(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
上で論じられたように、第1の態様において、本発明は、少なくとも、エチレン、ならびに、「共重合端部」および「連鎖移動端部」を含む「モノマー連鎖移動剤(モノマーCTA)」、から生成されるエチレン系ポリマーを提供する。
【0016】
本発明は、また、第2の態様において、
【0017】
【化2】
から選択される少なくとも1種の構造単位を含むエチレン系ポリマーを提供し、式中、R1は、HまたはCH3から選択される。
ここで、表示
【0018】
【化3】
は、構造単位の表示された部分とポリマーの残りの化学構造の部分との間の共有結合の中央での切断を表す。
【0019】
以下の実施形態は、特に断らない限り、本発明の第1および第2の態様に当てはまる。
【0020】
一実施形態において、第1の態様において、「モノマー連鎖移動剤」は、「非共役ジ不飽和モノマー」ではない。
【0021】
一実施形態において、本発明のエチレン系ポリマーは、反応した状態で、ポリマーの重量に基づいて、1000モルのエチレン系ポリマー骨格炭素当たり少なくとも0.075モルのモノマーCTAを含む。
【0022】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、反応した状態で、ポリマーの重量に対して、1000モルのエチレン系ポリマー骨格炭素当たり、10モル以下のモノマーCTAを含む。
【0023】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、反応した状態で、ポリマーの重量に対して、1000モルのエチレン系ポリマー骨格炭素当たり、5モル以下のモノマーCTAを含む。
【0024】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、反応した状態で、ポリマーの重量に対して、少なくとも0.03wt%のモノマーCTAを含む。
【0025】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、次の式:
【0026】
【数1】
に従う溶融強度[MS](cN)およびメルトインデックスI2(g/10min)を有する。
【0027】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、10s
−1から1.0s
−1のヘンキー歪み速度、および150℃で、3を超える歪み硬化係数(strain hardening factor)(SHF)を有する。SHFは、同じ測定時間、および同じ温度での、伸長粘度と、剪断粘度の3倍との比である。「測定時間」は、「3」と「伸長粘度測定において加えられるヘンキー歪み速度」との比として定義される。例えば、測定時間は、10s
−1の歪み速度では0.3秒、1s
−1の歪み速度では3.0秒、また0.1s
−1の歪み速度では30秒である。
【0028】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.01から1000、典型的には0.05から100、より典型的には0.1から50グラム/10分間(g/10min)のメルトインデックス(I2)を有する。
【0029】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.3から100g/10min、または1から50g/10min、または2から20g/10minのメルトインデックス(I
2)を有する。
【0030】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.91以上、または0.92以上、または0.93グラム/立方センチメートル(g/cc、またはg/cm
3)以上の密度を有する。
【0031】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.96以下、または0.95以下、または0.94グラム/立方センチメートル(g/cc、またはg/cm
3)以下の密度を有する。
【0032】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.91から0.96、または0.91から0.95、または0.91から0.94g/ccの密度を有する。
【0033】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、10wt%未満、好ましくは8wt%未満の不溶物含有量を有する。不溶物含有量は、本明細書において論じられる高温ゲル浸透クロマトグラフィー(HT GPC)によって求められる。
【0034】
一実施形態において、第2の態様において、[−S−]は、下記から選択される。
【0036】
各「[−S−]」の構造で、それぞれの構造の結合していない2本の線の端は、ポリマーの残りの化学構造に連結される2つの結合を表す。
【0037】
一実施形態において、第2の態様において、[−S−]は、下記から選択される。
【0039】
一実施形態において、第2の態様において、少なくとも1種の構造単位は、下記である。
【0041】
【化7】
は、構造単位の表示された部分とポリマーの残りの化学構造の部分との間の共有結合の中央での切断を表す。
【0042】
本発明は、また、本明細書に記載の本発明のエチレン系ポリマーを含む組成物を提供する。
【0043】
一実施形態において、前記組成物は、0.94g/cc以下の密度を有するエチレン/α−オレフィンインターポリマーをさらに含む。
【0044】
本発明は、また、本発明の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。
【0045】
一実施形態において、前記物品はフィルムまたはコーティングである。
【0046】
一実施形態において、物品はフィルムである。
【0047】
一実施形態において、物品はコーティングである。
【0048】
本発明のエチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0049】
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0050】
本発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0051】
本発明は、また、本明細書に記載の本発明のエチレン系ポリマーの生成方法も提供し、この方法は、モノマー連鎖移動剤(モノマーCTA)の存在下に、エチレンを重合することを含む。
【0052】
一実施形態において、エチレンは、少なくとも50モルppm(反応フィードにおける全モノマーの量に対して)のモノマー連鎖移動剤(モノマーCTA)の存在下に重合される。
【0053】
一実施形態において、重合圧力は100MPa以上である。
【0054】
一実施形態において、重合は、少なくとも1つの管式反応器、または少なくとも1つのオートクレーブにおいて行われる。
【0055】
一実施形態において、重合は、少なくとも1つのオートクレーブにおいて行われる。
【0056】
一実施形態において、重合は、少なくとも1つの管式反応器において行われる。
【0057】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、重合に添加されるエチレンとモノマーCTAの全モル数に対して、0.0050から0.3000モルパーセントの量で重合に加えられる。さらなる実施形態において、重合は、2つの反応器において行われる。別の実施形態において、重合は1つの反応器において行われる。
【0058】
本発明の方法は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0059】
本発明のエチレン系ポリマーが見出され、それらは、少なくとも、エチレンおよびモノマー連鎖移動剤、から製造される。モノマー連鎖移動剤は、好ましくは、分子の1つの端部に炭素−炭素二重結合を、また他の端部に反応性連鎖移動の可能な化学官能基を有する。例えば、本発明のポリマーは、エチレンを、2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル(イソブチルアルデヒドアクリレート(IBAA)としても知られている)の存在下に重合することによって製造された。本発明のポリマーは、従来のLDPEに比べて向上した(より大きい)溶融強度を有する。本発明のポリマーは、他のポリマー、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とブレンドできて、従来のLDPE/LLDPEブレンドに比べて優れた溶融強度およびレオロジーを有するブレンドを生成することもまた見出された。向上したレオロジー特性により、本発明のポリマーおよびそれらのブレンドは、押出コーティングまたはインフレーション(blown)フィルムの用途に極めて適したものとなる。本発明のポリマーは、少ない量の不溶分を含むこともまた見出された。
