【文献】
Eur. J. Med. Chem.,1981年,16,373−378
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
3位に6員ヘテロアリール置換基(Q)を有している式(3)
【化1】
〔式中、
R
1a〜R
1dは、互いに独立して、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素からなる群から、並びに、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[ここで、該シクロアルコキシラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[ここで、該アルキルチオラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[ここで、該シクロアルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、及び、
フェニル又は1−ナフチル又は2−ナフチル又は1〜2個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、互いに独立して、O又はNからなる群から選択される)を有する5員若しくは6員のヘテロ芳香族環[ここで、該アリールラジカル又はヘテロアリールラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
から選択され;
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている]、又は、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている]
であり;
R
3は、
水素、又は、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[ここで、該アルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
であり;
及び、
Qは、1〜3個の窒素原子を有する6員ヘテロ芳香族環[ここで、該ヘテロ芳香族環は、置換されていないか、又は、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
3−C
7)−シクロアルコキシ若しくは(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]である〕
で表されるN−スルホニル−置換オキシインドールを調製する方法であって、式(1)
【化2】
〔式中、R
1a〜R
1d、並びに、R
3及びQは、式(3)において定義されているとおりである〕
で表されるオキシインドール化合物を、溶媒中で、スルホニル化合物(2)
【化3】
〔ここで、
R
2は、式(3)において定義されているとおりであり;及び、
Xは、脱離基として、
フッ素、塩素、臭素、1−イミダゾリル、1H−ベンゾトリアゾリルオキシ、1H−ベンゾトリアゾリル、又は、
O−SO
2−R
7(ここで、R
7は、R
2として定義され、そして、R
2とR
7は、同一であるか又は異なっている)、又は、
N(R
8)SO
2R
9(ここで、R
8は、カルボニルであり、及び、R
9は、置換されていないか又は置換されているフェニルであり、そして、R
8とR
9は、互いに結合しているか又は結合していない)である〕
と反応させることにより、その際、該反応は、
・ 1位が置換されているイミダゾール塩基;又は、
・ 1位が置換されている少なくとも1種類のイミダゾール塩基を含んでいる塩基混合物;
の存在下で実施する、前記方法。
1位が置換されている前記イミダゾール塩基(ここで、該イミダゾール塩基は、単独で又は混合して使用される)が、1−メチル−1H−イミダゾール、1−ブチル−1H−イミダゾール又は1−ベンジル−1H−イミダゾールである、請求項5に記載の調製方法。
請求項1若しくは請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(3)で表されるN−スルホニル−置換オキシインドールの調製のための、又は請求項13〜16のいずれか1項に記載の式(3−1)で表されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール若しくは式(3−1a)で表されるそれらの塩の調製のための、
・ 1位が置換されているイミダゾール塩基;又は、
・ 1位が置換されている少なくとも1種類のイミダゾール塩基を含んでいる塩基混合物;
の使用。
精密化学製品及び農学に関する活性成分を製造するための中間体としての、請求項1〜12のいずれか1項に記載されているように調製された式(3)で表される化合物の使用、及び、請求項13〜16のいずれか1項に記載の式(3−1)で表される化合物の使用、及び、さらに、それらの塩(3−1a)の使用。
【背景技術】
【0003】
オキシインドール類をN−スルホニル化するための従来技術から知られている方法は、多くの場合、工業規模での反応を実施することを目的としていない。従って、これまでの既知方法に使用された活性化剤、特に、脱プロトン化のために使用された塩基を使用することは、工業規模で反応を実施するのには適していない。
【0004】
さらに、従来技術では、N−スルホニル−置換オキシインドール類をできる限り選択的に調製するための一般的な原理については開示されていない。オキシインドール類をスルホニル化するための反応が反応条件に応じて非選択的に進行し得るということは知られており、ここで、(所望されるN−スルホニル化オキシインドールの代わりに)、O−スルホニル化生成物又はジスルホニル化生成物(即ち、酸素及び窒素においてスルホニル化された生成物)が形成され得る。
【0005】
オキシインドール類のスルホニル化における比較的低い選択性を立証するための例は、例えば、「Synthetic Commun. (1992) 22, 2987」又は「Org. Biomol. Chem. (2009) 7, 3413」の中に見いだすことができる。これに関連して、特に3位の置換基のうちの少なくとも1が水素であるオキシインドール類の場合、O−スルホニル化生成物が形成される可能性が増大すると考えられる。
【0006】
脱プロトン化
スルホニル化に先行するオキシインドールの1位の脱プロトン化は、おそらく、当該スルホニル化の選択性にとって重要な必要条件である。オキシインドール骨格の置換に加えて、特に、活性化剤として働く塩基の存在は、同様に、スルホニル化の進行にとって決定的であり得る。
【0007】
脂肪族化合物、芳香族化合物又はヘテロ芳香族化合物におけるヘテロ原子上の水素が官能性置換基(例えば、スルホニル基)で置き換えられ得るということは知られている。同様に、N−非置換アミド類又はN−モノ置換アミド類が塩基の存在下で塩化スルホニル類などのスルホニル化試薬と反応してN−スルホニルアミド類が生成するということも知られている。
【0008】
アミドのスルホニル化は弱塩基(例えば、ピリジン又はトリエチルアミンなど)を用いて実施することも可能であるが、当該基体の脱プロトン化を強塩基(例えば、水素化ナトリウム、ブチルリチウム又はリチウムヘキサメチルジシラザンなど)を用いて実施すれば当該反応が殆どの場合さらに良好なものとなるということは一般に知られており(Blakemore,P.R.: N−Sulfonylation of Amides, Science of Synthesis, 21 (2005), p.879)、その場合、脱プロトン化によって生成される求核性アミドアニオンにスルホニル化試薬が付加する前に脱プロトン化が進行する。
【0009】
N−スルホニル−置換オキシインドール類
前段落に記載されている方法で調製することが可能な化合物は、例えば、1位における水素がスルホニル置換基で置き換えられている場合により置換されていてもよいオキシインドール類(1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類)である。これらの化合物は、N−スルホニル−置換オキシインドール類と称される。
【0010】
フェニル−置換オキシインドール類
N−スルホニル−置換オキシインドール類のサブグループは、3位にフェニル置換基を有しているオキシインドール類である。1位の水素がスルホニル置換基で置き換えられているそのような化合物の合成の例は、FR 2714378、US 1997/5594023、US 2004/180878、US 2005/70718、WO 2006/110917、WO 2006/072458、WO 2006/100080、WO 2006/100081、WO 2006/100082、WO 2008/107399、WO 2008/025735、US 2008/318923、US 2009/318406、並びに、「Bioorg. Med. Chem. Lett. (1998), 8, 175」及び「Chem. Commun. (2009) 26, 3955」の中に見いだすことができる。
【0011】
上記従来技術の中に開示されている反応の共通する特徴は、スルホニル化のために、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブチレートなどの強塩基を使用することである。しかしながら、これらの強塩基は、水に対して感受性が高く、従って、水性後処理の後で分解されていない状態で回収することができない。さらに、これらの強塩基は、不利なことには、等モル量の元素水素の形成をもたらし、従って、費用がかかる。その結果、これらの塩基を工業的に使用することは、不利である。
【0012】
3位がフェニルで置換されているオキシインドールや3位がイミダゾール−1−イルで置換されているオキシインドールをスルホニル化するために弱塩基であるトリエチルアミンを使用することに関しては、従来技術においては僅かにしか例がない(European Journal of Medicinal Chemistry (1981), 16, 373)。しかしながら、上記刊行物のスルホニル化反応の化学収率は12%にしか過ぎず、従って、工業的規模で使用するのには適さない(実施例1、変型F)。
【0013】
ヘタリール−置換オキシインドール類
3位にヘタリール置換基を有しているオキシインドール類は、N−スルホニル−置換オキシインドール類のさらなるサブグループを構成する。3位に6員ヘタリール置換基を有するN−スルホニル−置換オキシインドール類(ここで、1位の水素はスルホニル置換基で置き換えられている)を得るための反応の例は、3−(3−ピリジル)−置換オキシインドール類(US 2005/70718、WO 2009/083559、WO 2008/80970)又は3−(3,5−ピリミジル)−置換オキシインドール類(US 2005/70718)である。しかしながら、スルホニル化のために水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブチレートなどの強塩基を使用することは、上記従来技術に開示されている反応の共通する特徴であり、そのような強塩基を工業規模で使用することは、上記で記載した不利点を有している。
【0014】
炭酸ナトリウムを用いたフェニル−置換オキシインドール類のN−スルホニル化
スキーム1は、3位に置換基としてフェニル環を有するオキシインドールをN−スルホニル化するための既知方法(J. Chem. Soc. (1957), 4789−4798)を要約している。この方法は、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブチレートなどの強塩基を使用する上記従来技術に開示されている反応のようには実施せず、水/アセトン中の塩基として炭酸ナトリウムを用いて実施するという事実に関して注目すべきである。3−フェニルオキシインドールAと4−メチルベンゼンスルホニルクロリドの記載されている反応に関して、生成物Bとして、3−フェニル−1−トルエン−p−スルホニルオキシインドールが生成され、41%の収率が示されている。
【0015】
スキーム1: 3−フェニルオキシインドールとスルホニル化剤としての4−メチルベンゼンスルホニルクロリドの反応:
【0016】
【化1】
比較する目的で、スルホニル化剤として4−メチルベンゼンスルホニルクロリドを使用し、塩基として水/アセトン中の炭酸ナトリウムを使用して、3−フェニルオキシインドールの反応に関する「J. Chem. Soc. (1957), 4789−4798」の第4796頁に記載されている条件下で反応を再実施した。生成物を単離した後、この反応において形成された主成分が仮定されたとおりのN−スルホニル化生成物Bではなく、O−スルホニル化生成物Cであることが、NMR分析によって確認された(実施例11)。従って、「J. Chem. Soc. (1957), 4789」から知られている方法は、N−スルホニル−置換3−(フェニル)オキシインドール類を調製するのには適していない。
