特許第5980924号(P5980924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980924選択及び再配置するクロススライドジェスチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980924
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】選択及び再配置するクロススライドジェスチャ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20130101AFI20160818BHJP
   G06F 3/0486 20130101ALI20160818BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160818BHJP
【FI】
   G06F3/0485
   G06F3/0486
   G06F3/0488 130
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-523952(P2014-523952)
(86)(22)【出願日】2012年7月17日
(65)【公表番号】特表2014-522054(P2014-522054A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】US2012047091
(87)【国際公開番号】WO2013019404
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】13/196,272
(32)【優先日】2011年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マルキウィッチ,ヤン−クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ホフミースター,ゲリット エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ソエギオノ,オリ ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】クラッパー,ジョン ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,ジェニファー マリー
(72)【発明者】
【氏名】レオナルド,シャンタル エム
(72)【発明者】
【氏名】ピッタッピリー,テレサ ビー
(72)【発明者】
【氏名】キンリー,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ワイトック,ジョン シー
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−265929(JP,A)
【文献】 特開平06−259193(JP,A)
【文献】 特表2010−541026(JP,A)
【文献】 特表2012−503223(JP,A)
【文献】 特表2009−525538(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0273668(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスのディスプレイデバイスに対するジェスチャスライド入力を検出するステップと、
前記ジェスチャスライド入力の方向がパンまたはスクロールの方向と異なると判断するステップと、
前記ジェスチャスライド入力が前記パンまたはスクロールの方向と異なる方向であるとの判断に応じて、前記ジェスチャスライド入力より遅いジェスチャフィードバックのスピードバンプ効果をユーザに提供するステップと、
前記ジェスチャスライド入力が距離閾値を超えると判断するステップと、
前記ジェスチャスライド入力が距離閾値を超えるとの判断に応じて、前記ジェスチャフィードバックのスピードバンプ効果を取り除くステップと、
第1のオブジェクト関連アクションを実行するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記ジェスチャスライド入力の方向がパンまたはスクロールの方向と異なると判断するステップは、前記ジェスチャスライド入力がディスプレイデバイス上に表示されたオブジェクトに対して生じたと判断するステップを有し、
ジェスチャフィードバックのスピードバンプ効果を提供するステップは、オブジェクトの動きが前記ジェスチャスライド入力より遅く、同じ方向である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスのディスプレイデバイスに対する第2のジェスチャスライド入力を検出するステップと、前記第2のジェスチャスライド入力の方向がパンまたはスクロールの方向と異なると判断するステップと、
前記第2のジェスチャスライド入力が前記パンまたはスクロールの方向と異なる方向であるとの判断に応じて、前記第2のジェスチャスライド入力より遅いジェスチャフィードバックのスピードバンプ効果を前記ユーザに提供するステップと、
前記第2のジェスチャスライド入力が距離閾値を超えないと判断するステップと、
前記ジェスチャスライド入力が距離閾値を超えないとの判断に応じて、第2のオブジェクト関連アクションを実行するステップと
をさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のオブジェクト関連アクションはオブジェクト選択を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のオブジェクト関連アクションは再配置アクションを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のオブジェクト関連アクションを実行するステップは、前記ジェスチャスライド入力が前記パンまたはスクロールの方向とは異なる方向であることによりアクセスできる複数のオブジェクト関連アクションのうちの一を実行するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パンまたはスクロールの方向とは異なる方向は、前記パンまたはスクロールの方向に対して概して垂直な方向を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のオブジェクト関連アクションは再配置アクションを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータに、ドラッグオペレーションと関連するドラッグ方向を検出する、前記検出はドラッグフィードバックがユーザに提供されるスピードバンプ領域内におけるドラッグ方向のドラッグ入力を検出することにより行われ、前記ドラッグフィードバックはドラッグ方向のドラッグ入力より遅い、ステップと、
記ドラッグ方向がパン方向とは異なり、ドラッグ入力が前記スピードバンプ領域を通り抜けることに応じて、前記ドラッグフィードバックを取り除いて、オブジェクト再配置アクションを実行するステップと
実行させるコンピュータプログラム
【請求項10】
ドラッグ方向を検出するステップは、タッチジェスチャに関連するドラッグ方向の検出により実行される、請求項9に記載のコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タッチディスプレイなどのユーザ関与可能ディスプレイを有するデバイスの設計者が相変わらず直面している問題のひとつに、そのデバイスで利用できるジェスチャによりユーザにより高い機能性を提供することが挙げられる。これは、大型画面や複数画面を有するデバイスだけでなく、タブレットPC、ハンドヘルドデバイス、小型マルチスクリーンデバイスその他の小型フットプリントのデバイスの場合もそうである。
【0002】
ジェスチャベース入力の問題は、セカンダリアクションの提供に関わる問題である。例えば、今日のタッチインタフェースでは、アイテムを起動するにはそのアイテムをタップすることが一般的である。これにより、アイテムを選択する機能など、セカンダリ機能の提供が困難になる。さらに、いわゆるパン可能サーフェス、すなわちパン(pan)できコンテンツを動かせるサーフェスには、問題がある。例えば、一般的にパン可能サーフェスは指によるドラッグに反応して、ユーザの指の方向にコンテンツを動かす。ユーザが再配置したいオブジェクトがサーフェスにあれば、ユーザがサーフェスをパンしたいのか、コンテンツを再配置したいのか、区別することは困難である。
