特許第5980298号(P5980298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980298熱アシスト磁気記録ヘッド用のレーザを監視するためのサブマウント一体型光検出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980298
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】熱アシスト磁気記録ヘッド用のレーザを監視するためのサブマウント一体型光検出器
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/31 20060101AFI20160818BHJP
   G11B 5/02 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G11B5/31 Z
   G11B5/02 T
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-237418(P2014-237418)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2015-103273(P2015-103273A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】14/089,589
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503116280
【氏名又は名称】エイチジーエスティーネザーランドビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダドリー ボーン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】シェン レン
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−018747(JP,A)
【文献】 特開2008−204586(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/016262(WO,A1)
【文献】 特開2013−218749(JP,A)
【文献】 特開2004−145938(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0228652(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/31
G11B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダと共に用いるために構成されるレーザモジュールであって、
レーザと、
前記レーザが結合されるサブマウントであって、
前記サブマウントの表面上に配置されるアパチャーと、
前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して案内される前記レーザからの光エネルギーを受容するように配置される一体形成型の光検出器
を備える、サブマウントと、
を備える、レーザモジュール。
【請求項2】
前記光検出器は、前記サブマウントと一体的に形成される半導体フォトダイオードである、請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項3】
前記サブマウントは、半導体材料から形成され、前記光検出器は、前記サブマウントと一体的に形成される半導体フォトダイオードである、請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項4】
前記サブマウントは結晶シリコン材料から形成される、請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項5】
前記光検出器は、前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダと一体的に形成される第1の導波管を介して案内される、前記レーザからの光エネルギーを受容するよう構成されると共に前記光エネルギーを前記レーザから前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して前記光検出器へ案内するよう構成される、請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項6】
前記サブマウントに結合され、前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して伝送される前記光エネルギーが計算可能であるフィードバック信号を前記光検出器から伝送するよう構成される複数の光検出器接触パッドを備える、
請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項7】
前記光検出器はフォトダイオード配列である、請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項8】
前記一体形成型の光検出器はフィードバック光検出器であり、
前記レーザモジュールが更に、
前記サブマウントと一体的に形成され、前記レーザによって発生される前記光エネルギーを計算することが可能なバックファセット光エネルギーを前記レーザから直接受容するよう構成されるバックファセットフォトダイオードを備える、
請求項1に記載のレーザモジュール。
【請求項9】
熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダアセンブリであって、
磁気記録ディスクに書き込むよう構成される磁気書込みヘッドを備えるヘッドスライダと、
