(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先に述べたように、停電を伴う工事計画が発生すると、電力会社では、担当者が全需要家を訪問するなどして作業の実施可否についてお願いをしている。需要家が不在の場合は、文書によるお知らせをしている。このために、次のような課題がある。
a.全需要家を訪問する必要があり、訪問するための人件費が発生している。
b.需要家が不在の場合は、何度も訪問している。
c.需要家が不在の場合は、状況に応じて文書による通知も実施しているが、ポストへ投函した文書を見ないケースがあり、工事の当日に問い合わせがあることがある。
d.計器の取り替え、絶縁測定については、当日急な訪問をするケースがある。
e.工事会社の担当者が訪問時に、不審者と誤解を招き、工事ができないまま引き返すことがある。
【0006】
つまり、停電を伴う工事の際には、電力会社では人手に頼ることが大きく、また、文書による確実な通知も困難である。
【0007】
一方、工事計画の情報を通知するシステムでは、パソコンを利用するので、電子メールアドレスなどの個人情報を扱う必要がある。このために、電子メールアドレス等の新規登録、変更、削除等を含む、新たな個人情報の管理を必要とする。
【0008】
この発明の目的は、前記の課題を解決し、停電を伴う工事に際して人手に頼ることを低減し、工事計画を確実に通知し、また、電子メールアドレス等の個人情報の管理を不要にする工事支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、需要家宅に設置され、この需要家宅で使われている所定時間毎の電力使用量を調べると共にこの電力使用量を電力会社に通信網を経て送信するスマートメータと、前記需要家宅に設置され、前記スマートメータと双方向通信をすることが可能であり、この需要家宅に設置されている機器に係るエネルギーを管理するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と、前記HEMSの管理状態を表示するとともに、前記スマートメータから受け取った情報を表示
し、受け取った情報に対する回答を入力可能な端末と、前記電力会社に設置され、前記通信網を経て前記スマートメータと双方向通信が可能であり、
前記需要家宅の契約内容が電灯使用のみであるか、または電灯使用と動力使用の両方であるか、を示す契約内容の情報と、前記需要家宅が電気を引き込んでいる電柱の情報とに基づき、停電を伴う工事計画を作成する管理装置
と、複数の発電機と発電機車を含む発電機材についての情報を記憶している発電機情報データベースと、を備え、前記管理装置は、作成した前記工事計画を、前記通信網を経て前記スマートメータに送信し、前記スマートメータは、前記管理装置から前記工事計画を受信すると、この工事計画を前記HEMSに送り、前記HEMSは、前記スマートメータから工事計画を受け取ると、前記端末にこの工事計画を表
示し、前記端末は、前記工事計画を表示した後で、この工事計画の可否の回答が入力されると、この回答を前記HEMSに送り、前記HEMSは、前記端末から回答を受け取ると、この回答を前記スマートメータに送り、前記スマートメータは、前記HEMSから回答を受け取ると、前記通信網を経てこの回答を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、工事計画拒否の回答を前記スマートメータから受信した場合、このスマートメータから先に受信した電力使用量であって、このスマートメータが設置されている需要家宅で使われている所定時間毎の電力使用量と、前記契約内容の情報と、前記電柱の情報と、を基に、前記発電機情報データベースを参照して需要家単位および変圧器柱単位の少なくとも一方による電力供給のための発電機材を選択する、ことを特徴とする工事支援システムである。
【0010】
請求項1の発明では、工事支援システムの管理装置は、作成した工事計画を、通信網を経てスマートメータに送信する。スマートメータは、通信網を経て、管理装置から工事計画を受信すると、この工事計画をHEMSに送る。HEMSは、スマートメータから工事計画を受け取ると、端末にこの工事計画を表示して、需要家に工事計画を示す。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、スマートメータとHEMSと端末とを利用して、停電を伴う工事の計画があることを需要家に知らせることができる。これにより、停電を伴う工事計画の通知に際して、電力会社が人手に頼ることを低減し、需要家に工事計画を確実に通知することができる。
