(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980856
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】吊り下げられたソールプレートを有するゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20160818BHJP
【FI】
A63B53/04 D
A63B53/04 E
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-162439(P2014-162439)
(22)【出願日】2014年8月8日
(62)【分割の表示】特願2012-522907(P2012-522907)の分割
【原出願日】2010年7月22日
(65)【公開番号】特開2014-205081(P2014-205081A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】12/509,861
(32)【優先日】2009年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514175900
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト セー. フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ボイド ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オールドノウ アンドリュー ジー.ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ケネス ダブリュ.
【審査官】
藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−035268(JP,A)
【文献】
特開2006−231064(JP,A)
【文献】
特開2005−006836(JP,A)
【文献】
特開2005−152073(JP,A)
【文献】
特開2007−083012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00−53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ部材、
該ボディ部材の下方に、該ボディ部材から離間して配置されたソールプレート、および
該ボディ部材と該ソールプレートとの間に配置された、該ソールプレートを該ボディ部材から吊り下げるように働く弾性材料であって、後方に延びた実質的に水平な部分から下に向けて延びた実質的に垂直な部分を含む、該弾性材料
を含む、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
弾性材料が、ゴルフボールを打ったときに該ボディ部材の振動のいくらかを打ち消すように該ソールプレートを振動させるよう構成されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
弾性材料が、該ソールプレートを該ボディ部材に固着する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
ソールプレートの重量がゴルフクラブヘッドの総重量の12%〜30%の間である、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
ゴルフクラブヘッドの総重量が200〜330グラムの間である、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
弾性材料が一続きの材料片である、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
ボディ部材、
該ボディ部材から離間したソールプレート、ならびに
該ボディ部材と該ソールプレートとの間に配置された弾性材料であって、後方に延びた実質的に水平な部分から下に向けて延びた実質的に垂直な部分を含む、該弾性材料
を含む、ゴルフクラブヘッドであって、
該ソールプレートおよび該ボディ部材がそれぞれゴルフクラブヘッドのソール表面の少なくとも一部を形成している、ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
弾性材料が、該ソールプレートを該ボディ部材に固着する、請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
ソールプレートの重量がゴルフクラブヘッドの総重量の12%〜30%の間である、請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
ゴルフクラブヘッドの総重量が200〜330グラムの間である、請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
ボディ部材が第一の垂直な係合表面および第一の水平な係合表面を含み、該第一の垂直な係合表面および該第一の水平な係合表面は互いに隣接しており;かつ、
ソールプレートが第二の垂直な係合表面および第二の水平な係合表面を含み、該第二の垂直な係合表面および該第二の水平な係合表面は互いに隣接しており;
