(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981043
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】高電圧専用充電ポート
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20160818BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20160818BHJP
【FI】
G06F1/26 Z
H02J7/02 C
G06F1/26 F
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-539849(P2015-539849)
(86)(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公表番号】特表2015-535384(P2015-535384A)
(43)【公表日】2015年12月10日
(86)【国際出願番号】US2013066847
(87)【国際公開番号】WO2014070610
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】61/719,822
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/759,865
(32)【優先日】2013年2月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ハワウィニ、シャーディ
(72)【発明者】
【氏名】パパリーゾス、ジョージオス・ケー.
【審査官】
佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−263245(JP,A)
【文献】
特開2010−282633(JP,A)
【文献】
特開2010−060678(JP,A)
【文献】
特開2003−140780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、外部デバイスへの接続のための電力バスと、
前記外部デバイスへの接続のための複数の信号線と、
前記信号線上の電気的構成を感知するための複数の第1の回路と、
前記信号線上の電気的構成をアサートするための複数の第2の回路と、
を備え、前記第2の回路のうちの1つは、前記第1の回路のうちの1つが前記信号線上の所定の電気的構成を感知するとき、複数の電気的構成の中から前記信号線上の電気的構成をアサートし、それによって前記回路に接続された外部デバイスからの電圧が、前記第2の回路のうちの1つによって前記信号線上でアサートされた前記電気的構成に対応する電圧レベルで電力バス上でアサートされる、
回路。
【請求項2】
前記複数の電気的構成は、少なくとも第1の電圧レベルと関連付けられた第1の電気的構成、および第2の電圧レベルと関連付けられた第2の電気的構成を備え、前記電力バス上の電圧は、前記信号線上でアサートされている前記第1の電気的構成に応じて前記第1の電圧レベルであり、前記電力バス上の電圧は、前記信号線上でアサートされている前記第2の電気的構成に応じて前記第2の電圧レベルである、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記回路はユニバーサルシリアルバス(USB)仕様に準拠し、前記電力バスはVBUSであり、前記複数の信号線はD−信号線およびD+信号線を備える、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記回路は、USBバッテリ充電仕様に準拠して動作する、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記電力バスに接続され、バッテリへの接続のためのコネクタを有する充電回路をさらに備え、それによって前記充電回路に接続されたバッテリは、前記電力バス上の前記電圧によって充電されることができる、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記電力バスに接続されたコネクタをさらに備え、前記コネクタに接続された負荷は、前記電力バスから電力を受信することができる、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記外部デバイスはAPアダプタである、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記外部デバイスは、電子デバイスである、請求項1に記載の回路。
【請求項9】
前記外部デバイスは、選択可能な出力電圧を有する、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記選択可能な出力電圧は、前記信号線上でアサートされた電気的構成に依存する、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
外部デバイスへの接続を検出することと、ここで前記外部デバイスからの電圧は回路の電力バス上でアサートされる、
前記外部デバイスが第1の種類であるかを決定することと、
前記外部デバイスからの第1の電圧レベルを受けるため信号線上の第1の電気的構成を、または前記外部デバイスからの第2の電圧レベルを受けるため前記信号線上の第2の電気的構成を少なくともアサートすることを含めて、前記外部デバイスが前記第1の種類であるとき、前記外部デバイスに接続された前記信号線上の電気的構成をアサートすることによって前記電力バス上の電圧レベルを確立することと、
を備える、回路における方法。
【請求項12】
前記第1の電気的構成または前記第2の電気的構成をアサートすることに続く時間において、前記外部デバイスから第3の電圧レベルを受けるための第3の電気的構成をアサートすることをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
