(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末装置は、前記ホーム端末装置として他の端末装置から前記RFIDタグの前記入退情報の退出に係る情報を受信すると、前記送信部は、当該RFIDタグの進入を検知した端末装置と退出を検知した端末装置とが異なっている場合には、前記進入を検知した端末装置に当該RFIDタグの前記入退情報の退出に係る情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の入退管理システム。
前記ホーム端末装置として他の端末装置から前記RFIDタグの前記入退情報の退出に係る情報を受信すると、前記送信部は、当該RFIDタグの進入を検知した端末装置と退出を検知した端末装置とが異なっている場合には、前記進入を検知した端末装置に当該RFIDタグの前記入退情報の退出に係る情報を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の入退管理システムの端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
〔入退管理システムXの制御構成〕
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るに入退管理システムXの構成例について説明する。
入退管理システムXは、主にICタグ20−1〜20−n(
図1にはICタグ20−1のみ表示する。)を読み込み/書き込み可能な端末(端末装置)10−1〜10−m(
図1には端末10−1、10−2のみ表示する。)同士が、ネットワーク5を介して接続されている。
【0010】
ネットワーク5は、例えば、公衆ネットワーク、又は設置された自営ネットワークを用いることができる。
ネットワーク5は、公衆ネットワークとしては、携帯電話網、PHS網、衛星通信ネットワーク、公衆無線ネットワーク等を用いることができる。また、ネットワーク5は、自営ネットワークとしては、自営のWiFi網等のIPネットワーク、SinLink、ZigBee、消防無線、災害用無線ネットワーク等を用いることができる。
また、ネットワーク5は、サーバなしで端末10−1〜10−m同士が接続できる、アドホックネットワークとして機能させてもよい。この際、ネットワーク5は、公衆ネットワークにつながらない場合に、端末10−1〜10−m同士で自営ネットワークを用いるか、アドホック(Ad hoc)ネットワークを構成することができる。
また、ネットワーク5は、ハブ、ルータ、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット、ノート等の接続先機器と接続することができる。
なお、ネットワーク5は、ルータ等を用いてインターネットや他のネットワークと接続することもでき、図示しないサーバと接続することもできる。
【0011】
端末10−1〜10−m(以下、端末10−1〜10−mを区別しない場合には、単に端末10ともいう。)は、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、タブレット型やノート型のPC等を用いた隊員の入退管理を行うための端末装置である。端末10−1〜10−mは、隊員の進入/退出の拠点となる出入り口に設置され、ICタグ20−1〜20−n(以下、ICタグ20−1〜20−nを区別しない場合には、単にICタグ20ともいう。)を読み込み/書き込むことで、隊員の出入り口での進入/退出を管理する。
また、端末10−1〜10−mは、ネットワーク5に接続して、他の端末10−1〜10−mに対して入退情報115を送受信できる。ここで、回線状態が悪い災害現場等においては、端末10−1〜10−mが孤立する可能性がある。このため、端末10−1〜10−mは、単独でも入退管理を行うことができ、ネットワーク5が回復した時点で入退情報115を送受信できる。
以下、該当するICタグ20−1〜20−nの入退管理を主に行う端末10−1〜10−mを「ホーム端末」(ホーム端末装置)という。具体例としては、ICタグ20を所持する隊員が所属するグループ毎に端末10が割り当てられている場合には、隊員が所属するグループに対応する端末10がホーム端末となる。また、進入を検知した端末10を「進入端末」、退出を検知した端末10を「退出端末」という。
【0012】
ICタグ20−1〜20−nは、入退管理システムXの各隊員が所持するRFID(Radio Frequency IDentification)タグ等である。
ICタグ20−1〜20−nは、災害等の現場で作戦に参加する隊員個別に配布し、隊員を識別するために使用する。このため、ICタグ20−1〜20−nは、災害現場での救助等の「作戦」前に隊員情報218(
図3)を書き込んでおくことができる。また、ICタグ20−1〜20−nは、作戦参加時又は事前に、ホーム端末情報116(
図2)を書き込む隊員登録処理(
図4)を行う。この上で、隊員の進入・退出時において、端末10−1〜10−mが、ICタグ20−1〜20−nの上述のデータを読み取って入退管理を行う。
また、ICタグ20−1〜20−nは、画像を撮像し、音声を記憶し、熱や温度といった各種センサのデータ等を取得して記憶する機能部位を備えることもできる。
【0013】
具体的な入退管理システムXの運用としては、入退管理を行う進入管理領域にある、隊員が進入/退出する各出入口に、進入管理隊を配置する。そして、それぞれの入退管理隊に、入退管理用の端末10−1〜10−mを所持させる。
図1は、入退管理隊AとBが、それぞれ端末10−1と端末10−2とを所持する例を示している。
また、進入する部隊の各隊員は、ICタグ20−1〜20−nを所持する。
図1では、隊員No.1がICタグ20−1を所持する例を示している。
進入/退出時に、ICタグ20−1〜20−nの入退管理を行う端末10−1〜10−mへ読ませることにより、当該隊員の入退を記録することができる。
この上で、入退管理システムXは、ネットワーク5経由で、入退情報115を共有することができる。
【0014】
なお、災害等の作戦本部で全体の進入管理を行う場合は、作戦本部に管理用のサーバとして機能する装置(図示せず)を設置してもよい。また、当該災害等の現場に上位端末(図示せず)を設置して、管理用のサーバと接続することも可能である。
これにより、端末10−1〜10−mで発生した入退情報115を、全てサーバや上位端末へ転送することにより、隊員の進入/退出の集中管理が可能となる。
このサーバや上位端末への転送は、ネットワーク5の状態により、帯域が空いているか否かを検知して行うことができる。
【0015】
〔端末10−1の構成〕
次に、
図2を参照して、同様の構成を備える端末10−1〜10−mの制御構成について詳しく説明する。ここでは、端末10−1を代表例として説明する。
端末10−1は、機能部位として、制御部100(制御手段)、記憶部110(記憶手段)、無線送受信部120(無線送受信手段、ネットワーク送受信手段)、入力部130(入力手段)、RFID送受信部140(RFID送受信手段、読取部、書込部)、表示部150(表示手段)、及び音声入出力部160(音声入出力手段)を主に備えている。それぞれの部位は、例えば共通のバス等で接続される。
【0016】
制御部100は、GPP(General Purpose Processor)であるCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の制御演算部位である。
制御部100は、各部を制御し、内蔵のRAM、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体、又は外付けの記録媒体等である記憶部110に記憶された各種プログラムを実行し、データを読み出し/書き込みして、入退管理を行う。
また、制御部100は、ネットワーク5を介して、他の端末10−1〜10−mから各種情報を送受信する指示を行うこともできる。
【0017】
ここで、制御部100は、入退管理部101(入退管理手段)、隊員情報管理部102(隊員情報管理手段)、参加隊員登録部103(参加隊員登録手段)、入退情報転送部104(入退情報登録手段、入退情報転送手段、送信部)を含んでいる。
