(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のRATは、GSM(Global System for Mobile Communications)または1x(Code Division Multiple Access 2000 (CDMA2000) 1xRTT)の1つであり、
前記第2のRATは、LTE(Long Term Evolution)である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
前記第1の無線機および前記第2の無線機のどちらが現在保留されている音声通話を有するかに基づいて、前記データ通信を実行するために、利用可能なスロットを前記第1の無線機および前記第2の無線機から動的に選択するステップをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
現在保留されている音声通話を前記第1の無線機および前記第2の無線機のいずれも有さない場合、前記データ通信を実行するために、利用可能なスロットを前記第1の無線機および前記第2の無線機から動的に選択するステップをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示に記載される実施形態は、様々な修正形態および代替形態を受け入れる余地があるが、それらのうち特定の実施形態が例として図面に示され、また本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、実施形態を開示された特定の形態に限定することを意図しておらず、むしろ、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に包含されるすべての変形物、均等物、及び代替物に及ぶことが意図されていることを理解すべきである。
【0015】
略語
本開示において、以下の略語を用いる。
3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト
3GPP2:第3世代パートナーシッププロジェクト2
CDMA:符号分割多元接続
CDRX:接続不連続受信
DRX:不連続受信
DSDA:デュアルSIMデュアルアクティブ
DTX:不連続送信
GSM:Global System for Mobile Communication
LTE:ロングタームエボリューション
RAT:無線アクセス技術
RX:受信
SIM:加入者識別モジュール
TX:送信
UE:ユーザ端末
UMTS:Universal Mobile Telecommunications System
【0016】
用語
以下、本願で用いる用語に関して解説する。
記憶媒体 - 様々なタイプのメモリデバイスまたはストレージデバイスのいずれかである。用語「記憶媒体」は、例えばCD-ROM、フロッピーディスク(登録商標)、またはテープデバイスであるインストール媒体、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、ラムバスRAMなどのようなコンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ(登録商標)のような不揮発性メモリ、例えばハードディスクドライブである磁気メディア、または光記憶装置、レジスタ、または他の同様な形式のメモリ素子などを含むことが意図されている。記憶媒体はさらに他のタイプのメモリや、それらの組み合わせを含むことができる。また、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムに配置されてもよいし、インターネットなどのネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステム内に配置されてもよい。後者の場合、第2のコンピュータシステムは、実行のためにプログラム命令を第1のコンピュータに提供することができる。用語「記憶媒体」は、別の場所、例えばネットワークを介して接続された別のコンピュータシステム、に存在しうる2つ以上の記憶媒体を含むことができる。記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されてもよい、(例えば、コンピュータプログラムとして実現された)プログラム命令を格納してもよい。
【0017】
搬送媒体 - 上述したような記憶媒体、並びに、バス、ネットワーク、および/または電気信号、電磁気信号、またはデジタル信号のような信号を搬送する他の物理的伝送媒体のような物理的な伝送媒体である。
【0018】
コンピュータシステム - パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、パーソナル通信装置、スマートフォン、テレビジョンシステム、グリッドコンピューティングシステム、その他のデバイス、またはデバイスの組み合わせを含む、コンピューティングまたは処理システムの様々なタイプのいずれか。一般に、用語「コンピュータシステム」は記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(またはデバイスの組み合わせ)を包含するために広く定義することができる。
【0019】
ユーザ端末(UE)(または「UE装置」) - モバイルまたはポータブルであり、無線通信を行う、コンピュータシステム装置の様々なタイプのいずれか。UE装置の例には、携帯電話やスマートフォン(例えば、iPhone(商標)を、アンドロイド(商標)ベースの携帯電話)、携帯ゲーム機(例えば、ニンテンドーDS(商標)、プレイステーションポータブル(商標)、ゲームボーイアドバンス(商標)、iPhone(商標))、ノートパソコン、PDA、携帯型インターネットデバイス、音楽プレイヤー、データ記憶装置、他のハンドヘルドデバイス、ならびに腕時計、ヘッドフォン、ペンダント、イヤフォンなどのウェアラブルデバイスなどが含まれる。用語「UE」または「UE装置」は、ユーザが容易に持ち運べ、無線通信が可能な任意の電子機器、コンピュータ機器、および/または通信機器(または機器の組み合わせ)を包含するように広く定義することができる。
【0020】
基地局 - 用語「基地局」は、その一般的な全ての意味を有し、かつ、固定位置に設置されて無線電話システムまたは無線システムの一部として通信するために用いられる無線通信局を少なくとも含む。
【0021】
処理要素 - 様々な要素または要素の組合せを指す。処理要素は例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)のような回路、個々のプロセッサコアの一部または回路、プロセッサコア全体、個々のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルハードウェアデバイス、および/または複数のプロセッサを含むシステムの、より大きな部分を含む。
【0022】