USBバッテリ充電仕様にしたがって前記回路を動作することをさらに備え、ここで前記電力バスはVBUSであり、前記信号線はD−信号線およびD+信号線である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記外部デバイスが第1の種類であるかどうかを決定することは、USBバッテリ充電仕様にしたがってステップを実行することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記外部デバイスが第1の種類のうちのものであるかどうかを決定することは、前記外部デバイスが標準ダウンストリームポート(SDP)、専用充電ポート(DCP)、または充電ダウンストリームポート(CDP)であるかどうかを決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記外部デバイスが第1の種類であるかどうかを決定することは、前記信号線上の第3の電気的構成をアサートすることと、前記信号線上の所定の電気的構成を感知することとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記信号線上の電気的構成をアサートすることは、信号線をボルテージポテンシャルに接続すること、または信号線を電流源に接続すること、または信号線を別の信号線に接続すること、のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記電力バス上でアサートされた前記電圧を使用して前記回路に接続されたバッテリを充電することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記電力バス上でアサートされた前記電圧を前記回路に接続された負荷に提供することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
電力バスへの接続および複数の信号線への接続を備える回路における方法であって、前記方法は、
前記回路の外部デバイスへの接続を検出することと、
前記信号線上の第1の電気的構成を感知することを含めて、前記外部デバイスがUSBバッテリ充電仕様によって定義されたDCPであることを検出することと、
前記信号線上の第2の電気的構成をアサートすることと、それに応じて前記信号線上の第3の電気的構成を検出することと、
前記信号線上の前記第3の電気的構成を検出することに応答して、前記信号線上の第4の電気的構成をアサートすることと、それに応じて第1の電圧レベルで前記電力バス上の電圧を受信することと、ここで前記第4の電気的構成は、複数の所定の電気的構成の中から選択され、各所定の電気的構成は、前記電力バス上にあり得る電圧レベルと関連づけられる、
を備える方法。
【請求項21】
前記外部デバイスは、電源である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
回路であって、外部デバイスへの接続のための電力バスと、
前記外部デバイスへの接続のための複数の信号線と、ここで前記複数の信号線は、D−信号線およびD+信号線を備える、
前記信号線上の電気的構成を感知するための複数の第1の回路と、ここで前記第1の回路は、それぞれ前記D−信号線および前記D+信号線に対応する2つの第1の回路を備える、
前記信号線上の電気的構成をアサートするための複数の第2の回路と、ここで前記第2の回路は、それぞれ前記D−信号線および前記D+信号線に対応する2つの第2の回路を備える、
を備え、前記第2の回路のうちの1つは、前記第1の回路のうちの1つが前記信号線上の所定の電気的構成を感知するとき、複数の電気的構成の中から前記信号線上の電気的構成をアサートし、それによって前記回路に接続された外部デバイスからの電圧が、前記第2の回路のうちの1つによって前記信号線上でアサートされた前記電気的構成に対応する電圧レベルで前記電力バス上でアサートされる、
回路。
【請求項23】
外部デバイスへの接続を検出することと、ここで前記外部デバイスからの電圧は回路の電力バス上でアサートされる、
前記外部デバイスが第1の種類であるかを決定することと、
前記外部デバイスからの第1の電圧レベルを受けるため信号線上の第1の電気的構成を、または前記外部デバイスからの第2の電圧レベルを受けるため前記信号線上の第2の電気的構成を少なくともアサートすることを含めて、前記外部デバイスが前記第1の種類であるとき、前記外部デバイスに接続されたD−信号線およびD+信号線を備える前記信号線上の電気的構成をアサートすることによって前記電力バス上の電圧レベルを確立することと、
を備える、回路における方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] 本開示は、2013年2月5日に出願された、米国出願番号第13/759,865号の優先権を主張し、また、2012年10月29日に出願された、米国仮出願番号第61/719,822号の優先権を主張し、この両方の内容は、すべての目的のためにそれら全体が引用によりここに組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本明細書中に示されない限り、このセクションにおいて説明されるアプローチは、本出願における特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることにより、先行技術であると認定されるものではない。
【0003】
[0003] 現代の携帯用電子機器のための所要電力は、非常に急速に増大しており、例えば、より大きなディスプレイを有するデバイス、LTEデバイス(無線、モデム等)、マルチコアプロセッサ等がある。許容可能な動作可能時間(up times)を維持するために、このようなデバイスはより大きな容量を有するバッテリを利用する。このようなシステムにおいて、従来型の電源が使用されるとき、バッテリ充電時間は非常に長くなる傾向にある。その理由は、(1)限られた電源容量(USB 最大5V/1.8A)、および(2)入力電源およびバッテリ間の電圧無歪限界(headroom)の問題、を含む。さらに、多くの容易に利用可能な電源(例えば、モニタ、ノートブック等)は、ポータブルデバイスが許容することができるものに対するそれらの高電圧動作が理由で、利用されることができない。二次的な携帯機器コネクタの使用を必要とする解決策を実現することは、解決策および顧客コスト(専有のコネクタ、電源アダプター(wall adapter)等)を著しく増加させる。
【0004】
[0004] バッテリ容量が増大すると、5V入力電圧は、ケーブル、コネクタ、PCB、および充電器インピーダンスにより十分な高充電電流を達成する十分な電圧無歪限界を提供しない。特により高い電圧の使用に向かっている傾向があるため、現在、多くのバッテリがこの問題を悪化する4.35Vのフロート電圧を有している。例えば、2Sスタックは、約8.4Vまたは8.7Vを提供するので、効率的に充電するために5Vよりも高い電圧を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 外部デバイスからバッテリを充電するための回路は、回路を外部デバイスに接続するためのケーブルを備える信号線の電気的構成を検出するための検出回路を含み得る。構成回路は、検出回路に応答して信号線上のいくつかの電気的構成のうちの1つをアサートし得る。それに応じて、外部デバイスは、信号線上でアサートされた電気的構成に対応する電圧レベルで電力線上に電圧を供給し得る。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、回路は、USBバッテリ充電仕様にしたがって動作する。電力線はVBUSであり得、信号線はUSB仕様に記述されたD+線およびD−線であり得る。回路は、業界標準と下位互換性であり得て、既存の標準化されたコネクタおよびケーブルを許容し、同時にUSB仕様の標準5V動作レベルを超える動作電圧のより広い範囲を可能にする。
