特許第5981045号(P5981045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5981045高出力光用減衰器、測定装置および3次元造形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5981045
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】高出力光用減衰器、測定装置および3次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20160818BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20160818BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20160818BHJP
   B29C 67/00 20060101ALI20160818BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20160818BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20160818BHJP
【FI】
   B23K26/34
   B23K26/00 N
   B23K26/064 Z
   B29C67/00
   B33Y30/00
   B23K26/21 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-540768(P2015-540768)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(86)【国際出願番号】JP2015056930
【審査請求日】2015年8月13日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度 経済産業省「三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム(次世代型産業用3Dプリンタ技術開発及び超精密三次元造形システム技術開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】514227988
【氏名又は名称】技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】呉屋 真之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】団野 実
(72)【発明者】
【氏名】藤田 善仁
(72)【発明者】
【氏名】二井谷 春彦
【審査官】 青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−099987(JP,A)
【文献】 実開平02−140501(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0224508(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
B29C 67/00
B33Y 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を全反射し、その反射光である第1反射光を第2反射部へ入射させる第1反射手段と、
前記第1反射光を反射し、その反射光である第2反射光を第3反射部へ入射させる第2反射手段と、
前記第2反射光を反射し、その反射光である第3反射光を第4反射部へ入射させる第3反射手段と、
前記第3反射光を前記入射光と同じ光軸を有する第4反射光として反射する第4反射手段と、
を備え、
前記第2反射手段、前記第3反射手段および前記第4反射手段のうち少なくとも2つは、半透過ミラーであることを特徴とする高出力光用減衰器。
【請求項2】
前記第1反射手段と前記第4反射手段とは、前記入射光の光軸上に配置され、
前記第2反射手段と前記第3反射手段とは、前記光軸と平行な軸上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高出力光用減衰器。
【請求項3】
前記第1反射手段と前記第2反射手段とは、前記光軸に垂直な第1垂直面上に配置され、
前記第3反射手段と前記第4反射手段とは、前記第1垂直面と平行な第2垂直面上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高出力光用減衰器。
【請求項4】
前記第1反射手段と前記第2反射手段とは、全反射ミラーであり、
前記第3反射手段と前記第4反射手段とは、半透過ミラーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高出力光用減衰器。
【請求項5】
前記第3反射手段と前記第4反射手段との間に反射手段を少なくとも1つ備え、
前記反射手段は、半透過ミラーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高出力光用減衰器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高出力光用減衰器と光検出素子とを備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項7】
前記高出力光用減衰器と前記光検出素子とが一体であることを特徴とする請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記光検出素子は、CCDセンサまたはCMOSセンサであることを特徴とする請求項6または7に記載の測定装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の測定装置を用いた3次元造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高出力光用減衰器、測定装置および3次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、フィルタを用いてレーザ光を減光する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4551385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、ビーム位置とビーム径とを変化させずにビーム出力を減衰させることができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る高出力光用減衰器は、