自動的に - 動作や操作を直接指定したり実行したりするユーザ入力なしに、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムにより実行されるソフトウェア)や、デバイス(例えば、回路、プログラマブルハードウェア要素、ASICなど)によって実行される動作や操作を指す。したがって、用語「自動的に」は、ユーザが操作を直接実行するための入力を提供する、ユーザによって手動で実行または指定される操作とは対照的である。自動手順はユーザによって与えられる入力によって開始されてよいが、「自動的に」実行されるその後の動作はユーザにより指定されない(すなわち、ユーザが個々の動作の実行を指定する「手動の」実行はされない)。例えば、ユーザは、(例えば情報をタイプしたり、チェックボックスを選択したり、ラジオボタンを選択したりすることによって)各フィールドを選択し、情報を指定する入力を与えることによる電子フォームのユーザ記入は、コンピュータシステムがユーザの動作に応答してフォーム更新する必要があるものの、フォームの手動記入である。フォームはコンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、その場合、コンピュータシステム(例えばコンピュータシステム上で稼働するソフトウェア)がフォームのフィールドを解析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力なしでフォームへの記入を行う。上に示したように、ユーザはフォームの自動記入を起動することができるが、それはフォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザはフィールドへの回答を手動で指定しておらず、それらは自動的に記入されている)。本明細書は、ユーザが取った行動に応答して自動的に実行される動作の様々な例を提供する。
【0023】
図1 - ユーザ端末
図1は、一実施形態に係る例示的なユーザ端末(UE)106を示す。用語UE106は、先に定義された様々な機器のいずれであってもよい。UE装置106は、様々な材料のいずれかから構成されてよい筐体12を含むことができる。UE106はディスプレイ14を有することができ、ディスプレイ14は容量性接触電極を組み込んだタッチスクリーンであってよい。ディスプレイ14は、様々なディスプレイ技術のいずれに基づいてもよい。UE106の筐体12は、ホームボタン16、スピーカポート18、およびマイクロホン、データポート、および、場合によっては例えばボリュームボタン、リンガーボタンなど様々な他のタイプのボタンのような他の要素(図示せず)などの様々な要素のいずれかのための開口部を含むか、有することができる。
【0024】
UE106は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートしてもよい。例えば、UE106は、GSM(Global System for Mobile Communications)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA(Code Division Multiple Access)、例えばCDMA2000 1xRTTや他のCDMA無線アクセス技術、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE Advanced)および/または他のRATの2つ以上のような種々のRATのいずれかを用いて通信するように構成されてよい。例えば、UE106は、LTEおよびGSMのような少なくとも2つの無線アクセス技術をサポートしてもよい。要望に応じて、異なる、または他の様々なRATがサポートされてもよい。
【0025】
UE106は、少なくとも2つのアンテナを有してよい。UE106はまた、1つ以上の送信機チェーン(TXチェーン)および2つ以上の受信機チェーン(RXチェーン)の種々の組み合わせのような、種々の無線機構成のいずれかを有してよい。例えば、UE106は、各々が1つ以上のRATをサポートしてよい2つの無線機を有してよい。2つの無線機はそれぞれ、1つのTX(送信)チェーンと、1つのRX(受信)チェーンを有してよい。あるいは、2つの無線機はそれぞれ、RXチェーンを有し、1つのTXチェーンを共有してもよい。
【0026】
本明細書に記載される実施形態において、UE106は、2つ以上のRATを用いて通信する2つのアンテナを有する。例えば、UE106は、それぞれが別個の1つの無線機に接続されている、1組の携帯電話アンテナを有してよい。2つの無線機が1つのTXチェーンを共有する場合、アンテナは、切り替え回路と他の無線周波数フロントエンド回路とを用いて、無線機の共有部分(共有無線通信回路)に接続されてよい。例えば、UE106は、送受信機または無線機に接続された第1のアンテナ、すなわち、送信のために送信機チェーン(TXチェーン)に接続され、かつ受信のために第1の受信機チェーン(RXチェーン)に接続された第1のアンテナ、を有してよい。UE106はまた、第2のRXチェーンに接続された第2のアンテナを有してよい。第2のアンテナもまた、第1のTXチェーンに接続されてよい。第1および第2の受信機チェーンは、2つの無線機のそれぞれでの同時音声通話を可能にするため、別個の周波数であってよい。第1および第2の受信チェーンはさらに、共通の局部発振器を共有してもよく、つまり、第1および第2の受信チェーンはいずれも同じ周波数に同調可能である。
【0027】
いくつかの実施形態において、各無線機は、LTEおよび、GSMやCDMA1xのような他のRATの1つ以上のような2つ以上のRATを時分割多重してもよい。本明細書に記載される主要な実施形態において、UE106は、それぞれが1つの送信機チェーンおよび1つの受信機チェーンを有する、2つの無線機を有し、各無線機はLTEとGSMのような2つ(またはそれより多くの)RATを時分割多重することができる。
【0028】
各アンテナは600MHzから3GHzといった広範囲の周波数を受信してよい。したがって、例えば、1つの受信機チェーンの局部発振器は、LTE周波数帯域のような特定の周波数に同調してもよい。UE106の無線回路は、UE106に求められる動作モードに応じてリアルタイムに構成することができる。本明細書に記載される例示的な実施形態では、UE106がLTE、GSM、および1xの無線アクセス技術をサポートするように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態において、UE106は、各々が1つ以上のRATをサポートする1つ以上の加入者識別モジュール(SIM)を有する。例えば、第1のSIMはGSM、”1x”(符号分割多元接続2000(CDMA2000) 1x)、1xEV−DO(Evolution-Data Only)、W−CDMA(広帯域符号分割多元接続)、およびLTE(Long Term Evolution)の1つ以上をサポートしてよい。いくつかの実施形態において、第2のSIMは、GSMをサポートしてよい。他の実施形態において第2のSIMは、LTEのような他の追加のRATをサポートしてもよい。
【0030】
図2 - 通信システム
図2は、例示的な(かつ単純化された)無線通信システムを示す。なお、
図2のシステムは、可能性のあるシステムの単なる一例であり、要求に応じて実施形態は様々なシステムのいずれでも実施されうることに留意されたい。
【0031】
