(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980427
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】準最適なプライマリP2MPからスタンバイP2MPにトラフィックを切り替えるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/707 20130101AFI20160818BHJP
H04L 12/913 20130101ALI20160818BHJP
H04L 12/723 20130101ALI20160818BHJP
【FI】
H04L12/707
H04L12/913
H04L12/723
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-524412(P2015-524412)
(86)(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公表番号】特表2015-527831(P2015-527831A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】US2013051793
(87)【国際公開番号】WO2014018608
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】61/676,796
(32)【優先日】2012年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/731,285
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,プラディープ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】シン,カンワル・ディー
【審査官】
安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/078395(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/015582(WO,A1)
【文献】
Praveen Muley et al.,Methods for efficient Multicast Delivery in MPLS networks,APRICOT 2010 / APNIC 29,2010年 3月,URL,http://www.apricot.net/apricot2010/__data/assets/pdf_file/0003/18912/Operations_02_Methods-of-efficient-multicast-delivery-in-MPLS-networks_Pradeep-Jain.pdf
【文献】
R. Aggarwal et al.,Extensions to Resource Reservation Protocol - Traffic Engineering (RSVP-TE) for Point-to-Multipoint TE Label Switched Paths (LSPs),RFC4875,IETF,2007年 5月,URL,https://www.rfc-editor.org/rfc/pdfrfc/rfc4875.txt.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/707
H04L 12/723
H04L 12/913
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソース予約プロトコル(RSVP)セッションをサポートするラベルスイッチパス(LSP)に関連付けられるローカル保護メカニズムの使用をシグナリングするための方法であって、
前記LSPが、前記ローカル保護メカニズムの使用に基づいて、プライマリソースツーリーフ(S2L)サブLSPからバイパスS2LサブLSPに切り替える前記RSVPセッションをサポートするのに応答して、ローカル保護メカニズムの使用をリーフプロバイダエッジ(PE)ノードにアドバタイズするためにRSVPパスメッセージをリーフPEノードへ向けて下流に伝搬するステップを備える、方法。
【請求項2】
