26の描写から判るように、接触領域26には、別のステータセグメント11b、または1つもしくは2つの端部片15a,15bを配置することができる。モータの中心軸線Mから離れる方向に方向付けられたステータヘッドには、ステータティース2間の結合を形成するための結合エレメント28,29が設けられている。さらに、コンタクト領域26内には連結エレメントが示されている。
【0038】
図3は、ステータティースセグメント11a,11b,11cの正面図を示している。図面には、結合エレメント28,29と、連結エレメント30a,30b,30cとが示されている。連結エレメント30a,30b,30cは、2つのステータティースセグメント11a,11b,11c間の結合を形成するか、またはステータティースセグメント11a,11b,11cと端部片15a,15bとの間の結合を形成するために使用される。連結エレメント30a,30b,30cの個数は、必要に応じて増大されるか、または減少され得る。さらに、この連結エレメント30a,30b,30cの形状は、図示された四角形の実施形態に制限されるものではなく、考え得るあらゆる別の形状に形成されていてもよい。さらに、図3は結合部材28,29を示している。これらの結合部材28,29は、溝および切欠きとして形成されていてよい。
【0039】
図4には、ステータティース2の断面図が示されている。この場合、絶縁層32が、金属製の基体における第1の区分8、第2の区分6および第3の区分10を少なくとも部分的に覆っている。絶縁層32が連続的に延びていて、したがって間隙を有していないことが判る。
【0040】
図5aは、複数の部分から組み立てられたステータティース2を示している。この場合、ステータティース2は、ステータティースセグメント11a,11b,11cと、両端部片15a,15bとから構成されている。この場合、単に2つのステータティースセグメント11a,11bだけが接合されているか、または3つよりも多いステータティースセグメントが接合されていることも可能である。
【0041】
図5bには、上述したステータティース2の側面図が示されている。図5bから判るように、接触領域26は、たとえばステータティースセグメント11aをステータティースセグメント11bに、かつステータティースセグメント11bをステータティースセグメント11cに配置することができるように設計されている。さらに、さらに、図5bから判るように、端部片15aおよび15bは、同一には形成されていない。なぜならば、1つの端部片15aがステータティースセグメント11aに係合し、ステータティースセグメント11cが端部片15bに係合するからである。しかし、同一に形成された端部片15a,15bも想定可能である。
【0042】
図5cは、図5bにXで示されている領域の拡大された部分図を示している。ここでは、連結エレメント30aが示されている。この場合、ステータティースセグメント11aの連結エレメント30aは、ステータティースセグメント11bの凹部に係合する。連結エレメント30a,30b,30cが設けられている箇所は、任意に選択することができ、種々異なるステータティースセグメント11a,11b,11cもしくは端部片15a,15bの連結エレメント30a,30b,30cが互いに互換性を持っていることだけが重要である。
【0043】
図6は、ステータティース2の分解図を示している。図6から判るように、ステータティース2は、図示された実施形態では、2つの端部片15a,15bおよび3つのステータティースセグメント11a,11b,11cを有している。この場合、ステータティースセグメント11a,11b,11cは、それぞれ1つの第1の区分8と、第2の区分6と、第3の区分10とを有している。全てのステータティースセグメント11a,11b,11cの第1の区分が、端部片15a,15bの間で結合領域を形成している。
【0044】
第1の区分8から第2の区分6への移行領域では、両区分に、連続的な絶縁層32が設けられている。第2の区分6は、前記結合領域に沿った長手方向軸線Lに対して直交する方向に延びている。移行領域においてプラスチック層で覆われている第2の区分6の部分は、第3の区分10の深さの一部にわたってしか延びていない。第1の区分8から第3の区分10への移行領域は、第1の区分から第2の区分への移行領域に相応に形成されていてよい。
【0045】
この場合、セグメント11a,11b,11cの第3の区分10の投影図は、1平面で、第2の区分6の相応する投影図に比べて大きく形成されている。第3の区分の電気的に絶縁された部分は、長手方向軸線Lの方向に対して直交する方向で、第2の区分6の被覆された部分を超えて延びている。ステータティースセグメント11a,11b,11cは、連結エレメントを有しており、これらの連結エレメントは、接合技術によって互いに結合される。図2から判るように、ステータティースセグメント11bは、ステータティースセグメント11aとステータティースセグメント11cとの間に配置されていて、したがって端部片15a,15bとの接点を有していない。さらに、端部片15a,15bの横断面は、ステータティースセグメント11a,11b,11cの横断面に相当する。端部片15a,15bは不導体の金属から製造されており、端部片15a,15bの長さは、ステータティースセグメント11a,11b,11cの長さの一部分に相当する。
【0046】
本願明細書に開示された特徴は、これらの特徴が先行技術に対して新規である場合には、全て本発明に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6