特許第5980123号(P5980123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980123
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】流体バイパスシステム
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/00 20060101AFI20160818BHJP
   B60R 16/08 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F15B11/00 H
   B60R16/08 Z
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-547122(P2012-547122)
(86)(22)【出願日】2010年12月20日
(65)【公表番号】特表2013-515936(P2013-515936A)
(43)【公表日】2013年5月9日
(86)【国際出願番号】US2010061223
(87)【国際公開番号】WO2011090642
(87)【国際公開日】20110728
【審査請求日】2013年12月19日
(31)【優先権主張番号】12/648,410
(32)【優先日】2009年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ダイビング, フィリップ, ジェームス
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−254794(JP,A)
【文献】 特開平11−30204(JP,A)
【文献】 特開2001−41165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11
B60R 16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体リザーバと、流体ポンプと、流体作動装置と、方向制御バルブと、バイパスバルブアセンブリと、電子制御ユニットとを含み、
前記方向制御バルブが、流体ポンプと流体連通する流体入口ポートと、流体リザーバと流体連通する流体出口ポートと、流体作動装置と流体連通する第1制御ポートと、流体作動装置と流体連通する第2制御ポートとを有しており、前記流体入口ポートと前記流体出口ポートとの間を流体連通するニュートラル位置を有しており、
前記バイパスバルブアセンブリが、スプリングキャビティを有するポペットバルブアセンブリと、スプリングキャビティと流体リザーバとの間で選択的に流体連通するドレインバルブとを含む流体システムにおいて、前記バイパスバルブアセンブリを作動させる方法であって、
前記流体ポンプおよび前記流体作動装置と流体連通する前記方向制御バルブの作動位置と関連する第1入力信号と、前記流体ポンプの回転速度と関連する第2入力信号とを前記電子制御ユニットに出力し、
前記電子制御ユニットにより、前記第2入力信号とリミットを比較し、方向制御バルブが動作位置にある状態で前記第2入力信号がリミットよりも小さい場合に、バイパスバルブアセンブリのドレインバルブを閉位置に作動させる電気信号を前記ドレインバルブに出力して、ポペットバルブアセンブリのポペットバルブを着座位置に流動的にロックし、バイパスバルブアセンブリを通る流体ポンプと流体リザーバとの間の流体連通をブロックする
流体システムのバイパスバルブアセンブリを作動させる方法。
【請求項2】
第2入力信号がエンジン速度に関連する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2入力信号が車のCANバスネットワークから供給される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
流体作動装置がリニアアクチュエータである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
流体リザーバと、
該流体リザーバと流体連通している流体ポンプと、
該流体ポンプと選択的に流体連通する流体作動装置と、
前記流体ポンプと流体連通する流体入口ポートと、前記流体リザーバと流体連通する流体出口ポートと、前記流体作動装置と流体連通する第1制御ポートと、前記流体作動装置と流体連通する第2制御ポートとを有しており、前記流体入口ポートが前記流体出口ポートと流体連通されるニュートラル位置を含む方向制御バルブと、
前記流体ポンプと前記方向制御バルブの流体入口ポートとの間を流体連通する第1流路と、
該第1流路と平行に配置され、前記流体ポンプと前記流体リザーバとを流体連通する第2流路と、
