特許第5981272号(P5981272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981272
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】アンケートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20160818BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-189851(P2012-189851)
(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-48794(P2014-48794A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】中山 圭以
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−049667(JP,A)
【文献】 特開2008−217640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより回答者に質問を提示して回答を入力させるアンケートシステムであって、
前記コンピュータは、
前記質問を、一の質問について前記質問への回答の内訳を問う二以上の他の質問を関連付けることができる階層構造として記録する記録部と、
前記記録部から取得した前記質問を表示する質問提示手段と、
前記質問提示手段によって提示される前記質問が、前記二以上の他の質問によって構成される所定の階層の質問群である場合、前記二以上の他の質問を構成する所定の階層の質問群によって回答する内訳を一の操作によって回答可能な入力手段と、
を備えアンケートシステム。
【請求項2】
回答者が操作するクライアント端末と、
前記クライアント端末からネットワークを介して通信されるサーバと、
を備え、
前記質問提示手段は、
前記質問を前記クライアント端末に表示し、
前記入力手段は、
回答者がクライアント端末を操作することにより回答が入力される請求項1記載のアンケートシステム。
【請求項3】
前記入力手段は、
回答者がスライドバーを操作することで前記内訳を入力する請求項1又は2に記載のアンケートシステム。
【請求項4】
前記質問の階層構造は、
同一階層となる二以上の質問のいずれか一の質問にのみ、前記質問の内訳を問う二以上の他の質問を関連付け請求項1〜3のいずれかに記載のアンケートシステム。
【請求項5】
前記記録部は、
記質問の階層ごとに一の質問文記録
前記質問提示手段は、
前記質問の階層ごとに、前記一の質問文を表示する請求項1〜4のいずれかに記載のアンケートシステム。
【請求項6】
前記質問は、
労働時間におけるコミュニケーションの実態を調査するための第1階層〜第5階層からなる質問であり、
前記第1階層は、回答者の一週間における労働時間を問う質問であり、
前記第2階層は、
前記労働時間における、コミュニケーション時間を問う質問と、
一人で仕事を行う時間を問う質問と、
移動又は休憩の時間を問う質問と、
を含み、
前記第3階層は、
前記コミュニケーション時間における、直接の打合せ、TV電話、Web会議のいずれかを行っている時間を問う質問と、
電話を用いている時間を問う質問と、
メール、チャット、SNS、FAXのいずれかを用いている時間を問う質問と、
を含み、
前記第4階層は、
前記直接打ち合わせを行っている時間における、社内コミュニケーションの時間を問う質問と、
社外コミュニケーションの時間を問う質問と、
を含み、
前記第5階層は、
前記社内コミュニケーションの時間における、2〜3人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、
4〜6人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、
7〜10人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、
11人以上でのコミュニケーションの時間を問う質問と、
を含む請求項1〜4のいずれかに記載のアンケートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケートシステムに関し、具体的には、コンピュータを用いて複数の質問に簡易な手順で回答可能なアンケートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット等のネットワークを利用したアンケートシステムとして、例えば特許文献1のシステムが知られている。
【0003】
また、アンケートの質問を階層構造とし、一の質問に回答すると、当該質問に関連する詳細な質問を提示するものとして、例えば特許文献2のアンケート作成方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−94463号公報
【特許文献2】特開2004−287745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
詳細な質問を多数用意し、これを回答者に答えさせることができれば、アンケート対象者の詳細な傾向を読み解くことができる一方で、質問の多いアンケートは回答者にとって煩わしく、アンケートの回答を忌避される要因ともなりうる。
【0006】
本発明は上記の状況に着目し、詳細な調査を簡易に回答できるアンケートシステムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータにより回答者に質問を提示して回答を入力させるアンケートシステムであって、前記コンピュータは、前記質問を、一の質問について前記質問への回答の内訳を問う二以上の他の質問を関連付けることができる階層構造として記録する記録部と、前記記録部から取得した前記質問を表示する質問提示手段と、前記質問提示手段によって提示される前記質問が、前記二以上の他の質問によって構成される所定の階層の質問群である場合、前記二以上の他の質問を構成する所定の階層の質問群によって回答する内訳を一の操作によって回答可能な入力手段と、を備えアンケートシステムを提供する。