図示の通り、例示的な無線通信システムは、UE106として表される1つ以上のユーザ端末(UE)装置と伝送媒体を介して通信する基地局102Aおよび102Bを含む。基地局102は、基地送受信機局(BTS)またはセルサイトであってもよく、そしてUE106との無線通信を可能にするハードウェアを含むことができる。基地局102のそれぞれは、コアネットワーク100と通信する機能をさらに有してもよい。例えば、基地局102Aはコアネットワーク100Aに接続され、一方で基地局102Bがコアネットワーク100Bに接続されてよい。コアネットワーク100のそれぞれは、さらに(例えば、外部ネットワーク108のような)1つ以上の外部ネットワークに接続されてよい。外部ネットワークは、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、および/または他のネットワークを含んでよい。したがって、基地局102は、UE装置106間、および/またはUE装置106とネットワーク100A、100B、および108との間の通信を容易にすることができる。
【0032】
基地局102と複数のUE106は、GSM、UMTS、LTE、LTE−A、CDMA2000(例えば1xRTT、1xEV−DO、HRPD、eHRPD)などのような様々なRAT(無線通信技術や通信規格とも呼ばれる)のいずれかを用いて伝送媒体を介して通信するように構成されてよい。
【0033】
基地局102Aとコアネットワーク100Aは第1のRAT(例えばLTE)に従って動作してよく、基地局102Bとコアネットワーク100Bは第2の(例えば、別の)RAT(例えば、GSM、CDMA2000、または他のレガシあるいは回線交換技術)に従って動作してよい。2つのコアネットワークは、要求に応じて、同じネットワークオペレータ(例えば、携帯電話サービスプロバイダまたは「キャリア」)によって、あるいは別個のネットワークオペレータによって制御されうる。また、2つのコアネットワークは、互いに独立して操作されてもよいし(例えば、コアネットワークが別個のRATに従って動作する場合)、またはある程度関連した方法、あるいは緊密に関連した方法で操作されてもよい。
【0034】
図2に示した例示的なネットワーク構成に記載されるように、2つの異なるRATをサポートするために2つの異なるネットワークを用いてもよいが、複数のRATを実施する他のネットワーク構成も可能であることにも留意されたい。一例として、基地局102Aおよび102Bは、同一のコアネットワークに接続しながら、異なるRATに従って動作するかもしれない。別の例として、異なるRAT(例えば、LTEおよびGSM、LTEおよびCDMA2000 1xRTT、および/またはRATの他の任意の組合せ)を同時にサポート可能なマルチモード基地局は、その異なるセルラ通信技術をサポートするコアネットワークに接続されるかもしれない。一実施形態においてUE106は、パケット交換技術(例えば、LTE)である第1のRATと、回路交換技術(例えば、GSMまたは1xRTT)である第2のRATとを用いるように構成されてもよい。
【0035】
上述したように、UE106は、3GPP、3GPP2、または任意の所望のセルラ規格に含まれるような複数のRATを用いて通信可能であってよい。UE106はまた、WLAN、ブルートゥース、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS、例えば、GPSまたはGLONASS)の1つ以上、1つおよび/または複数のモバイルテレビ放送規格(例えば、ATSC−M/HまたはDVB−H)などを用いて通信するように構成されてもよい。ネットワーク通信規格の他の組み合わせもまた可能である。
【0036】
したがって、同一または異なるRATまたはセルラ通信規格に従って動作する基地局102Aおよび102Bならびに他の基地局は、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)によって広い地理的領域にわたって途切れなく、またはほぼ途切れなく共通したサービスをUE106および同様の装置に提供可能なセルのネットワークとして提供されうる。
【0037】
図3 - 基地局
図3は、基地局102の例示的なブロック図を示す。なお、
図3の基地局は可能性のある基地局の単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図示のとおり基地局102は、基地局102のためのプログラム命令を実行することができる1つ以上のプロセッサ504を含んでもよい。1つ以上のプロセッサ504はまた、メモリ管理ユニット(MMU)540にも接続されてよく、MMU540は1つ以上のプロセッサ504からアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えばメモリ560および読み出し専用メモリ(ROM)550)内の位置や、他の回路または装置に変換するように構成されてよい。
【0038】
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート570を含むことができる。ネットワークポート570は、電話網に接続し、UE装置106のような複数の装置に、上述したような電話ネットワークへのアクセスを提供するように構成されてよい。
【0039】
ネットワークポート570(または追加のネットワークポート)はさらに、または代替的に、セルラネットワーク、例えば、セルラサービスプロバイダのコアネットワークに接続するように構成されてもよい。コアネットワークは、UE装置106などの複数の装置に、モビリティ関連サービスおよび/または他のサービスを提供してよい。場合により、ネットワークポート570がコアネットワークを介して電話網に接続してもよいし、および/またはコアネットワークが(例えば、同じセルラサービスプロバイダによってサービスされる他のUE装置106との間に)電話ネットワークを提供してもよい。
【0040】
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ534を含んでよい。少なくとも1つのアンテナ534は無線送受信機として動作するように構成されてよく、さらに、無線機530を介してUE装置106と通信するように構成されてもよい。アンテナ534は、通信チェーン532を介して無線機530と通信する。通信チェーン532は、受信チェーンと、送信チェーン、またはその両方であってよい。無線機530は、LTE、GSM、WCDMA、CDMA2000などを含む様々なRATによって通信するように構成されてよいが、RATはここに例示したものに限定されない。
【0041】
基地局102の1つ以上のプロセッサ504は、例えば記憶媒体(例えば、恒久的なコンピュータ可読記憶媒体)に格納されたプログラム命令を実行することにより、本明細書に記載された方法の一部または全部を実施するように構成されてよい。あるいは、プロセッサ504は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラマブルハードウェア要素として、またはASIC(特定用途向け集積回路)として、またはそれらの組み合わせとして構成されてよい。
【0042】
図4 - ユーザ端末(UE)
