特許第5980926号(P5980926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980926協調マルチ・ポイント通信のためのユーザ機器エンハンスメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980926
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】協調マルチ・ポイント通信のためのユーザ機器エンハンスメント
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20160818BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20160818BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20160818BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W24/10
   H04W16/28
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-527333(P2014-527333)
(86)(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公表番号】特表2014-524718(P2014-524718A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】US2012052329
(87)【国際公開番号】WO2013029000
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2014年4月8日
(31)【優先権主張番号】61/527,468
(32)【優先日】2011年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/592,797
(32)【優先日】2012年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】バルビエリ、アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジ、ティンファン
(72)【発明者】
【氏名】ガール、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ガイアホファー、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、イーチャオ
【審査官】 三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/146781(WO,A1)
【文献】 特表2011−514717(JP,A)
【文献】 特開2012−147048(JP,A)
【文献】 CATT,Considerations on Interference Measurement and its Specification Impact in CoMP,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #66 R1-112110,2011年 8月16日
【文献】 Qualcomm Europe,UE-RS Patterns for ranks 5 to 8 of LTE-A,3GPP TSG-RAN WG1 #58bis R1-094212,2009年10月 7日,p.1-7
【文献】 Samsung,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #60bis R1-102187,Discussion on RB Bundling for DM-RS,2010年 4月 6日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための方法であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定することと、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定することと、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信することと、
を備え、
前記推定することは、
少なくとも1つの近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信することと、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定することとを備える、方法。
【請求項2】
前記近隣のBSは、前記示されたリソースでビームフォーミングを用い、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIが、前記サービス提供BSへ送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RSは、チャネル状態情報−基準信号(CSI−RS)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定することは、前記サービス提供BSによって提供される、特定のCSI−RSコンフィギュレーションを示す値を復号することを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記特定のCSI−RSコンフィギュレーションは、前記サービス提供セルのためのゼロ電力CSI−RSコンフィギュレーションを備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションを、前記サービス提供BSから受信することをさらに備え、
前記ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションは、隣接するBSによってUEへ提供されたミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションとは異なる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
自身のUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーショと、前記隣接するBSによってUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーションとの両方において、おのおののBSがミュートする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記UEは、送信モード1と送信モード8とのうちの何れかの送信モードを使用するように構成され、提供されたCSI−RSコンフィギュレーションを使用する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記RSコンフィギュレーションは、前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するためのアンテナ・ポート毎のリソース・ブロック(RB)毎に、複数のリソース要素(RE)を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するために、複数のRSコンフィギュレーションが前記UEへ提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記UEは、前記サービス提供BSから、適切なラジオ・リソース制御(RRC)情報要素によって、前記バンドリング・サイズを受信する、請求項に記載の方法。
【請求項12】
無線通信のための装置であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定する手段と、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定する手段と、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算する手段と、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信する手段と、
を備え
前記推定する手段は、
前記近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信する手段と、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定する手段とを備え装置。
【請求項13】
前記近隣のBSは、前記示されたリソースでビームフォーミングを用い、