レーザモジュールであって、
レーザと、
前記レーザが結合されるサブマウントであって、
前記サブマウントの表面上に配置されるアパチャーと、
前記レーザからの光エネルギーを前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介してフォトダイオードへ案内するよう構成されるフィードバック導波管を介して案内される、前記レーザからの光エネルギーを受容するように配置される一体成形成型の前記フォトダイオード
を備えるサブマウントと、
を備えるレーザモジュールと、
前記磁気記録ディスクに熱を発生させるための光エネルギーを前記レーザから前記ヘッドスライダを介して前記磁気書込みヘッド近傍へ案内するよう構成されるHAMR導波管と、
を備える熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダアセンブリ。
【請求項10】
前記サブマウントは半導体材料から形成され、前記フォトダイオードは前記サブマウントと一体的に形成される半導体フォトダイオードである、請求項9に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項11】
前記サブマウントは結晶シリコン材料から形成される、請求項9に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項12】
前記サブマウントに結合され前記フィードバック導波管経由により前記ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して伝送される前記光エネルギーを計算可能フィードバック信号を前記フォトダイオードから伝送するよう構成される複数のフォトダイオード接触パッドを備える、
請求項9に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項13】
一体成形型の前記フォトダイオードは、前記サブマウントの外面に形成されるフィードバックフォトダイオードであり、
前記熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリが更に、
前記サブマウントと一体的に形成され、前記レーザからの、前記レーザによって発生される前記光エネルギーを計算可能であるバックファセット光エネルギーを直接受容するよう構成されるバックファセットフォトダイオードを備える、
請求項9に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項14】
前記フィードバックフォトダイオードは、前記サブマウントと前記ヘッドスライダとの境界面の近傍に形成される、請求項13に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項15】
前記フォトダイオードはフォトダイオード配列である、請求項9に記載の熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダアセンブリ。
【請求項16】
ハードディスクドライブであって、
スピンドルに回転自在に取り付けられる磁気記録ディスクと、
熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダであって、
前記磁気記録ディスクに書き込むよう構成される磁気書込みヘッドと、
レーザモジュールであって、
レーザと、
前記レーザが結合されるサブマウントであって、
前記サブマウントの表面上に配置されるアパチャーと、
前記レーザからの光エネルギーを前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して光検出器へ案内するよう構成されるフィードバック導波管を介して案内される、前記レーザからの光エネルギーを受容するよう配置される一体形成型の前記光検出器
を備えるサブマウントと、
を備えるレーザモジュールと、
前記磁気記録ディスクに熱を発生させるための光エネルギーを前記レーザから前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダを介して前記磁気書込みヘッド近傍へ案内するよう構成されるHAMR導波管と、
を備える熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダと、
前記熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダを移動して前記磁気記録ディスクの一部にアクセスするよう構成されるボイスコイルモータと、
を備える、ハードディスクドライブ。
【請求項17】
前記熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダは、
前記レーザからの光エネルギーを前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して、前記サブマウントと前記熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダとの境界面に位置決めされる前記光検出器に案内するよう構成される前記フィードバック導波管を備える、
請求項16に記載のハードディスクドライブ。
【請求項18】
前記サブマウントは半導体材料から形成され、前記光検出器は前記サブマウントと一体的に形成される半導体フォトダイオードである、請求項16に記載のハードディスクドライブ。
【請求項19】
前記サブマウントに結合され、前記フィードバック導波管の経由により前記熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダ及び前記アパチャーを介して伝送される前記光エネルギー計算可能フィードバック信号フォトダイオードからコントローラへ伝送するよう構成される複数のフォトダイオード接触パッドを備える、
