(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オレフィン重合用触媒が担体(C)をさらに含有し、遷移金属化合物(A)が担体(C)に担持された形態で用いられる請求項1〜8のいずれか一項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の製造方法で用いられる一般式[I]で表される遷移金属化合物およびその鏡像異性体、これらの製造方法、これらの少なくとも1種を含有するオレフィン重合用触媒について説明した後、前記オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法、オレフィン重合体、および前記オレフィン重合体を含んでなる成形体について順次説明する。
【0037】
本明細書において、式(X)(Xは式番号である。)で表される化合物を「化合物(X)」ともいい、重合体の説明において化合物Aに由来する構成単位を「化合物A単位」ともいい、その含有量を「化合物A含量」ともいう。
【0038】
〔遷移金属化合物(A)〕
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)は、一般式[I]で表される遷移金属化合物およびその鏡像異性体から選ばれる少なくとも1種である。本明細書において鏡像異性体については特に言及していないが、遷移金属化合物(A)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、遷移金属化合物[I]の全ての鏡像異性体、例えば一般式[I']で表される遷移金属化合物を包含する。
【0040】
式[I]中、R
1、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15およびR
16はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R
2は炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R
4は水素原子であり、R
4を除くR
1からR
16までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0041】
式[I]中、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4の整数であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。
【0042】
なお、式[I]および[I']の表記において、MQ
j部分が紙面手前に、架橋部が紙面奥側に存在するものとする。すなわち、遷移金属化合物(A)では、シクロペンタジエン環のα位(架橋部位が置換した炭素原子を基準とする)に、中心金属側に向いた水素原子(R
4)が存在する。
【0043】
遷移金属化合物[I]は、R
2が水素原子ではなく、かつR
4が水素原子であるため、従来公知のメタロセン化合物では困難であった、経済性の高い重合条件下においても、高い立体規則性や高い融点と、高い分子量とを有するオレフィン重合体を製造することが可能である。
【0044】
遷移金属化合物[I]が優れた性能を示す理由について、ポリマーの分子量に与える影響を例に挙げ、以下に推定される重合反応機構を用いて説明する。
【0045】
重合反応によって生成するポリマーの分子量が大きいということは、モノマーが触媒の中心金属/ポリマー鎖間に挿入される反応である生長反応の速度が、ポリマー鎖の生長が停止する反応である連鎖移動反応の速度に対して、著しく大きいということである。メタロセン触媒によるオレフィン重合反応では、主な連鎖移動反応としては、水素原子が触媒の中心金属Mに移動するβ−水素移動と、水素原子がモノマーへ移動するβ−水素移動との2種類が知られており、主に後者のβ−水素移動が支配的であるとされている(Chem. Rev. (2000), 100, 1253他参照)。
【0046】
それぞれの遷移状態の模式図を式(i)〜(iii)に示す。なお、触媒の配位子は省略してあり、式(i)〜(iii)中のM'は触媒の活性中心金属を表し、Pはポリマー鎖を表す。
【0048】
モノマーへのβ−水素移動における遷移状態は、M'を中心とした6員環構造である(式(ii))。モノマーの挿入反応は、α位の水素がM'に配位するため5員環構造をとる(式(i))。触媒の配位子によってM'近傍の空間を狭めると、より大きな空間を必要とする6員環構造の遷移状態は5員環構造の遷移状態よりも不安定化され、すなわちモノマーへのβ−水素移動の反応速度が小さくなり、相対的にモノマーの挿入反応の反応速度が大きくなる。その結果、生成するポリマーの分子量が大きくなることが知られている(Macromolecules (1996), 29, 2729参照)。
【0049】
一方、中心金属Mへのβ−水素移動における遷移状態は,モノマーの挿入反応の遷移状態よりも、空間がさらに小さい4員環構造をとる(式(iii))。そのため、配位子によってM'近傍の空間が小さくなりすぎると中心金属Mへのβ−水素移動の反応速度が相対的に高まり、生成するポリマーの分子量は小さくなることが予想される。
【0050】
以上の反応機構を、遷移金属化合物[I]に当てはめる。当該遷移金属化合物[I]は、シクロペンタジエン環とフルオレン環とを結ぶ架橋部分に5員環構造を有する。ここで、R
2が水素原子ではない骨格に対し、R
4に、水素原子よりも大きい、すなわち水素原子以外の置換基を導入すると、中心金属M周辺の空間が小さくなる。その結果、6員環構造の遷移状態を経るモノマーへのβ−水素移動を抑制することができるが、同時に5員環構造の遷移状態を経るモノマーの挿入反応の反応速度を低下させてしまうと考えられる。このため、4員環構造の遷移状態を経る中心金属Mへのβ−水素移動が促進され、分子量が充分に大きくならない。
【0051】
一方、R
2が水素原子ではない骨格に対し、R
4を水素原子にすると、モノマーの挿入反応を阻害することなく、モノマーへのβ−水素移動のみを抑制することができるため、より高分子量のポリマーを生成することができると考えられる。
【0052】
上記の理由により、シクロペンタジエン環とフルオレン環とを結ぶ架橋部分に5員環構造を有し、R
2が水素原子ではなく、かつR
4が水素原子の場合のみ、優れた性能を示す触媒となるものと考えられる。
【0053】
〈R1からR16〉
R
1からR
16(ただし、R
4を除く。)における炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
【0054】
直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。
【0055】
分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−
ジプロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
【0056】
環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。
【0057】
環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。
【0058】
飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。
【0059】
R
1からR
16(ただし、R
4を除く。)におけるヘテロ原子含有炭化水素基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フリル基などの酸素原子含有炭化水素基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基等のアミノ基、ピリル基などの窒素原子含有炭化水素基;チエニル基などの硫黄原子含有炭化水素基が挙げられる。ヘテロ原子含有炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜15である。ただし、ヘテロ原子含有炭化水素基からはケイ素含有基を除く。
【0060】
R
1からR
16(ただし、R
4を除く。)におけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式−SiR
3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。
【0061】
R
4を除くR
1からR
16までの置換基のうち、隣接した2つの置換基(例:R
1とR
2、R
2とR
3、R
5とR
7、R
6とR
8、R
7とR
8、R
9とR
10、R
10とR
11、R
11とR
12、R
13とR
14、R
14とR
15、R
15とR
16)が互いに結合して環を形成していてもよく、R
6およびR
7が互いに結合して環を形成していてもよく、R
1およびR
8が互いに結合して環を形成していてもよく、R
3およびR
5が互いに結合して環を形成していてもよい。前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
【0062】
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
【0063】
R
1およびR
3は、立体規則性の観点から、水素原子であることが好ましい。
【0064】
R
5、R
6およびR
7から選ばれる少なくとも1つは、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であることが好ましく、R
5が炭化水素基であることがより好ましく、R
5が直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等の炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、R
5が炭素数2以上のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、合成上の観点からは、R
6およびR
7は水素原子であることも好ましい。また、R
5およびR
7が互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。
【0065】
R
8は、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。
【0066】
R
2は、立体規則性の観点から、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素(シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。
【0067】
R
2としては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくはtert−ブチル基、1−アダマンチル基である。
【0068】
一般式[I]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されないが、R
9、R
12、R
13およびR
16は、立体規則性、分子量の観点から、好ましくは水素原子である。
【0069】
R
10、R
11、R
14およびR
15は、好ましくは水素原子、炭化水素基、酸素原子含有炭化水素基または窒素原子含有炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0070】
R
10とR
11が互いに結合して環を形成し、かつR
14とR
15が互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基である。
【0071】
〈M、Q、j〉
Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
【0072】
Qでのハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0073】
Qにおける炭化水素基としては、R
1からR
16(ただし、R
4を除く。)における炭化水素基と同様の基が挙げられ、好ましくは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等のアルキル基である。
【0074】
Qにおけるアニオン配位子としては、例えば、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基;ジメチルアミド、ジイソプロピルアミド、メチルアニリド、ジフェニルアミド等のアミド基が挙げられる。
【0075】
Qにおける孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテルが挙げられる。
【0076】
Qは、少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
【0078】
以上、遷移金属化合物[I]の構成、すなわちR
1〜R
16、M、Qおよびjについて、好ましい態様を説明した。本発明では、それぞれの好適態様の任意の組合せも好ましい態様である。
【0079】
〈好ましい遷移金属化合物の例示〉
以下の例示において、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンをオクタメチルフルオレンと記載し、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレンをヘキサメチルジシクロペンタフルオレンと記載する。
【0080】
本発明で用いられる好ましい遷移金属化合物としては、例えば、
[1-(フルオレン-9'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-(1-メチル-シクロヘキシル)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1、3-ジ-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(1,5-ジ-tert-ブチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-tert-ブチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(3,5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-シクロヘキシル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-エチル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(3-シクロヘキセニル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[1-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[1-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-1-iso-プロピル-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、
[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-5,8-ジメチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-8-(3-シクロヘキセニル)-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、
[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(フルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[8-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-(1-アダマンチル)-8-iso-プロピル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、
[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(2-tert-ブチル-8-フェニル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-tert-ブチル-7-シクロヘキシル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-メチル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(2',7'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-(1-アダマンチル)-フルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(3',6'-ジ-tert-ブチル-2',7'-ジメチルフルオレン-9'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、[7-(ヘキサメチルジシクロペンタフルオレン-10'-イル)(5-アダマンタン-1-イル-7-iso-プロピル-2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[a]ペンタレン)]ジルコニウムジクロライド
が挙げられる。
【0081】
遷移金属化合物[I]としては、上記例示の化合物のチタン誘導体、ハフニウム誘導体でもよい。ただし、遷移金属化合物[I]は、上記例示の化合物に何ら限定されるものではない。
【0082】
上記化合物の命名に用いた位置番号を、[1-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン-12'-イル)(5-tert-ブチル-1-メチル-3-iso-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、および[8-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン-12'-イル)(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)]ジルコニウムジクロライドを例にとり、鏡像異性体の一つについてそれぞれ式[I−1]、式[I−2]に示す。
【0084】
〔遷移金属化合物の製造方法〕
本発明で用いられる遷移金属化合物は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。以下では、本発明で用いられる遷移金属化合物[I]の製造方法の一例を説明するが、その鏡像異性体の製造方法についても同様である。
【0085】
遷移金属化合物[I]の製造方法は、例えば、一般式(1a)で表されるペンタレン化合物を調製する工程(1)を有する。ペンタレン化合物(1a)においては、目的とする遷移金属化合物[I]の立体配置に応じた異性体を用いることができる。
【0087】
式(1a)中、R
1、R
3、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R
2は炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R
4は水素原子であり、R
4を除くR
1からR
8までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。これらの好適態様は、一般式[I]中で説明したものと同様である。
【0088】
一実施態様は、工程(1)に続いて、ペンタレン化合物(1a)とフルオレン誘導体(2a)とを反応させて、遷移金属化合物[I]の前駆体化合物(3a)を得る工程(2)、および前駆体化合物(3a)から遷移金属化合物[I]を得る工程(3)を有する。
【0089】
〈工程(1)〉
ペンタレン化合物(1a)は、例えば、反応[A]に示すようにシクロペンタジエン誘導体(1a-1)とα,β−不飽和カルボニル化合物(1a-2)とを反応させる方法;反応[B]に示すようにシクロペンタジエン誘導体(1a-1)とカルボニル化合物(1a-3)とアルデヒド化合物(1a-4)とを反応させる方法によって、合成することができる。
【0091】
反応[A]中、R
1〜R
6、R
8はそれぞれ一般式[I]中の同一記号と同義であり、R
7は水素原子である。反応[B]中、R
1〜R
8はそれぞれ一般式[I]中の同一記号と同義である。これらの好適態様は、一般式[I]中で説明したものと同様である。上記原料化合物においては、目的とするペンタレン化合物(1a)の立体配置に応じた異性体を用いることができる。
【0092】
また、シクロペンタジエン誘導体(1a-1)および後述するフルオレン誘導体(2a)、前駆体化合物(3a)は、シクロペンタジエニル環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、各反応ではそれらのうちの1種のみを例示してある。シクロペンタジエン誘導体(1a-1)および後述するフルオレン誘導体(2a)、前駆体化合物(3a)は、シクロペンタジエニル環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。
【0093】
〈反応[A]〉
反応[A]に基づくペンタレン化合物(1a)は、シクロペンタジエン誘導体(1a-1)とα,β−不飽和カルボニル化合物(1a-2)とから公知の条件によって製造することができる(例えば、J. Org. Chem. 1989, 54, 4981-4982参照)。
【0094】
また、反応[A]に沿ってペンタレン化合物(1a)を製造する方法としては、シクロペンタジエン誘導体(1a-1)を塩基によって処理した後にα,β−不飽和カルボニル化合物(1a-2)に対して1,4−付加させることでケトンまたはアルデヒドを合成し、その後脱水縮合させることによって製造する方法(方法A')もある。
【0095】
方法A'で用いることのできる塩基は公知のものを用いることができ、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化バリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、水素原子化カリウム、水素原子化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;ジエチルアミン、アンモニア、ピロリジン、ピペリジン、アニリン、メチルアニリン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の含窒素塩基;ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の有機アルカリ金属化合物;メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド等のグリニヤール試薬が挙げられる。
【0096】
方法A'においてさらに効率よく反応を行うために触媒を加えてもよい。触媒は公知の触媒が用いることができ、例えば、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル等のクラウンエーテル類;クリプタント類;テトラブチルアンモニウムフルオライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド等の四級アンモニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩;鎖状ポリエーテルに代表される相間移動触媒が挙げられる。また、マグネシウム、カルシウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、鉄、ジルコニウム、ハフニウム、ホウ素、スズ、希土類のハロゲン化物や、トリフラート等のルイス酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトリルスルホン酸等の酸類を用いてもよい。方法A'における1,4−付加反応の触媒として、塩化銅、ヨウ化銅等のハロゲン化銅を用いてもよい。
【0097】
〈反応[B]〉
反応[B]の反応では、塩基や触媒を加えることでより効率よく反応を行うことができる。反応[B]で用いることのできる塩基や触媒は、反応[A]にて上述のものを挙げることができる。
【0098】
