(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981295
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】積層鉄心の樹脂封止方法
(51)【国際特許分類】
H02K 15/03 20060101AFI20160818BHJP
【FI】
H02K15/03 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-227126(P2012-227126)
(22)【出願日】2012年10月12日
(65)【公開番号】特開2014-82807(P2014-82807A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144038
【氏名又は名称】株式会社三井ハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】石松 久朋
【審査官】
池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−054376(JP,A)
【文献】
特開2006−345600(JP,A)
【文献】
特開2007−215301(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/145399(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉄心片を積層して形成され、周囲に複数の磁石挿入孔を有する鉄心本体のそれぞれの前記磁石挿入孔に永久磁石を装入した後、前記鉄心本体を上型と下型とで積層方向に押圧し、前記上型又は前記下型に設けられた樹脂溜め部から、取外し可能なカルプレートを介して前記磁石挿入孔に樹脂を充填して、前記永久磁石を固定する積層鉄心の樹脂封止方法において、
前記カルプレートは溝状のランナーを有し、該ランナーの端部には、前記カルプレートを上下に抜ける貫通路が形成され、該貫通路と前記磁石挿入孔との共通部分によって複数の樹脂注入孔を形成し、
前記樹脂溜め部から前記ランナーを介して前記樹脂注入孔より前記磁石挿入孔に注入された前記樹脂によって、前記磁石挿入孔に配置された前記永久磁石を、前記磁石挿入孔の半径方向一側に寄せることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【請求項2】
請求項1記載の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記貫通路は前記ランナーの中心線を中心にして対称又は非対称に形成されていることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記複数の樹脂注入孔は、断面長方形の前記永久磁石の長辺側壁面に沿って形成されていることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記複数の樹脂注入孔は前記磁石挿入孔の半径方向内側又は半径方向外側に形成されていることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記各樹脂注入孔の断面積は等しくなっていることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記各樹脂注入孔の断面積は異なっていることを特徴とする積層鉄心の樹脂封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄心片を複数枚積層して形成され、永久磁石(未磁化を含む)がそれぞれ挿入された磁石挿入孔に樹脂を封入する積層鉄心の樹脂封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層鉄心の樹脂封止にあっては、上型又は下型に樹脂溜め部を設け、樹脂溜め部内の樹脂を加熱して、プランジャで押し出し、積層鉄心に形成された磁石挿入孔に樹脂を注入する方法が提案されている。また、樹脂注入後、積層鉄心の表面に残った樹脂カルの除去を容易にするため、積層鉄心表面に、ランナー(樹脂流路)、ゲート孔を形成したカルプレートを配置し、このカルプレートを介して磁石挿入孔に樹脂の注入を行うことが特許文献1に記載されている。
【0003】
また、磁石挿入孔に挿入された永久磁石をコア(積層鉄心)の半径方向外側又は半径方向内側のいずれか一方に寄せて積層鉄心を形成する場合もあり、永久磁石を磁石挿入孔の外側に寄せることで、騒音、損失、更には振動を低減したモータを製造でき、永久磁石を磁石挿入孔の内側に寄せることで永久磁石の破損を防止できるという利点がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−054376号公報
【特許文献2】特開2006−238584号公報(
図15、