前記LSPが、複数のポイントツーマルチポイント(P2MP)LSPのうちの1つを備え、前記RSVPパスメッセージが、前記リーフPEノードに、システムオペレータ基準、カスタマ基準、またはトラフィック関連基準のうちの1つまたは複数に従って異なるP2MP LSPに切り替えさせるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LSPが、複数のポイントツーマルチポイント(P2MP)LSPのうちの1つを備え、前記RSVPパスメッセージが、前記リーフPEノードに、バイパスS2LサブLSPサービス品質(QOS)基準に従って異なるP2MP LSPに切り替えさせるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記LSPが、複数のポイントツーマルチポイント(P2MP)LSPのうちの1つを備え、前記RSVPパスメッセージが、前記リーフPEノードに、サービスレベル契約(SLA)に従って異なるP2MP LSPに切り替えさせるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プライマリS2LサブLSPが復元されるのに応答して、プライマリS2LサブLSPが復元されたこと前記リーフPEノードへ示すように構成された下流RSVPパスメッセージを生成するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記RSVPパスメッセージが、LSPに関連付けられるルーティングプロトコルを介して下流に伝搬され、前記ルーティングプロトコルが、オープンショーテストパスファースト(OSPF)ルーティングプロトコルまたは、中間システム間(IS−IS)ルーティングプロトコルのうちの1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ローカル保護メカニズムの使用が、前記RSVPパスメッセージ内のレコードルートオブジェクト(RRO)フラグ、およびタイプ−長さ−値(TLV)フォーマットで符号化されたLSP_ATTRIBUTESオブジェクトのうちの少なくとも1つを使用して前記リーフPEノードにアドバタイズされる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リソース予約プロトコル(RSVP)セッションをサポートするラベルスイッチパス(LSP)に関連付けられるローカル保護メカニズムの使用をシグナリングするための装置であって、前記装置が、
プロセッサと、プロセッサと通信的に結合されたメモリを備え、プロセッサが、
前記LSPが、前記ローカル保護メカニズムの使用に基づいて、プライマリソースツーリーフ(S2L)サブLSPからバイパスS2LサブLSPに切り替える前記RSVPセッションをサポートするのに応答して、ローカル保護メカニズムの使用をリーフプロバイダエッジ(PE)ノードにアドバタイズするためにRSVPパスメッセージをリーフPEノードへ向けて下流に伝搬するように構成された、装置。
【請求項9】
コンピュータによって実行されると、コンピュータに、リソース予約プロトコル(RSVP)セッションをサポートするラベルスイッチパス(LSP)に関連付けられるローカル保護メカニズムの使用をシグナリングするための方法を提供させる命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
前記LSPが、前記ローカル保護メカニズムの使用に基づいて、プライマリソースツーリーフ(S2L)サブLSPからバイパスS2LサブLSPに切り替える前記RSVPセッションをサポートするのに応答して、ローカル保護メカニズムの使用をリーフプロバイダエッジ(PE)ノードにアドバタイズするためにRSVPパスメッセージをリーフPEノードへ向けて下流に伝搬するステップを備える、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
コンピュータに、リソース予約プロトコル(RSVP)セッションをサポートするラベルスイッチパス(LSP)に関連付けられるローカル保護メカニズムの使用をシグナリングするための方法のステップを実行させる、コンピュータプログラムであって、前記方法が、
前記LSPが、前記ローカル保護メカニズムの使用に基づいて、プライマリソースツーリーフ(S2L)サブLSPからバイパスS2LサブLSPに切り替える前記RSVPセッションをサポートするのに応答して、ローカル保護メカニズムの使用をリーフプロバイダエッジ(PE)ノードにアドバタイズするためにRSVPパスメッセージをリーフPEノードへ向けて下流に伝搬するステップを備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年7月27日に出願された、係属中の米国仮特許出願第61/676,796号「SYSTEM, METHOD AND APPARATUS FOR IMPROVED MPLS MANAGEMENT」の利益を主張し、その出願は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ネットワークなどの通信ネットワークの分野に関し、より具体的には、これに限定されないが、ポイントツーマルチポイント(P2MP)トラフィックパス管理に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)によって、広範な差別化されたエンドツーエンドサービスの効率的な配信が可能になる。マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)トラフィックエンジニアリング(TE)は、帯域幅上の問題、および管理ルールに基づいて、MPLSネットワークにわたる効率的なパスを選択するためのメカニズムを提供する。各ラベルスイッチングルータは、現在のネットワークトポロジでTEリンク状態データベースを維持する。一旦パスが計算されると、TEは、そのパスに沿って転送状態を維持するために使用される。