【発明の概要】
【0003】
本欄では、発明の詳細な説明で詳しく説明するコンセプトの一部を選んで、簡単に説明する。本欄は、特許を請求する主題の重要な特徴や本質的な特徴を特定するものではなく、特許を請求する主題の範囲を決定するのを助けるものでもない。
【0004】
タッチディスプレイ用のクロススライドジェスチャを説明する。少なくともいくつかの実施形態では、一方向にパンまたはスクロールできるコンテンツにクロススライドジェスチャを用いて、コンテンツ選択、ドラッグ及びドロップ動作などの追加的アクションが可能になる。
【0005】
一または複数の実施形態において、クロススライドジェスチャは、アイテムまたはオブジェクトを、パンまたはスクロールの方向とは異なる方向にドラッグすることにより、行われ得る。異なる方向へのドラッグは、追加的なアクションまたは機能にマッピングできる。一または複数の実施形態において、異なる方向へのドラッグとともに距離閾値などの一または複数の閾値を用いて、追加的アクションまたは機能にマッピングできる。
【0006】
少なくともいくつかの実施形態において、いわゆるスピードバンプまたは視覚的しるしなどのその他の知覚可能なしるしを用いて、ユーザに、閾値を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
詳細な説明は添付した図面を参照して説明する。図中、参照数字の最も左の桁は、その参照数字が最初に現れる図面を指す。説明と図面の異なる箇所で同じ参照番号を用いるが、それは同様の又は同一のアイテムを示す。
図1】一または複数の実施形態による、実施例の環境を示す図である。
図2図1をより詳細に示す実施例におけるシステムを示す図である。
図3】一または複数の実施形態による、コンピューティングデバイスの例を示す図である。
図4】一または複数の実施形態による、コンピューティングデバイスの例を示す図である。
図5】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図6】一または複数の実施形態による、コンピューティングデバイスの例を示す図である。
図7】一または複数の実施形態による、コンピューティングデバイスの例を示す図である。
図8】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図9】一または複数の実施形態による、クロススライド検出の例を示す図である。
図10】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図11】一又は複数の実施形態による距離閾値を示す図である。
図12】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図13】一又は複数の実施形態による距離閾値を示す図である。
図14】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図15】一または複数の実施形態による、クロススライドジェスチャを示す図である。
図16】一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。
図17】ここに説明する様々な実施形態をインプリメントするのに用いることができるコンピューティングデバイスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
タッチディスプレイ用のクロススライドジェスチャを説明する。少なくともいくつかの実施形態では、一方向にパンまたはスクロールできるコンテンツにクロススライドジェスチャを用いて、コンテンツ選択、ドラッグ及びドロップ動作などの追加的アクションが可能になる。
【0009】
一または複数の実施形態において、クロススライドジェスチャは、アイテムまたはオブジェクトを、パンまたはスクロールの方向とは異なる方向に、例えば垂直な方向に、ドラッグすることにより行われ得る。ドラッグは、指、スタイラス、ペンなどによるタッチ関連ドラッグ、マウス/トラックパッドドラッグ等により行える。この文書に記載する例では、タッチ関連ドラッグ(touch-related dragging)を用いる。異なる方向へのドラッグは、追加的なアクションまたは機能にマッピングできる。一または複数の実施形態において、異なる方向へのドラッグとともに距離閾値などの一または複数の閾値を用いて、追加的アクションまたは機能にマッピングできる。例えば、垂直スクロールできるリストの場合、オブジェクトを垂直にドラッグしてから放すと、オブジェクトが選択されるが、オブジェクトを垂直により長い距離ドラッグすると、そのオブジェクトはリストから自由になり、どこか他のところにドロップできる。
【0010】
少なくともいくつかの実施形態において、いわゆるスピードバンプまたは視覚的しるしなどのその他の知覚可能なしるしを用いて、ユーザに、閾値を知らせることができる。
【0011】
ここで説明する様々な実施形態により、モードに入らずにアイテムをドラッグできる。モードは、アイテムの直接的な操作に必ずしも関連しない、ユーザにより開始されるアクションであると考え得る。例えば、ユーザインタフェースボタンをクリックすることによりモードをエンターして、アイテムまたはオブジェクトに関して実行できる機能にエクスポーズできる。説明する実施形態では、ドラッグ機能にアクセスするユーザインタフェース要素を、少なくともいくつかの場合に、無くすことにより、モードを避けることができる。
【0012】
以下の説明では、ここに説明するジェスチャ手法を利用するように動作可能な環境例をまず説明する。ジェスチャと手順の例を説明するが、これらは環境例で利用でき、その他の環境でも利用できる。したがって、環境例は、ジェスチャ例の実行に限定されず、ジャスチャは環境例への実装に限定されない。
【0013】
環境例
図1は、ここに説明するクロススライドジェスチャを利用できる一実装例における環境100を示す図である。例示した環境100は、コンピューティングデバイス102の一例を含む。このコンピューティングデバイス102は様々な方法で構成できる。例えば、コンピューティングデバイス102は、図2を参照してさらに説明するように、従来のコンピュータ(例えば、デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータなど)、移動局、エンターテイメント機器、テレビジョンに通信可能に結合したセットトップボックス、ワイヤレス電話、ネットブック、ゲームコンソール、ハンドヘルドデバイスなどとして構成し得る。このように、コンピューティングデバイス102は、大きなメモリとプロセッサリソースとを有するフルソースデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ゲームコンソール)からメモリ及び/または処理リソースが限定された低リソースデバイス(例えば、従来のセットトップボックス、ハンドヘルドゲームコンソールなど)まである。また、コンピューティングデバイス102は、下記の用に、一または複数のオペレーションをコンピューティングデバイス102に実行させるソフトウェアを含む。
【0014】
コンピューティングデバイス102は、本文書に説明するように、ジェスチャ機能を提供するように動作可能なジェスチャモジュール104を含む。ジェスチャモジュールは、任意の好適なタイプのハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせと関連して実装できる。少なくともいくつかの実施形態では、ジェスチャモジュールは、いくつかのタイプの有体のコンピュータ読み取り可能記憶媒体上にあるソフトウェアに実装される。
【0015】
