【課題を解決するための手段】
【0007】
有利な構成はそれぞれの従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0008】
本発明は、車両の走行中に少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループを検出するための方法において、該方法が、
−センサの検知範囲で少なくとも1つの第1の照明ユニットを検知し、その後前記センサの前記検知範囲から前記第1の照明ユニットが出たことを検知するステップ、
−前記第1の照明ユニットが前記センサの前記検知範囲から出た後に前記車両が走行した距離の測定を開始し、および/または、前記第1の照明ユニットが前記センサの前記検知範囲から出た後に前記車両が走行した時間の測定を開始するステップ、
−第2の照明ユニットが前記センサの前記検知範囲から出るまでに測定した距離が、距離閾値に対し所定の関係にあるときに、および/または、前記第2の照明ユニットが前記センサの前記検知範囲から出るまでに測定した時間が、時間閾値に対し所定の関係にあるときに、前記第1の照明ユニットを前記第2の照明ユニットとともに、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成る前記グループに編成するステップ、および/または、
−現時点で測定した前記距離が前記距離閾値よりも大きいときには、および/または、現時点で測定した前記時間が前記時間閾値よりも長いときには、前記第1の照明ユニットを前記第2の照明ユニットとともに、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成る前記グループに編成しないステップ、
を有している方法を提供する。
【0009】
本発明は、さらに、本発明による方法の前記ステップを対応するシステムで実施または置換するように構成された装置を提供する。特に、このような装置は、前記方法のそれぞれのステップを実施するように構成されたユニットを有している。装置の形態での本発明のこの実施態様によっても、本発明の課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
【0010】
装置とは、本発明においては、センサ信号を処理し、これに依存して制御信号またはデータ信号を出力する電気機器と理解してよい。装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして構成されていてよいインターフェースを有していてよい。ハードウェアとして構成した場合、インターフェースはたとえば、装置の種々の機能を含有しているいわゆるASICシステムの一部分であってよい。しかしながら、インターフェースが固有の集積回路であってよく、或いは、少なくとも部分的に個別部品から成っていてよい。ソフトウェアとして構成した場合、インターフェースは、たとえば他のソフトウェアモジュールに並設されてマイクロコンピュータに設けられたソフトウェアモジュールであってよい。
【0011】
半導体メモリのような機械で読み取り可能なキャリア、ハードディスクメモリまたは光学メモリに記憶されていてよく、前述の実施態様に記載の方法を実施するために使用される、プログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品において、プログラムがコンピュータまたは装置で実施されるならば、有利である。
【0012】
照明ユニットとは、走行軌道の領域内または走行軌道の縁に設けられた、光をアクティブに放出する構造的処置(インフラストラクチュア処置)または構造物と見なすことができる。たとえば、このような照明ユニットは街灯、光を放つ交通標識、または信号機の信号灯であってよい。少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループとは、空間的に近接して配置されている2つの照明ユニットの集団と理解してよい。この場合、照明ユニットはたとえば車両が走行中に走行する走行軌道の縁または走行軌道上に配置され或いは検知される。センサとは、たとえばカメラのような光学センサと理解してよい。検知範囲とは、センサによって監視される範囲と理解してよい。検知範囲から照明ユニットが消えるまたは出るとは、車両が移動しているときにこれら照明ユニットがセンサの検知範囲から出ることと理解してよいが、照明ユニットが通過するのではなく、車両が(その中に配置されているセンサとともに)照明ユニットのそばを通過する。車両が走行する距離とは、たとえば、(たとえばメートルまたはセンチメートルで測定した)路程と理解してよい。この路程は、たとえばセンサによって受信されたイメージを分析することによって特定され、それから車両の車速および/または車両が進んだ距離を推定することができる。これとは択一的に、または、これに加えて、車速を推定するために、たとえば車両の車輪回転数センサの信号を利用することができる。少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループの特定は次のように行うことができ、すなわち検知した距離が距離閾値に対し所定の関係にあるときに、および/または、検知した時間が時間閾値に対し所定の関係にあるときに、第1および第2の照明ユニットが少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに割り当てられるように行うことができる。この場合、特に検知した距離は距離閾値よりも小さく、または、検知した時間は時間閾値よりも短い。
【0013】