前記近隣のBSとのビームフォーム送信を調整する際に使用するために、前記CSIが、前記サービス提供BSへ送信される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記RSは、チャネル状態情報−基準信号(CSI−RS)を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記決定する手段は、前記サービス提供BSによって提供される、特定のCSI−RSコンフィギュレーションを示す値を復号する手段を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記特定のCSI−RSコンフィギュレーションは、前記サービス提供セルのためのゼロ電力CSI−RSコンフィギュレーションを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションを、前記サービス提供BSから受信する手段をさらに備え、
前記ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションは、隣接するBSによってUEへ提供されたミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションとは異なる、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
自身のUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーショと、前記隣接するBSによってUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーションとの両方において、おのおののBSがミュートする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記UEは、送信モード1と送信モード8とのうちの何れかの送信モードを使用するように構成され、提供されたCSI−RSコンフィギュレーションを使用する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記RSコンフィギュレーションは、前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するためのアンテナ・ポート毎のリソース・ブロック(RB)毎に、複数のリソース要素(RE)を定義する、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するために、複数のRSコンフィギュレーションが前記UEへ提供される、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記UEは、前記サービス提供BSから、適切なラジオ・リソース制御(RRC)情報要素によって、前記バンドリング・サイズを受信する、請求項12に記載の装置。
【請求項23】
無線通信のための装置であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定し、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定し、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算し、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信するように適応された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと、
を備え
前記推定は、
前記近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信することと、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定することとによって実行され装置。
【請求項24】
格納された命令群を有するコンピュータ読取可能な記憶体であって、
前記命令群は、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信している間、少なくとも1つのサービス提供BSがユーザ機器(UE)へ送信することを控えるためのリソースを示すRSコンフィギュレーションを、前記UEにおいて決定することと、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定することと、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信することと、
のために1または複数のプロセッサによって実行可能であ
前記推定することは、
前記近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信することと、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定することとを備える、コンピュータ読取可能な記憶媒体
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本特許出願は、「協調マルチ・ポイント通信のためのユーザ機器エンハンスメント」(USER EQUIPMENT ENHANCEMENTS FOR COOPERATIVE MULTI-POINT COMMUNICATION)と題され2011年8月25日に出願され本願の譲受人に譲渡され本明細書に参照によって明確に組み込まれている米国仮出願61/527,468号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示のいくつかの態様は、一般に、無線通信システムに関し、さらに詳しくは、協調マルチ・ポイント(CoMP)通信システムにおいてユーザ機器(UE)によって観察される干渉をより正確に推定するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、例えば、音声、データ等のようなさまざまなタイプの通信コンテンツを提供するために広く開発されてきた。これらのシステムは、(例えば、帯域幅および送信電力等のような)利用可能なシステム・リソースを共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムでありうる。このような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム等を含む。
【0004】
通常、無線多元接続通信システムは、複数の無線端末のための通信を同時にサポートしうる。端末はおのおのの、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信を介して、1または複数の基地局と通信する。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力(SISO)システム、複数入力単一出力(MISO)システム、または複数入力複数出力(MIMO)システム等によって確立されうる。
【0005】
従来のモバイル電話ネットワーク基地局を補強するために、追加の基地局が配置され、モバイル・ユニットに対して、よりロバストな無線有効通信範囲が提供されている。例えば、無線リレー局および小型有効通信範囲基地局(例えば、一般にアクセス・ポイント基地局、ホーム・ノードB、フェムト・アクセス・ポイント、またはフェムト・セルと呼ばれる)は、増加する容量成長、より豊かなユーザ経験、およびビルディング内有効通信範囲のために配置されうる。一般に、このような小型有効通信範囲基地局は、DSLルータあるいはケーブル・モデムによって、インターネットおよびモバイル・オペレータのネットワークに接続される。このようなその他のタイプの基地局が、従来の基地局(例えば、マクロ基地局)とは別の方式で、従来のモバイル電話ネットワーク(例えば、バックホール)に追加されるので、このようなその他のタイプの基地局とこれらに関連付けられたユーザ機器を管理するための効率的な技術に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
本開示のいくつかの態様は、協調マルチ・ポイント(CoMP)ユーザ機器(UE)において観察される干渉を推定する方法を提供する。この方法は、一般に、1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定することと、示されたリソースで近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、近隣のBSによって引き起こされ、UEによって観察される干渉を推定することと、この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、このCSIをサービス提供BSへ送信することと、を含む。
【0007】
