【実施例1】
【0009】
図1〜
図6には本発明に係る男性用尿取りパッドの第1実施例が示されている。
図3に示されるように、本発明に係る男性用尿取りパッド10は内側表面シート12と、外側表面シート14と、前記内側表面シート12と前記外側表面シート14の間に配設される吸液性コア16によって一体形成されている。
前記内側表面シート12は公知の薄い透液性素材で形成され、尿等の液体を通過させることができるようになっている。これに対し、前記外側表面シート14は公知の薄い非透液性素材で形成され、尿等の液体を通過させないようになっている。また、前記吸液性コア16は公知の吸液性素材で形成され、前記内側表面シート12を通過して浸入してきた尿等の液体を吸収して長時間保液することができるようになっている。なお、前記吸液性コア16は後述する折返部の部分が肉厚になるように配設されている。
前記男性用尿取りパッド10の第1立上面体20と第2立上面体22は折返部24を介して連続形成される。この第2立上面体22は上部に行くに従い第1立上面体20と離間方向に傾斜して形成されている。また、前記第2立上面体22は第1立上面体20よりも長く(図面上下方向に長く)形成されている。
前記第2立上面体22の上部は折返カバー部26とされている。この折返カバー部26の先端部には陰茎部1(
図6に想像線で示す)が入って係止される陰茎部係止切欠28が形成されている。
図1及び
図2に示されるように、前記第1立上面体20と前記第2立上面体22の一側には第1側面体30が形成されている。この第1側面体30の上部には連続して第1側面フラップ31が形成されている。
また、前記第1立上面体20と前記第2立上面体22の他側には第2側面体32が形成されている。この第2側面体32の上部には連続して第2側面フラップ33が形成されている。
なお、第1側面体30、第1側面体フラップ31、第2側面体32、第2側面体フラップ33の厚み方向中間部には上下方向に向かって折線34(
図4に第2側面体32、第2側面フラップ体33に形成された折線34のみを示し、第1側面体30、第1側面体フラップ31に形成された折線34は省略する)が形成されている。第1側面体30、第1側面体フラップ31、第2側面体32、第2側面体フラップ33に折線34を形成することにより、第1側面体30、第1側面体フラップ31、第2側面体32、第2側面体フラップ33を折り曲げて男性用尿取りパッド10の厚み寸法(
図4矢印方向)を小さくできる。このため、男性用尿取りパッド10を携帯する場合に男性用尿取りパッド10をコンパクトにすることができる。
図3に示されるように、前記第1立上面体20と前記第2立上面体22と第1側面体30と前記第2側面体32に囲まれて陰茎部収容ポケット35が形成されている。また、前記第2立上面体22は上部に行くに従い第1立上面体20と離間方向に傾斜して形成されているので陰茎部収容ポケット35の容量が大きくなりると共にポケット開口部35Aが広くなっている。
図1に示されるように、前記第1立上面部20の上部の外側表面シート14の外側面には矩形状に粘着剤が塗布されて形成された第1立上面体対応粘着部36Aが形成されている。また、
図2に示されるように、前記第2立上面体22の中間部の外側表面シート14の外側面にも矩形状に粘着剤が塗布されて形成された第2立上面体対応粘着部36Bが形成されている。
図1に示されるように前記第1立上面体対応粘着部36Aには矩形状の第1立上面体対応剥離紙38Aが貼付され、
図2に示されるように前記第2立上面体対応粘着部36Bにも矩形状の第2立上面体対応剥離紙38Bが貼付され、第1立上面体対応粘着部36A及び第2立上面体対応粘着部36Bが不用意に粘着しないようになっている。
図1に示されるように、前記第1立上面体20には男性器の陰茎部1(
図6参照)を挿入する陰茎部挿入部40が形成されている。この陰茎部挿入部40は小孔41と、この小孔41に中心にして放射状に形成された8本のスリット42から構成されている。これらスリット42を8本貫通形成することにより、第1立上面体20にはスリット片42Aが8片形成されている。
従って、
図6に示されるように、陰茎部1を陰茎部挿入部40に挿入するとスリット片42Aが陰茎部1の側部に当接するようになっている。
【0010】
次に第1実施例の男性用尿取りパッド10の作用を説明する。
前立腺や膀胱の病気の影響で些細な拍子で尿失禁してしまう男性が男性用尿取りパッド10を使用する場合を例にして作用を説明する。
この男性用尿取りパッド10をトランクス型の下着2に取り付ける場合は下着2を穿いてから一旦、下着2の前身頃3を下にずらす。次に、男性用尿取りパッド10を持ち、男性器の陰茎部1を男性用尿取りパッド10の陰茎部挿入部40に挿入する。陰茎部1を陰茎部挿入部40に挿入すると
図6に示されるようにスリット片42Aが陰茎部1に従って陰茎部収容ポケット35方向に折り曲がった後に陰茎部1の側面に当接するので陰茎部1が陰茎部収容ポケット35から簡単に抜け出るのを防ぐと共に尿失禁した場合に尿の逆流を防ぐことができる。
そして、第1第1側面体フラップ31と第2側面体フラップ33を折り曲げてポケット開口部35Aを覆う。また、折返カバー部26を折り曲げて折返カバー部26を第1立上面体20と第1第1側面体フラップ31,第2側面体フラップ33の間に差し込み、折返カバー部26の先端部に形成されている陰茎部係止切欠28に陰茎部1の陰茎亀頭1Aの後方括れ部1Bに入れる。