また、スマートメータとHEMSと端末とを利用して、工事に対する需要家の可否の回答を電力会社が得ることができる。これにより、停電を伴う工事に際して電力会社が人手に頼ることを低減し、需要家に対して工事計画を確実に通知することができる。さらに、工事に対する需要家の回答で工事を拒否した需要家については、需要家単位および変圧器柱単位の少なくとも一方による電力供給のための発電機材を管理装置が選択して、需要家に対する電力供給を支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0018】
(実施の形態1)
この実施の形態による工事支援システムを
図1に示す。この工事支援システムは、電力会社の管理部門Aに設置されている管理装置11と、記憶装置12と、管理端末13とを備えている。また、工事支援システムは、電力会社の通信網20と、配電系統30とを備えている。さらに、工事支援システムは、需要家宅B、Cに設置されているスマートメータ41、51とHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)本体42、52と、HEMS端末43、53とを備えている。なお、需要家宅B、Cは代表的な例を示している。
【0019】
需要家宅Bは、電力会社の配電系統30から電気の供給を受けている需要家の住居である。需要家宅Bのスマートメータ41は、電力会社によって管理されている電子式の電力量計であり、需要家宅Bで使用された電力量を30分毎に記録する。また、スマートメータ41は通信機能を持っている。この実施の形態では、スマートメータ41は電力会社に専用の通信網20を経て、電力会社の管理部門Aの管理装置11と双方向通信が可能である。これにより、スマートメータ41は、記録した電力使用量を、通信網20を経て管理部門Aの管理装置11に送信すると共に管理装置11から送られてくるメッセージを受信可能である。
【0020】
スマートメータ41は、HEMS本体42と双方向通信が可能なように接続されている。そして、HEMS本体42から応答情報を受け取ると、この応答情報に自装置のアドレスを付加して管理装置11に送信する。また、管理装置11から、需要家宅BのHEMS本体42に向けたメッセージを受け取ると、このメッセージをHEMS本体42に送る。
【0021】
HEMS本体42は機器に係るエネルギーを管理する。つまり、HEMS本体42は、需要家宅Bに設置されている機器が使うエネルギーの量や、需要家宅Bで発生するエネルギーの量を管理する。この実施の形態では、電力会社の配電系統30からスマートメータ41を経て、配電盤44から家電45、46に供給される電力量を管理する。つまり、HEMS本体42は、家電45、46に取り付けられている照度センサーや電流センサーなどの各種センサー(図示を省略)により、家電45、46に応じた情報、例えば家電が照明器具であると、その明るさの情報、家電がエアコンであると、その消費される電力量の情報を調べている。また、図示を省略しているが、需要家宅Bに太陽光発電装置が設置されていれば、この発電装置が生み出す電力量も管理する。さらに、場合によっては、家電45、46の稼動状態の制御も行う。そして、HEMS本体42は、家電45、46で使用された電力量や稼動時間などを表す表示情報を、HEMS端末43に送る。
【0022】
また、HEMS本体42は、需要家宅Bでの30分毎の電力使用量の情報をスマートメータ41から受け取ると、30分毎の電力使用量を例えばグラフ化した表示情報をHEMS端末43に送る。
【0023】
さらに、HEMS本体42は、HEMS端末43から応答情報を受け取ると、この入力情報をスマートメータ41に送る。
【0024】
HEMS端末43は、HEMS本体42のための専用の端末である。つまり、HEMS端末43は、HEMS本体42からの表示情報を表示し、かつ、表示情報に対する回答などを入力するためのタッチパネルを供えている。需要家によるタッチパネル操作があると、HEMS端末43は、この操作に対応する情報を応答情報としてHEMS本体42に送る。
