特許第5981427号(P5981427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5981427
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】骨格筋を調整するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/76 20060101AFI20160818BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   A61F2/76
   A43B13/14 A
【請求項の数】34
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2013-517670(P2013-517670)
(86)(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公表番号】特表2013-534446(P2013-534446A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】IL2011000512
(87)【国際公開番号】WO2012001685
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2014年5月28日
(31)【優先権主張番号】61/360,940
(32)【優先日】2010年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512317180
【氏名又は名称】アポス‐メディカル アンド スポーツ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】エルバズ,アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】モル,アミット
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−536247(JP,A)
【文献】 米国特許第06519873(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/76
A43B 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要としている対象者の下肢骨格筋を調整するための装置であって、
(a)前記装置は、対象者の足に固定され、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、アウトソールから突出する、地面係合可動型前側隆起部および地面係合可動型後側隆起部とを含み、
(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置に調整することが可能であり、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含み、
(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材に固定することが可能であ
前記装置は、前記対象者の足を、前記前側隆起部および前記後側隆起部のみによって支持し、前記可動型とは、1〜18cmの領域内において前記アウトソールの外表面に沿って移動可能である、装置。
【請求項2】
前記調整は、(a)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの弾性度、(b)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの硬度、(c)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの弾性、あるいは(d)(a)、(b)、および(c)の任意の組み合わせを調整することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記調整は、前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの高さ、(b)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの凸部、(c)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの重量、ならびに(d)(a)、(b)および(c)の組み合わせを調整することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記筋肉調整位置の調整は、蹴り上げタイミングを均衡させることを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記筋肉調整位置の調整は、つま先を均衡させることを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記均衡位置は、前記対象者の足上の前記装置から最小の外反、内反、背部または足底トルクが前記足首周囲へと付加される位置をさらに含む。請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記対象者は下肢筋骨格痛に罹患しており、前記調整は最小疼痛位置をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記対象者は下肢関節異常に罹患している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記対象者は、下肢関節異常、下肢疼痛またはこれらの組み合わせに罹患する危険性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記下肢関節異常は変形性下肢関節症である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記変形性下肢関節症は変形性膝関節症である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記後側隆起部は膨出隆起部であり、前記前側隆起部は膨出隆起部であり、あるいは前記後側隆起部および前記前側隆起部双方が膨出隆起部である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記後側隆起部および前記前側隆起部は、移動可能な様態で前記支持部材に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記後側隆起部は、前記支持部材の踵骨支持部内において移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記前側隆起部は、前記支持部材の指骨または中足骨支持部内において移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせは円錐断面形状の断面を含み、前記円錐断面は、円形、楕円形、および放物線形のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記前側隆起部の形状は、前記後側隆起部の外側輪郭と異なる形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
下肢異常に罹患している対象者を治療するための装置であって、前記対象者の下肢骨格筋を調整することが可能であり、前記下肢骨格筋の調整は、
(a)対象者の足に前記装置を固定することであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、アウトソールから突出する、地面係合可動型前側隆起部および地面係合可動型後側隆起部とを含む、固定と、
(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置に調整することであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、調整と、
(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部の前記支持部材への固定と、
を含み、
前記装置は、前記対象者の足を、前記前側隆起部および前記後側隆起部のみによって支持し、前記可動型とは、1〜18cmの領域内において前記アウトソールの外表面に沿って移動可能である、装置。
【請求項19】
前記調整は、(a)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの弾性度、(b)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの硬度、(c)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの弾性、または(d)(a)、(b)および(c)の任意の組み合わせを調整することを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記調整は、前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの高さ、(b)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの凸部、(c)前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせの重量、ならびに(d)(a)、(b)および(c)の組み合わせを調整することを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記筋肉調整位置の調整は、蹴り上げタイミングを均衡させることを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記筋肉調整位置の調整は、つま先を均衡させることを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記均衡位置は、前記対象者の足上の前記装置から最小の外反、内反、背部または足底トルクが前記足首周囲へと付加される位置をさらに含む。請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記対象者は下肢筋骨格痛に罹患しており、前記調整は最小疼痛位置をさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記対象者は下肢関節異常に罹患している、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記対象者は、下肢関節異常、下肢疼痛またはこれらの組み合わせに罹患する危険性を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記下肢関節異常は変形性下肢関節症である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記変形性下肢関節症は変形性膝関節症である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記後側隆起部は膨出隆起部であり、前記前側隆起部は膨出隆起部であり、あるいは前記後側隆起部および前記前側隆起部双方が膨出隆起部である、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記後側隆起部および前記前側隆起部は、移動可能な様態で前記支持部材に取り付けられる、請求項18に記載の装置。
【請求項31】
前記後側隆起部は、前記支持部材の踵骨支持部内において移動可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記前側隆起部は、前記支持部材の指骨または中足骨支持部内において移動可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項33】
