特許第5979945号(P5979945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979945情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979945
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20160818BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20160818BHJP
【FI】
   H04W16/18
   H04W64/00 110
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-88584(P2012-88584)
(22)【出願日】2012年4月9日
(65)【公開番号】特開2013-219554(P2013-219554A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100090516
【弁理士】
【氏名又は名称】松倉 秀実
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆雄
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/065028(WO,A1)
【文献】 特開2011−182305(JP,A)
【文献】 特表2008−503758(JP,A)
【文献】 大水 祐一,802.1x?それともVPN? 無線LANセキュリティ最新事情 VPN or 802.1x? Wireless LAN Security Updated,N+I NETWORK 第3巻 第3号,日本,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2003年 2月20日,第3巻,p.91,ウォードラインビングツール、NetStumblerに関する記載参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波受信部を備える情報処理装置のコンピュータを、
電波を発信する機器の設置場所を、前記情報処理装置のユーザに指定させる設置場所指定手段と、
前記電波受信部によって受信され電波強度が測定された電波のうち高い電波強度の電波を発信した機器を特定する機器特定手段と、
前記機器特定手段によって特定された機器から発信された電波に含まれた当該機器の識別情報前記ユーザが前記設置場所指定手段を用いて指定た設置場所とを関連付ける関連付け手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記機器特定手段によって特定された機器の識別情報を取得する識別情報取得手段として更に機能させ、
前記関連付け手段は、前記機器特定手段によって特定された機器の識別情報と前記設置場所を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付ける、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記機器特定手段は、前記電波受信部によって受信される電波の電波強度が最も強い機器を特定する、
請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記機器特定手段は、前記電波受信部によって受信される電波の電波強度が所定の閾値を超えた機器を特定する、
請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記機器から発信された電波の電波強度を機器毎に示すリストを出力するリスト出力手段として更に機能させる、
請求項1からの何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記関連付け手段は、前記機器の識別情報と前記設置場所を示す情報とを紐付けてデータベースに蓄積させることによって、前記機器と前記設置場所とを関連付ける、
請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
機器の設置場所を指定可能なマップを出力するマップ出力手段として更に機能させ、
前記設置場所指定手段は、前記マップ上の位置を指示することで指定された場所を、前記機器の設置場所として指定する、
請求項1からの何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記機器は、移動体に設置可能な機器であり、
前記設置場所指定手段は、前記機器が設置される移動体を、前記機器の設置場所として指定し、
前記関連付け手段は、前記機器の識別情報と前記設置場所指定手段によって指定された前記移動体を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付ける、
請求項1からの何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記機器は、電波を発信する機能を有するビーコン発信器である、
請求項1からの何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記ビーコン発信器は、無線通信に用いられるアクセスポイントである、
