特許第5981331号(P5981331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981331
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】デッキ構造体及び根太材固定具
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20160818BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   E04F15/02 101G
   E04F15/00 M
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-276411(P2012-276411)
(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-118782(P2014-118782A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】512194879
【氏名又は名称】株式会社KSサプライ
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 明広
(74)【代理人】
【識別番号】100064300
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 賢市
(72)【発明者】
【氏名】上田 舞子
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−195430(JP,A)
【文献】 実開昭55−11434(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00−15/22
E04B 1/00、1/58、5/02
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体とクリップとによって構成され、
本体は、長手方向と直交する方向へ間隔を置いて並べて配置された二枚のプレートを弾性的に連結することにより、弾性変形の許容限度内においてそれらの間隔を拡げ若しくは狭めることが可能なように構成され、
プレートの下面側には、当該下面よりも下方の位置において先端部が内側へ向かって突出する係止爪が、プレートの外側の各側縁部に沿ってそれぞれ形成され、
プレートの上面側には、当該上面よりも上方の位置において先端部が内側へ向かって突出する上側係止フラップが、プレートの長手方向の両端部のうちの一方の端部に沿って形成され、
クリップは、クリップ側フラップを有し、プレートの長手方向の両端部のうち、上側係止フラップが形成されている端部とは反対側の端部に、係合手段を介して装着可能なように構成され、
本体にクリップが装着された際に、クリップ側フラップとプレートとの間に隙間が形成され、クリップ側フラップの先端部が、プレートの上面よりも上方の位置において、プレートの内側へ向かって突出する状態となるように構成したことを特徴とする根太材固定具。
【請求項2】
本体に対してクリップを装着した際に、二枚のプレートの拡開が規制されるように構成したことを特徴とする、請求項1に記載の根太材固定具。
【請求項3】
本体に対してクリップを装着するための係合手段として、プレートの両端部のうち、クリップが装着される側の端部の各側縁部に、外側水平方向へ向かって突出する係合突片がそれぞれ形成されるとともに、クリップが、クリップ側フラップの両側部の下方側においてそれぞれ支持される左右一対の下顎部を有し、クリップ側フラップの両側部と当該下顎部との間に間隙部がそれぞれ形成され、これらの間隙部の最奥部が、係合突片の厚さ寸法に対応した離間寸法に設定されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の根太材固定具。
【請求項4】
複数本の大引材を設置面上に所定間隔を置いて配置し、複数本の根太材を、大引材の上に所定間隔を置いて配置し、根太材の上にデッキ材を並列配置してなるデッキ構造体であって、
大引材として、最上部において上フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の構造材を使用し、
根太材として、最下部において下フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の構造材を使用し、
請求項1〜3のいずれかに記載の根太材固定具を用いて、大引材に対し根太材を固定してなることを特徴とするデッキ構造体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の根太材固定具と、最上部において上フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の大引材と、最下部において下フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の根太材と、デッキ材と、を用いてデッキ構造体を構築する方法であって、
設置面上に配置した大引材の最上部に、各係止爪が各上フランジの外側から下側へ進入するような形で本体を装着し、
根太材を、大引材と直交する向きで本体の上に載置し、根太材の一方側の下フランジを、本体の上側係止フラップの下側に進入させて、当該下フランジが本体によって挟持される状態とし、