前記前側隆起部、前記後側隆起部またはこれらの組み合わせは円錐断面形状の断面を含み、前記円錐断面は、円形、楕円形、および放物線形のうち少なくとも1つを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
前記前側隆起部の形状は、前記後側隆起部の外側輪郭と異なる形状である、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、調整を必要としている対象者の筋肉を個別に調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運動時における筋肉活動において特定の変化を発生させるためのトレーニングプロトコルおよび運動用具は、トレーニング、負傷後のリハビリテーションおよび競技成績において重要な役割を果たし得る。
【0003】
筋肉には、骨筋、心筋および平滑筋の3種類があり、これらの筋肉はそれぞれ顕著に異なる。これら3種類の筋肉は全て、ミオシンに対する動きによって収縮する。骨格筋においては、神経(特に、運動神経および運動ニューロン)から送られてくる電気的刺激によって収縮が刺激される。心筋および平滑筋の収縮は、内部ペースメーカー細胞によって刺激される。前記内部ペースメーカー細胞は、定期的に収縮し、前記内部ペースメーカー細胞と接触した他の筋肉細胞へ収縮が伝播する。全ての骨格筋の収縮は、神経伝達物質アセチルコリンによって促進される。
【0004】
筋肉の活動は、身体のエネルギー消費のほとんどを担っている。全ての筋肉細胞は、アデノシン三リン酸(ATP)分子を生成する。アデノシン三リン酸(ATP)分子は、ミオシン頭部の動きの動力供給に用いられる。筋肉は、エネルギーをクレアチンリン酸の形態で保存する。クレアチンリン酸は、ATPから生成され、クレアチンキナーゼに必要な場合、ATPを再生し得る。筋肉はまた、グルコースをグリコーゲンの形態で保持し得る。強力な収縮を継続するためにエネルギーが必要となったとき、グリコーゲンを迅速にグルコースへと変換することができる。随意骨格筋内において、解糖と呼ばれるプロセスにおいて、グルコース分子代謝を嫌気的に行うことができる。解糖プロセスにおいて、2つのATPおよび2つの乳酸分子が生成される(好気条件下において、乳酸形成の代わりにピルビン酸塩が形成され、クエン酸回路を通じて形成および伝送される点に留意されたい)。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、本発明は、下肢骨格筋の調整を必要としている対象者の下肢骨格筋を調整する方法を提供する。前記方法は、以下のステップを含む:(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部と、可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置へと調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置である、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップ。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、下肢筋病変および下肢筋骨格痛に罹患している対象者の下肢骨格筋を調整する方法をさらに提供する。前記方法は、以下のステップを含む:(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部と、可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置(2)、痛みが低減されるかまたは最小化される位置、および(3)筋肉調整位置へと調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置である、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップとを含む。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、下肢異常に罹患している対象者を治療する方法をさらに提供する。前記方法は、以下のステップを含む:前記対象者内の下肢骨格筋を調整するステップであって、前記下肢骨格筋を調整するステップは、以下のステップを含む:(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部と、可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置へと調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップ。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、下肢異常および下肢筋骨格痛に罹患している対象者を治療する方法をさらに提供する。前記方法は、前記対象者内の下肢骨格筋を調整するステップ、前記下肢骨格筋を調整するするステップは、以下のステップを含む:(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部と、可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置、(2)痛みが低減されるかまたは最小化される位置、および(3)筋肉調整位置に調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップとを含む。
【0009】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面とともに読めば、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動する足装具の概略図である。
図2図1の足装具の概略側面図および概略背面図である。
図3図1の足装具の概略側面図および概略背面図である。
図4】本発明の他の実施形態のさらなる特徴を示す、図1の足装具の概略上面図である。
図5】本発明の実施形態による、支持部材上の前側(前方)隆起部および後側(後方)隆起部の配列を示す概略図である。
図6】本発明の実施形態による、支持部材上の前側隆起部および後側隆起部の別のアライメントを示す概略図である。
図7】前側隆起部よりも高さが高い後側隆起部を有する、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動するスニ−カーの概略図である。
図8】後側隆起部よりも高さが高い前側隆起部を有する、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動するスニ−カーの概略図である。
図9】本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置の最大領域境界を示す図である。
図10】本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置の有効領域境界を示す図である。
図11】本発明の特定の疾病における、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの有効領域境界を示す図である。
図12】本発明の特定の疾病における、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの有効領域境界を示す図である。
図13A】本発明の実施形態による、足装具上での使用に適した隆起部の等角図である。
図13B】本発明の実施形態による、足装具上での使用に適した隆起部の正面図である。
図13C】本発明の実施形態による、足装具上での使用に適した隆起部の側面図である。
図14】足首機能不安定性におけるCOPの筋肉/誘導変化のための個別調整のための、前側(1001)隆起部および後側(1002)隆起部の支持表面に対する地面係合領域の先端の位置決めの有効領域境界を示す。
図15】内側変形性膝関節症におけるCOPの筋肉/誘導変化のための個別調整のための、前側(1003)隆起部および後側(1004)隆起部の支持表面に対する地面係合領域の先端の位置決めの有効領域境界を示す。
図16A】足底屈において8mmだけ調整された足装具を装着した対象者が歩行した際の前脛骨筋のEMGプロットを示す。
図16B】背屈において6mmだけ調整された足装具を装着した対象者が歩行した際の前脛骨筋のEMGプロットを示す。
図16C】前側隆起部および後側隆起部双方が中立位置から15mmだけ内側において調整および固定された足装具を装着した対象者が歩行した際の短腓骨筋のEMGプロットを示す。
図16D】前側隆起部および後側隆起部双方が中立位置に対して10mmだけ横方向に調整および固定されたシステムを装着した対象者が歩行した際の短腓骨筋のEMGプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
筋肉調整
本発明は、一実施形態において、必要としている対象者の下肢骨格筋を調整する方法を提供する。前記方法は、以下のステップを含む:(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部と、可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置に調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップ。別の実施形態において、装置の使用が提供される。前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む。装置調整は、位置に対する前記隆起部の位置決めまたは調整を含む。前記装置により、(1)立脚相時における対象者の足に対する内反または外反の低減と、および(2)下肢骨格筋の調整のための筋肉調整位置とが得られる。別の実施形態において、装置の使用が提供される。前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む。装置調整は、位置に対する前記隆起部の位置決めまたは調整を含む。前記装置により、以下が可能となる:(1)立脚相時における対象者の足に対する内反または外反の低減、(2)下肢位置における痛みの低減、および(2)下肢骨格筋の調整のための筋肉調整位置。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0012】
別の実施形態において、本明細書中開示される方法は、筋肉調整に関する。前記筋肉調整は、足が地面と接触する際の圧力中心(COP)の変更による筋肉活動の調整を含む(活動の増加、低減または個別のタイミング設定)。別の実施形態において、足が地面と接触する際の圧力中心(COP)を変更するステップは、本発明の装置(足装具)の調整を通じて行われる。別の実施形態において、COPは、本明細書中開示されるような隆起部に起因して発生する摂動を介して変更または修正される。別の実施形態において、本発明の装置は、COPを修正ことにより、下肢の運動パターンを変更する。別の実施形態において、運動パターンの変化は、下肢の筋肉活動の変化に依存する。別の実施形態において、例えば本明細書中に開示される装置によって運動パターンを制御的に変化させることにより、筋肉の個別調整が可能となる。別の実施形態において、前記装置を用いている対象者に対する損傷、負傷、外傷またはこれらの組み合わせを回避するために、運動変化を制御する必要がある。別の実施形態において、本発明の方法により、前記装置を利用する対象者に対する運動パターンの制御的変更および付随する損傷、負傷、外傷またはこれらの組み合わせの回避が可能となる(例を非限定的に挙げると、落下、歩行の損傷、下肢神経筋の制御または活動の損傷)。その結果、t対象下肢筋の個別調整が効率的に可能となる。別の実施形態において、隆起部に起因して発生する摂動により、COPが常に変化する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0013】
別の実施形態において、本発明の方法により、対象者が行っている多様な活動(例えば、歩行、直立、調理または椅子からの起立)において、下肢筋を所望に個別に調整することが可能となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0014】