図4は、UE106の簡略化したブロック図の例を示す。図示の通りUE106は、様々な目的のための部分を含むことができるシステムオンチップ(SOC)400を含んでよい。SOC400は、UE106の様々な他の回路に接続してもよい。例えば、UE106は、(例えばNANDフラッシュ410を含む)様々なタイプのメモリ、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーションなどに接続するための)コネクタインタフェース420、ディスプレイ460、LTE、GSMといったセルラ通信回路430、および近距離無線通信回路429(例えば、ブルートゥースおよび無線LAN回路)を含んでよい。UE106はさらに、1つ以上のUICC(Universal Integrated Circuit Card)のような、SIM(加入者識別モジュール)の機能を有する1つ以上のスマートカード310を含んでもよい。セルラ通信回路430は1つ以上のアンテナ、好ましくは図示されるように2つのアンテナ435および436、に接続してよい。近距離無線通信回路429もまた、アンテナ435および436の一方または両方に接続してよい(この接続可能性については、図の平易さのために示していない)。
【0043】
図示のとおりSOC400は、UE106および表示回路404のためのプログラムを実行することのできる1つ以上のプロセッサ402を含んでよい。表示回路404はグラフィックス処理を実行し、ディスプレイ460に表示信号を提供することができる。1つ以上のプロセッサ402は、メモリ管理ユニット(MMU)440にも接続されてよい。MMU440は1つ以上のプロセッサ402からのアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えばメモリ406、読み出し専用メモリ(ROM)450、NANDフラッシュメモリ410)内の位置、および/または表示回路404、セルラ通信回路430、短距離無線通信回路429、コネクタI/F420、および/またはディスプレイ460のような他の回路や装置に変換する。MMU440はメモリ保護およびページテーブルの変換や設定を行うように構成されてよい。いくつかの実施形態においてMMU440は1つ以上のプロセッサ402の一部として含まれてもよい。
【0044】
上述したように、一実施形態においてUE106は、UICC310のような、加入者識別モジュール(SIM)アプリケーションを実行する、および/またはSIM機能を実装する少なくとも1つのスマートカード310を有する。少なくとも1つのスマートカード310は単一のスマートカード310だけであってもよいし、UE106は2つ以上のスマートカード310を有してもよい。各スマートカード310は例えばUE内の回路基板に半田付けされるなど、組み込みされてもよいし、各スマートカード310は取り外し可能なスマートカードとして実装されてもよい。したがって、1つ以上のスマートカード310は、(「SIMカード」とも呼ばれるUICCカードのような)1つ以上の取り外し可能なスマートカードであってもよく、および/または1つ以上のスマートカード310は、(「eSIM」や「eSIMカード」とも呼ばれる組み込みUICC(eUICC)のような、1つ以上の組み込みカードであってもよい。(1つ以上のスマートカード310がeUICCを含む場合のような)いくつかの実施形態において、1つ以上のスマートカード310は組み込みSIM(eSIM)の機能を実施してよい。このような実施形態において、単一のスマートカード310が複数のSIMアプリケーションを実行してもよい。1つ以上のスマートカード310の各々は、プロセッサおよびメモリのような部品を含むことができる。SIM/eSIM機能を実行するための命令はメモリに格納され、プロセッサによって実行されてよい。一実施形態においてUE106は、必要に応じて、取り外し可能なスマートカードおよび(例えば、eSIM機能を実装する1つ以上のeUICCカードのような)固定/取り外し不能なスマートカードの組み合わせを有してもよい。例えばUE106は、2つの組み込みスマートカード310、2つの取り外し可能なスマートカード310、または1つの組み込みスマートカード310と1つの取り外し可能なスマートカード310の組み合わせを有することができる。種々の他のSIM構成もまた考えられる。
【0045】
上述したように、一実施形態においてUE106は、それぞれがSIM機能を実装する2つ以上のスマートカード310を有する。UE106における2つ以上のSIMスマートカード310の包含により、UE106が2つの異なる電話番号をサポート可能になり、また対応する2つ以上の別個のネットワークでUE106が通信することが可能になるであろう。例えば、第1のスマートカード310はLETのような第1のRATをサポートするためのSIM機能を有してよく、第2のスマートカード310は、GSMのような第2のRATをサポートするためのSIM機能を有してよい。もちろん、他の実装およびRATも可能である。UE106が2つのスマートカード310を有する場合、UE106は、デュアルSIMデュアルアクティブ(DSDA)機能をサポートすることができる。DSDA機能は、UE106が同時に2つのネットワークに接続する(そして2つの異なるRATを使用する)ことを可能にすることができる。DSDA機能はさらに、UE106がどちらの電話番号でも音声通話やデータトラフィックを同時に受信することを可能にすることができる。別の実施形態においてUE106は、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)機能をサポートする。DSDS機能は、UE106の2つのスマートカード310のいずれもが音声通話および/またはデータ接続を待ち受け可能とすることができる。DSDSでは、1つのSIM310で呼/データが確立すると、もう一方のSIM310はアクティブでは無くなる。一実施形態において、DSDx機能(DSDAまたはDSDS機能のいずれか)は、異なるキャリアおよび/またはRATについて複数のSIMアプリケーションを実行する単一のスマートカード(例えばeUICC)よって実施されてもよい。
【0046】
上述したように、UE106は、複数の無線アクセス技術(RAT)を用いて無線通信するように構成することができる。そのような場合、やはり上述したように、セルラ通信回路(1つ以上の無線機)430は、複数のRAT間で共有される無線構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、セルラ通信回路430は、それぞれが受信チェーンおよび送信チェーンを有する2つの別個の無線機を有してよい。いくつかの実施形態において、この2つの無線機は別個のRATスタックをサポートすることができる。さらに、または代替的に、RATスタックの1つ以上がどちらの無線機も利用可能であってもよい。
【0047】