請求項16に記載のハードディスクドライブ。
【請求項20】
一体形成型の前記光検出器は、前記サブマウントと前記熱アシスト磁気記録(HAMRヘッドスライダとの境界面に形成されるフィードバックフォトダイオードであり、
前記ハードディスクドライブが更に、
前記サブマウントと一体成形され、前記レーザによって発生される前記光エネルギーを計算可能であるバックファセット光エネルギーを受容するよう構成されるバックファセットフォトダイオードを備える、
請求項16に記載のハードディスクドライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に、ハードディスクドライブに関し、より詳細には、熱アシスト磁気記録ヘッドに関連するレーザの性能を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)は、保護エンクロージャ内に収容され、デジタル的にコード化されたデータを磁気面を有する1つ以上の円形ディスク上に格納する不揮発性記憶装置である。HDDが動作している場合、各磁気記録ディスクはスピンドルシステムによって高速で回転される。データは、アクチュエータによってディスクの特定の位置の上に位置決めされる読み書きヘッドを用いて磁気記録ディスクから読み取られ、書き込まれる。読み書きヘッドは磁界を用いて、磁気記録ディスクの表面からデータを読み取り、書き込む。
【0003】
面密度(ディスク面の所定領域に格納できる情報ビットの量)の増加は、ハードディスクドライブ設計の進化過程で常に存在する至高の目標のひとつであり、情報ビットの記録に必要なディスク領域を低減するために必要とされる種々の手段の開発および実装につながってきた。ビットサイズを最小化することにおけるひとつの大きな課題は、超常磁性効果によって生じる制約に基づくものであり、それによって、十分に小さいナノ粒子では、磁化が熱変動の影響を受けて不規則に反転されうることが分かっている。
【0004】
熱アシスト磁気記録(HAMR)[また、エネルギーアシスト磁気記録(EAMR)または温度アシスト磁気記録(TAR)とも称されてもよい]は、最初の媒体材料の加熱に、例えば、レーザ熱支援を用いる高い安定性の媒体にデータを磁気的に記録する公知の技術である。HAMRは、ハードディスクドライブストレージで用いられる現在の技術を制限している同じ超常磁性効果による制約を受けること無く、より小さな領域に単一ビットを格納できる鉄プラチナ合金等の高安定性、高保磁力の磁性化合物を利用している。しかし、ある容量点において、ビットサイズが小さすぎ、保磁力が相応に高いため、データを書き込むために用いる磁界を、恒久的にデータに影響を及ぼすよう十分に強くすることができず、データがそれ以上ディスクに書き込めなくなる。HAMRは、媒体が効果的に保磁力を失い、現実的に達成可能な書込み磁界により媒体にデータを書き込むことができるキューリー温度よりも高く温度を上昇させることによって、一時的かつ局所的に磁気記憶媒体保磁力を変化させることによりこの問題を解決している。
【0005】
HAMRの設計に対する1つのアプローチは、半導体レーザシステムを利用して、保磁力を低下させるよう媒体を加熱し、それによって、光エネルギーをレーザからスライダABSへ導波管を経由して搬送し、近接場トランスデューサ(NFT)を用いてナノメートルサイズのスポットに集中させることである。NFTを採用する温度アシスト磁気書込みヘッドの構造および機能に関するより詳細な情報は、(特許文献1)において見出すことができ、それを完全に本明細書において説明するかのように、すべての目的で、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,351,151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
HAMRシステムの性能は、HAMRシステム内の構成要素が整列される正確性により大きく影響される。例えば、通常、ヘッドスライダとは別々の構成要素であるが、それに結合されるレーザーダイオードと、ヘッドスライダ上または内部に形成される対応の導波管との間の僅かな量の構造的ずれも、HAMRシステムにとって大きな性能低下を招く。従って、HAMRシステム内部の構成要素の正確なアライメントは、かかるシステムの最適な調整および性能のために望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドスライダアセンブリで用いるために構成されるレーザモジュール、レーザモジュールを備えるHAMRヘッドスライダアセンブリ、およびレーザモジュールを備えるHAMRヘッドスライダアセンブリを備えるハードディスクドライブに向けられており、ここで、レーザモジュールは、ヘッドスライダ経由でレーザからの光エネルギーを受容するよう構成されるサブマウント一体型光検出器を備える。
【0009】
実施形態によれば、サブマウントは、半導体材料(非限定的な例としては結晶シリコン材料)から形成され、光検出器はサブマウントと一体成形されるフォトダイオードである。ヘッドスライダを介して伝送される光エネルギーを計算できる信号を光検出器から伝送するように回路が設けられる。
【0010】
実施形態によれば、HAMRヘッドスライダアセンブリは、光エネルギーをレーザからヘッドスライダを介してサブマウントとヘッドスライダとの境界面に位置するフィードバックフォトダイオードへ案内して、ヘッドスライダを介してスライダ空気ベアリング面(ABS)に伝送される光エネルギーの量を検出するよう構成されるフィードバック導波管を備える。また、実施形態は、バックファセット光エネルギーを受容してレーザによって生じるか発せられる光エネルギーの量を検出するよう構成されるサブマウント一体型のバックファセットフォトダイオードを含んでいてもよい。従って、レーザ光源から発せられるエネルギー量を、HAMR目的のためにヘッドスライダを介してABSに伝送される量と比較できる。
