(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980557
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】電力計測装置
(51)【国際特許分類】
G01R 21/00 20060101AFI20160818BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
G01R21/00 Z
G01R21/00 G
H02B9/00 A
H02B9/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-103343(P2012-103343)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231649(P2013-231649A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝資
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智晴
(72)【発明者】
【氏名】須佐 太
【審査官】
岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−136279(JP,A)
【文献】
特開2005−55404(JP,A)
【文献】
特開2003−222645(JP,A)
【文献】
特開平11−3647(JP,A)
【文献】
特開平5−174900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R11/00−11/66
G01R21/00−22/10
G01R35/00−35/06
H02B 1/40− 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤内に設置されて、分岐ブレーカにより分岐された個々の分岐電路を流れる電流情報を入手し、分岐電路毎の消費電力を演算する電力計測装置であって、
個々の分岐電路の電流情報を入力するための複数の入力端子と、電路電圧情報を入手する電圧情報入力部と、個々の分岐電路の消費電力を演算する電力演算部と、演算された電力情報を蓄積する計測値記憶部とを有し、
前記入力端子を備えた第1ユニットと、前記電圧情報入力部を備えた第2ユニットとに分離形成され、
前記第1ユニットは、第2ユニットに接続するための伝送用端子を備えると共に、増設する第1ユニットを接続するための中継端子を有する一方、
前記第2ユニットは、直接接続された第1ユニット及び増設された第1ユニットと通信して電力情報を入手する通信制御部を備え、
前記分岐ブレーカは、分岐電路の電流を計測するための電流センサを内蔵して分電盤前面側部位に計測した電流情報を出力する電流計測端子を備え、
前記入力端子が前記電流計測端子に接続されて電流情報を入手し、
前記第1ユニットは、列設された前記分岐ブレーカの間隔に合わせて前記入力端子をケース裏面に配置し、前記入力端子と前記電流計測端子との接続状態を判断する接続判定部を有し、更に前記接続判定部の判定結果を表示する接続状態表示部を前記入力端子毎に有すする一方、
前記第2ユニットは、前記接続判定部を起動する確認ボタンを有することを特徴とする電力計測装置。
【請求項2】
前記分岐ブレーカは上下2列で列設され、前記入力端子は前記分岐ブレーカの配置に合わせて上下2列で配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の電力計測装置。
【請求項3】
前記中継端子は前記第1ユニットの左右にそれぞれ備えて、多数の第1ユニットを左右方向に連結可能とし、
前記伝送用端子は前記中継端子と同一の端子構成であって兼用でき、連結された第1ユニットのうち左右何れか一端の中継端子を伝送用端子として前記第2ユニットと接続することを特徴とする請求項1又は2記載の電力計測装置。
【請求項4】
前記第1ユニットは前記電力演算部を有する一方、前記第2ユニットは前記電圧情報入力部を有し、前記通信制御部が前記電路電圧情報を前記第1ユニットに送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電力計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤内の分岐電路毎の消費電力を計測する電力計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、個々の分岐電路に流れる電流を計測して分岐電路毎の消費電力を演算する電力計測装置を備えた分電盤がある。例えば特許文献1では、分電盤内に個々の分岐電路の電流を計測するためセンサを備えた分岐電流センサユニット、計測した電流値を判断したり電力を演算する計測制御ユニット、電流異常の発生を報知する報知ユニットを配置して、閾値を設定して分岐電流が閾値を超えるとLEDの発光で表示したり警報音を発報するよう構成し、きめ細かい電流の管理を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−136279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の電力計測装置は、分岐電流センサユニットや報知ユニットが、分岐ブレーカ列の幅に合わせた長さを有するプリント基板で形成されているため、列設した分岐電路の数に合わせて作製することになり、分岐電路の増減に柔軟に対応できなかった。