(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施例について説明する。
図1は、本発明の電子部品装着装置の一実施例の構成を示す平面図である。電子部品装着装置1は、左側の上下に2ブロックLU,LD、右側の上下2ブロックRU,RDの計4ブロックと制御装置80とを有している。なお、本図面では、基本的に、LUブロックのみに、符号を記す。
【0016】
それぞれのブロックには、部品供給ユニットが多数搭載された部品供給台車がセットされている部品供給エリア13、装着ヘッド6、装着ヘッド6を移動させる装着ヘッド体11、吸着ヘッド6における電子部品の吸着保持状態を撮像する部品認識カメラ19が設けられている。装着ヘッド体11は、リニアモータで構成する左右移動用レール18上を左右に移動し、左右移動用レール18と同様にリニアモータで構成する上下移動用レール16を上下に移動し、XY両方向に移動する。
【0017】
このような構成によって、装着ヘッド体11に固定された装着ヘッド6の部品保持手段である吸着ノズルが部品供給エリア13から電子部品を吸着し、部品認識カメラ19で電子部品の吸着保持状態を監視して、基板Pの所定の位置まで移動し、吸着した電子部品を基板Pに装着する。
【0018】
このような動作が4つのブロックで行なわれる。そのために中央には、基板Pを搬送する4つのシュート5a〜5dがあり、上側2本のシュート5c、5dが上側ブロック用の基板搬送ラインUを、下側2本のシュート5a、5bが下側ブロック用の基板搬送ラインDを構成する。基板Pは、受渡部7により振分けられ基板搬送ラインU又はDに搬入される。 なお、電子部品が装着される被装着部材はプリント基板に限定されるものではなく、例えば、リードフレームやフレキシブル基板などでもよい。
図2は、本実施形態に使用する一般的な供給テープの構成例を示す図である。
【0019】
構成において、供給テープ60は、電子部品4を収容するポケット63を有するキャリアテープ62とキャリアテープをカバーするカバーテープ61とを有し、キャリアテープ62にはその一端側に後述するスプロケット(
図4参照)と係合し供給テープ60を移動させる略円形のスプロケット孔(テープ送り穴)64を一定間隔(一定ピッチ)毎に有する。 次に、記部品供給ユニット5について説明する。
【0020】
図3は、本発明の部品供給ユニットの一実施例の構成を示す図である。なお、
図3の部品供給ユニット2は、供給テープ60を図示していない。さらに、
図3の部品供給ユニット2において、画面左側が下流方向(順方向:矢印Aの方向)であり、画面右側が上流方向(逆方向:矢印Bの方向)である。なお、供給カセット制御部37は、図示しない制御線で部品供給ユニット2の必要な機器(例えば、テープ挿入検出センサ31、スプロケット駆動モータ33、テープ押込み検出センサ45、スプロケット駆動モータ47等)と接続している。
図3の部品供給ユニット2は、供給テープを送る同じように構成さえた2つのレーン(搬送路)を持ち、以下、一方のレーンの構成について説明する。挿入口Cから挿入された供給テープ60を押えるテープ押えプレート38、装着ヘッド6の吸着ノズルが電子部品を吸着するための取出口44、及び部品供給ユニット2を部品供給カート50に固定するカセット固定部35を備える。テープ押えプレート38は、ローディング時に、供給テープ60をテープシュート2S(
図5Aまたは
図6Aを参照)上で歯32hからスプロケット孔64が外れないように上から押えるもので、テープシュート2から着脱可能な構成である。部品供給ユニット2は、このテープ押えプレート38の下方に、部品供給ユニット2に供給テープ60の先端部60aをインサートするための第3スプロケット32を設けている。この第3スプロケット32が供給テープ60を下流方向に移動するように回転することによって、供給テープ60のスプロケット孔64と嵌合した第3スプロケット32の歯32hが順方向(A方向)に回転移動する。これによって、供給テープ60は順方向に移動し、第2スプロケット43に到達することができる。なお、第1乃至第3スプロケットが供給テープ60を下流方向に移動するように回転することを、以降、順回転と称する。また、供給テープ60を上流方向に移動するように回転することを、以降、逆回転と称する。また、
