(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る電子メール送信装置の実施の形態の内部構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すアドレスデータの構成を示すデータ構成図である。
【
図3】
図1に示すメール生成部による宛先設定動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4A】
図1に示すメール生成部による宛先の設定及び指定例を示す説明図である。
【
図4B】
図1に示すメール生成部による宛先の設定及び指定例を示す説明図である。
【
図4C】
図1に示すメール生成部による宛先の設定及び指定例を示す説明図である。
【
図4D】
図1に示すメール生成部による宛先の設定及び指定例を示す説明図である。
【
図5A】
図1に示す表示部に表示される警告画面例を示す図である。
【
図5B】
図1に示す表示部に表示される警告画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の電子メール送信装置10は、パソコン、プリンタ、MFP(Multiple Function Printer、複合機能プリンタ)等の電子機器であり、
図1を参照すると、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信制御部15とを備えている。
【0010】
制御部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。制御部11のROMには、電子メール送信装置10の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部11は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部14から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。操作部14は、ハードキーや、表示部13の表示パネルに重ねて設けられたタッチパネル等で構成される。
【0011】
記憶部12は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段である。記憶部12には、複数の宛先(メールアドレス)が登録されたアドレスデータ30が記憶されている。アドレスデータ30は、操作部14からの入力や、ネットワーク2等を介した外部からの入力によって登録される。
【0012】
アドレスデータ30は、
図2に示すように、宛先であるメールアドレス31と、宛先人を特定する宛先人特定項目32と、宛先人が属するグループを特定するグループ情報33とが一つのアドレスレコードとして記憶されている。
図2に示す例では、6個のアドレスレコード34a〜34fが登録されている。宛先人特定項目32は、宛先人の「姓」及び「名」の2つの項目で構成されている。グループ情報33は、複数のグループ項目33a〜33dで構成されている。最上位のグループ項目33aが「会社」であり、以下、「事業部」、「部」、「課」に向かって下位、すなわち上位のグループをさらにグループ分けしたグループ項目33b〜33dになっている。
【0013】
通信制御部15は、モデムやI/Oコントローラ等から構成され、制御部11の指示に基づいて所定のプロトコルを実行し、ネットワーク2を介して電子メールを送信する機能を有している。
【0014】
制御部11は、電子メールを生成するメール生成部20として機能し、記憶部12に記憶されているアドレスデータ30の一部もしくは全部を表示部13に表示させ、アドレスデータ30の中から操作部14によって指定されたアドレスレコードを電子メールの宛先として設定する機能を有している。以下、メール生成部20による宛先設定動作について
図3乃至
図6を参照して詳細に説明する。
【0015】
図3を参照すると、操作部14によってアドレスデータ30を用いた宛先の設定が指示されると、メール生成部20は、記憶部12に記憶されているアドレスデータ30の一部もしくは全部を表示部13に表示させ、ユーザーによるアドレスレコードの指定を待機する(ステップA1)。
【0016】
そして、ユーザーが操作部14を用いてアドレスレコード34a〜34fのいずれかを指定すると、メール生成部20は、設定済みのアドレスレコード、すなわち電子メールの宛先として設定されたメールアドレス31を含むアドレスレコードが有るか否かを判断する(ステップA2)。
【0017】
ステップA2で設定済みのアドレスレコードがない場合、すなわち最初の宛先の設定時には、ステップA1でアドレスレコード34a〜34fのうち、指定されたアドレスレコードのメールアドレス31を宛先として設定し(ステップA4)、ステップA1に戻り、次のアドレスレコードの指定を待機する。