請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記関連付け手段は、前記ビーコン発信器において用いられる物理層アドレスと前記設置場所を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付ける、
請求項または10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、
前記設置場所指定手段によって設置場所が指定された機器に前記情報処理装置を近づけることを促すメッセージを出力するメッセージ出力手段として更に機能させる、
請求項1から11の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
電波受信部を備える情報処理装置であって、
電波を発信する機器の設置場所を、前記情報処理装置のユーザに指定させる設置場所指定手段と、
前記電波受信部によって受信され電波強度が測定された電波のうち高い電波強度の電波を発信した機器を特定する機器特定手段と、
前記機器特定手段によって特定された機器から発信された電波に含まれた当該機器の識別情報前記ユーザが前記設置場所指定手段を用いて指定た設置場所とを関連付ける関連付け手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
前記情報処理装置は、ユーザによって携帯可能である、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
電波受信部を備える情報処理システムであって、
電波を発信する機器の設置場所を、前記情報処理装置のユーザに指定させる設置場所指定手段と、
前記電波受信部によって受信され電波強度が測定された電波のうち高い電波強度の電波を発信した機器を特定する機器特定手段と、
前記機器特定手段によって特定された機器から発信された電波に含まれた当該機器の識別情報前記ユーザが前記設置場所指定手段を用いて指定た設置場所とを関連付ける関連付け手段、
を備える情報処理システム。
【請求項16】
電波受信部を備える情報処理装置のコンピュータが、
電波を発信する機器の設置場所を、前記情報処理装置のユーザに指定させる設置場所指定ステップと、
前記電波受信部によって受信され電波強度が測定された電波のうち高い電波強度の電波を発信した機器を特定する機器特定ステップと、
前記機器特定手段によって特定された機器から発信された電波に含まれた当該機器の識別情報前記ユーザが前記設置場所指定手段を用いて指定た設置場所とを関連付ける関連付けステップと、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を発する機器の設置場所を登録するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイに表示されたレイアウト図上の地点をポインティングデバイス等で指定することにより、アクセスポイントの設置位置を登録する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−318921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、設置位置と組み合わせるためのアクセスポイントの情報は、ユーザが自ら入力するか、収集されたデータからユーザが探し出して指定する必要があり、作業が煩雑である。
【0005】
本発明は、上記した問題に鑑み、電波を発する機器の設置場所を登録するための作業を簡単にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。即ち、本発明は、電波受信部を備える情報処理装置のコンピュータを、電波を発信する機器の設置場所を指定する設置場所指定手段と、前記電波受信部によって受信される電波の電波強度に基づいて前記機器を特定する機器特定手段と、前記機器特定手段によって特定された前記機器と前記設置場所指定手段によって指定された設置場所とを関連付ける関連付け手段、として機能させる情報処理プログラムである。
【0007】
ここで、「設置場所」は、地図上の固定された位置に限定されない。建物内の何れの階に設置されるか、何れの壁や柱等に設置されるかも「設置場所」として区別可能であるし、車両やアトラクションのカート等、何れの移動体に設置されるかも「設置場所」として区別可能である。
【0008】
本発明によれば、受信される電波の電波強度に基づいて機器を特定し、特定された機器と設置場所とを関連付けることで、電波を発する機器の設置場所を登録するための作業を簡単にすることが出来る。
【0009】
また、前記情報処理プログラムは、前記コンピュータを、前記機器の識別情報を取得する識別情報取得手段として更に機能させ、前記関連付け手段は、前記機器の識別情報と前記設置場所を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付けてもよい。
【0010】
ここで、設置場所を示す情報(設置場所情報)は、どのような形式で設置場所を示すものであってもよい。例えば、設置場所は、施設内の所定の点を原点とする座標系によって示されてもよいし、施設に設けられたフロア番号や柱番号等によって示されてもよいし、
車両ナンバーで示されてもよいし、アトラクションのカート番号で示されてもよい。
【0011】
また、前記識別情報取得手段は、前記機器の識別情報を、前記機器によって発信される電波に含まれる信号から取得してもよい。機器の識別情報を、機器によって発信される電波に含まれる信号から取得することで、自身の識別情報を発信する機器を、簡便に登録することが出来る。