別の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、筋肉の解剖学的位置から離隔方向または離隔位置においてCOPを変化させることにより、前記筋肉の活動を増加させるステップを含む。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、前記筋肉の解剖学的位置により近位の方向または位置において前記COPを変化させることにより、前記筋肉の活動を低下させるステップを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0015】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、前記対象者の重量を支持する隆起部に起因いて発生する摂動により、筋肉調整を発生させる(すなわち、前記筋肉の活動が増加、低減または個別タイミング設定される)。別の実施形態において、筋肉調整は、特定の筋肉または筋肉群に対して非選択的である。別の実施形態において、筋肉調整は、前記筋肉の先行活動パターンに対して特異的である。別の実施形態において、本発明の方法によれば、(活性であるべき場所において)比較的不活性または抑制されていた筋肉がその活動レベルを上昇させ、これにより、隆起部に起因して発生する不安定性または摂動を制御する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0016】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、過活動であった筋肉(すなわち、特定の活動において本来あるべき期間よりも長くブレイシングまたは活動していた筋肉)は、ブレイシングを低下させる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、下肢筋が摂動に反応する。別の実施形態において、本発明の方法によれば、下肢筋が摂動に反応することにより、前記摂動に起因する過活動が低下する。別の実施形態において、本発明の方法によれば、下肢筋は、日常的活動(例えば、歩行、椅子からの起立、調理)に起因して発生する摂動に反応する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0017】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、筋肉が調整される(すなわち、前記筋肉の活動を増加、低下または個別タイミング設定する)。前記調整は、前足の後足に相対する高さを変化させることにより、行われる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、前記前足の高さを前記後足の高さに相対して変化させることにより背屈アライメントが発生し、前記下肢の正中線に対して後側の(前面の)筋肉が活性化される。別の実施形態において、本発明の方法によれば、前記前足の高さを前記後足の高さに相対して増加させることにより底屈アライメントが発生し、前記下肢の正中線に対して前側の(前面の)筋肉が活性化される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0018】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、筋肉が調整される(すなわち、前記筋肉の活動が増加、低下または個別タイミング設定される)。前記調整は、足下の指定位置に異なる重量を取り付けることにより、行われる。別の実施形態において、多様な活動を行うためには、一方の脚(立脚)上で身体全体の重量を均衡さつつ、他方の脚を地面から浮かせる必要がある。別の実施形態において、地面から浮いている方の脚の重量が増加した場合、前記地面から浮いている脚を支える筋肉からの筋肉活動も増加させる必要がある。別の実施形態において、前記浮いた方の脚の位置固有の個別の重量が増加すると、前記立脚上の身体重量を支持および安定化させるための筋肉の筋肉活動を個別に増加させる必要がある。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0019】
別の実施形態において、下肢骨格筋を調整するステップは、運動技能、適応度、筋肉および骨強度、関節機能またはこれらの任意の組み合わせを向上させるステップを含む。別の実施形態において、下肢骨格筋を調整するステップは、特定の筋肉繊維の相互利用を発生させるステップを含む。別の実施形態において、下肢骨格筋を調整するステップは、有酸素運動を含む。前記有酸素運動は、長期の低レベルの運動を含み、最大収縮強度を下回る強度で筋肉が長期間用いられる。別の実施形態において、下肢骨格筋を調整するステップは、高強度活動を短期間行うための装置を用いるステップを含む。別の実施形態において、下肢骨格筋を調整するステップは、前記筋肉内の血管新生の誘導を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0020】
筋肉調整を必要としている標的集団
別の実施形態において、必要としている対象者は、神経筋病変に罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、筋力低下、筋痙縮、ミオクローヌス、筋痛またはこれらの任意の組み合わせに罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、ミオパシーまたはジストロフィーに罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、痙縮または麻痺に罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、神経障害に罹患している対象者であり、運動に問題を抱える対象者である(例を非限定的に挙げると、発作、パーキンソン病)。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0021】
別の実施形態において、必要としている対象者は、筋萎縮に罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、カヘキシーに罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、AIDSに罹患している対象者である。別の実施形態において、必要としている対象者は、うっ血性心臓病に罹患している対象者である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0022】
別の実施形態において、必要としている対象者は、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変に罹患いている対象者である。別の実施形態において、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変に罹患している対象者は、痛み抑制、固有受容の妨害、関節アライメントの変化、廃用性、低下、神経損傷、補償などに起因して筋肉活動の変化を経験する。別の実施形態において、筋肉活動の変化に起因して、損傷を受けた構造の負荷または歪みまたは運動が増加し、その結果、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変が存続する。別の実施形態において、必要としている対象者は、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変を発症する危険性のある対象者である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0023】
別の実施形態において、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変を発症する危険性のある対象者は、不均衡な筋肉活動(例えば、スクワットの繰り返し)に起因する反復運動損傷を持つ例えば、である。別の実施形態において、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変を発症する危険性のある対象者は、負荷による長期肉体的ストレスに晒された対象者である。別の実施形態において、このような負荷は、直立状態のまま比較的少ない運動で過ごす状態である(例えば、調理、外科医)。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0024】
別の実施形態において、下肢関節疾患または下肢筋骨格病変を発症する危険性のある対象者は、高齢の対象者である。別の実施形態において、高齢の対象者は、加齢に関連する筋力低下(例を非限定的に挙げると、サルコペニア)に起因して下肢筋骨格病理を発症し易い。別の実施形態において、高齢の対象者は、筋肉動員速度(収縮時間)の低下に起因して下肢筋骨格病理を発症し易い。別の実施形態において、筋肉年齢に関連する影響により、関節にかかる負荷が増加し、その結果下肢関節異常による痛みが発生し、その結果痛みに起因して筋肉活動が大きく変化し、前記関節上の負荷が増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0025】
別の実施形態において、必要としている対象者は、自身のパフォーマンス向上を望んでいる対象者である(例えば、トップアスリートまたはアマチュアアスリート)。別の実施形態において、自身のパフォーマンス向上を望んでいる対象者は、外的刺激(スタートを告げる銃、ボール)に対して敏速に反応する筋肉能力を調整する/向上させることにより、恩恵を受ける。別の実施形態において、必要としている対象者はアスリートであり、ゲームまたはレース前のウォームアップ時における筋肉活動の向上による恩恵を受ける。別の実施形態において、アスリートは、過酷なトレーニングセッション、ゲームまたはレース後の筋肉回復時間の低減という恩恵を受ける。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0026】
筋肉調整
別の実施形態において、本明細書中に記載される方法による筋肉調整は、前側隆起部後側隆起部またはこれら両方の調整によって行われる。
【0027】
別の実施形態において、本発明の方法に従って背屈筋が調整される。別の実施形態において、背屈は、以下を含む:前脛骨筋、長指伸筋、および長母指伸筋。別の実施形態において、本発明の方法に従って底屈筋が調整される。別の実施形態において、底屈筋は、以下を含む:腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、長母趾屈筋、長趾屈筋腱、および後脛骨筋。別の実施形態において、本発明の方法に従って、外転筋が調整される。別の実施形態において、前記外転筋は、以下を含む:長腓骨筋、短腓骨筋および第三腓骨筋。別の実施形態において、本発明の方法に従って、内旋筋が調整される。別の実施形態において、前記内旋筋は、以下を含む:前脛骨筋、後脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋および長母趾屈筋。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0028】
別の実施形態において、後側隆起部を中立位置から後側位置へと調整することにより、背屈活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2mm〜25mmだけ後側に調整することにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ後側に調整することにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、背屈活動が3〜50%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、背屈活動が10〜30%だけ増加する。別の実施形態において、背屈活動が30%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0029】
