(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する本実施形態の遊技機は例示であって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するものではない。また、本実施形態の遊技機は、パチンコ機(弾球遊技機)であるが、本発明はパチンコ機に限らず、スロットマシン(回動式遊技機)等を含むものでもよい。
以下の説明においては、「方向」を、遊技者が相対する側である正面側を基準として定義する。即ち、遊技者が相対する側を「正面」または「前面」とし、正面とは反対側の面を「裏面」とし、正面から臨んで右側を「右」または「右方」とし、同じく左側を「左」または「左方」とし、同じく前側を「前」または「前方」とし、同じく後側を「後」または「後方」とする。また、遊技機1の正面側に取り付けられる各構成要素の説明においても、同様の方向の定義を採用する。
【0019】
(遊技機の概観)
図1及び
図2に示すように、遊技機1は、外郭を形成して遊技場の島設備に設置される縦長矩形枠状の外枠2を備える。外枠2内には、合成樹脂で形成された内枠3が嵌め込まれており、外枠2の下側には合成樹脂の幕板4が設けられ、同じく左下部には、遊技の状況に応じた効果音を出力するスピーカ5が設けられる。
【0020】
内枠3の左側上下部は、外枠2の左側上下部に設けられた上下1対のヒンジ(図示省略)により枢支され、内枠3は外枠2に対して前後方向へ開閉可能となっている。
【0021】
内枠3の前面には、枠状の前扉6が、上下1対の扉ヒンジ部2a、2bにより枢支され、前扉6は内枠3に対して前後方向へ開閉可能となっている。前扉6には、ガラスやプラスチック等からなる透明板7が嵌め込まれる。
内枠3の右側部には、前扉6を施解錠するためのシリンダ錠8が設けられる。
【0022】
さらに、内枠3には、盤面に円形の遊技領域9a(主に
図3参照)を形成した遊技盤9が着脱可能に設けられる。遊技盤9の盤面は前扉6における透明板7により覆われ、遊技領域9aは、透明板7を透して前方から視認可能となっている。
【0023】
前扉6の左右両側には、遊技の状況に応じて点灯、消灯及び点滅して照明による演出を行う照明ユニット10R、10Lが設けられ、また、同じく左右上部には、遊技の状況に応じた効果音を出力するスピーカ11R、11Lが設けられる。さらに、前扉6の前面下部には、入賞に基づいて払い出される遊技球を貯留して、遊技盤9の下側に設けられる発射装置(図示省略)へ供給可能な上皿12と、上皿12の直下にあって、上皿12で貯留しきれなくなった溢れ球を貯留し、また、遊技球の発射装置への供給を一時的に保留するために遊技球を貯留可能な下皿13が設けられる。さらに、上皿12の前縁部12aの中央には所定の状態のときに遊技者の押下操作によって後述する表示装置30等の表示演出を変化させることが可能なプッシュボタン14が設けられる。
【0024】
前扉6の前面右下部には、発射装置と電気的に接続されて打球の発射力を回転操作によって調整可能とする発射ハンドル15が前後方向の水平軸回りに回転可能に設けられる。
【0025】
(制御基板等)
図2に示すように、遊技機1の背面側には、主制御基板16、副制御基板17、払出制御基板18、発射制御基板19等が設けられる。
【0026】
主制御基板16は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報を一時記憶し、記憶した情報の削除を行うRAM等から構成される。主制御基板16は、遊技機1全体を制御するための各種処理を実行し、その処理結果に応じ、遊技を制御するための各種の制御コマンドを演算処理して出力する。また、主制御基板16は遊技状態を移行制御可能であり、遊技の初期状態である通常状態や、通常状態よりも遊技球の払出しを受ける機会が多い有利遊技状態等に移行可能とする。
【0027】
副制御基板17は、主制御基板16からの制御コマンドを受信して、照明ユニット10R、10L、スピーカ5、11R、11Lや、後述する表示装置30等の演出装置などへ制御コマンドを送信して、演出に係る制御を行う。
【0028】
副制御基板17が行う演出には、通常演出と特殊演出とがある。
通常演出は、通常遊技中に主に実行される演出態様であって、遊技者に大当たり等の有利遊技を想起させるような演出は行わない。
【0029】
特殊演出は、遊技状態が有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出態様であって、例えば、表示装置30が表示する3列(左、中、右)の演出図柄のうち2つ(例えば、左図柄及び右図柄)が揃って、残りの1つが変動状態である、いわゆるリーチ演出がある(
図3参照)。さらに、リーチ演出には、大当たりの可能性が相対的に高い場合に実行される高確率リーチ演出と、その相対的に低い場合に実行される低確率リーチ演出とがある。
【0030】
なお、3列の演出図柄のうち、全て、または2つの演出図柄が変動表示している最中に実行されるリーチ前兆演出もある。リーチ前兆演出は、リーチ演出が実行される確率が高いことを示唆するための演出である。
【0031】
さらに、有利遊技状態には、大当たり遊技後に行われる時間短縮遊技(以下、時短遊技という)があり、特殊演出としては、時短遊技のゲーム数を決定する時短ゲーム数決定演出がある。時短遊技は、非時短遊技中(例えば、通常状態)の遊技と比較して、後述する特別図柄表示装置38aの特別図柄の変動時間が短縮され、また、後述する普通図柄表示装置38bの普通図柄の変動時間も短縮されて、後述する第2始動口35の可動片35aの開放作動が延長される。
【0032】