図19)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図5に示すように、永久磁石60を入れる磁石挿入孔61の内側中央から、カルプレートを用いて又はカルプレートを用いないで、樹脂を注入する場合は、安定して樹脂注入を行うことが可能である。特に、積層鉄心62自体に磁石挿入孔61の中央で内側又は外側に位置する樹脂注入孔63を設けている場合は、永久磁石60は磁石挿入孔61の外側又は内側に寄せられ易い。
【0006】
しかしながら、
図6(A)に示すように、積層鉄心65の設計上の問題で、樹脂注入孔66が磁石挿入孔67の幅方向中心位置から外れて形成されると、永久磁石68を均等に樹脂で覆うことができず、磁石挿入孔67に対して永久磁石68が傾いて固定される場合があるという問題があった。
【0007】
また、
図6(B)に示すように、積層鉄心70の磁石挿入孔71の幅方向中間位置に樹脂注入孔が形成されていない場合、永久磁石72の中心位置の1箇所から樹脂を流し込んでも、永久磁石72の壁面と磁石挿入孔71の隙間が狭いと、樹脂の均等流れが妨げられ、未充填が発生することがある。そのため、磁石挿入孔71と永久磁石72の隙間が大きい角部73、74から樹脂を注入することも提案されている(特許文献2参照)が、この場合も積層鉄心65において発生する問題と同様、永久磁石72の壁面中央を中心に樹脂が流れているわけではないので、永久磁石72の壁面が磁石挿入孔71の壁面に対して傾いて形成されるという問題が生じた。これらの問題は、特に一つの磁石挿入孔に複数の永久磁石を入れているものに多く発生し、例えば、複数の永久磁石のうち1つの永久磁石だけが傾いて固定されてしまい、全ての永久磁石を一様に磁石挿入孔の外側又は内側に寄せることができなかった。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、カルプレートを用いて樹脂封止を行い、永久磁石と磁石挿入孔の隙間が狭い場合や、磁石挿入孔の幅方向中間位置に樹脂注入孔が形成されていない場合であっても、永久磁石を半径方向外側又は内側に寄せることが可能な積層鉄心の樹脂封止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法は、複数の鉄心片を積層して形成され、周囲に複数の磁石挿入孔を有する鉄心本体のそれぞれの前記磁石挿入孔に永久磁石を装入した後、前記鉄心本体を上型と下型とで積層方向に押圧し、前記上型又は前記下型に設けられた樹脂溜め部から、取外し可能なカルプレート
を介して前記磁石挿入孔に樹脂を充填して、前記永久磁石を固定する積層鉄心の樹脂封止方法において、
前記カルプレートは溝状のランナーを有し、該ランナーの端部には、
前記カルプレートを上下に抜ける貫通路が形成され、該貫通路と前記磁石挿入孔との共通部分によって複数の樹脂注入孔を
形成し、
前記樹脂溜め部から前記ランナーを介して前記樹脂注入孔より前記磁石挿入孔に注入された前記樹脂によって、前記磁石挿入孔に配置された前記永久磁石を、前記磁石挿入孔の半径方向一側に寄せる。
【0010】
また、本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、
前記貫通路は前記ランナーの中心線を中心にして対称又は非対称に形成されている。
【0011】
本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、前記複数の樹脂注入孔は、断面長方形の前記永久磁石の長辺側壁面に沿って形成されているのが好ましい。
【0012】
本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、前記複数の樹脂注入孔は前記磁石挿入孔の半径方向内側又は半径方向外側に形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、前記各樹脂注入孔の断面積は等しくなっているのがより好ましい。
【0014】
そして、本発明の積層鉄心の樹脂封止方法において、前記各樹脂注入孔の断面積は異なっている場合であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法においては、ランナーの端部に、一つの磁石挿入孔につき複数の樹脂注入孔を有しているので、永久磁石と磁石挿入孔の隙間が小さい場合や、樹脂注入孔が磁石挿入孔の幅方向中間位置に形成されない場合も、永久磁石の傾きを考慮してバランスさせた位置、即ち、傾きを発生させない位置に自在に樹脂注入を行うことができ、磁石挿入孔に配置された永久磁石を、磁石挿入孔の形状の影響を受けることなく、磁石挿入孔の半径方向一側(即ち、外側又は内側)に寄せることができる。
【0016】
特に、本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において
は、ランナーの終端部にカルプレートを上下に抜ける貫通路が設けられ、貫通路と磁石挿入孔との共通部分で樹脂注入孔を形成している