【0004】
2つの独立したP2MPツリーからのデュアルホームドリーフノードソーシングトラフィックにとって、プライマリツリーからスタンバイツリーにトラフィックを切り替えることが望ましく、その時に、いくつかのネットワークイベントのためにプライマリツリーは準最適になる。本提案は、上記に対応するための方法を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】RFC4726
【非特許文献2】RFC5151
【非特許文献3】2005年5月のIETF RFC4090「Fast Reroute Extensions to RSVP−TE for LSP Tunnels」
【非特許文献4】RFC5420.3
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
障害が発生したソースツーリーフ(S2L)サブLSPまたはパスが、ローカル保護メカニズムを介してバイパスS2LサブLSPまたはパスに切り替えた(または、切り替えている)ことを示すためにRSVPパスメッセージが修正されるシステム、方法、および装置によって、従来技術における様々な欠陥が対処される。したがって、リーフPEノードは、たとえプライマリトンネルが正常に機能しているように見える場合でも、プライマリトンネルからスタンバイトンネルにトラフィックソーシングを切り替えることを選択することができる。このように、ローカル保護メカニズムの選択による、プライマリトンネルの任意の実際の、または潜在的な準最適なパフォーマンスを回避することができる。
【0007】
本発明の教示は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】様々な実施形態から利益を受ける、例示的なネットワークを示す図である。
【
図3】本明細書に記載の機能を実行する際の使用に適したコンピュータのハイレベルブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合は、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。
【0010】
様々な実施形態を、隣接LSPタイプのリソース予約プロトコル(RSVP)インタードメイントラフィックエンジニアリングラベルスイッチパス(TE−LSP)をサポートするネットワーク内の2つの独立したポイントツーマルチポイント(P2MP)ツリーからのデュアルホームドリーフノードソーシングトラフィックのコンテキストにおいて説明する。しかしながら、当業者には、本明細書に記載の様々な実施形態は他のタイプのネットワークに適用可能であることが理解されよう。
【0011】
図1は、様々な実施形態から利益を受ける、通信ネットワークアーキテクチャのハイレベルブロック図を示している。具体的には、
図1のアーキテクチャ100は、隣接LSP(Contiguous LSP)タイプのリソース予約プロトコル(RSVP)インタードメイントラフィックエンジニアリングラベルスイッチパス(TE−LSP)をサポートする、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ネットワークを提供する。ネットワークは、本明細書に記載の例示的なプロトコルではなく他のMPLS関連プロトコルを使用するために、当業者によって修正されてよい。
【0012】
アーキテクチャ100は、例示的に、プライマリラベルスイッチパス(LSP)とセカンダリラベルスイッチパス、すなわち、プライマリパスPとセカンダリパスSのうちの1つまたは両方を介して、ソースカスタマエッジ(CE)ルータCE−S 130−Sと、宛先CEルータCE−D 130−Dとの間のトラフィックをルーティングするために動作可能な、IP/MPLS通信ネットワーク(CN)105と、少なくとも1つのネットワーク管理システム(NMS)120とを含む。
【0013】
図示されるように、NMS120は、CN105を形成する複数のルータ110を制御するように動作可能であり、すなわち、CN105は、複数のプロバイダエッジ(PE)ルータ110−1から110−4、ならびに複数のコアルータ110−X1および110−X2を備える。4つのPEルータだけが示されているが、CN105はより多くのPEルータを含むことができることが分かるだろう。同様に、2つのコアルータだけが示されているが、CN105はより多くのコアルータを含むことができる。CN105の表示は、この説明のために簡略化されている。
【0014】
