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特許5980825ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980825
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20160818BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20160818BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20160818BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H01L21/66 J
   G05B19/418 Z
   H01L21/02 Z
   G05B23/02 V
【請求項の数】24
【外国語出願】
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2014-40657(P2014-40657)
(22)【出願日】2014年3月3日
(62)【分割の表示】特願2013-15975(P2013-15975)の分割
【原出願日】2008年4月23日
(65)【公開番号】特開2014-140058(P2014-140058A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2014年4月1日
(31)【優先権主張番号】60/913,435
(32)【優先日】2007年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/107,346
(32)【優先日】2008年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502442049
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イジクソン・パベル
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アデル・マイク
(72)【発明者】
【氏名】ウィドマン・アマー
(72)【発明者】
【氏名】ドンサブ・チョイ
(72)【発明者】
【氏名】マーシェリ・アナト
【審査官】 井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−318560(JP,A)
【文献】 特開2004−214415(JP,A)
【文献】 特開2006−080541(JP,A)
【文献】 特表2006−512561(JP,A)
【文献】 特開平09−129528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G05B 19/418
G05B 23/02
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハーをパターンニングするための方法であって、
前記ウエハー上で測定を実施すること、
前記測定の結果に基づき前記ウエハーの変形をモデル化すること、
前記ウエハーの変形に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更すること、
前記変更後、第一のパターン化されたウエハーを製造するために、前記パターンニング・ツールを用いて前記ウエハーをパターンニングすること、
前記第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施すること、
前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更すること、
前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、第二のパターン化されたウエハーを製造するために、前記パターンニング・ツールを用いて第二のウエハーをパターンニングすること、
を備える、方法。
【請求項2】
前記測定実施することは、前記ウエハー上の全ての測定箇所で測定を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定の結果は、応力計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定結果は、形状計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記測定結果は、オーバーレイ計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記モデル化は、前記ウエハーが前記パターンニング・ツールのステージ上に配置された際の前記ウエハーの変形を見積もることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記モデル化は、前記ウエハー上の設計パターンの前記パターンニング上の変形の効果をシミュレートすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記更なる測定の結果は、焦点計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記更なる測定の結果は、ドーズ計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、同じロット内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、異なるロット内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ウエハーをパターンニングするために作動可能なシステムであって、
前記ウエハー上で測定を実施するように作動可能な測定ツールと、
前記測定の結果に基づき前記ウエハーの変形をモデル化し、
前記ウエハーの変形に基づきパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更する、
ように作動可能な一つまたは複数のプロセッサと、
第一のパターン化されたウエハーを製造するために前記パターンニング・プロセスの前記一つまたは複数のパラメタが変更された後に、前記パターンニング・プロセスを用いて前記ウエハーをパターンニングするように作動可能なパターンニング・ツールと、を備え、
前記測定ツールはさらに、前記第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施するように作動可能であり、
前記一つまたは複数のプロセッサはさらに、前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するように作動可能であり、
前記パターンニング・ツールはさらに、前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、第二のパターン化されたウエハーを製造するために、第二のウエハーをパターンニングするように作動可能である、
システム。
【請求項14】
前記測定実施することは、前記ウエハー上の全ての測定箇所で測定を行うことを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記測定の結果は、応力計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記測定結果は、形状計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記測定結果は、オーバーレイ計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記モデル化は、前記ウエハーが前記パターンニング・ツールのステージ上に配置された際の前記ウエハーの変形を見積もることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記モデル化は、前記ウエハー上の設計パターンの前記パターンニング上の変形の効果をシミュレートすることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記更なる測定の結果は、焦点計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記更なる測定の結果は、ドーズ計測データを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、同じロット内にある、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、異なるロット内にある、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権主張
本出願は、「ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステム」と称される2007年4月23日に申請された米国仮出願番号60/913,435号への優先権を主張するものであり、当該米国仮出願はここに詳述された参照文献として取り扱われる。
【0002】
本発明は、一般に、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステムに関する。ある実施態様は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施し、測定結果に基づき、プロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームに 関するパラメタを決定することに関する。
【0003】
以下の記述と例は先行技術の全てを包括するものでは無い。
論理素子もしくはメモリ素子などの半導体素子の製造は、一般に、半導体ウエハーなどの検査サンプルを数多くの半導体製造プロセスを用いて処理し、半導体素子の多様な特徴と多様性を付与することを含む。例えば、リソグラフィーは、通常、半導体ウエハー上のレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。更に、他の半導体製造プロセスとしては、以下に限定されるものではないが、化学機械研磨、エッチング、成膜、イオン注入などがある。複数の半導体素子はウエハー上に配列された形態で製造され、その後、個々の半導体素子に分離され得る。
【0004】
プロセスを監視し、制御するために、半導体製造プロセスの最中の様々な段階で、計測プロセスが使用される。例えば、計測プロセスは、プロセスの最中にウエハー上に形成された特徴の寸法など(例えば、線幅、厚さなど)のウエハーのひとつまたは複数の特徴を測定するために使用され、一つまたは複数の特徴よりプロセスのパフォーマンスが決定できる。更に、ウエハーの一つまたは複数の特徴を容認できない場合(例えば、特徴が予め設定された範囲の外側にある場合)、ウエハーの一つまたは複数の特徴の測定は、プロセスにより更に製造されるウエハーが許容できる特徴を有するように、プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更するために使用可能である。
【0005】
また計測は、ウエハー上に生成された膜の応力の測定に使用されている。ダイ収率を改善する努力は、個々のプロセス・ステップでの応力を管理限界以下に維持することで、ウエハーの全体的応力を最小化することに注力がなされている。全体的応力を監視するために、広域応力測定に関する様々な方法が開発されている。一つの方法は、プロセス前のウエハーの形状を測定し、そして、プロセス後に形状測定を繰り返すことを含む。ウエハーに亘り、応力と膜圧が適度に一様であり、ウエハーの形状変化が、ウエハーの厚さに対して大きくない場合、Stonyの方程式を用いて、膜応力を計算できる。
【0006】
プロセス監視と制御アプリケーションのために、ウエハーの一つまたは複数の特徴を測定するための計測プロセスとツールを用いることには幾つかの不都合がある。例えば、多くの計測ツールは比較的遅く、検査システムに比較した場合、特に顕著である。従って、計測プロセスは、ウエハー上の一箇所または比較的限られた箇所でしばし実施され、どちらかといえば一時しのぎの方法として計測の結果が収集される場合がある。このように、製造工程のスループットを大幅に減少すること無しに、十分な計測結果を提供するには、測定されるウエハーとウエハー上で実施される測定を慎重に選択しなくてはならない。測定されるウエハーとウエハーごとに実施される測定の数は、一般に、計測プロセスの「サンプリング」と呼称される。
【0007】
標準の計測プロセスに於いて、サンプリングは、層ごとに一度選択される場合もあれば、或いは、製造工場(あるいはファブ)ごとに一度選択される場合もあるが、サンプリングは全く変更されない。このように、製造プロセスの変化と変更に対するサンプリングの非感受性のために、これらのプロセスは不都合である。特に、低い変化を有する製造プロセスと高い変化を有する製造プロセスに同じサンプリング率が用いられる。従って、製造プロセスの変動に対して計測プロセスのサンプリング感度を改善する方法とシステムが幾つか開発されている。
【0008】
計測プロセスのサンプリングの変更に関する方法とシステムの例が、Pasadyn等に授与された米国特許6,442,496号、Sonderman等により出願された米国特許出願2004/0121495号、Sonderman等によるWO2004/061938号に記載されており、これらはここに詳述された参照文献として取り扱われる。これら刊行物に記載される方法とシステムに於いて、計測プロセスの現行の結果が、あるモデルにより予測された結果と異なり、サンプリング率の変更を行う決定がなされた場合に、ダイナミック・サンプリングが実施される。特に、これらの方法とシステムは、製造モデルにより決定される予想結果と、製造された半導体ウエハー上での測定間の偏差量を決定する。偏差量が高い場合、方法とシステムは製造プロセスの精度が低いことを仮定し、製造プロセスの実際の結果をより正確に反映する製造データを取得するために、サンプリング率が増やされる。サンプリング率は、より多くの製造データを取得することは、製造データの精度を改善し、そして製造データの精度が実際の製造プロセス結果をより反映する場合、製造ツールへの制御入力パラメタを変更するために用いられるモデル・エラーの計算はより正確になるという仮定に基づき、このように変更される。
【0009】
しかしながら、これら刊行物に記載される方法とシステムは、モデルの使用に起因するよる問題点がある。特に、サンプリング率を変更する決定は、モデルの出力と製造ウエハー上の測定結果の差に基づく。従って、モデルに誤りがあった場合、これらの誤りは過度 のサンプリングまたは過少のサンプリングにつながる。過度のサンプリングそして過少のサンプリングは共に好ましくない。特に、製造ウエハーの不必要な過度のサンプリングは、製造プロセスの低いスループットをもたらし、一方で、ウエハーの過少のサンプリングは、実質的に不正確なプロセス監視と制御、そして製造プロセスの収率低下をもたらす。
【0010】
従って、ウエハー上で実施される製造プロセスのスループットを改善し(または少なくとも維持し)、プロセス監視と制御の精度を改善し、そして製造プロセスの収率を改善するために使用可能である、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステムを開発することが望まれる。
【発明の概要】
【0011】
以下に記される様々な方法の実施態様は、本発明に係る請求項をいかなる条件に於いても制約するものでは無い。
【0012】
本発明は、実行中にウエハー上で測定が実施されるプロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームを生成するための方法に関する。この方法の一実施態様は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。また本方法は、測定結果に基づきプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームに関する最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、および閾値を決定することを含む。閾値は、プロセスのために使用されるべき、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームにおける測定の値に対応する。
【0013】
一実施態様に於いて、全ての測定箇所は、ウエハー上の全てのフィールド、ウエハー上の全てのターゲット、またはウエハー上の全てのフィールドと全てのターゲットを含む。他の実施態様に於いて、本方法は、方法を予め定められた間隔で実施することを含む。追加の実施態様に於いて、測定結果は、測定の変動に関する情報を含む。更なる実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームが、ウエハー上で一つまたは複数の他のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報と組み合わせた測定結果に基づき決定される。
【0014】
一実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームは、プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかを含む。他の実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームは、プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかと、測定中に他のウエハーの個々に実施されるべきである測定の一つまたは複数のパラメタを含む。
【0015】
一実施態様に於いて、本方法は、プロセス中に他のロット内の他のウエハー上で測定を実施することによりダイナミック・サンプリング・スキームを実施し、他のウエハー上で実施された測定値と閾値とを比較し、比較結果に基づき更なるロット内の更なるウエハー上で測定が実施される最中に、プロセスに関してどのサンプリング・スキームが使用されるべきかを決定することを含む。この一実施態様に於いて、本方法は、更なるウエハー上での測定を実施する前に、プロセスを実施するように設定されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。他の実施態様に於いて、プロセスは計測プロセスを含む。
【0016】
他の実施態様は、実行中にウエハー上で測定が実施されるプロセスのためのサンプリング・スキームをダイナミックに選択するするための方法に関する。本方法は、最適なサンプリング・スキームを用いて、少なくとも一つのロット内の少なくとも一つのウエハー上で測定を実施することを含む。また本方法は、測定値を、最適なサンプリング・スキームの代わりに、測定に関して強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームが使用されるべき測定値に対応する閾値と比較することを含む。更に、本方法は、比較結果に基づき、実行中に、少なくとも一つの更なるロット内の少なくとも一つの更なるウエハー上で測定が実施されるべきプロセスのための最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームを選択することを含む。
【0017】
一実施態様に於いて、本方法は、少なくとも一つの更なるウエハー上で測定を実施する前に、プロセスを実施するように設定されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。
【0018】
追加の実施態様は、実行中にウエハー上で測定が実施されるプロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定されたシステムに関する。本システムは、ウエハー上で測定を実施するように設定された測定ツールを備える。また本システムは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施するための測定ツールを制御するように設定された一つまたは複数のプロセッサを備える。また、一つまたは複数のプロセッサは、測定結果に基づきプロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームに関する最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、および閾値を決定するように設定される。閾値は、プロセスのために使用されるべき最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームにおける測定の値に対応する。
【0019】
一実施態様に於いて、全ての測定箇所は、ウエハー上の全てのフィールド、ウエハー上の全てのターゲット、またはウエハー上の全てのフィールドと全てのターゲットを含む。他の実施態様に於いて、システムは、予め定められた間隔でダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定されている。追加の実施態様に於いて、測定結果は、測定の変動に関する情報を含む。更なる実施態様に於いて、一つまたは複数のプロセッサは、ウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報と組み合わせた測定結果に基づき、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームを決定するように設定される。
【0020】
一実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームは、プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかを含む。他の実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームが、プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかと、測定中に他のウエハーの個々に実施されるべきである測定の一つまたは複数のパラメタを含む。
【0021】