別の実施形態において、前記後側隆起部と地面表面との初期接触時において、背屈活動が増加する。別の実施形態において、初期接触時において背屈活動が増加する。別の実施形態において、荷重応答時において背屈活動が増加する。別の実施形態において、遊脚時において背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記後側隆起部よりも高い位置(1〜12mm)へと調整することにより、足首を背屈位置とし、遊脚時における筋肉活動を25%も増加させる。別の実施形態において、アウトソールと前記前側隆起部のベースとの間に重み付きスペーサを挿入し(その結果、前記前側隆起部のベースにおける重量増加が得られる)ことにより、遊脚時における背屈活動が増加し、これにより、背屈による足クリアランス達成のための動力生成が増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0030】
別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを0.5mm〜15mmだけ高くすることにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを1mm〜10mmだけ高くすることにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを2mm〜8mmだけ高くすることにより、背屈活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、前記後側隆起部の高さが前記前側隆起部よりも0.5mm〜15mmだけ高くなる。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、足首が底屈位置に来る。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、背屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、背屈筋活動が5〜50%だけ増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、背屈筋活動が10〜30%だけ増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを高くすることにより、背屈筋活動が35%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0031】
別の実施形態において、後側隆起部を前側位置から中立位置へと調整することにより、底屈筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2mm〜25mmだけ前側に調整することにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ前側に調整することにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、底屈筋活動が3〜40%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、底屈筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、背屈活動が25%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0032】
別の実施形態において、前記前側隆起部を均衡位置から前側位置へと調整することにより、底屈筋活動が増加する。前記均衡位置は、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置である。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜15mmだけ前側に調整することにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から1mm〜10mmだけ前側に調整することにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から2mm〜8mmだけ前側に調整することにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、底屈筋活動が3〜40%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、底屈筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、底屈筋活動が25%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0033】
別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを高くする(上昇させる)ことにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を0.5mm〜12mmだけ高くすることにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜8mmだけ高くすることにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜5mmだけ高くすることにより、底屈筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、前側隆起部は前記後側隆起部よりも0.5mm〜12mmだけ高くなる。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、足首が背屈位置に来る。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、筋肉活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、底屈筋活動が5〜50%だけ増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、底屈筋活動が10〜30%だけ増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、底屈筋活動が35%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0034】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から内側に調整することにより、足首外転筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜15mmだけ内側に調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から1mm〜10mmだけ内側に調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から3mm〜8mmだけ内側に調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が3〜40%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、足首外転筋活動が25%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0035】
別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から内側に調整することにより、足首外転筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から内側に0.5mm〜25mmだけ調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から内側に1mm〜10mmだけ調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から内側に3mm〜8mmだけ調整することにより、足首外転筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が3〜40%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、足首外転筋活動が25%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0036】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から1mm〜10mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から3mm〜8mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首外転筋活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0037】
別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から1mm〜10mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から3mm〜8mmだけ横方向に調整することにより、足首外転筋活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首外転筋活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首外転筋活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0038】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から前側に調整することにより、足首背屈活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜20mmだけ前側に調整することにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から1mm〜15mmだけ前側に調整することにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から3mm〜8mmだけ前側に調整することにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首背屈活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首背屈活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首背屈活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0039】