クリップを本体に装着し、根太材の他方側の下フランジを、クリップ側フラップの下側に進入させて、当該下フランジが本体及びクリップによって挟持される状態とし、
根太材の上にデッキ材を並列配置することを特徴とするデッキ構造体の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特徴的な形状の根太材固定具等を用いて構築されるデッキ構造体、及び、その構築のために使用される根太材固定具、及び、デッキ構造体の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デッキ構造体(屋外デッキや室内床等)は、通常、設置面上において、所定間隔を置いて複数本の根太材を平行に配置し、その上に、根太材と直交する向きでデッキ材(床材を含む)を並列配置して固定する、という方法によって構築されている。また、図6に示すように、設置面上に、所定間隔を置いて複数本の大引材4を平行に配置し、その上に複数本の根太材5を、大引材4と直交する向きで、所定間隔を置いて配置して大引材4上に固定し、更にそれらの根太材5の上に、デッキ材6(床材を含む)を配置して固定する、という方法によってデッキ構造体を構築する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−138733号公報
【特許文献2】特開2003−147943号公報
【特許文献3】特開2001−20928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大引材に対して根太材を固定する場合、釘、ビス、或いは、鎹などの固定手段が用いられているが、これらを用いて固定作業を行う場合、金槌や電動ドライバー等の工具が必要となるほか、作業者において、ある程度の経験と技能が必要となる。このため、工具を一切使用することなく、極めて単純な作業のみで、誰でも簡単に根太材の固定作業を行えるような根太材固定具、及び、デッキ構造体が望まれている。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術における問題を解決しようとするものであって、工具を一切使用することなく、大引材に対して根太材を極めて簡単に、かつ、十分な強度をもって固定することができる根太材固定具、及び、当該根太材固定具を用いて構築されるデッキ構造体、及び、当該根太材固定具を用いてデッキ構造体を構築する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る根太材固定具は、本体とクリップとによって構成され、本体は、長手方向と直交する方向へ間隔を置いて並べて配置された二枚のプレートを弾性的に連結することにより、弾性変形の許容限度内においてそれらの間隔を拡げ若しくは狭めることが可能なように構成され、プレートの下面側には、当該下面よりも下方の位置において先端部が内側へ向かって突出する係止爪が、プレートの外側の各側縁部に沿ってそれぞれ形成され、プレートの上面側には、当該上面よりも上方の位置において先端部が内側へ向かって突出する本体側フラップが、プレートの長手方向の両端部のうちの一方の端部に沿って形成され、クリップは、クリップ側フラップを有し、プレートの長手方向の両端部のうち、本体側フラップが形成されている端部とは反対側の端部に、係合手段を介して装着可能なように構成され、本体にクリップが装着された際に、クリップ側フラップとプレートとの間に隙間が形成され、クリップ側フラップの先端部が、プレートの上面よりも上方の位置において、プレートの内側へ向かって突出する状態となるように構成したことを特徴としている。
【0007】
尚、この根太材固定具においては、本体に対してクリップを装着した際に、二枚のプレートの拡開が規制されるように構成することが好ましく、また、本体に対してクリップを装着するための係合手段として、プレートの両端部のうち、クリップが装着される側の端部の各側縁部に、外側水平方向へ向かって突出する係合突片がそれぞれ形成されるとともに、クリップが、クリップ側フラップの両側部の下方側においてそれぞれ支持される左右一対の下顎部を有し、クリップ側フラップの両側部と当該下顎部との間に間隙部がそれぞれ形成され、これらの間隙部の最奥部が、係合突片の厚さ寸法に対応した離間寸法に設定されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るデッキ構造体は、複数本の大引材を設置面上に所定間隔を置いて配置し、複数本の根太材を、大引材の上に所定間隔を置いて配置し、根太材の上にデッキ材を並列配置してなるものであって、大引材として、最上部において上フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の構造材を使用し、根太材として、最下部において下フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の構造材を使用し、上記のような根太材固定具を用いて、大引材に対し根太材を固定してなることを特徴としている。
【0009】
