(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980904
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】脊椎安定化術
(51)【国際特許分類】
A61B 17/58 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
A61B17/58
【請求項の数】20
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-505320(P2014-505320)
(86)(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公表番号】特表2014-518649(P2014-518649A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】US2012033443
(87)【国際公開番号】WO2012142361
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2014年10月21日
(31)【優先権主張番号】13/086,122
(32)【優先日】2011年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アンジェルッチ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガーヴィー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ヒメルベルガー,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン,コルム
(72)【発明者】
【氏名】トラウト,ロバート
【審査官】
毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−521565(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0234888(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0213729(US,A1)
【文献】
特表2008−534221(JP,A)
【文献】
特表2007−505684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の骨を安定化するためのデバイスであって、
患者の身体組織に背を向けるように構成された上側表面と、前記患者の前記身体組織を向くように構成された下側表面とを有する第1のプレート部分であって、前記患者の前記身体組織に前記第1のプレート部分を接続するための第1のエレメントを受容する少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、
前記第1のプレート部分から延びる突出部と、
第2のプレート部分であって、前記患者の前記身体組織に前記第2のプレート部分を接続するための第2のエレメントを受容する少なくとも1つのアパーチャを含む、第2のプレート部分と、
前記第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、前記突出部を受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、前記突出部が前記チャンバ内に受容されるときに、前記第2のプレート部分に対する前記第1のプレート部分の移動が、第1の方向および当該第1の方向とは反対の第2の方向への運動に実質的に制限される、チャンバと、
前記突出部または前記チャンバの一方から弾性的に延びるリミッタ部であって、前記リミッタ部は、前記リミッタ部が前記第1のプレート部分の前記上側表面から離れて前記第1のプレート部分の下側表面の方向に移動可能なように屈曲可能な、リミッタ部と、
前記突出部または前記チャンバのもう一方に形成されたキャッチ部であって、前記リミッタ部に対して、前記リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第2の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記キャッチ部と前記リミッタ部との前記係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、キャッチ部と
を備え、
前記突出部はその中に形成されたばね逃げ部を含み、前記ばね逃げ部は前記リミッタ部を受容し、前記ばね逃げ部は前記ばね逃げ部の両端部に形成されたノッチ付き段部と、前記ノッチ付き段部に比べて前記ばね逃げ部内のより深い箇所に配置された逃げ部底とを有し、それにより、前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部と係合している間、前記リミッタ部を前記ノッチ付き段部に載置させることができ、前記リミッタ部が前記逃げ部底の方向に下向きに屈曲すると前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部から外れるように、使用中、前記リミッタ部は前記逃げ部底の方向に下向きに弾性的に屈曲することが可能となる、
デバイス。
【請求項2】
前記突出部が、前記チャンバと係合可能な少なくとも2つのレールを形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記チャンバが、前記少なくとも2つのレールと対合可能な少なくとも2つの溝を形成する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記キャッチ部を形成する前記突出部または前記チャンバに形成された溝をさらに含み、前記溝は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するとき、前記係合のロケーションから離れて配置され、前記溝は、前記係合から第1の距離にある第1のロケーションと前記第1のロケーションから離れて配設された第2のロケーションとの間で前記リミッタ部が通過することができるように動作可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記キャッチ部を形成する前記突出部または前記チャンバに形成されたアパーチャをさらに含み、それにより、前記リミッタ部を弾性的に屈曲させて前記キャッチ部から前記リミッタ部を係合解除するために、前記アパーチャ内に物体を挿入することができる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記キャッチ部を形成する前記突出部または前記チャンバに形成されたアパーチャをさらに含み、それにより、前記リミッタ部を弾性的に屈曲させて前記溝から前記リミッタ部を係合解除するために、前記アパーチャ内に物体を挿入することができる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記リミッタ部は、傾斜面とブロック面とを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記キャッチ部が、ブロック面をさらに含み、前記リミッタ部の前記ブロック面が、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第2の方向に移動することを防止するために、前記キャッチ部の前記ブロック面と対合係合可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記患者の前記骨が、関節で接合された骨であり、前記第1のプレート部分は、前記関節の第1の側の骨と係合可能であり、前記第2のプレート部分は、前記