【0025】
以上のようなHEMS本体42、HEMS端末43、照度センサー、電流センサーなどが需要家宅BのHEMSを構成している。
【0026】
一方、需要家宅Cに設置されているスマートメータ51、HEMS本体52、HEMS端末53は、需要家宅Bに設置されているスマートメータ41、HEMS本体42、HEMS端末43と同じであるので、これらの説明を省略する。また、需要家宅Cの配電盤54と家電55、56についても、需要家宅Bの配電盤44と家電45、46と類似するので、これらの説明を省略する。
【0027】
以上が需要家宅B、Cに設置されている工事支援システムの中のスマートメータ41、51とHEMS本体42、52とHEMS端末43、53との構成である。次に、工事支援システムの中で、電力会社の管理部門Aに設置されている管理装置11と記憶装置12について説明する。
【0028】
電力会社の管理部門Aの記憶装置12は、情報を記憶してデータベースを構築するための大型の装置である。この実施の形態では、記憶装置12には、顧客情報DB(データベース)12A、スマートメータ情報DB(データベース)12B、系統情報DB(データベース)12C、電柱情報DB(データベース)12D、配電設備情報DB(データベース)12E、発電機情報DB(データベース)12F、停電工事計画情報DB(データベース)12Gが構築されている。
【0029】
顧客情報DB12Aは、電力会社から電気の供給を受ける需要家(顧客)に関する情報を、顧客情報として記憶している。例えば
図2に示すように、顧客情報DB12Aには、需要家を識別するための顧客番号、この需要家の氏名である顧客名、この需要家の住所、電話番号が記憶されている。また、顧客情報DB12Aには、需要家が電力会社と契約した電力使用の内容、例えば電灯使用や動力使用、契約アンペアの大きさなどの内容が記憶されている。また、顧客情報DB12Aには、需要家宅に設置されているスマートメータを識別するためのスマートメータ計器番号が記憶されている。記憶装置12は、こうした顧客情報DB12Aをすべての需要家について記憶している。
【0030】
スマートメータ情報DB12Bは、各需要家宅に設置されているスマートメータの情報を記憶している。例えば
図3に示すように、スマートメータ情報DB12Bには、スマートメータが設置されている需要家を識別するための顧客番号、この需要家の氏名である顧客名、この需要家宅に設置されているスマートメータを識別するためのスマートメータ計器番号が記憶されている。また、スマートメータ情報DB12Bには、電力会社の専用の通信網20を利用して、スマートメータ41が電力会社の管理装置11と通信を行うためのアドレスが記憶されている。さらに、スマートメータ情報DB12Bには、日付が記憶され、電灯使用の契約をしている需要家が当日使用した電力量が30分毎に記憶され、需要家が動力使用の契約をしている場合には、同じように当日使用した動力による電力量が記憶されている。記憶装置12は、こうしたスマートメータ情報DB12Bを日付毎に記憶し、さらに、需要家毎に記憶している。
【0031】
系統情報DB12Cは、配電系統30に関する情報を記憶している。例えば、
図4に示す配電系統の配電情報がある。この情報に示される配電系統では、上流側から順に、12号〜16号の電柱が設けられている。また、13号の電柱に対して、13M01号、13M02号の電柱が設けられ、14号の電柱に対して14M01号、14H01号、14H02号の電柱が設けられている。また、15号の電柱に対して15M01号、15M02号の電柱が設けられている。さらに、13M01号の電柱と14M01号の電柱と14H02号の電柱と15M01号の電柱と16号の電柱とには、変圧器が設置されている。なお、先の
図4では、変圧器が1つのところは電灯用を示し、変圧器が2つあるところは電灯用と動力用とを示す。
【0032】
こうした電柱や変圧器等が設置されている配電系統30の系統情報DB12Cには、例えば
