特許第5980908号(P5980908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980908
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】格子構造物を有する角柱形状圧力タンク
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/00 20060101AFI20160818BHJP
   B65D 88/10 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   F17C1/00 Z
   B65D88/10 Z
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-508288(P2014-508288)
(86)(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公表番号】特表2014-516399(P2014-516399A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】KR2012003157
(87)【国際公開番号】WO2012148154
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2014年10月22日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038676
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038678
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038681
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】596071752
【氏名又は名称】コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】チャン デジュン
(72)【発明者】
【氏名】ベルガン パル ジー
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−503703(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/140692(WO,A1)
【文献】 特開昭54−002507(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0907803(KR,B1)
【文献】 特開平07−139699(JP,A)
【文献】 特表2007−527828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00 − 13/12
B65D 88/00 − 90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に高圧の流体が収容され、角柱形状に作製されたタンク本体50と、
前記タンク本体50の内部に位置し、格子状に作製されており、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列されて交差する平面のセル壁320および前記セル壁320が交差する点に位置するセル軸330からなるビーム面構造物300と、を含む、ビーム面格子構造を有する圧力タンクであって、
前記セル壁320は、X‐Y平面と平行に形成されている複数個の第1セル壁321と、Y‐Z平面と平行に形成されている複数個の第2セル壁322と、Z‐X平面と平行に形成されている複数個の第3セル壁323と、を備え、
前記セル軸330は、X軸方向に形成されている複数個の第1セル軸331と、Y軸方向に形成されている複数個の第2セル軸332と、Z軸方向に形成されている複数個の第3セル軸333と、を備え、
前記第1セル壁321、第2セル壁322、および第3セル壁323の中央には、それぞれ角部がラウンド状である長方形のセル壁ホール324が形成されており、前記セル壁ホール324の境界面には、前記セル壁320の上部面または下部面に接触し、両端が隣接する他のセル壁320と垂直に接するように結合された面補強部材23が形成されていることを特徴とする、ビーム面格子構造を有する圧力タンク。
【請求項2】
前記面補強部材23は、フランジを有するガーダを備えることを特徴とする、請求項1に記載のビーム面格子構造を有する圧力タンク。
【請求項3】
前記タンク本体50は、前記ビーム面構造物300に接触する内壁20と、前記内壁20と所定距離離隔して位置する外壁30と、を備え
前記内壁20と前記外壁30との間にコンクリートまたは断熱材料が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載のビーム面格子構造を有する圧力タンク。
【請求項4】