該第2流路に配置され、前記流体ポンプと前記流体リザーバとの間を選択的に流体連通し、ドレインバルブとスプリングキャビティを有するポペットバルブアセンブリとを含んでおり、前記ドレインバルブが、前記スプリングキャビティと前記流体リザーバとの間で選択的に流体連通させるバイパスバルブアセンブリと、
該バイパスバルブアセンブリのドレインバルブを作動させる電気信号を前記ドレインバルブに出力する電子制御ユニットと、
流体の一部を前記流体ポンプの流体出口から前記流体ポンプの流体入口に選択的に循環させるオーバースピード制御機能を有するオーバースピード制御バルブアセンブリとを備えた流体システムにおいて、前記オーバースピード制御機能を作動させる方法であって、
前記流体ポンプの回転速度に関連する入力信号を前記電子制御ユニットで受け取って前記入力信号をリミットと比較し、
前記入力信号が前記リミットよりも大きい場合に、前記オーバースピード制御バルブアセンブリのオーバースピード制御機能を活動状態にして、オーバースピード制御機能が流体の一部を前記流体ポンプの流体出口から前記流体ポンプの流体入口に循環させて、前記バイパスバルブアセンブリのドレインバルブの位置を査定してドレインバルブを開位置に作動させる流体システムのオーバースピード制御機能を作動させる方法。
【請求項6】
入力信号が、車のCANバスネットワークから供給される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、ドレインバルブを開位置に作動させる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
オーバースピード制御機能が活動する前に、ドレインバルブが開位置に作動される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流体リザーバと、
該流体リザーバと流体連通している流体ポンプと、
該流体ポンプと流体連通している流体入口ポートと、前記流体リザーバと流体連通している流体出口ポートと、第1および第2制御ポートとを有しており、前記流体入口ポートが前記流体出口ポートと流体連通するニュートラル位置を含む方向制御バルブと、
前記方向制御バルブの第1および第2制御ポートと流体連通している流体作動装置と、
前記流体ポンプと前記方向制御バルブの流体入口ポートとの間を流体連通する第1流路と、
該第1流路と平行に配置され、前記流体ポンプと前記流体リザーバとの間を流体連通する第2流路と、
第2流路に配置され、流体ポンプと流体リザーバとの間を選択的に流体連通させ、ポペットバルブ、バルブシート、およびスプリングキャビティを有するポペットバルブアセンブリと、スプリングキャビティと流体連通するドレインバルブとを含んでおり、ドレインバルブがスプリングキャビティと流体リザーバとの間で選択的に流体連通させるようになっているバイパスバルブアセンブリと、
流体の一部を前記流体ポンプの流体出口から前記流体ポンプの流体入口に選択的に循環させるオーバースピード制御バルブアセンブリと、
前記バイパスバルブアセンブリと前記オーバースピード制御バルブアセンブリとの間を電気的に連通する電子制御ユニットと
を備えた、流体システム。
【請求項10】
前記方向制御バルブがニュートラル位置以外の場合に、前記電子制御ユニットが、前記スプリングキャビティと前記流体リザーバとの間の流体連通をブロックする信号を前記ドレインバルブに供給するものである、請求項9に記載の流体システム。
【請求項11】
前記バイパスバルブアセンブリが開位置で、前記流体ポンプの回転速度がリミットを越えている場合に、前記電子制御ユニットが前記オーバースピード制御バルブアセンブリに信号を供給する、請求項9に記載の流体システム。
【請求項12】
前記電子制御ユニットが、前記方向制御バルブの作動位置に関連する第1入力信号と、前記流体ポンプの回転速度に関連する第2入力信号とを受け取る、請求項9に記載の流体システム。
【請求項13】
前記第2入力信号が車のCANバスネットワークによって供給される請求項12に記載の流体システム。
【請求項14】
前記第1入力信号がセンサによって供給される請求項12に記載の流体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
高速道路や一般道で車は通常の流体システムを用いて、車の様々な機能を制御している。例えば、通常の流体システムは、流体モータの回転とリニアアクチュエータの伸長/退縮を制御するのに用いられる。
【背景技術】
【0002】
