特許第5980119号(P5980119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980119イソオキサゾリン誘導体に基づく殺虫化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980119
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】イソオキサゾリン誘導体に基づく殺虫化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 261/04 20060101AFI20160818BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20160818BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20160818BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20160818BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   C07D261/04CSP
   C07D413/14
   A01N43/80 101
   A01P7/02
   A01P7/04
【請求項の数】16
【全頁数】114
(21)【出願番号】特願2012-541480(P2012-541480)
(86)(22)【出願日】2010年12月1日
(65)【公表番号】特表2013-512274(P2013-512274A)
(43)【公表日】2013年4月11日
(86)【国際出願番号】EP2010068605
(87)【国際公開番号】WO2011067272
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年10月16日
(31)【優先権主張番号】09177640.1
(32)【優先日】2009年12月1日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】10186537.6
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム イーブ カッサイル
(72)【発明者】
【氏名】ペーター レノルト
(72)【発明者】
【氏名】ミリエム エル カセミ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ピテルナ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー クレモンティーヌ トゥーグ
【審査官】 山本 昌広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−308471(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/085216(WO,A1)
【文献】 特開2009−108046(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/153942(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/033562(WO,A1)
【文献】 特開平5−194519(JP,A)
【文献】 米国特許第2845432(US,A)
【文献】 IL Farmaco,1992年,Vol.47, No.6,p.907-918
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 261/00−261/20
C07D 413/00−413/14
A01N 1/00−65/48
A01P 1/00−23/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
1、A2、A3およびA4は、互いに独立して、C−H、C−R5、または、窒素であり;G1は、酸素であり;
Lは、単結合であり;
1は、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルカルボニル−、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル、または、C1〜C8アルコキシカルボニル−であり;
2は、水素、C1〜C8ハロアルキル、または、C1〜C8アルキルであり;
3は、C1〜C8ハロアルキルであり;
4は、1〜3個のR6により置換されたフェニルであり;
各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8ハロアルコキシ、C1〜C8アルコキシカルボニル−であるか、または、隣接した炭素原子上の2個のR5が一緒になって−CH=CH−CH=CH−架橋もしくは−N=CH−CH=CH−架橋を形成しており;
各R6は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、または、C1〜C8ハロアルコキシであり;
1はCR78であり、Y2はOであり、Y3はN−R9であり、そしてY4はC=Oであり;
各R7およびR8は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8ハロアルキルであり;
各R9は、独立して、水素、シアノ、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、または、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、または、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、フェニル、1〜3個のR10で置換されたフェニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキル、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−(C1〜C4アルキル−O−N=)C−CH2−であり;
各R10は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、または、C1〜C8ハロアルコキシである)
または、その塩もしくはN−オキシド。
【請求項2】
前記化合物が、式(Ia.E)の化合物:
【化2】
(式中、A1、A2、A3、A4、R3、R4及びR9は、請求項1に定義されているとおりである)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1がC−R5であり、A2がC−H、であり、A3がC−Hであり、そしてA4がC−Hである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
3がクロロジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
5がブロモ、クロロ、フルオロ、シクロプロピル、ビニルまたはメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
各R6が、独立して、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
9が、水素、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、またはC1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェニル−C1〜C4アルキルもしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキル、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり、ならびに、前記ヘテロアリールが、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリルまたはチアゾリルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
9が、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル、フェニル−CH2−アルキルもしくはフェニル−CH2−(ここで、フェニル部分は1〜3個のR10で置換されている)、フラニルもしくは1〜3個のR10で置換されたフラニル、チエタニル、オキセタニル、オキソ−チエタニルまたはジオキソチエタニルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
9が、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、チエタニル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、アリル、プロパルギル、シアノメチル、ベンジル、1〜3個のR10で置換されたベンジル、または、ピリジン−メチル−もしくは1〜3個のR10で置換されたピリジン−メチル−である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
9がエチルまたはトリフルオロエチルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
1がC−R5であり、A2がC−H、であり、A3がC−Hであり、そしてA4がC−Hであり;
3がクロロジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
4が1〜3個のR6により置換されたフェニルであり;
5がブロモ、クロロ、フルオロ、シクロプロピル、ビニルまたはメチルであり;
各R6が、独立して、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり;
9がエチルまたはトリフルオロエチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
式(Ib)の化合物:
【化3】
【表1】
または式(Ic)の化合物:
【化4】
【表2】
または式(Ie)の化合物:
【化5】
【表3】
または式(Ig)の化合物:
【化6】
【表4】
【請求項13】
式(Int−I)の化合物
【化7】
(式中、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4は、請求項1記載の式(I)の化合物に定義されているとおりであり、ならびに、XBはブロモ基であるか、または、XBは、シアノ、ホルミル、CH=N−OH、あるいは、アセチルである)、または、その塩もしくはN−オキシド;または
式(Int−II)の化合物
【化8】
(式中、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4は、請求項1記載の式(I)の化合物に定義されているとおりであり、ならびに、XCは、CH2−ハロゲン、CH=C(R3)R4、または、CH2C(OH)(R3)R4であって、式中、R3およびR4は請求項1記載の式(I)の化合物に定義されているとおりである);または、その塩もしくはN−オキシド。
【請求項14】
無脊椎有害生物に対処および/またはこれを防除する方法であって、前記有害生物に、前記有害生物の場所(人体を除く)に、または、前記有害生物による被害を受けやすい植物に、有害生物の防除的に有効な量の請求項1定義されている式(I)の化合物を適用するステップを含む方法。
【請求項15】
追加の有害生物防除的に有効な処方成分を任意により含む、請求項1定義されている式(I)の化合物を有害生物の防除的に有効な量で含む組成物。
【請求項16】
有害生物の防除的に有効な量の成分Aと、有害生物の防除的に有効な量の成分Bとを含む複合生成物であって、成分Aは、請求項1定義されている式(I)の化合物であり、および、化合物Bは、イミダクロプリド、エンロフロキサシン、プラジカンテル、パモ酸ピランテル(pyrantel embonate)、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム(moloxicam)、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、フィプロニル、イベルメクチン、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ミルベマイシン、シロマジン、チアメトキサム、ピリプロール、デルタメトリン、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラスロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、セラメクチン、カルプロフェン、メタフルミゾン、モキシデクチン、メトプレン(S−メトプレンを含む)、クロルスロン、ピランテル、アミトラズ、トリクラベンダゾール、アベルメクチン、アバメクチン、エマメクチン、エピリノメクチン、ドラメクチン、セラメクチン、ネマデクチン、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、テトラミソール、レバミゾール、パモ酸ピランテル(pyrantel pamoate)、オキサンテル、モランテル、トリクラベンダゾール、エプシプランテル、フィプロニル、ルフェヌロン、エクジソン、または、テブフェノジドである複合生成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定のベンズアミドイソオキサゾリン、これらを調製するためのプロセスおよび中間体、これらを含む殺虫、殺ダニ、殺線虫および殺軟体動物組成物、ならびに、これらを用いて昆虫、ダニ、線虫および軟体有害生物に対処し、これらを防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性を有する一定のイソオキサゾリン誘導体が、例えば、欧州特許第1,731,512号明細書、米国特許出願公開第2007/066617号明細書、特開2007/008914号公報、特開2007/016017号公報、国際公開第07/026965号パンフレット、特開2007/106756号公報、国際公開第07/070606号パンフレット、国際公開第07/074789号パンフレット、および、国際公開第07/075459号パンフレットに開示されている。
【0003】
意外なことに、一定の新規なイソオキサゾリンが殺虫特性を有していることがここに見出された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従って、式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
1、A2、A3およびA4は、互いに独立して、C−H、C−R5、または、窒素であり;
1は酸素または硫黄であり;
Lは、単結合またはC1〜C8アルキレンであり;
1は、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルカルボニル−、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル、または、C1〜C8アルコキシカルボニル−であり;
2は、水素、C1〜C8ハロアルキル、または、C1〜C8アルキルであり;
3はC1〜C8ハロアルキルであり;
4は、アリールもしくは1〜3個のR6により置換されたアリールであるか、または、R4は、ヘテロシクリルもしくは1〜3個のR6により置換されたヘテロシクリルであり;
各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8ハロアルコキシ、C1〜C8アルコキシカルボニル−であるか、または、隣接した炭素原子上の2個のR5が一緒になって−CH=CH−CH=CH−架橋もしくは−N=CH−CH=CH−架橋を形成しており;
各R6は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、または、C1〜C8ハロアルコキシであり;
1はCR78またはC=Oであり;
2、Y3およびY4は、独立して、CR78、C=O、N−R9、O、S、SOまたはSO2であり;
ここで、Y1、Y2、Y3およびY4により形成された環中の少なくとも2個の隣接する環原子はヘテロ原子であり;
各R7およびR8は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8ハロアルキルであり;
各R9は、独立して、水素、シアノ、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、または、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、または、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、フェニル、1〜3個のR10で置換されたフェニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキル、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキル、またはC1〜C4アルキル−(C1〜C4アルキル−O−N=)C−CH2−であり;
各R10は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、または、C1〜C8ハロアルコキシである)
または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【0005】
式(I)の化合物は、異なる幾何異性体もしくは光学異性体、または、互変異性型で存在し得る。本発明は、このような異性体および互変異性体、ならびに、すべての割合でのこれらの混合物、ならびに、重水素化化合物などの同位体形態のすべてを包含する。
【0006】
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を、例えば、−CR34−基に、または、LR214炭素で含有していてもよく、エナンチオマー(または、ジアステレオ異性体の対として)として、または、これらの混合物として存在していてもよい。さらに、Y基のいずれかがSOである場合、本発明の化合物は、スルホキシドであって、これもまた2種のエナンチオマー型で存在していることが可能である。
【0007】
各アルキル部分は、単独で、または、より大きな基(アルコキシ、アルキルカルボニル、または、アルコキシカルボニルなど)の一部として、直鎖もしくは分岐鎖であり、および、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、プロピ−2−イル、n−ブチル、ブチ−2−イル、2−メチル−プロピ−1−イルまたは2−メチル−プロピ−2−イルである。アルキル基は、好ましくはC1〜C6アルキル基、より好ましくはC1〜C4、および、最も好ましくはC1〜C3アルキル基である。
【0008】
アルケニル部分は、直鎖もしくは分岐鎖の形態であることが可能であり、アルケニル部分は、適切な場合、(E)−または(Z)−立体配置のいずれかであることが可能である。ビニルおよびアリルが例である。アルケニル基は、好ましくはC2〜C6、より好ましくはC2〜C4、および、最も好ましくはC2〜C3アルケニル基である。
【0009】
アルキニル部分は、直鎖もしくは分岐鎖の形態であることが可能である。エチニルおよびプロパルギルが例である。アルキニル基は、好ましくはC2〜C6、より好ましくはC2〜C4、および、最も好ましくはC2〜C3アルキニル基である。
【0010】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0011】
ハロアルキル基(単独で、または、ハロアルコキシなどのより大きな基の一部として)は、1個以上の同一のまたは異なるハロゲン原子で置換されており、例えば、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロ−エチルまたは2,2−ジフルオロ−エチルであるアルキル基である。
【0012】
ハロアルケニル基は、それぞれ、1個以上の同一のまたは異なるハロゲン原子で置換されており、例えば、2,2−ジフルオロビニルまたは1,2−ジクロロ−2−フルオロ−ビニルであるアルケニル基である。
【0013】
ハロアルキニル基は、それぞれ、1個以上の同一のまたは異なるハロゲン原子で置換されており、例えば、1−クロロ−プロピ−2−イニルであるアルキニル基である。
【0014】
本明細書の文脈において、「アリール」という用語は、モノ−、ビ−またはトリシクロであり得る環系を指す。このような環の例としては、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニルまたはフェナントレニルが挙げられる。好ましいアリール基はフェニルである。
【0015】
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有すると共に、単一の環もしくは2つ以上の縮合環のいずれかから構成される芳香族環系を指す。好ましくは、単一の環は3個以下のヘテロ原子を含有しており、および、二環系は4個以下のヘテロ原子を含有していることとなり、これらは、窒素、酸素および硫黄から選択されることが好ましいであろう。(5〜6員)単環式基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピローリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、および、チアジアゾリルが挙げられる。二環式基の例としては、キノリニル、シノリニル、キノキサリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、および、ベンゾチアジアゾリルが挙げられる。単環式ヘテロアリール基が好ましく、O、NまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子(heterotoms)を含有する単環式環が好ましく、例えばピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルであり、好ましくはピリジル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリルであり、ピリジルが最も好ましい。
【0016】
「ヘテロシクリル」という用語は、ヘテロアリール、および、加えて、その不飽和または部分飽和類似体を含んでいると定義される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、R3、R4、Y1、Y2、Y3、Y4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の好ましい値は、いずれかの組み合わせで、以下に記載されているとおりである。
【0018】
好ましくは、A1、A2、A3およびA4の2個以下が窒素である。
【0019】
好ましくは、A1はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A1はC−R5である。
【0020】
好ましくは、A2はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A2はC−Hである。
【0021】
好ましくは、A3はC−HまたはNであり、最も好ましくは、A3はC−Hである。
【0022】
好ましくは、A4はC−HまたはNであり、最も好ましくは、A4はC−Hである。
【0023】
好ましくは、G1は酸素である。
【0024】
好ましくは、Lは単結合またはC1〜C4アルキレンである。より好ましくはLは、単結合またはCH2であり、最も好ましくは単結合である。
【0025】
好ましくは、R1は、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル−、または、メトキシカルボニル−であり、より好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、さらにより好ましくは水素またはメチル、最も好ましくは水素である。
【0026】
好ましくは、R2は、水素またはメチルであり、最も好ましくは水素である。
【0027】
好ましくは、R3はクロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、最も好ましくはトリフルオロ−メチルである。
【0028】
好ましくは、R4は、アリールまたは1〜3個のR6により置換されたアリールであり、より好ましくはR4は、フェニルまたは1〜3個のR6で置換されたフェニルであり、さらにより好ましくはR4は、1〜3個のR6で置換されたフェニルであり、より好ましくはR4は3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−フェニル、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−ブロモ−3,5−ジクロロフェニル、4−フルオロ−3,5−ジクロロフェニル、または、3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、さらにより好ましくはR4は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニル、4−ブロモ−3,5−ジクロロフェニル、または、3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、最も好ましくはR4は3,5−ジクロロ−フェニルである。
【0029】
好ましくは、各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキル、C2〜C8アルケニルであるか、または、隣接した炭素原子上の2個のR5は、一緒になって、−CH=CH−CH=CH−架橋を形成し、より好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキルであり、さらにより好ましくはブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ビニルであり、さらにより好ましくはブロモ、クロロ、フルオロ、シクロプロピル、トリフルオロメチル、ビニル、または、メチルであり、最も好ましくはクロロ、フルオロ、または、メチルである。
【0030】
好ましくは、各R6は、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシであり、より好ましくはクロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、または、トリフルオロメトキシであり、最も好ましくはブロモ、クロロ、または、トリフルオロメチルである。
【0031】
好ましくは、Y1はCR78である。
【0032】
好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−におけるY2、Y3およびY4の2個は、一緒になって、−S−S−、−S−SO−、−SO−SO−、−SO−SO2−、−SO2−SO2−、−O−N(−R9)−、−O−S−、−O−SO−、−O−SO2−、−N(−R9)−N(−R9)−、−N(−R9)−S−、−N(−R9)−S(O)−、または、−N(−R9)−SO2−であるか、より好ましくは−S−S−、−O−N(−R9)−、−O−SO−、−N(−R9)−N(−R9)−、−N(−R9)−S、−N(−R9)−S(O)−または−N(−R9)−SO2である。
【0033】
基−Y2−Y3−Y4−は、−C(R7)(R8)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−S−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO2−、−C(R7)(R8)−O−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−O−S−、−C(R7)(R8)−O−SO−、−C(R7)(R8)−O−SO2−、−C(R7)(R8)−S−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−S−O−、−C(R7)(R8)−S−S−、−C(R7)(R8)−S−SO−、−C(R7)(R8)−S−SO2−、−C(R7)(R8)−SO−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−SO−O−、−C(R7)(R8)−SO−S−、−C(R7)(R8)−SO−SO−、−C(R7)(R8)−SO−SO2−、−C(R7)(R8)−SO2−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−SO2−O−、−C(R7)(R8)−SO2−S−、−C(R7)(R8)−SO2−SO−、−C(R7)(R8)−SO2−SO2−、−C(=O)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−S−、−C(=O)−N(−R9)−SO−、−C(=O)−N(−R9)−SO2−、−C(=O)−O−N(−R9)−、−C(=O)−O−S−、−C(=O)−O−SO−、−C(=O)−O−SO2−、−C(=O)−S−N(−R9)−、−C(=O)−S−O−、−C(=O)−S−S−、−C(=O)−S−SO−、−C(=O)−S−SO2−、−N(−R9)−N(−R9)−C(R7)(R8)、−N(−R9)−N(−R9)−C(=O)、−N(−R9)−N(−R9)−S−、−N(−R9)−N(−R9)−SO−、−N(−R9)−N(−R9)−SO2−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)、−N(−R9)−O−C(=O)−、−N(−R9)−O−N(−R9)−、−N(−R9)−O−S−、−N(−R9)−O−SO−、−N(−R9)−O−SO2−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)、−N(−R9)−S−C(=O)−、−N(−R9)−S−N(−R9)−、−N(−R9)−S−O−、−N(−R9)−S−S−、−N(−R9)−S−SO−、−N(−R9)−S−SO2−、−N(−R9)−SO−C(R7)(R8)、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO−O−、−N(−R9)−SO−S−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−N(−R9)−SO2−S−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(=O)−、−O−N(−R9)−S−、−O−N(−R9)−SO−、−O−N(−R9)−SO2−、−N(−R9)−O−N(−R9)−、−N(−R9)−O−S−、−N(−R9)−O−SO−、−N(−R9)−O−SO2−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−S−C(=O)−、−N(−R9)−S−N(−R9)−、−N(−R9)−S−O−、−N(−R9)−S−S−、−N(−R9)−S−SO−、−N(−R9)−S−SO2−、−N(−R9)−SO−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO−O−、−N(−R9)−SO−S−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−N(−R9)−SO2−S−、−S−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−S−N(−R9)−C(=O)−、−S−N(−R9)−N(−R9)−、−S−N(−R9)−O−、−S−N(−R9)−S−、−S−N(−R9)−SO−、−S−N(−R9)−SO2−、−S−O−C(R7)(R8)−、−S−O−C(=O)−、−S−O−N(−R9)−、−S−S−C(R7)(R8)−、−S−S−C(=O)−、−S−S−S−、−S−SO−C(R7)(R8)−、−S−SO−C(=O)−、−S−SO2−C(R7)(R8)−、−S−SO2−C(=O)−、−SO−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−SO−N(−R9)−C(=O)−、−SO−N(−R9)−N(−R9)−、−SO−N(−R9)−O−、−SO−N(−R9)−S−、−SO−N(−R9)−SO−、−SO−O−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(=O)−、−SO−S−C(R7)(R8)−、−SO−S−C(=O)−、−SO−S−N(−R9)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−C(=O)−、−SO2−N(−R9)−N(−R9)−、−SO2−N(−R9)−O−、−SO2−N(−R9)−S−、−SO2−N(−R9)−SO2−、−SO2−O−C(R7)(R8)−および−SO2−O−C(=O)−から選択され得る。
【0034】
好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−C(R7)(R8)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−S−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO2−、−C(R7)(R8)−O−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−O−SO−、−C(R7)(R8)−O−SO2−、−C(R7)(R8)−S−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−S−S−、−C(R7)(R8)−SO−O−、−C(R7)(R8)−SO2−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−SO2−O−、−C(=O)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−S−、−C(=O)−O−N(−R9)−、−C(=O)−S−N(−R9)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(=O)−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−O−C(=O)−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(=O)−、−O−N(−R9)−SO−、−O−N(−R9)−SO2−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO−O−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−S−N(−R9)−C(R7)(R8)、−S−N(−R9)−C(=O)−、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO−N(−R9)−N(−R9)−、−SO−O−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−N(−R9)−、−SO2−N(−R9)−O−および−SO2−O−C(R7)(R8)−から選択される。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−O−N(−R9)−C(=O)−、−S−S−C(R7)(R8)−、−S−SO−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−(R7)(R8)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(=O)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(R9)−O−、−O−SO−−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO2、−N(−R9)−SO2−O−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−N(−R9)−SO−O−から選択され、さらにより好ましくは、−O−N(−R9)−C(=O)−、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−C(=O)−N(−R9)−O−から選択され、さらにより好ましくは−O−N(−R9)−C(=O)−および−SO−O−C(R7)(R8)−から選択される。
【0035】