別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から高くすることにより、足首背屈活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から高くすることにより、立脚時における足首背屈活動が低減する。前記中立位置は、前記均衡位置。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを0.5〜10mmだけ増加させることにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを1〜6mmだけ増加させることにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを1〜4mmだけ増加させることにより、足首背屈活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首背屈活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首背屈活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首背屈活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0040】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2mm〜15mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から1mm〜10mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から3mm〜8mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首底屈筋活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首底屈筋活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首底屈筋活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0041】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から高くすることにより、底屈筋活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを0.5〜10mmだけ増加させることにより、前記底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを2〜8mmだけ増加させることにより、前記底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部の高さを1〜4mmだけ増加させることにより、前記底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記底屈筋活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記底屈筋活動が10〜30%だけ低減する。別の実施形態において、前記底屈筋活動が35%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0042】
別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から後側へ調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から2〜15mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から1〜10mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記均衡位置から2〜8mmだけ後側に調整することにより、足首底屈筋活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首底屈筋活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、足首底屈筋活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、足首底屈筋活動が25%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。膝筋肉s
【0043】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から横方向に調整することにより、鵞足筋(縫工筋半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部を前記中立位置から内側に調整することにより、鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から横方向に調整し、前記前側隆起部を前記均衡位置から内側に調整することにより、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5〜25mmだけ横方向に調整し、前記前側隆起部を前記均衡位置から0.5〜25mmだけ内側に調整することにより、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜20mmだけ横方向に調整し、前記前側隆起部を前記均衡位置から2〜15mmだけ内側に調整することにより、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜15mmだけ横方向に調整し、前記前側隆起部を前記均衡位置から2〜12mmだけ内側に調整することにより、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が3〜40%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、前記鵞足筋(縫工筋、半腱様筋および薄筋)の活動が20%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0044】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から後側に調整することにより、大腿四頭筋の活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ後側に調整することにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜15mmだけ後側に調整することにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2〜8mmだけ後側に調整することにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記大腿四頭筋の活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記大腿四頭筋の活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、前記大腿四頭筋の活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0045】
別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を0.5mm〜12mmだけ高くすることにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を1mm〜8mmだけ高くすることにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を1mm〜5mmだけ高くすることにより、前記大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、前記後側隆起部は前記前側隆起部よりも0.5mm〜12mmだけ高くなる。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、前記足首が底屈位置に来る。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、筋肉活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が5〜50%だけ増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が10〜30%だけ増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が35%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0046】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から前側に調整することにより、ハムストリング筋の活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ前側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2〜20mmだけ前側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜10mmだけ前側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記ハムストリング筋の活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記ハムストリング筋の活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、前記ハムストリング筋の活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0047】
別の実施形態において、アウトソールと前記後側隆起部のベースとの間に重み付きスペーサを挿入することにより、遊脚段階(遊脚狩猟)および初期接触段階のための事前位置決めにおける前記筋肉活動が向上し、これにより、前記ハムストリング筋、大腿四頭筋および股関節屈筋(腸腰筋、大腿直筋)の活動が増加する。
【0048】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から後側および横方向に調整することにより、内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋筋)の活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜20mmだけ後側にかつ3〜13mmだけ横方向に調整することにより、内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋筋)の活動が増加する。。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ後側にかつ5〜10mmだけ横方向に調整することにより、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0049】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から後側かつ内側に調整することにより、外側膝筋(外側広筋)の活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜20mmだけ後側にかつ3〜13mmだけ内側に調整することにより、外側膝筋(外側広筋)の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ後側にかつ5〜10mmだけ内側に調整することにより、外側膝筋(外側広筋)の活動が増加する別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、外側膝筋(外側広筋)の活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、外側膝筋(外側広筋)の活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、外側膝筋(外側広筋)の活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0050】