【0017】
N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類
3位がヘタリール−置換されているN−スルホニル−置換オキシインドール類のさらなるサブグループを形成するN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類は、従来技術には記載されていない。このことは、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類を調製する方法に関しても真実である。
【0018】
経済的な観点から特に重要であるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類の1つのグループは、N−スルホニル基の置換基として完全に又は部分的にフッ素で置換されているC
1−C
6−アルキル基(特に、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチル)又は(C
3−C
7)−シクロアルキル基を有する化合物である。これらの化合物は、薬学若しくは農学における活性成分として、又は、精密化学製品及び薬学若しくは農学の分野における活性成分を製造するための中間体として、適している。
【0019】
再度比較する目的で、「J. Chem. Soc. (1957), 4789−4798」の第4796頁に記載されている条件を、4−メチルベンゼンスルホニルクロリドとの反応の間に3−(トリアジニル)オキシインドールにも適用した。しかしながら、この場合も同様に、形成されたものがN−スルホニル化生成物ではなく、O−スルホニル化生成物であることが紫外線吸収及びNMR分析によって見いだされた(実施例13)。従って、記載されている方法は、同様に、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類を調製するのには適していない。
【0020】
水素化ナトリウムを用いたフェニル−置換オキシインドール類のN−スルホニル化
US 2009/0318406には、3位の置換基として置換フェニル環又は置換ピペラジン環を有しているオキシインドールの1位をスルホニル化するための方法が開示されている。この方法は、0℃で、溶媒としてのテトラヒドロフランの中で、塩基として水素化ナトリウムを使用して実施される。
【0021】
再度比較する目的で、US 2009/0318406の第19頁段落243に記載されている条件を、3−トリアジニルオキシインドールとジフルオロメタンスルホニルクロリドの反応に適用した。しかしながら、12時間の反応時間が経過した後、所望の生成物への変換が実質的に全く起こらないということが確認された(実施例1、変型D)。従って、US 2009/0318406に記載されている方法は、少なくともジフルオロメタンスルホニルクロリドをスルホニル化剤として使用する場合には、工業規模でN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類を調製するのには適していない。
【0022】
カリウムtert−ブチレートを用いたフェニル−置換オキシインドール類のN−スルホニル化
US 2010/69384には、3位の置換基として置換フェニル環又はメチル基を有しているオキシインドールのの1位をスルホニル化するための方法が開示されている。この方法は、−30℃で、溶媒としてのテトラヒドロフランの中で、塩基としてカリウムtert−ブチレートを使用して実施される。
【0023】
再度比較する目的で、US 2010/69384の第15頁実施例7Aに記載されている条件を、3−(トリアジニル)オキシインドールとジフルオロメタンスルホニルクロリドの反応に適用した。しかしながら、12時間の反応時間が経過した後、所望の生成物への変換が実質的に全く起こらないということが確認された(実施例1、変型E)。従って、US 2010/69384に記載されている方法は、少なくともジフルオロメタンスルホニルクロリドをスルホニル化剤として使用する場合には、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類を調製するのには適していない。
【0024】
「European Journal of Medicinal Chemistry (1981), 16, 373」に開示されている、3位がフェニルで置換されているオキシインドールや3位がイミダゾール−1−イルで置換されているオキシインドールをスルホニル化する方法については、既に論じた。該方法は、溶媒としてのジクロロメタンと一緒に塩基としてトリエチルアミンを使用することに関して注目すべきである。
【0025】
再度比較する目的で、「Journal of Medicinal Chemistry (1981), 16, 373」に記載されている条件を、3−(トリアジニル)オキシインドールとジフルオロメタンスルホニルクロリドの反応に適用した。しかしながら、3時間の反応時間が経過し及び15時間放置した後、所望の生成物への変換が実質的に全く起こらないということが確認された(実施例1、変型F)。従って、記載されている方法は、少なくともジフルオロメタンスルホニルクロリドをスルホニル化剤として使用する場合には、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類を調製するのには適していない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
Qの定義の下で式(1)に包含されるヘテロアリールとしては、特に、1,3,5−トリアジン−2−イルを挙げることができる。
【0038】
本発明による方法において使用されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール類及び3−トリアジニルオキシインドール類は、いずれの場合にも、トリアジンラジカルに加えて、ラジカルR
2を特徴とし、ここで、R
2は、本発明の化合物に関する共通した特徴を表している。
【0039】
使用される塩基は、水の存在下で分解せず、そして、例えば水素化ナトリウムの場合のように、反応中に水素(H
2)を放出することはない。
【0040】
変換
さらに、特に、1位が置換されているイミダゾール塩基が、3位に6員ヘテロアリールラジカルを有しているオキシインドール類のO−スルホニル化と比較してN−スルホニル化に対する選択性を著しく改善するということは、驚くべきことである。このことは、特にN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドールを得ることに関して、当てはまる。
【0041】
本発明の方法に関連してイミダゾール塩基を使用することの特に有利な点は、当該塩基が、反応の過程で主成分若しくは二次成分として形成されるO−スルホニル化ヘタリール−置換オキシインドール(D)又は別の中間体の完全な変換又は部分的な変換を触媒して所望の対応するN−スルホニル化オキシインドール(C)を生成させることができるということであるということが示された。
【0042】
3−トリアジニルオキシインドールに関する変換は、スキーム3並びに表1及び表2によって例証され、さらに、一例として、実施例1、変型Bによって実証される。
【0043】
スキーム3: 3−トリアジニルオキシインドールのスルホニル化中における変換:
【0044】
【化6】
形成されたO−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)を変換して所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)を生成させることは、
・ 直接的に行われる、即ち、所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)が直接的に形成される(実施例1、変型B);又は、
・ 間接的に行われる、即ち、出発物質(A)の逆形成後、所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)が形成される。
【0045】
O−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)が変換されて所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)が生成されるということを実証するために、62%のO−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)と30%のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)からなる混合物を最初に単離した。(混合物全体中の化合物A、化合物C、化合物DのフラクションをHPLCを用いて確認する)。
【0046】
単離された混合物の半分を、スルホニル化試薬ジフルオロメタンスルホニルクロリド(B)の非存在下で、イミダゾール塩基1−メチル−1H−イミダゾールと反応させる(表1を参照されたい)。
【0047】
比較のために、62%のO−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)と30%のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)を含んでいる単離された混合物の残りの半分を、スルホニル化試薬フルオロメタンスルホニルクロリド(B)の非存在下に、1−メチル−1H−イミダゾール無しで、0℃で撹拌する(表2を参照されたい)。
【0048】
表1(1−メチル−1H−イミダゾールの添加後)
【0049】
【表1】
表1中に要約されている結果は、1−メチル−1H−イミダゾールの存在下において、所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)を生成させるO−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)の変換が起こっているということを示している。
【0050】
所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)の含有量は、30%から出発して58%まで増加している。即ち、イミダゾールが触媒する変換によって、N−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)がほぼ倍増している。
【0051】
表2(1−メチル−1H−イミダゾールの添加無し)
【0052】
【表2】
表2中に要約されている結果は、1−メチル−1H−イミダゾールを添加すること無しでは、所望のN−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(C)を生成させるO−スルホニル化3−トリアジニルオキシインドール(D)の所望の変換が起こらないということを示している。
【0053】
本発明による化合物に関して上記及び下記において使用されている別の名称について、要約して説明する。それらの名称は、当業者は周知しており、そして、特に、以下で説明されている意味を有する。
【0054】
本出願において、「3−トリアジニルオキシインドール」について言及されている場合、式(1−1)に包含される化合物のうちの1種類が意図されている。
【0055】
出発物質として好ましくは使用される3−トリアジニルオキシインドール(1−1)
【0056】
【化7】
〔ここで、ラジカルR
1a〜R
1d、R
3、R
4及びR
5は、上記で定義されているとおりである〕
は、当業者には既知の方法を用いて調製することができる。
【0057】
本出願において、「スルホニル化合物」について言及されている場合、式(2)
【0058】
【化8】
に包含される化合物のうちの1種類が意図されている。式(2)で表される化合物において、R
2及びXは、上記で定義されているとおりである。出発物質として使用されるスルホニル化合物(2)は、既知であり、又は、当業者には既知の方法を用いて調製することができる。
【0059】
本出願において、「第3級アミン塩基」について言及されている場合、式(4)
【0060】
【化9】
〔式中、
R
10a、R
10b及びR
10cは、互いに独立して、分枝鎖又は非分枝鎖の(C
1−C
6)−アルキルであり、そして、非末端位にある置換基R
10a、R
10b及びR
10cのうちの少なくとも1は、さらなるヘテロ原子(例えば、酸素又は硫黄)又は基NR
10d(ここで、R
10dは、(C
1−C
6)−アルキルである)を含んでおり;又は、
R
10bとR
