(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1走査信号出力回路及び前記第2走査信号出力回路は、デコーダを含み、前記選択信号に含まれる入力コードの組み合わせを判定し該当する出力し、前記駆動電極を所定本数毎に選択する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
前記制御装置は、前記駆動電極走査部が前記電源配線の数以上の前記駆動電極を同時選択する場合と、前記駆動電極走査部が前記電源配線の数より少ない前記駆動電極を選択する場合とを切り換える、請求項1又は6に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
前記制御装置は、前記電源配線から前記表示用駆動電圧を前記駆動電極に供給し、前記表示用駆動電圧の供給と時間をずらして、前記タッチ用駆動信号を前記駆動電極に供給する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施形態(タッチ検出機能付き表示装置)
1−1.実施形態1
1−2.実施形態2
1−3.実施形態3
2.適用例(電子機器)
上記実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置が電子機器に適用されている例
3.本開示の構成
【0013】
<1−1.実施形態1>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、ソースセレクタ部13Sと、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。このタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10がタッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。なお、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20の上に、静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。
【0014】
液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。本開示における制御装置は、制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14を含む。
【0015】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0016】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する各画素Pix(副画素SPix)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13は、後述するように、1水平ライン分の映像信号Vdispから、液晶表示デバイス20の複数の副画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重化した画素信号を生成し、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画素信号Vpixとともにソースセレクタ部13Sに供給する。なお、ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13と制御部11との間の配線数を少なくすることができる。
【0017】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する駆動電極COMLにタッチ検出用の駆動信号(タッチ用駆動信号、以下駆動信号という。)VcomAC、表示用の電圧である表示用駆動電圧VcomDCを供給する回路である。以下の説明では、表示用の駆動信号としての駆動信号Vcomを、表示用駆動電圧VcomDCとして記載し、タッチ検出用の駆動信号としての駆動信号Vcomを、タッチ用駆動信号VcomACとして記載することがある。
【0018】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(上述した接触状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40はタッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。
【0019】
タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetを増幅する。タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
【0020】
(静電容量型タッチ検出の基本原理)
タッチ検出デバイス30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力する。
図1〜
図6を参照して、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1におけるタッチ検出の基本原理について説明する。
図2は、静電容量型タッチ検出の基本原理を説明するため、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。
図3は、
図2に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図4は、静電容量型タッチ検出方式の基本原理を説明するため、指が接触または近接した状態を表す説明図である。
図5は、
図4に示す指が接触または近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。
図6は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【0021】
例えば、
図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。
図3に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば
図1に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0022】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号VcomACに相当するものである。
【0023】
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、
図2及び
図3に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
0が流れる。
図5に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
0の変動を電圧の変動(実線の波形V
0)に変換する。
【0024】
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、
図4に示すように、指によって形成される静電容量C2がタッチ検出電極E2と接しているまたは近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、
図5に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I
1が流れる。
図6に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0025】
図1に示すタッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcom(後述する駆動信号VcomAC)に従って、1検出ブロックずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0026】
タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、
図3または
図5に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎にタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40のA/D変換部43に供給するようになっている。
【0027】
A/D変換部43は、駆動信号VcomACに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
【0028】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみ取り出す処理を行う。この指による差分の電圧は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、外部から近接する外部近接物体の接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、外部近接物体の非接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0029】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
【0030】
(モジュール)
図7は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図7に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、後述する画素基板2(TFT基板21)と、フレキシブルプリント基板Tとを備えている。画素基板2(TFT基板21)は、COG(Chip On Glass)19を搭載し、上述した液晶表示デバイスの表示領域Adと、額縁Gdとが形成されている。COG19は、TFT基板21に実装されたICドライバのチップであり、
図1に示した制御部11、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。本実施形態では、上述したソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上に形成されている。ソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、COG19に内蔵されていてもよい。また、駆動電極ドライバ14の一部である、駆動電極走査部14A、14Bは、TFT基板21に形成されている。また、ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A、12Bとして、TFT基板21に形成されている。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、COG19に駆動電極走査部14A、14B、ゲートドライバ12などの回路を内蔵してもよい。
【0031】
図7に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBと、タッチ検出電極TDLとは、駆動電極ブロックB(駆動電極COML)と立体交差するように形成されている。
【0032】
また、駆動電極COMLは、一方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号VcomACが順次供給される。同時に駆動信号VcomACが供給される、駆動電極COMLの複数のストライプ状の電極パターンが
図7に示す駆動電極ブロックBである。駆動電極ブロックB(駆動電極COML)は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の長辺方向に形成されており、後述するタッチ検出電極TDLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺方向に形成されている。タッチ検出電極TDLの出力は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側に設けられ、フレキシブルプリント基板Tを介して、フレキシブルプリント基板Tに実装されたタッチ検出部40と接続されている。このように、タッチ検出部40は、フレキシブルプリント基板T上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。フレキシブルプリント基板Tは、端子であればよく、フレキシブルプリント基板に限られず、この場合、モジュールの外部にタッチ検出部40が備えられる。