前記内壁20と外壁30との間にフランジ41を有する断面が「⊥」形状である複数個のガーダ40が位置し、前記ガーダ40の上部面が、前記ビーム面構造物300が前記内壁20の内側に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側に接触し、前記ガーダ40の前記フランジ41に複数個の前記外壁30が溶接結合されていることを特徴とする、請求項に記載のビーム面格子構造を有する圧力タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力タンクに関し、より詳細には、内部荷重を許容する格子構造物を含む圧力タンクであって、主に、直方体の外壁からなり、タンクの外壁を補強するために補強部材の方向と一致する格子構造物を具備することで内部流体による圧力に耐えることができ、角柱形状に作製されて周辺空間に係る体積効率を高めることができる格子構造物を有する圧力タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、圧力容器とタンクは、内部圧力に耐えるために完全なる球型または二重曲部で両端が閉鎖されたシリンダー型にデザインされる。かかるタンクは、内部圧力を許容するために曲面タンク壁がメンブレン応力に耐えることができる。また、タンク壁の曲げ応力は、タンク壁の厚さを増加させることで内部荷重を効率的に減少する。メンブレン型タンク壁の応力とそれによる壁の厚さは、曲率半径の増加に比例し、メンブレン応力は、壁の厚さに反比例する。また、タンク壁の厚さは、鉄材タンクの場合、実際、溶接のような理由によって数センチメートルに制限される。そのため、内部設計圧力が大きい場合に、メンブレン型タンク壁を非常に大きくすることが不可能である。通常の圧力容器は、一つの複雑なタンクの内部に他の複雑な構造を有する二重隔壁構造のタンクに構成されるため、本体を作製するために消費する材料の2倍が必要となる。
【0003】
本発明に係るタンクは、周囲温度より低い温度を維持するだけでなく、相当な圧力を維持することができるタンクである。低温タンクは、LNGを貯蔵するために、地面、船舶、または海洋設備に取り付けられる。LNGタンクの例として、地面に取り付けられるシリンダー型の鉄筋コンクリート二重壁タンク、LNGを運搬するために船舶に取り付けられる二重壁メンブレンタンクまたは二重壁円筒形圧力タンクなどが挙げられる。かかるタンクは、相当な内部圧力に耐えられず、常に大気圧の状態で運用される。本発明に係る潜在的な利点としては、液化天然ガスを燃料とし、1000〜8000mの大きい燃料タンクを用いて、−163℃以下、15bar以上の環境下で運転可能にすることが挙げられる。本発明は、前記の要件を満たすだけでなく、上述した規模、圧力、および熱における解決課題を解決できるものであって、上述した既存のタンクでは上述した目標を満たすことができない。また、本発明は、圧力容器に作製される場合に、圧力に耐えられる圧力隔壁だけでなく、内部流体の漏れを防止できる二重隔壁で作製されることができる。また、本発明は、タンクの外部に断熱施工を簡単に施すことができるという利点がある。図1は従来の圧力タンクを示すものであって、図1の(a)は球型圧力タンクを示す図であり、図1の(b)はシリンダー型圧力タンクを示す図であり、図1の(c)はローブ(lobe)型圧力タンクを示す図であり、図1の(d)は細胞(celluler)型圧力タンクを示す図である。
【0004】
タンクの総合効率は、体積効率(volume efficiency)と物質比率(material ratio)をもって判断することができる。
【0005】
[数1]
ξ=Vtank/Vprism
【0006】
[数1]は体積効率を定義する数式である。ここで、前記ξは体積効率を示し、前記Vtankはタンクの実際の体積を示し、前記Vprismは理想の直方体型または角柱形状のタンクが有する体積を示す。
【0007】
前記ξが大きいほど、全体積で利用可能なタンクの貯蔵効率が増加することを意味し、角柱型(ブロック形)の外部空間が一つまたはいくつかのタンクによって占められる。すなわち、角柱型の場合、体積効率は1となる。
【0008】
[数2]
η=Vmaterial/Vstored
【0009】
前記[数2]は物質比率を求めるための数式である。ここで、前記ηは物質比率を示し、前記Vmaterialはタンクを作製するために用いられた構成物の実際の体積を示し、前記Vstoredはタンクに流体を充填するための総体積を示す。pは内部圧力、σは単軸の許容応力を示す。前記ηの値が小さいほどタンクを作製するための物質の消耗量が少なく、構造的にタンクの物質比率に優れる。
【0010】
【表1】
【0011】
表1は従来のタンクの体積効率と物質比率を示す表である。シリンダー型、ローブ型、細胞型のタンクの物質比率は、容器の先端部に用いられる材料は含まない。さらに、ミーゼス(von Misese)応力を許容応力とすると、物質比率は最大値を有し、この際、円周応力は縦応力の2倍の値を有する。
【0012】
表1に示されたように、球型タンクが最も大きい物質比率を有しているが、体積効率は最も低い。これは、球型タンクが貯蔵空間の周辺部を活用することが実質的に不可能であることを意味する。
【0013】
表1から分かるように、体積効率は、細胞型タンクが最も効率的であり、物質比率は、シリンダー型タンク、ローブ型タンク、および細胞型タンクが類似の値を有する。
【0014】
しかし、前記ローブ型タンクは、球型タンクを交差して作製するため、作製が困難である。また、前記ローブ型タンクは、著しく大きい応力が、内部の隔壁、シリンダー、二重曲面部分の間の交差点に発生し、物質比率が大幅に減少するという欠点がある。実際、幾何学的複雑性のため、二重隔壁タンクのようなローブタンクを高圧タンクに作製することが不可能である。
【0015】
前記細胞型タンクは、二つの方向に繰り返す細胞(cell)のため大きい体積効率を有する。また、前記細胞型タンクの物質比率は、シリンダー型タンクと同様に優れた効率を有する。しかし、前記細胞型タンクの主な問題点として、セルの端部が接合する部分に生じる相当な曲げ変形と応力集中を回避して設計することが困難であるという問題点がある。また、前記細胞型タンクは、外壁を二重壁に形成するにあたり、設計上の困難があるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、新たな形状の高圧タンクとして、主に角柱型であり、いかなる次元にも容量の拡張が可能であり、著しく大きい体積効率を有し、且つ流体の高い圧力および頻繁な温度変化にも耐えられる圧力タンクを提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、高い体積効率を有する圧力タンクを提供し、2次隔壁を取り付けることで圧力タンク内部の流体が漏れることを防止できる圧力タンクを提供することにある。