ジェスチャモジュール104は、一または複数の指により行えるクロススライドジェスチャ(cross-slide gestures)を含むジェスチャを認識する機能を担い、そのジェスチャに対応するオペレーションを実行させる。ジェスチャは、異なる様々な方法でモジュール104により認識され得る。例えば、ジェスチャモジュール104は、タッチスクリーン機能を用いてコンピューティングデバイス102のディスプレイデバイス108に近いユーザの手106aの指などのタッチ入力を認識するように構成され得る。具体的には、ジェスチャモジュール104は、一方向にパンまたはスクロールできるコンテンツに用いて、コンテンツ選択、ドラッグ及びドロップ動作などの追加的アクションを可能にするクロススライドジェスチャを認識できる。
【0016】
例えば、図示した例では、パンまたはスクロールの方向は、矢印で示したように、垂直方向である。一または複数の実施形態において、クロススライドジェスチャは、アイテムまたはオブジェクトを、パンまたはスクロールの方向とは異なる方向に、例えば垂直な方向に、ドラッグすることにより行われ得る。異なる方向へのドラッグは、追加的なアクションまたは機能にマッピングできる。方向が垂直か水平かに関して、少なくともいくつかの場合には、垂直方向は、ディスプレイデバイスの一側面に概して平行な方向と考えられ、水平方向は、垂直方向に対して概して垂直な方向と考えられる。よって、コンピューティングデバイスの方向は変わっても、クロススライドジェスチャの垂直性または水平性は、ディスプレイデバイスに対して及びディスプレイデバイスに沿って確定される標準であり続ける。
【0017】
例えば、ユーザの手106aの指は、ディスプレイデバイス108により表示される画像112を選択110している。画像112の選択110と、その後の、パンまたはスクロールの方向とは異なる方向(例えば、パンまたはスクロールの方向に対して概して垂直な)でのユーザの手106aの指の動きとは、ジェスチャモジュール104により認識され得る。ジェスチャモジュール104は、この認識された動きを、その性質と特徴により、「ドラッグ&ドロップ」オペレーションを示すものとして識別し、画像112の位置を、ユーザの手106aの指がディスプレイデバイス108から持ち上げられたディスプレイ上の点に変更できる。このように、画像の選択、選択点の他の位置への移動、及びユーザの手106aの指の持ち上げを記述するタッチ入力の認識を用いて、ドラッグ&ドロップオペレーションを開始するジェスチャ(例えば、ドラッグ&ドロップジェスチャ)を識別できる。
【0018】
本文書ではクロススライドジェスチャを主に説明するが、言うまでもなく、ジェスチャモジュール104により異なる様々なタイプのジェスチャを認識できる。これには、限定ではなく例示として、一タイプの入力から認識されるジェスチャ(例えば、前述のドラッグ&ドロップジェスチャなどのタッチジェスチャ)及び複数タイプの入力に関わるジェスチャが含まれる。例えば、モジュール104を用いて、一指ジェスチャとベゼルジェスチャ、マルチフィンガー/同じ手ジェスチャとベゼルジェスチャ、及び/またはマルチフィンガー/異なる手ジェスチャとベゼルジェスチャを認識できる。
【0019】
例えば、コンピューティングデバイス102は、(例えば、ユーザの手106aの一または複数の指により提供される)タッチ入力と、(例えば、スタイラス116により提供される)スタイラス入力とを検出して区別するように構成できる。ユーザの手106の指により触られたディスプレイデバイス108の量と、スタイラス116により触られたディスプレイデバイス108の量とを検出することなど、様々な方法で区別できる。
【0020】
このように、ジェスチャモジュール104は、スタイラス入力とタッチ入力の間の分割の、及び異なるタイプのタッチ入力の認識とレバレッジ(leverage)とにより、異なる様々なジェスチャ手法をサポートし得る。
【0021】
図2は、複数のデバイスが中央コンピューティングデバイスにより相互接続された環境において実施されるジェスチャモジュール104を示すシステム例である。中央コンピューティング装置は複数の装置に対してローカルであっても、複数の装置からリモートに配置されていてもよい。一実施形態では、中央コンピューティングデバイスは、「クラウド」サーバファームであり、ネットワークまたはインターネットにより複数のデバイスに接続された一または複数のサーバコンピュータを有する。
【0022】
一実施形態では、この相互接続アーキテクチャにより複数デバイスにまたがる機能は、その複数デバイスのユーザに共通かつシームレスの体験を提供できる。複数のデバイスのそれぞれは、異なる物理的要求と能力を有し、中央コンピューティングデバイスは、そのデバイスに、そのデバイスに合わせてあり、かつすべての装置に共通の体験を配信できる。一実施形態では、ターゲットデバイスのクラスが生成され、体験は一般的なデバイスのクラスに合わせられる。デバイスのクラスはそのデバイスの物理的特徴、使用法、その他の共通の特徴により確定できる。例えば、前述の通り、コンピューティングデバイス102は、モバイル202、コンピュータ204、及びテレビジョン206など、様々な異なる方法で構成できる。これらの構成のそれぞれは、概して対応する画面サイズを有し、コンピューティングデバイス102は、このシステム例200におけるデバイスクラスの一つとして構成し得る。例えば、コンピューティングデバイス102は、携帯電話、音楽プレーヤ、ゲームデバイスなどを含む携帯型202のデバイスクラスを仮定し得る。コンピューティングデバイス102は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックなどコンピュータ204のデバイスクラスも仮定し得る。テレビジョン206の構成は、例えば、テレビジョン、セットトップボックス、ゲームコンソールなどのカジュアル環境におけるディスプレイに関わるデバイス構成を含む。このように、ここに説明した手法は、コンピューティング装置102のこれらの様々な構成によりサポートされ得るが、以下のセクションで説明する具体的な例には限定されない。
【0023】
図示したクラウド208は、ウェブサービス212のプラットフォーム210を含む。プラットフォーム210は、クラウド208のハードウェア(例えば、サーバ)及びソフトウェアリソースの機能を抽象化したものであり、「クラウドオペレーティングシステム」として機能する。例えば、プラットフォーム210は、コンピューティングデバイス102を他のコンピューティングデバイスと接続するリソースを抽象化している。また、プラットフォーム210は、リソースのスケーリングを抽象するよう機能し、プラットフォーム210を介して実現されるウェブサービス212へのデマンドに対応するスケールのレベルを提供する。サーバファームにおけるサーバのロードバランシング、悪意のあるパーティ(例えば、スパム、ウィルス、及びその他のマルウェア)に対するプロテクションなど他の様々な例も想定している。
【0024】
このように、クラウド208は、インターネットその他のネットワークを介してコンピューティングデバイス102に利用可能なソフトウェア及びハードウェアリソースに関するストラテジの一部として含まれる。例えば、ジェスチャモジュール104は、部分的にコンピューティングデバイス102で、及びウェブサービス212をサポートするプラットフォーム210を介して、実施され得る。
【0025】
例えば、ジェスチャモジュールによりサポートされているジェスチャ手法は、例えば、モバイル構成202におけるタッチスクリーン機能、コンピュータ204の構成のトラックパッド機能を用いて検出でき、入力デバイスとの接触を要さないナチュラルユーザインタフェース(NUI)のサポートの一部としてカメラにより検出できる。さらに、入力を検出し認識してジェスチャを特定するオペレーションの実行は、システム200中に、例えば、コンピューティングデバイス102及び/またはクラウド208のプラットフォーム210によりサポートされたウェブサービス212により、分散していてもよい。
【0026】
一般的に、ここに説明する機能はどれも、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定的な論理回路)、マニュアル処理、またはこれらの組合せで実装できる。ここで用いる「モジュール」、「機能」及び「ロジック」との用語は、一般的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせを表す。ソフトウェア実装の場合、モジュール、機能、またはロジックは、プロセッサ(例えば、CPU)により実行された時、タスクを実行するプログラムコードを表す。プログラムコードは、一または複数のコンピュータ読み取り可能メモリデバイスに格納できる。下記のジェスチャ手法の特徴は、プラットフォームに依存しない。すなわち、これらの手法は様々なプロセッサを有する様々な商業的コンピューティングプラットフォームで実装し得る。