更に、本発明に係るデッキ構造体の構築方法は、上記のような根太材固定具と、最上部において上フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の大引材と、最下部において下フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された金属製の根太材と、デッキ材と、を用いてデッキ構造体を構築する方法であって、設置面上に配置した大引材の最上部に、各係止爪が各上フランジの外側から下側へ進入するような形で本体を装着し、根太材を、大引材と直交する向きで本体の上に載置し、根太材の一方側の下フランジを、本体の本体側フラップの下側に進入させて、当該下フランジが本体によって挟持される状態とし、クリップを本体に装着し、根太材の他方側の下フランジを、クリップ側フラップの下側に進入させて、当該下フランジが本体及びクリップによって挟持される状態とし、根太材の上にデッキ材を並列配置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る根太材固定具は、工具を一切使用することなく、また、ビス、ボルト、ナットを用いることなく、大引材に対して根太材を極めて簡単に、かつ、十分な強度をもって固定することができ、これにより、デッキ構造体を極めて簡単に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る根太材固定具1を構成する本体2及びクリップ3の斜視図であり、(1)は上面側の斜視図、(2)は下面側の斜視図である。
図2図2は、図1に示した本体2及びクリップ3の側面図である。
図3図3は、本発明の第二実施形態に係る根太材固定具1の使用方法の説明図であって、大引材4の最上部に対し、図1に示す本体2を装着した状態を示す図である。
図4図4は、本発明の第二実施形態に係る根太材固定具1の使用方法の説明図であって、本体2の上に根太材5を載置した状態を示す図である。
図5図5は、本発明の第二実施形態に係る根太材固定具1の使用方法の説明図であって、根太材固定具1によって根太材5を固定した状態を示す図である。
図6図6は、従来のデッキ構造体の構造を示す切欠斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に沿って本発明の実施形態について説明する。本発明の第一実施形態に係る根太材固定具1は、図1に示すように、本体2と、クリップ3とによって構成される。本体2及びクリップ3は、いずれもプラスチックス製で、それぞれ各部が一体的に形成されている。
【0013】
本体2は、対称的な形状の二枚のプレート(第一プレート20a、及び、第二プレート20b)を、各プレート(20a,20b)の長手方向と直交する方向へ所定間隔を置いて並べて配置するとともに、各プレート(20a,20b)の長手方向の両端部のうちの一方の端部に形成したブリッジ24によって、第一プレート20aと第二プレート20bとを弾性的に連結した構造となっている。これらの第一プレート20a、及び、第二プレート20bの各下面側には、係止爪22がそれぞれ二つずつ形成され、各上面側には、本体側フラップ23がそれぞれ一つずつ形成されている。
【0014】
係止爪22は、第一プレート20a、及び、第二プレート20bにおけるそれぞれ外側(プレートの対向方向における外側)の側縁部21に沿って、連結側端部28、及び、自由側端部29の近傍位置にそれぞれ配置され、いずれも先端部が、プレート(20a,20b)の下面よりも下方の位置において内側(対向する他方のプレート側)へ向かって突出する構造となっている。
【0015】
本体側フラップ23は、第一プレート20a、及び、第二プレート20bの各連結側端部28に沿ってそれぞれ配置され、いずれも先端部が、プレート(20a,20b)の上面よりも上方の位置において内側(自由側端部29側)へ向かって突出する構造となっている。尚、本体側フラップ23は、連結側端部28側にのみ形成されており、図1に示すように、自由側端部29側には形成されていない。
【0016】
また、第一プレート20a、及び、第二プレート20bにおける自由側端部29(本体側フラップ23が形成されていない方の端部)近傍の各側縁部21には、外側水平方向へ向かって突出する係合突片25がそれぞれ形成されている。これらの係合突片25は、第一プレート20a、及び、第二プレート20bの自由側端部29に対してクリップ3を装着する際の係合手段として機能する。尚、これらの係合突片25の外側には、垂直方向に延在するガードプレート26がそれぞれ形成されている。
【0017】
クリップ3は、クリップ側フラップ31と、その両側部31aの下方側においてそれぞれ支持される左右一対の下顎部32とによって構成されており、クリップ側フラップ31の両側部31aと各下顎部32との間には、間隙部33がそれぞれ形成されている。これらの間隙部33は、図2(1)に示すように、最奥部33aが、本体2の係合突片25の厚さ寸法に対応した離間寸法(係合突片25の厚さ寸法よりも僅かに大きい寸法)に設定されており、この最奥部33aは、係合突片25とともに、第一プレート20a、及び、第二プレート20bの自由側端部29に対してクリップ3を装着する際の係合手段として機能する。尚、間隙部33のうち、最奥部33aより手前側に形成されている開口側部33bは、最奥部33aよりも大きな離間寸法となっている。
【0018】
また、クリップ3における左右二つの下顎部32の間隔寸法W1(図1(2)参照)は、本体2における自由側端部29近傍の二つの係止爪22の外側面間の寸法W2(図1(1)参照)よりも若干小さく設定されており、また、クリップ3における左右二つの間隙部33は、本体2における二つの係合突片25の形成位置と対応した位置に形成されている。このためクリップ3は、本体2の第一プレート20aと第二プレート20bとの間隔を僅かに狭めることにより、図2(2)(この図において、係合突片25については、断面が表示され、その手前側のガードプレート26については、表示が省略されている。)に示すように、左右二つの間隙部33の各最奥部33aに、第一プレート20aの係合突片25、及び、第二プレート20bの係合突片25をそれぞれ進入させることが可能であり、これにより、クリップ3を本体2(の第一プレート20a、及び、第二プレート20bの自由側端部29)に対して装着できるようになっている。