ので、樹脂の流れがよりスムーズになり、より確実に永久磁石の傾きを防止できる。
更に、カルプレートからカルを除去する場合に、貫通路の部分は樹脂が露出するので、カルを抜き易いという利点があると共に、樹脂注入孔の一部に鉄心本体を使用するので、カルプレートの摩耗が減少する。
また、貫通路の位置は自由に設定できるので、鉄心本体の形状に合わせてカルプレートの設計ができる。
【0017】
本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、複数の樹脂注入孔が、断面長方形の永久磁石の長辺側壁面に沿って形成されている場合は、樹脂の流入路を確実に確保でき、永久磁石が傾いて磁石挿入孔に配置してあったとしても、確実に永久磁石を磁石挿入孔の壁面に押し付けることができる。
【0018】
特に、本発明に係る積層鉄心の樹脂封止方法において、各樹脂注入孔の断面積が等しくなっている場合には、永久磁石により均等な力を与え、より均等に永久磁石を磁石挿入孔の側壁に押し付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法を適用する装置の概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法の説明図である。
【
図3】本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法の説明図である。
【
図4】本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法の説明図である。
【
図5】従来例に係る積層鉄心の製造方法を説明する平面図である。
【
図6】(A)、(B)は従来例に係る積層鉄心の製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1、
図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法に用いる樹脂封止装置10は、対となる上型11及び下型12を有し、上型11(又は下型12、あるいは双方)には図示しない昇降手段を有し、下型12の上に載置された鉄心本体15をカルプレート(ダミープレート)14を介して積層方向に押圧可能となっている。なお、鉄心本体15を構成要素とする積層鉄心はこの実施の形態では回転子積層鉄心の例を挙げているが、固定子積層鉄心でも本発明は適用可能である。
【0021】
また、この実施の形態では下型12内に複数の樹脂溜め部17が設けられ、それぞれ対応する磁石挿入孔18に樹脂29をカルプレート14を介して注入している。なお、一つの樹脂溜め部17からカルプレート14に形成されているランナー19、複数の樹脂注入孔33、34を介して1又は複数の磁石挿入孔18に樹脂29(熱硬化性樹脂)を注入できる。
【0022】
積層鉄心を形成する鉄心本体15は、磁性鋼板を打ち抜いて複数の所定形状の鉄心片21を造り、これをかしめ積層して形成され、中央に軸孔22を周囲に複数の磁石挿入孔18を有し、各磁石挿入孔18に予め1又は複数の永久磁石(未磁化)24が収納されている。収納された永久磁石24の上端は鉄心本体15の上端面25に対して少し(0.5〜2mm)の隙間26を有している。
【0023】
下型12に形成されている樹脂溜め部17には、下方から嵌入して昇降するプランジャ28が設けられていると共に、下型12には下型12を加熱するヒータが設けられ、樹脂溜め部17内に投入された樹脂29を所定温度の溶解状態に保つようになっている。
【0024】
取外し可能なカルプレート14は例えば、厚み3〜10mmの硬質鋼板又はステンレス鋼板からなって、
図2に示すように、樹脂溜め部17に符合するザグリ孔30が設けられ、このザグリ孔30に基部が連続するランナー19が設けられている。ランナー19は下向き開放の断面溝形状となって、下流側に位置する磁石挿入孔18に対して長手方向の中央位置に形成され、半径方向外側の終端部には、円周方向(即ち、半径方向に直交する方向)に拡幅した貫通路32が形成されている。貫通路32の幅は永久磁石24の長辺幅の0.2〜0.8倍の範囲であるのが好ましい。
【0025】
貫通路32はカルプレート14を上下に貫通し、ランナー19の半径方向外側領域に接続され、ランナー19の中心線mを中心にして円周方向に対称に形成されている。この貫通路32の円周方向両端部は半径方向外側に伸びて、上方に位置する鉄心本体15の磁石挿入孔18に重複する領域を有し、この領域と同一大きさの樹脂注入孔33、34が形成されている。樹脂注入孔33、34は磁石挿入孔18の軸心に対して左右均等に配置され、しかも磁石挿入孔18の半径方向内側に形成されている。
【0026】
従って、上型11と下型12との間にカルプレート14を介して鉄心本体15を配置し、上型11を下降し、鉄心本体15を上型11と下型12との間で挟持(押圧)する。そして、樹脂溜め部17に予め入れられている樹脂29をプランジャ28を押し上げて押し出すと、ザグリ孔30からランナー19を介して貫通路32に流れ込み、樹脂注入孔33、34から磁石挿入孔18内に樹脂29が流れる。