関節の第2の反対側の骨と係合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するとき、前記関節で接合された骨に圧縮力が印加される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記圧縮力が、前記患者の骨の融合を促進するように動作可能である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記リミッタ部が、前記キャッチ部の湾曲外形と対合可能な湾曲外形を形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記チャンバが、前記チャンバに形成され、前記第2のプレート部分とともに前記第1のプレート部分がテレスコープ式に伸縮した程度を観察することができるように動作可能な観察アパーチャをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記観察アパーチャが、前記第1のプレート部分および前記第2のプレート部分が移動した程度の定量化を可能にする構成を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
患者の分離した骨に圧縮力を印加するためのデバイスであって、
患者の身体組織に背を向けるように構成された上側表面と、前記患者の前記身体組織を向くように構成された下側表面とを有する第1のプレート部分であって、前記患者の第1の骨に前記第1のプレート部分を接続するために第1のエレメントを受容する少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、
前記第1のプレート部分から延びる突出部と、
第2のプレート部分であって、前記患者の第2の骨に前記第2のプレート部分を接続するために、第2のエレメントを受容する少なくとも1つのアパーチャを含み、前記第2の骨が、骨グラフトによって前記第1の骨から分離される、第2のプレート部分と、
前記第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、前記突出部を受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、前記突出部が前記チャンバ内に受容されるときに、前記第2のプレート部分に対する前記第1のプレート部分の移動が、第1の方向および当該第1の方向とは反対の第2の方向への運動に実質的に制限され、前記チャンバはさらにノッチ付き段部および前記ノッチ付き段部よりも深い箇所に配置された逃げ部底を含む、チャンバと、
前記突出部または前記チャンバの一方に形成されたキャッチ部であって、リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第2の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記キャッチ部と前記リミッタ部との前記係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、キャッチ部と、を備え、
前記リミッタ部は、前記キャッチ部に対して前記突出部または前記チャンバのもう一方から弾性的に延び、前記キャッチ部にスライド式に係合するように角度が付けられた表面と、前記キャッチ部と係合したときに移動に抵抗するように角度が付けられた対向表面とを有し、前記リミッタ部は、前記リミッタ部が前記第1のプレート部分の前記上側表面から離れて前記第1のプレート部分の下側表面の方向に移動可能なように屈曲可能であり、
前記突出部はその中に形成されたばね逃げ部を含み、前記ばね逃げ部は前記リミッタ部を受容し、前記ばね逃げ部は前記ばね逃げ部の両端部に形成されたノッチ付き段部と、前記ノッチ付き段部に比べて前記ばね逃げ部のより深い箇所に配置された逃げ部底とを有し、それにより、前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部と係合している間、前記リミッタ部を前記ノッチ付き段部に載置させることができ、前記リミッタ部が前記逃げ部底の方向に下向きに屈曲すると前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部から外れるように、使用中、前記リミッタ部は前記逃げ部底の方向に下向きに弾性的に屈曲することが可能となる、
デバイス。
【請求項16】
前記突出部が、前記チャンバと係合可能な少なくとも2つのレールを形成する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記チャンバが、前記少なくとも2つのレールと対合可能な少なくとも2つの溝を形成する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記キャッチ部を形成する前記突出部または前記チャンバに形成された溝をさらに含み、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するとき、前記溝が前記係合のロケーションから離れて配置され、前記溝が、前記係合から第1の距離にある第1の場所と前記第1の場所から実質的な距離に配設された第2の場所との間で前記リミッタ部が通過することができるように動作可能である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
患者の分離した骨に圧縮力を印加するためのデバイスであって、
患者の第1の骨に背を向けるように構成された上側表面と、前記患者の前記第1の骨を向くように構成された下側表面とを有する第1のプレート部分であって、前記患者の第1の骨に前記第1のプレート部分を接続するためにエレメントを受容する少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、
前記第1のプレート部分から延びる突出部と、
第2のプレート部分であって、前記患者の第2の骨に前記第2のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含み、前記第2の骨が、骨グラフトによって前記第1の骨から分離される、第2のプレート部分と、
前記第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、前記突出部をスライド式に受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、前記突出部が前記チャンバ内に受容されるときに、前記第2のプレート部分に対する前記第1のプレート部分の移動が、第1の方向および当該第1の方向とは反対の第2の方向への運動に実質的に制限される、チャンバと、
前記突出部または前記チャンバの一方に形成された第1のキャッチ部であって、リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第1の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、前記キャッチ部は、前記第1のプレート部分と前記第2のプレート部分とが前記第2の方向に移動するときに、前記リミッタ部が前記キャッチ部と前記リミッタ部との前記係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、第1のキャッチ部と、
前記チャンバに配置され、前記第2のプレート部分とともに前記第1のプレート部分がテレスコープ式に伸縮した程度を観察することができるように動作可能な観察アパーチャとを備え、
前記リミッタ部は、前記キャッチ部に対して前記突出部または前記チャンバのもう一方から弾性的に延び、前記キャッチ部にスライド式に係合するように角度が付けられた表面と、前記キャッチ部と係合したときに移動に抵抗するように角度が付けられた対向表面とを有し、前記リミッタ部は、前記リミッタ部が前記第1のプレート部分の前記上側表面から離れて前記第1のプレート部分の前記下側表面の方向に移動可能なように屈曲可能であり、
