(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980161
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20160818BHJP
H04N 1/405 20060101ALI20160818BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20160818BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/40 B
G03G21/00 388
G03G15/36
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-92801(P2013-92801)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-216854(P2014-216854A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅則
【審査官】
石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−200955(JP,A)
【文献】
特開2007−329892(JP,A)
【文献】
特開平08−161636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
H04N 1/405
G06T 1/00
G06T 5/50
G03G 15/36
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム画像と原稿画像の合成が可能な画像形成装置であって、
前記フォーム画像を登録するフォーム画像登録手段を備え、
前記フォーム画像登録手段は、前記フォーム画像をハーフトーン処理して登録し、
前記フォーム画像登録手段は、
前記フォーム画像に対してハーフトーン処理の設定有無を判定するハーフトーン処理設定有無判定手段を有し、
前記ハーフトーン処理設定有無判定手段により設定有りと判定されたときに、前記フォーム画像に対しハーフトーン処理を実施して前記フォーム画像を前記フォーム画像登録手段に登録する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記フォーム画像に対してハーフトーン処理の設定有無を手動で設定するハーフトーン処理手動設定手段を備え、
前記ハーフトーン処理設定有無判定手段は、ハーフトーン処理手動設定手段によりハーフトーン処理の設定有りが入力されたときはハーフトーン処理の設定有りと判定し、ハーフトーン処理の設定有りが入力されないときはハーフトーン処理の設定無しと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記フォーム画像の全体領域に対する文字領域の比率を算出し、前記比率によりハーフトーン処理の設定有無を設定するハーフトーン処理自動設定手段を備え、
前記ハーフトーン処理設定有無判定手段は、前記ハーフトーン処理自動設定手段により算出された前記文字領域の比率が予め決められている比率より大きいときハーフトーン処理の設定有りと判定し、算出された前記文字領域の比率が予め決められている比率より大きくないときはハーフトーン処理の設定無しと判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ハーフトーン処理設定有無判定手段によりハーフトーン処理の設定有りと判定したときに前記フォーム画像のフォーム画像データに対してハーフトーン処理を実施すると共にハーフトーン処理実施済みデータを前記フォーム画像データに付加し、ハーフトーン処理の設定無しと判定したときにハーフトーン処理未実施データを前記フォーム画像データに付加するハーフトーン処理実施設定手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フォーム画像データと原稿画像データとを合成するフォーム画像合成手段を備え、
前記フォーム画像合成手段は、前記ハーフトーン処理実施済みデータが前記フォーム画像データに付加されているときに、前記原稿画像データに対してハーフトーン処理を実施した後に前記フォーム画像データと前記原稿画像データを合成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記フォーム画像合成手段は、前記ハーフトーン処理未実施データが前記フォーム画像データに付加されているときに、前記フォーム画像データと前記原稿画像データとを合成した画像データにハーフトーン処理を実施する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を合成する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、多機能プリンタ、多機能周辺装置、又は複合機などのMFP(Multifunction Peripheral)である画像形成装置は、読み取り器から読み取った原稿の原稿データ、またはPC(パソコン)から受信した原稿データから画像データを形成して印刷出力、FAXでの送信、メールでの送信、またはPCに画像データを送信することが可能である。このような画像形成装置において、ロゴマーク、背景、「社外秘」の刻印、または署名などの画像(以下、「フォーム画像」という)を登録し、原稿データの画像(以下、「原稿画像」という)にユーザーが指定したフォーム画像を重ねた画像(以下、「合成画像」という)を作成することが可能である。