(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980041
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】コーヒー生豆の研磨前処理方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
A23F 5/02 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
A23F5/02
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-180336(P2012-180336)
(22)【出願日】2012年8月16日
(65)【公開番号】特開2014-36605(P2014-36605A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591079498
【氏名又は名称】株式会社ユニカフェ
(74)【代理人】
【識別番号】100087550
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 莞爾
(72)【発明者】
【氏名】竹嶋 正隆
【審査官】
池上 京子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−206874(JP,A)
【文献】
米国特許第05076157(US,A)
【文献】
特開昭63−209541(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0092752(US,A1)
【文献】
特開平07−213268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 5/00−5/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨装置へ供給する前のコーヒー生豆に対する処理の方法であって、
前記研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路にコーヒー生豆を供給し、当該搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆に対し水を添加してコーヒー生豆の表面を湿らせることを特徴とするコーヒー生豆の研磨前処理方法。
【請求項2】
前記コーヒー生豆に対して水を添加した後、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の姿勢を変更することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー生豆の研磨前処理方法。
【請求項3】
前記コーヒー生豆の姿勢変更後、当該コーヒー生豆に対し再度水を添加して表面を湿らせることを特徴とする請求項2に記載のコーヒー生豆の研磨前処理方法。
【請求項4】
前記水の添加は、圧縮空気と共に水を噴出散布して行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理方法。
【請求項5】
前記コーヒー生豆に対して水を添加する前に、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の表面を均して、自重落下するコーヒー生豆の量を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理方法。
【請求項6】
研磨装置の上流側に配される装置であって、
前記研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路を有するコーヒー生豆の搬送手段と、
前記搬送手段の途中に配され、搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆の表面に対して水を添加する第一の水分付与手段と、
を少なくとも備えることを特徴とするコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項7】
前記搬送手段の途中において、前記第一の水分付与手段の下流側に、前記搬送路上を滑落するコーヒー生豆の姿勢を変更する1又は2以上の姿勢変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項8】
前記搬送手段の途中において、前記姿勢変更手段の下流側に、姿勢変更後のコーヒー生豆に対し再度水を添加する第二の水分付与手段をさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項9】
前記搬送手段の途中において、前記第一の水分付与手段の上流側に、前記搬送路上を滑落するコーヒー生豆の表面を均して自重落下するコーヒー生豆の量を制御する流量均一化手段をさらに備えることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項10】