【0027】
以下の説明では、様々なセクションは再配置(re-arrange)ジェスチャを含むクロススライドジェスチャを記述する。「パン方向に対するクロススライドの方法/ジェスチャ」を題したセクションは、一または複数の実施形態によるパン方向(panning direction)に対して行われ得るクロススライドジェスチャを説明する。次に、「パン可能リスト中のアイテムを再配置する方法/ジェスチャ」と題したセクションは、アイテムが一または複数の実施形態によるクロススライドジェスチャを利用して配置及び再配置され得るか説明する。これに続いて、「クロススライドジェスチャの検出」と題したセクションでは、一または複数の実施形態により、クロススライドジェスチャをどう検出できるかを説明する。次に、「複数インターラクションの合成」と題したセクションでは、一または複数の実施形態により、複数のインターラクションをクロススライドジェスチャに関して合成できる。これに続いて、「閾値の識別を容易にする直接操作」と題したセクションでは、直接的な操作フィードバックをどう提供して、ユーザに、一または複数の実施形態により、ユーザが様々な閾値を知ることができるかを説明する。次に、「インターラクションフィードバック」と題したセクションでは、一または複数の実施形態による、フィードバックをユーザに提供できる実施形態を説明する。最後に、「デバイス例」と題したセクションにおいて、一又は複数の実施形態を利用できるデバイスの態様を説明する。
【0028】
パン方向に対するクロススライドの方法/ジェスチャ
一または複数の実施形態において、クロススライドジェスチャを行って、アイテムまたはオブジェクトを、パンまたはスクロールの方向とは異なる方向に、例えば垂直な方向に、ドラッグすることによりオブジェクト関連のアクションを行わせ得る。
一例として、一または複数の実施形態による環境300を示す図3を考える。ここで、コンピューティングデバイス302は、両向き矢印304で示し、スクロールバー305で示唆したように、コンテンツを水平方向にスクロールまたはパン(pan)できるディスプレイデバイス308を含む。ディスプレイデバイス308は、異なる複数のオブジェクトまたはアイテム310、312、314、316、318、320、322、324の全体と、オブジェクトまたはアイテム326、328の一部とを表示している。この例では、ユーザは、ディスプレイデバイス308における水平方向のスワイプ(swipe)ジェスチャを用いることにより、水平方向のスクロールまたはパンに影響を与えることができる。あるいは、ユーザは、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にオブジェクトまたはアイテムの一つに対してクロススライドジェスチャを行うことにより、オブジェクト関連のアクションを行うことができる。
【0029】
一例として、コンピューティングデバイス302の下側の図を考える。図において、ユーザの手306aは、アイテム312にタッチし、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にそのアイテムを動かしている。この例では、異なる方向は、概して、スクロールまたはパンの方向に対して垂直な、下向き方向である。言うまでもなく、少なくともいくつかの実施形態では、オブジェクトを下向きまたは上向きに動かし、より一般的には、双方向に動かして、同じまたは異なるオブジェクト関連アクションにアクセスできる。任意の好適なタイプのオブジェクト関連アクションを行うことができる。例えば、一タイプのオブジェクト関連アクションは、限定ではなく例として、オブジェクト選択が含まれ得る。この例では、選択されたアイテムは直接操作され、ユーザの関与に応じたオブジェクトの動きを見られることにより、ユーザに視覚的フィードバックが提供されることに留意されたい。また、この実施形態及び以下に説明する実施形態では、オブジェクト関連アクションは、コマンド選択を可能にするボタンなどの追加的ユーザインタフェース要素を見せることなく、行い得る。オブジェクトの削除その他のオブジェクト操作アクションなど、その他のオブジェクト関連アクションを実行できる。
【0030】
他の一例として、一または複数の実施形態による環境400を示す図4を考える。ここで、コンピューティングデバイス402は、両向き矢印404で示し、スクロールバー408で示唆したように、コンテンツを垂直方向にスクロールまたはパン(pan)できるディスプレイデバイス405を含む。ディスプレイデバイス408は、異なる複数のオブジェクトまたはアイテム410、412、414、416、418、420、422、424の全体を表示している。この例では、ユーザは、ディスプレイデバイス408における垂直方向のスワイプ(swipe)ジェスチャを用いることにより、垂直方向のスクロールまたはパンに影響を与えることができる。あるいは、ユーザは、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にオブジェクトまたはアイテムの一つに対してクロススライドジェスチャを行うことにより、オブジェクト関連のアクションを行うことができる。
【0031】
一例として、コンピューティングデバイス402の下側の図を考える。図において、ユーザの手406aは、アイテム412にタッチし、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にそのアイテムを動かしている。この例では、異なる方向は、概して、スクロールまたはパンの方向に対して垂直な方向である。任意の好適なタイプのオブジェクト関連アクションを実行できる。その例を以下に説明する。例えば、一タイプのオブジェクト関連アクションは、限定ではなく例として、オブジェクト選択が含まれ得る。言うまでもなく、クロススライドジェスチャによりアクセスできる機能は、オブジェクトまたはアイテムを任意の好適な閾値距離動かして、オブジェクト関連アクションを起動するのに関連して、アクセスできる。少なくともいくつかの実施形態では、オブジェクト関連アクションを起動する閾値距離は無くてもよい。これらの例では、パンやスクロール方向以外の異なる方向の動きを用いて、オブジェクト関連アクションを起動できる。
【0032】
図5は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0033】
ステップ500において、コンピューティングデバイスに関連するディスプレイデバイスに対するジェスチャスライド入力を検出する。ステップ502において、ジェスチャスライド入力の方向がパン方向と異なるか確認する。その方向がパン方向と異ならなければ、ステップ504において、ジェスチャスライド入力の方向にコンテンツがパンされる。他方、ジェスチャスライド入力がパン方向と異なる場合、ステップ506において、オブジェクト関連アクションを実行する。任意の好適なタイプのオブジェクト関連アクションを実行できる。その例を以下に説明する。
【0034】
パン可能リストにおけるアイテム再配置の方法/ジェスチャ
一または複数の実施形態では、アイテムまたはオブジェクトを異なる方向に、例えばスクロールまたはパンの方向に関連する方向に垂直に、または一般的には異なる方向に、ドラッグすることにより、クロススライドジェスチャを実行して、オブジェクト関連アクションを、オブジェクト再配置アクションの形式で、実行させられる。
【0035】