NMS120は、本明細書に記載の様々な管理機能を実行するために適合されたネットワーク管理システムである。NMS120は、CN105のノードと通信するように構成されている。また、NMS120は、他の動作サポートシステム(たとえば、要素管理システム(EMS)、トポロジ管理システム(TMS)など、ならびにそれらの様々な組合せ)と通信するように構成され得る。
【0015】
NMS120は、ネットワークノード、ネットワーク動作センタ(NOC)、またはCN105およびそれに関連する様々な要素と通信することができる他の任意の位置で実装され得る。NMS120は、1人または複数のユーザが、様々なネットワーク管理、構成、プロビジョニング、または制御関連機能(たとえば、情報の入力、情報の検討、本明細書に記載の様々な方法の実行開始など)を実行することができるようにするために、ユーザインターフェース機能をサポートすることができる。NMS120の様々な実施形態は、様々な実施形態に関連する本明細書に記載の機能を実行するように構成されている。NMS120は、
図3に関して以下で説明するような、汎用コンピューティングデバイス、または専用コンピューティングデバイスとして実装され得る。
【0016】
NMS120および様々なルータ110は、RFC4726およびRFC5151などの様々なインターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)リクエストフォーコメンツ(RFC)でより詳細に記載されるように、リソース予約プロトコル(RSVP)インタードメイントラフィックエンジニアリングラベルスイッチパス(TE−LSP)をサポートするために動作する。
【0017】
図1に示されるように、ポイントツーマルチポイント(P2MP)トラフィックストリーム(たとえば、ビデオまたは他のデータストリーム)は、プライマリラベルスイッチパス(LSP)とセカンダリラベルスイッチパス、すなわちプライマリパスPとセカンダリパスSのうちの1つ、または両方を介して、送信元カスタマエッジ(CE)ルータCE−S 130−Sから宛先CEルータCE−D 130−Dに通信している。プライマリパスPは、PE110−1を起点として、CN105のコアを横断し、PE110−3で終了する。セカンダリパスSは、PE110−2を起点として、CN105のコアを横断し、PE110−3で終了する。
【0018】
したがって、PE110−3は、2つの独立したP2MPツリー、すなわち、ルートノードPE110−1を起点とするプライマリLSPツリーと、ルートノードPE110−2を起点とするセカンダリLSPツリーからの、デュアルホームドリーフノードソーシングトラフィックとして動作する。
【0019】
プライマリP2MP LSPとセカンダリP2MP LSPのそれぞれは、P2MP TE LSPを構築するために、入口(ingress)LSRと出口(egress)LSRとの間でセットアップされ、適切にオーバーレイされた、複数のソースツーリーフ(S2L)サブLSPを備える。パス計算の間、P2MP TE LSPは、別々に計算されて、P2MP LSPのパスを与えるために結合される、S2LサブLSPのセットとして決定されてもよく、単一の計算においてP2MP TE LSP全体がP2MPツリーとして決定されてもよい。
【0020】
様々な実施形態では、2つのトンネルのそれぞれは、引用によりその全体が本明細書に組み込まれている、2005年5月のIETF RFC4090「Fast Reroute Extensions to RSVP−TE for LSP Tunnels」に記載されるものなどの、高速再ルーティング保護(fast reroute protection)を含む。一般的に言えば、IETF FC4090は、LSPトンネルのローカル修復のためのバックアップラベルスイッチパス(LSP)トンネルを確立するために、RSVP−TE拡張を定義する。これらのメカニズムは、障害が発生した場合、数10ミリ秒でバックアップLSPトンネルへのトラフィックのリダイレクトを可能にする。2つの方法が定義される。one−to−one backup方法は、ローカル修復の各潜在的なポイントで、保護されたLSPごとに迂回LSPを作成する。facility backup方法は、潜在的な障害ポイントを保護するためにバイパストンネルを作成し、MPLSラベルスタッキングを利用することによって、このバイパストンネルは同様のバックアップ制約を有するLSPのセットを保護することができる。どちらの方法も、ネットワーク障害の間にリンクおよびノードを保護するために使用され得る。説明した動作およびRSVPへの拡張によって、ノードは、いずれかの方法または両方の方法を実装して、混合ネットワークで相互運用することができるようになる。
【0021】