反応[B]では、シクロペンタジエン誘導体(1a-1)に対し、カルボニル化合物(1a-3)やアルデヒド化合物(1a-4)を同時に反応させてもよいし、あるいはカルボニル化合物(1a-3)またはアルデヒド化合物(1a-4)の一方を反応させ、その後に他方を反応させることもできる。その際に、カルボニル化合物(1a-3)またはアルデヒド化合物(1a-4)に対し、リチウムプロピルアミド等を用いてエノラート型にした後に反応させてもよく、さらにはカルボニル化合物(1a-3)またはアルデヒド化合物(1a-4)に対応するエノラートを公知の方法で合成して反応させてもよい。また、カルボニル化合物(1a-3)およびアルデヒド化合物(1a-4)をそれぞれ別の条件で反応させてもよい。
【0099】
その他にペンタレン化合物(1a)を合成する方法としては、例えば、Angew. Chem. internal. Edit. 1970, 9, 892-893、J. Am. Chem. SOC. 1985, 107, 5308-5309、J. Org. Chem. 1990, 55, 4504-4506等で示される方法でもよい。
【0100】
反応[A]および[B]で用いることのできる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル;トリエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、アニリン、ピリジン、アセトニトリル等のアミン、ニトリルまたは含窒素化合物;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール
、エチレングリコール、メトキシエタノール等のアルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等のアミド;ジメチルスルホキシド;二硫化炭素等の含硫黄化合物;アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、特に基質として用いるアルデヒド、ケトンそのもの;などの有機溶媒;水、イオン性液体などの非有機溶媒;またはこれらのうち2種以上を混合して得られる溶媒が挙げられる。また、反応[A]および[B]の反応温度は、好ましくは−100〜150℃、より好ましくは−40〜120℃である。
【0101】
〈工程(2)〉
一実施態様は、工程(1)に続いて、ペンタレン化合物(1a)とフルオレン誘導体(2a)とを反応させて、遷移金属化合物[I]の前駆体化合物(3a)を得る工程(2)を有する。
【0103】
上記反応中、R
1〜R
16はそれぞれ一般式[I]中の同一記号と同義であり、Lはアルカリ金属またはアルカリ土類金属である。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。
【0104】
例えば、R
4(水素原子)およびR
5の大きさの相違等によって、シクロペンタジエン環のα位に、錯体を形成した場合には中心金属側に向いた水素原子(R
4)を有する前駆体化合物(3a)を得ることができる。
【0105】
フルオレン誘導体(2a)は従来公知の方法によって得ることができる。
【0106】
上記反応で用いることのできる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;またはこれらのうち2種以上を混合して得られる溶媒が挙げられる。
【0107】
ペンタレン化合物(1a)とフルオレン誘導体(2a)との反応は、好ましくはモル量比10:1〜1:10、より好ましくは2:1〜1:2、特に好ましくは1.2:1〜1:1.2で行う。反応温度は、好ましくは−100〜150℃、より好ましくは−40〜120℃である。
【0108】
〈工程(3)〉
前駆体化合物(3a)から遷移金属化合物[I]を製造する例を以下に示す。これは、本発明の範囲を制限するものではなく、遷移金属化合物[I]は、公知のいかなる方法で製造されてもよい。
【0109】
〈ジアルカリ金属塩の合成〉
前駆体化合物(3a)と、アルカリ金属、水素原子化アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、有機アルカリ金属および有機アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属成分とを、有機溶媒中で接触させることで、ジアルカリ金属塩を得る。
【0110】
上記反応で用いることのできるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ;水素原子化アルカリ金属としては、水素原子化ナトリウム、水素原子化カリウムなどが挙げられ;アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどが挙げられ;有機アルカリ金属としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられ;有機アルカリ土類金属としては、メチルマグネシウムハライド、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグネシウムハライドなどが挙げられ;またはこれらのうち2種以上を併用してもよい。
【0111】
上記反応で用いられる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;またはこれらのうち2種以上を混合して得られる溶媒が挙げられる。
【0112】
前駆体化合物(3a)と上記金属成分との反応は、好ましくはモル量比(前駆体化合物(3a):上記金属成分)=1:1〜1:20、より好ましくは1:1.5〜1:4、特に好ましくは1:1.8〜1:2.5で行う。反応温度は、好ましくは−100〜200℃、より好ましくは−80〜120℃である。
【0113】
上記反応を促進させるため、テトラメチルエチレンジアミン等に代表されるルイス塩基や、国際公開第2009/072505号パンフレットに記載されているようにα−メチルスチレン等を使用することもできる。
【0114】
〈遷移金属化合物の合成〉
上記反応で得られたジアルカリ金属塩と、一般式(4a)で表される化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、遷移金属化合物[I]を合成する。
【0115】
MZ
k …(4a)
式(4a)中、Mは第4族遷移金属であり、複数あるZはそれぞれ独立にハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、kは3〜6の整数である。MおよびZとして列挙される原子または基等は、一般式[I]の欄にて説明したMおよびQとそれぞれ同様である。
【0116】
化合物(4a)としては、例えば、三価または四価のチタニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;四価のジルコニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;四価のハフニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;またはこれらとテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンまたは1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類との錯体が挙げられる。
【0117】
上記反応で用いられる有機溶媒としては、〈ジアルカリ金属塩の合成〉の欄に記載した有機溶媒が挙げられる。ジアルカリ金属塩と化合物(4a)との反応は、好ましくはモル量比10:1〜1:10、より好ましくは2:1〜1:2、特に好ましくは1.2:1〜1:1.2で行う。反応温度は、好ましくは−80〜200℃、より好ましくは−75〜120℃である。
【0118】
〈その他の方法〉
その他の方法として、前駆体化合物(3a)を、有機金属試薬、例えばテトラベンジルチタン、テトラベンジルジルコニウム、テトラベンジルハフニウム、テトラキス(トリメチルシリルメチレン)チタン、テトラキス(トリメチルシリルメチレン)ジルコニウム、テトラキス(トリメチルシリルメチレン)ハフニウム、ジベンジルジクロロチタン、ジベンジルジクロロジルコニウム、ジベンジルジクロロハフニウムや、チタン、ジルコニウム、ハフニウムのアミド塩と直接反応させてもよい。
【0119】
上記反応で得られた遷移金属化合物[I]に対しては、抽出、再結晶、昇華等の方法により、単離・精製を行うことができる。このような方法で得られる遷移金属化合物[I]は、プロトン核磁気共鳴スペクトル、
13C−核磁気共鳴スペクトル、質量分析、および元素分析等の分析手法を用いることによって同定される。
【0120】
〔オレフィン重合用触媒〕
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、一般式[I]で表される遷移金属化合物およびその鏡像異性体から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化合物(A)を含有する。
【0121】
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、さらに、
(B)(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「化合物(B)」ともいう。)
を含有することが好ましい。
【0122】
本発明のオレフィン重合用触媒は、さらに必要に応じて、
(C)担体
を含有することがより好ましい。
【0123】
本発明のオレフィン重合用触媒は、さらに必要に応じて、
(D)有機化合物成分
を含有することもできる。
【0124】
以下、遷移金属化合物(A)以外の各成分について具体的に説明する。
【0125】
〈化合物(B)〉
《有機金属化合物(B−1)》
有機金属化合物(B−1)としては、例えば、一般式(B−1a)で表される有機アルミニウム化合物、一般式(B−1b)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、一般式(B−1c)で表される第2族または第12族金属のジアルキル化合物等の、第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
【0126】
(B−1a):Ra
mAl(ORb)
nH
pX
q
式(B−1a)中、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であり、かつm+n+p+q=3である。有機アルミニウム化合物(B−1a)としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、トリシクロアルキルアルミニウムが挙げられる。
【0127】
(B−1b):M2AlRa
4
式(B−1b)中、M2はLi、NaまたはKであり、Raは炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。錯アルキル化物(B−1b)としては、例えば、LiAl(C
2H
5)
4、LiAl(C
7H
15)
4が挙げられる。
【0128】
(B−1c):RaRbM3
式(B−1c)中、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、M3はMg、ZnまたはCdである。化合物(B−1c)としては、例えば、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジn−ブチルマグネシウム、エチルn−ブチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジn−ブチル亜鉛、ジフェニル亜鉛が挙げられる。
【0129】
有機金属化合物(B−1)のなかでは、有機アルミニウム化合物(B−1a)が好ましい。
【0130】
有機金属化合物(B−1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0131】
《有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)》
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、例えば、従来公知のアルミノキサンであってもよく、特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼンに対して不溶性または難溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。従来公知のアルミノキサンは、例えば、下記(1)〜(4)の方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
【0132】
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば、塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物等の炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
【0133】
(2)ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の媒体中で、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
【0134】
(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒体中で、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0135】
(4)トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウムと、3級アルコール、ケトン、およびカルボン酸等の炭素−酸素結合を持つ有機化合物とを反応させて生成する化合物を、熱分解反応等の非加水分解的転化をする方法。
【0136】
なお、上記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また、回収された上記アルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0137】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、有機アルミニウム化合物(B−1a)として例示したものと同一の有機アルミニウム化合物が挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
【0138】
その他、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、例えば、修飾メチルアルミノキサンが挙げられる。修飾メチルアルミノキサンとは、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとを用いて調製されるアルミノキサンである。このような化合物は、一般にMMAOと呼ばれている。MMAOは、US4960878号公報およびUS5041584号公報で挙げられている方法で調製することができる。また、東ソー・ファインケム社等からもトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとを用いて調製された、Rがイソブチル基であるアルミノキサンが、MMAOやTMAOといった名称で商業生産されている。
【0139】
このようなMMAOは、各種溶媒への溶解性および保存安定性を改良したアルミノキサンであり、具体的には上記のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性のものとは違い、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解するという特徴を持つ。
【0140】
さらに、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、例えば、ホウ素原子を含む有機アルミニウムオキシ化合物や、国際公開第2005/066191号パンフレット、国際公開第2007/131010号パンフレットに例示されているようなハロゲンを含むアルミノキサン、国際公開第2003/082879号パンフレットに例示されているようなイオン性アルミノキサンを挙げることもできる。
【0141】
化合物(B-2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0142】
《遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)》
遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下「イオン性化合物(B−3)」ともいう。)としては、例えば、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US5321106号公報等に記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物が挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0143】
イオン性化合物(B−3)は、一般式(B-3a)で表される化合物が好ましい。
【0145】
式(B-3a)中、R
e+としては、例えば、H
+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンが挙げられる。R
f〜R
iはそれぞれ独立に有機基、好ましくはアリール基である。
【0146】
カルベニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが挙げられる。
【0147】
アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0148】
ホスホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
【0149】
R
e+としては、例えば、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンが好ましく、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0150】
カルベニウム塩としては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0151】
アンモニウム塩としては、例えば、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
【0152】
トリアルキル置換アンモニウム塩としては、例えば、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレー
トが挙げられる。
【0153】
N,N−ジアルキルアニリニウム塩としては、例えば、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
【0154】
ジアルキルアンモニウム塩としては、例えば、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートが挙げられる。
【0155】
イオン性化合物(B−
3)としては、その他、本出願人によって開示(例:特開2004−51676号公報)されているイオン性化合物も制限無く使用が可能である。
【0156】
イオン性化合物(B−
3)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0157】
〈担体(C)〉
担体(C)としては、例えば、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体が挙げられる。遷移金属化合物(A)は、担体(C)に担持された形態で用いることが好ましい。
【0158】
《無機化合物》
担体(C)における無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
【0159】
多孔質酸化物としては、例えば、SiO
2、Al
2O
3、MgO、ZrO
2、TiO
2、B
2O
3、CaO、ZnO、BaO、ThO
2等の酸化物、またはこれらを含む複合物もしくは混合物を使用することができる。例えば、天然または合成ゼオライト、SiO
2−MgO、SiO
2−Al
2O
3、SiO
2−TiO
2、SiO
2−V
2O
5、SiO
2−Cr
2O
3、SiO
2−TiO
2−MgOを使用することができる。これらの中でも、SiO
2および/またはAl
2O
3を主成分として含有する多孔質酸化物が好ましい。
【0160】
多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なる。本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が好ましくは1〜300μm、より好ましくは3〜100μmであり;比表面積が好ましくは50〜1300m
2/g、より好ましくは200〜1200m
2/gであり;細孔容積が好ましくは0.3〜3.0cm
3/g、より好ましくは0.5〜2.0cm
3/gである。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で乾燥および/または焼成して使用される。粒子形状については特に制限はないが、特に好ましくは球状である。
【0161】
無機塩化物としては、例えば、MgCl
2、MgBr
2、MnCl
2、MnBr
2が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0162】
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有されるイオンが交換可能である。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物としては、粘土、粘土鉱物、または六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl
2型、CdI
2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物を例示することができる。
【0163】
粘土、粘土鉱物としては、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、ペクトライト、テニオライトが挙げられる。
【0164】
イオン交換性層状化合物としては、例えば、α−Zr(HAsO
4)
2・H
2O、α−Zr(HPO
4)
2、α−Zr(KPO
4)
2・3H
2O、α−Ti(HPO
4)
2、α−Ti(HAsO
4)
2・H
2O、α−Sn(HPO
4)
2・H
2O、γ−Zr(HPO
4)
2、γ−Ti(HPO
4)
2、γ−Ti(NH
4PO
4)
2・H
2O等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。
【0165】
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。
【0166】
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。
【0167】
インターカレーションするゲスト化合物としては、例えば、TiCl
4、ZrCl
4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)
4、Zr(OR)
4、PO(OR)
3、B(OR)
3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al
13O
4(OH)
24]
7+、[Zr
4(OH)
14]
2+、[Fe
3O(OCOCH
3)
6]
+等の金属水酸化物イオンが挙げられる。これらの化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)
4、Al(OR)
3、Ge(OR)
4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)などを加水分解して得た重合物、SiO
2等のコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。
【0168】
ピラーとしては、例えば、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物が挙げられる。
【0169】
担体(C)の中でも、SiO
2および/またはAl
2O
3を主成分として含有する多孔質酸化物が好ましい。また、粘土または粘土鉱物も好ましく、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成ウンモである。