本明細書で説明するように、UE106は、本明細書に記載されるような2つ以上のRATを用いて通信するための機能を実施するためのハードウェアおよびソフトウェア部品を含むことができる。UE装置106のプロセッサ402は、例えば記憶媒体(例えば、恒久的なコンピュータ可読記憶媒体)に格納されたプログラム命令を実行することにより、本明細書に記載の機能の一部または全部を実施するように構成されてよい。あるいは(またはさらに)、プロセッサ402は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)のようなプログラマブルハードウェア要素として、またはASIC(特定用途向け集積回路)として構成されてもよい。あるいは(またはさらに)UE106のプロセッサ402は、他の構成要素400、404、406、410、420、430、435、440、450、460とともに、本命再訴yに記載された機能の一部または全部を実施するように構成されてもよい。
【0048】
図5Aおよび5B - UE送信/受信ロジック
図5Aは、一実施形態に係るUE106の一部を示す。図示のとおり、UE106は、UE106で制御アルゴリズムを実施するための制御コードを格納ならびに実行するように構成された制御回路42を含んでもよい。制御回路42は、記憶および処理回路28(例えば、マイクロプロセッサ、メモリ回路など)を含むことができ、さらにベースバンドプロセッサ集積回路58を含むことができる。ベースバンドプロセッサ58は、無線回路34の一部を形成してもよく、またメモリおよび処理回路を含むことができる(すなわち、ベースバンドプロセッサ58は、UE106の記憶及び処理回路の一部を形成するとみなすことができる)。ベースバンドプロセッサ58は、とりわけ、GSMプロトコルスタック72、LTEプロトコルスタック74、および1xプロトコルスタック76のような種々の異なるRATを処理するためのソフトウェアおよび/またはロジックを有してもよい。
【0049】
ベースバンドプロセッサ58は、経路48を介して記憶および処理回路28(例えば、マイクロプロセッサ、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、他の制御回路)にデータを提供してもよい。経路48上のデータは、セルラ通信データのような、UEセルラ通信および動作に関する生データおよび処理済みのデータ、受信信号に関する無線(アンテナ)性能測定基準(metric)、チューンアウェイ(tune-away)動作に関する情報、呼び出し動作に関する情報などを含みうる。この情報は、記憶および処理回路28および/またはベースバンドプロセッサ58によって解析されてよく、それに応じて記憶および処理回路28(または、必要に応じてベースバンドプロセッサ58)は、無線回路34を制御するための制御コマンドを発行することができる。例えば、記憶および処理回路28は経路52および経路50に制御コマンドを発行することができ、および/またはベースバンドプロセッサ58は経路46および経路51に制御コマンドを発行することができる。
【0050】
無線回路34は、無線周波数送受信機回路60および無線周波数フロントエンド回路62のような無線周波数送受信機回路を含むことができる。無線周波数送受信機回路60は、1つ以上の無線周波数送受信機を含むことができる。図示される実施形態において、無線周波数送受信機回路60は、送信機(TX)チェーン59、受信機(RX)チェーン61、およびRXチェーン63を有している。図示された実施形態は、1つのTXチェーンを共有する2つの無線機を有するものとみなすことができる。もちろん、他の実施形態も考えられる。
【0051】
図5Bに示すように、無線周波数送受信機回路60は、2つ以上のTXチェーンおよび2つ以上のRXチェーンを有してもよい。例えば、
図5Bは、第1の無線機57がTXチェーン59およびRXチェーン61を有し、第2の無線機63が第1のTXチェーン65と第2のTXチェーン67を有する実施形態を示している。
図5Aの実施形態に、すなわち図示される1つのTXチェーン59と2つのRXチェーン61および63に加えて、さらなるTX/RX受信チェインが含まれる実施形態も考えられる。複数のTXおよびRXチェーンを有するこれらの実施形態では、1つの無線機がだけが現在アクティブである場合、2番目の無線機は電力を節約するためオフにされてもよい。したがって、用語「無線機(radio)」は、それの一般的かつ許容される意味の最も広い範囲を有するものとして定義されてよく、また、1つ以上のRXチェーンおよび、単一のTXチェーンまたは他の無線機と共用されるTXチェーンのいずれかを含む、一般的に無線機が有するロジックを有する。本明細書に記載される特定の実施形態は、2つの無線が同時に動作するときの性能を向上させるように機能することができる。
【0052】
ベースバンドプロセッサ58は、記憶および処理回路28から送信されるデジタルデータを受信することができ、対応する無線周波数信号を送信するために、経路46および無線周波数送受信機回路60を用いることができる。無線周波数フロントエンド62は、無線周波数送受信機60とアンテナ40との間に接続され、無線周波数送受信機回路60によって生成される無線周波数信号をアンテナ40に搬送するために用いられてよい。無線周波数フロントエンド62は、無線周波数スイッチ、インピーダンス整合回路、フィルタ、およびアンテナ40と無線周波数送受信機60との間のインターフェースを形成するための他の回路を含むことができる。
【0053】
アンテナ40によって受信された入来無線周波数信号は、無線周波数フロントエンド62、経路54および56のような経路、無線周波数送受信機回路60の受信機回路、および経路46のような経路を介してベースバンドプロセッサ58に供給されてよい。経路54は例えば、送受信機58に関連する信号の処理で用いることができ、一方で経路56は送受信機63に関連する信号の処理で用いることができる。ベースバンドプロセッサ58は、受信信号を、記憶および処理回路28に供給されるデジタルデータに変換することができる。ベースバンドプロセッサ58はまた、送受信機が現在同調されたチャネルに関する信号品質を示す情報を受信信号から抽出することができる。例えば、ベースバンドプロセッサ58および/または制御回路42の他の回路は、ビット誤り率測定値、入来無線信号に関する電力量についての測定値、強度表示(RSSI)情報、受信信号符号電力(RSCP)情報、基準シンボル受信電力(RSRP)情報、信号対干渉比(SINR)情報、信号対雑音比(SNR)情報、Ec/IoまたはEc/Noデータのような信号品質データに基づくチャネル品質測定値などの様々な測定値を生成するために、受信信号を解析することができる。
【0054】
無線周波数フロントエンド62は、切り替え回路を含んでもよい。切り替え回路は、制御回路42からの制御信号(例えば、経路50を介した記憶および処理回路28からの制御信号および/または経路51を介したベースバンドプロセッサ58からの制御信号)によって設定されてもよい。切り替え回路は、アンテナ40Aおよび40Bに1つ以上のTXおよびRXチェーンを接続するために用いられるスイッチ(スイッチ回路)を含むことができる。無線周波数送受信機回路60は、経路52を通じて記憶および処理回路から受信する制御信号および/または経路46を通じてベースバンドプロセッサ58から受信する制御信号によって設定されてよい。
【0055】
