特許第5980558号(P5980558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980558機械施工用レール締結・緩解方法及び機械施工用レール締結・緩解装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980558
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】機械施工用レール締結・緩解方法及び機械施工用レール締結・緩解装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 9/44 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
   E01B9/44
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-105668(P2012-105668)
(22)【出願日】2012年5月7日
(65)【公開番号】特開2013-234435(P2013-234435A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2014年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000230825
【氏名又は名称】日本軌道工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏夫
(72)【発明者】
【氏名】本野 貴志
(72)【発明者】
【氏名】弟子丸 将
(72)【発明者】
【氏名】野中 政幸
(72)【発明者】
【氏名】阿部 則次
(72)【発明者】
【氏名】若月 修
(72)【発明者】
【氏名】高橋 猛
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−154002(JP,U)
【文献】 特開平06−136708(JP,A)
【文献】 特開昭54−146307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 9/00−9/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結ボルトの底部のレール側に突出した突出部を形成し、該突出部をレールの底部側面に当接させ、前記締結ボルトのプリセット時のシフト量を設定し、機械化施工によるレール締結・緩解を行うことを特徴とする機械施工用レール締結・緩解方法。
【請求項2】
請求項1記載の機械施工用レール締結・緩解方法において、前記シフト量を7mmとしたことを特徴とする機械施工用レール締結・緩解方法。
【請求項3】
底部のレール側に突出した突出部を有し、該突出部をレールの底部側面に当接させ、プリセット時のシフト量を適切に設定し、機械化施工によるレール締結・緩解を行う締結ボルトを具備することを特徴とする機械施工用レール締結・緩解装置。
【請求項4】
請求項記載の機械施工用レール締結・緩解装置において、前記締結ボルトのシフト量が7mmであることを特徴とする機械施工用レール締結・緩解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械施工用レール締結・緩解方法及び機械施工用レール締結・緩解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レール締結・緩解装置としては、十分な敷設延長・実績がある直結系軌道に適用される締結・緩解装置(下記特許文献1参照)があるが、レール交換時の保守作業(レール締結・緩解装置の締結ボルト・ナットの緊緩、レール交換時に支障とならない仮置き=プリセット)は人力に因るところが大きい。
【0003】
また、同レール締結・緩解装置については、板ばねを締結ボルト・ナットで固定する方式であるため、レール締結・緩解装置の緊締状態を一定に保つために締結ボルト・ナットのトルク管理が必須となる。
【0004】
図4は従来のレール締結・緩解装置を示す図である。
【0005】
この図において、100はスラブ、101は絶縁板、102はタイプレート、103はタイプレート102のショルダー部、104はレール、105は締結ボルト、106はナット、107は座金、108は板ばねである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−238501号公報
【特許文献2】特願2011−288051号
【特許文献3】特願2011−288052号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したように、従来の直結系軌道向けのレール締結・緩解装置は人力施工を前提として設計されているため、機械施工に対応させるためには板ばねの形状や締結ボルトの構造等を新たに提案する必要があった。また、現行のトルク管理にかかる労力を低減するため、レール締結・緩解装置の緊締状態をモニタリングする新しい管理手法を提案する必要があった。
【0008】
そこで、本願発明者らは、既に機械施工用レール締結・緩解方法及び装置(上記した特許文献2,3)を提案し、特許出願を行った。
【0009】