払出制御基板18は、主制御基板16からの制御コマンドを受信して、賞球払出装置(図示省略)の作動を制御して、上皿12へ遊技球の払出しを行う。
【0033】
発射制御基板19は、発射ハンドル15の回転操作量に応じて発射装置の作動を制御し、遊技領域9aへ遊技球の打ち出しを行う。例えば、遊技者の操作によって、発射ハンドル15の回転操作量が大となると、発射制御基板19は、発射装置に対する遊技球の射出力が大となるように制御し、遊技球を遊技領域9aの右側まで発射させることが可能となる。
【0034】
(遊技領域)
図3に示すように、遊技盤9の前面における遊技領域9aには、主な構成要素として、前方に突出しそのほぼ中央に開口部20aを有するセンター役物20が設けられ、センター役物20の後側には、例えば液晶ディスプレイからなる矩形状の表示装置30が設けられる。
表示装置30は、遊技上の演出として3列に並ぶ数字、文字、図形等から構成される演出図柄を変動表示及び停止表示する。
【0035】
遊技領域9aにおけるセンター役物20の下方には、遊技球の通過を契機に、表示装置30が演出図柄を変動表示させるゲート型の第1始動口31が設けられ、第1始動口31の直下には、入賞したことを契機に、遊技球の払い出しが行われるポケット状の一般入賞口32が設けられる。
【0036】
同じくセンター役物20の右側の領域には、遊技球の通過を契機に後述する第2始動口35の可動片35aを作動させるゲート型のスルーチェッカ33が設けられ、スルーチェッカ33の下方には一般入賞口32と同様の一般入賞口34が設けられる。一般入賞口34の下方には左右1対の可動片35aが開放作動することにより、遊技球を誘導して入賞し易い状態にする、いわゆる電動チューリップ式の第2始動口35が設けられる。第2始動口35の下方には、遊技者にとって不利な第1状態(遊技球が入賞不能な閉鎖状態)と遊技者にとって有利な第2状態(遊技球が入賞可能な開放状態)とに変化可能な大入賞口36が設けられる。
遊技領域9aの最下部中央には、遊技領域9aに打ち込まれた遊技球のうち入賞しなかった遊技球を遊技盤9の裏面側に送り出すアウト口37が設けられる。
【0037】
さらに、遊技領域9aには遊技領域9aを自重落下する遊技球を適宜放散させたり、また、所定の経路に誘導したりする多数の遊技釘(図示省略)や風車(図示省略)が設けられ、さらに、遊技領域9aの上下部の左右には、それぞれ、互いが平行をなし、かつ遊技盤9のほぼ中心方向を向く2本の光源を備える遊技領域照明部39が設けられる。この遊技領域照明部39は、後述する第1可動部材51に連動して照明演出を行うように、副制御基板17によって制御される。
【0038】
上述のように、本実施形態の遊技機では、スルーチェッカ33、第2始動口35、及び大入賞口36が、遊技領域9aの右側部に配置されるため、大入賞口36が第2状態のときに、遊技者が発射ハンドル15を操作して、発射ハンドル15の回転操作量を大として、遊技球を遊技領域の右側に打ち出すと、大入賞口36に多数の遊技球が入賞可能となり、賞球として大量の遊技球が払い出され、遊技者にとって有利な遊技状態となる。即ち、本実施形態の遊技機は、右打ち用の遊技領域9aを具備している。
なお、スルーチェッカ33を遊技領域9aの左側に、大入賞口36を遊技領域9aの中下部に設けて、左打ち用の遊技領域9aを備えるものとしてもよい。
【0039】
遊技盤9の遊技領域9a外の右側下方には、特別図柄表示装置38a及び普通図柄表示装置38bが設けられる。
特別図柄表示装置38aは、遊技球が、第1始動口31、または第2始動口35のいずれか一方に入賞したことを契機に実行される特別図柄に係る電子抽選(内部抽選ともいう)の結果(大入賞口を第2状態にするか否か、即ち大当たりか否か)を、2桁の数字の組合せの停止態様で報知して特別図柄を表示するためのものであり、本実施形態の遊技機では7セグメント表示器を採用している。
なお、表示装置30は、特別図柄表示装置38aに変動表示される特別図柄の組合せ、及び変動表示時間と同期して、演出図柄を変動表示させるとともに、停止表示させるようになっている。
【0040】
普通図柄表示装置38bは、遊技球がスルーチェッカ33を通過することを契機に実行される普通図柄に係る電子抽選の結果(第2始動口35の可動片35aを開放するか否か)を、2つのランプの組合せ態様で報知して普通図柄を表示するものであり、本実施形態の遊技機では2つのLEDランプを採用している。
【0041】
ここで、遊技の流れについて説明する。
遊技者が発射ハンドル15を回転操作することによって遊技領域9aに打ち込まれた遊技球が、第1始動口31又は第2始動口35に入賞すると、これを契機に主制御基板16によって内部抽選が実行される。抽選の結果、大当りとなって、副制御基板17により表示装置30に変動表示される演出図柄が大当りの確定表示で停止した場合(例えば、3列に同一の図柄が揃った場合)には、主制御基板16は、遊技状態を有利遊技状態に移行させて、大当り状態を生起させ、大入賞口36を第1状態から第2状態に変化させる。大当り状態のときに、遊技者が右打ちすると、第2状態にある大入賞口36に、多数の遊技球が入賞可能となり、多数の遊技球が払出制御基板18の制御に基づいて賞球払出装置により上皿12へ払い出される。
【0042】
(センター役物)
次に、本実施形態の遊技機におけるセンター役物20の構成について説明する。
図3に示すように、センター役物20は、遊技領域9aのほぼ中央おいて、遊技領域9aから前方へ突出し、その中央に前後方向の開口部20aを有する枠状をなしている。センター役物20の左側には、遊技領域9aに打ち出された遊技球の一部を、センター役物20内に導入可能とするための遊技球案内路21が設けられる。センター役物20の下部中央には、遊技球案内路21から導入された遊技球を、誘導し、かつ揺動させるステージ22が設けられる。