【0012】
また、一般的に、電波強度は機器に近付くほど強くなる。このため、前記機器特定手段は、前記電波強度に基づいて、前記情報処理装置の近傍に存在する前記機器を特定してもよい。
【0013】
例えば、前記機器特定手段は、前記電波受信部によって受信される電波の電波強度が最も強い機器を、前記情報処理装置の近傍に存在する機器として特定してもよい。また、例えば、前記機器特定手段は、前記電波受信部によって受信される電波の電波強度が所定の閾値を超えた機器を、前記情報処理装置の近傍に存在する機器として特定してもよい。
【0014】
また、前記情報処理プログラムは、前記コンピュータを、前記機器から発信された電波の電波強度を機器毎に示すリストを出力するリスト出力手段として更に機能させてもよい。
【0015】
また、前記関連付け手段は、前記機器の識別情報と前記設置場所を示す情報とを紐付けてデータベースに蓄積させることによって、前記機器と前記設置場所とを関連付けてもよい。
【0016】
また、前記情報処理プログラムは、前記コンピュータを、機器の設置場所を指定可能なマップを出力するマップ出力手段として更に機能させ、前記設置場所指定手段は、前記マップ上の位置を指示することで指定された場所を、前記機器の設置場所として指定してもよい。
【0017】
マップを用いて設置場所を指定させることで、ユーザは、より簡易で手間のかからない作業で、機器の設置場所を登録することが出来る。
【0018】
また、前記機器は、移動体に設置可能な機器であり、前記設置場所指定手段は、前記機器が設置される移動体を、前記機器の設置場所として指定し、前記関連付け手段は、前記機器の識別情報と前記設置場所指定手段によって指定された前記移動体を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付けてもよい。
【0019】
また、前記機器は、電波を発信する機能を有するビーコン発信器であってもよいし、このビーコン発信器は、無線通信に用いられるアクセスポイントであってもよい。この場合、前記関連付け手段は、前記ビーコン発信器において用いられる物理層アドレスと前記設置場所を示す情報とを紐付けて登録することで、前記機器と前記設置場所とを関連付けてもよい。
【0020】
また、前記情報処理プログラムは、前記コンピュータを、前記設置場所指定手段によって設置場所が指定された機器に前記情報処理装置を近づけることを促すメッセージを出力するメッセージ出力手段として更に機能させてもよい。
【0021】
また、本発明は、情報処理装置、1または複数の情報処理装置を有する情報処理システム、コンピュータによって実行される方法、またはコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュ
ータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることが出来る記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電波を発する機器の設置場所を登録するための作業を簡単にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る情報処理装置を用いた機器設置場所登録の概要を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の概略を示す図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の概略を示す図である。
図4】実施形態においてディスプレイに表示される操作画面の構成を示す図である。
図5】実施形態に係る機器設置場所登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施形態においてディスプレイに表示される、ビーコン発信器の設置場所の指定をユーザに促すメッセージを含む操作画面の構成を示す図である。
図7】実施形態においてディスプレイに表示される、情報処理装置をビーコン発信器に近づけることを促すメッセージを含む操作画面の構成を示す図である。
図8】実施形態においてディスプレイに表示される、特定されたビーコン発信器が表示される操作画面の構成を示す図である。
図9】実施形態においてディスプレイに表示される、追加されたビーコン発信器を示すアイコンを含む操作画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態毎に具体的構成が適宜採用されてよい。例えば、本発明は、一般的なコンピュータにおいて実行される情報処理プログラム、情報処理装置、1または複数の情報処理装置を有する情報処理システムおよび情報処理方法等にも適用することが出来る。
【0025】
<実施形態に係るシステムの概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1を用いた機器設置場所登録の概要を示す図である。本実施形態では、情報処理装置1を用いて、施設内に設置されたビーコン発信器2の設置場所を登録する例について説明する。この施設では、施設内の様々な箇所にビーコン発信器2が設置され、施設内を移動するユーザが携帯する無線通信機器(図示は省略する)の現在位置の把握に用いられる。
【0026】