【0018】
また、本発明のさらに他の目的は、圧力タンクに充填されている流体のレベルに関係なく、内部格子構造物から流体減衰現象による挙動に耐えられ、強いタンク隔壁により、スロッシング現象による動的流体圧力に耐えられる圧力タンクを提供することにある。
【0019】
また、本発明のさらに他の目的は、圧力タンクの外部壁だけでなく内部に繰り返して形成されるモジュール構造により、いかなる大きさにも拡張できる圧力タンクを提供することにある。
【0020】
また、本発明のさらに他の目的は、圧力タンクのセル構造物の間に好適な間隔を選択して内部圧力の水準に応じてセル構造物の個数を自由に調節できる圧力タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のビーム面格子構造を有する圧力タンクは、内部に高圧の流体が収容され、角柱形状(prismatic shape)に作製されたタンク本体50と、前記タンク本体50の内部に位置し、格子状(lattice form)に作製されており、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列された複数のセル構造物(cell structures)1000と、を含むことを特徴とする。
【0022】
前記セル構造物1000は、圧力負荷に耐えるように複数の平板のセル壁120が交差する形状に作製され、かつ、流体が前記セル構造物間を自由に移動するように前記セル壁120に複数個の開口(図示せず)が形成されて流体がセルの間に自由に移動する面格子構造物100を備えることを特徴とする。
【0023】
前記セル構造物1000は、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列されたビーム構造物(beam structure)200を備えることを特徴とする。
【0024】
前記ビーム構造物200は、3次元直交座標系(X,Y,Z)の構造となるように延在した複数のビームを備える分岐型ビーム構造物220、230、240、250、290として作製されていることを特徴とする。
【0025】
前記ビーム構造物220は、各ビームの断面が長方形であることを特徴とする。
【0026】
前記ビーム構造物290は、各ビームの断面がX字形であることを特徴とする。
【0027】
前記ビーム構造物230は、各ビームの断面が円形であり、円形Z軸ビーム構造物233の断面の直径が、円形X軸ビーム構造物231および円形Y軸ビーム構造物232の断面の直径より大きいことを特徴とする。
【0028】
前記ビーム構造物240は、原点を中心に分岐型の中空部からなる結合型ビーム構造物ノード241を備え、前記結合型ビーム構造物ノード241にビーム242が挿入されて溶接またはボルト締めまたは接合されて、結合型ビーム構造物240が形成されていることを特徴とする。組立式のノードは、鉄鋼、合金または複合材料のような物質を用いて鋳造または鍛造により作製することができる。
【0029】
前記ビーム構造物200は、交差部214でオフセット構造となるように作製されたオフセットビーム構造物250であることを特徴とする。
【0030】
前記タンク本体50は、前記ビーム構造物200に接触する内壁20と、前記内壁20と所定距離離隔して位置する外壁30と、を備える。
【0031】
前記ビーム構造物200は、前記内壁20の内側面に接触する部分から交差部214までの長さが、内部単位格子(internal lattice unit)の長さより長く形成されていることを特徴とする。
【0032】
前記圧力タンク10は、前記ビーム構造物200の交差部と前記内壁20の内側面に溶接された複数個のビーム−壁ブラケット(beam-wall brackets)22と、前記ビームの交差部に溶接された複数個のビーム−ビームブラケット(beam-beam brackets)24と、をさらに含む。
【0033】
前記内壁20と前記外壁30との間に板状の複数個のガーダ(girder)40が位置し、前記ガーダ40は、一側が、前記ビーム−壁ブラケット22が前記内壁20に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側面に接触し、他側が、前記外壁30の内側面に接触することを特徴とする。
【0034】
前記内壁20と前記外壁30との間に板状の複数個のガーダ40が位置し、前記ガーダ40の上部面が、壁補強部材21が前記内壁20に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側面に位置し、前記ガーダ40のフランジ41が、複数個の外壁30に溶接されていることを特徴とする。
【0035】
また、前記ビーム構造物200は、前記タンク本体の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列され、I型またはH型の断面を有する複数個のH型ビーム構造物260を備えることを特徴とする。
【0036】
前記H型ビーム構造物260の端部に外壁カバープレート270が位置して前記圧力タンクの外壁30を形成し、前記外壁30に側面部が接する前記H型ビーム構造物260の中心部264が上下に延在して前記圧力タンク10の内壁20を形成しており、前記内壁20と前記外壁30が耐圧性と耐熱性を有する材質からなることを特徴とする。
【0037】
