(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5980400
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/38 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
F16L37/38
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-196056(P2015-196056)
(22)【出願日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0107963
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515273597
【氏名又は名称】アイセロ美林化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(72)【発明者】
【氏名】林 章郁
【審査官】
渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録特許第10−1537252(KR,B1)
【文献】
米国特許第7373959(US,B2)
【文献】
国際公開第2009/001726(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L37/00−37/62
B65D90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部外周面に締結部(111)、及び内部に上下貫通形のボトム中空(112)を有する円筒状のボトムハウジング(11)と、前記ボトムハウジング(11)の下部に連結され、前記ボトム中空(112)と相互連通する内部流路(121)を有するチューブ(12)と、そして、前記ボトムハウジング(11)のボトム中空(112)の底部の周囲に沿って形成される複数のガス注入孔(13)と、を含み、前記ボトムハウジング(11)の締結部(111)を介してドラムの排出口側に締結されるボトムボディ(10);
内部に上下貫通形のミドル中空(211)、及びその上部側の内周面に形成される螺旋部(212)を有する円筒状のミドルハウジング(21)と、前記ミドルハウジング(21)の下部に連結され、前記ミドル中空(211)と相互連通する対応ミドル中空(221)を有し、前記ボトムハウジング(11)のボトム中空(112)内に挿入されるミドルポスト(22)と、そして、前記ミドルハウジング(21)の側部に装着され、前記ミドル中空(211)内にガスを注入するためのガス注入部材(23)と、を含むミドルボディ(20);
下部外周面に前記ミドルハウジング(21)の螺旋部(212)との相互締結のための対応螺旋部(311)、及び内部に上下貫通形のトップ中空(312)を有するトップハウジング(31)と、前記トップハウジング(31)のトップ中空(312)の上部に備えられる排出部材(32)と、そして、前記トップハウジング(31)の下部に連結され、前記トップ中空(312)と相互連通する対応トップ中空(331)を有し、端部が前記チューブ(12)の流路(121)内に挿入されるトップポスト(33)と、を含むトップボディ(30);
前記トップポスト(33)の挿入のための内部流通孔(511)を有し、前記ミドルポスト(22)の対応ミドル中空(221)に挿入され、前記対応ミドル中空(221)よりも小さい直径を有し、端部が前記ミドルポスト(22)の下部側に露出する昇降ポスト(51)を含む昇降ユニット(50);及び
前記昇降ユニット(50)の昇降ポスト(51)に対する変位を感知するためのセンシングユニット(70);
を含んでなり、
前記センシングユニット(70)は、前記昇降ユニット(50)の昇降ポスト(51)の上端の周囲に沿って締りばめされる環状のマグネット(71)と、前記ミドルボディ(20)のミドルハウジング(21)の側部からミドル中空(211)側に凹入形成され、底部(721)を有する挿入溝(72)と、そして、前記挿入溝(72)の底部(721)に密着するように前記挿入溝(72)に嵌め込まれ、前記マグネット(71)を感知するセンシング部材(73)と、からなり、前記挿入溝(72)の底部(721)により前記マグネット(71)と前記センシング部材(73)とが互いに非接触され、
さらに、前記昇降ユニット(50)は、前記トップボディ(30)のトップポスト(33)の外周面に嵌め込まれ、前記トップハウジング(31)及び前記マグネット(71)の上面に支持され、前記マグネット(71)側に付勢する弾性スプリング(52);
を含むことを特徴とするドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラ。
【請求項2】
前記ミドルボディ(20)のミドルハウジング(21)の側部に、対応ミドル中空(221)まで貫通し、前記ガス注入部材(23)が装着される装着部(213)が形成されており、
前記ミドルポスト(22)の対応ミドル中空(221)と前記昇降ユニット(50)の昇降ポスト(51)との間で、前記装着部(213)の上部側に配置される環状のアウターOリング(O1)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラ。