RSVP予約リクエスト(Resv)メッセージタイプとパスメッセージタイプの、2つの基本的なRSVPメッセージタイプがある。パスに沿って各ノード内に「予約状態」を作成して維持するために、受信機ホストが、RSVP予約リクエスト(Resv)メッセージを、送信機に向かって上流に送信する。RSVP送信機ホストは、データのパスに続いて、ルーティングプロトコルによって提供されたユニキャスト/マルチキャストパスに沿って、RSVPパスメッセージを下流に送信する。これらのパスメッセージは、これまでに、Resvメッセージを逆方向にホップごとにルーティングするために使用される、以前のホップノードのユニキャストIPアドレスを少なくとも含む、「パス状態」を道に沿った各ノード内に格納する。
【0022】
S2Lパス障害および復元表示
プライマリトンネルまたはパスに沿ったS2Lパスに関連付けられるノード、リンク、または他のネットワーク要素の障害が発生すると、障害が発生したノード(または後続の影響されたノード)が、ルートPEに、ローカル保護メカニズムを使用してバイパスS2Lパスを介して影響されたS2Lパスの再ルーティングをトリガさせる、RSVP予約リクエスト(Resv)メッセージをトンネルのルートPEに向かって上流に送信すると、自動バイパス手順が開始される。
【0023】
残念なことに、選択されたバイパス手順および/またはバイパスパスは、プライマリパスまたはトンネルの準最適なパフォーマンスになる場合がある。たとえば、バイパス手順に長い時間がかかる場合もあり(たとえば、バイパスパスは容易に利用可能ではない、または再ルーティングに時間がかかる)、バイパスパスのサービス品質(QoS)保証が不十分な場合もある。
【0024】
様々な実施形態では、下流RSVPパスメッセージは、障害が発生したS2LサブLSPまたはパスが、ローカル保護メカニズムを介してバイパスS2LサブLSPまたはパスに切り替えた(または、切り替えている)ことを示すために、エラー情報を含むように修正される。
【0025】
様々な実施形態では、新たに定義されたRSVPエラーメッセージは、障害が発生したS2LサブLSPまたはパスが、ローカル保護メカニズムを介してバイパスS2LサブLSPまたはパスに切り替えた(または、切り替えている)ことを示すための情報を含む。
【0026】
一実施形態では、修正された下流RSVPパスメッセージまたは新たに定義されたRSVPエラーメッセージ内の情報は、影響されたS2Lパスをバイパスするためにローカル保護メカニズムの使用があることをリーフPEノードまたは他のノードに示すためにセットされ(あるいは、「1」または他の何らかの文字などの第1の状態にセットされ)て、影響されたS2Lパスがもはやバイパスされない(すなわち、S2Lパスが復元された)ことをリーフPEノードまたは他のノードに示すためにリセットされた、(あるいは、「0」または空欄などの第2の状態にセットされた)ローカル保護「使用中(inUse)」フラグを備える。
【0027】
一実施形態では、RSVPセッションがバイパスS2Lパスを含むかどうかを示すために、RSVPパスメッセージ内のレコードルートオブジェクト(RRO)フラグが更新される。具体的には、RROフラグは、RSVPセッションが少なくとも1つのバイパスS2Lパスを含むことをリーフPEノードまたは他のノートに示すためにセットされ(あるいは、「1」または他の何らかの文字などの第1の状態にセットされ)てもよく、RSVPセッションがバイパスS2Lパスを含まないことをリーフPEノードまたは他のノートに示すためにリセットされ(あるいは、「0」または空欄などの第2の状態にセットされ)てもよい。
【0028】
修正された下流RSVPパスメッセージまたは新たに定義されたRSVPエラーメッセージ内の情報は、リーフPEノード(または後続のノード)に、バイパスS2Lパスがローカル保護メカニズムを介して選択された(または選択される過程にある)ことを示しており、それによって、影響されたトンネル(たとえば、プライマリパスP)からバックアップトンネル(たとえば、セカンダリパスS)へのトラフィックフローソーシングを切り替える機会をリーフPEノードに与える。トラフィックフローソーシングを切り替える決定は、様々なシステムオペレータ基準、カスタマ基準、トラフィック関連基準、または他の基準に従って行われ得る。
【0029】
図2は、一実施形態による方法の流れ図である。具体的には、
図2は、例示的に、デュアルホームドリーフPEノードが、影響されたトンネルからバックアップトンネルにトラフィックフローソーシングを切り替えて、それによって影響されたトンネル上の潜在的な準最適なサービス品質を回避することができるように、RSVPセッション内のバイパスS2Lパスの使用を示す情報が取得されて、下流に伝搬される方法200を示している。
【0030】
ステップ210で、第1のルートノードからリーフノードにプライマリトンネルが作成され、第2のルートノードからリーフノードにセカンダリトンネルが作成される。この議論の目的で、プライマリトンネルおよびセカンダリトンネルは、
図1に関して上述したように、それぞれプライマリパスPおよびセカンダリパスSを備えると仮定される。ソース130−Sからのビデオストリームまたは他のトラフィックが、ルートPE110−1上で両方のトンネルにマッピングされる。2つのトンネルのそれぞれは、独立したP2MPツリーに関連付けられる。
【0031】