入射光を全反射し、その反射光である第1反射光を第2反射部へ入射させる第1反射手段と、
前記第1反射光を反射し、その反射光である第2反射光を第3反射部へ入射させる第2反射手段と、
前記第2反射光を反射し、その反射光である第3反射光を第4反射部へ入射させる第3反射手段と、
前記第3反射光を前記入射光と同じ光軸を有する第4反射光として反射する第4反射手段と、
を備え、
前記第2反射手段、前記第3反射手段および前記第4反射手段のうち少なくとも2つは、半透過ミラーであることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る測定装置は、
上記高出力光用減衰器と光検出素子とを備えたことを特徴とする
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る3次元造形装置は、
上記測定装置を用いた。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る測定装置は、
上記高出力光用減衰器と光検出素子とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る3次元造形装置は、
上記測定装置を用いた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ビーム位置とビーム径とを変化させずにビームの出力を減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る高出力光用減衰器の構成を示す図である。
図2A】本発明の第2実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
図2B】本発明の第2実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第4実施形態に係る3次元造形装置の構成を示す図である。
図5】本発明の第5実施形態に係る3次元造形装置の構成を示す図である。
図6】本発明の第6実施形態に係る3次元造形装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての高出力光用減衰器100について、図1を用いて説明する。高出力光用減衰器100は、入射された高出力光の出力を減衰させる装置である。
【0015】
図1に示すように、高出力光用減衰器100は、反射部101と、反射部102と、反射部103と、反射部104とを備える。
【0016】
反射部101は、入射光120を全反射し、その反射光である反射光120Aを反射部102へ入射させる。反射部102は、反射光120Aを反射し、その反射光である反射光120Bを反射部103へ入射させる。
【0017】
反射部103は、反射光120Bを反射し、その反射光である反射光120Cを反射部104へ入射させる。反射部104は、反射光120Cを入射光120と同じ光軸130を有する反射光120Dとして反射する。反射部102、反射部103および反射部104のうち少なくとも2つは半透過ミラーである。
【0018】
本実施形態によれば、ビーム位置とビーム径とを変化させずにビーム出力を減衰させることができる。
【0019】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る高出力光用減衰器を用いた測定装置について、図2Aおよび図2Bを用いて説明する。
【0020】
(前提技術)
まず、本実施形態の前提技術について説明する。レーザ加工装置では、レーザ光の照射位置(ビーム位置)をガイド光により確認しているが、ガイド光ではレーザ光の出力が大きい場合などにはビーム位置およびビーム径を正確に確認するこができなかった。
【0021】
このようなレーザ加工装置において、レーザ光のビーム位置(焦点位置)またはビーム径を確認するためには、試験片をワークにセットして、この試験片にレーザ光を低出力で照射する。その後、試験片をレーザ加工装置のワークから取り外して、レーザ光による加工痕を顕微鏡などで確認する作業が必要となる。
【0022】
したがって、このようなレーザ加工装置において、レーザ光の焦点位置およびビーム径を所定の値に設定するためには、試験片へのレーザ光の照射と、レーザ光による加工痕を確認する作業を繰り返して行なわなければならない。
【0023】
また、このような作業を、積層用光学系と加熱用光学系との両方について実施する必要があった。さらに、加熱用光学系が、加工材に対して斜めに入射する場合には、レーザ光の焦点位置およびビーム径の調整の難易度が一層高くなる。
【0024】
さらに、3次元造形装置に用いられる加工用のレーザ光は、通常数100W〜数kWの出力がある。これに対して、CCD(Charge Coupled Device)センサなどの受光素子は、出力がμW〜mWの弱い光を受光するものであるので、このような大出力の加工用レーザ光をCCDセンサなどの素子で検出することはできなかった。
【0025】
(本実施形態の技術)
図2Aおよび図2Bは、本実施形態に係る高出力光用減衰器を用いた測定装置200の構成を説明するための図である。図2Aに示したように、測定装置200は、光検出素子207と高出力光用減衰器208とを備える。高出力光用減衰器208は、全反射ミラー201、203と、半透過ミラー202、204と、冷却器250とを備える。
【0026】
全反射ミラー201は、入射光220の光軸230上に配置され、さらに、光軸230と垂直な垂直面260上に配置されている。全反射ミラー201は、レーザ光220を反射する。全反射ミラー201で反射されたレーザ光220は、進路を90度変えて、レーザ光221として全反射ミラー203へ向かう。
【0027】
全反射ミラー203は、光軸230と平行な軸240上に配置され、さらに、全反射ミラー201が配置されている垂直面と同じ垂直面260上に配置されている。全反射ミラー203は、レーザ光221を反射する。全反射ミラー203で反射されたレーザ光221は、進路を90度変えて、レーザ光222として半透過ミラー204へ向かう。
【0028】
半透過ミラー204は、全反射ミラー203が配置されている軸と同じ軸240上に配置され、さらに、垂直面260と平行な垂直面270上に配置されている。レーザ光222は、半透過ミラー204で反射するレーザ光224と、半透過ミラー204を透過するレーザ光223とに分かれる。
【0029】