前記突出部はその中に形成されたばね逃げ部を含み、前記ばね逃げ部は前記リミッタ部を受容し、前記ばね逃げ部は前記ばね逃げ部の両端部に形成されたノッチ付き段部と、前記ノッチ付き段部に比べて前記ばね逃げ部内のより深い箇所に配置された逃げ部底とを有し、それにより、前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部と係合している間、前記リミッタ部を前記ノッチ付き段部に載置させることができ、前記リミッタ部が前記逃げ部底の方向に下向きに屈曲すると前記リミッタ部が前記ノッチ付き段部から外れるように、使用中、前記リミッタ部は前記逃げ部底の方向に下向きに弾性的に屈曲することが可能となる、
デバイス。
【請求項20】
前記リミッタ部が、前記リミッタ部がそこから延びる前記突出部または前記チャンバに形成された逃げ部を含み、前記リミッタ部が、弾性的に屈曲し、前記逃げ部へと偏向するように動作可能である、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、骨固定術に、より詳細には、プレートを対合させることによって課される圧縮を使用する脊椎関節の固定に関する。
【0002】
〔背景技術〕
脊椎固定術または脊椎癒着術としても知られている脊椎融合術は、2つ以上の椎骨を接合するために使用される外科的技法である。椎骨を融合させるために、患者からの補足的骨組織(自家移植片)、ドナーからの補足的骨組織(同種移植片)、または合成材料からの補足的骨組織を、身体の自然な骨成長(骨形成)プロセスと併せて使用することができる。
【0003】
ウルフの法則は、椎体間融合においてグラフトに圧縮荷重を維持すると、グラフトがより急速に、または完全に融合する要因となるという事を言明する。
【0004】
〔発明の概要〕
患者の骨を安定化するための一実施形態は、第1のプレート部分であって、患者の身体組織に第1のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、第1のプレート部分から延びる突出部を備える、第2のプレート部分であって、患者の身体組織に第2のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含む、第2のプレート部分と、第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、突出部をスライド式に受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、突出部がチャンバ内に受容されるときに、第2のプレート部分に対する第1のプレート部分の移動が、テレスコープ運動に実質的に制限される、チャンバと、突出部またはチャンバの一方から弾性的に延びるリミッタ部と、突出部またはチャンバのもう一方に形成されたキャッチ部であって、リミッタ部に対して、リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが一緒にテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部が係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが離れるようにテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部がキャッチ部とリミッタ部との係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、キャッチ部とを備える。
【0005】
さらなる実施形態では、突出部は、チャンバと係合可能な少なくとも2つのレールを形成し、チャンバは、少なくとも2つのレールと対合可能な少なくとも2つの溝を形成し、キャッチ部を形成する突出部またはチャンバに形成された溝が、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが一緒にテレスコープ式に伸縮するとき、係合のロケーションから離れて配置され、溝は、係合から第1の距離にある第1のロケーションと第1のロケーションから実質的な距離に配設された第2のロケーションとの間でリミッタ部が通過することができるように動作可能であり、アパーチャが、キャッチ部を形成する突出部またはチャンバに形成され、それにより、リミッタ部を弾性的に屈曲させてキャッチ部からリミッタ部を係合解除するために、アパーチャ内に物体を挿入することができる。
【0006】
さらなる実施形態では、アパーチャは、キャッチ部を形成する突出部またはチャンバに形成され、それにより、リミッタ部を弾性的に屈曲させて溝からリミッタ部を係合解除するために、アパーチャ内に物体を挿入することができ、リミッタ部は、傾斜面とブロック面とを有し、キャッチ部は、ブロック面をさらに含み、リミッタ部のブロック面は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが離れるようにテレスコープ式に伸縮することを防止するために、キャッチ部のブロック面と対合係合可能である。
【0007】
別の実施形態では、患者の骨は、関節で接合された骨であり、第1のプレート部分は、関節の第1の側の骨と係合可能であり、第2のプレート部分は、関節の第2の反対側の骨と係合可能であり、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが一緒にテレスコープ式に伸縮するとき、関節で接合された骨に圧縮力が印加され、圧縮力は、患者の骨の融合を促進するように動作可能であり、リミッタ部は、キャッチ部の湾曲外形と対合可能な湾曲外形を形成し、チャンバは、チャンバに形成され配置され、第2のプレート部分とともに第1のプレート部分がテレスコープ式に伸縮した程度を観察することができるように動作可能な観察アパーチャをさらに含み、観察アパーチャは、第1のプレート部分および第2のプレート部分がテレスコープ式に伸縮した程度の定量化を可能にする構成を含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、患者の分離した骨に圧縮力を印加するためのデバイスは、第1のプレート部分であって、患者の第1の骨に第1のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、第1のプレート部分から延びる突出部と、第2のプレート部分であって、患者の第2の骨に第2のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含み、第2の骨は、骨グラフトによって第1の骨から分離される、第2のプレート部分と、第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、突出部をスライド式に受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、突出部がチャンバ内に受容されるときに、第2のプレート部分に対する第1のプレート部分の移動が、テレスコープ運動に実質的に制限される、チャンバと、突出部またはチャンバの一方に形成されたキャッチ部であって、リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが一緒にテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部が係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが離れるようにテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部がキャッチ部とリミッタ部との係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、キャッチ部と、キャッチ部に対して突出部またはチャンバのもう一方から弾性的に延び、キャッチ部にスライド式に係合するように角度が付けられた表面と、キャッチ部と係合したときに移動に抵抗するように角度が付けられた対向表面とを有する、リミッタ部とを備える。