ステップ220で、リーフノード(たとえば、ノード障害E110−3に応答するP)が、トラフィックソース(ルートノードPE110−1)からトラフィックを受信するために、トンネルのうちの1つ(たとえば、プライマリパスP)を選択する。
【0032】
ステップ230で、プライマリトンネルまたはパスに沿ったノードに障害が発生した場合、障害が発生したノード(または後続の影響されたノード)が(1)ルートPEに、ローカル保護メカニズムを使用してバイパスS2Lパスを介して影響されたS2Lパスの再ルーティングをトリガさせる、RSVP予約リクエスト(Resv)メッセージをトンネルのルートPEに向かって上流に送信すると、および(2)ローカル保護「使用中」フラグ、および/またはRROフラグをセットすることなどによって、適切なエラーコードを含むRSVPエラーメッセージまたはパスメッセージをトンネルのリーフPEに向かって下流に送信すると、自動バイパス手順が開始される。
【0033】
具体的には、ローカル保護メカニズムの使用(または、そのような使用の終了)をアドバタイズする情報は、例示的に、種類−長さ−値(TLV)フォーマットで符号化された、既存のLSP属性または新たに定義されたLSP属性内の新しいフラグまたはビット設定を使用して、オープンショーテストパスファースト(OSPF)ルーティングプロトコル、中間システム間(IS−IS)ルーティングプロトコルなどのルーティングプロトコルを介して伝搬され得る。たとえば、OSPFルータ情報機能TLV、IS−ISルータ情報機能TLV、他のTLV、既存のLSP属性などのフラグまたはビット設定の第1の状態に適合する、または設定することによる。
【0034】
ステップ240で、ステップ230のRSVPエラーメッセージまたはパスメッセージを受信すると、リーフPEノードは、トラフィックソーシングを影響されたトンネル(たとえば、プライマリパスP)からバックアップトンネル(たとえば、セカンダリパスS)に切り替えるべきかどうかに関する決定を行う。ボックス245を参照すると、この決定は、デフォルト動作でもよく、様々なシステムオペレータ基準、カスタマ基準、トラフィック関連基準、またはバイパスS2LパスQoS情報、サービスプロバイダ要件、サービスレベル契約(SLA)などの他の基準に関して決定されてもよい。
【0035】
ステップ250で、影響されたS2Lが復元されるおよび/または再び最適化されると、以前障害が発生したノード(または、後続の影響されたノード)が、ローカル保護「使用中」フラグ、および/またはRROフラグをリセットすることなどによって、適切なエラーコードを含むRSVPエラーメッセージまたはパスメッセージを、トンネルのリーフPEに向かって下流に送信する。たとえば、大域的な復帰(global revert)MBBが影響されたS2Lの再最適化をトリガして、トラフィックがバイパスから戻ると、RROフラグは「0」にセットされてもよく、クリアされてもよい。リーフノードはこのフラグを使用して、プライマリP2MPツリーに再び切り替えることができる。
【0036】
ステップ260で、ステップ250のRSVPエラーメッセージまたはパスメッセージを受信すると、リーフPEノードは、トラフィックソーシングをバックアップトンネル(たとえば、セカンダリパスS)からプライマリトンネル(たとえば、プライマリパスP)に切り替えるべきかどうかに関する決定を行う。この決定は、ステップ240に関して前述した基準を使用して多く行われ得る。
【0037】
様々な実施形態では、特に迅速なバイパス/復元サイクルでは、古い/誤ったデータが影響されたトンネルを通って依然として伝播している場合があり、したがってRSVPエラーメッセージまたはパスメッセージ情報が正確ではない場合がある。この場合、ノードは、パスメッセージを無視して、あらかじめ定められた時間が経過したか、適切なトンネル復元の他の何らかの表示が受信されるまで、スタンバイP2MPツリーからプライマリP2MPツリーにスイッチバックしないように構成されている。
【0038】
様々な実施形態では、RSVPエラーメッセージまたはパスメッセージがネットワーク内でドロップする(get dropped)場合があるので、リーフPEノードは、RROフラグだけに基づいて、影響されたプライマリP2MPツリーからスタンバイP2MPツリーにトラフィックを切り替える機能をサポートする。
【0039】
本明細書に記載の様々な方法技法によって、サービスプロバイダは、プライマリS2LサブLSPまたはパスから、セカンダリまたはバイパスS2LサブLSPに切り替えるローカル保護メカニズムに応答して、準最適な、または潜在的に準最適なプライマリP2MPトンネルから切り替えることができるようになる。
【0040】
様々な実施形態では、それを通じてルーティングされたLSPのローカル保護メカニズムの使用または差し迫った使用を検出するノードまたはLSR(バイパスS2LサブLSPなど)は、LSPに関連付けられる入口またはルートPEノード、ならびにLSPに関連付けられる1つまたは複数の出口またはリーフPEノードに応答的に通知する。