弾性材料の前記実質的に垂直な部分が、該第一の垂直な係合表面と該第二の垂直な係合表面との間に配置されており、かつ、弾性材料の前記実質的に水平な部分が、該第一の水平な係合表面と該第二の水平な係合表面との間に配置されている、
請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
第一の垂直な係合表面が第二の垂直な係合表面に対して実質的に平行であり;かつ、
第一の水平な係合表面が第二の水平な係合表面に対して実質的に平行である、
請求項11記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
第一の垂直な係合表面と第二の垂直な係合表面とが、ゴルフクラブヘッドの下面に対して実質的に直角をなしており;かつ、
第一の水平な係合表面と第二の水平な係合表面とが、ゴルフクラブヘッドの下面に対して実質的に平行である、
請求項11記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
フェースと、ホーゼルと、少なくとも第一の係合表面および第二の係合表面とを含むボディ部材であって、該ボディ部材の該第一および第二の係合表面が互いに隣接している、該ボディ部材と、
該ボディ部材の下方に、該ボディ部材から離間して配置された、少なくとも第一および第二の係合表面を含むソールプレートであって、該ソールプレートの後部端は、該後部端の上面、下面、および後面の少なくとも一部がゴルフクラブヘッドの外側に露出するように、該ボディ部材から後方に延びており、かつ、該ソールプレートの該第一および第二の係合表面が互いに隣接している、該ソールプレートと、
該ボディ部材の該第一および第二の係合表面と該ソールプレートの該第一および第二の係合表面との間に配置された、該ソールプレートを該ボディ部材から吊り下げるように働く弾性材料の層であって、後方に延びた実質的に水平な部分から下に向けて延びた実質的に垂直な部分を含む、該弾性材料の層と
を含む、ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
弾性材料が一続きの材料片である、請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
ボディ部材、
該ボディ部材の下方に、該ボディ部材から離間して配置されたソールプレート、および
該ボディ部材と該ソールプレートとの間に配置された、該ソールプレートを該ボディ部材から吊り下げるように働く弾性材料であって、ゴルフボールを打ったときに該ボディ部材の振動のいくらかを打ち消すように該ソールプレートを振動させるよう構成されている、該弾性材料
を含む、ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
弾性材料が一続きの材料片である、請求項16記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
ソールプレートの重量がゴルフクラブヘッドの総重量の12%〜30%の間である、請求項16記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照により全体として本明細書に組み入れられる2009年7月27日出願の米国特許出願第12/509,861号からの優先権の恩典を主張する。
【0002】
分野
本発明の局面は概して、ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関し、特に、弾性材料によってクラブヘッドから隔てられたソールプレートを有するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ゴルファーは、ゴルフクラブの「感触」に敏感である傾向がある。ゴルフクラブの「感触」は、ボールに対してスイングする、および/またはボールを打ったときにプレーヤが体感する感覚を生じさせる、クラブの様々なコンポーネントパーツおよびクラブに関連する様々な特徴の組み合わせを含む。クラブ重量、重量配分、スイング重量、エアロダイナミクス、スイング速度などがすべて、スイングし、ボールを打ったときのクラブの「感触」に影響することができる。「感触」はまた、ボールを動かすためにクラブヘッドフェースがボールを打ったときに発生する振動にも関連することがわかっている。このような振動は、クラブヘッドからシャフトを介してユーザの手に伝達される。ユーザがこのような振動を感知するならば、ユーザはひるみ、スイングをあきらめる、スイングを減速させる、グリップを失う、および/またはスイングのフォロースルーを完全には行うことができず、それにより、距離、方向および/またはスイングの他の性能局面ならびに結果的なボールの動きが影響を受けるおそれがある。ボールを打つ前でさえ、このような望ましくない振動の予感がユーザのスイングに影響することもある。
【0004】
クラブヘッドのフェースで発生する振動をシャフトから隔離することが、ユーザにとって改善された「感触」を生じさせるであろう。従来から公知の装置に固有の難題のいくつかまたはすべてを軽減または解消するゴルフクラブヘッドを提供することが望ましいであろう。以下の本発明の開示および特定の態様の詳細な説明を考慮すると、特定の利点が当業者、すなわち、この技術分野における知識または経験を有する者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0005】
概要