前記セル構造物1000は、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列されて交差する平面のセル壁(cell walls)320、および、前記セル壁320が交差する点に位置するセル軸(cell beams)330からなるビーム面構造物(beam surface structure)300を備えることを特徴とする。
【0038】
前記セル壁320にラウンド状の角部を有する長方形のセル壁ホール(cell wall holes)324が形成されていることを特徴とする。
【0039】
前記セル壁320の上部面または下部面に接触し、両端が隣接する他のセル壁320と垂直に接するように結合された複数の面補強部材(surface stiffening members)23をさらに含み、前記面補強部材23は、フランジを有するガーダを備える。
【0040】
前記セル軸330は、3次元直交座標系(X,Y,Z)の構造となるように延在した軸を備える分岐型セル軸334、335、336として作製されている。
【0041】
前記セル軸330は、各軸の断面が円形である円形セル軸334、または各軸の断面が菱形であり、角部に前記セル壁320が接触する菱形セル軸335、または各軸の断面が「X」型であり、側面部に前記セル壁320が接触するX字形セル軸336として作製されることを特徴とする。
【0042】
前記タンク本体50は、前記セル構造物1000に接触する内壁20と、前記内壁20と所定距離離隔して位置する外壁30と、を備える。
【0043】
前記内壁20の内側面、前記内壁20の外側面、前記外壁30の内側面、および前記外壁30の外側面のいずれか一つ以上の面に格子状の壁補強部材21が位置し、前記壁補強部材21は、フランジを有するガーダに作製され、上部面が前記内壁20または前記外壁30に接合している。
【0044】
前記内壁20と前記外壁30との間に板状の複数個のガーダ40が位置し、前記ガーダ40は、一側が、前記セル構造物1000が前記内壁20に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側に接触し、他側が、前記外壁30の内側に接触することを特徴とする。
【0045】
前記内壁20と前記外壁30との間にフランジを有する複数個のガーダ40が位置し、前記ガーダ40の上部面が、前記セル構造物1000が前記内壁20に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側に接触し、前記ガーダ40の前記フランジ41に複数個の前記外壁30が溶接結合されていることを特徴とする。
【0046】
前記圧力タンクは、前記内壁20と前記外壁30との間に取り付けられてガスを検知するためのガス検知器をさらに含む。
【0047】
前記圧力タンクは、前記内壁20と前記外壁30のいずれか一つの壁面または複数個の壁面を組み合わせた構造物を予め作製することによって構成されていることを特徴とする。
【0048】
前記内壁20と前記外壁30との間にコンクリートまたは断熱材料を充填することで構造的に補強されかつ断熱性能が向上したものであることを特徴とする。
【0049】
前記セル構造物1000は、繰り返し構造の特徴を利用して2個以上の部品(pieces)として予め作製し、建造場所で結合することを特徴とする。
【0050】
前記セル構造物1000は、タンク壁に近い方の格子単位(lattice units)が他方の格子単位(units)より長いことを特徴とする。
【0051】
前記タンク本体50は、角部に曲線面取りまたは直線面取り51、52が施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0052】
本発明は、前記のような問題を解消するためのものであって、より詳細には、直方体(角柱)の形状を有する新たな形状の高圧タンクを提供するためのものである。本発明によれば、いかなる次元にも容量の拡張が可能であり、貯蔵流体の高い圧力および温度変化に耐えることができる。
【0053】
また、本発明の圧力タンクは、高い体積効率を有し、直方体の形状に作製されることで周辺空間を効率的に使用することができる。
【0054】
また、本発明の圧力タンクは、二重壁の構造を有し、内壁と外壁との間にガス検知器が取り付けられることで流体の漏れを検知することができる。
【0055】
また、本発明の圧力タンクは、内部に格子状の構造物を取り付けることで流体によるスロッシング現象を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】従来の圧力タンクの断面図である。
図2】本発明の格子構造物を有する圧力タンクの概路図である。
図3】本発明の面単位格子の斜視図である。
図4】本発明の面格子圧力タンクの部分斜視図である。
図5】本発明のビーム単位格子の斜視図である。
図6】本発明のビーム単位格子の実施例の斜視図である。
図7】本発明のビーム格子圧力タンクの部分斜視図である。
図8】本発明のHビームを用いたビーム格子圧力タンクの断面図である。
図9】本発明のHビームを用いたビーム格子圧力タンクの部分斜視図である。
図10】本発明のビーム面単位格子の斜視図である。
図11】本発明のビーム面単位格子の実施例の斜視図である。
図12】本発明のビーム面構造物の斜視図である。
図13】本発明のビーム面構造物の平面図である。
図14】本発明の格子圧力タンク壁面の断面図である。
図15】本発明の格子圧力タンク壁面の第1実施例を示す図である。
図16】本発明の格子圧力タンク壁面の第2実施例を示す図である。
図17】本発明の格子構造物においてタンク壁に近いものが他のものより長いことを示す圧力タンクの断面図である。
図18】本発明のタンク本体の角部に直線面取りが施された圧力タンクの斜視図である。