【0033】
後述する駆動信号生成部は、COG19に内蔵されている。ソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。表示領域Adには、後述する画素Pixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁Gd、Gdは、TFT基板21の表面を垂直な方向からみて画素Pixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12と、駆動ドライバ14のうち駆動電極走査部14A、14Bとは、額縁Gd、Gdに配置されている。
【0034】
ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A、12Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A、12Bは、表示領域Adに、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された、表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。以下の説明では、ゲートドライバ12Aを第1ゲートドライバ12Aとし、ゲートドライバ12Bを第2ゲートドライバ12Bとする。また、後述する走査線GCLは、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、後述する走査線GCLは、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延びるように設けられている。
【0035】
駆動電極走査部14A、14Bは、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極走査部14A、14Bは、駆動信号生成部から、第1電源配線PSL1を介して、表示用駆動電圧VcomDCの供給を受けるとともに、第2電源配線PSL2を介して駆動信号VcomACの供給を受ける。駆動電極走査部14A、14Bは、額縁Gdにおいて、一定の幅Gdvを占める。そして、駆動電極走査部14A、14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。表示用駆動電圧VcomDCを供給する第1電源配線PSL1と、タッチ用駆動信号VcomACを供給する第2電源配線PSL2とは、並列に額縁Gd、Gdに配置されている。第1電源配線PSL1は、第2電源配線PSL2よりも表示領域Ad側に配置されている。この構造により、第1電源配線PSL1により供給される表示用駆動電圧VcomDCが、表示領域Adの端部の電位状態を安定させる。このため、特に、横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスにおいて、表示が安定する。
【0036】
図7に示すタッチ検出機能付き表示装置1は、上述したタッチ検出信号Vdetを、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側から出力する。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、端子部であるフレキシブルプリント基板Tを介してタッチ検出部40に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
【0037】
(タッチ検出機能付き表示デバイス)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
図8は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
図9は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の制御装置の一例を示す図である。
図10は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図である。
【0038】
図8に示すように、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0039】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)またはIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、
図8に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0040】
また、対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0041】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。
【0042】
(表示装置のシステム構成例)
画素基板2は、TFT基板21上に、表示領域Adと、インターフェース(I/F)及びタイミングジェネレータの機能を備えるCOG19と、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12B及びソースドライバ13とを備えている。上述した
図7に示すフレキシブルプリント基板Tは、
図7に示すCOG19として配置された
図9に示すCOG19への外部信号またはCOG19を駆動する駆動電力を伝送する。画素基板2は、透明絶縁基板(例えばガラス基板)のTFT基板21の表面にあり、液晶セルを含む画素がマトリックス状(行列状)に多数配置されてなる表示領域Adと、ソースドライバ(水平駆動回路)13と、ゲートドライバ(垂直駆動回路)12A、12Bと、を備えている。ゲートドライバ(垂直駆動回路)12A、12Bは、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bとして、表示領域Adを挟むように配置されている。
【0043】
表示領域Adは、液晶層を含む副画素SPixが、m行×n列に配置されたマトリックス(行列状)構造を有している。なお、この明細書において、行とは、一方向に配列されるm個の副画素SPixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交する方向に配列されるn個の副画素SPixを有する画素列をいう。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。表示領域Adは、画素Pixのm行n列の配列に対して行毎に走査線GCL
m+1、GCL
m+2、GCL
m+3・・・が配線され、列毎に信号線SGL
n+1、SGL
n+2、SGL
n+3、SGL
n+4、SGL
n+5・・・が配線されている。以後、実施形態においては、走査線GCL
m+1、GCL
m+2、GCL
m+3・・・を代表して走査線GCLのように表記し、信号線SGL
n+1、SGL
n+2、SGL
n+3、SGL
n+4、SGL
n+5・・・を代表して信号線SGLのように表記することがある。
【0044】
画素基板2には、外部から外部信号である、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号が入力され、COG19に与えられる。COG19は、外部電源の電圧振幅のマスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号を、液晶の駆動に必要な内部電源の電圧振幅にレベル変換(昇圧)し、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号としてタイミングジェネレータを通し、垂直スタートパルスVST、垂直クロックパルスVCKを生成する。COG19は、垂直スタートパルスVST、垂直クロックパルスVCKを第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bに与える。COG19は、副画素SPix毎の画素電極に対して各画素共通に与えて、コモン電位とよばれる表示用駆動電圧VcomDCを生成して上述した駆動電極COMLに与える。
【0045】
第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、後述するシフトレジスタを含み、さらにラッチ回路等を含んでもよい。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、上述した垂直スタートパルスVSTが与えられることで、ラッチ回路が、垂直クロックパルスVCKに同期する。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、ラッチ回路においてラッチされた1ライン分のデジタルデータを垂直走査パルスとして順に出力し、走査線GCLに与えることによって副画素SPixを行単位で順次選択する。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、走査線GCLの延在方向に走査線GCLを挟むように配置されている。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、表示領域Adの上寄り、垂直走査上方向から、表示領域Adの下寄り、垂直走査下方向へ順に出力する。
【0046】
ソースドライバ13には、例えば6ビットのR(赤)、G(緑)、B(青)のデジタル画像信号Vsigが与えられる。ソースドライバ13は、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bによる垂直走査によって選択された行の各副画素SPixに対して、画素毎に、もしくは複数画素毎に、あるいは全画素一斉に、信号線SGLを介して表示データを書き込む。
【0047】
TFT基板21には、
図9及び
図10に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)素子Tr、
図8に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査線GCL等の配線が形成されている。このように、信号線SGLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在し、画素に画像を表示するための画素信号Vpixを供給する。
図10に示す液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは信号線SGLに接続され、ゲートは走査線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0048】
図9に示す第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、垂直走査パルスを、
図10に示す走査線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、表示領域Adにマトリックス状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixを、SGLを介して、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bにより順次選択される1水平ラインを含む各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号に応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。駆動電極ドライバ14は、表示用の駆動信号(表示用駆動電圧VcomDC)を印加して、駆動電極COMLを駆動する。
【0049】
上述したように、タッチ検出機能付き表示装置1は、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bが走査線GCL
m+1、GCL
m+2、GCL
m+3を順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
【0050】
