(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のモードは、前記自動通報を行うアプリケーションプログラムが起動している状態であり、前記第2のモードは、前記アプリケーションプログラムが起動していない状態である
請求項2に記載の通報システム。
前記第1のモードは、前記自動通報を行うアプリケーションプログラムが起動している状態であり、前記第2のモードは、前記アプリケーションプログラムが起動していない状態である
請求項9に記載の携帯端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の発明のように、携帯電話機で衝撃を検出するようにした場合、その衝撃が車両の事故によるものか、或いは、単なる携帯電話機の落下等の事故以外の原因によるものかを判別することが難しい。従って、事故が発生していないにも関わらず、誤って自動通報が行われるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、車両の事故の発生時に、携帯電話機等の携帯端末による自動通報の精度を向上させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面の通報システムは、車両のドアの施錠及び開錠に用いる第1の携帯機、及び、第1の携帯機と通信可能な第2の携帯機を備え、第1の携帯機は、車両と無線通信を行い、車両との間で第1の携帯機が車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の情報を取得する内外判定部と、内外判定の判定結果を送信する送信部とを備え、第2の携帯機は、判定結果を第1の携帯機から受信する受信部と、判定結果が車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定し、判定結果が車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定するモード設定部と、第2の携帯機に対する衝撃の検出を行う衝撃検出部と、第1のモードに設定されている場合に、第2の携帯機に対する所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報を行う通報部とを備える。
【0009】
本発明の第1の側面の通報システムにおいては、第1の携帯機により、車両と無線通信が行われ、車両との間で第1の携帯機が車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の情報が取得され、内外判定の判定結果が送信され、第2の携帯機により、判定結果が第1の携帯機から受信され、判定結果が車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定され、判定結果が車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定され、第2の携帯機に対する衝撃の検出が行われ、第1のモードに設定されている場合に、第2の携帯機に対する所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報が行われる。
【0010】
従って、車両の事故発生時に、第2の携帯機による自動通報の精度を向上させることができる。
【0011】
この第1の携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この第2の携帯機は、例えば、スマートフォンのような高機能の携帯電話機や、タブレット等により構成される。この内外判定部は、例えば、CPU等の演算装置により構成される。この送信部は、例えば、無線通信を行う通信装置により構成される。この受信部は、例えば、無線通信を行う通信装置により構成される。このモード設定部は、例えば、CPU等の演算装置により構成される。この衝撃検出部は、例えば、衝撃センサ、振動センサ、加速度センサ等により構成される。この通報部は、例えば、CPU等の演算装置、移動体通信を行う通信装置により構成される。
【0012】
この第1の携帯機を、前記車両のドアの施錠及び開錠の遠隔操作に用いるキーフォブとし、この第2の携帯機を、携帯電話機とすることができる。
【0013】
この第1のモードを、前記自動通報を行うアプリケーションプログラムが起動している状態とし、この第2のモードを、前記アプリケーションプログラムが起動していない状態とすることができる。
【0014】
これにより、第2の携帯機にアプリケーションプログラムをインストールするだけで、精度が高い自動通報が可能になる。
【0015】
第1の携帯機と第2の携帯機との間の通信を近距離無線通信により行わせ、第2の携帯機には、移動体通信網を介して所定のセンタに自動通報を行わせることができる。
【0016】
これにより、第2の携帯機が第1の携帯機とともに車両内又は車両外にある可能性が高くなり、自動通報の精度が向上する。また、移動体通信網を用いて確実に自動通報を行うことができる。
【0017】
この内外判定部には、車両から判定結果を受信させることができる。
【0018】
これにより、第1の携帯機で内外判定を行う必要がなく、第1の携帯機の処理の負荷を軽減することができる。
【0019】
この内外判定部には、車両との無線通信の結果に基づいて内外判定を行わせることができる。