【0008】
また、本発明は、回答者が操作するクライアント端末と、前記クライアント端末からネットワークを介して通信されるサーバと、を備え、前記質問提示手段は、前記質問を前記クライアント端末に表示し、前記入力手段は、回答者がクライアント端末を操作することにより回答が入力される前記アンケートシステムを提供する。
また、前記入力手段は、回答者がスライドバーを操作することで前記内訳を入力してもよい。
さらに、前記質問の階層構造は、同一階層となる二以上の質問のいずれか一の質問にのみ、前記質問の内訳を問う二以上の他の質問を関連付けることができる。
前記記録部は、前記質問の階層ごとに一の質問文記録、前記質問提示手段は、前記質問の階層ごとに、前記一の質問文を表示することができる。
【0009】
加えて、本発明のアンケートシステムにおける前記質問は、労働時間におけるコミュニケーションの実態を調査するための第1階層〜第5階層からなる質問であり、前記第1階層は、回答者の一週間における労働時間を問う質問であり、前記第2階層は、前記労働時間における、コミュニケーション時間を問う質問と、一人で仕事を行う時間を問う質問と、移動又は休憩の時間を問う質問と、を含み、前記第3階層は、前記コミュニケーション時間における、直接の打合せ、TV電話、Web会議のいずれかを行っている時間を問う質問と、電話を用いている時間を問う質問と、メール、チャット、SNS、FAXのいずれかを用いている時間を問う質問と、を含み、前記第4階層は、前記直接打ち合わせを行っている時間における、社内コミュニケーションの時間を問う質問と、社外コミュニケーションの時間を問う質問と、を含み、前記第5階層は、前記社内コミュニケーションの時間における、2〜3人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、4〜6人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、7〜10人でのコミュニケーションの時間を問う質問と、11人以上でのコミュニケーションの時間を問う質問と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一の質問について回答の内訳を問う二以上の他の質問が関連付けられた階層構造の質問を用い、当該二以上の他の質問に対して一の操作によって回答可能な入力手段によって回答を入力する構成により、同一階層となる二以上の質問に対して個別に回答を入力する必要がない。これにより、質問の量が多い詳細なアンケートであっても、簡易に回答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例における概要図。
図2】同実施例において、回答者に提示する質問の構造を示す概要図。
図3】同実施例において、質問の提示及び回答の記入を行う画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例のアンケートシステム1の概要図である。アンケートシステム1は、アンケートの回答者が操作するクライアント端末2と、クライアント端末2からの要求を受けて各種処理を行うサーバ3がネットワークにより通信を行うものである。
【0013】
また、本実施例におけるアンケートシステム1は、WEBアプリケーションによるASPサービスとして提供されるものである。アンケートの回答者は、クライアント端末2が実行するWEBブラウザを介して所定のアドレスにアクセスすることでアンケートに回答することができる。
なお、本実施例ではアンケートシステム1をネットワーク通信によってサービスを提供するコンピュータと、サービスの提供を受けるコンピュータが強調する、いわゆるクライアント・サーバ・モデルによる情報システムとして提供しているが、例えば単一の場所で一台のコンピュータによってアンケートを収集する場合には、一台のコンピュータにクライアント端末2及びサーバ3の役割を担当させる、いわゆるスタンドアロン型の情報システムとして提供してもよい。
【0014】
クライアント端末2は、回答者が操作するコンピュータである。前述のように、アンケートシステム1はWEBアプリケーションとしてアンケートを実施するものであり、クライアント端末2は、該クライアント端末2が実行するWEBブラウザを介してサーバ3と通信を行う。
クライアント端末2は、一般的なコンピュータ、すなわち、CPUとメモリ、記憶装置、入出力装置等がバスによって接続されたものであればよいが、WEBブラウザを実行可能であり、かつ、サーバ3と通信可能なコンピュータである必要がある。一方で、WEBブラウザを実行しサーバ3と通信が可能であれば、クライアント端末2は据置型のコンピュータでも、携帯端末型のコンピュータでもよい。
【0015】
サーバ3は、クライアント端末2からの要求に従って各種処理を行うコンピュータである。ハードウェア上の構成はクライアント端末2と同様に一般的なコンピュータであればよい。ただし、全ての処理を単一の装置によって実行する必要はなく、適宜複数の装置を組合せてサーバ3を構成するようにしてもよい。
【0016】
また、本実施例のアンケートシステム1では、アンケートに使用する質問、及び、回答者が記入した回答に関する情報を記録する記録部をサーバ3が備えている。本実施例における記録部は、サーバ3において稼働されるリレーショナル・データベース・マネージメント・システム(RDBMS)であるが、記録部としてRDBMS以外を用いてもよい。
また、前述のとおり、サーバ3は複数台のコンピュータによってこれを構成してもよく、例えばクライアント端末2と通信を行うコンピュータと、記録部を備えたコンピュータを分離した構成としてもよい。
【0017】
図2は、本実施例によって行うアンケートの質問内容と、その構造を示す概要図である。