【0009】
別の実施形態では、患者の分離した骨に圧縮力を印加するためのデバイスは、第1のプレート部分であって、患者の第1の骨に第1のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含む、第1のプレート部分と、第1のプレート部分から延びる突出部と、第2のプレート部分であって、患者の第2の骨に第2のプレート部分を接続するための少なくとも1つのアパーチャを含み、第2の骨が、骨グラフトによって第1の骨から分離される、第2のプレート部分と、第2のプレート部分に形成されたチャンバであって、突出部をスライド式に受容するようにサイズ決定され、かつ寸法決定され、それにより、突出部がチャンバ内に受容されるときに、第2のプレート部分に対する第1のプレート部分の移動が、テレスコープ運動に実質的に制限される、チャンバと、突出部またはチャンバの一方に形成されたキャッチ部であって、リミッタ部との係合を形成するように動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが一緒にテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部が係合を通過することができるようにさらに動作可能であり、キャッチ部は、第1のプレート部分と第2のプレート部分とが離れるようにテレスコープ式に伸縮するときに、リミッタ部がキャッチ部とリミッタ部との係合を通過することを防止するようにさらに動作可能である、キャッチ部と、キャッチ部に対して突出部またはチャンバのもう一方から弾性的に延び、キャッチ部にスライド式に係合するように角度が付けられた表面と、キャッチ部と係合したときに移動に抵抗するように角度が付けられた対向表面とを有する、リミッタ部と、チャンバに配置され、第2のプレート部分とともに第1のプレート部分がテレスコープ式に伸縮した程度を観察することができるように動作可能な観察アパーチャとを備える。
【0010】
さらなる実施形態では、リミッタ部は、リミッタ部がそこから延びる突出部またはチャンバに形成された逃げ部を含み、リミッタ部は、弾性的に屈曲し、逃げ部へと偏向するように動作可能である。
【0011】
本発明ならびにそれに付随する利点および特徴は、以下の詳細な説明を参照すると、添付図面と併せて検討したときにより容易に理解されるであろう。
〔発明を実施するための形態〕
以下の説明では、方向または配向に関するいかなる参照も、主に説明のみを目的とするものであり、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。また、本明細書で説明する特定の実施形態は、本発明の限定と見なすべきものではない。
【0012】
次に、同様の参照番号が同様のエレメントを指す図面を参照すると、
図1〜
図2は、受容側200と挿入側300とを含む骨安定化デバイス100を示している。セクション200の端部204で開いているチャンバ202は、挿入側300の端部304に配設された突出部302をスライド可能に受容し、それを保持するようにサイズ決定され、かつ寸法決定される。受容側200は骨または患者の他の組織への受容側200の接続を容易にするように動作可能な1つまたは複数の締め具のアパーチャ206を備え、挿入側300は、骨または患者の他の組織への挿入側300の接続を容易にするように動作可能な1つまたは複数の締め具のアパーチャ306を備える。
【0013】
図58〜
図60を参照すると、デバイス100は、脊椎500の椎骨502、504、506と接続して、身体内に埋植可能であるということが分かる。図示された椎骨は例示的なものであり、本明細書に開示されるデバイスは、脊椎の任意の椎骨とともに使用することができる。デバイス100は、切開するまたは低侵襲性のものを含む任意の許容できる手法または任意の既知の方法を使用して、脊椎の前側面、後側面、内側面または、横側面に接続することができる。デバイス100は、たとえば、
図59を見ると分かるように、隣接していない椎骨の前方、後方、または側方に接続することができる。有利には、椎骨を安定化するためにデバイス100が使用されるが、他の継手を含むデバイス100を使用して、あるいは、骨の非関節部分、たとえば、破断した骨を安定化するために、身体の他の骨を安定化することができる。
【0014】
図1〜2をさらに参照すると、アパーチャ206、306内に挿入された締め具が身体との係合から逆戻りしないことを保証するために動作可能な係止エレメント208、308を提供することができる。
【0015】
締め具を係合すること、下にある区域に観察窓を提供すること、下にある組織へのアクセスポートを提供すること、骨グラフトまたは他の骨成長を刺激する材料を詰めるための区域を提供すること、および/またはデバイス100を手術用器具もしくは手技用器具と取り外し可能に接続することのうちの少なくとも1つを動作可能に負うために、追加のアパーチャ210、212、310、312を提供することができる。
図2では見えている細長いアパーチャ314は、チャンバ202中で、開口部216を通過する締め具316をスライド可能に受容する。締め具316とデバイス100とがしっかりと係合させたままとなるように保証するために、係止手段218を設けることができ、係止手段は、たとえば、ナーリング、係止ワッシャー、カバー、または、たとえば、ロック208として示されるような締め具316の一部分と係合可能なロックを含む。さらに、アパーチャ314の全長にわたる任意の点(その中にポスト320が存在し得る)で、受容側200に対して挿入側300を固定することができ、それにより、連続する範囲で調整することが可能である。
【0016】
受容側200と挿入側300とを、身体内で相互にスライド可能に係合させたままにすることが可能であることが所望され得る。治療上の利益は、圧縮および延展を可能にしながら、運動、たとえば、屈曲または伸展の範囲を制限することを含む。本適用例では、ねじ留め、圧迫、接着または溶接などによって締め具316を部分202にしっかりと係合させ、それにより、締め具316のポスト部分320が挿入側300のアパーチャ314内で自由にスライドし得ることが有利であり得る。代替的には、図示していないが、チャンバ202が、アパーチャ314について示されるような細長いアパーチャを備えてもよく、ポスト320を挿入側302に結合してもよい。
【0017】
別の適用例では、身体に受容側200およびまたは挿入側300を固定し、身体の骨の配列を治療的に調整し、次いで、受容側200および挿入側300を固定された相対構成でしっかりと固定することが有利であり得る。この適用例では、受容側200と挿入側300とをスライド可能なアライメントで接続し、所望の位置の達成時に受容側200と挿入側200とを一緒に能率的に締め付けることが有利であり得る。したがって、コネクタ220は、たとえば、ねじ加工された取付部222によって、締め具316に取り外し可能に係合することができ、それにより、ポスト320が、開口部216を通過し、アパーチャ314を通過し、コネクタ220と係合すると、受容側200と挿入側300とは、互いに対してスライドすることはできるが、分離することはできない。骨の配列が達成されると、締め具316をコネクタ220にしっかりと固定することができ、その後、チャンバ202の1つまたは複数の表面に対して突出部302が挟持され、突出部302は、チャンバ202に対してスライドすることができなくなる。突出部302とチャンバ202との間の接続をより堅固にするために、コネクタ220の表面224は、突出部302の表面324およびまたはチャンバ202が相補的に接触することができるように、刻み付きの表面または粗加工された表面を提供することができる。強度または信頼性をさらに高めるために、複数の締め具316およびまたはコネクタ220を使用してもよい。単一の締め具は、設置および調整が迅速にでき、手術時間を短縮させるという利点を有する。