【0020】
これにより、第1の携帯機自身が内外判定を行うため、第1の携帯機及び第2の携帯機が内外判定の判定結果をより確実に取得することができる。
【0021】
本発明の第1の側面の通信制御方法は、車両のドアの施錠及び開錠に用いるキーフォブにより実行される、車両と無線通信を行い、車両との間でキーフォブが車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の情報を取得する内外判定ステップと、内外判定の判定結果を送信する送信ステップと、キーフォブと通信可能な携帯端末により実行される、判定結果をキーフォブから受信する受信ステップと、判定結果が車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定し、判定結果が車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定するモード設定ステップと、携帯端末に対する衝撃の検出を行う衝撃検出ステップと、第1のモードに設定されている場合に、携帯端末に対する所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報を行う通報ステップとを含む。
【0022】
本発明の第2の側面の通信制御方法においては、キーフォブにより、車両と無線通信が行われ、車両との間でキーフォブが車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の情報が取得され、内外判定の判定結果が送信され、携帯端末により、判定結果がキーフォブから受信され、判定結果が車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定され、判定結果が車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定され、携帯端末に対する衝撃の検出が行われ、第1のモードに設定されている場合に、携帯端末に対する所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報が行われる。
【0023】
従って、車両の事故発生時に、携帯端末による自動通報の精度を向上させることができる。
【0024】
この携帯端末は、例えば、スマートフォンのような高機能の携帯電話機や、タブレット等により構成される。
【0025】
本発明の第3の側面の携帯端末は、車両との通信結果に基づいて、前記車両内又は前記車両外のいずれにあるかの内外判定結果を記憶する内外判定結果記憶部と、衝撃の検出を行う衝撃検出部と、前記衝撃検出部が衝撃を検出し、かつ前記内外判定結果記憶部が前記車両内であることを記憶している場合に、通報を行う通報部とを備える。
【0026】
本発明の第3の側面の携帯端末においては、車両との通信結果に基づいて、前記車両内又は前記車両外のいずれにあるかの内外判定結果が記憶され、衝撃の検出が行われ、衝撃が検出され、かつ前記車両内であることが記憶されている場合に、通報が行われる。
【0027】
従って、車両の事故発生時に、携帯端末による自動通報の精度を向上させることができる。
【0028】
この携帯端末は、例えば、スマートフォンのような高機能の携帯電話機、タブレット、車両用のキーフォブ等により構成される。この内外判定結果記憶部は、例えば、CPU等の演算装置、記憶装置等により構成される。この衝撃検出部は、例えば、衝撃センサ、振動センサ、加速度センサ等により構成される。この通報部は、例えば、CPU等の演算装置、移動体通信を行う通信装置により構成される。
【0029】
本発明の第4の側面の携帯端末は、車両のドアの施錠及び開錠に用いるキーフォブが車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の情報をキーフォブから受信する受信部と、キーフォブが車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定し、キーフォブが車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定するモード設定部と、衝撃の検出を行う衝撃検出部と、第1のモードに設定されている場合に、衝撃検出部に対する所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報を行う通報部とを備える。
【0030】
本発明の第4の側面の携帯端末においては、車両のドアの施錠及び開錠に用いるキーフォブが車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の判定結果がキーフォブから受信され、キーフォブが車両内である場合、車両の事故に関する自動通報を行う第1のモードに設定され、キーフォブが車両外である場合、自動通報を行わない第2のモードに設定され、衝撃の検出が行われ、第1のモードに設定されている場合に、所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動通報が行われる。
【0031】
従って、車両の事故発生時に、携帯端末による自動通報の精度を向上させることができる。
【0032】