また、これらのビーコン発信器2は、夫々異なる識別情報を有し、これらのビーコン発信器2から発せられる電波を参照することによる、施設内における無線通信機器の現在位置の把握に用いられる。このため、本実施形態における施設に設置されたビーコン発信器2の設置場所情報と、ビーコン発信器2の識別情報とを関連付けたデータベース3が必要となる。本実施形態において、ビーコン発信器は、ユーザが携帯する無線通信機器(図示は省略する)の無線通信に用いられるアクセスポイントから無線LAN機能を省略したものであり、定期的にMACアドレスやビーコンID、バッテリ残量等の信号を含む電波を発信する機能を有する。このため、本実施形態では、ビーコン発信器2と無線通信機器との通信において用いられるMAC(Media Access Control)アドレ
スが、ビーコン発信器2の識別情報として用いられる。但し、ビーコン発信器2の識別情報は、ビーコン発信器2を一意に識別可能なものであればよい。例えば、ビーコン発信器2の識別情報として、ビーコン発信器2毎に予めユニークな名称が設定されたSSID(Service Set Identifier)やESSID(Extended Service Set Identifier)、BSSID(Basic Service Set Identifier)を用いることとしてもよいし、独自に設定したビーコンID等を用いることとしてもよい。
【0027】
そして、本実施形態では、ビーコン発信器2の設置場所を登録するために、情報処理装置1が用いられる。ユーザは、情報処理装置1のインターフェースを用いてビーコン発信器2の設置場所を指定する。そして、本実施形態に係る情報処理装置1はユーザによって携帯可能(可搬)であるため、ユーザは、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけることで指定したビーコン発信器2を特定し、特定されたビーコン発信器2の識別情報(MACアドレス)と指定された設置場所情報とを紐付ける。なお、本実施形態では、情報処理装置1としてNintendo 3DS(登録商標)を用いる例について説明するが、情報処理装置1は電波受信部を備える情報処理装置1であればよく、本実施形態における例示に限定されない。
【0028】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の概略を示す図である。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)311と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)314と、補助記憶装置19と、ネットワークを介した外部との通信を行うための無線通信部36と、ディスプレイ12と、入力装置14と、が電気的に接続された情報処理装置である。なお、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態毎に適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
【0029】
CPU311は、中央処理装置であり、RAM32およびROM314等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM32、補助記憶装置19等の、情報処理装置1に備えられた各構成を制御する。また、RAM32は、主記憶装置であり、CPU311によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。即ち、CPU311、RAM32、およびROM314は、情報処理装置1の制御部を構成する。
【0030】
補助記憶装置19は、不揮発性の記憶装置であり、主に情報処理装置1の電源を落としても保持したい情報、例えば、RAM32にロードされる情報処理装置1のOS(Operating System)や、後述する処理を実行するための各種プログラムの他、情報処理装置1によって使用される各種データが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置19としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable
Programmable ROM)やHDD(Hard Disk Drive)等を用いることが出来る。また、補助記憶装置19として、情報処理装置1に対して着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体の例としては、EEPROM等によるメモリーカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blu−ray Disc)等が挙げられる。可搬媒体による補助記憶装置19と、可搬型ではない補助記憶装置19とは、組み合わせて用いることも可能である。
【0031】
無線通信部36は、所定の帯域の電波を送受信し、ビーコン発信器2との無線通信を行うためのデバイスである。本実施形態において、無線通信部は、電波の送信と受信とを行うが、電波を受信するという点において、本発明の電波受信部に相当する。本実施形態では、ビーコン発信器2との無線通信の規格として、所謂無線LANのための規格であるIEEE802.11が用いられる。但し、無線通信のために用いられる通信規格には、そ