【0011】
発明の概要欄で検討した実施形態は、本明細書中で検討する実施形態のすべてを提案、説明、または教示することを意味するものではない。従って、本発明の実施形態は、本項で検討したもの以外の追加または異なる特徴を包含し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、HAMRヘッドスライダアセンブリの構成要素の正確なアライメントと調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態によるハードディスクドライブ(HDD)を示す平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドと用いるためのサブマウント一体型光検出器を有するレーザモジュールを示す透視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態によるHAMRヘッドと用いるためのサブマウント一体型光検出器を有するレーザモジュールを示す透視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態によるレーザモジュールと結合されるHAMRヘッドスライダを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を、添付図面において例を用いて示すが、それらは本発明を限定するものではない。また、図中の同様の参照符号は、同様の要素を参照するものである。例えば、ハードディスクドライブで用いるための、熱アシスト磁気記録ヘッド用のレーザ出力を監視するためのサブマウント一体型光検出器へのアプローチを説明する。以下の説明において、説明する目的のため、多数の具体的な詳細を、本明細書で説明する本発明の実施形態の完全な理解を提供するために説明する。しかしながら、本明細書で説明する本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細が無くとも実施できることは明らかであろう。別の例において、本明細書で説明する本発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および装置をブロック図の形で示す。
【0015】
本発明の実施形態は、ハードディスクドライブ(HDD)用の磁気書き込み装置との関連において用いられてもよい。本発明の一実施形態に従って、HDD100を示す平面図を図1に示す。図1は、磁気読み書きヘッド110aを含むスライダ110bを含むHDDの構成要素の機能的配置を示している。総称して、スライダ110bおよびヘッド110aをヘッドスライダと称してもよい。HDD100は、ヘッドスライダと、ヘッドスライダに取り付けられるリードサスペンション110cと、リードサスペンション110cに取り付けられるロードビーム110dとを含む少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ(HGA)110を含んでいる。また、HDD100は、スピンドル124に回転自在に取り付けられる少なくとも1つの磁気記録媒体120と、媒体120を回転させるためスピンドル124に取り付けられる駆動モータ(不図示)も含んでいる。ヘッド110aは、HDD100の媒体120に格納される情報を読み書きするための書込み素子および読取り素子をそれぞれ含んでいる。媒体120または複数の(不図示の)ディスクは、ディスククランプ128によりスピンドル124に取り付けられてもよい。
【0016】
HDD100はさらに、HGA110に取り付けられるアーム132と、キャリッジ134と、キャリッジ134に取り付けられるボイスコイル140を含む電機子136を含むボイスコイルモータ(VCM)と、ボイスコイル磁石(不図示)を含む固定子144とを含んでいる。VCMの電機子136は、キャリッジ134に取り付けられ、アーム132およびHGA110を、ピボット軸受アセンブリ152によってピボット軸148に取り付けられている媒体120のアクセス部へ移動させるよう構成されている。複数のディスク、または、当該分野で複数のディスクを時に指すプラッタを有するHDDを、キャリッジ134は「Eブロック」またはコームと呼ばれる。その理由は、キャリッジ134が、くし形の外観を与えるアームの配列群を運ぶように配置されるためである。
【0017】
図1をさらに参照して、本発明の一実施形態によれば、電気信号(例えば、VCMのボイスコイル140への電流、ヘッド110aへの書込み信号およびそこからの読取り信号)が、フレキシブル相互接続ケーブル156(「フレックスケーブル」)によって提供される。フレックスケーブル156とヘッド110aとの間の相互接続は、読取り信号用のオンボードプリアンプを有してもよいアーム電子部品(AE)モジュール160、並びに他の読取りチャネルおよび書込みチャネル電子部品によって提供されてもよい。AE160は、図示のようにキャリッジ134に取り付けられてもよい。フレックスケーブル156は、HDDハウジング168によって提供される電気フィードスルー(不図示)を介する電気通信を提供する電気コネクタブロック164に結合される。HDDハウジングが鋳造されるかどうかにもよるが、鋳造部品とも称されるHDDハウジング168は、HDDカバー(不図示)と共に、HDD100の情報記憶構成要素のための密閉された保護エンクロージャを提供する。
【0018】