図4の実施例において、3つのスプロケットは、部品供給ユニット2の挿入口Cから、第3スプロケット32、第2スプロケット43、および第1スプロケット41の順に設置されている。
【0021】
なお、スプロケット孔64と嵌合した歯32hを、以降では、特に歯32h0と称する。同様に、スプロケット孔64と嵌合した歯43hを、以降では、特に歯43h0と称する。また、
図3の部品供給ユニット2は、テープシュート2Sを水平に設けているため、供給テープ60のスプロケット孔64と嵌合する歯32h0及び43h0は、それぞれのスプロケットの回転中心を通る垂直線上にある歯である。
【0022】
そして、供給テープ50を送ることによって、到達した供給テープ60のスプロケット孔64と第2スプロケット43の歯43hが嵌合する。そして、第2スプロケット43の回転によって、供給テープ60は順方向に移動し、第1スプロケット41に到達することができる。
【0023】
従って、部品供給ユニット2の第1スプロケット41は、押切りではなく、下流方向から引っ張って、供給テープ60のカバーテープ61をラッセル処理する。
【0024】
また、部品供給ユニット2は、第3スプロケット32を駆動するスプロケット駆動モータ33、第1スプロケット41及び第2スプロケット43を駆動するスプロケット駆動モータ47を備える。また、供給カセット制御部37は、図示しない信号授受ケーブルを介して本体1との信号の授受をするインタフェース36及び本体1からの情報や部品供給ユニット2に内在する後述するセンサからの信号を受け各部を制御し、本体1との信号授受を行なう。第1スプロケット41及び第2スプロケット43は、それぞれに同心円状に設けたウォームホイール(歯41H及び43H)と噛み合うウォームギヤ46を介して各スプロケットを同時に同期して駆動するスプロケット駆動モータ47を有する。同様に、スプロケット32は、同心円状に設けたウォームホイール(歯32H)と噛み合うウォームギヤ34を介し、当該スプロケット32を駆動するスプロケット駆動モータ33を有する。なお、例えば、ウォームギヤ46は、同一シャフトに、それぞれのスプロケットの歯41Hと43Hと噛み合う位置に歯切りされている。
【0025】
また、部品供給ユニット2は、供給テープ60の挿入口Cやテープ押えプレート38の付近に、操作パネル48を備える。
図3では、操作パネル48は、部品供給ユニット2を持運ぶためのフィーダ取手の表面に設けているが、操作及び視認可能ならどこに設けても良い。
【0026】
図3において、第3スプロケット32と第2スプロケット43の駆動源は、それぞれ異なり、独立に駆動する。また、第2スプロケット43と第1スプロケット41とは、同一の駆動源(スプロケット駆動モータ47)を用いる。即ち、供給カセット制御部37は、本体1からの制御、操作パネル48からの制御、またはテープ挿入検出センサ31若しくはテープ押込み検出センサ45の検出信号の少なくともいずれか1つに基づいて、スプロケット駆動モータ33及び47を制御して回転させる。そして、スプロケット駆動モータ33は、その回転力を、ベルト及びウォームギヤ34を介して、第3スプロケット32に伝達する。第3スプロケット32は、伝達された回転力によって、所定の回転速度で所定の方向に回転する。
【0027】
なお、ここで、第3スプロケット32は、部品供給ユニット2の第2スプロケット43の歯43h0に供給テープ60の先端部60aのスプロケット孔64を嵌合させるために、テープシュート2S上で供給テープ60を下流方向に押し込む動作を行う。また、第2スプロケット43は、電子部品4の取出口44に押込む動作を行う。
【0028】
また、
図3に記載したように、部品供給ユニット2に設けられた取っ手39に、操作パネル48が設けられている。また、
図4は、操作パネル48の操作パネル面100の一実施例を示す図である。
【0029】
作業員が、操作パネル面100の選択したいレーンを選択し、レーン選択キー102を押してレーンを選択する。次に、作業員がローディングボタン105を1sec以上長押しすると、供給カセット制御部37は、その操作を認識して、レーンを選択する。