この携帯端末は、例えば、スマートフォンのような高機能の携帯電話機や、タブレット等により構成される。この受信部は、例えば、無線通信を行う通信装置により構成される。このモード設定部は、例えば、CPU等の演算装置により構成される。この衝撃検出部は、例えば、衝撃センサ、振動センサ、加速度センサ等により構成される。この通報部は、例えば、CPU等の演算装置、移動体通信を行う通信装置により構成される。
【0033】
この第1のモードを、前記自動通報を行うアプリケーションプログラムが起動している状態とし、この第2のモードを、前記アプリケーションプログラムが起動していない状態とすることができる。
【0034】
これにより、携帯端末にアプリケーションプログラムをインストールするだけで、精度が高い自動通報が可能になる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の第1の側面乃至第4の側面によれば、車両の事故に関する自動通報を行うことができる。特に、本発明の第1の側面乃至第4の側面によれば、車両の事故発生時に、携帯端末による自動通報の精度を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0038】
<1.実施の形態>
[通報システム1の構成例]
図1は、本発明を適用した通報システム1の一実施の形態を示すブロック図である。
【0039】
通報システム1は、車両2に適用されるシステムであり、携帯機11(第1の携帯機)及び携帯端末12(第2の携帯機)を含むように構成される。なお、通報システム1は、任意の種類の車両2に適用することが可能である。
【0040】
携帯機11は、例えば、車両2に搭載された機器の操作に用いる専用のキーフォブ等により構成される。例えば、携帯機11は、車両2と無線通信を行うことにより、キーレスエントリ、パッシブエントリ、プッシュスタート等の所定の機能を車両2に実行させる。
【0041】
ここで、キーレスエントリとは、携帯機11を操作することにより、物理的な鍵を用いることなく、車両2のドアの施錠又は開錠の遠隔操作を行う機能である。また、パッシブエントリとは、車両2のドアハンドル又はドア付近のボタン等を操作した場合にドア付近に携帯機11が検出されたとき、ドアの施錠又は開錠を行う機能である。さらに、プッシュスタートとは、車両内の始動スイッチ等を押下した場合に車両内に携帯機11が検出されたとき、イモビライザによる車両2の始動制限を解除し、車両2の始動を可能にする機能である。
【0042】
携帯機11は、内外判定部21及び送信部22を含むように構成される。
【0043】
内外判定部21は、車両2と無線通信を行い、車両2との間で携帯機11が車両2の中(車両内)にあるか外(車両外)にあるかの内外判定の情報を取得する。そして、内外判定部21は、内外判定の判定結果を送信部22に通知する。
【0044】
なお、内外判定には、任意の方法を採用することができる。例えば、車両2と内外判定部21が、車両2に設けられた1以上のアンテナを介して、LF帯又はUHF帯の無線通信を行う。そして、両者の間の通信の可否、車両2側の受信強度、携帯機11側の受信強度、携帯機11が通信した車両2のアンテナの位置等の情報に基づいて、例えば、公知の方法を用いて内外判定が行われる。
【0045】
また、内外判定は、車両2で行なってもよいし、携帯機11で行なってもよい。車両2で行う場合には、車両2が行った内外判定の情報が車両2から携帯機11に送信される。そして、携帯機11の内外判定部21は、取得した情報を自身の内外判定の情報として記憶する。この場合、内外判定部21は、取得した内外判定の情報(内外判定の判定結果)を記憶する内外判定結果記憶部として動作する。
【0046】
一方、内外判定を携帯機11で行う場合には、例えば、内外判定部21は、受信した信号が車両2側のいずれの送信アンテナから送信された信号かを検出するなどして内外判定の処理を行い、内外判定の情報を得る。
【0047】
送信部22は、携帯端末12と所定の方式の無線通信を行い、内外判定の判定結果を携帯端末12に送信する。
【0048】
なお、携帯機11と携帯端末12との間の無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth low energy、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の通信距離が短い距離に限定される近距離無線通信が採用される。
【0049】
携帯端末12は、例えば、携帯電話、衛星電話、PHS等の移動体通信網(例えば、携帯電話網等)を介した移動体通信が可能な携帯型の通信端末により構成される。より具体的には、例えば、携帯端末12は、携帯電話機(スマートフォン、PHS等を含む)、タブレット等により構成される。また、携帯端末12が行う移動体通信には、音声通話及びデータ通信が含まれる。なお、ユーザが車両2を運転する場合、車両2の鍵である携帯機11と、携帯電話機等により構成される携帯端末12の両方を同時に持って車両2に乗り込む可能性が高い。
【0050】
携帯端末12は、受信部31、モード設定部32、衝撃検出部33、及び、通報部34を含むように構成される。
【0051】
受信部31は、携帯機11から内外判定の判定結果を受信し、モード設定部32に供給する。
【0052】
モード設定部32は、内外判定の結果に基づいて、通報部34が車両2の事故に関する自動通報を行うか否かを表す通報モードの設定を行う。具体的には、モード設定部32は、自動通報を行う自動通報モード、又は、自動通報を行わない通常モードのいずれかの通報モードに設定する。