【0007】
[0007] 以下の詳細な説明および付属の図面は、本開示の性質および利点のより良い理解を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示にしたがう、回路のハイレベル包括的ブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示にしたがう、処理のハイレベル機能フローチャートである。
【
図3】
図3は、USB仕様に基づく例示的な実施形態を示す図である。
【
図5】
図5は、
図3に示されるポータブルデバイスにおける処理の機能フローチャートである。
【
図6】
図6は、
図3に示される外部デバイスにおける処理の機能フローチャートである。
【
図7】
図7は、USBバッテリ充電仕様にしたがう、電圧レベルを示す。
【
図8】
図8は、本開示にしたがう、システム動作の概要である。
【0009】
[0016] 以下の説明では、説明の目的で、本開示の全体的な理解を提供するために多数の例および特定な詳細が述べられている。しかしながら、当業者にとって、特許請求の範囲において表された本開示が、これらの実施例の特徴のいくつか又は全てを以下に記載された他の特徴と共に又は組み合わせて含めることができ、更に特徴の変形例及び均等物並びにここに記載された概念を含むことができることは明らかである。
【0010】
[0017]
図1は、本開示の実施形態にしたがう、回路100を示す。回路100は、スマートフォン、コンピュータタブレット等といったポータブルデバイス(携帯機器)10に含まれ得る。ポータブルデバイス10は、ポータブルデバイスに電力供給するためのバッテリ12を含み得る。いくつかの実施形態において、バッテリ12は、回路100が充電し得る再充電可能なバッテリであり得る。バッテリ12は、単一セル構成であり得る、またはマルチセルスタックであり得る。
【0011】
[0018] ポータブルデバイス10は、外部デバイス14に接続され得る。いくつかの実施形態において、外部デバイス14は、ウォールアダプタといった交流電流(AC)アダプタであり得る。他の実施形態において、外部デバイス14は、ポータブルデバイスに電力を供給することができる電子デバイスであり得る。例えば、外部デバイス14は、それ自体のバッテリパックから、またはAC電源に接続されることによって電力を供給する、ラップトップコンピュータであり得る。
【0012】
[0019] ポータブルデバイス10および外部デバイス14は、それぞれのコネクタ22および24を有し得る。ケーブル26は、ポータブルデバイス10および外部デバイス14を電気的に接続し得る。
【0013】
[0020] いくつかの実施形態において、回路100は、充電回路102、検出回路104、制御回路106、および構成回路108を含み得る。回路100は、ケーブル26における電力線への電気的接続のための電力バス114を含み得る。回路100は、ケーブル26における信号線への電気的接続のための複数の信号バス線を備える信号バス112をさらに含み得る。信号バス112を備える信号バス線の数は、実施形態により異なり得る。例えば、USB仕様に基づく設計は、2つの信号バス線、D+およびD−を定義し、一方で別の設計は、2つより多い信号バス線を用い得る。
【0014】
[0021] 充電回路102は、バッテリ12を充電するために外部デバイス14によって供給される電圧からの電力を転送するように、電力バス114に接続され得る。充電回路102は、例えばスイッチング充電設計といった、任意の既知の設計のうちのものであり得る。
【0015】
[0022] 検出回路104は、信号バスを備える信号バス線上の様々な電気的構成を検出するために、信号バス112に接続され得る。外部デバイス14は、検出回路104が信号バス112上を検出し得るケーブル26の信号線上の電気的構成をアサートし得る。いくつかの実施形態において、検出回路104は、信号バス112上で電気的構成を検出するための電圧コンパレータ、電流センサ等を備え得る。
【0016】
[0023] 信号バス112の信号バス線上でアサートされた電気的構成は、1つまたは複数の信号バス線をアサートした(接地電位(ground potential)を含む)電圧レベル、またはいくつかの信号バス線上でアサートされた複数の電圧レベルであり得る。電気的構成はまた、信号バス線のうちの1つまたは複数にそれぞれ流れる1つまたは複数の電流であり得る。いくつかの実施形態において、電気的構成は、信号バス線のうちの1つまたは複数を抵抗(または、キャパシタやインダクタといった他の受動デバイス)に接続すること、または信号バス線の1つまたは複数をともに接続することによってアサートされ得る。いくつかの実施形態において、電気的構成は、電圧、電流フロー、および/または抵抗(または他の受動デバイス)の組み合わせを使用してアサートされ得る。
【0017】
[0024] 上述したように、電気的構成は、ケーブル26を介して信号バスに電気的に接続された外部デバイス14によって、信号バス112の信号バス線上でアサートされ得る。同様に、電気的構成は、構成回路108によって信号バス線上でアサートされ得る。いくつかの実施形態において、例えば、構成回路108は、信号バス112を備える信号バス線のうちの1つまたは複数上の電圧レベルおよび/または電流レベルのいくつかの組み合わせをアサートするために、電圧源、電流源、スイッチ(例えば、MOSスイッチ)、受動デバイス(例えば、抵抗)等を含み得る。
【0018】
[0025] 制御回路106は、検出回路104から1つまたは複数の信号104aを受信するように接続され得る。信号104aは、外部デバイス14によって信号バス112上でアサートされた、検出された電気的構成を示し得る。制御回路106は、信号バス112上の特定の電気的構成をアサートするために、構成回路108に1つまたは複数の制御信号106aを提供するように接続され得る。
【0019】
[0026] ポータブルデバイス10は、デバイスエレクトロニクス(デバイス電子機器)(負荷)101をさらに備え得る。例えば、ポータブルデバイス10がコンピュータタブレットである場合、デバイスエレクトロニクス101は、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ等といったコンポーネントを備え得る。デバイスエレクトロニクス101は、回路100によって受信された電力を引き込むためにコネクタ114aを介して電力バス114に接続され得る。