図19】本発明のタンク本体の角部に曲線面取りが施された圧力タンクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の技術的思想について添付の図面を参照してより具体的に説明する。
【0058】
しかし、添付の図面は本発明の技術的思想をより具体的に説明するために示した一例に過ぎず、本発明の技術的思想は添付の図面の形態に限定されない。
【0059】
図2を参照して、本発明の格子構造物を有する圧力タンクの構成と形態について説明する。
【0060】
本発明の一実施例による圧力タンク10は、内部に高圧の流体が収容され、角柱形状に作製されたタンク本体50と、前記タンク本体50の内部に位置し、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列され、内部荷重を分散できる格子構造物を有するセル構造物1000と、を含む。
【0061】
図3および図4を参照して、本発明の面格子構造物を有する圧力タンクの構成と形態について詳細に説明する。
【0062】
セル構造物1000は、平板のセル壁120が交差する形状に作製されて圧負荷に耐える面格子構造物100を備える。
【0063】
各辺の長さがa1、a2、a3である直方体の中心部に交差部114が位置する一つのユニットを面単位格子110とすると、前記面格子構造物100は、前記面単位格子110が繰り返して形成されると見なすことができる(図3参照)。
【0064】
したがって、前記面単位格子110の形態について説明することで、前記面格子構造物100の全体の形状を類推することができる。
【0065】
より詳細には、前記面格子構造物100は、X−Y平面と平行に形成されている複数個の第1セル壁121と、Y−Z平面と平行に形成されている複数個の第2セル壁122と、Z−X平面と平行に形成されている複数個の第3セル壁123と、を備える。
【0066】
また、前記第1セル壁121は、Y−Z平面と平行に形成される前記タンク本体50の壁と、Z−X平面と平行に形成される前記圧力タンクの内壁に端部が接触して固定され、前記第2セル壁122は、X−Y平面と平行に形成される前記タンク本体50の壁と、Z−X平面と平行に形成される前記タンク本体50の内壁に端部が接触して固定され、前記第3セル壁123は、X−Y平面と平行に形成される前記タンク本体50の内壁と、Y−Z平面と平行に形成される前記タンク本体50の内壁に端部が接触して固定される。
【0067】
また、前記第1セル壁121、前記第2セル壁122、前記第3セル壁123は、それぞれ所定間隔離隔して規則的に形成され、前記面格子構造物100は、前記第1セル壁121、前記第2セル壁122、および前記第3セル壁123が接する交差点である複数個の交差部114を備える。
【0068】
また、前記セル壁120に複数個のホール(図示せず)が形成されて、相違するセル間に流体を流通させるようにすることが好ましい。
【0069】
図5および図6を参照して、本発明の一実施例によるビーム構造物を含む圧力タンクについて説明する。
【0070】
本発明の格子構造物を有する圧力タンク10において、前記セル構造物1000がビーム構造物200を備える。
【0071】
前記ビーム構造物200は、前記タンク本体50の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列される。
【0072】
より詳細には、前記ビーム構造物200は、X軸方向に形成されている複数個のX軸ビーム構造物211と、Y軸方向に形成されている複数個のY軸ビーム構造物212と、Z軸方向に形成されている複数個のZ軸ビーム構造物213と、を備える。
【0073】
また、前記X軸ビーム構造物211は、Y−Z平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定され、前記Y軸ビーム構造物212は、Z−X平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定され、前記Z軸ビーム構造物213は、X−Y平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定される。
【0074】
また、前記X軸ビーム構造物211、前記Y軸ビーム構造物212、および前記Z軸ビーム構造物213は、それぞれ所定間隔離隔して規則的に形成され、前記ビーム構造物200は、前記X軸ビーム構造物211、前記Y軸ビーム構造物212、および前記Z軸ビーム構造物213が接する交差点である複数個の交差部214を備える。
【0075】
各辺の長さがa1、a2、a3である直方体の中心部に前記交差部214が位置する一つのユニットをビーム単位格子210とすると、前記ビーム構造物200は、前記ビーム単位格子210が繰り返して形成されると見なすことができる(図5参照)。
【0076】
したがって、前記ビーム単位格子210の形態について説明することで、前記ビーム構造物200の全体の形状を類推することができる。
【0077】
図6は、本発明の一実施例による前記ビーム構造物200の単位体であるビーム単位格子210を示す図である。
【0078】
前記ビーム単位格子210は、断面が長方形に形成され、交差部214が接する構造に作製される長方形ビーム構造物220として作製されることができる(図6の(a)参照)。
【0079】
前記ビーム単位格子210は、断面が円形に形成される円形ビーム構造物230として作製されることができる(図6の(b)参照)。
【0080】
この際、前記円形ビーム構造物230は、円形X軸ビーム構造物231、円形Y軸ビーム構造物232、および円形Z軸ビーム構造物233からなり、前記円形X軸ビーム構造物231または前記円形Y軸ビーム構造物232の直径より前記円形Z軸ビーム構造物233の直径が大きく作製されることで、Z軸に印加される力に対してより強固に耐えることができる。