の他の規格が採用されてもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1が備える機能について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、CPU311が、RAM32に展開された各種プログラムを解釈および実行することで、マップ出力部21、設置場所指定部22、リスト出力部23、機器特定部24、識別情報取得部25、関連付け部26およびメッセージ出力部27を備える情報処理装置1として機能する。
【0033】
ここで、マップ出力部21は、ユーザに設置場所を指定させるためのマップを出力し、設置場所指定部22は、マップを参照したユーザによる指定操作を受け付けることで、ビーコン発信器2の設置場所を指定する。そして、無線通信部によって受信された電波に係るビーコン発信器2のリストがリスト出力部23によって出力され、機器特定部24は、電波強度に基づいて登録対象となるビーコン発信器2を特定する。そして、関連付け部26は、識別情報取得部25によって取得されたビーコン発信器2のMACアドレスと設置場所指定部22によって指定された設置場所の情報とを紐付けることで、ビーコン発信器2と設置場所とを関連付ける。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPU311によって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。
【0034】
図4は、本実施形態においてディスプレイ12に表示される操作画面の構成を示す図である。操作画面の上半分には、リスト出力部23によって出力される、無線通信部によって無線LAN用電波が現在受信されているビーコン発信器2毎の情報が、電波強度の強いビーコン発信器2の順に並べて表示される。以下、操作画面の上半分に表示されるリストを、ビーコン発信器リストと称する。ビーコン発信器リストに表示される情報には、ビーコン発信器2から受信された電波の電波強度(図中の「Rs」の列)、無線LANのチャンネル(図中の「CH」の列)、ビーコン発信器2のMACアドレス(図中の「MAC」の列)、ビーコンID(図中の「BcnID」)、ビーコン発信器2のバッテリ残量(図中の「BAT」の列)等が含まれる。
【0035】
操作画面の下半分には、マップ出力部21によって出力される、本実施形態においてビーコン発信器登録作業の対象となっている施設のマップ(見取り図)が表示される。ここで表示されるマップは、ビーコン発信器2の設置場所を指定可能なマップである。マップ上には、既に登録済みのビーコン発信器2が、アンテナを模したアイコンで表示されている。また、マップには、併せて、マップの表示部分を切り換えるボタンや、マップに表示されるフロアを切り換えるボタン、マップの拡大縮小ボタン、登録されたビーコン発信器情報のファイル出力ボタン、機器設置場所登録処理の終了指示ボタン、ビーコン発信器2の新規登録ボタン、等が表示される。ユーザは、これらのボタンを用いて、様々な操作を行うことが可能である。例えば、ユーザは、ビーコン発信器2の新規登録ボタンを操作することで、後述する機器設置場所登録処理を開始することが出来る。
【0036】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、本実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本発明を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本発明の実施の形態毎に適宜選択されてよい。
【0037】
図5は、本実施形態に係る機器設置場所登録処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された機器設置場所登録処理は、上記説明した操作画面が表示されている状態で、ユーザがビーコン発信器2の新規登録ボタンを操作したことを契機として
実行される。
【0038】
ステップS101では、ビーコン発信器2の設置場所の指定を促すメッセージが表示される。ユーザによるビーコン発信器2の新規登録ボタンの操作が受け付けられると、メッセージ出力部27は、ディスプレイに対して、ビーコン発信器2の設置場所を指定することをユーザに促すメッセージを出力し、表示させる。
【0039】
図6は、本実施形態においてディスプレイ12に表示される、ビーコン発信器2の設置場所の指定をユーザに促すメッセージを含む操作画面の構成を示す図である。本実施形態では、操作画面の上半分に、「AP/ビーコン設置 指定された場所にAP/ビーコン情報を設置します。」とのメッセージが表示され、更に、ビーコン発信器2の設置場所の指定を促すメッセージとして、「設置する場所を指定してください。」とのメッセージが表示される。メッセージが表示されると、処理はステップS102へ進む。
【0040】
ステップS102では、ビーコン発信器2の設置場所を指定する入力が受け付けられる。ユーザは、ステップS101で表示された、ビーコン発信器2の設置場所の指定を促すメッセージを受けて、操作画面の下半分に表示されているマップ上の、ビーコン発信器2の設置場所に応じた位置を指定する操作を行う。この操作は、例えば、ディスプレイに設けられたタッチパネル等のポインティングデバイスを介して行われてよい。設置場所指定部22は、施設内の、ユーザによって指定されたマップ上の位置に応じた場所を、ビーコン発信器2の設置場所として指定する。その後、処理はステップS103へ進む。
【0041】