これらの機能部は、制御部100又は記憶部110に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0018】
入退管理部101は、端末10−1〜10−mにより制御部100が実行するアプリケーション・ソフトウェアであり、入退管理のためのメイン・プログラムの部位である。
入退管理部101は、隊員の入退の際に、ICタグ20−1〜20−nを読み取って、入退情報115に記憶する。この上で、入退管理部101は、必要があれば、入退情報転送部104を呼び出して、入退情報115の進入や退出に係る情報の転送を行うよう指示する。
また、入退管理部101は、入力部130の進入管理隊のユーザの指示に従って、隊員情報管理部102、参加隊員登録部103等の機能を、GUI(Graphical User Interface)のメニュー等から呼び出すことができる。この際、入退管理部101は、登録された隊員情報218や、登録されたり他の端末10−1〜10−mから転送されたりした入退情報115等を、表示部150に表示することができる。
【0019】
なお、入退管理部101は、グループ管理手段として、当該現場に参加している端末10−1〜10−m/参加していない端末10−1〜10−mの判別を行うことができる。さらに、入退管理部101は、グループ管理手段として、端末10−1〜10−mのいくつかでグループを形成したり、データ送受信の優先順位を決定することができる。すなわち、入退管理部101は、主に入退管理を行う「マスター」の端末と、配下の端末を設定可能である。その後、入退管理部101は、優先順位が上位/下位の端末10−1〜10−mの検索/選択を行うこともできる。また入退管理部101は、作戦本部のサーバや、現場に設置された上位端末等についても設定できる。
また、入退管理部101は、端末間データ同期手段として、リアルタイム(実時間)にて、ユーザの指示に従って、各種の情報をグループや全端末へ送信したり、上位端末やサーバに送信したりすることができる。
加えて、入退管理部101は、状況表示手段として、表示部150に現場の地図等を描画して、リアルタイムに入退の状況表示を行い、未更新データの有無等も示すことができる。
さらに、入退管理部101は、省電力化手段として、端末10−1〜10−mの表示部150への表示を制御したり、無線送受信部120やRFID送受信部140による無線通信制御の最適化を行う。
【0020】
隊員情報管理部102は、隊員が所持するICタグ20−1〜20−nに、隊員情報218を書き込む部位である。
隊員情報管理部102は、進入管理隊のユーザ又はICタグ20−1〜20−nを所持する隊員の指示を入力部130を用いて検知し、隊員情報218自体を作成して、記憶部110に記憶する。
この上で、隊員情報管理部102は、RFID送受信部140を介して、当該隊員のICタグ20−1〜20−nへ、隊員情報218を書き込むことができる。
【0021】
参加隊員登録部103は、隊員が所持するICタグ20−1〜20−nから隊員情報218を読み出し入退隊員リスト118に追加する部位である。
また、参加隊員登録部103は、進入管理隊が備える端末10−1〜10−mのアドレス等の情報であるホーム端末情報116を登録する。
【0022】
入退情報転送部104は、入退情報115を含む各種情報を無線送受信部120を用いて他の端末10−1〜10−mへ送受信する部位であり、送信部として機能する。
具体的には、入退情報転送部104は、自端末が、進入を検知したICタグ20−1〜20−nのホーム端末でない場合、入退情報115の退出に係る入退情報を無線送受信部120を用いてホーム端末のアドレスに転送する。また、入退情報転送部104は、自端末が、退出を検知したICタグ20−1〜20−nのホーム端末でない場合、入退情報115の退出に係る入退情報を、無線送受信部120を用いてホーム端末のアドレスに転送する。なお、このとき、進入端末へこの退出に係る入退情報を転送するように指示してもよい。
さらに、入退情報転送部104は、他端末から自端末をホーム端末とするICタグ20−1〜20−nの退出に係る情報を受信すると、当該ICタグ20−1〜20−nが他の端末、すなわち、自端末でなく、且つ、退出に係る入退情報を送信してきた端末ではない別端末から進入している場合には、進入端末である当該別端末にこの退出に係る情報を転送する。
また、入退情報転送部104は、DHCPサーバ等を備えていてもよく、端末10−1〜10−mのIDやMACアドレス等を基に、固有のIPアドレス等を設定して、後述するホーム端末情報116に記憶することもできる。また、入退情報転送部104は、公衆ネットワークの場合には、DDNS(Dynamic DNS)等を用いて、固有のURI/URLに係るアドレスを設定することができる。さらに、IPv6等により、固有のグローバルIPアドレスを用意することもできる。
なお、入退情報転送部104は、一方の端末10−1〜10−mがグローバルIPアドレスで、他方の端末10−1〜10−mがローカルIPアドレスのような場合でも、トンネリングやアドレス変換等で対応できる。
【0023】
入退情報転送部104は、IP網を用いる場合には、HTTP、FTP等のプロトコルや、非同期型のメッセージキュー(Message queue、MQ)等を用いて、他の端末10−1〜10−mと各種情報を送受信する。
HTTPを用いる場合には、入退情報転送部104は、例えば、SOAP Webの技術でWebサーバ+ブラウザのパターンプロトコルだけ使って、端末10−1〜10−mをルータや専用アクセスポイントとして用いて、アドホックのネットワーク5を構築することが可能となる。つまり、本実施形態においては、ホーム端末がサーバと同じ役目をすることにより、別途サーバを必要としない。
FTPの場合は、入退情報転送部104は、 ファイル単位で、情報をやり取りすることが可能である。
メッセージキューを用いる場合には、入退情報転送部104は、メッセージ単位で情報をやり取りすることができる。
さらに、入退情報転送部104は、接続形式として、PtoP(1対1)のプロトコルや、Server/Client(1対n)の接続を行うことができる。
加えて、入退情報転送部104は、SSLやVPN等の暗号化通信を用い、セキュリティに配慮して、他の端末10−1〜10−mと情報を送受信できる。
【0024】
また、入退情報転送部104は、通信制御ライブラリとして、Microsoft社製のWCF(Windows(登録商標) Communication Foundation)のように、各種のプロトコルを統括的に利用できるようにしたライブラリを用いて構成することができる。
加えて、入退情報転送部104は、各種のモバイルエージェントを用いて、接続が不安定なネットワークを使用するときに、再接続・再送処理を行い、安定した通信を行えるようにすることが好適である。
【0025】
記憶部110は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD等の記憶手段である。記憶部110は、制御部100が実行するプログラムやデータを記憶している。
これに加え、記憶部110は、各種の設定値や、ICタグ20−1〜20−nの撮像部250(
図3)で撮像されたり、録音部260で録音された撮像・録音情報212を読み出して記憶することもできる。また、記憶部110は、ICタグ20−1〜20−nのセンサ部270で取得されたセンサ情報213も読み出して記憶する。これらは、現場の状況の分析用に用いることができる。
また、記憶部110は、例えば、DVDやBlu−ray等の光学記憶媒体、USBメモリ、SDカード等の脱着可能な記録媒体を含んでいても良い。この脱着可能な記録媒体にも、各種プログラムやデータを記憶して、内蔵の記録媒体へインストール等をすることも可能である。
【0026】
記憶部110は、入退情報115、ホーム端末情報116、他端末情報117、入退隊員リスト118を含んで備えている。
【0027】
入退情報115は、RFID送受信部140でICタグ20−1〜20−nから読み取られた各種情報を基に、入退管理を行うためのデータである。