【0018】
有利には、手術の前に、たとえば、製造・品質管理プロセスの一部として、受容側200および挿入側300を締め具316およびコネクタ220とともに、手術の前に、組み付け、殺菌し、それにより、手術中の組付けをなくすことによって手術準備を容易にし、組付けエラーの可能性を低減しながら、複雑度および手術時間を低減することができる。
【0019】
さらに別の適用例では、受容側200および挿入側300を相互に接続し、身体組織のそれぞれ対応する部分に係合させる。その後、受容側200と挿入側300とをそれぞれ、図示されていない器具によって、たとえば、挿入側300のアパーチャ310と受容側200のアパーチャ210、212または狭小部分226とのうちの1つまたは複数との接続を介して係合する。このようにすると、受容側200と挿入側300とを一緒に圧縮したり、あるいは展開して離したりことができ、それにより、取り付けた組織の相対的なアラインメントにおいて相応の変化が生じ、その後、所望のアライメントを維持するために、締め具316を締め付けることができる。体液または組織内部成長がチャンバ202へと通過できるようにするために、デバイス100の重量を低減するために、およびまたはコネクタ220の取付けを容易にするために、チャンバ202の一部分に形成された、締め具316の一部分の通過を認めるように動作可能なスロット230を提供することができる。
【0020】
受容側200と挿入側300とは、レール332と溝232とを対合させることによって規定された所定の経路(直線でも、あるいは湾曲していてもよい)に沿って、スライド式の相互係合で相互接続し、レール332の各々は、それぞれ対応する溝232によって規定された経路に沿って誘導される。このようにすると、受容側200および挿入側300のテレスコープ運動を、単一の平面的なまたは湾曲した経路に規定することができ、それにより、他の軸に沿って安定化しながら、圧縮または延展が可能になる。レール332と溝232を対合させることにより、屈曲荷重またはねじり荷重をレール332と溝232の相互係合の全長にわたって分散させることが可能になり、強度を高め、潜在的な応力の上昇要因の発生および重大度を低減し、デバイス100を脊椎に埋植するときの前後方向での分離が防止される。
【0021】
受容側200および挿入側300はそれぞれ、狭小部分226、326を備えており、これらの狭小部分は、経皮的穿刺または最小切開による本体へのデバイス100の挿入を容易にするように、下にある組織がよく見えるようにするように、およびまたは埋植の部位における周囲組織に対する衝撃を低減するようにサイズ決定することが有利である。さらに、ヘッド部分228、328は、身体内の意図された取付け表面により良好に合致するために、傾斜している、およびまたは、湾曲表面を備えることがある。したがって、デバイス100は、左構成または右構成で提供することができ、患者の体格、性別または年齢に適した様々なサイズまたは構成で提供することができる。各体格について、デバイス100は、ロープロファイルまたは低減された寸法サイズを可能にし、それにより、身体組織の転位が低減し、埋植が容易になり、患者の快適性が増大する。
【0022】
骨に係合するヘッド部分228、328から離れて配設されたロケーションで受容側200と挿入側300との間にスライド式またはテレスコープ式の係合が形成されるので、ヘッド部分228、328の配向および形状における融通性を高めることができる。特に、脊椎とインターフェースするデバイス100の部分は、これらのインターフェース領域にスロットまたは調整装置を必要とすることなく、椎体の自然解剖学的構造に一致するように外形を形成することができる。したがって、たとえば、アパーチャ206、306および結合された係止機構208、308の最適な構成が達成される。
【0023】
デバイス100は、たとえば、1つまたは複数の椎体が損傷したヒト脊椎における外傷、腫瘍または変形の場合に使用することができる。いくつかの事例では、椎骨の損傷した部分を除去する椎体切除術を行うことが有利である。除去された組織を交換するために、得られた空間にケージまたは骨グラフトを挿入する。ケージまたはグラフトに加えて、組織を矯正し、元来の強度を回復しながら、または、より長い期間の安定化源として、現時点では弱くなった面積を測定し、安定化を提供するように動作可能なデバイス100が提供される。
【0024】
ある適用例では、骨グラフトまたは他の埋植材料ならびにあるいは骨または患者の他の組織に、デバイス100によって圧縮力が印加され、それにより、ウルフの法則が当てはまり得る。最初の埋植の後、締め具316をゆるめること、身体組織の配列を変更すること、および、たとえば、低侵襲的処置を通じて316を再び固定することによって、圧縮力の増大または低下を達成することができる。このように圧縮力を増大させることにより、有利には、たとえば、グラフトの沈下を補償することができる。
【0025】
次に
図3〜
図12を参照すると、代替的なデバイス100Aは、舌状部/溝接続を相互に形成する溝232およびレール332を含む。この実施形態では、受容側200および挿入側300は、矢印「A」で示される湾曲外形を備えており、この外形は、インプラントのロケーションにおける湾曲した解剖学的構造に合致するように、およびまたは、たとえば、脊椎の屈曲および伸展に対応して曲線「A」に対して横断方向に屈曲する可能性を低減するために、デバイス100Aにさらなる屈曲剛性を提供するように動作可能である。また、別の実施形態では、受容側200および挿入側300は、矢印「A」から横断方向に延びる湾曲外形を備えている。加えて、溝232およびレール332は、脊椎の冠状面に対して角度が付けられており、AP配向で埋植したときのデバイス100の屈曲に対する抵抗を高める。さらに、一定の角度でレール332を配設することによって、接合表面の拡大断面に現れるレール332を形成するために、材料の使用量が増加し、それにより、対合した受容側200および挿入側300の強度が増大する。さらに、角度が付けられた配列は、セルフセンタリングの傾向を示し、それにより、角度が付けられた配列は、トグリングまたは左右の移動を起こしづらくなり、したがって、対合したレール332およびガイド232の表面により均一に荷重が伝達され、その結果、強度および耐久性が増加する。より詳細には、位置エネルギーは、スライド式係合の方向に対してそれらの相互に傾斜した角度配列に起因して、レール332および溝232が互いに対して同じ角度である位置で最低となる。
【0026】
図13〜
図14に、レール332が溝232内に挿入されている状態のデバイス100Aが示されており、
図14は完全に圧縮された状態を示している。重なったアパーチャ212、312を参照すると、組付けまたは手術室における直接的な観察によって、圧縮の程度の視認可能指示が見え、画像診断では、デバイス100Aの少なくともこの区域が放射線不透過物質で形成されている場合に以上のことが可能になる。
【0027】
本明細書に開示する様々な実施形態のデバイスにより、骨用ねじまたはアンカーヘッドに対する安定化プレートの移動を低減する、またはなくすことが可能になり、それにより、隣接するディスクなど、身体組織と触れるまたはそれと接触するインプラントエレメントによって生じる疾病が低減する。
【0028】
図15〜
図29を参照すると、代替実施形態のデバイス100Bが示されており、デバイス100Bは、初期量の静的な圧縮の後に動的な範囲の圧縮を行うハイブリッド安定化器を形成する。デバイス100Bは、1つまたは複数のキャッチ部634と係合可能な1つまたは複数のリミッタ部534を含む。リミッタ部534は、受容側200に接続された弾性的な突出面536を含む。