【0019】
尚、上述の通り、間隙部33の最奥部33aは、本体2の係合突片25の厚さ寸法に対応した離間寸法に設定されているため、図2(2)に示すようなクリップ3の装着状態においては、係合突片25が殆ど隙間なく最奥部33a内に嵌合した状態となるが、間隙部33のうち、最奥部33aより手前側に形成されている開口側部33bは、最奥部33aよりも大きな離間寸法となっているため、クリップ3のクリップ側フラップ31と係合突片25との間には隙間が残存することになる。また、係合突片25の上面の高さ位置は、第一プレート20a及び第二プレート20bの上面の高さ位置とほぼ一致しているため、クリップ3のクリップ側フラップ31と第一プレート20a及び第二プレート20bとの間にも、隙間が残存することになる。
【0020】
その結果、クリップ3の装着状態におけるクリップ側フラップ31は、本体2における第一プレート20a、及び、第二プレート20bの各連結側端部28に沿って配置されている本体側フラップ23と同様に、先端部がプレート(20a,20b)の上面よりも上方の位置において内側(連結側端部28側)へ向かって突出する形となり、本体2の自由側端部29において、本体側フラップ23と同様の機能を得ることになる。
【0021】
また、第一プレート20aと第二プレート20bとは、上述の通り、ブリッジ24によって弾性的に連結されているため、本体2に対してクリップ3が装着されていない状態においては、ブリッジ24における弾性変形の許容限度内において左右方向へ拡開可能であるが、図2(2)に示すようなクリップ3の装着状態においては、クリップ3の左右の下顎部32が、本体2における自由側端部29近傍の二つの係止爪22のそれぞれ外側に位置することになる。従って、クリップ3の左右の下顎部32は、本体2に装着された場合、第一プレート20a及び第二プレート20bの拡開を規制するという機能を得ることになる。
【0022】
本発明の第一実施形態に係る根太材固定具1は、以上に説明したような構成に係るものであるところ、特徴的な形状の金属製の構造材(最上部において上フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成されるとともに、最下部において下フランジが左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で上フランジよりも大きく突出するように形成された構造材)を、大引材、及び、根太材として使用し、複数本の大引材を設置面上に所定間隔を置いて配置し、複数本の根太材を、大引材の上に、それらと直交する向きで、所定間隔を置いて配置し、根太材の上にデッキ材(床材を含む)を並列配置してデッキ構造体を構築しようとする場合において、大引材に対する根太材の固定手段として利用することができ、その際、工具を一切使用することなく、また、ビス、ボルト、ナットを用いることなく、大引材に対して根太材を極めて簡単に、かつ、十分な強度をもって固定することができる。
【0023】
ここで本発明の第二実施形態として、第一実施形態の根太材固定具の使用方法(根太材固定具を用いたデッキ構造体の構築方法)について説明する。尚、本実施形態に係る方法においては、図3及び図4に示すような構造材を、大引材4及び根太材5として使用する。より具体的には、最上部において上フランジ41(51)が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成されるとともに、最下部において下フランジ42(52)が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で上フランジ41(51)よりも大きく突出するように形成された大引材4(根太材5)を使用する。
【0024】
まず大引材4を設置面上の適正な位置に配置したら、上フランジ41が左右へ突出する最上部に、図1及び図2に示す根太材固定具1の本体2を取り付ける。上述の通り、本体2の下面側には、四つの係止爪22が形成されており、これらの係止爪22はいずれも、先端部が、プレート(第一プレート20a、及び、第二プレート20b)の下面よりも下方の位置において内側へ向かって突出する構造となっており、また、第一プレート20aに形成されている係止爪22と、第二プレート20bに形成されている係止爪22との間隔寸法、及び、それらの形状は、左右の上フランジ41を含む大引材4の最上部の形状及び寸法に対応しているため、図3に示すように、係止爪22を、各上フランジ41の外側から下側へ進入させ、左右の上フランジ41の外側部分及び下側部分を抱え込ませるような形で、本体2を大引材4の最上部に取り付けることができる。
【0025】
尚、第一プレート20aと第二プレート20bとは、ブリッジ24によって弾性的に連結され、拡開可能なように構成されているため、弾性変形の許容限度内で第一プレート20aと第二プレート20bとの間隔を適宜拡開することにより、大引材4の最上部のいずれの位置(長手方向についての位置)に対しても、長手方向の端部を経由せずに、最上部における取付位置の上方側から直接的に装着することができる。
【0026】