本開示のいくつかの態様は、協調マルチ・ポイント(CoMP)ユーザ機器(UE)において観察される干渉を推定するための装置を提供する。この装置は一般に、1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定する手段と、示されたリソースで近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、近隣のBSによって引き起こされ、UEによって観察される干渉を推定する手段と、この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算する手段と、近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、このCSIをサービス提供BSへ送信する手段と、を含む。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、協調マルチ・ポイント(CoMP)ユーザ機器(UE)において観察される干渉を推定するための装置を提供する。この装置は、一般に、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを含む。少なくとも1つのプロセッサは一般に、1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定し、示されたリソースで近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、近隣のBSによって引き起こされ、UEによって観察される干渉を推定し、この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算し、近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、このCSIをサービス提供BSへ送信する、ように適用される。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、協調マルチ・ポイント(CoMP)ユーザ機器(UE)において観察される干渉を推定するためのコンピュータ・プログラム製品を提供する。このコンピュータ・プログラム製品は、格納された命令群を有するコンピュータ読取可能な媒体を含む。これら命令群は、1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定することと、示されたリソースで近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、近隣のBSによって引き起こされ、UEによって観察される干渉を推定することと、この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、このCSIをサービス提供BSへ送信することと、のために1または複数のプロセッサによって実行されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の前述した特徴が、より詳細に理解される方式で、簡潔に要約された具体的な記載が、態様に対する参照によってなされている。そして、それらの幾つかは、添付図面で例示されている。しかしながら、この記載は、その他の等しく有効な態様に対しても適合するので、添付図面は、本開示のある典型的な態様のみを示していることや、本開示の範囲を限定するものとしては考慮されないことが注目されるべきである。
図1図1は、本開示のある態様が利用されうる多元接続無線通信システムを例示する。
図2図2は、本開示のある態様にしたがう、無線通信ネットワークにおけるフレーム構造の例を例示する。
図2A図2Aは、本開示のある態様にしたがうロング・ターム・イボリューション(LTE)におけるアップリンクのためのフォーマットの例を示す。
図3図3は、本開示のある態様が利用されうる無線通信システムのブロック図である。
図4図4は、本開示のある態様にしたがって、近隣の基地局(BS)によって引き起こされる干渉を推定するために、ユーザ機器(UE)におって実行されうる動作の例を例示する。
図4A図4Aは、図4に例示された動作を実行することが可能な手段の例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載された技術は、例えばCDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、およびその他のネットワークのようなさまざまな無線通信ネットワークのために使用されうる。用語「ネットワーク」および「システム」は、しばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、cdma2000等のようなラジオ技術を実現しうる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、およびCDMAのその他の変形を含んでいる。CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のようなラジオ技術を実現しうる。OFDMAネットワークは、例えば、イボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)等のようなラジオ技術を実現する。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)およびLTE−アドバンスト(LTE−A)は、E−UTRAを使用するUMTSの新たなリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A、およびGSMは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記載されている。本明細書において記載された技術は、他の無線ネットワークおよびラジオ技術と同様に、前述された無線ネットワークおよびラジオ技術のために使用されうる。明確化のために、これら技術のある態様は、以下において、LTEに関して記載されており、LTE用語が以下の説明の多くで使用される。
【0012】
(無線ネットワークの例)
図1は、LTEネットワークでありうる無線通信ネットワーク100を示す。無線ネットワーク100は、多くのイボルブド・ノードB(eNB)110およびその他のネットワーク・エンティティを含みうる。eNBは、ユーザ機器デバイス(UE)と通信する局であり、基地局、ノードB、アクセス・ポイント等とも称されうる。おのおののeNB110は、特定の地理的エリアのために通信有効通信範囲エリアを提供しうる。3GPPでは、用語「セル」は、この用語が使用されるコンテキストに依存して、この有効通信範囲エリアにサービス提供しているeNBおよび/またはeNBサブシステムからなる有効通信範囲エリアを称しうる。
【0013】
eNBは、マクロ・セル、ピコ・セル、フェムト・セル、および/または、その他のタイプのセルのために、通信有効通信範囲を提供しうる。マクロ・セルは、比較的大きな地理的エリア(例えば、半径数キロメータ)をカバーし、サービス加入を持つUEによる無制限のアクセスを許可しうる。ピコ・セルは、比較的小さな地理的エリアをカバーし、サービス加入を持つUEによる無制限のアクセスを許可しうる。
【0014】
フェムト・セルは、比較的小さな地理的エリア(例えば、住宅)をカバーし、フェムト・セルとの関連を持つUE(例えば、クローズド加入者グループ(CSG)におけるUE、住宅内のユーザのためのUE等)によって制限されたアクセスを許可しうる。マクロ・セルのためのeNBは、マクロeNB(すなわち、マクロ基地局)と称されうる。ピコ・セルのためのeNBは、ピコeNB(すなわち、ピコ基地局)と称されうる。フェムト・セルのためのeNBは、フェムトeNB(すなわち、フェムト基地局)またはホームeNBと称されうる。図1に示す例では、eNB110a,110b,110cはそれぞれ、マクロ・セル102a,102b,102cのためのマクロeNBでありうる。eNB110xは、ピコ・セル102xのためのピコeNBでありうる。eNB110y,110zはそれぞれ、フェムト・セル102y,102zのためのフェムトeNBでありうる。eNBは、1または複数(例えば3つ)のセルをサポートしうる。
【0015】
無線ネットワーク100はさらに、中継局をも含みうる。中継局は、データおよび/またはその他の情報の送信を上流局(例えば、eNBまたはUE)から受信し、データおよび/またはその他の情報の送信を下流局(例えば、UEまたはeNB)へ送信する局である。中継局はまた、他のUEのための送信を中継するUEでもありうる。図1において図示される例において、中継局110rは、eNB110aとUE120rとの間の通信を容易にするために、eNB110aおよびUE120rと通信しうる。中継局はまた、リレーeNB、リレー等とも称されうる。
【0016】
無線ネットワーク100はまた、例えば、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、リレー等のような異なるタイプのeNBを含むヘテロジニアスなネットワーク(HetNet)でもありうる。これら異なるタイプのeNBは、異なる送信電力レベル、異なる有効通信範囲エリア、および、無線ネットワーク100内の干渉に対する異なるインパクトを有しうる。例えば、マクロeNBは、高い送信電力レベル(例えば、20ワット)を有する一方、ピコeNB、フェムトeNB、およびリレーは、低い送信電力レベル(例えば、1ワット)を有しうる。
【0017】
無線ネットワーク100は、同期動作または非同期動作をサポートしうる。同期動作の場合、eNBは、同じようなフレーム・タイミングを有し、異なるeNBからの送信は、時間的にほぼ同期しうる。非同期動作の場合、eNBは、異なるフレーム・タイミングを有し、異なるeNBからの送信は、時間的に同期しない場合がある。ここに記載された技術は、同期動作および非同期動作の両方のために使用されうる。
【0018】