原稿画像とフォーム画像の合成画像を印刷するときには、RGB(Red Green Blue)表現法で色が表現されている合成画像データをCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)表現法で色が表現されるように色変換を行い、その後にハーフトーン処理を行っている。ハーフトーン処理は、白黒やカラーの画像を限られた色数の小さな点のパターンで表すことで、グレーやカラーの様々な陰影の画像を限定された色数のインクだけで印刷可能とするものである。つまりハーフトーン処理において、CMYK表現法によって1画素が256階調で表現される画像データを複数のドットサイズからなるビットマップデータに変換することで、画像データのサイズを小さくすることができる。このため、原稿画像とフォーム画像を合成することでサイズが大きくなった合成画像データに対してハーフトーン処理実施することで、サイズを小さくすることができる。
【0003】
このように画像データに対してハーフトーン処理を実施することで、画像データのサイズを小さくする画像処理の技術が普及している。例えば、特許文献1の画像処理方法および印刷装置では、画像合成モジュールで画像データの合成を行った後に、色変換モジュールでRGB表現法の画像データをCMYK表現法の画像データに変換し、その後にハーフトーンモジュールにより複数のドットサイズの組み合わせからなるビットマップデータに変換するハーフトーン処理を実施している。また、この画像処理方法および印刷装置において、レンズピッチlpiがプリントピッチdpiの整数倍でないことに起因するモアレ(干渉縞)が発生すると予測される箇所のドットサイズを周囲のドットサイズあるいは他のドットサイズと比較して相対的に小さく設定することで、レンズピッチlpiがプリントピッチdpiの整数倍でないことに起因して発生するモアレを防止することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−59469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像処理方法および印刷装置では、レンズピッチlpiがプリントピッチdpiの整数倍でないことに起因して発生するモアレ(干渉縞)を防止することが可能である。しかし、画像データの合成を行った後に全ての画像データに対してハーフトーン処理を実施すると、合成画像データのサイズの削減は可能であるが、例えば、従来技術におけるフォーム画像データは合成されるまでハーフトーン処理が実施されない。このため、フォーム画像を登録(保存)するための大きな記憶領域を確保する必要であった。また、ハーフトーン処理により1画素が256階調で表現される画像データを複数のドットサイズからなるビットマップデータに変換するので、使用するビット数が減少することで画像が劣化することがあった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、フォーム画像と原稿画像の合成が可能な画像形成装置であって、前記フォーム画像を登録するフォーム画像登録手段を備え、前記フォーム画像登録手段は、前記フォーム画像をハーフトーン処理して登録
し、前記フォーム画像登録手段は、前記フォーム画像に対してハーフトーン処理の設定有無を判定するハーフトーン処理設定有無判定手段を有し、前記ハーフトーン処理設定有無判定手段により設定有りと判定されたときに、前記フォーム画像に対しハーフトーン処理を実施して前記フォーム画像を前記フォーム画像登録手段に登録することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記フォーム画像に対してハーフトーン処理の設定有無を手動で設定するハーフトーン処理手動設定手段を備え、前記ハーフトーン処理設定有無判定手段は、ハーフトーン処理手動設定手段により
ハーフトーン処理の設定有りが入力されたときはハーフトーン処理の設定有りと判定し、ハーフトーン処理の設定有りが入力されないときはハーフトーン処理の設定無しと判定することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記フォーム画像の全体領域に対する文字領域の比率を算出し、前記比率によりハーフトーン処理の設定有無を設定するハーフトーン処理自動設定手段を備え、前記ハーフトーン処理設定有無判定手段は、
前記ハーフトーン処理自動設定手段により
算出された前記文字領域の比率が予め決められている比率より大きいときハーフトーン処理の設定有りと判定し、算出された前記文字領域の比率が予め決められている比率より大きくないときはハーフトーン処理の設定無しと判定することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記ハーフトーン処理設定有無判定手段によりハーフトーン処理の設定有りと判定したときに前記フォーム画像のフォーム画像データに対してハーフトーン処理を実施すると共にハーフトーン処理実施済みデータを前記フォーム画像データに付加し、ハーフトーン処理の設定無しと判定したときにハーフトーン処理未実施データを前記フォーム画像データに付加するハーフトーン処理実施設定手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記フォーム画像データと原稿画像データとを合成するフォーム画像合成手段を備え、前記フォーム画像合成手段は、前記ハーフトーン処理実施済みデータが前記フォーム画像データに付加されているときに、前記原稿画像データに対してハーフトーン処理を実施した後に前記フォーム画像データと前記原稿画像データを合成することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