前記流量均一化手段は、制御するコーヒー生豆の量を調節できる機能を備えていることを特徴とする請求項9に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項11】
前記搬送手段は、搬送路が直線状であることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項12】
前記水分付与手段は、圧縮空気と共に水を噴出散布する噴霧ノズルであることを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項13】
前記姿勢変更手段は、搬送路上に突出するように配された凸状部材であることを特徴とする請求項7乃至12の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項14】
前記姿勢変更手段は、搬送路背面側から空気が噴出するように配された圧縮空気供給ノズルであることを特徴とする請求項7乃至12の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【請求項15】
前記流量均一化手段は、搬送路上面との間に隙間を形成するように配された板状部材であることを特徴とする請求項9乃至14の何れか1項に記載のコーヒー生豆の研磨前処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー生豆の研磨処理において、コーヒー生豆の表面に付着しているシルバースキン(渋皮又は銀皮)や汚れ等の不純物を効果的に除去することできるようにしたコーヒー生豆の研磨前処理方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー生豆は、コーヒーの果実から果肉とパーチメント(内果皮)を取り除いた(精製した)状態の種子であり、パーチメントの内側にあるシルバースキンによって包まれたものとなっている。このコーヒーの果実の精製において、パーチメントは剥がし易いが、シルバースキンはパーチメントに比べ剥がしにくく、多くのシルバースキンが分離除去されずに残ってしまうものである。つまり、コーヒー生豆の表面(表層)には、薄い種皮であるシルバースキンが密着している。特に、コーヒー生豆の中央を走るセンターカット部は、溝状をした筋であってシルバースキンを巻き込んでいる。ゆえに、精製してもコーヒー生豆の表面からシルバースキンがきれいに除去されず残りがちである。
【0003】
このシルバースキンがコーヒー生豆に残っていると、コーヒー生豆を焙煎して挽き粉にし、湯で浸出してコーヒー飲料にした場合、渋味や雑味等が含まれ、澄んだ美味しいコーヒーが得られない。
そのため、コーヒー生豆の表面に残るシルバースキンを取り除く手段として、コーヒー生豆を水洗いすることが知られている。しかしながら、コーヒー生豆を水洗いした場合、コーヒー生豆に含まれるアミノ酸やクロロゲン酸といった風味の元となる成分が流されてしまう虞があり望ましくない。
【0004】
そこで、コーヒー生豆の表面に残るシルバースキンや汚れなどの不純物を取り除く他の手段として、コーヒー生豆に対して水等を噴霧して加湿した後、研磨する手段が提案されている(特許文献1乃至3を参照)。
この手段は、研磨前にコーヒー生豆に対して水分を添加することでその表面を軟化させ、その後、複数個の研磨転子を回転自在に軸装する主軸を備えた装置を用い、回転する研磨転子の摩擦作用や研削作用によってコーヒー生豆表面のシルバースキンを取り除くものである。また、研磨転子の周面にブラシを備えたものを用いることにより、センターカット部のシルバースキンをも取り除くとするものである。
【0005】
ところが、上記特許文献1乃至3に係る発明では、コーヒー生豆を貯留・供給する装置(供給タンク)からコーヒー生豆を研磨する装置(研磨機)へコーヒー生豆が送られる間に加水するものとなっている。すなわち、
図7に示すように、供給タンク10の略真下に配された研磨機20との間に加水用のノズル15を設け、供給タンク10から研磨機20へ送られるコーヒー生豆に対して側方より水を噴霧して水分を添加するものとしている。
【0006】
しかしながら、供給タンク10の略真下に研磨機20を配した途中に加水用のノズル15を設ける構造(設計)では、供給タンク10のシャッター11を開口すると、コーヒー生豆は自重落下により非常に短時間で研磨機20の供給口21へ送られてしまうため、コーヒー生豆の表面に水分を確実に添加することができない虞があった。しかも、側方より水分を添加するものであるため、たとえば、水の噴霧位置とは反対側(向かい側)や中心部分を自重落下するコーヒー生豆の表面に対して水分を添加することができず、コーヒー生豆の表面に万遍なく水分を添加することができない虞が多分にある。
【0007】