ネットワーク・コントローラ130は、eNBのセットに接続しており、これらeNBのための調整および制御を提供しうる。ネットワーク・コントローラ130は、バックホールを介してeNB110と通信しうる。eNB110はまた、例えば、ダイレクトに、または、無線または有線のバックホールを介して非ダイレクトに、互いに通信しうる。
【0019】
無線ネットワーク100の全体にわたって、多くのUE120が分布しうる。そして、おのおののUEは、固定式または移動式でありうる。UEは、端末、移動局、加入者ユニット、局等とも称されうる。UEは、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップ・コンピュータ、コードレス電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、タブレット等でありうる。UEは、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、リレー等と通信することができうる。図1では、両矢印を持つ実線が、UEと、ダウンリンクおよび/またはアップリンクでUEにサービス提供するように指定されたeNBであるサービス提供eNBとの間の所望の送信を示す。両矢印を持つ破線は、UEとeNBとの間の干渉送信を示す。ある態様の場合、UEは、LTEリリース10 UEを備えうる。
【0020】
LTEは、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)を、アップリンクにおいてシングル・キャリア周波数分割多重(SC−FDM)を利用する。OFDMおよびSC−FDMは、システム帯域幅を、一般にトーン、ビン等とも称される複数(K個)の直交サブキャリアに分割する。おのおののサブキャリアは、データとともに変調されうる。一般に、変調シンボルは、OFDMを用いて周波数領域で、SC−FDMを用いて時間領域で送信される。隣接するサブキャリア間の間隔は固定され、サブキャリアの総数(K個)は、システム帯域幅に依存しうる。例えば、Kは、1.25,2.5,5,10,20メガヘルツ(MHz)のシステム帯域幅についてそれぞれ128,256,512,1024,2048にそれぞれ等しい。システム帯域幅はまた、サブ帯域へ分割されうる。例えば、サブ帯域は、1.08MHzをカバーし、1.25,2.5,5,10,20MHzのシステム帯域幅についてそれぞれ1,2,4,8,16のサブ帯域が存在しうる。
【0021】
図2は、LTEにおいて使用されるダウンリンク・フレーム構造を示す。ダウンリンクの送信タイムラインは、ラジオ・フレームの単位に分割されうる。おのおののラジオ・フレームは、(例えば10ミリ秒(ms)のような)予め定められた持続時間を有し、0乃至9のインデクスを付された10個のサブフレームへ分割されうる。おのおののサブフレームは、2つのスロットを含みうる。したがって、おのおののラジオ・フレームは、0乃至19のインデクスを付された20のスロットを含みうる。おのおののスロットは、例えば、(図2に示すように)通常のサイクリック・プレフィクスの場合、L=7のシンボル期間を、拡張されたサイクリック・プレフィクスの場合、L=6のシンボル期間のように、L個のシンボル期間を含みうる。おのおののサブフレームでは、2L個のシンボル期間が、0乃至2L−1のインデクスを割り当てられうる。利用可能な時間周波数リソースが、リソース・ブロックへ分割されうる。おのおののリソース・ブロックは、1つのスロットにおいてN個のサブキャリア(例えば、12のサブキャリア)をカバーしうる。
【0022】
LTEでは、eNBは、eNBにおける各セルについて、一次同期信号(PSS)と二次同期信号(SSS)とを送信しうる。図2に示すように、一次同期信号および二次同期信号は、通常のサイクリック・プレフィクスを持つ各ラジオ・フレームのサブフレーム0,5のおのおのにおいて、シンボル期間6およびシンボル期間5でそれぞれ送信されうる。これら同期信号は、セル検出および獲得のためにUEによって使用されうる。eNBはまた、サブフレーム0のスロット1におけるシンボル期間0乃至3で、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)を送信しうる。PBCHは、あるシステム情報を伝送しうる。
【0023】
図2に図示されるように、eNBは、各サブフレームの最初のシンボル期間で、物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)を送信しうる。PCFICHは、制御チャネルのために使用されるシンボル期間の数(M)を伝えうる。ここで、Mは、1,2または3に等しく、サブフレーム毎に変化しうる。Mはまた、例えば、10未満のリソース・ブロックのように、小さなシステム帯域幅に対して4に等しくなりうる。eNBは、(図2に示していないが)おのおののサブフレームの最初のM個のシンボル期間において、物理HARQインジケータ・チャネル(PHICH)および物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信しうる。PHICHは、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)をサポートするための情報を伝送しうる。PDCCHは、UEのためのリソース割当に関する情報と、ダウンリンク・チャネルのための制御情報とを伝送しうる。eNBはまた、おのおののサブフレームの残りのシンボル期間で、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信しうる。PDSCHは、ダウンリンクで、データ送信のためにスケジュールされたUEのためのデータを伝送しうる。LTEにおけるさまざまな信号およびチャネルは、公的に利用可能な「イボルブド・ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(E−UTRA);物理チャネルおよび変調」(Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation)と題された3GPP TS 36.211に記載されている。
【0024】
eNBは、eNBによって使用されるシステム帯域幅の中央の1.08MHzでPSS、SSS、およびPBCHを送信しうる。eNBは、これらのチャネルが送信される各シンボル期間におけるシステム帯域幅全体でPCFICHおよびPHICHを送信しうる。eNBは、システム帯域幅のある部分において、UEのグループにPDCCHを送信しうる。eNBは、システム帯域幅の特定の部分で、特定のUEに、PDSCHを送信しうる。eNBは、すべてのUEへブロードキャスト方式でPSS、SSS、PBCH、PCFICH、およびPHICHを送信し、PDCCHを、ユニキャスト方式で、特定のUEへ送信しうる。さらに、特定のUEへユニキャスト方式でPDSCHをも送信しうる。
【0025】
各シンボル期間において、多くのリソース要素が利用可能でありうる。おのおののリソース要素は、1つのシンボル期間において1つのサブキャリアをカバーしうる。そして、実数値または複素数値である1つの変調シンボルを送信するために使用されうる。おのおののシンボル期間において、基準信号のために使用されないリソース要素は、リソース要素グループ(REG)へ構成されうる。おのおののREGは、1つのシンボル期間内に、4つのリソース要素を含みうる。PCFICHは、シンボル期間0内に4つのREGを占有しうる。これらは、周波数にわたってほぼ均等に配置されうる。PHICHは、1または複数の設定可能なシンボル期間内に3つのREGを占有しうる。これらは、周波数にわたって分散されうる。例えば、PHICHのための3つのREGはすべて、シンボル期間0に属しうる。あるいは、シンボル期間0,1,2に分散されうる。PDCCHは、最初のM個のシンボル期間内に、9,18,32,または64のREGを占有しうる。これらは、利用可能なREGから選択されうる。複数のREGからなるある組み合わせのみが、PDCCHのために許容されうる。
【0026】
UEは、PHICHとPCFICHとのために使用される特定のREGを認識しうる。UEは、PDCCHを求めて、REGの異なる組み合わせを探索しうる。探索する組み合わせの数は、一般に、PDCCHのために許可された組み合わせの数よりも少ない。eNBは、UEが探索する組み合わせのうちの何れかのUEにPDCCHを送信しうる。
【0027】
図2Aは、LTEにおけるアップリンクのための典型的なフォーマット200Aを示す。アップリンクのために利用可能なリソース・ブロックは、データ・セクションおよび制御セクションに区分されうる。制御セクションは、システム帯域幅の2つの端部において形成され、設定可能なサイズを有しうる。制御セクションにおけるリソース・ブロックは、制御情報の送信のために、UEへ割り当てられうる。データ・セクションは、制御セクションに含まれていないすべてのリソース・ブロックを含みうる。図2Aにおける設計の結果、データ・セクションは、連続するサブキャリアを含むようになる。これによって、単一のUEに、データ・セクションにおいて連続するサブキャリアのすべてが割り当てられるようになる。
【0028】