制御回路42は、複数の無線アクセス技術を処理するためのソフトウェアを実行するために用いられてよい。例えば、ベースバンドプロセッサ58は、GSMプロトコルスタック72、LTEプロトコルスタック74、および1xプロトコルスタック76のような複数のプロトコルスタックを実施するためのメモリおよび制御回路を含むことができる。したがって、プロトコルスタック72はGSM(一例)のような第1の無線アクセス技術に関連付けられてよく、プロトコルスタック74はLTE(一例)のような第2の無線アクセス技術に関連付けられてよく、プロトコルスタック76は1x(一例)のような第3の無線アクセス技術に関連付けられてよい。UE106は動作中にGSMの機能を処理すツタ目にGSMプロトコルスタック72を用い、LTEの機能を処理するためにLTEプロトコルスタック74を用い、1xの機能を処理するために1xプロトコルスタック76を用いることができる。
【0056】
複数のプロトコルスタックは、(例えば1つ以上の(
図5AおよびBに不図示の)UICC310によって実行されるような)複数のSIMカードまたは複数のSIMアプリケーションを有する単一のSIMカードとして実施されうる、2つ以上のSIMによってサポートされてもよい。他の実施形態においてベースバンドプロセッサ58は、それぞれが別個のプロトコルスタックセットを実施するように構成された複数のベースバンドプロセッサを有してもよい。例えば、第1のベースバンドプロセッサはGSMプロトコルスタックを実施することができ、第2のベースバンドプロセッサは1xおよびLTEプロトコルスタックを実施することができる。この実施形態において、第1および第2のベースバンドプロセッサの各々は、別個のSIMによってサポートされてもよい。例えば、第1のベースバンドプロセッサに接続された第1のSIMはGSMプロトコルスタックをサポートするSIM機能を提供することができ、第2のベースバンドプロセッサに接続された第2のSIMは1xおよびLTEプロトコルスタックをサポートするSIM機能を提供することができる。
【0057】
UE106は必要ならば追加のプロトコルスタック、追加の送受信機、追加のアンテナ40、および他の追加のハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いてもよい。
図5Aおよび5Bの構成は単なる例示である。一実施形態において、1つ以上のプロトコルスタックが、以下のフローチャートに記載される方法を実施するように構成されてもよい。
【0058】
LTE RATはデータトラフィックの搬送に用いられることが多いのに対し、GSMおよび1x RATは音声トラフィックの搬送に用いられることが多い。その音声通話がデータトラフィックに起因して中断されないことを保証するため、GSMおよび1xの動作をLTEの動作よりも優先することができる。入来呼び出し信号に関するGSM呼び出しチャネルの監視のような動作が不必要にLTE動作を混乱させないことを保証するため、制御回路42は、可能な場合は常に、無線リソースがLTE機能とGSMおよび1x機能との間で共有されるようにUE106の無線回路を設定する。
【0059】
例えば、ユーザが入来GSM呼を有する場合、GSMネットワークは、基地局102を用いてGSM呼び出しチャネル上でUE106に呼び出し信号を送信する(呼び出しと呼ばれることもある)ことができる。UE106が入来呼び出しを検出すると、UE106は、入来GSM呼を設定し受信するための適切な動作(例えば呼確立手順)を実行することができる。UE106のような装置が正常に呼び出しを受信するための機会を複数有するよう、呼び出しは複数回送信されるのが一般的である。
【0060】
適切なGSM呼び出し受信には、UE106の無線回路が定期的にGSM呼び出しチャンネルに同調される(チューンアウェイ動作と呼ばれる)ことが必要となりうる。送受信機回路60がGSM呼び出しチャネルへの同調に失敗した場合や、ベースバンドプロセッサ58内のGSMプロトコルスタック72が呼び出しチャネルで入来呼び出しの監視に失敗した場合、GSM呼び出しは見逃されるであろう。一方、GSM呼び出しチャンネルの過剰な監視は、アクティブなLTEデータセッションに悪影響を及ぼしうる。
【0061】
いくつかの実施形態において、UE106が電力を節約するために、プロトコルスタック72〜76の1つ以上がアイドルモード動作をサポートすることができる。また、プロトコルスタック72〜76の1つ以上が不連続受信(DRX)モードおよび/または接続不連続受信(CDRX)モードをサポートしてもよい。DRXモードは、電力を節約するため、受信すべきデータ(または音声)がないときにUEの回路の少なくとも一部を用いないモードである。DRXとCDRXモードにおいてUE106は、基地局102と同期し、ネットワークをリスンするために指定された時刻または間隔でウェイクアップすることができる。同様に、プロトコルスタック72〜76の1つ以上が不連続送信(DTX)モードをサポートするしてもよい。DTXモードは、電力を節約するため、送信すべきデータ(または音声)がないときにUEの回路の少なくとも一部を用いないモードである。例えば、音声通話中、ユーザが話していない間にUEはDTXモードを実施することができる。DRXとDTXは、UMTS、LTE(Long-term evolution)、WiMAXなどのような、いくつかの無線規格に存在する。用語「アイドルモード」、「DRX」、「CDRX」、および「DTX」は、その一般的な意味の全範囲を少なくとも含むことが意図されているだけでなく、将来の規格における同様のタイプのモードも包含することが明示的に意図されている。
【0062】
図6 - データとデュアル音声通信との同時実施
図6は、少なくとも2つの無線機を含む(例えば、UE106のような)UEでデータ伝送を実行するための方法を示すフローチャート図である。
図6に示す方法は、とりわけ、上述の図に示したシステムや装置のいずれかと共に用いることができる。様々な実施形態において、図示される方法の要素のいくつかは同時に実行されたり、図示されたものとは異なる順序で実行されたり、省略されたりしてもよい。なお、必要に応じてさらなる方法の要素が実行されてもよいことに留意されたい。方法は、以下の様に実行されてよい。
【0063】
図示の通り、602でUE106は、第1の無線機で第1の音声通話を、第2の無線機で第2の音声通話を、同時に行うことができる。すなわち、第1の音声通話および第2の音声通話の両方がアクティブであってよい。ここで、「アクティブな通話」は、進行中の通話、または接続されている通話を指す。アクティブな通話は、保留中(on hold)、無音(silent)、または完全にアクティブでありうる。「保留中」の通話の間、ユーザは、通話を保留するためのオプションを手動で選択したかもしれない。「無音」の通話の間、通話は保留されていないが、ユーザは積極的に通話に参加してはいない(すなわちユーザが通話に十分積極的という訳ではない)。「完全にアクティブ」の通話の間、ユーザは通話で積極的に話しているか、聴いている。
【0064】