記フォーム画像合成手段は、前記ハーフトーン処理未実施データが前記フォーム画像データに付加されているときに、前記フォーム画像データと前記原稿画像データとを合成した画像データにハーフトーン処理を実施することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置において、フォーム画像データを登録するための記憶領域の容量を削減することができるので、画像形成装置における全体の記憶容量の削減により画像形成装置のコストを下げることができ、また、ハーフトーン処理による画像の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るフォーム画像登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態に係るフォーム画像合成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。実施形態の画像形成装置は、フォーム画像を登録するときにハーフトーン処理の実施有無を手動設定または自動設定の設定有無により判断するものである。手動設定においては、ユーザーの操作により画像形成装置に対して設定されるハーフトーン処理の設定有無により判断する。自動設定においては、フォーム画像の全体領域に対する文字領域の割合によりハーフトーン処理の設定有無を判断する。また、原稿画像とフォーム画像を合成するときに、フォーム画像がハーフトーン処理されているかを判定し、ハーフトーン処理されているときには原稿画像のみハーフトーン処理を実施した後に、フォーム画像と原稿画像を合成する。フォーム画像がハーフトーン処理されていないときには、フォーム画像と原稿画像を合成した後にハーフトーン処理を実施するものである。
【0011】
実施形態における画像形成装置100の機能構成について、
図1を用いて説明する。
図1に示す画像形成装置100は、制御部110、記憶部120、操作パネル130、操作パネル処理部140、原稿読取部150、画像形成部160、ネットワーク通信部170、及び画像印刷部180を備えている。制御部110、記憶部120、操作パネル処理部140、画像形成部160、ネットワーク通信部170、及び画像印刷部180は、これら各部を接続するバスなどにより接続される構成となっている。
【0012】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェース、バスコントローラ等を含む総合的な画像形成装置100のコントロールを行う。制御部110には、フォーム画像の登録を行うフォーム画像登録処理部110aと、フォーム画像と原稿画像を合成するフォーム画像合成処理部110bを備えている。
【0013】
記憶部120は、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブからなる記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータが記憶される。記憶部120は、原稿読取部150から読み取った原稿画像データと、ネットワーク通信部170が受信した原稿画像データなどを一時的に保存する原稿画像データ保存エリア120aを備えている。また、記憶部120は、フォーム画像データを登録するフォーム画像データ登録エリア120bを備えている。
【0014】
操作パネル130は、操作メニューの表示、ユーザーの指による操作を受け付ける。操作パネル130には、登録されているフォーム画像を表示することができるので、ユーザーは操作パネル130から原稿画像に合成するフォーム画像を選択することができる。
【0015】
操作パネル処理部140は、制御部110からの要求により印刷可能な画像イメージや画像形成装置100が備えている機能の操作項目を操作パネル130に表示する処理、操作パネル130からユーザーが行う操作に対する操作データを入力する処理を行う。
【0016】
原稿読取部150は、画像形成装置100の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行うもので、ユーザーが操作パネル130から読み取り要求を行うことにより、原稿台にセットされた原稿の読み取りを行うことができる。
【0017】
画像形成部160は、原稿読取部150で読み取られた原稿画像データを印刷可能なイメージやFAXやメールで送信可能なイメージの画像データに変換する。
【0018】
ネットワーク通信部170は、ネットワーク200に接続するための着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0019】
画像印刷部180は、ユーザーから印刷要求のあった画像データを用紙に印刷する機能を備えている。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100のフォーム画像登録処理部110aが実行するフォーム画像登録処理について、
図2を用いて説明する。
【0021】
ユーザーが原稿読取部150から読み取ったフォーム画像データ、またはネットワーク通信部170が受信したフォーム画像データに対して、操作パネル130からフォーム画像登録の操作を行うと、操作パネル処理部140が制御部110にフォーム画像登録処理開始通知を出力する。制御部110がフォーム画像登録処理開始通知を入力すると、制御部110によりフォーム画像登録処理部110aが起動され、フォーム画像登録処理部110aがフォーム画像登録処理を開始する。なお、操作パネル130からユーザーがフォーム画像登録の操作を行ったときに、ハーフトーン処理の手動設定を行うと、ハーフトーン処理の設定有無はこの手動設定に従う。また、ハーフトーン処理の手動設定を行わないときには、ハーフトーン処理の設定有無は自動設定に従う。