【0043】
ステージ22は、左右から中央部へ向かって下降傾斜するとともに、その中央部は前方へ傾斜して、ステージ22上の遊技球を、ステージ22の直下に設けられる第1始動口31に高確率で入賞し得るようになっている。
【0044】
さらに、センター役物20には、遊技の進行、すなわち、上述の特殊演出に合わせて、表示装置30の前方を遮蔽し、表示装置30における表示領域の前方からの視認性を制限しうる表示部遮蔽ユニット40、及び第1可動部材51及び第2可動部材52が設けられる。
【0045】
(表示部遮蔽ユニット)
図4〜
図9に示すように、表示部遮蔽ユニット40は、表示装置30の周囲に設けられ、遊技の進行や演出態様に合わせて、表示装置30の前面を遮蔽したり、開放したりするものであって、ベースプレート410、遮蔽部材420(
図5及び
図6参照)、遮蔽部材可動機構450、モータM1、M2から構成される。
【0046】
(ベースプレート)
ベースプレート410は、
図4〜
図6に示すように、表示部遮蔽ユニット40の構成部材を前面に取り付けるためのものであって、表示装置30の画面とほぼ同型同寸の開口部410aを有する略方形の環状をなし、遊技盤9の裏側に設けられたセット板(図示省略)に固定される。遊技者は、開口部410aを通して表示装置30の表示演出を前方から視認可能となっている。ベースプレート410の四隅部には、前向きに折曲げられた取付片411が設けられている。取付片411は、左右の斜め外方向を向く誘導棒463bの両端を固定保持する。
【0047】
(遮蔽部材)
遮蔽部材420は、
図4〜
図9に示すように、非透過性の合成樹脂等からなり、第1遮蔽部材421、第2遮蔽部材422、第3遮蔽部材423、第4遮蔽部材424からなっている。なお、第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424のいずれにおいても機能が同様であるため、同一機能のものには同じ符号を付して説明する。
【0048】
各遮蔽部材421〜424は、それぞれ切欠部430aを有する五角形をなす第1移動体である基部430と、基部430のほぼ中心に形成された正方形の第1開口部430bをスライドして開閉可能とする第2移動体であるシャッタ440とを備える。遮蔽部材421〜424は、第1開口部430bを通して表示装置30の表示領域を視認可能とする。
【0049】
基部430の裏面には、
図7〜
図9に示すように、後方に突出する円柱状の突部430c、430dが設けられ、突部430cには、後述する第1リンク部材461が係合し、突部430dには、後述するコイルスプリング471eの一端が係合する。基部430の端部には、側方へ突出する突出片430eが設けられる。
【0050】
シャッタ440は基部430の表面側に支持され、シャッタ440の表面には、遊技におけるシンボルとなる図柄が付され(図示省略)、シャッタ440が閉鎖したときに視認可能となっている。なお、この図柄は全て同一のものでも、それぞれ異なるものでもよく、それぞれ異なる図柄の場合には、全ての図柄が表示されたときに任意の意味をなすような図柄としてもよい。
シャッタ440の裏面には、後方へ突出する円柱状の突部440aが設けられ、突部440aには後述する第2リンク部材471が係合する。
【0051】
第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424は変位可能となっており、通常演出時、例えば、表示装置30が演出図柄を変動表示して、3列の演出図柄が揃うことなく停止表示する演出のときには、
図3及び
図4に示すように、第1遮蔽部材421は表示装置30の左上隅部近傍に、第2遮蔽部材422は表示装置30の右上隅部近傍に、第3遮蔽部材423は表示装置30の右下隅部近傍に、第4遮蔽部材424は表示装置30の左下隅部近傍(以下、非遮蔽位置という。)に位置するようになっている。
このとき、表示装置30の表示領域のほぼ全面が前方から視認可能となっている。
【0052】
一方、特殊演出の一例である、リーチ演出のときには、第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424は、後述する遮蔽部材可動機構450によって、非遮蔽位置から表示装置30の対角線にほぼ沿うように、表示装置30の中央へ変位する。この変位により、
図5及び
図10に示すように、第1遮蔽部材421は表示装置30の左上の領域に、第2遮蔽部材422は表示装置30の右上の領域に、第3遮蔽部材423は表示装置30の右下の領域に、第4遮蔽部材424は表示装置の左下の領域において、遮蔽部材421〜424同士が互いに対向する辺同士を結合させて、表示装置30の前面を遮蔽する位置(以下、遮蔽位置という。)に位置するようになっている。
【0053】
このとき、結合された遮蔽部材421〜424の各切欠部430aによって、表示装置30の中央部に正方形の第2開口部420aが形成される。
なお、各遮蔽部材421〜424に切欠部430aを設けないようにして、各遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置したときに、第2開口部420aを形成しないようにしてもよい。
【0054】
上述のように、遮蔽部材421〜424は、表示装置30の対角線にほぼ沿うように求心方向へ移動して表示装置30の中央へ集結するか、または放射方向へ移動して、表示装置30の外方へ散開することによって、演出的な動作を行いつつ、表示装置30を遮蔽状態または非遮蔽状態にする。
【0055】