本体2を大引材4の最上部に装着したら、本体2を大引材4の長手方向へ適宜スライドさせて位置決めを行う。尚、大引材4の最上部に装着された本体2は、図3(1)に示すような状態(図1等に示すクリップ3が装着されていない状態)においては、係止爪22と上フランジ41とが密着している訳ではなく、摩擦抵抗力はそれ程大きくないため、本体2に対して少しだけ力を加えてやれば、大引材4の長手方向へ簡単にスライドさせることができる。また、何らかの事情により摩擦抵抗力が大きくなっていて、簡単にはスライドさせることが難しくなっているような場合でも、第一プレート20aと第二プレート20bとの間隔を僅かに拡げてやると、摩擦抵抗力が減じられることになり、円滑なスライドが可能となる。
【0027】
本体2の位置決めが完了したら、図4に示すように、根太材5を、大引材4と直交する向きで本体2の上に載置して位置決めを行う。このとき、根太材5の一方側の下フランジ52aを、本体2の本体側フラップ23の下側(第一プレート20a及び第二プレート20bと、本体側フラップ23との間)に進入させて、下フランジ52aが本体2によって挟持される状態とする。
【0028】
次にこの状態で、図5に示すように、クリップ3を本体2の適正位置に装着する。即ち、左右二つの間隙部33(図1及び図2参照)の各最奥部33aに、第一プレート20aの係合突片25、及び、第二プレート20bの係合突片25をそれぞれ進入させてることによって、クリップ3を本体2の自由側端部29に装着する。このとき、根太材5の他方側(本体2の本体側フラップ23の下側に進入させた下フランジ52aとは反対側)の下フランジ52bを、クリップ3のクリップ側フラップ31の下側(第一プレート20a及び第二プレート20bと、クリップ側フラップ31との間)に進入させて、下フランジ52bが本体2及びクリップ3によって挟持される状態とする。
【0029】
尚、本体2にクリップ3を装着した状態における本体側フラップ23とクリップ側フラップ31との間隔寸法、及び、それらの形状は、左右の下フランジ52a,52bを含む根太材5の最下部の形状及び寸法に対応しているため、図5(2)に示すように、本体2にクリップ3が装着されると、根太材5の左右の下フランジ52a,52bが、本体2及びクリップ3によってしっかりと挟持されて固定されることになる。
【0030】
また、本体2の第一プレート20aと第二プレート20bは、クリップ3が装着されていない状態においては左右方向へ拡開可能であったが、クリップ3が装着されると、拡開が規制されることになる。また、本体2にクリップ3を装着すると、第一プレート20aと第二プレート20bとの間隔が若干狭まるように構成されているため、係止爪22が大引材4の上フランジ41と密着し、摩擦抵抗力が増大することになる。その結果、本体2は、大引材4に対して、ずれることなくしっかりと固定されることになる。
【0031】
以上に説明したように、図1及び図2に示した根太材固定具1を用いれば、最上部において上フランジ41が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された根太材5と、最下部において下フランジ52が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された根太材5を使用してデッキ構造体を構築しようとする際に、工具を一切使用することなく、また、ビス、ボルト、ナットを用いることなく、大引材4に対して根太材5を極めて簡単に、かつ、十分な強度をもって固定することができる。
【0032】
尚、本実施形態においては、最下部において下フランジ42が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で上フランジ41よりも大きく突出するように形成された大引材4が使用されているが、最上部において上フランジ41が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成されており、それらの形状及び寸法が本体2の係止爪22の形状及び寸法と適合するものであれば、下フランジが形成されていない大引材や、下フランジの形状や構造が、図3等に示されているものと異なる大引材を使用することもできる。
【0033】
また、本実施形態においては、最上部において上フランジ51が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成された根太材5が使用されているが、最下部において下フランジ52が左右の外側方向へそれぞれ一定の幅で突出するように形成されており、それらの形状及び寸法が本体2及びクリップ3の形状及び寸法と適合するものであれば、上フランジが形成されていない根太材や、上フランジの形状や構造が、図4等に示されているものと異なる根太材を使用することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1:根太材固定具、
2:本体、
3:クリップ、
4:大引材、
5:根太材、
6:デッキ材、
20a:第一プレート、
20b:第二プレート、
21:側縁部、
22:係止爪、
23:本体側フラップ、
24:ブリッジ、
25:係合突片、
26:ガードプレート、
28:連結側端部、
29:自由側端部、
31:クリップ側フラップ、
31a:側部、
32:下顎部、
33:間隙部、
33a:最奥部、
33b:開口側部、
41,51:上フランジ、
42,52:下フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6