【0018】
一方、ステップA2で設定済みのアドレスレコードが有る場合には、メール生成部20は、設定済みのアドレスレコードのグループ情報33と、ステップA1で指定されたアドレスレコードのグループ情報33との共通項を特定する(ステップA3)。例えば、
図4Aに示すように、アドレスレコード34aが設定済みの状態で、アドレスレコード34bが設定された場合には、ステップA3で「会社」、「事業部」、「部」、「課」の4つのグループ項目33a〜33dが共通項として特定される。なお、ステップA3では、グループ項目33a〜33dの上位から下位に向けて共通項か否かを判断する。従って、
図4Bに示すように、アドレスレコード34aが設定済みの状態で、アドレスレコード34fが設定された場合には、「課」のグループ項目33dは共通であるが、「課」より上位である「部」のグループ項目33cは一致していないため、「会社」、「事業部」の2つのグループ項目33a〜33bが共通項として特定されることになる。また、設定済みのアドレスレコードが複数ある場合は、すべてのアドレスレコードでの共通項を特定する。
【0019】
次に、メール生成部20は、一次記憶された共通項が有るか否かを判断する(ステップA5)。ステップA5で一次記憶された共通項がない場合には、メール生成部20は、ステップA3で特定した共通項をRAM等の記憶領域に一次記憶させ(ステップA6)、ステップA4に至り、メール生成部20は、ステップA1で指定されたアドレスレコードのメールアドレス31を宛先として設定する。
【0020】
ステップA5で一次記憶された共通項が有る場合には、メール生成部20は、ステップA3で特定した共通項と、一次記憶された共通項とを比較し(ステップA7)。両者が一致するか否かを判断する(ステップA8)。ステップA8で両者が一致する場合には、ステップA4に至り、メール生成部20は、ステップA1で指定されたアドレスレコード34a〜34fのメールアドレス31を宛先として設定する。
【0021】
ステップA8で両者が一致しない場合には、メール生成部20は、ステップA6で一時記憶された共通項を有するアドレスレコード34a〜34fの中から、ステップA1で指定されたアドレスレコードの宛先人特定項目32における宛先人の「姓」と同一のものを検索し(ステップA9)、宛先人の「姓」がステップA1で指定されたアドレスレコードと同一なアドレスレコード34a〜34fが有るか否かを判断する(ステップA10)。
【0022】
ステップA10で宛先人の「姓」が同一なアドレスレコード34a〜34fがない場合には、メール生成部20は、
図5Aに示す警告画面40を表示部13に表示させ、共通項が異なる宛先が指定されたことをユーザーに通知する(ステップA11)。警告画面40には、一時記憶された共通項とステップA3で特定した共通項との間の不一致なグループ項目33a〜33dを通知する不一致項目通知領域41と、ステップA1で指定されたアドレスレコードの設定を指示する設定指示キー42と、ステップA1で指定されたアドレスレコードを取り消して、新たなアドレスレコード34a〜34fの再指定を指示する再指定指示キー43とが設けられている。例えば、
図4Cに示すように、アドレスレコード34a、34bが設定済みである状態で、アドレスレコード34dが指定された場合には、
図5Aに示す警告画面40が表示部13に表示され、不一致項目通知領域41によってグループ項目33dの「課」が不一致であることが通知される。
【0023】
ユーザーは、警告画面40によって共通項が異なる宛先を指定したことを認識し、設定指示キー42と再指定指示キー43とのいずれかの操作を行う。メール生成部20は、ステップA11で警告画面40を表示部13に表示させると、設定指示キー42の操作の受け付けと、再指定指示キー43の操作の受け付けとを待機する(ステップA12、A13)。そして、ステップA12で設定指示キー42の操作を受け付けると、メール生成部20は、ステップA6に至ってステップA3で特定した共通項をRAM等の記憶領域に更新して一次記憶させると共に、ステップA1で指定されたアドレスレコードのメールアドレス31を宛先として設定する(ステップA4)。また、ステップA13で再指定指示キー43の操作を受け付けると、メール生成部20は、ステップA1に戻り、新たなアドレスレコード34a〜34fの指定を待機する。
【0024】
ステップA10で宛先人の「姓」が同一なアドレスレコード34a〜34fがある場合には、メール生成部20は、
図5Bに示す警告+案内画面40aを表示部13に表示させ、共通項が異なる宛先が指定されたことをユーザーに通知すると共に、宛先人の「姓」がステップA1で指定されたアドレスレコードと同一なアドレスレコードを通知する(ステップA14)。警告+案内画面40aには、警告画面40に加えて、宛先人の「姓」がステップA1で指定されたアドレスレコードと同一なアドレスレコードを案内宛先として通知し、案内宛先の指定を受け付ける案内宛先指定領域44が設けられている。例えば、