【0020】
[0027] 外部デバイス14は、外部デバイスを備える他の電子回路(図示せず)に加えて、電圧セレクタ122および電力部124を含み得る。例えば、外部デバイス14は、ラップトップコンピュータであり得、または外部デバイスは電源(例えば、ACアダプタ)等であり得る。電源回路124は、ケーブル26を介してポータブルデバイス10に配送し得るいくつかの選択可能な電圧レベルのうちの1つで電圧を提供し得る。例えば、外部デバイス14は、ケーブル26における電力線に接続された電力バス134を含み得る。電圧セレクタ122は、電力部124によって生成された電圧を電力バス134に接続し得る。いくつかの実施形態において、電圧セレクタ122は、複数の信号バス線を備える信号バス132に接続され得、それはケーブル26を介して信号バス112に電気的に接続され得る。以下に、より詳細に説明されるように、電圧セレクタ122は、信号バス132上の電気的構成を検出または感知し、検出された電気的構成に対応する電圧レベルを出力するために、電力部124を制御またはそうでなければ信号を送り得る。電圧セレクタ122は、信号バス132上の電気的構成を検出または感知するためのデジタルロジック、アナログ回路、またはデジタルおよびアナログコンポーネントの組み合わせを含み得る。
【0021】
[0028]
図2は、本開示の原理にしたがって外部デバイスと連動する回路100の動作を示す。ブロック202において、回路100は、外部デバイス(例えば、
図1の14)への接続を検出し得る。例えば、回路100は、外部デバイス14によって提供された電力バス114上の電圧の存在を検出するための回路(図示せず)を含み得る。
【0022】
[0029] ブロック204において、回路100は、どの種類の外部デバイスが回路に接続されるかを決定し得る。例えば、外部デバイス14は、単一の出力電圧を供給する従来型の電源であり得る。本開示にしたがうと、回路は、いくつかの選択可能な電圧レベルのうちの任意の1つで電圧を供給することができる外部デバイスに接続され得る。
【0023】
[0030] いくつかの実施形態において、外部デバイス14は、それがどの種類のデバイスであるかを示すために、信号バス132上で電気的構成をアサートし得る。図示するためだけに、信号バス132は、2つの信号バス線を含むと仮定する。2つの信号バス線上の電気的構成は、信号バス線のうちの2つの間の抵抗を接続し、他の信号バス線上で所定の直流(DC)電圧レベルを適用することによって、(例えば、電圧セレクタ122を使用して)外部デバイス14によってアサートされ得る。別の電気的構成は、信号バスの各々上に、2つの異なるDC電圧レベルを適用すること等を含み得る。
【0024】
[0031] 検出回路104は、信号バス112を備える信号バス線を感知することによって、外部デバイスによってアサートされた特定の電気的構成を感知し得る。検出回路104によって感知された電気的構成に基づいて、(単数または複数の)信号104aは、回路100に接続された外部デバイスの種類を示すために、制御回路106に提供され得る。本開示にしたがうと、ブロック206において、ブロック204において感知された電気的構成は、外部デバイス14が第1の種類のうちのものである(例えば、選択可能な電圧レベルを有する)と示す場合、追加の処理が、以下に説明されるように実行され得る。外部デバイス14が第1の種類のうちのものでない場合、回路100は、それが単一の電圧レベルを出力することができる外部デバイスに接続されているという想定の下で動作し、ブロック208において外部デバイスから電圧を受信し得る。したがって、ブロック208において、回路100によって受信された電圧は、バッテリ(例えば、
図1の26)を充電するために、または電力を負荷(例えば、101)に提供するために使用され得る。
【0025】
[0032] ブロック206において、外部デバイス14が、第1の種類のうちのものであると決定され、外部デバイスが複数の選択可能な出力電圧レベルをサポートする場合、本開示の原理にしたがって、ブロック212における回路100は、いくつかの所定の電気的構成の中から信号バス112上の電気的構成をアサートするために、構成回路108を使用し得る。いくつかの実施形態において、例えば、回路100は適切なバッテリ充電のための異なる電圧レベルを有する、異なる種類のバッテリ12をサポートし得る。例えば、いくつかのバッテリは、5ボルトで充電され得、他のバッテリは、9ボルト、12ボルト、20ボルト等を必要とし得る。同様に、負荷101の異なるタイプは、異なる電圧レベルで動作し得る。したがって、制御回路106は、特定の電圧レベルに対応する信号バス112上の電気的構成をアサートするために、構成回路108を動作するために信号106aを生成し得る。
【0026】
[0033] 各所定の電気的構成は、所定の電圧レベルと関連付けられ得る。この点を図示するためだけに、以下の例を考慮する。信号バス112が2つの信号バス線を含むと想定する。信号バス線上でアサートされ得る第1の電気的構成は、1つの線上で1.5Vを、他の線上で3Vをアサートすることを含み得る。この構成は、例えば、10Vといった電圧レベルと関連付けられ得る。第2の電気的構成は、第1および第2の信号バス線を短絡することがあり、この構成は、例えば15V等の電圧レベルと関連付けられ得る。
【0027】
[0034] 回路100が10Vを必要とする場合、構成回路108は、信号バス112上で第1の電気的構成をアサートし得る。同様に、回路100が15Vを必要とする場合、構成回路108は、信号バス112上等の第2の電気的構成をアサートし得る。本開示の原理にしたがうと、回路100は、外部デバイスが検出し得る信号バス線上の適切な電気的構成をアサートすることによって、外部デバイスが複数の出力をサポートすることができるとき、外部デバイス14に対してどの電圧レベルを出力するかを特定し得る。これらの電圧レベルは、もちろん、例示のためだけのものであり、特定の電圧レベルは、実施、産業仕様書の順守(adherence to industry specs)等に依存するだろう。
【0028】
[0035] いくつかの実施形態において、信号バス112上でアサートされた電気的構成は、ブロック210aにおいて外部デバイス14によって検出され得、それに応じて、外部デバイスは、検出された電気的構成に対応する電圧レベルを出力するようにそれ自体を再構成し得る。ブロック212において、回路100は、特定の電圧レベルで外部デバイス14から電圧を受けることができる。例えば、回路100は、バッテリを充電するために(例えば、
図1の26)、または電力を負荷(例えば、
図1の101)に提供するために、受けた電圧を使用し得る。