10cは、互いに一緒に3〜10員の環に結合しており、そして、該環は、少なくとも1のさらなるヘテロ原子(例えば、酸素又は硫黄)又は基NR
10d(ここで、R
10dは、(C
1−C
6)−アルキルである)を含むことができ;又は、
R
10aとR
10bとR
10cは、一緒に、二環を形成し、その際、式(4)中に存在している窒素原子は1つの橋頭原子を形成し、そして、もう一方の橋頭原子は炭素又は窒素であることができ、もう一方の橋頭原子が炭素である場合、一方又は両方の環は、少なくとも1のさらなるヘテロ原子(例えば、酸素又は硫黄)又は基NR
10d(ここで、R
10dは、(C
1−C
6)−アルキルである)も含んでおり、並びに、環原子は、二重結合を介して結合することもできる〕
に包含される化合物のうちの1種類が意図されている。
【0061】
式(4)で表される化合物が2個以上のヘテロ原子を含んでいる場合、該ヘテロ原子は、互いに隣接して直接結合することはできない。
【0062】
本出願において、「置換ピリジン塩基」について言及されている場合、式(5)
【0063】
【化10】
〔式中、R
11a、R
11b、R
11c、R
11d及びR
11eは、互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであり、そして、置換基R
11a、R
11b、R
11c、R
11d及びR
11eのうちの少なくとも1は、水素ではない〕
に包含される化合物のうちの1種類が意図されている。
【0064】
呼称「ハロゲン」は、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。該呼称がラジカルに対して使用される場合、「ハロゲン」は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0065】
アルキルは、直鎖又は分枝開鎖の飽和炭化水素ラジカルを意味する。
【0066】
表現「(C
1−C
4)アルキル」は、炭素原子に関して与えられている範囲に対応する1〜4個の炭素原子を有するアルキルの略記を意味する。即ち、表現「(C
1−C
4)アルキル」は、メチルラジカル、エチルラジカル、1−プロピルラジカル、2−プロピルラジカル、1−ブチルラジカル、2−ブチルラジカル、2−メチルプロピルラジカル又はtert−ブチルラジカルを包含する。示されているさらに大きな範囲の炭素原子を有する一般的なアルキルラジカル〔例えば、「(C
1−C
6)アルキル」〕は、同様に、さらに大きな数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを包含する。即ち、上記例によれば、5個及び6個の炭素原子を有するアルキルラジカルを包含する。
【0067】
シクロアルキルは、飽和炭素環式環系、好ましくは、3〜8個の環炭素原子を有する飽和炭素環式環系、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルなどを意味する。場合により置換されていてもよいシクロアルキルの場合、置換基を有する環系が包含される。その場合、シクロアルキルラジカル上に二重結合を有する置換基(例えば、アルキリデン基、例えば、メチリデン)も包含される。
【0068】
場合により置換されていてもよいシクロアルキルの場合、脂肪族多環式系、例えば、ビシクロ[1.1.0]ブタン−1−イル、ビシクロ[1.1.0]ブタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−1−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−5−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル(ノルボルニル)、アダマンタン−1−イル及びアダマンタン−2−イルなども包含される。
【0069】
置換されているシクロアルキルの場合、脂肪族スピロ環系、例えば、スピロ[2.2]ペンタ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−4−イル、3−スピロ[2.3]ヘキサ−5−イルなども包含される。
【0070】
アリールは、芳香族の単環系、二環系又は多環系、好ましくは、6〜14個の環炭素原子(特に、6〜10個の環炭素原子)を有する芳香族の単環系、二環系又は多環系、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントレニルなどを意味し、好ましくは、フェニルを意味する。
【0071】
同様に、用語「場合により置換されていてもよいアリール」には、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、フルオレニル、ビフェニリルなどの多環系も包含され、ここで、結合位置は芳香族環系上にある。
【0072】
系統的な観点からは、アリールは、通常、用語「場合により置換されていてもよいフェニル」にも包含される。
【0073】
アルコキシは、酸素原子を介して結合しているアルキルラジカルを意味し、アルケニルオキシは、酸素原子を介して結合しているアルケニルラジカルを意味し、アルキニルオキシは、酸素原子を介して結合しているアルキニルラジカルを意味し、シクロアルキルオキシは、酸素原子を介して結合しているシクロアルキルラジカルを意味し、及び、シクロアルケニルオキシは、酸素原子を介して結合しているシクロアルケニルラジカルを意味する。
【0074】
アルキルチオは、硫黄原子を介して結合しているアルキルラジカルを意味し、アルケニルチオは、硫黄原子を介して結合しているアルケニルラジカルを意味し、アルキニルチオは、硫黄原子を介して結合しているアルキニルラジカルを意味し、シクロアルキルチオは、硫黄原子を介して結合しているシクロアルキルラジカルを意味し、及び、シクロアルケニルチオは、硫黄原子を介して結合しているシクロアルケニルラジカルを意味する。
【0075】
ハロアルキル、ハロアルケニル及びハロアルキニルは、それぞれ、同一であるか又は異なっているハロゲン原子で部分的又は完全にに置換されているアルキル、アルケニル又はアルキニル、例えば、モノハロアルキル、例えば、CH
2CH
2Cl、CH
2CH
2F、CHClCH
3、CHFCH
3、CH
2Cl、CH
2F;ペルハロアルキル、例えば、CCl
3又はCF
3又はCF
2CF
3;ポリハロアルキル、例えば、CHF
2、CH
2F、CH
2CHFCl、CHCl
2、CF
2CF
2H、CH
2CF
3などを意味する。ハロアルコキシは、例えば、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、OCF
2CF
3、OCH
2CF
3及びOCH
2CH
2Clなどである。同様のことは、ハロアルケニル及びハロゲンで置換されている別のラジカルにも適用される。
【0076】
特に別途定義されていない限り、定義「1以上のラジカルで置換されている」は、互いに独立して、1以上の同一であるか又は異なっているラジカルを意味し、その際、基体としての1つの環上の2以上のラジカルは、1以上の環を形成することができる。
【0077】
置換されているアルキルラジカル、置換されているシクロアルキルラジカル、置換されているシクロアルケニルラジカル、置換されているアリールラジカル、置換されているフェニルラジカル、置換されているベンジルラジカル、置換されているヘテロシクリルラジカル及び置換されているヘテロアリールラジカルなどの置換されているラジカルは、例えば、置換されていない基体から誘導された置換されているラジカルを意味し、ここで、該置換基は、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ若しくはカルボキシ基と同等の基、シアノ、イソシアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノアルキルアミノカルボニル及びジアルキルアミノカルボニル、置換されているアミノ、例えば、アシルアミノ、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノ、トリアルキルシリル、並びに、場合により置換されていてもよいシクロアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロシクリル(ここで、最後に挙げられている環式基は、それぞれ、特定のアルキルラジカルの場合のように、二価官能基又はヘテロ原子を介して結合することもできる)、並びに、アルキルスルフィニル(ここで、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーが包含される)、アルキルスルホニル、アルキルホスフィニル、アルキルホスホニルの群から選択される1以上(好ましくは、1、2又は3)のラジカルであり、並びに、環状ラジカル(=「環状基体」)の場合、該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、場合により置換されていてもよいモノアルキルアミノアルキル及び場合により置換されていてもよいジアルキルアミノアルキル並びにヒドロキシアルキルも意味する。
【0078】
用語「置換されているラジカル」(例えば、置換されているアルキルなど)には、特定されている飽和炭化水素含有ラジカルに加えて、対応する不飽和の脂肪族ラジカル及び芳香族ラジカル、例えば、場合により置換されていてもよいアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルケニルアミノカルボニル及びジアルケニルアミノカルボニル、モノアルキニルアミノカルボニル及びジアルキニルアミノカルボニル、モノアルケニルアミノ及びジアルケニルアミノ、モノアルキニルアミノ及びジアルキニルアミノ、トリアルケニルシリル、トリアルキニルシリル、場合により置換されていてもよいシクロアルケニル、場合により置換されていてもよいシクロアルキニル、フェニル、フェノキシなども置換基として包含される。環中に脂肪族部分を有している置換されている環状ラジカルの場合、二重結合で当該環に結合している置換基を有する環系、例えば、アルキリデン基(例えば、メチリデン又はエチリデン)、又は、オキソ基、イミノ基若しくは置換されているイミノ基で置換されている環系も包含される。
【0079】
いずれの場合にも、置換されていないか又は置換されているラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であることができる。かくして、例えば、「C
4−アルキル」と称されるラジカルは、非分枝鎖ブチルラジカルと同様に、全ての別のC
4異性体(これは、tert−ブチルを包含する)を包含する。
【0080】
2以上のラジカルが1以上の環を形成する場合、それらは、炭素環式、ヘテロ環式、飽和、部分的飽和、不飽和(例えば、芳香族であってもよい)であることができ、及び、場合によりさらに置換されていてもよい。縮合環は、好ましくは、5員又は6員の環であり、特に好ましくは、ベンゾ縮合環である。
【0081】
好ましい一実施形態では、R
2は、(C
1−C
6)−アルキル又は(C
3−C
7)−シクロアルキル〔ここで、該アルキルラジカル又は該シクロアルキルラジカルは、完全に又は部分的にフッ素で置換されている〕であるが、式中、
・ R
1aがフッ素である;及び、
・ R
2が、2,2,−ジフルオロエチル又は1,1,1−トリフルオロエチルである;
式(3−1)の化合物は除外される。それは、これらの特定の化合物の形成は、本出願中に記載されている反応条件下で実証することができなかったからである。しかしながら、このことは、これらの化合物が、例えば、塩基混合物の組成を変えることによって、又は、反応温度若しくは反応中の圧力を変えることによって、調製することが可能であるという事実を排除するものではない。
【0082】
上記好ましい実施形態において、
R
4及びR
5は、互いに独立して、いずれの場合にも、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]である。
【0083】
好ましいさらなる実施形態では、R
3=Hである。この場合、式(3−1)で表される化合物は、完全に又は部分的に、互変異性エノール形体で又は塩(3−1a)
【0084】
【化11】
〔ここで、
R
1a〜R
1d、並びに、R
2、R
4及びR
5は、上記で定義されているとおりであり;及び、
Mは、Li、Na、K、Cs、Ba、Mg、Ca、Zn又はN(R
c)
4[ここで、R
c=H又はC
1−C
6−アルキル]であり、及び、対イオンM
+の数は式(3−1a)で表される化合物が全体として中性となるように特定の電荷によって決定される〕
として存在し得る。
【0085】
最も好ましい実施形態では、スルホニル化剤としてジフルオロメタンスルホニルクロリドを使用する。即ち、R