さらに、第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424が遮蔽位置に位置するときに、
図6及び
図11に示すように、各シャッタ440は、第1開口部430bを閉鎖する閉鎖位置から、表示装置30の対角線にほぼ沿うように第1開口部430bを開放する開放位置に変位して、各第1開口部430bを開放する。
なお、各シャッタ440の移動方向を、各遮蔽部材421〜424の移動方向と同じとしてあるため、各部材が変位する際に、全体の演出において統一感を発揮させることができる。
【0056】
(遮蔽部材可動機構)
遮蔽部材可動機構450は、各遮蔽部材421〜424の基部430と連結して、遮蔽部材421〜424自体を変位させる第1作動機構460と、遮蔽部材421〜424の各シャッタ440と連結してシャッタ440のみを変位させる第2作動機構470とを備える。第1作動機構460及び第2作動機構470によって、各遮蔽部材421〜424及びシャッタ440の動作をそれぞれ個別または連係して円滑に作動させることができる。
【0057】
なお、駆動源をなすモータMは、各遮蔽部材421〜424自体を変位可能とするための第1モータM1と、各遮蔽部材421〜424の各シャッタ440を変位可能とするための第2モータM2とからなっている。
図4〜
図6に示すように、第1モータM1はベースプレート410の表側の左右に固定され、第2モータM2はベースプレート410の表側の上下に固定される。第1モータM1及び第2モータM2がベースプレート410に固定されることによって、安定した状態で動力を提供することができる。
【0058】
(第1作動機構)
第1作動機構460は、第1モータM1と、第1モータM1及び各遮蔽部材421〜424を連係する第1リンク部材461と、各遮蔽部材421〜424の移動を所定の方向(
図4〜
図6に示すL1方向)に制御する誘導部材463とを有する。
【0059】
(第1リンク部材)
第1リンク部材461は、
図4〜
図6に示すように、ベースプレート410の左右において、上下に、遮蔽部材421〜424にそれぞれ対応するように設けられ、各遮蔽部材421〜424及び左右の第1モータM1間の動力伝達経路を連係するとともに、上下関係にある第1リンク部材461、461を、連動させるための後述する扇形ギヤ461aを互いに連係した状態で配置される。
【0060】
第1遮蔽部材421及び第2遮蔽部材422と連係する第1リンク部材461、461は、第1モータM1の駆動軸MS1に固定されており、第1モータM1の動力が伝達されてR1方向(
図4、
図5参照)へ回転可能となっている。また、第3遮蔽部材423及び第4遮蔽部材424と連係する第1リンク部材461、461は、前後方向の回転軸461cに回転可能に取り付けられる。
【0061】
上側の第1リンク部材461、461(第1遮蔽部材421及び第2遮蔽部材422と連係する第1リンク部材461、461)が第1モータM1により回転させられると、連係した扇形ギヤ461a、461aによって、下側の第1リンク部材461、461(第3遮蔽部材423及び第4遮蔽部材424と連係する第1リンク部材461、461)が従動してR2方向(
図4、
図5参照)へ回転し、第1リンク部材461に連係した全ての遮蔽部材421〜424は遮蔽位置に変位する。この構成より、4つの遮蔽部材421〜424を2つの第1モータM1によって変位させることが可能となるため、1つの遮蔽部材に対して、1つの駆動源を用意することなく、部品点数を減らすことができ、部材のコストや生産コストの削減が可能となる。
【0062】
第1リンク部材461は、より詳細には、
図7〜
図9に示すように、長寸の平板状をなし、一端に扇形状の扇形ギヤ461aが設けられ、他端側に先端近傍から中央方向へ延びる長孔461bが設けられる。長孔461bには基部430の突部430cが長手方向へ摺動可能、かつ長手方向と直交する縁に係合可能となっている。
【0063】
(誘導部材)
誘導部材463は、各遮蔽部材421〜424の変位方向を規制するためのもので、各遮蔽部材421〜424に固定され筒部463cを有する摺動部463aと、ベースプレート410の取付片411、411に固定され、摺動部463aが筒部463cを介して摺動可能な誘導棒463bとを有する。
第1遮蔽部材421及び第3遮蔽部材423にそれぞれ対応する誘導棒463b、463bは、右下がりに傾斜しており、第2遮蔽部材422及び第4遮蔽部材424にそれぞれ対応する誘導棒463b、463bは、右上がりに傾斜している。従って、誘導部材463は、遮蔽部材421〜424を、誘導棒463bの長手方向(
図4におけるL1方向)、換言すると、表示装置30のほぼ対角線に沿うように表示装置30の求心方向及び遠心方向にのみ移動可能とするように規制する。
この誘導部材463によって第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424は一定方向(
図4におけるL1方向)に安定して変位することが可能となる。
【0064】
(第1作動機構の作動態様)
次に、第1作動機構460の作動態様について説明する。
図4に示すように、遮蔽部材421〜424が非遮蔽位置に位置しているときに、左右の第1モータM1がR1方向に回転駆動すると、駆動軸MS1に固定された上部の第1リンク部材461もR1方向に回転し、上部の第1リンク部材461の扇形ギヤ461aを介して下部の第1リンク部材461はR2方向に回転する。上下の第1リンク部材461がそれぞれ回転することによって、各第1リンク部材461の先端に設けた突部430cは長孔461bの内縁に係合し、遮蔽部材421〜424に動力が伝達され、遮蔽部材421〜424は、非遮蔽位置から誘導部材463によって制御されながら表示装置の中心方向の遮蔽位置に変位する。