【0030】
また、供給カセット制御部37は、作業員が、送りボタン103を押している間は、供給テープ60を順方向に送り、作業員が、戻しボタン104を押している間は、供給テープ60を逆方向に送る。また、供給カセット制御部37は、作業員が、ローディングボタン105を押すと、部品供給ユニット2のローディング動作を開始する。
【0031】
また、デジタル表示部101は、どちらのレーンが選択されているか、及び、ローディング動作中であるか、またはアンローディング動作中であるかを表示する。このように、通常、フィーダは、左右2レーンを持っており、それぞれ1つの供給テープを供給可能である。 以下、
図7及び
図8に基づいて部品供給台車50について説明する。
【0032】
501、501は、左右に間隔を存して設けられ、略L字状のフレームであり、51は各フレーム501、501の下部に設けられたベースである。また、52、52はベース51の前後左右に設けられたキャスタであり、53はベース51の上面に載置され電子部品が供されたあとの供給テープのうち、電子部品が取り出された後のキャリアテープを収納する廃棄ボックスであり、54は各フレーム501、501の上部に設けられ複数の部品供給ユニット5が並んで載置されるフィーダテーブルである。
【0033】
また、55は各フレーム501、501の間に設けられ後述するリールストッカの載置部であり、前部の底板56と、この底板の後縁から斜め上方に延び斜めに取り付けられた傾斜板57と、この傾斜板57の上縁から上方に延び垂直に取り付けられた背板58とを備えている。また、載置部55の左右両側部では、規制板59、59が各フレーム501、501に斜めに取り付けられている。
【0034】
以下、部品供給台車50の載置部55に着脱自在に載置されるリールストッカ61について、
図9、
図10及び
図11に基づいて説明する。
【0035】
611、611、・・はそれぞれが間隔を存して平行に設けられた4枚の略L字状の側板であり、リールストッカ61の前部である(
図10では左に位置した部分)水平部62と、この水平部62と直交した後部である(
図10では右に位置した部分)垂直部63と、水平部62と垂直部61とが交わるコーナーの箇所である中央部64とを備えている。各側板611の水平部62、垂直部63及び中央部64には、それぞれの側板611の間隔を維持するための複数の間隔子としての軸65が取り付けられている。
【0036】
また、水平部62の各側板611には、それぞれの側板6の間隔を維持するための複数の間隔子であり、且つ後述するリールの支持部である2個の軸66が水平方向に間隔を存して取り付けられている。そして、各軸66にはそれぞれの側板611の間にローラ67が設けられている。また、垂直部63には、水平部62と同様に、それぞれの側板6の間隔を維持するための複数の間隔子であり、且つ後述するリールの支持部である2個の軸68、69が間隔を存し且つ後の軸69が前の軸より高い位置になるように取り付けられている。そして、各軸68、69にはそれぞれの側板611の間にローラ67が設けられている。
【0037】
更に、中央部64の各側板611には、それぞれの側板6の間隔を維持するための複数の間隔子であり、且つ後述するリールの支持部である2個の軸70が軸66より高い位置に水平方向に間隔を存して取り付けられている。そして、各軸66にはそれぞれの側板611の間にローラ67が設けられている。
【0038】
そして、各側板611の間には、水平部62、垂直部63及び中央部64の位置に、各ローラ67によってリールを回転自在に支持する3箇所のリール収納部71、72、73が形成されている。この結果、リールストッカ61では、各側板611間の3列の収納部毎に3個ずつリールを収納し、最大で9個のリールを収納することが可能になる。
【0039】
また、各リール収納部71、72、73の左側に位置した各側板611(
図9及び
図11では左側の3枚の側板611)には、それぞれのリール収納部に収納された例えば8mm幅の供給テープが巻かれたリール74(
図8及び