入退情報115は、入退を検知したり管理したりする隊員のICタグ20−1〜20−n毎に、例えば表形式でSQL等を用いて、入退の情報を管理する。この入退の情報としては、進入に係る情報、退出に係る情報、隊員のICタグ20の識別情報としてのIDや氏名、ホーム端末等について記憶する。入退情報115は、進入/退出に係る情報としては、例えば、ICタグ20−1〜20−nを検知した進入端末や退出端末である端末10−1〜10−mのIDやアドレス等の情報を進入/退出の「場所」とし、検知した「時間」を加えて記憶する。
また、入退情報115は、「隊員の氏名」としては、例えば、隊員情報218のID等を記憶することができる。
また、入退情報115は、「ホーム端末」としては、例えば、検知したICタグ20−1〜20−nのホーム端末情報116を記憶することができる。
【0028】
ホーム端末情報116は、主に自端末である端末10−1〜10−mのID、端末名、アドレス等を記憶するデータである。
ホーム端末情報116は、「アドレス」として、自営ネットワークを使用する場合のLAN側のローカルIPアドレス、公衆ネットワークを使用する場合のグローバルIPアドレス、IPv6のIPアドレス、固有のURI/URL等を記憶することができる。
また、ホーム端末情報116は、GPSの位置座標、地図上の住所、所有する進入管理部隊及びそのユーザ等についての情報等もアドレスに含めて記憶することができる。
【0029】
他端末情報117は、入退情報115に記憶された端末10−1〜10−mの情報等を基に、グループ内や同じ災害現場等で検知できた他の端末10−1〜10−mのアドレス等を記憶するデータである。
制御部100は、他端末情報117を参照して、他の端末10−1〜10−mへ入退情報115を含むデータを同期し、送受信することができる。
【0030】
入退隊員リスト118は、自端末である端末10−1〜10−mが入退を管理する、隊員の隊員情報218を記憶するデータである。隊員情報218の詳細については、後述する。
また、入退隊員リスト118は、各隊員情報218に結びつけ、当該隊員の勤務状況、疲労度、センサ情報213(
図3)、撮像・音声情報等218(
図3)等を記憶してもよい。
【0031】
この他にも、記憶部110には、Android(登録商標)やWindows(登録商標)等のOS(Operatiing System)や画像/音声処理アプリケーション等を別途備えていてもよい。
【0032】
無線送受信部120は、ネットワーク5に接続するための、アンテナ、RF(無線通信)手段、デジタル変調手段、A/D変換手段、D/A変換手段、パケット符号化手段、暗号化手段等を含む、無線送受信を行う部位である。
無線送受信部120は、ネットワーク5を介し、他の端末10−1〜10−mと、入退情報115を含む各種情報を送受信可能である。
【0033】
入力部130は、各種ボタン、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、トラックボールやマウス等のポインティングデバイスを含む部位である。
入力部130は、端末10−1〜10−mのユーザからの各種指示を検知して、制御部100に伝えることができる。
【0034】
RFID送受信部140は、ICタグ20−1〜20−nとの間で電磁誘導や電波等で電磁的に情報を送受信するアンテナ、コイル、変調器、復調器等のリーダライタを備えた部位である。
RFID送受信部140は、電磁誘導等で励起されて読み取り可能なパッシブRFIDや、 電池等の電源を内蔵したアクティブRFID等の読み込み/書き込みを行うことができる。パッシブRFIDとしては、通信距離数cm〜数mで書籍や物の管理に適しているHF帯のISO15693、通信距離数cmで暗号化されFelica(登録商標)やMyFare(登録商標)等の電子マネーに用いられるHF帯のISO14443、通信距離数mで読み取りスピードが速いためベルトコンベア等の動きのあるものの管理に用いられるUHF帯のISO18000等を用いることができる。また、アクティブRFIDとしては、例えば、NTTコムウェア製のRFIDを用いることができる。アクティブRFIDは、通信可能な距離が長く、マラソンの通過管理、小学校などの児童登下校管理に用いられている。このため、一刻一秒を争う災害時の入退管理にも好適である。
なお、RFID送受信部140は、ICタグ20−1〜20−nのリーダライタを内蔵しても、外付けで接続してもよい。
【0035】
表示部150は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LED等の表示デバイスである。
表示部150は、制御部100が記憶部110に記憶された各種プログラムを用いて、隊員の入退管理を含む各種情報を表示することができる。
また、表示部150は、ICタグ20−1〜20−nで撮像された画像や音声やセンサの値等を表示/音声出力し、ユーザがこれを閲覧することができる。
【0036】
音声入出力部160は、マイク、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、アンプ、スピーカ、ブザー、振動モータ、音声解析/合成プロセッサ等を含む部位である。
音声入出力部160は、マイクからのユーザの音声を音声認識して、制御部100へ送信することができる。また、制御部100の制御により、各種音声を出力し、警告ブザーや震動等を出力することもできる。
また、音声入出力部160と無線送受信部120とを用いて、他の端末10−2〜10−mとの間で、音声通話を行うことも可能である。
【0037】
なお、端末10−1は、ICタグ20−1〜20−nや他のPC等と直接接続する、シリアル、USB等の端子、有線LANインターフェイス等を別途備えていてもよい。
また、端末10−1は、GPS(Global Positioning System)や、各種センサ等を備えることもできる。
また、端末10−1は、入退時間等を管理するため、リアルタイム・クロックを備えることもできる。この入退時間については、後述するグループ内のマスターの端末に合わせて、同期可能である。
また、端末10−1は、バッテリー、燃料電池、発電機、スイッチング電源等を備えていても良い。
【0038】
〔ICタグ20−1の構成〕
次に、
図3を参照して、同様の構成を備えるICタグ20−1〜20−nの制御構成について詳しく説明する。ここでは、ICタグ20−1を代表例として説明する。
ICタグ20−1は、制御部200(制御手段)、記憶部210(記憶手段)、RFID送受信部240(RFID送受信手段、読取部、書込部)、撮像部250(撮像手段)、録音部260(録音手段)、及びセンサ部270(センサ)を含んで構成される。
【0039】
制御部200は、CPU、MPU(Micro Processing Unit)、マイコン、GPU等の制御演算部位であり、各部を制御する。
【0040】
記憶部210は、RAM、フラッシュメモリ、ROM、HDD等の記憶部位である。記憶部210は、ホーム端末情報116、撮像・録音情報212、センサ情報213、隊員情報218を記憶する。
撮像・録音情報212は、撮像部250で撮像された静止画や動画のデータを、JPGやH.264等に符号化された形式で記憶する。また、撮像・録音情報212は、録音部260で録音した音声データを、PCMやMP3等の圧縮音声に符号化された形式で記憶する。
センサ情報213は、センサ部270の各種センサの情報を、例えば所定間隔の時系列形式で記憶する。
隊員情報218は、隊員のID、氏名、隊員個人の所属部隊、ICタグ20−1〜20−nのID、その他の属性等が記憶されている。隊員情報218は、端末10−1〜10−mのいずれか、又は他のPCやサーバ等(図示せず)で作成し、ICタグ20−1〜20−nに記憶することができる。
ホーム端末情報116は、ICタグ20−1の入退管理を行うホーム端末である端末10−1〜10−mのホーム端末情報116を記憶している。
これに加えて、記憶部210は、固有のID、暗号鍵、制御プログラム等(図示せず)も記憶している。
【0041】
RFID送受信部240は、端末10−1〜10−mのRFID送受信部140と無線で各種情報を送受信するための、アンテナ、コイルと制御素子を備える部位である。