図15〜
図29の実施形態では、延在部238は、受容側200から弾性的に懸架しており、延在部238の端部の周りに突出面536が配設される。
【0029】
2つ以上のリミッタ部534が使用される場合、すべてのリミッタ部がそれぞれ対応するキャッチ部634に同時に係合するように保証することが有利である。設計許容差および製造許容差が適切である場合、レール332と溝232とがスライド式に協調することによい、場合によっては不均等な係合を起こし得る受容側200および挿入側300の左右運動、妨害運動またはトグリング運動が低減される。
【0030】
有利には、突出面536は、ヘッド部分228から離れる方向に延びる急勾配面550と、ヘッド部分228に向かう方向に延びる傾斜面とが形成されている。このようにすると、受容側200と挿入側300とが1つに組み付けられたとき、リミッタ部534がキャッチ部634を越えて通過することができるように延在部238を弾性的に屈曲させるために、キャッチ部634によって突出面を偏向させることができる。同様に、突出面536の急勾配面は、その後、キャッチ部634の対合面に対して拘束され、それにより、延在部238を屈曲させることはなく、したがって、受容側200と挿入側300との相互係合の維持が促進される。延在部238を屈曲させるために必要な力は、受容側200および挿入側300に十分な圧縮力が印加されるまで、リミッタ部534とキャッチ部634との係合に対する抵抗を生じるように目標を定めることができる。このようにして、非係合型のリミッタ部534を用いて埋植されたデバイスは、十分な運動範囲が達成されたとき、たとえば、運動療法中に、あるいは所定の程度のグラフト沈下または組織治癒が生じた後に、係合状態になり得る。
【0031】
図16には、溝またはチャネル240が示されているが、その目的は、詳細には
図19〜
図20および
図27〜
図29をさらに参照すると最もよく理解される。挿入側300には、挿入側300が受容側200中に組み付けられるときに、ピン342が端部304を通り、チャネル240に入ることができるように動作可能な開口部340が提供される。組付けの後にピン342を挿入するための挿入側300の端部304へのアクセスが、受容側200のスロット230を通して提供される。ピン342が挿入側300を通ってチャネル240内に配設されるとき、受容側200および挿入側300の互いに対する移動は、チャネル240内のピン342の移動の程度に抑制される。したがって、受容側200および挿入側300はさらに、ピン342によって相互接続された状態で維持される。製造プロセスの一部として、または、外科手術の前に、受容側200と挿入側300とを予め組み付けることが有利であり得る。このようにすると、たとえば、ピン342は、端部304およびチャネル240内に組み付けられるが、受容側200および挿入側300は、有利には、キャッチ部634を越えてリミッタ部534が係合されるポイントでは完全には一緒に圧潰されない。
【0032】
手術室では、身体組織、たとえば第1の椎骨と受容側200を係合させ、身体組織、たとえば第2の椎骨の異なる部分と、受容側200に予め組み付けられ、任意選択でピン342によってその中に保持される挿入側300を係合させる。受容側200と挿入側300とは、ねじ、多軸ねじ、椎弓根ねじ、骨用ねじ、ステープル、クリップ、アンカー、接着剤、縫合糸、およびまたはワイヤを含む任意の既知の手段によって係合される。デバイス100Bの係合の前に、グラフト材料を身体の中に置くことが有利である。
【0033】
受容側200および挿入側300が身体と係合すると、係合した身体の部分の間にある組織およびまたはグラフト材料を、互いに向かって圧縮することができる。1つの実施形態では、身体組織は、身体組織に直接的に係合することを含む任意の既知の手段を使用して圧縮される。別の実施形態では、受容側200および挿入側300を直接的に操作し、近づくように移動させてさらに相互にスライド式に係合させ、身体組織とのそれらのそれぞれ対応する接続を介して、身体組織の一部分を移動させる、または一緒に圧縮する。この動作を容易にするために、受容側200における1つまたは複数の係合構成244およびまたは挿入側300における係合構成344は、圧縮器具(図示されない)とのしっかりした係合を可能にするように動作可能である。そのような圧縮器具は、デバイス100Bが適合する従来の設計とすることができ、あるいは、計器は、デバイス100Aの特定の係合構成244、344と係合するように適合するまたは作製することができる。係合構成244、344は、たとえば、凹み、突出部またはアパーチャの形態を有することができ、ねじ加工しても、場合によっては、手およびまたは計器もしくはツールとしっかりと係合するように構成してもよい。
【0034】
初期量の圧縮により、リミッタ部534とキャッチ部634とを係合させ、それにより、身体組織の一部分をさらに圧縮するが、有利には、ウルフの法則を活用するのに十分な最小量の圧縮が連続的に維持されることが企図される。受容側200と挿入側300との相対運動中にリミッタ部534を保護し、誘導するために、リミッタ部溝646を提供することができる。
【0035】
アパーチャ212は、一定の間隔、たとえば1mm離間した指示構成246を備えているが、有利には、他の間隔を採用し得もよい。指示構成は、
図13〜
図14を見ると分かるように、アパーチャ212中へと延びる突出部の形状を有することができ、あるいは、1つまたは複数の角度が付けられた線として形成することができる。手術中にアパーチャ212を介して直接的に観測することを通じて、およびまたは画像診断を通じて、指示構成246に対する挿入側300の表面のアラインメントは、挿入側300に対する受容側200の圧縮の程度を示すために機能する。圧縮の程度が分かると、身体組織の現在の配列を理解し、かつ、圧縮における治療的変化を計画し、測定するためにそれを使用することができる。
【0036】
次に
図23〜
図25を参照すると、上述したデバイス100Bの圧縮レベルが分かる。
図23では、リミッタ部534は、キャッチ部634に係合していない、またはキャッチ部634を通り越しており、アパーチャ212内には、組付けの現在の状態を示す挿入側300の部分は見えていない。必要というわけではないが、ピン342がチャネル240内に係合していることが有利である。
図24では、リミッタ部534は、キャッチ部634を通過しており、デバイス100Bが埋植された場合、最小量の圧縮が達成される。このとき、アパーチャ212内に挿入側300の端部304が見えている。詳細には、端部304を画定する線を指示構成246と比較することができる。たとえば、指示構成246は、1mm離れている、あるいは、特定の医療適用に意味があり得る任意の他の距離だけ離れていることがある。指示構成246間の距離が既知である場合、圧縮の程度を判断することができるということが分かる。
図25では、受容側200と挿入側300とは完全に圧縮されているが、受容側200と挿入側300とが離れるように移動することも可能であることを留意されたい。
【0037】
組織の成長、内部成長または融合を助長するだけでなく、初期量の圧縮を課すことが有利であり得る。医療従事者の目標は、身体組織と埋植材料との間に所望の量の圧縮を引き起こすのに十分な量のグラフトまたはインプラント材料を挿入し、それにより、周辺の身体組織、たとえば靭帯組織が、圧縮力を提供することであり得る。しかしながら、過剰な組織が除去されている、または、周辺組織が十分な圧縮を生じない場合、リミッタ部534とキャッチ部634とを係合することによって課された初期の力は、必須の圧縮を提供することができる。さらに、関節の屈曲および伸展中に、さらなる圧縮を課すことができる。たとえば、受容側200および挿入側300は、関節の自然な運動力学に起因して、さらに一緒に円滑に動くことができる。