また、電力を演算する機能を備えているが、電圧情報は電路の実際の計測値が使用されるわけではない為、精度の高い情報を得ることはできなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、分岐ブレーカの増減に対して柔軟に対応でき、更に精度の高い消費電力情報を得ることができる電力計測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、分電盤内に設置されて、分岐ブレーカにより分岐された個々の分岐電路を流れる電流情報を入手し、分岐電路毎の消費電力を演算する電力計測装置であって、個々の分岐電路の電流情報を入力するための複数の入力端子と、電路電圧情報を入手する電圧情報入力部と、個々の分岐電路の消費電力を演算する電力演算部と、演算された電力情報を蓄積する計測値記憶部とを有し、前記入力端子を備えた第1ユニットと、前記電圧情報入力部を備えた第2ユニットとに分離形成され、前記第1ユニットは、第2ユニットに接続するための伝送用端子を備えると共に、増設する第1ユニットを接続するための中継端子を有する一方、前記第2ユニットは、直接接続された第1ユニット及び増設された第1ユニットと通信して電力情報を入手する通信制御部を備
え、分岐ブレーカは、分岐電路の電流を計測するための電流センサを内蔵して分電盤前面側部位に計測した電流情報を出力する電流計測端子を備え、入力端子が電流計測端子に接続されて電流情報を入手し、第1ユニットは、列設された分岐ブレーカの間隔に合わせて入力端子をケース裏面に配置し、入力端子と電流計測端子との接続状態を判断する接続判定部を有し、更に接続判定部の判定結果を表示する接続状態表示部を入力端子毎に有すする一方、第2ユニットは、接続判定部を起動する確認ボタンを有することを特徴とする。
この構成によれば、分岐ブレーカの増減に対して第1ユニットの連結数を変更することで対応できるし、第1ユニット及び第2ユニットの2種類のユニットのみで構成されるため、コストを抑制でき柔軟に対応できる。また、電圧及び電流の実測値を基に個々の分岐電路の消費電力が演算されるため、正確な値を計測することができる。
【0007】
また、分岐ブレーカ列の前面側に第1ユニットを配置して、押圧操作等の接続操作することで第1ユニットの全ての入力端子を同時に電流計測端子に接続できる。よって、別途配線を必要としないし、個々の入力端子毎に接続操作する必要がないため、容易に接続できる。また、分岐ブレーカの前面側に第1ユニットを配置するため、別途収納空間を設ける必要がない。
【0008】
加えて、入力端子の接続状態が接続状態表示部により確認できるので、接続状態を容易に確認でき接続ミスや故障を認識し易い。
【0009】
更に、確認操作されたときのみ接続判定部が判断動作するため、接続状態表示部が表示をし続けることがなく、接続状態表示部を設けても省エネルギーにできる。
【0010】
請求項
2の発明は、請求項
1に記載の構成において、分岐ブレーカは上下2列で列設され、入力端子は分岐ブレーカの配置に合わせて上下2列で配置されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、上下の2列に設置された分岐ブレーカに対して1つの第1ユニットで対応するため、第1ユニットを分岐ブレーカ列の間に配設される電路の充電部カバーとしての機能も持たせることができる。また、電路上の空間を利用して回路素子を組み込むことができるため、第1ユニット全体を薄く構成でき、分岐ブレーカ前面側に配置しても分電盤全体の突出量を抑えることができる。
【0011】
請求項
3の発明は、請求項1
又は2に記載の構成において、中継端子は第1ユニットの左右にそれぞれ備えて、多数の第1ユニットを左右方向に連結可能とし、伝送用端子は中継端子と同一の端子構成であって兼用でき、連結された第1ユニットのうち左右何れか一端の中継端子を伝送用端子として第2ユニットと接続することを特徴とする。
この構成によれば、第1ユニットを増設するための端子と第2ユニットと接続するための端子は共通であるため、複数連結した第1ユニットの端部の中継端子に第2ユニットを接続することができる。よって、接続線等を介在させることなく第1ユニット同士を接続でき
る。
【0012】
請求項
4の発明は、請求項1乃至
3の何れかに記載の構成において、第1ユニットは電力演算部を有する一方、第2ユニットは電圧情報入力部を有し、通信制御部が電路電圧情報を第1ユニットに送信することを特徴とする。
この構成によれば、第1ユニット毎で消費電力が演算されるため、第1ユニットの連結数が多数であっても一部の演算部に負荷がかかることなく良好に演算できる。また、電力の演算に必要な電路電圧情報は第2ユニットから伝送されるので、個々の第1ユニットを電路に接続する必要がない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、分岐ブレーカの増減に対して第1ユニットの連結数を変更することで対応できるし、第1ユニット及び第2ユニットの2種類のユニットのみで構成されるため、コストを抑制できるし柔軟に対応できる。また、電圧及び電流の実測値を基に個々の分岐電路の消費電力は演算されるため、正確な数値を計測することができる。