【0022】
(ステップS101)
まず、フォーム画像登録処理部110aは、登録するフォーム画像データを原稿読取部150またはネットワーク通信部170から入力する。
【0023】
(ステップS102)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、ステップS101で入力したフォーム画像データに対してRGB表現法で色が表現されているフォーム画像データをCMYK表現法で色が表現されるように色変換を行う。
【0024】
(ステップS103)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、ユーザーによりハーフトーン処理の手動設定が行われたかを判定する。ハーフトーン処理の手動設定が行われたとき(ステップS103のYes)は、ステップS104に進む。また、ハーフトーン処理の手動設定が行われなかったとき(ステップS103のNo)は、ステップS107に進む。
【0025】
(ステップS104)
ステップS103のYesにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定有りが入力されたかを判定する。ハーフトーン処理の設定有りが入力されたとき(ステップS104のYes)は、ステップS105に進む。また、ハーフトーン処理の設定有りが入力されないとき(ステップS104のNo)は、ステップS106に進む。
【0026】
(ステップS105)
ステップS104のYesにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定有りとし、ステップS111に進む。
【0027】
(ステップS106)
ステップS104のNoにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定無しとし、ステップS113に進む。
【0028】
(ステップS107)
ステップS103のNoにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定有無が自動設定であるので、ステップS101で入力したフォーム画像データにおける全体の画像領域に対する文字領域の比率を算出する。
【0029】
(ステップS108)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、ステップS107で算出したフォーム画像データにおける全体の画像領域に対する文字領域の比率が予め決められている比率より大きいかを判定する。文字領域の比率が予め決められている比率より大きいとき(ステップS108のYes)は、ステップS109に進む。文字領域の比率が予め決められている比率より大きくないとき(ステップS108のNo)は、ステップS110に進む。
【0030】
(ステップS109)
ステップS108のYesにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定有りとし、ステップS111に進む。
【0031】
(ステップS110)
ステップS108のNoにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理の設定無しとし、ステップS113に進む。
【0032】
(ステップS111)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、CMYK表現法によって1画素が256階調で表現されているフォーム画像データを複数のドットサイズからなるビットマップデータに変換するハーフトーン処理を実施する。
【0033】
(ステップS112)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理実施済みを示すデータ(以下、「ハーフトーン処理実施済みデータ」という)をフォーム画像データに付加し、ステップS114に進む。
【0034】
(ステップS113)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、ハーフトーン処理未実施を示すデータ(以下、「ハーフトーン処理未実施データ」という)をフォーム画像データに付加し、ステップS114に進む。
【0035】
(ステップS114)
次いで、フォーム画像登録処理部110aは、フォーム画像データを記憶部120のフォーム画像データ登録エリア120bに登録する。
【0036】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100のフォーム画像合成処理部110bが実行するフォーム画像合成処理について、
図3を用いて説明する。
【0037】
ユーザーが原稿読取部150から読み取った原稿画像データ、ネットワーク通信部170が受信した原稿画像データに対して、操作パネル130から合成するフォーム画像の指定を行うと、操作パネル処理部140が制御部110にフォーム画像合成処理開始通知を出力する。制御部110がフォーム画像合成処理開始通知を入力すると、制御部110によりフォーム画像合成処理部110bが起動され、フォーム画像合成処理部110bがフォーム画像合成処理を開始する。
【0038】
(ステップS201)
まず、フォーム画像合成処理部110bは、原稿読取部150から読み取った原稿画像データ、ネットワーク通信部170が受信した原稿画像データが一時的に保存されている原稿画像データ保存エリア120aから原稿画像データを入力する。
【0039】