図11を参照)を回転自在に保持する凸部75、76、77が各側板611から突出して設けられている。そして、リール74を収納したときには、リール74の中央に形成された貫通孔に凸部75、76、77の内対応した凸部が入り込み、貫通孔が凸部に係合し、リール74が収納部からを外れることを極力回避することができる。
【0040】
また、各リール74の直径は、例えば供給する供給テープの幅に対応して規格によって決まっていて、同一の規格で直径が例えば180mmであり、等しいリール74であり、その幅が各側板611間の寸法以下のリールであれば、
図8に示したように、略L字状の側板611に沿って各収納部71、72、73にリール74を配置して収納することができ、同じ規格で直径が等しいリール74をリールストッカ61の各側板611間の3列の収納空間81、82、83毎に3個ずつリールを収納し、最大で9個の同一規格のリールを収納することが可能になる。更に、中央のリール収納部73に収納されたリール74の斜め前方には、
図8に一点鎖線で示したように、斜め上の方向に幅L1で、リール74の直径よりも大きいリール収納取り出し用の空間78が形成されており、作業者は、中央部73のリール74を他のリール74に邪魔されることなく、また、他のリール74を取り外すような作業を行わなくても容易にリールの収納或いは取り外し作業を容易、また極力スムーズに行うことができる。
【0041】
更に、縦の3列の収納空間81、82、83を備えたリールストッカ61の幅L2は、2つのテープ搬送路を平行に備えてそれぞれのテープ搬送路に対応して2つの部品供給口を備えた部品供給ユニット(デュアルフィーダともいう。)2の幅より大きくなるが、3列の収納空間81、82、83の間には1枚の側板611が存在するのみであり、3列の収納空間81、82、83を確保したリールストッカ61の幅L2と部品供給ユニット5の幅との差を極力小さくすることができる。特に、左右の側板間に1列の収納部を備えたリールストッカを複数個並べた場合には、各部品供給ユニット間に2枚ずつ側板611が存在することになり、例えば3列の部品供給ユニットの幅が増加するが、リールストッカ61によれは、その幅を極力小さくすることができる。
【0042】
また、水平部21の下面及び前面にL字状のカバー84が取り付けられている。このカバー84により、廃棄ボックス53を出し入れするときに廃棄ボックスにテープと一緒に入っていた塵埃等がリール74或いは供給テープに付くことを回避することができる。
【0043】
また、例えば側板611の上端に、部品供給台車50の適所に係止する例えばL字状の係止部85を形成することにより、上部の垂直部22からリール74を取り出すときに、リールストッカ74が上方へ動くことを回避でき、リール74の取り出し作業が他のリール74からの供給テープの送りに悪影響を与えることを回避できる。
【0044】
更に、上述したリールストッカ61では、3列の収納空間81、82、83を備えていたが、2枚の側板611の間に3個のリール収納部を備えた1列の収納部を備えたリールストッカ、或いは3枚の側板611の間に2列の収納部を備えたリールストッカでもよく、このようなリールストッカ或いは上述したリールストッカ61を部品供給台車50に着脱自在な機構とすることにより、幅が広いテープを供給する幅広のリールを収納するリールストッカと組み合わせて部品供給台車に載置することが可能になる。
【0045】
以下、電子部品装着装置1の運転開始前に、リール74から引き出された供給テープ60の部品供給ユニット5でのローディングの動作、或いは、運転中にリールストッカ61に載置されているリール74から供給されている供給テープで部品切れが発生し、作業者によりそのリール74がリールストッカ61から外され、リールストッカ61に既に収納されているリールストッカ61の新しいリール74から引き出された供給テープ60の部品供給ユニット5でのローディングの動作について、説明する。
作業員が、
図12に示すように、供給テープ60を導入部(部品供給リール格納部54(