【0038】
リミッタ部534は受容側200に接続されているように図示され、記載されているが、キャッチ部634を受容側200に接続してもよく、リミッタ部534を挿入側300に接続してもよいことを理解されたい。さらに、デバイス100Bのレール332および対合している溝232は、デバイス100Aの対応するレール332および溝232とは異なる角度で整形されることを留意されたいが、デバイス100Bのレール332および溝232は、デバイス100Aの対応するレール332および溝232と同じまたは同様の角度を有し得ることを理解されたい。
【0039】
同様に、当業者には理解されるように、本願明細書の様々な実施形態の他の特徴および対応する利点を交換する、またはそれらを組み合わせることができる。より詳細には、デバイス100の各実施形態は特徴の特定の組合せを示しているが、明確にするために、各デバイスについて、すべての特徴または特徴のすべての組合せが示されているわけではない。
【0040】
図30〜
図37を参照すると、デバイス100Cは、単一のリミッタ部534と単一のキャッチ部634とを有する代替実施形態を示している。デバイス100Bの場合と同様に、延在部238は、撓曲し、所定の最小力で挿入側300を受容側200に向かって進めたときに突出面536がキャッチ部634を通過することができるように、寸法決定され、構成される。1つの実施形態では、この最小力は、医療従事者による正しい埋植に対応し、その後、突出面536とキャッチ部634との係合が適切な圧縮力をもたらして、ウルフの法則が促進される。別の実施形態では、この最小力は、手術後の運動範囲に対応し、最小圧縮力を確立し、その後それを維持しなければならないことを示す。
【0041】
本開示のデバイスは、有利には、手術後に必要に応じて、グラフト高さの変化について調整を行う。このようにすると、椎体間融合のグラフトに対して荷重を維持することができ、ウルフの法則にしたがって、グラフトが完全にかつ可能な限り迅速に融合することが保証される。頸部プレート術の場合、特に、半剛性固定が有利であり得る。本開示のデバイスは、手術後に高さ調整を可能にすることによって、この要件に適応する。この調整機能は、相互接続部において治療上有効な高さまでテレスコープ式に伸縮する、または圧潰およびまたは拡張するセグメント、または挿入側300および受容側200によって提供され、それにより、椎体終板とのグラフトの接触が確保される。この動的な態様をリミッタ部534と組み合わせることによって、動的な高さ調整を行いながら、グラフトの除荷量を制限することができる。このようにして、リミッタ部534は、受容側200と挿入側300とをテレスコープ式の係合で維持するのを補助すること、および、最小量の圧縮を提供することの少なくとも2つの機能を有する。
【0042】
次に、デバイス100Dを示す
図43〜
図57を参照することができる。特に
図43〜
図46には、リミッタ部534が挿入側300から延びるように配置されている受容側200が示されており、キャッチ部634およびリミッタ部溝646は受容側200内に配置されている。追加のキャッチ部634Aは、以下でさらに説明するように、リミッタ部534がキャッチ部646と係合する前にリミッタ部534に係合するように配置される。
【0043】
図47〜
図49では、挿入側300は、
図49の断面図に示した、端部304内に配置されたチャンバまたはばね逃げ部538を含む。逃げ部538の両端部にノッチ付き段部540が形成される。段部540に比べて逃げ部538内のより深い箇所に逃げ部底542が配置される。
図50〜
図52を参照すると、リミッタ部534Aは、突出面536Aを含む。リミッタ部534Aは、挿入側300とは別個のエレメントとして示されているが、リミッタ部534Aは、たとえば、リビングヒンジ(図示せず)を用いて、挿入側300の端部544で挿入側300に接続することができることを理解されたい。しかしながら、たとえば、図示のように、分離されたリミッタ部534Aを製造することは、より単純になり得る。リミッタ部534Aの両端部544は、逃げ部538の段部540に載置され、それにより、リミッタ部534Aを、矢印「A」で示される方向に下向きに弾性的に屈曲することができる。ヒンジ546は、突出面536Aの間にノッチとして形成され、突出面536Aをヒンジ546でのリミッタ部534Aの屈曲中により近くに移動させることができるようになる。
【0044】
矢印「B」で示される湾曲外形は、突出部536Aの上側表面548によって形成される。この湾曲外形は、
図46に示した受容側200のアーチ648の外形に対応する。挿入側300が受容側200へと移動すると、上側表面548はアーチ648と対合し、一緒に、偏向の荷重または力を均等に分散させてスムーズかつ確実に突出部536Aを下向きに誘導し、それにより、ヒンジ546においてリミッタ部534Aを矢印「A」の方向に偏向させる。逃げ部538は、リミッタ部534Aが逃げ部底542に向かって弾性的にのみ偏向することができるように、サイズ決定され、かつ寸法決定され、リミッタ部534Aは、他の方向に移動しないように防止される。
【0045】
デバイス100Dの挿入側300が受容側300中へと通過すると、レール332と溝232とが係合し、初期キャッチ部634Aが突出面536Aと対合し、その後、挿入側300および受容側が、急勾配面550と初期キャッチ部634Aの対合面との係合によって相互係合状態に保持される。このレベルにおける係合は、たとえば、挿入側300と受容側200とを相互係合状態に維持するために、または、本明細書の他の箇所に記載したように身体組織の最小レベルの圧縮を課すために使用することができる。たとえば、外科手術中に圧縮ツールを使用することよって、または、デバイス100Dに接続された身体組織の十分な範囲の運動を実行することによって、挿入側300を受容側200内のさらに進めることができる。挿入側300を受容側200へとさらに移動させることにより、突出面634Aをリミッタ部534Aへと偏向させ、アーチ648に対する突出面536Aの傾斜面552(
図51)の相互作用によってヒンジ546を屈曲させる。挿入側300が十分な距離移動した後、突出面536Aは、リミッタ部溝646に当接し、リミッタ部534Aは、非屈曲構成に弾性的に戻ることをできるようになり、このとき、リミッタ部534Aは、挿入側300の移動をリミッタ部溝646の長さの程度に制限する。初期キャッチ部634Aの場合と同様に、リミッタ部溝646は急勾配面550と対合面を形成し、それにより、挿入側300は受容側200内に維持される。リミッタ部溝646内の係合からリミッタ部634Aを係合解除するためには、ツールのような物体を開口部248内に挿入して、リミッタ部634Aを偏向させ、リミッタ部溝646内の係合から急峻な突出面636Aをクリアすることができる。初期キャッチ部634Aからの係合解除を可能にするために、同様の開口部(図示されていない)を提供することができる。
【0046】
1つの実施形態では、最初に初期キャッチ部634Aを係合することによって、初期圧縮または最小圧縮が骨グラフトに印加される。この最小圧縮が維持されるが、一方、リミッタ部溝646が係合したときには、少なくともこの最小圧縮を課す動的な運動範囲がデバイス100Dによって可能になり得る。動的な運動範囲を可能にした後に、リミッタ部溝646の制限部の係合によって、グラフトの過剰な除荷が保証される。このようにして、ウルフの法則にしたがって治癒を助長する引張り運動または伸展運動のレベルが確立される。
【0047】
当業者には、本発明は、具体的に図示し、本明細書で上述したものに限定されないことが了解されよう。さらに、特段の記載がない限り、添付の図面のすべてが一定の縮尺でないことに留意されたい。上記教示に照らすと、発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な修正および変更が可能である。