図1をさらに参照して、本発明の一実施形態によれば、ディスクコントローラと、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含むサーボ電子部品とを含む他の電子部品(不図示)は、駆動モータ、VCMのボイスコイル140、およびHGA110のヘッド110aに電気信号を与える。駆動モータに与えられる電気信号は、駆動モータを回転させてスピンドル124にトルクを与え、次いで、ディスククランプ128によってスピンドル124に取り付けられる媒体120に伝達され、その結果として、媒体120が符号172の方向に回転する。回転する媒体120は、スライダ110bの空気ベアリング面(ABS)が乗る空気ベアリングとして作用する空気のクッションを生じ、その結果、情報が記録される薄い磁気記録媒体と接触することなく、スライダ110bが媒体120の表面の上を浮上する。
【0019】
VCMのボイスコイル140に与えられる電気信号により、HGA110のヘッド110aが、情報が記録されているトラック176にアクセスできる。従って、VCMの電機子136は弧180を通って揺動し、それによって、アーム132によって電機子136に取り付けられるHGA110が媒体120上の種々のトラックにアクセスできる。情報は、媒体120上のセクタ(例えば、セクタ184)に配置された複数の積層トラック(不図示)において媒体120上に格納される。それに応じて、各トラックは、複数のセクタ化トラック部(例えば、セクタ化トラック部188)によって構成される。各セクタ化トラック部188は、記録されたデータと、サーボバースト信号パターン(例えば、ABCDサーボバースト信号パターン)、トラック176を特定する情報、およびエラー修正コード情報を含むヘッダとによって構成される。トラック176へのアクセスにおいて、HGA110のヘッド110aの読取り素子は、位置エラー信号(PES)をサーボ電子部品に与えるサーボバースト信号パターンを読み取り、VCMのボイスコイル140へ与えられる電気信号を制御して、ヘッド110aがトラック176を追従することを可能にする。トラック176を探し出し、特定のセクタ化トラック部188を特定する際、外部エージェント(例えば、コンピュータシステムのマイクロプロセッサ)からディスクコントローラが受信した命令に応じ、ヘッド110aは、トラック176からデータを読み取るか、トラック176へデータを書き込むかのいずれかを行う。
【0020】
・導入
HAMRに用いるレーザーダイオードは、より従来の磁気記録ヘッドに統合される必要がある。この技術に対する主な課題は、レーザーダイオードを記録ヘッドスライダ上に製作される単一モード導波管に正確に整列させる点にある。加えて、レーザによって発せられる光強度は、幅広い温度および環境条件にわたる稼働中、安定的に維持されなければならない。これらの課題は、レーザーダイオードの光強度の極めて正確な監視とフィードバックを必要とする。
【0021】
・フィードバック光検出器を備えた熱アシスト磁気記録レーザモジュール
図2は、本発明の一実施形態による熱アシスト磁気記録(HAMR)ヘッドと用いるためのサブマウント一体型光検出器を有するレーザモジュール示す透視図である。図2を参照して、ヘッド110a(図1)等のハードディスクドライブHAMRヘッドに実装されてもよい、HAMRに基づくレーザモジュール200を説明する。
【0022】
HAMRヘッドとの潜在的な使用について説明されるレーザモジュール200の場合、レーザモジュール200は、レーザ202等の光源を備え、当該光源は、HAMRヘッドスライダに取り付けるためにサブマウント204と結合されるか一体に成形され、磁気媒体120(図1)を局所的に加熱するために利用される。例えば、近接場トランスデューサ(NFT)等のプラズモン加熱装置は、半導体レーザ等のレーザ202からの光エネルギーをナノメートルサイズのスポットに集中させて、磁気媒体120を通常は書込み磁極からすぐ上流側の領域で局所的に加熱するために実装されてもよい。非限定的な例に対して、レーザモジュール200等のHAMRレーザモジュールは、HAMRヘッドスライダの裏側(空気ベアリング面(すなわち、ABS)の反対側)に、またはその近傍に取り付けられてもよい(例えば、図4を参照)。さらに、図4を参照して説明するように、HAMR加熱アセンブリは、光エネルギーをレーザ202からABSへ案内、伝達、または届けてNFTを照射する導波管を備えてもよい。
【0023】
この磁気媒体120(図1)の局所加熱は、磁気媒体120の局所保磁力を瞬間的に低減し、本来、書込みに対して高すぎる保磁力を有する磁気媒体120への書き込みを大幅に容易にする。加熱アセンブリを効果的に機能させるために、書込み磁極のできるだけ近傍に位置すべきである。加えて、加熱アセンブリは、隣接するデータトラックまたは同じトラック上の下流側のデータを減磁することを回避するために、媒体上の非常に小さな領域のみを加熱すべきである。
【0024】
レーザーダイオードは壊れやすく、記録ヘッドスライダへの直接的な機械的取り付けには適していない。従って、サブマウントアセンブリを用いて、レーザーダイオードをスライダ本体に取り付けてもよい。通常、AlN等の硬質の加工可能な材料が、サブシステムへのレーザーダイオードの機械的な一体化のためのサブマウントの作製に用いられている。しかし、HAMRに必要な正確なアライメントを考慮すると、サブマウント上の非常に平滑な表面が、サブマウントをレーザまたはスライダ本体に接合する場合に、表面粗さによる位置的な不正確性を低減するために望ましい。この所望の表面平滑性を部分的に達成するために、一実施形態では、サブマウント204が半導体材料により作製される。例えば、一実施形態によれば、サブマウント204は、結晶シリコンで作製される。
【0025】