本発明は、特定の判断基準があれば、センサの検知範囲内で検知された個々の照明ユニットは照明ユニットのグループに編成できるという認識に依拠している。本発明は、この照明ユニットのグループが、センサの検知範囲において検知された照明ユニットのその後の分析に対し、個別に検知した照明ユニットをベースにしただけの分析よりも、特に走行軌道の延在態様に関して、或いは、車両が閉じた場所での走行軌道で直線走行しているかどうか、或いは、道路全体照明で走行しているかどうかの判断に関して、車両の周囲に関するより正確でより詳細な推定を提供するという利点をもたらす。たとえば2つの街灯が道路の隅角部にあってこれによって視野から遮られている場合、必ずしも両街灯が同時にイメージ内で視認可能である必要はなく、互いに近接して位置していればよい。走行した距離が編成のために使用される距離よりもすでに長い場合、有利には、第2の街灯が検知範囲から消えるまで待つ必要はない。これによってより迅速に反応することができ、早い時点で道路全体照明を検知することができる。
【0014】
好ましくは、本発明の他の実施態様によれば、編成するステップで、前記距離が距離閾値よりも短いときに、第1の照明ユニットと第2の照明ユニットとを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成し、および/または、編成するステップで、前記時間が時間閾値よりも短いときに、第1の照明ユニットと第2の照明ユニットとを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成する。本発明のこの種の実施態様は、距離閾値または時間閾値を使用することによって、どの程度の距離または間隔で両照明ユニットを互いに(共通の)グループに編成するか、および/または、どの(走行)時間から両照明ユニットを(共通の)グループに編成するかを非常に精密に定義できるという利点をもたらす。これにより、対応する照明ユニットを含んでいるグループの「空間的拡がり」を調整することができる。ここで提案される査定態様で使用される閾値はたとえば可変であってもよく、および/または、走行中に適合させてもよい。
【0015】
本発明の他の有利な実施態様によれば、編成するステップで、前記距離が距離閾値よりも長いときに、第1の照明ユニットと第2の照明ユニットとを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成る前記グループに編成せず、および/または、編成するステップで、前記時間が時間閾値よりも長いときに、第1の照明ユニットと第2の照明ユニットとを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成しない。本発明のこの種の実施態様は、第1の照明ユニットと第2の照明ユニットとの間で走行されるどの区間から、および/または、第1の照明ユニットがセンサの検知範囲から出た時点と、第2の照明ユニットがセンサの検知範囲から出た時点との間で経過するどの(走行)時間から、少なくとも2つの照明ユニットを(共通の)グループに編成すべきでないかの明確な判断基準があるという利点をもたらす。これにより、センサのイメージのその後の処理において、両照明ユニットが(空間的に互いに十分)切り離された、或いは、隔てられた照明ユニットとして見なされることを保証できる。
【0016】
特に好ましい実施態様は、前記距離および/または前記時間を、第1の照明ユニットが出たときから測定するならば得られる。編成するステップにおいて、第1の照明装置が出
た以降の距離が距離閾値よりも大きいときに、および/または、第1の照明装置が出
てから経過した時間が時間閾値よりも大きいときに、第1および第2の照明ユニットを2つの隣接しあっている照明装置のグループに編成しないようにすることができ、その際第2の照明装置はセンサの検知範囲から出ている必要はない。これにより、システム全体は、隣接しあっている照明装置のグループに統合できない2つの照明装置に反応することができ、しかも第2の照明装置が検知範囲から消える前に反応することができる。このようにして、たとえば道路全体照明を早期に検知でき、たとえばハイビームからロービームへ減光させることができる。
【0017】
さらに、本発明の好ましい実施態様では、検知するステップで、第3の照明ユニットを検知し、その際編成するステップで、第1の照明ユニットがセンサの検知範囲から出たときから、第3の照明ユニットがセンサの検知範囲から出るまでに車両が走行した他の距離が、距離閾値に対し所定の関係にあるときに、第3の照明ユニットを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成する。これとは択一的に、または、これに加えて、編成するステップで、第1の照明ユニットがセンサの検知範囲から出たときから、第3の照明ユニットがセンサの検知範囲から出るまでに車両が走行した時間が、時間閾値に対し所定の関係にあるときに、第3の照明ユニットを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成する。本発明のこのような実施態様は、2つ以上の照明ユニットが空間的に、または、センサの検知範囲から第1の照明ユニットが出たときからの走行時間に関して、非常に近接して位置していると見なされるならば、これら2つ以上の照明ユニットも照明ユニットの(共通の)グループに編成できるという利点をもたらす。従って、空間的に密に隣接しあって配置されている2つ以上の検知された照明ユニットのその後の処理においても単一の照明ユニットとして判断または査定されることができる。このようにして、センサによって検知される個々の照明ユニットの分析時のエラーを減少させることができる。