一実施態様に於いて、一つまたは複数のプロセッサは、他のロット内の他のウエハー上で測定された値を閾値とを比較し、比較結果に基づき更なるロット内の更なるウエハー上で測定が実施される最中に、プロセスに関してどのサンプリング・スキームが使用されるべきであるかを決定することにより、ダイナミック・サンプリング・スキームを実施するように設定される。係る一実施態様に於いて、測定ツールが更なるウエハー上でのプロセスを実施する前に、一つまたは複数のプロセッサは、測定ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するように設定される。他の実施態様に於いて、測定ツールは、計測ツールとして設定される。上に記載されるシステムの個々の実施態様は、ここに記載される如く更に設定可能である。
【0022】
更なる実施態様は、測定プロセス中にウエハーのサンプリングを行うための方法に関する。本方法は、測定プロセスに関する複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。また本方法は、ウエハーに関する複数のサンプリング・スキームの一つをトリガーすることを含む。更に、本方法は、トリガーされたサンプリング・スキームを用いる測定プロセス中に測定がウエハー上で実施されるようにトリガーされたサンプリング・スキームを起動することを含む。
【0023】
一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。この一実施態様に於いて、設計ステップは、全てのウエハー上の上で測定された結果に基づき、最適なサンプリング・スキーム、測定に関して強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームを決定することを含む。更に、この一実施態様は、測定結果に基づき、最適なサンプリング・スキーム、測定に関して強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームをトリガーするために使用される閾値を決定することを含む。
【0024】
一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果に基づき複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。この一実施態様に於いて、トリガーされたサンプリング・スキームが起動されたウエハーは、少なくとも一つのロット以外の一つのロット内にある。この他の実施態様に於いて、測定結果は生の測定データを含み、更に方法は、生の測定データに基づき複数のサンプリング・スキームを設計する前に絶対値または回帰フィルタを生の測定データに適用することを含む。
【0025】
幾つかの実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果、および全てのウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報、に基づき複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。他の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果、および全てのウエハー上で実施された一つまたは複数のプロセスに関するプロセスツールの履歴データ(履歴的プロセスツールデータ)、に基づき複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。追加の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、最適化基準と測定プロセスの一つまたは複数の外部制約に基づき複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。
【0026】
一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、トリガーリングに使用されるべき直接的な閾値を決定することを含む。他の実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定された結果と直接的な閾値とを比較することにより起動される。追加の実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果の統計的特性と直接的な閾値とを比較することにより起動される。更なる実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、プロセスツールの履歴データと直接的な閾値とを比較することにより起動される。幾つかの実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、一つまたは複数の計測ツール、または一つまたは複数のプロセス・ツールからのデータと直接的な閾値とを比較することにより起動される。
【0027】
一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、トリガーリング・ステップに使用されるべき間接的な閾値を決定することを含む。他の実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、時間データと間接的な閾値とを比較することにより起動される。追加の実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、プロセス・ツール品質管理データと間接的な閾値とを比較することにより起動される。更なる実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、生産フロアまたは材料計画データと間接的な閾値とを比較することにより起動される。
【0028】
幾つかの材料とプロセスセスは、ウエハー内で極めて不均一な応力の原因となり得ることが見出されている。これらの材料とプロセスセスに関しては、上記の広域の応力を監視するための方法は、不均一な応力を正確に決定するには適切ではない。不均一な応力の正確な測定の欠如は、初期のパターンに対する一パターンが配列が良好でないウエハーの幾つかの領域で低いダイ収率につながる場合がある。従って、ウエハー上の不均一な応力を明らかにする方法とシステムが必要である。
【0029】
ウエハー上の設計パターンを印刷するために使用されるパターンニング・プロセスへの修正を行うために、ウエハーに関する高次の応力またはトポグラフィー計測結果を用いる実施態様が提供され、それ故、このプロセスの収率を改善する。ここに記載される実施態様は、重要なプロセスでウエハーの応力、及び/または、トポグラフィーを、現行技術と比較してより詳細(空間解像度)に、測定するために使用可能である。本測定は、ウエハーの変形がパターンニング・ステップにどのように影響を与えるかを決定するためのモデルへの入力であり得る。また本モデルは、プロセスへの高次の修正を決定し、これは、パターンニング・ステップの前、或いは最中に露出、或いはパターンニング・システムがリアルタイムの調節を実施できるように、露出、或いはパターンニング・システムへのフィード・フォーワード・ループへ提供可能である。
【0030】
ここに記載される実施態様は、上記方法とシステムとは異なる。なぜなら露出システムは、パターンニング・ステップに備えてウエハー上で計測を実施するために利用できる時間に比較的大きな制約を有するためである。これらの時間的制約のために、その場の計測プロセスは、次のパターンニング・ステップ中に高次の焦点とオーバーレイ修正を可能にする応力ならびに変形計測に関する比較的高い密度のサンプリングを含まない。ここに記載される実施態様は、幾つかの利点を提供する。例えば、リソグラフィー露出システム(例えば、スキャナー)は極めて高価であり得る。例えば、193nm液浸スキャナーは約3000万ドルであり得る。ここに記載される実施態様は、露出システムの効率改善に使用可能であるため、ここに記載される実施態様は、露出システムのユーザに比較的高価値となり得る。
【0031】
一実施態様は、ウエハーをパターンニングするための方法に関する。本方法は、ウエハー上で測定を実施することを含む。また本方法は、測定結果に基づきウエハーの変形をモデル化することを含む。更に、本方法は、ウエハーの変形に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。更に本方法は、変更ステップの後、第一のパターン化されたウエハーを製造するために、パターンニング・ツールを用いてウエハーをパターンニングすることを含む。
【0032】
一実施態様に於いて、測定の実施は、ウエハー上の全ての測定箇所で測定を行うことを含む。他の実施態様に於いて、測定結果は、応力計測データを含む。追加の実施態様に於いて、測定結果は、形状計測データ計測データを含む。更なる実施態様に於いて、測定結果は、オーバーレイ計測データ計測データを含む。
【0033】
一実施態様に於いて、ウエハー変形のモデリングは、ウエハーがパターンニング・ツールのステージ上に配置された際のウエハーの変形を見積もることを含む。他の実施態様に於いて、ウエハー変形のモデリングは、ウエハー上の設計パターンのパターンニング上の変形効果をシミュレートすることを含む。
【0034】
一実施態様に於いて、本方法は、第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施すること、更なる測定の結果に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更すること、更なる測定の結果に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、第二のパターン化されたウエハーを製造するために、パターンニング・ツールを用いて第二のウエハーをパターンニングすることを含む。この一実施態様に於いて、更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む。この他の実施態様に於いて、更なる測定の結果は、焦点計測データを含む。追加の実施態様に於いて、更なる測定の結果は、ドーズ計測データを含む。
【0035】
一実施態様に於いて、第一と第二のパターン化されたウエハーは同じロット内にある。他の実施態様に於いて、第一と第二のパターン化されたウエハーは異なるロット内にある。
【0036】
他の実施態様は、ウエハーをパターンニングするために作動可能なシステムに関する。本システムは、ウエハー上で測定を実施するように作動可能な測定ツールを備える。また本システムは、測定の結果に基づきウエハーの変形をモデル化するように作動可能な一つまたは複数のプロセッサを備える。一つまたは複数のプロセッサは、ウエハーの変形に基づきパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更するように作動可能である。更に、本システムは、第一のパターン化されたウエハーを製造するためにパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタが変更された後に、パターンニング・プロセスを用いてウエハーをパターンニングするように作動可能なパターンニング・ツールを備える。上記システムの実施態様は、本明細書に記載されているように更に構成可能である。
【0037】
上記各方法における個々のステップは、本明細書記載されているように実施可能である。更に、上記方法の個々の実施態様は、本明細書に記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得る。更に、上記方法の各実施態様は、本明細書に記載される任意のシステムを用いて実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の更なる利点は、以下の好ましい実施態様の詳細な記述と添付された図を参照することで、この分野に精通した者にとって明らかになるであろう。
図1】ウエハーとその上に形成されたフィールドの一例の上面図を示す概略的なダイアグラムである。
図2】ウエハー上に形成されたフィールドとその内部に形成されたターゲットの一例の上面図を示す概略的なダイアグラムである。
図3】本願に記載される実施態様により生成されるダイナミック・サンプリング・スキームの一実施態様を示す概略的なダイアグラムである。
図4】ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定されたシステムの一実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。
図5】ウエハー上で測定を実施するように設定された測定ツールの一実施態様の側面図を示す概略的なダイアグラムである。
図6】様々な方法の実施態様を示すフローチャートである。
図7】様々な方法の実施態様を示すフローチャートである。
図8】ウエハーをパターンニングするように作動可能なシステムの一実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。
【0039】
本発明は様々な修正と変更が可能であるが、図を用いることで特定の実施態様が示され、ここに詳細に記述される。図は、原寸に比例していない場合がある。しかしながら、ここに示される図と特定の記述は発明を開示された特定の形式に制限することを意図したものでなく、逆に、添付された請求項により定義される本発明の精神と展望の範囲内で全ての修正、同等物、変更を網羅することを意図したものである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書中に用いらるように、用語「ウエハー」は一般に半導体材料または非半導体材料を意味する。半導体材料または非半導体材料の材料の例としては、以下に限定されないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどがある。これらの基板は半導体製造工場で一般に見出され、及び/または、処理されるものである。
【0041】
ウエハーは基板上に形成された一つまたは複数の層を含み得る。例えば、係る層として、以下に限定されないが、レジスト、誘電体材料、導電材料などがある。本分野に於いて、このような層の多くの種類が知られており、ここで用いられた用語「ウエハー」はそのような層のあらゆる種を有するウエハーを包含することを意図している。
【0042】
ウエハー上に形成された一つまたは複数の層をパターンニング可能である。例えば、ウエハーは複数のダイを有し、個々のダイは繰り返されるパターンの特徴を有する。このような材料の層を形成しプロセスすることは、完成された素子を最終的にもたらし得る。ウエハー上には多くの異なる種類の素子を形成可能であり、用語ウエハーは、この分野において公知の任意の素子が製造されたウエハーを包含することを意図している。
【0043】
図に関しては、ここに記される図は、原寸にて記載されていないことに留意されたい。特に、要素の特徴を強調するために、図の要素の幾つかの寸法は大きく誇張されている。また、複数の図は同じ縮尺で描かれていないことに留意されたい。複数の図に亘り示される要素は、同じ符号を用いて同様に示される場合がある。
【0044】
一実施態様は、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成するための方法に関する。一実施態様に於いて、プロセスは、計測プロセスを含む。このようにして、本方法は、計測プロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを含み得る。計測プロセスは、ここに更に記載される任意の測定を含み得る。また、計測プロセスは一つまたは複数の異なる測定を含み得る。更に、計測プロセスは、この分野で公知の任意の他の適切な計測プロセスを含み得る。更に、計測プロセスの前に、ウエハー上で実施される製造プロセスに応じて、計測プロセスは変化可能である。例えば、異なる計測プロセスが、異なる製造プロセスの監視と制御に適切な異なる特徴を測定するために適切であり得る。このようにして、ダイナミック・サンプリング・スキームの生成方法を実施する以前に、製造プロセスを用いてウエハーをプロセス可能である。ウエハー上で実施される製造プロセスは、この分野で公知の任意の製造プロセスを含み得る。このように、ここに記載される方法は、任意の製造プロセスの監視と制御に使用される任意の計測プロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームの生成に使用可能である。
【0045】
計測プロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームは、以下の個々のパラメタ、或いはそれらの幾つかの組み合わせを含み得る。サンプル・ロットの頻度、ウエハーの数、ウエハーの数字表記、フィールド数、ウエハー上のフィールド位置、個々のフィールド内のサイト数、フィールド内のサイト位置、計測ターゲットの種類、或いは測定アルゴリズム。ダイナミック・サンプリング・スキームに応じたウエハーのサンプリング方法は、複数のサンプリング・スキームを設計し、サンプリング・スキームをトリガーし、トリガーされたサンプリング・スキームを起動するステップを含み得る。これら個々のステップは、ここに更に記載される如く実施可能である。
【0046】
本方法は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。このステップは、ここで、「全知サンプリング」と呼ばれる。ウエハーの「ロット」は、ここで一般に、グループとして集合的に処理される複数のウエハーとして、或いは、製造プロセスで順次処理される複数のウエハーとして定義される。一実施態様に於いて、全ての測定箇所は、ウエハー上の全てのフィールドを含む。例えば、図1に示す如く、ウエハー10は、該ウエハー上に形成されたフィールド12を有する。図1は、ウエハー10上のフィールド12の特定の数と配置を示すが、例えば、ウエハー上に形成されるデバイスに応じて、ウエハー上のフィールドの数と配置は変更可能である。ウエハー10上に形成された全てのフィールド12、そして少なくとも一つのロット内の他のウエハー上の全てのフィールドに関して、測定を実施可能である。例えば、少なくとも一つのロット内の全ウエハー上に形成されたフィールドあたり少なくとも一回の測定を実施可能である。測定は、フィールド内で形成されたデバイス構造上、及び/または、フィールド内で形成されたテスト構造上で、実施可能である。更に、個々のフィールドで実施される測定は、計測プロセス中に実施される全ての測定(例えば、一つまたは複数の異なる測定)を含み得る。
【0047】
他の実施態様に於いて、全ての測定箇所は、少なくとも一つのロット内のウエハー上の全てのターゲットを含む。例えば、図2に示す如く、ウエハー(図2には示されていない)上に形成されたフィールド14はターゲット16を含み得る。図2には、フィールド14内にターゲット16の特定の数と配置が示されているが、例えば、ウエハー上に形成されるデバイスに応じて、フィールド内のターゲットの数と配置は変更可能である。ターゲット16は、デバイス構造、及び/または、テスト構造を含み得る。この実施態様に於いて、従って、フィールド14内に形成された全てのターゲット16に関して測定を実施可能である。更に、フィールド14内に形成されたターゲット16あたり少なくとも一回の測定が実施可能である。また、本測定は、計測プロセス中に実施される全ての測定(例えば、一つまたは複数の異なる測定)を含み得る。
【0048】
追加の実施態様に於いて、全測定箇所は、少なくとも一つのロット内のウエハー上の全てのフィールドと全てのターゲットを含む。例えば、図1のウエハー10上に形成された個々のフィールド12は、図2に示すーゲット16の如き一つまたは複数のターゲットを含み得る。従って、少なくとも一つのロット内の個々のウエハー上に形成された個々のフィールド内の個々のターゲットに関して測定を実施可能である。
【0049】
一実施態様に於いて、全知サンプリング・ステップで実施される測定の結果は、測定の変動に関する情報を含む。測定の変動は、この分野で公知の任意の方法(例えば、標準偏差、変動量など)により決定可能である。測定の変動は、一般に、プロセスの変動またはプロセスの偏差(エクスカーション)を示すため、プロセスまたはプロセス・エクスカーションに応じて、全知サンプリング・ステップに於いて測定されるウエハーのロット数は変更可能である。このように、全知サンプリング・ステップに於いて、少なくとも一つのロットが測定されるが、サンプル化された個々のロットに関する測定結果に応じて、測定されるロット数は、三つのロット、四つのロット、五つのロットなどとなり得る。このようにして、全てのウエハーとウエハー上の全てのフィールド、及び/または、全てのターゲットが測定される幾つかのロット内の全知サンプリングにより、本方法は開始され、変動の原因が検討される。このステップで認識または決定される変動の原因は、以下に限定されないが、オーバーレイ変動、限界寸法(CD)変動、ウエハーの他の特徴の変動、ロット−ロット間の変動、ウエハー−ウエハー間の変動、フィールド−フィールド間の変動、サイド−サイド間の変動、統計源の変動、そしてこれらに類似したもの、またはこれらの組み合わせ、を含む任意の変動原因を含み得る。
【0050】
また本方法は、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして測定結果に基づきプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームに関する閾値を決定することを含む。一般に、強化されたサンプリング・スキームは、最適なサンプリング・スキームよりも高いサンプリングのためにあり、削減されたサンプリング・スキームは、最適なサンプリング・スキームよりも低いサンプリングのためにある。換言すれば、強化されたサンプリング・スキームは、最適なサンプリング・スキームよりも高いサンプリング率を有し、一方、削減されたサンプリング・スキームは、最適なサンプリング・スキームよりも低いサンプリング率を有する。このようにして、最適なサンプリング・スキームが決定可能であり、そして、最適なサンプリング・スキームより、強化されたサンプリング・スキームと削減されたサンプリング・スキームを決定可能である。例えば、製造プロセスが、CDに於けるサイド−サイド間の顕著な変動を示すが、CDに於けるウエハー−ウエハー間の顕著な変動を示さないことを測定結果が示す場合、最適なサンプリング・スキームは、ロット内の単に数個のウエハーの両面に於けるCD測定を多数含み得る。一方、製造プロセスが、オーバーレイに於けるウエハー−ウエハー間の顕著な変動を示すが、オーバーレイに於ける於ける顕著なサイド−サイド間の顕著な変動を示さないことを測定結果が示す場合、最適なサンプリング・スキームは、多数のウエハーの測定を含み得るが、個々のウエハーに亘っては、単に数個の測定とすることが可能である。上の両者の例に於いて、強化されたサンプリング・スキームと削減されたサンプリング・スキームは、最適なサンプリング・スキームに基づき決定可能である。