一実施形態において、Y2またはY4は、CR78またはC=Oである。この実施形態によれば、基−Y2−Y3−Y4−は、−C(R7)(R8)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−S−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO2−、−C(R7)(R8)−O−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−O−SO−、−C(R7)(R8)−O−SO2−、−C(R7)(R8)−S−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−S−S−、−C(R7)(R8)−SO−O−、−C(R7)(R8)−SO2−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−SO2−O−、−C(=O)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−S−、−C(=O)−O−N(−R9)−、−C(=O)−S−N(−R9)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(=O)−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−O−C(=O)−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(=O)−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−S−N(−R9)−C(R7)(R8)、−S−N(−R9)−C(=O)、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−、および、−SO2−O−C(R7)(R8)−から選択されることが好ましい。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−S−S−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(=O)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−S−S−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−から選択される。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−S−S−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(=O)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−から選択される。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−O−N(−R9)−C(=O)−または−SO−O−C(R7)(R8)−である。
【0036】
一実施形態において、Y2またはY4はC=Oである。この実施形態によれば、基−Y2−Y3−Y4−は、−C(=O)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(=O)−N(−R9)−O−、−C(=O)−N(−R9)−S−、−C(=O)−O−N(−R9)−、−C(=O)−S−N(−R9)−、−N(−R9)−N(−R9)−C(=O)−、−N(−R9)−O−C(=O)−、−O−N(−R9)−C(=O)−および−S−N(−R9)−C(=O)から選択されることが好ましい。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−O−N(−R9)−C(=O)−および−C(=O)−N(−R9)−O−から選択される。
【0037】
一実施形態において、Y2またはY4はCR78である。この実施形態によれば、基−Y2−Y3−Y4−は、−C(R7)(R8)−N(−R9)−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−S−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−SO2−、−C(R7)(R8)−O−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−O−SO−、−C(R7)(R8)−O−SO2−、−C(R7)(R8)−S−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−S−S−、−C(R7)(R8)−SO−O−、−C(R7)(R8)−SO2−N(−R9)−、−C(R7)(R8)−SO2−O−、−N(−R9)−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−S−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−SO2−C(R7)(R8)−、−S−N(−R9)−C(R7)(R8)、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−、−SO2−N(−R9)−C(R7)(R8)−および−SO2−O−C(R7)(R8)−から選択されることが好ましい。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−S−S−C(R7)(R8)−、−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−、−C(R7)(R8)−S−S−、−O−N(−R9)−C(R7)(R8)−、−N(−R9)−O−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−から選択される。より好ましくは、基Y2−Y3−Y4−は、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−および−C(R7)(R8)−N(−R9)−O−から選択される。
【0038】
一実施形態において、Y2およびY4は、独立して、N−R9、O、S、SOまたはSO2である。この実施形態によれば、基−Y2−Y3−Y4−は、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−O−N(−R9)−SO−、−O−N(−R9)−SO2−、−N(−R9)−SO−N(−R9)−、−N(−R9)−SO−O−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−N(−R9)−SO2−O−、−SO−N(−R9)−N(−R9)−、−SO2−N(−R9)−N(−R9)−および−SO2−N(−R9)−O−から選択されることが好ましい。より好ましくは、基Y2−Y3−Y4−は、−N(−R9)−SO2−O−、−O−SO2−O−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、−O−SO2−N(−R9)−および−N(−R9)−SO2−O−から選択される。より好ましくは、基−Y2−Y3−Y4−は、−N(−R9)−SO2−O−、−O−SO2−O−、−N(−R9)−SO2−N(−R9)−、および−O−SO2−N(−R9)−から選択される。
【0039】
一実施形態において、Y1はCR78またはC=Oであり;Y2およびY3は、独立して、CR78、C=O、N−R9、O、S、SOまたはSO2であり;Y4は、CR78、C=O、SOまたはSO2である。好ましくは、Y2およびY3は、独立して、N−R9、O、S、SO、SO2である。好ましくは、Y2およびY3は、独立して、N−R9、OまたはSである。好ましくは、Y2はOまたはSである。より好ましくはY2はOである。好ましくは、Y3はN−R9である。好ましくは、Y4はC=Oである。好ましくは、Y3はN−R9であり、および、Y4はC=Oである。好ましくは、Y2はOであり、Y3はN−R9であり、および、Y4はC=Oである。好ましくは、Y1はCR78であり、Y2はOであり、Y3はN−R9であり、および、Y4はC=Oである。
【0040】
一実施形態において、Y1はCR78であり、Y2およびY3は、独立して、N−R9、O、S、SOまたはSO2であり、ならびに、Y4は、CR78、C=O、SOまたはSO2である。
【0041】
一実施形態において、Y1はCR78であり、Y2はN−R9、O、S、SOまたはSO2であり、Y3はN−R9であり、および、Y4はCR78、C=O、SOまたはSO2であり、好ましくは、Y1はCR78であり、Y2はOまたはSであり、Y3はN−R9であり、および、Y4はC=Oであり、好ましくは、Y1はCR78であり、Y2はOであり、Y3はN−R9であり、および、Y4はC=Oである。
【0042】
一実施形態において、Y1はCR78であり、Y2はN−R9、O、S、SOまたはSO2であり、Y3はOまたはSであり、Y4はC=O、SOまたはSO2である。
【0043】
一実施形態において、Y1はC=Oであり、Y2はN−R9またはOであり、Y3はN−R9であり、Y4はC=O、SOまたはSO2である。
【0044】
一実施形態において、Y1はCR78であり、C=O、Y2は、CR78、C=Oであり、Y3は、N−R9、OまたはSであり、および、Y4はSOまたはSO2である。
【0045】
好ましくは、Y4は、Lが結合である場合に、CR78またはC=Oであり、例えば基−Y2−Y3−Y4−は、−S−S−C(R7)(R8)−、−SO−O−C(R7)(R8)−または−O−N(−R9)−C(=O)−であり、より好ましくは−SO−O−C(R7)(R8)−または−O−N(−R9)−C(=O)−である。
【0046】
好ましくは、Y4がヘテロ原子である場合、LはC1〜C4アルキレンである。
【0047】
好ましくは、Y4がNR9である場合、LはC1〜C4アルキレンであり、この場合、Y3は、NR9、O、S、SOまたはSO2であることが好ましい。
【0048】
好ましくは、Y4がOである場合、LはC1〜C4アルキレンであり、この場合、Y3はNR9であることが好ましい。
【0049】
すべての実施形態において、Y1、Y2、Y3およびY4によって形成される環中の少なくとも2個の隣接する環原子はヘテロ原子である。好ましくは、Y1、Y2、Y3およびY4によって形成される環は、2個の隣接する酸素原子を含有しない。いくつかの場合において、Y1、Y2、Y3およびY4によって形成される環中に酸素環原子は2個以上存在していなくてよい。Y1、Y2、Y3、Y4値をもたらす実施形態は、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の好ましい値を含むいずれかの値と組み合わされてもよい。
【0050】
好ましくは、各R7は、独立して、水素、または、C1〜C8アルキルであり、最も好ましくは水素である。
【0051】
好ましくは、各R8は、独立して、水素、または、C1〜C8アルキルであり、最も好ましくは水素である。
【0052】
好ましくは、R7およびR8は共に水素である。
【0053】
好ましくは、各R9は、独立して、水素、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、または、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、または、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェニル−C1〜C4アルキルもしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキル、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり;より好ましくは、各R9は、独立して、水素、シアノ−C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、または、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェニル−C1〜C4アルキルもしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキル、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり;さらにより好ましくは、各R9は、独立して、水素、シアノ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C6シクロアルキル、または、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、フェニル−CH2−アルキルもしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−CH2−、フラニルもしくは1〜3個のR10で置換されたフラニル、トリアゾリルもしくは任意により1〜3個のR10で置換されたトリアゾリルであり;さらにより好ましくは、各R9は、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C4アルキル、フェニル−CH2−アルキル−もしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−CH2−、フラニルもしくは1〜3個のR10で置換されたフラニル、チエタニル、オキセタニル、オキソ−チエタニル、またはジオキソ−チエタニルであり;さらにより好ましくは、各R9は、独立して、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、チエタニル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、アリル、プロパルギル、シアノメチル、ベンジル、1〜3個のR10で置換されたベンジル、または、ピリジン−メチル−もしくは1〜3個のR10で置換されたピリジン−メチル−である。エチルおよびトリフルオロエチルが特に好ましい。ヘテロアリールとは、好ましくはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリルまたはチアゾリルを指し、より好ましくはピリジル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニルまたはチアゾリルを指し、最も好ましくはピリジルを指す。
【0054】
好ましくは、各R10は、独立して、ハロゲン、シアノ、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシまたはC1〜C8ハロアルコキシであり、最も好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノまたはメトキシである。
【0055】
式(I)の化合物の一実施形態において、A1、A2、A3およびA4は、互いに独立して、C−H、C−R5、または、窒素であり;
1は酸素または硫黄であり;
Lは、単結合またはC1〜C8アルキレンであり;
1は、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルカルボニル−、または、C1〜C8アルコキシカルボニル−であり;
2は水素またはC1〜C8アルキルであり;
3はC1〜C8ハロアルキルであり;
4は、アリール、1〜3個のR6により置換されたアリールであり、または、R4は、ヘテロシクリルもしくは1〜3個のR6により置換されたヘテロシクリルであり;
各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8ハロアルコキシ、C1〜C8アルコキシカルボニル−であるか、または、隣接した炭素原子上の2個のR5は、一緒になって、−CH=CH−CH=CH−架橋を形成し;
各R6は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、または、C1〜C8ハロアルコキシであり;
1はCR78またはC=Oであり;
2およびY3は、独立して、CR78、C=O、N−R9、O、S、SOまたはSO2であり;
4は、CR78、C=O、SOまたはSO2であり;
ここで、Y1、Y2、Y3およびY4により形成された環中の少なくとも2個の隣接する環原子はヘテロ原子であり;
各R7およびR8は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8ハロアルキルであり;
各R9は、独立して、水素、シアノ、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、シクロアルキル基中の1個の炭素原子がO、S、S(O)あるいはSO2で置換されたC3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C8アルコキシ−C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキルであるか、または、各R9は、独立して、5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換された5〜6員ヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり;
各R10は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシあるいはC1〜C8ハロアルコキシであり、または、そのN−オキシドの塩である。
【0056】
この実施形態において、各R9は、好ましくは、独立して、水素、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル−C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C8アルコキシアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェニル−C1〜C4アルキルもしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキルであるか、または、各R9は、独立して、ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換されたヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり、さらにより好ましくは、各R9は、独立して、水素、シアノ−C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、フェニル−C1〜C4アルキル−もしくはフェニル部分が1〜3個のR10で置換されたフェニル−C1〜C4アルキルであるか、または、各R9は、独立して、ヘテロアリール−C1〜C4アルキルもしくはヘテロアリール部分が1〜3個のR10で置換されたヘテロアリール−C1〜C4アルキルであり、さらにより好ましくは、各R9は、独立して、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、チエタニル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、アリル、プロパルギル、シアノメチル、ベンジル、1〜3個のR10により置換されたベンジルであるか、または、各R9は、独立して、ピリジン−メチル−もしくは1〜3個のR10で置換されたピリジン−メチル−である。この実施形態において、Y1、Y2、Y3、Y4、G1、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR10の好ましい値は、上記に定義されているとおりである。
【0057】
好ましい実施形態は、A1がC−R5であり、A2、A3およびA4がC−Hであり、R4が3,5−ジクロロ−フェニルであり、Lが結合であり、ならびに、G1、R1、R2、R3、R5、Y1、Y2、Y3およびY4が式(I)の化合物に定義されているとおりである式(Ia.A)の化合物;または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【0058】
好ましい実施形態は、A1がC−Meであり、A2、A3、およびA4がC−Hであり、R4が3,5−ジクロロ−フェニルであり、Lが結合であり、ならびに、G1、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3およびY4が式(I)の化合物に定義されているとおりである式(Ia.B)の化合物;または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【0059】
好ましい実施形態は、式(Ia.C)の化合物
【化2】
(式中、
2は、水素またはC1〜C4アルキルであり;
3はC1〜C4ハロアルキルであり;
4は、フェニル、または、1〜3個のR6で置換されたフェニルであり;
5は、ハロゲン、ニトロ、C1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニルまたはC1〜C4ハロアルキルであり;
3およびA4は、独立して、C−HまたはNであり;
Lは結合またはメチレンであり;
1、R6、Y1、Y2、Y3およびY4は式(I)について定義されているとおりであり;
ここで、Y1、Y2、Y3およびY4により形成された環中の少なくとも2個の隣接する環原子はヘテロ原子である)、または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。Y1、Y2、Y3、Y4、A3、A4、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の好ましい値は、式Iについて定義されているとおりである。
【0060】
好ましい実施形態は、式(Ia.D)の化合物
【化3】
(式中、
5、Y1、Y2、Y3、Y4およびこれらの好ましい値は、式(I)について定義されているとおりであり;
ここで、Y1、Y2、Y3およびY4により形成された環中の少なくとも2個の隣接する環原子はヘテロ原子である)、または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【0061】
さらに好ましい実施形態は、式(Ia.E)の化合物
【化4】
(式中、
1、A2、A3、A4、R3、R4およびR9、ならびに、これらの好ましい値は式(I)の化合物に定義されているとおりである)、または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。一定の中間体が新規であり、従って、本発明のさらなる態様を構成する。
【0062】
さらに好ましい実施形態は、式(Ia.F)の化合物
【化5】
(式中、
1、A2、A3、A4、R3およびR4、ならびに、これらの好ましい値は式(I)の化合物に定義されているとおりである)、または、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【0063】
一定の中間体が新規であり、従って、本発明のさらなる態様を構成する。新規な中間体の一種の群は、式(Int−I)の化合物
【化6】
(式中、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4は式(I)の化合物について定義されているとおりであり、ならびに、XBはブロモなどの例えばハロゲンといった脱離基であり、または、XBは、シアノ、ホルミル、CH=N−OHあるいはアセチルである)、または、その塩もしくはN−オキシドである。A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4について好ましいものは、式(I)の化合物の対応する置換基に対して好ましいと記載されたものと同じである。例えば、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4について好ましいものは、式(Ia.A)、(Ia.B)、(Ia.C)、(Ia.D)、(Ia.E)または(Ia.F)に対するものと同じであってもよい。
【0064】
新規な中間体の他の群は、式(Int−II)の化合物
【化7】
(式中、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4は式(I)の化合物に定義されているとおりであり;XCは、CH2−ハロゲン(ここで、ハロゲンは例えば、ブロモもしくはクロロである)、CH=C(R3)R4、または、CH2C(OH)(R3)R4であり、式中、R3およびR4は式(I)の化合物に定義されているとおりである)、または、その塩もしくはN−オキシドである。A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4について好ましいものは、式(I)の化合物の対応する置換基に対して好ましいと記載されたものと同じである。例えば、A1、A2、A3、A4、G1、L、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4について好ましいものは、式(Ia.A)、(Ia.B)、(Ia.C)、(Ia.D)、(Ia.E)または(Ia.F)に対するものと同じであってもよい。
【0065】
以下の表1〜表2中の化合物が本発明の化合物を例示している。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
式Iの化合物は少なくとも1つのキラル中心を有しており、式I*の化合物または式I**の化合物として存在し得る。I*およびI**の化合物は、他のキラル中心が存在していなければエナンチオマーであるか、または、そうでなければエピマーである。
【化8】
【0070】
一般に、式I**の化合物は、式I*の化合物よりも生物学的に活性である。本発明は、例えば1:99〜99:1のモル比、例えば10:1〜1:10、例えば実質的に50:50モル比といったいずれかの比でのI*およびI**の化合物の混合物を含む。鏡像異性体的に(またはエピマー的に)富化された式I**の混合物において、両方のエナンチオマーの総量に比した化合物I**のモル割合は、例えば50%超、例えば少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または、少なくとも99%である。同様に、鏡像異性体的に(またはエピマー的に)富化された式I*の混合物において、両方のエナンチオマーの総量と(またはエピマー的に)比した式I*の化合物のモル割合は、例えば50%超、例えば少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または、少なくとも99%である。鏡像異性体的に(またはエピマー的に)富化された式I**の混合物が好ましい。
【0071】
本発明の化合物は、スキーム1および2に示されてるとおり多様な方法により形成され得る。
【化9】
【0072】
1)式(I)の化合物(式中、G1は酸素である)は、式(II)の化合物(式中、G1は酸素であり、および、RはOH、C1〜C6アルコキシまたはCl、FまたはBrである)と、式(III)のアミンとをスキーム1に示されているとおり反応させることにより調製されることが可能である。RがOHである場合、このような反応は、通常、N,N’−ジシクロヘキシル−カルボ−ジイミド(「DCC」)、1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノ−プロピル)−カルボジイミドヒドロクロリド(「EDC」)またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(「BOP−Cl」)などのカップリング剤の存在下に、塩基の存在下に、および、任意により、ヒドロキシベンゾ−トリアゾール(「HOBT」)などの求核性触媒の存在下に実施される。RがClである場合、このような反応は、通常、塩基の存在下に、および、任意により、求核性触媒の存在下に実施される。あるいは、有機溶剤(好ましくは酢酸エチル)および水性溶剤(好ましくは炭酸水素ナトリウムの溶液)を含む二相系中に反応を実施することが可能である。RがC1〜C6アルコキシである場合、サーマルプロセスにおいて、エステルとアミンとを一緒に加熱することによりエステルを直接的にアミドに転化させることが可能な場合がある。好適な塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(「DMAP」)またはジイソプロピル−エチルアミン(Hunig塩基)が挙げられる。好ましい溶剤は、N,N−ジメチルアセタミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチルおよびトルエンである。この反応は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度で、特に周囲温度で実施される。式(III)のアミンは、文献において公知であるか、または、当業者に公知の方法を用いて調製されることが可能である。これらの方法のいくつかが調製実施例において記載されている。
【0073】
2)式(II)の酸ハロゲン化物(式中、G1は酸素であり、および、Rは、Cl、FまたはBrである)は、式(II)のカルボン酸(式中、G1は酸素であり、および、RはOHである)から、標準条件下で、例えば国際公開第09080250号パンフレットに記載されているとおり形成され得る。
【0074】
3)式(II)のカルボン酸(式中、G1は酸素であり、および、RはOHである)は、式(II)のエステル(式中、G1は酸素であり、および、RはC1〜C6アルコキシである)から、例えば国際公開第09080250号パンフレットに記載されているとおり形成され得る。
【0075】
4)式(I)の化合物(式中、G1は酸素である)は、式(IV)の化合物(式中、XBは、例えばブロモなどのハロゲンといった脱離基である)と、一酸化炭素および式(III)のアミンとを、酢酸パラジウム(II)またはビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下に、任意により、トリフェニルホスフィンなどのリガンドおよび炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(「DMAP」)またはジイソプロピル−エチルアミン(Hunig塩基)などの塩基の存在下に、水、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶剤中で反応させることにより調製されることが可能である。この反応は、50℃〜200℃、好ましくは100℃〜150℃の温度で実施される。この反応は、50〜200bar、好ましくは100〜150barの圧力で実施される。
【0076】
5)式(IV)の化合物(式中、XBは、ブロモなどの例えばハロゲンといった脱離基である)は、例えば国際公開第09080250号パンフレットに記載されているとおり、種々の方法により形成されることが可能である。
【0077】
6)式(I)の化合物(式中、G1は硫黄である)は、式(II)の化合物(式中、G1は酸素であり、および、Rは、OH、C1〜C6アルコキシ、または、Cl、FあるいはBrである)を、1)で記載されているとおり、式(I)の化合物の合成に先立って、Lawesson試薬または五硫化リンなどのチオ基転移剤で処理することにより形成され得る。
【化10】
【0078】
7)あるいは、式(I)の化合物(式中、G1は酸素である)は、スキーム2に示されているとおり、式(V)の中間体(式中、G1は酸素であり、および、XBはブロモなどの例えばハロゲンといった脱離基であるか、または、XBは、シアノ、ホルミルあるいはアセチルである)から、国際公開第09080250号パンフレットに記載のものと類似の方法に従って、種々の方法により調製されることが可能である。式(V)の中間体は、例えば、同一の文献に記載のとおり式(VI)の中間体から調製されることが可能である。
【化11】
【0079】
8)あるいは、式(I)の化合物(式中、G1は酸素である)は、スキーム3に示されているとおり、式(VII)の中間体(式中、G1は酸素であり、ならびに、XCは、CH=C(R3)R4またはCH2C(OH)(R3)R4であり、式中、R3およびR4は式(I)の化合物について定義されているとおりである)から、国際公開第09080250号パンフレットに記載のものと類似の方法に従って、種々の方法により調製されることが可能である。
【0080】
9)式(VII)の化合物(式中、G1は酸素であり、および、XCは、CH=C(R3)R4またはCH2C(OH)(R3)R4である)は、式(Va)の化合物(式中、G1は酸素である)から、または、式(VII)の化合物(式中、G1は酸素であり、および、XCはCH2−ハロゲンである)から、国際公開第09080250号パンフレットに記載のものと類似の方法を用いて調製されることが可能である。
【0081】
10)式(VII)の化合物(式中、G1は酸素であり、および、XCは、CH2−ハロゲン(ブロモまたはクロロなど)である)は、式(Va)のメチルケトン(式中、G1は酸素である)と、臭素または塩素などのハロゲン化剤とを、酢酸などの溶剤中に、0℃〜50℃、好ましくは周囲温度〜40℃の温度で反応させることにより調製されることが可能である。
【0082】
11)式(III)の化合物は、公知の化合物であるか、または、当業者に公知の方法により調製されることが可能である。このような方法の例は以下の実施例において見いだされることが可能である。
【0083】
式(I)の化合物は、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅目、直翅目、網翅目、鞘翅目、ノミ目、膜翅目および等翅目などの昆虫有害生物、ならびに、例えば、ダニ、線虫および軟体有害生物といった他の無脊椎有害生物の侵襲に対処し、これらを防除するために用いられることが可能である。昆虫、ダニ、線虫および軟体動物は、以降本明細書においては、まとめて有害生物と称される。本発明の化合物の使用により対処および防除され得る有害生物は、農業(この用語は、食品および繊維製品用の作物の栽培を含む)、園芸、および、畜産、伴侶動物、林業、および、野菜に由来する製品(果実、穀物および材木など)の保管に関連する有害生物;人工建造物の損傷、ならびに、人および動物の疾病の伝播に関連する有害生物;ならびに、不快な有害生物(ハエなど)をも含む。
【0084】
本発明の化合物は、例えば芝生、花などの観賞用植物、潅木、闊葉樹、または、例えば針葉樹といった常緑樹に、ならびに、樹幹注入、有害生物管理等のために用いられ得る。
【0085】