UEは、eNBへ制御情報を送信するために、制御セクションにおいてリソース・ブロックを割り当てられうる。UEはまた、eNBへデータを送信するために、データ・セクションにおいてリソース・ブロックを割り当てられうる。UEは、制御セクションにおいて割り当てられたリソース・ブロックで、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)210a,210bで制御情報を送信しうる。UEは、データ・セクションにおいて割り当てられたリソース・ブロックで、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)220a,220bで、データのみ、または、データと制御情報との両方を送信しうる。図2Aに示すように、アップリンク送信は、サブフレームの両スロットにおよび、周波数にわたってホップしうる。
【0029】
UEは、複数のeNBの有効通信範囲内に存在しうる。これらのeNBのうちの1つが、UEにサービス提供するために選択されうる。サービス提供するeNBは、例えば受信電力、経路喪失、信号対雑音比(SNR)等のようなさまざまな基準に基づいて選択されうる。
【0030】
UEは、1または複数の干渉元のeNBからの高い干渉を観察しうる支配的な干渉シナリオで動作しうる。支配的な干渉シナリオは、制限された関連付けによって生じうる。例えば、図1では、UE120yがフェムトeNB110yに近く、eNB110yのための高い受信電力を有しうる。しかしながら、制約された関連性によって、UE120yは、フェムトeNB110yにアクセスすることができず、低い受信電力を持つ(図1に示すような)マクロeNB110c、または、同様に低い受信電力を持つ(図1に示されていない)フェムトeNB110zに接続しうる。UE120yは、その後、ダウンリンクにおいて、フェムトeNB110yからの高い干渉を観察し、さらに、アップリンクにおいて、eNB110yへの高い干渉をも引き起こしうる。
【0031】
支配的な干渉シナリオはまた、UEによって検出されたすべてのeNBのうち、低い経路喪失および低いSNRを持つeNBにUEが接続するシナリオである範囲拡張によっても生じうる。例えば、図1では、UE120xは、マクロeNB110bおよびピコeNB110xを検出し、eNB110xについて、eNB110bよりも低い受信電力を有しうる。しかしながら、eNB110xの経路喪失が、マクロeNB110bの経路喪失よりも低いのであれば、UE120xが、ピコeNB110xに接続することが望まれうる。これによって、UE120xのための所与のデータ・レートに関し、無線ネットワークに対する干渉が低くなりうる。
【0032】
態様では、異なる周波数帯域で動作する異なるeNBを有することによって、支配的な干渉シナリオにおける通信がサポートされうる。周波数帯域は、通信のために使用されうる周波数の範囲であり、(i)中心の周波数および帯域幅によって、または(ii)低い周波数および高い周波数によって与えられうる。周波数帯域はまた、帯域、周波数チャネル等とも称されうる。異なるeNBのための周波数帯域は、強いeNBがUEと通信することを可能にしながら、UEが、支配的な干渉シナリオにあるより弱いeNBと通信できるように選択されうる。eNBは、UEにおいて受信されたeNBからの信号の受信電力に基づいて(かつ、eNBの送信電力レベルに基づくことなく)「弱い」eNBまたは「強い」eNBとして分類されうる。
【0033】
本開示のある態様によれば、ネットワークが、エンハンスト・セル間干渉調整(eICIC)をサポートしている場合、基地局は、リソースの一部を放棄した干渉元のセルによる干渉を低減または除去するために、互いにネゴシエートして、リソースを調整しうる。この干渉調整にしたがって、UEは、厳しい干渉がある場合であっても、干渉元のセルによって放棄されたリソースを用いることによって、サービス提供セルにアクセスすることができうる。
【0034】
例えば、オープン・マクロ・セルの有効通信範囲エリア内のクローズド・アクセス・モードのフェムト・セル(すなわち、ここでは、メンバ・フェムトUEのみがこのセルにアクセスする)は、リソースを放棄し、干渉を効果的に除去することによって、マクロ・セルのために(フェムト・セルの有効通信範囲エリア内に)「有効通信範囲ホール」を生成することができうる。リソースを放棄するためにフェムト・セルについてネゴシエートすることによって、フェムト・セル有効通信範囲エリア下のマクロUEはいまだに、これら放棄されたリソースを用いて、UEのサービス提供マクロ・セルにアクセスすることができる。
【0035】
例えば、イボルブド・ユニバーサル地上ラジオ・アクセス・ネットワーク(E−UTRAN)のように、OFDMを用いるラジオ・アクセス・システムでは、放棄されたリソースは、時間ベースであるか、周波数ベースであるか、これら両方の組み合わせでありうる。調整されたリソース分割が時間ベースである場合、干渉元のセルは、単に、時間領域におけるサブフレームのうちのいくつかを使用しない。調整されたリソース分割が周波数ベースである場合、干渉元のセルは、周波数領域におけるサブキャリアを放棄しうる。周波数と時間との両方の組み合わせによって、干渉元のセルは、周波数リソースと時間リソースとを放棄しうる。
【0036】
図3は、図1における基地局/eNBのうちの1つ、およびUEのうちの1つでありうる、基地局(またはeNB110)とUE120との設計のブロック図である。制約された関連性のシナリオの場合、eNB110は、図1におけるマクロeNB110cでありうる。そして、UE120は、UE120yでありうる。eNB110はさらに、その他いくつかのタイプの基地局でもありうる。eNB110は、T個のアンテナ334a乃至334tを備え、UE120は、R個のアンテナ352a乃至352rを備えうる。ここで、一般に、T≧1およびR≧1である。
【0037】
eNB110では、送信プロセッサ320が、データ・ソース312からデータを、コントローラ/プロセッサ340から制御情報を受信しうる。制御情報は、PBCH、PCFICH、PHICH、PDCCH等用でありうる。データは、PDSCH等用でありうる。送信プロセッサ320は、データ・シンボルおよび制御シンボルをそれぞれ取得するために、データおよび制御情報を処理(例えば、符号化およびシンボル・マップ)しうる。送信プロセッサ320はさらに、例えばPSSやSSSのための基準シンボルや、セル特有の基準信号を生成しうる。送信(TX)複数入力複数出力(MIMO)プロセッサ330は、適用可能であれば、データ・シンボル、制御シンボル、および/または、基準シンボルに空間処理(例えば、プリコーディング)を実行し、T個の出力シンボル・ストリームをT個の変調器(MOD)332a乃至332tに提供しうる。おのおのの変調器332は、(例えば、OFDM等のために)それぞれの出力シンボル・ストリームを処理して、出力サンプル・ストリームを得る。おのおのの変調器332はさらに、出力サンプル・ストリームを処理(例えば、アナログ変換、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)し、ダウンリンク信号を取得する。変調器332a乃至332tからのT個のダウンリンク信号は、T個のアンテナ334a乃至334tによってそれぞれ送信されうる。
【0038】
UE120では、アンテナ352a乃至352rが、eNB110からダウンリンク信号を受信し、受信した信号を、復調器(DEMOD)354a乃至354rへそれぞれ提供しうる。おのおのの復調器354は、受信したそれぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得しうる。おのおのの復調器354はさらに、(例えば、OFDM等のため)これら入力サンプルを処理して、受信されたシンボルを取得しうる。MIMO検出器356は、R個すべての復調器354a乃至354rから受信したシンボルを取得し、適用可能である場合、これら受信されたシンボルに対してMIMO検出を実行し、検出されたシンボルを提供しうる。受信プロセッサ358は、検出されたシンボルを処理(例えば、復調、デインタリーブ、および復号)し、UE120のために復号されたデータをデータ・シンク360に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ380へ提供しうる。
【0039】
アップリンクでは、UE120において、送信プロセッサ364が、データ・ソース362から(例えばPUSCHのための)データを、コントローラ/プロセッサ380から(例えばPUCCHのための)制御情報を、受信して処理しうる。送信プロセッサ364はさらに、基準信号のための基準シンボルを生成しうる。送信プロセッサ364からのシンボルは、適用可能であれば、TX MIMOプロセッサ366によってプリコードされ、さらに、(例えば、SC−FDM等のために)変調器354a乃至354rによって処理され、eNB110へ送信される。eNB110では、UE120からのアップリンク信号が、アンテナ334によって受信され、復調器332によって処理され、適用可能な場合にはMIMO検出器336によって検出され、さらに、受信プロセッサ338によって処理されて、UE120によって送信された復号されたデータおよび制御情報が取得されうる。受信プロセッサ338は、復号されたデータをデータ・シンク339に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ340へ提供しうる。