【0051】
閾値は、計測プロセスに関して、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームが用いられる測定値に対応する。例えば、図3に示す如く、閾値は、閾値1と閾値2を含み得る。閾値1は、計測プロセスに関して、削減されたサンプリング・スキームが用いられる測定値以下に対応する。閾値2は、計測プロセスに関して、強化されたサンプリング・スキームが用いられる測定値以上に対応する。図3に示す如く、閾値1と閾値2の間の測定値は、計測プロセスに関して、最適なサンプリング・スキームが用いられる測定値に対応する。
【0052】
閾値が対応し、閾値に比較される測定値は、測定の変動を含み得る。測定の変動は、この分野で公知の任意の方法(例えば、標準偏差、変動量など)により決定可能である。例えば、閾値は、CD、オーバーレイ、または任意の他の測定可能なウエハーの特徴の異なる変動値、ある値以上で最適なサンプリング・スキームの代わりに強化されたサンプリング・スキームが使用されるその値と、ある値以下で最適なサンプリング・スキームの代わりに削減されたサンプリング・スキームが使用される他の値に対応する場合がある。一例に於いて、閾値は、予め設定された百分率の変動に対応可能であり、該値上では強化されたサンプリング・スキームが使用される。このようにして、最適なサンプリング・スキームを用いてウエハーの1ロットに関して行われた測定が、ロット内で予め設定された百分率の変動(例えば、10%の変動、20%の変動など)を超える場合、強化されたサンプリング・スキームを更なるウエハーのロットで実施される測定プロセスに選択可能である。しかしながら、閾値に対応し、閾値に比較される測定値は、測定値自身である場合がある。例えば、閾値は、CD、オーバーレイ、または任意の他の測定可能なウエハーの特徴の異なる変動値、ある値以上で最適なサンプリング・スキームの代わりに強化されたサンプリング・スキームが使用されるその値と、ある値以下で最適なサンプリング・スキームの代わりに削減されたサンプリング・スキームが使用される他の値に対応する場合がある。
【0053】
測定値または測定の変動は、一般に、プロセス変動またはプロセス・エクスカーションを示すため、ダイナミック・サンプリング・スキームは、製造プロセスがどのように「振舞っている」かに基づき、サンプリング・スキームを調節可能である。特に、高い変動を示すプロセスに関しては、高いサンプリング率、または強化されたサンプリング・スキームが選択される。このようにして、高い変動を示すプロセスに関しては、ロットあたりより多くのウエハー、ウエハーあたりより多くの測定などが、強化されたサンプリング・スキームを選択することで実施可能である。一方で、低い変動を示すプロセスに関しては、低いサンプリング率、または削減されたサンプリング・スキームが選択される。このように、低い変動を示すプロセスに関しては、ロットあたりより少ないウエハー、ウエハーあたりより少ない測定などが、削減されたサンプリング・スキームを選択することで実施可能である。このようにして、本実施態様は、望ましくないパフォーマンス(例えば高い変動)を示しているプロセスに関して、より正確なプロセス制御と監視に使用可能であり、従って収率を改善する、改善された情報を供給するために使用可能であり、そして、望ましいパフォーマンス(例えば低い変動)を示しているプロセスに関して、プロセスに関して実施される測定数を削減し、従ってスループットを改善する、より少ない情報を供給するために使用可能であるため、ここに記載される本実施態様は有益である。
【0054】
従って、ここに記載される実施態様は、ここに記載される如く生成されるダイナミック・サンプリング・スキームは、製造プロセス変動またはエクスカーションに対してより敏感であるため、他のサンプリングに関する方法とシステムに比較してより有益である。特に、プロセス・エクスカーションが生じた場合、サンプリング・スキーム(またはサンプリング率)が調節される。更に、上に記載される如く、ダイナミック・サンプリング・スキームは、全知サンプリング内で実施される測定結果に基づき生成される。従って、また、ここに記載される全知サンプリングは、過去に用いられたモデルに比較してダイナミック・サンプリング・スキームの生成に関する多くの決定基準を提供するため、モデルを使用するダイナミック・サンプリングに関する現行の方法とシステムに対してより有益である。
【0055】
上述のように、異なるサンプリング・スキームと閾値が、全知サンプリングの結果より決定され得る。しかしながら、プロセス(すなわち、製造)・ツールからの情報を、全知サンプリングの結果に加えることが可能であり、閾値に加え、最適な、強化された、そして削減されたサンプリング・スキームを選択するために使用可能である。例えば、一実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームが、ウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報と組み合わせた測定結果に基づき決定される。一つまたは複数のツールは、この分野で公知の任意の製造ツール(例えば、リソグラフィー・ツール、エッチング・ツール、製膜ツール、イオン注入ツール、化学機械研磨(CMP)ツールなど)を含み得る。一つまたは複数の製造ツールからの情報は、製造ツールの品質測定法、製造ツールにより生成された任意の他の情報、または製造ツールから取得可能である任意の他の情報であり得る。従って、一つまたは複数の製造ツールからの情報は、全知サンプリング・ステップ中に測定されるウエハーの製造プロセス履歴を含み得る。一つまたは複数の製造ツールからの情報は、この分野で公知の任意の方法により取得可能である。例えば、情報は、一つまたは複数の製造ツールに接続されたプロセッサまたは記録ミディアムより直接取得可能である。或いは、情報は、一つまたは複数の製造ツールより間接的に取得可能である。例えば、一つまたは複数の製造ツールは、製造データベースなどのデータベースへ情報を送ることが可能であり、該情報は、係るデータベースまたは他の任意の適切な記録ミディアムより取得可能である。一つまたは複数の製造ツールからの情報は、この分野で公知の任意の適切なフォーマットとすることが可能である。
【0056】
ウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報を、ダイナミック・サンプリング・スキームを生成する全知サンプリングにより実施される測定結果に組み合わせて使用することには、数多くの利点がある。例えば、一つまたは複数のツールからの情報は、ウエハーの製造に使用されたプロセスが、プロセスに関するプロセス・ウインドウの範囲内で作動していたか、及び/または、プロセス・ウインドウの範囲内のどの位置でプロセスが作動していたかを決定するのに使用可能である。このようにして、一つまたは複数のツールからの情報は、全知サンプリングにより実施される測定結果が、通常のプロセス変動、通常のプロセス変動よりも低い変動、または通常のプロセス変動よりも高い変動を示すプロセスに関して予期される結果を示しているかを決定するのに使用可能である。従って、情報は、全知サンプリングにより実施される測定結果が、適切なサンプリング・スキーム(予想された、または「通常」のプロセス変動)、削減されたサンプリング・スキーム(通常のプロセス変動よりも低い変動)、強化されたサンプリング・スキーム(通常のプロセス変動よりも高い変動)のいずれかに対応しているかを決定し、閾値を適切に設定するのに使用可能である。
【0057】
また、全知サンプリングの最中に測定されるウエハーは、意図的に異なるパラメタを用いた製造ツールによりプロセスされたウエハーを含み得る。従って、全知サンプリング中に実施された測定結果の変動と、ウエハーが処理された製造ツールのパラメタを、閾値の決定に使用可能である。例えば、強化されたサンプリング・スキームと適切なサンプリング・スキームの間の閾値は、プロセス・ウインドウの端部または端部近傍でプロセスされたウエハー上で実施された測定結果に基づき決定可能である。他の例に於いて、削減されたサンプリング・スキームと適切なサンプリング・スキームの間の閾値は、プロセス・ウインドウの中央または中央近傍でプロセスされたウエハー上で実施された測定結果に基づき決定可能である。
【0058】
一実施態様に於いて、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームは、プロセス内で測定されるべき他のロット内の幾つかの他のウエハーを含む。ウエハーの数は、ロット内の任意の数のウエハー(例えば、一つのウエハーからロット内の全てのウエハーまで)とすることが可能である。更に、ウエハーの数は、ロット内でどのウエハーが測定されるべきであるかに関する他の情報無しに、単純に、測定されるべきウエハーの数とすることが可能である。或いは、ウエハーの数は、ロット内でプロセス(サンプリング)されるべきであるウエハーに加えたロット内のウエハーの数(例えば、ウエハーが収容されるポッドなどの容器のスロット1、3、5、7、9などの内にあるウエハー)とすることが可能である。測定されるウエハーの数の中に包含されるように選択されるウエハーの数は、測定以前にウエハー上で実施される製造プロセスに応じて変化し得る。例えば、単一ロット内のウエハーが、製造ツールの複数のプロセス室で処理される場合、測定されるウエハーの数の包含に関して選択されるウエハーは、全てのプロセス室内で処理される幾つかのウエハーを少なくとも含み得る。
【0059】
他の実施態様に於いて、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームは、プロセス内で測定されるべき他のロットからの幾つかの他のウエハーと、プロセス中に他の個々のウエハー上で実施されるべき測定の一つまたは複数のパラメタを含む。一つまたは複数の測定パラメタは、例えば、他の個々のウエハー上で実施されるべき幾つか測定を含み得る。更に、一つまたは複数の測定パラメタは、他の個々のウエハー上で実施されるべき測定箇所を含み得る。更に、一つまたは複数の測定パラメタは、測定に使用されるべき測定ツールの他の任意の可変パラメタの値を含み得る。これらの可変パラメタには、例えば、感度、倍率、測定が実施されるところの波長、測定が実施されるところの入射角、測定の実施に用いられる光の偏光などが含まれる。更に、プロセス中に他の個々のウエハー上で実施されるべき測定の一つまたは複数のパラメタは、一つのロット内のウエハー−ウエハー間、またはウエハーに亘る測定箇所−測定箇所に亘り変化するように選択可能である。
【0060】
一実施態様に於いて、本方法は、プロセス中に他のロット内の他のウエハー上で測定を実施することによりダイナミック・サンプリング・スキームを実施すること、他のウエハー上で実施される測定の値を閾値と比較すること、比較ステップの結果に基づき追加ロット内の追加ウエハー上で測定が実施される最中に、どのサンプリング・スキームがプロセスに使用されるべきかを決定することを含む。このようにして、ここに記載される如く、ひとたびダイナミック・サンプリング・スキームが決定されると、次のロットの測定が実施され、これら測定の結果が閾値に比較され得る。この比較に基づき、次のロットの測定に対応するサンプリングが選択される。
【0061】
例えば、本方法により、図3に示す如くダイナミック・サンプリング・スキームがひとたび生成されると、最適なサンプリング・スキームを用いて、他のロットの他のウエハー上で測定が実施され得る。これらの測定値は閾値と比較可能である。これらの測定値が閾値1と閾値2の間にある場合、次のウエハー上で実施される測定プロセスに関して、適切なサンプリング・スキームを使用可能である。これらの測定値が閾値1以下である場合、次のウエハー上で実施される測定プロセスに関して、削減されたサンプリング・スキームを選択可能である。一方、これらの測定値が閾値2以上である場合、次のウエハー上で実施される測定プロセスに関して、強化されたサンプリング・スキームを選択可能である。
【0062】
このようにして、測定プロセスのサンプリング・スキームは、フィードバック制御技術を用いて変更可能である。例えば、一実施態様に於いて、本方法は、更なるウエハー上での測定を実施する以前に、プロセスを実施するように設定されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。ツールは、ここに更に記載される如く設定可能である。ツールの一つまたは複数のパラメタは、この分野で公知の任意の方法で変更可能である。更に、一つまたは複数のパラメタは、ツールの任意の可変パラメタを含み得る。
【0063】
また、プロセスに関してダイナミック・サンプリング・スキームを生成するための方法は、予め設定された間隔をもって実施可能である。例えば、予め設定された間隔の後に、全知サンプリング・スキームを再度実施可能であり、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値を再度決定可能である。これら個々のステップは、ここに記載される如く実施可能である。このようにして、定期的に、全知サンプリングが再度適用され、サンプリングと閾値が調節される。このように、ダイナミック・サンプリング・スキームは、定期的に再生成または更新可能である。
【0064】
適切な予め設定された間隔は、一週間に一度、二週間に一度、または、ユーザにより決定もしくは選択され得る同様なものとすることが可能である。或いは、予め設定された間隔は、全知サンプリングの結果に応じて変化し得る。例えば、異なる全知サンプリング・ステップの結果に於ける比較的大きな変動は、プロセスが比較的不安定であることを示唆可能である。従って、全知サンプリング・ステップを、異なる全知サンプリングの結果に於ける比較的小さな変動を示すプロセスに関するよりも、より頻繁に実施可能である。予め設定された間隔は、ここに記載される実施態様に記載される方法により(例えば、全知サンプリングの結果に基づき自動的に(またはユーザの介入無しに))変更可能である。
【0065】
更に、全知サンプリングの結果に基づき比較的短い期間(例えば、一日に一度、または一日に二度)となるように予め設定された間隔は、オペレータ、エンジニアによる調節、訂正、維持、または他のアクションを必要とする極めて不安定なプロセスを示す場合がある。このようにして、異なる予め設定された間隔で全知サンプリングを実施する前に、異なる予め設定された間隔を閾値に設定可能である。予め設定された間隔が閾値よりも短い場合、ここに記載される実施態様は、調節、訂正、保守、及び/または、他のアクションが必要であるかを決定するために、オペレータ、またはエンジニアにより評価されるべきプロセスを示す出力を生成可能である。出力は、オペレータ、またはエンジニアにより検知可能なアラームといった任意の適切な出力とすることが可能である。
【0066】
上に記載されるダイナミック・サンプリング・スキームを生成する方法の実施態様は、ここに記載される他の任意のステップを含み得る。更に、上に記載されるダイナミック・サンプリング・スキームを生成する方法の実施態様は、ここに記載される任意のシステム実施態様により実施可能である。
【0067】
上に記載される如く、幾つかの実施態様は、ダイナミック・サンプリング・スキームを生成することを含む。しかしながら、他の実施態様は、ダイナミック・サンプリング・スキームを生成することを必ずしも含まない。例えば、ダイナミック・サンプリング・スキームを生成し、ダイナミック・サンプリング・スキームを実施するために異なる方法を使用可能である。係る一実施態様に於いて、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するサンプリング・スキームをダイナミックに選択する方法は、適切なサンプリング・スキームを用いて、少なくとも一つのロット内の少なくとも一つのウエハー上で測定を実施することを含む。適切なサンプリング・スキームは上に記載される如く決定可能である。従って、上に記載される如くダイナミック・サンプリング・スキームが生成された後、適切なサンプリング・スキームを用いて計測プロセスが最初に実施される。測定は、ここに記載される任意の測定とすることが可能である。
【0068】
また、本方法は、測定値を、適切なサンプリング・スキームの代わりに、強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームがプロセスに関して用いられる測定値に対応する閾値に比較することを含む。このステップに於いて値を比較することは、ここに記載される如く実施可能である。更に、この実施態様は、比較ステップの結果に基づき、少なくとも一つの更なるロット内の少なくとも一つの更なるウエハー上で実施されるべき測定中のプロセスに関して、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームを選択することを含む。この選択ステップは、ここに記載される如く実施可能である。幾つかの実施態様に於いて、この実施態様は、少なくとも一つの更なるウエハー上での測定に先立ち、プロセスを実施するように設定されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。ツールの一つまたは複数のパラメタを変更することは、ここに記載される如く実施可能である。
【0069】
上に記載されるサンプリング・スキームをダイナミックに選択する方法の実施態様は、ここに記載される任意の他のステップを含み得る。更に、上に記載されるサンプリング・スキームをダイナミックに選択する方法の実施態様は、ここに記載される任意のシステム実施態様により実施可能である。更に、これらの方法実施態様は、ここに記載される他の実施態様の全ての利点を有する。
【0070】
他の実施態様は、測定プロセス中のウエハーのサンプリング方法に関する。測定プロセスは、ここに記載される任意の測定プロセスを含み得る。本方法は、測定プロセスに関して、複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。係る測定は、ここに記載される如く実施可能である。ここに更に記載される実施態様で使用される係る測定結果は、ここに記載される任意の係る測定の任意の結果を含み得る。全てのウエハー上の全ての測定箇所は、ここに記載される任意の測定箇所を含み得る。
【0071】
係る一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、全てのウエハー上で実施される測定結果に基づき、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームを決定することを含む。適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームを決定することは、ここに記載される如く実施可能である。更に、係る一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、測定の結果に基づき、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームをトリガーするために用いられる閾値を決定することを含む。このようにして閾値を決定することは、ここに記載される任意の実施態様に応じて実施可能である。ここに更に記載される如く、ウエハーに関する適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームをトリガーするために、閾値を使用可能である。
【0072】
幾つかの実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施される測定結果、生の測定データを含む測定結果、そして生の測定データに基づき複数のサンプリング・スキームを設計する以前に、生の測定データに対し絶対値または回帰フィルタを適用する方法に基づき複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。このようにして、複数のサンプリング・スキームを設計することは、ウエハー上で測定を実施することで取得された生の測定データに基づくことが可能である。本測定は、ここに記載される如くこの実施態様に於いて実施可能である。測定が実施される全ての測定箇所は、ここに記載される任意の測定箇所を含み得る。更に、生の測定データは、任意の検知器、センサー、そして測定の実施に用いられる測定ツールの類似物により生成された出力を含み得る。生の測定データは、ここに記載される測定を実施するために使用可能な任意の測定ツールにより生成され得る任意の出力を含み得る。このようにして、複数のサンプリング・スキームを設計するために生の測定データを解析する場合、複数のサンプリング・スキームを設計するために係るデータを用いる前に、(例えば、生の測定データ内の異常値を取り除き、従って、データ内の明らかなエラーを除去する、及び/または、データをスムース化するために)フィルタをデータに適用可能である。フィルタは、絶対値フィルタ、回帰フィルタ、またはこの分野で公知の任意の適切な統計的フィルタとすることができる。フィルタは、任意の適切な方法で生の測定データに適用可能である。
【0073】
ここに記載される如く、複数のサンプリング・スキームを設計することは、測定の結果に基づくことが可能である。しかしながら、複数のサンプリング・スキームを設計することは、測定の結果とは別の、または測定結果に更に追加された情報に基づくことが可能である。例えば、一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果に基づき、そして全てのウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報に基づき、複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。ウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールは、ここに記載される任意のツール(例えば、製造またはプロセス・ツール)を含み得る。複数のサンプリング・スキームは、ここに記載される如く、このようにして設計可能である。同様にして、複数のサンプリング・スキームは、ウエハー上で実施された一つまたは複数の他の測定からの情報(例えば、結果)に加え、係る測定結果に基づき、設計可能である。また、サンプリング・スキームを設計することは、任意のこのようなタイプのデータの統計的分析を実施することを含み得る。