図5に示すように、電柱を識別するための電柱番号に対して、この電柱から電気を引き込んでいる需要家がいると、この需要家の識別番号である顧客番号が記憶されている。また、系統情報DB12Cには、電気を使用している需要家については、各需要家の顧客番号を手掛かりとして、スマートメータ情報DB12Bの30分毎の電力使用量が集計された電力使用量であって、電柱毎の電力使用量が記憶されている。動力についても電柱毎の使用量が記憶されている。また、系統情報DB12Cには、電柱に関連する配電用の設備、例えば変圧器などが関連設備として記憶されている。さらに、系統情報DB12Cには、負荷の状態が記憶されている。なお、系統情報DB12Cにおいて、1つの項目に変圧器が1つのところは電灯用を示し、1つの項目に変圧器が2つあるところは電灯用と動力用を示す。
【0033】
電柱情報DB12Dには、
図6に示すように、配電系統30において各電柱の前後関係の情報が記憶されている。つまり、該当する電柱番号(当該)に対して例えば上流側にある電柱の番号が電柱番号(前)として記憶され、該当する電柱番号(当該)に対して下流側にある電柱の番号が電柱番号(後)として記憶されている。このように、電柱情報DB12Dには、配電系統30の各電柱の電柱番号(当該)について、電柱番号(前)と電柱番号(後)とが記憶されている。
【0034】
配電設備情報DB12Eは、配電系統30に設置されている各設備に関する情報を記憶している。例えば
図7に示すように、配電設備情報DB12Eには、電柱の識別番号である電柱番号に対して、この電柱を設置した年月、この電柱の耐用年数が記憶されている。また、配電設備情報DB12Eには、この電柱に劣化や破損があるかどうかが記憶されている。さらに、配電設備情報DB12Eには、設置年月や耐用年数、劣化や破損の有無に応じて決定された、電柱の建替え予定の年月が記憶されている。なお、
図7には示していないが、配電系統30に設置されている変圧器などの情報も同様にして、配電設備情報DB12Eに記憶されている。この場合には、項目名の電柱番号を例えば変圧器番号に変えて、変圧器の情報が記憶される。
【0035】
発電機情報DB12Fは、停電時に電力会社が需要家や変圧器柱(変圧器設置の電柱)に設置して使用する発電機や発電機車の情報を記憶している。発電機は別の搬送手段によって移動されるものであり、発電機車は自身で移動可能である。つまり、発電機や発電機車は、停電工事などのときに、需要家に電気を供給し続けるための装置である。例えば
図8に示すように、発電機情報DB12Fには、発電機や発電機車を識別するための機材番号が記憶されている。また、発電機情報DB12Fには、発電機や発電機車を表す機材種別が記憶されている。また、発電機情報DB12Fには、発電機や発電機車の出力、電圧、電流、連続運転時間などが記憶されている。さらに、発電機情報DB12Fには、発電機や発電機車が電力会社等に保管されて使用可能かどうかが記憶されている。
【0036】
停電工事計画情報DB12Gは、配電系統30に対する必要な電気工事であって、停電を伴う電気工事の工事計画を記憶している。この工事計画は、顧客情報DB12A、系統情報DB12C、配電設備情報DB12Eから得られたものである。停電工事計画情報DB12Gには、この工事を識別するために工事番号、どのような工事をするかを表す工事内容、この工事を行う日、その時間が記録されている。また、停電工事計画情報DB12Gには、この工事を行う工事会社、この工事の責任者、この工事で緊急の事態が生じたときの連絡先が記録されている。
【0037】
以上のように、記憶装置12には、顧客情報DB12A〜停電工事計画情報DB12Gが記憶されている。
【0038】
管理端末13は、管理部門Aの担当者に操作されるコンピュータである。管理端末13は、管理装置11とデータの送受信が可能なように、管理装置11に接続されている。これにより、管理端末13は、管理装置11および記憶装置12と、各種情報のやり取りを行う。
【0039】
管理装置11は、電力会社の需要家や、各種設備の管理を行うためのコンピュータである。管理装置11は、顧客情報DB12A、系統情報DB12C、電柱情報DB12D、配電設備情報DB12E、発電機情報DB12Fについては、基本的に、管理端末13から入力される情報を各内容に反映させる。また、管理装置11は、スマートメータ情報DB12Bの顧客番号〜日付については、管理端末13から入力される情報を各内容に反映させ、スマートメータ情報DB12Bの電力使用量については、通信網20を経て受け取るスマートメータからの情報を、内容に反映させる。
【0040】