さらに図2を参照すると、レーザモジュール200はさらに、光検出器208による光エネルギーの受容を容易にする光検出器入口アパーチャ、すなわちアパーチャ206を備えている。光検出器208は、ヘッドスライダによってレーザ202からの光エネルギーを受容するために構成され、利用される。この光エネルギーの受容を容易にする構成を、図4を参照してより詳細に説明する。例示の目的のため、サブマウント204と対応するHAMRヘッドスライダとの間の境界面(例えば、図4を参照)等のサブマウント204の一面の特定領域におけるアパーチャ206を図2に示す。しかし、サブマウント204の面上のアパーチャ206の位置は、実装毎に変えてもよい。例えば、アパーチャは、アパーチャ206aとして破線で示す代替位置、または、図示のアパーチャ206とアパーチャ206aとの間の位置に位置決めされてもよい。さらに、一実施形態によれば、アパーチャは、アパーチャ配列206bとして破線で示すようなアパーチャの配列として構成されてもよい。アパーチャ配列206bにより、単一の光検出器208を使用する代わりに、光検出器配列を有する実施形態の実装および使用が容易になる。光検出器配列の使用により、単一の光検出器と比較して、より精細な解像度が与えられ、従って、例えば、レーザアライメント操作における支援が提供される。
【0026】
一実施形態によれば、光検出器208がサブマウント204と一体的に形成され、従って、レーザ202に対する機械的サポートとして動作する単一の装置を提供するだけでなく、HAMR加熱アセンブリの光集積回路を通じた光強度のフィードバック監視を提供することは、注目に値する。一実施形態によれば、サブマウント204と一体的に形成される光検出器208は、シリコン技術において開発されたPINフォトダイオード等の半導体フォトダイオードである。検討したように、サブマウント204は、結晶シリコン等の半導体材料で作製されてもよい。そのため、サブマウント204用の半導体材料と共に光検出器208用の半導体フォトダイオードを一体的に形成することは、シリコン半導体ウェハ微細加工技術の使用に適している。さらに、一実施形態によれば、レーザ202は、レーザーダイオード等の半導体レーザである。
【0027】
さらに図2を参照すると、レーザモジュール200はさらに、光検出器208に対応し、サブマウント204に結合される電気接触パッド209を備えている。接触パッド209は、光検出器208からの導線から、ヘッドスライダを通じて伝送される光エネルギー量を特徴とするか、当該光エネルギー量を計算できるフィードバック信号を伝送するよう構成されている。
【0028】
・バックファセット光検出器を備える熱アシスト磁気記録レーザモジュール
図3は、本発明の一実施形態によるHAMRヘッドと用いるためのサブマウント一体型光検出器を有するレーザモジュールを示す透視図である。図3を参照して、ヘッド110a(図1)等のハードディスクドライブHAMRヘッドに実装されてもよい、HAMRに基づくレーザモジュール300を説明する。
【0029】
HAMRヘッドとの潜在的な使用について説明するレーザモジュール300の場合、レーザモジュール300は、レーザ202等の光源を備え、当該光源は、HAMRヘッドスライダに取り付けるためにサブマウント304と結合され、磁気媒体120(図1)を局所的に加熱するために利用される。例えば、近接場トランスデューサ(NFT)等のプラズモン加熱装置は、半導体レーザ等のレーザ202からの光エネルギーをナノメートルサイズのスポットに集中させて、磁気媒体120を通常は書込み磁極からすぐ上流側の領域で局所的に加熱するために実装されてもよい。非限定的な例に対して、レーザモジュール300等のHAMRレーザモジュールは、HAMRヘッドスライダの裏側(空気ベアリング面(すなわち、ABS)の反対側)に、またはその近傍に取り付けられてもよい(例えば、図4を参照)。さらに、図4を参照して説明するように、HAMR加熱アセンブリは、光エネルギーをレーザ202からABSへ案内、伝達、または届けてNFTを照射する導波管を備えてもよい。
【0030】
検討したように、HAMRに必要な正確なアライメントを考慮すると、サブマウント上の非常に平滑な表面が、サブマウントをレーザまたはスライダ本体に接合する場合に、表面粗さによる位置的な不正確性を低減するために望ましい。この所望の表面平滑性を部分的に達成するために、一実施形態では、サブマウント304が半導体材料により作製される。例えば、一実施形態によれば、サブマウント304は、結晶シリコンで作製される。
【0031】
さらに図3を参照すると、レーザモジュール300はさらに、光検出器308による光エネルギーの受容を容易にする光検出器入口アパーチャ、すなわちアパーチャ306を備えている。光検出器308は、ヘッドスライダによってレーザ202からの光エネルギーを受容するために構成され、利用される。この光エネルギーの受容を容易にする構成を、図4を参照してより詳細に説明する。例示の目的のため、サブマウント304と対応するHAMRヘッドスライダとの間の境界面(例えば、図4を参照)等のサブマウント304の一面の特定領域におけるアパーチャ306を図3に示す。しかし、サブマウント304の面上のアパーチャ306の位置は、実装毎に変えてもよい。例えば、アパーチャは、アパーチャ206aとして破線で図2に示す代替位置、または、図2に示すアパーチャ206とアパーチャ206aとの間の位置に位置決めされてもよい。さらに、一実施形態によれば、アパーチャは、図3にアパーチャ306aとして示すレーザ202の反対側のサブマウント304の面等の、サブマウント304の他の面に位置決めされてもよい。アパーチャ306aとして示す代替位置は、レーザモジュール200のアパーチャ206(図2)にも適用できるが、明確にするために図2には示していないことに留意されたい。またさらに、一実施形態によれば、アパーチャは、アパーチャ配列206bとして破線で図2に示すような複数のアパーチャの配列として構成されてもよい。アパーチャ配列206bにより、単一の光検出器308を使用する代わりに、光検出器配列を有する実施形態の実装および使用が容易になる。
【0032】