【0029】
[0036]
図3に示されるように、本開示の原理にしたがう特定の実施形態が、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース(例えば、USB仕様改訂2.0)に組み込まれ得る。より詳細には、
図3に示される実施形態は、USBバッテリ充電仕様改訂1.2(BC1.2)に基づいた回路100の実施形態を含み得る。大多数のデバイスは、BC1.2に準拠するため、この実施形態は、製造およびインストールされたユーザベースの観点から望ましい利益を有し得る。したがって、いくつかの実施形態において、回路100は、BC1.2に準拠して動作し得るため、既存のデバイスと互換性があるデバイスを提供し、(回路のほとんどは既に設計されているため)容易に製造することができ、本開示の利益を提供する。
【0030】
[0037] ポータブルデバイス302は、外部デバイス304に接続し得る。ポータブルデバイス302は、USBインターフェース、例えばモバイル通信デバイス、デジタルカメラ、コンピュータタブレット等を組み込む、任意の電子デバイスであり得る。同様に、外部デバイス304は、USBインターフェースを組み込む任意の電子デバイスであり得、電力を、電源、充電器、コンピュータといった他の電子デバイス等を含む、ポータブルデバイス302に提供することができる。
【0031】
[0038] ポータブルデバイス302および外部デバイス304を機械的におよび電気的に接続するケーブル(例えば、
図1のケーブル26)は、VBUSと呼ばれる電力線、信号バス線D+およびD−、および接地線を含む、4つのワイヤを備え得る。これらの4つのワイヤは、標準USB AおよびUSB Bプラグ(例えば、
図1におけるコネクタ22および24)に見つけられる。したがって、VBUSは、
図1に示される電力バス114および134の例を構成する。D+線およびD−線は、
図1に示される信号バス112および132を備える信号線の例を表す。
【0032】
[0039] いくつかの実施形態において、ポータブルデバイス302は、VBUS上でアサートされた電圧を電圧レベルV
OTG_SESSN_VLDと比較するためのコンパレータを含み得る。コンパレータは、例えば、VBUS上の電圧レベルがV
OTG_SESSN_VLDを超えるとき、外部デバイス304への接続がなされたことを決定するために使用され得る。
【0033】
[0040] ポータブルデバイス302は、それぞれの信号DCH_DETおよびCHG_DETを生成する、検出回路312a、312bを含み得る。
図1に示される検出回路104と関連して上記に説明したように、
図3における検出回路312a、312bは、以下により詳細に説明されるように、D+線およびD−線上の異なる電気的構成を検出し得る。
【0034】
[0041] 構成回路322aは、電圧源V
DP_SRC、V
DP_UP&抵抗R
DP_UP、V
LGC_HI&電流源I
DP_SRC、およびI
DP_SINK、およびD+線への選択的接続のためのそれぞれのスイッチを含み得る。追加の構成回路322bはまた、V
DM_UP、V
DM_SRC、R
DM_DWNおよびI
DM_SINK、およびD−線への選択的接続のためのそれらのそれぞれのスイッチを含み得る。
図1に示される構成回路108に関連して説明したように、
図3における構成回路322a、322bは、以下により詳細に説明されるように、D+線およびD−線上の異なる電気的構成をアサートし得る。
【0035】
[0042] 本開示にしたがうと、外部デバイス304は、選択可能な電圧レベルを有する出力電圧を有する電源314を含み得る。例えば、選択可能な電圧レベルは、5V、9V、12V、および20Vであり得る。もちろん、より少ないまたはより多いレベルが提供され得る、異なるレベルが出力され得る、等がある。外部デバイス304は、D+線およびD−線上で(例えば、抵抗R
DAT_LKGおよびR
DM_DWNを介して)電圧レベルおよび電流フローを検出するためのコンパレータ324a、324b、324c、および324dをさらに含み得る。電圧レベルおよび電流フローは、ポータブルデバイス302によって、D+線およびD−線上でアサートされることができる異なる電気的構成を定義する。
図3に示される基準レベルは、1V電圧レベルを使用するが、他の実施形態において、基準レベルは他の電圧レベルであり得ることが理解されるべきである。
【0036】
[0043] 以下に説明するように、外部デバイス304はまた、抵抗R
DAT_LKGおよびR
DM_DWNを使用して、D+線およびD−線上の異なる電気的構成をアサートし得る。いくつかの実施形態において、グリッチフィルタ334は、D+線上のノイズによる偽正極検出(false positive detection)を回避するために提供され得る。
【0037】
[0044] 外部デバイス304(
図3)の例示的な例は、一般的にVBUSに提供される5Vに加え、9V、12V、および20V電圧レベルを提供することができる、
図4に示される、電源400(例えば、電源アダプター)である。変圧器は、高電力一次側(high-power primary side)404を、外部環境とインターフェースをとる低電力二次側(low-power secondary side)402から、電気的に切り離すために使用され得る。二次側402は、D+線およびD−線への接続を有するインターフェースICを含み得る。インターフェースICは、例えば、
図3に示されるコンパレータ324a−324dといった検出回路を含み得る。いくつかの実施形態において、インターフェースICは、AC/DC制御ICに集積化され得る。一次側404は、VBUS上で選択可能な出力電圧レベルを提供し得る。例えば、一次側404は、二次側402に結合された電力部412を含み得る。
図4に示される特定の例において、二次側402の側の送信LEDを備える光結合414は、電力部の出力を制御するために、電力部412の側の受信LEDに光信号を送信し得る。
【0038】
[0045] インターフェースICは、D+線およびD−線上でアサートされた特定の電気的構成を検出および復号することができる、回路およびロジック(図示せず)を含み得る。9V、12V、および20Vスイッチは、抵抗ネットワーク402aを介して、例えば、光信号の周波数を制御することによって、送信LEDによって生成された光信号を、制御するようにアクティブ化され得る。光信号は、その後、受信LEDによって受信され、電力部412におけるコントローラによって感知され得る。コントローラは、受信LEDによって感知された光信号に基づく電圧レベルを有する電圧をVBUSに生成し得る。もちろん、抵抗ネットワーク402aおよび光LEDの使用は、単に例示であり、他の実施形態では、二次側402は、光信号伝達でない任意の周知の信号伝達技法を使用して一次側404と通信し得、例えば、デジタル信号が二次側から一次側に送られ得ることが、理解されるべきである。