【0060】
方法
高度に分岐したエチレン系ポリマーを生成するために、高圧、フリーラジカル開始重合法が、通常、用いられる。高圧フリーラジカル開始重合法の2つの異なるタイプが知られている。第1のタイプでは、1つまたは複数の反応ゾーンを有する撹拌式オートクレーブ容器が用いられる。通常、オートクレーブ反応器は、開始剤もしくはモノマーのフィード、または両方のためのいくつかの注入ポイントを有する。第2のタイプでは、ジャケット付きの管が反応器として用いられ、これは、1つまたは複数の反応ゾーンを有する。限定ではないが、適切な反応器の長さは、100から3000メートル(m)、または1000から2000メートルであり得る。通常、いずれの反応器のタイプでも、反応ゾーンの始まりは、いずれかの反応開始剤、エチレン、連鎖移動剤(または、テロマー)、コモノマー、さらには、これらの任意の組合せの側面注入によって定まる。高圧プロセスは、1つまたは複数の反応ゾーンを有するオートクレーブもしくは管式反応器において、または、各々が1つまたは複数の反応ゾーンを備えるオートクレーブと管式反応器の組合せで実施できる。
【0061】
一実施形態において、開始剤は、フリーラジカル重合が誘発されようとする反応ゾーンの前に注入される。
【0062】
多くの場合、通常の連鎖移動剤は、分子量を制御するために用いられる。好ましい実施形態において、1種または複数の通常の連鎖移動剤(CTA)が、本発明の重合法に添加される。使用され得る通常のCTAには、これらに限らないが、プロピレン、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、プロピオンアルデヒド、ISOPAR(ExxonMobil Chemical Co.)、およびイソプロパノールが含まれる。一実施形態において、本発明の方法に用いられるCTAの量は、全反応混合物の0.03から10重量パーセントである。
【0063】
一実施形態において、本発明の方法は、転化効率を向上させるために、プロセスリサイクルループを含み得る。
【0064】
エチレン系ポリマーの製造に用いられるエチレンは、精製されたエチレンであり得るが、これは、ループサイクル流から極性成分を除去することによって、または、本発明のポリマーを製造するために新鮮なエチレンだけが用いられるような反応系の配置構成を用いることによって、得られる。エチレン系ポリマーを製造するために、精製されたエチレンが必要とされることは、典型的なことではない。このような場合、リサイクルループからのエチレンが使用され得る。
【0065】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン、および1種または複数のコモノマー、好ましくは1種のコモノマーを含む。コモノマーには、これらに限らないが、α−オレフィン、アクリレート、メタクリレートおよび無水物が含まれ、各々は、通常、20個以下の炭素原子を有する。α−オレフィンコモノマーは、3から10個の炭素原子を有し得る、または、代わりに、α−オレフィンコモノマーは、3から8個の炭素原子を有し得る。例示的なα−オレフィンコモノマーには、これらに限らないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。
【0066】
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレンおよび少なくとも1種のモノマーCTAだけを、モノマー単位として含む。
【0067】
モノマー連鎖移動剤
モノマーCTA(mCTA)はコモノマーであって、このコモノマーの1つの端部が、共重合によって組み込まれ(または、反応し)、コモノマーの別の部分は、連鎖移動によって組み込まれる(または、反応する)。
【0068】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「共重合端部」は、
【化8】
[式中、R1は、H、CH3、CH2CH3、CN、またはCOCH3から選択される];
【0069】
【化9】
[式中、R2は、H、CH3、CH2CH3、CN、またはCOCH3から選択される];
【0070】
【化10】
[式中、R3は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0071】
【化11】
[式中、R4は、H、CH3、CH2CH3、CN、またはCOCH3から選択され、R5は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、またはCOCH3から選択される];
【0072】
【化12】
[式中、R6、R7、R8は、それぞれ独立に、H、CH3、またはCH2CH3から選択される];
【0073】
【化13】
[式中、R9、R10、R11は、それぞれ独立に、H、CH3、またはCH2CH3から選択される];
【0074】
【化14】
[式中、R12、R13は、それぞれ独立に、H、CH3、CH2CH3、またはフェニルから選択される];
【0075】
【化15】
[式中、R14は、H、CH3、CH2CH3、またはCNから選択される];
【0076】
【化16】
[式中、R15は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];および
【0077】
【化17】
[式中、R16は、H、CH3、CN、またはCOCH3から選択される]
からなる群から選択される。
【0078】
上のaからjまでの構造において、表示
【0079】
【化18】
は、モノマー連鎖移動剤の「モノマー残基(共重合端部)」とモノマー連鎖移動剤の残りの化学構造との間の共有結合の中央での切断を表す。
【0080】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「共重合端部」は、上に示されるaからiまでの構造からなる群から選択される。
【0081】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「共重合端部」は、上に示されるaからgまでの構造からなる群から選択される。
【0082】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「共重合端部」は、上に示されるaからdまでの構造からなる群から選択される。
【0083】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「連鎖移動端部」は、
【0084】
【化19】
[式中、R1は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、CN、フェニル、COCH3、Cl、Br、またはIから選択される];
【0085】
【化20】
[式中、R2、R3は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、CN、フェニル、またはCOCH3から選択される];
【0086】
【化21】
[式中、nは1から6である];
【0087】
【化22】
[式中、R4は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、Cl、Br、またはIから選択される];
【0088】
【化23】
[式中、R5は、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0089】
【化24】
[式中、R6は、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0090】
【化25】
[式中、R7、R8は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、Cl、Br、またはIから選択され;Xは、F,Cl、Br、またはIから選択される];
【0091】
【化26】
[式中、Xは、Cl、Br、またはIから選択され;nは、1から6である];