RFID送受信部240は、セキュリティに配慮して、暗号化した状態で各種情報を送受信可能である。
【0042】
撮像部250は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子と、画像データへのエンコーダ等を備える部位である。撮像部250は、災害現場等において、所定期間で又は隊員等の指示により、静止画像や動画像を撮像して、撮像・録音情報212に記憶する。
【0043】
録音部260は、マイクとA/Dコンバータ等を備える録音部位であり、災害現場等において、隊員のメッセージや現場状況等を録音して、撮像・録音情報212に記憶することができる。
また、録音部260は、撮像部250と連携して動画像に音声データを付加することもできる。
【0044】
センサ部270は、センサ情報213として、周囲の温度、湿度、ガス、放射線等の危険状況に係る情報、隊員の心拍数や血圧等の身体情報を取得するためのセンサである。
センサ部270は、隊員が進入から退出するまで、逐次、所定間隔で各センサの値を取得して、センサ情報213に記憶することができる。
【0045】
なお、ICタグ20−1〜20−nは、単体で、WAN(Wide Area Network)経由でインターネット網に接続するように構成することもできる。
また、ICタグ20−1〜20−nは、端末10−1〜10−mとの接続、電源状態、撮像や録音の状態を示すためのLEDやLCD等の表示部を備えていてもよい。
また、ICタグ20−1〜20−nは、情報の書き込み、撮像、録音等を指示するためのスイッチ等の入力部を備えていてもよい。
また、センサ部270は、ICタグ20−1〜20−nとは別装置としてICタグ20−1〜20−nに接続されて構成されてもよい。
【0046】
〔端末10−1〜10−mによる入退管理処理〕
次に、
図4〜
図13を参照して、端末10−1〜10−mによる入退管理処理について説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る入退管理処理では、まず、自端末をホーム端末とするICタグ20−1〜20−nに、各端末10−1〜10−mが、隊員の隊員情報218とホーム端末情報116を登録し、入退管理を行う隊員に所持させる。
この上で、各端末10−1〜10−mは、隊員が入退するときに、隊員が所持しているICタグ20−1〜20−nに記録されている隊員情報218と、ホーム端末情報116とを読み込む。
そして、作戦開始後、各出入り口に配置された端末10−1〜10−mは、ICタグ20−1〜20−nを検知した場合、当該ICタグ20−1〜20−nのホーム端末へ、入退情報115を送信する。この際、自端末がホーム端末だった場合は自端末への登録を行うだけで他端末への送信は行わない。
端末10−1〜10−mは、ホーム端末以外で隊員の進入が行われた場合、次の退出では、以下のように、進入端末にも退出に係るデータ(入退情報)を送信する。
・ホーム端末以外で進入を検知した場合、ホーム端末へ、入退情報115の進入に係る情報を送信する。
・進入端末以外で退出を検知した場合、退出端末は、ホーム端末へ、入退情報115の退出に係る情報を送信する。ホーム端末は、当該退出に係る情報を受信すると、入退情報115に記憶する。この上で、ホーム端末は、進入端末が自端末でなく、且つ、進入端末が退出端末とが同一端末でなければ、進入端末へ当該退出に係る情報を転送する。なお、進入端末が自端末である場合、または、進入端末と退出端末とが同一である場合には、自身への登録を行うだけで他端末への転送は行わない。
このように構成することにより、サーバ等を別途設置しなくても、自端末以外の端末10−1〜10−mにおいても、進入/退出した隊員の入退の確認が可能となる。また、データ送信の頻度を抑え、省電力化することができる。
以下で、
図4のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態に係る入退管理処理についてステップ毎に詳しく説明する。以下の処理は、端末10−1〜10−mの制御部100が、各部と協同し、ハードウェア資源を用いて実行する。
【0047】
まず、ステップS100において、制御部100は、隊員情報管理部102と参加隊員登録部103とを用いて、隊員登録処理を行う。
具体的に
図5を参照して説明すると、まず、制御部100は、隊員情報管理部102を用いて、隊員に所持させるためのICタグ20−1〜20−nの記憶部210に、隊員情報218を作成して書き込み記憶する。
図5の例では、入退管理隊Aの備える端末10−1の制御部100が、隊員No.1の隊員情報218を識別情報として作成し、ICタグ20−1に書き込む例を示している。
【0048】
また、制御部100は、当該隊員情報218を入退隊員リスト118に登録し、入退情報115の入退管理する「氏名」等の属性に登録する。
この上で、制御部100は、隊員の進入拠点となる出入り口の一つの端末10−1〜10−mをホーム端末として登録する。具体的には、制御部100は、自端末を指定したホーム端末情報116を、当該ICタグ20−1〜20−nの記憶部210に書き込み記憶する。また、制御部100は、入退情報115にも、自端末のホーム端末情報116を、記憶する。
図5の例では、制御部100が、端末10−1のホーム端末情報116として「端末10−1」をICタグ20−1の記憶部210に記憶する。また、制御部100が、端末10−1の隊員No.1の「ホーム端末」属性にも、ホーム端末情報116として「端末10−1」を記憶する。
なお、
図5の例では、制御部100は、他に入退を管理する隊員No.2、No.3……についても、同様に隊員登録処理を行う。
また、ICタグ20−1〜20−nに隊員情報管理部102を作成する際には、端末10−1〜10−mではなく、他のPC等を用いて事前に行ってもよい。
【0049】
ステップS101において、制御部100は、入退管理部101を用いて、入退チェック処理を行う。
図6を参照して説明すると、制御部100は、読取部としてのRFID送受信部140にて、進入/退出する隊員のICタグ20−1〜20−nを探索する。つまり、制御部100は、RFID送受信部140により、ICタグ20−1〜20−nのRFID送受信部240を検知する。
制御部100は、ICタグ20−1〜20−nを検知して通信可能状態になった場合、当該ICタグ20−1〜20−nの記憶部210に記録されている隊員情報218と、ホーム端末情報116とを読み込む。
この上で、制御部100は、入退情報115を参照して、当該ICタグ20−1〜20−nの進入/退出に係る情報を記憶する。この際、制御部100は、入退情報115に、該当する隊員情報218の氏名やIDがあれば対応する箇所に、なければ新たな箇所に、進入/退出に係る情報を記憶する。また、制御部100は、当該ICタグ20−1〜20−nから読み込んだホーム端末情報116を参照し、自端末であるか否かも調べる。
図6の例では、端末10−1の制御部は、設置された出入口に進入した隊員No.1のICタグ20−1を検知した例を示している。ここでは、制御部100は、隊員情報218と、ホーム端末情報116を読み取り、入退情報115の進入に係る情報を「時刻10:00、端末10−1」として記憶する。
【0050】
次に、ステップS102において、制御部100は、入退管理部101を用いて、読み込んだICタグ20−1〜20−nのホーム端末情報116が、自端末であるか否かを判定する。制御部100は、自端末の場合、Yesと判定する。制御部100は、自端末以外の場合、つまりホーム端末以外のICタグ20−1〜20−nを検知した場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部100は、処理をステップS104に進める。
Noの場合、制御部100は、処理をステップS103に進める。
【0051】
ステップS103において、読み込んだホーム端末情報116が自端末でない場合、制御部100は、入退情報転送部104を用いて、ホーム端末転送処理を行う。