式(I)の化合物によって防除され得る有害生物種の例としては:モモアカアブラムシ(Myzus persicae)(アブラムシ)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)(アブラムシ)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)(アブラムシ)、メクラカメムシ科の一種(Lygus spp.)(カプシッド)、ジスデルクス属の一種(Dysdercus spp.)(カプシッド)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)(トビイロウンカ)、ツマグロヨコバイ(Nephotettixc incticeps)(リーフホッパー)、ネザラ属の一種(Nezara spp.)(カメムシ)、ユースキスツス属の一種(Euschistus spp.)(カメムシ)、レプトコリサ属の一種(Leptocorisa spp.)(カメムシ)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)(アザミウマ)、トリプス属の一種(Thrips spp.)(アザミウマ)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、メキシコワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)(ワタミゾウムシ)、アオニジエラ属の一種(Aonidiella spp.)(カイガラムシ)、トリアロイデス属の一種(Trialeurodes spp.)(コナジラミ)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)(コナジラミ)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガ)、スポドプテラクットラリス(Spodoptera littoralis)(コットンリーフワーム(cotton leafworm))、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ(cotton bollworm))、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)(オオタバコガ(cotton bollworm))、シレプタデロガタ(Sylepta derogata)(ワタノメイガ)、シロチョウ(Pieris brassicae)(モンシロチョウ)、コナガ(Plutella xylostella)(コナガ)、アグロティス属の一種(Agrotis spp.)(ヨトウムシ)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)(ニカメイチュウ)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)(バッタ)、オーストラリアトビバッタ(Chortiocetes terminifera)(バッタ)、ディアブロティカ属の一種(Diabrotica spp.)(ネクイムシ)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、ミカンハダニ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)(ニセナミハダニ)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)(ミカンサビダニ)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)(チャノホコリダニ)、ブレビパルプス属の一種(Brevipalpus spp.)(ヒメハダニ)、オウシマダニ(Boophilus microplus)(ウシマダニ)、アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)(カクマダニ)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)、リリオミザ属の一種(Liriomyza spp.)(葉もぐり虫)、イエバエ(Musca domestica)(イエバエ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(カ)、ハマダラカ属の一種(Anopheles spp.)(カ)、イエカ属の一種(Culex spp.)(カ)、ルシリア属の一種(Lucillia spp.)(クロバエ)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)(ゴキブリ)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)(ゴキブリ)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)(ゴキブリ)、ムカシシロアリ科のシロアリ(例えば、マストテルメス属の一種(Mastotermes spp.))、レイビシロアリ科のシロアリ(例えば、ネオテルメス属の一種(Neotermes spp.))、ミゾガシラシロアリ科のシロアリ(例えば、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、キアシシロアリ(Reticulitermes flavipes)、ヤマトシロアリ(R.speratu)、R.ビルギニクス(R.virginicus)、R.ヘスペルス(R.hesperus)、および、R.サントネンシス(R.santonensis))ならびにシロアリ科のシロアリ(例えばキイロマルガシラシロアリ(Globitermes sulfureus))、アカカミアリ(Solenopsis geminata)(アカカミアリ)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)(イエヒメアリ)、ダマリニア属の一種(Damalinia spp.)およびケモノホソジラミ属の一種(Linognathus spp.)(ハジラミおよびシラミの一種)、メロイドギネ属の一種(Meloidogyne spp.)(ネコブセンチュウ)、グロボデラ属の一種(Globodera spp.)およびシストセンチュウ属の一種(Heterodera spp.)(シストセンチュウ)、プラチレンクス属の一種(Pratylenchus spp.)(ネグサレセンチュウ)、ロドホラス属の一種(Rhodopholus spp.)(バナナネモグリセンチュウ)、チレンクルス属の一種(Tylenchulus spp.)(ミカンネセンチュウ)、捻転胃虫(Haemonchus contortus)(捻転胃虫)、カエノラブディティスエレガンス(Caenorhabditis elegans)(センチュウ)、毛様線虫属の一種(Trichostrongylus spp.)(胃腸線虫の一種)、ならびに、ノハラナメクジ(Deroceras reticulatum)(ナメクジ)が挙げられる。
【0086】
本発明は、従って、有害生物に、有害生物の場所に、または、有害生物による被害を受けやすい植物に、有害生物の防除的に有効な量の式(I)の化合物を適用するステップを含む、例えば無脊椎有害生物といった動物の有害生物に対処および/またはこれを防除する方法を提供する。特に、本発明は、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的にまたは殺軟体動物的に有効量の式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物を含有する組成物を、有害生物に、有害生物の場所(好ましくは植物)に、または、有害生物による被害を受けやすい植物に適用するステップを含む、昆虫、ダニ、線虫または軟体動物に対処および/またはこれらを防除する方法を提供する。式(I)の化合物は、昆虫、ダニまたは線虫に対して用いられることが好ましい。
【0087】
「植物」という用語は、本明細書において用いられるところ、苗、低木および高木を含む。
【0088】
作物とは、従来の交配法または遺伝子操作により、除草剤または除草剤のクラス(例えばALS−、GS−、EPSPS−、PPO−およびHPPD−抑制剤)に対して耐性とされた作物をも包含するとして理解されるべきである。従来の交配法により例えばイマザモックスといったイミダゾリノンに対して耐性とされた作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(アブラナ)である。遺伝子操作法により除草剤に対して耐性とされた作物の例としては、商品名RoundupReady(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されている例えばグリホサート−およびグルホシネート−耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
【0089】
作物はまた、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性)、Bt綿(メキシコワタミゾウムシに耐性)、また、Btジャガイモ(コロラドハムシに耐性)といった、遺伝子操作法によって有害な昆虫に対する耐性が与えられたものであると理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt176トウモロコシ交配種である。殺虫性の耐性をコードし、1種以上の毒素を発現する1種以上の遺伝子を含む遺伝子組換え植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)およびProtexcta(登録商標)である。
【0090】
植物作物もしくはその種子材は共に、除草剤に耐性であることが可能であり、かつ、同時に、昆虫の摂食に耐性であることが可能である(「重畳的な」トランスジェニックイベント)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質の発現能を有していることが可能であり、その一方で、同時にグリホサートに対して耐性である。
【0091】
作物はまた、従来の交配法もしくは遺伝子操作により得られ、および、いわゆる、出力形質(例えば向上した貯蔵安定性、高い栄養価および向上された風味)を有するものとして理解されるべきである。
【0092】
殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺軟体動物剤として、式(I)の化合物を有害生物に、有害生物の場所に、または、有害生物による被害を受けやすい植物に適用するために、式(I)の化合物は、通常、式(I)の化合物に追加して、好適な不活性希釈剤またはキャリア、および、任意により、表面活性剤(SFA)を含む組成物に配合される。SFAは、界面張力を低下させることにより界面(例えば、液体/固体、液体/空気または液体/液体界面)の特性を改変させ、これにより、他の特性(例えば分散性、乳化性および濡れ性)に変化をもたらすことが可能である化学物質である。すべての組成物(固体および液体配合物の両方)が、重量基準で、0.0001〜95%、より好ましくは1〜85%、例えば5〜60%の式(I)の化合物を含んでいることが好ましい。組成物は、一般に、式(I)の化合物が、0.1g〜10kg/ヘクタール、好ましくは1g〜6kg/ヘクタール、より好ましくは1g〜1kg/ヘクタールの量で適用されるような様式で、有害生物の防除に用いられる。
【0093】
種子粉衣において用いられる場合、式(I)の化合物は、種子1キログラム当たり、0.0001g〜10g(例えば0.001gまたは0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4gの量で用いられる。
【0094】
他の態様において、本発明は、有害生物の防除的に有効な量の式(I)の化合物を含む組成物であって、特に、殺虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的にまたは殺軟体動物的に有効量の式(I)の化合物、および、これに好適なキャリアもしくは希釈剤を含む殺虫、殺ダニ、殺線虫または殺軟体動物組成物を提供する。この組成物は、殺虫、殺ダニ、殺線虫または殺軟体動物組成物であることが好ましい。
【0095】
組成物は、散布可能な粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)、水和剤(WP)、顆粒(GR)(遅放性または速放性)、可溶性濃縮物(SL)、油に混和性の液体(OL)、超低量液体(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、エマルジョン(水中油型(EW)および油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁濃縮物(SC)、エアロゾル、煙霧/燻蒸配合物、カプセル懸濁液(CS)および種子処理配合物を含む多数の配合物タイプから選択されることが可能である。いずれの事例においても、選択される配合物タイプは、想定されている特定の目的、ならびに、式(I)の化合物の物理的、化学的および生物学的特性に応じることとなる。
【0096】
散布可能な粉末(DP)は、式(I)の化合物を、1種以上の固体希釈剤(例えば天然クレイ、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キースラガー、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク、ならびに、他の有機および無機固体キャリア)と混合し、この混合物を微粉末に機械的に粉砕することにより調製され得る。
【0097】
可溶性粉末(SP)は、式(I)の化合物を、1種以上の水溶性無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなど)もしくは1種以上の水溶性有機固形分(多糖類など)、および、任意により、1種以上の湿潤剤、1種以上の分散剤、または、前記薬剤の混合物と混合して、水への分散性/溶解度を向上させることにより調製され得る。次いで、混合物は微粉末に粉砕される。同様の組成物が粒状化されて、水溶性顆粒(SG)が形成されてもよい。
【0098】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1種以上の固体希釈剤またはキャリア、1種以上の湿潤剤、ならびに、好ましくは、1種以上の分散剤、および、任意により、1種以上の懸濁剤と混合して、液体における分散性を促進させることにより調製され得る。次いで、混合物は微粉末に粉砕される。同様の組成物が粒状化されて、水分散性顆粒(WG)が形成されてもよい。
【0099】
顆粒(GR)は、式(I)の化合物と、1種以上の粉末固体希釈剤もしくはキャリアとの混合物を造粒することにより形成され得、または、式(I)の化合物(または、好適な薬剤中のその溶液)を多孔性の顆粒状材料(軽石、アタパルジャイトクレイ、フーラー土、キースラガー、珪藻土または粉砕されたトウモロコシ穂軸など)中に吸収させ、もしくは、式(I)の化合物(または、好適な薬剤中のその溶液)を硬質の核材料(砂、ケイ酸、炭酸塩鉱物、硫酸塩またはリン酸塩など)に吸収させ、必要に応じて乾燥させることにより予め形成されている圧縮粉顆粒から形成され得る。吸収または吸着を助けるために通常用いられる薬剤としては、溶剤(脂肪族および芳香族石油溶剤、アルコール、エーテル、ケトン、ならびに、エステルなど)および固着材(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖質および植物油など)が挙げられる。1種以上の他の添加剤もまた顆粒中に含まれていてもよい(例えば、乳化剤、湿潤剤または分散剤)。
【0100】
分散性濃縮物(DC)は、式(I)の化合物を水、または、ケトン、アルコールあるいはグリコールエーテルなどの有機溶剤中に溶解させることにより調製され得る。これらの溶液は、表面活性剤を含有していてもよい(例えば、水による希釈を向上させるか、または、噴霧タンク中での結晶化を防止するため)。
【0101】
乳化性濃縮物(EC)または水中油型エマルジョン(EW)は、式(I)の化合物を有機溶剤(任意により、1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤または前記薬剤の混合物を有する)中に溶解させることにより調製され得る。ECにおいて好適に用いられる有機溶剤としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150およびSOLVESSO 200(SOLVESSOは登録商標である)により例示されるアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)、ケトン(シクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノンなど)、および、アルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコールまたはブタノールなど)、N−アルキルピロリドン(N−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8〜C10脂肪酸ジメチルアミドなど)、および、塩素化炭化水素が挙げられる。EC生成物は、水に添加されると自然に乳化して、適切な器具での噴霧用途が可能なほどに十分な安定性を有するエマルジョンをもたらし得る。EWの調製では、液体(室温で液体ではない場合には、典型的には70℃未満といった適切な温度で溶融されていてもよい)として、または、溶液(適切な溶剤中に溶解させることにより)で式(I)の化合物を得、次いで、得られた液体または溶液が1種以上のSFAを含有する水中に、高せん断下で乳化してエマルジョンがもたらされる。EWにおいて好適に用いられる溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶剤(アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)、および、水への溶解度が低い他の適切な有機溶剤が挙げられる。
【0102】
ミクロエマルジョン(ME)は、1種以上の溶剤と1種以上のSFAとのブレンドを水と混合して、熱力学的に安定な等方性液体配合物を自然にもたらすことにより調製され得る。式(I)の化合物は、最初は、水または溶剤/SFAブレンドのいずれかの中に存在している。MEにおいて好適に用いられる溶剤としては、ECまたはEWにおける使用について前述されているものが挙げられる。MEは、水中油型または油中水型系のいずれかであり得(どちらの系が存在しているかは、伝導率の測定によって判定され得る)、同一の配合物中の水溶性および油溶性有害生物防除剤の混合に好適であればよい。MEは、マイクロエマルジョンのままで、または、従来の水中油型エマルジョンを形成して水中に好適に希釈される。
【0103】
懸濁濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微細な不溶性固体粒子の水性または不水性懸濁液を含んでいてもよい。SCは、式(I)の固体化合物を、好適な媒体中で、任意により1種以上の分散剤と共にボールミルまたはビーズミルにかけて、化合物の微細な粒子懸濁液をもたらすことにより調製され得る。1種以上の湿潤剤が組成物中に含まれていてもよく、懸濁剤が、粒子の沈降速度を低減するために含まれていてもよい。あるいは、式(I)の化合物は、乾式ミルにかけられ、および、明細書中に上述されている薬剤を含有する水に添加されることにより、所望の最終生成物がもたらされてもよい。
【0104】
エアロゾル配合物は、式(I)の化合物および好適な噴射剤(例えばn−ブタン)を含む。式(I)の化合物はまた、好適な媒体(例えば水、または、n−プロパノールなどの水和性の液体)中に溶解または分散されて、非加圧式の手動噴霧ポンプにおける使用のための組成物がもたらされてもよい。
【0105】
式(I)の化合物は、乾燥状態で火工混合物と混合されて、閉鎖空間において化合物を含有する煙を発生させるために好適な組成物が形成されてもよい。
【0106】
カプセル懸濁液(CS)は、EW配合物の調製と同様に調製され得るが、油滴の各々が高分子シェルに内包されており、式(I)の化合物と、任意により、これのためのキャリアまたは希釈剤とが含有されている、油滴の水性分散体が得られるような追加の重合ステージが伴う。高分子シェルは、界面重縮合反応より、もしくは、コアセルベーション手法の一方により生成され得る。組成物は式(I)の化合物の徐放をもたらし得、種子処理に用いられ得る。式(I)の化合物はまた、生分解性高分子マトリックス中に配合されて、化合物がゆっくりとした、徐放性とされてもよい。
【0107】
組成物は、1種以上の添加剤が含まれていることで組成物の生物学的性能(例えば、式(I)の化合物の濡れ性、保持性、あるいは、表面上での分布;被処理表面上での雨に対する耐性;または、摂取もしくは易動性を向上することにより)が向上されていてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤、例えば一定の鉱油もしくは天然の植物油(大豆油およびナタネ油など)といった油系の噴霧添加剤、および、これらと他の生体活性増強(bio−enhancing)補助剤(式(I)の化合物の作用を補助もしくは改変し得る処方成分)とのブレンドが挙げられる。
【0108】
式(I)の化合物はまた、例えば、乾燥種子処理調用粉末(DS)、水溶性粉末(SS)、あるいは、スラリー処理用の水分散性粉末(WS)を含む粉末組成物、または、流動性濃縮物(FS)、溶液(LS)、あるいは、カプセル懸濁液(CS)を含む液体組成物といった種子処理剤として用いられるために配合されてもよい。DS、SS、WS、FSおよびLS組成物の調製は、それぞれ、上述したDP、SP、WP、SCおよびDC組成物の調製ときわめて類似している。種子を処理するための組成物は、種子への組成物の接着を補助する薬剤を含み得る(例えば、鉱油またはフィルム形成性バリア)。
【0109】
湿潤剤、分散剤および乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性またはノニオン性の表面SFAであり得る。
【0110】
好適なカチオン性のSFAとしては、第4級アンモニウム化合物(例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン、および、アミン塩が挙げられる。
【0111】
好適なアニオン性SFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪族モノエステルの硫酸塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホネート、および、ジ−イソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムとトリ−イソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムとの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えばナトリウムラウレス−3−スルフェート)、エーテルカルボキシレート(例えばナトリウムラウレス−3−カルボキシレート)、リン酸エステル(例えば、ラウリルアルコールと四リン酸との反応といった1種以上の脂肪族アルコールとリン酸(主にモノエステル)または五酸化リン(主にジ−エステル)との反応からの生成物;また、これらの生成物はエトキシル化されていてもよい)、スルホスクシナメート、パラフィンまたはオレフィンスルホン酸塩、タウレートおよびリグノスルホネートが挙げられる。
【0112】
好適な両性SFAとしては、ベタイン、プロピオネート、および、グリシネートが挙げられる。
【0113】
好適なノニオン性のSFAとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、または、これらの混合物などのアルキレンオキシドと、脂肪族アルコール(オレイルアルコールまたはセチルアルコールなど)もしくはアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはオクチルクレゾールなど)との縮合物;長鎖脂肪酸またはヘキシトール無水物由来の部分エステル;前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物;ブロックポリマー(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);ならびに、レシチンが挙げられる。
【0114】
好適な懸濁剤としては、親水性コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)および膨潤粘土(ベントナイトまたはアタパルジャイトなど)が挙げられる。
【0115】
式(I)の化合物は、有害生物防除化合物を適用する公知の手段のいずれかによって適用されればよい。例えば、式(I)の化合物は、配合された状態もしくは未配合の状態で、有害生物に、または、有害生物の場所(有害生物の棲息地、または、有害生物に侵襲されやすい栽培植物など)に、または、群葉、茎、枝あるいは根を含む植物のいずれかの部位に、植える前の種子に、または、植物が成長しているか、もしくは、植えられる他の媒体(根の周囲の土壌、一般的な土壌、田面水または水耕栽培システムなど)に直接的に適用され得るか、または、式(I)の化合物は、噴霧され、散布され、浸漬により適用され、クリームもしくはペースト配合物として適用され、気化されて適用され、あるいは、土壌もしくは水環境中の組成物(顆粒状組成物もしくは水溶性バッグに充填された組成物など)の分布もしくは取込みを介して適用され得る。
【0116】
式(I)の化合物はまた、植物に注入されるか、または、電気式噴霧技術または他の低体積法を用いて植生に噴霧されるか、または、土地または大気潅漑システムにより適用されればよい。
【0117】
水性調製物(水溶液または分散体)として用いられる組成物は、一般に、有効成分を高い割合で含有している濃縮物の形態で提供され、この濃縮物は水に加えられてから使用される。DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WGおよびCSを含んでいてもよいこれらの濃縮物は、度々、長期にわたる保管に耐え、このような保管の後に、水に加えられて、従来の噴霧器具による適用が可能であるよう十分な時間均質なままである水性調製物を形成することが可能であることが要求される。このような水性調製物は、用いられる目的に応じて様々な量の式(I)の化合物(例えば0.0001〜10重量%)を含有し得る。
【0118】
式(I)の化合物は、肥料(例えば窒素−、カリウム−またはリン−含有肥料)との混合物において用いられ得る。好適な配合物タイプは肥料の顆粒を含む。混合物は、25重量%以下の式(I)の化合物を含有していることが好ましい。
【0119】
本発明はまた、従って、肥料および式(I)の化合物を含む肥料組成物を提供する。
【0120】
本発明の組成物は、例えば微量元素といった生物学的活性を有している他の化合物、または、殺菌・殺カビ活性を有しているか、もしくは、植物の成長を調整する活性、除草活性、殺虫活性、殺線虫活性、あるいは、殺ダニ活性を備えている化合物を含有していてもよい。
【0121】
式(I)の化合物は、組成物の単独有効成分であり得、または、式(I)の化合物は、例えば殺虫剤、殺菌・殺カビ剤あるいは除草剤といった有害生物防除剤、または、適切な場合には共力剤もしくは植物成長調節剤などの1種以上の追加の有効成分と混合されていてもよい。追加の有効成分は、幅広い範囲の活性もしくはその場所での高い持続性;式(I)の化合物の活性の補助もしくは活性の補完(例えば、効果速度を高めることにより、もしくは、忌避性を克服すことにより);または、個々の成分への耐性の発生の克服もしくは防止の助力を有する組成物を提供し得る。特定の追加の有効成分は、組成物の意図された実用性に応じることとなる。好適な有害生物防除剤の例としては、以下が挙げられる。
a)ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(特にλ−シハロトリンおよびγシハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚類に無害なピレスロイド(例えばエトフェンプロクス)、天然ピレトリン、テトラメトリン、S−ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリンまたは5−ベンジル−3−フリルメチル−(E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレートなどのピレスロイド;
b)プロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス−メチル、デメトン−s−メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、フォノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、ピリミホス−エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼートまたはダイアジノンなどの有機リン酸エステル;
c)ピリミカーブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、メソミルまたはオキサミルなどのカルバメート(アリールカルバメートを含む);
d)ジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、ルフェヌロンまたはクロルフルアズロンなどのベンゾイル尿素;
e)シヘキサチン、酸化フェンブタスズまたはアゾシクロチンなどの有機錫化合物;
f)テブフェンピラドおよびフェンピロキシメートなどのピラゾール;
g)例えばアバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、アザジラクチンあるいはスピネトラムといったアベルメクチンもしくはミルベマイシンなどのマクロライド;
h)ホルモンまたはフェロモン;
i)エンドスルファン(特にα−エンドスルファン)、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダンまたはディルドリンなどの有機塩素化合物;
j)クロルジメホルムまたはアミトラズなどのアミジン;
k)クロルピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチルまたはメタムなどの燻蒸剤;
l)イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、チアメトキサム、クロチアニジン、ニチアジンまたはフロニカミドなどのネオニコチノイド化合物;
m)テブフェノジド、クロマフェノジドまたはメトキシフェノジドなどのジアシルヒドラジン;
n)ジオフェノランまたはピリプロキシフェンなどのジフェニルエーテル;
o)インドキサカルブ;
p)クロルフェナピル;
q)ピメトロジン;
r)スピロテトラマト、スピロジクロフェンまたはスピロメシフェン;
s)フルベンジアミド、クロラントラニリプロール(リナキシピル(登録商標))またはシアントラニリプロールなどのジアミド;
t)スルホキサフロル;または
u)メタフルミゾン;
v)フィプロニルおよびエチプロール;
w)ピリフルキナゾン(Pyrifluqinazon);
x)ブプロフェジン;または
y)4−[(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−(2,2−ジフルオロ−エチル)−アミノ]−5H−フラン−2−オン(独国特許第102006015467号明細書)。
【0122】
上記に列挙した有害生物防除剤の主たる化学分類に追加して、組成物の意図された実用性に適切な場合には、特定の標的を有する他の有害生物防除剤が組成物において採用されてもよい。例えば、特定の作物に選択的な殺虫剤であって、イネにおいて用いられる、例えばステムボーラー(stemborer)に特異的な殺虫剤(カルタップなど)またはホッパー(hopper)に特異的な殺虫剤(ブプロフェジンなど)が採用され得る。あるいは、特定の昆虫種/ステージに特異的な殺虫剤または殺ダニ剤もまた組成物に含まれていてもよい(例えば、クロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾクスあるいはテトラジホンなどの殺ダニ性卵幼虫駆除剤;ジコホルもしくはプロパルギットなどの殺ダニ運動阻害剤;ブロモプロピレートもしくはクロロベンジレートなどの殺ダニ剤;または、ヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロンあるいはジフルベンズロンなどの成長調節剤)。
【0123】
本発明の組成物に含まれていてもよい殺菌・殺カビ化合物の例は、(E)−N−メチル−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシ−イミノアセタミド(SSF−129)、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロメチル−ベンズイミダゾール−1−スルホンアミド、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセタミド]−γ−ブチロラクトン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド(IKF−916、シアミダゾスルファミド)、3−5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンザミド(RH−7281、ゾキサミド)、N−アリル−4,5,−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON65500)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−プロピオンアミド(AC382042)、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)(例えばアシベンゾラル−S−メチル)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ビロキサゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジンS、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルヒドレート、カルボキシン、カプロパミド、カルボン、CGA 41396、CGA 41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、オキシ塩化銅、オキシキノレート銅、硫酸銅、タル油酸銅およびボルドー液などの銅含有化合物、シクルフェナミド(cyclufenamid)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェンコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオリン酸塩、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモール、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチル塩化アンモニウム、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エディフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモール、エチル−(Z)−N−ベンジル−N−([メチル(メチル−チオエチリデンアミノ−オキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニルスズ、トリフェニルスズヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、イソピラザム、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンネブ、メフェノキサム、メタラキシル、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム−亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソ−プロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、フェナジンオキシド、ホセチル−Al、リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、polyoxinD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、プロチオコナゾール、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピラクロストロビン、ピロキロン、ピロキシフル、ピロールニトリン、第4級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シプコナゾール(F−155)、5塩化石炭酸ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルコホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA 279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、vapam、ビンクロゾリン、ジネブおよびジラム、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(4’−メチルスルファニル−ビフェニル−2−イル)−アミド、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ジクロロメチレン−3−エチル−1−メチル−インダン−4−イル)−アミド、ならびに、1,3−ジメチル−4H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドである。
【0124】
式(I)の化合物は、種子伝染性真菌性病害、土壌伝播性真菌性病害または葉真菌性病害に対する植物の保護のために土壌、ピートまたは他の発根培地と混合されてもよい。
【0125】
組成物における使用に好適な共力剤の例としては、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサンおよびドデシルイミダゾールが挙げられる。
【0126】
組成物において好適に含まれる除草剤および植物−成長調節剤は、意図される標的および要求される効果に応じることとなる。
【0127】
含まれていてもよいイネ選択性除草剤の例はプロパニルである。綿において用いられる植物成長調節剤の例はPIX(商標)である。
【0128】
いくつかの混合物は、同一の従来の配合物タイプには容易には適さないような、顕著に異なる物理的特性、化学的特性または生物学的特性を有する有効成分を含んでいてもよい。これらの状況においては、他の配合物タイプが調製されてもよい。例えば、1種の有効成分が不水溶性の固体であり、他のものが不水溶性の液体である場合、それにもかかわらず、固体有効成分を懸濁液に分散させ(SCのものと同様の調製を用いて)、一方で、液体有効成分をエマルジョンとして分散させる(EWのものと同様の調製を用いて)ことにより、有効成分の各々を同一の連続した水性相中に分散させることが可能であり得る。得られる組成物はサスポエマルジョン(SE)配合物である。