本発明の原理を使用して、クラブヘッドのボディ部材の下面に沿って吊り下げられたソールプレートを有するゴルフクラブを提供することができる。第一の例示的局面にしたがって、ボディ部材はフェースプレートおよび第一の係合部材を有する。ソールプレートが第二の係合部材を有し、第一および第二の係合部材は互いにインタロックしている。弾性材料の層が第一の係合部材と第二の係合部材との間に配置されている。
【0006】
別の例示的局面にしたがって、ゴルフクラブアセンブリは、シャフトおよびシャフトの第一端に固着されたクラブヘッドを含む。クラブヘッドは、第一の係合部材を有するボディ部材を含む。ソールプレートが第二の係合部材を有し、第一および第二の係合部材は互いにインタロックしている。弾性材料の層が第一の係合部材と第二の係合部材との間に配置されている。
【0007】
さらなる例示的局面にしたがって、ゴルフクラブアセンブリは、シャフトおよびシャフトの第一端に固着されたクラブヘッドを含む。クラブヘッドは、第一の係合部材を有するボディ部材を含む。ソールプレートが第二の係合部材を有し、第一および第二の係合部材は互いにインタロックしている。弾性材料の層が第一の係合部材と第二の係合部材との間に配置されている。
【0008】
特定の態様にしたがって、ゴルフクラブのボディ部材クラブヘッドに吊り下げられたソール部材を提供することにより、ゴルフクラブでゴルフボールを打ったときにユーザの手によって感知される振動の量を減らすことができる。そのようなものとして、ユーザにとってのクラブの「感触」を改善することができ、ユーザは、自らのスイングでより快適になり、自らのスイングにより自信を持てるようになる。
【0009】
ここに開示されるこれらおよびさらなる特徴および利点は、特定の態様の以下の詳細な開示からさらに理解されるであろう。
[本発明1001]
ボディ部材、
該ボディ部材から離間したソールプレート、および
該ボディ部材と該ソールプレートとの間に配置された弾性材料の層
を含む、ゴルフクラブヘッド。
[本発明1002]
弾性材料がウレタンである、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1003]
弾性材料がエラストマーである、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1004]
ボディ部材がキャビティバック式部材である、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1005]
ソールプレートの重量がボディ部材の重量の約12%〜約30%の間である、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1006]
第一の係合部材を有するボディ部材、
第二の係合部材を有するソールプレートであって、該第一および第二の係合部材が互いにインタロックしている、ソールプレート、ならびに
該第一の係合部材と該第二の係合部材との間に配置された弾性材料の層
を含む、ゴルフクラブヘッド。
[本発明1007]
弾性材料がウレタンである、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1008]
弾性材料がエラストマーである、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1009]
ボディ部材がキャビティバック式部材である、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1010]
第一の係合部材が、下向きに延びる第一のリブおよび下向きに開口する第一のチャネルを含む、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1011]
第二の係合部材が、上向きに延びる第二のリブおよび上向きに開口する第二のチャネルを含み、かつ
第一のリブが該第二のチャネルに受けられ、該第二のリブが第一のチャネルに受けられる、本発明1010のゴルフクラブヘッド。
[本発明1012]
第一の係合部材が、上向きに延びる第一のリブおよび上向きに開口する第一のチャネルを含む、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1013]
第二の係合部材が、下向きに延びる第二のリブおよび下向きに開口する第二のチャネルを含み、かつ
第一のリブが該第二のチャネルに受けられ、該第二のリブが第一のチャネルに受けられる、本発明1012のゴルフクラブヘッド。
[本発明1014]
第一のリブがボディ部材の前面に向かって斜め上に延び、第一のチャネルが該ボディ部材の前面に向かって上向きに開口し、第二のリブがソールプレートの後部に向かって斜め下に延び、第二のチャネルが該ソールプレートの後部に向かって下向きに開口している、本発明1013のゴルフクラブヘッド。
[本発明1015]
第一の係合部材が、前方に延びる第一のリブおよび前方に開口する第一のチャネルを含む、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1016]
第二の係合部材が、第二のリブおよび後方に開口する第二のチャネルを含み、ならびに
第一のリブが該第二のチャネルに受けられ、該第二のリブが第一のチャネルに受けられる、本発明1015のゴルフクラブヘッド。
[本発明1017]