図4Dに示すように、アドレスレコード34a、34bが設定済みである状態で、アドレスレコード34eが指定された場合には、
図5Bに示す警告+案内画面40aが表示部13に表示され、不一致項目通知領域41によってグループ項目33dの「課」が不一致であることが通知されると共に、案内宛先指定領域44に宛先人の「姓」が同一なアドレスレコード34cが案内宛先として通知される。
【0025】
ユーザーは、警告+案内画面40aによって共通項が異なる宛先を指定したことを認識すると共に、宛先人の「姓」が同一なアドレスレコード34a〜34fが存在することを認識し、設定指示キー42と再指定指示キー43と案内宛先指定領域44での案内宛先の指定とのいずれかの操作を行う。メール生成部20は、ステップA14で警告+案内画面40aを表示部13に表示させると、設定指示キー42の操作の受け付けと、再指定指示キー43の操作の受け付けと、案内宛先指定領域44における案内宛先の指定操作とを待機する(ステップA15、A16、A17)。そして、ステップA15で設定指示キー42の操作を受け付けると、メール生成部20は、ステップA6に至ってステップA3で特定した共通項をRAM等の記憶領域に更新して一次記憶させると共に、ステップA1で指定されたアドレスレコードのメールアドレス31を宛先として設定する(ステップA4)。また、ステップA16で再指定指示キー43の操作を受け付けると、メール生成部20は、ステップA1に戻り、新たなアドレスレコード34a〜34fの指定を待機する。さらに、ステップA17で案内宛先の指定操作を受け付けると、メール生成部20は、指定されたアドレスレコードのメールアドレス31を宛先として設定する(ステップA4)。
【0026】
なお、本実施の形態では、宛先人特定項目32を宛先人の「姓」及び「名」の2項目とし、「姓」について同一なアドレスレコード34a〜34fを検索するように構成したが、「名」ついて同一なアドレスレコード34a〜34fを検索するようにしても良い。また、宛先人特定項目32として「ニックネーム」等の宛先人を特定する他の項目を設定し、設定した他の項目について同一なアドレスレコード34a〜34fを検索するようにしても良い。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数のアドレスレコード34a〜34fが予め登録されているアドレスデータ30を用いて電子メールの宛先(メールアドレス31)を設定可能な電子メール送信装置10であって、アドレスレコード34a〜34fには、宛先と共に、複数のグループ項目33a〜33dからなるグループ情報33が登録されており、宛先が設定されている状態で新たな宛先が指定されると、既に設定されている宛先のグループ情報33における共通項と、新たに指定された宛先のグループ情報33とを比較し、両者が一致しない場合には警告画面40を表示部に13に表示させ、両者の不一致を通知するメール生成部20を備えている。
この構成により、新たな指定された宛先が、既に設定されている宛先と同じグループでなく、既に設定されている宛先のグループ情報33における共通項が拡張される可能性があることをユーザーに通知することができるため、ユーザーによる宛先の設定の誤りを未然に防ぐことができる。
【0028】
さらに、本実施の形態によれば、アドレスレコード34a〜34fには、宛先(メールアドレス31)と共に、宛先人を特定する複数の宛先人特定項目32として宛先人の「姓」及び「名」が登録されており、メール生成部20は、既に設定されている宛先のグループ情報33における共通項と、新たに指定された宛先のグループ情報33とが一致しない場合に、共通項を有するアドレスレコード34a〜34fを検索することで、宛先人の「姓」が新たに指定された宛先と同一なアドレスレコード34a〜34fを案内宛先として通知するように構成されている。
この構成により、共通項を有し、宛先人特定項目32における宛先人の「姓」が同一のアドレスレコード34a〜34fを比較検討することができるため、ユーザーによる宛先の設定の誤りを未然に防ぐことができ、正しい宛先を簡単に設定することができる。
【0029】
なお、上述の実施の形態においては、「姓」が同一の「姓」が同一のアドレスレコード34a〜34fを比較検討するように記載したものの、これに限られない。たとえば、宛先人特定項目32に、単に宛先名としてユーザーの姓のみを保存し、これを検索する構成であってもよい。また、宛先人特定項目32に、ユーザーのIDやニックネーム等を保存し、これを検索するように構成してもよい。
【0030】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。