制御部100は、検知したICタグ20−1〜20−nのホーム端末情報116から、当該ICタグ20−1〜20−nのホーム端末のアドレスを読み出す。この上で、制御部100は、入退情報115を参照し、当該ICタグ20−1〜20−nの進入/退出に係る情報を、無線送受信部120により当該ICタグ20−1〜20−nのホーム端末に転送する。この際、ネットワーク5にて、複数の端末10−1〜10−mを経由して、進入/退出に係る情報を転送することもできる。
この進入/退出に係る情報を受信した当該ホーム端末の制御部100は、入退情報転送部104を用いて、入退情報115に記憶する。
その後、制御部100は、処理をステップS108に進める。
【0052】
ステップS104において、読み込んだICタグ20−1〜20−nのホーム端末情報116が自端末の場合、制御部100は、入退管理部101を用いて、退出であったか否かについて判定する。具体的には、制御部100は、入退情報115を参照して、当該ICタグ20−1〜20−nの進入/退出に係る情報から、退出であった場合には、Yesと判定する。それ以外の場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部100は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、制御部100は、他端末への転送等を行わないので、処理をステップS108に進める。
【0053】
ステップS105において、退出であった場合、制御部100は、入退管理部101を用いて、直近進入場所チェック処理を行う。
具体的には、制御部100は、入退情報115を参照して、当該ICタグ20−1〜20−nの進入に係る情報から、最も直近に進入した進入端末を検索してチェックする。
【0054】
次に、ステップS106において、制御部100は、入退管理部101を用いて、直近に進入したのが自端末であったか否かを判定する。具体的には、上述のステップS105でチェックした進入端末が自端末であった場合、Yesと判定する。それ以外、つまり他端末であった場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部100は、他端末への転送を行う必要がないため、処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部100は、処理をステップS107に進める。
【0055】
ステップS107において、進入が他端末であった場合、制御部100は、入退情報転送部104を用いて、進入場所端末転送処理を行う。
具体的には、制御部100は、入退情報転送部104を用いて、当該ICタグ20−1〜20−nから得た進入端末のアドレス、または、自端末に予め記憶している進入端末のアドレスに、入退情報115の退出に係る情報を転送する。
これを受信した進入端末の制御部100は、入退情報転送部104を用いて、当該ICタグ20−1〜20−nの入退情報115に記憶する。これにより、進入端末がホーム端末でない場合であっても、当該進入端末において当該ICタグ20−1〜20−nの退出を管理することができる。
なお、これらの転送においても、複数の端末10−1〜10−mを経由させることができる。
【0056】
上述のステップS101〜S107までの処理は、入退管理隊のユーザが端末10−1〜10−mの「作戦開始」〜「作戦終了」を選択するまでの間、当該端末の制御部100が、他の端末10−1〜10−mとの間で自動的に実行する。
その後、制御部100は、処理をステップS108に進める。
【0057】
(第1の実施の形態に係るホーム端末転送処理及び進入場所端末転送処理の具体例)
ここで、
図7〜
図11を参照し、本発明の第1の実施の形態に係るホーム端末転送処理及び進入場所端末転送処理の具体例について説明する。ここでは、隊員No.1がICタグ20−1を所持しており、ICタグ20−1のホーム端末が端末10−1である例について説明する。
図7は、隊員No.1が、ホーム端末10−1の設置された出入り口から進入し、ホーム端末10−1以外の端末10−2の設置された出入り口から退出した場合の例である。この場合、端末10−2の制御部100は、ICタグ20−1を検知して、入退情報115の退出に係る情報を記憶する。そして、端末10−2の制御部100は、この退出に係る情報を、ホーム端末転送処理により、ICタグ20−1のホーム端末である端末10−1に転送する。
図8は、隊員No.1が、ホーム端末10−1以外の端末10−2から進入した例である。この場合も、端末10−2の制御部100は、ICタグ20−1を検知して、入退情報115の進入に係る情報を記憶する。そして、端末10−2の制御部100は、ホーム端末転送処理により、進入に係る情報を、端末10−1に転送する。
図9は、
図8に示すように隊員No.1が、ホーム端末以外の端末10−2から進入した後、ホーム端末以外の端末10−3から退出した例を示す。この場合、端末10−2の制御部100は、進入時には
図8と同様の処理を行う。そして、退出時には、端末10−3の制御部100が、退出に係る情報を、ホーム端末転送処理により、端末10−1に転送する。そして、ホーム端末である端末10−1の制御部100は、この退出に係る情報を受信すると、端末10−1は入退情報115に基づき、進入端末と退出端末とが一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合に、進入場所端末転送処理により、進入端末である端末10−2へ転送する。
図10は、
図8と同様に、隊員No.1が、ホーム端末以外の端末10−3から進入した例である。
図10の場合も、まずは、
図8と同様に、10−3の制御部100が、進入に係る情報を、ホーム端末転送処理により、端末10−1に転送する。
図11は、
図10のように、隊員No.1が、ホーム端末以外の端末10−3から進入し、更にホーム端末である端末10−1から退出した例である。
図11の場合、まずは
図10と同じ処理を行う。その後、退出を検知した端末10−1の制御部100は、入退情報115に基づき、進入端末が自端末(すなわち退出端末)と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合に、この退出に係る情報を、進入場所端末転送処理により、進入端末である端末10−3に対して転送する。
【0058】
このように構成することで、ICタグ20−1〜20−nのホーム端末において、進入/退出に係る情報を管理することができる。
加えて、ICタグ20−1〜20−nの進入端末においても、他端末で退出したことを確認できる。
この際、ホーム端末以外の退出端末が、入退情報115に進入に係る情報を記憶していない場合であっても、これをホーム端末や進入端末から転送しないことで、ネットワーク5への通信量を抑えることができる。
なお、逆に、主にネットワーク5の通信量が少ないときに、他端末情報117により、グループ内の端末10−1〜10−mで入退情報115を、完全に同期させることも可能である。
【0059】
ここで、ステップS108において、制御部100は、入退管理部101を用いて、入退状況/隊員情報閲覧処理を行う。
図12と
図13とを参照して説明すると、制御部100は、表示部150に、入退情報115を参照して、各隊員の入退状況を表示する。また、制御部100は、表示部150に、隊員情報218等を表示して変更/入力させることもできる。この際、制御部100は、GUI等を用いて、入力部130からのユーザの指示を検知し、他の部位を呼び出して、各種機能を実現する。
【0060】
図12は、制御部100が表示部150に表示した入退状況の画面例である。また、制御部100は、各隊員の進入/退出に係る入退状況を切り換えて表示することができる。この際、制御部100は、まだ退出していない隊員を色分けして、もっとも進入時間が早い順に並べて表示することができる。また、制御部100は、ネットワーク5に接続できない場合には、「14:00〜同期待ち」のように、いつから同期待ちであるのかについても表示する。この他にも、制御部100は、本部名、端末名(ID)、現在時刻等を表示できる。
また、制御部100は、画面上に「新規作戦」「作戦開始」「作戦終了」「通信」のようなボタンを表示する。制御部100は、ユーザのこれらのボタンの押下を検知して、それぞれ、隊員登録処理、入退チェック処理の開始、入退管理処理の終了、音声通信や入退情報115の他端末との同期に係る処理を実行する。