【0074】
他の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施された測定結果に基づき、そして全てのウエハー上で実施された一つまたは複数のプロセスに関する履歴的プロセス制御データに基づき、複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。履歴的プロセス制御データは、計測ツール、または、あるプロセスに関する任意の他の測定ツールで測定された履歴的プロセス制御データを含み得る。このようにして、複数のサンプリング・スキームは、同様のプロセスを用いてプロセスされた類似のウエハーに関する任意の、或いは、全ての他の利用可能な計測の結果に加えた特定のウエハー・ロットに関する全知サンプリングの結果に基づき、設計可能である。更に、履歴的プロセス制御データは、ウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のプロセス・ツールの履歴的プロセス制御に関する任意の他のデータを含み得る。この履歴的プロセス制御データは、例えば、プロセス制御を目的としてプロセス・ツールの一つまたは複数のパラメタが、どのように、そして、いつ変更されたかに関する情報を含み得る。また、サンプリング・スキームを設計することは、任意のこのようなタイプのデータの統計的分析を実施することを含み得る。サンプリング・スキームは、ここに記載される如く、このようにして設計可能である。
【0075】
更なる実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、最適化基準と測定プロセスの外部にある一つまたは複数の制約に基づき、複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。例えば、複数のサンプリング・スキームを設計することは、統計的最適化方法を含み得る。最適化方法は、ウエハー配列の設計(例えば、設計がウエハー上に印刷された、または印刷される配列または空間的配置)、イントラ−フィールド・ターゲットの配列(例えば、ターゲットがウエハー上のフィールド内に印刷された、または印刷される空間的配置または配列)、ツール、そしてプロセスに於ける制約などの外部制約をモデル化し、分析することを含み得る。例えば、スキャナーの制約は、モデル化、そして分析可能である。また、統計的最適化方法は、外部の制約を満たしつつ、ウエハーのサンプリングを最適化するサンプリング・スキームを決定するために最適化基準を適用することを含み得る。係る一例に於いて、リソグラフィー・プロセスなどの製造プロセス中に測定プロセスが(例えば、その場で)実施される場合、測定プロセスが実施される間のプロセス・ステップ間の最大許容遅延を、許容時間内で実施可能なウエハーの適切なサンプリングを決定するのに使用可能である。同様にして、製造プロセスのプロセス・ステップ中に測定プロセスが実施される場合、プロセス・ステップが実施される時間は、測定に関する最大許容時間として使用可能であり、そして最大許容時間に基づき適切なサンプリングが決定可能である。
【0076】
複数のサンプリング・スキームを設計することは、サンプリング・スキームをトリガリングするために直接的、或いは間接的に作動可能な閾値を決定することを含み得る。例えば、幾つかの実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、トリガーリング・ステップに関して用いられる直接的な閾値を決定することを含む。直接的な閾値は、プロセスされたウエハー、ウエハー上で実施された一つまたは複数のプロセス、またはプロセスされたウエハーを測定した一つまたは複数の計測ツールに関連したデータに関する値に対応する閾値である。例えば、直接的な閾値は、特定のロットに関する測定データ、またはロットのポピュレーション測定データより決定される値に対応する閾値であり得る。また、直接的な閾値は、プロセスされたウエハー関する生の測定データの値、測定ポピュレーションの統計的特性、または履歴的データで実施された統計的規則に対応する閾値を含み得る。更に、直接的な閾値は、ロットをプロセスしたプロセスまたは、ロットを測定した測定ツールからのデータの値に対応する閾値を含み得る。更に、ここに掲げられ、そして記載された直接的な閾値は包括的なものではなく、本方法の実施態様に於いて使用される閾値は、ここに記載される閾値の任意の組み合わせとすることが可能である。
【0077】
他の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、トリガーリング・ステップに関して用いられる間接的な閾値を決定することを含む。間接的な閾値は、製造管理と計測プロセスに関連したデータに関する値に対応する閾値である。例えば、間接的な閾値は、時間、プロセス・ツール品質管理データ、製造フロア・データ、材料計画データに基づくことが可能である。時間に基づく閾値は、カレンダー時間、またはある事象からの計時カウンターなどの時間データを含み得る。他の例に於いて、時間に基づく閾値は、毎月の第一月曜日である。他の例に於いて、時間に基づく閾値は、特定のサンプリング・スキームが過去にトリガーされてから十日たった日である。計画データに基づく閾値は、ツールとロットの使用可能性、ロットの供給スケジュール状況、或いは他の任意の計画データを含み得る。更に、係るデータは、製造パフォーマンスの改善のために異なる測定モードを優先するように、異なる測定モードのスループットと異種交配可能である。例えば、特定の測定モードを用いて実施される測定の時間は、任意の特定の測定プロセスに関して、最も効率的なウエハーのサンプリングを決定するために、計画データに関する情報と測定ツールとプロセス・ツールの使用可能性に関する情報と組み合わせることが可能である。更に、ここに掲げられ、そして記載された間接的な閾値は包括的なものではなく、本方法の実施態様に於いて使用される閾値は、ここに記載される閾値の任意の組み合わせとすることが可能である。
【0078】
また、本方法は、ウエハーに関する複数のサンプリング・スキームの一つをトリガリングすることを含む。複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、サンプリング・スキームに対応する閾値に、関連データの値を比較し、比較結果に基づきサンプリング・スキームをトリガリングことを含み得る。このような関連データと閾値の実施態様はここに更に記載され、関連データは、任意の適切な方法で閾値に比較され得る。適切な関連データと適切な閾値は、測定されるウエハーの一つまたは複数の特徴、ウエハー上で実施された一つまたは複数のプロセスの一つまたは複数の特徴、測定プロセスの一つまたは複数の特徴、またはそれらの幾つかの組み合わせに基づき選択可能である。
【0079】
他の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームを設計することは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果に基づき、複数のサンプリング・スキームを設計することを含む。このような測定結果に基づき、複数のサンプリング・スキームを設計することは、本明細書に記載されている任意の実施態様に応じて実施可能である。測定の結果は、本明細書に記載されている任意の測定結果を含み得る。全てのウエハー上の全ての測定箇所は、本明細書に記載されている任意の測定箇所を含み得る。係る一実施態様に於いて、トリガーされたサンプリング・スキームが起動されたウエハーは、前記少なくとも一つのロット以外の一つのロット内にある。このようにして、サンプリング・スキームは、ウエハーの一ロットに基づき設計可能であり、そしてこのウエハー・ロットを用いて設計されたサンプリング・スキームは、他のロットのウエハーに適用可能である。
【0080】
一実施態様に於いて、サンプリング・スキームの一つのトリガリングは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果を直接的な閾値に比較することで開始される。直接的な閾値は、上記されている任意の直接的な閾値を含むことが可能であり、本明細書に記載されるようにして決定可能である。この測定結果の直接的な閾値の比較は、任意の適切な方法により実施可能である。この比較の結果に基づきサンプリング・スキームがトリガーされるか否かは、閾値に応じて変わり得る。例えば、一般に、測定結果が閾値以上である場合、サンプリング・スキームはトリガーされ得るが、必ずしも常にトリガーされるものではない。更に、サンプリング・スキームは、測定結果に於ける変化の比較に基づきトリガーされ得る。例えば、他の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つをトリガーことは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定結果を直接的な閾値に比較することで開始される。直接的な閾値に比較される測定結果の統計的特性は、ここに記載される任意の統計的特性を含み得る。
【0081】
更に、サンプリング・スキームがトリガーされるべきかを決定するために、直接的な閾値に比較されるデータは、閾値自体に依存して変わり得る。例えば、追加の一実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、履歴的なプロセス制御データを直接的な閾値に比較することで始動される。履歴的なプロセス制御データは、ここに記載される任意の履歴的なプロセス制御データを含み得る。この比較は、任意の適切な方法で実施可能であり、比較の結果は、本明細書に記載されているように複数のサンプリング・スキームの一つをトリガリングするために使用可能である。更なる実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、一つまたは複数の計測ツール、または一つまたは複数のプロセス・ツールからのデータを直接的な閾値に比較することで始動される。一つまたは複数の計測ツール、或いは一つまたは複数のプロセス・ツールからのデータは、ここに記載される計測ツールからの任意のデータ(例えば、計測ツールにより実施された測定結果、時間の関数として計測ツールにより実施された測定結果など)、そしてプロセス・ツールからの任意のデータ(プロセス・ツールにより実施された一つまたは複数のプロセスに関する情報)を含み得る。この比較は、任意の適切な方法で実施可能であり、係る比較の結果は、ここに記載される如く、複数のサンプリング・スキームの一つをトリガリングするために使用可能である。
【0082】
幾つかの実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、時間データを間接的な閾値に比較することで始動される。間接的な閾値は、上に記載される任意の間接的な閾値を含むことが可能であり、ここに記載される如く決定可能である。時間データは、ここに記載される任意の時間データを含むことが可能である。こと比較は任意の適切な方法で実施可能であり、比較の結果は、ここに記載される如く複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングを始動するために使用可能である。
【0083】
幾つかの実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、プロセス・ツール管理データを間接的な閾値に比較することで始動される。プロセス・ツール管理データは、ここに記載される任意のプロセス・ツール管理データを含むことが可能である。上記されている任意の間接的な閾値を含むことが可能であり、本明細書に記載されているように決定可能である。この比較は任意の適切な方法で実施可能であり、比較の結果は、本明細書にに記載されているように複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングを始動するために使用可能である。
【0084】
追加の実施態様に於いて、複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングは、生産フロアまたは材料計画データを間接的な閾値に比較することで始動される。生産フロアまたは材料計画データは、ここに記載される任意の生産フロアまたは材料計画データを含むことが可能である。この比較は任意の適切な方法で実施可能であり、比較の結果は、本明細書に記載されているように複数のサンプリング・スキームの一つのトリガリングを始動するために使用可能である。
【0085】
一実施態様に於いて、トリガーリング・ステップは、以下のステップを含む。予め設定されたサンプリングを用いてオーバーレイ、及び/または、CD、及び/または、フィルムを測定すること。結果をモデル化し、非測定箇所の測定を予測すること。非測定箇所の予測が基準を超える場合(例えば、ウエハーが再度加工されるべき場合)、その箇所に於いて測定を行うこと。予想と比較すること。これらステップは本明細書に記載されているように実施可能であり、これら実施態様は本明細書に記載されている任意の他のステップを含み得る。
【0086】
更に、本方法は、トリガーされたサンプリング・スキームを用いて測定プロセス中にウエハー上で測定が実施されるようにトリガーされたサンプリング・スキームを起動することを含む。トリガーされたサンプリング・スキームの起動は、(例えば、トリガーされたサンプリング・スキームが、測定プロセス中にウエハーをサンプリングするように)ロット内のウエハー上でトリガーされたサンプリング・スキームを実施することを含む。トリガーされ、そして起動されたサンプリング・スキームは、本明細書に記載されている任意のサンプリング・スキームを含み得る。
【0087】
トリガーされたサンプリング・スキームは、サンプリング・スキームをトリガーした同じロット、または次のロットで実施可能である。例えば、ロットに関する情報によりトリガーされるサンプリング・スキームは、同じロットに関して起動され得る。更に、または或いは、ロットに関する情報によりトリガーされるサンプリング・スキームは、サンプリング・スキームをトリガーしたロットの後で、測定プロセスで測定されるべき異なるウエハー・ロット内の一つまたは複数のウエハーに関して起動され得る。更に、トリガーされたサンプリング・スキームは、サンプリング・スキームをトリガーした同じウエハー上、或いは同じロットまたは次のロット内の他のウエハー上で実施可能である。例えば、ロット内のウエハーに関連した情報によりトリガーされたサンプリング・スキームは、該ロット内の同じウエハーに関して起動され得る。更に、また或いはロット内のウエハーに関連した情報によりトリガーされたサンプリング・スキームは、同じロット内の一つまたは複数の他のウエハー、またはサンプリング・スキームをトリガーしたウエハーの後に測定プロセス内で測定されるべき異なるウエハー・ロットの一つまたは複数のウエハーに関して起動され得る。トリガーされたサンプリング・スキームの自動化された実施が好ましく、係る場合に於いて、本方法は、オンラインにより、計測ツール・レシピ、測定ターゲット、測定モードを変更することを含み得る。
【0088】
上述の方法の実施態様は、ここに記載される任意のステップを含み得る。更に、上記方法の実施態様は、ここに記載される任意のシステム実施態様により実施可能である。更に、これらの方法実施態様は、ここに記載される他の実施態様の全ての利点を有する。
【0089】
上記様々なステップは単独で、あるいは任意に組み合わせて実施可能である。例えば、サンプリング・スキームを設計することは、標準方法としてのオプション、またはそれらの幾つかの組み合わせを含み得る。予め設定された頻度で、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施すること、そして測定結果に基づきプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームに関して適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値を決定すること。選択された最適化基準、適切なモデル、プロセス、及び/または、ツール、及び/または、デバイスに由来するある制約に基づく統計的最適化方法を設計ウエハー配列、イントラ−フィールド・ターゲット配列、そしてツール、及び/または、プロセス・モデル(例えば、スキャナー・モデル)に対して実施すること、そして適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキームを決定すること。一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報、または測定結果に加えたオプションのウエハー測定に基づき、適切なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキームを決定すること。統計的手法を用い、あるプロセスに関して計測ツールで測定された履歴的プロセス制御データを解析し、そしてプロセスに関する適切なサンプリングとダイナミック・サンプリングに関する閾値を定義すること。生の測定データの解析を含む上に記載された個々の方法に於いて、サンプリング・デザイン解析の以前に、絶対値または回帰タイプのフィルタをデータに対し使用可能である。
【0090】
他の例に於いて、サンプリングのトリガリングは以下のことを含み得る。閾値を用いること。閾値の例は、測定の絶対値、測定ポピュレーションの統計的特性、履歴的データに実施された統計的規則、またはこれらの組み合わせ。トリガリングは、過去に記述された計測ステップで議論された、ロットをプロセスしたプロセス、またはロットを測定した計測ツールからのデータに基づき得る。上記の二つのステップで使用される閾値の種類は直接的な閾値であり、特定の測定データ・ロット、またはロットに関するポピュレーション測定データに関して実施され、このロットの測定されたデータ、またはそのポピュレーションはダイナミック・サンプリングをトリガーする閾値或いは任意の違反に比較されることを意味する。カレンダー時間、またはある事象からの計時カウンターとして時間が測定され得る時間に基づく閾値。プロセス・ツール品質管理データに基づく閾値。ツールの使用可能性、ロットの使用可能性、ロットの供給スケジュール状況などの製造フロア、及び/または、材料計画データに基づく閾値。一つのオプションは、上記のデータを異なる測定モードのスループットと異種交配し、そして工場のパフォーマンスを改善するために異なる測定モードを優先化することである。
【0091】
更なる例に於いて、新規のサンプリングの起動は、ダイナミック・サンプリングをトリガーしたロットと同じロット、または次のロットで実施可能であり、ダイナミック・サンプリングをトリガーする同じウエハー、または現行ロットまたは他のロットの他のウエハーで実施可能であり、または(例えば、オンラインで計測ツール・レシピ、及び/または、測定ターゲットまたはモードを変更することで)自動的に実施可能である。
【0092】
他の実施態様は、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定されたシステムに関する。係るシステムの一実施態様を図4に示す。図4に示す如く、システムは、ウエハー(図4には示されていない)上で測定を実施するように設定された測定ツール18を備える。測定ツールは、ここに更に記載される如く設定可能である。例えば、一実施態様に於いて、測定ツールは計測ツールとして設定される。更に、測定ツール18はこの分野で公知の任意の他の適切な測定ツールを含み得る。
【0093】
また、システムは、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施する測定ツールを制御するように設定された一つまたは複数のプロセッサを含む。上記のように、全ての測定箇所は、ウエハー上の全てのフィールド、ウエハー上の全てのターゲット、またはウエハー上の全てのフィールドと全てのターゲットを含み得る。このようにして、一つまたは複数のプロセッサは、測定ツールを制御するように設定され、測定ツールが全知サンプリングを実施する。全知サンプリングは、ここに記載される如く測定ツールにより実施可能である。
【0094】
一つまたは複数のプロセッサは、この分野で公知の任意の方法により測定ツールを制御するように設定可能である。例えば、一つまたは複数のプロセッサは、レシピを実行する指示と共に、レシピ(または指示群)を測定ツールのプロセッサ(図示しない)または測定ツールのサブシステム(図示しない)に送り得る。このようにして、システムは、少なくとも一つのロットに関する全てのウエハーとウエハー上の全てのフィールド、及び/または、全てのターゲットを測定する期間(予め設定された間隔)あたりに一度の全知サンプリングを実施する測定ツールを制御するレシピを使用可能である。レシピと指示は、この分野で公知の任意の適切なフォーマットを有することが可能である。
【0095】
測定ツールが全知サンプリングを実施するように測定ツールを制御するように設定された一つまたは複数のプロセッサは、測定ツールのプロセッサを備えることが可能である。このプロセッサは、本明細書に記載されているように設定可能である。他の例に於いて、このステップを実施するように設定された一つまたは複数のプロセッサは、独立型プロセッサ20を備えることが可能である。独立型プロセッサ20は、測定ツールの一部ではないコンピュータ・システムのプロセッサとすることが可能である。特に、独立型プロセッサ20は結合可能(例えば、「結線」、及び/または、「無線」部分を含む一つまたは複数の送信メディアを経て測定ツールのプロセッサまたは記録メディアに結合される)であるが、測定ツールの主プロセッサを構成するものではない。換言すれば、独立型プロセッサは、一つまたは複数の「オフライン」機能を実施するように設定可能である。更なる例に於いて、このステップを実施するように設定された一つまたは複数のプロセッサは、ホスト・プロセッサ22を備えることが可能である。ホスト・プロセッサ22は、本明細書に記載されているように、独立型プロセッサ20に関連して設定可能である。
【0096】