図2参照))にセットする。そして、操作パネル48のローディングボタン105を押すと、部品供給ユニット2の供給カセット制御部37は、操作パネル48の送りボタンが押されたことを検知して、第3スプロケット32を順方向に回転させる。この回転によって、
図13に示すように、供給テープ60がA方向に送り出され、供給テープ60の先端部60aのスプロケット孔64が第2スプロケット43の歯と嵌合する位置まで達する。テープ押えプレート38があることで、このように、第3スプロケット32によって、供給テープ60を確実に第2スプロケット43まで押し込むことができる。
【0046】
第2スプロケット43は、第3スプロケット32が回転を開始し、テープ挿入検出センサ31が供給テープ60を検出後、所定時間経過すると回転を開始する。この所定時間は、第3スプロケット32が回転して、供給テープ60の先端部60aが、テープ挿入検出センサ31の位置から第2スプロケット43の嵌合位置に達するまでの時間より短い。
【0047】
なお、テープ挿入検出センサ31は、
図4に示すように、第3スプロケット32の歯32hと第2スプロケット43の歯43hの間のテープシュート2S近傍に設置される。
【0048】
なお、部品供給ユニット2における第3スプロケット32の回転数は、第2スプロケット43の回転数より低速である。このため、第3スプロケット32と第2スプロケット43の駆動源は、それぞれ異なり、独立に駆動する。また、供給テープ挿入動作が終了後には、第3スプロケット32は回転を停止し、通常の部品装着動作中には、第2スプロケット43と第1スプロケット41が回転する。
【0049】
供給テープ60のスプロケット孔64と第2スプロケット43の歯43hが嵌合すると、第2スプロケット43の回転が第3スプロケット32の回転より早いため、供給テープ60は、第2スプロケット43の回転に同調する。なぜなら、第3スプロケット32は、
図5B及び
図7Aに示すように、歯32hが円丘等の丸歯状の引っ掛かりが少ない形状である。このため、スプロケット孔64は、第3スプロケット32の歯32hより第2スプロケット43の歯43hの引っ掛かり抵抗が大である(
図6B及び
図7B参照)ことから、第3スプロケット32の回転によらず、第2スプロケット43の回転に従って移動する。なお、
図5B及び
図6Bでは、テープシュート2Sは、図示していない。
【0050】
上述のように、供給テープ挿入動作時には、第3スプロケット32の回転は、第2スプロケット43の回転より遅い。このため、第3スプロケット32は、ワンウェイクラッチ32Cを内蔵し、供給テープ60を挿入する方向(順方向、矢印Aが示す方向)には回転するが、逆方向(矢印Bが示す方向)には回転しない。
【0051】
さらに、第3スプロケット32の歯32hは、その高さをキャリアテープ62の厚みより小さくし、かつ、円丘状等、角の無いなだらかな曲面形状としている。また、第2スプロケット43の歯43hは、その高さをキャリアテープ62の厚みより大きくし、かつ、歯32hに比べて、ピン状等の鋭角形状としている。
【0052】
なお、
図5Aまたは
図6Aにおいて、テープシュート2Sは、部品供給ユニット2上部に一般的に水平に設けられ、供給テープ60を当該のテープシュート2Sを移動させるガイドである。供給テープ60は、部品供給ユニット2のテープシュート2S上を摺動しながら移動する。
【0053】
この結果、ローディング時において、供給テープ60のスプロケット孔64が第2スプロケット43の歯43hと嵌合した場合には、供給テープ60は、第2スプロケット43の回転に従って移動する。
【0054】
従って、部品供給ユニット2は、第3スプロケット32と第2スプロケット43との間隔が大きく、供給テープ60の送り穴累積ピッチ誤差によって、第2スプロケット43の歯とスプロケット孔64の嵌合、及び第3スプロケット32の歯とスプロケット孔64との嵌合が、同時に不可能である場合でも、供給テープ60を自動的にローディングすることができる。
【0055】
なお、その後、部品供給ユニット2の供給カセット制御部37は、第3スプロケット32の回転を停止する。
【0056】