【0061】
図13は、制御部100が、表示部150に表示した入退隊員リスト118の画面例である。
制御部100は、入退隊員リスト118に登録した、すなわち自端末で入退を管理している隊員のリストを表示する。この場合にも、制御部100は、まだ退出していない隊員を、色分けして、進入の早い順に並べて表示することが可能である。また、各ボタンも同様に表示する。
以上により、本発明の第1の実施の形態に係る入退管理処理を終了する。
【0062】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る入退管理システムXは、ICタグ20−1〜20−nにホーム端末情報116を記憶している。このため、どの端末10−1〜10−mで入退処理を行っても、入退情報115を含む情報の転送先が分かる。よって、別途サーバを設置しなくても、端末10−1〜10−mの間で、入退情報115を含むデータを送受信して入退状況を確認することができる。また、事前に端末10−1〜10−mに、入退情報115等の転送先を登録しておく必要がないため、他部隊の端末10−1〜10−mも、そのまま入退管理に使用することが可能になる。
また、本実施形態の入退管理システムXは、ICタグ20−1〜20−nに隊員情報218を記憶している。このため、端末10−1〜10−mに予め隊員の情報を記憶しておく必要がなくなり、端末10−1〜10−mを用意する数を動的に増減できる。これにより、災害等で状況が変わっても、柔軟に入退管理をすることが可能になる。
これに加えて、本実施形態の入退管理システムXは、端末10−1〜10−mで隊員情報218をICタグ20−1〜20−nに記憶することが可能であり、隊員も動的に追加が可能である。
よって、本実施形態の入退管理システムXは、参加部隊が増えても参加する端末10−1〜10−mの管理を行って、拡張運用をすることができる。これにより、災害の規模が大きく、多くの消防等の部隊が集まり、到着時刻がまちまちになったような場合でも、確実に端末10−1〜10−m同士で入退状況を把握可能になる。
また、本実施形態の入退管理システムXは、隊員の進入時に、ホーム端末に入退情報115の進入に係る情報を記憶/送信し、退出時にはホーム端末と進入端末のみに入退情報115の退出に係る情報を送信、転送する構成により、通信データ量を低減することが可能である。
【0063】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態をまとめると、以下のような特徴を備えている。
本発明の入退管理システムXは、ICタグ20−1〜20−nと、端末10−1〜10−mとを備え、ICタグ20−1〜20−nは、自身の識別情報と入退管理を行う端末10−1〜10−mであるホーム端末の情報(アドレスを含むことが好ましい)であるホーム端末情報116を記憶し、端末10−1〜10−mのそれぞれは、ICタグ20−1〜20−nの識別情報とホーム端末情報116を読み取る読取部と、少なくとも識別情報とホーム端末情報116を入退情報115として記憶する記憶部と、前記読取部が読み取ったホーム端末情報116が自端末装置を示すものでなかった場合に、入退情報115の進入/退出に係る情報を、ホーム端末送信する送信部とを備えることを特徴とする。
本発明の端末10−1〜10−mは、ICタグ20−1〜20−nに、隊員情報218を登録する隊員情報管理部102を備えることを特徴とする。
本発明の端末10−1〜10−mは、ICタグ20−1〜20−nに、端末10−1〜10−mのアドレスを含むホーム端末情報116を登録する参加隊員登録部103を備えることを特徴とする。
本発明のICタグ20−1〜20−nは、入退管理する隊員の隊員情報218と、入退管理を行う端末10−1〜10−mのアドレスを含むホーム端末情報116を備えることを特徴とする。
本発明のICタグ20−1〜20−nは、画像を撮像する撮像部250と、音声を記憶する録音部260と、熱や温度を含むセンサ270とを備え、端末10−1〜10−mの無線送受信部120によりセンサ情報213を共有することを特徴とする。
【0064】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
たとえば、上述した第1の実施の形態では、ICタグ20を端末10が検知する際、進入と退出の区別を、ICタグ20に記憶させた状態情報に基づいて判断してもよいし、検知する際に端末10において進入か退出を指定するようにしてもよい。なお、ICタグ20に状態情報を記憶させる際には、初期状態時に端末10と通信を行うと、進入状態を示す情報を保持し、進入状態時に端末10と通信を行うと退出状態を示す情報を保持し、退出状態時に端末10と通信を行うと進入を示す情報を保持するようにすることが考えられる。このICタグ20の状態情報は、端末10やPC等から適宜指定して保存したり、変更したりすることが可能であってもよい。
また、上述した実施形態では、ホーム端末情報116としてホーム端末のアドレスを保持するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、各端末10がすてべの端末10−1〜10−mのアドレス情報を予め保持しておき、ICタグ20にはホーム端末情報116としてホーム端末10と特定するための情報(例えば、ID等)のみを記憶させるようにしても良い。これによっても、上述した実施形態と同様に、入退情報115の送信、転送処理を行うことができる。
さらに、上述した実施形態では、ICタグ20がホーム端末以外から進入し、さらに、退出した場合、ホーム端末が当該ICタグ20の退出に係る情報を退出端末から受信すると、ホーム端末が進入端末と退出端末とが一致するか否かを判断し、一致しない場合に進入端末に退出に係る情報を送信するように構成した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ICタグ20は、進入時に端末10と通信を行った際に、当該進入端末10を示す進入時端末装置情報を記憶するように構成し、複数の端末10のそれぞれは、読取部が退出を検知する際には、ICタグ20から進入時端末装置情報を読み取り、送信部は、進入端末装置情報が、自端末を示すものではなく、且つ、ホーム端末10を示すものではない場合には、ホーム端末10とともに進入時の端末10に入退情報115の退出に係る情報を送信するように構成してもよい。これによっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
<第2の実施の形態>
〔入退管理システムYの構成〕
次に、本発明の第2の実施の形態に係る入退管理システムYの構成について説明する。入退管理システムYは、第1の実施の形態に係る入退管理システムX(
図1参照)と同様に、主にICタグ20−1〜20−nに代わるICタグ21−1〜21−nと、端末10−1〜10−mに代わる端末11−1〜11−m(端末装置)とが、ネットワーク5を介して接続されている。
以下では、端末11−1〜11−mのうち、端末11−1を代表例として説明する。また、端末11−1〜11−mを区別しない場合には、単に端末11ともいう。同様に、ICタグ21−1〜21−nのうち、ICタグ21−1を代表例とし、それぞれ区別しない場合には、単にICタグ21ともいう。
【0066】
〔端末11−1、ICタグ21−1の構成〕
次に、
図14と
図15とを参照して、本発明の第2の実施の形態に係る端末11−1及びICタグ21−1の構成について説明する。
図14と
図15とにおいて、第1の実施の形態に係る端末10−1(
図2参照)、ICタグ20−1(
図3参照)と同じ符号は、同様の機能の構成部位である。
【0067】
これに加えて、
図14によると、端末11−1は、制御部300にログソート転送部109(入退情報ソート手段、入退情報同期手段、送信部)を備え、記憶部310に入退情報119を備えている。
入退情報119は、端末10−1の入退情報115(
図2)と同様の情報に加えて、後述するICタグ21−1〜21−nのシーケンス情報219のシーケンス番号を含む情報を記憶している。
【0068】
また、
図15によると、ICタグ21−1の記憶部410には、シーケンス情報219を備えている。