半透過ミラー204で反射したレーザ光222は、進路を90度変えて、レーザ光224として半透過ミラー202へ向かう。また、半透過ミラー204を透過したレーザ光222は、進路を変えずにレーザ光223として冷却器250へ到達する。
【0030】
半透過ミラー204で反射したレーザ光224と半透過ミラー204を透過したレーザ光223とは、分離される前のレーザ光222と比較して、そのエネルギーが減衰している。
【0031】
半透過ミラー202は、全反射ミラー201が配置されている光軸と同じ光軸230上に配置され、さらに、半透過ミラー204が配置されている垂直面と同じ垂直面270上に配置されている。レーザ光224は、半透過ミラー202で反射するレーザ光225と、半透過ミラー202を透過するレーザ光226とに分かれる。
【0032】
半透過ミラー202で反射したレーザ光224は、進路を90度変えて、レーザ光225として光検出素子207へと向かう。また、半透過ミラー202を透過したレーザ光224は、進路を変えずにレーザ光226として冷却器250へ到達する。
【0033】
半透過ミラー202で反射したレーザ光225と半透過ミラー202を透過したレーザ光226とは、分離される前のレーザ光224と比較して、そのエネルギーが減衰している。
【0034】
このように、2つの半透過ミラー202、204で反射(または透過)するときに、レーザ光のエネルギーが減衰される。結果として、高出力光用減衰器208に入射したレーザ光220は、高出力光用減衰器208から出射する際には、レーザ光220よりもエネルギーが減衰したレーザ光225として高出力光用減衰器208から出射される。
【0035】
なお、上述の説明では、光の透過率と反射率とが等しい半透過ミラーを例に説明をしたが、これには限定されない。光の透過率と反射率とが異なる透過ミラーであってもよい。また、上述の説明では、入射光の上流側の2つのミラーが全反射ミラーで、下流側の2つのミラーが半透過ミラーである例で説明をしたが、これには限定されない。全反射ミラー201の位置に設けられるミラーのみ全反射ミラーであって、その他の位置に設けられるミラーは、半透過ミラーであってもよい。
【0036】
光検出素子207は、高出力光用減衰器208から出射されたレーザ光225を検出する。光検出素子207は、例えば、CCDセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどであるが、光を検出できる素子であればこれらに限定されない。
【0037】
ユーザは、CCDセンサなどの光検出素子207の表示画面を見れば、レーザ光220のビーム位置を確認することができ、さらに、レーザ光220のビームパターンからビーム径を知ることができる。
【0038】
上述したように、レーザ光220の光軸230上に全反射ミラー201を配置して、レーザ光220を一旦、横の経路に迂回させる。そして、半透過ミラー202、204を用いてエネルギーを減衰させるので、レーザ光220の照射されるビーム位置が変わる(ずれる)ことがない。よって、レーザ光220のビーム位置とビーム径とを同時に検出することができる。
【0039】
半透過ミラー202、204を反射または透過したレーザ光223〜226は、出力が1%〜0.1%落ちる。出力が、100W〜数kWのレーザ光220を光検出素子207で検出するためには、出力を6桁程度落とさなければならないので、半透過ミラーは、少なくとも2枚必要となるが、これには限定されない。半透過ミラーの数は、必要に応じて適宜増減することができる。
【0040】
冷却器250は、全反射ミラー201、203を冷却する。また、冷却器250は、半透過ミラー202、204を透過したレーザ光223、226を冷却する。冷却器250には、冷却液251が循環している。冷却液251としては、例えば、水やアルコールなどがあるが、レーザ光を冷却できる物質であればこれらには限定されない。
【0041】
図2Bに示したように、全反射ミラー203の配置位置を軸240上で下方に移動し、半透過ミラー204の配置位置を軸240上で上方に移動した配置としてもよい。これにより、全反射ミラー203と全反射ミラー201とは、垂直面260上での位置が異なり、半透過ミラー204と半透過ミラー202とは、垂直面270上での位置が異なる。
【0042】
この場合、全反射ミラー201の角度を調整して、反射光221が全反射ミラー203へ到達するようにする。また、半透過ミラー204の角度を調整して反射光224が半透過ミラー202へ到達するようにする。
【0043】
全反射ミラー201、203および半透過ミラー202、204の配置位置は、図2Aおよび図2Bに示した配置には限定されず、様々な配置が可能である。
【0044】
本実施形態によれば、レーザ光のビーム位置とビーム径とを変化させずにビームの出力を減衰させることができる。高出力光用減衰器に入射したレーザ光を一旦横方向に迂回させるので、高出力光用減衰器の厚みを増やすことなく、レーザ光の出力を減衰することができるので、高出力光用減衰器208を狭い場所に設置することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、レーザ光220の出力を変えることなく、レーザ光220のエネルギーを取り除くことができる。さらに、レーザ光220を拡散させなくてもレーザ光220の出力を減衰できるので、レーザ光220のビーム径が変わらず、正確なビーム径を測定できる。
【0046】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る高出力光用減衰器を用いた測定装置について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る高出力光用減衰器を用いた測定装置300の構成を説明するための図である。本実施形態に係る測定装置300は、上記第2実施形態と比べると、半透過ミラーを1枚余分に有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0047】
測定装置300は、高出力光用減衰器302と光検出素子207とを備える。高出力光用減衰器302は、半透過ミラー202と半透過ミラー204との間に配置された半透過ミラー301を備える。半透過ミラー301は、軸310上に配置されている。
【0048】
半透過ミラー202と半透過ミラー204と半透過ミラー301とは同じ垂直面270上に配置されている。なお、半透過ミラー202、204、301の配置はこれには限定されず、例えば、半透過ミラー301の配置位置が垂直面270からずれた位置であってもよく、様々な配置が可能である。
【0049】