【0129】
本発明の化合物は動物の衛生分野においても有用であり、例えば、これらは、動物中の、もしくは、動物上の寄生性無脊椎有害生物に対して、より好ましくは寄生性無脊椎有害生物に対して用いられ得る。有害生物の例としては、線虫、吸虫、条虫、ハエ、ダニ、トリック(trick)、シラミ、ノミ、カメムシおよびウジが挙げられる。動物は非ヒト動物であり、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、あるいは、ロバといった例えば農業に関連する動物、または、例えばイヌもしくはネコといった伴侶動物である。
【0130】
さらなる態様において、本発明は、治療処置法における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0131】
さらなる態様において、本発明は、有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物を投与するステップを含む動物中もしくは動物上の寄生性無脊椎有害生物を防除する方法に関する。投与は、例えば経口投与、非経口投与、または、例えば動物の体表への外部投与投与であり得る。さらなる態様において、本発明は、動物中もしくは動物上の寄生性無脊椎有害生物を防除するための本発明の化合物に関する。さらなる態様において、本発明は、動物中もしくは動物上の寄生性無脊椎有害生物を防除するための薬剤の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0132】
さらなる態様において、本発明は、動物が生息する環境に有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物を投与するステップを含む寄生性無脊椎有害生物を防除する方法に関する。
【0133】
さらなる態様において、本発明は、動物に有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物を投与するステップを含む寄生性無脊椎有害生物から動物を保護する方法に関する。さらなる態様において、本発明は、寄生性無脊椎有害生物からの動物の保護において使用される本発明の化合物に関する。さらなる態様において、本発明は、寄生性無脊椎有害生物から動物を保護するための薬剤の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0134】
さらなる態様において、本発明は、動物に有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物を投与するステップを含む寄生性無脊椎有害生物に悩まされている動物を処置する方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、寄生性無脊椎有害生物に悩まされている動物の処置において使用される本発明の化合物に関する。さらなる態様において、本発明は、寄生性無脊椎有害生物に悩まされている動物を処置する薬剤の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0135】
さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に好適な賦形物を含む医薬組成物を提供する。
【0136】
本発明の化合物は、単独で、もしくは、1種以上の他の生物学的に有効な成分との組み合わせで用いられ得る。
【0137】
一態様において、本発明は、有害生物の防除的に有効な量の成分Aと有害生物の防除的に有効な量の成分Bとを含み、成分Aが本発明の化合物であり、および、成分Bが以下に記載の化合物である複合生成物を提供する。
【0138】
本発明の化合物は、駆虫薬薬剤との組み合わせで用いられ得る。このような駆虫薬としては、欧州特許第357460号明細書、欧州特許第444964号明細書および欧州特許第594291号明細書に記載されているとおり、イベルメクチン、アベルメクチン、アバメクチン、エマメクチン、エピリノメクチン、ドラメクチン、セラメクチン、モキシデクチン、ネマデクチンおよびミルベマイシン誘導体などの化合物の大環式ラクトンクラスから選択される化合物が挙げられる。追加の駆虫薬としては、米国特許第5015630号明細書、国際公開第9415944号パンフレットおよび国際公開第9522552号パンフレットに記載されているものなどの半合成および生合成アベルメクチン/ミルベマイシン誘導体が挙げられる。追加の駆虫薬としては、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、および、このクラスの他の構成要素などのベンズイミダゾールが挙げられる。追加の駆虫薬としては、イミダゾチアゾール、および、テトラミソール、レバミゾール、パモ酸ピランテル(pyrantel pamoate)、オキサンテルまたはモランテルなどのテトラヒドロピリミジンが挙げられる。追加の駆虫薬としては、トリクラベンダゾールおよびクロルスロンなどのフルキシド、ならびに、プラジカンテルおよびエプシプランテルなどのセストサイド(cestocide)が挙げられる。
【0139】
本発明の化合物は、パラヘルクアミド/マルクホルチンクラスの駆虫薬の誘導体および類似体、ならびに、米国特許第5478855号明細書、米国特許第4639771号明細書および独国特許第19520936号明細書に開示されているものなどの抗寄生虫性オキサゾリンとの組み合わせで用いられ得る。
【0140】
本発明の化合物は、国際公開第9615121号パンフレットに記載されている一般的なクラスのジオキソモルホリン抗寄生虫性薬剤の誘導体および類似体との組み合わせで、また、国際公開第9611945号パンフレット、国際公開第9319053号パンフレット、国際公開第9325543号パンフレット、欧州特許第626375号明細書、欧州特許第382173号明細書、国際公開第9419334号パンフレット、欧州特許第382173号明細書、および、欧州特許第503538号明細書に記載のものなどの駆虫活性環式デプシペプチドとの組み合わせで用いられ得る。
【0141】
本発明の化合物は、他の外寄生生物撲滅薬;例えば、フィプロニル;ピレスロイド;有機リン酸エステル;ルフェヌロンなどの昆虫成長調節剤;テブフェノジド等などのエクジソンアゴニスト;イミダクロプリド等などのネオニコチノイドとの組み合わせで用いられ得る。
【0142】
本発明の化合物は、例えば国際公開第95/19363号パンフレットまたは国際公開第04/72086号パンフレットに記載のものといったテルペンアルカロイドであって、特にこれらに開示の化合物との組み合わせで用いられ得る。
【0143】
本発明の化合物が組み合わされて用いられ得るこのような生物学的に有効な化合物の他の例としては、これらに限定されることはないが、以下が挙げられる。
【0144】
有機リン酸エステル:アセフェート、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、ブロモホス、ブロモホス−エチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルピリホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、デメトン、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファンファー、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、フォノホス、ホルモチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イサゾホス、イソチオエート、イソキサチオン、マラチオン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチル−パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラオキソン、パラチオン、パラチオン−メチル、フェントエート、ホサロン、ホスホラン、ホスホカルブ、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロパホス、プロエタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダペンチオン、キナルホス、スルプロホス、テメホス、テルブホス、テブピリムホス、テトラクロルビンホス、チメトン(thimeton)、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン。
【0145】
カルバメート:アラニカルブ、アルジカルブ、2−sec−ブチルフェニルメチルカルバメート、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、フェンチオカルブ、フラチオカルブ、HCN−801、イソプロカルブ、インドキサカルブ、メチオカルブ、メソミル、5−メチル−m−クメニルブチリル(メチル)カルバメート、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、UC−51717。
【0146】
ピレスロイド:アクリナチン(acrinathin)、アレトリン、アルファメトリン(alphametrin)、5−ベンジル−3−フリルメチル(E)−
(1R)−シス−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート、ビフェントリン、β−シフルトリン、シフルトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、ビオアレトリン、ビオアレトリン((S)−シクロペンチル異性体)、ビオレスメトリン、ビフェントリン、NCI−85193、シクロプロトリン、シハロトリン、シチトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート(D異性体)、イミプロトリン、シハロトリン、λ−シハロトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、ピレトリン(天然生成物)、レスメスリン、テトラメトリン、トランスフルトリン、θ−シペルメトリン、シラフルオフェン、t−フルバリネート、テフルトリン、トラロメトリン、ζ−シペルメトリン。
【0147】
節足動物成長調節剤:a)キチン合成抑制剤:ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロルフェンタジン;b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;c)ジュベノイド:ピリプロキシフェン、メトプレン(S−メトプレンを含む)、フェノキシカルブ;d)脂質生合成抑制剤:スピロジクロフェン。
【0148】
他の抗寄生虫薬:アセキノシル、アミトラズ、AKD−1022、ANS−118、アザジラクチン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、ベンサルタップ、ビフェナゼート、ビナパクリル、ブロモプロピレート、BTG−504、BTG−505、カンフェクロール、カルタップ、クロロベンジレート、クロルジメホルム、クロルフェナピル、クロマフェノジド、クロチアニジン(clothianidine)、シロマジン、ジアクロデン、ジアフェンチウロン、DBI−3204、ジナクチン、ジヒドロキシメチルジヒドロキシピロリジン、ジノブトン、ジノカップ、エンドスルファン、エチプロール、エトフェンプロクス、フェナザキン、フルマイト、MTI−800、フェンピロキシメート、フルアクリピリム、フルベンジミン、フルブロシトリネート、フルフェンジン、フルフェンプロックス、フルプロキシフェン、ハロフェンプロックス(halofenprox)、ヒドラメチルノン、IKI−220、カネマイト、NC−196、ニームガード、ニジノルテルフラン、ニテンピラム、SD−35651、WL−108477、ピリダリル、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピメトロジン(pymethrozine)、ピリダベン、ピリミジフェン、NC−1111、R−195、RH−0345、RH−2485、RYI−210、S−1283、S−1833、SI−8601、シラフルオフェン、シロマジン、スピノサド、テブフェンピラド、テトラジホン、テトラナクチン(tetranactin)、チアクロプリド、チオシクラム、チアメトキサム、トルフェンピラド、トリアザメート、トリエトキシスピノシン、トリナクチン、ベルブチン、ベルタレク、YI−5301。
【0149】
殺菌・殺カビ剤:アシベンゾラル、アルジモルフ、アンプロピルホス、アンドプリム、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビアラホス、ブラストサイジン−S、ボルドー液、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロルフェナゾール、クロロネブ、クロルピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、オキシ塩化銅、銅塩、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、RH−7281、ジクロシメット、ジクロブトラゾール、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンコナゾール、RP−407213、ジメトモルフ、ドモキシストロビン(domoxystrobin)、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドジン、エディフェンホス、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンカラミド、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニルスズ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(flumetover)、フルモルフ/フルモルリン、トリフェニルスズヒドロキシド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フララキシル、フラメタピル(furametapyr)、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、クルソキシム(krsoxim)−メチル、マンコゼブ、マンネブ、メフェノキサム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ネオ−アソジン、ニコビフェン、オリザストロビン、オキサジキシル、ペンコナゾール、ペンシクロン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロパモカルブ、プロピオコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピリフェノックス、ピラクロストロビン、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、テトラコナゾール(tetrconazole)、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トリアジメホン、トリアジメノール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロジン。
【0150】
生物剤:バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis ssp aizawai,kurstaki)、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、バキュロウイルス、昆虫病原性バクテリア、ウイルスおよび真菌。
【0151】
殺菌剤:クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ストレプトマイシン。
【0152】
他の生物剤:エンロフロキサシン、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ピリプロール、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラスロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、カルプロフェン、メタフルミゾン、プラジカランテル(praziquarantel)、トリクラベンダゾール。
【0153】
他の有効成分と組み合わされて用いられる場合、本発明の化合物は、好ましくは、イミダクロプリド、エンロフロキサシン、プラジカンテル、パモ酸ピランテル(pyrantel embonate)、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、フィプロニル、イベルメクチン、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ミルベマイシン、シロマジン、チアメトキサム、ピリプロール、デルタメトリン、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラスロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、セラメクチン、カルプロフェン、メタフルミゾン、モキシデクチン、メトプレン(S−メトプレンを含む)、クロルスロン、ピランテル、アミトラズ、トリクラベンダゾール、アベルメクチン、アバメクチン、エマメクチン、エピリノメクチン、ドラメクチン、セラメクチン、ネマデクチン、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、テトラミソール、レバミゾール、パモ酸ピランテル(pyrantel pamoate)、オキサンテル、モランテル、トリクラベンダゾール、エプシプランテル、フィプロニル、ルフェヌロン、エクジソンまたはテブフェノジド;より好ましくは、エンロフロキサシン、プラジカンテル、パモ酸ピランテル(pyrantel embonate)、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ピリプロール、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラスロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、セラメクチン、カルプロフェン、モキシデクチン、クロルスロン、ピランテル、エピリノメクチン、ドラメクチン、セラメクチン、ネマデクチン、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、テトラミソール、レバミゾール、パモ酸ピランテル(pyrantel pamoate)、オキサンテル、モランテル、トリクラベンダゾール、エプシプランテル、ルフェヌロンまたはエクジソン;さらにより好ましくは、エンロフロキサシン、プラジカンテル、パモ酸ピランテル(pyrantel embonate)、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ピリプロール、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラスロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、セラメクチン、カルプロフェン、モキシデクチン、クロルスロンまたはピランテルとの組み合わせで用いられる。
【0154】
特に注目すべきは、追加の有効成分が、式Iの化合物とは異なる作用部位を有している組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有しているが、異なる作用部位を有している少なくとも1種の他の寄生性無脊椎有害生物防除有効成分との組み合わせが耐性管理に関して特に有利となる。それ故、本発明の複合生成物は、有害生物の防除的に有効な量の式Iの化合物と、同様の防除範囲を有しているが異なる作用部位を有している有害生物の防除的に有効な量の少なくとも1種の追加の寄生性無脊椎有害生物防除有効成分とを含み得る。
【0155】
当業者は、環境中において、および、生理的条件下において、化学化合物の塩はその対応する非塩形態と平衡にあるため、塩は、非塩形態の生物学的実用性を共有することを認識している。それ故、本発明の化合物の広く多様な塩(および、本発明の有効成分と組み合わされて用いられる有効成分)が無脊椎有害生物および動物寄生虫の防除に有用であり得る。塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸もしくは有機酸との酸付加塩が挙げられる。本発明の化合物はN−オキシドをも含む。従って、本発明は、そのN−オキシドおよび塩を含む本発明の化合物と、そのN−オキシドおよび塩を含む追加の有効成分との組み合わせを含む。
【0156】
動物衛生において用いられる組成物はまた、配合助剤、および、当業者に配合物助剤として既知である添加剤(これらのいく種かは固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能するとみなされ得る)を含有していてもよい。このような配合助剤および添加剤は:pH(緩衝剤)、プロセス中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、有効成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チクソトロープ性増粘剤)、容器内の微生物性の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散体)、洗浄性(塗膜形成剤または展着剤)、蒸発(蒸発遅延剤)、および、他の配合物属性を制御し得る。塗膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。配合助剤および添加剤の例としては、McCutcheon ’s第2巻:Functional Materials,年刊国際および北米版,McCutcheon’s Division,Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行;ならびに、国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されているものが挙げられる。
【0157】
本発明の化合物は、他の補助剤を伴わずに適用されることが可能であるが、ほとんどの場合、1種以上の有効成分を好適なキャリア、希釈剤および界面活性剤と共に含むと共に、おそらくは、想定される最終用途に応じて食品と組み合わされた配合物で適用されるであろう。適用方法の一つでは、複合生成物の水分散体または精製油溶液の噴霧が伴う。噴霧油、噴霧油濃縮物、拡展展着剤、補助剤、他の溶剤、および、ピペロニルブトキシドなどの共力剤との組成物が、度々、化合物の効力を増強させる。このような噴霧剤は、缶、ボトルまたは他の容器などの噴霧容器から、ポンプにより、または、例えば加圧エアロゾル噴霧缶といった加圧容器から放出させることにより適用されることが可能である。このような噴霧組成物は、例えば、噴霧、ミスト、泡、煙または霧といった種々の形態をとることが可能である。それ故、このような噴霧組成物は、場合によって、噴射剤、発泡剤等をさらに含んでいることが可能である。注目すべきは、有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物およびキャリアを含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物および噴射剤を含む。代表的な噴射剤としては、これらに限定されないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、および、前述のものの混合物が挙げられる。注目すべきは、蚊、ブユ、サシバエ、メクラアブ、アブ、大型のハチ(wasp)、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ、クモ、アリ、ナット等からなる群から選択される少なくとも1種の寄生性無脊椎有害生物(個別にまたは組み合わせで)の防除に用いられる噴霧組成物(および、噴霧容器から分取されるこのような噴霧組成物を利用する方法)である。
【0158】
動物寄生虫の防除は、ホスト動物の体表(例えば、肩、腋窩、腹部、大腿の内側部分)に寄生する外部寄生虫、および、ホスト動物の体内(例えば、胃、腸管、肺、血管、皮下リンパ組織)に寄生する内部寄生虫の防除を含む。外部寄生性または病害伝搬性有害生物としては、例えば、ツツガムシ、マダニ、シラミ、蚊、ハエ、ダニおよびノミが挙げられる。内部寄生虫としては、イヌ糸状虫、鉤虫および蠕虫が挙げられる。本発明の化合物は、外部寄生性有害生物の対処に特に好適であり得る。本発明の化合物は、動物における寄生虫による侵襲または感染の全身および/または非全身防除に好適であり得る。
【0159】
本発明の化合物は、野生動物、家畜、および、農作業用動物を含む対象動物に侵襲する寄生性無脊椎有害生物の対処に好適であり得る。家畜は、食品もしくは繊維などの製品を作るために、または、その労働力のために農業環境において意図的に飼育された家畜動物を称するために用いられる用語(単数形または複数形で)であり;家畜の例としては、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、雌鳥、シチメンチョウ、カモおよびガチョウ(例えば、食肉、乳、バター、卵、毛皮、皮革、羽毛および/または毛糸のために飼育された)が挙げられる。寄生虫に対処することにより、致死率および性能低下(食肉、乳、毛糸、皮革、卵等の観点で)が低減され、従って、本発明の化合物の適用では、より経済的で単純な動物の畜産が実現される。
【0160】
本発明の化合物は、伴侶動物およびペット(例えば、イヌ、ネコ、飼い鳥および観賞魚)、リサーチおよび実験用動物(例えば、ハムスター、テンジクネズミ、ラットおよびマウス)、ならびに、動物園、野生の棲息地および/または野生環境において飼育されている動物に感染する無脊椎有害寄生性生物に対処するために好適であり得る。
【0161】
本発明の実施形態において、動物は、好ましくは脊椎動物であり、および、より好ましくは哺乳類、鳥類または魚類である。特定の実施形態において、対象動物は、哺乳類(ヒトなどの大型類人猿を含む)である。他の哺乳類標的としては、霊長類(例えば、サル)、ウシ亜科(例えば、ウシまたは酪牛)、ブタ(例えば、ブタ(hog)またはブタ(pig))、ヒツジ(例えば、ヤギまたはヒツジ)、ウマ科(例えば、ウマ)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、イエネコ)、ラクダ、シカ、ロバ、バッファロー、アンテロープ、ウサギ、およびげっ歯類(例えば、テンジクネズミ、リス、ラット、マウス、スナネズミ、およびハムスター)が挙げられる。鳥類としては、ガン・カモ科(ハクチョウ、カモおよびガチョウ)、ハト科(例えば、ハト(dove)およびハト(pigeon))、キジ科(例えば、パートリッジ、ライチョウおよびシチメンチョウ)、テシエンニーデ(Thesienidae)(例えば、ニワトリ)、オウム類(例えば、インコ、コンゴウインコ、およびオウム)、猟鳥、および、走禽類(例えば、ダチョウ)が挙げられる。
【0162】
本発明の化合物により処置もしくは保護された鳥は、商業的または非商業的鳥類飼養に関連していることが可能である。これらは、とりわけ、ハクチョウ、ガチョウおよびカモなどのガン・カモ科、ハト(dove)およびドバトなどのハト科、パートリッジ、ライチョウおよびシチメンチョウなどのキジ科、ニワトリなどのテシエンニーデ(Thesienidae)、ならびに、インコ、コンゴウインコおよび、ペットまたはコレクタ市場用に飼育されたオウムなどのオウム類を含む。
【0163】
本発明の目的に関して、「魚類」という用語は、特に限定はされないが、魚類のテレオスティ(Teleosti)類、すなわち、硬骨魚を含むと理解される。テレオスティ(Teleosti)類にはサケ目(サケ科を含む)とスズキ目(クロマス科を含む)との両方が包含される。処置を受ける可能性のある魚類の例としては、とりわけ、サケ科、ハタ科、タイ科、カワスズメ科、および、クロマス科が挙げられる。
【0164】
他の動物もまた本発明の方法から利益を受けることが想定され、有袋類(カンガルーなど)、爬虫類(養殖されているカメなど)、および、寄生生物による感染または侵襲の処置もしくは予防において本発明の方法が安全であり、かつ、効果的である他の経済的に重要な飼育動物が含まれる。
【0165】
有害生物の防除的に有効な量の本発明の化合物の保護されるべき動物への投与により防除される寄生性無脊椎有害生物の例としては、外寄生生物(節足動物、ダニ等)および内寄生生物(蠕虫、例えば、線虫、吸虫、条虫、鈎頭虫等)が挙げられる。
【0166】
一般に寄生虫症と記載される病害または病害群は、蠕虫として知られる寄生性のワームによる動物ホストの感染による。「蠕虫」という用語は、線虫、吸虫、条虫および鈎頭虫を含んでいることが意味される。寄生虫症は、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ネコおよび家禽などの家畜動物において流行しており、重大な経済問題である。
【0167】
蠕虫のうち、線虫と記載されるワームの群は、動物の種々の種に広範な、そして、時には重篤な感染をもたらす。
【0168】
本発明の化合物によって処置されることが予期される線虫としては、特にこれらに限定されないが、以下の属:アカントケイロネマ属、アエルロストロンギルス属、鉤虫属、住血線虫属、アスカリディア属、回虫属、ブルギア属、ブノストムム属、毛頭虫属、チャベルチア属、クーペリア属、クレノソーマ属、ディクチオカウルス属、ジオクトフィーメ(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属、裂頭条虫属、イヌ糸状虫属、ドラクンクルス属、エンテロビウス属、フィラロイデス属、捻転胃虫属、ヘテラキス属、ラゴキルアスカリス属、ロア糸状虫属、マンソネラ属、ムエレリウス属、アメリカ鉤虫属、ネマトジルス属、腸結節虫属、オステルタジア属、蟯虫属、パラフィラリア属、パラスカリス属、フィサロプテラ属、プロトストロギルス属、セタリア属、スピロセルカ属、ステファノフィラリア属、糞線虫属、ストロンギルス属、テラジア属、トキサスカリス属、トキソカラ属、旋毛虫属、トリコネマ属、毛様線虫属、鞭虫属、ウンシナリア属およびブケレリア属が挙げられる。
【0169】
上記のうち、上記で参照される動物に感染する線虫の最も一般的な属は、捻転胃虫属、毛様線虫属、オステルタジア属、ネマトジルス属、クーペリア属、回虫属、ブノストムム属、腸結節虫属、チャベルチア属、鞭虫属、ストロンギルス属、トリコネマ属、ディクチオカウルス属、毛頭虫属、ヘテラキス属、トキソカラ属、アスカリディア属、蟯虫属、鉤虫属、ウンシナリア属、トキサスカリス属およびパラスカリス属である。ネマトジルス属、クーペリア属および腸結節虫属などのこれらのうちのある種は主に腸管に侵襲する一方で、捻転胃虫属およびオステルタジア属などの他のものは胃においてより多く見られ、また、ディクチオカウルス属などの他のものは肺において見つかる。さらに他の寄生虫は、心臓および血管、皮下およびリンパ組織等などの他の組織に存在している可能性がある。
【0170】
本発明および本発明の方法により処置されると推定される吸虫としては、特に限定されないが、以下の属:アラリア属、ファスキオラ属、ナノフィエタス属、オピストルキス属、肺吸虫属および住血吸虫属が挙げられる。
【0171】
本発明および本発明の方法により処置されると推定される条虫としては、特に限定されないが、以下の属:裂頭条虫属、ジプリジウム属、スピロメトラ属およびテニア属が挙げられる。
【0172】
ヒトの胃腸管の寄生虫の最も一般的な属は、鉤虫属、アメリカ鉤虫属、回虫属、ストロンギーハイデス属(Strongy hides)、旋毛虫属、毛頭虫属、鞭虫属およびエンテロビウス属である。血液または他の組織および胃腸管外の器官において見られる寄生虫の他の医学上重要な属は、ブケレリア属、ブルギア属、オンコセルカ属およびロア糸状虫属、および、ドラクンクルス属、ならびに、腸管外ステージの腸内寄生虫糞線虫属および旋毛虫属などのフィラリア虫である。
【0173】
数多くの他の蠕虫属および種は技術分野において公知であり、これらはまた、本発明の化合物によって処置されると想定される。これらは、Textbook of Veterinary Clinical Parasitology,第1巻,Helminths,E.J.L.Soulsby,F.A. Davis Co.,Philadelphia,Pa.;Helminths,Arthropods and Protozoa(Monnig’s Veterinary Helminthology and Entomologyの第6版),E.J.L.Soulsby,Williams and Wilkins Co.,Baltimore,Md.においてかなり詳細に示されている。
【0174】
本発明の化合物は、多数の動物外寄生生物(例えば、ほ乳類および鳥類の節足外寄生生物)に対して有効であり得る。
【0175】
昆虫およびダニ有害生物としては、例えば、ハエおよび蚊、ダニ、マダニ、シラミ、ノミ、カメムシ、寄生性ウジ等などの刺咬昆虫が挙げられる。
【0176】
成虫のハエとしては、例えば、ノサシバエまたはノサシバエ(Haematobia irritans)、アブまたはアブ属の一種(Tabanus spp.)、サシバエまたはサシバエ(Stomoxys calcitrans)、ブユまたはブユ属の一種(Simulium spp.)、メクラアブまたはメクラアブ属の一種(Chrysops spp.)、シラミバエまたはヒツジシラミバエ(Melophagus ovinus)、および、ツェツェバエまたはツェツェバエ属の一種(Glossina spp.)が挙げられる。寄生性のハエのウジとしては、例えば、ヒツジバエ(ヒツジバエ(Oestrus ovis)およびウサギヒフバエ属の一種(Cuterebra spp.))、クロバエまたはフェニシア属の一種(Phaenicia spp.)、ラセン虫またはラセンウジバエ(Cochliomyia hominivorax)、ウシバエまたはヒフバエ属の一種(Hypoderma spp.)、フリースワーム、および、ウマのウマバエが挙げられる。蚊としては、例えば、イエカ属の一種(Culex spp.)、ハマダラカ属の一種(Anopheles spp.)、および、ヤブカ属の一種(Aedes spp.)が挙げられる。
【0177】
ダニとしては、ニワトリダニ、デルマルファニッサスガルファリナルファエ(Dermalphanyssus galphallinalphae)などの例えば、虫気門類ダニ(mesostigmatids)といったメソスティグムアルファタルファの一種(Mesostigmalphatalpha spp.);例えば、サルファルコプテススカルファビエイ(Salpharcoptes scalphabiei)といったヒゼンダニ科の一種(Sarcoptidae spp.)などのヒゼンダニまたは疥癬ダニ;ウシショクヒヒゼンダニ(Chorioptes bovis)およびヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)を含むキュウセンダニ科の一種(Psoroptidae spp.)などのキュウセンヒゼンダニ;例えば北米ツツガムシ(Trombiculalpha alphalfreddugesi)といった例えば、ツツガムシ科の一種(Trombiculidae spp.)といったツツガムシが挙げられる。
【0178】
マダニとしては、例えばアルガルファス属の一種(Argalphas spp.)およびカズキダニ属の一種(Ornithodoros spp.)といったヒメダニ科の一種(Argasidae spp.)を含む軟マダニ;マダニ科の一種(Ixodidae spp.)、例えばリピセファルファルスサングイネウス(Rhipicephalphalus sanguineus)、アメリカイヌカクマクダニ(Dermacentor variabilis)、アンダーソンカクマクダニ(Dermacentor andersoni)、アムブリオンマアメリカヌム(Amblyomma americanum)、クロアシマダニ(Ixodes scapularis)、および、他のコイタマダニの一種(Rhipicephalus spp.)(上記のウシマダニ属の一種(Boophilus)を含む)を含む硬マダニが例えば挙げられる。
【0179】