シーケンス情報219は、進入/退出に係る情報の順番を示すカウンタ等であるシーケンス番号が記憶されている。このシーケンス番号は、進入/退出を記録する際にインクリメント(増加)される。シーケンス情報219は、進入/退出に係る情報と一緒に、端末11−1〜11−mの入退情報119に記憶される。
【0069】
〔端末11−1〜11−mによる入退管理処理〕
次に、
図16〜
図24を参照して、端末11−1〜11−mによる入退管理処理について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る入退管理処理では、第1の実施の形態と同様に、隊員情報218とホーム端末情報116が登録されたICタグ21−1〜21−nを、各隊員に所持させる。そして、各端末11−1〜11−mは、隊員が進入/退出するときに、ICタグ21−1〜21−nを読み取る。この際に、読み取ったICタグ21−1〜21−nのシーケンス情報219のシーケンス番号をインクリメントして記憶させる。また、端末11−1〜11−mは、状況に応じて、進入/退出に係る情報を他端末へ送信する。この際、ホーム端末では、受信した進入/退出に係る情報のログをシーケンス番号を基にしてソートする。また、通信状態等の問題により進入/退出に係る情報を送受信できなかった場合には、通信が回復した際に、ログを送受信する。
このように、ICタグ21−1〜21−nで一元管理しているシーケンス情報219により、入退情報119に記憶された入退管理する各隊員の入退状況をソートして整理することが可能となる。つまり、シーケンス情報219を端末間で共有することにより、それぞれの端末で進入/退出に係る情報のログをばらばらに収集したとしても、確実に時系列にソートすることが可能となる。これにより、より適切に入退状況を把握することが可能になる。
【0070】
ここで、
図16のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施の形態に係る入退管理処理について説明する。
ここで、
図16において、ステップS201は
図4の第1の実施の形態に係るステップS101と、ステップS203はステップS102と、ステップS204はステップS103と、ステップS205はステップS104と、ステップS206はステップS105と、ステップS207はステップS106と、ステップS208はステップS107と、ステップS210はステップS109と、それぞれ同様の処理を行う。
以下では本発明の第2の実施の形態に係る入退管理処理で実行するステップについて、詳しく説明する。以下の処理は、端末11−1〜11−mの制御部300が、各部と協同し、ハードウェア資源を用いて実行する。
【0071】
まず、ステップS200において、制御部300は、隊員情報管理部102と参加隊員登録部103とを用いて、作戦参加時に、隊員登録/初期化処理を行う。
図17を参照して説明すると、まず、制御部300は、
図2のステップS201と同様に、隊員情報管理部102を用いて、ICタグ21−1の記憶部410に、隊員情報218を作成し、当該隊員情報218を入退隊員リスト118に登録し、ホーム端末として登録する。
この上で、制御部300は、シーケンス番号を初期化する。
具体的には、
図17のICタグ21−1の記憶部410のように、シーケンス情報219のカウンタ等のデータを、4桁の数値で表現する場合は「0000」のようなシーケンス番号として初期化する。
なお、このシーケンス情報219のシーケンス番号は、例えば16ビット〜32ビットの整数等を用いることができる。また、シーケンス情報219には、シーケンス番号に加えて、日付や時刻と合わせたデータ、日付と時刻のみのデータ、位置情報を含むデータ等とすることもできる。また、このシーケンス情報219は、作戦や出動毎に作成されるユニークなIDを付加して記憶することもできる。加えて、このシーケンス情報219は、毎回「0」に初期化せず、隊員毎の通し番号を付加することもできる。この場合、隊員毎の放射能や特定の化学物質等への累積暴露時間を計算しやすいという効果が得られる。
【0072】
ここで、ステップS201において、制御部300は、第1の実施の形態に係る入退チェック処理と同様の処理を行う。
この際に、隊員の入退を検知した場合、制御部300は、ICタグ21−1〜21−nに記録されている隊員情報218と、ホーム端末情報116とに加え、シーケンス情報219を読み込む。
【0073】
ステップS202において、制御部300は、入退管理部101を用いて、インクリメント処理を行う。
具体的には、隊員の入退を検知した場合、制御部300は、ステップS201で検知したICタグ21−1〜21−nのシーケンス情報219のシーケンス番号を1つ加算するようなインクリメントを行って、シーケンス情報219に書き込む。たとえば、上述の例のように、ICタグ21−1のシーケンス情報219のシーケンス番号が「0000」の場合には、制御部300は、シーケンス番号を「0001」のように加算する。
また、制御部300は、シーケンス情報219のインクリメントされたシーケンス番号のデータを入退情報119に記憶する。
【0074】
その後、ステップS203〜ステップS208までは、第1の実施の形態に係るステップS102〜ステップS107と同様の処理を行う。この際に、各端末11−1〜11−mは、シーケンス番号も含めた進入/退出に係る情報を送受信する。
ここで、ステップS204のホーム端末転送処理と、ステップS208の進入場所端末転送処理において、電波状況等で通信障害等があった場合には、制御部300は、所定間隔で再送信を試みる。この上で、電波状況の変化により通信が回復したときに、制御部300は、シーケンス情報219に記憶されている、まだ転送していない進入/退出に係る情報を、対応する端末11−1〜11−mとの間で送受信する。
以下で、このシーケンス番号を用いたホーム端末転送処理及び進入場所端末転送処理の具体例について説明する。
【0075】
(第2の実施の形態に係るホーム端末転送処理及び進入場所端末転送処理の具体例)
ここで、
図18〜
図21を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るステップS204のホーム端末転送処理及びステップS208の進入場所端末転送処理の具体例について説明する。この処理において、各端末11−1〜11−mの制御部300は、第1の実施の形態での処理と同様に、入退情報119の進入/退出に係る情報を送受信する。この送受信の際、制御部300は、シーケンス情報219のシーケンス番号の情報等も、進入/退出に係る情報に含めて送受信する。
図18は、
図6と同様に、隊員No.1が、ホーム端末11−1から進入した際の例である。ここでは、ホーム端末11−1の制御部300は、入退情報119のシーケンスNo.に、インクリメントされたICタグ21−1のシーケンス情報219に記憶されたシーケンス番号である「0001」を記憶する。
図19は、
図7と同様に、端末11−2から退出した場合の例である。この際、端末11−2の制御部300は、ICタグ21−1のシーケンス情報219のシーケンス番号を例えば「0002」にインクリメントして、この値を入退情報119の退出に係る情報に加えて記憶する。この上で、端末11−2の制御部300は、シーケンス番号を含む退出に係る情報を、ホーム端末転送処理により、ICタグ21−1のホーム端末である端末11−1に転送する。
図20は、
図8と同様に、端末11−2から進入した例である。この場合も、端末11−2の制御部300は、ICタグ21−1のシーケンス情報219のシーケンス番号を例えば「0003」にインクリメントし、これを入退情報119の進入に係る情報に加えて記憶する。そして、端末11−2の制御部300は、ホーム端末転送処理により、シーケンス番号を含む進入に係る情報を、端末11−1に転送する。
図21は、
図9と同様に、端末11−3から退出した例である。この場合、端末11−2の制御部300は、ICタグ21−1のシーケンス情報219のシーケンス番号を例えば「0004」にインクリメントして、この値を入退情報119の退出に係る情報に加えて記憶する。この上で、端末11−3の制御部300は、シーケンス番号を含む退出に係る情報をホーム端末転送処理により、端末11−1に転送する。端末11−1の制御部300は、この退出に係る情報を受信すると、判断後に進入場所端末転送処理により、端末11−2へ転送する。