【0053】
自動通報モードは、例えば、自動通報を行う専用のアプリケーションプログラム(以下、自動通報プログラムと称する)が起動した状態である。一方、通常モードは、自動通報プログラムが起動していない状態であり、携帯端末12の通常の使用状態である。例えば、モード設定部32は、自動通報プログラムを起動することにより、自動通報モードに設定し、自動通報プログラムを停止することにより、通常モードに設定する。従って、携帯端末12は、自動通報プログラムが起動している状態でのみ自動通報を行うことになる。
【0054】
衝撃検出部33は、例えば、衝撃センサ、振動センサ、加速度センサ等の衝撃の検出が可能なセンサにより構成され、携帯端末12に対する衝撃を検出する。衝撃検出部33は、検出した衝撃の強度を示すセンサデータを通報部34に供給する。
【0055】
通報部34は、車両の事故に関する通報の受付けを行うセンタ3に対して、移動体通信網を介して、車両2の事故に関する通報を行う。具体的には、通報部34は、衝撃検出部33からのセンサデータに基づいて、車両2の事故が発生したおそれがあるか否かを判定する。そして、通報部34は、事故が発生したおそれがあると判定した場合、自動通報モードに設定されているとき、センタ3への通報を自動で行い、通常モードに設定されているとき、センタ3への通報を自動で行わない。
【0056】
なお、携帯端末12からセンタ3への通報には、例えば、e-Call等の移動体通信網を介した緊急通報システムが用いられる。
【0057】
[通報システム1の処理]
次に、
図2乃至
図4を参照して、通報システム1の処理について説明する。なお、
図2は、携帯機11の処理を説明するためのフローチャートであり、
図3は、携帯端末12の処理を説明するためのフローチャートであり、
図4は、処理の流れを説明するための図である。
【0058】
まず、
図2及び
図4を参照して、携帯機11の処理について説明する。
【0059】
ステップS1において、内外判定部21は、内外判定の判定結果を新たに取得したか否かを判定する。この判定処理は、例えば、内外判定の判定結果を新たに取得したと判定されるまで定期的に実行される。
【0060】
そして、例えば、内外判定部21は、車両2に設けられている1以上のアンテナから定期的に送信されてくるポーリング信号を受信した場合、車両2に対して応答信号を送信する。このとき、応答信号にポーリング信号の受信強度を含めるようにしてもよい。
【0061】
車両2は、例えば、携帯機11からの応答信号の受信強度、携帯機11のポーリング信号の受信強度、又は、携帯機11が受信したポーリング信号の送信元のアンテナの位置等の情報に基づいて、携帯機11の内外判定を行う。そして、車両2は、内外判定が成功した場合、その判定結果を携帯機11に送信する。また、内外判定部21は、判定結果を受信した場合、内外判定の判定結果を新たに取得したと判定し、処理はステップS2に進む。
【0062】
或いは、例えば、内外判定部21は、車両2に設けられている1以上のアンテナから定期的に送信されてくるポーリング信号を受信した場合、ポーリング信号の受信強度、又は、受信したポーリング信号の送信元のアンテナの位置等の情報に基づいて、自身で携帯機11の内外判定を行う。そして、内外判定部21は、内外判定が成功した場合、内外判定の判定結果を新たに取得したと判定し、処理はステップS2に進む。
【0063】
ステップS2において、携帯機11は、判定結果を携帯端末12に送信する。具体的には、内外判定部21は、判定結果を送信部22に通知する。送信部22は、携帯端末12との間の通信を確立した後、判定結果を携帯端末12に送信する。なお、携帯端末12との間の通信は事前に確立されていても良い。
【0064】
これにより、
図4の左上に示されるように、携帯機11が車両2の中にある場合、内外判定の判定結果が「車両内」であることが、携帯機11から携帯端末12に通知される。一方、
図4の左下に示されるように、携帯機11が車両2の外にある場合、内外判定の判定結果が「車両外」であることが、携帯機11から携帯端末12に通知される。
【0065】
その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0066】
このようにして、車両2と携帯機11の無線通信が可能な場合、定期的に内外判定が行われ、内外判定が成功した場合、その判定結果が携帯機11から携帯端末12に通知される。
【0067】
次に、
図3及び
図4を参照して、
図2の携帯機11の処理に対応して、携帯端末12により実行される処理について説明する。
【0068】
ステップS51において、受信部31は、携帯機11から内外判定の判定結果が通知されたか否かを判定する。受信部31は、
図2のステップS2において携帯機11から送信された判定結果を受信した場合、携帯機11から内外判定の判定結果が通知されたと判定し、処理はステップS52に進む。
【0069】
ステップS52において、モード設定部32は、判定結果が車両内であるか否かを判定する。具体的には、受信部31は、携帯機11から受信した判定結果をモード設定部32に供給する。そして、モード設定部32が、その判定結果が車両内であると判定した場合、処理はステップS53に進む。
【0070】
ステップS53において、モード設定部32は、自動通報モードに設定する。すなわち、