ステップS103では、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけることを促すメッセージが表示される。ユーザによる設置場所の指定入力が受け付けられると、メッセージ出力部27は、ディスプレイに対して、ユーザが携帯している情報処理装置1を、登録の対象となっているビーコン発信器2に近づけることを促すメッセージを出力し、表示させる。
【0042】
図7は、本実施形態においてディスプレイ12に表示される、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけることを促すメッセージを含む操作画面の構成を示す図である。本実施形態では、操作画面の下半分に、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけることを促すメッセージとして、「設置するAP/ビーコンと3DSを近づけてください。」とのメッセージが表示される。また、メッセージに併せて、ユーザが情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけたことを通知する操作を行うための通知ボタン(図中の「つぎへ」)、および機器設置場所登録処理を中断して終了するための終了ボタン(図中の「中止する」)が表示される。メッセージが表示されると、処理はステップS104へ進む。
【0043】
ステップS104からステップS106では、受信電波からの情報取得および受信電波の強度測定が行われ、ディスプレイの表示が更新される。本実施形態において、無線通信部は、継続的にビーコン発信器2からの電波を受信している。そして、識別情報取得部25は、受信した電波に含まれる信号から、ビーコン発信器2毎の情報を取得する(ステップS104)。ここで取得される情報には、操作画面に表示される、ビーコン発信器2の識別情報であるMACアドレスやビーコンID、等が含まれる。また、無線通信部は、受信した電波の電波強度を、該電波を発信したビーコン発信器2毎に測定する(ステップS105)。
【0044】
そして、リスト出力部23は、ステップS104において取得された情報およびステップS105における測定結果に従って、操作画面の上半分に表示されるビーコン発信器リストの表示内容を更新する(ステップS106)。この際、表示されるビーコン発信器2毎の情報は、図4の説明において既述の通り、ステップS105において測定された電波
強度が強い順に表示される。その後、処理はステップS107へ進む。
【0045】
ステップS107では、通知操作の有無が判定される。情報処理装置1は、ディスプレイに表示された通知ボタン(図7の「つぎへ」ボタン)に対するユーザ操作(通知操作)が受け付けられたか否かを判定する。ユーザは、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけることを促すメッセージ(図7を参照)に従って、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づけ、通知ボタンを操作する。ここで、通知操作が受け付けられていないと判定された場合、処理はステップS104へ進む。即ち、本実施形態の機器設置場所登録処理では、ユーザによる通知操作が行われるまで、無線通信部によって受信されている電波からの情報取得(ステップS104)、電波強度の測定(ステップS105)およびディスプレイの表示更新(ステップS106)が繰り返される。一方、通知操作が受け付けられたと判定された場合、処理はステップS108へ進む。
【0046】
ステップS108では、ビーコン発信器2が特定される。機器特定部24は、無線通信部によって受信される電波の電波強度に基づいて、情報処理装置1の近傍に存在するビーコン発信器2を特定する。本実施形態では、機器特定部24は、ステップS107における通知操作が受け付けられた時点で受信される電波の電波強度が最も強いビーコン発信器2を、情報処理装置1の近傍に存在するビーコン発信器2として特定する。そして、機器特定部24は、電波強度が高かったビーコン発信器2のMACアドレスおよびビーコンIDを特定し、ディスプレイに表示させることで、登録される情報の内容をユーザに確認させる。
【0047】
図8は、本実施形態においてディスプレイ12に表示される、特定されたビーコン発信器2が表示される操作画面の構成を示す図である。本実施形態では、操作画面の下半分に、登録される情報の内容確認として、ステップS107における通知操作が受け付けられた時点で、電波強度が高かった順にビーコン発信器2のビーコンIDが表示され、そのうち、最も電波強度が高かったビーコン発信器2のビーコンIDが選択状態で強調表示される。但し、ここで表示される情報はMACアドレスであってもよい。なお、上述の通り、操作画面の上半分には、ビーコン発信器2毎の情報が、現在受信されている電波強度の順に並べて表示される。このため、機器特定部24によって電波強度が最も強いビーコン発信器2が特定された後に、現在の電波強度に基づくビーコン発信器2の順位が変動した場合、操作画面の上半分に表示される順序(現在の電波強度順)と操作画面の下半分に表示される順序(機器特定時の電波強度順)とは異なり得る(図8に示した例を参照)。
【0048】
また、本実施形態では、ここで「設置するAP/ビーコンを選んでください。」とのメッセージも表示され、ビーコンIDに基づいてビーコン発信器2が選択可能となっている。これによって、ユーザは、ステップS102において指定された設置場所と関連付けるビーコン発信器2を、最も電波強度が高かったビーコン発信器2から他のビーコン発信器2に変更することが出来る。また、ユーザは、所定の確定操作(本実施形態では、図8の表示において選択状態となっているビーコン発信器2を確定させる操作)を行うことで、設置場所情報に関連付けて登録するビーコン発信器2を確定する。確定操作が受け付けられると、処理はステップS109へ進む。