一実施形態によれば、光検出器308がサブマウント304と一体的に形成され、従って、レーザ202に対する機械的サポートとして動作する単一の装置を提供するだけでなく、HAMR加熱アセンブリの光集積回路を通じた光強度のフィードバック監視を提供することは、注目に値する。一実施形態によれば、サブマウント304と一体的に形成される光検出器308は、シリコン技術において開発されたPINフォトダイオード等の半導体フォトダイオードである。検討したように、サブマウント304は、結晶シリコン等の半導体材料で作製されてもよい。そのため、サブマウント304用の半導体材料と共に光検出器308用の半導体フォトダイオードを一体的に形成することは、シリコン半導体ウェハ微細加工技術の使用に適している。さらに、一実施形態によれば、レーザ202は、レーザーダイオード等の半導体レーザである。
【0033】
レーザモジュール300はさらに、光検出器308に対応し、サブマウント304に結合される電気接触パッド309を備えている。接触パッド309は、光検出器308からの導線から、ヘッドスライダを通じて伝送される光エネルギー量を特徴とするか、光エネルギー量を計算できるフィードバック信号を伝送するよう構成されている。
【0034】
さらに図3を参照すると、レーザモジュール300はさらに、バックファセット光検出器312による光エネルギーの受容を容易にする光検出器入口アパーチャ、すなわちアパーチャ310を備えている。アパーチャ310はサブマウント304の一面に位置しており、ここで、その面はレーザ202の長軸に実質的に垂直である。フォトダイオード等の光検出器は、フォトダイオードからの電流が光出力の変化と共に変化し、レーザ駆動電流を調節するようフィードバックを与える際に、レーザの後面、即ちバックファセット上の光出力の監視に有用である。レーザ202のバックファセットから発せられる光エネルギーは通常、レーザ202のフロントファセットから発せられるものよりもかなり低いが、バックファセットエネルギーは、フロントファセットエネルギーに比例している。従って、光検出器312は、レーザ202からのバックファセット光エネルギーを受容するために構成され、利用される。光検出器312は、レーザ202によって発生される光エネルギー量を検出し、評価するのに使用できる。レーザモジュール300はさらに、光検出器312に対応し、サブマウント304に結合される電気接触パッド309を備えている。接触パッド309は、光検出器312からの導線から、レーザ202によって発生される光エネルギー量を特徴とするか、光エネルギー量を計算できる信号を伝送するよう構成されている。レーザモジュール300に対して、3つの接触パッド309が2つの光検出器308および312に関連付けて示されており、接触パッド309のうちの1つは、接地として両光検出器308および312によって共有されている。しかし、用いられる接触パッドの数は、実装毎に変えてもよい。
【0035】
従って、レーザモジュール300により、レーザ202から発せられる光源の光エネルギーは、バックファセット光検出器312によって検出されるバックファセットエネルギーに基づいて計算できる。さらに、スライダに結合され、スライダABSに到達する光エネルギー量は、フィードバック光検出器308によって検出される光エネルギーに基づいて計算できる。ABSに到達する前述の光源の光エネルギーおよび量から、レーザ202の性能(例えば、レーザ202の損失または効率)およびHAMRヘッド加熱アセンブリ全体の性能は計算可能である。
【0036】
一実施形態によれば、光検出器312がサブマウント304と一体的に形成され、従って、レーザ202に対する機械的サポートとして動作する単一の装置を提供するだけでなく、レーザ202によって発生される光強度の監視を提供することは、注目に値する。一実施形態によれば、サブマウント304と一体的に形成される光検出器312は、シリコン技術において開発されたPINフォトダイオード等の半導体フォトダイオードである。検討したように、サブマウント304は、結晶シリコン等の半導体材料で作製されてもよい。そのため、サブマウント304用の半導体材料と共に光検出器312用の半導体フォトダイオードを一体的に形成することは、シリコン半導体ウェハ微細加工技術の使用に適している。
【0037】
・熱アシスト磁気記録ヘッドスライダ
図4は、本発明の一実施形態によるレーザモジュールと結合されるHAMRヘッドスライダを示す側面図である。図4を参照して、HDD100(図1)等のハードディスクドライブに実装されてもよい、HAMRヘッドスライダアセンブリ400を説明する。HAMRヘッドスライダアセンブリ400は、HAMRヘッドスライダ410と結合されるレーザモジュール300(図3)等のレーザモジュールアセンブリを備える。
【0038】
図4に示すように、そして、レーザモジュール300に類似するように、レーザモジュールアセンブリは、サブマウント304と結合されるレーザ202と、フィードバック光検出器308に対応するフィードバックアパーチャ306と、バックファセット光検出器312に対応するバックファセットアパーチャ310と、接触パッド309と、並びに、フィードバック光検出器308に対応する導線409と、バックファセット光検出器312に対応する導線413とを備えており、それら導線409および413のそれぞれは、それぞれの電気接触パッド309に通じている。
【0039】
一実施形態によれば、HAMRヘッドスライダ410は、レーザ202からの光エネルギーをHAMRヘッドスライダ410を介して書込みヘッド403の近傍に構成される近接場トランスデューサ(NFT)404に案内するよう構成されるHAMR導波管402を備えている。非限定的な例に対して、NFT404は、光が照射された場合、アンテナ内部にプラズモンと呼ばれる電荷振動を励起するEアンテナ(または三角形アンテナ)等の金属製光学装置を用いてもよい。アンテナの縁部に集中する電荷は、局所的な高輝度光近接場を発生する。光近接場は、高周波電流を局所的に作り出す磁気媒体に電磁結合される。この電流に関連する抵抗損失は、熱に変換され、媒体の局所温度を上昇させる。
【0040】