また、上記特許文献1乃至3に係る発明では、供給タンクにおいて加水可能とすることも開示する。しかしながら、この場合も、加水用のノズルが設けられた位置近辺のコーヒー生豆にしか水分を添加することができない虞があり、供給タンクに貯留されている全てのコーヒー生豆の表面に万遍なく水分を添加することができない。この場合、撹拌手段を設けて供給タンクに貯蔵されたコーヒー生豆を撹拌することが考えられるが、コーヒー生豆を無闇に撹拌すると、コーヒー生豆の表面に傷が付いたり、コーヒー生豆が割れてしまったり、品質の低下をもたらしてしまうことが懸念される。
一方、撹拌手段を設けずにコーヒー生豆の表面に万遍なく水分を添加しようとするあまり水分を多く添加すると、コーヒー生豆を水洗いする場合と同様に、コーヒーの風味を失わせてしまう虞もある。また、このような水分を多く添加する手段の場合、水が漏らない構造の設備とする必要があると共に、衛生面を考慮して、設備やコーヒー生豆の乾燥が必要となる場合がある。
【0008】
さらに、上記特許文献1乃至3に係る発明では、研磨機の供給口から排出口までの任意の位置に加水用のノズルを設けて、コーヒー生豆の表面に対して加水を可能とすることも開示する。しかしながら、この場合は、特殊な構造をした研磨機を新たに設計しなければならず、既存の研磨機を用いることができないことから経済的に新たな負担を強いるものとなってしまう。しかも、コーヒー生豆の研磨途中で加水するのでは、コーヒー生豆表面の研磨が不均一なものとなってしまい、シルバースキンや汚れ等の不純物を確実に取り除くことができないことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−175964号公報
【特許文献2】特開平3−164159号公報
【特許文献3】特開平3−164160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、研磨前のコーヒー生豆の表面に対して水分を効率良く確実に、かつ、万遍なく添加することで、コーヒー生豆の表面に付着するシルバースキン等の不純物を効果的に取り除くことができるようにしたコーヒー生豆の研磨前処理方法とその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法は、研磨装置へ供給する前のコーヒー生豆に対する処理の方法であって、研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路にコーヒー生豆を供給し、当該搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆に対し水を添加してコーヒー生豆の表面を湿らせることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法では、コーヒー生豆に対して水を添加した後、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の姿勢を少なくとも1回以上変更するようにすると望ましい。
【0013】
また、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法では、コーヒー生豆の姿勢変更後、当該コーヒー生豆に対し再度水を添加して表面を湿らせるものとすると望ましい。
【0014】
本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法において、コーヒー生豆に対する水の添加、すなわち、姿勢変更前後におけるコーヒー生豆に対する水の添加は、圧縮空気と共に水を噴出散布することにより行うものとすると望ましい。
【0015】
さらに、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法では、コーヒー生豆に対して水を添加する前に、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の表面を均して、自重落下するコーヒー生豆の量を制御するようにすると望ましい。
【0016】
一方、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置は、研磨装置の上流側に配される装置であって、研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路を有するコーヒー生豆の搬送手段と、この搬送手段の途中に配され、搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆の表面に対して水を添加する第一の水分付与手段とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
このコーヒー生豆搬送手段は、搬送路が直線状であるもの限らず、たとえば、搬送路が曲線状あるいはらせん状に形成されたものとしても良い。
【0017】
また、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置では、搬送手段の途中において、第一の水分付与手段の下流側に、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の姿勢を変更する1又は2以上の姿勢変更手段をさらに備えるものとすると望ましい。