通常の流体システムの多くは、定容量形流体ポンプ(fixed displacement fluid pump)を用いて様々な機能(例えば、流体モータ、リニアアクチュエータ等)に流体を送っている。機能(例えば、回転およびリニアアクチュエータ等)が作動状態でない場合にもかかわらず、定容量形流体ポンプは流体を送る。機能が非作動状態でも流体ポンプは流体を送るが、流体ポンプからの流体はシステムのリザーバに送られる。しかしながら、アクチュエータの機能が非作動状態であると流体システムに自然の圧力損失となり、車の燃費(fuel economy)が悪くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、流体システムのバイパス制御バルブアセンブリを作動させるための方法に関連する。本発明の方法は、電子制御ユニットでの第1入力信号の受け取りを含んでいる。この第1入力信号は、流体ポンプと流体作動装置とに流体連通する方向制御バルブ(a direction control valve)の作動位置に関連する。方向制御バルブは、その方向制御バルブの流体入口ポートとその方向制御バルブの流体出口ポートとの間で流体連通するニュートラル位置を含んでいる。第2入力信号は電子制御ユニットで受け取られる。第2入力信号は、流体ポンプの回転速度に関連している。第2入力信号は、リミットと比較される。バイパスバルブアセンブリのドレンバルブが作動されると、バイパスバルブアセンブリを通る流体ポンプと流体リザーバとの間の流体連通がブロックされる。
【0004】
本発明は、この他に、流体システムのオーバースピード制御機能を作動させる方法に関連する開示をしている。この方法は、流体リザーバと、この流体リザーバと流体連通する流体ポンプと、流体ポンプと方向制御バルブを選択的に流体連通する流体作動装置とを含む流体システムを提供することを含む。方向制御バルブは、流体ポンプと流体連通する流体入口ポートと、流体リザーバと流体連通する流体出口ポートと、流体作動装置と流体連通する第1制御ポートおよび流体作動装置と流体連通する第2制御ポートとを含んでいる。方向制御バルブは、流体入口ポートが流体出口ポートと流体連通するニュートラル位置を含んでいる。流体ポンプの回転速度と関連する入力信号は、電子制御ユニットで受け取られる。この入力信号は、リミットと比較される。オーバースピード制御バルブアセンブリのオーバースピード制御機能は、入力信号がリミットよりも大きい場合に作動される。オーバースピード制御機能は、流体ポンプの流体出口から流体ポンプの流体入口に流体を部分的に循環させるよう適合されている。
【0005】
本発明は、この他に、流体システムに関連する開示をしている。流体システムは、流体リザーバと、この流体リザーバと流体連通する流体ポンプと、方向制御バルブおよび流体作動装置とを含んでいる。流体方向制御バルブは、流体ポンプと流体連通する流体入口ポートと、流体リザーバと流体連通する流体出口ポートと、第1制御ポートおよび第2制御ポートとを含んでいる。方向制御バルブは、流体入口ポートが流体出口ポートと流体連通するニュートラル位置を含んでいる。流体作動装置は、方向制御バルブの第1および第2制御ポートと流体連通する。第1流路は、流体ポンプと方向制御バルブの流体入口ポートとの間を流体連通させる。第2流路は、第1流路と平行となっている。第2流路は、流体ポンプと流体リザーバとに流体連通している。バイパスバルブアセンブリは、第2流路に配置されている。バイパスバルブアセンブリは、流体ポンプと流体リザーバとの間で選択的に流体連通させる。オーバースピード制御バルブアセンブリは、流体ポンプの流体出口からの流体の一部を流体ポンプの流体入口に選択的に循環させるように適用される。電子制御ユニットは、バイパスバルブアセンブリとオーバースピード制御バルブアセンブリとに電気的に連通している。
【0006】
多様な追加の態様は、以下の記述で明らかになるであろう。これらの態様は、個別の形態およびこれらの形態の組み合わせと関連させることができる。上述した一般的な説明と以下の詳細な説明は、両方とも、単に例示と説明のためのものにすぎず、ここに開示した実施の形態に基づいた広い概念を限定するものではないことは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態による例示的な特徴を有する流体システムを示した回路図である。
【0008】
図2図2は、図1の流体システムに用いるのに適合するバイパスバルブアセンブリを示した回路図である。
【0009】
図3図3は、図1の流体システムに用いるのに適合するオーバースピード制御バルブアセンブリを示した回路図である。
【0010】
図4図4は、バイパスバルブアセンブリとオーバースピード制御バルブアセンブリを作動させるための方法を示したものである。
【0011】
図5図5は、オーバースピード制御バルブアセンブリのオーバースピード制御機能を作動させるための方法を示したものである。
【0012】