図3に示す部品供給ユニット2おいて、第1スプロケット41を駆動すると第2スプロケット43を駆動するスプロケット駆動モータ47は、サーボモータであり、供給カセット制御部37によりサーボ制御される。また、第3スプロケット32を駆動するスプロケット駆動モータ33は、DCモータであり、供給カセット制御部37によりオープン制御される。
【0057】
第1スプロケット41は、主に、送り位置決め精度を決定する送り歯として機能する送り機構である。例えば、第1スプロケット41は、第2スプロケット43と組み合わせたダブルスプロケット方式により、供給テープ60の姿勢、走行性(直進性)の安定、及びロバスト性を向上することができる。
【0058】
また、第2スプロケット43は、供給テープ60の先端部60aを、第2スプロケット43より下流方向のテープ処理部(テープ押込み検出センサ45、分離機構42、取出口44、等)に挿入するデリケートな送り制御するための送り機構である。例えば、第2スプロケット43は、供給テープローディング時に、分離機構42へ供給テープ60の先端部60aを、超低速送りトルクを確保可能なサーボモータ駆動でローディング動作を細やかに制御する。第2スプロケット43は、第1スプロケット41に供給テープ60の先端部60aが到達した後には、第1スプロケット41の従属補助動作となる。
【0059】
また、第3スプロケット32は、テープ押込み検出センサ45が供給テープ60を検知するまで、供給テープ60を下流方向に移動させる送り機構である。第3スプロケット32の回転速度は、供給テープローディング時には、第2スプロケット43の回転速度の約半分である。この結果、供給テープローディング時のテープ穴累積ピッチ誤差が大であってもその影響を吸収することができ、第2スプロケット43の歯43hは、確実に、供給テープ60のスプロケット孔64と嵌合することができる。
【0060】
さらに、第1スプロケット41と第2スプロケット43を直近に配置し、供給テープ60のスプロケット穴64の累積ピッチ誤差の影響が出ないスパンとしている。
【0061】
以上のように、第1スプロケット41と第2スプロケット43を駆動するスプロケット駆動モータ47は、テープ処理シーケンスで必要な、加減速制御、速度制御、及びトルク制御が可能とするため、サーボモータとすると共に、同一駆動源とした。なお、テープ処理シーケンスについては、後述の
図9のタイミングチャートで説明する。
【0062】
なお、
図3において、供給テープ60は、通常の電子部品4の取出し時において第1スプロケット41により引っ張られるように駆動されるので、それに伴いカバーテープも確実にカットされる。しかしながら、供給テープ60のローディング(部品供給ユニットへの挿入)時においては、供給テープ60がその先端部60aから第2スプロケット43により分離機構42のカッタに押し込まれる。このため、供給テープ60を電子部品取出動作時の速度で移動させて押し付けると、押付け力となる加速度が大きい。その結果、供給テープ60が移動する速度が速いのでカバーテープ61がうまくカットされない虞がある。そこで、供給テープ60の先端部60aがカッタの位置に到達する前に、スプロケット駆動モータ47を制御し、低速度、低加速度で供給テープ60を分離機構42のカッタに挿入する。
【0063】
即ち、テープ押込み検出センサ45が供給テープ60を検知すると、供給カセット制御部37は、スプロケット駆動モータ33の回転を停止し、スプロケット駆動モータ47を制御して低速度、低加速度で分離機構42のカッタに挿入する。
【0064】
この結果、分離機構42において、供給テープ60を座屈させることなくカバーテープ61を確実にカットし、供給テープ60を移動させることができ、ローディングされた供給テープ60の先頭のポケット63を停止させることができ、以後、ポケット63からの電子部品の取り出し(吸着)動作が行われる。
【0065】
上述したローディング動作中、或いは、ローディング動作の終了後、作業者がリールストッカ61から部品切れしたリール74を外し、新しいリール74をリールストッカ61の空いた収納部に収納する。
【0066】