【0039】
[0046] 外部デバイス304は、本来電源である必要はないことが理解されるべきであるが、複数の出力電圧レベルを提供するように構成された任意の電気的なデバイスであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、外部デバイス304は、電圧セレクタ402を組み込むラップトップコンピュータであり得、選択可能な出力電圧レベルを有する電源を含む。
【0040】
[0047]
図5は、ポータブルデバイス302(
図3)が外部デバイスに接続するとき、本開示にしたがう処理を示す。上記に説明したように、いくつかの実施形態において、ポータブルデバイス302は、ポータブルデバイス302が外部デバイス上のポートに接続しているとみなされる、BC1.2にしたがって動作し得る。この先、「外部デバイス」および「ポート」という用語は、同時に、および/または互換性があるように使用され得る。以下に述べられる電圧レベルに関する典型的な値は、BC1.2にしたがって設定され得る。
図7は、例えば、BC1.2に記述された電圧値の表を示す。
【0041】
[0048] ループ502において、ポータブルデバイス302は、接続事象を検出し得る。例えば、外部デバイスは、VBUS上で電圧を出力し得る。BC1.2にしたがうと、ポータブルデバイス302が予め定められた期間VBUS上の電圧レベル>V
OTG_SESSN_VLDであることを検出する場合、ポータブルデバイス302は、外部デバイスへの接続が行われたと決定し得る。
【0042】
[0049] ブロック504において、ポータブルデバイス302は、外部デバイスが専用充電ポート(DCP:dedicated charging port)であるか否かを決定し得る。ブロック506において、DCPが検出された場合、処理は、ブロック508に続き、そうでなければ、標準ダウンストリームポート(SDP)または充電ダウンストリームポート(CDP)が検出される。DCP、SDP、およびCDPは、BC1.2において定義されるポートタイプである。
【0043】
[0050] BC1.2にしたがって、ブロック504は、一次検出ステップおよび二次検出ステップを含み得る。ポータブルデバイス302は、D+線上の電気的構成(すなわち、電圧レベル)をアサートすること、およびD−線上でアサートされた電気的構成(すなわち、電圧レベル)を感知することによって、外部デバイスがSDPであるかを検出するための一次検出を実行し得る。SDPが検出されると、ブロック506の分岐は取られず、ポータブルデバイス302はSDPの検出にしたがって進み得る。外部デバイスがSDPでないと決定されると、ポータブルデバイス302は、D−線上の電気的構成をアサートすること、およびD+線上の電気的構成を感知することによって、外部デバイスがDCPであるかCDPであるかどうかを検出するために、二次検出を実行し得る。CDPが検出されると、ブロック506のNOの分岐が取られ、ポータブルデバイス302はCDPの検出にしたがって進み得る。
【0044】
[0051] CDPが検出されない場合、いくつかの実施形態において、処理は、ブロック508に進む。他の実施形態において、ブロック508に進む前に、ポータブルデバイス302は、専有であり得る、他の標準に準拠し得る、またはそうでなければBC1.2に準拠しない、接続されたデバイスを検出するために、ブロック504において追加の検出ステップを実行し得る。例えば、Apple(登録商標)電源アダプタは典型的にBC1.2に準拠せず、ラップトップ製造者は専有の回路等を使用する電源アダプタを生産し得る。非BC1.2ポートが検出されない場合、処理はブロック508に進み得る。
【0045】
[0052] 続けて
図5について、処理がブロック508に到達する場合、ポータブルデバイス302はDCPに接続されていると決定されている。本開示にしたがう外部デバイス(例えば、
図3の304)は、この時点で電気的にDCPのように見える、すなわち、外部デバイスは、例えば
図3に示されるようにD+線とD−線との間に接続されたスイッチを使用して、D+線およびD−線をともに短絡する。従来のDCPは、典型的に5Vを出力することに特定される。比較すると、本開示にしたがう外部デバイスは、5Vレベルに加えて、いくつかのより高い電圧レベル(例えば、9V、12V、20V等)のうちのいずれか1つを出力し得る。したがって、本開示にしたがう外部デバイスは、高電圧DCP(HVDCP)と呼ばれ得る。本開示の原理にしたがうと、ポータブルデバイス302は、従来のDCPである外部デバイスとHVDCPとを区別するための追加の検出を実行し得る。したがって、いくつかの実施形態において、ポータブルデバイス302は、ブロック508において、D+線上の電圧レベルV
DP_SRCをアサートし得る。
【0046】
[0053] 外部デバイスが従来型のDCPである場合、D+線およびD−線間の短絡は維持されるだろう。したがって、ブロック510において、ポータブルデバイス302は、D−でアサートされた電圧レベルが>V
DAT_REFであることを感知し、従来型のDCPが接続されていることを検出するだろう。
【0047】
[0054] 外部デバイスがHVDCP(例えば、
図3の304)である場合、本開示にしたがって、HVDCPは、D+線およびD−線間の短絡を開放することによって、VDP_SRCにおいてアサートされているD+線に応答するだろう。したがって、ブロック510において、ポータブルデバイス302は、HVDCPが接続していることを示し得る、≦V
DAT_REFであるD−においてアサートされた電圧レベルを感知するだろう。ブロック512において、ポータブルデバイス302がVBUS上の電圧を検出し続ける場合、それは外部デバイスがまだ接続されていること、および外部デバイスはHVDCPであることをポータブルデバイスに示す働きをし得る。
【0048】
[0055] この時点で、ポータブルデバイス302は、HVDCPから受信する動作電圧を選択し得る。5V動作がブロック514において所望される場合、ポータブルデバイス302は、ブロック514aにおいて、D+線およびD−線上の以下の電気的構成、D+上のV
DP_SRCおよびD−上の接地電位をアサートし得る。同様に、9V動作がブロック516において所望される場合、ポータブルデバイスは、ブロック516aにおいて、D+線およびD−線上の以下の電気的構成、D+上のV
DP_UP、およびD−上のV
DM_SRCをアサートし得る。12Vオペレーションがブロック518において所望される場合、ポータブルデバイスは、ブロック518aにおいて、D+線およびD−線上の以下の電気的構成、D+上のV