図8に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配列して、上述した
図10に示す各副画素SPixにR、G、Bの3色の色領域32R、32G、32B(
図10参照)が1組として画素Pixとして対応付けられている。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。
【0051】
図10に示す副画素SPixは、走査線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
【0052】
図11は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールにおいて、ソースドライバと、信号線との関係を説明する模式図である。
図11に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、信号線SGLが、ソースセレクタ部13Sを介して上述したCOG19に内蔵したソースドライバ13に接続されている。ソースセレクタ部13Sは、スイッチ制御信号Vselに応じて開閉動作する。
【0053】
図11に示すように、ソースドライバ13は、制御部11から供給される画像信号Vsig及びソースドライバ制御信号に基づいて、画素信号Vpixを生成し出力する。ソースドライバ13は、1水平ライン分の画像信号Vsigから、タッチ検出機能付き表示装置1が備える液晶表示デバイス20の複数(この例では3つ)の副画素SPixに与える画素信号Vpix(VpixR、VpixG、VpixB)を生成し、ソースセレクタ部13Sに与える。また、ソースドライバ13は、画素信号VpixR、VpixG、VpixBが多重化された画像信号Vsigからそれぞれの画素信号VpixR、VpixG、VpixBを分離するために必要なセレクタスイッチ制御信号Vsel(VselR、VselG、VselB)を生成し、画像信号Vsigとともにソースセレクタ部13Sに与える。前述した通り、この多重化により、ソースドライバ13とソースセレクタ部13Sとの間の配線数が少なくなる。
【0054】
ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13から与えられた表示データとしての画像信号Vsig及びセレクタスイッチ制御信号Vselに基づいて、時分割され多重化された画像信号Vsigから画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示装置1の液晶表示デバイス20に与える。ソースセレクタ部13Sは、例えば、3個のスイッチSWR、SWG、SWBを備えている。3個のスイッチSWR、SWG、SWBのそれぞれの一端は、互いに接続されソースドライバ13から画像信号Vsigが供給される。3個のスイッチSWR、SWG、SWBのそれぞれの他端は、液晶表示デバイス20の信号線SGLを介して、副画素SPixにそれぞれ接続されている。
【0055】
制御部11は、ソースドライバ13に表示のための信号を与える。この信号に基づき、ソースドライバ13はセレクタスイッチ制御信号Vsel(VselR、VselG、VselB)を生成する。3個のスイッチSWR、SWG、SWBは、ソースドライバ13から与えられたセレクタスイッチ制御信号Vsel(VselR、VselG、VselB)によってそれぞれ開閉される。このような構造により、ソースセレクタ部13Sは、セレクタスイッチ制御信号Vselに応じて、スイッチSWR、SWG、SWBを時分割で順次切り替えてオン(ON)状態にすることができる。ソースセレクタ部13Sは、このような動作により、表示データとしての多重化された画像信号Vsigから、表示データとしての画素信号Vpix(VpixR、VpixG、VpixB)を分離する。ソースセレクタ部13Sは、画素信号Vpixを、3個の副画素SPixにそれぞれ供給する。
【0056】
上述した赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域32R、32G、32Bは、副画素SPixにそれぞれ対応付けられている。このため、色領域32Rに対応する副画素SPixには、画素信号VpixRが与えられる。色領域32Gに対応する副画素SPixには、画素信号VpixGが与えられる。色領域32Bに対応する副画素SPixには、画素信号VpixBが与えられる。
【0057】
副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より表示用駆動電圧VcomDCが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが駆動電極COMLを共有するようになっている。
【0058】
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、
図10に示す走査線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、
図10に示す信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
図1に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、
図7及び
図9に示す、所定の本数の駆動電極COMLからなる駆動電極ブロックB毎に駆動電極COMLを駆動する。
【0059】
上述したように、液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、液晶表示デバイス20は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLを含む駆動電極ブロックBに対して表示用駆動電圧VcomDCを印加するようになっている。
【0060】
本実施形態に係る駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極(共通電極)として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能する。
図12は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
図12に示す駆動電極COMLは、
図8に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロックB)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0061】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極ブロックBを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)は、順次選択される。そして、タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。このようにタッチ検出デバイス30は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。
【0062】
図13、
図14及び
図15は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の動作例を表す模式図である。
図13、
図14及び
図15に示す駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4は、例えば5組走査方向に並んでおり、
図7に示す駆動電極COMLの駆動電極ブロックBが、例えば20個ある状態である。選択駆動電極ブロックSTXは、タッチ用駆動信号VcomACが印加された、
図7に示す駆動電極COMLの駆動電極ブロックBを示している。非選択駆動電極ブロックNTXは、
図7に示す駆動電極COMLの駆動電極ブロックBに電圧が印加されず、電位が固定されていない状態、いわゆるフローティング状態となっている。非選択駆動電極ブロックNTXは、表示用駆動電圧VcomDCが印加され、電位が固定されていてもよい。
図1に示す駆動電極ドライバ14は、
図13に示すタッチ検出動作の対象となる全駆動電極ブロックB(
図7参照)のうち、選択駆動電極ブロックBkn−1の駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を同時選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。次に、駆動電極ドライバ14は、
図14に示す全駆動電極ブロックB(
図7参照)のうち、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。次に、駆動電極ドライバ14は、
図15に示す全駆動電極ブロックB(
図7参照)のうち、選択駆動電極ブロックBkn+pの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。このように、駆動電極ドライバ14は、全駆動電極ブロックB(
図7参照)のうち所定数(実施形態1では4つ)毎に選択駆動電極ブロックBkn−1、Bkn・・・Bkn+pを順次選択して、タッチ用駆動信号VcomACを符号分割選択(CDM:Code Division Multiplexing)駆動で印加し、全ての駆動電極ブロックBにわたって走査する。なお、選択駆動電極ブロックSTXとして同時選択される所定数毎に選択駆動電極ブロックBkn−1、Bkn・・・Bkn+pは、代表して選択駆動電極ブロックBknとして示すことがある。また、各選択駆動電極ブロックBkn−1、Bkn・・・Bkn+pは、4つ毎に駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4が選択される例を示した。本実施形態において、選択駆動電極ブロックSTXとして同時選択される所定数は、4つに限られず、2つ、3つ又は5つなどであってもよい。また、全ての駆動電極ブロックBの個数は、20個に限定されるものではない。
【0063】
タッチ検出デバイス30は、
図13から
図15に示す駆動電極ブロックB1〜B20の1つが、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応する。タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLの1つが、タッチ検出電極E2に対応する。タッチ検出デバイス30は、上述した基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。そして、
図12に示すように、互いに立体交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって駆動電極ブロックB1〜B20の1つ毎を走査する時分割選択(TDM:Time Division Multiplexing)駆動により、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0064】
(符号分割選択(CDM)駆動)
図16は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置における符号分割選択駆動の動作の一例を説明する説明図である。
図16に示すように、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、駆動電極ドライバ14が、選択駆動電極ブロックBknの4つの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を同時選択して所定の符号に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給する。例えば、所定の符号は、下記式(1)の正方行列で定義され、正方行列の次数は選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4の数である4になる。下記式(1)の正方行列の対角成分「−1」は、当該正方行列の対角成分以外の成分「1」と異なる。駆動電極ドライバ14は、下記式(1)の正方行列に基づいて、正方行列の対角成分以外の成分「1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相と、正方行列の対角成分「−1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相とは、反転するように、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。また、符号「−1」は、符号「1」とは位相が異なるように決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給する符号である。