先ず、新しい基板種の基板Pの生産を開始するとき、それぞれのレーンに供給テープ60を自動ローディングするため、供給テープ60が収納されたリール74をリールストッカ61の各収納部に収納するので、4個のリール74がリールストッカ61に搭載されることになる。前述するように、各供給テープ60が各供給ユニット2の各レーンに自動ローディングされ、部品4の装着運転が開始される。
【0067】
次に、補充用のテープ60が収納されたリール74がリールストッカ61に収納されるが、上記4つのレーンの補充用には、4つのリール74が載置され、先に収納されている各リール74の収納されている収納部の内側(できれば隣接する内側)に収納されることが良い。なぜなら、先行する供給テープと補充する供給テープとが接触しないようにするためである。
【0068】
このようにするため、先行する供給テープのリール74は内側にあったものを外側に移動することもある。この2つ供給ユニットの4つのレーンの下側に、それぞれが3つ収納部からなる3つの列によって構成されたリールストッカが位置しているので、ほぼ直上の位置に供給テープが掛け渡されることができる。この3つの列には9個の収納部があるので上述したように、先行と補充用の合計8つのリールを収納することができる。
そして、
図7及び
図8に示したように、並んで載置されそれぞれが2本のレーンを備えた2本の部品供給ユニット5へ4個のリール74から供給テープ60が供給される。このとき、リールストッカ61には、上述したように最大で9個のリールを収納することができ、部品を供給している4個のリール74の他に、例えば各部品供給ユニット5のレーン毎に少なくとも1個のリール74を予め収納しおくことができる。上述したローディング動作のとき、予め収納されていた新しいリール74から供給テープ60をローディング動作により部品供給ユニット2に短時間でセットし、部品を供給することができる。
【0069】
以下、他の実施例であるローディング動作について説明する。
【0070】
この実施例においても、電子部品装着装置1、フィーダカート50、供給テープ60、部品供給ユニット2、第3スプロケット、及び第2スプロケットを用いる。
【0071】
このローディング動作は、既に電子部品4が装填されて部品装着に使用されている部品供給ユニット2の供給テープ60に加え、次の供給テープ60’をセットしておき、現在使用中の供給テープ60が無くなると、自動的に次の供給テープ60’をローディングするものである。
【0072】
図14〜
図17は、本発明の部品供給ユニットにおけるローディング動作の一実施例をについて説明するための図である。
図14〜
図17では、現在既に供給テープ60がフィーダにセットされ、電子部品装着装置1(
図1参照)が、部品装着動作を継続中である。
【0073】
図14に示すように、作業員は、まず、テープ押えプレート38を取り外し、現在使用中の供給テープ60の途中を持ち上げ、テープ押えプレート38の上を通るようにする。次に、次に使用する供給テープ60’の先端部60a’をテープシュート2S上に挿入し、第3スプロケット32の歯32h0とスプロケット孔64を嵌合するようにして、上からテープ押えプレート38を取り付ける。
【0074】
なお、電子部品装着装置1の制御装置80は、受信したバーコード情報により、セットすべきフィーダ情報と一致するか否かを判定する。制御装置80は、バーコード情報とフィーダ情報が一致すれば、そのまま作業を継続するように動作し、不一致であれば、アラームを出力し、作業員に注意を促すと共に、予備の供給テープ60’がこの部品供給ユニット2にセットされたとは認識しない。
【0075】
使用中の供給テープ60の終端部60”が部品供給ユニット2内に進入し、テープ挿入検出センサ31を通過すると、テープ挿入検出センサ31が、供給テープ60“無”を検知し、検知の都度、制御装置80に送信する。制御装置80は、供給テープ60“無”の状態が所定の送り量の間継続した場合には、供給テープ60の終端部60”が通過したと判定する。
【0076】
次に、使用中の供給テープ60の電子部品4が未装填の部分が取出口44に到達すると、制御装置80は、部品無しによる連続吸着異常の発生を認識する。例えば、制御装置80は、吸着異常が3回連続した場合に、電子部品が無いと認識する(図示しない装着ヘッド6に搭載されたセンサあるいは部品認識カメラ19の認識により検出する。)。