【0065】
一方、
図5に示すように、各遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置しているときに、左右の第1モータM1、M1が反R1方向に回転すると、駆動軸MS1に固定された上部の第1リンク部材461、461も反R1方向に回転し、上部の第1リンク部材461、461の扇形ギヤ461aを介して下部の第1リンク部材461、461は反R2方向に回転する。上下の第1リンク部材461がそれぞれ回転することによって、各第1リンク部材461の先端に設けた突部430cが長孔461b、461bの内縁に係合して、遮蔽部材421〜424に動力が伝達することにより、遮蔽部材421〜424は、遮蔽位置から誘導部材463によって制御されながら表示装置の遠心方向の非遮蔽位置に変位する。
【0066】
上記構成により、左右の第1モータM1が同期して駆動することによって、遮蔽部材421〜424を同時に遮蔽または開放することが可能であり、左右の第1モータM1を個々に駆動することによって、左側の遮蔽部材421、424と右側の遮蔽部材422〜423をそれぞれ遮蔽または開放することができる。また、遊技の進行に合わせて、第1モータM1の速度を調整したり、一方のみの第1モータM1の回転速度を速めたり、遅めたりすることによって、遮蔽部材421〜424の遮蔽または非遮蔽を非同期的に行ってもよい。また、遮蔽部材421〜424うちの一部の遮蔽部材の開閉のタイミングをずらすことによって遮蔽または非遮蔽を非同期的に行ってもよい。
【0067】
(第2作動機構)
第2作動機構470は、第2モータM2と、シャッタ440に連結する第2リンク部材471及び第2モータM2の動力を第2リンク部材471に伝達する動力伝達部材473と、シャッタ440を正常に開閉するために可動範囲を制御するガイド装置475とを有する。
【0068】
(第2リンク部材)
第2リンク部材471は、
図7〜
図9に示すように、遮蔽部材421〜424にそれぞれ対応するように設けられ、長辺と短辺とを有するL字形をなしている。長辺側には先端近傍から中央方向へ向かう長孔471aが設けられ、中央寄りの側端部には後方へ突出する突出片471dが設けられる。長孔471aにはシャッタ440の裏面に設けられた突部440aが長手方向へ摺動可能で、かつ長手方向と直交する縁に係合可能となっている。短辺側の先端には、後方へ突出する円柱状の突部471bが設けられる。
【0069】
第2リンク部材471は、前後方向の回転軸471cを介して遮蔽部材421〜424の突出片430eに裏側から回転可能に取り付けられる。
回転軸471cにおける、突出片430eと第2リンク部材471との間には、第2リンク部材471をシャッタ440の閉鎖方向へ付勢するためのコイルスプリング471eが巻回される。コイルスプリング471eの一端は、遮蔽部材421〜424の突部430dに係合され、他端は、第2リンク部材471の突出片471dに係合される。
第2リンク部材471は、コイルスプリング471eにより付勢されて、各シャッタ440を開放状態から閉鎖状態に復帰させたり、各シャッタ440が自重や衝撃等により閉鎖位置から移動したりするのを防止している。
【0070】
(動力伝達部材)
動力伝達部材473は、ベースプレート410の上下にそれぞれ設けられ、上下方向に延びるラックギヤ部473aと、ラックギヤ部473aの一端に設けられ左右方向に延びる当接部473bとを有するT字形(上部の動力伝達部材473は倒立T字形、下部の動力伝達部材473はT字形)をなしている。
【0071】
ラックギヤ部473aは、歯を上下方向に直列してなり、第2モータM2の前後方向の駆動軸MS2に固定され、駆動軸MS2の回転周りに歯を配置したオピニオンギヤOと組み合わされて第2モータM2の動力が伝達するようになっている。即ち、動力伝達部材473は、第2モータM2の回転方向によって、ラックギヤ部473aを介して上昇したり下降したりする。
【0072】
当接部473bは、
図5に示すように、遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置するとき、第2モータM2によって動力伝達部材473が下降(上昇)した際に、当接部473bの下部(上部)が、第2リンク部材471の突部471bに当接可能となっている。
【0073】
なお、当接部473bの前面には、所定の文字(例えば、
図4に示す「CHANCE」)が付されており、遮蔽部材421〜424が非遮蔽位置に位置するときに、第2モータM2によって上部の動力伝達部材473が下限位置、または、下部の動力伝達部材473が上限位置に変位した際に、
図4において仮想線(2点鎖線)で示すように、表示領域上に露出し、前方から視認可能となっている。
一方、遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置するときには、動力伝達部材473が遮蔽部材421〜424の裏面に沿って移動するため、当接部473bは表示領域上に露出せず前方から視認不能となっている。
【0074】
(ガイド装置)
ガイド装置475は、各シャッタ440の側端部から側方へ突出する基片475aと、基片475aに設けられた前後方向の回転軸475d、475dに回転可能に設けられた1対のローラー475b、475bと、遮蔽部材421〜424の基部430内に設けられ、シャッタ440の開閉方向へ延びるガイドレール475cとを備える。ローラー475b、475bは、ガイドレール475cに沿って摺動可能となっている。
ガイド装置475によってシャッタ440は一定方向(