【0065】
選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4の走査上流から2番目の位置である駆動電極ブロックTx2に、指などの外部近接物体CQがある場合、相互誘導により外部近接物体CQによる差分の電圧が生じる(例えば差分の電圧は20%とする)。タッチ検出部40が、第1時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(−1)+(0.8)+(1)+(1)=1.8になる。次に、タッチ検出部40は、第2時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(−0.8)+(1)+(1)=2.2になる。次に、タッチ検出部40は、第3時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(0.8)+(−1)+(1)=1.8になる。次に、タッチ検出部40は、第4時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(0.8)+(1)+(−1)=1.8になる。
【0066】
座標抽出部45は、信号処理部44において検出されたタッチ検出信号を、下記式(1)の正方行列で掛け合わせ、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx2の位置に、指などの外部近接物体CQがあることを、電圧を上げることなく時分割選択(TDM)駆動の4倍の検出感度で検出する。そして、座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
【0068】
実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【0069】
ここで、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、駆動電極ドライバ14が、選択駆動電極ブロックBknの4つの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を同時選択して所定の符号に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給する。このため、タッチ用駆動信号を供給する電源供給ラインが、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックの数だけ少なくとも必要になる。電源供給ラインが増えると、額縁Gdが広がってしまう。
【0070】
(駆動信号生成部及び駆動電極ドライバ)
そこで、実施形態1に係る駆動電極走査部14A(14B)は、電源配線の数、2以上の駆動電極ブロックを同時選択する場合、駆動電極ドライバ14は、上述した式(1)の正方行列で定義される所定の符号に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号を選択された当該駆動電極にそれぞれ供給する。
図17は、実施形態1に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。駆動信号生成部14Qは、高レベル電圧生成部61と、低レベル電圧生成部62と、バッファ63、64、66と、スイッチング回路65とを備えている。
【0071】
高レベル電圧生成部61は、タッチ用駆動信号VcomACの高レベル電圧を生成する。低レベル電圧生成部62は、表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を生成する。この低レベル電圧生成部62が生成した電圧は、タッチ用駆動信号VcomACの低レベル電圧としても使用される。バッファ63は、高レベル電圧生成部61から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。バッファ64は、低レベル電圧生成部62から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合と駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合とを交互に繰り返し、タッチ用駆動信号VcomACを生成する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合に、バッファ63から供給された電圧を出力し、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を出力する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧として出力する。バッファ63、64は、例えばボルテージフォロワにより構成される。なお、スイッチング回路65の出力する電圧は、出力端子65Eに出力される。バッファ66は、低レベル電圧生成部62から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を出力端子66Eに供給する。
【0072】
図18は、実施形態1に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。
図19は、タッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。
図18及び
図19は、駆動電極走査部14A側の構成を説明するが、駆動電極走査部14Bの構成も同様である。上述した選択駆動電極ブロックBknは、4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4である。駆動電極走査部14A、14Bは、走査制御部51と、タッチ検出走査部52と、駆動部53とを備えている。駆動部53は、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4と同じ数の駆動部53(k+1)〜53(k+4)を備えている。走査制御部51は、COG19に実装されている。また、タッチ検出走査部52と、駆動部53とは、表示領域Adの周囲にある額縁Gdに配置されている。以後、複数の駆動部53(k+1)〜53(k+4)のうちの任意の1つをさす場合には、単に駆動部53を用いるものとする。
【0073】
走査制御部51は、制御部11より供給された制御信号に基づいて、タッチ検出走査部52に対して制御信号SDCK(SR1CK1、SR1CK2、SR2CK1、SR2CK2)、走査開始信号SDST(SDST1、SDST2)を供給する。また、第1電源配線PSL1には、上述した駆動信号生成部14Qから出力端子66Eを介して出力された、表示用駆動電圧VcomDCが供給される。第2電源配線PSL2は、上述した駆動信号生成部14Qから出力端子65Eを介して出力された、タッチ用駆動信号VcomACが供給される。走査制御部51は、駆動信号生成部14Qからタッチ用駆動信号VcomACが供給されている駆動電極選択信号VCOMSELを、駆動部53に対して供給する。
【0074】
タッチ検出走査部52は、複数の駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を同時選択する第1走査信号出力回路52SR1と、第2走査信号出力回路52SR2とを備えている。第1走査信号出力回路52SR1は、駆動電極用シフトレジスタ1stSRを含んで構成され、タッチ用駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための走査信号SR1out、SR2out、SR3out、SR4out・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SRが走査制御部51から供給された走査開始信号SDST1をトリガーとして制御信号SR1CK1、SR1CK2に同期させて、順次シフトレジスタ52SRの転送段毎に転送され、順次選択される。選択されたシフトレジスタ1stSRは、
図19示す走査信号SR1out、SR2out、SR3out、SR4out・・・を、駆動部53の各論理積回路54へ送出する。以後、走査信号SR1out、SR2out、SR3out、SR4out・・・のうち任意の1つをさす場合には、走査信号SRoutを用いることがある。
【0075】
駆動部53は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号SRout及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELに基づいて、駆動信号生成部14Qから供給された表示用駆動電圧VcomDCまたはタッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに印加する回路である。駆動部53は、タッチ検出走査部52の出力信号に対応して1つずつ設けられており、対応する駆動電極ブロックBに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
【0076】
駆動部53は、論理積回路54と、駆動電極ブロックB毎に選択スイッチsw1、sw2、sw3を備えている。論理積回路54は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号SRout及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELの論理積(AND)を生成して出力する。選択スイッチsw2は、論理積回路54から供給される信号に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw2の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw2の他端は、第2電源配線PSL2と接続されている。選択スイッチsw1は、論理積回路54から供給される信号を反転するインバータ56に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw1の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw1の他端は、第1電源配線PSL1と接続されている。
【0077】
第2走査信号出力回路52SR2は、駆動電極用シフトレジスタ2ndSRを含んで構成され、第1走査信号出力回路52SR1で選択された、選択駆動電極ブロックBknに、タッチ用駆動信号VcomACを印加するため、タッチ用駆動信号VcomACの位相を反転する駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、Tx4のいずれか1つを選択する走査信号を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ2ndSRが走査制御部51から供給された走査開始信号SDST2をトリガーとして制御信号SR2CK1、SR2CK2に同期させて、順次シフトレジスタ2ndSRの転送段毎に転送され、順次選択される。選択されたシフトレジスタ2ndSRは、走査信号を、駆動部53の各論理積回路55へ送出する。
【0078】
論理積回路55は、第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号及び論理積回路54から供給される信号の論理積(AND)を生成して選択スイッチsw3に出力する。第2走査信号出力回路52SR2は、選択されたシフトレジスタ2ndSRが例えば高レベルの信号をk+2番目の走査信号としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給し、かつ論理積回路54が例えば高レベルの信号を供給した場合に、選択スイッチsw1、選択スイッチsw2がオフになり、選択スイッチsw3がオンになる。この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACの波形TSVCOMをインバータ57で反転させた反転波形xTSVCOMを印加する。