【0170】
《有機化合物》
担体(C)における有機化合物としては、例えば、粒径が5〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体が挙げられる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体、ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0171】
〈有機化合物成分(D)〉
本発明において、有機化合物成分(D)は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物(D)としては、例えば、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩等が挙げられる。
【0172】
〈各成分の使用法および添加順序〉
オレフィン重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。以下では、遷移金属化合物(A)、化合物(B)、担体(C)および有機化合物成分(D)を、それぞれ「成分(A)〜(D)」ともいう。
(1)成分(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(A)を成分(C)に担持した触媒成分と、
成分(B)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を成分(C)に担持した触媒成分と、
成分(A)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)とを成分(C)に担持した触媒成分を
重合器に添加する方法。
【0173】
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2種は予め接触されていてもよい。成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。また、成分(C)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
【0174】
〔オレフィン重合体の製造方法〕
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上述のオレフィン重合用触媒の存在下で、エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンAと、必要に応じてプロピレンとを重合する工程を有する。ここで「重合」とは、単独重合および共重合を総称する意味で用いる。また「オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合する」とは、上記(1)〜(5)の各方法のように、任意の方法でオレフィン重合用触媒の各成分を重合器に添加してオレフィンを重合する態様を包含する。
【0175】
本発明では、重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。不活性炭化水素媒体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、重合に供給されうる液化オレフィン自身を溶媒として用いる、いわゆるバルク重合法を用いることもできる。
【0176】
オレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合を行うに際して、オレフィン重合用触媒を構成しうる各成分の使用量は以下のとおりである。また、オレフィン重合用触媒において、各成分の含有量を以下のとおりに調節することができる。
【0177】
成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10
-10〜10
-2モル、好ましくは10
-8〜10
-3モルとなるような量で用いられる。成分(B−1)は、成分(B−1)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常1〜50,000、好ましくは10〜20,000、特に好ましくは50〜10,000となるような量で用いることができる。成分(B−2)は、成分(B−2)中のアルミニウム原子と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔Al/M〕が通常10〜5,000、好ましくは20〜2,000となるような量で用いることができる。成分(B−3)は、成分(B−3)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が通常1〜1000、好ましくは1〜200となるような量で用いることができる。
【0178】
成分(C)を用いる場合は、成分(A)と成分(C)との重量比〔(A)/(C)〕が好ましくは0.0001〜1、より好ましくは0.0005〜0.5、さらに好ましくは0.001〜0.1となるような量で用いることができる。
【0179】
成分(D)を用いる場合は、成分(B)が成分(B−1)の場合には、モル比〔(D)/(B−1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が成分(B−2)の場合には、モル比〔(D)/(B−2)〕が通常0.005〜2、好ましくは0.01〜1となるような量で、成分(B)が成分(B−3)の場合は、モル比〔(D)/(B−3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いることができる。
【0180】
本発明の製造方法において、オレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜180℃であり;重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧である。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うこともできる。得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素等を存在させるか、重合温度を変化させるか、または成分(B)の使用量により調節することができる。
【0181】
本発明の製造方法は、工業的製法において有利な高温条件下であっても、高い触媒活性を維持しつつ、高立体規則性・高融点および高分子量を有するオレフィン重合体を製造することが可能である。このような高温条件下では、重合温度は、通常40℃以上、好ましくは40〜200℃、より好ましくは45〜150℃、特に好ましくは50〜150℃(換言すれば、特に好ましくは工業化可能な温度である。)である。
【0182】
特に水素は、触媒の重合活性を向上させる効果や、重合体の分子量を増加または低下させる効果が得られることがあり、好ましい添加物であるといえる。系内に水素を添加する場合、その量はオレフィン1モルあたり0.00001〜100NL程度が適当である。系内の水素濃度は、水素の供給量を調整する以外にも、水素を生成または消費する反応を系内で行う方法や、膜を利用して水素を分離する方法、水素を含む一部のガスを系外に放出することによっても調整することができる。
【0183】
本発明の製造方法で得られたオレフィン重合体に対しては、上記方法で合成した後に、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってよい。
【0184】
〈オレフィン〉
本発明の製造方法において、重合反応に供給されるオレフィンは、エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンAであり、必要に応じてプロピレンを併用することができる。
【0185】
α−オレフィンとしては、炭素数4〜30のα−オレフィンであり、炭素数4〜20のα−オレフィンがより好ましく、炭素数4〜10のα−オレフィンが特に好ましい。
【0186】
α−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。直鎖状または分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−イコセンが挙げられる。
【0187】
また、環状オレフィン、極性基を有するオレフィン、末端水酸基化ビニル化合物、および芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種を反応系に共存させて重合を進めることもできる。また、ポリエンを併用することも可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ビニルシクロヘキサン等のその他の成分を共重合してもよい。
【0188】
環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンが挙げられる。
【0189】
極性基を有するオレフィンとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和グリシジル;
が挙げられる。
【0190】
末端水酸基化ビニル化合物としては、例えば、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ウンデセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の直鎖状の末端水酸基化ビニル化合物;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の分岐状の末端水酸基化ビニル化合物が挙げられる。
【0191】
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の官能基含有スチレン誘導体;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンが挙げられる。
【0192】
ポリエンとしては、ジエンおよびトリエンから選ばれることが好ましい。重合反応に供給される全オレフィンに対して、ポリエンを0.0001〜1モル%の範囲内で用いることも好ましい態様である。
【0193】
ジエンとしては、例えば、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,ω−非共役ジエン;エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等の非共役ジエン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、α,ω−非共役ジエンや、ノルボルネン骨格を有するジエンが好ましい。
【0194】
トリエンとしては、例えば、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、6,9-ジメチル-1,5,8-デカトリエン、6,8,9-トリメチル-1,5,8-デカトリエン、6-エチル-10-メチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4-エチリデン-1,6,-オクタジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)、7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、7-エチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-6-プロピル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,7-ノナジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカンジエン等の非共役トリエン;1,3,5-ヘキサトリエン等の共役トリエンが挙げられる。これらの中でも、末端に二重結合を有する非共役トリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)が好ましい。
【0195】
ジエンまたはトリエンはそれぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ジエンとトリエンとを組み合わせて用いてもよい。ポリエンの中でも、特にα,ω−非共役ジエンや、ノルボルネン骨格を有するポリエンが好ましい。
【0196】
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、供給されるオレフィンAの少なくとも1種が、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンであることがより好ましく、エチレン単独重合、エチレン/プロピレン共重合、エチレン/1−ブテン共重合、1−ブテン単独重合、1−ブテン/エチレン共重合、1−ブテン/プロピレン共重合、1−ブテン/1−ヘキセン共重合、1−ブテン/1−オクテン共重合、エチレン/1−ブテン/プロピレン共重合、エチレン/1−ブテン/1−オクテン共重合、4−メチル−1−ペンテン単独重合、4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキセン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−デセン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキサデセン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘプタデセン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−オクタデセン共重合、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキサデセン/1−オクタデセン共重合、1−デセン単独重合、1−デセン/1−オクテン共重合、1−デセン/1−ドデセン共重合、1−デセン/1−オクテン/1−ドデセン共重合が特に好ましい。
【0197】
エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンAと、必要に応じて用いられるプロピレンとの使用量比は、プロピレンを使用する場合、オレフィンA:プロピレン(モル比)で、通常1:100〜5000:1、好ましくは1:50〜1000:1である。
【0198】
〔オレフィン重合体〕
本発明のオレフィン重合体は、上述のオレフィン重合用触媒の存在下で、エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンAと、必要に応じてプロピレンとを重合することで得ることができる。
【0199】
本発明のオレフィン重合体は、エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種由来の構成単位を合計50モル%を超え100モル%以下、好ましくは55〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%の範囲で含み、プロピレン由来の構成単位を0モル%以上50モル%未満、好ましくは0〜45モル%、さらに好ましくは0〜30モル%の範囲で含む。ただし、エチレンおよび炭素数4〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種由来の構成単位の含量とプロピレン由来の構成単位の含量との合計を100モル%とする。
【0200】
これらの含量は、核磁気共鳴分光法や、基準となる物質がある場合には赤外分光法等により測定することができる。後述する新規な1−ブテン重合体および4−メチル−1−ペンテン重合体においても、同様の方法で含量を測定することができる。
【0201】
本発明のオレフィン重合体は、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を合計50モル%を超えて含むことが好ましい。より具体的には、エチレン単独重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン/エチレン共重合体、1−ブテン/プロピレン共重合体、1−ブテン/1−ヘキセン共重合体、1−ブテン/1−オクテン共重合体、エチレン/1−ブテン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン/1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−デセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキサデセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘプタデセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−オクタデセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキサデセン/1−オクタデセン共重合体、1−デセン単独重合体、1−デセン/1−オクテン共重合体、1−デセン/1−ドデセン共重合体、1−デセン/1−オクテン/1−ドデセン共重合体が挙げられる。
【0202】
これらの重合体の中でも、1−ブテン由来の構成単位を50モル%を超えて含む1−ブテン重合体、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を50モル%を超えて含む4−メチル−1−ペンテン重合体が特に好ましい。
【0203】
本発明のオレフィン重合体において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される重量平均分子量は、好ましくは1万〜500万、より好ましくは5万〜300万、特に好ましくは10万〜250万である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは1.5〜5.0、特に好ましくは1.8〜3.5である。
【0204】
本発明のオレフィン重合体において、極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜20dl/g、より好ましくは0.3〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜8dl/gである。
【0205】
本発明のオレフィン重合体において、α−オレフィン由来の構成単位による立体規則性は、好ましくはアイソタクチック構造またはヘミアイソタクチック構造であり、より好ましくは
13C−NMRで測定されるメソダイアッド分率が70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。
【0206】
以上の物性の測定方法の詳細は実施例に記載したとおりである。
【0207】
本発明のオレフィン重合体は、以上の構成、物性(特に高い立体規則性)を有することから、高融点、高耐熱性、ならびに高剛性および高強度等の高い機械物性を有する結晶性オレフィン重合体、あるいは粘性的特性と弾性的特性を併せ持つ非晶性または低結晶性オレフィン重合体である。
【0208】
本発明に係るオレフィン重合体は、その一部が極性モノマーによりグラフト変性されていてもよい。このような極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられる。
【0209】
極性モノマーとしては、特に不飽和カルボン酸またはその誘導体、およびビニル基含有有機ケイ素化合物が好ましい。
【0210】
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は従来公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;またはその誘導体である、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ナジック酸ジメチル(エンドシス−ビシクロ[2
.2
.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル)、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸
、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸〔商標〕またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
【0211】
ビニル基含有有機ケイ素化合物としては、従来公知のものが使用でき、特に制限されない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、さらに好ましくは、立体障害が小さくグラフト変性効率の高いビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0212】
極性モノマーは、本発明に係るオレフィン重合体100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量で使用される。
【0213】
極性モノマーは、1種類単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0214】
このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
【0215】
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを用いることができる。具体的には、従来公知のものを使用することができ、例えばジグミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0216】
ラジカル開始剤は、重合体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
【0217】
また極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
【0218】
グラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、たとえば重合体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、60〜260℃、好ましくは80〜200℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることによりできる。
【0219】
また押出機などを用いて、無溶媒で、重合体と極性モノマーとを反応させて製造することもできる。この反応は、通常重合体の融点以上、具体的には120〜300℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
【0220】
前記方法により得られた重合体の変性量(極性モノマーのグラフト量)は、グラフト変性後の重合体100重量%に対して、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
【0221】
本発明において、重合体に、グラフト変性された重合体が含まれると、他の樹脂との接着性、相溶性に優れ、また成形体表面の濡れ性が改良されうる。またグラフト変性された重合体は、架橋することによって、架橋電線、架橋パイプにも好適に利用することができる。
【0222】
また、本発明に係るオレフィン重合体をハロゲン化して得られるハロゲン変性オレフィン重合体をマクロ開始剤として、ラジカル重合性単量体を原子移動ラジカル重合することにより、ポリオレフィンセグメントと極性ポリマーセグメントとが化学結合したブロック・グラフト共重合体を得ることもできる。なお、マクロ開始剤とは、原子移動ラジカル重合の開始能を有する重合体であり、分子鎖中に原子移動ラジカル重合の開始点となりうる部位を有する重合体を表す。
【0223】