別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を0.5mm〜12mmだけ高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜8mmだけ高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜5mmだけ高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、前側隆起部は0.5mm〜12mmだけ前記後側隆起部よりも高くなる。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、前記足首が背屈位置に来る。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、筋肉活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が5〜50%だけ増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が10〜30%だけ増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、膝屈曲筋(腓腹筋およびハムストリング筋)の活動が35%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0051】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から前側に調整することにより、大腿四頭筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ前側に調整することにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜15mmだけ前側に調整することにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2〜8mmだけ前側に調整することにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、大腿四頭筋活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、大腿四頭筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、大腿四頭筋活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0052】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から後側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ後側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜20mmだけ後側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から7〜15mmだけ後側に調整することにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記ハムストリング筋の活動が3〜30%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記ハムストリング筋の活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、前記ハムストリング筋の活動が15%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0053】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から前側かつ内側に調整することにより、内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜20mmだけ前側にかつ3〜13mmだけ内側に調整することにより、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ前側にかつ5〜10mmだけ内側に調整することにより、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が3〜30%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、前記内側膝筋(内側広筋および内側広筋斜頭筋)の活動が15%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0054】
別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から前側かつ横方向に調整することにより、外側膝筋(外側広筋)の活動が低減する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜20mmだけ前側にかつ3〜13mmだけ横方向に調整することにより、前記外側膝筋(外側広筋)の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5mm〜15mmだけ前側にかつ5〜10mmだけ横方向に調整することにより、前記外側膝筋(外側広筋)の活動が低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記外側膝筋(外側広筋)の活動が3〜30%だけ低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、前記外側膝筋(外側広筋)の活動が5〜25%だけ低減する。別の実施形態において、前記外側膝筋(外側広筋)の活動が15%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0055】
別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を0.5mm〜12mmだけ高くすることにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を1mm〜8mmだけ高くすることにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を1mm〜5mmだけ高くすることにより、前記ハムストリング筋の活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、前記後側隆起部は0.5mm〜12mmだけ前記前側隆起部よりも高くなる。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、足首が底屈位置に来る。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、筋肉活動が低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、ハムストリング筋活動が5〜50%だけ低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、ハムストリング筋活動が10〜30%だけ低減する。別の実施形態において、前記後側隆起部を高くすることにより、ハムストリング筋活動が35%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0056】
別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、前記大腿四頭筋の35%が低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を0.5mm〜12mmだけ高くすることにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜8mmだけ高くすることにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を1mm〜5mmだけ高くすることにより、大腿四頭筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が5〜50%だけ低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が10〜30%だけ低減する。別の実施形態において、前記前側隆起部を高くすることにより、大腿四頭筋活動が35%も低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0057】
股関節筋
別の実施形態において、股関節伸筋は、大臀筋と、中臀筋後部と、大腿二頭筋、半腱様筋と、半膜様筋とを含む。別の実施形態において、股関節外転筋は、中臀筋と、小臀筋と、大腿筋膜張筋とを含む。別の実施形態において、股関節外部回転筋は、梨状筋と、大腿方形筋と、内閉鎖筋および外閉鎖筋と、上双子筋および下双子筋とを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0058】
別の実施形態において、股関節屈筋は、腸骨筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、大腰筋および小腰筋を含む。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記中立位置から内側に調整することにより、股関節外転筋および外旋筋の活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から0.5mm〜25mmだけ内側に調整することにより、股関節外部回転筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から2〜20mmだけ内側に調整することにより、股関節外部回転筋の活動が増加する。別の実施形態において、前記後側隆起部を前記均衡位置から5〜10mmだけ内側に調整することにより、股関節外部回転筋の活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節外部回転筋活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節外部回転筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節外部回転筋活動が5〜10%だけ増加する。別の実施形態において、股関節外部回転筋活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0059】
別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを前記中立位置から拡張することにより、股関節伸筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを前記後側隆起部の高さよりも高くなるように拡張することにより、足首が背屈位置へと来る。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを前記均衡位置から0.5〜15mmだけ拡張させることにより、股関節伸筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを前記均衡位置から2〜12mmだけ拡張させることにより、股関節伸筋活動が増加する。別の実施形態において、前記前側隆起部の高さを前記均衡位置から4〜10mmだけ拡張させることにより、股関節伸筋活動が増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節伸筋活動が3〜30%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節伸筋活動が5〜25%だけ増加する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法により、股関節伸筋活動が5〜10%だけ増加する。別の実施形態において、股関節伸筋活動が15%も増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0060】