【0079】
図19に示すように、駆動部53は、走査信号SRoutが高レベル、かつ駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4に対してタッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomとして出力する。第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号がローレベルの場合、駆動部53は、選択スイッチsw1、選択スイッチsw3がオフになり、選択スイッチsw2がオンになる。例えば、駆動部53(k+1)、(k+3)及び(k+4)は、駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACの波形TSVCOMを印加する。
【0080】
図19に示すように、第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号がハイレベルの場合、駆動部53は、選択スイッチsw1、選択スイッチsw2がオフになり、選択スイッチsw3がオンになる。例えば、駆動部53(k+2)は、駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACの波形TSVCOMの反転波形xTSVCOMを印加する。第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号は、上述した(1)の正方行列の対角成分「−1」の符号に基づいて、出力される。このため、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4まで順次、波形TSVCOMの反転波形xTSVCOMを印加するタイミングがずれていくことになる。
【0081】
駆動部53は、走査信号SRoutが低レベル、かつ駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、駆動電極ブロックBを第2電源配線PSL2から切り離し、第1電源配線PSL1に接続する。ここで、タッチ用駆動信号VcomACの出力先として選択された駆動電極ブロックBは、選択駆動電極ブロックBknである。タッチ用駆動信号VcomACの出力先として選択されていない駆動電極ブロックBは、上述したように非選択駆動電極ブロックNTXである。駆動部53は、選択スイッチsw1、選択スイッチsw2及び選択スイッチsw3をオフにすることで、非選択駆動電極ブロックNTXを電位が固定されていないフローティング状態にすることができる。駆動部53は、選択スイッチsw1をオン、選択スイッチsw2及び選択スイッチsw3をオフにすることで、非選択駆動電極ブロックNTXの電位を表示用電圧VcomDCにすることもできる。
【0082】
また、液晶表示デバイス20が表示動作している場合、駆動部53は、走査信号SRoutが低レベルであって、駆動電極ブロックB毎に1つの選択スイッチsw1を介して全て第1電源配線PSL1に接続し、表示用駆動電圧VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給する。上述したように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。また、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、複数のタッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と複数の表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、1つの表示期間Dtで複数の水平期間分の表示動作を処理してもよい。
【0083】
ここで、TFT基板21は、本開示における「基板」の一具体例に対応する。画素電極22は、本開示における「画素電極」の一具体例に対応する。信号線SGLは、本開示における「信号線」の一具体例に対応する。駆動電極COMLは、本開示における「駆動電極」の一具体例に対応する。液晶素子LCは、本開示における「表示機能層」の一具体例に対応する。ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動電極ドライバ14は、本開示における「制御装置」の一具体例に対応する。タッチ検出電極TDLは、本開示における「タッチ検出電極」に対応する。第1電源配線PSL1は、本開示における「第1電源配線」の一具体例に対応する。第2電源配線PSL2は、本開示における「第2電源配線」の一具体例に対応する。
【0084】
以上説明したように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1では、表示用駆動電圧VcomDCを駆動電極COMLに供給する第1電源配線PSL1及びタッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに供給する第2電源配線PSL2を額縁領域に引き回している。額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみで、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の数以上の駆動電極ブロックを駆動することができる。
【0085】
例えば、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2は、TFT基板21の表面に平行な面に沿って配置される場合、駆動電極ブロックBの寄生容量を考慮する必要がある。COG19(駆動信号生成部)から離れた位置に配置された駆動電極ブロックBでは、駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性があるため、配線幅を広く、例えば100μm以上200μm以下程度にして第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の抵抗を下げることが有効である。このため、複数の駆動電極ブロックを同時選択して、CDM駆動しても、額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみであり、額縁Gdの
図7に示す幅Gdvを抑制できる。その結果、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、第2電源配線PSL2の末端部付近に配置された駆動電極ブロックBで駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性を抑制することができる。
【0086】
以上説明したように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極走査部14A(14B)が電源配線の数である2以上の駆動電極ブロックを同時選択する場合、駆動電極ドライバ14は、所定の符号(例えば上記式(1)に示す正方行列の符号)に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACの波形TSVCOM及び反転波形xTSVCOMを選択された当該駆動電極にそれぞれ供給する。実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置は、タッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【0087】
<1−2.実施形態2>
次に、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。
図20は、実施形態2に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。
図21は、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図20及び
図21は、駆動電極走査部14A側の構成を説明するが、駆動電極走査部14Bの構成も同様である。
【0088】
高レベル電圧生成部61は、バッファ63を介して第2電源配線PSL2に供給するタッチ用駆動信号VcomACの高レベル電圧VcomDCHを生成する。低レベル電圧生成部62は、バッファ66を介して第2電源配線PSL2に供給する表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を生成する。この低レベル電圧生成部62が生成した電圧は、バッファ63を介して第2電源配線PSL2に供給するタッチ用駆動信号VcomACの低レベル電圧VcomDCLとしても使用される。
【0089】
駆動部53は、論理積回路54と、排他的論理和回路58と、インバータ56と、駆動電極ブロックB毎に選択スイッチsw4、sw5を備えている。論理積回路54は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号SRout及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELの論理積(AND)を生成して出力する。選択スイッチsw4は、論理積回路54から供給される信号に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw4の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw4の他端は、第1電源配線PSL1と接続されている。選択スイッチsw5は、論理積回路54から供給される信号を反転するインバータ56に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw5の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw5の他端は、第2電源配線PSL2と接続されている。
【0090】
第2走査信号出力回路52SR2は、駆動電極用シフトレジスタ2ndSRを含んで構成され、第1走査信号出力回路52SR1で選択された、選択駆動電極ブロックBknに、タッチ用駆動信号を印加するため、タッチ用駆動信号VcomACの位相を反転する駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、Tx4のいずれか1つを選択する走査信号SR2out1〜SR2out4を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ2ndSRが走査制御部51から供給された走査開始信号SDST2をトリガーとして制御信号SR2CK1、SR2CK2に同期させて、順次シフトレジスタ2ndSRの転送段毎に転送され、順次選択される。選択されたシフトレジスタ2ndSRは、走査信号を反転した上で、駆動部53の各排他的論理和回路58へ送出する。
【0091】
排他的論理和回路58は、第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号及び駆動電極選択信号VCOMSELの排他的論理和(XOR)を生成して選択スイッチsw4出力する。駆動電極選択信号VCOMSELは、
図21に示すように、所定の周波数の交流矩形波である。
【0092】
図21に示すように、駆動部53は、走査信号SRoutが高レベルであって、4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4のうち第2走査信号出力回路52SR2に選択されていない駆動電極ブロックに対して、駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波に応じた、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomとして出力する。
図21に示すように、駆動部53は、走査信号SRoutが高レベルであって、4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4うち第2走査信号出力回路52SR2に選択された駆動電極ブロックに対して、駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形に応じた、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomとして出力する。