この姿勢変更手段は、たとえば、搬送路上に突出するように配された凸状部材や、搬送路の上面において背面側から空気が噴出するように配された圧縮空気供給ノズルとすることができる。
【0018】
また、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置では、搬送手段の途中において、姿勢変更手段の下流側に、姿勢変更後のコーヒー生豆に対し再度水を添加する第二の水分付与手段をさらに備えるものとしても良い。
【0019】
本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置おいて、第一の水分付与手段及び第二の水分付与手段は、たとえば、圧縮空気と共に水を噴出散布する噴霧ノズルとすると望ましい。
【0020】
さらに、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置では、搬送手段の途中において、第一の水分付与手段の上流側に、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の表面を均して自重落下するコーヒー生豆の量を制御する流量均一化手段をさらに備えるものとすると望ましい。
この流量均一化手段は、制御するコーヒー生豆の量を調節できる機能を備えていると望ましい。
そして、流量均一化手段は、たとえば、搬送路上面との間に隙間を形成するように配された板状部材とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコーヒー生豆の研磨前処理方法は、コーヒー生豆を研磨装置へ供給するに際して、研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路にコーヒー生豆を供給し、この搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆に対し水を添加して、コーヒー生豆の表面を湿らせることを有する。ゆえに、本研磨前処理方法では、傾斜する搬送路上を滑落することで、コーヒー生豆の供給装置から研磨装置へ送られるコーヒー生豆の自重落下による滑落形態が平面的に変化すると共に、コーヒー生豆の自重落下時間、すなわち、搬送路上における在留時間が増加し、コーヒー生豆に対して水分を添加し易くなる。
【0022】
言い換えれば、本発明の研磨前処理方法では、コーヒー生豆の供給装置から研磨装置へ送られるコーヒー生豆の自重落下方向が、これまでの直下方向から斜め下方向に変更されることになるので搬送距離が長くなる。また、コーヒー生豆は搬送路上を滑落することで、これまでのように搬送路空間を全体的に通過する立体的な落下形態から、搬送路空間における一部(搬送路上)を通過する平面的な落下(滑落)形態となる。しかも、搬送路面に対する摩擦抵抗によってその滑落速度が低減する。ゆえに、コーヒー生豆が研磨装置へ供給されるまでの時間、すなわち、搬送路上におけるコーヒー生豆の在留時間が増加し、搬送路上に在留するコーヒー生豆に対して水分を確実に、かつ、万遍なく添加することができることになる。
【0023】
また、本発明のコーヒー生豆の研磨前処理装置は、研磨装置の上流側に配される装置であって、研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路を有するコーヒー生豆の搬送手段と、この搬送手段の途中に配され、搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆の表面に対して水を添加する第一の水分付与手段とを少なくとも備えることを有する。ゆえに、本研磨前処理装置は、コーヒー生豆を搬送するめの駆動手段を必要とすることなく、簡単かつ安全にコーヒー生豆の搬送を行うことができる。しかも、装置の構造が簡易であるので、清掃等が容易に行なえ清潔にすることができる。
【0024】
したがって、本発明によれば、研磨前のコーヒー生豆の表面に対して水分を効率良く確実に添加することで、コーヒー生豆の表面に付着するシルバースキン等の不純物を効果的に取り除くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置をコーヒー生豆供給装置と研磨装置との間に配置した状態を示す全体外観図である。
【
図2】本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置の構造を説明する概略図である。
【
図3】本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置における水分付与手段の構造を説明する概略図である。
【
図4】本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置における搬送路の他の構造を説明する概略平面図である。
【