2は、ジフルオロメチルである。
【0086】
本発明に従って使用されるイミダゾール塩基は、好ましくは、
・ 1−(C
1−C
6)−アルキル−1H−イミダゾール、
・ 1−(C
1−C
7)−シクロアルキル−1H−イミダゾール、
・ 1−ベンジル−1H−イミダゾール、
・ 1−アリール−1H−イミダゾール、
・ 1−ヘタリール−1H−イミダゾール、又は、
・ 1位が置換されている特定されたイミダゾール塩基のうちの少なくとも2種類を含んでいる混合物
である。
【0087】
該イミダゾール塩基は、特に好ましくは、1−メチル−1H−イミダゾール、1−ブチル−1H−イミダゾール又は1−ベンジル−1H−イミダゾールであり、ここで、これらは、単独で又は混合して使用することが可能であり、1−メチル−1H−イミダゾールを使用するのが極めて特に好ましい。
【0088】
別の塩基(例えば、従来技術において記載されている塩基である水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブチレート)と比較して、これらの塩基は、等モル量の水素を生成しない、又は、水と接触しても分解しない、従って、工業規模で使用するのに適している、という有利点を有している。
【0089】
第3級アミン塩基又は置換されているピリジン塩基は、それらだけでは、出発物質のN−スルホニル化をもたらさない。例えば、塩基としての1−メチル−1H−イミダゾールと一緒にトリフルオロメタンスルホン酸無水物を使用するスルホニル化に際しては、N−スルホニル化生成物が形成されるということが示され(実施例9)、それに対して、塩基として1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を使用すると優先的にO−スルホニル化生成物が形成されるということが示された(実施例10)。N−スルホニル化とO−スルホニル化の間の区別は、生成物の紫外線吸収を測定することによって実施することができる。N−スルホニル化生成物は、O−スルホニル化生成物が有していない360nmにおける吸収極大を示す。
【0090】
使用される3−トリアジニルオキシインドールに基づいて、1−メチル−1H−イミダゾールのみを1当量よりも少ない量で使用する場合、収量が低減することが予期される。
【0091】
しかしながら、驚くべきことに、1−アルキル−1H−イミダゾールと第3級環状アミン塩基〔例えば、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、メチルモルホリン、1−エチルモルホリン、N,N−ジメチルピペラジン又は1,2−ビス(ジメチルアミノ)エタン〕又は置換されているピリジン塩基〔例えば、5−エチル−2−メチルピリジン〕のいずれかからなる混合物(ここで、使用される3−トリアジニルオキシインドールに基づいて、1当量未満の1−メチル−1H−イミダゾールが存在している)を使用した場合に、出発物質の選択的なN−スルホニル化が可能であるということが見いだされた(実施例1、変型C)。
【0092】
1位が置換されているイミダゾールに加えて、種々の塩基のタイプの混合物(この場合、1つの塩基のタイプは、1位が置換されているイミダゾールである)を使用することも、本発明の範囲内である。好ましいのは、少なくとも1種類の、
・ 第3級アミン塩基、又は、
・ 置換ピリジン塩基
を含み、さらに、1位が置換されている以下のイミダゾール塩基:
・ 1−(C
1−C
6)アルキル−1H−イミダゾール、
・ 1−シクロアルキル−1H−イミダゾール、
・ 1−ベンジル−1H−イミダゾール、
・ 1−アリール−1H−イミダゾール、又は、
・ 1−ヘタリール−1H−イミダゾール
のうちの少なくとも1種類も含んでいる塩基混合物である。
【0093】
使用する第3級アミン塩基は、好ましくは、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1−メチルモルホリン、1−エチルモルホリン、N,N−ジメチルピペラジン又は1,2−ビス(ジメチルアミノ)エタンである。
【0094】
1種類以上の1−アルキル−1H−イミダゾールとの混合物における置換されているピリジン塩基としては、5−エチル−2−メチルピリジン又は3−メチルピリジン又はそれら2種類の混合物を使用するのが好ましい。
【0095】
1つの重要な態様は、その中で当該反応を実施する溶媒の選択に関する。当該反応は、 ・ 極性溶媒、若しくは、
・ 非極性溶媒
の中で実施することができるか、又は、
・ 極性溶媒若しくは非極性溶媒の混合物
の中で実施することができる。
【0096】
使用することが可能な非極性溶媒は、
・ 芳香族化合物、特に、トルエン、キシレン又はクロロベンゼン
である。
【0097】
使用することが可能な極性有機溶媒は、
・ ハロアルカン類、特に、ジクロロメタン若しくはジクロロエタン;又は、
・ ケトン類、特に、ブタノン、2−メチルブタノン;
・ ニトリル類、特に、アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチルニトリル;
・ エーテル類、特に、ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、ジメトキシエタン若しくはテトラヒドロフラン;又は、
・ エステル類、特に、酢酸エチル、酢酸n−ブチル若しくは酢酸イソプロピル;
である。
【0098】
特定された極性溶媒は、それら単独で使用することが可能であるか、又は、別の溶媒と混合して、好ましくは、別の極性有機溶媒と混合して使用することが可能である。
【0099】
特に好ましいのは、溶媒として、ジクロロメタン、2−メチルテトラヒドロフラン若しくは酢酸エチルを用いて、又は、上記で記載した特に好ましい溶媒のうちの少なくとも1種類を含んでいる混合物を用いて、当該方法を実施することである。
【0100】
式(3)で表される化合物を調製するための本発明による方法は、3−トリアジニルオキシインドール(1当量)を適切な溶媒中でスルホニル化合物及びイミダゾール塩基又はイミダゾール塩基を含んでいる混合物と反応させるという事実に基づいている。ここで、該スルホニル化合物は、等モル量又は過剰量(1.0〜6当量、好ましくは、1.2〜2当量)で使用する。該塩基も、1種類であろうと又は2種類以上の塩基の混合物としても、同様に、等モル量又は過剰量(1.0〜7当量、好ましくは、1.4〜2.5当量)で使用する。
【0101】
反応体の添加は、最大で24時間、好ましくは、最大で6時間、特に、0.05〜6時間の期間をかけて、1回で又は2回以上に分けて実施することができる。
【0102】
該スルホニル化の反応温度は、−100℃〜50℃の範囲内にあり、好ましくは、−20℃〜+10℃の範囲内にある。
【0103】
該反応は、場合により加圧下で実施することができる。
【0104】
生成物の良好な収率のためには、最初に3−トリアジニルオキシインドールを塩基(全量又は部分量)と一緒に初期装入物として適切な溶媒の中に導入し、次いで、スルホニル化合物と場合によりさらなる量の同じ塩基又はもう1種類の塩基又は種々の塩基の混合物を1回で又は2回以上に分けて添加すれば有利である。
【0105】
添加の変形態様は、3−トリアジニルオキシインドールとスルホニル化合物を初期装入物として適切な溶媒の中に導入し、次いで、当該塩基又は種々の塩基の混合物を1回で又は2回以上に分けて添加することを含んでいる。あるいは、3−トリアジニルオキシインドールも、スルホニル化合物と当該塩基の初期装入物に1回で又は2回以上に分けて添加することができる。
【0106】
3−トリアジニルオキシインドールを塩として反応混合物に添加することは、本発明の範囲内である。この場合、場合により少なめの塩基を使用することが可能である。
【0107】
全ての反応体は、反応混合物に、純粋な形態で、又は、互いに予め混合させた状態で、又は、溶媒若しくは溶媒混合物に溶解若しくは懸濁させた状態で、添加することができる。反応の過程で、反応体のさらに良好な混合を促進するためにさらなる溶媒を添加することができる。
【0108】
使用する反応条件に応じて、全ての反応体を添加した後の後撹拌時間(after−stirring time)は、最大で96時間までの範囲、好ましくは、0.05〜24時間の範囲である。
【0109】
後撹拌時間は、特にR
3=Hである場合に有利である。それは、特にこの場合、スルホニル化反応中に、O−スルホニル化生成物も少なくとも部分的に形成され得るが、そのO−スルホニル化生成物が、今度は、上記で説明したように、イミダゾール塩基の影響下で、式(3)で表される所望のN−スルホニル化生成物に変換されるか、及び/又は、さらに反応し得るからである。
【0110】
式(3)で表される所望の生成物の後処理及び単離は、さまざまな方法で実施することが可能であり、そして、それは、例えば、溶媒の選択に依存するか、又は、当該生成物が固体であるか若しくは液体であるかに依存する。
【0111】
式(3)又は式(3−1)で表される固体生成物を含んでいる反応混合物は、濾過する。このようにして得られた固体生成物は、適切な溶媒及び/又は水性酸で洗浄することができる。
【0112】
さらに、式(3)で表される生成物を含んでいる反応混合物に、その中での当該生成物の溶解性が低い別の高沸点溶媒を添加し、そして、低沸点溶媒を完全に又は部分的に留去してもよい。次いで、固体として存在している生成物を、濾過し、そして、適切な溶媒及び/又は水性酸で洗浄することができる。
【0113】
さらに、より高い純度を達成するために、濾過と場合による洗浄の後で得られた生成物を適切な溶媒又は2種類以上の溶媒混合物から撹拌によって抽出することも、本発明の範囲内である。
【0114】
さらに、反応混合物中に存在している式(3)若しくは式(3−1)で表される生成物又はそれらの塩(3−1a)そ単離することなくさらに反応させて、連続的に生成物を得てもよい。
【0115】
本発明は、さらにまた、式(3−1)で表されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール又はそれらの塩(3−1a)も提供するが、その際、それら化合物の調製方法の種類には関係しない。
【0117】
【化12】
で表されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール及びそれらの塩(3−1a)
【0118】
【化13】
も包含され、ここで、いずれの場合にも、
R
1a〜R
1dは、互いに独立して、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素からなる群から、並びに、さらに、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[ここで、該シクロアルコキシラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[ここで、該アルキルチオラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[ここで、該シクロアルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、及び、
フェニル又は1−ナフチル又は2−ナフチル又は1〜2個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、互いに独立して、O又はNからなる群から選択される)を有する5員若しくは6員のヘテロ芳香族環[ここで、該アリールラジカル又はヘテロアリールラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
からなる群から選択され;
R
2は、
メチル[ここで、該メチルは、完全に又は部分的にフッ素で置換されている]、又は、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、完全に又は部分的にフッ素で置換されている]
であり;
R
3は、
水素、又は、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[ここで、該アルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
であり;
R
4及びR
5は、互いに独立して、いずれの場合にも、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
であり;
ここで、式(3−1a)で表される塩においては、Mは、Li、Na、K、Cs、Ba、Mg、Ca、Zn又はN(R
c)
4[ここで、R
c=H又はC
1−C
6−アルキル]であり、及び、対イオンM
+の数は式(3−1a)で表される全体として中性の化合物が形成されるように特定の電荷によって決定される。