ハロゲン変性オレフィン重合体は、本発明に係るオレフィン重合体とハロゲン化剤とを反応させることにより製造される。ハロゲン化剤としては、本発明に係るオレフィン重合体をハロゲン化してハロゲン変性オレフィン重合体を製造できるものであれば特に制限はないが、具体的には、塩素、臭素、ヨウ素、三塩化リン、三臭化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、五臭化リン、五ヨウ化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、臭化チオニル、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロログルタルイミド、N−ブロモグルタルイミド、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモカルバミド酸エステル、ジオキサンジブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド、ピロリドンヒドロトリブロミド、次亜塩素酸t−ブチル、次亜臭素酸t−ブチル、塩化銅(II)、臭化銅(II)、塩化鉄(III)、塩化オキサリル、IBrなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロログルタルイミド、N−ブロモグルタルイミド、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸であり、より好ましくは臭素、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモグルタルイミド、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸などのN−Br結合を有する化合物である。
【0224】
本発明に係るオレフィン重合体とハロゲン化剤との反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが挙げられる。また、前記反応には、必要に応じて溶媒を使用することができる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのような脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロロエチレン、テトラクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレート等のエステル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒等を挙げることができる。
【0225】
ハロゲン化剤との反応においては、反応を促進するために必要に応じてラジカル開始剤を添加することもできる。ラジカル開始剤としては、例えば上記のラジカル開始剤が挙げられる。
【0226】
本発明に係るオレフィン重合体とハロゲン化剤とを反応させる方法については、従来公知の種々の方法が採用できる。例えば、オレフィン重合体を溶媒に懸濁させ、あるいは溶解させて、通常−80℃〜250℃の温度、好ましくは室温以上溶媒の沸点以下の温度で、ハロゲン化剤と必要に応じてラジカル開始剤などを添加混合して反応させる方法、あるいはオレフィン重合体をその融点以上、例えば、180〜300℃の温度で溶融混練下にハロゲン化剤と必要に応じてラジカル開始剤とを接触させる方法などが挙げられる。
【0227】
極性ポリマーセグメントとは、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体である。ラジカル重合性単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー、、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらの有機化合物は、単独で、または2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
【0228】
原子移動ラジカル重合は、従来公知の方法で行うことができ、重合方法は特に限定されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状・懸濁重合などを適用することができる。反応温度はラジカル重合反応が進行する温度であれば何れでも構わず、所望する重合体の重合度、使用するラジカル開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではないが、通常、−100℃〜250℃である。
【0229】
本発明に係るオレフィン重合体には、発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐候安定剤、耐熱安定剤、耐電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、(透明)核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、離型剤、衝撃改良剤、抗UV剤(紫外線吸収剤)、充填剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、難燃剤、加工助剤等の添加剤が配合されていてもよい。添加剤の配合量は特に制限されないが、上記オレフィン重合体100重量部に対して、通常0〜50重量部、好ましくは0〜30重量部、さらに好ましくは0〜10重量部、特に好ましくは0〜1重量部である。
【0230】
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、イオウ系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物、あるいはこれらを数種類組み合わせたものが使用できる。
【0231】
核剤としては、オレフィン重合体の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め結晶化速度を速めるために公知の核剤が使用可能である。具体的には、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2-メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド等が挙げられる。核剤の配合量は、特に限定されないが、上記オレフィン重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜1重量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時など適宜添加が可能である。
【0232】
滑剤としては、公知の滑材が使用可能である。具体的には、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。滑剤の配合量は、特に限定されないが、該重合体組成物100重量部に対して、通常0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部程度である。
【0233】
スリップ剤としては、公知のスリップ剤が使用可能である。具体的には、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ヘベニン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のアミド、あるいはこれらの飽和または不飽和脂肪酸のビスアマイドを用いることが好ましい。これらのうちでは、エルカ酸アミドおよびエチレンビスステアロアマイドが特に好ましい。これらの脂肪酸アミドは、該重合体組成物100重量部に対して、通常0.01〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0234】
アンチブロッキング剤としては、公知のアンチブロッキング剤が使用可能である。具体的には、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末等をあげることができる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
【0235】
軟化剤の例としては、従来公知の軟化剤が使用可能である。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン類、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系物質;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などの脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などの脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどの合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、および液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物;液状チオコールなどが挙げられる。
【0236】
架橋剤としては従来公知の架橋剤が使用可能である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキシン等の有機過酸化物、硫黄、モルフォリンジスルフィド等を挙げることができ,これらは架橋助剤、例えばステアリン酸、酸化亜鉛等と併用することができる。硫黄を用いる場合は、好ましくは、上記オレフィン重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部である。有機過酸化物の場合は、上記オレフィン重合体100重量部に対して、0.05〜15重量部であることが好ましい。SiH基含有化合物である場合は、上記オレフィン重合体100重量部に対して、通常0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部である。また、SiH基含有化合物を用いる際に、触媒、および任意成分としてシランカップリング剤および/または反応抑制剤を加えても良い。
【0237】
〔1−ブテン重合体〕
本発明の新規な1−ブテン重合体は、
13C−NMRで測定されるメソペンタッド分率(mmmm)が98.0%以上99.8%以下、好ましくは98.5%以上99.5%以下、特に好ましくは99.0%以上99.4%以下である。
【0238】
また、本発明の新規な1−ブテン重合体は、実質的に位置不規則性に由来する構造を持たない。「実質的に」とは、
13C−NMRスペクトルから求められる全1−ブテン構成単位中の1−ブテンモノマーの、2,1−挿入に基づく位置不規則性単位の割合(以下「2,1−結合量」ともいう。)と1,4−挿入に基づく位置不規則性単位の割合(以下「1,4−結合量」ともいう。)との合計割合が、0.1モル%以下、好ましくは0.06モル%以下、特に好ましくは検出限界以下であることを意味する。
【0239】
mmmmが前記下限値を下回るまたは1−ブテン重合体が位置不規則性を有すると、耐熱性や剛性が不充分になることがあり、mmmmが前記上限値を上回ると成形性が悪化することがある。
【0240】
本発明の新規な1−ブテン重合体は、示差走査型熱量測定(DSC)(昇温速度:10℃/min)で測定される融点Tmが、好ましくは90〜150℃、より好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは120℃〜140℃である。融点が前記範囲にある1−ブテン重合体は、耐熱性と成形性のバランスに優れる。
【0241】
本発明の新規な1−ブテン重合体は、〔オレフィン重合体〕の欄に記載した範囲の、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を有することが好ましい。極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜10dl/g、より好ましくは0.3〜5dl/g、さらに好ましくは0.5〜4dl/gである。
【0242】
本発明の新規な1−ブテン重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶離液とするクロス分別クロマトグラフ法(CFC)において、溶出開始温度(累積溶出重量%が0.5重量%となる温度)を[T
S]、溶出終了温度(累積溶出重量%が99重量%となる温度)を[T
E]とした場合、全溶出量に対する、([T
S]+[T
E])/2で特定される温度[T
X]での累積溶出量が40重量%以上であることが好ましい。また、温度[T
X]での累積溶出量は、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
【0243】
この指標([T
X]での累積溶出量)は、本発明の1−ブテン重合体のCFC測定における溶出領域の中でも、低温側での溶出割合が、従来公知の1−ブテン重合体と比べて相対的に多いことを示している。
【0244】
一般に高立体規則性の1−ブテン重合体は結晶相が厚くなり、低立体規則性の1−ブテン重合体と比較して、CFC測定において高温側の溶出成分が増加する傾向にある。しかしながら、本発明の1−ブテン重合体では、逆の傾向を示す。すなわち、本発明の1−ブテン重合体は、従来公知の1−ブテン重合体に比して高立体規則性を有するにもかかわらず、CFC測定において低温側での溶出割合が相対的に多い(
図1参照)。
【0245】
一般に、高立体規則性の重合体は結晶相の厚化により降伏応力が高くなり、成形性や延伸性を悪化させる要因となることがある。しかしながら、CFC測定において特徴的な挙動を示す本発明の1−ブテン重合体は、高立体規則性に由来して高い引張弾性率を有するにも関わらず、降伏応力は従来公知の1−ブテン重合体と同等である。このため、本発明の1−ブテン重合体は、優れた剛性/降伏応力のバランスを有した材料といえる。
【0246】
以上の物性の測定方法の詳細は実施例に記載したとおりである。
【0247】
本発明の新規な1−ブテン重合体は、実質的に1−ブテン由来の構成単位のみからなる1−ブテン重合体であるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でコモノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。「実質的に」とは、1−ブテン由来の構成単位の割合が95重量%以上であることを意味する。コモノマーとしては、例えば、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したオレフィンが挙げられる。
【0248】
以上の構成および物性を有する1−ブテン重合体は、例えば、上述した本発明のオレフィン重合用触媒の存在下で、1−ブテンと、必要に応じてコモノマー(例:エチレン、プロピレンおよび炭素数5〜30のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン)とを重合することで得ることができる。重合条件の詳細は、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したとおりである。
【0249】
上記構成および特徴を有する本発明の1−ブテン重合体は、例えば上記方法で合成することができ、均一で薄いラメラ構造を多く有すると推定される。前記のラメラ構造が、1−ブテン重合体において特徴あるCFC測定結果を示す原因と考えられる。
【0250】
本発明の1−ブテン重合体に対しては、上記方法で合成した後に、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってよい。
【0251】
本発明の1−ブテン重合体は、その一次構造が上述したような特定の範囲に制御されていることにより、高耐熱性や、高剛性および高強度等の機械的特性を有する。例えば、本発明のオレフィン重合体は、従来のオレフィン重合体に比べて高い融点および高い立体規則性を有する。また、本発明の1−ブテン重合体は、好ましくはCFC測定による温度[T
X]での累積溶出量が特定範囲にあるため、優れた剛性/降伏応力のバランスを有する。
【0252】
本発明の1−ブテン重合体は、以上の特性(高耐熱性、剛性/降伏応力のバランス)を有することから、パイプ、フィルム、シート等の材料として好ましく用いることができると考えられる。特に、パイプとして用いた場合に耐熱クリープ特性に優れると考えられえる。
【0253】
〔第1の4−メチル−1−ペンテン重合体〕
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体は、以下の要件(a)(構成単位について)、要件(b)(立体規則性について)、要件(c)(融解熱量ΔHmと融点Tmの関係について)、を満たす。
【0254】
〈要件(a)〉
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体において、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位量が100〜80モル%であり、好ましくは100〜90モル%であり、炭素数2〜30のオレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種由来の構成単位量が0〜20モル%であり、好ましくは0〜10モル%であること。以下、4−メチル−1−ペンテンを「4MP1」とも記載し、4−メチル−1−ペンテン重合体を「4MP1重合体」とも記載する。
【0255】
ここで、4MP1由来の構成単位量と、炭素数2〜30のオレフィン(4MP1モノマーを除く)から選ばれる少なくとも1種由来の構成単位量との合計は、好ましくは100モル%である。
【0256】
上記オレフィンは、α−オレフィンであることが好ましい。これらのオレフィンとしては、例えば、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したオレフィンが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィン(4MP1モノマーを除く)が挙げられ、共重合性の観点からさらに好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げられ、特に好ましくはプロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンが挙げられる。
【0257】
〈要件(b)〉
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体において、
13C−NMRで測定されるメソダイアッド分率(m)が98.5%以上100%以下であること。「m」は、好ましくは99%以上100%以下である。「m」が前記下限値を下回ると、耐熱性や剛性が不充分になることがある。
【0258】
〈要件(c)〉
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体において、示差走査型熱量測定(DSC)で測定される融解熱量ΔHm(単位:J/g)と融点Tm(単位:℃)が以下の関係式(1)を満たす。
【0259】
関係式(1):ΔHm≧0.5×Tm−76
関係式(1)において、ΔHmおよびTmの好ましい範囲は以下のとおりである。
【0260】
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体は、示差走査型熱量測定(DSC)(昇温速度:10℃/min)で測定される融点Tmが、好ましくは100〜260℃、より好ましくは110〜250℃、さらに好ましくは150℃〜250℃、さらにより好ましくは152〜250℃、特に好ましくは175〜250℃、最も好ましくは190〜250℃である。
【0261】
本発明に係る第1の4−メチル−1−ペンテン重合体は、示差走査型熱量測定(DSC)(昇温速度:10℃/min)で測定される融解熱量ΔHmが、好ましくは5〜80J/g、より好ましくは10〜60J/gである。
【0262】
関係式(1)は、本発明に係る第1の4MP1重合体が、従来公知の4MP1重合体と比べて高い融解熱量を有することを示している(
図3参照)。詳しくは、本発明に係る第1の4MP1重合体は、従来公知の4MP1重合体と比べて、同程度の融点(Tm)における融解熱量(ΔHm)が大きい、すなわち結晶化度が高いという特徴を有する。従来公知の4MP1重合体は、融点は高いものの融解熱量が小さいというのが通常であったことから、本発明に係る第1の4MP1重合体は優れた特性を示すものといえる。
【0263】
本発明に係る第1の4MP1重合体は、以下に述べる優れた特性を有する。通常の結晶性ポリマーにおいては、結晶化度が高くなると引張弾性率などの剛性が上昇するかわりに、破断点伸びなどの靭性が低下するのが一般的である。しかしながら、上記要件(a)〜(c)、特に関係式(1)を満たす本発明に係る第1の4MP1重合体においては、引張弾性率が高くなるにもかかわらず、破断点伸びが低下しないという特徴を有する(
図2参照)。これは、結晶性ポリマーにおいてはきわめて特徴的な挙動である。
【0264】
関係式(1)の設定の詳細については、実施例に記載したとおりである。
【0265】
本発明に係る第1の4MP1重合体は、〔オレフィン重合体〕の欄に記載した範囲の、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を有することが好ましい。極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜20dl/g、より好ましくは0.2〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜8dl/gである。
【0266】
以上の物性の測定方法の詳細は実施例に記載したとおりである。
【0267】
以上の構成および物性を有する第1の4MP1重合体は、例えば、上述した本発明のオレフィン重合用触媒の存在下で、4MP1と、必要に応じてコモノマー(例:炭素数2〜30のα−オレフィン(ただし4MP1を除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン)とを重合することで得ることができる。重合条件の詳細は、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したとおりである。
【0268】
上記構成および特徴を有する本発明に係る第1の4MP1重合体は、例えば上記方法で合成することができる。本発明に係る第1の4MP1重合体の上記特徴は、上記方法で得られる4MP1重合体の立体規則性が高いことのほかに、重合体中の4MP1の平均連鎖長が通常の4MP1重合体に比べて短いことが要因のひとつと推察できる。その結果、本発明に係る第1の4MP1重合体において形成される結晶ラメラの厚さや球晶サイズが、通常の4MP1重合体に比べて小さくなると考えられる。一方で、本発明に係る第1の4MP1重合体は立体規則性が高いため、結晶化度は高くなる。
【0269】
したがって、本発明に係る第1の4MP1重合体では、通常の4MP1重合体に比べて、(1)結晶構造の長周期が短く、より小さな球晶が多く形成されることになる、(2)形成される結晶ラメラの厚さや球晶サイズがきわめて均一になる、と考えられる。
【0270】
本発明に係る第1の4MP1重合体は、以上の結晶構造上の特徴を有すると考えられることから、以下の推察が可能となる。通常の4MP1重合体では、結晶化度が高くなって高剛性化しても、結晶構造サイズの不均一であるため、引張変形に対して抵抗が強い部分と弱い部分とが混在することになり、特に引張変形に対する抵抗が弱い部分をきっかけとして容易に破断が生じてしまう。これに対して、本発明に係る第1の4MP1重合体では、結晶構造上の不均一が少ないため、引張変形に対する抵抗が空間内で均一となり、破断のきっかけとなる部分がなく、破断点伸びが低下しないと考えられる。
【0271】
本発明に係る第1の4MP1重合体は、以上の特性(剛性/靭性のバランス)を有することから、フィルム、シート、チューブ、射出成形体、中空成形体、繊維等の材料として好適に用いられる。例えば、包装用フィルム、離型フィルム、通気性フィルム、反射フィルム、合皮用離型紙、医療用チューブ、産業用チューブ、食品容器、耐熱容器、医療用容器、アニマルケージ、理化学実験器具、ゴムホース製造用マンドレル、不織布の材料として、また、コーティング材、透明化改質材、熱可塑性樹脂改質剤、ポリオレフィン、エラストマー、ゴム改質材などの離型性・ガスバリア性などの樹脂物性改質材、成形改質材、相容化剤(グラフト変性)等に好適であると考えられる。
【0272】
また、上記第1の4MP1重合体は、粉砕処理により微粉末に加工することもできる。得られた微粉末は、例えばインキ組成物や塗料組成物の添加剤として、冶金用粉末組成物の添加剤として、セラミック焼結用粉末組成物の添加剤として、粘着剤の添加剤として、ゴムの添加剤として、トナーの離型剤として、金型離型剤などとして用いられうる。さらには、得られた微粉末は、軸上、歯車、カム、電気部品、カメラ部品、自動車部品、家庭用品向けの部品への樹脂添加剤として、ワックス、グリース、エンジンオイル、ファインセラミックス、メッキなどの樹脂添加剤としても用いられうる。
【0273】
〔第2の4−メチル−1−ペンテン重合体〕
本発明に係る第2の4−メチル−1−ペンテン重合体は、以下の要件(d)(構成単位について)、要件(e)(立体規則性について)、要件(f)(融点Tmについて)、を満たす。
【0274】
〈要件(d)〉