図5】本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置における姿勢変更手段の他の構造を説明する概略図である。
【
図6】
図5に示す姿勢変更手段の動作を説明する概略図である。
【
図7】コーヒー生豆供給装置と研磨装置とを配置した従来の状態を示す全体外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るコーヒー生豆の研磨前処理方法(以下、単に「処理方法」という。)について説明する。
本処理方法では、乾燥した未焙煎のコーヒー生豆を供給する装置(供給タンク)から受け取ったコーヒー生豆を、研磨装置へ向かって下る傾斜した搬送路に供給し、搬送路上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆に対し、水を添加してコーヒー生豆の表面を湿らせるとするものである。
【0027】
つまり、本処理方法において、搬送路は下り傾斜となっているので、コーヒー生豆を搬送するための駆動手段を必要とすることなく自重落下によって搬送路上を滑落移動する。そして、コーヒー生豆は、この滑落移動中に加湿されることで表面が軟化し、表面に付着したシルバースキン等がふやけたようになって取り除き易くなる。また、コーヒー生豆に付与した水が、潤滑油のような働きをして搬送路上での滑りが良くなる
【0028】
このように本処理方法では、コーヒー生豆の自重落下する方向を、これまでの直下方向から斜め下方向に変更すると共に、搬送路上を設けることでコーヒー生豆が平面状となって自重落下(滑落)するようにしたものである。これにより、搬送路面に対する摩擦抵抗によってコーヒー生豆の自重落下速度が従来に比して低減し、コーヒー生豆が研磨装置へ供給されるまでの時間、すなわち、搬送路上におけるコーヒー生豆の在留時間が増加して、コーヒー生豆に対して水分を確実に添加することができるものとなる。しかも、搬送路上を平面的に滑落することで、多くのコーヒー生豆の表面が露呈することになり、一方向からの水分の添加でも、コーヒー生豆に対して水分を確実に添加することができるものとなる。
【0029】
そして、加湿することで表面が軟化したコーヒー生豆は、その後、研磨装置へと送られて研磨されることで、シルバースキン等の不純物を効果的に取り除くことができるようになる。
【0030】
また、本処理方法において、搬送路上を滑落するコーヒー生豆は、平面的に拡げられながらその表面を均すものとすると良い。すなわち、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の厚さ(高さ)を薄く均して多くのコーヒー生豆が露呈するものとし、さらに、自重落下するコーヒー生豆の流量を制御する。
ここで、コーヒー生豆の表面を均すとは、供給タンクから排出された重層状態であるコーヒー生豆全体の高さを低く(厚さを薄く)するものである。これにより、多くのコーヒー生豆が露呈し、コーヒー生豆に対して確実に水分を添加することができることになる。
【0031】
また、本処理方法では、コーヒー生豆に対して水を添加した後、搬送路上を滑落するコーヒー生豆の姿勢を少なくとも1回変更すると良い。
ここで、コーヒー生豆の姿勢とは、搬送路上でのコーヒー生豆の向きをいう。また、姿勢が変更するとは、露呈するコーヒー生豆の側面が変わることをいう。したがって、コーヒー生豆の一面側が上向きで搬送路上を滑落していた場合、上向きではない他の面、たとえば、下向きとなっている他面側が露呈するようにその向きを変更するものである。これにより、搬送路上でコーヒー生豆が滑落しながら撹拌されたようなものとなり、滑落する際に下(裏)向きになっていたコーヒー生豆の一面が上向きになって露呈し、コーヒー生豆の表面全体に水分が万遍なく塗されることになる。
【0032】
さらに、本処理方法では、コーヒー生豆の姿勢変更後、当該コーヒー生豆に対し再度水を添加して表面を湿らせるものとすると良い。すなわち、姿勢が変更することで露呈したコーヒー生豆の表面に対して水を添加するようにしたものである。これにより、搬送路上を自重落下する際に下(裏)向きになっていたコーヒー生豆の表面に水分を添加することで、コーヒー生豆の表面全体に対して確実に水分を添加することができることになる。
【0033】
上述した水の添加は、たとえば、圧縮空気と共に水を噴出散布することにより行うと良い。すなわち、圧縮空気により勢い良く水を散布することで、短時間により少ない水量で効率良く広範囲に散水することができるようにしたものである。これにより、添加する水の拡散性が高まり、効率良く少量の水でコーヒー生豆の表面を湿らせることができることになる。このとき、水の添加量は、コーヒー生豆の重量に対して0.2−0.3%であると望ましい。ゆえに、二回に分けて水を添加する場合は、水の添加量を単純に半分にして、コーヒー生豆の重量に対し0.1−0.15%添加するように水の添加量を適宜調節する。
【0034】