【0119】
適切な場合には、全ての立体異性体、回転異性体、互変異性体及び多形形態も、式(3−1)及び式(3−1a)に包含される。
【0120】
特に好ましいのは、式(3−1)で表される化合物又は式(3−1a)で表される塩〔式中、
R
1a〜R
1dは、互いに独立して、
水素、フッ素、塩素からなる群から、並びに、さらに、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖である]、又は、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖である]
から選択され;及び、
R
2は、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
R
3は、水素であり;
R
4及びR
5は、互いに独立して、いずれの場合にも、
(C
1−C
4)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖である]、
(C
1−C
4)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖である]
であり;
ここで、式(3−1a)で表される塩においては、Mは、Na及びKである〕
である。
【0121】
極めて特に好ましいのは、式(3−1)で表される化合物又は式(3−1a)で表されるその塩〔式中、
R
1a〜R
1dは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、メトキシからなる群から選択され;並びに、
R
2は、ジフルオロメチルであり;
R
3は、水素であり;及び、
R
4及びR
5は、互いに独立して、いずれの場合にも、メトキシである〕
である。
【0122】
最も好ましいのは、式(3−1)で表される化合物又は式(3−1a)で表されるその塩〔式中、R
1a〜R
1dは、互いに独立して、水素及びフッ素からなる群から選択される〕である。
【0123】
本発明は、さらにまた、本発明に従って調製された式(3)若しくは式(3−1)で表される化合物又はそれらの塩(3−1a)の薬学又は農学における活性成分としての使用も提供し、並びに、農学の活性成分を製造するための、又は、精密化学製品及び農学に関する活性成分を製造するための中間体を製造するための、特定された化合物の使用も提供する。
【0124】
特に好ましいのは、殺菌剤若しくは除草剤としての使用、並びに/又は、殺菌剤及び除草剤の製造、並びに/又は、特定された化合物の殺菌剤及び除草剤を製造するための中間体としての使用である。
【0125】
特定された化合物の除草剤としての使用、及び/又は、除草剤の製造が、極めて特に好ましい。
【0126】
本発明による方法で調製される式(3−1)及び式(3−1a)で表されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール並びにさらに式(3)で表される別のN−スルホニル−置換3−ヘテロアリールオキシインドールは、精密化学製品及び農学に関する活性成分を製造するための中間体として適している。
【0127】
それらから、式(4−1)で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドを製造することが可能であり〔下記スキーム4を参照されたい〕、それらの除草活性(WO 2007/031208A2を参照されたい)及び殺菌活性(WO 2006/008159A1を参照されたい)は、引用されている2件の公開明細書の中に示されている。
【0128】
式(3)で表される化合物は、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドールである。
【0129】
下記スキーム4において、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドールは、式(3−1)で表されている。
【0130】
スキーム4は、新規多段階合成方法を示しており、その合成方法によれば、全体で5段階の反応において式(7−1)で表される3−(アルキルスルファニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンから出発して、式(4−1)で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドを調製することが可能であり、その除草活性(WO 2007/031208A2を参照されたい)及び殺菌活性(WO 2006/008159A1を参照されたい)は既に比較的以前から知られている。
【0131】
スキーム4: 作物保護に適しているN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類(4−1)、特に、除草活性を有するもの、を調製するための多段階調製方法
【0132】
【化14】
N−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド(4−1)を調製するためのスキーム4による多段階調製方法は、以下の部分段階で構成される:
・ 置換されているか又は置換されていない3−(アルキルスルファニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(7−1)を還元して、置換されているか又は置換されていない1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(6−1)を生成させる段階〔このプロセスは、工業規模で実施可能であり、そして、出願番号EP 10162381.7の特許出願に記載されている〕;
・ 置換されているか又は置換されていない1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(6−1)をアリール化して、トリアジニル−置換オキシインドール(5−1)を生成させる段階〔このプロセスは、工業規模で実施可能であり、そして、出願番号EP 10196205.8の特許出願に記載されている〕;
・ 本発明によるスルホニル化方法に従ってトリアジニル−置換オキシインドール(5−1)をスルホニル化して、N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール(3−1)を生成させる段階;
・ N−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドール(3−1)を酸化的開環に付して、2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド(1−1)を生成させる段階〔このプロセスは、工業規模で実施可能であり、そして、特許出願DE 102011086382.6に記載されている〕;
・ 2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド(1−1)をアルキル化して、N−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド(4−1)を生成させる段階〔このプロセスは、出願番号WO 2006/008159A1の特許出願に記載されている〕。
【0133】
N−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類(4−1)及び2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類(1−1)を調製するための既知方法と比較して、スキーム4に示されている多段階調製方法は、オキシインドール化合物が出発物質として及び/又は中間体として使用されるという事実に関して、注目すべきである。これは、当該調製方法が、既知調製方法とは対照的に工業規模で実施することが可能であり、同時に、高い収率を達成することが可能であるという有利点を有している。
【0134】
スキーム4に要約されているプロセスを実施する方法は、以下に詳細に開示されている。当該還元(これは、スキーム4では、全体で5段階の調製方法の第1の反応段階である)は、独立した準備段階(B)として下記で扱われている。従って、以下で詳細に記載されているプロセス(A)は、アリール化、スルホニル化、酸化及びアルキル化の段階のみを含んでいる。
【0136】
【化15】
〔式中、
R
1a〜R
1dは、互いに独立して、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素からなる群から、並びに、さらに、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[ここで、該シクロアルコキシラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[ここで、該アルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[ここで、該シクロアルキルチオラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキル若しくは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、及び、
フェニル又は1−ナフチル又は2−ナフチル又は1〜2個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、互いに独立して、O又はNからなる群から選択される)を有する5員若しくは6員のヘテロ芳香族環[ここで、該アリールラジカル又はヘテロアリールラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキル若しくは(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
からなる群から選択され;
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている]、又は、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[ここで、該シクロアルキルラジカルは、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている]
であり;
R
4及びR
5は、互いに独立して、いずれの場合にも、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[ここで、該アルコキシラジカルは、分枝鎖又は非分枝鎖であり、そして、置換されていないか、又は、フッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシ若しくは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されている]
であり;
並びに、
R
8は、
(C
1−C
6)−アルキル[ここで、該アルキルラジカルは、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている]、
(C
1−C
6)−シクロアルキル、(C
1−C
6)−アルケニル又は(C
1−C
6)−アルコキシアルキル[ここで、特定されているラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、完全に若しくは部分的にフッ素で置換されている〕
で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドを調製するためのプロセスであって、
ここで、
式(6−1)
【0137】
【化16】
〔式中、
R
1a〜R
1dは、式(4−1)に関して定義されているとおりであり;
R
3は、水素であり;及び、
R
7は、水素である〕
で表される1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを、
第1段階において、
・ アリール化によって反応させて、式(5−1)
【0138】
【化17】
〔式中、R
1a〜R
1d及びR
4及びR
5は、式(4−1)に関して定義されているとおりであり、並びに、R
3及びR
7は、式(6−1)に関して定義されているとおりである〕
で表されるトリアジニル−置換オキシインドールを生成させ;
及び、式(5−1)で表されるアリール化生成物を、
第2段階において、
・ スルホニル化によって反応させて、式(3−1)
【0139】
【化18】
〔式中、R
1a〜R
1d、R
2及びR
4及びR
5は、式(4−1)に関して定義されているとおりであり、並びに、R
3は、式(6−1)に関して定義されているとおりである〕
で表されるN−スルホニル−置換3−トリアジニルオキシインドールを生成させ;