図4におけるL2方向)に安定して変位することが可能となっている。
【0075】
(第2作動機構の作動態様)
次に、第2作動機構470の作動態様について説明する。
図5に示すように、遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置しているときに、上部の動力伝達部材473が第2モータM2の駆動により下降すると、動力伝達部材473の当接部473bは第2リンク部材471の突部471bに当接し、さらに、コイルスプリング471eの付勢力に抗って第2リンク部材471の短辺側が押し下げられることにより、てこの原理で回転軸471cを中心として長辺側が上昇し、シャッタ440の突部440aが長孔471aの内縁に係合して、シャッタ440に動力が伝達されることにより、シャッタ440はガイド装置475によって制御されながら閉鎖位置から開放位置にスライドし、第1開口部430bは開放状態となる。
【0076】
各第1開口部430bが開放状態にあるときに、上部の動力伝達部材473が第2モータM2の駆動により上昇すると、第2リンク部材471の下方への押圧状態は解除され、第2リンク部材471は、コイルスプリング471eの付勢力によって、回転軸471cを中心に長辺側が下降し、シャッタ440の突部440aが長孔471aの内縁に係合して、シャッタ440に動力が伝達され、シャッタ440はガイド装置475によって制御されながら開放位置から閉鎖位置にスライドして、第1開口部430bは閉鎖状態となる。
【0077】
一方、下部の動力伝達部材473が第2モータM2の駆動により上昇すると、動力伝達部材473の当接部473bは、第2リンク部材471の突部471bに当接し、さらに、コイルスプリング471eの付勢力に抗って第2リンク部材471の短辺側が押し上げられることにより、てこの原理で回転軸471cを中心に長辺側が下降し、シャッタ440の突部440aが長孔471aの内縁に係合して、シャッタ440に動力が伝達される。そのため、シャッタ440は、ガイド装置475によって制御され閉鎖位置から開放位置にスライドして、第1開口部430bは開放状態となる。
【0078】
第1開口部430bが開放状態にあるときに、下部の動力伝達部材473が第2モータM2の駆動により下降すると、第2リンク部材471の上方への押圧状態が解除される。そのため、第2リンク部材471は、コイルスプリング471eの付勢力によって、回転軸471cを中心に長辺側が上昇し、シャッタ440の突部440aが長孔471aの内縁に係合して、シャッタ440に動力が伝達されることにより、シャッタ440は、ガイド装置475によって制御されながら開放位置から閉鎖位置にスライドして、第1開口部430bは閉鎖状態となる。
【0079】
上記構成により、遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置するときに、第2モータM2、動力伝達部材473、第2リンク部材471、シャッタ440間の動力伝達経路が連係可能となり、かつ、上下の第2モータM2が同期して駆動することによって、全てのシャッタ440を同時に開閉することも可能であり、上下の第2モータM2を個々に駆動することによって、上側のシャッタ440と下側の440をそれぞれ開閉することができる。また、遊技の進行に合わせて、第2モータM2の速度を調整したり、一方のみの第2モータM2の回転速度を速めたり、遅めたりすることによって、シャッタ440の開閉を非同期的に行ってもよい。また、一部のシャッタ440の開閉のタイミングをずらすことによって開閉を非同期的に行ってもよい。
【0080】
(第1可動部材及び第2可動部材)
第1可動部材及び第2可動部材は、特殊演出であるリーチ演出やリーチ前兆演出等の際に、表示装置30の表示演出態様、遮蔽部材421〜424やシャッタ440の遮蔽及び開放態様に合わせて、表示装置30の表示領域の一部を遮蔽したり開放したりする。
【0081】
第1可動部材51は、
図12に示すように、例えば剣をモチーフにした平面形状をなす非透過性の合成樹脂等で形成されており、センター役物20の右側から出没する。遊技状態が通常状態のときは、前方から目立たないように、表示装置30の右側、かつセンター役物20と表示部遮蔽ユニット40との間の待機位置に配置される(主に
図3参照)。第1可動部材51は、駆動機構60によって、センター役物20の右側から、遮蔽部材422の前方を通って、表示装置30のほぼ中央のまでの間を、回転軸51aを中心に揺動可能となっている。
【0082】
第1可動部材51の停止可能な位置として、表示装置30の右上の遮蔽位置に位置する遮蔽部材422の第1開口部430bを遮蔽する第1遮蔽位置、及び遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に位置するときに形成される第2開口部420aを遮蔽する第2遮蔽位置が設定される。
第1可動部材51が第2遮蔽位置に位置する際には、第2開口部420aを遮蔽するとともに、第1遮蔽部材421及び第3遮蔽部材423の各第1開口部430b、430bを、第1可動部材51の先端部及び基端部によって遮蔽する。
【0083】
第2可動部材52は、
図13に示すように、例えば、人をモチーフにした平面形状をなす、非透過性の合成樹脂等で形成されており、センター役物20の下側から出没する。通常状態のときは、前方から視認できないように、遊技機1の下側、かつセンター役物20と表示部遮蔽ユニット40との間の待機位置(
図3及び
図13参照)に位置している。第2可動部材52は、駆動機構61(
図13参照)によって、表示装置30の下方の待機位置から、遮蔽部材421〜424の前方を通って、表示装置30のほぼ中央までの間を上下動可能となっている。