一例として、一または複数の実施形態による環境600を示す図6を考える。ここで、コンピューティングデバイス602は、両向き矢印604で示し、スクロールバー605で示唆したように、コンテンツを水平方向にスクロールまたはパン(pan)できるディスプレイデバイス608を含む。ディスプレイデバイス608は、異なる複数のオブジェクトまたはアイテム610、612、614、616、618、620、622、624の全体と、オブジェクトまたはアイテム626、628の一部とを表示している。この例では、ユーザは、ディスプレイデバイス608における水平方向のスワイプ(swipe)ジェスチャを用いることにより、水平方向のスクロールまたはパンに影響を与えることができる。あるいは、ユーザは、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にオブジェクトまたはアイテムの一つに対してクロススライドジェスチャを行うことにより、再配置アクションの形式で、オブジェクト関連のアクションを行うことができる。例えば、上側の図では、ユーザの手606aがディスプレイデバイス608のオブジェクト612にタッチして、スクロールまたはパンの方向と概して垂直な第1の方向に、次いでディスプレイデバイス608の左下済みに向けて第2の方向にそのオブジェクトをドラッグした。ここでは、第1の方向は概して垂直方向である。オブジェクトを第1の方向にドラッグすることは、ジェスチャモジュールに、オブジェクトが再配置されることを示す。
【0036】
下側のコンピューティングデバイス602の図を考える。これでは、ユーザの手606aが、オブジェクト612を図示した位置にドラッグして、そこにドロップした。その後、ユーザの手は、ディスプレイデバイス608のオブジェクト618の上にタッチし、スクロールまたはパンの方向とは概して垂直な第1の方向に、次いでディスプレイ装置の中央部に向かう第2の方向にそのオブジェクトをドラッグする。ここでは、第1の方向は概して垂直方向である。タッチされたディスプレイデバイス608からユーザの手が持ち上げられると、オブジェクト618はその図示された場所にドロップされる。
【0037】
他の一例として、一または複数の実施形態による環境700を示す図7を考える。ここで、コンピューティングデバイス702は、両向き矢印704で示し、スクロールバー705で示唆したように、コンテンツを垂直方向にスクロールまたはパン(pan)できるディスプレイデバイス708を含む。ディスプレイデバイス708は、複数の異なるオブジェクトまたはアイテム710、712、714,716、718,720,724に表示される。この例では、ユーザは、ディスプレイデバイス708における垂直方向のスワイプ(swipe)ジェスチャを用いることにより、垂直方向のスクロールまたはパンに影響を与えることができる。あるいは、ユーザは、スクロールまたはパンの方向とは異なる方向にオブジェクトまたはアイテムの一つに対してクロススライドジェスチャを行うことにより、再配置アクションの形式で、オブジェクト関連のアクションを行うことができる。例えば、上の図では、ユーザの手706aが、ディスプレイデバイス708条のオブジェクト712にタッチし、スクロールまたはパンの方向とは概して垂直である方向にそのオブジェクトをドラッグしている。ここでは、その方向は概して水平方向である。オブジェクトをこの方向にドラッグすることは、ジェスチャモジュールに、オブジェクトが再配置されることを示す。
【0038】
ここで下側のコンピューティングデバイス702の図を考える。ここでは、ユーザの手706aが、オブジェクト612を図示した位置にドラッグして、そこにドロップした。その後、ユーザの手は、ディスプレイデバイス708のオブジェクト710にタッチし、スクロールまたはパン方向項と概して垂直な方向にそのオブジェクトをドラッグしている。ここでは、その方向は概して水平方向である。タッチされたディスプレイデバイス708からユーザの手が持ち上げられると、オブジェクト710はその図示された場所にドロップされる。
【0039】
図8は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0040】
ステップ800において、コンピューティングデバイスに関連する表示デバイスに対するドラッグオペレーションに関連するドラッグ方向を検出する。ステップ802において、そのドラッグ方向がパン方向と異なるか確認する。ドラッグ方向がパン方向と異なる場合、ステップ804において、コンテンツをドラッグ方向にパンする。他方、ドラッグ方向がパン方向と異なる場合、ステップ806において、オブジェクト再配置アクションを実行する。これをどう行うかの例は上で説明した。一又は複数の実施形態では、再配置は任意の好適な方向で行い得る。
【0041】
クロススライドジェスチャの検出
クロススライドジェスチャは任意の好適な方法で検出できる。クロススライドジェスチャをどう検出するかの一例として、図9を参照する。一または複数の実施形態では、ユーザがパンまたはクロススライドしているか検出するため、図9にグラフィカルに示した領域検出ロジックを適用できる。
【0042】
この例では、水平方向にパンできるアイテムのリストをユーザが表示したとする。図示した円900内のようにユーザが自分の指をオブジェクト上に置き、円の境界の外に指をドラッグし始めると、領域検出を用いてドラッグの結果を確認できる。例えば、領域902の一つにドラッグされた場合、コンテンツは対応する方向にパンされる。しかし、領域904の一つにドラッグされると、クロススライドジェスチャとして認識され、そのクロススライドジェスチャに関連する機能が実施され得る。
【0043】
図示した例では、領域902と904は概して同じサイズである。しかし、このシナリオに基づき、異なる領域のエントランス角または角度範囲、例えば角aとbを替えることにより、あるアクションを優先することができる。例えば、角度aを大きくしてその範囲を大きく(し、角bを小さくしてその範囲を小さく)することにより、間違ってクロススライドジェスチャを行うことなく、パンを開始することが容易になり、その逆も成り立つ。
【0044】
図10は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0045】
ステップ1000において、パンジェスチャに関連する一または複数の領域を確定する。任意の好適な領域のジオメトリを利用でき、その例は上で説明した。ステップ1002において、クロススライドジェスチャに関連する一または複数の領域を確定する。再び、任意の好適な領域のジオメトリを利用でき、その例は上で説明した。図9の例において、領域ジオメトリは概して形状が三角形であり、タッチ入力に関連する点に収束する。本願発明の主題の精神と範囲から逸脱することなく、他のジオメトリを利用することができる。
【0046】
ステップ1004において、ドラッグオペレーションを検出する。このステップは、スワイプなどのタッチジェスチャの形式でジェスチャ入力を検出することにより、実行できる。ステップ1006において、ドラッグオペレーションが行われる関連領域を確認する。ステップ1008においてその領域がパンジェスチャ(panning gesture)と関連する場合、ステップ1010において、関連方向にコンテンツをパンする。他方、その領域がパンジェスチャに関連していない場合、ステップ1012において、クロススライドジェスチャに関連するオペレーションを実行する。オブジェクト選択、オブジェクト削除、オブジェクト再配置などを限定ではなく例として含む、任意の好適なオブジェクト関連アクションを実行できる。
【0047】
一または複数の実施形態によりドラッグオペレーションをどう検出して、区別するかを検討した。ここで、複数のインターラクションをどう結合するかを説明する。
【0048】
複数インターラクションの結合
いくつかの場合には、ドラッグ方向にロックさせるドラッグ閾値など、オブジェクト関連アクションにロックするのに利用できる閾値があることが望ましい。距離閾値、速さ閾値、方向閾値、上記の閾値の任意の組み合わせなど、限定ではない例として含む、任意の好適なタイプの閾値を利用できる。例えば、距離閾値及び速さ閾値の組み合わせを用いて、間違ったまたは意図していないアクションを構成してしまうことを減らすことができる。例えば、ある閾値に達すると、指の動きの速さが確認され得る。速さがある閾値より低いと、ドラッグアクションが起動される。速さがある閾値より高いと、オブジェクト選択アクションが行われる。
【0049】