次に、本処理方法を実施する装置の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るコーヒー生豆の研磨前処理装置(以下、単に「処理装置」という。)1は、研磨装置20の上流側に配される装置である。具体的に、本処理装置1は、コーヒー生豆を供給する装置(供給タンク)10とコーヒー生豆の表面を研磨する研磨装置20との間に配される装置である。この本処理装置1は、供給タンク10や研磨装置20の設計を変更することなく、既存の装置をそのまま用いることを可能とするものである。
図1において、本処理装置1は、供給タンク10のシャッター11側の開口と、研磨装置20の供給口21とを連絡するように示されている。
【0035】
また、
図2に示すように、本処理装置1は、コーヒー生豆cの搬送手段2と、第一の水分付与手段5とを少なくとも備える。また、本処理装置1は、必要に応じて、姿勢変更手段6や第二の水分付与手段7、流量均一化手段8をさらに備えるものとすると望ましい。
【0036】
搬送手段2は、研磨装置20に対してコーヒー生豆cを供給するものであって、研磨装置20へ向かって下る傾斜した搬送路3を有する。この搬送手段2は、搬送路3に沿う周面を全体的に覆う筒状(トンネル状)体であっても、搬送路3に沿う両側だけを覆って上面が開口したU字溝状体であっても良い。
図1及び2において、搬送手段2は、直線状をした搬送路3を備える筒状体として示されている。
【0037】
搬送手段2は、コーヒー生豆cが供給タンク10から研磨装置20へ送られるまでの間に、搬送路3においてコーヒー生豆cの表面に水分を添加して確実に湿らせる必要がある。ゆえに、コーヒー豆cの供給装置10と研磨装置20との間において、コーヒー生豆cの表面を湿らせるのに十分な時間を確保しながら滑落する距離が得られない場合、たとえば、搬送路3が曲線を描きながら下方へ向かうらせん状に形成されたものとしても良い。
【0038】
また、搬送手段2は、搬送路3上を滑落するコーヒー生豆cの速さを調節することができるように、搬送路3の傾斜角度を自由に設定することが可能な調整機能付きのものとしても良い。
【0039】
第一の水分付与手段5は、搬送手段2の途中に配され、搬送路3上を自重落下によって滑落するコーヒー生豆cの表面に対して上方より水wを添加するものである。
図3に示すように、第一の水分付与手段5は、たとえば、圧縮空気(エアー)と共に水wを噴出散布する噴霧ノズル5とすることができる。
【0040】
本処理装置1は、搬送手段2の途中において、第一の水分付与手段5の下流側に、搬送路3上を滑落するコーヒー生豆cの姿勢を変更する1又は2以上の姿勢変更手段6をさらに備えるものとすると望ましい。
ここで、第一の水分付与手段5の下流側とは、第一の水分付与手段5による水wの添加がなされた後を意味する。したがって、姿勢変更手段6を設ける位置は、コーヒー生豆cの表面に水分が添加されれば、第一の水分付与手段5とほぼ同じ位置であっても良い。
【0041】
姿勢変更手段6は、
図2に示すように、たとえば、搬送路3上に突出するように配された凸状部材6Aとすることができる。この凸状部材6Aは、たとえば、円柱状をした棒状であって、搬送路3の搬送方向に対して直交する方向に沿って設けるものとすることができる。これにより、搬送路3上を滑落してきたコーヒー生豆cは、凸状部材6Aを乗り越える際に反転等して向きが変更されることになる。しかも、コーヒー生豆cは、凸状部材6Aによって滑落速度が一時的に抑制され、上流側に設けられた第一の水分付与手段5によって表面に水分が添加され易くなる。
図2において、姿勢変更手段6は、第一の水分付与手段5の下流側において、凸状部材6Aが一つだけ設けられたものとして示されている。なお、本処理装置1ではこれに限定されず、凸状部材6Aを複数設けたものとしても良い。
【0042】
また、この姿勢変更手段6は、また、
図4乃至
図6に示すように、搬送路3の背面側から空気が噴出するように配された圧縮空気供給ノズル6Bとすることもできる。この圧縮空気供給ノズル6Bを用いる場合、搬送路3には、空気噴出用の小孔4を予め複数個設けておく。小孔4は、搬送路3の搬送方向に対して直交する方向に沿って一直線状に複数配されたものとしても良いし、ジグザグ状(千鳥状)に複数配されたものとしても良い。また、小孔4は、搬送路3の背面側から空気を噴出することができれば良いので、搬送路3の一部をメッシュ状もしくは網状に形成したものとしても良い。そして、この搬送路3の背面側であって、小孔4が設けられた相当位置に圧縮空気供給ノズル6Bがそれぞれ設けられるものとなる。
図4において、小孔4は、千鳥状に複数(7つ)設けられたものとして示されている。
【0043】
複数設けられた圧縮空気供給ノズル6Bは、
図5に示すように、すべての圧縮空気供給ノズル6Bから同時に空気を噴出させることで、コーヒー生豆cの姿勢を変更するようにしても良いし、
図6に示すように、隣接する圧縮空気供給ノズル6Bから交互に空気を噴出させることで、コーヒー生豆cの姿勢を変更するようにしても良い。