一つまたは複数のプロセッサは、上に記載される任意のプロセッサを含むことが可能であり、パーソナル・コンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、ワークステーション、イメージ・コンピュータ、パラレル・プロセッサ、または公知の他のデバイスを含む様々な形態とすることが可能である。一般に、用語「コンピュータ・システム」は、記録媒体からの指示を実行する、一つまたは複数のプロセッサを有するあらゆるデバイスを包含すると、広範に定義され得る。
【0097】
図4に示す如く、測定ツール18は全知サンプリング結果24を生成する。また、一つまたは複数のプロセッサは、測定結果に基づきプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームのために、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値を決定するように設定される。閾値は、プロセスに関して最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値が使用される測定値に対応する。最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値は、上記されているように全知サンプリング結果24を用いて決定可能である。例えば、一実施態様に於いて、一つまたは複数のプロセッサは、ウエハー上で一つまたは複数の他のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報を組み合わせた測定結果に基づき、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値を決定するように設定される。決定ステップは、本明細書に更に記載されるているようにして実施可能である。更に測定結果は、ここに記載される任意の結果を含み得る。例えば、一実施態様に於いて、測定結果は測定変動に関する情報を含む。
【0098】
このステップを実施するように設定された一つまたは複数のプロセッサは、測定ツールのプロセッサを含み得る。或いは、このステップを実施するように設定された一つまたは複数のプロセッサは、独立型プロセッサ20を含み得る。例えば、全知サンプリング結果24を、測定ツール18から独立型プロセッサ20へ送ることが可能である。本システムは、全知サンプリングからのデータを解析し、最適で代替のサンプリング・スキームと閾値を選択するために独立型プロセッサ20上で実施可能な解析ソフトウェアまたはプログラム指示(ここには示されていない)を備え得る。このようにして、ツールからの全知データは、独立型プロセッサ20を備えるコンピュータ上の解析ソフトウェアに送られ得る。従って、一実施態様に於いて、独立型プロセッサ20は、全知サンプリングを実施し、ダイナミック・サンプリング・スキームのパラメタを決定する測定ツールを制御するように設定され得る。
【0099】
ここに記載される如きプログラム指示実施方法、またはここに記載される方法のステップは、送信するか、コンピュータで読み取り可能な媒体上に保管可能である。コンピュータで読み取り可能な媒体は、ワイヤー、ケーブル、無線リンクなどの送信媒体とすることができる。またコンピュータで読み取り可能な媒体として、ROM、RAM、画像取得ディスク、磁気テープなどの記録媒体も使用可能である。
【0100】
プログラム命令は、手続ベース技術、コンポーネントベース技術、及び/または、オブジェクト指向の技術などの様々な形態で実施され得る。例えば、プログラム命令は、Matlab、Visual Basic、 ActiveX controls、 C、 C++ objects、 C#、 JavaBeans、 Microsoft Foundation Classes ("MFC")、または所望される他のテクノロジーまたは方法論を用いてされ実施され得る。
【0101】
ダイナミック・サンプリング・スキームは、本明細書に更に記載されるように更に設定可能である。例えば、一実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームは、プロセス内で測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかを含む。他の実施態様に於いて、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、そして削減されたサンプリング・スキームは、プロセス内で測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかとプロセス中に他のウエハーの個々で実施されるべき測定の一つまたは複数のパラメタを含む。
【0102】
一実施態様に於いて、一つまたは複数のプロセッサは、他のロット内で他のウエハーに関して実施された測定の値を閾値に比較し、そして比較ステップの結果に基づき更なるロット内の更なるウエハーに関して測定が実施される最中に、どのサンプリング・スキームがプロセスに関して使用されるべきかを決定することにより、ダイナミック・サンプリング・スキームを実施するように設定される。例えば、測定ツール18により実施された他のロット内の他のウエハーに関して実施された測定の値は、独立型プロセッサ20により取得可能である。独立型プロセッサ20は、測定ツールより取得された値を閾値に比較可能である。更に、独立型プロセッサ20は、この比較結果に基づき更なるロット内の更なるウエハーに関してどのサンプリング・スキームが使用されるべきかを決定可能である。このようにして、独立型プロセッサ20は、ロットからの解析されたデータを閾値に比較し、どのサンプリング・スキームが次のロットで使用されるべきかを決定する決定エンジンとして設定可能である。図4に示す如く、独立型プロセッサにより生成されるこれらのステップの結果は、サンプリング・スキームのダイナミックな選択26を含み得る。これらステップの結果は、独立型プロセッサから測定ツール、及び/または、ホスト・プロセッサへ送ることが可能である。
【0103】
他の実施態様に於いて、測定ツールからの全知サンプリング結果は、独立型プロセッサ20上で実施可能な解析ソフトウェアへ送られる。解析ソフトウェアは、結果を解析し、最適なサンプリング・スキームを測定ツールへ送る。測定ツールにより測定される次のロットは、前記の最適なサンプリング・スキームを用いて測定される。このロットに関する結果は、解析ソフトウェアへ送られる。解析ソフトウェアは結果を解析し、結果を閾値と比較する。比較結果に基づきサンプリングを調節することが選択された場合、代替のサンプリング・スキームをホスト・プロセッサからツールへ送ることが可能である。
【0104】
一実施態様に於いて、一つまたは複数のプロセッサは、更なるウエハーに関して測定ツールがプロセスを実施する以前に、測定ツールの一つまたは複数のパラメタメタを変更するように設定される。例えば、独立型プロセッサ20は、測定ツールにより実施される任意の更なる測定が、ダイナミックに選択されたサンプリング・スキームにより実施されるように、測定ツールの一つまたは複数のパラメタを変更する指示と共にサンプリング・スキームのダイナミックな選択26を測定ツール18に送ることにより、測定ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するように設定可能である。或いは、ホスト・プロセッサ22は、上に記載される如く測定ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するように設定可能である。このようにして、ホスト・プロセッサは調節されたサンプリング・スキームを測定ツールに送ることが可能である。また、測定ツールの一つまたは複数のパラメタは、本明細書に更に記載されているように変更可能である。
【0105】
図4に示すシステムの実施態様の個々は、本明細書に記載されている任意の他のステップを実施するように設定可能である。例えば、一実施態様に於いて、システムは、予め設定された間隔でダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定可能である。このようにして、システムは、ダイナミック・サンプリング・スキームを定期的に更新するように設定可能である。上に記載されるシステムの実施態様の個々は、ここに記載される他の実施態様の全ての利点を有する。
【0106】
図5は、ここに記載されるシステム実施態様に含み得る測定ツールの一実施態様を示す。測定ツールはウエハー上で測定を実施するように設定される。ここで図5は、本明細書に記載されているシステム実施態様に含まれ得る測定ツールの一つの設定を一般に示すものであることに留意されたい。ここに記載される測定ツールの設定は、商業的な測定ツールを設計する場合に通常そのままで実施される測定ツールのパフォーマンスを最適化するために変更可能であることは明らかである。更に、本明細書に記載されているシステムは、(例えば、既存の測定ツールにここに記載される機能性を加えることで)既存の測定ツールを用いて実施可能である。係るシステムの幾つかに関して、本明細書に記載されている方法は、(例えば、測定ツールの他の機能性に加え)測定ツールのオプションの機能性として提供可能である。或いは、本明細書に記載されている測定ツールは、全く新しいシステムを提供するために「一から作ったもの」として設計可能である。
【0107】
図5に示す測定ツールは、光源28を備える。光源28は、レーザーなどの単一波長光源とすることが可能である。しかしながら、多くの事例に於いて、複数の波長で測定を実施するようにツールを設定することが好ましい場合がある。係る一事例に於いて、複数の波長で測定を実施するようにツールが設定された場合、光源28は、複数波長レーザーなどの多色光源とすることが可能である。或いは、波長スペクトルに亘り測定を実施するようにツールが設定された場合、光源28は、アーク・ランプなどの広帯域光源とすることが可能である。光源28は、この分野で公知の任意の他の適切な光源とすることが可能である。
【0108】
光源28からの光は、斜めの入射角でウエハー30へ指向され得る。幾つかの実施態様に於いて、光源28からの光は、また、或いは、直角の入射角でウエハーへ指向され得る。例えば、ツールはビーム・スプリッター32を備え得る。ビーム・スプリッター32は、この分野で公知の任意の他の適切なビーム・スプリッターとすることが可能である。ビーム・スプリッター32は、光源28からの光の一部を偏光部品34へ送り得る。偏光部品34は、この分野で公知の任意の他の適切な偏光部品とすることが可能である。偏光部品34からの光は、斜めの入射角でウエハー30へ指向され得る。斜めの入射角は、この分野で公知の任意の他の適切な斜めの入射角とすることが可能である。
【0109】
ビーム・スプリッター32は、光源28からの光の他の部分を反射光学部品36へ送り得る。反射光学部品36は、平面鏡など、この分野で公知の任意の適切な反射光学部品とすることが可能である。反射光学部品36は、光を、偏光部品38を経て、ビーム・スプリッター40に指向するように設定される。偏光部品38は、この分野で公知の任意の適切な偏光部品とすることが可能である。ビーム・スプリッター40は、この分野で公知の任意の適切なビーム・スプリッターとすることが可能である。ビーム・スプリッター40は、実質的に垂直な入射角で、光の一部をウエハー30へ反射し得る。また、ビーム・スプリッター40は、光の一部を反射光学部品42へ送り得る。反射光学部品42は、曲面鏡など、この分野で公知の任意の適切な反射光学部品とすることが可能である。
【0110】
ウエハー30から反射される垂直な光は、ビーム・スプリッター40より検知器44へと送ることが可能である。反射光学部品42より反射された光は、ビーム・スプリッター40により、検出器44へと反射され得る。またツールは、ウエハー30より反射、または散乱される斜めの光が通過する偏光部品46を備えることが可能である。偏光部品46は、この分野で公知の任意の適切な偏光部品とすることが可能である。偏光部品46を通過する光は、検知器48により検知される。
【0111】
検知器44と48は、測定に使用される波長に基づき選択可能である。更に、検知器は、測定ツールにより実施される測定の種類に基づき選択可能である。例えば、検知器は、ウエハーの像を光学的に形成するようにツールが設定された場合、イメージング・センサーを備え得る。
【0112】
検知器44と48は、図5に示す破線により送信媒体を経て、プロセッサ50に結合される。送信媒体は、この分野で公知の任意の適切な送信媒体とすることが可能である。このようにして、プロセッサは、検知器44と48により生成された出力を受け取ることが可能である。また、プロセッサ50は、ウエハーの一つまたは複数の特性を決定するために出力を用いるように設定可能である。プロセッサ50は、更にここに記載される如く設定可能である。測定中、ウエハー30は測定ツールのステージ52上に設置される。ステージ52は、この分野で公知の任意の適切な機械的、及び/または、ロボット・アセンブリを備えることが可能である。
【0113】
ツールの特定の実施態様に含まれる、または特定の測定に使用される、図5に示すツールの部品は、測定技術または選択される技術に応じて変化し得る。例えば、ツールは、散乱光解析法、偏光解析法、反射率測定法、偏光反射率測定法、干渉分光法、またはそれらの幾つかの組み合わせを用いてウエハー30の測定を実施するように設定可能である。
【0114】
一実施態様に於いて、ツールが散乱光解析法を実施するように設定されている場合、ツールは、光源28からの光を斜めの入射角でウエハー30へ指向するように設定可能である。この実施態様に於いて、ビーム・スプリッター32と偏光部品34はツール内に含まれないか、これらの測定中にツールの光経路よりはずされ得る。更に、この実施態様に於いて、偏光部品46はツール内に含まれないか、これらの測定中にツールの光経路よりはずされ得る。ウエハーから散乱された光は、検知器48により検出される。特に、ウエハーの特性により複数の回折次数として散乱された光は、検知器48により検出可能である。このようにして、検知器48により生成される出力は、ウエハーの散乱光測定を含む。ツールは、単一波長で、複数の波長で、または波長スペクトルに亘り(例えば、分光散乱光解析法)散乱光測定を実施するように設定可能である。
【0115】
他の実施態様に於いて、ツールが偏光解析法を実施するように設定されている場合、ツールは、光源28からの光を、偏光部品34を経て、斜めの入射角でウエハー30へ指向するように設定可能である。したがって、偏光部品34は、この実施態様に於いて偏光子として機能するように設定可能である。この実施態様に於いて、ビーム・スプリッター32はツール内に含まれないか、これらの測定中にツールの光経路から取り除かれ得る。ウエハーから散乱された光は、偏光部品46を通過し、検知器48により検出される。したがって、偏光部品46は、この実施態様に於いて偏光子として機能するように設定可能であり、検知器48により生成される出力は偏光測定を含む。偏光部品34、または偏光部品46が測定中に回転するようにツールを設定可能である。したがって、ツールは、回転偏光子偏光解析器または回転解析偏光解析器として設定可能である。更に、ツールは、単一波長で、複数の波長で、または波長スペクトルに亘り(例えば、分光偏光解析法)偏光測定を実施するように設定可能である。
【0116】
更なる実施態様に於いて、ツールが反射率測定を実施するように設定されている場合、ツールは、光源28からの光をビーム・スプリッター32へ指向するように設定可能である。ビーム・スプリッター32により反射された光は、反射光学部品36へ指向される。反射光学部品36は、光をビーム・スプリッター40へ指向する。この実施態様に於いて、偏光部品38はツール内に含まれないか、反射率測定中にツールの光経路よりはずされ得る。ビーム・スプリッター40により反射された光は、実質的に垂直な入射角でウエハー30へ指向される。この実施態様に於いて、ビーム・スプリッター40は、光の一部を反射光学部品42へ送るように設定されない場合があり、または反射光学部品42がツール内に含まれない場合がある。ウエハー30により鏡面反射された垂直な入射光は、ビーム・スプリッター40を通過し、検知器44により検知される。このようにして、検知器44により生成される出力は、ウエハー上の反射率測定を含む。ツールは、単一波長で、複数の波長で、または波長スペクトルに亘り(例えば、分光反射率測定法)反射率測定を実施するように設定可能である。
【0117】
他の実施態様に於いて、ツールが偏光反射率測定法を実施するように設定されている場合、ツールは、反射率測定に関して上に記載される如く設定可能である。しかしながら、偏光反射率測定に関しては、図5に示す如く、偏光部品38を光経路内に設置可能である。この実施態様に於いて、光が、選択された単一の偏光で、または様々な偏光でウエハー30へ指向されるように偏光部品38を設定可能である。このようにして、検知器44により生成される出力は、ウエハー上の偏光反射率測定を含む。ツールは、単一波長で、複数の波長で、または波長スペクトルに亘り(例えば、分光偏光反射率測定法)偏光反射率測定を実施するように設定可能である。
【0118】
幾つかの実施態様に於いて、ツールがウエハーに関する干渉分光法測定を実施するように設定されている場合、ツールは、光源28からの光をビーム・スプリッター32へ指向するように設定可能である。ビーム・スプリッター32により反射された光は、反射光学部品36へ指向される。反射光学部品36は、光をビーム・スプリッター40へ指向する。この実施態様に於いて、偏光部品38はツール内に含まれないか、干渉分光法測定中にツールの光経路よりはずされ得る。ビーム・スプリッター40により反射された光は、実質的に垂直な入射角でウエハー30へ指向される。ビーム・スプリッター40からの光は、反射光学部品42へ指向される。ウエハーにより反射された光は、ビーム・スプリッター40を通過する。更に、反射光学部品42により反射された光は、ビーム・スプリッター40により反射される。従って、ウエハーにより反射された光と光学部品42によって反射された光は干渉する場合があり、前記二つの光ビームの干渉は、検知器44により検知可能である。このようにして、検知器44により生成される出力は、ウエハー上の干渉分光測定を含む。ツールは、単一波長で、複数の波長で、または波長スペクトルに亘り干渉分光測定を実施するように設定可能である。
【0119】
従って、図5に示すツールは、図5に示すツールの一つまたは複数の部品の一を変更することにより、散乱光解析法、偏光解析法、反射率測定法、偏光反射率測定法、干渉分光法を含むウエハーに関する異なる種類の測定を実施するように適切に設定される。係る設定は、ウエハーのより多くの特徴を決定するために、またはより正確な特徴を決定するために、複数の種類の測定を組み合わせて使用できるため有益である。もちろん、ツールは、これら測定技術の一部のみを実施するように設定可能である。例えば、ツールを、ウエハー上の散乱光測定と偏光測定に関して設定可能である。他の例に於いて、ツールを、ウエハー上の反射率測定と干渉測定に関して設定可能である。更に、ツールを、ここに記載される任意の複数の測定技術をウエハー30上で実施するように設定可能である。
【0120】
更に、図5にツールの一設定例を示すが、ツールに対して様々な変更が可能であり、ここに記載される実施態様の見地内でツールが依然として設定されることに留意されたい。例えば、一つまたは複数のレンズ(示されていない)をツールの光経路と収集経路に挿入可能である。更に、光学部品間の角度と間隔は、例えば、ツールのパフォーマンスを最適化するために、図5に示されるものより変更可能である。また、図5に示す単一光源は複数の光源(示されていない)(例えば、垂直な入射光と斜めの入射光)に置換可能である。複数の光源は同じ、または異なる種類の光源とすることが可能である。図5に示すツールは、ここに記載される任意の実施態様に応じて更に設定され得る。
【0121】
半導体製造における現行技術は、パターンニング、成膜、そして熱プロセス・ツールを制御に関して、高次のウエハー・レベルそしてフィールド・レベルの応力またはトポグラフィー計測の結果の直接的フィードバックまたはフィードフォワードを用いていない。現状では、ユーザは、全体的な応力・レベルを維持するために、個々のプロセスでウエハーに導入される応力を予め設定された(プロセスに特定の)制御限界以下に維持することに依存している。半導体ウエハー上に製膜された膜の応力を測定する様々な方法が、この分野で公知である。最も一般的には、測定は、プロセス前にウエハーの形状を測定し、そしてプロセス後に形状測定を繰り返すことにより実施される。プロセス・ステップ中に堆積(または除去)されたフィルムの応力は、ウエハーの形状、ウエハーとフィルムの厚さ(形状測定前に知ることが可能な、または形状測定を実施する同じシステムにより測定され得る一方または両者)、そしてウエハーの大部分を構築する半導体材料の弾性率の変化より決定される。ウエハーに亘り、応力と膜圧が適度に一様であり、ウエハーの形状の変化が、ウエハーの厚さに対して大きくない場合(これら全ての条件は、通常ほとんどの半導体製造プロセス・ステップに於いて満たされる)、ウエハー形状の変化より推論されるウエハー曲率の変化より、フィルム応力を計算するためにStonyの方程式(G.G. Stoney(1909), Proc. Roy. Soc. A82, 172)を用いることが可能である。
【0122】
Blech等の米国特許5,134,303号、そしてBlech等の米国特許5,248,889号は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、ウエハーの傾斜、そして、それ故、曲率を測定するために、ウエハーの直径方向に沿ってレーザー・ビームを走査する技術を開示する。測定を実施するために、ウエハーに沿ってビームが走査されるか、ビームの下方でウエハーが移動される。フィルムの応力が一様である場合、一直径に関する測定で通常十分である。フィルムの応力が一様でない場合、ウエハーの曲率をより正確に得るため複数の直径に関する測定が必要となる。
【0123】
Chason等の米国特許5,912,738号は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、ウエハー上で複数の位置に於ける同時測定をおこない、それ故、ビームとウエハーの相対的走査を削減、または除去することで測定をより速やかにおこなう、複数のレーザー・ビームを用いる技術を記載する。
【0124】