これにより、ユーザは、ジェスチャの開始にあたり正確性を低くすることが可能である。例えば、図9の例に戻り、ボックス906が示されている。ユーザの指がボックス906中にある間、あるいはサークル900の境界の内部にある間、対応するジェスチャは「未確定」状態であり得る。指がボックス(またはサークル)の境界の外側に出ると、ジェスチャに関する決定がなされる。実際、これは異なる方法で処理できる。最初に、指がボックス906の境界を越えるまで、パンオペレーションもクロススライド機能も実施できない。あるいは、指がボックス906の境界の内部にあるとき、パンオペレーションとクロススライドオペレーションを両方とも同時に実施することもできる。指がボックスの境界を越えるとすぐに、その領域に関連するオペレーションが維持され、他方のオペレーションはキャンセルされる。
【0050】
クロススライドジェスチャが検出されると、オブジェクト関連アクションを実施するのに異なる閾値を利用できる。一例として、図11の場合を考える。ここには、オブジェクトまたはアイテム1100が示されている。様々な距離が図示され、1102と1104に示されている。距離はオブジェクト1100の移動距離を示す。一または複数の実施形態では、第1の距離1102は、それを超えると、アクションが潜在的にコミットされる結果となる閾値である。この例では、ドラッグオペレーションをしながらこの距離閾値を過ぎると、オブジェクト1100が選択される。このアクションをコミットするには、ユーザは指を上げると、ドラッグされたオブジェクトは元の位置に戻り、選択された状態に変わる。距離1120に対応するエリアより下の閾値距離1104に到達する前のエリアは、バッファとして扱われる。このように、このエリア内でオブジェクトをリリースしても、オブジェクト選択がされる結果となる。
【0051】
ドラッグされたオブジェクト(実線にそって、または例えば点線に沿ったその他の任意の距離だけドラッグされたもの)が距離1104に到達し、その閾値を超えると、クロススライドジェスチャの次のオブジェクト関連アクションがコミットされる。この例では、オブジェクト関連アクションは、オブジェクトを、関連リストまたはディスプレイデバイスの位置から引き離し、ユーザがそのオブジェクトを任意の方向にドラッグアンドドロップできるようにする。一または複数の実施形態では、オブジェクトがライン1106に到達しても、依然として別のオブジェクト関連アクションをトリガーすることができる。例えば、オブジェクトとともにこのラインを超えると、ドラッグアンドドロップ閾値に到達したことをユーザに明らかにする追加的視覚的フィードバックがトリガーされる。
【0052】
言うまでもなく、任意数の距離閾値を利用でき、オブジェクト関連アクションと関連づけられる。例えば、第1の閾値は、オブジェクト1100中の図示したサークルの境界、距離1102の第2の閾値、及び距離1104の第3の閾値により画定できる。一または複数の実施形態では、第1の閾値の外への動きは、関連する動き方向に関連オブジェクトをロックできる。
【0053】
図12は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0054】
ステップ1200において、一または複数の閾値を確定する。このステップは、任意のタイプの閾値を利用する任意の方法で実行できる。例えば、上記の実施形態において、距離閾値を利用した。しかし、言うまでもなく、本発明の主題の精神と範囲から逸脱することなく、他のタイプの閾値及び/またはそれらの組み合わせを利用できる。
【0055】
例示した実施形態では、上記のように、確定された閾値をクロススライドジェスチャに関して利用することができる。ステップ1202において、クロススライドジェスチャを検出する。これをどう行うかの例は上で説明した。ステップ1204において、一または複数の閾値トリガーを検出する。例えば、ユーザは、オブジェクトにタッチして関与すると、そのオブジェクトをある方向に動かすことができる。このステップにより、一または複数の閾値をトリガーするのに十分なだけ、いつオブジェクトが動かされたか検出する。閾値が距離により確定される実施形態では、このステップは、オブジェクトがある方向に移動されたか検出することにより行い得る。
【0056】
ステップ1206において、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザアクションが示すか検出する。このステップは任意の好適な方法で実行してもよい。例えば、ユーザアクションはユーザの指をあるオブジェクトから持ち上げることを含む。オブジェクト関連アクションがコミットされるべきであることをユーザアクションが示していない場合、ステップ1208において、オブジェクト関連アクションはコミットされない。例えば、ユーザは、アクションがコミットされないように、ある方法でクロススライドジェスチャを終了できる。例えば、クロススライドジェスチャは可逆であってもよく、ユーザがオブジェクトをドラッグし始めたとき、そのオブジェクトをホールドしているときはいつでも、元の位置に戻すことができる。こうすることにより、クロススライドアクションとはならない。その代わり、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザが示していなくても、一または複数の閾値を超すことができる。この場合、クロススライドジェスチャが続くと、ステップ1204に戻り、方法は引き続き閾値トリガーをモニターする。他方、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザアクションが示す場合、ステップ1210において、最後にトリガーされた閾値に関連するオブジェクト関連アクションがコミットされる。このステップは、任意の好適な方法で実行でき、任意の好適なオブジェクト関連アクションを含み得る。その例は上で説明した。
【0057】
一または複数の実施形態では、クロススライド機能に用いられる複数の異なる方向により、同じオブジェクト関連アクションが実行され、または異なるオブジェクト関連アクションが実行され得る。例えば、オブジェクトが下向きにドラッグされたとき、オブジェクト選択が起こり、オブジェクトが上向きにドラッグされたとき、ドラッグアンドドロップアクションが実行される。
【0058】
様々なドラッグ閾値及び関連するオブジェクト関連アクションの使用を検討したので、ここで、直接的オブジェクト操作のフィードバックを提供するしるしを伴う閾値を利用する追加的な例を検討する。
【0059】
閾値の識別を容易にする直接操作
少なくともいくつかの実施形態では、オブジェクトが動くのをユーザが視覚的に見られるように、直接操作により視覚的フィードバックが与えられ、オブジェクトの動きにより、閾値の識別を容易にする視覚的アフォーダンス(visual affordances)を提供できる。限定ではなく例として、ツールチップ、アイコン、グリフ(glyphs)等を含む任意の好適なタイプの視覚的アフォーダンスを利用できる。すぐ下に説明する例では、いわゆるスピードバンプを用いて、ユーザに、あるかも知れない様々な閾値を知らせる。一例として、図13の場合を考える。
【0060】
ここには、オブジェクトまたはアイテム1300が示されている。様々な距離が図示され、1302、1304及び1306に示されている。距離はオブジェクト1300の移動距離またはオブジェクトが移動できる距離を示す。一または複数の実施形態では、第1の距離1302は、それを超えると、アクションが潜在的にコミットされる結果となる閾値である。この例では、ドラッグオペレーションをしながらこの距離閾値を過ぎると、オブジェクト1300が選択される。このアクションをコミットするには、ユーザは指を上げると、ドラッグされたオブジェクトは元の位置に戻り、選択された状態に変わる。距離1302に対応するエリアより下の距離1306に到達する領域の前のエリアは、バッファとして扱われる。このように、このエリア内でオブジェクトをリリースしても、オブジェクト選択がされる結果となる。
【0061】
距離1306はスピードバンプ領域に対応する。スピードバンプ領域中でのオブジェクト1300の動きは指の動きより遅い。これは、新しい閾値にもうすぐ到達するとの視覚的キューまたは表示を表し、ユーザが、間違って次の距離閾値に移動せずに、あるアクションをコミットしやすくする。例えば、スピードバンプ領域内では、ユーザは、自分の指を50ピクセルの長さだけドラッグしても、対応するオブジェクトは距離として5ピクセル動く。このスピードバンプ内でオブジェクトをリリースすると、関連アクションがコミットされる結果となる。この例では、関連アクションはオブジェクト選択である。
【0062】