そして、男性用尿取りパッド10の位置決めを調節して、下にずらしていた前身頃3を上に持ち上げると共に第2立上面体22の第2立上面体対応剥離紙38Bを剥がし、第2立上面体対応粘着部36Bを
図5に示す下着2の前身頃3の内側面に貼付する。
これにより、下着2の前身頃3の最適な位置に男性用尿取りパッド10を簡単かつ迅速に安定して取り付けることができる。
男性用尿取りパッド10の第2立上面体22は傾斜して形成されて奥行きがあるので、陰茎亀頭1Aの先端面が第2立上面体22に当たって尿道口が圧迫されるのを防げるため、尿失禁時に排尿し易い。また、第2立上面体22を傾斜して形成したことにより、陰茎部収容ポケット35が広くなるため手を入れ易く、これにより陰茎部収容ポケット35に手を入れて陰茎部1を摘んで陰茎部挿入部40から陰茎部収容ポケット35にスムーズに導くことができる。
また、本発明の男性用尿取りパッド10は第1第1側面体フラップ31と第2側面体フラップ33と折返カバー部26がポケット開口部35Aを覆うため、失禁した場合に尿が陰茎部収容ポケット35の内側表面シート12に勢いよく当たってはねても男性用尿取りパッド10から尿が飛び散ったり漏れたりすることをより確実に防止できる。
なお、尿失禁した尿は陰茎部収容ポケット35にプールされてから速やかに内側表面シート12を通して吸液性コア16に吸収される。
この結果、本発明の男性用尿取りパッド10を使用していれば失禁して下着やズボンを濡らしたり汚したりすることを防止できる。
しかも、上述したように第1第1側面体フラップ31と第2側面体フラップ33がポケット開口部35Aを覆い、その上から折返カバー部26がポケット開口部35Aの上面を覆う状態になるので、男性用尿取りパッド10の使用者が横になっている時に尿失禁して下着やズボンを濡らしたり汚したりすることを防止できる。
なお、本発明の男性用尿取りパッド10を着用している時に小便をしたくなった場合は陰茎部係止切欠28から陰茎部1を外して、陰茎部挿入部40から陰茎部1抜く。そして、下着2の前身頃3の内側面に貼付されている第2立上面体対応粘着部36Bを中心として男性用尿取りパッド10を折り曲げ持ち上げて陰茎部1を下着2に形成されている陰茎部突出部4を介して突出させることにより小便をすることができるので、男性用尿取りパッド10を使用していても不便を感じることはない。
【0011】
図7には第2実施例の男性用尿取りパッド50が示されている。なお、第1実施例の男性用尿取りパッド10と同一の構成は同一の符号を用いて、その説明を省略する。
第2実施例の男性用尿取りパッド50は、第1側面体30の上部に第1側面体フラップ31が形成されおらず、第2側面体32の上部にも第2側面体フラップ33は形成されていない。従って、第1実施例の男性用尿取りパッド10に比べてコンパクトに製造することができる。
なお、他の構成及び作用、効果は第1実施例の男性用尿取りパッド10と同一であるので、その説明は省略する。
【0012】
なお、上記実施例では第1立上面体対応粘着部36Aを使用しなかったが、例えば本出願人が出願した特許願「男性器収容仕切ポケット内設型男性器ホールド下着」(特願2013−135772)のように下着本体の前身頃の内側に仕切布が設けられているタイプの下着においては本発明の男性用尿取りパッド10を男性器収容仕切ポケット内設型男性器ホールド下着の男性器収容仕切ポケットに収容し、第1立上面体対応粘着部36Aを男性器収容仕切ポケット内設型男性器ホールド下着の仕切布に貼付し、第2立上面体対応粘着部36Bを男性器収容仕切ポケット内設型男性器ホールド下着の前身頃に貼付することより男性用尿取りパッド10を男性器収容仕切ポケット内設型男性器ホールド下着に確実かつ安定して取り付けることができる。
【0013】
なお、本願発明の男性用尿取りパッド10,50にはポケット状の陰茎部収容ポケット35が形成されているので、陰茎部収容ポケット35に市販の尿取りパッドを収容しておいて尿取りパッドで尿の一部を吸液するようにしてもよい。
しかも、前記第2立上面体22は上部に行くに従い第1立上面体20と離間方向に傾斜して陰茎部収容ポケット35のポケット開口部35Aは広くなっているので、市販の尿取りパッドを陰茎部収容ポケット35に収容し易くなっている。
【0014】
なお、実施例では陰茎部挿入部40を小孔41と、この小孔41に放射状に形成された8本のスリット42から形成したが、前記陰茎部挿入部40の構造は実施例の構造に限定されるものでなく、例えば円形状の貫通孔等でもよいことは勿論である。
また、実施例では第1立上面体対応粘着部36Aと第2立上面体対応粘着部36Bを矩形状に形成したが、第1立上面体対応粘着部36A、第2立上面体対応粘着部36Bの形状は実施例の形状に限定されるものでないことは勿論である。
なお、男性用尿取りパッド10,50を下着2に取り付ける手順は実施例に示した手順に限定されるものでないことは勿論である。
また、実施例では男性用尿取りパッド10,50をトランクス型の下着2に取り付けて使用する場合を説明したが、男性用尿取りパッド10,50はトランクス型の下着2に限定されるものでなく、ブリーフ型や他の型の下着に使用してもよいことは勿論である。