【0027】
このとき、樹脂注入孔33、34は磁石挿入孔18に対して円周方向対称に、かつ磁石挿入孔18の半径方向内側に同一断面積で形成されているので、磁石挿入孔18内の永久磁石24が半径方向外側に均等に押され、その後硬化する。この場合、永久磁石24に対して左右均等に樹脂圧が働くので、永久磁石24が磁石挿入孔18に対して傾いたりすることがない。
【0028】
なお、永久磁石24を磁石挿入孔18の半径方向内側に寄せて配置する場合は、
図2に二点鎖線で示すように、磁石挿入孔18の半径方向外側に形成された貫通路36を用い、逆溝状のランナー37はザグリ孔30から貫通路36まで形成する。貫通路36は磁石挿入孔18に対して円周方向に対称となって、磁石挿入孔18と貫通路36のラップする部分が樹脂注入孔39、40となる。
【0029】
続いて、
図3を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法について説明する。第2の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法においては、カルプレート41に形成されたランナー19(中心線をmとする)に続く貫通路42が磁石挿入孔18に対して円周方向(半径に直交する方向)に非対称となっている。そして、貫通路42と磁石挿入孔18の共通部分で形成する樹脂注入孔43〜45があって、しかも、ランナー19の中心線mを中心にして円周方向両側に配置された樹脂注入孔43の面積と、樹脂注入孔44、45の合計面積が同一となっている。
【0030】
樹脂注入孔43の面積をS1、樹脂注入孔44、45の面積をS2、S3とし、中心線mからの距離をそれぞれd1、d2、d3とすると、S1×d1≒S2×d2+S3×d3とするのが好ましく、これによって、より均等に永久磁石24が磁石挿入孔18の半径方向外側に押される。
なお、永久磁石24を磁石挿入孔18の半径方向内側に寄せる場合は、貫通路を磁石挿入孔18の半径方向外側領域に配置し、磁石挿入孔18と貫通路の共通部分で樹脂注入孔を形成する。
【0031】
図4には、本発明の第3の実施の形態に係る積層鉄心の樹脂封止方法を示すが、図に示すように、ザグリ孔30から半径方向外側に向けて下部開口の溝状のランナー47が、磁石挿入孔48の内側端部近傍まで形成され、ランナー47の端部には円周方向に広い貫通路49が形成されている。貫通路49は中心線mに対して非対称となって、一方は磁石挿入孔48にラップする樹脂注入孔50を形成している。貫通路49の他方側の磁石挿入孔48は上下方向に断面円弧状の溝部52を有し、この溝部52に貫通路49の他方側がラップし、樹脂注入孔53を形成している。
【0032】
この実施の形態においては、貫通路49の一側に形成される樹脂注入孔50と貫通路49の他方側に形成される樹脂注入孔53の溝部52の大きさは±80%の範囲で略同一となって、中心線mからの距離も±80%の範囲で略同一となっている。これによって、樹脂注入孔50と樹脂注入孔53から注入される樹脂に永久磁石24は均等に押されて磁石挿入孔48の側面に押圧される。
【0033】
なお、磁石挿入孔の半径方向外側に樹脂注入孔を形成する場合は、ランナーを磁石挿入孔の半径方向外側まで延長し、円周方向に幅広の貫通路を形成し、その端部を磁石挿入孔に連通する。この場合、磁石挿入孔の形状は断面長方形で貫通路を磁石挿入孔にラップさせる場合と、磁石挿入孔の内部に凹部(縦溝)を設け、貫通路をこの凹部に連結する場合がある。
即ち、以上の実施の形態において、複数の樹脂注入孔は、断面長方形の永久磁石の長辺側壁面に沿って形成されている。
【0034】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、ザグリ孔の位置を変え、ザグリ孔の基部からランナーが連続するのではなく、ザグリ孔内部からランナーが連続してもよい。
前記実施の形態においては、下型に樹脂溜め部を用いたが上型に樹脂溜め部を配置する場合も本発明は適用される。
また、一つの樹脂溜め部から複数の磁石挿入孔に樹脂を注入する場合も本発明は適用される。
更に、カルプレートを1枚の板材から構成する場合は当然として、2枚又は3枚以上の板材から構成することもできる。
【符号の説明】
【0035】
10:樹脂封止装置、11:上型、12:下型、14:カルプレート、15:鉄心本体、17:樹脂溜め部、18:磁石挿入孔、19:ランナー、21:鉄心片、22:軸孔、24:永久磁石、25:上端面、26:隙間、28:プランジャ、29:樹脂、30:ザグリ孔、32:貫通路、33、34:樹脂注入孔、36:貫通路、37:ランナー、39、40:樹脂注入孔、41:カルプレート、42:貫通路、43〜45:樹脂注入孔、47:ランナー、48:磁石挿入孔、49:貫通路、50:樹脂注入孔、52:溝部、53:樹脂注入孔