【0040】
コントローラ/プロセッサ340,380は、eNB110およびUE120それぞれにおける動作を指示しうる。eNB110におけるコントローラ/プロセッサ340、受信プロセッサ338、および/または、その他のプロセッサおよびモジュールは、本明細書に記載された技術のための動作および/または処理の実行または指示を行いうる。メモリ342,382は、eNB110およびUE120それぞれのためのデータおよびプログラム・コードを格納しうる。スケジューラ344は、ダウンリンクおよび/またはアップリンクでのデータ送信のためにUEをスケジュールしうる。
【0041】
(CoMPのためのUEエンハンスメントの例)
多くの場合では、エッジ・ユーザのパフォーマンスは、ダウンリンク協調マルチ・ポイント(CoMP)通信によって、著しく向上されうる。CoMP通信では、複数のノードが、所与のUEにサービス提供するように協調しうる。
【0042】
さまざまなタイプのCoMP技術が利用可能である。ジョイント処理(JP)は、同じUEのためのデータ・パケットが、複数のノードに提供される場合における協調タイプである。JPの例は、ジョイント送信(JT)および動的セル切換(DCS)を含む。JPは高速なバックホールを必要とする。これは、バックホール・オーバヘッドを増加させ、ネットワーク・トポロジ・アップグレードを必要とする。協調スケジューリング(CS)および協調ビームフォーミング(CBF)は、別のタイプの協調である。ここでは、サービス提供セルのみが、UEのためのデータ・パケットを有する。CSおよびCBFは、基地局による適切なUE選択、ビーム選択、電力制御(例えばBoolean。この場合、干渉は、フル電力を用いて送信されるか、または、いくつかのリソースにおいて、静められる)、および改善されたリンク適応を含む。
【0043】
本開示の態様は、CS/CBFスキームのためのフィードバック・エンハンスメントのための方法を提供する。「犠牲」BS(例えば、より高い電力のノードによる干渉にさらされているマクロ−ピコ・シナリオにおけるピコ)は、1または複数の干渉元の「攻撃」BS(例えば、マクロ・ノード)において調整されるスケジューリング決定を行いうる。例えば、犠牲BSは、近隣の攻撃BSのスケジューリング決定(例えば、ビームおよび送信電力)を暗黙的または明示的に認識しうる。そして、近隣BSとのビームフォーム送信を調整する場合、この情報を考慮しうる。
【0044】
CoMPに参加するノードのすべてまたはサブセットは、送信前に、特定の実施およびスキームに依存して、スケジューリング決定を行いうる。何れの場合であれ、本開示の態様は、UEによる改善された干渉推定精度を提供する。例えば、本開示のいくつかの態様にしたがって動作するアドバンストUEは、干渉元の近隣セルのスケジューリング決定を反映するチャネル状態情報(CSI)をレポートしうる。
【0045】
UEによって経験される干渉は、干渉元によって適用されている送信電力およびビームに依存しうる。UEによって経験される干渉は、予測不能でありうる。なぜなら、干渉元のセルは、送信時間インタバル(TTI)ベースでビームおよび送信電力を変更しうるからである。これは、復調のための問題にはならないかもしれない。なぜなら、干渉推定は、復号するための伝送ブロックと同じサブフレームにおいてなされうるからである。しかしながら、UEによって経験される干渉は、CSIレポートのためのミスマッチを生成しうる。
【0046】
サービス提供BSによる送信の時間における干渉のより正確な情報は、パフォーマンスを増加させうる。増加したパフォーマンスは、改善されたビーム選択、リンク適用、およびマルチユーザ・ダイバーシティ(MUD)利得によって生じうる。例えば、1または複数の近隣の基地局によってUEにおいて経験される干渉のより正確な情報は、UEのCQI推定を改善しうる。さらに、より正確な干渉の情報は、サービス提供BSからの送信信号と、近隣の基地局からの干渉とが直交するようなビーム選択を可能にしうる。
【0047】
図4は、本開示の態様にしたがう動作400の例を例示する。動作400は、例えば、エンハンスされたチャネル状態フィードバックを提供するために、UEによって実行されうる。このようなフィードバックは、例えば、UEへのビームフォーム送信をスケジュールする際に、近隣のBSと協調するために、サービス提供BSによって使用されうる。
【0048】
402で、UEは、1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信している間、少なくとも1つのサービス提供BSがUEへ送信することを控えるためのリソースを示すRSコンフィギュレーションを決定しうる。
【0049】
404で、UEは、近隣のBSによって引き起こされる干渉を、示されたリソースを用いて近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて推定しうる。406で、UEは、この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算しうる。いくつかの態様によれば、RSまたはデータは、示されたリソースにおいてビームフォーミングを用いて送信されうる。
【0050】
408で、UEは、近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、CSIをサービス提供BSへ送信しうる。いくつかの態様によれば、サービス提供BSは、このCSIを使用して、UEへのビームフォーム送信をスケジューリングするために近隣のBSと協調する。
【0051】
本開示の態様によれば、UEによる干渉推定は、適切な基準信号(RS)コンフィギュレーションに基づきうる。例えば、干渉推定は、BSによって提供されるチャネル状態情報−基準信号(CSI−RS)コンフィギュレーションに基づきうる。
【0052】
いくつかの態様によれば、CSI−RSコンフィギュレーション・メッセージは、干渉推定のために、UEによってどのミュート・コンフィギュレーションが使用されうるのかを示すさらなる変数を含みうる。例えば、サービス提供BSが、基準信号を送信することを控えることによってミュートしている場合、UEは、リソース要素(RE)のセットを受信しうる。サービス提供BSがミュートしている間、近隣のBSは、示されたリソースにおいてビームフォーミングを用いて、CSI−RSを送信し、UEは、その他すべての送信元ノードからの干渉を推定できるようになる。態様によれば、隣接した犠牲BSは、異なるCSI−RSコンフィギュレーションにおいてミュートしうる。
【0053】
本開示の態様によれば、干渉は、サブフレーム毎ベースで変動しうるので、
UEは、推定された干渉を、異なるサブフレームにわたって平均化しないかもしれない。
【0054】
これは、ラジオ・リソース制御(RRC)メッセージでUEへ明示的にシグナルされうるか、または、暗黙的に仮定されうる。
【0055】
本開示の態様によれば、CSI−RSは、干渉推定のみのために使用されうる。言い換えれば、CSI−RSは、復調基準信号(例えば、送信モード9を用いたDM−RSベースの復調)から分離されうる。例えば、新たな「TM4b」モードは、TM4に類似しうるが、前述したように干渉が推定されうる。
【0056】
本開示の態様によれば、干渉推定精度を高めるために、リソース・ブロック(RB)毎に複数のREが定義されうる。例えば、新たな基準信号が、CSI−RSに関して増加したオーバヘッドを有しうる。あるいは、UEは、干渉推定のために、複数のCSI−RSコンフィギュレーションをマージしうる。
【0057】
CoMP UEは、サービス提供セルによって、(例えば、新たなラジオ・リソース制御情報要素−RRC IEを介して、)攻撃BSによって使用されている物理リソース・ブロック(PRB)バンドリング・サイズについて通知されうる。近隣のBSによって選択されたビームおよび送信電力が一定を保ちうる場合、UEは、連続するPRBの数について通知されうる。変化は、周波数選択フェージングのみによるので、干渉は、PRBにまたがって比較的ゆっくりと変化しうる。UEは、干渉共分散行列を推定する際に、いくつの連続PRBを平均化するのかを決定するために、この情報を使用しうる。
【0058】
UEが複数の攻撃元を有し、これら攻撃元のおのおのが、異なるバンドリング・サイズを用いているのであれば、RRCメッセージは、バンドリング・サイズのリストを(オプションとして、対応する攻撃セルのセルIDとともに)含みうる。あるいは、サービス提供セルが、1つの一般的な値(例えば、そのUEについて最も支配的な攻撃元によって使用されているバンドリング・サイズのうちの最小値)を取りうる。UEは、干渉を計算する場合、この情報を考慮しうる。例えば、UEは、干渉推定のために、N個の連続したPRBにわたって平均化しうる。ここで、Nは、サービス提供セルから受信したバンドリング・サイズを示す。
【0059】
いくつかの場合、BSは、少なくとも1つの近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信しうる。このような場合、干渉は、バンドルされた連続的なPRBのセットの境界において劇的に変化しうると仮定して干渉が推定されうる。