図4の左上に示されるように、携帯機11が車両内にある場合、携帯端末12は自動通報モードに設定される。このとき、携帯機11と携帯端末12との間の通信距離は短い距離に限定されるため、携帯端末12も車両内にある可能性が高い。
【0071】
その後、処理はステップS55に進む。
【0072】
一方、ステップS52において、判定結果が車両外であると判定された場合、処理はステップS54に進む。
【0073】
ステップS54において、モード設定部32は、通常モードに設定する。すなわち、
図4の左下に示されるように、携帯機11が車両外にある場合、携帯端末12は通常モードに設定される。このとき、携帯機11と携帯端末12との間の通信距離は短い距離に限定されるため、携帯端末12も車両外にある可能性が高い。
【0074】
その後、処理はステップS55に進む。
【0075】
一方、ステップS51において、携帯機11からの内外判定の判定結果が通知されていないと判定された場合、ステップS52乃至S54の処理はスキップされ、処理はステップS55に進む。
【0076】
ステップS55において、通報部34は、所定の強度以上の衝撃を検出したか否かを判定する。具体的には、通報部34は、衝撃検出部33から供給されるセンサデータに示される強度が所定の閾値以上である場合、所定の強度以上の衝撃を検出したと判定し、処理はステップS56に進む。
【0077】
なお、この閾値は、車両2の事故の発生を検出するのに適した値に設定される。例えば、この閾値は、車両2内で携帯端末12が落下したときに携帯端末12に加わると想定される衝撃の強度より大きく、車両2に事故が発生したときに携帯端末12に加わると想定される衝撃の強度より小さい値に設定される。また、この閾値は、固定値としてもよいし、ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0078】
ステップS56において、通報部34は、自動通報モードに設定されているか否かを判定する。具体的には、衝撃検出部33は、所定の強度以上の衝撃を検出したことを通報部34に通知する。そして、通報部34が自動通報モードに設定されていると判定した場合、処理はステップS57に進む。
【0079】
ステップS57において、通報部34は、自動通報を行う。具体的には、通報部34は、移動体通信網を介して、車両2に事故が発生したおそれがあることを自動的にセンタ3に通報する。すなわち、
図4の左上に示されるように、携帯機11が車両内にあり、携帯端末12が自動通報モードに設定されている場合に、携帯端末12において所定の強度以上の衝撃が検出されたとき、自動的に携帯端末12からセンタ3への通報が行われる。
【0080】
なお、このとき、通報を行うとともに、携帯端末12が取得又は保持している車両2の位置情報や、車両2の状態を示す画像データ等をセンタ2に送信するようにしてもよい。
【0081】
その後、処理はステップS51に戻り、ステップS51以降の処理が実行される。
【0082】
一方、ステップS56において、通常モードに設定されていると判定された場合、自動通報は行われずに、処理はステップS51に戻る。すなわち、
図4の左下に示されるように、携帯機11が車両外にあり、携帯端末12が通常モードに設定されている場合に、携帯端末12において所定の強度以上の衝撃が検出されても、携帯端末12からセンタ3への通報は自動的には行われない。
【0083】
その後、処理はステップS51に戻り、ステップS51以降の処理が実行される。
【0084】
また、ステップS55において、所定の強度以上の衝撃を検出していないと判定された場合、処理はステップS51に戻る。その後、ステップS51以降の処理が実行される。
【0085】
以上のようにして、車両内で携帯端末12に所定の強度以上の衝撃が加わったときに自動通報を行い、車両外で携帯端末12に所定の強度以上の衝撃が加わっても自動通報を行わないようにすることができる。従って、車両2に事故が発生した場合、確実にセンタ3への通報が行われるとともに、事故が発生していない場合の誤報を防止することができ、自動通報の精度が向上する。
【0086】
また、ユーザが特に操作をしなくても、携帯機11の内外判定の判定結果に基づいて自動通報モードと通常モードが自動で切り替わるため、ユーザの利便性が向上する。また、ユーザが自動通報モードの設定をし忘れて、事故発生時に自動通報が行われなくなることを防止することができる。
【0087】
次に、
図5のフローチャートを参照して、携帯機11の処理の第2の実施の形態について説明する。
【0088】
ステップS101において、
図2のステップS1の処理と同様に、内外判定の判定結果を新たに取得したか否かが判定される。内外判定の判定結果を新たに取得したと判定された場合、処理はステップS102に進む。
【0089】
ステップS102において、内外判定部21は、判定結果が変化したか否かを判定する。具体的には、内外判定部21は、前回の判定結果が車両内であり、今回の判定結果が車両外である場合、又は、前回の判定結果が車両外であり、今回の判定結果が車両内である場合、判定結果が変化したと判定し、処理はステップS103に進む。
【0090】
なお、誤判定を防ぐために、例えば、判定結果が変化した後、所定の回数同じ判定結果が継続した場合に、判定結果が変化したと判定するようにしてもよい。また、判定結果が変化していなくても、定期的に携帯端末12へ現在の内外判定の情報を送信するようにしてもよい。