本発明に係る第2の4−メチル−1−ペンテン重合体において、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位量が50モル%を超えて80モル%未満であり、炭素数2〜30のオレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種由来の構成単位量が20モル%を超えて50モル%未満であること。4MP1由来の構成単位量は、好ましくは50モル%を超えて78モル%未満であり、前記オレフィン由来の構成単位量は、好ましくは22モル%を超えて50モル%未満である。
【0275】
ここで、4MP1由来の構成単位量と、炭素数2〜30のオレフィン(4MP1を除く)から選ばれる少なくとも1種由来の構成単位量との合計は、好ましくは100モル%である。
【0276】
上記オレフィンは、α−オレフィンであることが好ましい。これらのオレフィンとしては、例えば、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したオレフィンが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィン(4MP1モノマーを除く)が挙げられ、共重合性の観点からさらに好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げられ、特に好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテンが挙げられる。
【0277】
〈要件(e)〉
本発明に係る第2の4−メチル−1−ペンテン重合体において、
13C−NMRで測定されるメソダイアッド分率(m)が98.5%以上100%以下であること。「m」は、好ましくは99%以上100%以下である。「m」が前記下限値を下回ると、圧縮永久歪などの機械物性が不充分になることがある。
【0278】
〈要件(f)〉
本発明に係る第2の4−メチル−1−ペンテン重合体において、示差走査型熱量測定(DSC)(昇温速度:10℃/min)で測定される融点Tmが100℃未満または実質的に存在しないこと。ここで、実質的に融点が存在しないとは、示差走査型熱量測定(DSC)(昇温速度:10℃/min)で測定される融解熱量ΔHm(単位:J/g)が、実質的に観測されないことをいう。融解熱量ΔHmが実質的に観測されないとは、ΔHmが5J/g未満であり、好ましくは1J/g以下であり、より好ましくは検出限界(=0.1J/g程度)以下である。このように、本発明に係る第2の4−メチル−1−ペンテン重合体は、非晶性または低結晶性の重合体である。
【0279】
本発明に係る第2の4MP1重合体は、〔オレフィン重合体〕の欄に記載した範囲の、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を有することが好ましい。極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜20dl/g、より好ましくは0.2〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜8dl/gである。
【0280】
(ゲル分率)本発明に係る第2の4MP1重合体は、沸騰p−キシレン(溶媒)抽出によるゲル分率が、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜0.5重量%の範囲にある。前記重合体はゲル分率が低いものの、優れた弾性的性質を示す。
【0281】
以上の物性の測定方法の詳細は実施例に記載したとおりである。
【0282】
上記要件(d)〜(f)を満たす本発明に係る第2の4MP1重合体は、従来公知の非晶性または低結晶性の4MP1重合体と比べて、同程度の4MP1含有量において、動的粘弾性で測定される損失正接(tanδ)が高く、なおかつ弾性的性質の指標である圧縮永久歪が低下しない、という特徴を有する。
【0283】
一般的に、損失正接(tanδ=G”/G’)が高いと、弾性的性質(G’)よりも粘性的性質(G”)が強く、圧縮永久歪のような弾性的性質は悪化することが知られている。しかしながら、本発明に係る第2の4MP1重合体では、損失正接が高いにもかかわらず、圧縮永久歪の悪化が見られない。
【0284】
以上の構成および物性を有する第2の4MP1重合体は、例えば、上述した本発明のオレフィン重合用触媒の存在下で、4MP1と、必要に応じてコモノマー(例:炭素数2〜30のα−オレフィン(ただし4MP1を除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン)とを重合することで得ることができる。重合条件の詳細は、〔オレフィン重合体の製造方法〕の欄に記載したとおりである。
【0285】
上記構成および特徴を有する本発明に係る第2の4MP1重合体は、例えば上記方法で合成することができる。本発明に係る第2の4MP1重合体の上記特徴は、以下のような理由により発現すると本発明者らは推定している。
【0286】
上述の粘性的性質(G”)の支配因子は分子鎖間の摩擦力の大きさであり、これは一次構造(モノマー)によって決まる。したがって、4MP1重合体では共重合組成のみで決まることになり、同程度の4MP1含有量であれば、本発明に係る第2の4MP1ポリマーと通常の4MP1ポリマーとの間で大きな差は生じないと考えられる。
【0287】
一方で、圧縮永久歪は、本発明に係る第2の4MP1重合体の方が小さく、歪回復性に優れている。この理由として以下の推察ができる。4MP1重合体では、結晶化していない非晶領域においても数百nm程度の大きさの空間秩序性をもった凝集構造が存在することが知られている。このような凝集構造ができるのは4MP1重合体鎖の剛直性(側鎖の嵩高さに由来)に起因する分子運動性の低さが原因と考えられている。
【0288】
しかしながら、通常の4MP1重合体では、このような非晶領域に存在する凝集構造の大きさが、不均一であり、またその存在割合も低いと考えられる。一方で、本発明に係る第2の4MP1重合体では、非晶領域に存在する凝集構造の大きさが均一でなおかつその存在割合も多いと考えられる。なぜなら、本発明に係る第2の4MP1重合体は非結晶性の場合でも立体規則性が高く、互いに凝集しやすい構造を有するからである。
【0289】
この非晶領域の凝集構造は、圧縮や引張といった外部から与えられる変形に対して「擬似的な架橋点」として作用すると考えられる。したがって、この擬似的な架橋点の割合が多いほど、圧縮などの変形を開放したときの変形回復量が大きくなると考えられる。このことが、本発明に係る第2の4MP1重合体において、tanδが高いにもかかわらず、圧縮永久歪が低下しない原因であると推察できる。
【0290】
本発明に係る第2の4MP1重合体は、以上の粘弾性特性を有することから、フィルム、シート、射出成形体として制振材、防振材、防音材、衝撃吸収材、遮音材等の材料として好適に用いられる。例えば、オーディオ機器、OA機器、産業機械、自動車、鉄道、橋梁、船舶等の防振マット、防振ダンパー、内装材;エアコンや洗濯機などの家電製品等の制振材、防振材、防音材または遮音材;マウスガード・スポーツ用プロテクター・介護用プロテクター・マット・靴のインナーソールなどの衝撃吸収材;粘着フィルム、プロテクトフィルム粘着層などの粘着材;半導体用工程保護フィルム;スポーツ用品・文具・健康用品などのグリップ材;ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリブテン、ポリエチレンなどのポリオレフィン改質材、エラストマー改質材、ゴム改質材、アクリル系粘着材用改質材、ホットメルト接着剤改質材、フローマーク改質材、ウエルド改質材、表面改質材等の成形改質材、ガスバリア改質材、離型性改質材などの樹脂改質材、相容化剤(グラフト変性)等に好適であると考えられる。
【0291】
また、上記第2の4MP1重合体は、粉砕処理により微粉末に加工することもできる。得られた微粉末は、例えば制振塗料などのインキ組成物や塗料組成物の添加剤として、冶金用粉末組成物の添加剤として、セラミック焼結用粉末組成物の添加剤として、粘着剤の添加剤として用いられうる。
【0292】
〔成形体〕
本発明の成形体は、上述のオレフィン重合体、または1−ブテン重合体もしくは4−メチル−1−ペンテン重合体を含んでなる。これらのオレフィン重合体は、射出成形法、押出成形法、射出延伸ブロー成形法、ブロー成形法、キャスト成形法、カレンダー成形法、プレス成形、スタンピング成形、インフレーション成形、ロール成形等の各種成形法により、目的とする成形体、例えばフィルム、シート、中空成形体、射出成形体、繊維等に加工することができる。
【0293】
本発明に係る成形体の用途例を以下に挙げるが、特にこれらに限られない。
【0294】
容器としては、例えば、食器、調味料容器、レトルト容器、冷凍保存容器、レトルトパウチ、電子レンジ耐熱容器、冷凍食品容器、冷菓カップ、カップ、哺乳瓶、飲料ボトルなどの食品容器、レトルト容器、ボトル容器などや、輸血セット、医療用ボトル、医療用容器、医療用中空瓶、医療バッグ、輸液バッグ、血液保存バック、輸液ボトル薬品容器、洗剤容器、柔軟剤用容器、漂白剤用容器、シャンプー用容器、リンス用容器、化粧品容器、香水容器、トナー容器、粉末容器、接着剤用容器、ガソリンタンク用容器、灯油用容器などが挙げられる。
【0295】
包材としては、例えば、食品包材、食肉包材、加工魚包材、野菜包材、果物包材、発酵食品包材、菓子包装材、酸素吸収剤包材、レトルト食品用包材、鮮度保持フィルム、医薬包材、細胞培養バック、細胞検査フィルム、球根包材、種子包材、野菜・キノコ栽培用フィルム、耐熱真空成形容器、惣菜容器、惣菜用蓋材、業務用ラップフィルム、家庭用ラップフィルム、ベーキングカートンなどが挙げられる。
【0296】
フィルム・シート・テープとしては、例えば、
フレキシブルプリント基板用離型フィルム、ACM基板用離型フィルム、リジット基板用離型フィルム、リジットフレキシブル基板用離型フィルム、先端複合材料用離型フィルム、炭素繊維複合材硬化用離型フィルム、ガラス繊維複合材硬化用離型フィルム、アラミド繊維複合材硬化用離型フィルム、ナノ複合材硬化用離型フィルム、フィラー充填材硬化用離型フィルム、半導体封止用離型フィルム、偏光板用離型フィルム、拡散シート用離型フィルム、プリズムシート用離型フィルム、反射シート用離型フィルム、離型フィルム用クッションフィルム、燃料電池用離型フィルム、各種ゴムシート用離型フィルム、ウレタン硬化用離型フィルム、エポキシ硬化用離型フィルムなどの離型フィルム、
太陽電池セル封止シート、太陽電池セルバックシート、太陽電池用プラスチックフィルム、バッテリーセパレーター、リチウムイオン電池用セパレーター、燃料電池用電解質膜、粘着・接着材セパレーター、導光板、光ディスク、
ダイシングテープ・バックグラインドテープ・ダイボンディングフィルム、二層FCCL、フィルムコンデンサー用フィルムなどの半導体用工程フィルムの基材・粘着材・セパレーター、粘着フィルム、応力緩和フィルム、ペリクル用フィルム、偏光板用フィルム、偏光板用保護フィルム、液晶パネル用保護フィルム、光学部品用保護フィルム、レンズ用保護フィルム、電気部品・電化製品用保護フィルム、携帯電話用保護フィルム、パソコン用保護フィルム、タッチパネル用保護フィルム、窓ガラス保護フィルム、焼付塗装用フィルム、マスキングフィルム、コンデンサー用フィルム、キャパシターフィルム、燃料電池用キャパシターフィルム、反射フィルム、拡散フィルム、積層体(ガラス含む)、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルムなどの保護フィルム、
放熱フィルム・シート、電子部品封止体製造用型枠、LEDモールド、高周波回路用積層板、高周波ケーブル用被覆材、光導波路基板、ガラス繊維複合体、炭素繊維複合体、
ガラス中間膜、合わせガラス用フィルム、建材用ウインドウフィルム、防弾材、防弾ガラス用フィルム、遮熱シート、遮熱フィルム、
合皮用離型紙、先端複合材料用離型紙、炭素繊維複合材硬化用離型紙、ガラス繊維複合材硬化用離型紙、アラミド繊維複合材硬化用離型紙、ナノ複合材硬化用離型紙、フィラー充填材硬化用離型紙などの離型紙、耐熱耐水印画紙、
などが挙げられる。
【0297】
その他の用途としては、例えば、
ゴムホース製造用マンドレル、シース、ゴムホース製造用シース、ホース、チューブ、冷却水配管、温水配管、電線被覆材、ミリ波信号ケーブル被覆材、高周波信号ケーブル被覆材、エコ電線被覆材、車載用ケーブル被覆材、信号ケーブル被覆材、高圧電線用碍子、配線ダクト、化粧品・香水スプレー用チューブ、医療用チューブ、輸液チューブ、パイプ、ワイヤーハーネス、
自動車・自動二輪・鉄道車両・航空機・船舶等の内外装材、耐磨耗自動車内外装材、インストルメントパネル表皮、ドアトリム表皮、リアーパッケージトリム表皮、天井表皮、リアピラー表皮、シートバックガーニッシュ、コンソールボックス、アームレスト、エアバックケースリッド、シフトノブ、アシストグリップ、サイドステップマット、リクライニングカバー、トランク内シート、シートベルトバックル、インナー・アウターモール、バンパーモール、サイドモール、ルーフモール、ベルトモールなどのモール材、エアスポイラー、ドアシール、ボディシールなどの自動車用シール材、グラスランチャンネル、泥よけ、キッキングプレート、ステップマット、ナンバープレートハウジング、自動車用ホース部材、エアダクトホース、エアダクトカバー、エアインテークパイプ、エアダムスカート、タイミングベルトカバーシール、ボンネットクッション、ドアクッション、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、ワイヤーハーネスグロメット、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、バンパー部品、ボディパネル、サイドシールド、ドア表皮、ウェザーストリップ材、ホース、ステアリングホイール、ワイヤーハーネスカバー、シートアジャスターカバーなどの自動車内外装材、制振タイヤ、静動タイヤ、カーレースタイヤ、ラジコンタイヤなどの特殊タイヤ、パッキン、自動車ダストカバー、ランプシール、自動車用ブーツ材、ラックアンドピニオンブーツ、タイミングベルト、ワイヤーハーネス、グロメット、エンブレム、エアフィルタパッキン、自動車用コネクタ、イグニッションコイル、スイッチ、ランプリフレクタ、リレー、電気制御ユニットケース、センサーハウジング、電磁弁、コイル封止部品、
家具・履物・衣料・袋物・建材等の表皮材、建築用シール材、防水シート、建材シート、建材ガスケット、建材用ウインドウフィルム、鉄芯保護部材、地盤改良用シート、止水材、目地材、ガスケット、ドア、ドア枠、窓枠、廻縁、巾木、開口枠等、床材、天井材、壁紙、
健康用品(例:滑り止めマット・シート、転倒防止フィルム・マット・シート、)、健康器具部材、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ、プロテクター)、スポーツ用防具、ラケット、マウスガード、ボール、ゴルフボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、制振パレット、衝撃吸収ダンパー、インシュレーター、履物用衝撃吸収材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルム・シートなどの衝撃吸収材、
グリップ材(筆記具、工具、運動用具、乗り物のハンドル、日用品、電気器具、家具等)、雑貨、玩具、靴底、靴底ソール、靴のミッドソール・インナーソール、ソール、サンダル、椅子表皮、鞄、ランドセル、ジャンバー・コートなどのウェア、帯、襷、リボン、手帳カバー、ブックカバー、キーホルダー、ペンケース、財布、名刺入れ、定期入れ、吸盤、歯ブラシ、床材、体操用マット、電動工具部材、農機具部材、放熱材、透明基板、防音材、クッション材、電線ケーブル、形状記憶材料、コネクタ、スイッチ、プラグ、家電部品(モータ部品、ハウジング等)、
医療用ガスケット、医療用キャップ、薬栓、ガスケット、ベビーフード・酪農製品・医薬品・滅菌水等を瓶に充填後、煮沸処理、高圧蒸気滅菌等高温処理される用途のパッキング材、工業用シール材、工業用ミシンテーブル、ナンバープレートハウジング、ペットボトルキャップライナーなどのキャップライナー、
プロテクトフィルム粘着層、ホットメルト粘着材などの粘着材、
文房具、オフィス用品、OAプリンタ脚、FAX脚、ミシン脚、モータ支持マット、オーディオ防振材などの精密機器・OA機器支持部材、OA用耐熱パッキン、アニマルケージ、ビーカー、メスシリンダー等の理化学実験機器、医療用フィルム・シート、細胞培養用フィルム・シート、シリンジ、光学測定用セル、衣装ケース、クリアーケース、クリアーファイル、クリアーシート、デスクマット、
繊維としての用途として、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、カットファイバー、中空糸、不織布、伸縮性不織布、繊維、防水布、通気性の織物や布、紙おむつ、生理用品、衛生用品、フィルター、バグフィルター、集塵用フィルター、エアクリーナー、中空糸フィルター、浄水フィルター、濾布、濾紙、ガス分離膜、
などが挙げられる。
【0298】
また、コーティング材、コーティングによって得られるフィルム、シート、離型材、撥水材、絶縁膜、接着材、粘着材、コート紙、透明シーラント、シーラント、ホットメルト型粘接着剤、溶剤型粘接着剤、フィルム状粘接着剤、布テープ、クラフトテープ、弾性接着剤などにも好適に使用される。
【実施例】
【0299】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0300】
〔各種物性の測定法〕
極限粘度([η])
離合社製自動動粘度測定装置VMR−053PCおよび改良ウベローデ型毛細管粘度計を用い、デカリン、135℃での比粘度ηspを求め、下記式より極限粘度([η])を算出した。
【0301】
[η]=ηsp/{C(1+K・ηsp)}(C:溶液濃度[g/dl]、K:定数)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)
ウォーターズ社製Alliance GPC2000を用い、濃度0.15(w/v)%の試料溶液500μlを流量1.0ml/分で移動させることにより、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー社製を用い、ポリスチレン換算での分子量を算出した。
・分離カラム:TSKgel GMH6−HTおよびTSKgel GMH6−HTL(各内径7.5mm、長さ300mmのカラムを2本ずつ用いた。)
・カラム温度:140℃
・移動相:o−ジクロロベンゼン
(0.025wt% ジブチルヒドロキシトルエン含有)
・検出器:示差屈折計
融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、融解熱量(ΔHm)、CFC分析
〈常圧重合によって得られたブテンホモポリマーの融点、結晶化温度〉
セイコーインスツル社製RDC220を用い、窒素雰囲気下(50mL/min)、約5mgの試料を30℃から200℃まで昇温した。200℃で5分間保持した後、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間保持した後、10℃/minで200℃まで昇温させた。冷却時に観測された結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(TmII)とした。
【0302】
上記のようにして測定した試料を23℃で10日以上静置した後、室温30℃から10℃/minで200℃まで昇温させた。昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(Tm)とした。
【0303】
〈加圧重合によって得られたブテンホモポリマーの融点、結晶化温度〉
エスアイアイナノテクノロジー社製EXSTAR DSC6220を用い、窒素雰囲気下(30mL/min)、約4mgの試料を30℃から200℃まで昇温した。200℃で5分間保持した後、20℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間保持した後、10℃/minで200℃まで昇温させた。
【0304】
さらに試料を室温(20〜25℃)で10日以上静置した後、30℃から10℃/minで200℃まで昇温した。200℃で5分間保持した後、20℃/minで30℃まで冷却した。冷却時に観測された結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(Tm)とした。
【0305】
〈クロス分別クロマトグラフ法(CFC)〉
下記の装置を用いて測定した。
【0306】
装置:クロス分別クロマトグラフ CFC2(Polymer Char社製)
検出器:バンドパスフィルター型赤外検出器IR4(Polymer Char社製)
検出波長範囲:およそ3000〜2800cm
-1
TREFカラム:ステンレスカラム(外径3/8インチ×長さ15cm,装置内蔵)
GPCカラム:Shodex HT−806M×3本(昭和電工社製)
分子量換算:単分散ポリスチレン(東ソー社製)によるポリスチレン換算
溶離液:o−ジクロロベンゼン(特級グレード、和光純薬社製)
流速:1.0mL/min
試料注入量:0.5mL
GPCカラム温度:140℃
下記条件で調製したサンプルをCFC装置へ注入し、TREFカラム中145℃で10分間、ついで140℃で20分間保持した。その後、−20℃まで1℃/minで冷却して60分間静置させた。その後、下記溶出区分に従いTREFカラムを昇温し、昇温操作のたびに溶出する成分をGPCカラムへ送液して分子量分布と溶出量を決定した。溶出開始温度(累積溶出重量%が0.5重量%となる温度)を[T
S]、溶出終了温度(累積溶出重量%が99重量%となる温度)を[T
E]とし、([T
S]+[T
E])/2で特定される温度[T
X]における、全溶出量に対する累積溶出量を求めた。[T
X]が溶出区分の温度と一致しない場合は、[T
X]を挟んだ、[T
X]直近2点の溶出区分の温度におけるそれぞれの累積溶出量から、当該2点間の温度領域における温度に対する累積溶出量が線型性を有すると仮定して[T
X]における累積溶出量を求めた。
【0307】
<試料調製条件>
試料調製濃度:120mg/30mL
試料調製溶媒:o−ジクロロベンゼン(特級グレード、和光純薬社製)
試料調製温度:145℃
溶出区分:−20、0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、140℃(計38分画)
〈4−メチル−1−ペンテンホモポリマーの融点、結晶化温度、融解熱量〉
エスアイアイナノテクノロジー社製EXSTAR DSC7020を用い、窒素雰囲気下(30mL/min)、約5mgの試料を30℃から300℃まで昇温した。300℃で5分間保持した後、10℃/minで0℃まで冷却した。0℃で5分間保持した後、10℃/minで300℃まで昇温させた。冷却時に観測された結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(Tm)とした。また、この結晶溶融ピークの積算値から融解熱量ΔHmを算出した。
【0308】
〈4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合体の融点、結晶化温度、融解熱量〉
エスアイアイナノテクノロジー社製EXSTAR DSC7020を用い、窒素雰囲気下(30mL/min)、約5mgの試料を30℃から250℃まで昇温した。250℃で5分間保持した後、10℃/minで0℃まで冷却した。0℃で5分間保持した後、10℃/minで250℃まで昇温させた。冷却時に観測された結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(Tm)とした。また、この結晶溶融ピークの積算値から融解熱量ΔHmを算出した。
【0309】
〈4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−デセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキサデセン/1-オクタデセン共重合体の融点、結晶化温度、融解熱量〉
エスアイアイナノテクノロジー社製EXSTAR DSC6220を用い、窒素雰囲気下(30mL/min)、約4mgの試料を30℃から280℃まで昇温した。280℃で5分間保持した後、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間保持した後、10℃/minで280℃まで昇温させた。冷却時に観測された結晶化ピークの頂点を結晶化温度(Tc)、2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点を融点(Tm)とした。また、この結晶溶融ピークの積算値から融解熱量ΔHmを算出した。