【請求項3】
前記昇降ユニット(50)の昇降ポスト(51)と前記トップボディ(30)のトップポスト(33)との間で、前記装着部(213)の上部側に配置される環状のインナーOリング(O2)が備えられていることを特徴とする請求項2に記載のドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム内部の貯蔵流体を排出するためのカプラに関し、特に、ドラムの排出口に締結されたボディと、これに結合されるボディとの間の相互結合時に、これらがマッチングされているかどうかをチェックすることができるマグネットと、これを感知するためのセンシング部材と、を互いに非接触式で具現して、ガス漏れ経路を形成しないドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
ドラムの貯蔵流体排出用のカプラにおいて、マッチングされているかどうかをチェックするためのセンシング構造を有するカプラーに関する技術としては、大韓民国特許登録第10−1537252号(2015.07.10.登録、以下「先行技術」と呼ぶ)「ドラムの貯蔵流体排出用のカプラ」が提案されているが、前記先行技術は、ミドルボディのミドルハウジングの側部からミドル中空まで貫通形成される挿入孔、そして、前記挿入孔に嵌め込まれるセンシング部材を含むセンシングユニットと;ミドルボディにおけるミドルポストの対応ミドル中空の上部周辺の周囲に沿って着座するフランジと、その下部に連結され、トップポストの挿入のための内部流通孔を有し、ミドルポストの対応ミドル中空に挿入され、前記対応ミドル中空よりも小さい直径を有し、端部が前記ミドルポストの下部側から露出する昇降ポストと、そして前記トップボディのトップポストの外周面に嵌め込まれ、前記トップハウジングの下面および前記フランジの上面に支持され、前記フランジ側に付勢する弾性スプリングを含む昇降ユニットと、からなり、上昇した前記昇降ユニットのフランジに対する変位を前記センシングユニットのセンシング部材が感知するように具現した技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ドラム排出口に締結されたボディと、これに結合されるボディとの間の相互結合時に、マグネットセンサーによりマグネットに対する変位を感知し、これにより、2つのボディの間がマッチングされているかどうかをチェックすることができ、特に、マグネットとマグネットセンサーとが互いに非接触式で具現されているので、接触による従来のセンシング構造のガス漏れの不具合を解決することができる、ドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記のような課題を解決するために、本発明に係るドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラは、
下部外周面に締結部、及び内部に上下貫通形のボトム中空を有する円筒状のボトムハウジングと、前記ボトムハウジングの下部に連結され、前記ボトム中空と相互連通する内部流路を有するチューブと、そして、前記ボトムハウジングのボトム中空の底部の周囲に沿って形成される複数のガス注入孔と、を含み、前記ボトムハウジングの締結部を介してドラムの排出口側に締結されるボトムボディ;
内部に上下貫通形のミドル中空、及びその上部側の内周面に形成される螺旋部を有する円筒状のミドルハウジングと、前記ミドルハウジングの下部に連結され、前記ミドル中空と相互連通する対応ミドル中空を有し、前記ボトムハウジングのボトム中空内に挿入されるミドルポストと、そして、前記ミドルハウジングの側部に装着され、前記ミドル中空内にガスを注入するためのガス注入部材と、を含むミドルボディ;
下部外周面に前記ミドルハウジングの螺旋部との相互締結のための対応螺旋部、及び内部に上下貫通形のトップ中空を有するトップハウジングと、前記トップハウジングのトップ中空の上部に備えられる排出部材と、そして、前記トップハウジングの下部に連結され、前記トップ中空と相互連通する対応トップ中空を有し、端部が前記チューブの流路内に挿入されるトップのポストと、を含むトップボディ;
前記トップのポストの挿入のための内部流通孔を有し、前記ミドルポストの対応ミドル中空に挿入され、前記対応ミドル中空よりも小さい直径を有し、端部が前記ミドルポストの下部側に露出する昇降ポストを含む昇降ユニット;及び
前記昇降ユニットの昇降ポストに対する変位を感知するためのセンシングユニット;
を含んでなり、
前記センシングユニットは、前記昇降ユニットの昇降ポストの上端の周囲に沿って締りばめされる環状のマグネットと、前記ミドルボディのミドルハウジングの側部からミドル中空側に凹入形成され、底部を有する挿入溝と、そして、前記挿入溝の底部に密着するように前記挿入溝に嵌め込まれ、前記マグネットを感知するセンシング部材と、からなり、前記挿入溝の底部により前記マグネットと前記センシング部材とが互いに非接触され、
さらに、前記昇降ユニットは、前記トップボディのトップポストの外周面に嵌め込まれ、前記トップハウジング及び前記マグネットの上面に支持され、前記マグネット側に付勢する弾性スプリング;