DP_SRCおよびD−上のV
DM_SRCをアサートし得る。20Vオペレーションがブロック516において所望される場合、ポータブルデバイスは、ブロック516aにおいて、D+線およびD−線上の以下の電気的構成、D+上のV
DP_UPおよびD−上のV
DM_UPをアサートし得る。
【0049】
[0056] もちろん、電圧レベルの任意の適切な組み合わせが異なる動作電圧と関連付けられ得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、異なる電流フローが電圧レベルをアサートする代わりにD+線およびD−線上でアサートされることができることが、さらに理解されるべきである。より一般的には、異なる電圧レベルおよび電流フローの組み合わせが、D+線およびD−線上でアサートされ得る。
【0050】
[0057] 続けて
図5について、いくつかの実施形態において、ブロック522aにおいて電圧レベルがまだVBUS上に存在する場合、処理はブロック514にループバックし得る。ループは、ポータブルデバイス302が、必要に応じて動作電圧を動的に変えることを可能にし、ポータブルデバイス302における動作の高度なフレキシビリティを提供する。したがって、例えば、時間t
1において、ポータブルデバイス302は、VBUS上で第1の電圧レベルを受けるために、D+線およびD−線上で第1の電気的構成をアサートし得る。(HVDCPに再接続する必要のない)後続の時間t
2において、ポータブルデバイス302は、VBUS上で第2の電圧レベルを受けるために、D+線およびD−線上の第2の電気的構成をアサートし得る。
【0051】
[0058]
図6を参照すると、本開示にしたがう外部デバイス(例えば、
図3における304)における処理、すなわちHVDCPが、これから説明される。ブロック602において、HVDCPは、DCPとしての検出のためにそれ自体を初期化し得る。例えば、HVDCPは、VBUS上で5Vをアサートし、D+線およびD−線を短絡し得る。加えて、D+線は、BC1.2に準拠して抵抗R
DAT_LKG(約500KΩ)を使用してプルダウンされる。この状態において、このHVDCPは、電気的にDCPであるように見える。HVDCPは、D+線がV
DAT_REFを超えるまでループ604に入る。
【0052】
[0059] HVDCPがポータブルデバイス302に接続されているとき、ポータブルデバイスは、上述したようにその検出シーケンスを進むだろう。ポータブルデバイス302がVBUS上で異なる出力電圧レベルを受け入れることができる場合、ポータブルデバイスは、D+線上のV
DP_SRCをアサートすること(
図5におけるブロック508)によって、この事実をHVDCPに示すことができ、これをHVDCPは、ブロック606および608において検出するだろう。
【0053】
[0060] ブロック606および608において、HVDCPがグリッチフィルタ334(
図3)を使用してD−線を感知している一方で、HVDCPにおいてタイマ(図示せず)が開始され得る。グリッチフィルタ334は、ポータブルデバイス302が異なる電圧レベルを受け入れるという偽正極指示(positive indication)を回避することによって、安全性の指標(a measure of safety)を提供し得る。ブロック610において、D+線がタイムアウトの後>V
DAT_REFのままとなる場合、これはHVDCPに、ポータブルデバイス302が異なる動作電圧レベルを受信することができ、HVDCPを探していることを示し得る。したがって、ブロック612において、HVDCPは、ポータブルデバイス302にそれがHVDCPに接続されていることを示すために、D+線およびD−線間の短絡を開放し、抵抗R
DM_DWNを通じてD−線をプルダウンし得る。
【0054】
[0061] ブロック614において、HVDCPがD−線が>V
DAT_REFである電気的構成を感知する場合、ブロック614aにおいて、HVDCPはVBUS上で5Vを出力するだろう。ブロック616において、HVDCPがD+線が>V
DAT_REFである電気的構成を感知する場合、ブロック616aにおいて、HVDCPはVBUS上で12Vを出力するだろう。同様に、ブロック618において、HVDCPがD−線が>V
SEL_REFである電気的構成を感知する場合、ブロック618aにおいて、HVDCPはVBUS上で20Vを出力するだろう。そうでなければ、ブロック620においてHVDCPはVBUS上で9Vを出力するだろう。いくつかの実施形態において、V
SEL_REFは、2V±0.2Vに設定され得る。
【0055】
[0062] 処理は、D+線が>V
DAT_REFであり続けることをチェックするために、ブロック622に続く。そうであれば、処理はブロック614にループバックし、HVDCPがその出力電圧を異なるレベルに変えることを可能にする。
【0056】
[0063] ポータブルデバイス302およびHVDCP間の先の処理は、
図8に示されるフローチャートに要約され得る。802において、HVDCPは、ポータブルデバイスに接続されている。HVDCPは、VBUS上で5Vを出力し、そのD+線およびD−線を短絡することによって、DCPとして見なされるように初期構成される。804において、ポータブルデバイスは、BC1.2にしたがって検出を実行する。806において、ポータブルデバイスはDCPを検出し、そして、BC1.2に準拠した検出処理の完了をマーキングする。ポータブルデバイスはその後、接続されたDCPがHVDCPであるかどうかを見るために、本開示の原理にしたがって、D+線上のV
DP_SRCをアサートする。808において、HVDCPは、ポータブルデバイスが複数の電圧レベルを受信することができることを示す、V
DP_SRCを探すためにD+線を感知する。810において、HVDCPは、HVDCPが接続されていることをポータブルデバイスに知らせるために、D+線およびD−間の短絡を開放し、R
DM_DWNをオンにする。812において、ポータブルデバイスは、所望の電圧レベルに対応するD+およびD−上の電気的構成をアサートする。814において、HVDCPは、所望の電圧レベルを出力する。
【0057】
[0064] 本開示の有利な態様は、既存のデバイスとの下位互換性が維持されていることである。例えば、本開示の原理にしたがうポータブルデバイスは、上記の
図5および
図6において概説された処理にしたがって、HVDCPを認識し、HVDCPとともに動作するだろう。さらに、本開示の原理にしたがうポータブルデバイスは、
図5におけるブロック502、504、および506のように、SDP、CDP、DCP、およびいくつかの実施形態において、非BC1.2ポート(例えば、アップル(登録商標)電源アダプタ)、といった非HVDCPデバイスを認識し、非HVDCPデバイスとともに動作するだろう。HVDCP側からは、HVDCPは、上記の