【0091】
ステップS103において、
図2のステップS2の処理と同様に、判定結果が携帯端末12に送信される。
【0092】
その後、処理はステップS101に戻り、ステップS101以降の処理が実行される。
【0093】
一方、ステップS102において、判定結果が変化していないと判定された場合、判定結果が携帯端末12に送信されずに、処理はステップS101に戻り、ステップS101以降の処理が実行される。
【0094】
このようにして、携帯機11と携帯端末12との間の通信回数を削減することができ、携帯機11及び携帯端末12の消費電力を削減することができる。
【0095】
<2.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0096】
例えば、自動通報モードから通常モードへの変更は、通常モードから自動通報モードへの変更と比較して、正確性や即時性の要求が低い。従って、例えば、
図2の携帯機11の処理において、判定結果が車両外である状態が継続している場合、携帯機11から所定の回数だけ判定結果を送信した後、送信を停止したり、送信する頻度を下げるようにしてもよい。
【0097】
また、例えば、携帯端末12の近距離通信機能を用いて、車両2と携帯端末12の間で内外判定を行うようにすることも可能である。ただし、車両2に専用で用いられる携帯機11を用いた方が、内外判定の精度が高くなることが想定される。
【0098】
さらに、例えば、
図1に示される携帯機11と携帯端末12の機能をいずれか一方に統合することにより、内外判定の情報の取得及びセンタ3への通報を1台の携帯機又は携帯端末が単独で行うようにしてもよい。
【0099】
図6は、
図1に示される携帯機11と携帯端末12の機能を統合した携帯端末111(又は携帯機111)を用いた通報システム101の構成例を示している。なお、以下、携帯機11の機能を携帯端末側に搭載した携帯端末111について説明するが、携帯端末12の機能を携帯機側に搭載した携帯機111も同様の処理を行う。また、図中、
図1と対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
【0100】
携帯端末111は、衝撃検出部33及び通報部34の他に、車両2と通信を行う通信部121、通信した情報に基づいて自身(携帯端末111)が車両内又は車両外のいずれにあるかの内外判定の結果を記憶する内外判定結果記憶部122を備えている。
【0101】
なお、内外判定は車両2で行なってもよいし、携帯端末111で行なってもよい。前者の場合、例えば、通信部121は、車両2から内外判定の情報を受信し、内外判定結果記憶部122が受信した情報を記憶する。一方、後者の場合、通信部121又は内外判定結果記憶部122が、車両2との間の通信状態等に基づいて内外判定を行い、内外判定結果記憶部122が、得られた内外判定の情報を記憶する。
【0102】
また、例えば、
図7の通報システム151のように、携帯機161と携帯端末162との間の通信を有線通信にすることも可能である。なお、図中、
図1及び
図6と対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
【0103】
携帯機161は、例えば、所定のケーブル等を用いて携帯端末162に接続したり、携帯端末162の接続端子(例えば、充電器やイヤホンの接続端子)等に差し込んで携帯端末162と一体化したりすることができる。そして、携帯機161の内外判定部21は、内外判定の判定結果を、有線通信により携帯端末162の内外判定結果記憶部122に供給し、記憶させる。
【0104】
また、携帯端末12とセンタ3との間の通信は、基地局を経由した移動体通信以外にも、例えば、WiFi等により無線ルータ等を経由してインターネット等のネットワークを介した通信を用いることも可能である。
【0105】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0106】
また、コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディアに記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、CAN(Controller Area Network)、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0107】
その他、プログラムは、例えば、ROMや記憶部に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0108】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0109】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0110】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0111】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0112】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。