また、入力端子の接続状態が接続状態表示部により確認できるので、接続状態を容易に確認でき接続ミスや故障を認識し易い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る電力計測装置の一例を示す正面図で、分岐ブレーカに組み付けた状態を示している。
【
図3】第1ユニット単体を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1,
図2は本発明に係る電力計測装置を示し、
図1は分岐ブレーカに組み付けた状態の正面図、
図2は
図1の左側面図を示している。
図1,
図2において、1は分岐ブレーカ、2は分岐ブレーカ1から電流情報を入手して消費電力を演算する第1ユニット、3は第1ユニット2から消費電力情報を入手して管理する第2ユニットであり、1つ又は複数の第1ユニット2と1つの第2ユニット3とで本発明の電力計測装置は構成される。そして、
図2に示すように第1ユニット2は列設された分岐ブレーカ1の前面側に配置され、
図1に示すように第2ユニット3は分岐ブレーカ1に隣接して設置される。
尚、
図2において、一方の分岐ブレーカ1はカバーを外した状態を示している。また、Lは分電盤内に左右に亘り帯状に配設された銅バーから成る単相3線式電路を示している。
【0016】
分岐ブレーカ1は電路Lを挟むように上下2列で配置され、左右に複数列設して組み付けられている。そして
図2に示すように、分岐ブレーカ1の電路の開閉操作を行う操作ハンドル10が設けられた分岐ブレーカ1の前面には、分岐ブレーカ1により分岐された電路の電流情報を出力する電流計測端子11が設けられている。
また、上下側面の一方に単相3線式電路Lに接続する電源側端子12、他方の側面には負荷へ至るケーブルを接続する負荷側端子13がそれぞれ1列で設けられている。尚、14はホール素子から成る電流センサである。
【0017】
第1ユニット2は、
図3に示すように構成されている。
図3は、第1ユニット単体の外観図を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図を示している。
図3に示すように、第1ユニット2は一様な厚みを有する四角形板状に形成され、基板9で形成した背面には分岐ブレーカ1の電流計測端子11に接続する入力端子21が組み付けられている。入力端子21は、分電盤に組み付けた分岐ブレーカ1の電流計測端子11の位置に合わせて上下2列にそれぞれ6個設けられ、1つの第1ユニット2で12個の分岐ブレーカ1に接続できるよう構成されている。
このように第1ユニット2を構成することで、分岐ブレーカ1の列の前面側に第1ユニット2を配置して押圧操作等の接続操作することで、第1ユニット2の全ての入力端子21を同時に電流計測端子11に接続できるため、別途配線を必要としないし、入力端子21毎に接続操作する必要がないため、容易に接続できる。
【0018】
そして、左右側部には第1ユニット2を連結して増設するための連結端子22が設けられている。連結端子22のうち、ユニットの左側は雄形に形成されて増設する第1ユニット2を中継するための中継端子22aであり、右側が雌形に形成されて信号を中継すると共に第2ユニット3を接続するための伝送用端子22bとして形成されている。この中継端子22aと伝送用端子22bとを互いに接続することで、第1ユニット2を連結できるし、連結した第1ユニット2の右側に第2ユニット3を接続できる。
尚、連結端子22の雄型、雌形は逆でも良い。また連結端子22は、例えば日本圧着端子製造株式会社製のプリント基板用コネクタ15P−1.25FJが適用でき、直接連結できるよう基板9に堅牢に組み付けられている。また、23はネジ挿通孔、24は係止爪であり、分電盤に固定する際使用される。
【0019】
図4は電力計測装置の回路ブロック図を示している。
図4に示すように、第1ユニット2には100V分岐電路の電力を演算する電力計測IC26a、200V分岐電路の電力を演算する電力計測IC26b、演算結果を記憶するメモリ27、入力端子21の接続状態を表示するLED28等を備えている。
LED28は、入力端子21の接続状態を通知するもので、入力端子21毎に設けられている。尚、100V、200Vの何れの電圧情報で演算するかは、設置される分岐ブレーカ1に合わせて予め設定される。
【0020】
図5は第1ユニット2の連結端子22の端子配列説明図を示し、連結部の模式図を示している。連結端子22は、
図5に示すように、単相3線式電路Lの100V電圧情報を伝送する100V情報端子X1及びY1、中性線電圧情報を伝送する中性線情報端子N、200V電圧情報を伝送する200V情報端子X2、全ての回路に電源を供給するための電源端子P、アース端子G、シリアル通信端子S、確認ボタン34の操作信号を伝送するLED端子B等を備えている。尚、実際のシリアル通信端子Sは複数の端子で構成されている。
こうして、一方の中継端子22である中継端子22aと、他方の中継端子22である伝送用端子22bとは対称に端子が配置され、第1ユニット2を左右に直接連結可能としている。
【0021】