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラは、雌雄の二つのカプラの間がマッチングされているかどうかをチェックするためのセンシング構造を、マグネット及びこれを感知するマグネットセンサにより非接触式で具現することで、従来のスイッチ端子を用いたセンシング構造で生じ得るガス漏れの不具合、及び漏れたガスによるスイッチ端子の腐食や作動不良などの不具合を解決することができる最も大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明に係るドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラを示した分解断面構成図である。
【
図2】
図1の作動状態を示すための結合断面構成図である。
【
図3】
図1の作動状態を示すための結合断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を参照し、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0008】
これに先立って、本明細書及び請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的、又は辞典的な意味で限定して解釈されてはならず、発明者は、自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義し得るという原則に立脚して、本発明の技術的な思想に符合する意味、及び概念として解釈しなければならない。したがって、本明細書に記載された実施例、及び図面に図示された構成は、本発明の最も好適な一実施例に過ぎないだけであり、本発明の技術的な思想をすべて代弁するものではないので、本出願の時点において、これらを代替することのできる様々な均等物および変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0009】
図1を基準で、ボトムボディ側を下部または下方、トップボディ側を上部または上方として方向を特定する。
【0010】
図1ないし
図3に図示のように、本発明に係るドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラは、大別して、ボトムボディ10、ミドルボディ20、トップボディ30、昇降ユニット50、及びセンシングユニット70からなる。
【0011】
各構成について調べると、ボトムボディ10は、
図1ないし
図3に図示のごとく、貯蔵流体、特に化学薬品などが保存されたドラムの排出口に締結できるように、下部外周面に形成される締結部111、及び内部に上下貫通形のボトム中空112を有する円筒状のボトムハウジングと11と、前記ボトムハウジング11の下部に連結され、前記ボトム中空112と相互連通する内部流路121を有するチューブ12と、及び前記ボトムハウジング11のボトム中空112の底部の周囲に沿って形成される複数のガス注入孔13と、を含んでなる。
【0012】
このとき、前記チューブ12の流路121は、前記ボトム中空112よりも小さい直径を有することで、前記流路121の上部周辺、すなわち前記ボトム中空112の底部のスペースが確保され、この底部の周囲に前記複数のガス注入孔13が形成される。
【0013】
また、前記チューブ12は、ドラムの内部の底部まで隣接する程度の長さを有することが好ましい。
【0014】
そして、前記各ガス注入孔13は、長孔構造であって、前記ボトム中空112を中心として放射状に配列され、その個数は、3個が望ましい。
【0015】
そして、前記ボトム中空112の内周面にはねじ山が形成されるが、このねじ山は、前記ボトム中空112の閉鎖のための別体の栓プラグなどを締結するためのものである。
【0016】
ミドルボディ20は、
図1ないし
図3に図示のように、前記ボトムボディ10の上部側に結合されるものであって、内部に上下貫通形のミドル中空211及び、その上部側内周面に螺旋部212を有する円筒状のミドルハウジング21と、前記ミドルハウジング21の下部に連結され、前記ミドル中空211と相互連通する対応ミドル中空221を有し、前記ボトムハウジング11のボトム中空112内に挿入されるミドルポスト22と、及び前記ミドルハウジング21の側部に装着されて前記ミドル中空211内にガスを注入するためのガス注入部材23と、を含んでなる。
【0017】
ここで、前記ミドルポスト22は、その端部が、後述のコード溝61とコード突起62とが相互に結合してマッチングされるとき、前記ボトムハウジング11のボトム中空112の底部の周囲に着座、または離間する程度の長さを有することが好ましく、特に着座される際には、前記ガス注入孔13を干渉せずに着座できる構造で形成されるのが好ましい。
【0018】
結局、前記ミドルポスト22の端部が、前記ボトムハウジング11のボトム中空112の底部の周囲における前記ガス注入孔13の形成位置から離れた領域に着座されるのが望ましい。
【0019】
そして、前記ガス注入部材23は、前記ミドルボディ20のミドルハウジング21の側部に、対応ミドル中空221まで貫通形成される装着部213に設置され、外部のガス注入装置と連結される。
【0020】
したがって、外部のガス注入装置から供給されるガスは、前記装着部213を通って、前記ミドル中空211の内に流入され、後述の昇降ユニット50の昇降ポスト51と、前記ミドルポスト22の対応ミドル中空221との間のスペースを通って前記ボトムボディ10の各ガス注入孔13を経て、ドラム内に供給される。