【0060】
リソース品質インジケータ−基準信号(RQI−RS)代案によれば、特別なCSI−RSコンフィギュレーション(または複数のコンフィギュレーション)が、BS間で共有されうる。プレ・スケジューリング後、このようなCSI−RSの最初の送信において、マクロBSは、いくつかの場合、プレ・スケジューラによって選択されたビームおよび送信電力にしたがってビームフォームされたCSI−RS REで、準ランダムなシーケンスを送信しうる。ピコUEは、干渉を推定するために、これらREを使用しうる。
【0061】
PDSCHベースの代案によれば、マクロBSは、選択されたビームおよび送信電力を用いて、サブフレームnにおいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)でデータを送信しうる。スケジューリング決定は、サブフレームnと将来のいくつかのサブフレームとの両方に適合しうる。ピコBSは、例えば、サブフレームn以降、干渉推定のために、PDSCHがマクロBSによって送信されている場合、REを使用するようにRel−11 UEを設定しうる。この場合、ミュートされている特別なCSI−RSコンフィギュレーションに対応するREは、マクロからの準ランダムなシーケンスと一致しないが、実際のPDSCH REとは一致する。いくつかの場合には、RSコンフィギュレーションは、近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するためのアンテナ・ポート毎のリソース・ブロック(RB)毎に、複数のリソース要素(RE)を定義しうる。
【0062】
いくつかの場合には、同じ電力クラスのノード間の干渉(例えば、ピコ間干渉)をキャプチャすることも望まれうる。このような場合、いくつかのノードは、犠牲側と攻撃側との両方として挙動しうる。態様によれば、UEは、ピコBS(またはBS)に関連付けられた、推定された干渉が、近隣のピコBSから到来する干渉のみならず、マクロBSからの干渉をキャプチャすることを確認することを希望しうる。
【0063】
干渉をより正確に推定するために、隣接する犠牲セルは、干渉推定のためにUEによって使用されるREから、サービス提供セルからの信号のみが欠如していることを保証するために、別のCSI−RSコンフィギュレーションにおいてミュートしうる。UEによって経験されたすべての干渉をキャプチャするために、その他すべてのノードは(データ送信をスケジュールするように決定している限り、)送信することを許可されるべきである。
【0064】
既存のRel−10 RS位置によれば、CSI−RS密度は、比較的低い。そして、チャネルおよび干渉推定の両方のために十分ではない場合がありうる。したがって、いくつかの場合には、UEによって提供されたエンハンスされたフィードバックは、干渉元からの、プリ・コードされた干渉をキャプチャしなければならず、サブ帯域プリコーディング行列インジケータ(PMI)、CQI、ランク・インジケータ(RI)を含まねばならない。
【0065】
マクロ基地局とピコ基地局との間のRS調整のために、CSI−RS_m3と称される第1のCSI−RSのセットは、プリコードされたCSI−RSを送信するマクロBSに対応しうる。プリコードされたCSI−RSは、送信のためにスケジュールされていないUEのためのレート・マッチング目的のために、ゼロ出力RSとしてシグナルされうる。CSI−RS_m3は、犠牲UEによる干渉推定のために使用されうる。CSI−RS_p2と称される第2のCSI−RSのセットは、ピコ基地局のためのゼロ電力RSに対応し、CSI−RS_m3にも対応しうる。CSI−RS_p2は、CoMP UEのためのNt推定のためのRSとしてシグナルされうる。適切なCSI−RSコンフィギュレーションは、マクロ基地局間で準静的に調整され、ピコBSに通信されうる。エリア内におけるすべてのマクロ基地局が、同じCSI−RS_m3を有することが所望されうる。
【0066】
CoMP UEのCQIコンフィギュレーションは、エンハンスされたセル間干渉調整(eICIC)CSIコンフィギュレーションの拡張でありうる。例えば、CoMP UEは、送信元の基地局に基づいて、異なるCSI値(CSI_1,CSI_2等)を推定しうる。CSI値であるCSI_3は、CSI−RS−p2に対するNt推定に関連付けられうる。
【0067】
CoMP UEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)でフィードバックを送信しうる。プリコード干渉は、1つのインスタンスから、次のインスタンスへと劇的に変化しうる。したがって、非周期的なフィードバックがより適切でありうる。
【0068】
開示された処理におけるステップの具体的な順序または階層は、典型的なアプローチの例であることが理解される。設計選択に基づいて、これら処理におけるステップの具体的な順序または階層は、本開示のスコープ内であることを保ちながら、再構成されうることが理解される。同伴する方法請求項は、さまざまなステップの要素を、サンプル順で示しており、示された具体的な順序または階層に限定されないことが意味される。
【0069】
前述した方法のさまざまな動作は、対応する機能を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行されうる。一般に、図面に例示された動作が存在する場合、これら動作は、同じ符番を付された対応するミーンズ・プラス・ファンクション構成要素を有しうる。例えば、図4に例示される動作400は、図4Aに例示される手段400Aに対応する。これら手段は、限定される訳ではないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含むさまざまなハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素および/またはモジュールを含みうる。例えば、送信する手段は、例えば、図2に図示された送信機システム210(例えばアクセス・ポイント)の送信機ユニット222、または、図2に図示された受信機システム250(例えばアクセス端末)の送信機ユニット254のような送信機を備えうる。受信する手段は、例えば、図2に図示された送信機システム210の受信機ユニット222、または、図2に図示された受信機システム250の受信機ユニット254を備えうる。決定する手段、および/または、実行する手段は、例えば、図2に例示される送信機システム210のプロセッサ230または受信機システム250のプロセッサ270およびRXデータ・プロセッサ260のような1または複数のプロセッサを含みる処理システムを備えうる。
【0070】
当業者であれば、情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表されうることを理解するであろう。例えば、前述した説明を通じて参照されうるデータ、命令群、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表現されうる。
【0071】
当業者であればさらに、本明細書で開示された態様に関連して記載された例示的なさまざまな論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップは、電子的なハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれら両方の組み合わせとして実現されることを認識するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、これらの機能の観点から一般的に記載された。これら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、特定の用途のおのおのに応じて変化する方式で、前述した機能を実現しうる。しかしながら、この適用判断は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0072】
本明細書で開示された態様に関連して記述されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサでありうるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステート・マシンでありうる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。
【0073】
本明細書で開示された態様に関連して記述された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、または、これらの組み合わせによって具体化される。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に存在しうる。典型的な記憶媒体は、この記憶媒体から情報を読み取ったり、この記憶媒体に情報を書き込むことができるプロセッサのようなプロセッサに接続される。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在しうる。ASICは、ユーザ端末内に存在しうる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在しうる。