管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gについては、次のようにしている。管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gの工事内容については、基本的に、配電設備情報DB12Eを参照して、その内容に反映する。また、工事予定日については、管理装置11は、停電を伴う工事で影響を受ける需要家の時間毎の電力使用量を、スマートメータ情報DB12Bの電力使用量から調べる。このとき、管理装置11は、停電を伴う工事で影響を受ける需要家については、停電工事計画情報DB12Gの工事内容を基に系統情報DB12Cと電柱情報DB12Dとを参照して調べる。
【0041】
管理装置11は、スマートメータ情報DB12Bを基にして、こうした電力使用量を各需要家について調べ、さらに日毎に調べる。そして、管理装置11は、各需要家の電力使用量が少ない日と少ない時間帯とから、停電工事計画情報DB12Gの工事予定日と工事時間の内容を決めて、工事番号を付加する。工事会社と工事責任者と連絡先については、管理装置11は、管理端末13から入力される情報を、停電工事計画情報DB12Gの内容に反映させる。
【0042】
こうして、管理装置11は、停電を伴う工事に関する情報を停電工事計画情報DB12Gに記憶していく。そして、管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gの工事予定日から所定期間前になると、工事予定を表す担当者用のメッセージを管理端末13に表示する。例えば、管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gを参照して、今回の停電工事の対象が13号電柱の建替えに関するものであることを、メッセージで管理端末13に表示する。同時に、管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gの内容を反映した需要家向けのメッセージを生成する。このメッセージは、需要家に対して停電を伴う工事を行うことを通知するためのものである。このメッセージの一例を
図10に示す。このメッセージは、停電工事計画情報DB12Gを基にして生成されたものである。さらに、このメッセージには、停電を伴う工事を行うことに対する需要家の回答を求める内容が付加されている。
【0043】
管理装置11は、需要家向けのメッセージを生成すると、メッセージ送信処理を行う。このメッセージ送信処理の一例を
図11に示す。管理装置11は、今回の停電を伴う工事によって影響を受ける需要家を、系統情報DB12Cと電柱情報DB12Dとを参照して調べる(ステップS1)。例えば、今回の工事内容が13号電柱の建替えであると、管理装置11は、系統情報DB12Cと電柱情報DB12Dとを参照し、13号電柱より下流に配置されている電柱から電気を引き込んでいる需要家を調べる。管理装置11は、ステップS1で調べた需要家について、顧客情報DB12Aを参照して、各需要家宅に設置されているスマートメータを調べる(ステップS2)。管理装置11は、ステップS2で調べたスマートメータについて、スマートメータ情報DB12Bを参照して、各スマートメータのアドレスを調べる(ステップS3)。管理装置11は、ステップS3で調べたすべてのアドレスを用いて、需要家向けのメッセージを各スマートメータに送信し(ステップS4)、メッセージ送信処理を終了する。
【0044】
管理装置11は、メッセージ送信処理を終了すると、需要家からの工事可否の回答を待つ。管理装置11は、需要家のスマートメータから工事可否を表す応答情報を受信すると、今回の停電工事に関する顧客の回答を反映した顧客回答情報を作成して更新する。このとき、管理装置11は、今回の停電を伴う工事について、日程の変更や中止を求めない回答を受信した場合には、例えば
図12に示すように、顧客回答情報の回答内容をOKとする。また、管理装置11は、日程の変更や中止を示す回答を受信した場合には、つまり、今回の工事を拒否した需要家については、顧客回答情報の回答内容をNGとする。
【0045】
管理装置11は、すべての需要家から回答を得て、顧客回答情報の更新を終了すると、発電機選択処理を行う。この発電機選択処理の一例を