さらに図4を参照すると、HAMRヘッドスライダ410は、サブマウント304上のアパーチャ306を介し、レーザ202からHAMRヘッドスライダ410を通じて光検出器308に光エネルギーのサンプルを案内するよう構成されるフィードバック導波管406を備える。ここで、光検出器308はHAMRヘッドスライダ410とサブマウント304との間の境界面において、またはその近傍に形成される。一体的に形成される光検出器208及び308を有するサブマウント204、304は、それぞれ、適切に整列された場合、レーザ202がHAMR導波管402を一体化したスライダ410に最適に整列される一方で、同時に、光検出器208及び308の各入口アパーチャ206及び306がそれぞれ、スライダ410のフィードバック導波管406の出口アパーチャに十分に整列されるように、適切な寸法および座標と共に構成される。入口アパーチャ206及び306をフィードバック導波管406の出口アパーチャと整列させる場合、入口アパーチャ206及び306は、フィードバック導波管406の出口アパーチャと比較して相対的に大きいアパーチャと共に構成されてもよく、それによって、HAMR導波管402へのレーザ202のアライメントと比較して緩和されたアライメント公差を提供する。
【0041】
アパーチャ306aがレーザ202の反対側のサブマウント304の面に位置決めされる実施形態によれば、フィードバック導波管は、光エネルギーをレーザ202からHAMRヘッドスライダ410およびアパーチャ306aを介してアパーチャ306aを越えて位置する光検出器308等の光検出器に放射するよう形成される。これらの代替フィードバック導波管の配置を、フィードバック導波管406aおよびフィードバック導波管406bとして図4に破線で示し、その一方または他方はフィードバック導波管406の代わりに実装されてもよい。
【0042】
検討したように、HAMRヘッドスライダ410に結合されるレーザモジュール300により、レーザ202から発生され、放射される光源光のエネルギーは、バックファセット光検出器312によって検出されるバックファセットエネルギーに基づいて計算できる。さらに、スライダに結合され、スライダABSに到達する光エネルギー量は、フィードバック光検出器308によって検出される光エネルギーに基づいて計算できる。ABSに到達する前述の光源光のエネルギーおよび量から、レーザ202の性能(例えば、レーザ202の損失または効率)およびHAMRヘッド加熱アセンブリ全体の性能は計算可能である。性能は、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはハードウェア等のいくつかのロジック形態に基づいてコントローラ420によって計算できる。一般に、ロジックは、1つ以上のプロセッサによって実行された場合、計算ステップまたはプロセスを実行させる1つ以上の命令シーケンスを備えている。コントローラ420は、HAMRヘッドスライダアセンブリ400および/またはレーザモジュール300(図3)またはレーザモジュール200(図2)を備えるHDD内部で実装されてもよい。
【0043】
レーザ202が発生するエネルギーおよびスライダ410のABSに結合され、到達するエネルギーの計算は、HAMRヘッドスライダアセンブリ400等のHAMRヘッドスライダの製造時のアライメント目的に有用である。別の見方で説明すると、HAMR加熱アセンブリの光集積回路(例えば、レーザ202、HAMR導波管402、トランスデューサ404)の効率または性能を計算することにより、レーザ202およびHAMR導波管402等の構成要素がどのように良好に整列されるかについての知見が得られる。さらに、レーザ202が発生するエネルギーおよびスライダ410のABSに結合され、到達するエネルギーの計算は、非限定的な例に対して、レーザ202およびHAMR加熱アセンブリ全体としての動作中だけでなく、それらの構成要素の寿命についての性能監視およびレーザ駆動目的に有用である。
【0044】
前記の明細書において、本発明の実施形態を、実装毎に変えてもよい多くの特定の詳細を参照して説明した。従って、発明の、また、出願人によって発明であると意図された唯一かつ排他的な指標は、本出願に由来して、後続的な補正も含んで請求項に現れる特定の形態としての一群の請求項である。かかる請求項に包含される用語に対して本明細書で明示的に述べた定義のすべては、請求項内で用いられるようなかかる用語の意味を定める。従って、請求項において明示的に引用されていない如何なる制限、要素、特性、特徴、利点、または性質も、かかる請求項の適用範囲をどのような方法でも限定しない。従って、明細書および図面は、限定的ではなく例示的な意味で見なされるべきである。
【符号の説明】
【0045】
100 ハードディスクドライブ
110 ヘッドジンバルアセンブリ
110a 磁気読み書きヘッド
110b スライダ
110c リードサスペンション
110d ロードビーム
120 磁気記録媒体
124 スピンドル
128 ディスククランプ
132 アーム
134 キャリッジ
136 電機子
140 ボイスコイル
144 固定子
148 ピボット軸
152 ピボット軸受アセンブリ
156 フレキシブル相互接続ケーブル
160 アーム電子部品モジュール
168 HDDハウジング
176 トラック
180 弧
184 セクタ
188 セクタ化トラック部
200、300 レーザモジュール
202 レーザ
204、304 サブマウント
206 アパーチャ
208、308 光検出器
209、309 電気接触パッド
306 フィードバックアパーチャ
310 バックファセットアパーチャ
312 バックファセット光検出器
400 HAMRヘッドスライダアセンブリ
402 HAMR導波管
403 書込みヘッド
404 近接場トランスデューサ
409、413 導線
410 HAMRヘッドスライダ
420 コントローラ
図1
図2
図3
図4