図6図6は、オーバースピード制御バルブアセンブリのオーバースピード制御機能を非作動にするための方法を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図を参照して、付属の図に示された本発明の例示的な態様を詳細に説明する。図において、可能な限り、同じまたは同様の構造に同じ参照符号を付する。
【0014】
図1を参照すると、概して符号10を付した流体システムの回路図が示されている。流体システム10は、多様なハイウエイ上を走行する車(例えば、ごみ運搬トラック、バス等)や、ハイウエイ上を走行しない車(例えば、スキッドステア車(skid steers)、フォークリフト、ミニエスカベータ等)の使用に適している。流体システム10は、流体リザーバ12、流体ポンプ14、および流体作動装置16を含んでいる。
【0015】
図示した実施の形態では、流体ポンプ14は定容量形ポンプである。流体ポンプ14は、流体入口18と流体出口20を含んでいる。流体ポンプ14の流体入口18は、流体リザーバ12と流体連通している。図示した実施の形態では、流体フィルタ22とシャットオフバルブ24が、流体リザーバ12と流体ポンプ14の流体入口18との間に配置されている。
【0016】
流体出口20は、流体作動装置16と流体連通している。図示した実施の形態では、流体作動装置16はリニアアクチュエータ16(例えば、シリンダ等)である。しかしながら、流体作動装置16が回転アクチュエータ(例えば、流体モータ)を含むことができることは理解されるであろう。
【0017】
流体作動装置16は、ボア28を形成するハウジング26を含んでいる。ボア28内にはピストンアセンブリ30が配置されている。ピストンアセンブリ30は、ボア28を第1チャンバ32と第2チャンバ34とに分けている。図示した実施の形態では、流体ポンプ14からの流体が第1チャンバ32に流れると、ピストンアセンブリ30が流体作動装置16のハウジング26から伸長する。流体ポンプ14からの流体が第2チャンバ34に流れると、ピストンアセンブリ30が退縮する。
【0018】
流体作動装置16は、さらに、第1ポート36と第2ポート38を含んでいる。第1ポート36は第1チャンバ32と流体連通しており、第2ポート38は第2チャンバ34と流体連通している。
【0019】
流体システム10は、さらに、流体リザーバ12、流体ポンプ14、および流体作動装置16の第1並びに第2ポート36、38と流体連通している制御バルブ40を含んでいる。この実施の形態では、制御バルブ40は、方向制御バルブである。図示した実施の形態では、方向制御バルブ40は3位置4方向のバルブである。
【0020】
方向制御バルブ40は、流体入口ポート42、流体出口ポート44、第1制御ポート46、および第2制御ポート48を含んでいる。方向制御バルブ40の流体入口ポート42は、流体ポンプ14と流体連通している。流体出口ポート44は、流体リザーバ12と流体連通している。方向制御バルブ40の第1制御ポート46は、流体作動装置16の第1ポート36と流体連通しており、第2制御ポート48は、流体作動装置16の第2ポート38と流体連通している。
【0021】
図示した実施の形態では、方向制御バルブ40は、動作位置の複数とニュートラル位置Pを含んでいる。動作位置は第1位置Pと第2位置Pとを含んでいる。アクチュエータ50(例えば、レバー、ステアリングホイル、ソレノイド、パイロット圧等)が適用されて、方向制御バルブ40を第1、第2、およびニュートラル位置P、P、Pの間で作動させる。図示した実施の形態では、アクチュエータ50が作動していない場合に、センタリングスプリング52の複数が方向制御バルブ40をニュートラル位置Pに付勢する。
【0022】
第1位置Pでは、方向制御バルブ40が流体ポンプ14と流体作動装置16の第1チャンバ32との間、および、流体リザーバ12と第2チャンバ34との間を流体連通する。図示した実施の形態では、方向制御バルブ40が方向制御バルブ40の流体入口ポート42と第1制御ポート46との間、および、第2制御ポート48と流体出口ポート44との間を流体連通する。
【0023】
第2位置Pでは、方向制御バルブ40が流体ポンプ14と流体作動装置16の第2チャンバ34との間、および、流体リザーバ12と第1チャンバ32との間を流体連通する。図示した実施の形態では、方向制御バルブ40が方向制御バルブ40の流体入口ポート42と第2制御ポート48との間、および、第1制御ポート46と流体出口ポート44との間を流体連通する。
【0024】
方向制御バルブ40は、オープン−センタバルブである。オープン−センタバルブであるため、方向制御バルブ40は、ニュートラル位置Pで流体ポンプ14と流体リザーバ12との間を流体連通する。図示した実施の形態では、方向制御バルブ40は、ニュートラル位置Pで第1および第2制御ポート46、48をブロックする。