図6において、7つの圧縮空気供給ノズル6b1,6b2,6b3,6b4,6b5,6b6,6b7を設けた姿勢変更手段6を用いてコーヒー生豆cの姿勢を変更することが示されている。この
図6において、図中一番左に配された圧縮空気供給ノズルを1番目として、右へ配されるにしたがい順番に2番目、3番目・・・とし、図中一番右に配された圧縮空気供給ノズルを7番目とすると、空気の噴出は、たとえば、1番目,3番目,5番目,7番目といった奇数番目の圧縮空気供給ノズル6b1,6b3,6b5,6b7から空気aが噴出される状態(
図6(A)参照)と、2番目,4番目,6番目といった偶数番目の圧縮空気供給ノズル6b2,6b4,6b6から空気aが噴出される状態(
図6(B)参照)とが交互に繰り返えされることにより、コーヒー生豆cの姿勢を変更することが行なわれるようになっている。
【0044】
また、本処理装置1では、搬送手段2の途中において、姿勢変更手段6の下流側に、姿勢変更後のコーヒー生豆cに対し再度水wを添加する第二の水分付与手段7をさらに備えるものとすると望ましい。
図3に示すように、第二の水分付与手段7もまた、たとえば、圧縮空気(エアー)と共に水wを噴出散布する噴霧ノズル7とすることができる。
【0045】
さらに、本処理装置1では、搬送手段2の途中において、第一の水分付与手段5の上流側に、搬送路3上を滑落するコーヒー生豆cの量を制御すると共に、当該コーヒー生豆cの表面を均す流量均一化手段8をさらに備えるものとすると望ましい。
【0046】
流量均一化手段8は、たとえば、搬送路3上面との間に隙間を形成するように配された板状部材8とすることができる。すなわち、板状部材8は、搬送路3の搬送方向に対して直交する方向に沿って、搬送路3の上方より垂下するように配されたものとする。ゆえに、搬送路3上面と板状部材8の下端縁部によって形成された隙間をコーヒー生豆cが通過することで、搬送路3上を滑落するコーヒー生豆cの表面を均してその厚さ(高さ)を薄くし、自由落下するコーヒー生豆cの流量が抑制されるようになっている。
【0047】
この流量均一化手段8は、搬送路3上面との間に形成される隙間の大きさ(間隔)を調整し、制御するコーヒー生豆cの流量を調節することができる機能を備えていると望ましい。
図2において、流量均一化手段8は、搬送手段2の上方において板状部材8が螺子9によって締め付け固定され、この螺子9を緩めることで図中矢印方向に上下動可能となり、隙間の大きさ(間隔)を調整することができるものとして示されている。したがって、搬送路3上面と板状部材8の下端縁部によって形成された隙間の大きさ(間隔)を調整することで、搬送路3上を滑落するコーヒー生豆cの量を制御し調節することができるものとなっている。
【0048】
以上のように本処理装置1は、コーヒー生豆表面の研磨工程で一般的に用いている、コーヒー生豆の供給タンク10と、既存の研磨装置20との間に容易に設置することができるものであるので、新たに大きな経済的負担を強いること無く、研磨処理前のコーヒー生豆の表面に対して確実に、かつ、万遍なく水分を添加することができる。しかも、必要以上に水分を多く添加する必要がないので、コーヒーの風味を失わせてしまう虞もない。
【実施例】
【0049】
次に、本願発明に基づく効果の有無を見極めるため、本処理装置を用いてコーヒー生豆の表面に水を添加し、A)表面水分量の測定と、B)研磨後の表面色の観察、及びC)研磨後の表面色彩の測定を行った。
この測定には、幅200mm、長さ660mm、斜度43度の傾斜した搬送路を有し、この搬送路の上流側端部から400mmの位置と、550mmの位置の二箇所に噴霧ノズルが設けられた処理装置を用いた。
【0050】
[表面水分量の測定]
表面水分量の測定は、研磨装置へ供給されるコーヒー生豆に対して万遍なく水が添加されたかを確認するもの、すなわち、各コーヒー生豆の表面に対する散水の均一性を評価するための試験である。
【0051】
本実施例では、水の添加後のコーヒー生豆の重さと、これを乾燥して表面付近の水分を飛ばした後のコーヒー生豆の重さとを比較し、その差を、コーヒー生豆に対する水の添加で付与された表面水分量として、コーヒー生豆の重さに対する割合の平均と標準偏差を求めた。つまり、コーヒー生豆の表面を湿らせた程度を測定する標準的な測定方法は確立されていないので、コーヒー生豆に含まれる水分は簡単には蒸発せず、簡単に蒸発する水分は水の添加によりコーヒー生豆の表面を湿らせたものであると仮定し、この表面水分量を求めることでコーヒー生豆がどの程度湿ったかを確認するものとした。
【0052】
まず、コーヒー生豆として、アラビカ種のブラジル#4/5を30Kg準備し、搬送路を25Kg/分の速度で滑落させ、このコーヒー生豆に対して、二つの噴霧ノズルにより1分あたり合計115ml/50Kg(コーヒー生豆の重量に対して約0.23%)の水を散水した後、下流側端にて容器で受けた。
【0053】
次いで、サンプル数を15として、水が添加されたコーヒー生豆の重さを1粒ずつ測定すると共に、このコーヒー生豆を80℃の温度で10分間それぞれ乾燥した後、再度各コーヒー生豆1粒の重さを測定し、その差を求め、当該コーヒー生豆1粒の重さに対するその差の割合(%)を表面水分量としてそれぞれ求めた。