【0081】
図6の(b)では、前記円形Z軸ビーム構造物233の直径が前記円形X軸ビーム構造物231と前記円形Y軸ビーム構造物232の直径より大きく作製されているが、本発明は、一つの軸に限定されず、前記円形X、Y、Z軸ビーム構造物231、232、233がそれぞれ相違する大きさを有するように作製されてもよい。
【0082】
前記ビーム単位格子210は、交差部214が中空形に作製される結合型ビーム構造物ノード241を備え、前記結合型ビーム構造物ノード241にビーム242が挿入されて結合型ビーム構造物240として作製されることができる(図6の(c)参照)。
【0083】
前記ビーム単位格子210は、交差部214が交互構造に形成され、それぞれ軸の側面部が接するオフセット構造に作製されるオフセットビーム構造物250として作製されることができる(図6の(d)参照)。
【0084】
前記ビーム単位格子210は、断面がX字形に形成され、交差部214が接する構造に作製されるX字形ビーム構造物290として作製されることができる。
【0085】
図7を参照して、本発明の一実施例によるタンク本体50の形状について説明する。
【0086】
前記タンク本体50は、内壁20と外壁30からなる二重構造を有することを特徴とする。
【0087】
より詳細には、前記ビーム構造物200が接触する内壁20と、前記内壁20と所定距離離隔して位置する外壁30と、を備える。
【0088】
また、前記タンク本体50は、前記内壁20に接触する前記ビーム構造物200の間に位置するにあたり、前記内壁20の内側面に接触し、両側面が前記ビーム構造物200に接触し、前記内壁20に接する反対側が所定曲率を有する複数個のビーム−壁ブラケット22を備えることを特徴とする。
【0089】
前記ビーム−壁ブラケット22は、前記タンク本体50の壁に印加される外部の力を分散するために取り付けられる。ここで、前記ビーム構造物200の端部が前記内壁20に接触して応力が集中することがあるため、前記ビーム−壁ブラケット22を取り付けて外部に印加される力を分散させることを目的とする(図7参照)。
【0090】
前記圧力タンクは、ビームの交差部に溶接され、所定曲率を有するビーム−ビームブラケット24を含む。
【0091】
前記ビーム構造物200の端部が前記ビーム−壁ブラケット22に接する交差点に結合されて前記ビーム構造物200から前記ビーム−壁ブラケット22に力の伝達を受けることが好ましい。
【0092】
また、前記ビーム構造物200の端部が前記ビーム−壁ブラケット22の交差点に結合する場合、前記ビーム構造物200にビーム構造物溝が形成されて結合を容易にすることが好ましい。
【0093】
前記圧力タンク10の内壁20または外壁30に前記ビーム構造物200からの力が伝達されて、前記内壁20または外壁30に壁補強部材21をさらに取り付けるにあたり、前記壁補強部材21が前記内壁20の内側面または外側面に位置する場合、前記ビーム−壁ブラケット22の間に格子状に取り付けることが好ましい。
【0094】
この際、前記壁補強部材21は、フランジを備えて高い曲げ強度を有するように作製されることが好ましい。
【0095】
さらに、前記ビーム構造物200は、前記内壁20の内側面に接触する部分から前記交差部214までの長さがより長く形成されることを特徴とする。
【0096】
図8および図9は本発明のH型ビーム構造物260からなる圧力タンク10の部分平面図および部分斜視図である。
【0097】
本発明のH型ビーム構造物260からなる圧力タンク10は、内部に高圧の流体が収容され、角柱形状に作製されるタンク本体50と、前記タンク本体50の内部に位置し、格子状に作製されるにあたり、前記タンク本体の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列され、I型またはH型の断面を有する複数個のH型ビーム構造物260と、を含む。
【0098】
より詳細には、前記H型ビーム構造物260は、X軸方向に形成されている複数個のX軸H型ビーム構造物261と、Y軸方向に形成されている複数個のY軸H型ビーム構造物262と、Z軸方向に形成されている複数個のZ軸H型ビーム構造物263と、を備える。
【0099】
また、前記H型ビーム構造物260は密集して位置する。
【0100】
前記H型ビーム構造物260は、上述したオフセットビーム構造物250と同様に、交差点がなく、交互に形成されている。
【0101】
より詳細には、前記X軸H型ビーム構造物261の一側面に前記Y軸H型ビーム構造物262が接触する場合、前記X軸H型ビーム構造物261の他側面にも前記Y軸H型ビーム構造物262が対応するように接触し連続して位置する。
【0102】
上記において、前記X軸H型ビーム構造物261と前記Y軸H型ビーム構造物262を例に挙げて説明しているが、前記Y軸H型ビーム構造物262と前記Z軸H型ビーム構造物263および前記X軸H型ビーム構造物261と前記Z軸H型ビーム構造物263も同様に、密集して位置する。
【0103】
また、前記H型ビーム構造物260の端部に外壁カバープレート270が位置して前記圧力タンクの外壁30を形成し、前記外壁30に側面部が接する前記H型ビーム構造物260の中心部264が上下に延長して前記圧力タンク10の内壁20を形成することを特徴とする。
【0104】
より詳細には、Y−Z平面と平行に形成される前記外壁カバープレート270に、前記Y軸H型ビーム構造物262の側面部が前記外壁カバープレート270の内側面に接触し、前記X軸H型ビーム構造物261の端部が前記外壁カバープレート270の内側面に接触する場合、前記X軸H型ビーム構造物261の中心部264が上下に延長して形成される前記内壁カバープレート280が内壁を形成する。
【0105】