【0025】
ここで図1および2を参照すると、バイパスアセンブリ60は、流体ポンプ14の下流で、且つ、方向制御バルブ40の上流に配置されている。バイパスアセンブリ60は、流体ポンプ14からの流体を方向制御バルブ40に迂回させる流路を形成して、流体リザーバ12に連通する。図示した実施の形態では、バイパスアセンブリ60によって形成される流路は、方向制御バルブ40を通る流体流路と平行に配置されている。バイパスバルブアセンブリ60は、ポペットバルブアセンブリ62とドレンバルブ64を含んでいる。
【0026】
ポペットバルブアセンブリ62は、流体ポンプ14と流体リザーバ12との間で選択的に流体連通するよう適合している。ポペットバルブアセンブリ62は、ポペットバルブ66、バルブシート68、およびスプリングキャビティ70を含んでいる。ポペットバルブアセンブリ62は、さらに、流体入口72と流体出口73を含んでいる。図示した実施の形態では、流体入口72が流体ポンプ14と流体連通されており、流体出口73が流体リザーバ12と流体連通されている。
【0027】
ポペットバルブ66は、第1側74と反対側に配置された第2側75を含んでいる。ポペットバルブ66が着座位置にある場合に、流体入口72と流体出口73との間の流体連通が実質的にブロックされるように、ポペットバルブ66がバルブシート68に接触する。この“実質的にブロックされる”の言葉が、ポペットバルブ66とバルブシート68との間のわずかな漏れを許容することは、理解されるであろう。バルブシート68からポペットバルブ66が開放位置にある場合に、ポペットバルブ66バルブシート68から変位(リフトオフ)されて、流体が流体入口72と流体出口73との間で連通する。
【0028】
ポペットバルブアセンブリ62のスプリングキャビティ70は、スプリングキャビティ70内に配置されるスプリング76を含んでいる。スプリング76は、ポペットバルブ66の第2側75に対して作用して、ポペットバルブ66を着座位置に付勢する。図示した実施の形態では、スプリング76がポペットバルブ66に直接作用する。
【0029】
スプリングキャビティ70は、さらに、入口78と出口80を含んでいる。流体の入口78は流体ポンプ14と連通しており、出口80は、流体リザーバ12と選択的に連通している。流体ポンプ14と入口78との間で、入口78の上流にオリフィス82が配置されている。
【0030】
ポペットバルブアセンブリ60のスプリングキャビティ70の出口80と流体リザーバ12との間には、ドレンバルブ64が配置されている。この実施の形態では、ドレンバルブ64がポペットバルブアセンブリ60の下流で、且つ、流体リザーバ12の上流に配置されている。
【0031】
図示した実施の形態では、ドレンバルブ64は、2位置、2方向バルブである。ドレンバルブ64は、開位置Pと閉位置Pを含んでいる。開位置Pでは、流体がポペットバルブアセンブリ60のスプリングキャビティ70の出口80から流体リザーバ12に連通する。閉位置Pでは、ドレンバルブ64がポペットバルブアセンブリ60のスプリングキャビティ70の出口80と流体リザーバ12との間の流体連通をブロックする。ソレノイド84は、後でより詳しく説明するように、電子制御ユニット86(図1に示されている)から受け取る電気信号85に応じて、ドレンバルブ64を開位置Pと閉位置Pとの間で作動させる。スプリング88は、ドレンバルブ64を開位置Pと閉位置Pの一方に付勢する。図示した実施の形態では、スプリング88がドレンバルブ64を開位置Pに付勢している。
【0032】
バイパスバルブアセンブリ60は、さらに、第1流路90と第2流路92を含んでいる。第1流路90は、流体ポンプ14と方向制御バルブ40との間を流体連通する。第2流路92は、流体ポンプ14と流体リザーバ12との間を選択的に流体連通する。第2流路92は、第1流路90と平行となっている。
【0033】
着座した状態のポペットバルブ66を操作する場合には、流体ポンプ14から流体入口72を介してポペットバルブアセンブリ60に流体を流入させて、スプリング76に抗してポペットバルブ66を作動させる。流体は、オリフィス82とスプリングキャビティ70の入口78を介してポペットバルブアセンブリ62のスプリングキャビティ70にも向かって流れる。スプリングキャビティ70が流体で満たされており、ドレンバルブ64が閉位置Pである場合には、ポペットバルブ66に作用する流体入口72からの流体がバルブシート68からポペットバルブ66を開放させないように、スプリングキャビティ70内の流体がポペットバルブ66を着座位置に流動的にロックする。その結果、流体ポンプ14からの流体は、第1流路90を通って方向制御バルブ40に向かう。
【0034】