【0092】
【化27】
[式中、R9、R10は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、CN、フェニル、またはCOCH3から選択され;Xは、Cl、Br、またはIから選択される];
【0093】
【化28】
[式中、Xは、Cl、Br、またはIから選択され;nは、1から6である];
【0094】
【化29】
[式中、R11、R12は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、CN、フェニル、またはCOCH3から選択される];
【0095】
【化30】
[式中、nは、1から6である];
【0096】
【化31】
[式中、R13は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R14は、H、C1〜C22アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルから選択され;Zは、NまたはPから選択される];
【0097】
【化32】
[式中、R15は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R16は、H、C1〜C22アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルから選択され;Zは、NまたはPから選択され;nは、1から6である];
【0098】
【化33】
[式中、R17は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;Zは、NまたはPから選択され;nは、1から6である];
【0099】
【化34】
[式中、R18、R19、R20、R21、R22は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルから選択され;Zは、NまたはPから選択され;nは、1から6である];および
【0100】
【化35】
[式中、R23は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、フェニルから選択され;R24は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、CN、フェニル、COCH3、Cl、Br、またはIから選択される]
からなる群から選択される。
【0102】
【化36】
は、モノマー連鎖移動剤の「連鎖移動端部」とモノマー連鎖移動剤の残りの化学構造との間の共有結合の中央での切断を表す。
【0103】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「連鎖移動端部」は、上に示される1から16の構造からなる群から選択される。
【0104】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「連鎖移動端部」は、上に示される1から10の構造からなる群から選択される。
【0105】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤の「連鎖移動端部」は、上に示される1から4の構造からなる群から選択される。
【0106】
モノマー連鎖移動剤は、本明細書に開示の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0107】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤(モノマーCTA)は、
【0108】
【化37】
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;Xは、CN、F、Cl、BrまたはIから選択される];
【0109】
【化38】
[式中、R4は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R5は、H、C1〜C18アルキル、C1〜C18カルボキシエステル、C7芳香族エステル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、またはベンジルから選択され;Xは、CN、F、Cl、Br、またはIから選択される];
【0110】
【化39】
[式中、R6、R7は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0111】
【化40】
[式中、R8は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R9、R10、R11、R12は、それぞれ独立に、HまたはCH3から選択される];
【0112】
【化41】
[式中、R13、R14、R15は、それぞれ独立に、H、またはCH3から選択される];
【0113】
【化42】
[式中、R16、R17、R18は、それぞれ独立に、H、またはCH3から選択される];
【0114】
【化43】
[式中、R19は、H、またはCH3から選択される];
【0115】
【化44】
[式中、R20は、H、またはCH3から選択される];
【0116】
【化45】
[式中、R21は、H、またはCH3から選択される];
【0117】
【化46】
[式中、R22は、H、またはCH3から選択され;R23、R24は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0118】
【化47】
[式中、R25は、H、またはCH3から選択され;R26、R27は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R28は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0119】
【化48】
[式中、R29は、H、またはCH3から選択され;R30は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択される];
【0120】
【化49】
[式中、R31は、H、またはCH3から選択され;R32は、H、C1〜C22アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;R33は、H、C1〜C22アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルから選択され;Zは、NまたはPから選択され;nは、1から17である];
【0121】
【化50】
[式中、R34は、H、またはCH3から選択され;R35、R36、R37、R38、R39は、それぞれ独立に、H、C1〜C22アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルから選択され;Zは、NまたはPから選択される];
【0122】
【化51】
[式中、R40、R41は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;Xは、CN、F、Cl、Br、またはIから選択される];および
【0123】
【化52】
[式中、R42、R43、R44、R45は、それぞれ独立に、H、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、またはフェニルから選択され;Xは、CN、F、Cl、Br、またはIから選択される]
からなる群から選択される。
【0124】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、上に示される構造AからOからなる群から選択される。
【0125】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、上に示される構造AからJからなる群から選択される。
【0126】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、上に示される構造AからFからなる群から選択される。
【0127】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、上に示される構造Dおよび構造Jからなる群から選択される。
【0128】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、下記からなる群から選択される。
【0130】