及び、式(3−1)で表されるスルホニル化生成物を、
第3段階において、
・ 酸化的開環に付すことによって反応させて、式(1−1)
【0140】
【化19】
〔式中、R
1a〜R
1d、R
2並びにさらにR
4及びR
5は、式(4−1)に関して定義されているとおりである〕
で表される2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリドを生成させ;
及び、式(1−1)で表される酸化生成物を、
第4段階において、
・ アルキル化によって反応させて、式(4−1)
【0141】
【化20】
〔式中、R
1a〜R
1d、R
2、R
4、R
5及びR
8は、式(4−1)に関して定義されているとおりである〕
で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドを生成させ;
その際、使用するアルキル化剤は、
・ X−R
8[ここで、Xは、塩素、臭素又はヨウ素であり、及び、R
8は、式(4−1)に関して上記で定義されているとおりである];又は、
・ (R
8)
2SO
4[ここで、R
8は、式(4−1)に関して上記で定義されているとおりである];
である。
【0142】
上記スルホニル化は、本発明の教示に従って、即ち、
・ 1位が置換されているイミダゾール塩基;又は、
・ 1位が置換されている少なくとも1種類のイミダゾール塩基を含んでいる塩基混合物;
の存在下で、実施する。
【0143】
特に好ましいイミダゾール塩基は、1−メチル−1H−イミダゾール、1−ブチル−1H−イミダゾール又は1−ベンジル−1H−イミダゾールであり、ここで、これらは、単独で又は混合して使用することが可能であり、1−メチル−1H−イミダゾールを使用するのが極めて特に好ましい。
【0144】
(B) 式(4−1)で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドを調製するためのプロセスであって、ここで、出発物質として使用される式(6−1)で表される化合物は、先行するプロセス段階において調製され、その先行するプロセス段階においては、式(7−1)
【0145】
【化21】
〔式中、
R
1a〜R
1dは、式(4−1)に関して定義されているとおりであり;
R
3は、水素であり;
R
7は、水素であり;及び、
R
6は、置換されていないか若しくは置換されている(C
1−C
14)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、ベンジル又はCH
2−C(O)O−(C
1−C
6)−アルキルである〕
で表される3−(アルキルスルファニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンから出発して、それを、
・ 還元によって変換して、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(6−1)
【0146】
【化22】
〔ここで、R
1a〜R
1d、R
3及びR
7は、式(7−1)に関して定義されているとおりである〕
を生成させる。
【0147】
上記還元を実施する場合、
(a) 式(7−1)で表される化合物を極性溶媒に溶解又は懸濁させ;
(b) その溶液又は懸濁液に硫黄含有塩を添加し;及び、
(c)その反応混合物を高くても当該極性溶媒の沸点に相当する温度で還流しながら加熱する。
【0148】
特に好ましい硫黄含有塩は、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜チオン酸ナトリウム(sodium thionite)、亜ジチオン酸ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウムからなる群から選択されるナトリウム塩である。
【0149】
式(4−1)で表されるN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドの除草効果(WO 2007/031208A2を参照されたい)及び殺菌効果(WO 2006/008159A1を参照されたい)は、既に述べたように、比較的以前から知られている。
【0150】
従って、スキーム4、並びに、プロセス(A)及びプロセス(B)を実施する方法は、式(3)で表されるヘテロアリール−置換オキシインドール及び式(3−1)で表されるトリアジニル−置換オキシインドール又はそれらの塩(3−1a)が作物保護組成物(特に、除草剤及び殺菌剤)を製造するための中間体として適しているということを実証している。
【0151】
式(3)若しくは式(3−1)で表される化合物又はそれらの塩(3−1a)をN−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルキルスルホンアミド類を製造するための中間体として使用することが、最も好ましい。
【実施例】
【0152】
実施例
下記実施例によって本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明の対象はそれら実施例に限定されるものではない。
【0153】
下記実施例において、量的なデータは、特に別途具体的に定義されていない限り、重量に基づいている(本明細書中においては、これと同様に、重量%=重量基準の%を使用した)。測定単位、物理的パラメータなどに関しては、慣習的な略記が使用されている。例えば、h=時間(s)、m.p.=融点、L=リットル、mL=ミリリットル、g=グラム、min=分(s)、インバキュオ(in vacuo)=「真空下(in a vacuum)」=減圧下、理論の(of theory)=理論による%収率、RT=室温、eq.=当量。
【0154】
NMRスペクトルにおけるカップリングパターンは、それらがどのように見えるかについて記載されている。
【0155】
特に別途示されていない限り、HPLC分析におけるフラクションは、相対的面積%で与えられている。
【0156】
LCMS分析における%は、クロマトグラムにおけるそれぞれの成分の相対的フラクションである。
【0157】
実施例1:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0158】
【化23】
変型A:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(95.7g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(53.1g)を初期装入物として1120mLの酢酸エチルの中に導入し、窒素下、0℃まで冷却する。強く撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(73.7g)を0℃〜5℃で30分間かけて滴下して加え、その混合物を、3.5時間、後撹拌する。その反応混合物にさらなるジフルオロメタンスルホニルクロリド(4.9g)を添加し、1.5時間撹拌する。その反応混合物を500mLの水と混合させ、強く混ぜ合わせる。有機溶媒の大部分を減圧下で留去し、その残渣を濾過する。固体生成物をいずれの場合にも250mLの水で2回洗浄し、撹拌することにより400mLの酢酸エチル/ヘプタン(1:1)から抽出し、濾過し、100mLの酢酸エチル/ヘプタン(1:1)で洗浄する。これにより、標題化合物が、標準物質に対する純度96%の固体として得られる(123.1g、理論の91%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=405(95%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=12.6(s,広幅,1H),7.83(d,1H),7.20(dt,1H),6.93(dd,1H),6.70(t,1H),4.21(s,3H),4.16(s,3H)。
【0159】
変型B:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(100g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(44.8g)を初期装入物として670mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−10℃まで冷却する。強く撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(72.6g)を−12℃〜−3℃で35分間かけて滴下して加え、その混合物を、−10℃〜−5℃で4.5時間、後撹拌する。1時間後及び3時間後のHPLCでのチェックにより、中間体として製造されたO−スルホニル化出発物質(これは、反応の終了時点では所望の生成物に実質的に完全に変換されている)の存在が示される。その反応混合物を500mLの水と混合させ、強く混ぜ合わせる。有機溶媒の大部分を減圧下で留去し、その残渣を濾過する。固体生成物を、いずれの場合にも100mLの5%強度塩酸で2回洗浄し、及び、いずれの場合にも100mLの水で2回洗浄し、減圧乾燥室内で乾燥させる。これにより、標題化合物が、標準物質に対する純度93%の個体として得られる(136g、理論の93%)。その生成物のNMRシグナルは、変型Aで得られた生成物のシグナルと一致する。
【0160】
変型C:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(10g;33mmol)を初期装入物として40mLのジクロロメタンの中に導入し、−20℃まで冷却する。1−メチル−1H−イミダゾール(0.84g;10mmol)及び4−エチルモルホリン(5.5g、47mmol)を添加し、その反応混合物を短時間撹拌する。強く撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(6.2g)を−20℃〜−10℃で滴下して加え、その混合物を、−20℃〜−10℃で3時間、後撹拌する。それを50mLのジクロロメタンと混合させ、1時間、後撹拌する。ジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.5g)を添加し、その混合物を、1時間、後撹拌する。その反応混合物を加熱して室温とし、撹拌フラスコ(stirring−out flask)に移し、100mLの水と混合させる。有機溶媒の大部分を減圧下で留去し、その残渣を濾過する。その固体生成物を、いずれの場合にも50mLの5%強度塩酸、水及び2−プロパノールで洗浄し、減圧乾燥室内で乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度98.8%の固体として得られる(13.3g、理論の97%)。その生成物のNMRシグナルは、変型Aで得られた生成物のシグナルと一致する。
【0161】
変型D(=比較例1D):
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3.0g)を初期装入物として60mLのテトラヒドロフランの中に導入し、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.52g、鉱油中60%)を添加する。その反応混合物を1時間撹拌し、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(1.7g)を0℃で滴下して加え、その混合物を、0℃で12時間、後撹拌する。HPLC分析によって、出発物質(72%)、所望の生成物(8%)及びさらなる成分が検出される。
【0162】
変型E(=比較例1E):
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3.0g)を初期装入物として60mLのテトラヒドロフランの中に導入し、−30℃まで冷却し、カリウムtert−ブチレート(1.26g)を添加する。次いで、その反応混合物を1時間かけて0℃まで昇温させた後、−60℃まで冷却し、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(1.7g)を滴下して加え、その混合物を室温までゆっくりと昇温させ、12時間、後撹拌する。HPLC分析によって、出発物質(61%)、所望の生成物(6%)及びさらなる成分が検出される。
【0163】
変型F(=比較例1F):
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3.0g)を初期装入物として30mLのジクロロメタンの中に導入し、−15℃まで冷却し、トリエチルアミン(1.86g)を添加する。その反応混合物を短時間撹拌し、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(2.2g)を滴下して加え、その混合物を、−15〜−10℃で3時間、後撹拌する。その混合物を室温で15時間放置する。HPLC分析によって、出発物質(53%)、所望の生成物(約3%)及びさらなる成分が検出される。