ドレンバルブ64が開位置Pである場合には、スプリングキャビティ70内の流体が流体リザーバ12に排出される。スプリングキャビティ70内の流体が流体リザーバ12と流体連通することに伴って、ポペットバルブ66の第1側74に作用する流体の圧力に起因する力がポペットバルブ66の第2側75に作用するすべての流体の圧力と結合されるスプリング76の力よりも大きい場合には、ポペットバルブ66の第1側74に作用する流体の圧力は、ポペットバルブ66をバルブシート68から開放させる。ポペットバルブ66がバルブシート68から開放されることによって、流体は、ポペットバルブアセンブリ62の流体入口72から流体出口73に、そして、第2流路92を介して流体リザーバ12に流れる。
【0035】
流体システム10では、バイパスバルブアセンブリ60を通じた圧力損失は、ニュートラル位置Pの状態のオープン−センタ方向制御バルブ40を通じた圧力損失よりも小さい。バイパスバルブアセンブリ60を通じた圧力損失が減少することにより、方向制御バルブ40がニュートラル位置Pの状態で、バイパスバルブアセンブリ60のドレンバルブ64が開位置Pの状態の場合には、流体ポンプ14からの流体はバイパスバルブアセンブリ60の第2流路92を通って流体リザーバ12に流れる。このバイパスバルブアセンブリ60を通じた圧力損失の減少は、寄生流体損失を減少させることによって流体が流体アクチュエータ16に供給されない場合に、流体システム10の能力を改善する。この能力の改善は、燃料の消費量を減少させる。
【0036】
ここで、図1および3を参照すると、流体システム10は、さらに、オーバースピード制御バルブアセンブリ100を含んでいる。オーバースピード制御バルブアセンブリ100は、流体システム10および/または流体ポンプ14を採用している車のエンジンが上限以上で回転している場合に、流体ポンプ14の出口20からの流体を流体ポンプ14の流体入口18に送るのに適合するオーバースピード制御機能を有している。流体を出口20から流体入口18に送ることによって、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能は、キャビテーションにより流体ポンプ14が損傷するリスクを低減する。
【0037】
図示した実施の形態では、オーバースピード制御バルブアセンブリ100は、2位置、2方向バルブである。オーバースピード制御バルブアセンブリ100は、第1流体ポート102と第2流体ポート104を含んでいる。オーバースピード制御バルブアセンブリ100の第1流体ポート102は、流体ポンプ14の流体出口ポート20と流体連通しており、オーバースピード制御バルブアセンブリ100の第2流体ポート104は、流体ポンプ14の流体入口18と流体連通している。
【0038】
第1位置Pにおいて、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能は、非作動状態である。しかしながら、図示した実施の形態では、第1位置Pにおけるオーバースピード制御バルブアセンブリ100は、流体ポンプ14の流体入口18から流体ポンプ14の流体出口20に(すなわち、オーバースピード制御バルブアセンブリ100の第2流体ポート104から第1流体ポート102に)流体が流れるのを許容する逆止弁として機能する。第1位置Pにおいて、流体は、逆止弁105によって反対方向に(すなわち、流体出口20から流体入口18に)流れるのを阻止される。第1位置Pにおいて、流体は、流体ポンプ14を通ることなくオーバースピード制御バルブアセンブリ100を通って、流体ポンプ14の流体出口20からの流体と合流することができる。流体作動装置16が流体ポンプ14によって供給されるよりもより多くの流体を必要とする場合(例えば、オーバーランニング負荷の場合)のみ、オーバースピード制御バルブアセンブリ100の第1位置Pを通る流体が通過する。流体作動装置16が流体ポンプ14によって供給されるよりもより多くの流体を必要とする場合に、流体作動装置16が損傷するリスクを低減するので、第1位置Pは潜在的に有利である。
【0039】
第2位置Pにおいて、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能は、作動状態である。オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能は、流体ポンプ14の流体出口20から流体入口18に流体の一部を循環させる。オーバースピード制御機能は、オーバースピード制御バルブアセンブリ100の第1流体ポート102から第2流体ポート104に流体が流れるのを許容し、これによって、流体ポンプ14が上限よりも大きいスピードで回転している場合に、流体ポンプに追加の流体を供給する。