一実施形態において、モノマーCTAは、上に示されるi)からvii)、およびx)からなる群から選択される。
【0131】
一実施形態において、モノマーCTAは、上に示されるi)からiv)、vi)、viii)、ix)、およびx)からなる群から選択される。
【0132】
一実施形態において、モノマーCTAは、上に示されるi)からiv)、vi)、およびx)からなる群から選択される。
【0133】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、アクリレートまたはメタクリレートである。
【0134】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、アリルチオグリコレート、イソブチルアルデヒドアクリレート、アリルアセトアセテート、およびアリルシアノアセテート、からなる群から選択される。
【0135】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル;2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート;2−メチル−3−オキソプロピルメタクリレート;4−オキソブチルメタクリレート;2−(2−シアノ−N−メチルアセトアミド)エチルメタクリレート;2−(2−シアノアセトキシ)エチルメタクリレート;5−オキソペンチルアクリレート;および、3−(2−シアノアセトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、からなる群から選択される。さらなる実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル;2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート;2−メチル−3−オキソプロピルメタクリレート;4−オキソブチルメタクリレート;2−(2−シアノ−N−メチルアセトアミド)エチルメタクリレート;または、2−(2−シアノアセトキシ)エチルメタクリレートから選択される。
【0136】
一実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、IBAA(イソブチルアルデヒドアクリレート、または2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル);AAEM(2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート);4−オキソブチルメタクリレート;2−メチル−3−オキソプロピルメタクリレート、5−オキソペンチルアクリレート;および、3−(2−シアノアセトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、からなる群から選択される。さらなる実施形態において、モノマー連鎖移動剤は、IBAAまたはAAEMから選択される。
【0137】
好ましい実施形態において、モノマーCTAはジエンではない。ジエンのいくつかの例には、1,5−ヘキサジエン;1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、および、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンが含まれる。
【0138】
一実施形態において、モノマーCTAは、3.0から5.0ppmの化学シフトの
1H NMR信号を有する。
【0139】
一実施形態において、本発明のポリマーは、本明細書に開示の少なくとも2種のモノマー連鎖移動剤の存在下に重合される。
【0140】
モノマーCTAは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せを含んでいてもよい。
【0141】
開始剤
フリーラジカル開始剤が、通常、本発明のエチレン系ポリマーを製造するために用いられる。例示的な有機過酸化物には、これらに限らないが、環状過酸化物、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、およびペルオキシケタールが含まれる。好ましい開始剤は、t−ブチルペルオキシピバレート、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシアセテート、およびt−ブチルペルオキシ−2−ヘキサノエート、またはこれらの混合物である。一実施形態において、これらの有機ペルオキシ開始剤は、重合性モノマーの重量に対して、0.001から0.2重量パーセントの量で用いられる。
【0142】
添加剤
本発明の組成物は、1種または複数の添加剤を含み得る。添加剤には、これらに限らないが、安定剤、可塑剤、帯電防止剤、顔料、染料、核化剤、フィラー、スリップ剤、難燃剤、加工助剤、煙抑制剤(smoke inhibitor)、粘度調節剤、およびブロッキング防止剤が含まれる。ポリマー組成物は、本発明のポリマーの重量に対して、例えば、10パーセント未満の合計重量の1種または複数の添加剤を含み得る。
【0143】
一実施形態において、本発明のポリマーは、1種または複数の安定剤、例えば、酸化防止剤(例えば、IRGANOX 1010、IRGANOX 1076、およびIRGAFOS 168(Ciba Specialty Chemicals;Glattbrugg、スイス))により処理される。通常、ポリマーは、押出または他の溶融プロセスの前に、1種または複数の安定剤により処理される。
【0144】
本発明のポリマーと他のポリマーのブレンドおよび混合物が、実現され得る。本発明のポリマーとのブレンドに適するポリマーには、天然および合成のポリマーが含まれる。ブレンドのための例示的なポリマーには、ポリプロピレン(耐衝撃性(impact modifying)ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、およびランダムエチレン/プロピレンコポリマーのいずれも)、様々なタイプのポリエチレン[高圧、フリーラジカルLDPE、チーグラー−ナッタLLDPE、「シングルサイト触媒による」PE(複数反応器PE(チーグラー−ナッタPEと「シングルサイト触媒による」PEの「反応器内」ブレンド、例えば、USP6,545,088(Kolthammer他);USP6,538,070(Cardwell他);USP6,566,446(Parikh他);USP5,844,045(Kolthammer他);USP5,869,575(Kolthammer他);および、USP6,448,341(Kolthammer他)に開示されている生成物)が含まれる)が含まれる]、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、およびこれらの水素添加誘導体(SBSおよびSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタンが含まれる。
【0145】
用途
本発明のポリマーは、単層および多層フィルム;成形物品、例えば、ブロー成形、射出成形、または回転成形による物品;コーティング;繊維;および織布または不織布を含めて、有用な物品を製造するための様々な通常の熱可塑性樹脂加工プロセスに用いられ得る。
【0146】
本発明のポリマーは、これらに限らないが、透明シュリンクフィルム、コレーション(collation)シュリンクフィルム、キャストストレッチフィルム、サイレージフィルム、ストレッチフード、シーラント、およびオムツ裏シートを含めて、様々なフィルムに使用され得る。
【0147】
他の適切な用途には、これらに限らないが、ワイヤおよびケーブル、ガスケットおよび異形物品(profile)、接着剤;履物部材、および自動車内装パーツが含まれる。
【0148】
定義
本明細書で用いられる場合、用語「非共役ジ不飽和モノマー」は、その構造のどこかに、好ましくは分子の末端に、2つの非共役炭素−炭素結合を有する分子を表す。
【0149】
本明細書で用いられる場合、用語「組成物」は、その組成物を構成する材料の混合物、さらには、その組成物の材料から生成される反応生成物および分解生成物を含む。
【0150】