(ステップS202)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、ステップS201で入力した原稿画像データに対してRGB表現法で色が表現されているフォーム画像データをCMYK表現法で色が表現されるように色変換を行う。
【0040】
(ステップS203)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、ユーザーが操作パネル130から指定したフォーム画像に対応するフォーム画像データをフォーム画像データ登録エリア120bから取り出す。
【0041】
(ステップS204)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、ステップS203で取り出したフォーム画像データがハーフトーン処理済みであるかを判定する。フォーム画像データがハーフトーン処理済みであるとき(ステップS204のYes)は、ステップS205に進む。また、フォーム画像データがハーフトーン未処理であるとき(ステップS204のNo)は、ステップS207に進む。
【0042】
(ステップS205)
ステップS204のYesにおいて、フォーム画像登録処理部110aは、CMYK表現法によって1画素が256階調で表現されている原稿画像データを複数のドットサイズからなるビットマップデータに変換するハーフトーン処理を実施する。
【0043】
(ステップS206)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、ステップS203で取り出したフォーム画像データとステップS205でハーフトーン処理を行った原稿画像データを合成し、ステップS209に進む。
【0044】
(ステップS207)
ステップS204のNoにおいて、フォーム画像合成処理部110bは、ステップS203で取り出したフォーム画像データとステップS202で色変換処理を行った原稿画像データを合成する。
【0045】
(ステップS208)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、ステップS207でフォーム画像データと合成したCMYK表現法によって1画素が256階調で表現されている原稿画像データを複数のドットサイズからなるビットマップデータに変換するハーフトーン処理を実施する。
【0046】
(ステップS209)
次いで、フォーム画像合成処理部110bは、フォーム画像データと原稿画像データを合成した画像データを画像印刷部180に出力して画像データを印刷すると、フォーム画像合成処理を終了する。
【0047】
なお、実施形態においては、手動設定または自動設定においてハーフトーン処理設定有りのときにフォーム画像データに対してハーフトーン処理を実施してフォーム画像データの登録を行うようにしたが、全てのフォーム画像データに対してハーフトーン処理を実施してフォーム画像データの登録を行うようにしてもよい。
また、自動設定においてフォーム画像データの全体領域に対する文字領域の比率によりハーフトーン処理の設定有無を判定したが、原稿画像データまたは合成画像データに対しても全体領域に対する文字領域の比率によりハーフトーン処理の設定有無を判定することも可能である。
また、フォーム画像データが文字列のみで構成されているときには、全体領域に対する文字領域の比率が予め決められている比率より小さい場合でも、文字の場合はハーフトーン処理による劣化が少ないので、ハーフトーン処理を実施するようにしてもよい。
また、ハーフトーン処理を実施するには時間がかかるため、高速に印刷処理を行いたいときには、ユーザーがハーフトーン処理を実施しないようにする操作を行うことも可能である。
また、ハーフトーン処理を実施することで画像が劣化したときには、輪郭補正を行うことで画像のヘッジを明確にすることも可能である。
また、フォーム画像データと原稿画像データを合成して印刷するようにしたが、フォーム画像データと原稿画像データを合成した後印刷しないで記憶部120の原稿画像データ保存エリア120aに保存、ネットワーク通信部170を経由してPCに送信、またはFAXで送信することも可能である。
【0048】
このような本発明の画像形成装置によれば、フォーム画像データを登録するための記憶領域の容量を削減することができるので、画像形成装置における全体の記憶容量を削減することで画像形成装置のコストを下げることができる。また、全てのフォーム画像データに対してハーフトーン処理を実施するか、またはフォーム画像データの全体領域に対する文字領域の比率が予め決められた比率より大きいときのみハーフトーン処理を実施し、文字領域の比率が予め決められた比率より大きくないときにはフォーム画像が合成されたときに合成画像データに対してハーフトーン処理を実施するかを選択することができるので、ユーザーの選択によってハーフトーン処理による画像の劣化を抑えることができる。
【0049】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、画像形成装置に好適であるが、画像形成装置に限られるものではなく、画像データの処理が可能な装置一般に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
100・・・・・画像形成装置
110・・・・・制御部
110a・・・・フォーム画像登録処理部
110b・・・・フォーム画像合成処理部
120・・・・・記憶部
120a・・・・原稿画像データ保存エリア
120b・・・・フォーム画像データ登録エリア
130・・・・・操作パネル
140・・・・・操作パネル処理部
150・・・・・原稿読取部
160・・・・・画像形成部
170・・・・・ネットワーク通信部
180・・・・・画像印刷部
200・・・・・ネットワーク