【0074】
開示された態様の上記説明は、いかなる当業者であっても、本開示を製造または使用できるように適用される。これらの態様へのさまざまな変形は、当業者に容易に明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の態様に適用されうる。このように、本開示は、本明細書で示された態様に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規な特徴と一致した最も広い範囲に相当することが意図されている。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]無線通信のための方法であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定することと、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定することと、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信することと、
を備える方法。
[2]前記近隣のBSは、前記示されたリソースでビームフォーミングを用い、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIが、前記サービス提供BSへ送信される、[1]に記載の方法。
[3]前記RSは、チャネル状態情報−基準信号(CSI−RS)を備える、[1]に記載の方法。
[4]前記決定することは、前記サービス提供BSによって提供される、特定のCSI−RSコンフィギュレーションを示す値を復号することを備える、[3]に記載の方法。
[5]前記特定のCSI−RSコンフィギュレーションは、前記サービス提供セルのためのゼロ電力CSI−RSコンフィギュレーションを備える、[4]に記載の方法。
[6]ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションを、前記サービス提供BSから受信することをさらに備え、
前記ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションは、隣接するBSによってUEへ提供されたミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションとは異なる、[4]に記載の方法。
[7]自身のUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーショと、前記隣接するBSによってUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーションとの両方において、おのおののBSがミュートする、[6]に記載の方法。
[8]前記UEは、送信モード1と送信モード8とのうちの何れかの送信モードを使用するように構成され、提供されたCSI−RSコンフィギュレーションを使用する、[4]に記載の方法。
[9]前記RSコンフィギュレーションは、前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するためのアンテナ・ポート毎のリソース・ブロック(RB)毎に、複数のリソース要素(RE)を定義する、[1]に記載の方法。
[10]前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するために、複数のRSコンフィギュレーションが前記UEへ提供される、[1]に記載の方法。
[11]前記推定することは、
少なくとも1つの近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信することと、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定することとを備える、[1]に記載の方法。
[12]前記UEは、前記サービス提供BSから、適切なラジオ・リソース制御(RRC)情報要素によって、前記バンドリング・サイズを受信する、[11]に記載の方法。
[13]無線通信のための装置であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定する手段と、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定する手段と、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算する手段と、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信する手段と、
を備える装置。
[14]前記近隣のBSは、前記示されたリソースでビームフォーミングを用い、
前記近隣のBSとのビームフォーム送信を調整する際に使用するために、前記CSIが、前記サービス提供BSへ送信される、[13]に記載の装置。
[15]前記RSは、チャネル状態情報−基準信号(CSI−RS)を備える、[13]に記載の装置。
[16]前記決定する手段は、前記サービス提供BSによって提供される、特定のCSI−RSコンフィギュレーションを示す値を復号する手段を備える、[15]に記載の装置。
[17]前記特定のCSI−RSコンフィギュレーションは、前記サービス提供セルのためのゼロ電力CSI−RSコンフィギュレーションを備える、[16]に記載の装置。
[18]ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションを、前記サービス提供BSから受信する手段をさらに備え、
前記ミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションは、隣接するBSによってUEへ提供されたミュートされたCSI−RSコンフィギュレーションとは異なる、[16]に記載の装置。
[19]自身のUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーショと、前記隣接するBSによってUEへ提供されたCSI−RSコンフィギュレーションとの両方において、おのおののBSがミュートする、[18]に記載の装置。
[20]前記UEは、送信モード1と送信モード8とのうちの何れかの送信モードを使用するように構成され、提供されたCSI−RSコンフィギュレーションを使用する、[16]に記載の装置。
[21]前記RSコンフィギュレーションは、前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するためのアンテナ・ポート毎のリソース・ブロック(RB)毎に、複数のリソース要素(RE)を定義する、[13]に記載の装置。
[22]前記近隣のBSによって引き起こされる干渉を推定するために、複数のRSコンフィギュレーションが前記UEへ提供される、[13]に記載の装置。
[23]前記推定する手段は、
前記近隣のBSによって使用されるビームおよび送信電力のうちの少なくとも1つが一定を保つ、連続した物理リソース・ブロック(PRB)の数を示すバンドリング・サイズを受信する手段と、
前記連続的なPRBのセットの境界において干渉が劇的に変化しうると仮定して干渉を推定する手段とを備える、[13]に記載の装置。
[24]前記UEは、前記サービス提供BSから、適切なラジオ・リソース制御(RRC)情報要素によって、前記バンドリング・サイズを受信する、[23]に記載の装置。
[25]無線通信のための装置であって、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信するリソースを示すRSコンフィギュレーションを、少なくとも1つのサービス提供BSによってサービス提供されているユーザ機器(UE)において決定し、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定し、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算し、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信するように適応された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと、
を備える装置。
[26]格納された命令群を有するコンピュータ読取可能な媒体を有するコンピュータ・プログラム製品であって、
前記命令群は、
1または複数の近隣の基地局(BS)が基準信号(RS)またはデータを送信している間、少なくとも1つのサービス提供BSがユーザ機器(UE)へ送信することを控えるためのリソースを示すRSコンフィギュレーションを、前記UEにおいて決定することと、
前記示されたリソースで前記近隣のBSによって送信されたRSまたはデータに基づいて、前記近隣のBSによって引き起こされ、前記UEによって観察される干渉を推定することと、
この干渉推定を用いて、チャネル状態情報(CSI)を計算することと、
前記近隣のBSとの送信を調整する際に使用するために、前記CSIを前記サービス提供BSへ送信することと、
のために1または複数のプロセッサによって実行可能である、コンピュータ・プログラム製品。
図1
図2
図2A
図3
図4
図4A