用いられる場合、用語「ブレンド」、または「ポリマーブレンド」は、2種以上のポリマーの混合物を表す。ブレンドは、混和性であっても(分子レベルで相分離していない)、そうでなくてもよい。ブレンドは、相分離していることも、していないこともある。ブレンドは、透過電子顕微鏡、光散乱、x線散乱、および当技術分野において知られている他の方法により特定される、1種または複数のドメイン構造を、含むことも、含まないこともある。ブレンドは、マクロレベル(例えば、樹脂の溶融ブレンド、またはコンパウンディング)で、またはミクロレベル(例えば、同一の反応器内での同時生成)で、2種以上のポリマーを物理的に混合することによって、生成され得る。
【0151】
用語「ポリマー」は、同じか異なる種類かに関わらず、モノマーを重合することによって調製される化合物を表す。こうして、包括的用語であるポリマーは、ホモポリマーという用語(これは、痕跡量の不純物がポリマー構造内に組み込まれ得るという了解の下で、1種だけのモノマーから調製されるポリマーを表す)、および下で定義される用語「インターポリマー」を包含する。
【0152】
用語「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーを表す。包括的用語であるインターポリマーは、コポリマー(これは、2種の異なるモノマーから調製されるポリマーを表す)、および3種以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0153】
用語「エチレン系ポリマー」は、ポリマーの重量に対して、過半量の重合したエチレンを含むポリマーを表し、任意選択で、少なくとも1種のコモノマーを含んでいてもよい。
【0154】
用語「エチレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に対して、過半量の重合したエチレンを含むインターポリマーを表し、少なくとも1種のコモノマーを含む。
【0155】
用語「含む」、「有する」、およびそれらの派生語は、何らかの追加の構成要素、ステップまたは手順の存在も、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、排除しようとするものではない。如何なる疑問も避けるために言えば、用語「含む」の使用により主張される全ての組成物は、そうでないと断らなければ、何らかの追加の添加剤、アジュバント、または化合物(ポリマーであっても、そうでなくても)を含んでいてもよい。対照的に、用語「から本質的になる」は、実施にとって本質的でないものを除いて、後に続く何らかの列挙の範囲から、如何なる他の構成要素、ステップ、または手順も排除する。用語「からなる」は、具体的に記述または列挙されない如何なる構成要素、ステップ、または手順も排除する。
【0156】
試験方法
密度
密度を測定した試料は、ASTM D 1928に従って調製した。試料は、374°F(190℃)、30,000psiで3分間、次いで、70°F(21℃)、30,000psiで1分間、プレスした。密度測定は、試料のプレスから1時間以内に、ASTM D792、方法Bを用いて行った。
【0157】
メルトインデックス
メルトインデックス、またはI2は、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従って測定し、10分間当たりに流出するグラム数で報告した。I10を、ASTM D 1238、条件190℃/10kgに従って測定し、10分間当たりに流出するグラム数で報告した。
【0158】
溶融強度
溶融強度は、Goettfertのレオテンス(Rheotens)71.97(Goettfert Inc.; Rock Hill、サウスカロライナ州)を用い、190℃で測定した。溶融した試料(約25から50グラム)を、長さ30mm、直径2mmの平坦な入口角(180度)を備えるGoettfert Rheotester 2000キャピラリーレオメーターにより供給した。試料を、バレル(L=300mm、直径=12mm)に供給し、圧縮し、10分間放置して溶融させ、その後、0.265mm/sの一定のピストン速度(これは、所定のダイの直径で、38.2s
−1の壁面剪断速度に相当する)で押し出した。押出物は、ダイの出口の下100mmにあるレオテンスのホイールの間を通過し、それを、2.4mm/s
2の加速度で、ホイールによって下向きに引っ張った。ホイールに加わる力(cN)を、ホイールの速度(mm/s)の関数として記録した。試料は、ストランドの速度(mm/s)の関数としての力(cN)の2つの曲線が重なるまで、少なくとも2回繰り返し、さらにまた、ストランド破断時点での最大速度を有していた曲線を報告した。溶融強度は、ストランドが破断する前のプラトー域の力(cN)として報告した。
【0159】
伸長粘度
伸長粘度は、TA InstrumentsのARES型レオメーターに取り付けた、TA Instruments(New Castle、デラウェア州)の伸長粘度測定用具(extensional viscosity fixture、EVF)によって測定した。150℃で、10s
−1、1s
−1および0.1s
−1のヘンキー歪み速度での伸長粘度を測定した。試料板は、プログラム可能なTetrahedron MTP8型卓上プレスで調製した。プログラムは、180℃の3.8グラムの溶融物を、1×10
7Paの圧力に5分間保って、0.7mmから1.1mmの厚さを有する「75mm×50mm」の板を作った。次いで、板を含むテフロン(登録商標)被覆枠を、卓上に移して冷却した。次いで、試験体を、打抜きプレス、および「10×18mm(幅×長さ)」の寸法を有する手で持つダイを用い、板から打ち抜いた。試験体の厚さは、約0.7mmから約1.1mmの範囲であった。
【0160】
EVF測定用具を取り囲むレオメーターオーブンを、150℃の試験温度に設定し、試料板に接触する試験測定用具を、少なくとも60分間、この温度で平衡させた。次いで、試験測定用具を、試験ソフトウェアを用いることによって、「ゼロ化」して、互いに接触するまで測定用具を移動させた。次いで、試験測定用具を、0.5mmの設定間隔まで離れるように移動させた。それぞれの板の幅および厚さを、板上の異なる3箇所で、マイクロメータにより測定し、厚さおよび幅の平均値を、試験ソフトウェア(TA Orchestratorのバージョン7.2)に入力した。室温での試料の測定密度を、試験ソフトウェアに入力した。それぞれの試料に対して、「0.782g/cc」の値を、150℃での密度として入力した。これらの値は、試験温度での板の実際の寸法を計算できるように、試験ソフトウェアに入力される。ピンを用い、測定用具の2つのドラムの各々に、試料板を取り付けた。次に、オーブンを閉じ、150℃±0.5℃の温度で平衡状態になるようにした。温度がこの範囲に入るとすぐに、ストップウォッチを手で始動し、60秒後に、ソフトウェアの「試験開始」ボタンをクリックすることによって、自動試験を開始した。
【0161】
試験は、3つの自動化されたステップに分かれていた。第1ステップは、板を、0.005s
−1の非常に低い歪み速度で11秒間伸長する「予備伸長ステップ」であった。このステップの目的は、板に荷重を加えた時に導入される、板の反り(buckling)を少なくすること、および試料を室温より上に加熱した時の試料の熱膨張を補償することであった。このステップの次は、予備伸長ステップで導入された応力を最小限にするための、60秒間の「緩和ステップ」であった。第3ステップは、「測定ステップ」であり、ここで、板を、予め設定したヘンキー歪み速度で伸長した。第3ステップにおいて集められたデータは記憶され、次いで、マイクロソフトエクセルにエクスポートされ、そこで、生のデータは、本明細書で報告される歪み硬化係数(SHF)へと処理された。
【0162】
剪断粘度
剪断粘度測定のための試料調製
剪断粘度測定のために試験体を、プログラム可能なTetrahedron MTP8型卓上プレスで準備した。プログラムは、円柱状の型に、180℃の2.5グラムの溶融物を、1×10
7Paの圧力に5分間保って、30mmの直径および3.5mmの厚さを有する円柱状の片を作った。次いで、枠を卓上に移して、室温まで冷ました。次に、丸い試験体を、打抜きプレス、および25mmの直径を有する手で持つダイを用い、板から打ち抜いた。試験体は約3.5mmの厚さであった。
【0163】
剪断粘度測定
剪断粘度(Eta
*)は、窒素パージ下に、2.0mmの間隔の「25mmの平行板」を用い、150℃で、TA InstrumentsのARES型レオメーターにより実施した定常剪断開始測定により得た。定常剪断開始測定では、0.005s
−1の一定の剪断速度を、100秒間、試料に加えた。剪断粘度を、対数スケールで、時間の関数として集めた。合計で200個のデータ点を、測定時間内に集めた。歪み硬化係数(SHF)は、同じ測定時間および同じ温度での、伸長粘度と、剪断粘度の3倍との比である。