【0084】
第2可動部材52は、遮蔽部材421〜424によって形成される第2開口部420a上に位置して、第2開口部420aを遮蔽する出没位置に停止可能となっている。なお、第2可動部材52が出没位置に位置する際には、遮蔽部材422〜423の各第1開口部430b、430bの一部は遮蔽されるが、表示演出の前方からの視認性に影響を及ぼすことはない。
【0085】
以上のように、表示部遮蔽ユニット40及び可動部材50は、遊技の進行や表示装置30の演出(特殊演出)に合わせて、それぞれが独立して、または組み合わされて作動し、これによって遊技上の演出が実行される。
【0086】
(遊技の流れに基づく表示部遮蔽ユニット40及び可動部材50の作動態様)
図3及び
図11〜
図14を参照しながら、遊技の流れに合わせて表示部遮蔽ユニット40及び可動部材50の作動態様について説明する。
図3は、通常演出が実行されている遊技機において、表示部遮蔽ユニット40が非遮蔽位置に位置する状態、及び可動部材50が退避位置に位置する状態を示す。この状態において、第1始動口31または第2始動口35に遊技球が入賞すると、主制御基板16は内部抽選を実行し、副制御基板17は、内部抽選の結果に基づく演出を実行する。その演出のうち、表示装置30において、演出図柄の組合せ等により、リーチ演出(特殊演出)が実行された場合、リーチ演出の発展演出として、表示部遮蔽ユニット40の遮蔽部材421〜424が遮蔽状態へ変位する等の第1演出が実行される。
【0087】
第1演出においては、例えば、リーチ演出が実行されたときに、
図11に示すように、遮蔽部材421〜424が、表示装置30の外周の非遮蔽位置から表示装置30の対角線にほぼ沿うようにして、表示装置30の中央側の遮蔽位置へと変位して、表示装置30の表示領域の大部分を遮蔽するとともに、表示装置30のほぼ中央を視認可能とするための第2開口部420aを形成して、視認可能な表示領域を第2開口部420a内に限定する。このとき、形成された第2開口部420a内の表示領域には例えば、所定の演出図柄が変動表示される。
【0088】
このように、表示領域を、ほぼ全領域を露出(開放)した状態から、遮蔽後の第2開口部420aによって形成される小領域に制限することにより、遊技者の視線を表示領域の全域を見渡している散漫な状態から、第2開口部420a内に限定した小画面に表示された表示演出に誘導することができる。
【0089】
第1演出が実行された後、第1演出の発展演出として、遮蔽部材421〜424のシャッタ440の開放等の第2演出が実行される。
第2演出においては、
図12に示すように、遮蔽位置に位置する遮蔽部材421〜424の各シャッタ440が開放位置に変位するとともに、開放された第1開口部430b内の表示領域において所定の演出図柄を停止表示(確定表示)する。ここでいう所定の演出図柄とは、例えば、キャラクタ、数字、文字等のことである。最終的に、第1開口部及び第2開口部内のそれぞれの表示領域において、予め定められた演出図柄が確定表示されたことを契機に、大当たり状態を生起するようになっている。
【0090】
また、第2演出は、例えば、第1演出後、第2開口部420a内に演出図柄が変動表示されているときに、第1遮蔽部材421及び第2遮蔽部材422のシャッタ440、440、または第3遮蔽部材423及び第4遮蔽部材424のシャッタ440、440を2つずつ開放位置に変位させるとともに、開放された第1開口部430b内の表示領域にキャラクタの演出図柄を確定表示する。なお、第2演出のシャッタ440の開放態様は2つずつに限らず、4つ同時に開放するようにしてもよい。また、遊技機1の前面に設けたプッシュボタン14の押下操作によってシャッタ440が開放するようにしてもよい。なお、シャッタ440の全てが開放しないようにすることもある。
【0091】
遮蔽部材420の4箇所全てにおいて第2演出が実行され、遮蔽部材421〜424の全ての第1開口部430b内にキャラクタの演出図柄が表示された後に、第2演出の発展演出として、
図13及び
図14に示すように、第1可動部材51または第2可動部材52による第3演出が実行される。従って、全てのシャッタ440が開放しない場合には、第3演出は実行されない。その場合、第2演出で発展演出は終了し、その後は通常演出が実行される。
【0092】
第1可動部材51による第3演出では、
図13に示すように、第2演出が実行された後、第1可動部材51が待機位置から第2位置に変位して、第2開口部420a内の演出図柄を前方から視認不能とし、第2開口部420aの遮蔽後に、表示装置30は、第2開口部420a内の表示領域に変動表示している演出図柄を確定表示して、第1可動部材51は、演出図柄の確定表示を契機に第2位置から待機位置へ変位する。
【0093】
第1可動部材51が、表示領域内を大きく変位して第2開口部420aを遮蔽及び開放することにより、第1演出及び第2演出に続く一連の演出態様として、より一層表示装置30の表示演出を盛り上げて、大当たりの期待度を高めることができる。
なお、本実施形態の遊技機においては、低確率リーチ演出よりも高確率リーチ演出が実行された場合の方が、第3演出まで発展することが多くなるように設定されている。
【0094】
第2可動部材52による第3演出は、
図13に示すように、第2演出が実行された後、待機位置から出没位置に変位して、第2開口部420a内の表示領域に変動表示されている演出図柄を前方から視認不能とし、第2開口部420aの遮蔽後に、表示装置30は、第2開口部420a内の表示領域に変動表示している演出図柄を確定表示して、第1可動部材51は、演出図柄の停止表示を契機に出没位置から待機位置へ変位する。