別の実施形態において、前記後側隆起部の重量を(円盤状スペーサを介して)増加させることによって均衡を前記中立位置から移動させることにより、股関節外転筋活動が増加する。前記中立位置は、均衡位置である(すなわち、対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置)。別の実施形態において、2〜500gの重量(スペーサ)を前記後側隆起部に付加することにより、股関節外転筋活動が増加する。別の実施形態において、5〜250gの重量(スペーサ)を前記後側隆起部に付加することにより、股関節外転筋活動が増加する。別の実施形態において、2〜12gの重量(スペーサ)を前記後側隆起部に付加することにより、股関節外転筋活動が増加する。別の実施形態において、50〜100gの重量(スペーサ)を前記後側隆起部に付加することにより、股関節外転筋活動が増加する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0061】
別の実施形態において、調整は、筋電図(EMG)によって測定される。別の実施形態において、筋肉活動の増加とは、筋肉強化である。別の実施形態において、筋肉強化は、従来の試験によって測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0062】
別の実施形態において、図16A図16Dは、(本明細書中詳述する)多様な調整におけるシステムを用いて健康な対象者が快適な速度で歩行した場合の短腓骨筋および前脛骨筋のEMGを示す。別の実施形態において、各EMGグラフは、左から右方向に確認されたい。Y軸は、筋肉電気活動をEMG装置によって測定した値を示す。X軸は、初期接触フェーズから始まる歩行サイクルをパーセントで示す。歩行サイクルが60%であるときの垂直濃線は、立脚相の終了と遊脚フェーズの開始とを示す。
【0063】
別の実施形態において、図16Aおよび図16Bの比較により、前脛骨筋筋肉が背屈位置にあるときのEMG活動は、遊脚時においてより高くなることが分かる。別の実施形態において、図Cおよび図Dを視覚により比較すると、短腓骨筋は横方向調整においてよりも内側調整においてはるかに高活性となることが分かる。
【0064】
別の実施形態において、対象者の足の下の領域を支持する隆起部の調整により、本明細書において記載するような筋肉調整効果および/または治療効果が得られるという見解に基づく方法を本明細書中提供する。別の実施形態において、隆起部の調整(例えば、凸部の調整、高さの調整、重量の調整、位置の調整、またはこれらの任意の組み合わせ)は、本明細書中に記載される方法による筋肉調整効果および/または治療効果を含む。本明細書中に記載される方法。必要としている対象者において前側隆起部および後側隆起部双方を本発明の実施形態に従って調整するステップは、本明細書中に記載される方法による筋肉調整効果および/または治療効果を含む。別の実施形態において、隆起部の配置および調整は、本明細書において記載する方法による好ましい筋肉調整効果および/または治療効果をもたらす、歩行時における個別の干渉の誘導を含む。別の実施形態において、「干渉」という用語は、外乱、中断、介入、摂動、妨害、またはこれらの任意の組合せを含む。別の実施形態において、対象者の足の下に導入される干渉を微調整することが可能となることにより、筋肉調整が可能となる。別の実施形態において、患者の足の下に少なくとも2つの調整された個別突起部または隆起部を特定の位置に配置することにより、下肢における疼痛または下肢の筋骨格疾患を患う患者を治療する方法を提供する。別の実施形態において、「患者」および「対象者」という用語は、同義的に使用される。これらそれぞれの可能性は、本発明の個々の実施形態となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0065】
別の実施形態において、本明細書中、前記後側隆起部は膨出隆起部である。別の実施形態において、本明細書中、前記前側隆起部は膨出隆起部である。別の実施形態において、本明細書中、前記後側隆起部および前記前側隆起部はどちらとも膨出隆起部である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0066】
別の実施形態において、本明細書中、筋肉を調整しかつ/または下肢関節異常(例を非限定的に挙げると、変形性下肢関節症)に罹患している対象者を治療する方法は、以下のステップを含む:対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を均衡位置へと調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記均衡位置において前記支持部材へ固定するステップとを含む。別の実施形態において、変形性下肢関節症は変形性股関節症である。別の実施形態において、下肢変形性関節症は、変形性足首関節症である。別の実施形態において、変形性下肢関節症は、足変形性関節症。別の実施形態において、変形性下肢関節症は、変形性膝関節症である。別の実施形態において、前記装置により、制御可能な内反または制御可能な外反が得られる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0067】
別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢関節疾患、下肢関節変性疾患、下肢変性疾患、下肢筋骨格病変、下肢筋骨格外傷、下肢筋骨格疾病、変形性下肢関節症、またはこれらの任意の組み合わせを含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢筋骨格痛と関連付けられる。
【0068】
別の実施形態において、対象者はヒト対象者である。別の実施形態において、対象者は、下肢関節異常に罹患したヒト対象者である。別の実施形態において、下肢関節異常は、股関節、足首、足または膝の変性関節疾患である。別の実施形態において、下肢関節異常は、変性関節疾患(例えば、変形性関節症)を含む。別の実施形態において、変性関節疾患は変形性下肢関節症である。別の実施形態において、変性関節疾患は変形性膝関節症である。別の実施形態において、変形性股関節症、変形性足首関節症、変形性足関節症、または変形性膝関節症は、一次性変形性関節症である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0069】
別の実施形態において、変性関節疾患は、足変形性関節症である。別の実施形態において、変性関節疾患は、変形性股関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、二次性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性膝関節症は、二次性変形性膝関節症である。別の実施形態において、一次性であるかまたは二次性であるかの分類は、特定可能な根本原因の有無に基づいて決定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0070】
別の実施形態において、下肢関節異常は、膝蓋骨圧縮である。別の実施形態において、下肢関節異常は、関節継ぎ目圧痛である。別の実施形態において、下肢関節異常は、関節継ぎ目浸出である。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋前滑液包炎である。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋下腱炎である。別の実施形態において、腱炎を挙げると、腱症、腱における変性変化または腱から発生する任意の痛みがある。別の実施形態において、下肢関節異常は、任意の膝蓋骨または膝蓋骨前の解剖学的構造体における疼痛および/または圧痛である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0071】
別の実施形態において、下肢関節異常は下肢変性関節疾患である。別の実施形態において、下肢関節異常は、内側脛骨大腿骨/横方向脛骨大腿骨/膝蓋骨/大腿骨変形性関節症(OA)またはこれらの任意の組み合わせ(一次性または二次性)である。別の実施形態において、下肢関節異常は、鷲足滑液胞炎である。別の実施形態において、下肢関節異常は、鷲足炎である。別の実施形態において、下肢関節異常は、前膝痛および/または膝蓋大腿痛によって特徴づけられる。別の実施形態において、下肢関節異常は、半月板断裂(変性及び外傷性を含む)である。別の実施形態において、下肢関節異常は、靭帯断裂/靭帯部分断裂/靭帯挫傷/再構築後(ACL、PCL、MCL、LCL)またはこれらの任意の組み合わせである。別の実施形態において、下肢関節異常は、関節形成の前/後(全置換、半置換、または関節面置換および本明細書中に記載のような方法の使用を含む)を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、脛骨プラトー骨折である。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋骨骨折である。別の実施形態において、下肢関節異常は、骨壊死(脛骨および大腿骨双方におけるものを含む)である。別の実施形態において、下肢関節異常はパテラー腱炎である。別の実施形態において、下肢関節異常はオズグッドシュラッター病である。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢外科手術の術後状態を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0072】
別の実施形態において、下肢関節異常は、膝置換である。別の実施形態において、下肢関節異常は股関節置換である。別の実施形態において、下肢関節異常は、股関節表面置換である。別の実施形態において、下肢関節異常は、転子滑液包炎である。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢関節内の壊死を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、股関節骨折を含む(外科的固定術を用いるものおよび外科的固定術を用いないものを含む)。別の実施形態において、下肢関節異常は、先天性股関節脱臼を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、股関節の腱炎/腱症を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、股関節の衝突を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0073】
別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の離断性骨軟骨炎を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の急性または慢性の不安定症を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の関節内の靭帯の捻挫、断裂および/または修復を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の骨折を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足底筋膜炎を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、後脛骨筋不全症および/または後脛骨筋機能障害を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足の回内を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、足の回外を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、扁平足または凹足を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0074】