【0164】
不溶物の重量分率の決定
各実験ポリマーの不溶物の重量分率は、次のようにして求めた。各ポリマー試料(0.1g)を、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、50mL)に、155℃で4時間溶かして、「2.0mg/mLの溶液」にした。この溶液を、モット(Mott)フィルター(Waters)を通して、またはパーライトの層を通して、高温濾過した。濾液を集め、赤外濃度検出器(IR−4、PolymerChar Inc.)を装備した高温ゲル浸透クロマトグラフィー(HT GPC、Waters 150C型)で特性評価した。このHT GPCは、一定の注入容積(200マイクロリットル)を有する、据え付けられた注入ループを有していた。HT GPCの濃度検出器は、2.0mg/mLの濃度で、NBS(国立標準局)1475a(これは、規格化されたポリエチレン標準である)を用いて校正した。装置パラメータである質量定数を、次のようにして求めた:
【0165】
【数2】
式中、A
refは、NBS 1475aの検出器応答の面積であり;C
refは、TCB中のNBS 1475aの濃度(単位=mg/mL)である。
【0166】
次に、ポリマー試料の濾液の検出濃度を次の式を用いて得た:
【0167】
【数3】
式中、Aは、ポリマー試料の濾液の検出器応答の面積であり、K
MASSは、装置定数(単位=面積・mL/mg)である。
【0168】
ポリマー試料の可溶性質量回収(SMR)パーセントは、次のように計算した:
【0169】
【数4】
ここで、数字「2.0」は、ポリマー試料の初期濃度「2.0mg/mL」を表す。
【0170】
ポリマー試料中の不溶物の重量パーセント(%)は、次の式から求めた:
【0172】
核磁気共鳴(
1H NMR)
各NMR試料は、ほぼ「0.10gのエチレン系ポリマー」を、「NORELL 1001−7 10mm NMR管」中、「0.001MのCr(AcAc)
3(トリス(アセチルアセトナト)−クロム(III))を含む、2.7gのテトラクロロエタン−d
2(TCE)」に加えることによって調製した。酸化を防止するために、約5分間、管に挿入したピペットにより溶媒を通して窒素をバブリングすることによって試料をパージし、次いで、試料に蓋をし、テフロン(登録商標)テープにより密封し、次に、試料の溶解を容易にするために、試料を室温で一夜浸した。酸素への暴露を最小限にするために、試料は、保管の間、および調製の前後に、窒素パージ箱内に置いた。試料を加熱し、均一性を保証するために、115℃で、ボルテックスミキサーで混合した。各試料は、均一性を確かめるために、目視検査した。
【0173】
データは、120℃の試料温度で、BRUKER DUAL DUL高温クライオプローブ(CRYOPROBE)を装備した、BRUKER AVANCE 400MHz NMR分光計を用いて集めた。各分析は、ZGパルス、32スキャン、SWH 10,000Hz、AQ 1.64s、およびD1 14sで行った。計測をチェックするために28sのD1を用い、取得を繰り返し、結果は同じであった。
【0174】
実験
本発明のエチレン系ポリマーA−1、A−2、およびA−3、ならびに対照A−0
モノマーCTA−無希釈の2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル(以後、IBAA;CAS[69288−03−5];また、U.S.4191838を参照)を、ステンレス鋼製供給容器に充填し、21.5wt%の最終濃度になるように、酢酸エチルで希釈した。この容器は窒素でパージした。
【0175】
開始剤−過酸化物開始剤のtert−ブチルペルオキシアセテート(ISOPAR(商標)H中、20重量%溶液の125グラム)を、4400グラムのISOPAR Eと一緒にし、第2ステンレス鋼製供給容器に充填した。この容器は窒素でパージした。
【0176】
対照(A−0)−エチレンを、250℃に設定した外部加熱ジャケットを有する撹拌式(1600rpm)300mL高圧CSTR反応器に、1931barの圧力で、5440グラム/hr(194モル/hr)で注入した。プロピレン(CTA)を、62barの圧力、および100グラム/hr(2.38モル/hr)の速度でエチレン流に加え、その後、混合物を1931barに圧縮し、反応器に注入した。過酸化物開始剤を、1931barの圧力、および1.85×10
−1グラム/hr(1.4ミリモル/hr)の速度で、CSTR反応器の側壁を通して反応器に直接加えた。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、9.5wt%であり、平均の反応温度は247℃であった。1.13g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーが生成した。約490グラムのこのエチレン系ポリマー(A−0)を捕集した。
【0177】
本発明のエチレン系ポリマーA−1、A−2、およびA−3
プロピレン(CTA)を、62barの圧力、および69.9グラム/hr(1.66モル/hr)の速度でエチレン流に加え、その後、混合物を1931barに圧縮し、反応器に注入した(上を参照)。IBAAの酢酸エチル溶液を、エチレン−プロピレン混合物へ、1931barの圧力、および28.19グラム/hr(38.8ミリモル/hr)の速度で送り込み、その後、この混合物を反応器に注入した。過酸化物開始剤を、1931barの圧力、および2.26×10
−1グラム/hr(1.7ミリモル/hr)の速度で、側壁を通して反応器に直接加えた。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、10.9wt%であり、平均の反応温度は250℃であった。1.10g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーが生成した。約870グラムのこのエチレン系ポリマー(A−1)を捕集した。もう2つの本発明のポリマー(A−2、およびA−3)を生成するために、IBAA(mCTA)の量を2回増やした。反応重合条件を、表1において下に要約する。ポリマーの特性を、下の表2に示す。
【0180】
1000モルの骨格炭素当たりに組み込まれたIBAAのモル数の計算
それぞれの本発明のエチレン系ポリマーおよび対照を、
1H NMRによって分析した。高圧ラジカル法によって製造されたエチレンのバージンホモポリマーは、3から−1ppm(化学シフト)の領域に、その
1H NMR信号面積の>99.9%を、3から12ppm(化学シフト)の領域に、その
1H NMR信号面積の<0.1%を有する。3から−1ppm(化学シフト)の領域における
1H NMR信号面積は、LDPEの
1H NMRスペクトルの骨格水素の部分に対応する。骨格炭素の1モル毎に、それに結合した2モルの骨格水素があるので、骨格水素のモル数が測定されれば、骨格炭素のモル数を計算できる。さらに、IBAAまたはAAEMがエチレンと共重合して、本発明の個々のエチレン系ポリマーになった時、これらのコモノマーのいくつかの化学残基は、3から12ppm(化学シフト)の領域に、
1H NMR信号を有する。1000モルの骨格炭素(1000C)当たりの構造的特徴のモル数で、LDPEの様々な構造的特徴のモル数を、例えば、IBAAまたはAAEMのようなコモノマーのモル数を、表すことが一般に行われる。
【0181】
これらのモル比を測定するために、本発明のポリマーの
1H NMRが取得され、約3から−1.0ppmの化学シフトからの信号面積が積分され、
1H NMRソフトウェアを用い、2000モルのプロトンに設定される。LDPEにおけるどの骨格炭素も全て、平均として2個のプロトンに結合しているので、このステップは、この領域の信号面積を「2000モルのプロトン」(これは、「1000モルの骨格炭素」を表す)に規格化する。
1H NMRソフトウェアは、自動的に、「2000モルの骨格プロトン」のこの値に対する、他の全てのプロトン信号の比を求める。コモノマーが試料に存在する場合、それらは、3から12ppm(化学シフト)の領域に、
1H NMR信号を有する化学残基を有し得る。IBAAの場合、−O−CH
2−残基の水素は、4.01から4.25ppmの範囲に化学シフトを有する信号を有する。さらに、アルデヒド水素が、9.51から9.68の範囲に化学シフトを有する。1000モルの骨格炭素(1000C)当たりの、組み込まれたIBAAの全モル数は、約4.01から4.25ppmの−O−CH