ソールプレートの重量がボディ部材の重量の約12%〜約30%の間である、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1018]
第一のリブおよび第一のチャネルを含む第一の係合部材を有するキャビティバック式ボディ部材、
第二のリブおよび第二のチャネルを含む第二の係合部材を有するソールプレートであって、該第一のリブが該第二のチャネルに受けられ、該第二のリブが該第一のチャネルに受けられる、ソールプレート、ならびに
該第一の係合部材と該第二の係合部材との間に配置された弾性材料の層
を含む、ゴルフクラブヘッド。
[本発明1019]
弾性材料がウレタンである、本発明1018のゴルフクラブヘッド。
[本発明1020]
ソールプレートの重量がボディ部材の重量の約12%〜約30%の間である、本発明1013のゴルフクラブヘッド。
[本発明1021]
シャフトと、
第一の係合部材を有するボディ部材、
第二の係合部材を有するソールプレートであって、該第一および第二の係合部材が互いにインタロックしている、ソールプレート、ならびに
該第一の係合部材と該第二の係合部材との間に配置された弾性材料の層
を含み、該シャフトの第一端に固着されたクラブヘッドと
を含む、ゴルフクラブアセンブリ。
[本発明1022]
弾性材料がウレタンである、本発明1021のゴルフクラブアセンブリ。
[本発明1023]
第一の係合部材が第一のリブおよび第一のチャネルを含み、ならびに
第二の係合部材が第二のリブおよび第二のチャネルを含み、
該第一のリブが該第二のチャネルに受けられ、該第二のリブが該第一のチャネルに受けられる、本発明1021のゴルフクラブアセンブリ。
[本発明1024]
ソールプレートの重量がボディ部材の重量の約12%〜約30%の間である、本発明1021のゴルフクラブアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】弾性材料の層によってクラブヘッドに固着されたソールプレートを有するゴルフクラブの斜視図である。
【
図2】
図1のゴルフクラブのクラブヘッドの断面図である。
【
図3】
図1のゴルフクラブのクラブヘッドの後方斜視図である。
【
図4】弾性材料の層によってクラブヘッドに固着されたソールプレートを有するゴルフクラブヘッドの代替態様の一部分の断面図である。
【
図5】弾性材料の層によってクラブヘッドに固着されたソールプレートを有するゴルフクラブヘッドの別の代替態様の一部分の断面図である。
【
図6】弾性材料の層によってクラブヘッドに固着されたソールプレートを有するゴルフクラブヘッドのさらに別の代替態様の一部分の断面図である。
【
図7】弾性材料の層によってクラブヘッドに固着されたソールプレートを有するゴルフクラブヘッドのさらなる代替態様の一部分の断面図である。
【0011】
上記で参照した図面は、必ずしも原寸に比例する尺度で描かれておらず、本発明の特定の態様を表すものと理解されるべきであり、単に概念的な性質であり、関連する原理を例示するものである。図示されるソール部材を有するゴルフクラブのいくつかの特徴は、説明および理解を容易にするために、他の特徴に対して拡大または変形されている。図中、様々な代替態様において示される類似または同一コンポーネントおよび特徴に対して同じ参照番号が使用されている。本明細書に開示される、ソール部材を有するゴルフクラブは、それらが使用される所期の用途および環境によって部分的に決まる構成およびコンポーネントを有するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の好ましい態様の詳細な説明
ゴルフクラブ10の例示的な態様が
図1に示され、シャフト12およびシャフト12に取り付けられたゴルフクラブヘッド14を含む。ゴルフクラブヘッド14は、任意のドライバ、ウッドなどであることができる。ゴルフクラブ10のシャフト12は、当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されている材料を含む様々な材料、たとえば鋼、アルミニウム、チタン、グラファイトまたは複合材料ならびにそれらの合金および/または組み合わせでできていることができる。さらには、シャフト12は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方でクラブヘッド14に取り付けることができる(たとえば、ホーゼル要素における接着剤またはセメントによって、融着技術(たとえば溶接、ろう付け、はんだ付けなど)によって、ねじまたは他の機械的コネクタによって、摩擦嵌めによって、保定要素構造によって、など)。ゴルフクラブシャフト12を把持するための滑り止め面をゴルファーに提供するために、グリップまたは他のハンドル要素16がシャフト12上に配置されている。グリップ要素16は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方でシャフト12に取り付けることができる(たとえば、接着剤またはセメントによって、ねじまたは他の機械的コネクタによって、融着技術によって、摩擦嵌めによって、保定要素構造によって、など)。
【0013】
クラブヘッド14は複数のコンポーネントを含む。