【0093】
第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号がローレベルの場合、駆動部53は、選択スイッチsw4、選択スイッチsw5が駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波に応じてスイッチングされる。第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号がハイレベルの場合、第2走査信号出力回路52SR2から供給された走査信号は、上述した(1)の正方行列の対角成分「−1」の符号に基づいて、出力される。このため、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4まで順次、波形TSVCOMの反転波形xTSVCOMを印加するタイミングがずれていくことになる。
【0094】
また、液晶表示デバイス20が表示動作している場合、駆動部53は、走査信号SRoutが低レベルであって、駆動電極ブロックB毎に1つの選択スイッチsw5を介して全て第1電源配線PSL1に接続し、表示用駆動電圧VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給する。
【0095】
上述したように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、複数のタッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と複数の表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。
【0096】
図22は、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形の他の例を示す説明図である。
図22に示すように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。また、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、1つの表示期間Dtで複数の水平期間分の表示動作を処理してもよい。
【0097】
以上説明したように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1では、表示用駆動電圧VcomDCを駆動電極COMLに供給する第1電源配線PSL1及びタッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに供給する第2電源配線PSL2を額縁領域に引き回している。額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみで、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の数以上の駆動電極ブロックを駆動することができる。
【0098】
例えば、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2は、TFT基板21の表面に平行な面に沿って配置される場合、寄生容量を考慮する必要がある。COG19(駆動信号生成部)から離れた位置に配置された駆動電極ブロックBでは、駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性があるため、配線幅を広く、例えば100μm以上200μm以下程度にして第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の抵抗を下げることが有効である。このため、複数の駆動電極ブロックを同時選択して、CDM駆動しても、額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみであり、額縁Gdの
図7に示す幅Gdvを抑制できる。その結果、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、第2電源配線PSL2の末端部付近に配置された駆動電極ブロックBで駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性を抑制することができる。
【0099】
以上説明したように、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極走査部14A(14B)が電源配線の数である2以上の駆動電極ブロックを同時選択する場合、駆動電極ドライバ14は、所定の符号(例えば上記式(1)に示す正方行列の符号)に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACの波形TSVCOM及び反転波形xTSVCOMを選択された当該駆動電極にそれぞれ供給する。実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【0100】
<1−3.実施形態3>
次に、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。
図23は、実施形態3に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。
図24は、実施形態3に係る駆動電極走査部の制御信号の一例を示す説明図である。
図25は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。
図26は、実施形態3に係る第1走査信号出力回路を示すブロック図である。
図27は、実施形態3に係る第2走査信号出力回路を示すブロック図である。
図28は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出動作を示すフローチャートである。
図29は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置の駆動回路を示すブロック図である。
図23から
図26は、第1ゲートドライバ12A側の駆動電極ドライバを説明するが、第2ゲートドライバ12Bの構成も同様である。
【0101】
高レベル電圧生成部61は、バッファ63を介して第2電源配線PSL2に供給するタッチ用駆動信号VcomACの高レベル電圧VcomDCHを生成する。低レベル電圧生成部62は、バッファ66を介して第2電源配線PSL2に供給する表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を生成する。この低レベル電圧生成部62が生成した電圧は、バッファ63を介して第2電源配線PSL2に供給するタッチ用駆動信号VcomACの低レベル電圧VcomDCLとしても使用される。
【0102】
タッチ検出走査部70は、複数の駆動電極を同時選択する第1走査信号出力回路71と、第2走査信号出力回路72を備えている。第1走査信号出力回路71は、デコーダ1stDRを含んで構成され、タッチ用駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための、後述する走査信号Dec1(Xdec1)・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部70は、デコーダ1stDRが走査制御部51から供給された走査入力信号D2〜D4の3ビット信号の入力の組み合わせを
図24に例示する判定表に基づいて、順次判断し、走査信号Dec1(Xdec1)・・・を生成する。選択されたシフトレジスタ1stDRは、走査信号Dec1(Xdec1)・・・を、駆動部53の各スイッチング回路SCC1、SCC2、SCC3及びSCC4へ送出する。
【0103】
駆動部53は、スイッチング回路SCC1、SCC2、SCC3及びSCC4と、駆動電極ブロックB毎に選択スイッチsw4、sw5とを備えている。選択スイッチsw4は、スイッチング回路SCC1、SCC2、SCC3及びSCC4から供給される信号に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw4の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw4の他端は、第1電源配線PSL1と接続されている。選択スイッチsw5は、スイッチング回路SCC1、SCC2、SCC3及びSCC4から供給される信号に基づいて動作が制御される。選択スイッチsw5の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチsw5の他端は、第2電源配線PSL2と接続されている。
【0104】
第2走査信号出力回路72は、デコーダ2ndDRを含んで構成され、第1走査信号出力回路71で選択された、選択駆動電極ブロックBknに、タッチ用駆動信号VcomACを印加するため、タッチ用駆動信号VcomACの位相を反転する駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、Tx4のいずれか1つを選択する走査信号を生成するものである。具体的には、デコーダ2ndDRが走査制御部51から供給された走査入力信号D0及びD1の2ビット信号の入力の組み合わせを
図24に例示する判定表に基づいて、順次判断し、走査信号Dec2(XDec2)・・・を生成する。
【0105】
図26に示すように第1走査信号出力回路71は、インバータ711、713、715、717と、否定論理積回路712、714、716と、を含み、上述した走査入力信号D2〜Dn(実施形態3ではn=4)と、タッチ検出イネーブルパルスVCOMFLとが入力されている。
図26に示すように第1走査信号出力回路71は、走査入力信号D2〜Dn(実施形態3ではn=4)と、タッチ検出イネーブルパルスVCOMFLとから、
図24に示す判断表に基づいて、走査信号Dec1(Xdec1)・・・を生成する。駆動電極選択信号VCOMSELは、
図25に示すように、所定の周波数の交流矩形波である。駆動電極選択信号XVCOMSELは、
図25に示すように、駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形である。
図25に示すモード切替信号SELCDMは、後述するように、ハイレベルでCDM駆動を行い、ローレベルでTDM駆動を行う制御信号である。
【0106】
図27に示すように第2走査信号出力回路72は、インバータ721、723、725、726と、否定論理積回路722、724と、を含み、上述した走査入力信号D0〜D1と、タッチ検出イネーブルパルスVCOMFLとが入力されている。
図27に示すように第2走査信号出力回路72は、走査入力信号D0及びD1と、タッチ検出イネーブルパルスVCOMFLとから、
図24に示す判断表に基づいて、走査信号Dec2(XDec2)・・・を生成する。
【0107】
上述したように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、CDM駆動をすることでタッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。しかしながら、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、複数の駆動電極ブロックを駆動するために、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2に供給する電力を多くしなくてはならない。そこで、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、上述したTDM駆動と、CDM駆動とを切り換えて、駆動することができる。
【0108】
図28に示すように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、TDM駆動を処理する(ステップS1)。
図29に示すように、駆動部53に含まれるスイッチング回路SCC1、SCC2、SCC3及びSCC4のうち、スイッチング回路SCC1について説明する。スイッチング回路SCC2、SCC3及びSCC4は、スイッチング回路SCC1と同じ構成であるので、説明を省略する。
【0109】