2−信号の規格化された積分の1/2として求められる。この手順は、IBAAの1モル毎に、1モルだけの−O−CH
2−残基が存在するので、正当である。残っている(連鎖移動による反応によって消費されなかった)IBAAアルデヒドプロトンの全モル数は、IBAAの1モル毎に、1モルだけのアルデヒドプロトンが存在するので、約9.51から9.68ppmのアルデヒドプロトンの積分から直ちに求められる。1000モルの骨格炭素(1000C)当たりの、計算によるIBAA分岐モル数は、1000C当たりに組み込まれたIBAAのモル数から、未反応アルデヒドのモル数を引くことによって求められる。下の計算例を参照。NMRの結果は、下の表3に要約する。
【0183】
エチレン系ポリマーA−1、A−2、およびA−3では、モノマーCTAの「2−プロペン酸,2,2−ジメチル−3−オキソプロピルエステル(IBAA)」は、それぞれのポリマー骨格に共重合された。
図1は、対照A−0ポリマーの1H NMR曲線(下側の曲線)、および本発明のA−3ポリマーの1H NMR曲線(上側の曲線)を示す。また、IBAAを有する本発明のポリマーの全ては、IBAAを含んでいない対照ポリマー(A−0)より大きな溶融強度値を有していた。IBAAを含まない対照(A−0)の溶融強度は、1.13のメルトインデックス(I2)で、16.6cNであった。ポリマーA−1の溶融強度は、1.10のメルトインデックス(I2)で、19.3cNであり、ポリマーA−2の溶融強度は、1.65のメルトインデックス(I2)で、18.2cNであり、ポリマーA−3の溶融強度は、1.66のメルトインデックス(I2)で、18.1cNであった。さらに、伸長粘度−歪み硬化係数は、10s
−1および1s
−1の両方の歪み速度で、IBAAを含んでいない対照試料(A−0)に比べて、本発明のポリマーA−1、A−2、およびA−3の各々の場合に、より大きかった。同時に、4つのエチレン系ポリマーの全ての不溶分含有量は、10wt%未満であった:したがって、低い不溶分含有量は、本発明のポリマーで維持された。
【0184】
本発明のエチレン系ポリマーB−1、B−2、およびB−3、ならびに対照B−0
モノマーCTA−無希釈の2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(以後、AAEM;CAS[21282−97−3];Eastman Chemical Company)を、0.25Lのガラス製供給容器(これは、大気に開かれていた)に充填した。
【0185】
CTA−無希釈のプロピオンアルデヒド(97%)の新しい250mL瓶を、供給容器として用い、これは大気に開かれていた。
【0186】
開始剤−過酸化物開始剤のtert−ブチルペルオキシアセテート(イソドデカン中、50重量%溶液の2.3グラム)を、500mLのn−ヘプタンと一緒にし、第3ガラス製供給容器に充填した。この溶液は、溶解した酸素を最小限にするために、窒素でパージした。
【0187】
対照(B−0)−エチレンを、2000barの圧力で、187℃に設定した外部加熱ジャケットを有する撹拌式(2000rpm)54mL高圧CSTR反応器に、1000グラム/hr(35.65モル/hr)で注入した。過酸化物開始剤を加えなければ、反応器に入ったエチレンの0.1wt%だけが重合した。次に、プロピオンアルデヒドを、HPLC用脱気装置によって脱気し、次いで、250barの圧力、および3.23グラム/hr(56ミリモル/hr)の速度で、エチレン流に加え、その後、混合物を2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および2.2×10
−3グラム/hr(0.017ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、10.5wt%であり、平均反応温度は219℃であった。2.9g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約50グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(対照B−0)。
【0188】
本発明のエチレン系ポリマーB−1、B−2、およびB−3
無希釈のAAEMを、250barの圧力、および1.65グラム/hr(7.7ミリモル/hr)の速度で、HPLC用脱気装置を通し、次いで、プロピオンアルデヒド流に送り込み、混合し、その後、この混合物をエチレン流に加え、2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド−AAEM混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および2.5×10
−3グラム/hr(0.019ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、10wt%であり、平均反応温度は216℃であった。3.2g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約100グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(B−1)。もう2つの本発明のポリマー(B−2、およびB−3)を生成するために、AAEM(mCTA)の量を2回増やした。反応重合条件を表4において下に要約する。ポリマーのいくつかの特性を、下の表5に示す。
【0191】
1000モルの骨格炭素当たりに組み込まれたAAEMのモル数の計算
上の本発明のIBAA含有ポリマーで用いたものと同じ
1H NMRスペクトル取得および規格化手順を、本発明のAAEM含有ポリマーで用いた。本発明のAAEM含有ポリマーでは、1000モルの骨格炭素(1000C)当たりに組み込まれたAAEMのモル数は、約3.78から4.56ppm(化学シフト)の−O−CH
2−CH
2−O−残基の積分の1/4として求められるが、理由は、この残基の1モルは、1モル毎のAAEMに存在するためである。下の計算例を参照。NMRの結果を、下の表6に要約する。
【0193】
エチレン系ポリマーB−1、B−2、およびB−3では、モノマーCTAの「2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(AAEM)」は、それぞれのポリマー骨格に共重合した。また、AAEMによる本発明のポリマーの全ては、AAEMを含んでいない対照ポリマー(B−0)より大きな溶融強度を有していた。AAEMを含まない対照(B−0)の溶融強度は、2.9のメルトインデックス(I2)で、7.2cNであった。ポリマーB−1の溶融強度は、3.2のメルトインデックス(I2)で、8.4cNであり、ポリマーB−2の溶融強度は、3.1のメルトインデックス(I2)で、9.5cNであり、ポリマーB−3の溶融強度は、2.8のメルトインデックス(I2)で、11.4cNであった。さらに、伸長粘度−歪み硬化係数は、10s
−1および1s
−1の両方の歪み速度で、AAEMを含んでいない対照試料(B−0)に比べて、本発明のポリマーB−1、B−2、およびB−3の各々の場合に、より大きかった。また
図2を参照、これは、10s
−1、1.0s
−1、および0.1s
−1のヘンキー歪み速度、ならびに150℃での本発明のエチレン系ポリマーB−3についての伸長粘度対時間のプロットである。
【0194】
本発明のエチレン系ポリマーC−1および対照C−0
モノマーCTA−2−メチル−3−オキソプロピルメタクリレート、CAS[1215085−21−4]、U.S.2011/0144267を参照、(45グラム);4−オキソブチルメタクリレート、CAS[139288−31−6]、U.S.2011/0144267を参照、(54グラム);およびn−ヘプタン(74mg)の混合物を、0.25Lのガラス製供給容器(これは、大気に開かれていた)に充填した。
【0195】
CTA−無希釈のプロピオンアルデヒド(97%)の新しい250mL瓶を、供給容器として用い、これは大気に開かれていた。
【0196】
開始剤−過酸化物開始剤のtert−ブチルペルオキシアセテート(イソト゛デカン中、50重量%溶液の2.3グラム)を、500mLのn−ヘプタンと一緒にし、第3ガラス製供給容器に充填した。この溶液は、溶解した酸素を最小限にするために、窒素でパージした。
【0197】