図2〜3に示すように、この例示的ゴルフクラブヘッド14は、下面18を有するボディ部材16およびボディ部材16の下面18の下方に配置され、それから離間しているソールプレート20を含む。ソールプレート20は、ソールプレート20の上面24とボディ部材16の下面18との間に延びる弾性材料の層22によってボディ部材16の下面18に固着されている。特定の態様において、ボディ部材16はフェースプレート24を含み、ソールプレート20は、フェースプレート24の下面18の下方に配置され、それから離間している。
【0014】
弾性材料22は、クラブヘッド14の要素を互いから隔離し、それにより、一つの要素から別の要素に伝達される振動を減らすように働く弾性、柔軟性かつ可撓性の粘弾性制振材料である。弾性材料22は振動エネルギーを熱に変換して、それにより、ゴルファーが体感するショックを減らす。特定の態様において、弾性材料22はウレタンである。弾性材料22に適した他の材料はエラストマーおよびエポキシを含む。弾性材料22に適した他の材料は、本開示の恩典を与えられると、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0015】
ソールプレート20とボディ部材16またはフェースプレート24との間の弾性材料22の使用は、ソールプレート20を吊り下げ、ゴルフボールとフェースプレート24との衝突によって発生する振動をゴルフクラブ10の残り部分、特にシャフト12から隔離して、ユーザが感じる振動を減らすための方法を提供するように働く。
【0016】
ソールプレート20はかなりの質量であり、弾性材料22によってボディ部材16に接続されているとき、その振動は、ボディ部材16のフェースプレート24がゴルフボールによって打たれたときに発生する振動のいくらかを打ち消す傾向を有する。その結果、シャフト12を把持するユーザが感じる振動が減少し、ユーザにとって改善された「感触」および快適さレベルが得られる。
【0017】
特定の態様において、ソールプレート20は、クラブヘッド14の総重量の約12%〜30%を構成することができる。たとえば、約200〜約330グラムの間のクラブヘッド14総重量の場合、ソールプレート20は、約40〜60グラムの重量を有することができる。
【0018】
図2〜3に示すような特定の態様において、クラブヘッド14は、ボディ部材16の後面28に形成されたキャビティ26を含み、それにより、一般に「キャビティバック式」クラブヘッドと呼ばれるものを形成することができる。そのような態様において、ソールプレート20はキャビティ26の下方に吊り下げられる。
【0019】
別の態様が
図4に示され、この態様においては、ボディ部材16が第一の係合部材30を含み、ソールプレート20が第二の係合部材32を含む。第一の係合部材30および第二の係合部材32は、ソールプレート20をボディ部材16に固着しやすくするために、弾性材料22がそれらの間に配置された状態で、互いに係合し、インタロックするように構成されている。
【0020】
この態様において、第一の係合部材30は、下向きに延びる第一のリブ34を含む。ボディ部材16および第一のリブ34は、下向きに開口する第一のチャネル36を画定する。第二の係合部材32は、上向きに延びる第二のリブ38を含む。ソールプレート20および第二のリブ38は、上向きに開口する第二のチャネル40を画定する。第一および第二のチャネル36、40を埋めるように弾性材料22が第一の係合部材30と第二の係合部材32との間に配置された状態で第一のリブ34が第二のチャネル40に受けられ、第二のリブ38が第一のチャネル36に受けられる。このように、第一の係合部材30および第二の係合部材32は互いにインタロックしてソールプレート20をボディ部材16に固着しやすくする。
【0021】
別の態様が
図5に示され、この態様において、第一のリブ34は上向きに延び、第一のチャネル36は上向きに開口し、第二のリブ38は下向きに延び、第二のチャネル40は下向きに開口している。第一および第二の係合部材30、32は、
図4を参照して上述したやり方と同様なやり方でインタロックする。
【0022】
さらに別の態様が
図6に示され、この態様において、第一のリブ34は、ボディ部材16の前面に向かって斜め上に延びる。第一のチャネル36は、ボディ部材16の前面に向かって斜め上に開口している。第二のリブ38は、ソールプレート20の後部に向かって斜め下に延び、第二のチャネル40は同様に、ソールプレート20の後部に向かって斜め下に開口している。
【0023】
さらなる態様が
図7に示され、この態様において、第一のリブ34は、ボディ部材16の前面に向かって前方に延び、第一のチャネル36は、ボディ部材16の前面に向かって前方に開口している。第二のリブ38は、ソールプレート20の後部に向かって後方に延び、第二のチャネル40は、ソールプレート20の後部に向かって後方に開口している。第一および第二の係合部材30、32は、
図4を参照して上述したやり方と同様なやり方でインタロックする。
【0024】
このように、様々な態様の新規な基本的特徴を示し、説明し、指摘したが、本発明の真意および範囲を逸脱することなく、当業者により、例示された装置の形態および詳細ならびにそれらの動作における様々な省略、置換および変更を加えることができることが理解されよう。たとえば、実質的に同じ機能を実質的に同じ方法で遂行して同じ結果を達成する、これらの要素および/またはステップのすべての組み合わせが本発明の範囲内であるということが明示的に意図される。また、ある記載された態様から別の態様への要素の置換が完全に意図され、想定されている。したがって、添付の特許請求の範囲よって示されるようにのみ限定されるものと解釈される。