シラミとしては、例えば、タンカクハジラミ属の一種(Menopon spp.)およびボビコーラ属の一種(Bovicola spp.)といった例えばシラミ;ハジラミ、例えば、ブタジラミ属の一種(Haematopinus spp.)、ケモノホソジラミ属の一種(Linognathus spp.)、および、ソレノポテス属の一種(Solenopotes spp.)が挙げられる。
【0180】
ノミとしては、例えば、イヌノミ(Ctenocephalides canis)およびネコノミ(Ctenocephalides felis)などのイヌノミ属の一種(Ctenocephalides spp.);ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)などのネズミノミ属の一種(Xenopsylla spp.);ならびに、ヒトノミ(Pulex irritans)などのヒトノミ属の一種(Pulex spp.)が挙げられる。
【0181】
カメムシとしては、例えば、トコジラミ(Cimicidae)または例えば、トコジラミ(Cimex lectularius);オオサシガメ(kissing bug)としても知られるオオサシガメ(triatomid bug)を含むオオサシガメ亜科の一種(Triatominae spp.);例えば、ベネズエラサシガメ(Rhodnius prolixus)およびサシガメ属の一種(Triatoma spp.)が挙げられる。
【0182】
一般に、ハエ、ノミ、シラミ、蚊、ブユ、ダニ、マダニおよび蠕虫は、家畜および伴侶動物の分野に多大な損失をもたらす。また、節足動物寄生虫はヒトにとって不快であり、病原生物をヒトおよび動物に媒介する可能性がある。
【0183】
数多くの他の寄生性無脊椎有害生物が技術分野において公知であり、また、発明の化合物によって処置されることが予期される。これらは、Medical and Veterinary Entomology,D.S.Kettle,John Wiley AND Sons,New York and Toronto;Control of Arthropod Pests of Livestock:A Review of Technology,R.O.Drummand,J.E.George,およびS.E.Kunz,CRC Press,Boca Raton,FIa.にかなり詳細に列挙されている。
【0184】
本発明の化合物はまた:ノサシバエ(Haematobia(Lyperosia)irritans)(ノサシバエ)、ブユ属の一種(Simulium spp.)(ブユ)、ツェツェバエ属の一種(Glossina spp.)(ツェツェバエ)、ヒドロテアイリタンス(Hydrotaea irritans)(ヘッドフライ(head fly))、ムスカオータムナリス(Musca autumnalis)(イエバエの一種(face fly))、イエバエ(Musca domestica)(イエバエ)、モレリアシンプレックス(Morellia simplex)(スイートフライ(sweat fly))、タバナス属の一種(Tabanus spp.)(アブ)、ウシバエ(Hypoderma bovis)、キスジウシバエ(Hypoderma lineatum)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)(グリーンブローフライ(green blowfly))、カリフォラ属の一種(Calliphora spp.)(クロバエ)、プロトフォルミアの一種(Protophormia spp.)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)(ナーサルボットフライ)、サシバエ属の一種(Culicoides spp.)(ヌカカ)、ウマシラミバエ(Hippobosca equine)、ウマバエ(Gastrophilus intestinalis)、アトアカウマバエ(Gastrophilus haemorrhoidalis)およびムネアカウマバエ(Gastrophilus nasalis)などのハエ;ウシハジウラミ(Bovicola(Damalinia)bovis)、ウマハジラミ(Bovicola equi)、ウマジラミ(Haematopinus asini)、ネコハジラミ(Felicola subrostratus)、ヘテロドックススピニゲル(Heterodoxus spiniger)、イヌジラミ(Lignonathus setosus)およびイヌハジラミ(Trichodectes canis)などのシラミ;ヒツジシラミバエ(Melophagus ovinus)などのシラミバエ;ならびに、キュウセンヒゼンダニ属の一種(Psoroptes spp.)、サルコプテススカベイ(Sarcoptes scabei)、ウシショクヒヒゼンダニ(Chorioptes bovis)、ウマニキビダニ(Demodex equi)、ツメダニ属の一種(Cheyletiella spp.)、ネコショウヒゼンダニ(Notoedres cati)、ツツガムシ属の一種(Trombicula spp.)およびミミダニ(Otodectes cyanotis)(ミミダニ)などのダニを含む外寄生生物に対しても有効であり得る。
【0185】
本発明の処置は、例えば、錠剤、カプセル、飲料、水薬調製物、粒質物、ペースト、丸薬、経飼料法、あるいは、座薬の形態での経腸投与により;または、例えば、注射(筋肉内、皮下、静脈、腹腔内を含む)もしくは移植などによる非経口投与により;または、鼻噴投与などによる従来の手段により成される。
【0186】
本発明の化合物が追加の生物学的に有効な成分との組み合わせで適用される場合、これらは、例えば個別の組成物として別々に投与されてもよい。この場合、生物学的に有効な成分は同時に、または、順次に投与されればよい。あるいは、生物学的に有効な成分は1種の組成物の成分であり得る。
【0187】
本発明の化合物は、例えば皮下または経口投与される緩効性配合物中に、徐放形態で投与され得る。
【0188】
典型的には、本発明の殺寄生虫組成物は、任意により、追加の生物学的に有効な成分、または、そのN−オキシドもしくは塩との、意図された投与経路(例えば、経口もしくは注射などの非経口投与)に対して、および、標準的な技法に従って選択された賦形物および助剤を含む1種以上の薬学的にもしくは獣医学的に許容可能なキャリアを伴う組み合わせで、本発明の化合物を含む。加えて、好適なキャリアは、pHおよび含水量に関連する安定性などの考察を含む、組成物中の1種以上の有効成分との親和性に基づいて選択される。従って、注目すべきは、寄生虫的に有効量の本発明の化合物を、任意により、追加の生物学的に有効な成分および少なくとも1種のキャリアとの組み合わせで含む、寄生性有害無脊椎生物から動物を保護するための本発明の化合物である。
【0189】
静脈、筋肉内および皮下注射を含む非経口投与のために、本発明の化合物は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョン中に配合されることが可能であり、および、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの補助剤を含有していてもよい。
【0190】
本発明の化合物はまた、大量注射または大量注射用に配合され得る。注射用の医薬組成物としては、好ましくは、医薬品配合物の技術分野において公知であるとおり他の賦形物または助剤を含有する生理学的に適合した緩衝剤中の有効成分(例えば有効な化合物の塩)の水溶性形態の水溶液が挙げられる。また、有効な化合物の懸濁液は、親油性ビヒクル中に調製され得る。好適な親油性ビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、エチルオレアートおよびトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、または、リポソームなどの材料が挙げられる。
【0191】
水性注射懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を高める物質を含有していてもよい。注射用配合物は、例えばアンプルまたは多用量容器中といった単位投与量形態で提供されてもよい。あるいは、有効成分は、使用前に例えば滅菌発熱性物質除去水といった好適なビヒクルと共に構成に供される粉末形態であってもよい。
【0192】
前述の配合物に追加して、本発明の化合物はデポ調剤として配合されてもよい。このような長時間作用型配合物は、移植(例えば、皮下または筋肉内)により、または、筋肉内または皮下注射により投与され得る。
【0193】
本発明の化合物は、好適な高分子または疎水性材料と共に(例えば、薬理学的に許容可能な油とのエマルジョンで)、イオン交換樹脂と共に、または、特に限定されないが、難溶性の塩などの難溶性の誘導体として、この投与経路のために配合されていてもよい。
【0194】
吸入による投与のために、本発明の化合物は、加圧充填またはネブライザ、および、例えば、特に限定されないが、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンあるいは二酸化炭素といった好適な噴射剤を用いる、エアロゾル噴霧の形態で送達されることが可能である。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、定量が送達されるようバルブを備えていることにより制御され得る。
【0195】
吸入器または注入器において用いられる例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物の粉末混合物、および、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤を含有して配合されていてもよい。
【0196】
本発明の化合物は、経口投与および摂食からの全身アベイラビリティをもたらす有利な薬物動態学的特性および薬力学的特性を有していてもよい。従って、保護されるべき動物による摂食の後の、血流における殺寄生虫的に有効な濃度の本発明の化合物が、ノミ、マダニおよびシラミなどの吸血有害生物から処置された動物を保護し得る。従って、注目すべきは、経口投与用の形態での寄生性無脊椎有害生物から動物を保護するための組成物である(すなわち、殺寄生虫的有効量の本発明の化合物に追加して、経口投与および濃厚飼料キャリアに好適なバインダおよび充填材から選択される1種以上のキャリアを含む)。
【0197】
溶液(最も容易に吸収され安い形態)、エマルジョン、懸濁液、ペースト、ゲル、カプセル、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、第一胃内滞留および飼料/水/リックブロックの形態での経口投与のために、本発明の化合物は、糖質および糖質誘導体(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、イネデンプン、ジャガイモデンプン)、セルロースおよび誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース)、タンパク質誘導体(例えば、ゼイン、膠)、ならびに、合成ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)などの経口投与組成物に好適であると技術分野において公知であるバインダ/充填材と共に配合されることが可能である。所望の場合には、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリジノン、寒天、アルギン酸)および染料もしくは顔料を添加することが可能である。また、ペーストおよびゲルは、度々、組成物と口腔との接触を維持して、容易に吐き出されないよう補助するための接着剤(例えば、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、セルロース、キサンタンガム、コロイド状マグネシウムケイ酸アルミニウム)を含有している。
【0198】
一実施形態において、本発明の組成物は、咀嚼および/または食用生成物(例えば、咀嚼用処置または食用錠剤)に配合される。このような生成物は、理想的には、本発明の化合物の経口投与が容易となるよう、保護されるべき動物によって好まれる味、テクスチャおよび/または芳香を有している。
【0199】
殺寄生虫組成物が濃厚飼料の形態である場合、キャリアは、典型的には、高性能飼料、飼料穀類またはタンパク質濃縮物から選択される。
【0200】
このような濃厚飼料含有組成物は、殺寄生虫有効成分に追加して、動物の健康もしくは成長を促進し、屠殺される動物からの肉質、または、その他の家畜学への有用性を向上する添加剤を含んでいることが可能である。
【0201】
これらの添加剤は、例えば、ビタミン、抗生物質、化学療法剤、静菌剤、静菌・静カビ剤、コクシジウム抑制剤およびホルモンを含んでいることが可能である。
【0202】
本発明の化合物はまた、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の座薬基剤を用いて、座薬または停留浣腸などの肛門直腸組成物に配合されてもよい。
【0203】
本発明の方法のための配合物は、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)などの抗酸化剤を含んでいてもよい。抗酸化剤は、一般に、0.1〜5パーセント(wt/vol)の量で存在する。配合物のいく種かは、特にスピノサドが含まれている場合、活性薬剤を溶解させるためにオレイン酸などの溶解剤を必要とする。これらのポアオン配合物において用いられる一般的な展着剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、イソプロピルパルミテート、飽和C12〜C18脂肪族アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、オレイン酸、オレイルエステル、エチルオレアート、トリグリセリド、シリコーンオイルおよびジプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。本発明の方法用のポアオン配合物は公知の技術に従って調製される。ポアオンが溶液である場合、殺寄生虫剤/殺虫剤が、必要に応じて加熱および攪拌を用いながら、キャリアまたはビヒクルと混合される。補助的なもしくは追加の処方成分を活性薬剤とキャリアとの混合物に添加することが可能であり、または、これらは、キャリアの添加前に活性薬剤と混合されることが可能である。エマルジョンまたは懸濁液の形態でのポアオン配合物は、公知の技術を用いて同様に調製される。
【0204】
比較的疎水性の医薬品化合物のための他の送達系が採用され得る。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬用のビヒクルまたはキャリアの送達の周知の例である。加えて、ジメチルスルホキシドなどの有機溶剤が必要な場合には用いられてもよい。
【0205】
効果的な寄生性無脊椎有害生物の防除に必要とされる適用量(例えば、「有害生物防除的に有効な量」)は、防除されるべき寄生性無脊椎有害生物の種、有害生物のライフサイクル、ライフステージ、そのサイズ、場所、時季、ホスト作物もしくは動物、摂食挙動、交配挙動、環境水分、温度等などの要因に応じることとなる。当業者は、所望のレベルの寄生性無脊椎有害生物防除に必要な有害生物防除的に有効な量を容易に判定することが可能である。
【0206】
獣医学的用途においては通常、本発明の化合物は、特に、寄生性無脊椎有害生物から保護されるべき恒温動物といった動物に、有害生物防除的に有効な量で投与される。
【0207】
有害生物防除的に有効な量は、標的寄生性無脊椎有害生物の発生もしくは活動を低減させる観察可能な効果を達成するために必要な有効成分の量である。当業者は、有害生物防除的に有効な用量は、本発明の方法に有用な種々の化合物および組成物、所望される有害生物防除効果および期間、標的寄生性無脊椎有害生物種、保護されるべき動物、適用形態等について様々であることが可能であり、特定の結果を達成するために必要とされる量は、単純な実験を通じて判定されることが可能であることを認めるであろう。
【0208】
動物への経口または非経口投与について、好適な間隔で投与される本発明の組成物の用量は、典型的には、動物の体重を基準として、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、および、好ましくは約0.01mg/kg〜約30mg/kgの範囲である。
【0209】
本発明の組成物の動物への好適な投与間隔は、約毎日〜約毎年の範囲である。注目すべきは、約毎週〜約6月に一回の範囲の投与間隔である。特に注目すべきは、毎月の投与間隔である(すなわち、化合物を動物に毎月一回投与する)。
【0210】
以下の実施例は例示的であり、本発明を限定することはない。
【実施例】
【0211】
このセクションにおいては以下の略語を用いた:s=一重項;bs=幅広の一重項;d=二重項;dd=二重項の二重項;dt=二重項の三重項;t=三重項、tt=三重項の三重項、q=四重項、sept=七重項;m=多重項;Me=メチル;Et=エチル;Pr=プロピル;Bu=ブチル;M.p.=融点;RT=保持時間、[M+H]+=カチオン分子の分子量、[M−H]-=アニオン分子の分子量。
【0212】
以下のLC−MS法を用いて化合物を特徴付けた。
【0213】
【表4】
【0214】
【表5】
【0215】
【表6】
【0216】
【表7】
【0217】
【表8】
【0218】
【表9】
【0219】
【表10】
【0220】
【表11】
【0221】
【表12】
【0222】
【表13】
【0223】
実施例1:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[1,2]ジチオラン−4−イル−2−メチル−ベンズアミド(化合物A1)
【化12】
【0224】
ステップA:チオ酢酸S−(3−アセチルスルファニル−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)エステル
【化13】
【0225】
ジメチルホルムアミド(5ml)中のメタンスルホン酸2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メタンスルホニルオキシ−プロピルエステル(Synthesis(1998年),(8),1113〜1118ページ)とジメチルホルムアミド(5ml)中のチオ酢酸カリウム(685mg)とを一滴づつ加えた。この反応を室温で一晩撹拌し、次いで、水中に注いだ。黄色−茶色の固体が沈殿し、これをろ過および水で洗浄して、220mgの表題の生成物を得た。水性相をジエチルエーテルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧中で蒸発させてさらに110mgの表題の生成物を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):4.80(m,1H),3.90(m,1H),3.10(m,4H),2.40(s,6H),1.40(s,9H)。
【0226】
ステップB:[1,2]ジチオラン−4−イル−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化14】
【0227】
チオ酢酸S−(3−アセチルスルファニル−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)エステル(330mg)のエタノール(5ml)中の溶液を2.5mlの1N水酸化ナトリウムで、室温で1時間処理した。黄色の固体が緑色−茶色に変色した。反応混合物をジクロロメタン(25ml)で希釈し、次いで、0.1Mヨウ素水溶液(10ml)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、および、1M亜硫酸水素ナトリウム溶液の添加により失活させた。有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、溶剤を減圧中で蒸発させて、表題の生成物を得た(170mg)。1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.00(br s,1H),4.90(m,1H),3.15(d,2H),3.05(d,2H),1.40(s,9H)。
【0228】
ステップC:[1,2]ジチオラン−4−イルアミン
【化15】
【0229】
BOC保護基を実施例3、ステップBに記載のとおり除去して表題の化合物(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0230】
ステップD:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[1,2]ジチオラン−4−イル−2−メチル−ベンズアミド
【化16】
【0231】
アミドカップリングを実施例3、ステップCに記載のとおり実施して、表題の化合物を固体として得た(40mg)。融点73℃;LCMS(方法F)2.20分間、M−H519/521。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.50〜7.30(m,6H),6.20(m,1H),5.35(m,1H),4.00(d,1H),3.60(d,1H),3.30(m,2H),3.20(m,2H),2.40(s,3H)。
【0232】
実施例2:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B1)
【化17】
【0233】
塩化オキサリル(0.122ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(0.5g)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(3ml)中の溶液に添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)を2滴添加した後、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して黄色の固体として酸塩化物を得、これをさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0234】
D−シクロセリン(21mg)を酸塩化物(45mg)およびトリエチルアミン(0.1ml)のトルエン(2ml)中の溶液に添加した。反応混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、相を分離した。有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液:ジクロロメタン/メタノール5%)により精製して、表題の化合物(28mg)を無色の固体として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.60(s,br.,1H),7.60〜7.45(m,6H),6.40(s,1H),5.05(m,1H),4.85(m,1H),4.20(t,1H),4.05(d,1H),3.70(d,1H),2.50(s,3H)ppm。
【0235】
実施例3:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B2)
ステップA:((R)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化18】
【0236】
(3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(1.01g、Chem.Pharm.Bull.2002年,50(4),554〜557ページに記載されているとおり、(D)−シクロセリンから調製した)をジメチルホルムアミド(5ml)中に溶解させ、溶液を0℃に冷却し、616mgのカリウムt−ブトキシドを数回に分けて添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、710mgのヨウ化メチレンを添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出した。次いで、有機相を水で数回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、減圧中で溶剤を除去した。粗((R)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(140mg)を白色の固体として得た。LCMS(方法A)1.11分間、MH+217;1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.20(m,1H),4.70(m,1H),4.55(m,1H),4.00(dd,1H),3.20(s,3H),1.40(s,9H)。
【0237】
ステップB:(R)−4−アミノ−2−メチル−イソキサゾリジン−3−オン
【化19】
【0238】
ステップAの((R)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(108mg)をジクロロメタン(5ml)中に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.2ml)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、溶剤を減圧中で除去して(R)−4−アミノ−2−メチル−イソキサゾリジン−3−オン(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0239】
ステップC:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化20】
【0240】
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸(175mg、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載のとおり調製した)のジクロロメタン(5ml)中の懸濁液に、塩化オキサリル(0.05ml)、次いで、1滴のジメチルホルムアミドを添加した。反応混合物を室温で2時間30分撹拌し、溶剤を減圧中で蒸発させてピンク色の固体(酸塩化物、170mg)を得た。このようにして得た酸塩化物をジクロロメタン(2ml)中に溶解させ、得られた溶液を、トリエチルアミン(0.35ml)および(R)−4−アミノ−2−メチル−イソキサゾリジン−3−オン(ステップBにおいて得た)のジクロロメタン(3ml)中の溶液に、室温で、アルゴン雰囲気下で滴下した。この反応を室温で一晩撹拌し、水で希釈し、および、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧中で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル)による精製で、表題の化合物を固体(70mg)として得た。融点87℃;LCMS(方法A)1.99分間、MH+516/518。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.60〜7.40(m,6H),6.45(m,1H),5.00(t,1H),4.87(m,1H),4.10(m,2H),3.70(d,1H),3.25(s,3H),2.50(s,3H)。
【0241】
以下の化合物を、実施例3に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−プロパルギル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B3)(臭化プロパルギルをステップAにおけるアルキル化剤として用いて);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−ベンジル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B4)(臭化ベンジルをステップAにおけるアルキル化剤として用いて);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B5)(2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネートをステップAにおけるアルキル化剤として用いて);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((S)−2−メチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物E1)((S)−シクロセリンから開始して)。
【0242】
実施例4:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B6)
ステップA:((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化21】
【0243】
(3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.2g、Chem.Pharm.Bull.2002年,50(4),554〜557ページに記載されているとおり、(D)−シクロセリンから調製した)をアセトニトリル(20ml)中に溶解させ、次いで、炭酸カリウム(0.69g)、ヨウ化カリウム(0.175g)および臭化エチル(0.13g)を添加した。反応を、マイクロ波の照射下で、140℃で1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水との間に分割した。有機層を水、塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶剤を減圧中で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル)により精製して、((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステルを黄色の固体として得た。LCMS(方法A)1.29分間、MH+(−BOC)131;1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.10(m,1H),4.75(m,1H),4.55(m,1H),3.95(m,1H),3.60(m,2H),1.50(s,9H),1.20(m,3H)。
【0244】
ステップB:(R)−4−アミノ−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オン
【化22】
【0245】
BOC保護基を実施例3、ステップBに記載のとおり除去して(R)−4−アミノ−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オン(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0246】
ステップC:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化23】
【0247】
アミドカップリングを実施例3、ステップCに記載のとおり実施して、表題の化合物を固体として得た(160mg)。融点140℃;LCMS(方法A)2.05分間、M−H528/530。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.60〜7.40(m,6H),6.45(br s,1H),5.00(t,1H),4.85(dt,1H),4.10(d,1H),4.00(dd,1H),3.70(d,1H),3.60(m,2H),2.50(s,3H),1.25(m,3H)。
【0248】
以下の化合物を、実施例1に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B7)(2−ブロモ−1−メトキシ−エタンをステップAにおけるアルキル化剤として用いて);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−ブチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B8)(臭化ブチルをステップAにおけるアルキル化剤として用いて);4−[5−(3,4,5−トリクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C1);4−[5−(3,5−ジクロロ−4−ブロモ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C2);4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C3);4−[5−(3,5−トリフルオロメチル−4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C4);4−[5−(3−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C5);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((S)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物E2)((S)−シクロセリンから開始して)。
【0249】
4−[5−(3,4,5−トリクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C1)を得るためにこの反応を実施する際に、ワークアップ後の沈殿により、2種のジアステレオ異性体を分離することが可能であった。粗混合物をジエチルエーテルと撹拌したところ、固体が溶液から析出した。固体(一方のジアステレオマーで富化された)をキラルHPLC(方法K)により分析した:9.72分(93.8%)、16.6分(06.17%)。濾液(他方のジアステレオマーで富化された)もまたキラルHPLC(方法K)により分析した:9.99分(11.53%)、16.6分(85.16%)。
【0250】
同様に、4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物C3)を得るためにこの反応を実施する際に、ワークアップ後の沈殿により、2種のジアステレオ異性体を分離することが可能であった。粗混合物をジエチルエーテルと撹拌したところ、固体が溶液から析出した。固体(一方のジアステレオマーで富化された)をキラルHPLC(方法K)により分析した:8.88分(88.87%)、15.98分(05.95%)。濾液(他方のジアステレオマーで富化された)もまたキラルHPLC(方法K)により分析した:8.61分(24.10%)、12.25分(74.49%)。
【0251】
実施例5:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B9)
ステップA:((R)−2−(ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化24】
【0252】
(3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.2g、Chem.Pharm.Bull.2002年,50(4),554〜557ページに記載されているとおり、(D)−シクロセリンから調製した)をアセトニトリル(20ml)中に溶解させ、次いで、炭酸カリウム(0.69g)、ヨウ化カリウム(0.175g)および2−ブロモエタノール(0.137g)を添加した。反応を室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水との間に分割した。有機層を水、塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶剤を減圧中で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル)により精製して、((R)−2−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステルを黄色の固体として得た。LCMS(方法A)1.05分間、MH+259;1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.55(br s,1H),4.65(m,2H),4.10(t,1H),3.80(m,1H),3.20(br s,1H),1.50(s,9H),1.20(m,3H)。
【0253】
ステップB:(R)−4−アミノ−2−(2−ヒドロキシエチル)−イソキサゾリジン−3−オン
【化25】
【0254】
BOC保護基を実施例3、ステップBに記載のとおり除去して(R)−4−アミノ−2−(2−ヒドロキシエチル)−イソキサゾリジン−3−オン(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0255】
ステップC:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化26】