対照(C−0)−エチレンを、2000barの圧力で、187℃に設定した外部加熱ジャケットを有する撹拌式(2000rpm)54mL高圧CSTR反応器に、1000グラム/hr(35.65モル/hr)で注入した。次に、プロピオンアルデヒドを、HPLC用脱気装置によって脱気し、次いで、250barの圧力、および3.6グラム/hr(62ミリモル/hr)の速度で、エチレン流に加え、その後、混合物を2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および2.5×10
−3グラム/hr(0.019ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、10.5wt%であり、平均反応温度は205℃であった。1.5g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約90グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(対照C−0)。
【0198】
本発明のエチレン系ポリマーC−1
モノマーCTA溶液を、250barの圧力、および2.73グラム/hr(10ミリモル/hrのモノマーCTA)の速度で、HPLC用脱気装置を通し、次いで、プロピオンアルデヒド流に送り込み、混合し、その後、この混合物をエチレン流に加え、2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド−mCTA混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および4.0×10
−3グラム/hr(0.030ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、9wt%であり、平均反応温度は201℃であった。1.8g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約50グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(C−1)。反応重合条件を表7において下に要約する。ポリマーのいくつかの特性を、下の表8に示す。
【0201】
本発明のエチレン系ポリマーD−1、および対照D−0
モノマーCTA−2−(2−シアノ−N−メチルアセトアミド)エチルメタクリレート(80グラム;CAS[116928−90−6];EP376590A2もまた参照)、および2−プロパノール(80グラム)の混合物を、0.25Lのガラス製供給容器(これは、大気に開かれていた)に充填した。
【0202】
CTA−無希釈のプロピオンアルデヒド(97%)の新しい250mL瓶を、供給容器として用い、これは大気に開かれていた。
【0203】
開始剤−過酸化物開始剤のtert−ブチルペルオキシアセテート(イソドデカン中、50重量%溶液の2.3グラム)を、500mLのn−ヘプタンと一緒にし、第3ガラス製供給容器に充填した。この溶液は、溶解した酸素を最小限にするために、窒素でパージした。
【0204】
対照(D−0)−エチレンを、2000barの圧力で、187℃に設定した外部加熱ジャケットを有する撹拌式(2000rpm)54mL高圧CSTR反応器に、1000グラム/hr(35.65モル/hr)で注入した。次に、プロピオンアルデヒドを、HPLC用脱気装置によって脱気し、次いで、250barの圧力、および3.7グラム/hr(64ミリモル/hr)の速度で、エチレン流に加え、その後、混合物を2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および2.3×10
−3グラム/hr(0.017ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、8wt%であり、平均反応温度は204℃であった。3.3g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約60グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(対照D−0)。
【0205】
本発明のエチレン系ポリマーD−1
モノマーCTA溶液を、250barの圧力、および3.2グラム/hr(7.6ミリモル/hrのモノマーCTA)の速度で、HPLC用脱気装置を通し、次いで、プロピオンアルデヒド流に送り込み、混合し、その後、この混合物をエチレン流に加え、2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド−mCTA混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および6.3×10
−3グラム/hr(0.048ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、11wt%であり、平均反応温度は220℃であった。5g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約70グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(D−1)。反応重合条件を表9において下に要約する。ポリマーのいくつかの特性を、下の表10に示す。
【0208】
本発明のエチレン系ポリマーE−1、および対照D−0
モノマーCTA−2−(2−シアノアセトキシ)エチルメタクリレート(80グラム;CAS[21115−26−4];US3658878A、およびUS3554987Aもまた参照)、および2−プロパノール(80グラム)の混合物を、0.25Lのガラス製供給容器(これは、大気に開かれていた)に充填した。
【0209】
CTA−無希釈のプロピオンアルデヒド(97%)の新しい250mL瓶を、供給容器として用い、これは大気に開かれていた。
【0210】
開始剤−過酸化物開始剤のtert−ブチルペルオキシアセテート(イソドデカン中、50重量%溶液の2.3グラム)を、500mLのn−ヘプタンと一緒にし、第3ガラス製供給容器に充填した。この溶液は、溶解した酸素を最小限にするために、窒素でパージした。
【0211】
対照D−0のメルトインデックスが、E−1およびE−2のものに似ていたので、本発明のエチレン系ポリマーE−1およびE−2に対する対照として、試料D−0を用いた。
【0212】
本発明のエチレン系ポリマーE−1
モノマーCTA溶液を、250barの圧力、および2.8グラム/hr(7.2ミリモル/hrのモノマーCTA)の速度で、HPLC用脱気装置を通し、次いで、プロピオンアルデヒド流に送り込み、混合し、その後、この混合物をエチレン流に加え、2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド−mCTA混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および4.7×10
−3グラム/hr(0.036ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、11.7wt%であり、平均反応温度は210℃であった。3.5g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約95グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(E−1)。反応重合条件を表11において下に要約する。ポリマーのいくつかの特性を、下の表12に示す。
【0213】
本発明のエチレン系ポリマーE−2
モノマーCTA溶液を、250barの圧力、および4.2グラム/hr(10.7ミリモル/hrのモノマーCTA)の速度で、HPLC用脱気装置を通し、次いで、プロピオンアルデヒド流に送り込み、混合し、その後、この混合物をエチレン流に加え、2000barに圧縮した。エチレン−プロピオンアルデヒド−mCTA混合物に、過酸化物開始剤を、2000barの圧力、および4.2×10
−3グラム/hr(0.032ミリモル/hr)の速度で加え、その後、混合物は反応器に入った。ポリマーへのエチレンの転化率は、反応器に入ったエチレンの質量に対して、11.8wt%であり、平均反応温度は216℃であった。3.5g/10minのメルトインデックス(I2)を有するエチレン系ポリマーを得た。約80グラムのエチレン系ポリマーを捕集した(E−2)。反応重合条件を表11において下に要約する。ポリマーのいくつかの特性を、下の表12に示す。