【0048】
すべての引用文献は、全文が本明細書では明確に参照により組み込まれる。さらに、特段の記載がない限り、添付の図面のすべてが一定の縮尺でないことに留意されたい。本発明には多くの異なる特徴があり、これらの特徴を一緒にまたは別々に使用することができることが企図される。したがって、本発明は、特徴の任意の特定の組合せに、または、本発明の特定の適用例に限定されるべきではない。さらに、本発明が属する分野の通常の知識を有する者には、本発明の趣旨および範囲内の変形および変更が想起し得ることを理解されたい。したがって、本発明の範囲および趣旨に含まれる本明細書に記載した本開示から、当技術分野の当業者によって容易に達成可能なすべての好都合な修正は、さらなる本発明の実施形態として含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】対合可能な安定化プレートの第1の実施形態の斜視図である。
【
図2】対合可能な安定化プレートの第1の実施形態の斜視図である。
【
図3】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図4】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図5】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図6】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図7】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図8】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図9】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図10】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図11】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図12】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図13】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図14】対合可能な安定化プレートの第2の実施形態の図である。
【
図15】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図16】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図17】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図18】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図19】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図20】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図21】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図22】リミッタ部を含む、対合可能な安定化プレートの第3の実施形態の図である。
【
図30】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図31】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図32】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図33】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図34】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図35】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図36】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図37】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図38】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図39】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図40】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図41】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
【
図42】対合可能な安定化プレートの第4の実施形態の図である。
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図43】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図44】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図45】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図46】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図47】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図48】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図49】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図50】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図51】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図52】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図53】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図54】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図55】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図56】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図57】弾性で分離可能なリミッタ部を含む対合可能な安定化プレートの第5の実施形態の図である。
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図58】対合可能な安定化プレートの実施形態のインプラントの代替例を示す図である。
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図59】対合可能な安定化プレートの実施形態のインプラントの代替例を示す図である。
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図60】対合可能な安定化プレートの実施形態のインプラントの代替例を示す図である。