さらに、求めた表面水分量の平均と、その標準偏差を求めた。以下、その結果を[表1]に示す。
【0054】
一方、比較例1として、従来装置を用いてコーヒー生豆表面の表面に水を添加し、上述と同様の測定を行った。
この測定には、垂直落下距離450mmで、コーヒー生豆の排出口から150mmの位置と、300mmの位置の二箇所に噴霧ノズルが設けられた処理装置を用いた。また、コーヒー生豆として、アラビカ種のブラジル4/5を30Kg準備し、25Kg/分の速度で落とし、このコーヒー生豆に対して、二つの噴霧ノズルにより1分あたり合計115ml/50Kgの水を散水した。
測定によって求めた表面水分量と、その平均、及び標準偏差を、同じく[表1]に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
[表1]に示す結果より、本実施例における表面水分量の平均の方が、比較例1における表面水分量の平均より高く、多く湿っていることがわかる。ゆえに、本願発明のように傾斜する搬送路上を滑落させるコーヒー生豆に対して水を添加する方が、従来技術のように垂直に落下するコーヒー生豆に対して水を添加する場合より、表面を多く湿らせることができるものと言える。
しかも、本実施例の表面水分量はバラツキが少なく、比較例1に比して標準偏差が約半分程度であるので、本願発明の方が従来技術より、コーヒー生豆に対して均一に(万遍なく)水を添加できるものと言える。
【0057】
[研磨後の表面色の観察]及び[表面色彩の測定]
研磨後の表面色の観察と表面色彩の測定は、本願発明における研磨前処理が、研磨工程において望ましい効果を奏するかを確認するもの、すなわち、研磨装置を用いた際の研磨具合を評価するための試験である。
【0058】
本実施例における研磨後の表面色の観察では、水の添加10分後に研磨装置を用いて研磨処理を行い、研磨後のコーヒー生豆の外観の表面色を目視で観察した。また、表面色彩の測定では、色彩色素計を用いて表面の色を数値化した。つまり、研磨後の表面の色彩状態を見ることで、研磨処理においてコーヒー生豆の表面に付着するシルバースキン等の不純物を効果的に取り除くことができるようになったかを確認した。
【0059】
コーヒー生豆の研磨は、研磨筒の内部に、外周に複数の研磨用突条を設けた横軸型の研磨ロールを回転可能に設けた珈琲豆用研磨機を用いて行った。本実施例において研磨ロールは、ウレタン樹脂製の研磨用突条を有し、研磨用突条の先端が研磨筒の内面に達しない突出長さで研磨筒内に配され、研磨用突条の先端と研磨筒の内面との間に存在するコーヒー生豆を研磨する。この珈琲豆用研磨機を用い、8回転/秒の研磨ロールで45秒間処理を行ってコーヒー生豆の表層部の汚れやシルバースキン等を除去した。
そして、研磨処理後のコーヒー生豆の表面色を目視により確認した。以下、その結果を[表2]に示す。
【0060】
引き続き、コニカミノルタ社製の色彩色差計(CR−410)を用い、コーヒー生豆表面の色(明度:L値)を測定した。このL値は白黒の度合いを表し、L値が高いほど白く、100の場合が白色で、0の場合が黒色を示す。その結果を、目視結果と共に[表2]に示す。なお、L値は3回測定を行い、その平均を示す。
【0061】
一方、比較例1に基づいた水の添加10分後に、上述した研磨処理を施して同様の観察及び測定を行った。また、比較例2として、水の添加も研磨処理も施していないコーヒー生豆について同様の観察及び測定を行った。その結果を、それぞれ[表2]に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
[表2]に示す結果より、研磨処理を施さない比較例2は、コーヒー生豆の表面にシルバースキンが多くやや白っぽい青緑色であったが、本実施例のようにコーヒー生豆に対して水を添加する研磨前処理を行ってから研磨処理を行った場合、表層部の汚れやシルバースキン(渋皮又は銀皮)が除去され、やや青緑色が強い美しいものであった。
また、水の添加後に研磨処理を施した比較例1も本実施例同様に、コーヒー生豆の表面はやや青緑色が強いものであったが、L値が本実施例に比して高く、本実施例より白っぽいものであることがわかる。このL値は最低0.5差あれば目視で比較して判別可能なレベルである。ゆえに、本願発明のように傾斜する搬送路上を滑落させるコーヒー生豆に対して水を添加する方が、従来技術のように垂直に落下するコーヒー生豆に対して水を添加する場合より、研磨工程においてシルバースキン等が効果的に取り除くことができるものであると言える。
【符号の説明】
【0064】
a 圧縮空気、c コーヒー生豆、w 水、1 研磨前処理装置、2 搬送手段、3 搬送路、4 小孔、5 第一の水分付与手段(噴霧ノズル)、6 姿勢変更手段、6A 凸状部材、6B 圧縮空気供給ノズル、7 第二の水分付与手段(噴霧ノズル)、8 流量均一化手段(板状部材)、9 螺子、10 供給タンク、11 シャッター、20 研磨装置、21 供給口。