【0310】
ポリブテンの立体規則性(mmmmと位置不規則性)
メソペンタッド分率(mmmm)と2,1−挿入、1,4−挿入に起因する位置不規則性とを、
13C−NMRスペクトルより算出した。
13C−NMRスペクトルは、o−ジクロロベンゼンと重水素原子化ベンゼンの4/1混合溶媒(o−ジクロロベンゼン/重水素原子化ベンゼン;体積比)0.6ml中、サンプル50mgを溶解し、ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、120℃で、45°パルスを用いて、繰返し時間5.5秒、積算回数256回で測定した。ケミカルシフトの基準値は、側鎖メチレン基のmmmm由来のシグナルを27.50ppmとした。ピークの帰属は、K. Matsuzaki, T. Uryu, T. Asakura, NMR SPECTROSCOPY AND STEREOREGULARITY OF POLYMERS, JAPAN SCIENTIFIC SOCIETIES PRESSを参考に行った。
【0311】
本測定法ではmmmmとmmmr、およびrmmrとmmrrに由来するピークの分離が不充分であるため、I(mmmr)=I(mmrr)+I(mrrm)、I(rmmr)=0とし、メソペンタッド分率(mmmm):F(mmmm)×100(%)を下記式より算出した。
【0312】
F(mmmm)=[I(mmmm+mmmr)-I(rmmr+ mmrr)-I(mrrm)]/I(CH2)
I(X)は、Xに帰属される26.2〜28.5ppmのメチレン基由来のピーク積を示す。I(CH
2)は、26.2〜28.5ppmのメチレン基由来の全ピーク面積を示す。なお、0.01%未満を検出限界以下とした。
【0313】
4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合体中のプロピレン含量、
4−メチル−1−ペンテン/α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含量
4−メチル−1−ペンテン/プロピレン共重合体中のプロピレン含量および4−メチル−1−ペンテン/α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含量は、以下の装置および条件により、
13C−NMRスペクトルより算出した。
【0314】
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d
6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は55mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は
13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、積算回数は64回、ベンゼン−d
6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチンシグナルの積分値を用い、下記式によってプロピレン含量を算出した。
【0315】
プロピレン含量(%)=[P/(P+M)]×100
ここでPはプロピレン主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示し、Mは4−メチル−1−ペンテン主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示す。
【0316】
4−メチル−1−ペンテン/α−オレフィン共重合体について、同様にしてα−オレフィン(4MP1を除く)由来のシグナルの積分値を用い、α−オレフィンの含量を算出した。
【0317】
4−メチル−1−ペンテン重合体のアイソダイアドタクティシティー
4−メチル−1−ペンテン重合体のアイソダイアドタクティシティー(メソダイアッド分率)は、ポリマー鎖中の任意の2個の頭尾結合した4−メチル−1−ペンテン単位連鎖を平面ジグザグ構造で表現した時、そのイソブチル分岐の方向が同一である割合と定義し、
13C−NMRスペクトルから下記式により求めた。
【0318】
アイソダイアッドタクティシティー(%)=[m/(m+r)]×100
[式中、m、rは下記式
【0319】
【化9】
【0320】
で表される頭-尾で結合している4−メチル−1−ペンテン単位の主鎖メチレンに由来する吸収強度を示す。]
13C−NMRスペクトルは、ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d
6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は60mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は
13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、ベンゼン−d
6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
【0321】
ピーク領域は、41.5〜43.3ppmの領域をピークプロファイルの極小点で区切り、高磁場側を第1領域、低磁場側を第2領域に分類した。
【0322】
第1領域では、(m)で示される4−メチル−1−ペンテン単位2連鎖中の主鎖メチレンが共鳴するが、4−メチル−1−ペンテン単独重合体とみなした積算値を「m」とした。第2領域では、(r)で示される4−メチル−1−ペンテン単位2連鎖中の主鎖メチレンが共鳴し、その積算値を「r」とした。なお、0.01%未満を検出限界以下とした。
【0323】
4−メチル−1−ペンテン単独重合体の溶媒可溶部量(SP)
重合体スラリーを濾過することで、固体状重合体(白色固体)と濾液とに分離した。次いで、濾液から蒸発法により溶媒を除去することで、濾液中に溶解している重合体を得た。次いで以下の式に基づき、濾液中の重合体量を算出した。
【0324】
濾液中の重合体量(重量%)=W2/(W1+W2)×100
W1:濾別された固体状重合体(白色固体)の質量(g)
W2:スラリーの濾液中に溶解している重合体の質量(g)
4−メチル−1−ペンテン重合体のゲル分率
ゲル分率は、ソックスレー抽出機#325メッシュの金網中に試料を約5g装入し、沸騰p−キシレン還流で3時間抽出を行い、金網内に残存した物の重量から下記の式で算出した。
【0325】
ゲル分率(%)=(残存物量[g]/仕込み量[g])×100
化合物および触媒の構造・純度の同定
実施例等で得られた化合物および触媒の構造・純度は、核磁気共鳴(NMR、日本電子社製GSH−270)、電解脱離質量分析(FD−MS、日本電子社製SX−102A)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS、ヒューレットパッカード社製HP6890/HP5973または島津製作所社製GC−17A/GCMS−QP5050A)等を用いて決定した。メタロセン化合物の立体構造は、
1H−NMR測定によって得られたスペクトルと、理論的な計算によって得られた各種立体異性体のスペクトルとを比較することにより決定した。
【0326】
特に断りのない限り、全ての実施例は乾燥窒素雰囲気下、乾燥溶媒を用いて行った。
【0327】
1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンは、国際公開第2001/27124号パンフレットの実施例に従い合成した。以下、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンを「オクタメチルフルオレン」と記載する。
【0328】
〔遷移金属化合物の合成〕
[合成例1](1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-5-tert-ブチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)ジルコニウムジクロライド(触媒A)の合成
(1)5-tert-ブチル-1-イソプロピル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにメタノール50ml、tert-ブチルシクロペンタジエン2.54g、ピロリジン5.2ml、イソブチルアルデヒド2.1mlを氷水浴下で装入した。室温に戻し4時間、さらに40℃で1.5時間攪拌した。イソブチルアルデヒド2.1mlを追加し、室温で18時間、さらに70℃で7時間攪拌した。アセトン7.0mlを装入し、70℃で17時間反応させた。さらにアセトン10mlを装入し、70℃で6時間攪拌した。反応溶液を0.5M塩酸150mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン150mlで抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物を得た。収量0.96g、収率21%。
【0329】
(2)1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-5-tert-ブチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにオクタメチルフルオレン1.54g、tert-ブチルメチルエーテル30mlを装入した。氷水浴下、1.59Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.60mlを12分間かけて滴下した。室温に戻し2時間、さらに40℃で2時間攪拌した。5-tert-ブチル-1-イソプロピル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン0.96gのtert-ブチルメチルエーテル溶液15mlを-12℃で30分間かけて加えた。室温で21時間攪拌した後、反応溶液を0.1N塩酸100mlに加えた。有機層を分離し、水層をヘキサン80mlで抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄することにより、表題化合物を得た。収量1.48g、収率62%。
【0330】
FD-MSの測定結果により、目的物を同定した。FD-MS: m/Z=602.5 (M
+).
1H-NMRより、複数の異性体の混合物であった。
【0331】
(3)触媒A:窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に1-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)-5-tert-ブチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン0.699g、α-メチルスチレン0.140g、ヘキサン10g、シクロペンチルメチルエーテル1.15mlを装入した。26℃のオイルバス下、1.65Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液1.45mlを15分間かけて滴下した。70℃で4時間攪拌した後、氷/アセトン浴で冷却した。系内を5分間減圧することで脱気し、窒素で常圧に戻した。四塩化ジルコニウム0.293gを加えた後、徐々に室温に戻しながら17.5時間反応させた。溶媒を留去した後、ヘキサンで可溶分を抽出した。ろ過によって不溶分を取り除き、不溶分をヘキサンで洗浄した。得られた溶液を濃縮してヘキサンで再結晶を行った。固体をろ別後、減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.189g、収率21.4%。
【0332】
1H-NMRとFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0333】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.98(s, 1H), 7.90(s, 1H), 7.66(s, 1H), 7.42(s, 1H), 6.22(d, 1H), 5.26(d, 1H), 3.74-3.67(m, 1H), 3.00-2.91(m, 1H), 2.62-2.54(m, 1H),2.31(s, 3H), 1.80-1.68(m, 9H), 1.55(s, 3H), 1.42(s, 3H), 1.40(s, 3H), 1.39(s, 3H), 1.28(s, 3H), 1.27(s, 3H), 1.25(s, 3H), 1.09(s, 9H), 1.04(d, 3H), 1.01(d, 3H).
FD-MS: m/Z=762.3 (M
+).
[合成例2](1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-3,5-ジ-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)ジルコニウムジクロライド(触媒B)の合成
(1)1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにシクロペンチルメチルエーテル50ml、tert-ブチルシクロペンタジエン2.5gを装入した。氷水浴下、この溶液に1.57Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液13.2mlを40分間かけて滴下した。室温に戻し2時間攪拌した。氷水浴下、ピバルアルデヒド2.02gを3分間かけて滴下し、室温に戻し3時間攪拌した。ピロリジン8.3mlとアセトン6.0mlを装入し、80℃で16時間攪拌した。反応溶液を1.1N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン100mlで抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をエタノールとメタノールの混合溶媒に加え、攪拌した。析出した固体をろ別し、減圧乾燥することにより、表題化合物を得た。収量2.09g、収率44%。
【0334】
1H-NMRの測定結果により、目的物を同定した。
【0335】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 5.99(s, 1H), 5.85(s, 1H), 2.95-2.66(m, 3H), 2.13(s, 3H), 1.22(s, 9H), 0.91(s, 9H).
(2)1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-3,5-ジ-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにオクタメチルフルオレン2.27g、シクロヘキサン50ml、シクロペンチルメチルエーテル1.4mlを装入した。氷水浴下、1.57Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液3.90mlを10分間かけて滴下した。50℃で2時間攪拌した。1,5-ジ-tert-ブチル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン1.50gを加えた。80℃で17時間攪拌した後、反応溶液を0.2N塩酸50mlに加えた。有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製した後、ヘキサンで洗浄することにより、表題化合物を淡黄色粉末として得た。収量1.91g、収率53%。
【0336】
FD-MSの測定結果により、目的物を同定した。FD-MS: m/Z=616.5 (M
+).
1H-NMRより、複数の異性体の混合物であった。
【0337】
(3)触媒(B):窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-3,5-ジ-tert-ブチル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン1.00g、α-メチルスチレン0.386g、シクロヘキサン16g、シクロペンチルメチルエーテル1.90mlを装入した。26℃のオイルバス下、1.57Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.10mlを10分間かけて滴下した。70℃で5時間攪拌した後、氷/アセトン浴で冷却した。系内を5分間減圧することで脱気し、窒素で常圧に戻した。四塩化ジルコニウム0.3978gを加えた後、アセトン浴を除去し、室温で16時間反応させた。溶媒を留去した後、ヘキサンで可溶分を抽出した。ろ過によって不溶分を取り除き、不溶分をヘキサンで洗浄した。得られた溶液を濃縮してヘキサンで再結晶を行った。固体をろ別後、減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.423g、収率34%。
【0338】
1H-NMRとFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0339】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.97(1H, s), 7.90(1H, s), 7.67(1H, s), 7.43(1H, s), 6.22(1H, d), 5.27(1H, d), 3.58(1H, dd), 3.08(1H, dd), 2.63(1H, dd), 2.31(3H, s), 1.784-1.661(11H, m), 1.552(3H, s), 1.445-1.352(3H, m), 1.30-1.28(12H, m), 1.24(3H, s), 1.09(9H, s), 0.98(9H, s).
FD-MS: m/Z=776.3 (M
+).
[合成例3](8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(触媒C)の合成
(1)2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにTHF50ml、tert-ブチルシクロペンタジエン2.5gを装入した。氷/アセトン浴下、この溶液に1.65Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液13.0mlを40分間かけて滴下した。室温に戻し17時間攪拌した。氷水浴下、塩化マグネシウム2.19gを加え、室温に戻し6.5時間撹拌した。ヨウ化銅0.432gを加えた。氷/アセトン浴下、1-アセチルシクロヘキセンのヘキサン溶液7.08g(38.3wt%)を10分間かけて滴下し、室温に戻し19時間攪拌した。酢酸1.3ml、ピロリジン5.2mlを装入し、室温で17時間攪拌した。反応溶液を0.5N塩酸120mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。メタノールから再結晶することにより、表題化合物を得た。収量0.445g、収率9.5%。
【0340】
1H-NMRとGC-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0341】
1H-NMR(Toluene-d8): δ 6.01(1H, s), 5.98(1H, s), 2.88-2.73(2H, m), 1.84(3H, s), 1.80-1.03(17H, m).
GC-MS: m/Z=228 (M
+).
(2)8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン):窒素雰囲気下、30mlシュレンク管にオクタメチルフルオレン0.655g、tert-ブチルメチルエーテル20mlを装入した。氷水浴下、1.65Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液1.10mlを15分間かけて滴下した。徐々に室温に戻しながら22時間攪拌した。2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン0.453gを加えた。室温で19時間、さらに50℃で6.5時間攪拌した後、反応溶液を0.1N塩酸100mlに加えた。有機層を分離し、水層をヘキサン100mlで抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製した後、アセトンで洗浄することにより、表題化合物を得た。収量0.50g、収率48%。
【0342】
FD-MSの測定結果により、目的物を同定した。FD-MS: m/Z=614.5 (M
+).
1H-NMRより、複数の異性体の混合物であった。
【0343】
(3)触媒(C):窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-tert-ブチル-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)0.503g、α-メチルスチレン0.193g、ヘキサン13.6g、シクロペンチルメチルエーテル0.95mlを装入した。25℃のオイルバス下、1.65Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液1.00mlを10分間かけて滴下した。70℃で4時間攪拌した後、氷/アセトン浴で冷却した。系内を5分間減圧することで脱気し、窒素で常圧に戻した。四塩化ジルコニウム0.193gを加えた後、アセトン浴を除去し、室温で17時間反応させた。溶媒を留去した後、ヘキサンで可溶分を抽出した。ろ過によって不溶分を取り除き、不溶分をヘキサンで洗浄した。得られた溶液を濃縮した。上澄みをデカンテーションによって取り除き、固体をヘキサンで洗浄した。減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.057g、収率9.0%。
【0344】
1H-NMRとFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0345】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.99(1H, s), 7.86(1H, s), 7.61(1H, s), 7.32(1H, s), 6.16(1H, s), 5.33(1H, s), 3.58-3.49(2H, m), 2.34-2.29(1H, m), 2.20(3H, s), 1.93-1.19(39H, m), 1.10(9H, s).
FD-MS: m/Z= 774.3 (M
+).
[合成例4](8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(触媒D)の合成
(1)1-アダマンチルシクロペンタジエニルリチウム:窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにエチルマグネシウムブロマイドのtert-ブチルメチルエーテル溶液(1.0M、40ml)を装入した。この溶液を氷浴で冷却しつつシクロペンタジエン2.64gを20分間かけて滴下し、室温に戻し17時間攪拌し、溶液Aを調製した。
【0346】
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコにジイソプロピルエーテル200ml、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)0.36gを装入した。水浴下、この溶液に先に調製した溶液Aを20分間かけて滴下した。1-ブロモアダマンタン4.30gをジイソプロピルエーテル40mLに溶解させて滴下し、70℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水浴下、飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加えた。有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフを用いて精製することにより、4.2gの粗生成物を得た。
【0347】
窒素雰囲気下、100mlシュレンクフラスコに得られた粗生成物4.2g、ヘキサン20mLを装入した。氷浴下、この溶液に1.6Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液13.8mLを20分間かけて滴下し、室温に戻し17時間攪拌した。この反応液から析出物をろ取し、ヘキサンで洗浄することにより、表題化合物を得た。収量2.70g、収率66%。
【0348】
1H-NMRの測定結果により、目的物を同定した。
【0349】
1H-NMR(THF-d
8): δ 5.57-5.55(2H, m), 5.52-5.50(2H, m), 1.96(3H, s), 1.87(6H, s), 1.74(6H, s).