上記において、Y−Z平面と平行に形成される外壁30に基づき前記内壁カバープレート280がどのように形成されるかについて説明しているが、X−Y平面およびZ−X平面と平行に形成される外壁30および内壁20も同様な方式で形成される。
【0106】
本発明の格子構造物を有する圧力タンク10において、前記セル構造物1000がビーム面構造物300を備える。
【0107】
図10を参照して本発明の一実施例によるビーム面構造物300について説明する。
【0108】
前記ビーム面構造物300は、前記圧力タンク10の一側壁から該一側壁に対向する他側壁に逹し、規則的に直交配列されて交差する平面のセル壁320および前記セル壁320が交差する点に位置するセル軸330からなる。
【0109】
前記セル軸330が分岐型セル軸334、335、336として作製されることを特徴とする。
【0110】
より詳細には、前記分岐型セル軸334、335、336は、3次元直交座標系(X,Y,Z)の構造で延長した軸を備える。すなわち、前記セル軸330は、X軸方向に形成されている複数個の第1セル軸331と、Y軸方向に形成されている複数個の第2セル軸332と、Z軸方向に形成されている複数個の第3セル軸333と、を備える。
【0111】
また、前記第1セル軸331は、Y−Z平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定され、前記第2セル軸332は、Z−X平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定され、前記第3セル軸333は、X−Y平面と平行に形成される前記圧力タンク10の壁に両端部が接触して固定される。
【0112】
また、前記第1セル軸331、第2セル軸332、および第3セル軸333は、それぞれ所定間隔離隔して規則的に形成され、前記セル軸330は、前記第1セル軸331、第2セル軸332、および第3セル軸333が接する交差点である複数個の交差部334を備える。
【0113】
また、前記セル壁320は、前記第1セル軸331と前記第2セル軸332が交差して形成されるX−Y平面に形成され、前記第1セル軸331と前記第2セル軸332に接する複数個の第1セル面321と、前記第2セル軸332と前記第3セル軸333が交差して形成されるY−X平面に形成され、前記第2セル軸332と前記第3セル軸333に接する複数個の第2セル面322と、前記第1セル軸331と前記第3セル軸333が交差して形成されるZ−X平面に形成され、前記第1セル軸331と前記第3軸333に接する複数個の第3セル面323と、を備える。
【0114】
各辺の長さがa1、a2、a3である直方体の中心部に前記交差部334が位置する一つのユニットをビーム面単位格子310とすると、前記ビーム面構造物300は、前記ビーム面単位格子310が繰り返して形成されると見なすことができる。
【0115】
したがって、前記ビーム面単位格子310の形態について説明することで、前記セル構造物1000の全体の形状を類推することができる。
【0116】
図11は本発明のビーム面構造物300の実施例を示し、前記ビーム面構造物300の単位体であるビーム面単位格子310を示す図である。
【0117】
前記セル軸330は、断面が円形に形成される円形セル軸334として作製されることができる(図11の(a)参照)。
【0118】
前記セル軸330は、断面が菱形に形成される菱形セル軸335として作製されることができ、前記菱形セル軸335の角部に前記セル壁320が接触するように作製されることができる(図12の(b)参照)。
【0119】
前記セル軸330は、「X」型のX字形セル軸336として作製されるにあたり、前記X字形セル軸336の側面部に前記セル壁320が接触するように作製されることができる(図13の(c)参照)。
【0120】
図13および図14を参照して本発明の一実施例によるセル壁320について説明する。
【0121】
前記セル壁320にラウンド状の角部を有する長方形のセル壁ホール324が形成されて、相違するセル間に流体を流通させるようにすることが好ましい。
【0122】
また、前記ビーム面構造物300は、前記セル壁ホール324の境界面に規則的に直交配列されて交差し、前記セル壁320に接触する面補強部材23をさらに具備することを特徴とする。
【0123】
この際、前記面補強部材23は、フランジを備えて高い曲げ強度を有するように作製されることが好ましい。
【0124】
図14は本発明の一実施例による圧力タンクの内壁と外壁の断面図である。
【0125】
前記タンク本体50は、内壁20と外壁30からなる二重構造を有することを特徴とする。
【0126】
より詳細には、前記セル構造物1000が接触する内壁20と、前記内壁20と所定距離離隔して位置する外壁30と、を備える。
【0127】
また、前記内壁20と前記外壁30は、耐圧性と耐熱性を有する材質からなることが好ましい。
【0128】
また、前記内壁20と外壁30との間に板状の複数個のガーダ40が位置し、前記ガーダ40は、前記セル構造物1000が前記内壁20に接触する部分に対応するように前記内壁20の外側に一側が接触し、前記外壁30の内側に他側が接触する。
【0129】
前記タンク本体50の内部において、前記複数個の前記ガーダ40が前記内壁20と前記外壁30に位置し、前記ガーダ40の上部面が、前記セル構造物1000が前記内壁20に接合する部分と対応するように前記内壁20の外側面に接合し、前記ガーダ40のフランジ41の側面が前記外壁30の側面に溶接される(図15参照)。
【0130】
前記タンク本体50の内部において、前記複数個の前記ガーダ40が前記内壁20と前記外壁30との間に位置し、前記ガーダ40の上部面が、前記セル構造物1000が前記内壁20に接合する部分と対応するように前記内壁20の外側面に接合し、前記ガーダ40のフランジ41は複数個の前記外壁30に溶接される(図16参照)。