Rosakis等の米国特許6,031,611号は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、ウエハーの全表面に亘る多くの点で同時に(一方向に関して)傾斜を測定可能な技術を記載する。所望とあれば、他の傾斜成分を測定するためにウエハーを90°回転させ、二度目の測定を実施可能である。
【0125】
また、ウエハーを傾斜を測定する他の方法として、ウエハーに亘る位置の関数としてウエハーの変位を測定可能である。Judell等の米国特許4,750,141号は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、その技術を開示する。変位の測定は、(Judell等により開示される如く)容量センサー、または、光学的に、または他の方法で実施可能である。Muller等の米国特許6,100,977号、そしてFreischlad等の米国特許6,847,458号は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、光学的干渉計を用いてウエハーの両側の変位を実質的に同時に測定可能な技術を開示する。
【0126】
応力を測定する他の方法が、この分野で公知である。これらの他の方法は、一般により遅いか、またはより高価なハードウェアを必要とするため、上に記載されたウエハー形状の変化に関する計測に比べ、生産環境下の使用に関して一般により不適切である。
【0127】
高解像度のX線回折はウエハーの大部分を構築する半導体の格子の歪みを測定できる(例えば、"High Resolution X-ray Diffractometry and Topography"D.K. Bowen, B.K. Tanner (1998), CRC Press, ISBN 0-8506-6758-5を参照のこと。これは本明細書において詳述された参照文献として取り扱われる)。一般的な半導体材料の弾性的特性はよく知られているため、歪み測定を応力の計算に使用可能である。格子定数の測定は、X線の波長に関する情報とX線の入射角と反射角に関する情報のみに依存するため、X線回折により極めて正確な歪み測定を実施可能である。しかし、測定の遅さと装置の複雑さにより、この技術は、一日あたり数十または数百のウエハーの測定に用いられる定期的な生産計測技術としてよりは、参照技術としての使用により適している。
【0128】
ラマン線のシフトは半導体の歪みに依存するため、ラマン分光法は、半導体格子の歪みを測定可能である(例えば、"Raman Microscopy"G.Turrell and J.Corset (Eds.), pp. 27-277, (1996), Academic Press, ISBN 0-12-189690-0を参照のこと。これは本明細書において詳述された参照文献として取り扱われる)。この技術は、ウエハー上のフィルムが、その下の材料からのラマン線に干渉しない場合のみ有効である。形状測定に比較してラマン分光法は複雑であり、入射レーザー線に比較して、半導体中のラマン線は極めて弱いために、感度と信号対雑音比は低い。これらの理由により、ラマン分光法は、定期的な生産測定に適していない。
【0129】
オーバーレイ計測に関しては、この目的に関して信頼される多くの異なる光学的、アルゴリズム、そしてマーク・アーキテクチャを用いて広大な検討がなされている。この分野の現行技術は、例えば、KLA−Tencor、San Jose、Californiaより購入可能なArcher 100 オーバーレイ計測ツールであり、これはbox in box または周期的(AIM)二層計測構造の高解像度明視野イメージングに基づき作動するものである。このシステムに於いて、数多くのパターンニング・ステップに於いて逐次的に生成された複数の対称性の中心の間の変位は、顕微鏡により取得されたイメージのイメージ・プロセスにより決定され、デジタル処理で記録される。この方法の代替は、次のパターンニング・ステップで回折格子上に印刷された回折格子を含む周期的なオーバレイ・マークより反射される光の強度から情報を抽出する散乱光解析法として知られる。この方法では、個々のセルの二つの回折格子の間で、意図的に異なるオフセットを有する幾つかのオーバレイ・セルが近接して形成される。これらオーバレイ・マークからの散乱光強度の差は、モデル無しに、オーバレイ・エラーの決定を可能にする。
【0130】
広域なウエハー応力を、単純に、ある閾値以下に制御することは、ウエハー上に印刷される最小の寸法に関して要求される焦点深度とオーバーレイ制御が収縮するに伴い、もはや十分ではない。この分野で最新のパターンニング・ツール制御ループは、ウエハーと、露出ツール・フィールドに亘るオーバーレイの線形的変動のみを取り扱うため、ウエハー・トポグラフィーの漸進的な変更、及び/または、先進の熱及び製膜プロセス・ツールにより導入される応力に加えた本質的なウエハーのトポグラフィーと応力は、オーバーレイならびに制御エラー許容範囲内で無視できなくなる。
【0131】
更に、幾つかの新しい材料、そして新しいプロセスは、ウエハー内で極めて不均一な応力を作り出す傾向があり、従って広域の応力測定は応力の追従に十分ではない。特に、ある注入プロセス・ステップの後に半導体ウエハーをアニールするために用いられる急速熱アニール(「スパイク・アニール」と呼称される場合もある)は、ウエハー内での注入された原子の拡散を制限することを目的として、ウエハーが高温に晒される時間を最小限にするために、ウエハーを極めて急速に加熱そして冷却しなくてはならない。かかる加熱と冷却は、ウエハーの異なる部分が異なる速度で過熱ならびに冷却されるに伴い、ウエハーが大きな応力に晒されることを意味する。それら応力の一部は、ウエハーが冷却された後に「凍りついたもの」として残留する。レーザーに基づくスパイク・アニールは、極めて短い時間中に極めて高い表面温度を達成することを目的として、ウエハーを急速加熱するためにレーザーを使用する。しかし、レーザーは、ウエハー表面の全域を同時に加熱するにはパワーが不十分である。従って、ウエハーに亘る一部または矩形領域が一つづつアニールされ、最終的にウエハーの全表面がアニールされる。任意の時間に於いて、ウエハーの一部のみが高温であるため、極めて高い応力が生成される場合があり、これら応力の幾らかはプロセスセス後も残留する。ウエハー内の不均一な応力は、複雑にウエハーの局所的形状を歪める。平面の歪みに関しては、ウエハーは平面よりはみ出て曲がる。
【0132】
応力が一つのパターンニング・ステップとその次のステップの間で変化した場合、X、Y、Z方向のウエハーの形状は変わり得る。応力の変化が実質的に一様な場合、形状の変化は、一般に、形状の線形歪みとして十分正確に示される。係る場合に於いて、露出システムによる測定は、往々にして、歪みを較正するのに十分正確である。しかし、応力の変化が不均一な場合、形状の変化は複雑であり、線形モデルは十分に正確でない場合がある。露出システムは、極めて精密に加工された平坦なチャックに、ウエハーを引き付けるか「吸引」するために真空を用いて、ウエハーをできる限り平坦にしようとする。通常、接触領域を最小限に抑えるために、比較的多数のピンを使用してウエハーを支持する。真空のために、大気圧、そして重力はウエハーをピンに対して下方に押し付け、そしてまたピン(それらは、設計上、撓みを最小にするため、意図的に密接に設置される)の間のウエハーの幾らかの撓みの原因となる。ウエハー内の応力、ウエハー上の大気圧と重力、そしてウエハーがピンに接触する箇所でのウエハーへのピンの力の全ては相互作用し、ウエハーの形状を決定する。
【0133】
"Across Wafer Focus Mapping and Its Applications in Advanced Technology Nodes"by Zhang et al., Proc. of SPIE, Vol. 6154, pp. 61540N-1 - 61540N-10は、本明細書において詳述された参照文献として取り扱われ、50nmのウエハーの焦点ぼけが、約10nmのオーバーレイ・シフトにつながる例を示す。32nmノードに於いて、重要な層の上のオーバーレイ精度の総括的許容範囲は、約5.7 nm 3σ(2005 ITRS roadmap)である。この量の一部(恐らくは約50%)を焦点ぼけによるオーバーレイに割り当てることが可能である。これらの数に基づくと、32nmノードに於いて、焦点ぼけが約15nmを超えてはならない。ダイナミックな焦点、及び/または、オーバーレイの調節が無い場合、オーバーレイ・レジストレーションを要求される範囲内に保つために、ダイ領域内でウエハーは約±15nmの範囲内で平坦であることが要求される。露出システムは、印刷前に、個々のダイの平坦性を調節するが、平坦化はX及びY方向の平均の傾斜のみを修正し、ダイよりも短い寸法である垂直方向の歪みは修正しない。
【0134】
応力の不均一な変化によるチャック上でのウエハー形状のX、Y、そして潜在的にZ方向の複雑な歪みは、露出システムによって適切に取り扱われず、それ故、一パターンのウエハー上のそれらの領域に於けるチップ上の過去のパターンとのあまり良くないアラインメントにより収率が比較的低いウエハーの領域をもたらすことにつながる。
【0135】
本明細書に記載されている実施態様は、比較的高い空間密度でウエハーに亘り取得された応力、及び/または、形状、及び/または、オーバーレイ計測データが、様々なモデル方による修正を決定するために使用され、そして結果的に、パターンニング・プロセスに対して高次元のオーバーレイと焦点の修正を実施するために用いられる制御ループを一般に提供する。このようにして、パターンニング・プロセスは、パターンニング・プロセス以前にプロセス・ステップ内でウエハー内で誘起された変形を補償することを含み得る。現行の露出システムに於いては、パターンニング・ステップに関する準備段階に於いて、ウエハー上で実施することが可能な計測に関して比較的大きな制約が伴うため、オーバーレイと焦点の修正に関する現在使用される方法とシステムから、ここに記載される実施態様は異なる。これらの時間的制約により、現状では、その場計測プロセスは、次のパターンニング・ステップ中に高次の焦点とオーバーレイ補償を可能にする応力と変形に関する比較的高密度のサンプリングを含まない。
【0136】
他の実施態様はウエハーのパターンニングに関する方法に関する。本方法は、ウエハーの変形を補償するために、修正によりパターンニング・プロセスを変更するために使用可能である。パターンニング・プロセスは、ウエハーの製造プロセス中にウエハーをパターンニングする任意のプロセスを含む。ウエハーは、パターンニング以前に変形している場合がある。ここに更に記載される如く、ウエハー・パターンニング方法は、一般に、ウエハーの変形を補償し、半導体デバイス製造プロセスに於けるダイ収率を改善するために、パターンニング、製膜、そして熱プロセス・ツールなどのプロセス・ツールにより実施される測定プロセスの一つまたは複数のパラメタメタを変更するためのフィードバック、及び/または、フィードフォワード制御プロセスにおける応力、トポグラフィー(形状)、そしてオーバーレイ計測の様々な結果の使用に関連する。
【0137】
本方法は、ウエハー上で測定を実施することを含む。一実施態様に於いて、測定を実施することは、ウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。このようにして、測定を極めて高いサンプリング密度で実施することが可能である。測定は、ここに記載されるダイナミック・サンプリング方法を用いて実施可能である。このようにして、測定結果(例えば、計測データ)は、本明細書に記載されているダイナミック・サンプリング方法を用いて取得可能である。しかしながら、パターンニング方法は、ここに開示されるダイナミック・サンプリング方法を組み込むことが可能であるが、パターンニング方法とダイナミック・サンプリング方法の個々を独立に実施することも可能である。
【0138】
幾つかの実施態様に於いて、測定の結果は、応力計測データを含む。他の実施態様に於いて、測定の結果は、形状計測データを含む。追加の実施態様に於いて、測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む。応力、形状、またはオーバーレイ計測データは、ウエハーに亘り比較的高い空間密度(例えば、ウエハー上のフィールドの全て、または多大な部分、及び/または、ウエハー上のターゲットの全て、または多大な部分)で取得可能である。更に、測定の結果は、応力、形状、またはオーバーレイ計測データ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。係る測定は、ここに記載される測定ツール(例えば、図5に示す測定ツール)を用いて実施可能である。
【0139】
また、本方法は、測定の結果に基づきウエハーの変形をモデリングすることを含む。この分野で公知の様々なモデリング方法を測定結果(例えば、計測データ)の解析に使用可能である。一実施態様に於いて、変形をモデリングすることは、ウエハーがパターンニング・ツールのステージ(またはチャック)上に置かれた場合、ウエハーの変形を見積もることを含む。他の実施態様に於いて、変形をモデリングすることは、ウエハー上の設計パターンのパターンニング上の変形効果をシミュレートすることを含む。
【0140】
更に、本方法は、ウエハーの変形に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。例えば、一つまたは複数のパラメタを変更することは、ウエハーの変形を補償するパラメタの修正を生成し、該修正を用いてパラメタを変更することを含む。更に、パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更することは、ウエハーに亘り比較的高い空間密度で取得される応力、形状、またはオーバーレイ計測データなどの測定結果がパターンニング・プロセスの変更に用いられるフィードフォーワード制御ループを用いて、実施可能である。パターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更することは、ウエハーの変形を補償するために高次のオーバーレイ修正を決定することを含む。例えば、高次のオーバーレイ修正は、パターンニング・プロセス中にウエハー上に印刷される設計パターンが、ウエハーの変形にも係わらずウエハー上に印刷された他のパターン(例えば、ウエハーの他の一つまたは複数の層の上に印刷されたパターン)に対して正しい(または実質的に正しい)位置に印刷されるように決定可能である。このようにして、パターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更することは、ウエハーの変形により原因となり得るオーバーレイ誤レジストレーション(例えば、ウエハー上の設計パターンの他の層に対するウエハー上の設計パターンの一つの層の誤レジストレーション)を削減可能である。パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタは、パターンニング・ツールにより実施されるパターンニング・プロセスの前に、任意の適切な方法で(例えば、ウエハーのパターンニングを実施するパターンニング・ツールにより使用されるレシピ、または指示の組の一つまたは複数のパラメタを変更することにより)変更可能である。
【0141】
パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、更に本方法は、第一のパターン化されたウエハーを製造するためにパターンニング・ツールを用いてウエハーをパターンニングすることを含む。このようにして、パラメタに対する修正がなされた後に、修正されたパラメタをパターンニング・プロセス中に実装可能である。ウエハーをパターンニングすることは、第一のパターン化されたウエハーを製造するためにウエハー上の設計パターンをパターンニングすることを含み得る。
【0142】
一実施態様に於いて、本方法は、第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施することを含む。係る一実施態様に於いて、また本方法は、追加の測定結果に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを含む。係る一実施態様に於いて、追加の測定の結果に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、本方法は、第二のパターン化されたウエハーを製造するためにパターンニング・ツールを用いて第二のウエハーをパターンニングすることを含む。このようにして第一のパターン化されたウエハーが製造された後、本方法は、第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施し、第一のパターン化されたウエハー上の更なる測定の結果に基づきパラメタの新しい修正を生成し、前記新しい修正を用いてパラメタを変更し、第二のパターン化されたウエハーを製造するために第二のウエハー上で設計パターンをパターンニングすることを含むことが可能である。
【0143】
一実施態様に於いて、更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む。別の実施態様に於いて、更なる測定の結果は焦点計測データを含む。焦点計測データは、フィールドあたりの複数個所の焦点データ(フィールドあたりいくつの焦点箇所があるかは露出システムの接点に依存する)、およびウエハー上の全てのフィールドに関する複数個所の焦点データなどの露出システム(例えば、スキャナー)・データを含み得る。追加の一実施態様に於いて、更なる測定の結果は、ドーズ計測データを含む。更に、更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含み得る。更に、更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データ、ドーズ計測データ、焦点計測データ、またはそれらの幾つかの組み合わせを含み得る。更なる測定は、こ本明細書に記載されている任意の実施態様に応じて、そしてここに記載されるシステム実施態様を用いて実施可能である。
【0144】
一実施態様に於いて、第一と第二のパターン化されたウエハーは同じロット内にある。異なる実施態様に於いて、第一と第二のパターン化されたウエハーは異なるロット内にある。このようにして、第一と第二のパターン化されたウエハーは、一つのロット内、または異なるロット内にあり得る。更に、第一のパターン化されたウエハーの測定の結果は、フィードバック・ループなどの制御ループへの入力であり得る。例えば、フィードバック・ループは、次のウエハーまたはロットに関する製造プロセスのパラメタを変更するために、ウエハーのパターンニング後に取得される計測データをフィードバックすることを含み得る。
【0145】
上記した方法の個々の実施態様の個々のステップは、本明細書に更に記載されているように実施可能である。
【0146】
ウエハーのパターンニングに作動可能なパターンニング方法とシステムの典型的な実施態様を図6に示す。システムは、ウエハー上で測定を作動可能な測定ツールを備える。例えば、例えば、システムは、図6に示す計測システム68を備え得る。本発明は、ウエハー内で応力または変形を誘起可能なプロセス・ツールより計測システムへウエハーを移動することを含み得る。例えば、図6に示す如く、ウエハーは、急速熱プロセス・ツール66より計測システム68へ移動可能である。急速熱プロセス・ツール66はこの分野で公知の任意の適切なプロセス・ツールとすることが可能である。計測システム68は、ウエハー上で応力測定、形状測定、トポグラフィー測定、あるいはそれらの幾つかの組み合わせを実施するように作動可能であり、この分野で公知の任意の適切な計測システムを備え得る。計測システムは、ここに記載される如く更に設定可能であり、計測システム68により実施される測定は、ここに記載される任意の測定を含み得る。本方法は、計測結果を、ここに記載される如く、フォーワード制御ループへ入れることを含む。
【0147】
またシステムは、測定の結果に基づきウエハーの変形をモデル化し、ウエハーの変形に基づきパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更するように作動可能な一つまたは複数のプロセッサを備える。一つまたは複数のプロセッサは、図6に示す如く、モデリング・モジュール70と高次の修正生成エンジン78を備え得る。測定ツールにより生成される計測データは、モデリング・モジュール70への入力として使用される。モデリング・モジュール70は、ウエハーがパターンニング・ツールのステージ上に設置された場合、ウエハーが受けると予想される形状変化を(三次元で)決定するために、有限要素チャック変形解析72を実施可能である。またモデリング・モジュール70は、次のパターンニング・ステップ中にウエハー上に生成されるパターンの位置上のウエハーの変形の影響のシミュレーションを含み得るスルー焦点パターン位置予測74を実施可能である。一実施態様に於いて、シミュレーションは、リソグラフィー・システム・フィールドに依存する非テレセントリック・イメージング(例えば、ウエハー上のフィールドの関数としてのリソグラフィー・システムの非テレセントリック・イメージングに関する情報)などのパターンニング・プロセスの公知の特徴に基づく。
【0148】
モデリング・モジュール70からのモデリング・データと関連コンテクスト・データ76を入力として用いて、修正生成エンジン(例えば、高次の修正生成エンジン78)は、高次のウエハー、ならびにフィールド・レベルの修正を計算し、出力する。関連内容データ76の例としては、ロット、ウエハー、層、ツール、そしてチャンバーに関するIDなどがあり、それらはリアルタイムで取得可能である。また修正生成エンジンへの入力としては、オーバーレイ、ドーズ、または焦点データ、過去のロットからのフィードバック、またはそれらの幾つかの組み合わせなどがある。
【0149】