第1可動部材51と同様、第2可動部材52により表示領域を遮蔽及び開放することによって、遊技者に大当たりの期待度を高めることができる。
【0095】
上述したように、特殊演出(リーチ演出)の発展演出として遮蔽部材421〜424による第1演出が実行され、さらに、シャッタ440による第2演出、可動部材50による第3演出というように段階的に演出が実行されるほど、大当たりの期待度が段階的に高まるようになっており、表示装置30による表示演出と、遮蔽部材421〜424及び可動部材50による遮蔽、開放態様との組合せによって、バリエーション豊かな演出態様が実行可能となり、遊技者が飽きないような演出態様を提供することができる。
【0096】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。なお、上述の本発明の一実施形態、及び下記変形例におけるそれぞれの構成要件及び遊技上の条件等を組み合わせることが可能である。
【0097】
(第1変形例)
リーチ演出のうち、
図14に示すように、表示装置30の表示領域において、2組の演出図柄の組合せが、中図柄変動中に左図柄及び右図柄において対角線上にそれぞれ揃った状態であるダブルリーチ(例えば、
図17に示すように、「6」−「変動中」−「6」と「7」−「変動中」−「7」(「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」の順))の2種類のリーチ状態)演出が実行された場合、発展演出として第1演出が実行され、遮蔽部材421〜424が遮蔽位置に変位し、かつ
図15に示すように、第2演出が実行され、第2開口部420aに変動表示中の図柄を表示するとともに、全てのシャッタ440を開放位置に変位して、各第1開口部430bに「6」または「7」図柄をそれぞれ表示して、上述のダブルリーチ状態を、遮蔽部材421〜424を通して再度演出する。第3演出が実行されて、変動表示中の中図柄が表示された第2開口部420aを、第1可動部材51(
図15の仮想線に示す)または第2可動部材52によって遮蔽する。そして、中図柄が確定表示された後、第1可動部材51または第2可動部材52は、第2開口部420aを遮蔽した状態から退避位置へ変位する。
この第1演出から第3演出を実行することによって、高確率リーチ演出であるダブルリーチ演出を、さらに大当たりの期待度が高める演出へと昇華させることができる。
【0098】
(第2変形例)
時短遊技の遊技回数抽選の結果、例えば、比較的多数の遊技回数が当選した場合、時短ゲーム数決定演出を実行する。時短ゲーム数決定演出は、遮蔽部材421〜424と表示装置30の表示演出との組合せによる演出である。
まず、
図16に示すように、第1演出を実行して、第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424を、表示装置30に対して遮蔽位置に変位させて、第2開口部420aを形成して表示領域を第2開口部420aに限定する。抽選結果を第2開口部420a内の表示領域に表示するとともに、第1遮蔽部材421〜第4遮蔽部材424を遮蔽位置から非遮蔽位置へ変位させつつ、その変位に合わせて、抽選結果を拡大表示する(
図17参照)。
このような演出を実行することにより、演出図柄(2次元)の拡大表示に合わせて実体ある部材(3次元)である遮蔽部材420を変動させるため、2次元の演出と3次元の演出とが一体的に構成され、迫力ある演出を遊技者に提供して、演出の効果を高め遊技の嗜好性を向上させることができる。
【0099】
(第3変形例)
第1可動部材51は、
図18に示すように、表示装置30の全ての演出図柄が変動中にリーチ予告演出として、表示装置30の前面に出没する演出を実行する。例えば、この演出が実行された場合に、高確率で高確率リーチ演出が実行され、さらに、第1演出から第3演出まで発展する確率が高まるようにしてもよい。
【0100】
(第4変形例)
第1可動部材51が第1位置または第2位置(
図12参照)、もしくは第2可動部材52(
図13参照)が出没位置に位置するとき、第1開口部430bまたは第2開口部420aが前方から視認できないように遮蔽した状態で、第1可動部材51または第2可動部材52を小刻みに揺動させる。
【0101】
(第5変形例)
図12に示すように、第1可動部材51が第2位置に位置するとき、遊技領域9aの左上部の遊技領域照明部39、及び右下部の遊技領域照明部39の各光源同士を結ぶ線上に第1可動部材51が位置することになるが、その際に、左上部と右下部の遊技領域照明部39、40を点灯又は点滅させる。この演出により、遊技領域照明部39の光源が第1可動部材51の輪郭と一体をなして、あたかも遊技領域9aを左上がりに横断する剣のように視認させることができる。さらに、第1可動部材51にLED等の照明機器を設けて、表示装置30の表示演出や第1可動部材51の演出態様、また遊技領域照明部39の照明態様に合わせて点灯または点滅させることもできる。
【0102】
(第6変形例)
第1開口部430b及び、シャッタ440を有しない遮蔽部材421〜424を遮蔽位置に変位させて、この第2開口部420aを形成し、第2開口部420aを、第1可動部材51または第2可動部材52によって遮蔽する。
【0103】
(第7変形例)
遮蔽部材421〜424における基部430に、切欠部430aから表示領域における中央方向へ出没可能な出没片(図示省略)を設ける。遮蔽部材421〜424を遮蔽位置に変位させて、第2開口部420aを形成したときに、この第2開口部420aを遮蔽部材421〜424の出没片を突出させることにより、各突出片が互いに結合して第2開口部を閉鎖する。このとき、表示領域の全面は遮蔽され、前方から表示演出は視認できなくなる。