(2)2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにTHF40ml、塩化マグネシウム1.57gを装入した。この溶液に1-アダマンチルシクロペンタジエニルリチウム3.09gをTHF10mlに溶解させて5分間かけて滴下し、室温で2時間、さらに50℃で3時間攪拌した。氷/アセトン浴下、1-アセチルシクロヘキセン1.96g(15.75mmol)をTHF10mlに溶解させて10分間かけて滴下し、室温で19時間攪拌した。氷/アセトン浴下、酢酸1.0ml、ピロリジン3.1mlを装入し、室温で17時間攪拌した。氷/アセトン浴下、飽和塩化アンモニウム水溶液30mlを加えた。ヘキサン100mlを加えた後、有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水で二回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。メタノールから再結晶することにより、表題化合物を得た。収量2.134g、収率47%。
【0350】
1H-NMR、GC-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0351】
1H-NMR(Toluene-d
8): δ 6.06(1H, s), 5.98(1H, s), 2.88-2.78(2H, m), 1.98-1.13(26H, m).
GC-MS: m/Z=306 (M
+).
(3)8-オクタメチルフルオレン-12'-イル- (2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン):窒素雰囲気下、30mlシュレンク管にオクタメチルフルオレン1.546g、tert-ブチルメチルエーテル40mlを装入した。氷/アセトン浴下、1.6Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.62mlを15分間かけて滴下した。徐々に室温に戻しながら22時間攪拌した。2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン1.349gを加えた。室温で19時間、さらに50℃で8時間攪拌した後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液100mlに加えた。有機層を分離し、水層をヘキサン100mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をアセトンで洗浄することにより、表題化合物を得た。収量1.51g、収率54%。
【0352】
FD-MSの測定結果により、目的物を同定した。FD-MS: m/Z=693 (M
+).
1H-NMRより、複数の異性体の混合物であった。
【0353】
(4)触媒(D):窒素雰囲気下、100mlシュレンク管に8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)1.039g、α-メチルスチレン0.47ml、ヘキサン30ml、シクロペンチルメチルエーテル2.62mlを装入した。25℃のオイルバス下、1.6Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.18mlを10分間かけて滴下した。50℃で4時間攪拌した後、析出物をろ過し、ヘキサンで洗浄することにより、桃色粉末を得た。100mlシュレンク管に、この桃色粉末、ジエチルエーテル30mlを装入した、ドライアイス/アセトンバスで冷却した後、四塩化ジルコニウム0.385g(1.65mmol)をジエチルエーテル30mlにて懸濁させつつ加えた。その後徐々に室温まで昇温しながら16時間攪拌した。
【0354】
溶媒を減圧留去した後、ジクロロメタン約70mlを用いて残留物から可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮した後、ヘキサン50mlを加え、ろ過にて不溶物を取り除いた。この溶液を約10mlまで濃縮した後、-30℃で一晩静置した。析出した粉末をろ過によって取り出し、ヘキサンで洗浄し、0.384gの橙色粉を得た。この橙色粉にジエチルエーテル5mlを加えて溶解させ、-30℃で一晩静置した。析出した粉末をろ過によって取り出し、ヘキサンで洗浄し、目的物を得た。収量0.220g、収率17%。
【0355】
1H-NMRの測定結果により、目的物を同定した。
【0356】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.98(1H, s), 7.86(1H, s), 7.60(1H, s), 7.37(1H, s), 6.19(1H, J = 1.6 Hz, d), 5.33(1H, J = 1.6 Hz, d), 3.58-3.44(2H, m), 2.35-2.28(1H, m), 2.18(3H, s), 1.94-1.18(54H, m).
[合成例5](1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-5-アダマンチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン)ジルコニウムジクロライド(触媒E)の合成
(1)5-アダマンチル-1-イソプロピル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに合成例4で合成したアダマンチルシクロペンタジエニルリチウム2.5g、シクロペンチルメチルエーテルを60ml装入し、氷水浴につけた。ここにイソブチルアルデヒドを1.33ml装入し、室温に戻して17時間攪拌した。イソブチルアルデヒド0.66mlを加え、室温で7時間攪拌した。さらにイソブチルアルデヒド0.66mlを加え50℃で17時間攪拌した。室温まで冷却し、ピロリジン5.2ml、アセトン4.0mlを加え、70℃で18時間反応させた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。先の有機層と合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、エタノールで洗浄することにより表題化合物を得た。収量706mg、収率20%。
【0357】
1H-NMR(CDCl
3)、FD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0358】
1H-NMR(270MHz, CDCl
3):δ 6.03(s,1H), 5.83(s,1H), 3.07-2.97(m,1H), 2.78-2.73(m,1H), 2.66-2.60(m,1H), 2.14-1.74(m,19H), 0.961(s,3H), 0.936(s,3H).
FD-MS: m/Z=294.3(M
+).
(2)1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-5-アダマンチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにオクタメチルフルオレン893mg、tert-ブチルメチルエ-テル20mlを装入した。1.63Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液1.5mlを5分間かけて滴下した。室温で2時間、40℃で2時間攪拌した。室温に戻した後、氷浴下、5-アダマンチル-1-イソプロピル-3-メチル-1,2-ジヒドロペンタレン748mgをtert-ブチルメチルエ-テル30mlに溶解させた溶液を加えた。室温で24時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を分離し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄することにより表題化合物を得た。収量1.027g、収率64%。
【0359】
FD-MSの測定結果により目的物を同定した。
【0360】
1H-NMRより、複数の異性体の混合物であった。
【0361】
FD-MS: m/Z=680.6(M
+).
(3)触媒(E):窒素雰囲気下、100mlシュレンクフラスコに1-オクタメチルフルオレン-12'-イル-5-アダマンチル-3-イソプロピル-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロペンタレン1000mg、ヘキサン30ml、シクロペンチルメチルエーテル2.57ml、α-メチルスチレン0.46mlを装入した。1.63Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.16mlを10分間かけて滴下した。70℃で4時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体にヘキサン20mlを加えた。ろ過により固体を回収し、減圧下で乾燥した。得られた固体708mgを100mlシュレンクフラスコに装入し、続いてジエチルエーテル40mlを装入した。ドライアイス−メタノール浴下、四塩化ジルコニウムを255mg装入し、30分撹拌した。ドライアイス−メタノール浴を外し、室温に戻しながら18時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン、ヘキサンで可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン2mlに溶解させ、-20℃にて再結晶した。析出した赤色固体をろ過によって回収し、ヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで表題化合物を得た。収量207.6mg、収率17%。
【0362】
1H-NMR(CDCl
3)とFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0363】
1H-NMR(270MHz, CDCl
3):δ 7.97(s,1H), 7.89(s,1H), 7.65(s,1H), 7.42(s,1H), 6.24(d,1H), 5.25(d,1H), 3.74-3.67(m,1H), 3.00-2.91(m,1H), 2.62-2.53(m,1H), 2.30(s,3H), 1.88-1.24(m,48H), 1.04(d,3H), 1.01(d,3H).
FD-MS: m/Z=840.3(M
+).
[比較合成例1][3-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド(触媒a)の合成
(1)5-tert-ブチル-1,1,3-トリメチル-1,2-ジヒドロペンタレン:窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにtert-ブチルシクロペンタジエン4.83g、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン9.0ml、メタノール40ml、ピロリジン16.5mlを装入した。還流下で43時間攪拌した。反応溶液を1N塩酸250mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製することにより、表題化合物を得た。ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、純度は86.8%であった。収量5.46g、収率59.4%。
【0364】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 5.87(s, 1H), 5.79(s, 1H), 2.94(d, 1H), 2.10(t, 3H), 1.27(s, 1H), 1.21(s, 9H).
GC-MS: m/Z=202 (M
+).
(2)3-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン):窒素雰囲気下、100ml三つ口フラスコにオクタメチルフルオレン1.58g、ジエチルエーテル30mlを装入した。氷/アセトン浴下、1.56Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.7mlを15分間かけて滴下した。徐々に室温まで昇温しながら25時間攪拌した。5-tert-ブチル-1,1,3-トリメチル-1,2-ジヒドロペンタレン0.95gのジエチルエーテル溶液10mlを5分間かけて加えた。還流下で56時間攪拌した後、反応溶液を1N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン75mlで2回抽出し、先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製し、ペンタンおよびエタノールで洗浄することにより、表題化合物を得た。収量2.02g、収率84%。
【0365】
1H-NMRとFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0366】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.58(s, 1H), 7.55+7.54(s, 1H), 7.50+7.49(s, 1H), 6.89+6.46(s, 1H), 6.32+5.93(s, 1H), 3.87+3.83(s, 1H), 3.11(q, 1H), 2.68(d, 1H), 1.71(s, 3H), 1.67-1.61(m, 8H), 1.38-1.28(m, 27H), 1.18-0.95(m, 11H), 0.27+0.21(s, 3H).
FD-MS: m/Z=589 (M
+).
(3)触媒(a):窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に3-(オクタメチルフルオレン-12'-イル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)0.884g、ヘキサン20mlを装入した。氷/アセトン浴下、1.56Mのn-ブチルリチウムヘキサン溶液2.05mlを加え、15分間攪拌した。tert-ブトキシカリウム0.351g(3.12mmol)を加えた。徐々に室温に戻しながら5時間攪拌した後、濾過により赤紫色粉末を得た。得られた赤紫色粉末を、ヘキサン約10mlを用いて洗浄した。30mlシュレンク管に赤紫色粉末、ジエチルエーテル30mlを挿入した。氷/アセトン浴で冷却後、四塩化ジルコニウム0.452g(1.94mmol)を加えた。徐々に室温に戻しながら39時間攪拌した。溶媒を留去した後、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。溶媒を留去した。得られた固体にヘキサンを加え、可溶分を抽出した。ヘキサン溶液を濃縮し、析出した固体をデカンテーションによって取り出し、減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.248g、収率22.2%。
【0367】
1H-NMRとFD-MSの測定結果により、目的物を同定した。
【0368】
1H-NMR(270MHz, CDCl3, TMS基準): δ 7.99(s, 1H), 7.98(s, 1H), 7.78(s, 1H), 7.54(s, 1H), 6.01(d, 1H), 5.25(d, 1H), 3.94(d, 1H), 2.62(d, 1H), 2.31(s, 3H), 1.79-1.61(m, 8H), 1.57(s, 3H), 1.43(s, 3H), 1.41(s, 3H), 1.39(s, 9H), 1.35(s, 3H), 1.32(s, 3H), 1.28(s, 3H), 1.24(s, 3H), 1.09(s, 9H).
FD-MS: m/Z=748 (M
+).
[比較合成例2]国際公開第2006/025540号パンフレットの合成例1に従って合成したメタロセン化合物(ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド;触媒b)
[比較合成例3]国際公開第2001/027124号パンフレットの実施例1に従って合成したメタロセン化合物(ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド;触媒c)
[比較合成例4]国際公開第2004/087775号パンフレットの実施例3cに従って合成したメタロセン化合物(ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド;触媒d)【0369】
【化10】
【0370】
[実施例1A]
充分に窒素置換した内容積500mlのガス流通式ガラス製重合器に、ヘキサン250mlを入れ、25℃にて、1-ブテンを90リットル/時間で流通し、系を充分に飽和させた。次いで、トリイソブチルアルミニウム0.25mmolを加えた。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒B)10μmolと東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(MMAO-3A)5.0mmol(Al原子換算)とを含むヘキサン溶液を加え、系を25℃に保ったまま45分間重合した。重合の停止は少量のイソブチルアルコールを加えることにより行った。重合懸濁液を少量の塩酸を加えたメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)1Lに入れて充分に攪拌し、濾過した。ポリマーを大量のメタノールにて洗浄し、80℃で10時間乾燥した。結果を表1にまとめた。
【0371】
[実施例2A〜4A、比較例1A〜2A]
実施例1Aにおいて、ヘキサン溶液における遷移金属化合物の種類および量、メチルアルミノキサンの量、ならびに重合条件を表1に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1Aと同様の方法で行った。結果を表1および表2にまとめた。
【0372】
【表1】
【0373】
【表2】
【0374】
[実施例5A]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)3.9mg、ヘプタン5mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.35mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0375】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブにヘプタン500mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムヘプタン溶液1.5mLを装入した後、1-ブテン100gを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.50MPaGになるように窒素を装入した。
【0376】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で20分間重合を行い、オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥した。結果を表3−1にまとめた。
【0377】
[実施例6A]
実施例5Aにおいて、重合温度を40℃としたこと以外は実施例5Aと同様の方法で行った。結果を表3−1にまとめた。
【0378】
[実施例7A]
実施例5Aにおいて、1−ブテン装入量を180g、重合温度を50℃としたこと以外は実施例5Aと同様の方法で行った。結果を表3−1および表3−2にまとめた。得られた重合体をX1とする。
【0379】
[実施例8A]
実施例7Aにおいて、重合温度を60℃としたこと以外は実施例7Aと同様の方法で行った。結果を表3−1にまとめた。
【0380】
[実施例9A]
実施例7Aにおいて、遷移金属化合物、メチルアルミノキサンの装入量、重合温度を表3−1のとおりに変更し、1−ブテン装入後、ついで水素を0.06NL装入し、その他、重合温度を60℃としたこと以外は実施例7Aと同様の方法で行った。結果を表3−1にまとめた。
【0381】
[実施例10A]
実施例7Aにおいて、遷移金属化合物、メチルアルミノキサンの装入量、重合温度を表3−1のとおりに変更し、1−ブテン装入後、ついで水素を0.13NL装入し、その他、重合温度を60℃としたこと以外は実施例7Aと同様の方法で行った。結果を表3−1および表3−2にまとめた。得られた重合体をX2とする。また、重合体X2のクロス分別クロマトグラフ(CFC)による測定結果を表3−3に記載した。
【0382】
[比較例3A]
実施例7Aにおいて、遷移金属化合物の種類を表3−1のとおり変更し、1−ブテン装入後、ついで水素を0.012NL装入し、その他、重合温度を40℃としたこと以外は実施例7Aと同様の方法で行った。結果を表3−1および表3−2にまとめた。得られた重合体をX3とする。
【0383】
[比較例4A]
実施例7Aにおいて、遷移金属化合物の種類、遷移金属化合物、メチルアルミノキサンの装入量を表3−1のとおり変更し、重合温度を60℃としたこと以外は実施例7Aと同様の方法で行った。結果を表3−1にまとめた。得られた重合体をX4とする。また、重合体X4のクロス分別クロマトグラフ(CFC)による測定結果を表3−3に記載した。
【0384】
【表3-1】
【0385】
【表3-2】
【0386】
表3−2において、物性評価は以下のようにして行った。
【0387】
<ブテンホモポリマーの引張降伏応力、引張破壊応力、引張弾性率>
JIS K 7113に準拠して、以下の方法で得られた2mm厚プレスシートから打ち抜いたJIS K 7113の2号型試験片1/2を評価用試料とし、23℃の雰囲気下で引張速度30mm/minで測定を実施した(測定機:株式会社インテスコ製 型番:202X−5)。
【0388】
<プレス成形条件>
以下の条件で作成したプレスシートを10日間室温で保管したものを試験に使用した。
【0389】
プレス機:関西ロール株式会社製(型番:PEWE−70/50 35)
加熱時間:5min
加熱温度:190℃
加熱時圧力:10MPa
冷却速度:40℃/min以上(20℃に設定した別のプレス機で、10MPaで4分間加圧し、室温まで冷却)
【0390】
【表3-3】
【0391】
1−ブテン重合体X2のCFC溶出曲線を
図1(a)に、1−ブテン重合体X4のCFC溶出曲線を
図1(b)に示す。
【0392】
<評価>
重合体X2は、mmmmが98.0%以上であり、かつ、([T
S]+[T
E])/2で特定される温度[T
X]での累積溶出量が40重量%以上である。この重合体X2は、表3−2に示すとおり、引張降伏応力が従来品(例:重合体X4)と同程度でありながら、高い引張弾性率を示す。すなわち、本発明の新規な1−ブテン重合体は、剛性および降伏応力のバランスに優れていることを示している。
【0393】
[実施例1B]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒C)4.6mg、トルエン22.0mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.58mL(Al/Zr=300、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒C濃度0.25mmol/Lの触媒溶液を得た。
【0394】
窒素雰囲気下、バイオタージ社製パラレル重合装置の反応器に0.05Mのトリイソブチルアルミニウム4-メチル-1-ペンテン溶液0.4mL、4-メチル-1-ペンテン2.7mLを装入し、70℃まで昇温した。
【0395】
上記の触媒溶液を反応器に0.2mL導入し、続けてトルエン0.7mLを導入して重合を開始した。20分間重合を行い、イソブチルアルコールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で12時間減圧乾燥した。結果を表4にまとめた。
【0396】
[実施例2B〜4B、比較例1B]
実施例1Bにおいて、遷移金属化合物の種類および触媒溶液の触媒濃度を表4に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1Bと同様の方法で行った。結果を表4にまとめた。
【0397】
【表4】
【0398】
[実施例1C]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)3.4mg、トルエン5mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.30mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0399】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、1-オクテン75mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した後、オートクレーブを50℃まで加熱した。
【0400】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して50℃で15分間重合を行い、オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥した。結果を表5にまとめた。
【0401】
[実施例2C〜4C]
実施例1Cにおいて、オクテン量および重合時間を表5に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1Cと同様の方法で行った。結果を表5にまとめた。
【0402】
[実施例5C]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、0.25mg/mLの遷移金属化合物(触媒D)トルエン溶液4.4mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.10mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0403】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、1-オクテン8mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した後、オートクレーブを50℃まで加熱した。
【0404】
オートクレーブに水素0.25NLを導入した後、上記の触媒溶液0.2mLをトルエン4.8mLで希釈した溶液を全量装入して50℃で15分間重合を行い、メタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥した。結果を表5にまとめた。
【0405】
[実施例6C〜8C]
実施例5Cにおいて、オクテン量、水素量および重合時間を表5に記載したとおりに変更したこと以外は実施例5Cと同様の方法で行った。結果を表5にまとめた。
【0406】
[実施例9C]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)3.4mg、トルエン5mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.30mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0407】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン400mL、シクロヘキサン350mL、1-オクテン4mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した後、オートクレーブを65℃まで加熱した。
【0408】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して65℃で20分間重合を行い、オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥した。結果を表5にまとめた。
【0409】
[実施例10C]
実施例9Cにおいて、遷移金属化合物を触媒E 3.4mgに変更したこと以外は実施例9Cと同様の方法で行った。結果を表5にまとめた。
【0410】
[実施例11C]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒E)4.6mg、トルエン8.8mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.41mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0411】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン400mL、シクロヘキサン350mL、1-オクテン4mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した後、オートクレーブを65℃まで加熱した。
【0412】
オートクレーブに水素0.06NLを導入した後、上記の触媒溶液0.4mLをトルエン4.6mLで希釈した溶液を全量装入して65℃で20分間重合を行い、メタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥した。結果を表5にまとめた。
【0413】
【表5】
【0414】
[実施例1D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒C)1.1mg、トルエン5mL、東ソー・ファインケム社製メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.11mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0415】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.30MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0416】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で12時間減圧乾燥した。結果を表6にまとめた。
【0417】
[実施例2D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒C)3.3mg、トルエン5mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.30mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0418】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0419】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0420】