【0041】
新しいTLV属性
本明細書に記載の様々な実施形態によって、ローカル保護メカニズムの使用または非使用を、既存のLSP属性内の新しいフラグまたはビット設定、または任意選択で、タイプ−長さ−値(TLV)フォーマットで符号化された、新たに定義されたLSP属性を使用して、ルートPEまたは他のノード(入口LSP、エリア境界ルータなど)、および/あるいはリーフPEまたは他のノード(トランジットまたは出口LSPなど)に伝えることが可能になる。
【0042】
一実施形態では、ローカル保護メカニズムの使用を示すために、RFC5420.3による属性TLVなどの、既存の、または新たに定義されたLSP属性TLV内のビットのうちの1つ(たとえば、ビット3)がセットまたはクリアされる。たとえば、RFC5420.3によれば、新しいオブジェクトによって搬送される属性は、以下のようにTLV内で符号化され、タイプフィールドはTLVの識別子であり、長さフィールドはオクテットでのTLVの全長を示すために使用され、値フィールドはデータを搬送するために使用される。
【0043】
様々な実施形態は、属性フラグTLV内の新しいフラグ値を定義し、以下のLSP_ATTRIBUTES class=197,C−Type=1などのLSP_ATTRIBUTESオブジェクトで搬送される。
【0044】
特定のビット数(たとえば、ビット3、ビット4、または他の何らかのビット)は、「使用中ビット(inUse Bit)」の指定、または他の何らかの指定を割り当てられ得る。
【0045】
特定のLSPまたはS2LサブLSPに使用中ビットがセットされると、S2LサブLSPは、リーフPEまたは他のノードによって代替LSPが使用されるようにするために、低減したサービス品質(QoS)レベルを提供することができる。
【0046】
特定のLSPまたはS2LサブLSPの使用中ビットがクリアされると、S2LサブLSPは、以前に選択された代替LSPから最初のLSP上のサービスの復元がリーフPEまたは他のノードにとって適切であるように、最初の、または予測されたサービス品質(QoS)レベルを提供する。
【0047】
したがって、様々な実施形態では、LSPのS2LサブLSPに関連付けられるローカル保護メカニズムの使用または非使用の表示が、タイプ−長さ−値(TLV)フォーマットで符号化されたLSP属性を介して提供される。
【0048】
様々な実施形態では、ローカル保護メカニズムの使用または非使用の表示が、LSP_ATTRIBUTESオブジェクト内のさらなるビットを介して伝えられる。
【0049】
図3は、本明細書に記載の機能を実行する際の使用に適したコンピュータのハイレベルブロック図を示している。
【0050】
図3に示されるように、コンピュータ300は、プロセッサ要素303(たとえば、中央処理装置(CPU)および/または他の適切なプロセッサ)、メモリ304(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)など)、協働モジュール/処理305、ならびに様々な入力/出力デバイス306(たとえば、ユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウスなど)、ユーザ出力デバイス(ディスプレイ、スピーカなど)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、および記憶装置(たとえば、テープドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブなど))を含む。
【0051】
図3に示されたコンピュータ300は、本明細書に記載の機能要素、または本明細書に記載の機能要素の部分ネットワークの実装に適した一般的なアーキテクチャおよび機能性を提供することが理解されよう。
【0052】
本明細書で論じたステップのうちのいくつかは、たとえば、様々な方法ステップを実行するためにプロセッサと協働する回路としてハードウェア内で実装され得ることが企図される。本明細書に記載の機能/要素の一部は、コンピュータプログラム製品として実装されてよく、コンピュータ命令は、コンピュータによって処理されると、本明細書に記載の方法および/または技法が呼び出される、または他の方法で提供されるように、コンピュータの動作を適合する。本発明の方法を読み出すための命令は、固定またはリムーバブルの媒体あるいはメモリなどの、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、および/または、命令に従って動作するコンピューティングデバイス内のメモリ内に記憶されてもよい。
【0053】
上記は、本発明の様々な実施形態を対象としているが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなしに、他の、およびさらなる実施形態を考案することができる。したがって、本発明の適切な範囲は特許請求の範囲によって決定されるべきである。