【0018】
さらに、本発明の好ましい実施態様では、検知するステップで第3の照明ユニットを検知し、その際編成するステップで、第1の照明ユニットがセンサの検知範囲から出たときから、第3の照明ユニットがセンサの検知範囲から出るまでに車両が走行した他の距離が、距離閾値に対し所定の関係にないときに、第3の照明ユニットを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成しない。これとは択一的に、または、これに加えて、編成するステップで、第1の照明ユニットがセンサの検知範囲から出たときから、第3の照明ユニットがセンサの検知範囲から出るまでに車両が走行した時間が、時間閾値に対し所定の関係にないときに、第3の照明ユニットを少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットから成るグループに編成しない。本発明のこのような実施態様は、同様に、どの照明ユニットをグループに統合すべきでないか、検知されたどの他の照明ユニットを照明ユニットの上記グループに編成しないかの明確な判断基準があるという利点をもたらす。このようにして、同様に、検知した照明ユニットの、または、グループに編成すべき照明ユニットの、その後の更なる処理での結果を改善させることができる。
【0019】
本発明の特に有利な実施態様は、第3の照明ユニットを検知するものの、第1の照明ユニットが出た以降の走行距離が距離閾値よりも大きい場合には、および/または、第1の照明ユニットが出てから経過した時間が時間閾値よりも長い場合には、第3の照明ユニットを少なくとも2つの隣接し合っている照明ユニットから成るグループに編成せず、その際第3の照明ユニットは引き続き視認可能である。第3の照明ユニットが出るまで待たないことにより、複数の照明ユニットがあることに即座に反応することができ、これによってたとえば道路全体照明の際に即座に減光させることができる。
【0020】
特に有利には、本発明の更なる実施態様によれば、車両が走行する走行軌道に沿って走行軌道全体照明を検知するための方法において、
−少なくとも1つの単独の照明ユニットと、前述の実施態様による方法を実施することによって検知されたような、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループとを検知するステップと、
−少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループを単独の照明ユニットとして査定するステップと、
−単独の照明ユニットと、単独の照明ユニットとして査定された、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループとを使用して、走行軌道全体照明を検知するステップと、
が設けられている。
【0021】
本発明のこの種の実施態様は、特に空間的に近接して配置されている複数の照明ユニットを複数の別個の(すなわち切り離された)照明ユニットとして評価するのではなく、ただ1つの(場合によっては「大きな」)照明ユニットとして評価する場合に、センサによって検知された複数の照明ユニットを処理する際の確率誤差を著しく減少させることができるという利点をもたらす。
【0022】
本発明の更なる実施態様によれば、検知するステップにおいて、車両が、単独の照明ユニットとして査定された、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループの位置と、単独の照明ユニットの位置との間を所定走行距離走行したときに、および/または、所定走行時間走行したときに、走行軌道全体照明があることを検知するのが特に有利である。これとは択一的に、または、これに加えて、検知するステップにおいて、車両が、単独の照明ユニットの位置と、単独の照明ユニットとして査定された、少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループの位置との間を所定走行距離走行したときに、および/または、所定走行時間走行したときに、走行軌道全体照明があることを検知する。本発明のこの種の実施態様は、複数の照明ユニットのグループと1つの別個の照明ユニットとを考慮することで、単独のそれぞれの照明ユニットを別個に考慮する場合よりも、走行軌道全体照明があることを確認する際の誤差確率を著しく減少させることが可能になるという利点をもたらす。
【0023】
特に有利な本発明の実施態様では、車両の少なくとも1つの前照灯の光送出を制御する方法において、該方法は、
−前述した実施態様に従って走行軌道全体照明を検知するステップと、
−少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループがあることを検出したことに応答して車両の少なくとも1つの前照灯の光送出を変化させ、特に少なくとも2つの隣接しあって配置されている照明ユニットのグループが出現したことを検知した時点に対し所定の関係がある時点で、車両の少なくとも1つの前照灯の光送出を変化させるステップと、
を有している。
【0024】
本発明のこの種の実施態様は、これにより、検知した照明ユニットによって走行軌道全体照明があるかどうかを推定する際の確率誤差をより小さくさせ、よって車両が走行する実際の環境に合わせて光送出を(時間的および空間的に)より正確に切換えることが可能になるという利点をもたらす。
【0025】
次に、本発明を添付の図面を用いて詳細に説明する。