本実施例におけるアンケートは、サラリーマン等を対象として、労働時間におけるコミュニケーションの実態を調査するものである。
【0018】
図2に示すように、本実施例が行うアンケートでは回答者に対して13の質問群に回答させる。また、これらの質問群は、質問Q1を最上位の第1階層として、質問Q1の下位に第2階層となる質問Q2〜Q4、質問Q2の下位に第3階層となる質問Q5〜Q7、質問Q5の下位に第4階層となる質問Q8、Q9、質問Q8の下位に第5階層となる質問Q10〜13がそれぞれ関連付られており、全体として階層構造となるようにサーバ3の記録部に記録されている。
【0019】
質問Q1は、一週間における労働時間を問う第1階層の質問である。具体的には一週間の労働時間と休日の日数を問うものであり、この質問の回答が、質問Q2で内訳を回答する対象となる。
【0020】
質問Q2〜Q4は、質問Q1に回答した一週間の労働時間において、作業等の種類毎に割く時間を問う第2階層の質問群である。具体的には、質問Q2は他人とのコミュニケーションに当てている時間、質問Q3は一人で仕事を行っている時間、質問Q4は移動、休憩等その他の時間を問う質問である。
本実施例では、質問Q2〜Q4の内、質問Q2にのみ下位の質問Q5〜7が関連付けられており、質問Q2の内訳を問う構成となっている。
【0021】
質問Q5〜7は、質問Q2に回答したコミュニケーション時間を、どの様な手段で行っているかを問う第3階層の質問群である。具体的には、質問Q5は直接の打合せ、TV電話、Web会議等を行っている時間、質問Q6は電話用いている時間、質問Q7はメール、チャット、SNS、FAX等を用いている時間を問う質問である。
本実施例では、質問Q5〜Q7の内、質問Q5にのみ下位の質問Q8、Q9が関連付けられており、質問Q5の内訳を問う構成となっている。
【0022】
質問Q8、Q9は、質問Q5に回答した直接打ち合わせを行っている時間が、誰との打ち合わせかを問う第4階層の質問群である。具体的には、質問Q8は社内におけるコミュニケーションの時間を問う質問であり、質問Q9は社外とのコミュニケーションの時間を問う質問である。
本実施例では、質問Q8、Q9の内、質問Q8にのみ下位の質問Q10〜13が関連付けられており、質問Q8の内訳を問う構成となっている。
【0023】
質問Q10〜13は、質問Q8に回答した社内コミュニケーションが、何人で行われているかを問う第5階層の質問群である。具体的には、質問Q10は2〜3人、質問Q11は4〜6人、質問Q12は7〜10人、質問Q13は11人以上でのコミュニケーション時間を問う質問である。
【0024】
図3は、上記質問Q1〜Q13を提示し、回答を入力する画面の模式図である。図3で示すように、質問Q1〜Q13は、第1〜第5の各階層ごとに、質問文T1〜T5と、回答用のスライドバーS1〜S5が表示されている。
【0025】
質問文T1〜T5は、質問Q1〜Q13の各階層ごとに予め用意され、サーバ3の記録部に記録されている。また、スライドバーS2〜S5の下部には、スライドバーS2〜S5によって指定された内訳の具体的な内容を示す詳細表示領域B2〜B5が設けられている。
なお、前述のように本実施例のアンケートシステム1はWEBアプリケーションであるため、当該画面はクライアント端末2から回答者が所定のURLにアクセスすることで、サーバ3が記録部から質問Q1〜Q13及び質問文T1〜T5を取得して画面情報を生成し、クライアント端末2によって表示される。
また、本実施例では質問Q1〜Q13の階層ごとに質問文T1〜T5を別途用いているが、各階層の質問の内代表的な物、例えばQ2〜Q4であればQ2の質問を質問文T2として用いても良く、また、質問T1〜T5の文章と、Q1〜Q13の具体的な質問を組合わせて質問文としてもよい。
【0026】
回答者はこのスライドバーS1〜S5を操作することにより、各階層毎に、その上位となる階層への回答の内訳を回答する。すべての階層の質問に回答すると、当該回答はサーバ3に送信され、サーバ3の記録部に記録される。
この時、画面上に質問文T1〜T5及びスライドバーS1〜S5のみが表示されている場合には、スライドバーS1〜S5の各領域がどの質問に対する回答なのか分かり難いことがあるが、本実施例ではスライドバーS1〜S5の下部に詳細表示領域B2〜B5を設け、当該領域に内訳の具体的な内容を表示することで、回答者にとって分かり易いインタフェースを提供することができる。
なお、上記第1〜第5階層への質問は、単一の画面で回答させてもよく、複数の質問ごとに画面遷移を伴うようにしてもよい。
【0027】
質問Q1〜Q13の質問群は前述のように第1〜第5の階層として構成されており、各階層の質問群は、その上位階層の一の質問への回答の内訳を問う質問群となっている。したがって、各階層の質問群への回答には、質問毎に回答を入力する必要がなく、一の操作すなわち前述のスライドバーの操作により内訳を回答することができる。これにより、本実施例では合計13の質問に対して5回の回答でアンケートを完了することができる。質問数に対して回答数を大幅に減らすことができるので、詳細なアンケートであっても簡易に回答することができる。
【0028】
なお、本発明の構成は上記実施例に限られるものではない。
例えば、本実施例ではアンケートを合計13の質問Q1〜13で構成しているが、質問及び階層の数及び質問内容はこれに限られない。また、階層構造とした質問の前後に、別の質問を追加してもよい。
また、回答を行う入力手段もスライドバーに限られず、例えば円グラフのようなインタフェースを用いてもよい。
その他の具体的構成についても上記の実施例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな変更が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 サービス提供システム
2 クライアント端末
3 サーバ
Q1〜Q13 質問
S1〜S5 スライドバー
T1〜T5 質問文
B2〜B5 詳細表示領域

図1
図2
図3