典型的なシナリオにおいてユーザは第1の音声通話で完全にアクティブであり、その後、第2の音声通話がUE106で受信されてよい。ユーザは、最初の通話を保留中にして、第2の通話に応答することを選択してよい。あるいは、ユーザは、第2の音声通話に応答しながら、最初の通話を「無音」にさせてもよい。最初の音声通話がUE106で受信されると、最初の音声通話を処理するために第1の無線機を制御するため、第1のプロトコルスタックが実行されてよい。第2の通話が受信されると、第2の音声通話を処理するため、第2のプロトコルスタックが実行されてよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、2つの音声通話が別個のRA用いてもよい。例えば、第1の音声通話はGSMプロトコルスタックを用いて実行することができ、第2の音声通話は1xプロトコルスタックを用いて実行することができる。他の実施形態では、2つの音声通話が同じRATを利用することができる。例えば、最初の音声通話を第1のGSMプロトコルスタックを用いて実行することができ、第2の音声通話を第2のGSMプロトコルスタックを用いて実行することができる。いくつかの実施形態においてUEは、それぞれが音声通話の1つをサポートする2つのSIMを有してもよい。
【0066】
604においてUE106は、第1の音声通話および第2の音声通話を同時に実行しながら、UE106でデータ通信を行うことの要求を受信しうる。データ通信は、データ送信および/またはデータ受信を含むことができる。例えば、UE106が2つのアクティブな音声通話に携わっている間(例えば、一方の音声通話が完全にアクティブで、他方の音声通話が保留中の場合)に、UE106が電子メールを受信したり、ユーザがインターネットを閲覧することを選択したりすることができる。
【0067】
606においてUE106は、要求に応じて、第1または第2の音声通話のいずれかが現在保留中がどうかを判別することができる。例えば、第1の通話が完全にアクティブであり、第2の音声通話が保留状態かもしれない。UE106は、音声通話の1つが保留中であることを、1つ以上の呼状態ビットを調べることによって判別することができる。608において、音声通話の1つが現在保留中であると判別されれば、UE106は、保留中の音声通話を有する無線機を用いてデータ通信の一部または全部を実行することができる。例えば、第2の音声通話が保留中であると判別された場合、UE106は、第2の音声通話が保留中の間、第2の無線機を用いてデータ通信を行うことができる。第2の無線機でデータ通信を行うために、UE106は、第2の無線機を用いてデータ通信を行うための第3のプロトコルスタックのインスタンスを生成(instantiate)することができる。この第3のプロトコルスタックは、第2の音声通話を処理していた第2のプロトコルスタックの代わりに実行されてもよい。例えば、UE106が第2の無線機における第2の音声通話を処理するためにGSMプロトコルスタックを実行していて、第2の音声通話が保留中であるとする。604でデータ通信が要求され、606で第2の音声通話が保留中であると判別されると、UE106は、第2の無線機を制御するために、GSMプロトコルスタックの代わりにLTEプロトコルスタックの実行を開始することができる。プロトコルスタックのこの「交換(swapping)」は、第2のプロトコルスタック(この例ではGSMプロトコルスタック)の状態の保存する手順と、データ通信を行うために第2の無線機を制御するために第2のプロトコルスタックから第3のプロトコルスタック(この例ではLTEプロトコルスタック)に交換する手順とを伴う。GSMプロトコルスタックは、(例えば第2の通話が依然として保留中かどうかを調べるために)第2の音声通話を再開させる必要があるときや、データ通信が完了したときに、LTEプロトコルスタックを置き換えるために戻されて(swap backされて)よい。
【0068】
いくつかの実施形態において、保留中の第2の音声通話を提供しているプロトコルスタックは、オン期間とオフ期間とを有するDRXモードおよび/またはDTXモードで動作することができる。オン期間中、第2の無線機は第2の音声通話のための情報(例えば、無音音声フレームまたはシグナリング制御メッセージ)を送信または受信しており、オフ期間中、第2の無線機は第2の音声通話のための情報を送信または受信していない。DRXまたはDTXモードのオフ期間であっても、第2の音声通話は依然としてアクティブな音声通話である見なされる。すなわち、第1の音声通話と同時に実行すべきものと見なされる。いくつかの実施形態において、UEは保留された音声通話のDRXまたはDTXモードにおけるオフ期間中に、保留された音声通話の無線機でデータ通信を行うことができる。
【0069】
したがって、データ通信は、音声通話とは異なるRATを用いて行うことができる。例えば、上述したように、データ通信はLTEプロトコルスタックを用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、UE106は、データ通信をサポートするプロトコルスタック(例えばLTEスタック)が保留された音声通話が実行されている無線機でで稼働するように、保留されている音声通話をサポートするプロトコルスタック(例えばGSMまたは1xスタック)を、データ通信をサポートするプロトコルスタック(例えばLTEスタック)に切り替えてもよい。UEは、無音音声フレームやシグナリング制御メッセージなどをサポートするために必要であれば、例えば一時的に、保留された音声通話をサポートするプロトコルスタック(例えば1xスタック)に自動的に戻すことができる。
【0070】
データ通信の一部または全部が実行された後、UE106は606に戻ってもよい。いくつかの実施形態において、UE106は、特定の期間の後、例えば保留されている音声通話のDRXモードのオフ期間の終了時や、特定量のデータを通信した後に606に戻ることができる。他の実施形態において、UE106は、以前に保留中であると判定された音声通話が保留中でなくなったことの判定に応じて606に戻ることができる。例えば、第2の音声通話の保留中にデータ通信が第2の無線機で実行されている場合、UE106は第2の音声通話がもはや保留中でないとの判定に応答して606に戻ることができる。
【0071】
606においてUE106は、第1または第2の音声通話の1つが現在保留中かどうかを再度判定することができる。同じ音声通話が保留中であると判定された場合、同じ無線機でデータ通信を継続することができる。一方、もう一方の音声通話が保留中であると判定された場合、データ通信の次の部分は、もう一方の無線機で行うことができる。
【0072】
例えば、一つの可能性のあるシナリオにおいて、UE106は、第2の音声通話が例えば1xプロトコルスタックを用いて保留されている間、データ通信の第1の部分を第2の無線機で、例えばLTEプロトコルスタックを用いて実行することができる。そして、UEは、第2の音声通話がもはや保留中でないと判定し、606に戻ることができる。606においてUE106は、例えばGSMプロトコルスタックを用いて、第1の音声通話が現在保留中であると判定するかもしれない。そして608においてUE106は、第1の音声通話が保留されている間、データ通信の第2の部分を第1の無線機で実行することができる。いくつかの実施形態においてUE106は、第2の無線機でデータ通信の第1の部分を実行するために使用されたのと同じプロトコルスタック(例えば、同じLTEプロトコルスタック)を用いて、第1の無線機でデータ通信の第2の部分を実行することができる。
【0073】