【0040】
オーバースピード制御バルブアセンブリ100は、アクチュエータ106を含んでいる。図示した実施の形態では、アクチュエータ106は、ソレノイド液圧パイロットアクチュエータ(a solenoid hydraulic pilot actuator)である。アクチュエータ106は、電子制御ユニット86(図1を参照)からの電気信号108を受け取るのに適合している。電子制御ユニット86からの電気信号に応じて、オーバースピード制御バルブアセンブリ100を第1位置Pと第2位置Pの間で作動させる。
【0041】
図示した実施の形態では、スプリング109がオーバースピード制御バルブアセンブリ100を第1位置Pに付勢している。アクチュエータ106が電子制御ユニット86からの電気信号108を受け取ると、アクチュエータ106は、スプリング109による力に打ち勝って、オーバースピード制御バルブアセンブリ100を第1位置Pから第2位置Pに移動させる。オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能の作動と非作動の状態については、後でより詳しく説明する。
【0042】
ここで図1を参照して、電子制御ユニット86を説明する。電子制御ユニット86は、入力信号を受け取って、バイパスバルブアセンブリ60とオーバースピード制御バルブアセンブリ100に出力するのに適合している。この実施の形態では、電子制御ユニット86は、第1入力信号110と第2入力信号112を受け取って、電気信号85、108をバイパスバルブアセンブリ60のドレンバルブ64のソレノイド84と、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のアクチュエータ106にそれぞれ出力する。
【0043】
第1入力信号110は、センサ114(例えば、圧力センサ、圧力スイッチ、近接スイッチ等)からの電気または電子信号である。図示した実施の形態では、センサ114は、方向制御バルブ40のアクチュエータ50を監視する圧力センサである。アクチュエータ50内の圧力(例えば、空気圧や液圧)が上限を超えると、センサ114は、電子制御ユニット86に第1入力信号110を送る。
【0044】
他の実施の形態では、アクチュエータ50は、ソレノイドである。この実施の形態において、ソレノイドは、ユーザーからの要求入力に応じた電気または電子信号によって作動される。アクチュエータ50に送信された電気または電子信号は、電子制御ユニット86にも送信される。電子制御ユニット86に送る電気または電子信号は、電子制御ユニット86で第1入力110として受け取られる。
【0045】
第2入力信号112は、車の速度に関連する。図示した実施の形態では、第2入力信号112は、車のCANバスネットワーク116から受け取られる。他の実施の形態では、第2入力信号112は、流体ポンプ14の駆動軸118の回転速度を測定するか、または、流体ポンプ14の駆動軸118を駆動するエンジンの回転速度を測定するセンサから受け取られる。エンジンの流体ポンプ14の回転速度がリミットを超えると、電子制御ユニット86は、電子信号108をオーバースピード制御バルブアセンブリ100に送る。
【0046】
ここで、図1−4を参照して、バイパスバルブアセンブリ60とオーバースピード制御バルブアセンブリ100の作動方法を説明する。ステップ202では、電子制御ユニット86が方向制御バルブ40の作動位置を査定する。この実施の形態では、電子制御ユニット86がセンサ114からの第1入力信号を受け取っているかどうかを査定する。方向制御バルブ40が第1位置と第2位置P、Pのどちらかに作動されている場合に、第1入力信号110が電子制御ユニット86に送信される。そのため、電子制御ユニット86が第1入力信号110を受け取ると、方向制御バルブ40は、第1位置と第2位置P、Pの一方の状態となる。
【0047】
ステップ204では、電子制御ユニット86が第2入力信号112をCANバスネットワーク116から受け取る。前もって供給されているので、第2入力信号112は、流体ポンプ14または車のエンジンの回転速度を監視している電子制御ユニット86に情報を提供する。
【0048】
ステップ206では、電子制御ユニット86が第2入力信号をリミットと比較する。この実施の形態では、リミットは、流体ポンプ14または車のエンジンの回転速度に関連する所定の上限である。
【0049】
第2入力信号112がリミット以下の場合には、電子制御ユニット86は、電子信号85をバイパスバルブアセンブリ60のドレンバルブ64に出力して、ステップ208でドレンバルブ64を閉位置Pに作動させる。ドレンバルブ64が閉位置Pの状態で方向制御バルブ40が第1または第2位置P、Pの状態であることにより、流体ポンプ14からの流体は、第1流路90を通って流体作動装置16に連通される。