図13に示す。管理装置11は、顧客回答情報の回答内容がNGである需要家を調べる(ステップS21)。管理装置11は、ステップS21で調べた需要家について、顧客情報DB12Aを参照し、需要家の契約内容を調べる(ステップS22)。ステップS22で管理装置11は、需要家が電灯で契約しているか、動力も契約しているか、また、契約アンペアの大きさなどを調べる。この後、管理装置11は、ステップS21で調べた需要家について、顧客情報DB12Aを参照して、需要家宅に設置されているスマートメータを調べる(ステップS23)。管理装置11は、ステップS22で調べたスマートメータについて、スマートメータ情報DB12Bを参照して、今回の停電を伴う工事時間帯で、最大となる電力使用量を調べる(ステップS24)。管理装置11は、ステップS22で調べた契約内容の契約アンペアとステップS24で調べたスマートメータの電力使用量を基に、発電機情報DB12Fを参照し、現在、電力会社等に保管されていて使用可能な発電機の中から、適切な発電機を選定する(ステップS25)。これは、停電を伴う工事でもこの需要家に対する電力供給を維持するためである。
【0046】
ステップS25で、管理装置11は、個別の需要家単位もしくは変圧器柱単位で、発電機や発電機車(以下、「発電機材」という)の選定と、選定した発電機材の設置可否の判定を行う。管理装置11は、変圧器柱単位で発電機材の選定と設置可否の判定とを行う場合、ステップS22で調べた契約アンペアの大きさと、ステップS23で調べた実際の電力使用量とを基にして得た発電機材の最大の容量と必要最少の容量とから、発電機材を選定することができ、かつ、系統情報DB12Cを参照して、変圧器単位で発電機材からの電力供給ができるかどうかを判定する。さらに、管理装置11は、過去の工事情報(図示を省略)などから、選定した発電機材の設置可否の判定を行う。こうした変圧器単位で電気を供給される需要家には、契約内容が電灯使用だけの個人が多い。
【0047】
また、ステップS25で、管理装置11は、使用電力量が多くて変圧器単位での電力供給ができないと判定すると、個別の需要家単位で電気を供給するために、スマートメータ情報DB12Bを基に適切な発電機材を選定し、設置可否の判定を行う。こうした需要家単位で電気を供給される需要家には、契約内容が電灯使用と動力使用の両方である事業者が多い。
【0048】
ステップS25が終了すると、管理装置11は、選定した発電機の機材番号を顧客回答情報に反映し、選定した発電機を使用中にして発電機情報DB12Fを更新し(ステップS25)、発電機選択処理を終了する。
【0049】
以上が管理装置11の構成である。次に、この実施の形態による工事支援システムの作用について説明する。
【0050】
通常、例えば需要家宅Bでは、スマートメータ41が30分毎の電力使用量を記録し、通信網20を経て電力会社の管理装置11に各電力使用量の情報を送信する。管理装置11は、需要家宅Bのスマートメータ41から30分毎の電力使用量の情報を受信すると、この情報に含まれる顧客番号を基に、該当するスマートメータ情報DB12Bを更新する。また、スマートメータ41は、記録した電力使用量の情報をHEMS本体42に送る。HEMS本体42は、電力使用量の情報をスマートメータ41から受け取ると、30分毎の電力使用量を例えばグラフ化した表示情報を生成し、この表示情報をHEMS端末43に送る。HEMS端末43は、表示情報をHEMS本体42から受け取ると、グラフ化をした電力使用量を表示する。
【0051】
ところで、電力会社の管理部門Aでは、停電を伴う工事予定日から所定期間前になると、管理装置11は、停電工事計画情報DB12Gの内容を反映した需要家向けのメッセージを生成する。この後、管理装置11は、メッセージ送信処理を行う。これにより、管理装置11は、需要家に対して、停電を伴う工事の内容と、この工事を行うことに対する需要家の回答を求める内容とを、メッセージで需要家に伝える。
【0052】
一方、電力会社からのメッセージを、例えば需要家宅Bのスマートメータ41が受信する。スマートメータ41は、メッセージのアドレスが自装置向けであると、このメッセージをHEMS本体42に送る。HEMS本体42は、メッセージを受け取ると、このメッセージをHEMS端末43に表示する。
【0053】