スイッチング回路SCC1は、例えば、回路ブロックDecB1、DecB2、DecB3、DecB4を含み、インバータ881〜886を介して、選択スイッチsw4及びsw5を動作させる。スイッチング回路SCC1は、回路ブロックDecB1、DecB2、DecB3又はDecB4が
図30に示す真理値表に基づいて、選択スイッチsw4及びsw5を動作させる。その結果、選択スイッチsw4及びsw5は、駆動電極選択信号VCOMSELに基づくスイッチング動作をする場合がある。また、選択スイッチsw4及びsw5は、駆動電極選択信号XVCOMSELに基づくスイッチング動作をする場合がある。また、選択スイッチsw4及びsw5は、駆動電極ブロックTx1に接続せず、駆動電極ブロックTx1の電位を固定しないフローティング(Floating)状態にする場合がある。また、選択スイッチsw4及びsw5は、駆動電極ブロックTx1に固定の電位(COMDCL)のみを供給する場合がある。
【0110】
回路ブロックDecB1は、否定論理積回路811、インバータ812、813、スイッチsw11、sw12を含む。回路ブロックDecB1は、走査信号Dec1及び走査信号Dec2が入力されている場合に動作する回路である。
【0111】
回路ブロックDecB2は、否定論理積回路821、インバータ822、823、スイッチsw21、sw22を含む。回路ブロックDecB2は、走査信号Dec1及び走査信号XDec2が入力されている場合に動作する回路である。
【0112】
回路ブロックDecB3は、否定論理積回路833、834、インバータ831、833、トランジスタTTr1、TTr2、を含む。回路ブロックDecB3は、走査信号XDec1及び走査信号XDec2が入力されている場合に上述したフローティング状態に動作する回路である。回路ブロックDecB3は、走査信号Dec1が入力されていても走査信号XDec2及びモード切替信号SELCDMがローレベル入力されている場合に上述したフローティング状態に動作する回路である。
【0113】
回路ブロックDecB4は、インバータ841、トランジスタDTr1、DTr2、を含む。回路ブロックDecB4は、液晶表示デバイス20が表示動作している場合(タッチ検出イネーブルパルスVCOMFLがローレベル(L)の場合)に上述した駆動電極ブロックTx1に固定の電位(COMDCL)のみを供給する動作する回路である。
【0114】
以上説明したように、スイッチング回路SCC1は、例えば、回路ブロックDecB1、DecB2、DecB3、DecB4を含み、インバータ881〜886を介して、選択スイッチsw4及びsw5を動作させる。このため、例えば駆動電極選択信号VCOMSELの通過するゲートが少なくなるので、駆動電極選択信号VCOMSELのゲート遅延量を抑制することができる。
【0115】
上述したステップS1において、モード切替信号SELCDMは、「L」である。そこで、第1走査信号出力回路71が走査信号Dec1を入力し、Dec1が「H」となり、例えば4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4を選択する。他の第1走査信号出力回路71が走査信号XDec1を入力し、他の駆動電極ブロックはフローティング状態になる。そして4つの駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4は、順次、第2走査信号出力回路72が走査信号Dec2を入力することで、Dec2が「H」になり、VCOMSELに応じた駆動信号VcomACが出力される。この駆動信号VcomACは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する。
【0116】
また、液晶表示デバイス20が表示動作している場合、駆動部53は、走査信号SRoutが低レベルであって、駆動電極ブロックB毎に1つの選択スイッチsw5を介して全て第1電源配線PSL1に接続し、表示用駆動電圧VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給する。
【0117】
図28に示すように、制御部11は、タッチ検出信号Vdetに含まれるノイズがしきい値以下の場合、ステップS1を継続する(ステップS2、No)。
図28に示すように、制御部11は、タッチ検出信号Vdetに含まれるノイズがしきい値を超える場合、ステップS3を実行する(ステップS2、Yes)。制御部11は、ゲートドライバ14にCDM駆動を処理させる(ステップS3)。実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、CDM駆動をすることでタッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【0118】
第2走査信号出力回路72から供給された走査信号XDec2は、上述した式(1)の正方行列の対角成分「−1」の符号に基づいて、出力される。また、符号「−1」は、符号「1」とは位相が異なるように決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給するための符号である。このため、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4のいずれか3つに駆動電極選択信号VCOMSELに応じた所定の周波数の交流矩形波が印加され、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4の残る1つに駆動電極選択信号XVCOMSELに応じた駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形が印加される。駆動電極選択信号XVCOMSELに応じた駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形印加するタイミングは、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4毎にずれていくことになる。
【0119】
図28に示すように、制御部11は、タッチ検出信号Vdetに含まれるノイズがしきい値を超える場合、ステップS3を継続する(ステップS4、Yes)。
図28に示すように、制御部11は、タッチ検出信号Vdetに含まれるノイズがしきい値以下の場合、ステップS5を実行する(ステップS4、No)。
【0120】
実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、TDM駆動をする(ステップS5)。このため、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出のための消費電力が抑制できる。
【0121】
実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、複数のタッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と複数の表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間において、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給するようにしてもよい。また、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Tt)と表示動作(表示期間Dt)とに分けて、1つの表示期間Dtで複数の水平期間分の表示動作を処理してもよい。
【0122】
以上説明したように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1では、表示用駆動電圧VcomDCを駆動電極COMLに供給する第1電源配線PSL1及びタッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに供給する第2電源配線PSL2を額縁領域に引き回している。額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみで、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の数以上の駆動電極ブロックを駆動することができる。
【0123】
例えば、第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2は、TFT基板21の表面に平行な面に沿って配置される場合、寄生容量を考慮する必要がある。COG19(駆動信号生成部)から離れた位置に配置された駆動電極ブロックBでは、駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性があるため、配線幅を広く、例えば100μm以上200μm以下程度にして第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の抵抗を下げることが有効である。このため、複数の駆動電極ブロックを同時選択して、CDM駆動しても、額縁領域に引き回している電源配線の数が第1電源配線PSL1及び第2電源配線PSL2の2本のみであり、額縁Gdの
図7に示す幅Gdvを抑制できる。その結果、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、第2電源配線PSL2の末端部付近に配置された駆動電極ブロックBで駆動信号VcomACのパルスの遷移時間が長くなる可能性を抑制することができる。
【0124】
以上説明したように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極走査部14A(14B)が電源配線の数である2以上の駆動電極ブロックを同時選択する場合、駆動電極ドライバ14は、所定の符号(例えば上記式(1)に示す正方行列の符号)に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACの波形VCOMSEL及び反転波形XVCOMを選択された当該駆動電極にそれぞれ供給する。実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置は、タッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。ここで、所定の符号は、上記式(1)に示す正方行列の符号に限られない。
【0125】
図31は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置における符号分割選択駆動の動作の他の例を説明する説明図である。
図31に示すように、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、駆動電極ドライバ14が、選択駆動電極ブロックBknの4つの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4を同時選択して所定の符号に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給する。例えば、所定の符号は、下記式(2)の正方行列で定義され、正方行列の次数は選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4の数である4になる。下記式(2)の正方行列は、各行が含む複数の符号のうち1つの列の符号が「−1」であり、当該行の他列の符号が全て「1」である。また、下記式(2)の正方行列は、各列が含む符号「−1」が各列に均等に配分されている。駆動電極ドライバ14は、下記式(2)の正方行列に基づいて、正方行列の対角成分以外の成分の符号「1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相と、正方行列の符号「−1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相とは、反転するように、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。
【0126】