ドラッグされたオブジェクトが距離1306に対応するスピードバンプ領域に進み、距離1304に到達し、その閾値を超えると、クロススライドジェスチャの次のオブジェクト関連アクションがコミットできる。この例では、オブジェクト関連アクションは、オブジェクトを、関連リストまたはディスプレイデバイスの位置から引き離し、ユーザがそのオブジェクトを任意の方向にドラッグアンドドロップできるようにする。一または複数の実施形態では、オブジェクトがライン1308に到達しても、依然として別のオブジェクト関連アクションをトリガーすることができる。例えば、オブジェクトとともにこのラインを超えると、ドラッグアンドドロップ閾値に到達したことをユーザに明らかにする追加的視覚的フィードバックがトリガーされる。また、距離閾値に関して複数のスピードバンプを利用できる。
【0063】
言うまでもなく、任意数の距離閾値とスピードバンプを利用でき、オブジェクト関連アクションと関連づけられる。代替的または追加的に、他の視覚的しるし(visual indicia)を利用して閾値または閾値変化を示すことができる。例えば、オブジェクトをドラッグしているとき、閾値を示し、及びそれゆえ異なるアクションをコミットするのにオブジェクトをドラッグしなければならない距離を示す一または複数のラインをレンダリングすることができる。閾値に近くなるか超えた時に、オブジェクト自体にビジュアルを描くことができる。
【0064】
図14は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0065】
ステップ1400において、一または複数のスピードバンプを含む一または複数の距離閾値を確定する。このステップは任意の好適な方法で実行してもよい。 例示した実施形態では、上記のように、確定された閾値及びスピードバンプをクロススライドジェスチャに関して利用することができる。ステップ1402において、クロススライドジェスチャを検出する。これをどう行うかの例は上で説明した。ステップ1404において、スピードバンプを通ったことを検出する。例えば、ユーザは、オブジェクトにタッチして関与すると、そのオブジェクトをある方向に動かすことができる。このステップにおいて、スピードバンプに関連する境界を横切るだけいつオブジェクトが動いたか検出する。
【0066】
ステップ1406において、スピードバンプ領域内でのユーザ体験を修正する。任意の好適なユーザ体験の修正をすることができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、ユーザ体験の修正は、ユーザの視覚的体験の修正を含み得る。例えば、上記の通り、ユーザの指はその下のオブジェクトより速く動く。代替的にまたは追加的に、限定でなく例として、スピードバンプ領域内にあることを示す聴覚的または触覚的フィードバックを含む、他の体験修正をおこなってもよい。
【0067】
ステップ1408において、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザアクションが示すか検出する。このステップは任意の好適な方法で実行してもよい。例えば、ユーザアクションはユーザの指をあるオブジェクトから持ち上げることを含む。オブジェクト関連アクションがコミットされるべきであることをユーザアクションが示していない場合、ステップ1410において、オブジェクト関連アクションはコミットされない。例えば、ユーザは、アクションがコミットされないように、ある方法でクロススライドジェスチャを終了できる。例えば、クロススライドジェスチャは可逆であってもよく、ユーザがオブジェクトをドラッグし始めたとき、そのオブジェクトをホールドしているときはいつでも、元の位置に戻すことができる。こうすることにより、クロススライドアクションとはならない。その代わり、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザが示していなくても、一または複数の閾値及び一または複数のスピードバンプ領域を横切ることができる。この場合、クロススライドジェスチャが続くと、必要に応じて、方法は引き続き閾値の通過と追加的なスピードバンプとをモニターする。他方、オブジェクト関連アクションがコミットされるべきことをユーザアクションが示す場合、ステップ1412において、最後に通過した閾値に関連するオブジェクト関連アクションがコミットされる。このステップは、任意の好適な方法で実行でき、任意の好適なオブジェクト関連アクションを含み得る。その例は上で説明した。
【0068】
一または複数の実施形態では、クロススライド機能に用いられる複数の異なる方向により、同じオブジェクト関連アクションが実行され、または異なるオブジェクト関連アクションが実行され得る。例えば、オブジェクトが下向きにドラッグされたとき、オブジェクト選択が起こり、オブジェクトが上向きにドラッグされたとき、ドラッグアンドドロップアクションが実行される。
インターラクションフィードバック
一または複数の実施形態では、ビジュアルフィードバックをユーザに提供して、検出されたクロススライドジェスチャに応じてコミットされるオブジェクト関連アクションをユーザに通知できる。例えば、オブジェクトが異なる複数の距離閾値を通ると、そのオブジェクトをリリースすることによりコミットされるアクションをユーザに通知する視覚的しるし(visual indicia)を提供できる。代替的にまたは追加的に、オブジェクトのドラッグを続けると次にくるオブジェクト関連アクションに関する視覚的しるしをさらに提供してもよい。
【0069】
一例として、図15の場合を考える。図5では、写真の形式のオブジェクトが総称的に1500で示されている。図の最上部において、ユーザはオブジェクトにタッチしてドラッグオペレーションを始めた。ユーザがオブジェクトを下向きにドラッグするにつれ、1502で示すように、写真の下から現れ始めるように視覚的しるし(visual indicia)1504を表示することができる。この例では、視覚的しるしは、オブジェクトの下から徐々に現れるチェックボックスの形式である。本願発明の主題の精神と範囲から逸脱することなく、任意の好適なタイプの視覚的しるしを利用することができる。例えば、視覚的しるしは写真の下の、あるアクションをコミットするために写真をドラッグすべきラインの形式で示すこともできる。オブジェクトがある距離ドラッグされると、1506で示すように、視覚的しるし(ここではチェックボックス)は、完全に露見し、ユーザがオブジェクトをリリースしてオブジェクト関連アクションをコミットできることを通知できる。この例では、オブジェクト関連アクションはオブジェクト選択を含む。このように、完全に露見したチェックボックスはアクションが完了したことを示す。
【0070】
図16は、一又は複数の実施形態による方法のステップを説明するフロー図である。本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに関連して実行できる。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、上記のジェスチャモジュールなどの好適に構成されたジェスチャモジュールにより実行できる。
【0071】
ステップ1600において、オブジェクトに関連するドラッグオペレーションを検出する。これをどう行うかの例は上で説明した。例えば、ドラッグオペレーションは、クロススライドジェスチャとともに検出され得る。ステップ1602において、オブジェクト関連アクションのコミットに関連する視覚的しるしの一部分を表す。これをどう行うかの例は上で説明した。ステップ1604において、ドラッグオペレーションが続いているか確認する。ドラッグオペレーションが続けられなかった場合、方法は、ユーザがドラッグオペレーションをやめなかった場合、ステップ1602に戻る。ユーザがドラッグオペレーションを終了した場合、オブジェクトを元の位置に戻すことにより、方法は終了する。他方、ドラッグオペレーションが続くとき、ステップ1606において、オブジェクト関連アクションに関連する距離閾値に到達したか確認する。到達していなければ、方法はステップ1602に戻り得る。そうすることにより、視覚的しるしが、オブジェクトがドラッグされた距離によりより多く露見される。他方、オブジェクト関連アクションに関連する距離閾値に到達したとき、ステップ1608において、オブジェクト関連アクションのコミットに関連する完全な視覚的しるしが示される。そうすることにより、視覚的しるしは、ユーザに、視覚的に、ユーザがオブジェクトから指を離すことにより、オブジェクト関連アクションがコミットできることを知らせることができる。