これにより、需要家宅Bの需要家は、近々、停電を伴う電気工事があることをHEMS端末43から読み取る。HEMS端末43が表示しているメッセージには、この工事を行うことに対する需要家の可否の回答を求める内容があるので、需要家は、HEMS端末43の画面を操作して、工事の可否を入力する。HEMS端末43に工事の可否が入力されると、HEMS端末43は、操作により入力された情報を応答情報としてHEMS本体42に送る。HEMS本体42は、HEMS端末43から応答情報を受け取ると、この応答情報をスマートメータ41に送る。スマートメータ41は、HEMS本体42から応答情報を受け取ると、通信網20を経て、応答情報を管理装置11に送信する。
【0054】
管理装置11は、需要家宅Bのスマートメータ41から工事可否の回答を受信すると、今回の停電工事に関する顧客の回答を反映した顧客回答情報を作成して更新する。管理装置11は、今回の停電を伴う工事について、日程の変更や中止を求めない回答を受信した場合には、顧客回答情報の回答内容をOKとし、日程の変更や中止を示す回答を受信した場合には、顧客回答情報の回答内容をNGとする。
【0055】
管理装置11は、すべての需要家から回答を得て、顧客回答情報の更新を終了すると、発電機選択処理を行う。これにより、管理装置11は、顧客回答情報の回答内容がNGである需要家については、この需要家に対する電力供給を維持するために、需要家単位もしくは変圧器柱単位での電気供給を判定し、適切な発電機材を選択し、選定した発電機材を使用中にして発電機情報DB12Fを更新する。これにより、顧客回答情報の回答内容がNGである需要家に対して、つまり、工事を拒否した需要家に対して、管理装置11が需要家単位もしくは変圧器柱単位での発電機材を選択して電力供給を支援するので、工事当日にこの需要家宅の停電を防ぐことができる。
【0056】
こうして、この実施の形態によれば、スマートメータとHEMS本体とHEMS端末とを利用して、需要家に対して、停電を伴う工事があることを知らせることができる。また、同じくスマートメータとHEMS本体とHEMS端末とを利用して、工事に対する需要家の可否の回答を得ることができる。これにより、停電を伴う工事に際して電力会社が人手に頼ることを低減し、需要家に対しては工事計画を確実に通知することができる。
【0057】
また、この実施の形態によれば、工事に対する需要家の回答で工事を希望しない需要家については、管理装置11が、スマートメータ情報DB12Bと系統情報DB12Cと電柱情報DB12Dと発電機情報DB12Fとにより、需要家単位もしくは変圧器柱単位で発電機材を選択して電力供給を支援するので、工事当日にこの需要家に対する電気の供給を行うことができる。
【0058】
また、この実施の形態によれば、停電を伴う工事があることを、管理装置11は電力会社の専用の通信網20を利用して送信する。この結果、管理装置11はスマートメータ41に与えられた通信用のアドレスを使用するので、需要家が使用する電子メールアドレスなどの個人情報を扱うことを不要にすることができ、電子メールアドレス等の新規登録、変更、削除等を含む、新たな個人情報の管理も不要にすることができる。
【0059】
さらに、この実施の形態によれば、停電を伴う電気工事があることを表すメッセージは、需要家宅のHEMS本体に接続されているHEMS端末に、前もって表示することができる。これにより、先に述べた、
a.全需要家を訪問する必要があり、訪問するための人件費が発生している、
b.需要家が不在の場合は、何度も訪問している、
c.需要家が不在の場合は、状況に応じて文書による通知も実施しているが、ポストへ投函した文書を見ないケースがあり、工事の当日に問い合わせがあることがある、
d.計器の取り替え、絶縁測定については、当日急な訪問をするケースがある、
e.工事会社の担当者が訪問時に、不審者と誤解を招き、工事ができないまま引き返すことがある、
というような課題が生じることを防ぐことができる。
【0060】
(実施の形態2)
実施の形態1では、管理装置11とスマートメータ41、51とは、電力会社専用の通信網20を利用している。この実施の形態では、通信網20として、インターネットを利用する。この場合には、スマートメータ41、51の通信のためのアドレスとしてIPアドレス(Internet Protocol address)を使用することになるが、この実施の形態による効果は、実施の形態1と同じである。