【0021】
このとき、供給ガスは、ドラムの外部の大気圧力とドラムの内部の大気圧力を等しくすることで、ドラム内の貯蔵流体を容易に排出することができるようにアシストする。
【0022】
トップボディ30は、
図1ないし
図3に図示のように、前記ミドルボディ20の上部側に結合されるものであって、下部外周面に前記ミドルハウジング21の螺旋部212との相互締結のための対応螺旋部311、及び内部に上下貫通形のトップ中空312を有するトップハウジング31と、前記トップハウジング31のトップ中空312の上部に備えられる排出部材32と、及び前記トップハウジング31の下部に連結され、前記トップ中空312と相互連通する対応トップ中空331を有し、端部が前記チューブ12の流路121内に挿入されるトップポスト33と、を含んでなる。
【0023】
ここで、前記排出部材32は、前記トップハウジング31のトップ中空の上部側内周面に締結され、前記トップ中空312と相互連通する内部排出流路321を有する構造からなる。
【0024】
そして、前記トップポスト33の端部外周面には、前記チューブ12の流路121の内周面に密着する二つ以上のトップOリング部材332が備えられる。
【0025】
さらに、前記トップボディ30は、チェックバルブ34が含まれる。前記チェックバルブ34は、本出願人により出願登録された大韓民国特許登録第10−0976803号(2010.08.12.登録)に提案されているが、簡単に説明すると、前記トップボディ30の対応トップ中空331内に形成された段部に係止される係止段部、及びその下部に放射状のロータリー式のリブを有する下部ボディ、並びに係止段部の上部に放射状のロータリー式の拡張翼を有する上部ボディからなる開閉弁341と、前記開閉弁341の上部に配置されるスプリング支持台342と、前記スプリング支持台342及び前記排出部材32に介在されるバルブスプリング343と、からなり、前記排出部材32に連結された外部のポンプ装置の吸引力により前記開閉弁341が上昇し、これにより前記バルブスプリング343が加圧され、上昇した前記開閉弁341により開閉弁341と係止段部との間が開放され、かつ流体の流路が開放構造に転換される。
【0026】
昇降ユニット50は、
図1ないし
図3に図示のように、前記ボトムボディ10と前記ミドルボディ20との間が相互結合されてマッチングされたとき上昇するものであって、前記トップポスト33の挿入のための内部流通孔511を有し、前記ミドルポスト22の対応ミドル中空221に挿入され、前記対応ミドル中空221よりも小さい直径を有し、端部が前記ミドルポスト22の下部側から露出する昇降ポスト51と、及び前記トップボディ30のトップポスト33の外周面に嵌め込まれ、前記トップハウジング31の下面、及び後述のマグネット71の上面に支持されて前記マグネット71側に付勢する弾性スプリング52と、を含んでなる。
【0027】
ここで、前記弾性スプリング52は、錆や歪みを防止するためにテフロン(登録商標)素材でコーティングされていることが好ましい。
【0028】
相互結合された前記トップ及びミドルボディ30,20を前記ボトムボディ10に装着するとき、前記ミドルボディ20のミドルポスト22が前記ボトムハウジング11のボトム中空112内に挿入されながら、前記ミドルポスト22の下部側に露出した前記昇降ポスト51が、前記チューブ12の流路121の上部周辺に接触することで、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51が上昇する。
【0029】
センシングユニット70は、
図2及び
図3に図示のように、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51に対する変位を感知するためのものであって、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51の上端の周囲に沿って締りばめされる環状のマグネット71と、前記ミドルボディ20のミドルハウジング21の側部からミドル中空211側に凹入形成され、底部721を有する挿入溝72と、及び前記挿入溝72の底部721に密着するように前記挿入溝72に嵌め込まれ、前記マグネット71を感知するセンシング部材73と、を含んでなる。
【0030】
ここで、前記センシング部材73は、前記挿入溝72に嵌め込まれ、外部のコントローラと電気的に連結されるセンシングボディ731と、前記センシングボディ731の端部に備えられ、前記挿入溝72の底部721に密着するマグネットセンサー732と、からなる。
【0031】
そして、前記マグネット71は、前記対応ミドル中空221の上部周辺の周囲に沿って着座され、前記挿入溝72の下部側に隣接して配置されるのが望ましい。
【0032】
したがって、相互結合された前記トップ及びミドルボディ30、20を前記ボトムボディ10に装着するとき、前記ミドルボディ20のミドルポスト22が前記ボトムハウジング11のボトム中空112内に挿入されながら、前記ミドルポスト22の下部側に露出した前記昇降ポスト51が、前記チューブ12の流路121の上部周辺に接触することで、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51が上昇し、