【0076】
ここで、ステップS209において、制御部300は、ログソート転送部109を用いて、ログ送受信/ソート処理を行う。
後述するように、各端末11−1〜11−mの制御部300は、通信障害等がある場合には、進入場所端末転送処理やホーム端末転送処理を行うことができない。
これに対して、制御部300は、電波状況の変化等で通信障害が回復した場合、お互いの入退情報119のシーケンス番号を基に、進入/退出に係る情報を送受信する。
具体的には、制御部300は、入退情報119から、上述の進入場所端末転送処理やホーム端末転送処理で転送していなかった進入/退出に係る情報を検索し、対応する端末各端末11−1〜11−mへ転送する。この際、進入/退出に係る情報を受信した各端末11−1〜11−mの制御部300は、受信した進入/退出に係る情報のシーケンス番号を基に入退情報119をソートし、他の端末11−1〜11−mへ転送が必要な進入/退出に係る情報があった場合には、転送を行う。つまり、各端末11−1〜11−mの制御部300は、ホーム端末や進入端末へ、進入場所端末転送処理やホーム端末転送処理と同様に、必要に応じて進入/退出に係る情報を転送する。
以下で、
図22〜
図24を用いて、このログ送受信/ソート処理の具体例について説明する。
【0077】
(ログ送受信/ソート処理の具体例)
図22は、
図8と同様の状況で、隊員No.1が端末11−2から進入した例である。この場合も、端末11−2の制御部300は、ICタグ21−1のシーケンス情報219のシーケンス番号を例えば「0003」にインクリメントし、これを入退情報119の進入に係る情報に加えて記憶する。ところが、この例では、電波の状況等により通信不可能な状態であり、端末11−2の制御部300は、ホーム端末転送処理を実行することができない。よって、端末11−2の制御部300は、シーケンス番号を含む進入に係る情報を、端末11−1に転送しない。このため、端末11−1は、
図22の時点では、シーケンス番号「0003」に係るデータを受信しない。
図23は、
図9と同様に、
図22の後で隊員No.1が端末11−3から退出した例である。この場合、端末11−2の制御部300は、
図21と同様に、「0004」にインクリメントされたシーケンス番号を含む退出に係る情報をホーム端末転送処理により、端末11−1に転送する。しかし、この例においても、端末11−2との間の通信が回復していない。このため、ホーム端末11−1は、「0004」の進入端末を検索できないため、進入場所端末転送処理は行わない。
【0078】
ここで、
図24を参照すると、端末11−2と端末11−1間の通信が復活した場合、端末11−2の制御部300は、未送信だったシーケンス番号「0003」に係る進入に係る情報をホーム端末である端末11−1へ送信する。
端末11−1の制御部300は、進入に係る情報を受信すると、入退情報119に記憶する。この際、制御部300は「シーケンスNo.」を参照して、受信した「0003」に係る進入に係る情報を、「0002」と「0004」の間に転送する。
また、端末11−1の制御部300は、この「0003」の進入に係る情報により判明した進入端末11−2に対して、未送信であった「0004」の退出に係る情報を端末11−2へ転送する。
【0079】
その後、ステップS210にて、制御部300は、入退管理部101を用いて、入退状況/隊員情報閲覧処理を行う。
この処理において、制御部300は、ステップS108(
図4)と同様の処理を行うものの、時刻ではなくシーケンス番号でソートされたデータを表示、閲覧させる。
以上により、本発明の第2の実施の形態に係る入退管理処理を終了する。
【0080】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の第2の実施の形態に係る入退管理システムYは、ICタグ21−1〜21−nのシーケンス情報219のシーケンス番号を用いて、各端末11−1〜11−mの入退情報119を管理する。
つまり、入退管理システムYは、ICタグ21−1〜21−n内にシーケンス情報219を備え、進入/退出時にシーケンス番号をインクリメントし、この番号を入退情報119に付加する。
これにより、各隊員の進入/退出に係る情報を必ず時系列にソートすることができる。よって、各端末10−1〜11−mやサーバ等の時計が正確に合っておらず、又は、通信路での遅延や切断があり、各隊員の進入/退出に係る情報を記憶順に送信/受信できなかった場合でも、各隊員の進入/退出を正確に把握することが可能になる。
また、通信が復旧した後に各端末10−1〜11−mが各隊員の進入/退出に係る情報をばらばらに送受信しても、シーケンス番号により、送受信した情報に抜けがあるかどうかを把握することができる。
【0081】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態をまとめると、以下のような特徴を備えている。
本発明の第2の実施の形態に係る入退管理システムYは、入退するときに隊員が所持しているICタグ21−1〜21−nを端末11−1〜11−mにて検知すると、ICタグICタグ21−1〜21−nに記録されている隊員情報218と、ホーム端末情報116に加えて、シーケンス情報219を読み込む。この上で、端末11−1〜11−mは、シーケンス番号をインクリメントし、ICタグ21−1〜21−nへ書き戻し記憶する。そして、端末11−1〜11−mは、ICタグ21−1〜21−nに記録されているホーム端末へ進入/退出に係る情報を転送する。ホーム端末は、受信した進入/退出に係る情報を、シーケンス番号を基に入退情報をソートする。このように、IC21−1〜21−nで一元管理しているシーケンス番号を使用することで、複数の端末11−1〜11−m間で進入/退出に係る情報をばらばらに収集したとしても、確実に時系列にソートすることが可能となる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る入退管理システムYは、前記RFIDタグが、前記進入/退出に係る情報の順番を示すシーケンス番号を記憶し、前記端末装置の読み取り部は、前記RFIDタグから前記シーケンス番号を読み取り、前記シーケンス番号を増加させて前記RFIDタグに記憶することを特徴とする。
また、本発明の第2の実施の形態に係る入退管理システムYは、前記送信部は、受信した前記進入/退出に係る情報のシーケンス番号により入退情報をソートし、未送信の進入/退出に係る情報を前記進入を検知した端末装置又は前記ホーム端末装置に送信することを特徴とする。
【0082】
なお、IC21−1〜21−nにリアルタイム・クロックのような時計を備えて、シーケンス情報219に、シーケンス番号の他に、この時計の時刻を記憶して進入/退出を管理することも可能である。これにより、端末11−1〜11−m間の時刻のズレを意識する必要がなくなる。
また、このような場合であっても、シーケンス番号を用いれば、進入/退出に係る情報が連続した番号になる。よって、通信障害などで、進入/退出に係る情報が送受信できなかった場合に検出することができる。この際、IC21−1〜21−nの時刻のズレは、作戦や出動が終わった後で、端末11−1〜11−mやサーバ等で読み出して実際の時刻とのズレを修正することができる。また、進入/退出時にGPSや端末11−1〜11−mや別途タイムサーバ等を用いて、ICタグ21−1〜21−nの時計の時刻を修正することもできる。
また、上述の実施の形態では、端末11−1〜11−mの制御部300がICタグ21−1〜21−nのシーケンス情報219のシーケンス番号をインクリメントするように記載したが、これに限られない。たとえば、ICタグ21−1〜21−nの制御部200が入退チェック処理時にシーケンス情報219のシーケンス番号をインクリメントするような構成も可能である。
また、隊員が誤って何回も同じゲート等を通過した場合には、制御部200又は制御部300は、シーケンス番号をインクリメントしないこともできる。