一方第2ユニット3は、単相3線式電路Lに接続して各電路の電圧情報を入手する電路接続部31、外部機器と通信するための通信端子32、第1ユニット2との通信を制御すると共に電力計測装置全体を制御するMCU(Micro Controller Unit)33、入力端子21と電流計測端子11との接続状態を確認するための確認ボタン34、入力端子21の接続状態を判定してLED28の点滅を制御するLED駆動部35、第1ユニット2に接続する第2ユニット端子36、第1ユニット2を含む各回路を駆動するための電源37等を備えている。
電路接続部31から入手した電路電圧情報は、100V情報端子X1及びY1、中性線情報端子N、200V情報端子X2にそれぞれ供給される。また、第2ユニット端子36は、連結端子22と同一の端子配列で構成され、直接接続することも可能に形成されている。
【0022】
このように、第1ユニット2を増設するための端子と第2ユニット3と接続するための端子は兼用でき、複数連結した第1ユニット2の端部に配置される中継端子22に第2ユニット3を接続することができる。よって、接続線等を介在させることなく第1ユニット2同士を接続できるし、別途第2ユニット3を接続するための端子を必要としない。
【0023】
図6は分岐ブレーカ1の斜視図を示している。電流計測端子11は、電源側端子12の近傍に配置され、
図2に示すように内蔵されている電流センサ14が分岐電路の電流を計測して電流計測端子11から電流情報を出力し、接続された入力端子21から電力計測装置に伝送される。
【0024】
上記の如く構成された電力計測装置は、次のように操作され動作する。最初に入力端子21毎に演算する条件を設定する。このとき、接続する分岐ブレーカ1が100V分岐か200V分岐か実際の仕様に合わせて設定される。設定は第2ユニット3の通信端子32にパーソナルコンピュータ等の設定装置が接続されて実施される。
【0025】
次に、装着した第1ユニット2の各入力端子21が電流計測端子11に確実に接続されているかチェックを行う。これは、確認ボタン34を押下することで実施され、押下している間、LED駆動部35が起動して判定が成される。判定は、例えば接続されることで変化する入力端子21の端子間抵抗値情報を入手し、抵抗の大きさから接続状態の判定が行われる。この場合、低抵抗状態であれば接続されていると判断してLED28を点灯するし、高抵抗状態であれば接続されていないと判断してLED28は点灯しない。
【0026】
このように、入力端子21の接続状態が接続状態表示部としてのLED28により確認できるので、接続状態を容易に確認でき接続ミスや故障を認識し易い。また、確認操作されたときのみLED28が点灯動作するため、LED28が表示をし続けることがなく、表示手段を設けても省エネルギーにできる。
【0027】
こうして初期設定が行われ、端子の接続が確認できたら、消費電力の計測(演算)が実施される。消費電力の演算は、各第1ユニット2において演算され、第2ユニット3から電路Lの電圧情報を演算する毎に入手して、例えば10秒等の所定間隔で演算される。演算結果はメモリ27に記憶されると共に第2ユニット3に送信され、第2ユニット3の通信端子32に表示機器(図示せず)が接続されていたら、演算結果が表示される。
また、メモリ27に蓄積されたデータは、任意のタイミングで第2ユニット3に接続された表示機器の操作で引き出すことができ、電力量の演算や電気料金の演算等に利用できる。
【0028】
このように、分岐ブレーカ1の増減に対して第1ユニット2の連結数を変更することで対応できるし、第1ユニット2及び第2ユニット3の2種類のユニットのみで電力計測装置は構成されるため、コストを抑制できるし柔軟に対応できる。また、電圧及び電流の実測値を基に個々の分岐電路の消費電力は演算されるため、正確な値を計測することができる。
また、第1ユニット2毎で消費電力が演算されるため、第1ユニット2の連結数が多数であっても一部の演算部に負荷がかかることなく良好に演算できる。また、電力の演算に必要な電路電圧情報は第2ユニット3から伝送されるので、第1ユニット2を電路に接続する必要がない。
更に、上下の2列に設置された分岐ブレーカ1に対して1つの第1ユニット2で対応するため、第1ユニット2を分岐ブレーカ1の列の間に配設される電路Lの充電部カバーとしての機能も持たせることができるし、電路L上の空間を利用して回路素子を組み込むことができるため、第1ユニット2全体を薄く形成でき、分岐ブレーカ1の前面側に配置しても分電盤全体の突出量を抑えることができる。そして、分岐ブレーカ1の前面側に第1ユニット2を配置するため、別途収納空間を設ける必要がなくなる。
【0029】
尚、上記実施形態では、第1ユニット2を上下の列の分岐ブレーカ1に対して装着する形態としたが、列毎に独立したユニットとしても良い。また、第1ユニット2を分岐ブレーカ1の前面側に配置した構成としているが、分岐ブレーカ1の背部に設置しても良い。この場合は、電流計測端子11を分岐ブレーカ1の背部に設けることになる。
【符号の説明】
【0030】
1・・分岐ブレーカ、2・・第1ユニット、3・・第2ユニット、11・・電流計測端子、14・・電流センサ、21・・入力端子、22・・連結端子、22a・・中継端子、22b・・伝送用端子、26(26a,26b)・・電力計測IC(電力演算部)、27・・メモリ、(計測値記憶部)、28・・LED(接続状態表示部)、31・・電路接続部(電圧情報入力部)、33・・MCU(通信制御部)、34・・確認ボタン、35・・LED駆動部(接続判定部)、36・・第2ユニット端子、L・・単相3線式電路。