また、システムは、第一のパターン化されたウエハーを形成するためにパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタが変更された後に、パターンニング・プロセスを用いてウエハーをパターンニングするように作動可能なパターンニング・ツール80を備えることが可能である。例えば、ウエハーは、任意の適切な方法により、計測システム68からパターンニング・ツール80へと移動可能である。そしてウエハーは、パターンニング・ツールのオーバーレイと焦点パターンニング・システム制御(ここには示されていない)の両者に高次のウエハー、ならびにフィールド・レベルの修正を施した後に、パターンニング・ツール80によりパターン化される。パターンニング・ステップの後、ウエハーは、パターンニング・ツール80から計測システム82へと移動可能である。計測システム82は、次のウエハーまたはロットに関するパターンニング・プロセスのフィードバック制御に使用可能な、オーバーレイ計測、焦点計測、ドーズ計測、またはそれらの幾つかの組み合わせを実施可能である。オーバーレイ、焦点、ドーズ計測の結果は、ウエハー・レベル・オーバーレイ解析86とフィールド・レベル・オーバーレイ解析88を実施するように設定されたモデリング・モジュール84へ提供可能である。これらの解析結果は、修正生成エンジンが結果を利用し、次のウエハーに関して修正を生成できるように、修正生成エンジンへ提供される。
【0150】
ここに記載される実施態様は、現行の技術に比較してより詳細(空間的解像度)に、重要なプロセス・ステップにおけるウエハーの応力、及び/または、トポグラフィーを測定するのに使用可能である。これらのより詳細な測定は、ウエハー上で印刷されたパターンとそれ以前のパターン間でより良いレジストレーションを生成するために走査の最中に露出システムがリアルタイムの調節を行えるように高次の修正を露出システムに送るために、これらの応力または形状変化が露出システム・ウエハー・チャックとどのように相互作用するかのモデルと組み合わされる。このようなモデル、またはフィードフォーワード・スキームは、今日業界で使用されていない。
【0151】
ウエハーの応力、またはウエハー形状を測定するために使用される任意の現行技術は、(例えば、ウエハー全域に亘り正しい、または実質的に正しい位置で設計パターンが印刷されるようにパターンニング・プロセスを適切に修正するのに測定が使用可能なように)十分に高い空間解像度を提供するために技術が適用される限り、ここに記載される実施態様で使用可能である。幾つかの実施態様に於いて、本方法は、ウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含む。しかしながら、本方法は、ウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することを含まない場合がある。例えば、測定箇所の約80%のみを測定することで、ウエハー上で実質的に正しい位置に設計パターンが印刷されるように、プロセスの一つまたは複数のパラメタの変更に関する十分なデータを生成し得る場合がある。変形に基づき、変形をモデリングし、パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するのに十分なデータを提供するために測定が実施可能な解像度は、同じプロセスと同じタイプのプロセス・ツールで処理された他のウエハーの変形に関する情報に基づき(例えば、同様にプロセスされたウエハーに亘る変形の変動の一つまたは複数の特徴を吟味することにより)決定され得る。オーバーレイ・エラーに関するこの分野で公知の任意の技術を、ここに記載される実施態様内で使用可能である。焦点計測データを提供することを目的として、焦点がどれだけ変化したかを測定するために、オーバーレイ測定と組み合わせてCD測定を使用可能である。
【0152】
修正は、ウエハー応力、及び/または、ウエハー形状がチャックとどのように相互作用するかに基づく理論的モデルを用いて生成可能である。またモデルは、オーバーレイ、応力、形状、またはそれらの任意の組み合わせの測定間の経験的相関に基づくことが可能である。特定の露出システムに関して、ひとたび生成され得るモデルは、パターンニング以降のオーバーレイ測定結果が積み重なるに伴い、常時そして自動的にモデルを更新可能である。例えば、特定の露出システムに関して、ひとたびモデルが生成されると、モデルの調節は必要ないか、あるいはパターンニング以降のオーバーレイ測定結果が積み重なるに伴い、常時そして自動的に更新され得る。別個のモデルを、個々の露出システムに関して、及び/または、個々の光モードに関して使用可能である(なぜなら、個々の光モードは、非テレセントリシティに特有な特徴を生成するように光学収差と相互作用するためである)。
【0153】
本明細書に記載されている実施態様は、重要なプロセス・ステップが実施された後の応力、及び/または、形状に関して、そしてパターンニング後のオーバーレイ・エラーに関して、全てのウエハーを測定することを含み得る。或いは、本法は、一つまたは両者の計測ステップに関してウエハーのサブセットのみを測定することを含み得る。単一のプロセス・ツールがウエハー変形の繰り返される特徴を有する場合、ツール(またはチェンバー)からのロットあたり一つのウエハーを測定するか、一つまたは両者の計測ステップに関して、幾つかのロットあたり一つのウエハーを測定することで十分であり得る。
【0154】
修正方法の他の実施態様を図7に示す。この方法は、過去のリソグラフィー・プロセス90を含むことが可能であり、この分野で公知の任意の適切なリソグラフィー・プロセスを含み得る。本方法は、過去の過去のリソグラフィー・プロセスが実施されたウエハーを測定システム(図7には示されていない)へ移動することを含む。また本方法は、ここに記載される如くウエハー上で実施可能な応力、及び/または、トポグラフィー計測92を含み得る。応力、及び/または、トポグラフィー計測の結果は、この分野で公知の任意の適切なハードウエア、及び/または、ソフトウエアを含む情報収集モジュール94へ供給可能である。
【0155】
収集された情報は、フィードフォーワード・ループを経て、ここに記載される如く実施可能な修正発生96へ供給される。修正発生は、スキャナー修正(例えば、パターンニング・ツールまたはスキャナーの一つまたは複数のパラメタがどのように変更されるべきか)を生成することを含み得る。修正発生96への入力98は、ロットID、ウエハーID、層ID、ツールID、参照ツールID、チェンバーID、レチクルID、事前ツールIDなどを含み得るコンテクスト・キーを含み得る。修正発生96により生成された修正は、フィードフォーワード、及び/または、フィードバック・ループにより、露出システム100へ供給可能である。ウエハーは、応力、及び/または、トポグラフィー計測を実施した測定システムより、露出システム100へ移動可能である。露出システム100は、ウエハー上でリソグラフィー・プロセスを実施可能である。そして、オーバーレイ/CD/焦点計測102が、ここに更に記載される如くウエハー上で実施可能である。オーバーレイ、及び/または、CD、及び/または、焦点計測102は、フィードバック・ループを経て、この分野で公知の任意の適切なハードウエア、及び/または、ソフトウエアを含む情報収集モジュール104へ供給され得る。
【0156】
修正発生は様々な方法で実施可能である。例えば、フィードフォーワード情報は、高次のグリッド修正、個々のフィールド・レベル修正(線形または高次)、焦点修正、またはそれらの幾つかの組み合わせの生成に使用可能である。他の例に於いて、フィードフォーワード情報は、熱プロセス、エッチング・プロセス、CMPプロセスなどのプロセスに通常関連した、ウエハー形状に関連したオーバーレイ・エラーを含み得る。追加の例に於いて、フィードバック情報は、高次のグリッド修正、フィールドの平均修正(線形または高次)、個々のフィールド・レベル修正(線形または高次)、またはそれらの幾つかの組み合わせの生成に使用可能である。更なる例に於いて、フィードバック情報は、露出システムの特徴(ステージ、走査、レチクル・ステージ、光の特徴)、レチクルの特徴、露出システム・マッチングの特徴、残るプロセスに関連する特徴、またはそれらの幾つかの組み合わせを含み得る。図7に示す本方法は、ここに記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得る。
【0157】
本明細書に記載されている実施態様は、幾つかの利点を有する。例えば、リソグラフィー露出システム(例えば、スキャナー)は極めて高価(例えば、193 nm液浸スキャナーは約3000万ドル)である。本明細書に記載されている実施態様は、露出システムの効率改善に使用可能であるため、本明細書に記載されている実施態様は、露出システムのユーザに比較的高価値となり得る。特に、本明細書に更に記載されていように、高次の修正は、フィードフォーワード制御に使用可能である。更に、リソグラフィー(パターンニング)の前に応力、及び/または、形状測定が実施されるために、本明細書に記載されている実施態様は、高次の修正とフィールド・レベルの修正の両者を含み得る。更に、集中的な計測は、個々のウエハーに関して修正を生成可能であり、適時の、そして費用効率の高い方法で、ここに記載される実施態様により供給可能である。更に、本明細書に記載されている実施態様は、これらの修正を生成し追従するためのソフトウエアを計測ツールとより効率的に組み合わせるために使用可能であり、従って、計測ツールのより効率的な使用とプロセスのより効率的な制御を可能にする。
【0158】
本明細書に記載されている実施態様は、以下に限定されるものではないが、サンプリング最適化機器、AL/OLデータ解析、AL/OLデータに基づくフレキシブル。オーバーレイ・サンプリング、事前リソグラフィー・ツール・データに基づくフレキシブルオーバーレイ・サンプリングなどの様々な機能性を有することが可能である。例えば、ここに記載される実施態様は、オーバーレイ・エクスカーションを検知する(または関連情報をホストから受け取る)ためのアラインメント・データ解析能力を含む機能性を有することが可能である。一般にアラインメント・データは、生のデータ、モデル化されたパラメタ(同時に二つのモデルであり得る)、そして非モデル化データと呼ばれるモデル化されていないデータを意味する。更に、本明細書に記載されている実施態様の機能性は、ユーザにより定義可能な処方箋によるダイナミック(フレキシブル)・サンプリングを含み得る。サンプリング最適化機器は、空間変動モデリングに基づくオーバーレイ・サンプル計画最適化に関する自動化された方法を備え得る。
【0159】
オーバーレイ・エクスカーションを検知するためのALデータ解析は、反り、及び/または、撓みなどのウエハー変形の検知に関して第一の入力(AL非モデル化データ)を使用可能である。ソース・ファイルは、例えば、aweファイル、 EGAMファイル、またはこの分野で公知の任意の他の適切な標準ファイルとすることが可能である。実施されるアクションは、変形の特徴を検知するためにフィールド数を増やすことを含み得る。先進のアプリケーションは、異なるモデリングと比較的高い非モデル化ウエハーに関する適切な修正の組み合わせを含む(SMM機能)。例えば、異なるモデリングと適切な修正は線形、ボルテックス(双極子)、ソンブレロ(半径による拡張)、三次多項式を含むことが可能である。これらは、生産モードでは実用的で無いかもしれないが、研究開発もしくはトラブルシュートには実用的である、アラインメント・モデルを変更するトリガーであり得る。従って、トラブルシュート解析は、ダイナミック・サンプリングにより自動的に終了可能である。ユーザ(例えば、エンジニア)は単に決断するだけでよい。ひとたびユーザが特定の特徴に関して幾らかの経験を有するようになると、成膜チャンバー事例におけるソンブレロ特徴などの関連プロセスに関する直接のフィードバックもまた可能である。第二の入力は、ウエハー拡張の範囲と、ウエハー−ウエハー間の変動の検知に関する直交性と高次の項を含み得る。ソース・ファイルは、ロット報告ファイル、EGAM(EGAM、SIG、OLEVに関するSGL入力)、或いは、この分野で公知の任意の他の適切な標準ファイルとすることが可能である。アクションは、ウエハーの数を増やすことを含み得る。先進のアプリケーションは、アラインメントとオーバーレイ・データの両者に関する修正可能なパラメタの傾向を示すことを含み得る。これは、チャック−チャック間の変動、修正可能なドリフト、レンズ加熱などの不具合の理由、及び/または、アラインメントに誘起されるかそれ以外野理由によるの不具合の源を決定するために実施可能である。ALデータ解析は、あるシステム(KLA−Tencorより購入可能なArcherシステムなど)に関するロットID、ならびに組み合わせ(AL非モデル化データと範囲)を含むことが可能である。
【0160】
フレキシブル・サンプリングは、ALデータによるOVLエクスカーション検知を含み得る。OVLエクスカーション検知は、AL非モデル化データ値が閾値上にあるウエハーを検知するためにOL非モデル化閾値を用いることが可能であり、これによるサンプリングがユーザにより先立って定義され得る。OVLエクスカーション検知は、また、或いは修正可能な値が閾値の上にあるウエハーを検知し、及び/または、修正可能な値の「n」σが許容範囲外にあるウエハーを検知するためにウエハー−ウエハー間の変動閾値を用いることが可能である。
【0161】
またフレキシブル・サンプリングは、OLデータによるOVLエクスカーション検知を含み得る。例えば、OL非モデル化閾値は、OL非モデル化値が閾値以上であるウエハーを検知するために使用可能である。これによるサンプリングは、サンプリング・フィールド、及び/または、サンプリング・ウエハーを増やすために、ユーザにより先立って定義可能である。OVLデータによるOVLエクスカーション検知は、或いはOVLエクスカーション検知は、(AVG−閾値の)修正可能な値が閾値の上にあるウエハーを検知し、及び/または、修正可能な値の「n」σが許容範囲外にあるウエハーを検知するためにウエハー−ウエハー間の変動閾値を用いることが可能であり、サンプリング・フィールド、及び/または、サンプリング・ウエハーを増やすことを含み得る。更に、全ての検知機能は切り替え可能(有効/無効)である。
【0162】
図8は、ここに記載される一つまたは複数の方法を実施するため作動可能なダイナミック・サンプリングと修正システムの実施態様を示す。本システムは、ウエハー114を光のパターンへ露出するのに作動可能な、この分野で公知の任意の適切な露出システム106を備える。適切な露出システムの例は、ステッパとスキャナーを含む。露出システム106は、アラインメント(AL)データID、ロットID、チャックID、そしてレチクルIDなどの情報を生成し、係る情報をホスト108に送るように作動可能である。ホスト108は、ALデータID、ロットID、チャックID、そしてレチクルIDをダイナミック・サンプリング(DS)モジュール110へ提供するように作動可能な一つまたは複数のプロセッサ(示されていない)を備え得る。DSモジュール110は、ホスト108からのALデータID、ロットID、チャックID、そしてレチクルIDを受け取り、保管するための一つまたは複数の記録メディア(示されていない)を備え得る。またDSモジュール110は、サンプリング・スキームまたは計画をトリガーし、トリガーされたサンプリング・スキームを計測システム112へ提供するように作動可能な一つまたは複数のプロセッサ(示されていない)を備え得る。計測システムは、KLA−Tencorより購入可能なArcher 10システムなどの商業的に入手可能な計測システムを備え得る。露出されたウエハー116は、カセットまたはポッドなどのこの分野で公知の任意の適切な容器(示されていない)内の測定のために、露出システム106より計測システム112へ移動され得る。計測システム112は、DSモジュール110により供給されるサンプリング・スキームを用いて、露出されたウエハー116上で測定を実施するように設定される。露出されたウエハー116上で実施される測定は、ここに記載される任意の測定を含み得る。例えば、一実施態様に於いて、計測システム112は、応力ならびにトポグラフィー測定を実施可能である。他の実施態様に於いて、オーバーレイ(OL)、ドーズ、または焦点測定を実施可能である。例えば、計測システム112は、一つまたは複数のウエハーのオーバーレイを設定するように設定可能であり、オーバーレイ測定を実施するためにDSモジュール110からのサンプリング計画を用いることが可能である。計測システム112は、本明細書に記載されている方法に応じて、同じまたは次のロット内の他のウエハーに関するサンプリング・スキームを調節し得るDSモジュール110へ計測データ(例えば、オーバーレイ結果)を供給するように設定可能である。例えば、DSモジュール110は、オプションとしてユーザ定義に依存可能な更なるサンプリング計画(特定のレシピ)を生成可能である。
【0163】
DSモジュール110は、フォーワード制御ループ内の計測データを先進プロセス制御(APC)システム118へ供給するように設定可能である。このようにして、DSモジュール110は、APCシステム118を更新するように設定可能である。APCシステム118は、露出されたウエハー116の変形を補償ためにパターンニング・システム120を制御するように作動可能である。APCシステム118は、この分野で公知の任意の適切な設定を有することが可能である。一実施態様に於いて、APCシステム118は、DSモジュール110から送られた計測データを用いてモデリングを実施するように設定可能である。例えば、APCシステム118は、上記されているように、計測データに基づく有限要素チャック変形解析を実施するように、またはスルー焦点パターン位置予測を立てるように作動可能である。他の実施態様に於いて、APCシステム118は、既述のように修正を生成するように作動可能である。モデリングの結果に基づき、APCシステム118は、高次のウエハーならびにフィールド修正を用いて、パターンニング・システム120のオーバーレイと焦点パターンニング制御(示されていない)を更新する。パターンニング・システム120の制御は、パターンニング・システムへ修正を実施するように作動可能である。パターンニング・システム120の制御は、この分野で公知の任意の適切な制御とすることが可能である。露出されたウエハー116は、計測システム112からパターンニング・システム120へ移動され、そこでAPCシステム118により生成された修正が実施され、露出されたウエハー116がパターンニングされる。結果として、露出されたウエハー116は、パターン化されたウエハー122となる。
【0164】
一実施態様に於いて、APCシステム118は、パターン化されたウエハー122の計測データに一部または全て基づく修正を生成するように設定される。例えば、パターンニングの後、パターン化されたウエハー122は計測システム112へ送り戻され、再度測定がなされる。DSモジュール110は、ユーザ定義に依存し、オプションとして変化可能な追加のサンプリング計画(例えば、特定のレシピ)を提供するように設定可能である。計測システム112は、パターン化されたウエハー122のOL、ドーズ、そして焦点データを取得し、更なるモデル化のために、フィードバック・ループ内のこれらのデータを、DSモジュール110とAPCシステム118へ供給するように設定可能である。従って、パターン化されたウエハー122の計測データのモデリングは、同じ、または次のロット内の他のウエハーのパターンニングに関する修正を生成するために使用可能である。
【0165】
ここに開示される実施態様は、様々な外部プロセス要求を満たすために変更可能である。例えば、上に記載される情報の流れは、ホスト108を経ること無く、露出システム106から直接計測システム112へ送ることが可能である。他の例として、幾つかのプロセスに於いて、パターン化されたウエハー122に関して、同じ計測システム112の代わりに第二の計測システム(示されていない)により測定を行った場合がより望ましい、または効率的である場合がある。更に他の例に於いて、パターンニング・システム120は、露出システム106に類似の別の露出システムであり得る。このようにして、ここに記載される実施態様は、複数の露出システム(例えば、スキャナー)と共に使用可能である。
【0166】
既述のシステムは、様々なワークフローに適用可能である。一例に於いて、アラインメント・データ(例えば、x方向のアラインメント非モデル化データとy方向のアラインメント非モデル化データ)は、ウエハー・ロット内の特定のウエハー(例えば、ウエハー番号05)が、ダイナミック・サンプリング・スクリプト内のウエハー−ウエハー間の許容設定を超えることを示し得る。ウエハー−ウエハー間の許容設定は以下のように設定可能である。範囲が閾値設定を超える場合、幾つかのウエハーは、1)平均より許容設定を差し引く、及び/または、2)分布の±10%を(ある標準偏差設定に関して)選択する、ことにより選択される。標準測定をロット内の幾つかのウエハー(例えば、ウエハー番号02、03、21、そして22)上で実施可能である。例えば、標準測定は、標準サンプリング・カテゴリ、標準サンプリング・モデル、そして標準解析を用いて実施可能である。更なる測定(標準測定またはウエハー−ウエハー・サンプリング・カテゴリ)と仕様概要がウエハー番号05上で実施可能である。オーバーレイ・データが仕様の外側にある場合、ウエハー番号05は、再度加工され得る。オーバーレイ・データが仕様の内側にある場合、アクションは何もとられない。ワーク・フローはウエハー番号05のみを再加工へ送ることを含み得る。APCシステムは、ウエハー番号05に関する理想的な修正を決定し、前記理想的な修正を用いてウエハー番号05は露出され得る。ウエハー番号02、03、21、そして22のみが、APCフィードバックに使用される。必要とあれば、A.Aは二つの結果ファイルを生成する。上に記載されるワーク・フローの利点は、オーバーレイ異常の自動検知、収率削減のリスク回避、エンジニアの時間節約、そしてAPCインパクトが無いことである。
【0167】
他の例に於いて、既述のワーク・フローは、SMMと共に使用可能である。例えば、アラインメント・データ(例えば、x方向のアラインメント非モデル化データとy方向のアラインメント非モデル化データ)は、ウエハー番号25がDSスクリプト内のアラインメント非モデル化データ許容設定の範囲外にあることを示し得る。或いは、特定のウエハーのオーバーレイ・データが仕様外にあることも同様である。標準測定をロット内の幾つかのウエハー(例えば、ウエハー番号02、03、21、そして22)上で実施可能である。標準測定は、標準サンプリング・カテゴリ、標準サンプリング・モデル、そして標準解析を用いて実施可能である。更なる測定(増加されたサンプリング)が、AL非モデル化データ・サンプリング・カテゴリを用いて、ウエハー番号25上で実施可能である。例えば、測定は、ウエハー上の個々のフィールドに関して実施可能である。ウエハー番号25は、高すぎる非モデル化データを示す場合がある。従って、前記ウエハーは、オーバーレイ仕様を満たさない。SMMは、ウエハー番号25のオーバーレイ・データをシミュレートし、フィールドあたりの理想的なグリッド修正により可能な改善を示し得る。APCは、オーバーレイ・データをシミュレートし、非モデル化値を削減可能な新しいモデルを推奨可能である。この情報は、異なるアラインメント・モデルを使用するトリガーとなり得る。しかしながら、スキャナーに於いて新しいレシピが要求されるため、アラインメント・モデルを変更することは、トラブル・シューティングとは見なされない。SMMは必要な情報を生成可能である。スキャナーが受け入れ可能なフォーマットは、gcmrファイル、サブレシピ、そしてsecsメッセージなど重要なものであり得る。ウエハー番号02、03、21、そして22のみが、APCフィードバックに使用される。上に記載されるワーク・フローは、オーバーレイ異常の自動検知、収率削減のリスク回避、エンジニアの時間節約、そしてAPCインパクトが無いこと、そして高次元モデルなどの異なるモデル・パラメタであることを考慮に入れても適切なプロセス修正などの利点を有する。