【0077】
制御装置80は、テープ挿入検出センサ31が終端部60”の通過を検知せず、部品無しによる連続吸着異常の発生を認識した場合には、標準の異常処理を行う。
【0078】
しかし、制御装置80は、テープ挿入検出センサ31が終端部60”の通過を検知し、かつ、部品無しによる連続吸着異常の発生を認識した場合には、使用中の供給テープ60の電子部品を使い切ったと判定して、以降の動作を行う。
【0079】
(1)使用中の供給テープ60の強制送り出し動作
(2)次の供給テープ60’の自動ローディング動作
まず、(1)使用中の供給テープ60の強制送り出し動作を、
図14によって説明する。
図18は、本発明のフィーダにおける強制送り出し動作の一実施例をについて説明するための図である。
【0080】
制御装置80は、上述したように、使用中の供給テープ60の電子部品を使い切ったと判定した場合には、まず、使用中の供給テープ60を強制的に、順方向に送り出す。
【0081】
例えば、制御装置80は、部品供給ユニット2の供給カセット制御部37を制御して、貴スプロケット駆動モータ47を順方向(矢印A方向)に高速で連続回転させ、一気に供給テープ60を排出する。なお、供給テープ60は、第1スプロケット41の歯41hを外れると駆動できないが、高速連続回転による慣性と、後から送り出される次の供給テープ60’が押す力によって、矢印A方向に排出される。
【0082】
次に、(2)次の供給テープ60’の自動ローディング動作を開始する。
【0083】
ただし、供給カセット制御部37は、ローディングSW105がONとなった場合ではなく、制御装置80からのコマンドによってプレローディング作業を実行する。即ち、供給カセット制御部37は、制御装置80からの自動ローディング動作の起動を受け付けて、スプロケット起動モータ33を回転させ、所定時間経過後にテープ挿入検出センサ31をチェックして、供給テープ60が検知された場合には、そのまま連続的にローディング動作を継続させ、ローディング作業を実行する。なお、供給カセット制御部37は、所定時間経過後にテープ挿入検出センサ31をチェックして、供給テープ60が検知されなかった場合には、ローディング動作を開始せず、アラームを出力し、ローディング動作を中止する。
【0084】
自動ローディング動作については、上述した通りなので、説明を省略する。
【0085】
なお、強制送り出し動作中は、操作パネル48のデジタル表示部101に、強制送り出し動作中であることを示す「tr」が表示される。
【0086】
また、強制送り出し動作中または自動ローディング動作中に、作業員が、操作パネル48のいずれかのボタンを押すと、作業が途中で中断されるようにしている。
【0087】
上述したローディング動作中、或いは、ローディング動作の終了後、作業者がリールストッカ61から部品切れしたリール74を外し、新しいリール74をリールストッカ61の空いた収納部に収納する。そして、
図7及び
図8に示したように、並んで載置されそれぞれが2本のレーンを備えた2本の部品供給ユニット5へ4個のリール74から供給テープ60が供給される。このとき、リールストッカ61には、部品切れしたリールを外し、新しいリールを収納し、上述したように最大で9個のリールを収納することができ、部品を供給している4個のリール74の他に、例えば各部品供給ユニット5のレーン毎に少なくとも1個のリール74を予め収納しおくことができる、この結果、予め収納されたリール74の各供給テープ60を上述した2本の部品供給ユニット2の各レーンに予めセットしておくことができ、また、部品切れが発生したリール74から新しいリール7から送り出される供給テープによる電子部品の供給に切り変わるので、部品切れによる電子部品装着装置1の停止を極力回避することがき、また、作業者の作業を低減することもできる。
【0088】
なお、リールストッカ61の載置部を電子部品装着措置1に設け、リールストッカ61を電子部品装着装置1に直接着脱できるようにしてもよい。 以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。