【0256】
アミドカップリングを実施例3、ステップCに記載のとおり実施して、表題の化合物を固体として得た(24mg)。融点78℃;LCMS(方法A)1.94分間、M−H544/550。
【0257】
実施例6:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(チエタン−3−イル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B10)
ステップA:((R)−2−(チエタン−3イル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化27】
【0258】
トリフェニルホスフィン(0.79g)のTHF(22ml)中の溶液をアルゴン下で−10℃に冷却した。ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD、1.57g)を滴下し、次いで、チエタン−3−オール(0.4g)および(3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.27g、Chem.Pharm.Bull.2002年,50(4),554〜557ページに記載されているとおり、(D)−シクロセリンから調製した)を滴下した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで、溶剤を減圧中で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル)により精製して、表題の生成物を白色の固体(51mg)として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.45(q,1H),5.05(m,1H),4.90(m,1H),4.50(t,1H),4.10(dd,1H),3.55(m,2H),3.40(m,2H),1.50(s,9H)。
【0259】
ステップB:(R)−4−アミノ−2−(チエタン−3−イル)−イソキサゾリジン−3−オン
【化28】
【0260】
ステップAにおいて得た生成物(43mg)を用いて、BOC保護基を実施例3、ステップBに記載のとおり除去して表題の生成物を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。LCMS(方法A)0.17分間、M−H175。
【0261】
ステップC:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(チエタン−3−イル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化29】
【0262】
アミドカップリングを実施例3、ステップCに記載のとおり実施して、表題の化合物を黄色の樹脂(10mg)として得た;LCMS(方法A)2.13分間、M−H573/574。
【0263】
以下の化合物を、実施例6に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(シクロブチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B11);4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(オキセタン−3−イル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物B12)。
【0264】
実施例7:本発明の化合物を平行して調製するための一般的な方法
【化30】
【0265】
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(30μmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(「DMF」)(0.5ml)中の溶液に、式R−Xのアルキルハロゲン下物(32μmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(「DMF」)(0.3ml)中の溶液を添加し、続いて、炭酸カリウム(80μmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。次いで、反応混合物をHPLCにより分離した。この方法を用いて、多数の化合物(表Bの化合物番号B13〜B29)を平行して調製した。
【0266】
実施例8:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イル)−ベンズアミド(化合物A2)
ステップA:(R)−2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イルアミントリフルオロ酢酸塩
【化31】
【0267】
(2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(J.Org.Chem.,1981年,46,5408〜5413ページに従ってL−シスチンから3ステップで調製した)(345mg)をジクロロメタン(7.8ml)中に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.36ml)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、溶剤を減圧中で除去して(R)−2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イルアミン(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。LCMS(方法E)0.20分間、M+H122。
【0268】
ステップB:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イル)−ベンズアミド
【化32】
【0269】
塩化オキサリル(0.027ml)を、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(100mg)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(1.2ml)中の溶液に添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)を2滴添加した後、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して黄色の固体として酸塩化物を得、これをさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0270】
酸塩化物のジクロロメタン中の溶液に、トリエチルアミン(0.074mL)、続いて、(R)−2−オキソ−2λ**−[1,2]オキサチオラン−4−イルアミン(トリフルオロ酢酸塩)(59mg)を添加した。次いで、反応混合物を室温で24時間撹拌した。水を添加することにより反応を失活させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥させ、および、蒸発させた。逆相クロマトグラフィを用いた精製で、2種のジアステレオマーの第1の混合物16mgを油として得、続いて、他の2種のジアステレオマーの第2の混合物21mgを油として得た。画分1:LCMS(方法F)2.04分間、M−H519/521。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.56〜7.47(m,4H),7.46〜7.42(m,1H),7.41〜7.34(m,1H),6.24〜6.04(m,1H),5.23〜5.12(m,1H),4.99(dd,1H),4.75(dd,1H),4.08(d,1H),3.70(d,1H),3.34(d,1H),3.09(d,1H,J=6.6Hz),2.50(s,3H)。画分2:LCMS(方法)分間、M−H519/521。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.58〜7.39(m,6H),5.48〜5.37(m,1H),4.88(d,1H),4.62(d,1H),4.08(d,1H),3.70(d,1H),3.63〜3.54(m,1H),3.31(d,1H),2.46(s,3H)。
【0271】
実施例9:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イルメチル)−2−メチル−ベンズアミド(化合物D1)
ステップA:N−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル)−N−エチル−メタンスルホンアミド
【化33】
【0272】
トリエチルアミン(0.043ml、0.1当量)を、N−エチルメタンスルホンアミド(413mg、1.1当量)および2−ベンジルオキシメチルオキシラン(500mg、3.04mmol)(J.Am.Chem.Soc.,1996年,118,7094〜7100ページに従って調製した)の無水ジオキサン(1ml)中の混合物に添加した。次いで、反応混合物を50℃に一晩加熱した。反応は完了していなかったため、100℃にさらに5時間加熱した(TLCによれば反応は完了した)。次いで、揮発物を減圧中で除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(6/4、次いで、1/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより、836mg(2.91mmol、96%)を得た。LCMS(方法E)1.44分間、M+H288。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.43〜7.27(m,5H),4.57(s,2H),4.11〜3.90(m,1H),3.62〜3.44(m,2H),3.43〜3.20(m,4H),2.90(s,3H),1.14〜1.33(m,3H)。
【0273】
ステップB:4−ベンジルオキシメチル−2−エチル−イソチアゾリジン1,1−ジオキシド
【化34】
【0274】
ベンゼンスルホニルクロリド(0.41ml、1.1当量)を、N−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル)−N−エチル−メタンスルホンアミド(836mg、2.91mmol)のピリジン(5.8ml)中の溶液に添加した。次いで、反応混合物を50℃に24時間加熱した。酢酸エチルを添加したところ、沈殿物(ピリジニウム塩酸塩)が形成された。これをろ過し、残渣を酢酸エチル中に希釈した。次いで、有機相を1M水性HCl、水、CuSO4水溶液およびNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。次いで、有機相を乾燥させ(Na2SO4)、および、蒸発させた。
【0275】
前述の残渣(2.61mmol)の無水テトラヒドロフラン中の溶液に、−78℃で、n−BuLi(5.4mL、2.5当量)を添加した。次いで、反応混合物を0℃に温めさせ、この温度で2時間撹拌した。これを、飽和水性NH4Clの添加により失活させた。次いで、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥させ、および、蒸発させた。シクロヘキサン/酢酸エチル(7/3)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより、274mg(1.017mmol、40%)を得た。LCMS(方法E)1.59分間、M+H270。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.40〜7.27(m,5H),4.60〜4.45(m,2H),3.54(dd,2H),3.37〜3.20(m,2H),3.17〜2.85(m,5H),1.22(t,3H)。
【0276】
ステップC:(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イル)−メタノール
【化35】
【0277】
4−ベンジルオキシメチル−2−エチル−イソチアゾリジン1,1−ジオキシド(254mg)およびPd/C(108mg、0.1当量)のメタノール中の混合物をH2でパージし、H2雰囲気下で24時間撹拌しながら放置した。LCMSが完了を示したら、反応混合物をシリカパッド(MeOHですすぐ)を通してろ過した。濾液を蒸発させ、162mgの予期していたアルコールを得た。これは、次のステップにおいてそのまま用いるのに十分に純粋であった。LCMS(方法E)0.25分間、M+H170。1H−NMR(CDCl3,400MHz):3.8〜3.70(m,2H),3.39〜3.25(m,2H),3.20〜3.01(m,4H),2.94〜2.78(m,1H),1.24(t,3H)。
【0278】
ステップD:2−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン
【化36】
【0279】
フタルイミド(133mg、1当量)のテトラヒドロフラン(4.5ml)中の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(237mg、1当量)および(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イル)−メタノール(0.905mmol)を添加した。この溶液を、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.18ml、1当量)の滴下のために、0℃にまで冷却した。反応混合物を室温で、週末にかけて撹拌した。次いで、これを濃縮し、ジエチルエーテル中で5時間撹拌した。揮発物を減圧中で除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(7/3)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより、261mg(0.85mmol、94%)を得た。LCMS(方法E)1.40分間、M+H309。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.93〜7.84(m,2H),7.83〜7.72(m,2H),3.89(dd,2H),3.41〜3.23(m,2H),3.17〜2.98(m,5H),1.22(t,3H)。
【0280】
ステップE:C−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イル)−メチルアミン
【化37】
【0281】
2−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(261mg、0.85mmol)のEtOH(4ml)中の溶液に、ヒドラジン一水和物(0.165ml、4当量)を添加した。次いで、反応混合物を一晩環流し、白色のガムを形成した。反応混合物をろ過し(EtOHで数回すすいで)、および、濾液を蒸発させて、10%の2,3−ジヒドロ−フタルアジン−1,4−ジオンが混入していた、81mgの予期していたアミンを得た。これを次のステップにおいてそのまま用いた。

1H−NMR(MeOD,400MHz):3.52〜3.36(m,2H),3.20〜2.97(m,4H),2.92〜2.83(m,2H),2.83〜2.69(m,1H),1.26(t,3H)。
【0282】
ステップF:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イルメチル)−2−メチル−ベンズアミド
【化38】
【0283】
塩化オキサリル(0.027ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(100mg)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(1.2ml)中の溶液に添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)を2滴添加した後、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して黄色の固体として酸塩化物を得、これをさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0284】
酸塩化物のジクロロメタン中の溶液に、トリエチルアミン(0.037ml)、続いて、(C−(2−エチル−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−4−イル)−メチルアミン(45mg)を添加した。次いで、反応混合物を室温で24時間撹拌した。水を添加することにより反応を失活させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥させ、および、蒸発させた。逆相クロマトグラフィを用いた精製で、2種のジアステレオマーの混合物18mgを油として得た。LCMS(方法D)2.21分間、M+H578/580。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.56〜7.49(m,4H),7.47〜7.40(m,2H),6.23〜6.32(m,1H),4.09(d,1H),3.74〜3.53(m,3H),3.46〜3.27(m,2H),3.17〜3.00(m,5H),2.47(s,3H),1.23(t,3H)。
【0285】
実施例10:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]−N−(2−エチル−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド(化合物A3)
ステップA:2−[4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−イソキサゾリジン−2−カルボニル]−安息香酸メチルエステル
【化39】
【0286】
トリエチルアミン(0.11ml、0.1当量)を、N−ヒドロキシフタルイミド(1.13g、6.9mmol)および2−ブロモメチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン(7.6mmol、1.1当量)(Org.Biomol.Chem.,2008年,6,1902〜1904ページに従って調製した)の無水ジオキサン(4.5ml)中の混合物に添加した。次いで、反応混合物を50℃に週末にかけて加熱した。次いで、メタノール(2.5ml)およびトリエチルアミン(1.1ml、1当量)を添加し、この反応混合物を50℃でさらに4時間加熱した。次いで、揮発物を減圧中で除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(1/1、次いで、3/7)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより、2.46gの表題の化合物(5.67mmol、74%)を得た。LCMS(方法E)1.55分間、M+H435。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.21〜8.11(m,1H),8.00(d,1H),7.90〜7.67(m,3H),7.63〜7.56(m,1H),7.55〜7.46(m,1H),7.41(d,1H),6.87〜6.73(m,1H),4.77〜4.67(m,1H),4.22〜3.95(m,5H),3.93〜3.75(m,2H)。
【0287】
ステップB:2−(4−アミノ−イソキサゾリジン−2−カルボニル)−安息香酸メチルエステル
【化40】
【0288】
2−[4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−イソキサゾリジン−2−カルボニル]−安息香酸メチルエステル(200mg、0.46mmol)およびPhSH(0.035ml、1.1当量)のアセトニトリル(2.3ml)中の溶液を、アルゴン下で、室温で、K2CO3(95mg、1.5当量)で処理した。反応混合物は明るい黄色に変色した。反応を一晩撹拌しながら放置した。TLCが出発材料の完全な消費を示したため、揮発物を減圧中で除去した。ジクロロメタン:メタノール(9/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、85mgの予期していたアミン(0.34mmol、74%)を得た。LCMS(方法E)0.55および1.41分間、M+H251。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.95(d,1H),7.63〜7.52(m,1H),7.51〜7.36(m,2H),4.17〜3.92(m,3H),3.87(s,3H),3.80〜3.55(m,2H),2.04〜1.75(m,2H)。
【0289】
ステップC:2−(4−{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−イソキサゾリジン−2−カルボニル)−安息香酸メチルエステル
【化41】
【0290】
塩化オキサリル(0.037ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(135mg)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(1.6ml)中の溶液に添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)を2滴添加した後、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して黄色の固体として酸塩化物を得、これをさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0291】
酸塩化物のジクロロメタン(3.2ml)中の溶液に、トリエチルアミン(0.090ml)、続いて、2−(4−アミノ−イソキサゾリジン−2−カルボニル)−安息香酸メチルエステル(85mg)を添加した。次いで、反応混合物を室温で24時間撹拌した。水を添加することにより反応を失活させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥させ、および、蒸発させた。シクロヘキサン/EtOAc(1/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、187mgの予期していたアミンを(分離可能な)ジアステレオマーの混合物(0.29mmol、90%)として得た。LCMS(方法F)2.11および2.15分間、M−H648/650。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.96(d,1H),7.81〜7.68(m,1H),7.68〜7.60(m,1H),7.60〜7.42(m,8H),5.39〜5.42(m,1H),4.57〜4.43(m,1H),4.31〜4.24(m,1H),4.08(d,1H),4.01〜3.88(m,1H),3.87〜3.78(m,1H),3.72(d,1H),3.62(s,3H),2.52(s,3H)。
【0292】
ステップD:4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−イソキサゾリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル
【化42】
【0293】
2−[4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−イソキサゾリジン−2−カルボニル]−安息香酸メチルエステル(2.67g、6.14mmol)を20mL2M水性HClに懸濁させ、この混合物を48時間環流にかけた。次いで、これをろ過し、固形分を水で洗浄した。次いで、濾液を蒸発させ、減圧下で乾燥させた。残渣をi−PrOH中に倍散させた。固体をろ過し、濾液を蒸発させた。この濾液(177mg)を、さらに精製することなくそのまま用いた。LCMS(方法E)0.87および0.95分間、M+H274。
【0294】
前述の残渣のMeCN(30ml)中の懸濁液をEt3N(3.62ml、4.2当量)で処理したところ、反応混合物は清透になった。次いで、Boc2O(2.01g、1.5当量)を添加し、反応混合物を、アルゴン下で、室温で36時間撹拌したまま放置した。これを、水の添加により失活させ、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。シクロヘキサン/酢酸エチル(6/4)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより、1.69g(4.52mmol、74%)を得た。LCMS(方法D)1.66分間、M+Na396。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.18〜8.13(m,1H),7.95〜7.88(m,1H),8.85〜7.74(m,2H),5.78(d,1H),4.54〜4.42(m,1H),3.95(dd,1H),3.91〜3.80(m,2H),3.49(dd,1H),1.49(s,9H)。
【0295】
ステップE:4−アミノ−イソキサゾリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル
【化43】
【0296】
4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−イソキサゾリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル(694mg、1.86mmol)およびPhSH(0.142ml、1.1当量)のMeCN(10ml)中の溶液を、アルゴン下で、室温で、K2CO3(386mg、1.5当量)で処理した。反応混合物は明るい黄色に変色した。反応を一晩撹拌しながら放置した。TLCが出発材料の完全な消費を示したため、揮発物を減圧中で除去した。ジクロロメタン:メタノール(10/0、次いで、9/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、336mgの表題のアミン(1.8mmol、96%)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):4.03〜3.92(m,3H),3.89〜3.76(m,1H),3.70(dd,1H),3.37(dd,1H),1.51(s,9H)。
【0297】
ステップF:4−{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−イソキサズリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル
【化44】
【0298】
塩化オキサリル(0.20ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(749mg)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(9ml)中の溶液に添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)を2滴添加した後、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して黄色の固体として酸塩化物を得、これをさらに精製することなく次のステップで用いた。
【0299】
酸塩化物のジクロロメタン(18ml)中の溶液に、トリエチルアミン(0.30ml)を、続いて4−アミノ−イソキサゾリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル(336mg)を添加した。次いで、反応混合物を室温で24時間撹拌した。水を添加することにより反応を失活させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、(Na2SO4)で乾燥させ、および、蒸発させた。シクロヘキサン/EtOAc(1/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、197mgの予期していたアミンをジアステレオマーの混合物として得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.60〜7.48(m,4H),7.47〜7.36(m,2H),6.23.6.15(m,1H),5.08〜4.98(m,1H),4.20〜3.94(m,4H),3.70(d,1H),3.66〜3.58(m,1H),2.48(s,3H),1.50(s,9H)。
【0300】
ステップG:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−イソキサゾリジン−4−イル−2−メチル−ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
【化45】
【0301】
4−{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−イソキサズリジン−2−カルボン酸t−ブチルエステル(198mg、0.34mmol)のジクロロメタン(1.7ml)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15ml、5当量)を添加した。反応混合物は直ぐに黒色に変色した。反応混合物を6時間撹拌しながら放置した。次いで、揮発物を減圧中で除去した。酢酸エチル/メタノール(10/0〜9/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、92mgの予期していた化合物をジアステレオマーの混合物として得た。LCMS(方法E)1.93分間、M+H488/490。
【0302】
ステップH:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2−エチル−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド
【化46】
【0303】
粗4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−イソキサゾリジン−4−イル−2−メチル−ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩(0.16mmol)をMeOH(0.8ml)中に溶解させた。次いで、アセトアルデヒド(0.090ml、10当量)を0℃で、アルゴン雰囲気下で添加した。0℃で1時間攪拌した後、NaBH3CN(20mg、2当量)を添加した。反応混合物を週末にかけて撹拌したままで放置した。次いで、これを蒸発させた。酢酸エチル/メタノール(10/0〜9/1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより、7.5mgの予期していた化合物をジアステレオマーの混合物として得た。LCMS(方法E)2.02分間、M+H516/518。1H−NMR(MeOD,400MHz):7.70〜7.53(m,5H),7.52〜7.37(m,1H),4.92〜4.85(m,1H),4.40〜4.22(m,2H),4.00(d,1H),3.83〜3.62(m,1H),3.29〜2.52(m,4H),2.43(s,3H),1.16(t,3H)。
【0304】
実施例11:4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[(2−オキシド−1,3,2−ジオキサチオラン−2−イウム−4−イル)メチル]ベンズアミド(化合物F5)
ステップA:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−2−メチルベンザミドの調製
【化47】
【0305】
10%硫酸(0.1ml)および4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−2−メチルベンザミド(1g、1.9mmol)のメタノール(50ml)中の溶液を70℃で4時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、粗混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で(20mL×2)、次いで、水(50ml)で洗浄した。組み合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧中で濃縮して表題の化合物を固体(0.7g)として得た。融点98〜98℃。LCMS(方法G)3.65分間、MH+491。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.37〜7.49(m,6H),6.59(t,1H),4.12(d,1H),3.88(m,1H),3.67(d,1H),3.60(m,4H),2.41(s,3H)。
【0306】
ステップB:4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[(2−オキシド−1,3,2−ジオキサチオラン−2−イウム−4−イル)メチル]ベンズアミドの調製
【化48】
【0307】
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−2−メチルベンザミド(100mg、0.2mmol)のジクロロメタン(10ml)中の溶液を0℃に冷却し、ピリジン(0.08ml、1.0mmol)および塩化チオニル(0.03、0.4mmol)で処理し、6時間撹拌した。この混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、2N塩酸で中和し、水(50ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、濃縮して、表題の化合物(65mg)をジアステレオ異性体の混合物として得た。分取HPLCによる精製でジアステレオ異性体1(28mg)およびジアステレオ異性体2(18mg)を得た。
ジアステレオ異性体1:LCMS(方法G)4.07分間、MH+536。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.37〜7.50(m,6H),6.26(m,1H),5.16(m,1H),4.79(m,1H),4.32(m,1H),4.10(m,2H),3.71(m,2H),2.45(s,3H)。
ジアステレオ異性体2:LCMS(方法G)4.17分間、MH+536。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.47〜7.52(m,5H),7.42(s,1H),6.58(m,1H),4.88(m,1H),4.59(m,1H),4.47(m,1H),4.10(m,2H),3.75(m,2H),2.45(s,3H)。
【0308】
実施例12:N−(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド(化合物F1)
ステップA:(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化49】
【0309】
Tetrahedron,55,1999年,4685〜4698ページに記載されている手法に準拠して、N−BOC−アリルアミン(2g)をトルエン(130ml)およびエタノール(45ml)中に溶解させ、次いで、ベンジル塩酸ヒドロキシルアミン(3.05g)、パラホルムアルデヒド(3.16g)およびトリエチルアミン(1.93g)を添加した。反応混合物を室温で、24時間撹拌させ、次いで、溶剤を減圧中で蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチル中に希釈し、トリエチルアミンの塩酸塩をろ出した。濾液を減圧中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)により精製して表題の化合物を無色の油(4.37g)として得た。LCMS(方法F)1.53分間、M+H293。
【0310】
ステップB:C−(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イル)−メチルアミン
【化50】
【0311】
(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(ステップA、0.5g)のジクロロメタン(10ml)中の溶液をトリフルオロ酢酸(1.95g)で処理した。溶液を室温で4時間撹拌し、次いで、減圧中で濃縮して粗表題の生成物を得、これを次のステップにそのまま用いた。LCMS(方法F)0.20分間、M+H194。
【0312】
ステップC:N−(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド
【化51】
【0313】
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(1.75g)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)のアセトニトリル(35ml)およびトリエチルアミン(2.04ml)中の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、TBTU(1.61g)を添加し、AZA.HOBT(0.68g)およびC−(2−ベンジル−イソキサゾリジン−5−イル)−メチルアミン(ステップB、1.61g)を添加した。得られた溶液を室温で4時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液の添加により失活させた。次いで、混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、次いで、減圧中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)により精製して表題の化合物を白色の固体(60mg、(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。LCMS(方法F)2.20分間、M+H636/638。
【0314】
以下の化合物を、実施例12に記載のものと類似の方法に従って調製した:N−(2−メチル−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド(化合物F2)。
【0315】
実施例13:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[3−オキソ−2−エチル−イソキサゾリジン−5−イルメチル]−ベンズアミド(化合物F3)
ステップA:(3−ブロモ−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化52】
【0316】
Tetrahedron,46,1990年,1975〜1986ページに記載の手法に準拠して、N−BOC−アリルアミン(1.8g)を酢酸エチル中に溶解させ、炭酸水素ナトリウム(4.38g)およびジブロモホルムアルドキシム(2.55g)で処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を減圧中で除去した。これにより、表題の粗生成物を無色の油(3.16g)として得た。LCMS(方法F)1.48分間、M+H179/181(M−BOC)。
【0317】
ステップB:(3−オキソ−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化53】
【0318】
Tetrahedron,46,1990年,1975〜1986ページに記載の手法に準拠して、ステップAにおいて得た粗生成物(1.5g)をTHF中に溶解させ、テトラブチル硫酸アンモニウム(0.54g)の存在下に、1N水性水酸化ナトリウム(150ml)で処理した。室温で24時間攪拌した後、水性水酸化ナトリウム(1N、50ml)を再度添加し、反応混合物を60℃でさらに48時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテルで抽出し、2N HCLを添加することにより水性層のpHを1に調整した。次いで、水性層を酢酸エチルで抽出し、有機層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、溶剤を減圧中で除去した。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)で、表題の生成物を白色の固体(220mg)として得た。LCMS(方法F)1.06分間、M+H217。1HNMR(CDCl3,400MHz):4.90(m,1H),4.70(m,1H),3.40(m,2H),2.75(dd,1H),2.60(dd,1H),1.50(s,9H)。
【0319】
ステップC:(2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−5−イルメチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化54】
【0320】
ステップBにおいて得た生成物(0.1g)を、実施例4、ステップAに記載のとおり臭化エチルでアルキル化して、O−アルキル化生成物(18mg)、1HNMR(CDCl3,400MHz):4.90(m,1H),4.70(m,1H),4.2(q,2H),3.35(m,2H),3.00(dd,1H),2.75(dd,1H),1.50(s,9H),1.35(t,3H);および、表題のN−アルキル化生成物(63mg)を得た。1HNMR(CDCl3,400MHz):4.85(m,1H),4.55(m,1H),3.60(m,2H),3.40(m,2H),2.80(dd,1H),2.60(dd,1H),1.50(s,9H),1.20(t,3H)。
【0321】
ステップD:5−アミノエチル−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オン
【化55】
【0322】
ステップCにおいて得た生成物のジクロロメタン(2ml)中の溶液をトリフルオロ酢酸(0.15g)で処理した。溶液を室温で4時間撹拌し、次いで、減圧中で濃縮して表題の粗生成物を得、これを次のステップにそのまま用いた。LCMS(方法F)0.18分間、M+H145。
【0323】
ステップE:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[3−オキソ−2−エチル−イソキサゾリジン−5−イルメチル]−ベンズアミド
【化56】
【0324】
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(0.3g)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)を、実施例12、ステップCに記載されているとおり、ステップDにおいて得たアミン(0.12g)とカップリングさせて、表題の生成物をベージュ色の固体(62mg、ジアステレオ異性体の混合物)として得た。LCMS(方法F)2.02分間、M+H542/544。
【0325】
以下の化合物を、実施例13に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[3−オキソ−2−(1,1,1−トリフルオロエチル)−イソキサゾリジン−5−イルメチル]−ベンズアミド(化合物F4)。
【0326】
実施例14:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−5−イルメチル]−2−メチル−ベンズアミド(化合物F6)
ステップA:2−ニトリロ−エタンスルホン酸(4−メトキシ−フェニル)−アミド
【化57】
【0327】
p−アニシジン(1.95g)のアセトニトリル(25ml)中の溶液に、15℃で、アルゴン雰囲気下で、ピリジン(1.25g)、次いで、シアノメタンスルホニルクロリド(2g)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を50mLの水に注ぎ、1N水性水酸化ナトリウムを添加することによりpHを塩基性とした。水性層を酢酸エチルで抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、減圧中で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン1:1)により、表題の生成物をオレンジ固体(590mg)として得た。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.30(d,2H),6.95(d,2H),6.70(m,1H),3.95(s,2H),3.85(s,3H)。
【0328】
ステップB:2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−5−カルボニトリル
【化58】
【0329】
ステップAにおいて得た化合物(0.59g)のジメチルホルムアミド(40ml)中の溶液に、炭酸カリウム(1.1g)を添加した。次いで、1,2−ジブロモエタン(0.59g)のジメチルホルムアミド(25ml)中の溶液を55℃で滴下した。次いで、反応混合物を55℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、15mL水に注ぎ入れ、水性2N塩酸を添加して酸性pHとした。次いで、水性層をジクロロメタンで抽出し、組み合わせた有機層を2%水性塩酸で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン7:3)により、表題の生成物をベージュ色の固体(310mg)として得た。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.30(d,2H),6.90(d,2H),4.25(m,1H),(m,1H),3.70〜3.90(m,5H),2.95(m,1H),2.80(m,1H)。
【0330】
ステップC:[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−5−イルメチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化59】
【0331】
0℃でのステップBにおいて得た生成物(500mg)のメタノール(15ml)中の溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(807mg)および塩化ニッケル(II)六水和物(90mg)を添加した。水素化ホウ素ナトリウム(490mg)を数回に分けて添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌させた。ジエチレントリアミン(190mg)を添加し、反応混合物を室温で30分撹拌し、次いで、溶剤を減圧中で除去した。紫色の固体残渣を酢酸エチル中に希釈し、次いで、水性飽和重炭酸塩で洗浄した。水性層を酢酸エチルで抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、減圧中で濃縮した。Combi Flash200を用いた精製で、表題の生成物を不純物を含む茶色の油(80mg)として得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0332】
ステップD:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−5−イルメチル]−2−メチル−ベンズアミド
【化60】
【0333】
ステップCにおいて得た化合物(94mg)を脱保護し、実施例4、ステップBおよびCに記載のとおり、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(0.125g)(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)とカップリングして、表題の化合物を茶色の固体(65mg)として得た。LCMS(方法F)2.02分間、M−H654/655。
【0334】
以下の化合物を、実施例14に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,1−ジオキソ−1λ**−イソチアゾリジン−5−イルメチル]−2−メチル−ベンズアミド(化合物F7)。
【0335】
実施例15:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミドの鏡像異性体的に純粋な異性体の調製
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(国際公開第2009/080250号パンフレットに記載のとおり調製した)を、キラル相分取HPLC(カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H5μm;移動相:80/20二酸化炭素/エタノール+1%ジエチルアミン;流量:120ml/分間;検出:270nm;温度:25℃;出口圧力:150bar)を介して分離して、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(αD+51.43°)および4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(R)−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(αD−51.90°)を得た。
【0336】
実施例12、ステップCに記載の手法を用いた(R)−4−アミノ−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オンおよび(S)−4−アミノ−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オンのアミドカップリングで、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミドの4種の異性体を得た:
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物G1)キラルHPLC(方法H)RT21.30分間、純度97%。
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(R)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物G2):キラルHPLC(方法H)RT19.79、純度82%。
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((S)2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物G3):キラルHPLC(方法H)RT21.11、純度91%。
4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(R)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((S)2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物G4):キラルHPLC(方法H)RT17.07、純度95%。
【0337】
実施例16:4−[(S)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−[(R)−2−(2,2−ジフルオロ−エチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル]−2−メチル−ベンズアミド(化合物G6)
【化61】
【0338】
ステップA:[(R)−2−(2,2−ジフルオロ−エチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
【化62】
【0339】
実施例4、ステップAに記載のとおり、(3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.30g)を、2,2−ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(0.35g)でアルキル化して、表題の生成物を白色の固体として得た(138mg);1H−NMR(CDCl3,400MHz):6.05(tt,1H),5.10(m,1H),4.90(m,1H),4.35(dt,2H),4.20(dd,1H),1.50(s,9H);O−アルキル化生成物では(179mg):1H−NMR(CDCl3,400MHz):5.95(tt,1H),4.80(m,1H),4.60(m,1H),3.80〜4.10(m,3H),1.50(s,9H)。
【0340】
ステップB:(R)−4−アミノ−2−(2,2−ジフルオロエチル)−イソキサゾリジン−3−オン
【化63】
【0341】
BOC保護基を実施例4、ステップBに記載のとおり除去して(R)−4−アミノ−2−(2,2−ジフルオロエチル)−イソキサゾリジン−3−オン(トリフルオロ酢酸塩)を得、これを次のステップにおいてそのまま用いた。
【0342】
ステップC:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2,2−ジフルオロエチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化64】
【0343】
アミドカップリングを、実施例12、ステップCに記載されているとおり、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(0.27g、実施例15に従って調製した)を用いて実施した。表題の化合物を白色の固体として得た(158mg)。融点77〜78℃;LCMS(方法F)2.09分間、M+H564/566。
【0344】
以下の化合物を、実施例16に記載のものと類似の方法に従って調製した:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−(S)トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−(2,2−ジフルオロエチル)−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物G5)。
【0345】
実施例17:6−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−N−[(R)−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−4−イル]−ニオコチンアミド(化合物C6)
ステップA:5−ブロモ−2−ヨード−4−メチル−ピリジン
【化65】
【0346】
2,5−ジブロモ−4−メチルピリジン(2g)のアセトニトリル(40ml)中の溶液に、室温で、アルゴン下で、ヨウ化ナトリウム(4.8g)、次いで、塩化アセチル(0.94g)を添加した。室温で3時間攪拌した後、形成された白色の固体をろ出し、濾液を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で中和した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製して、表題の生成物を茶色の固体(2.04g)として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.40(s,1H),7.60(s,1H),2.30(s,3H)。
【0347】
ステップB:5−ブロモ−4−メチル−ピリジン−2−カルバルデヒド
【化66】
【0348】
オーブン乾燥したフラスコにおいて、ステップAにおいて得た化合物(4.67g)をテトラヒドロフラン(22ml)中に溶解させた。この溶液を−15℃に冷却し、次いで、臭化イソプロピルマグネシウム(17.2ml、THF中の15%溶液)を、内部温度を−15℃〜−10℃の間に維持するような速度で滴下した。反応をこの温度で1時間撹拌し、次いで、無水ジメチルホルムアミド(1.8ml)を、内部温度が0℃未満に維持されるような速度で添加した。反応をこの温度で1時間撹拌し、次いで、水に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。表題の粗アルデヒド生成物(2.4g、茶色の固体)を次のステップにおいてそのまま用いた。
【0349】
ステップC:5−ブロモ−4−メチル−ピリジン−2−カルバルデヒドオキシム
【化67】
【0350】
ステップBにおいて得た化合物(3.1g)のEtOH(47.5ml)中の溶液および水(23ml)に塩酸ヒドロキシルアミン(1.4g)および酢酸ナトリウム(1.9g)を添加した。反応を室温で15分撹拌した。白色の固体をろ出し、溶液を減圧中で濃縮して、表題の粗生成物(2.2g、白色の固体)を得、これを次のステップにそのまま用いた。LCMS(方法F)2.09分間、M+H564/566。
【0351】
ステップD:5−ブロモ−2−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−ピリジン
【化68】
【0352】
ステップCにおいて得た化合物(2.2g)のジメチルホルムアミド(24ml)中の溶液に、N−クロロスクシンイミド(1.4g)を3回に分けて、室温で、アルゴン下で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌させ、次いで、1,3−ジクロロ−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼン(2.7g、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載のとおり調製した)のDMF(6ml)中の溶液を添加し、続いて、DMF(14ml)中のトリエチルアミン(1.43ml)を添加した。反応を室温で1時間撹拌し、次いで、氷水に注ぎ入れた。白色の固体が沈殿し、これをろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて表題の生成物(4.1g)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.60(s,1H),7.90(s,1H),7.50(s,2H),7.40(s,1H),4.20(d,1H),3.85(d,1H),2.45(s,3H)。
【0353】
ステップE:6−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−ニコチン酸
【化69】
【0354】
300mLフラスコに、n−ブタノール(90ml)、酢酸パラジウム(38mg)およびn−ブチル−ジアダマンチルホスフィン(184mg)を仕込んだ。次いで、テトラメチレンジアミン(1.93ml)および5−ブロモ−2−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−ピリジン(7.5g、ステップDに記載のとおり得た)を添加した。
【0355】
反応は、一酸化炭素下、15bar、室温で、20分間実施した。次いで、反応混合物をトルエン中に希釈し、懸濁液をセライトでろ過し、トルエンで洗浄した。溶剤を減圧下で除去して赤色の油を得た。残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル、シクロヘキサン)により精製して表題の生成物のブチルエステルを液体(3.45g)として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):9.03(s,1H),7.90(s,1H),7.50(s,2H),7.40(s,1H),4.35(t,2H),4.25(d,1H),3.90(d,1H),2.55(s,3H),1.80(q,2H9,1.50(q,2H),1.00(t,3H)。このエステルをテトラヒドロフラン(8ml)中に溶解させ、メタノール(8ml)および水(16ml)中の水酸化ナトリウム(0.58g)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1N塩酸で酸性化した。水性層を酢酸エチルで抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、減圧中で濃縮した。残渣をヘプタン中に倍散させ、ろ過して表題の生成物をベージュ色の固体(2g)として得た。LCMS(方法F)2.22分間、M+H419/421。
【0356】
ステップF:6−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−N−[(R)−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−4−イル]−ニオコチンアミド
【化70】
【0357】
表題の化合物を、ステップEにおいて得たカルボン酸(0.15g)と(R)−4−アミノ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−3−オン(0.10g、化合物B5の調製のために実施例3に記載されているとおり得た)とを、実施例12、ステップCに記載のとおりカップリングすることにより得た。表題の生成物を白色の固体として得た(48mg)。融点53〜55℃。LCMS(方法F)2.13分間、M+H583/585。
【0358】
以下の化合物を実施例17において記載のものと同様の方法に従って調製した:6−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−4−メチル−N−[(R)−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−4−イル]−ニオコチンアミド(化合物C7)。
【0359】
同様に、2−メチル−N−[(R)−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−4−イル]−4−[5−(3,4,5−トリクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−ベンズアミド(化合物C8)を得るためにこの反応を実施する際に、カラムクロマトグラフィによる精製後の沈殿により、2種のジアステレオ異性体を分離することが可能であった。従って、カラムクロマトグラフィ後に得られた生成物をジエチルエーテルと撹拌したところ、固体が溶液から析出した。固体(一方のジアステレオマーで富化された)をキラルHPLC(方法K)により分析した:8.90分(91.02%)、11.97分(08.98%)。濾液(他方のジアステレオマーで富化された)もまたキラルHPLC(方法K)により分析した:8.66分(17.50%)、11.02分(69.38%)。
【0360】
同様に、4−[5−(3,5−ジクロロ−4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−[(R)−3−オキソ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−イソキサゾリジン−4−イル]−ベンズアミド(化合物C9)を得るためにこの反応を実施する際に、カラムクロマトグラフィによる精製後の沈殿により、2種のジアステレオ異性体を分離することが可能であった。残渣をジエチルエーテルと撹拌したところ、固体が溶液から析出した。固体(一方のジアステレオマーで富化された)をキラルHPLC(方法K)により分析した:8.31分(87.79%)。濾液(他方のジアステレオマーで富化された)もまたキラルHPLC(方法K)により分析した:8.28分(18.15%)、10.75分(81.85%)。
【0361】
実施例18:本発明の化合物を平行して調製するための一般的な方法
【化71】
【0362】
式(IIh)の安息香酸(20μmol)のN,N−ジメチル−アセトアミド(「DMA」)(0.4ml)中の溶液に、式(IIIh)のアミン(26μmol)のN,N−ジメチル−アセトアミド(「DMA」)(0.4ml)中の溶液、ジイソプロピルエチルアミン(Hunig塩基)(0.03ml)、および、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP−Cl」)(10.2mg)のN,N−ジメチル−アセトアミド(「DMA」)(0.2ml)中の溶液を順次添加した。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗混合物をアセトニトリル/N,N−ジメチル−アセトアミド(4:1)(0.8ml)中に再度溶解させ、HPLCにより精製した。この方法を用いて、多数の化合物(表Hの化合物番号H1〜H26)を平行して調製した。表Hの化合物の調製に用いた出発カルボン酸は、実施例19〜31に記載されているとおり得た。
【0363】
実施例19:2−メチル−4−[5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化72】
【0364】
この化合物は、実施例24に記載されているものと同様の経路に従って調製した。
【0365】
実施例20:6−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ニコチン酸
【化73】
【0366】
この化合物は、2,5−ジブロモ−6−メチル−ピリジンから、実施例17、ステップA〜Eに記載されているものと同様の経路に従って調製した。
【0367】
実施例21:8−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−キノリン−5−カルボン酸
【化74】
【0368】
表題の生成物は、5−ブロモ−キノリン−8−カルバルデヒドから、実施例17、ステップC〜Eに記載のものと同一の合成経路を用いて調製した。
【0369】
5−ブロモ−キノリン−8−カルバルデヒドは以下のとおり調製した。
ステップA:5−ブロモ−8−メチル−キノリン
【化75】
【0370】
5−ブロモ−2−メチルアニリン(7.44g)、グリセロール(7.4g)、ニトロベンゼン(4.9g)の75%硫酸(20ml)中の溶液を150℃で3時間加熱した。溶液を0℃に冷却し、次いで、注意深く水性水酸化ナトリウムで中和した。反応混合物は濃いガムとなり、これを水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を減圧中で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン)により精製して表題の化合物を固体(6g)として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz)8.91(m,1H),8.51(m,1H),7.7(m,1H),7.50(m,1H),7.4(m,1H),2.72(s,3H)。
【0371】
ステップB:5−ブロモ−8−ジブロモメチル−キノリン
【化76】
【0372】
ラジカル二臭素化を、標準的な方法を用いて、ステップAにおいて得た化合物(4.4g)、N−ブロモ−ハロスクシンイミド(8.9g)から、テトラクロロメタン(200ml)中で、還流で、12時間かけて、過酸化ジベンゾイル(245mg)の存在下で実施した。反応の終了時に、ハロスクシンイミドをろ出し、溶剤を減圧中で除去し、粗生成物を次のステップにそのまま用いた。1H−NMR(CDCl3,400MHz)8.90(m,1H),8.45(dd,1H),8.15(d,1H),8.10(s,1H),7.80(d,1H),7.45(m,1H)。
【0373】
ステップC:5−ブロモ−キノリン−8−カルバルデヒド
【化77】
【0374】
ステップBに記載の方法を用いて得たジブロモ化合物(9g)の加水分解を、アセトン(138ml)および水(23ml)中で、硝酸銀(9.7g)の存在下に、暗中に、室温で、5時間かけて実施した。銀塩をセライトパッドを介してろ出した。濾液を酢酸エチル(150ml)で希釈し、分離漏斗に移し、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウム(100ml)、水(3×50ml)、および、塩水(50ml)で順次に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させて、表題の生成物(4.70g)を黄色の固体として得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz)11.4(s,1H,CHO)9.05(m,1H),8.61(dd,1H),8.15(d,1H),8.0(d,1H),7.60(m,1H)
【0375】
実施例22:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−ピリジン−2−カルボン酸
【化78】
【0376】
この化合物は、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載の標準的な合成を用いて、5−ホルミル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルから調製した。5−ホルミル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、Angewandte Chemie,International Edition(2006年),45(1),154〜158ページに記載されている条件を用いた5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの還元ホルミル化により合成した。
【0377】
実施例23:2−シクロプロピル−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化79】
【0378】
この酸は、2−ブロモ−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸のメチルエステル(実施例27)から以下のとおり調製した。
シクロプロピルボロン酸(0.67g)、2−ブロモ−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸メチルエステル(3g)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(210mg)の溶液を、脱気トルエン(38ml)に順次に添加した。この反応混合物を室温で30分撹拌し、次いで、リン酸カリウムの脱気した2N水溶液(7ml)を添加し、得られた混合物を110℃で一晩加熱した。反応混合物をHyfloでろ過し、得られた溶液を減圧中で濃縮して黄色の油を得、これを酢酸エチルに注ぎ入れた。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を減圧中で蒸発させた。生成物を、実施例17、ステップEに記載のとおり、鹸化ステップにそのまま用いて、表題の酸化合物(2.5g)を黄色の固体として得た。LCMS(方法F)2.15分M−H442/444。
【0379】
実施例24:2−メチル−4−[5−(4−シアノ−3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化80】
【0380】
ステップA−C:2,6−ジクロロ−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゾニトリルの調製
【化81】
【0381】
ステップA
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジメトキシジイリジウム(35mg)のヘキサン(10ml)中の溶液に、アルゴン下で、4,4’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビピリジン(110mg)を添加した。この濃い茶色の懸濁液にピナコールジボラン(2.23g)を添加し、溶液を室温で5分間撹拌した。この溶液に2,6−ジクロロ−ベンゾニトリル(1g)を添加し、混合物を50℃で22時間加熱した。次いで、溶液をセライトパッドでろ過し、濾液を濃縮した。次いで、残渣を酢酸エチルと共に溶解させ、飽和塩化アンモニウムで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を次の反応においてそのまま用いた。
【0382】
ステップB
粗2,6−ジクロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリル(2.32g)の4:1混合物THF/H2O(63ml)中の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(5.01g)を添加した。溶液を30分間撹拌した。室温で水性塩酸(1N、5.5ml)を懸濁液に添加した。溶液を室温でさらに6時間撹拌し、次いで、水およびジエチルエーテルを添加して、相を分離した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、濃縮した。残渣を次の反応においてそのまま用いた。
【0383】
ステップC
粗2,6−ジクロロ−4−(ボロン酸)−ベンゾニトリル(1.2g)のTHF/H2Oの2:1混合物(27ml)中の溶液に、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン(1.2ml)、炭酸カリウム(1.54g)、次いで、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−イミダゾール−2−イリデン(1,4−ナフトキノン)パラジウム(438mg)を添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。溶液を室温に冷却させ、次いで、セライトパッドでろ過した。濾液を減圧下で濃縮し、次いで、残渣をジエチルエーテルと共に溶解させ、水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィにより精製して2,6−ジクロロ−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゾニトリル(1.37g)を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−64.65ppm。