【0050】
ステップ206で第2入力信号112がリミットよりも大きい場合には、ドレンバルブ64は開位置Pに維持される。ドレンバルブ64が開位置Pの状態であることにより、流体ポンプ14からの流体は、方向制御バルブ40を迂回して、流体リザーバ12に連通される。
【0051】
第2入力信号112がリミットよりも大きく、ドレンバルブ64が開位置Pの状態であることにより、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能は、作動状態とされる。この実施の形態では、ステップ210で流体ポンプ14の流体出口20からの流体の一部が流体入口18に循環する第2位置Pにオーバースピード制御バルブアセンブリ100が作動することによって、オーバースピード制御機能が作動状態とされる。流体ポンプ14の流体出口20からの流体が流体入口18に循環することは、高速で回転する流体ポンプ14が破損するリスクを低減させる。
【0052】
ここで、図1−3および図5を参照して、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能を作動状態にするための方法300を説明する。ステップ302では、第2入力信号112が電子制御ユニット86によって受け取られる。この実施の形態では、第2入力信号112は、車のCANバスネットワーク116によって提供される。ステップ304では、第2入力信号112がリミットと比較される。この実施の形態では、リミットは、流体ポンプ14または車のエンジンの回転速度に関連する所定の上限である。第2入力信号112がリミットよりも大きい場合には、電子制御ユニット86は、バイパスバルブアセンブリ60のドレンバルブ64の位置を査定する。この実施の形態では、電子制御ユニット86は、電子信号85がドレンバルブ64に送信されているかどうかを査定することによって、ドレンバルブ64が開位置の状態にあるかどうかを査定する。ドレンバルブ64が開位置Pに付勢されているため、ドレンバルブ64に送信される電子信号85が欠如することは、ドレンバルブ64が開位置Pの状態にあることを指し示す。ドレンバルブ64が閉位置Pの状態であると、ステップ308でドレンバルブ64が開位置Pに作動される。この実施の形態では、ドレンバルブ64はスプリング88によって開位置Pに作動される。
【0053】
ドレンバルブ64が開位置Pの状態であることによって、電子制御ユニット86は、電子信号108をオーバースピード制御バルブアセンブリ100のアクチュエータ106に送信して、流体ポンプ14の流体出口20からの流体の一部を流体位置口18に循環させる第2位置Pの状態にオーバースピード制御バルブアセンブリ100を作動させる。一実施の形態では、ドレンバルブ64の作動とオーバースピード制御バルブアセンブリ100の作動との間に所定時間の間隔が存在する。所定時間の間隔は、確実にドレンバルブ64が開位置Pとなるのに十分な時間を提供する。
【0054】
ここで、図1−3と6を参照して、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能を非作動にするための方法400を説明する。ステップ402では、第2入力信号112が電子制御ユニット86によって受け取られる。ステップ404では、第2入力信号112がリミットと比較される。第2入力信号112がリミット以下の場合には、オーバースピード制御バルブアセンブリ100がステップ406で第1位置Pに作動される。図示した実施の形態では、オーバースピード制御バルブアセンブリ100のスプリング109がオーバースピード制御バルブアセンブリ100を第1位置Pに付勢している。オーバースピード制御バルブアセンブリ100を非作動状態にするために、電子制御ユニット86は、電子信号108をオーバースピード制御バルブアセンブリ100に送ることを停止する。このとき、スプリング109は、オーバースピード制御バルブアセンブリ100を第1位置Pに付勢している。
【0055】
オーバースピード制御バルブアセンブリ100のオーバースピード制御機能が非作動状態となると、方向制御バルブ40が第1および第2位置P、Pのどちらに作動されている状態でも、ドレンバルブ64は閉位置Pに作動することができる。一実施の形態では、所定の時間経過後に、ドレンバルブ64が閉位置Pに作動される。
【0056】
この開示の様々な改良と変更が、この開示の意図と趣旨から逸脱することがない範囲で、当業者に認識されることになるであろう。また、この開示の趣旨がここで明らかにした図示した実施の形態を不当に制限するものでないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6