図3のように、上昇した前記昇降ポスト51の端部に備えられたマグネット71に対する変位を、前記マグネットセンサー732が感知することにより、この感知信号をコントローラに送信するようになり、前記ボトムボディ10と前記ミドルボディ20との間が相互結合されるとき、マッチングされているかどうかをチェックすることができる。
【0033】
従来、昇降ポストの変位を感知するために用いたスイッチ端子は、昇降ポスト(またはその上部に備えられたフランジ)と互いに接触しなければならないので、スイッチ端子と昇降ポストとの間の接触通路からガスが漏れる問題が生じた。これを改善するために、本発明は、前記挿入溝72の底部721によって、前記マグネット71と前記センシング部材73とが互いに非接触するようにしたことで、ガスが漏れる通路を形成しないので、従来のガス漏れの問題を解決することができるもっとも大きい特徴がある。
【0034】
一方、
図2及び
図3のように、前記ミドルポスト22の対応ミドル中空221と前記昇降ユニット50の昇降ポスト51との間で、前記装着部213の上部側に配置される環状のアウターOリングO1が備えられており、前記対応ミドル中空221と前記昇降ポスト51との間の隙間を流れるガスが前記マグネット71側に漏れることを遮断する。
【0035】
また、
図2及び
図3のように、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51と前記トップボディ30のトップポスト33との間で、前記装着部213の上部側に配置される環状のインナーOリングO2が備えられており、前記昇降ポスト51と前記トップポスト33との間の隙間を流れるガスが、前記ミドルボディ20のミドルハウジング21と前記トップボディ30のトップハウジング31との間の結合の隙間から漏れることを遮断する。
【0036】
一方、本発明に係るドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラは、マッチング手段60をさらに含む。前記マッチング手段60は、
図1ないし
図3に図示のように、前記ボトムボディ10のボトムハウジング11の上部に特定のパターンで形成されるコード溝61と、及び前記ミドルボディ20のミドルハウジング21の下部に前記コード溝61と対応するように形成されるコード突起62と、を含んでなる。
【0037】
このとき、前記コード溝61は、一つ又は二つ以上の円形や多角形の溝で設けられ、さらに、前記のコード突起62もまた、一つ又は二つ以上の円形や多角形の突起で設けられる。
【0038】
したがって、
図3のように、前記のコード溝61と前記コード突起62とが相互に雌雄結合されてマッチングされるときのみ、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51と、前記チューブ12の流路121の上部周辺との接触が行われることで、前記昇降ユニット50の昇降ポスト51が上昇しながら、マグネット71が変位する。
【0039】
以上、本発明を説明するに当たって、添付の図面を参照し、特定の形状および構造を有する「ドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラ」を中心として説明したが、本発明は、当業者により様々な変形および変更が可能であり、このような変形および変更は、本発明の保護範囲に属すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
10:ボトムボディ
11:ボトムハウジング
111:締結部
112:ボトム中空
12:チューブ
121:流路
13:ガス注入孔
20:ミドルボディ
21:ミドルハウジング
211:ミドル中空
212:螺旋部
213:装着部
22:ミドルポスト
221:対応ミドル中空
23:ガス注入部材
30:トップボディ
31:トップハウジング
311:対応螺旋部
312:トップ中空
32:排出部材
321:排出流路
33:トップポスト
331:対応トップ中空
332:トップOリング部材
34:チェックバルブ
341:開閉弁
342:スプリング支持台
343:バルブスプリング
50:昇降ユニット
51:昇降ポスト
511:流通孔
52:弾性スプリング
60:マッチング手段
61:コード溝
62:コード突起
70:センシングユニット
71:マグネット
72:挿入溝
721:底部
73:センシング部材
731:センシングボディ
732:マグネットセンサー
【要約】 (修正有)
【課題】雌雄の二つのカプラ間がマッチングされているかどうかをチェックできる、ドラムの貯蔵流体排出用のセンシング構造改善型のカプラを提供する。
【解決手段】相互結合されたトップ及びミドルボディ30、20をボトムボディ10に装着するとき、前記ミドルボディ20のミドルポスト22がボトムハウジング11のボトム中空112内に挿入されながら、前記ミドルポスト22の下部側に露出した昇降ポスト51が、チューブ12の流路121の上部周辺に接触することで、昇降ユニット50の昇降ポスト51が上昇し、上昇した前記昇降ポスト51の端部に備えられたマグネット71に対する変位を、マグネットセンサー732が感知することにより、この感知信号をコントローラに送信するようになり、前記ボトムボディ10と前記ミドルボディ20との間が相互結合されるとき、マッチングされているかどうかをチェックする。
【選択図】
図1