【0384】
同様に、1−クロロ−3−トリフルオロメチル−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンを得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−63.00および−65.04ppm。
【0385】
同様に、1−ブロモ−3−クロロ−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンを得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−64.95ppm。
【0386】
ステップD:1−トリフルオロメトキシ−3−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンの調製
【化82】
【0387】
3−トリフルオロメトキシ−ベンゼンボロン酸(2.5g)のTHF/H2Oの2:1混合物(36ml)中の溶液に、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロ−プロペン(3.1ml)、炭酸カリウム(3.35g)、次いで、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(169mg)を添加した。反応混合物を60℃で7時間撹拌した。溶液を室温に冷却させ、次いで、セライトパッドでろ過した。濾液を減圧中で濃縮し、次いで、残渣を酢酸エチルと共に溶解させ、水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィにより精製して1−トリフルオロメトキシ−3−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼン(1.23g)を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−57.87ppmおよび−64.94ppm。
【0388】
ステップE:4−[5−(3,5−ジクロロ−4−シアノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルの調製
【化83】
【0389】
4−(ヒドロキシイミノ−メチル)−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステル(1.47g)のN,N−ジメチルホルムアミド(13ml)中の溶液に、N−クロロスクシンイミド(「NCS」)(832mg)を添加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。さらなるN−クロロスクシンイミド(「NCS」)(850mg)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。2,6−ジクロロ−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゾニトリル(1.37g)およびトリエチルアミン(0.72ml)のN,N−ジメチルホルムアミド(13ml)中の溶液を反応混合物に滴下した。反応混合物を周囲温度で17時間撹拌した。水および酢酸エチルを添加して相を分離した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィにより精製して4−[5−(3,5−ジクロロ−4−シアノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステル(0.902g)を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−78.93ppm。
【0390】
同様に、1−ブロモ−3−クロロ−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンを試薬として用いた場合に、4−[5−(3−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルを得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−79.49ppm。
【0391】
同様に、1−クロロ−3−トリフルオロメチル−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンを試薬として用いた場合に、4−[5−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルを得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−62.83および−79.59ppm。
【0392】
同様に、1−トリフルオロメトキシ−3−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼンを試薬として用いた場合に、2−メチル−4−[5−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸t−ブチルエステルを得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−57.87ppmおよび−79.85ppm。
【0393】
ステップF:4−[5−(3,5−ジクロロ−4−シアノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸の調製
【化84】
【0394】
4−[5−(3,5−ジクロロ−4−シアノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステル(763mg)のジクロロメタン(9ml)中の溶液に、トリフルオロメチル酢酸(「TFA」)(0.9ml)を添加した。反応混合物を周囲温度で20時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、混合物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して4−[5−(3,5−ジクロロ−4−シアノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−78.91ppm。
【0395】
同様に、4−[5−(3−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルを出発材料として用いた場合に、4−[5−(3−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−79.46ppm。
【0396】
同様に、4−[5−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルを出発材料として用いた場合に、4−[5−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−62.84および−79.56ppm。
【0397】
同様に、2−メチル−4−[5−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸t−ブチルエステルを出発材料として用いた場合に、2−メチル−4−[5−トリフルオロメチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸を得た。19F−NMR(CDCl3,75MHz):−57.87ppmおよび−79.83ppm。
【0398】
実施例25:1−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−イソキノリン−4−カルボン酸
【化85】
【0399】
表題の生成物を、実施例21に記載のものと同様の経路に従って、4−ブロモ−1−メチル−イソキノリンから調製した。
【0400】
実施例26:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化86】
【0401】
この化合物は、国際公開第2005/085216号パンフレットに記載のとおり調製した。
【0402】
実施例27:2−ブロモ−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化87】
【0403】
この化合物は、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載のとおり調製した。
【0404】
実施例28:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−ナフタレン−1−カルボン酸
【化88】
【0405】
この化合物は、国際公開第2010/025998号パンフレットに記載のとおり調製した。
【0406】
実施例29:2−メチル−4−[5−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化89】
【0407】
この化合物は、実施例24に記載されているものと同様の経路に従って調製した。
【0408】
実施例30:2−メチル−4−[5−(3−クロロ−5−ブロモ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化90】
【0409】
この化合物は、実施例24に記載されているものと同様の経路に従って調製した。
【0410】
実施例31:2−メチル−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−クロロジフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−安息香酸
【化91】
【0411】
ステップA:4−[5−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステルの調製
【化92】
【0412】
安息香酸4−[クロロ(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−(トリフルオロメチル)t−ブチルエステル(国際公開第2009/080250号パンフレットに従って調製した)(1.25g)および1,3−ジクロロ−5−[1−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−ビニル]−ベンゼン(1.19g)(国際公開第2005/085216号パンフレットに従って調製した)のジクロロメタン(30ml)中の溶液にトリエチルアミン(1.9ml)を添加した。反応混合物をシリカプラグでろ過し、濃縮して(1.95g)4−[5−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステル(1.69g)を得、これをさらに精製することなく以下のステップにおいて用いた。
【0413】
ステップB:4−[5−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸
【化93】
【0414】
4−[5−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸t−ブチルエステル(1.95g)のジクロロメタン(20ml)中の溶液に、トリフルオロメチル酢酸(「TFA」)(3ml)を添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ジクロロメタンを蒸留より除去した。残渣をシリカゲル(溶離液:1:1〜1:0の酢酸エチル/ヘプタン勾配)で精製して4−[5−(クロロ−ジフルオロ−メチル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−安息香酸(1.37g)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):8.10(d,1H),7.65〜7.45(m,5H),4.15(m,1H),3.75(d,1H),2.70(s,3H)。
【0415】
実施例32:(5{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−メチル−2−オキソ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸カルバミン酸ter−ブチルエステル(化合物F8)の調製
ステップA:(3{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸t−ブチルエステルの調製
【化94】
【0416】
塩化オキサリル(0.9ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸(0.9g)のジクロロメタン(20ml)中の溶液に滴下し、また、1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを滴下し、室温で、窒素下に6時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をアセトニトリル(50ml)中に溶解させ、(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸ter−ブチルエステル(0.8g)(J.Med.Chem.1998年,41,236〜246ページ)の溶液、および、トリエチルアミン(0.9ml)のアセトニトリル(50ml)中の溶液で処理し、窒素雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液ヘキサン/酢酸エチル50:50)により精製して表題の化合物(0.51g)を得た。LCMS(方法G)4.00分間、MH+590。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.42〜7.51(m,6H),6.77(m,1H),5.11(t,1H),4.09(d,1H),3.86(m,1H),3.80(m,1H),3.72(d,1H),3.67(m,1H),3.48(m,1H),3.26(m,2H),2.47(s,3H),1.42(s,9H)。
【0417】
ステップB:(5{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−メチル−2−オキソ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸カルバミン酸t−ブチルエステルの調製
【化95】
【0418】
(3{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(150mg)のジクロロメタン(10ml)中の溶液を0℃に冷却し、ピリジン(0.16ml)および塩化チオニル(0.04ml)で処理し、2時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、2N塩酸で中和し、水(50ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液ヘキサン/酢酸エチル40:60)による精製で表題の化合物(50mg)を得た。LCMS(方法G)4.29分間、MH+636。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.13〜7.59(m,6H),5.15(m,1H),5.45(m,1H),3.94〜4.23(m,3H),3.72(m,2H),3.40(m,1H),2.45(s,3H),1.51(s,9H)。
【0419】
実施例33:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−オキソ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−5−イルメチル)−ベンズアミドの調製(化合物F9)
ステップA:N−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミドの調製
【化96】
【0420】
(3{4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾイルアミノ}−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.2g)のジクロロメタン(10ml)中の溶液を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.5ml)で冷却し、10時間撹拌した。反応混合物を減圧中で濃縮し、ジクロロメタン(50ml)で希釈し、重炭酸ナトリウム(20ml)の飽和水溶液で、および、最終的に水(2×20ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して表題の化合物(0.13g)を得た。LCMS(方法G)2.84分間、MH+490。1HNMR(CDCl3,400MHz):8.05(t,1H),7.81(m,1H),7.80(brs,2H),7.59(m,4H),7.48(d,1H),4.36(dd,2H),3.85(m,2H),3.28(m,2H),2.50(m,1H),2.37(s,3H)。
【0421】
ステップB:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−オキソ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−5−イルメチル)−ベンズアミドの調製
【化97】
【0422】
N−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンズアミド(0.2g)のジクロロメタン(10ml)中の溶液を0℃に冷却し、ピリジン(0.32ml)および塩化チオニル(0.06ml)で処理し、および、4時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、2N塩酸で中和し、水(50ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液ヘキサン/酢酸エチル40:60)による精製で表題の化合物(20mg)を得た。LCMS(方法G)3.88分間、(M−H)-534。1HNMR(CDCl3,400MHz):7.45〜7.52(m,6H),6.50(m,1H),4.05(d,1H),3.98(m,1H),3.72(d,1H),3.62(m,1H),3.51(m,3H),2.46(s,3H)。
【0423】
実施例34:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(1−メチル−3−オキソ−ピラゾロジン−4−イル)−ベンズアミド(化合物A4)の調製
ステップA:4−アミノ−1−メチル−ピラゾリジン−3−オンの調製
【化98】
【0424】
4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−メチル−ピラゾリジン−3−オン(240mg、1mmol)(Tetrahedron,1998年,44(1),3231〜3240ページ)のメタノール(50ml)中の溶液を10%Pd/C(24mg)で処理し、3bar圧力で3時間水素化した。懸濁液をセライトを通してろ過し、濾液を減圧下で濃縮して表題の化合物を得た(110mg)。LCMS(方法G)0.42分間、(M−H)+116。1HNMR(MeOD,400MHz):2.96(t,1H),3.00(s,3H),3.55(m,1H),3.72(t,1H),3.85(bs,2H)。
【0425】
ステップB:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(1−メチル−3−オキソ−ピラゾロジン−4−イル)−ベンズアミドの調製
【化99】
【0426】
塩化オキサリル(0.18ml)を4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル安息香酸(0.398g)のジクロロメタン(10ml)中の溶液に滴下し、および、1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを滴下し、室温で窒素下に6時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をジクロロメタン(30ml)中に溶解させ、4−アミノ−1−メチル−ピラゾリジン−3−オン(0.11g)の溶液、トリエチルアミン(0.5ml)のテトラヒドロフラン(20ml)中の溶液で処理し、窒素下で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液ヘキサン/酢酸エチル60:40)により精製して4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−N−(1−メチル−3−オキソ−ピラゾロジン−4−イル)−ベンズアミドを固体化合物として得たところ、これはジアステロマー(diasteromer)の混合物(5mg)である。1HNMR(CDCl3):2.42(s,3H),3.01(s,3H),3.55(t,1H),3.71(dd,2H),3.86(m,1H),4.08(dd,1H),5.13(m,1H),6.29(br. d,1H),7.4〜7.6(m,6H)。
【0427】
実施例35:平行した本発明の化合物の調製
【化100】
【0428】
実施例18に記載の基本手順に従って、式(Ij)の化合物の数々を平行して調製した(表J中の化合物J1〜J32)。各事例において、2種のジアステレオ異性体を分離して表JにおいてAおよびBと命名した。
【0429】
実施例36:4−[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブチ−2−エノイル]−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミドの調製
ステップA:4−アセチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド
【化101】
【0430】
4−アセチル−2−メチル−安息香酸(1g、国際公開第2009001942号パンフレットに記載のとおり調製した)のジクロロメタン(200ml)およびジメチルホルムアミド(0.2ml)中の懸濁液に、アルゴン雰囲気下、室温で、塩化オキサリル(0.53ml)を滴下し、次いで、得られた混合物を、固体が溶解するまで室温で1時間撹拌した。溶剤を減圧中で除去して粗4−アセチル−2−メチル−安息香酸塩化物を得た。(R)−4−アミノ−2−エチル−イソキサゾリジン−3−オン(1.64g、実施例4、ステップB)の乾燥ジクロロメタン(10ml)中の溶液に、トリエチルアミン(5ml)を室温で滴下した。酸塩化物のジクロロメタン(5ml)中の溶液を室温で滴下した。得られた混合物を室温で4時間撹拌させ、次いで、水で失活させた。有機相を1N塩酸水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、および、溶剤を減圧下で除去して残渣を得、これをジエチルエーテルからの結晶化により精製してベージュ色の固体(1g)を得た。LCMS(方法A)1.23分間、(M+H)+291。キラルHPLC(方法H)30.18分(98.99%)、33.62分(1.01%)。1HNMR(CDCl3,400MHz):1.20(t,3H),2.50(s,3H),2.60(s,3H),3.65(m,2H),4.05(m,1H),4.85(m,1H),5.0(t,1H),6.45(bs,1H),7.50(d,1H),7.70〜7.90(m,2H)。
【0431】
ステップB:4−[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブチ−2−エノイル]−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド
【化102】
【0432】
4−アセチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド(1g)の1,2−ジクロロエタン(5ml)中の溶液に、3,5ジクロロ2,2,2トリフルオロアセトフェノン(0.92g)、炭酸カリウム(0.48g)、および、トリエチルアミン(35mg)を添加した。混合物を100℃で一晩加熱し、室温に冷却し、次いで、酢酸エチルと水との間に分割した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を減圧中で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製して表題の化合物を黄色の固体(1g)として得た。LCMS(方法A)2.02分間、(M+H)+515/517.。1HNMR(CDCl3,400MHz):ジアステレオ異性体((E)および(Z))の83:17混合物。主異性体:1.25(t,3H),2.50(s,3H),3.70(m,2H),4.05(m,1H),4.85(m,1H),5.0(t,1H),6.35(bd,1H),7.15〜7.65(m,6H)、副異性体:1.25(t,3H),2.55(s,3H),3.70(m,2H),4.05(m,1H),4.85(m,1H),5.0(t,1H),6.40(bd,1H),7.15〜7.65(m,6H)。
【0433】
実施例37:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミドの非対称調製
ステップA:触媒調製:2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−メチルキニニウムブロミド
【化103】
【0434】
1−ブロモメチル−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼン(0.52g)およびキニーネ(0.5g)のトルエン(9ml)中の溶液を80℃で18時間加熱した。反応混合物をジエチルエーテルに注ぎ入れ、次いで、ろ過して表題の生成物を白色の固体(0.90g)として得た。融点162〜165℃(分解した)。LCMS(方法G)1.08分間、M+505;1H NMR(400MHz,CDCl3)8.78(d,1H),8.05(d,1H),7.78(d,1H),7.39(dd,1H),7.18(d,1H),6.73(m,1H),6.41(d,1H),6.09(d,1H),5.50(m,1H),5.04(d,1H),4.98(d,1H),4.70(m,1H),4.63(d,1H),3.98(s,3H),3.97(m,1H),3.74(m,2H),3.10(m,1H),2.81(m,1H),2.30(m,2H),2.05(m,2H),1.41(m,1H)。19F NMR(376MHz,CDCl3)−132.67(s,1F),−146.60(s,2F),−158.28(s,2F)。
【0435】
同様に、2種の触媒3,4,5−トリメトキシベンジルキニニウムブロミドおよびアントラセニル−メチルジヒドロキニニウムブロミドを調製した。
【0436】
ステップB:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−N−(2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−ベンズアミド
【化104】
【0437】
5M水酸化ナトリウム(0.09ml)の予冷却した溶液を、ヒドロキシルアミンの溶液(水中に50%、0.024ml)に5℃(氷浴)で添加した。溶液を5℃で15分間撹拌し、次いで、氷アセトン浴中で冷却した、4−[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−4,4,4−トリフルオロ−ブチ−2−エノイル]−N−((R)−2−エチル−3−オキソ−イソキサゾリジン−4−イル)−2−メチル−ベンズアミド(100mg)およびアントラセニル−メチルキニニウムブロミド(20mg)(ステップA)のジクロロエタン(1ml)中の激しく撹拌した溶液に添加した。混合物を0℃で素早く4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、isolute相分離カートリッジに通し、減圧中で濃縮して黄色の油を残した。この残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル5%)により精製して表題の化合物を得た(9mg)。生成物をキラルHPLC(方法H)により分析した:18.7分(42.5%)、19.6分(24.2%)、21.4分(8.5%)、22.8分(24.8%)。
【0438】
同様に、3,4,5−トリメトキシベンジルキニニウムブロミドを触媒として用い、以下の比の異性体を得た(38mg):18.5分(14.9%)、19.5分(35.9%)、21.2分(12.5%)、22.7分(36.7%)。
【0439】
同様に、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−メチルキニニウムブロミドを触媒として用い、以下の比の異性体を得た(23mg):18.6分(16.8%)、19.6分(38.0%)、21.3分(9.2%)、22.7分(36.0%)。
【0440】
【表14】
【0441】
【表15】
【0442】
【表16】
【0443】
【表17】
【0444】
【表18】
【0445】
【表19】
【0446】
【表20】
【0447】
【表21】
【0448】
【表22】
【0449】
【表23】
【0450】
【表24】
【0451】
【表25】
【0452】
生物学的実施例
この実施例は、式(I)の化合物の有害生物防除/殺虫特性を例示する。
【0453】
テストは以下の通り実施した。
スポドプテラクットラリス(Spodoptera littoralis)(エジプトコットンリーフワーム(Egyptian cotton leafworm)):
綿葉片を24−ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上に置き、200ppmの施用量でテスト溶液を噴霧した。乾燥させた後、葉片を5匹のL1幼虫で侵襲させた。サンプルを、処理から3日間後(DAT)に、死亡率、摂食挙動、および成長調節について調べた。
【0454】
以下の化合物が、スポドプテラクットラリス(Spodoptera littoralis)(エジプトコットンリーフワーム)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A1、A3、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、F6、G1、G3、G5、G6、H1、H2、H3、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、およびH26。
【0455】
ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ):
卵(0〜24時間経過)を24−ウェルマイクロタイタープレート中の人工飼料上に置き、ピペットにより200ppmの施用量(ウェル中の濃度18ppm)でテスト溶液で処理した。4日間のインキュベーション期間の後、サンプルを、卵死亡率、幼虫死亡率、および、成長調節について調べた。
【0456】
以下の化合物が、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A1、A3、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、F6、G1、G3、G5、G6、H1、H2、H3、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、H26、J10、およびJ16。
【0457】
コナガ(Plutella xylostella)(コナガ):
人工飼料の入っている24−ウェルマイクロタイタープレート(MTP)をピペットにより200ppmの施用量(ウェル中の濃度18ppm)でテスト溶液で処理した。乾燥させた後、MTPをL2幼虫で侵襲させた(7〜12匹/ウェル)。6日間のインキュベーション期間の後、サンプルを、幼虫死亡率および成長調節について調べた。
【0458】
以下の化合物が、コナガ(Plutella xylostella)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A1、A3、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、F6、G1、G3、G5、G6、H1、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、H26、J1、J10、および、J13。
【0459】
ジアブロチカバルテアタ(Diabrotica balteata)(根切虫):
人工飼料の入っている24−ウェルマイクロタイタープレート(MTP)をピペットにより200ppmの施用量(ウェル中の濃度18ppm)でテスト溶液で処理した。乾燥させた後、MTPをL2幼虫で侵襲させた(6〜10匹/ウェル)。5日間のインキュベーション期間の後、サンプルを、幼虫死亡率および成長調節について調べた。
【0460】
以下の化合物が、ジアブロチカバルテアタ(Diabrotica balteata)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A1、A3、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、F6、G1、G3、G5、G6、H1、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、H26、J4、およびJ20。
【0461】
モモアカアブラムシ(Myzus persicae)(モモアカアブラムシ)、全身テスト:様々な齢のアブラムシ個体群で侵襲させたエンドウマメの苗の根を、12.5ppmの施用量でテスト溶液中に直接的に入れる。導入から6日後に、サンプルを死亡率および植物に対する特別な効果について調べる。以下の化合物が、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A3、B2、B3、B5、B6、B7、B8、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、G1、G3、G5、G6、H1、H5、H6、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H18、H19、H20、H24、H25、およびH26。
【0462】
ネギアザミウマ(Thrips tabaci)(タマネギアザミウマ):
ヒマワリ葉片を24−ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上に置き、200ppmの施用量でテスト溶液を噴霧した。乾燥させた後、葉片を、様々な齢のアブラムシ個体群で侵襲させた。7日間のインキュベーション期間の後、サンプルを、死亡率について調べた。
【0463】
以下の化合物が、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A1、A3、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、G1、G3、G5、G6、H1、H2、H3、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、H26、J3、J6、J8、J10、J19、およびJ20。
【0464】
ナミハダニ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ):
24−ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上のインゲンマメ葉片に、200ppmの施用量でテスト溶液を噴霧した。乾燥させた後、葉片に様々な齢のダニ個体群を侵襲させる。8日後、葉片が、卵死亡率、幼虫死亡率、および、成虫死亡率について調べられる。
【0465】
以下の化合物が、ナミハダニ(Tetranychus urticae)の少なくとも80%の防除をもたらした:
A3、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、D1、E1、E2、F1、F2、F3、F4、F5、F6、G1、G3、G5、G6、H1、H2、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H18、H19、H20、H21、H22、H23、H24、H25、およびH26。