【0168】
オプションの幾つかをAPCインパクトの制御に使用可能である。例えば、APC制御に関する損傷を避けるために、追加のサンプリングが使用された際に、オプションとして、二つの解析ファイルを生成することが可能である。標準サンプリングに基づく解析は、APCの更新に使用される。APCに関する変更が無い場合、この方法は有効である。しかしながら、AAに関して更なる解析が存在する場合がある。APC制御に関する損傷を避けるための別のオプションは、追加サンプリングを行った如何なるロットをもAPCに用いないことである。このようにして、AAに関する更なる解析を無くすことが可能である。しかしながら、追加サンプリングをAPCロット・コンテクストに加えることが可能である。
【0169】
本明細書に記載されている実施態様は、幾つかの利点を有する。例えば、実施態様は、エクスカーションに関する全てのウエハーを監視することを含み、収率損失のリスクを最小化可能とする。このようにして、一つのウエハーさえ、オーバーレイ監視を避けることはできない。更に、本明細書に記載されている実施態様は、自動トラブルシューティング開始を含み得る。また本明細書に記載されている実施態様は、ユーザ定義によるフレキシブル・サンプリングに関して使用可能であり、それ故、サンプリング効率を改善する。例えば、本明細書に記載されている実施態様は、ユーザ定義による自動サンプリング選択に使用可能である。更に、最小限のオーバーレイ測定増加でサンプリング効率を改善可能である。
【0170】
また本明細書に記載されている実施態様は、APCにインパクトを与えない。更に、本明細書に記載されている実施態様は、適切な追加サンプリングによりエンジニア時間が大幅に節約されるため、エンジニアリングにとって有益である。更に、本明細書に記載されている実施態様は、サイクル時間に関して有益である。例えば、適切なオーバーレイ測定サンプリングが実施される場合、適切な修正に必要な情報が生成され、それ故、サイクル時間が改善される。
【0171】
本明細書に記載されている実施態様は、アラインメント・データを用いるダイナミック・オーバーレイ・サンプリングに使用可能である。本明細書に記載されている実施態様は、露出システムからのアラインメント・データを用いて、オーバーレイ・サンプリングをより効率的かつ適切にするために使用可能である。
【0172】
現状では、オーバーレイ・サンプリングは、ユーザにより予め定義されたサンプリングにより決定される。しかしながら、オーバーレイ計測システムの限られたスループットのために、オーバーレイ・サンプリングはランダムに行われている。このことは、問題(エクスカーション)があるウエハーがオーバーレイに関して測定されなかった場合、方法は、単に検出されなかったため、オーバーレイの問題を検出できず、ウエハー(ロット)は単に次のプロセスに移行する。
【0173】
しかしながら、本明細書に記載されている実施態様に於いて、アラインメントは個々の全てのウエハーに関して実施可能なため、アラインメント・データをオーバーレイ・サンプリングを決定するための一つのトリガーとして使用することで、オーバーレイ・エクスカーションをより効率的に適切に検知できる。更に、アラインメントは個々の全てのウエハーに関して実施されるため、アラインメント・データをオーバーレイ・サンプリングを決定するための一つのトリガーとして使用することで、オーバーレイ仕様外による潜在的収率損失のリスクを削減可能である。
【0174】
本明細書に記載されている実施態様は、異なる使用事例の幾つかで使用可能である。例えば、本明細書に記載されている実施態様が特に有益となり得る一使用事例は、ダブル・パターンニング・リソグラフィーである。一例に於いて、ダブル・パターンニング(例えば、第二層が同じ層に第一層として配列される)で間接的なアラインメントが使用された場合、第二層のサンプル寸法を決定するために、第一層の非モデル化データをここに更に記載される如く使用可能である。他の例に於いて、ダブル・パターンニング(例えば、第二層が同じ層に第一層として配列される)で間接的なアラインメントが使用された場合、第二層の仕様が、第一層のオーバーレイ結果に応じて第二層の仕様が更新される如く、ここに記載される結果に応じて第二層の仕様が更新され得る。更なる例に於いて、間接的なアラインメントが使用された場合、第一層のモデルは、第二層の予想モデルとして使用可能である。次に、第二層上で最小限要求されるサンプリングが測定され、結果が予め設定されたモデルと比較され得る。差が閾値を超える場合、追加の測定を実施可能である。更なる例に於いて、二つのターゲットのみが測定され(例えば、層1/層0と層2/層0)、そして第三ターゲットの結果が予想され(例えば、層2/層1)、予想が仕様外である場合、これらのターゲットの全サンプリング測定を実施可能である。
【0175】
既述の方法の個々の実施態様の個々は、本明細書に記載されている任意の他の方法の任意の他のステップを含み得る。更に、既述の方法の個々の実施態様の個々は、本明細書に記載されている任意のシステムを用いて実施可能である。
【0176】
本技術関連分野に精通した者には、本発明の様々な見地の更なる変更と別の実施態様は明らかであろう。例えば、ウエハー上で実施される測定中のプロセスに関するダイナミック・サンプリング・スキームを生成または実施するための方法ならびにシステムがもたらされる。したがって、この記載は、説明のためのみとして構築され、そして本発明を実施するための一般的方法を、本技術関連分野に精通した者に教示する目的にある。本明細書に示され、記載された本発明の形態は、現状で好ましい実施態様として解釈されるべきであることに留意されたい。ここに示され、記載された要素と材料は置換可能であり、部品とプロセスは順序を入れ替えることが可能であり、本発明のいくつかの特徴は独立して活用可能であり、本発明に記載された利点を理解した後、本技術関連分野に精通した者には、これら全ては明らかであろう。特許請求の範囲に記載される本発明の思想と見地から逸脱することなく、此処に記載される要素は変更可能である。
適用例1:実行中にウエハー上で測定が実施されるプロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームを生成するための方法であって、少なくとも一つのロット内における全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施することと、前記測定結果に基づき前記プロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームに関する最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、および閾値を決定すること、前記閾値は、前記プロセスのために用いられるべき、前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームにおける測定の値に対応することと、を備える方法。
適用例2:前記全ての測定箇所は、前記ウエハー上の全てのフィールド、ウエハー上の全てのターゲット、またはウエハー上の前記全てのフィールドと前記全てのターゲットを含む適用例1に記載の方法。
適用例3:前記方法を予め定められた間隔で実施することを更に備える適用例1に記載の方法。
適用例4:前記測定結果が、前記測定の変動に関する情報を含む適用例1に記載の方法。
適用例5:前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームが、前記ウエハー上で一つまたは複数の他のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報と組み合わせた測定結果に基づき決定される、適用例1に記載の方法。
適用例6:前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームが、前記プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかを含む、適用例1に記載の方法。
適用例7:前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームが、前記プロセスで測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかと、前記プロセス中に他のウエハーの個々に実施されるべき測定の一つまたは複数のパラメタを含む、適用例1に記載の方法。
適用例8:前記プロセス中に他のロット内の他のウエハー上で測定を実施することによりダイナミック・サンプリング・スキームを実施し、前記他のウエハー上で実施された前記測定により得られた測定値を閾値と比較し、前記比較の結果に基づき更なるロット内の更なるウエハー上で測定が実施されている最中に、前記プロセスに関してどのサンプリング・スキームが使用されるべきかを決定することを更に備える、適用例1に記載の方法。
適用例9:前記更なるウエハー上での前記測定を実施する前に、前記プロセスを実施するために構成されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを更に備える、適用例8に記載の方法。
適用例10:前記プロセスは、計測プロセスを含む、適用例1に記載の方法。
適用例11:実行中にウエハー上で測定が実行されるプロセスのためのサンプリング・スキームをダイナミックに選択するための方法であって、最適なサンプリング・スキームを用いて、少なくとも一つのロット内の少なくとも一つのウエハー上で測定を実施することと、前記測定の値を、前記最適なサンプリング・スキームの代わりに、前記プロセスのために用いられるべき、強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームにおける測定値に対応する閾値と比較することと、前記比較結果に基づき、実行中に、少なくとも一つの更なるロット内の少なくとも一つの更なるウエハー上で測定が実施される前記プロセスのための最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、または削減されたサンプリング・スキームを選択すること、を備える方法。
適用例12:前記少なくとも一つの更なるウエハー上で測定を実施する前に、前記プロセスを実施するように設定されたツールの一つまたは複数のパラメタを変更することを更に備える、適用例11に記載の方法。
適用例13:実行中にウエハー上で測定が実施されるプロセスのためのダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように設定されたシステムであって、前記ウエハー上で前記測定を実施するように設定された測定ツールと、一つまたは複数のプロセッサであって、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施するための測定ツールを制御し、前記測定の結果に基づき前記プロセスのための前記ダイナミック・サンプリング・スキームに関する最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、削減されたサンプリング・スキーム、そして閾値を決定するように設定された一つまたは複数のプロセッサとを備え、前記閾値は、前記プロセスのために用いられるべき最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームにおける測定の値に対応する、システム。
適用例14:前記全ての測定箇所は、前記ウエハー上の全てのフィールド、前記ウエハー上の全てのターゲット、または前記ウエハー上の前記全てのフィールドと前記全てのターゲットを含む、適用例13に記載のシステム。
適用例15:前記システムはさらに、予め定められた間隔でダイナミック・サンプリング・スキームを生成するように構成されている、適用例13に記載のシステム。
適用例16:前記測定結果は、前記測定の変動に関する情報を含む、適用例13に記載のシステム。
適用例17:前記一つまたは複数のプロセッサはさらに、前記ウエハー上で一つまたは複数の他のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報と前記測定結果との組み合わせに基づき、前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームを決定するように構成されている、適用例13に記載のシステム。
適用例18:前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームは、前記プロセスにおいて測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかを含む、適用例13に記載のシステム。
適用例19:前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームは、前記プロセスにおいて測定されるべき他のロット内の他のウエハーの幾つかと、前記プロセス中に前記他のウエハーの各々に実施されるべきである測定の一つまたは複数のパラメタを含む、適用例13に記載のシステム。
適用例20:前記一つまたは複数のプロセッサは更に、他のロット内の他のウエハー上で実施された測定値と閾値とを比較し、前記比較結果に基づき、実行中に更なるロット内の更なるウエハー上で前記測定が実施される前記プロセスのためにいずれの前記サンプリング・スキームが使用されるべきであるかを決定することにより、ダイナミック・サンプリング・スキームを実施するように構成されている、適用例13に記載のシステム。
適用例21:一つまたは複数のプロセッサはさらに、前記測定ツールが更なるウエハー上で前記プロセスを実施する前に、前記測定ツールの一つまたは複数のパラメタを変更するように構成されている、適用例20に記載のシステム。
適用例22:前記測定ツールはさらに、計測ツールとして構成されている、適用例13に記載のシステム。
適用例23:測定プロセス中にウエハーのサンプリングを行うための方法であって、前記測定プロセスのための複数のサンプリング・スキームを設計し、前記ウエハーのための前記複数のサンプリング・スキームの一つをトリガーリングし、前記トリガーされたサンプリング・スキームを用いて、前記測定プロセス中に俗体が前記ウエハー上で実行されるように、前記トリガーされたサンプリング・スキームを起動することを備える、方法。
適用例24:前記設計は、
少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で測定を実施し、前記全てのウエハー上で実施された前記測定の結果に基づき、最適なサンプリング・スキーム、強化されたサンプリング・スキーム、および削減されたサンプリング・スキームを決定すること、前記測定の結果に基づき、前記最適なサンプリング・スキーム、前記強化されたサンプリング・スキーム、および前記削減されたサンプリング・スキームをトリガーするために使用される閾値を決定すること、を備える、適用例23に記載の方法。
適用例25:前記設計は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果に基づく複数のサンプリング・スキームを設計することを含み、前記トリガーされたサンプリング・スキームが起動された前記ウエハーは、前記少なくとも前記一つのロット以外のロット内にある、適用例23に記載の方法。
適用例26:前記設計は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果に基づく複数のサンプリング・スキームを設計することを含み、前記測定結果は生の測定データを含み、前記方法は更に、前記生の測定データに基づき前記複数のサンプリング・スキームを設計する前に絶対値または回帰フィルタを前記生の測定データに適用することを備える、適用例23に記載の方法。
適用例27:前記設計は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果、および前記全てのウエハー上で一つまたは複数のプロセスを実施した一つまたは複数のツールからの情報、に基づき前記複数のサンプリング・スキームを設計することを含む、適用例23に記載の方法。
適用例28:前記設計は、少なくとも一つのロット内の全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果、および前記全てのウエハー上で実施された一つまたは複数のプロセスに関するプロセスツールの履歴データ、に基づき前記複数のサンプリング・スキームを設計することを含む、適用例23に記載の方法。
適用例29:前記設計は、最適化基準および前記測定プロセスの一つまたは複数の外部制約に基づき前記複数のサンプリング・スキームを設計することを含む、適用例23に記載の方法。
適用例30:前記設計は、前記トリガーリングに使用されるべき直接的な閾値を決定することを含む、適用例23に記載の方法。
適用例31:前記トリガーリングは、少なくとも一つのロット内の前記全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果と前記直接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例32:前記トリガーリングは、少なくとも一つのロット内の前記全てのウエハー上の全ての測定箇所で実施された測定の結果の統計的特性と前記直接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例33:前記トリガーリングは、前記プロセスツールの履歴データと前記直接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例34:前記トリガーリングは、一つまたは複数の計測ツール、または一つまたは複数のプロセス・ツールからのデータと前記直接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例35:前記設計は、前記トリガーリングに使用されるべき間接的な閾値を決定することを含む、適用例23に記載の方法。
適用例36:前記トリガーリングは、時間データと間接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例37:前記トリガーリングは、プロセス・ツール品質管理データと間接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例38:前記トリガーリングは、生産フロアまたは材料計画データと間接的な閾値とを比較することにより起動される、適用例23に記載の方法。
適用例39:ウエハーをパターンニングするための方法であって、前記ウエハー上で測定を実施すること、前記測定の結果に基づき前記ウエハーの変形をモデル化すること、前記ウエハーの変形に基づきパターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更すること、前記変更後、第一のパターン化されたウエハーを製造するために、前記パターンニング・ツールを用いて前記ウエハーをパターンニングすること、を備える、方法。
適用例40:前記測定の実施は、前記ウエハー上の全ての測定箇所で測定を行うことを含む、適用例39に記載の方法。
適用例41:前記測定の結果は、応力計測データを含む、適用例39に記載の方法。
適用例42:前記測定結果は、形状計測データを含む、適用例39に記載の方法。
適用例43:前記測定結果は、オーバーレイ計測データを含む、適用例39に記載の方法。
適用例44:前記モデル化は、前記ウエハーが前記パターンニング・ツールのステージ上に配置された際の前記ウエハーの変形を見積もることを含む、適用例39に記載の方法。
適用例45:前記モデル化は、前記ウエハー上の設計パターンの前記パターンニング上の変形の効果をシミュレートすることを含む、適用例39に記載の方法。
適用例46:適用例39に記載の方法はさらに、前記第一のパターン化されたウエハー上で更なる測定を実施すること、前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更すること、前記更なる測定の結果に基づき前記パターンニング・ツールの一つまたは複数のパラメタを変更した後、第二のパターン化されたウエハーを製造するために、前記パターンニング・ツールを用いて第二のウエハーをパターンニングすること、を備える、方法。
適用例47:前記更なる測定の結果は、オーバーレイ計測データを含む、適用例46に記載の方法。
適用例48:前記更なる測定の結果は、焦点計測データを含む、適用例46に記載の方法。
適用例49:前記更なる測定の結果は、ドーズ計測データを含む、適用例46に記載の方法。
適用例50:前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、同じロット内にある、適用例46に記載の方法。
適用例51:前記第一と第二のパターン化されたウエハーは、異なるロット内にある、適用例46に記載の方法。
適用例52:ウエハーをパターンニングするために作動可能なシステムであって、前記ウエハー上で測定を実施するように作動可能な測定ツールと、前記測定の結果に基づき前記ウエハーの変形をモデル化し、前記ウエハーの変形に基づきパターンニング・プロセスの一つまたは複数のパラメタを変更する、ように作動可能な一つまたは複数のプロセッサと、第一のパターン化されたウエハーを製造するために前記パターンニング・プロセスの前記一つまたは複数のパラメタが変更された後に、前記パターンニング・プロセスを用いて前記ウエハーをパターンニングするように作動可能なパターンニング・ツールと、を備える、システム。
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