【0072】
クロススライドジェスチャに関連するオブジェクト関連アクションのコミットに関連する視覚的しるし例を説明した。ここで、上記の一または複数の実施形態に利用できるデバイス例を検討する。
【0073】
デバイス例
図17は、ここに説明するジェスチャ手法の実施形態を実装する、図1と2を参照して説明した任意のタイプの携帯型及び/またはコンピュータデバイスとして実装できるデバイス例1700の様々なコンポーネントを示す。デバイス1700は、デバイスデータ1704(例えば、受信データ、受信されるデータ、ブロードキャストされる予定のデータ、データのデータパケットなど)の有線及び/または無線通信を可能にする通信デバイス1702を含む。デバイスデータ1704その他のデバイスコンテンツは、デバイスの設定、デバイスに格納されたメディアコンテンツ、及び/またはデバイスのユーザに関連する情報を含み得る。デバイス1700に格納されたメディアコンテンツは、任意のタイプのオーディオ、ビデオ、及び/または画像データを含み得る。デバイス1700は、ユーザ選択可能入力、メッセージ、音楽、テレビジョンメディアコンテンツ、録画されたビデオコンテンツ、及び他の任意のタイプのオーディオ、ビデオ、及び/または任意のコンテンツ源及び/またはデータ源から受信した画像データなどの任意のタイプのデータ、メディアコンテンツ、及び/または入力を受信できる一または複数のデータ入力1706を含む。
【0074】
また、デバイス1700は、シリアル及び/またはパラレルインタフェース、無線インタフェース、任意のタイプのネットワークインタフェース、モデム、及び他の任意のタイプの通信インタフェースのうちの一または複数として実装できる通信インタフェース1708を含む。通信インタフェース1708は、他のエレクトロニクス、コンピューティング、及び通信デバイスがデバイス1700とデータを通信する、デバイス1700と通信ネットワークとの間の接続及び/または通信リンクを提供する。
【0075】
デバイス1700は、様々なコンピュータ実行可能または読み取り可能命令を処理し、デバイス1700の動作を制御し、上記のジェスチャの実施形態を実施する(例えば、マイクロプロセッサ、コントローラなどの)一または複数のプロセッサ1710を含む。代替的にまたは追加的に、デバイス1700は、1712で総称的にしめした処理及び制御回路と共に実装できるハードウェア、ファームウェア、または固定ロジック回路のうちの一つまたは組み合わせで実装できる。図示していないが、デバイス1700は、デバイス内の様々なコンポーネントを結合するシステムバスまたはデータ転送システムを含み得る。システムバスは、任意のバスアーキテクチャを利用するメモリバス、メモリコントローラ、ペリフェラルバス、ユニバーサルシリアルバス、及び/またはプロセッサまたはローカルバスなど、異なるバス構造のうちの一つまたはその組み合わせを含み得る。
【0076】
また、デバイス1700は、一または複数のメモリコンポーネントなどのコンピュータ読み取り可能媒体1714を含む。その例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ(例えば、一又は複数のリードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなど)が含まれる。ディスクストレージデバイスは、ハードディスクドライブ、記録可能及び/またはリライタブルコンパクトディスク(CD)、任意のタイプのデジタルバーサタイルディスク(DVD)などの任意のタイプの磁気または光記憶デバイスとして実施できる。また、デバイス1700は、大規模記憶媒体デバイス1716を含み得る。
【0077】
コンピュータ読み取り可能媒体1714は、デバイスデータ1704及び様々なデバイスアプリケーション1718及びデバイス1700の動作態様に関連する他のタイプの情報及び/またはデータを記憶するデータ記憶メカニズムを提供する。例えば、オペレーティングシステム1720は、コンピュータ読み取り可能媒体1714でコンピュータアプリケーションとして維持でき、プロセッサ1710上で実行できる。デバイスアプリケーション1718は、デバイスマネージャ(例えば、制御アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、信号処理及び制御モジュール、デバイスにネイティブなコード、デバイスのハードウェア抽象化レイヤなど)を含み、及びウェブブラウザ、画像処理アプリケーション、通信アプリケーション(インスタントメッセージングアプリケーションなど)、ワードプロセッシングアプリケーション及びその他の様々な異なるアプリケーションを含む他のアプリケーションを含み得る。また、デバイスアプリケーション1718は、ここに説明するジェスチャ手法の実施形態を実装する任意のシステムコンポーネントまたはモジュールを含む。この例では、デバイスアプリケーション1718は、ソフトウェアモジュール及び/またはコンピュータアプリケーションとして示されたインタフェースアプリケーション1722とじぇすたキャプチャドライバ1724を含む。ジェスチャキャプチャドライバ1724は、タッチスクリーン、トラックパッド、カメラなど、ジェスチャをキャプチャするように構成されたデバイスで、インタフェースを提供するのに用いられるソフトウェアを表す。代替的にまたは追加的に、インタフェースアプリケーション1722とジェスチャキャプチャドライバ1724は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせとして実装できる。
【0078】
また、デバイス1700は、オーディオシステム1728にオーディオデータを提供する、及び/またはディスプレイシステム1730にビデオデータを提供するオーディオ及び/またはビデオ入出力システム1726を含む。オーディオシステム1728及び/またはディスプレイシステム1730は、オーディオ、ビデオ及び画像データを処理、表示、及び/またはレンダリングする任意のデバイスを含み得る。ビデオ信号とオーディオ信号は、デバイス1700からオーディオデバイス及び/またはディスプレイデバイスに、RF(無線周波数)リンク、Sビデオリンク、コンポジットビデオリンク、コンポーネントビデオリンク、DVI(デジタルビデオインタフェース)、アナログオーディオ接続、またはその他の同様な通信リンクを介して通信できる。一実施形態では、オーディオシステム1728及び/またはディスプレイシステム1730は、デバイス1700の外部コンポーネントとして実装される。あるいは、オーディオシステム1728及び/またはディスプレイシステム1730は、デバイス1700と一体のコンポーネントとして実装される。
【0079】
結論
タッチディスプレイ用のクロススライドジェスチャを説明する。少なくともいくつかの実施形態では、一方向にパンまたはスクロールできるコンテンツにクロススライドジェスチャを用いて、コンテンツ選択、ドラッグ及びドロップ動作などの追加的アクションが可能になる。
【0080】
一または複数の実施形態において、クロススライドジェスチャは、アイテムまたはオブジェクトを、スクロールの方向とは異なる方向にドラッグすることにより、行われ得る。異なる方向へのドラッグは、追加的なアクションまたは機能にマッピングできる。一または複数の実施形態において、異なる方向へのドラッグとともに距離閾値などの一または複数の閾値を用いて、追加的アクションまたは機能にマッピングできる。
【0081】
少なくともいくつかの実施形態において、いわゆるスピードバンプを用いて、ユーザに、閾値を知らせることができる。
【0082】
実施形態を個別の構造的特徴及び/又は方法動作を用いて説明したが、言うまでもなく、添付した特許請求の範囲に規定する実施形態は、上記の特定の特徴や動作には必ずしも限定されない。むしろ、具体的な特徴や動作は、請求した実施形態を実施する形式例として開示したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17