このようにして、UE106は、第1の無線機と第2の無線機のどちらが現在保留中の音声通話を有しているかに基づいて、第1の無線機および/または第2の無線機のいずれかあるいは両方から、データ通信を実行するために利用可能なタイムスロットを動的かつ日和見的に選択することができる。例えば、UEは、現在保留されている音声通話を有する無線機のTXチェーン上で利用可能な送信タイムスロットを探索したり、および/または現在保留されている音声通話を有する無線機のRXチェーン上で利用可能な受信タイムスロットを探索したりすることができる。したがって、UE106に2つのアクティブな音声通話が存在し、第1の通話が第1の無線機で完全にアクティブで、第2の通話が第2の無線機で保留中の状態から、第1の通話が第1の無線機で保留され、第2の通話が第2の無線機で完全にアクティブな状態になるといったことが繰り返される2つの通話をユーザが切り替えているとする。そして、ユーザがUE106で閲覧セッションを開始したものとする。閲覧セッション中のデータパケットは、どちらの無線機が保留されているかに応じて、第1の無線機で送信および/または受信される場合と、第2の無線機で送信および/または受信される場合とが変化しうる。したがって、閲覧セッション中のデータパケットは、どちらの無線機が保留中かに応じて、基本的に第1の無線機と第2の無線機との間で交互に「ピンポン」されうる。
【0074】
610において、UE106が第1および第2の音声通話のいずれも保留中でない、すなわちいずれの通話も無音または完全にアクティブであると判定した場合、UE106は、第1の無線機と第2の無線機から、データ通信を実行するために利用可能なスロットを動的に選択することができる。例えば、UE106は、第1および第2の無線機のそれぞれのTXチェーン上の利用可能な送信タイムスロットを探索したり、および/または第1および第2の無線機のそれぞれのRXチェーン上の利用可能な受信タイムスロットを探索したりすることができる。具体的には、UE106は、第1及び第2の無線機のそれぞれのDRXおよび/またはDTXサイクルにおける利用可能なオフ期間スロットを探索し、動的かつ日和見的にそれらのスロットをデータ通信のために用いることができる。このようにデータ通信は、どちらの無線機が利用可能なオフ期間スロットを有するかに応じて、第1の無線機と第2の無線との間で交互に「ピンポン」されうる。このようなシナリオにおいて、ユーザは、無線機の一方または両方でデータ通信を実行しながら、両方の完全にアクティブな(あるいは無音の)音声通話で同時に話したり、および/または聴いたりすることができる。
【0075】
図7は、一実施形態に係る(UE106のような)UEの例示的なブロック図である。UE106はデータ伝送を実行するように構成されており、以下の構成要素を有する。第1の無線機と、第2の無線機と、第1の無線機によって第1の音声通話を行うように構成された第1の音声通話部701と、第2の無線機によって第2の音声通話を実行するように構成された第2の音声通話部702(ここで第2の音声通話の実行は第1の音声通話と同時に実行される)と、第1の音声通話および第2の音声通話の実行中のデータ通信の実行要求を受信するように構成された要求受信部703と、データ通信の実行要求の受信後に第1または第2の音声通話の1つが現在保留中かどうかを判定するように構成された判定部704と、第1または第2の音声通話の1つが保留中であると判定された場合に、判定された音声通話の保留中に、判定された音声通話が実行されている無線機によってデータ通信を実行するように構成されたデータ通信部705。
【0076】
UEは、第1音声通話と第2音声通話のどちらが現在保留中かに基づいて、第1の無線機と第2の無線機とからデータ通信の実行に利用可能なスロットを動的に選択するように構成されたスロット選択部をさらに有することができる。
【0077】
UEは、判定された音声通話が実行されている無線機によってデータ通信を実行した後に、判定された音声通話がもはや保留中でないことを判定するように構成された第2の判定部と、第1または第2の音声通話のもう一方が現在保留中であることを判定するように構成された第3の判定部とををさらに有することができる。これらの実施形態において、データ通信部はさらに、第1または第2の音声通話のもう一方が実行されている無線機によってさらなるデータ通信を実行するように構成される。上でに述べた全ての機能が、
図7に関して説明したようなUEに適用されることに留意すべきである。
【0078】
いくつかの実施形態では、UEに含まれる構成要素(部)の1つ以上が、上述したように
図4の1つ以上のプロセッサ402によって実施されてもよい。他の実施形態において、1つ以上の構成要素が個別部品であってもよい。UEに含まれる構成要素の一部または全ては、ASIC、FPGA、または任意の他の好適なハードウェア部品またはモジュールとして実施されうる。
【0079】
本開示で説明された実施形態は、様々な形態のいずれかで実現することができる。例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータが実行する方法、コンピュータ可読記憶媒体、またはコンピュータシステムとして実現されうる。他の実施形態は、ASICのような1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを用いて実現されうる。他の実施形態は、FPGAなどの1つまたは複数のプログラマブルハードウェア要素を用いて実現されうる。
【0080】
いくつかの実施形態において、恒久的なコンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令および/またはデータを格納するように構成されてよい。ここで、このプログラム命令は、コンピュータシステムで実行された場合に、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれか、または、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組み合わせ、または、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、または、そのようなサブセットの任意の組み合わせ、をそのコンピュータシステムに実行させる。
【0081】
いくつかの実施形態において、装置(例えばUE)は、プロセッサ(またはプロセッサセット)および記憶媒体を含むように構成されうる。ここで、記憶媒体はプログラム命令を格納し、プロセッサは記憶媒体からプログラム命令を読み出して実行するように構成される。また、プログラム命令は、本明細書に記載された様々な方法の実施形態のいずれか(または、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組み合わせ、または、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット)を実施するために実行可能である。装置は、種々の形態のいずれかで実現されてよい。
【0082】
上述の実施形態をかなり詳細に説明してきたが、上述の開示を完全に理解すれば、多数の派生物および変更物が当業者には明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲はそのような派生物および変更物の全てを包含するように解釈されることが意図されている。