【0164】
変型G:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3g;10mmol)を初期装入物として50mLのジクロロメタンの中に導入する。1−メチル−1H−イミダゾール(0.17g;2.0mmol)及び5−エチル−2−メチルピリジン(2.0g、16mmol)を添加し、その反応混合物を−10℃まで冷却し、短時間撹拌する。強く撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(2.5g、16mmol)を−20℃〜−5℃で滴下して加え、−20℃〜−5℃で7時間、後撹拌する。その反応混合物を室温まで昇温させ、撹拌フラスコ(stirring−out flask)に移し、30mLの水と混合させる。有機溶媒の大部分を減圧下で留去し、その残渣を濾過する。その固体生成物をいずれの場合にも30mLの5%強度塩酸、水及び2−プロパノールで洗浄し、減圧乾燥室内で乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度94%の固体として得られる(3.7g、理論の84%)。
【0165】
実施例2:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−7−フルオロ−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0166】
【化24】
7−フルオロ−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.20g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(0.97g)を初期装入物として10mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、0℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(1.21g)を2回に分けて添加し、その混合物を室温まで昇温させる。5時間経過した後、1−メチル−1H−イミダゾール(0.32g)及びジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.61g)を添加し、その混合物を16時間撹拌する。水及び少量の塩酸を添加した後、固体を濾過し、ジクロロメタン及び水で洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度91%の個体として得られる(1.54g、理論の92%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=389(71%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=7.94(d,1H),7.53(t,1H),7.29(dt,1H),7.03(dd,1H),4.12(s,3H),2.58(s,3H)。
【0167】
実施例3:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0168】
【化25】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(10g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(5.4g)を初期装入物として100mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−5℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(7.03g)を、−5℃〜0℃で、20分間かけて滴下して加え、その混合物を、同温度で2.5時間、後撹拌する。その反応混合物を50mLの水と混合させ、充分に混ぜ合わせる。有機溶媒の大部分を減圧下で留去し、その残渣を濾過する。その固体生成物を水及びアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥室内で乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度93%の固体として得られる(12.5g、理論の92%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=387(98%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=12.55(s,広幅,1H),7.98(d,1H),7.76(d,1H),7.23(t,1H),7.16(t,1H),6.68(t,1H),4.22(s,3H),4.15(s,3H)。
【0169】
実施例4:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0170】
【化26】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(50g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(30.5g)を初期装入物として430mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−10℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(41.8g)を70mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を−15℃〜−5℃で30分間かけて滴下して加え、その混合物を、−15℃〜0℃で4時間、後撹拌する。その反応混合物に1−メチル−1H−イミダゾール(2.7g)及びジフルオロメタンスルホニルクロリド(4.9g)を添加し、0℃で2時間撹拌する。氷冷しながら、その反応混合物に300mLの水を添加し、その混合物を、30分間、後撹拌し、有機溶媒の大部分を減圧下で留去する。残渣を濾過し、その固体生成物を、150mLの水で2回洗浄し、40mLのアセトニトリルで2回洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度96%の固体として得られる(63.9g、理論の95%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=405(97%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=12.5(s,広幅,1H),7.63−7.72(m,2H),6.85(dt,1H),6.67(t,1H),4.22(s,3H),4.17(s,3H)。
【0171】
実施例5:
3−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0172】
【化27】
3−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(0.51g)を初期装入物として10mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、0℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.46g)を滴下して加え、その混合物を、0℃〜6℃で2時間、後撹拌する。1−メチル−1H−イミダゾール(0.25g)及びジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.23g)を添加した後、その混合物を0℃〜10℃で2時間撹拌する。5mLの水を添加した後、その混合物を10%強度塩酸を用いてpH2に調節し、有機溶媒の大部分を減圧下で留去する。固体を濾過し、水及びヘプタンで洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度93%の固体として得られる(1.19g、理論の83%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=433(91%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=7.86(dd,1H),7.52(t,1H),7.22−7.31(m,1H),7.00(dd,1H),4.58(q,4H),1.41(t,6H)。
【0173】
実施例6:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5,7−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0174】
【化28】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5,7−ジフルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)、1−メチル−1H−イミダゾール(0.74g)及びジフルオロメタンスルホニルクロリド(1.09g)を、実施例5と同様に、8mLのジクロロメタンの中で反応させる。後処理のために、水を添加し、撹拌する。固体を濾過し、希塩酸及び水で洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度97%の固体として得られる(1.08g、理論の82%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=423(96%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=7.64(dd,1H),7.51(t,1H),7.00(dt,1H),4.12(s,6H)。
【0175】
実施例7:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0176】
【化29】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(0.51g)を初期装入物として8mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−10℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.66g)を2回に分けて滴下して加え、その混合物を−5〜−10℃で2.5時間撹拌する。後処理のために水を添加し、その混合物を撹拌する。固体を濾過し、希塩酸及び水で洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度99%の固体として得られる(0.91g、理論の70%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=417(100%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D,):δ(ppm)=7.61(d,1H),7.46(d,1H),7.44(t,1H),6.71(dd,1H),4.11(s,6H),3.77(s,3H)。
【0177】
実施例8:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−メトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0178】
【化30】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−メトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(0.47g)を初期装入物として8mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−15℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.62g)を2回に分けて滴下して加え、その混合物を2.5時間で10℃まで加熱する。それを0℃まで冷却し、1−メチル−1H−イミダゾール(0.24g)及びジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.35g)を添加する。その混合物を3時間かけて室温まで昇温させ、4時間、後撹拌し、48時間放置する。後処理のために、水を添加し、その混合物を撹拌する。固体を濾過し、希塩酸及び水で洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度91%の固体として得られる(0.52g、理論の39%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=417(87%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=7.68(d,1H),7.46(t,1H),7.23(t,1H),6.90(d,1H),4.11(s,6H),3.88(s,3H)。