レーザ光220は、全反射ミラー220で反射して全反射ミラー203へ向かう。レーザ光221は、全反射ミラー203で反射して半透過ミラー204へ向かう。レーザ光222は、半透過ミラー204で、一部が反射して半透過ミラー301へ向かい、残部が透過して冷却器250へ向かう。
【0050】
レーザ光224は、半透過ミラー301で、一部が反射してレーザ光321として冷却器250へ向かい、残部が透過してレーザ光320として半透過ミラー202へ向かう。なお、本実施形態では半透過ミラーの枚数を3枚で説明したが、半透過ミラーの枚数はこれに限定されず、3枚以上であってもよい。
【0051】
本実施形態によれば、半透過ミラーの枚数を増やしたので、レーザ光の出力をさらに減衰させることができる。
【0052】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る3次元造形装置について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る3次元造形装置400の構成を説明するための図である。本実施形態に係る3次元造形装置は、上記第2実施形態で説明した高出力光用減衰器を用いた3次元造形装置である。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0053】
3次元造形装置400は、モニタ401とケーブル402と積層用光学系筐体403と加熱用光学系筐体404と支持治具405とを備える。
【0054】
光検出素子207は、ケーブル402を介してモニタ401に接続されている。ユーザは、モニタ401の表示画面411により、レーザ光のビーム位置とビーム径とを確認することができる。
【0055】
高出力光用減衰器208Aは、積層光学系筐体403の筐体内の高出力光用減衰器208A取り付け用のスペースに取り外し可能に設置されている。また、高出力光用減衰器208Aは、積層用レーザ光431の光路上に配置されている。積層用レーザ光431は、高出力光用減衰器208Aにより出力が減衰されて、光検出素子207に到達する。
【0056】
高出力光用減衰器208Bは、加熱光学系筐体404の外部に配置されている。また、高出力光用減衰器208Bは、加熱用レーザ光441の光路上に配置されており、支持治具405により支持されている。加熱用レーザ光441は、高出力光用減衰器208Bにより出力が減衰されて、光検出素子207に到達する。
【0057】
これらの高出力光用減衰器208A、208Bは、積層用レーザ光431および加熱用レーザ光441のビーム位置やビーム径の測定が必要な場合のみ使用し、3次元造形物の加工を行なう場合には取り外して、使用しない。
【0058】
本実施形態によれば、高出力光用減衰器208Aを3次元造形装置400へ取り外し可能とし、高出力光用減衰器208Bを加熱用レーザ光の経路上に配置可能としている。したがって、加工前や加工後などの加工時以外に積層用レーザ光431および加熱用レーザ光441のビーム位置やビーム径を測定することができる。
【0059】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態に係る3次元造形装置について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る3次元造形装置500の構成を説明するための図である。本実施形態に係る3次元造形装置500は、上記第4実施形態と比べると、高出力光用減衰器208Bが、加熱光学系筐体404の内部に配置されている点で異なる。その他の構成および動作は、第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0060】
高出力光用減衰器208Bは、加熱光学系筐体404の内部に設けられた設置スペースに取り外し可能に、設置されている。
【0061】
本実施形態によれば、高出力光用減衰器208A、208Bを3次元造形装置500へ取り外し可能としているので、加工前や加工後などの加工時以外に積層用レーザ光431および加熱用レーザ光441のビーム位置やビーム径を測定することができる。
【0062】
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態に係る3次元造形装置について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る3次元造形装置の構成を説明するための図である。本実施形態に係る3次元造形装置は、上記第4実施形態と比べると、一体型の測定装置を用いている点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0063】
3次元造形装置600は、高出力光用減衰器208と光検出素子207とが一体となった測定装置601を用いる。なお、図6では、積層用光学系のみを図示しているが、加熱用光学系でも同様である。
【0064】
3次元造形装置600は、測定装置601を3次元造形装置600のワーク602上に置くだけの構成となっている。このように、測定装置601をワーク602上に置くだけの構成としたので、レーザ光431のビーム位置およびビーム径を容易に測定できる。
【0065】
本実施形態によれば、高出力光用減衰器と光検出素子とが一体となった測定装置をワーク上に置くだけなので、レーザ光のビーム位置およびビーム径を容易に測定できる。また、3次元造形装置に測定装置を取り付けるスペースを確保する必要がないので、設置スペースを有しない既存の3次元造形装置であっても、容易にレーザ光のビーム位置およびビーム径を測定できる。
【0066】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【要約】
高出力光用減衰器(100)であって、入射光(120)を全反射し、その反射光である第1反射光(120A)を第2反射部(102)へ入射させる第1反射手段(101)と、前記第1反射光(120A)を反射し、その反射光である第2反射光(120B)を第3反射部(103)へ入射させる第2反射手段と、前記第2反射光(120B)を反射し、その反射光である第3反射光(120C)を第4反射部(104)へ入射させる第3反射手段と、前記第3反射光(120C)を前記入射光(120)と同じ光軸を有する第4反射光(120D)として反射する第4反射手段と、を備え、前記第2反射手段、前記第3反射手段および前記第4反射手段のうち少なくとも2つは、半透過ミラーとすることで、ビーム位置とビーム径とを変化させずにビームの出力を減衰させる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6