【0049】
ステップS109では、ビーコン発信器2と設置場所とが関連付けられる。関連付け部26は、機器特定部24によって特定されたビーコン発信器2と設置場所指定部22によって指定された設置場所とを関連付ける。本実施形態において、この関連付けは、当該ビーコン発信器2のMACアドレスと当該設置場所を示す設置場所情報とを紐付けて登録することで行われる。
【0050】
具体的には、本実施形態において、関連付け部26は、ビーコン発信器2のMACアド
レスと設置場所を示す情報とを紐付けて補助記憶装置19に一旦保存する。ビーコン発信器2のMACアドレスと設置場所を示す情報とが補助記憶装置19に保存されると、情報処理装置1は、ディスプレイに、追加されたビーコン発信器2を示すアイコンを含む操作画面を表示させる。
【0051】
図9は、本実施形態においてディスプレイ12に表示される、追加されたビーコン発信器2を示すアイコンを含む操作画面の構成を示す図である。本実施形態では、操作画面の下半分に表示されているマップ上の、ステップS102において指定された位置に、追加されたビーコン発信器2を示すアイコンが表示される。図9に示した例では、新たに追加されたビーコン発信器2のアイコンは、他のアイコンよりも大きく且つ傾けて表示される。
【0052】
ビーコン発信器2のMACアドレスと設置場所を示す情報とが補助記憶装置19に保存された後、情報処理装置1が充電台(図示は省略する)に置かれたことが検知されると、関連付け部26は、補助記憶装置19に保存された情報を読み出してデータベース3へ送信し、データベース3に蓄積させる。
【0053】
以上、本実施形態に係る機器設置場所登録処理の流れを説明したが、ユーザによる操作の手間をより軽減したい場合には、ステップS108の確認処理は省略されてもよい。ステップS108に示した確認処理を省略した場合、ユーザは、登録するビーコン発信器2を確定する操作を行う必要がなくなり、設置場所の指定操作(ステップS102)、情報処理装置1をビーコン発信器2に近づける動作、および通知操作(ステップS107)の3アクションのみで、機器設置場所の登録を行うことが出来る。
【0054】
更に、図5のステップS107およびステップS108に示した処理に代えて、受信される電波の電波強度が所定の閾値を超えたビーコン発信器2を、情報処理装置1の近傍に存在するビーコン発信器2として特定する処理を用いることとしてもよい。このような処理を採用した場合、情報処理装置1がビーコン発信器2に対して十分に近接したことを自動的に検知することが出来るため、ユーザによる通知操作および確認操作の両方が不要となり、ユーザは、設置場所の指定操作(ステップS102)および情報処理装置1をビーコン発信器2に近づける動作の2アクションのみで、機器設置場所の登録を行うことが出来る。
【0055】
<実施形態のバリエーション>
以下、上記説明した実施形態に適用可能なバリエーションについて説明する。
【0056】
上記説明した実施形態では、施設内に設置されたビーコン発信器2の設置場所を登録する例について説明したが、本発明に係る情報処理装置1を用いて設置場所の登録が可能な機器は、施設内に設置されたビーコン発信器2に限定されない。本発明に係る情報処理装置1は、例えば、遊園地のアトラクション内を走行する移動体であるカートに取り付け可能なビーコン発信器の設置場所(即ち、設置されたカートの識別子)を登録する用途にも用いることが出来る。ここで、ビーコン発信器は、カートが現在アトラクション内のどの位置を走行しているかを把握するために用いられる。
【0057】
情報処理装置1の構成および機器設置場所登録処理の流れは上記説明した実施形態と概略同様であるため、説明を省略する。但し、設置場所指定部22は、ビーコン発信器の設置場所としてカートを指定する。指定は、カート番号やカート名称等のカートの識別子を用いて行うことが出来る。そして、関連付け部26は、ビーコン発信器の識別情報と設置場所指定部22によって指定されたカートの識別子とを紐付けて登録することで、ビーコン発信器とカートとを関連付ける。
【0058】
このようにすることで、ユーザは、情報処理装置1のインターフェースを用いてビーコン発信器の設置場所であるカートを指定し、情報処理装置1をビーコン発信器に近づけることで指定したビーコン発信器を特定し、特定されたビーコン発信器の識別情報(MACアドレスやビーコンID)と指定されたカートの識別子とを紐付けることが出来る。
【0059】
また、上記説明した実施形態では、アクセスポイントから無線LAN機能を省略したビーコン発信器2の設置場所を登録する例について説明したが、本発明に係る情報処理装置1を用いて設置場所の登録が可能な機器は、ユーザが携帯する無線通信機器(図示は省略する)の無線通信に用いられるアクセスポイントであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 情報処理装置
2 ビーコン発信器
21 マップ出力部
22 設置場所指定部
23 リスト出力部
24 機器特定部
25 識別情報取得部
26 関連付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9