【0179】
実施例9:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0180】
【化31】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(1.09g)を初期装入物として10mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、0℃まで冷却する。撹拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.89g)を内部温度0〜10℃で4回に分けて添加する。その混合物を15℃以下で1時間撹拌する。その混合物を氷浴中で再度冷却し、水を添加し、塩酸を用いてpHを2に調節し、相を分離させる。有機相を水で洗浄し、脱水し、蒸発させることにより濃縮する。これにより、標題化合物が、HPLC純度68%の固体として得られる(1.38g、理論の67%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=423(35%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=7.96(d,1H),7.32(dt,1H),7.03(dd,1H),4.12(s,6H)。
【0181】
実施例10:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1H−インドール−2−イル トリフルオロメタンスルホネートの調製
【0182】
【化32】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g)及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.82g)を初期装入物として10mLのジクロロメタンの中に導入し、窒素下、−10℃まで冷却する。撹拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.42g)を滴下して加え、その混合物を4.5時間で室温まで昇温させる。その混合物を15時間放置する。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.48g)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.94g)を添加し、その混合物を5時間撹拌し、希塩酸を用いてpH1−2に調節する。固体を濾過し、ジクロロメタン及び水で洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度88%の固体として得られる(0.45g、理論の28%)。紫外線吸収(360nmで最大値)によって生成物のO−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=423(52%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=11.4(s,広幅,1H),8.37(d,1H),7.31(dt,1H),7.24(dd,1H),4.06(s,6H)。
【0183】
実施例11(=比較例11):
3−フェニル−1H−インドール−2−イル 4−メチルベンゼンスルホネートの調製
【0184】
【化33】
3−フェニルオキシインドール(1.15g)、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.06g)及び炭酸ナトリウム(0.41g)を初期装入物として5.5mLの水と11mLのアセトンの中に導入し、予熱しておいた油浴の中で撹拌しながら80℃まで加熱する。20分間経過した後、5mLのアセトン及び1mLの水を添加し、その混合物をさらに30分間加熱する。その熱溶液を濾過し、固体を20mLの水/アセトン(1:1)及びメタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させる。これにより、HPLC純度98%の0.59gの生成物が得られる(理論の29%)。NMRによる構造解明によって、それがO−スルホニル化生成物であることが確認される。濾液から、HPLC純度40%の0.67gのさらなる生成物が単離され得る(理論の13%)。
LC−MS:M−H=362(87%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=10.94(s,1H),7.90−7.95(m,2H),7.83(d,1H),7.40−7.47(m,3H),7.35(t,1H),7.22−7.28(m,4H),7.20(t,1H),6.76(d,1H),2.33(s,3H)。
【0185】
実施例12:
1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0186】
【化34】
段階(a): 3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(5.0g)を初期装入物として225mLのアセトニトリルの中に導入し、水素化ナトリウム(0.73g、鉱油中60%)を添加し、その混合物を高粘度の懸濁液が形成されるまで、後撹拌する。ヨードメタン(7.0g)を添加した後、その混合物を60℃まで加熱し、60℃で11時間撹拌する。有機溶媒の大部分を減圧下で留去する。部分的に結晶質である残渣に2−プロパノールを添加し、生成物を濾過する。これにより、当該中間体が、HPLC純度93%の固体として得られる(3.46g、理論の64%)。その構造は、NMR分光法によって確認することができる。LC−MS:M+H=305(89%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=8.91(s,1H),6.95−7.03(m,2H),6.91−6.95(m,1H),4.02(s,6H),1.90(s,3H)。
【0187】
段階(b): 1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
変型A:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.50g)及び1−メチル−1H−イミダゾール(0.37g)を初期装入物として5mLのジクロロメタンの中に導入し、−20℃まで冷却する。撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(0.58g)を滴下して加え、その混合物を室温までゆっくりと昇温させる。その混合物を室温で3時間撹拌する。HPLC分析によって、出発物質(67%)、所望の生成物(25%)及びさらなる成分が検出される。その混合物を10mLの水に添加し、相を分離させ、その有機相を減圧下で蒸発させることにより濃縮する。残渣をクロマトグラフィーで精製し、生成物を未反応出発物質から分離させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度86%で得られる(0.16g、理論の22%)。2D−NMRを用いて、当該構造をN−スルホニル化化合物であると確認することができる。
LC−MS:M+H=419(85%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=7.10−7.25(m,3H),6.67(t,1H),4.02(s,6H),1.94(s,3H)。
【0188】
変型B:
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(5.0g)を40mLのジクロロメタンに懸濁させる。1−メチル−1H−イミダゾール(6.47g)及び1,4−ジメチルピペラジン(1.78g)を添加し、その溶液を、窒素下で、45℃で30分間撹拌する。その反応混合物を0℃まで冷却し、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(11.9g)を20mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を30分間かけて滴下して加え、その添加中は、温度を0℃に維持する。その混合物を、0℃で1時間、後撹拌する。200mLのジクロロメタンを添加した後、その有機相を200mLの塩酸(2%)及び水で洗浄する。その有機相に、100mLのアセトニトリル及び数滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、200mLの水酸化カリウム水溶液(3%)での洗浄と水での洗浄を交互に数回実施する。溶媒の大部分を減圧下で留去する。その残渣を50mLのトルエンに溶解させ、水で3回洗浄する。溶媒を減圧下で留去する。これにより、標題化合物が、HPLC純度93%で得られる(4.06g、理論の58%)。
【0189】
その生成物のNMRシグナルは、変型Aで得られた生成物のシグナルと一致する。
【0190】
実施例13(=比較例13):
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1H−インドール−2−イル 4−メチルベンゼンスルホネートの調製
【0191】
【化35】
3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.15g)、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.06g)及び炭酸ナトリウム(0.41g)を初期装入物として5.5mLの水と11mLのアセトンの中に導入し、予熱しておいた油浴の中で撹拌しながら80℃まで加熱する。45分間経過した後、その熱溶液を濾過し、固体を20mLの水/アセトン(1:1)及びメタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させる。これにより、0.76gの生成物がHPLC純度97%で得られる(理論の42%)。NMRによる構造解明によって、それがO−スルホニル化生成物であることが確認される。濾液から、HPLC純度89%の0.41gのさらなる生成物が単離され得る(理論の21%)。
LC−MS:M−H=443(95%);
1H−NMR(400MHz,DMSO−D
6):δ(ppm)=13.33(s,1H),8.12(d,1H),7.64(d,2H),7.30(d,2H),7.10−7.22(m,2H),3.97(s,6H),2.33(s,3H)。
【0192】
実施例14:
7−クロロ−1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの調製
【0193】
【化36】
7−クロロ−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(6.0g)を初期装入物として150mLのジクロロメタンの中に導入する。1−メチル−1H−イミダゾール(6.3g)及び1,4−ジメチルピペラジン(4.4g)を添加し、その反応混合物を室温で1時間撹拌する。その混合物を、窒素下、−60℃まで冷却し、撹拌しながら、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(14.4g)をゆっくりと滴下して加え、その添加中は、温度を−50℃未満に維持する。その混合物を−15℃まで加熱し、ときどき撹拌しながらその温度で2日間維持する。後処理のために、50mLの水を添加し、有機溶媒の大部分を減圧下で留去する。残渣を濾過し、水で洗浄し、100mLの2−プロパノールの中に入れ、1時間、後撹拌し、濾過し、2−プロパノール及びメタノールで洗浄し、乾燥させる。これにより、標題化合物が、HPLC純度99%の固体として得られる(5.2g、理論の65%)。紫外線吸収(360nmで最大値)、及び、さらに、2D−NMRスペクトルによって、生成物のN−スルホニル化が確認される。
LC−MS:M+H=421(100%);
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ(ppm)=12.53(s,1H),7.95(dd,1H),7.13−7.21(m,2H),6.96(t,1H),4.21(s,3H),4.16(s,3H)。