図5および
図6において概説された処理にしたがって、本開示のポータブルデバイスとともに動作するだろう。さらに、HVDCPは、
図6におけるループ602−604によって、従来のポータブルデバイスとともに動作するだろう。従来型のポータブルデバイスはDCP検出の後、D+信号線上のV
DP_SRCをアサートしないであろうから、HVDCPにおける処理は、ブロック604からの分岐を取らないだろう。
【0058】
[0065] 上述の説明は、特定の実施形態の態様がどのように実現され得るかの例とともに、本願発明の様々な実施形態を示す。上述の例は、唯一の実施形態であるとみなされるべきではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される特定の実施形態のフレキシビリティおよび利点を示すために提示されている。上述の開示および以下の特許請求の範囲に基づいて、他の配列、実施形態、実現、および同等物が、特許請求の範囲によって定義された本開示の範囲から逸脱することなく、用いられ得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]回路であって、
外部デバイスへの接続のための電力バスと、
前記外部デバイスへの接続のための複数の信号線と、
前記信号線上の電気的構成を感知するための複数の第1の回路と、
前記信号線上の電気的構成をアサートするための複数の第2の回路と、
を備え、前記第2の回路のうちの1つは、前記第1の回路のうちの1つが前記信号線上の所定の電気的構成を感知するとき、複数の電気的構成の中から前記信号線上の電気的構成をアサートし、それによって前記回路に接続された外部デバイスからの電圧が、前記第2の回路のうちの1つによって前記信号線上でアサートされた前記電気的構成に対応する電圧レベルで前記電力バス上でアサートされる、
回路。
[C2] 前記複数の電気的構成は、少なくとも第1の電圧レベルと関連付けられた第1の電気的構成、および第2の電圧レベルと関連付けられた第2の電気的構成を備え、前記電力バス上の電圧は、前記信号線上でアサートされている前記第1の電気的構成に応答して前記第1の電圧レベルであり、前記電力バス上の電圧は、前記信号線上でアサートされている前記第2の電気的構成に応答して前記第2の電圧レベルである、C1に記載の回路。
[C3] 前記回路はユニバーサルシリアルバス(USB)仕様に準拠し、前記電力バスはVBUSであり、前記複数の信号線はD−信号線およびD+信号線を備える、C1に記載の回路。
[C4] 前記回路は、前記USBバッテリ充電仕様に準拠して動作する、C1に記載の回路。
[C5] 前記電力バスに接続され、バッテリへの接続のためのコネクタを有する充電回路をさらに備え、それによって前記充電回路に接続されたバッテリは、前記電力バス上の前記電圧によって充電されることができる、C1に記載の回路。
[C6] 前記電力バスに接続されたコネクタをさらに備え、前記コネクタに接続された負荷は、前記電力バスから電力を受信することができる、C1に記載の回路。
[C7] 前記外部デバイスはAPアダプタである、C1に記載の回路。
[C8] 前記外部デバイスは、電子デバイスである、C1に記載の回路。
[C9] 前記外部デバイスは、選択可能な出力電圧を有する、C1に記載の回路。
[C10] 前記選択可能な出力電圧は、前記信号線上でアサートされた電気的構成に依存する、C9に記載の回路。
[C11] 外部デバイスへの接続を検出することと、ここで前記外部デバイスからの電圧は前記回路の電力バス上でアサートされる、
前記外部デバイスが第1の種類のうちのものであるかを決定することと、
前記外部デバイスが、少なくとも前記外部デバイスからの第1の電圧レベルを受信するための前記信号線上の第1の電気的構成、または前記外部デバイスからの第2の電圧レベルを受信するための前記信号線上の第2の電気的構成をアサートすることを含む、前記第1の種類のうちのものであるとき、前記外部デバイスに接続された信号線上の電気的構成をアサートすることによって前記電力バス上の電圧レベルを確立することと、
を備える、回路における方法。
[C12] 前記第1の電気的構成または前記第2の電気的構成をアサートすることに続く時間において、前記外部デバイスから第3の電圧レベルを受信するための第3の電気的構成をアサートすることをさらに備える、C11に記載の方法。
[C13] USBバッテリ充電仕様にしたがって前記回路を動作することをさらに備え、ここで前記電力バスはVBUSであり、前記信号線はD−信号線およびD+信号線である、C11に記載の方法。
[C14] 前記外部デバイスが第1の種類のうちのものであるかどうかを決定することは、前記USBバッテリ充電仕様にしたがってステップを実行することを含む、C11に記載の方法。
[C15] 前記外部デバイスが第1の種類のうちのものであるかどうかを決定することは、前記外部デバイスが標準ダウンストリームポート(SDP)、専用充電ポート(DCP)、または充電ダウンストリームポート(CDP)であるかどうかを決定することを含む、C14に記載の方法。
[C16] 前記外部デバイスが第1の種類のうちのものであるかどうかを決定することは、前記信号線上の第3の電気的構成をアサートすることと、前記信号線上の所定の電気的構成を感知することとを含む、C11に記載の方法。
[C17] 前記信号線上の電気的構成をアサートすることは、信号線をボルテージポテンシャルに接続すること、または信号線を電流源に接続すること、または信号線を別の信号線に接続すること、のうちの1つまたは複数を含む、C11に記載の方法。
[C18] 前記電力バス上でアサートされた前記電圧を使用して前記回路に接続されたバッテリを充電することをさらに備える、C11に記載の方法。
[C19] 前記電力バス上でアサートされた前記電圧を前記回路に接続された負荷に提供することをさらに備える、C11に記載の方法。
[C20]電力バスへの接続および複数の信号線への接続を備える回路における方法であって、前記方法は、
前記回路の外部デバイスへの接続を検出することと、
前記信号線上の第1の電気的構成を感知することを含む、前記デバイスが前記USBバッテリ充電仕様によって定義されたDCPであることを検出することと、
前記信号線上の第2の電気的構成をアサートすることと、それに応じて前記信号線上の第3の電気的構成を検出することと、
前記信号線上の第4の電気的構成をアサートすることと、それに応じて第1の電圧レベルで前記電力バス上の電圧を受信することと、ここで前記第4の電気的構成は、複数の所定の電気的構成の中から選択され、各所定の電気的構成は、前記電力バス上でアサートされることができる電圧レベルがそれと関連づけられる、
を備える方法。
[C21] 前記外部デバイスは、電源である、C20に記載の方法。