[実施例3D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒C)2.2mg、トルエン5mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.22mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0421】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.45MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0422】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0423】
[実施例4D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)3.5mg、トルエン5mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.35mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0424】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.13NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0425】
上記の触媒溶液0.2mLをトルエン4.8mLで希釈した溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で10分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0426】
[実施例5D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)2.9mg、トルエン2.9mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.25mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0427】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを80℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.06NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0428】
上記の触媒溶液0.2mLをトルエン4.8mLで希釈した溶液をオートクレーブに全量導入して80℃で10分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0429】
[実施例6D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)1.7mg、トルエン5mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.15mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0430】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.25MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0431】
上記の触媒溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0432】
[実施例7D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒D)3.2mg、トルエン3.2mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.15mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0433】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.20MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0434】
上記の触媒溶液をオートクレーブに1.7mL導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0435】
[実施例8D]
実施例2Dにおいて、遷移金属化合物を触媒A 3.0mgとしたこと以外は実施例2Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0436】
[実施例9D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒E)4.2mg、トルエン6.2mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.37mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0437】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.20MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.60MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0438】
上記の触媒溶液をオートクレーブに5.3mL導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.60MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0439】
[実施例10D]
窒素置換した30mLの枝付きフラスコに攪拌子を入れ、遷移金属化合物(触媒E)2.9mg、トルエン2.7mL、メチルアルミノキサン(TMAO-341)0.26mL(Al/Zr=310、モル比)を加え、30分以上攪拌し、触媒溶液を得た。
【0440】
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.06NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.20MPaGになるように窒素を装入した後、前記圧力が0.60MPaGとなるようにプロピレンを装入した。
【0441】
上記の触媒溶液0.5mLをトルエン4.5mLで希釈した溶液をオートクレーブに全量導入して70℃で10分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.60MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0442】
[比較例1D]
実施例3Dにおいて、遷移金属化合物を触媒b 3.2mg、メチルアルミノキサン(TMAO-341)の使用量を0.30mLとしたこと以外は実施例3Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0443】
[比較例2D]
実施例2Dにおいて、遷移金属化合物を触媒a 2.9mg、メチルアルミノキサン(TMAO-341)の使用量を0.30mLとしたこと以外は実施例2Dと同様の方法で行った。結果を表6にまとめた。
【0444】
【表6】
【0445】
[実施例1E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、1−オクテンを85mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを60℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.09NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.10MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.11μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.03mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して60℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加え、ポリマーを析出させた。ポリマーは80℃で12時間減圧乾燥した。ポリマーの収量は16.7gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0446】
[実施例2E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.06NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.22μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.07mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して70℃で18.5分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は50.9gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0447】
[実施例3E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、出光興産製のリニアレン168を10.4mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。リニアレン168は、1−ヘキサデセンおよび1−オクタデセンの混合α−オレフィンである。オートクレーブを60℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.13NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.14MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.11μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.04mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して60℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は54.7gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0448】
[実施例4E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、1−オクテンを26mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを50℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.25NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.14MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.06μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.02mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して50℃で15分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は45.5gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0449】
[実施例5E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、1−デセンを9.8mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを60℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.13NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.14MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.11μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.04mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して60℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は49.0gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0450】
[実施例6E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.06NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.50MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.11μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.04mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して70℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は29.6gだった。結果を表7−1にまとめた。
【0451】
[比較例1E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.50MPaGとなるようにプロピレンを装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒b)3.87μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.17mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.50MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は20.5gだった。結果を表7−2にまとめた。
【0452】
[比較例2E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、出光興産製リニアレン168を5.0mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを50℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.16MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒b)11μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.17mmol(Al/Zr=100、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して50℃で40分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は43.2gであった。結果を表7−2にまとめた。
【0453】
[比較例3E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、1−オクテンを7.5mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを50℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.16MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒b)3.87μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.17mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して50℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は11.1gだった。結果を表7−2にまとめた。
【0454】
[比較例4E]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン500mL、シクロヘキサン250mL、1−デセンを3.5mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを50℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.16MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒b)3.87μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.17mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して50℃で20分間重合を行った。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は19.8gだった。結果を表7−2にまとめた。
【0455】
[比較例5E〜8E]
チタン触媒で合成した4−メチルペンテン−1共重合体として、以下に示す三井化学(株)製のTPX(メチルペンテンポリマー)を使用した。結果を表7−2にまとめた。
【0456】
比較例5E:MX002(MFR=21g/10分、Tm=224℃)
比較例6E:MX004(MFR=26g/10分、Tm=228℃)
比較例7E:RT18 (MFR=25g/10分、Tm=233℃)
比較例8E:MX019(MFR=90g/10分、Tm=243℃)
【0457】
【表7-1】
【0458】
【表7-2】
【0459】
表7−1および表7−2において、物性評価は以下のようにして行った。
【0460】
<引張試験(プレスシート)>
引張特性であるヤング率(YM)、破断点伸び(EL)の評価は以下の方法で得られた1mm厚プレスシートから打ち抜いたJIS K7113の2号型試験片1/2を評価用試料とし、23℃の雰囲気下で引張速度200mm/minで実施した。
【0461】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、270℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0462】
<Izod衝撃試験(プレスシート)>
以下の方法で作製した厚み3mmのプレスシートを用いて、アイゾッドASTMに準拠して、ハンマー容量3.92J、空振り角度149.1度、試験温度23℃の条件で衝撃試験を実施した。
【0463】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、270℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0464】
<ビカット軟化温度(プレスシート)>
以下の方法で作製した厚み3mmのプレスシートを用いて、ASTM D1525に準拠して、安田精機株式会社製試験機を用い、昇温速度50℃/hr、試験荷重10Nにてビカット軟化温度試験を実施した。
【0465】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、270℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0466】
<評価>
表7−1に記載した例では、剛性の指標であるヤング率が高く、かつ靭性の指標である破断点伸びも従来品と同程度である。一方、表7−2に記載した例では、ヤング率が低い。表7−1および表7−2に記載した例について、破断点伸びに対してヤング率をプロットしたグラフを
図2に示す。
【0467】
表7−1および表7−2の結果をもとに、融点(Tm)に対して融解熱量(ΔHm)をプロットしたグラフを
図3に示す。表7−1および表7−2の結果(
図2、
図3)から、剛性および靭性のバランスに優れた重合体は、靭性は同等だが剛性に劣る重合体に対して、同程度のTmを有する重合体で対比した場合に、大きなΔHmを有することがわかる。
【0468】
ここで、結晶性ポリマーにおいて、TmとΔHmはほぼ比例関係にあるのが通常である。したがって、これらの例のTmおよびΔHmの値から、
図3において、剛性および靭性のバランスに優れた4MP1重合体(便宜上「実施例」と記載する)と、靭性は同等だが剛性に劣る4MP1重合体(便宜上「比較例」と記載する)とを画する直線を引くことが可能であると理解することができる。引いた直線を元に数値解析を実施することにより実施例・比較例データを画する直線をフィッティングしたところ、ΔHm=0.5×Tm−76となる。
【0469】
したがって、表7−1および表7−2に記載した各重合体の対比より、関係式(1):ΔHm≧0.5×Tm−76を満たす場合に、剛性および靭性のバランスに優れた重合体になると理解することができる。
【0470】
[実施例1F]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブに水素0.13NLを装入した後、オートクレーブ内の圧力が0.20MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.60MPaGとなるようにプロピレンを装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)0.22μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)0.07mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して70℃で10分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.60MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例2Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は53.2gだった。結果を表8にまとめた。
【0471】
[実施例2F]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン750mL、0.5Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液1.5mLを装入した。オートクレーブを70℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.20MPaGになるように窒素を装入し、前記圧力が0.60MPaGとなるようにプロピレンを装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒D)3.8μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.18mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して70℃で20分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.60MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例2Eと同様の方法で行った。ポリマーの収量は63.0gだった。結果を表8にまとめた。
【0472】
[比較例1F]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに4-メチル-1-ペンテン400mL、ヘキサン300mL、1.0Mのトリイソブチルアルミニウムトルエン溶液0.75mLを装入した。オートクレーブを60℃まで加熱し、オートクレーブ内の圧力が0.40MPaGになるようにプロピレンを装入した。ここにあらかじめ混合しておいた遷移金属化合物(触媒b)10μmolとメチルアルミノキサン(TMAO-341)1.00mmol(Al/Zr=100、モル比)とを含むトルエン溶液を導入して60℃で60分間重合を行い、重合中はオートクレーブ内の圧力を0.40MPaGに維持するようにプロピレンを供給した。オートクレーブにメタノールを装入して重合を停止した。以降の操作は実施例1Eと同様の方法で行った。結果を表8にまとめた。ポリマーの収量は36.9gだった。
【0473】
【表8】
【0474】
表8において、物性評価は以下のようにして行った。
【0475】
<損失正接tanδ(プレスシート)>
以下の条件で厚さ3mmのプレスシートを作成し、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−70〜180℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)のピーク値を測定した。
【0476】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、200℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0477】
<引張永久伸び(150%)>
以下の条件で厚さ1mmのプレスシートを作成し、JIS K7113の2号型試験片1/2を打ち抜いて評価用試料とした。引張速度30mm/minで伸長率150%とした試験片のチャック間距離を測定した。その試験片を23℃の雰囲気下で10分間保持し、開放10分後の試験片のチャック間距離を測定し、その差から引張永久伸びを求めた。
【0478】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、200℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0479】
<圧縮永久歪(プレスシート)>
圧縮永久歪は、以下の条件で作製した厚み3mmのプレスシートを4枚重ねて12mmとしたサンプルを、JIS K6262に準拠して、25%圧縮した後、23℃で22時間熱処理を行い、その後23℃で2時間放置した後、厚みを測定し、試験前後での歪量を計算して得た。
【0480】
プレスシート作製条件:神藤金属工業株式会社製の油圧式熱プレス機を使用して、200℃、10MPaの条件で試験対象品を5分間加熱加圧したのち、30℃、10MPaの条件で5分間冷却加圧する。
【0481】
<評価>
実施例1F,2Fで得られた重合体は、メソダイアッド分率(m)が98.5%以上であり、かつ、融点Tmが不検出である。この重合体は、表8に示すとおり、損失正接が比較例1Fの重合体と同程度でありながら、小さな圧縮永久歪を示す。すなわち、本発明の新規な非晶性4−メチル−1−ペンテン重合体は、粘弾性特性のバランスに優れていることを示している。
【0482】
担持触媒を用いた4-メチル-1-ペンテン重合
[実施例1G]
(1)触媒Dを用いた担持触媒の調製
200℃で3時間乾燥したシリカ(AGCエスアイテック製 サンスフェア H-31)8.5kgを33 Lのトルエンで懸濁状にした後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.42モル/ L)124.5 Lを30分かけて滴下した。次いで1.5時間かけて115℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法によって除去した。得られた固体触媒成分をトルエンで3回洗浄した後、トルエンで再懸濁化(0.16g/mL,1.5mmol-Al/mL)してシリカ担持メチルアルミノキサンを得た(MAO/Si=1.25モル比)。
【0483】
充分に窒素置換した100mLの三つ口フラスコ中に、このシリカ担持メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で4.5mmol装入し、トルエン39mLに懸濁させた。その懸濁液に、[合成例4]で合成した遷移金属化合物(触媒D)15.5mg(18μmol)をトルエン溶液(2.3mmol/L)として加えた。1時間後攪拌を止め、デカンテーション法により3回洗浄し、溶媒をデカンに置換した。次いでジイソブチルアルミニウムハイドライド(デカン溶液1.0mmol/mL)2.0mmolを加え、さらに3−メチル−1−ペンテン(2.2 mL)を加えた。1時間後攪拌を止め、デカンテーション法により3回洗浄して触媒懸濁液(デカンスラリー5g/L ,0.18mmol-Zr/L)とした。
【0484】
(2)4-メチル-1-ペンテン重合
窒素気流下で内容積500mLのガラス製重合器に、室温で4-メチル-1-ペンテン300mLを加え、昇温した。水素0.5L/hと窒素15L/hの混合気体を流通し、トリイソブチルアルミニウム(デカン溶液1.0mmol/mL)0.1mmol、および上記で調製した触媒懸濁液をジルコニウム原子換算で0.001mmol加え、重合器内を40℃に保ちながら撹拌した。重合時間1時間経過後、イソブチルアルコールを重合器内に加えて重合を終了し、ただちに重合液を濾過して固体状重合体を得た。減圧下、80℃で8時間乾燥し、収量11.0gの重合体を得た。この重合体は極限粘度[η]=5.58dl/g、Tm=242.6℃であり、溶媒可溶部量(SP)は0.38重量%であった。
【0485】
[比較例1G]
触媒懸濁液の調製で触媒として比較合成例4の遷移金属化合物(触媒d)を12.5mg(17μmol)、シリカ担持メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で4.6mmol使用し、重合時に触媒をジルコニウム原子換算量で0.4mmol使用したこと以外は実施例1Gと同様にして4-メチル-1-ペンテン重合を行った。得られた重合体は5.8gであった。この重合体は極限粘度[η]=1.50dl/g、Tm=232.8℃であり、溶媒可溶部量(SP)は17重量%であった。