第2走査信号出力回路72から供給された走査信号XDec2は、下記式(2)の正方行列の符号「−1」に基づいて、出力される。また、符号「−1」は、符号「1」とは位相が異なるように決められたタッチ用駆動信号VcomACを供給するための符号である。このため、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4のいずれか3つに駆動電極選択信号VCOMSELに応じた所定の周波数の交流矩形波が印加され、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4の残る1つに駆動電極選択信号XVCOMSELに応じた駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形が印加される。駆動電極選択信号XVCOMSELに応じた駆動電極選択信号VCOMSELの交流矩形波の反転波形印加するタイミングは、駆動電極ブロックTx1〜駆動電極ブロックTx4毎に下記式(2)の正方行列の符号「−1」に応じてずれていくことになる。
【0127】
選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1、Tx2、Tx3、Tx4の走査上流から2番目の位置である駆動電極ブロックTx2に、指などの外部近接物体CQがある場合、相互誘導により外部近接物体CQによる差分の電圧が生じる(例えば差分の電圧は20%とする)。タッチ検出部40が、第1時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(−1)+(0.8)+(1)+(1)=1.8になる。次に、タッチ検出部40は、第2時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(0.8)+(−1)+(1)=1.8になる。次に、タッチ検出部40は、第3時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(−0.8)+(1)+(1)=2.2になる。次に、タッチ検出部40は、第4時間帯で検出するタッチ検出信号(Sensor Output Signal)は、(1)+(0.8)+(1)+(−1)=1.8になる。
【0128】
座標抽出部45は、信号処理部44において検出されたタッチ検出信号を、下記式(2)の正方行列で掛け合わせ、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx2の位置に、指などの外部近接物体CQがあることを、電圧を上げることなく時分割選択(TDM)駆動の4倍の検出感度で検出する。そして、座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
【0130】
実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出のための検出感度が高まり、タッチ検出精度を向上させ、かつ短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【0131】
以上、いくつかの実施形態及び変形例を挙げて説明したが、本開示はこれらの実施形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0132】
また、上記の各実施形態及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、FFS、IPS等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10とすることができる。
図32は、変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。これに代えて、
図31に示す変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10は、TN(Twisted Nematic:ツイステッドネマティック)、VA(Vertical Alignment:垂直配向)、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)等の各種モードの液晶とタッチ検出デバイスとを一体化してもよい。
【0133】
図32に示すように、対向基板3に駆動電極COMLがある場合、第2電源配線PSL2、第1電源配線PSL1は、対向基板3に備えられるようにしてもよい。この構造により、駆動電極COMLと、第2電源配線PSL2(第1電源配線PSL1)との距離が短くなる。そして、TFT基板21に備えられた走査線GCLは、上述した実施形態1、2、及び3と同様に、第2電源配線PSL2、第1電源配線PSL1と、立体交差している。その結果、第2電源配線PSL2は、TFT基板21に対して垂直な方向において表示領域Adの外側に位置する額縁領域Gdに配設されている。
【0134】
また、上記各実施形態では、液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化したいわゆるインセルタイプとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着したオンセルタイプであってもよい。オンセルタイプの場合、
図8に示す画素基板2の駆動電極COMLを第1の駆動電極COMLとし、これに加えて、対向基板3における、ガラス基板31の表面にも第2の駆動電極COMLを備えており、第1の駆動電極COMLと第2の駆動電極COMLとが電気的に接続されている。この場合でも、上述したような構成にすることにより、外部ノイズや、液晶表示デバイスから伝わるノイズ(上記各実施形態における内部ノイズに対応するもの)の影響を抑えつつタッチ検出を行うことができる。
【0135】
<2.適用例>
次に、
図33〜
図45を参照して、実施形態及び変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置1の適用例について説明する。
図33〜
図45は、本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0136】
(適用例1)
図33に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
【0137】
(適用例2)
図34及び
図35に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523及びシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
【0138】
(適用例3)
図36に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533及び表示部534を有している。そして、表示部534は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
【0139】
(適用例4)
図37に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542及び画像を表示する表示部543を有しており、表示部543は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
【0140】
(適用例5)
図38〜
図44に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用される携帯電話機である。この携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556及びカメラ557を有している。そのディスプレイ554またはサブディスプレイ555は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
【0141】
(適用例6)
図45に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有している。この表示部562は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1である。
【0142】
<3.本開示の構成>
また、本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0143】
(1)基板上に複数の画素電極がマトリックス状に配置された表示領域と、
前記画素電極と対向して設けられ、複数に分割された駆動電極と、
前記表示領域に画像を表示する画像表示機能を有する表示機能層と、
画像信号に基づいて、前記画素電極と前記駆動電極との間に表示用駆動電圧を印加して前記表示機能層の画像表示機能を発揮させるように画像表示制御を行う制御装置と、
前記駆動電極と対向して、前記駆動電極との間に静電容量を形成するタッチ検出電極と、
前記タッチ検出電極からの検出信号に基づき、近接する物体の位置を検出するタッチ検出部と、
前記表示領域の外側に位置する額縁領域に配設される電源配線と、
前記制御装置の選択信号により、前記電源配線と接続する前記駆動電極を選択する、複数の駆動電極走査部と、を備え、
前記駆動電極走査部が前記電源配線の数以上の前記駆動電極を同時選択する場合、前記制御装置は、所定の符号に基づいて位相が決められたタッチ用駆動信号を選択された当該駆動電極にそれぞれ供給する、タッチ検出機能付き表示装置。
【0144】
(2)前記駆動電極走査部は、前記駆動電極を同時選択する第1走査信号出力回路と、
前記第1走査信号出力回路で選択された複数の駆動電極に、前記タッチ用駆動信号を印加するため、前記タッチ用駆動信号の位相を決定する走査信号を出力する第2走査信号出力回路と、
を備える、前記(1)に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0145】
(3)前記電源配線は、所定の電圧を供給する第1電源配線と、所定の波形を有する電圧を供給する第2電源配線と、を備え、
前記第2走査信号出力回路の少なくとも1つは、前記所定の符号に基づいて、所定の波形の位相を変更する、前記(2)に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0146】
(4)前記電源配線は、第1電圧を供給する第1電源配線と、第2電圧を供給する第2電源配線と、を備え、
前記第2走査信号出力回路は、所定の符号に基づいて、前記第1電圧と前記第2電圧とを交互に繰り返し前記タッチ用駆動信号を生成する、前記(2)に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0147】
(5)前記制御装置は、前記駆動電極走査部が選択していない駆動電極に対して、電位を固定しないフローティング状態にする、前記(4)に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0148】
(6)前記第1走査信号出力回路及び前記第2走査信号出力回路は、シフトレジスタを含み、前記選択信号の転送に応じて前記駆動電極を所定本数毎に選択する、前記(2)から前記(5)のいずれか1つに記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0149】
(7)前記第1走査信号出力回路及び前記第2走査信号出力回路は、デコーダを含み、前記選択信号に含まれる入力コードの組み合わせを判定し該当する出力し、前記駆動電極を所定本数毎に選択する、前記(2)から前記(5)のいずれか1つに記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0150】
(8)前記制御装置は、前記駆動電極走査部が前記電源配線の数以上の前記駆動電極を同時選択する場合と、前記駆動電極走査部が前記電源配線の数より少ない前記駆動電極を選択する場合とを切り換える、前記(1)又は前記(7)に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0151】
(9)前記制御装置は、前
記電源配線から前記表示用駆動電圧を前記駆動電極に供給し、前記表示用駆動電圧の供給と時間をずらして、前記タッチ用駆動信号を前記駆動電極に供給する、前記(1)から前記(8)のいずれか1つに記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【0152】
(10)外部近接物体を検出可能なタッチ検出機能付き表示装置を備える電子機器であって、前記タッチ検出機能付き表示装置は、前記(1)から前記(9)のいずれか1つに記載のタッチ検出機能付き表示装置である、電子機器。