【0131】
溶接方法としては、突合せ溶接(Butt Welding)または隅肉溶接(Fillet Welding)などが挙げられる。
【0132】
この際、前記タンク本体50の壁の間が狭い場合、人間が前記内壁20と前記外壁30との間に入ることができないため、溶接が不可能になる。かかる問題のため、前記ガーダ40の上部を前記内壁の外側面に溶接した後、前記フランジ41に前記外壁30を前記外壁の外部から溶接して前記外壁30を形成することができる。
【0133】
この際、前記フランジ41は、重い物質からなり、前記外壁30に密着して固定されることが好ましい。
【0134】
また、前記内壁20または外壁30に壁補強部材21を取り付けるにあたり、前記壁補強部材21を前記内壁20または前記外壁30の内側面または外側面に配置する。
【0135】
この際、前記壁補強部材21は、フランジを備えて高い曲げ強度を有するように作製されることが好ましい(図14参照)。
【0136】
また、前記内壁20と外壁30との間にはガスを検知できる一つ以上のガス検知器(図示せず)が位置して、前記内壁20に亀裂が発生して流体が流出する場合にすぐ検知して処理することが好ましい。
【0137】
また、前記外壁30の外側に断熱層を形成して前記圧力タンク10の内部熱が外部に流出することを防止する。
【0138】
また、前記内壁20と前記外壁30のいずれか一つの壁面または複数個の壁面を組み合わせた構造物を予め作製して建造することを特徴とする。
【0139】
また、前記内壁20と外壁30との間にコンクリートまたは断熱複合材料を充填することで構造的に補強し、断熱性能を向上させることを特徴とする。
【0140】
この際、前記断熱複合材料は、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、高分子化合物などからなってもよい。
【0141】
また、前記セル構造物1000は、繰り返し構造に形成されており、2個以上の部品を予め作製した後、建造場所で互いに結合して一つの完成した前記セル構造物1000を形成することができる。
【0142】
前記タンク本体は、基本的な直方体の形状からより一般的な角柱形状に修正しても、内部においてセル構造物1000が荷重を分散する原理は維持することができる。すなわち、前記タンク本体は、最も一般的な場合として平面のチャンファーを有する六角形の場合、内部にセル構造物1000を備えることができる。この際、前記平面は、六角形のいずれか一つの面が45度の角度で形成されることができる。したがって、前記タンク本体は、船舶の内部に固定される形状を有するため、外部面が幾何学的制約を満たすためにチャンファーを有することができる。また、著しく大きいタンクに適用するためには、角部において発生する変形と曲げ応力を減少させるために高い剛性を有するチャンファーを活用することができる。かかる場合には、曲線型のチャンファーを備え、応力を減少させることができる(図18および図19参照)。
【0143】
したがって、本発明の格子ビーム圧力タンク10は、直方体型を有する新たな形状の高圧低温タンクを提供するものであって、これにより、圧力タンク10のいかなる次元にも大きさを拡大することができ、流体の圧力および温度変化に耐えることができる。
【0144】
また、高い体積効率を有するタンクを作製、すなわち、タンク本体50を直方体型に作製することで周辺空間を効率的に使用することができる。
【0145】
また、本発明の圧力タンク10は、二重壁構造の圧力タンクであって、内壁20と外壁30との間にガス検知器が取り付けられて流体が漏れることを防止することができる。また、内壁20を介してガスが漏れる場合、完全なる2重隔壁に作製された前記外壁30により圧力に耐えることができるという利点がある。
【0146】
さらに、本発明の圧力タンク10は、セル構造物1000がタンク本体50の内部に位置することで流体によるスロッシング現象を減少させることができ、タンク本体50の外壁30と内壁20に作用する力を分散することができる。
【符号の説明】
【0147】
10 圧力タンク
20 内壁
21 壁補強部材
22 ビーム−壁ブラケット
23 面補強部材
24 ビーム−ビームブラケット
30 外壁
40 ガーダ
41 フランジ
50 タンク本体
51 角部に直線面取りが施されたタンク本体
52 角部に曲線面取りが施されたタンク本体
1000 内部荷重を分散できる内部格子構造物を有するセル構造物
100 面格子構造物
110 面単位格子
114 交差部
120 セル壁
121 第1セル壁
122 第2セル壁
123 第3セル壁
200 ビーム構造物
210 ビーム単位格子
211 X軸ビーム構造物
212 Y軸ビーム構造物
213 Z軸ビーム構造物
214 交差部
220 四角部ビーム構造物
230 円形ビーム構造物
231 円形X軸ビーム構造物
232 円形Y軸ビーム構造物
233 円形Z軸ビーム構造物
240 結合型ビーム構造物
241 結合型ビーム構造物ノード
242 ビーム
250 オフセットビーム構造物
260 H型ビーム構造物
261 X軸H型ビーム構造物
262 Y軸H型ビーム構造物
263 Z軸H型ビーム構造物
264 中心部
270 外壁カバープレート
280 内壁カバープレート
300 ビーム面構造物
310 ビーム面単位格子
320 セル壁
321 第1セル壁
322 第2セル壁
323 第3セル壁
324 セル壁ホール
330 セル軸
331 第1セル軸
332 第2セル軸
333 第3セル軸
334 円形セル軸
335 菱形セル軸
336 X字形セル軸
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18(a)】
図18(b)】
図19(a)】
図19(b)】
図8