しかし、その先行特許出願では、レールの底部側面と締結ボルトとの間には空間が生じるため、機械施工用レール締結・緩解においては、締結ボルトプリセット時のシフト量を確実に設定し、レール締結・緩解を安定かつ円滑に行うには難があった。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みて、機械施工に適応した好適な形状を有する締結ボルトを用いた機械施工用レール締結・緩解方法及び機械施工用レール締結・緩解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕機械施工用レール締結・緩解方法において、締結ボルトの底部のレール側に突出した突出部を形成し、この突出部をレールの底部側面に当接させ、前記締結ボルトのプリセット時のシフト量を設定し、機械化施工によるレール締結・緩解を行うことを特徴とする。
【0012】
〔2〕上記〔1〕記載の機械施工用レール締結・緩解方法において、前記シフト量を7mmとしたことを特徴とする。
【0013】
〕機械施工用レール締結・緩解装置において、底部のレール側に突出した突出部を有し、この突出部をレールの底部側面に当接させ、プリセット時のシフト量を適切に設定し、機械化施工によるレール締結・緩解を行う締結ボルトを具備することを特徴とする。
【0014】
〕上記〔〕記載の機械施工用レール締結・緩解装置において、前記締結ボルトのシフト量が7mmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、締結ボルトのプリセット時のシフト量を確実に設定するとともに、機械施工によるレール締結・緩解を安定かつ確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例を示す機械施工用レール締結・緩解装置のレール横断方向の締結ボルトの形状を示す図である。
図2】本発明の実施例を示す機械施工用レール締結・緩解装置のレール敷設方向の締結ボルトの形状を示す図である。
図3】本発明の実施例を示す機械施工用レール締結・緩解装置の締結ボルトのプリセット時の模式図である。
図4】従来のレール締結・緩解装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の機械施工用レール締結・緩解方法は、締結ボルトの底部のレール側に突出した突出部を形成し、この突出部をレールの底部側面に当接させ、前記締結ボルトのプリセット時のシフト量を設定し、機械化施工によるレール締結・緩解を行う。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施例を示す機械施工用レール締結・緩解装置のレール横断方向の締結ボルトの形状を示す図、図2はそのレール敷設方向の締結ボルトの形状を示す図、図3は締結ボルトのプリセット時の模式図である。
【0020】
これらの図において、1は締結ボルト(トルシア形高力ボルト)、2は締結ボルト1の底部、3は底部2のレール側に7mm突出した突出部であり、この突出部3は傾斜曲面3aを有している。上方にはナット6が螺合する雄螺子部4と上端にピンテール5を備えている。7はタイプレート、8はタイプレートショルダー部、9は締結ばね、10はレール、10Aはレールの底部側面である。
【0021】
機械化施工によれば、締結ボルト1のピンテール5を機械装置先端に取り付けた電動レンチのインナーソケットで掴み、ナット6の締付、緩解および位置調整を行う。なお、締結ボルトであるトルシア形高力ボルトのピンテールの形状寸法は、JSSII−09(構造用トルシア形高力ボルト、六角ナット、平座金のセット)に規定されている。
【0022】
特に、図3に示すように、締結ボルト1のプリセット時にシフト量11が必要となるので、本発明では、締結ボルト1にはレール10側に7mm突出した突出部3を形成して、この突出部3をレールの底部側面10Aに当接させてシフト量11を確保して、機械化施工によるレール締結・緩解を安定かつ確実に行うことができるようにした。
【0023】
また、締結ボルト1の底部2の突出部3は傾斜曲面3aを有しているので、締結ボルト1のタイプレート7のタイプレートショルダー部8への係合が円滑に行われる。
【0024】
本実施例では、締結ボルト1の底部2に7mm突出した突出部3を形成し、突出部3に傾斜曲面3aを有している場合を例示したが、本形状寸法は、タイプレートショルダー部8aおよび締結ボルト1の形状寸法により、変化させることができるものであり、ここに示した突出量7mm、傾斜曲面に必ずしも限定されるものではない。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の機械施工用レール締結・緩解方法は、締結ボルトのプリセット時にシフト量が必要となるので、レール側に突出した突出部を形成して、この突出部をレールの底部側面に当接させ、シフト量を確保するとともに、機械化施工が安定かつ確実に行われるようにした機械施工用レール締結・緩解方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 締結ボルト(トルシア形高力ボルト)
2 締結ボルトの底部
3 突出部
3a 傾斜曲面
4 雄螺子部
5 ピンテール
6 ナット
7 タイプレート
8 タイプレートショルダー部
9 締結ばね
10 レール
10A レールの底部側面
11 シフト量
図1
図2
図3
図4