別の実施形態において、下肢関節異常は、腸脛靭帯(ITB)症候群を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、過弛緩または過可動を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、筋萎縮を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢内の腫瘍を含む。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢の関節に影響を及ぼす腫瘍を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0075】
本発明によれば、別の実施形態において、下肢異常を治療する方法が提供される。前記方法は、下肢異常に罹患している対象者において下肢骨格筋を調整するステップを含む。前記下肢骨格筋を調整するステップは、(a)対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む、ステップと、(b)前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置および(2)筋肉調整位置に調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって低減されるような位置を含む、ステップと、(c)前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップとを含む。
【0076】
別の実施形態において、前記方法は、本発明に従って個別の筋肉調整によって治療することが可能な下肢異常の治療に関する。別の実施形態において、前記方法は、本発明による個別筋肉調整によって少なくとも部分的に治療可能な下肢異常の治療(当業者に公知のさらなる治療(例えば、外科手術、投薬治療)を用いた下肢異常の治療)に関する。別の実施形態において、本明細書中に記載するその結果得られた筋肉(単数または複数)の調整は、本発明の方法によって達成される所望の調整を表す。
【0077】
別の実施形態において、足変形性関節症においては、対象者に応じて前脛骨筋の調整(活動の増加または低減)が必要となる。すなわち、対象者または上記のうち任意のものまたは全てに応じて、腓腹筋およびヒラメ筋の活動を調整する。別の実施形態において、変性関節疾患は変形性股関節症であり、後期遊脚および初期接触のための事前位置決め時においてハムストリング筋および大腿四頭筋の活動が増加する。別の実施形態において、変形性関節症は二次性変形性関節症であり、罹患関節に従って筋肉活動を調整する。別の実施形態において、変形性膝関節症は二次性変形性膝関節症であり、大腿四頭筋の活動を増加させるべきであり、ハムストリング筋および鵞足筋の活動を低減させるべきである。
【0078】
別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋骨圧縮であり、大腿四頭筋の活動を低減させ、外側広筋の活動を低減させ、内側広筋(内側広筋斜頭)の活動を増加させ、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は関節継ぎ目浸出であり、診察に従って(筋肉抑制に起因して)多様な筋肉の活動を個別に増加させる。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋前腱腱症であり、大腿四頭筋の活動を低減させ、大腿四頭筋のタイミングを変化させるか、または上記のうち任意または双方を行う。別の実施形態において、下肢関節異常は、任意の膝蓋骨または膝蓋前腱解剖学的構造における疼痛および/または圧痛であり、大腿四頭筋の活動を低減させるかまたは外側広筋の活動を低減させるかまたは内側広筋(内側広筋斜頭)の活動を増加させるかまたはこれらの任意の組み合わせを行う。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0079】
別の実施形態において、下肢関節異常は下肢変性関節疾患であり、罹患した関節に応じて多様な筋肉の活動を調整する。別の実施形態において、下肢関節異常は内側脛骨大腿骨変形性関節症(OA)であり、大腿四頭筋の活動を増加させ、ハムストリング筋および鵞足筋の活動を低減させる。別の実施形態において、下肢関節異常は横方向脛骨大腿骨変形性関節症であり、内側膝筋、股関節外転筋および/または股関節外部回転筋の活動を増加させる。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋大腿部OAであり、大腿四頭筋の活動を低減させるかまたは外側広筋の活動を低減させるかまたは内側広筋(内側広筋斜頭)の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。
【0080】
別の実施形態において、下肢関節異常は鷲足滑液胞炎であり、鵞足筋の活動を低減させる。別の実施形態において、下肢関節異常は前膝痛および/または膝蓋大腿痛によって特徴付けられ、大腿四頭筋の活動を低減させるかまたは外側広筋の活動を低減させるかまたは内側広筋(内側広筋斜頭)の活動を増加させ、股関節外転筋および外部回転筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。
【0081】
別の実施形態において、下肢関節異常は半月板断裂(変性及び外傷性を含む)であり、ハムストリング筋の活動を低減させる。別の実施形態において、下肢関節異常は靭帯断裂/靭帯部分断裂/靭帯挫傷/再構築後(ACL、PCL、MCL、LCL)であり、多様な筋肉のタイミングを調整するかまたはハムストリング筋の活動を増加させ、大腿四頭筋の活動を低減させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は、関節形成の前/後(例えば、全置換、半置換、または関節面置換および本明細書中に記載のような方法の使用)を含み、操作される下肢全体内の多様な筋肉の活動の個別タイミングを調整するか、または、操作される下肢全体内の多様な筋肉の個別活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は脛骨プラトー骨折であり、大腿四頭筋の活動を増加させるかまたはハムストリング筋の活動を低減させるかまたは股関節外転筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は骨壊死(近位脛骨および遠位大腿骨または近位大腿骨を含む)であり、ハムストリング筋の活動を低減させるかまたは大腿四頭筋の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉の活動またはタイミングをを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は膝蓋骨腱症であり、大腿四頭筋の活動を低減させるかまたは外側広筋の活動を低減させるかまたは内側広筋(内側広筋斜頭)の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。
【0082】
別の実施形態において、下肢関節異常はオズグッドシュラッター病であり、大腿四頭筋の活動を低減させる。別の実施形態において、下肢関節異常は下肢外科手術の術後状態を含み、当業者が本開示を鑑みれば容易に理解するであろう種類の外科手術に応じて、下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を低減させるか、または、これらの任意の組み合わせを行う。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0083】
別の実施形態において、下肢関節異常は股関節置換であり、股関節外転筋の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は股関節表面置換であり、股関節外転筋の活動をを増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は転子滑液包炎であり、股関節外転筋および大腿筋膜張筋の活動を低減させるかまたは股関節外転筋および大腿筋膜張筋のタイミングを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は下肢関節内の壊死を含み、罹患した骨に応じて、下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を低減させるかまたはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は股関節骨折を含み、股関節外転筋および外部回転筋の活動を増加させる。別の実施形態において、下肢関節異常は先天性股関節脱臼を含み、股関節外転筋および外部回転筋の活動を増加させる。別の実施形態において、下肢関節異常は股関節の腱炎/腱症を含み、多様な股関節筋の活動を増加させるか、低減させるかまたはこれらの筋肉のタイミングを調整し、またはこれらの任意の組み合わせを行う。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0084】
別の実施形態において、下肢関節異常は足または足首の離断性骨軟骨炎を含み、底屈筋の活動を低減させるかまたは底屈筋のタイミングを調整するかまたは背屈の活動を増加させるかまたは背屈の活動タイミングを調整し、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の急性または慢性の不安定性を含み、外転筋の活動を低減させるかまたは外転筋のタイミングを調整するかまたは内旋筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせ。を行う別の実施形態において、下肢関節異常は、足または足首の関節内の靱帯捻挫、断裂および/または修復を含み、靱帯捻挫、断裂および/または修復の種類に応じて、多様な足および足首筋肉の活動を増加させるかまたは低減させるかまたは多様な足および足首筋肉の活動のタイミングを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。
【0085】
別の実施形態において、下肢関節異常は足底筋膜炎を含み、底屈筋の活動を低減させる。別の実施形態において、下肢関節異常は後脛骨筋不全症および/または後脛骨筋機能障害を含み、内旋筋の活動のタイミングを調整するかまたは内旋筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は足の回内を含み、内旋筋のタイミングを調整するかまたは内旋筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は扁平足を含み、内旋筋の活動のタイミングを調整するかまたは内旋筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は凹足を含み、内旋筋の活動のタイミングを調整するかまたは外転筋の活動を増加させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0086】
別の実施形態において、下肢関節異常は過弛緩または過可動性を含み、下肢中の多様な筋肉の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は筋萎縮を含み、萎縮筋肉に応じて下肢中の多様な筋肉の活動を増加させる。別の実施形態において、下肢関節異常は下肢内の腫瘍を含み、罹患組織に応じて、下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を低減させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、下肢関節異常は、下肢関節に影響を与える腫瘍を含み、罹患関節に応じて、下肢中の多様な筋肉のタイミングを調整するかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を増加させるかまたは下肢中の多様な筋肉の活動を低減させるか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0087】
別の実施形態において、本発明は、アスリートのパフォーマンス向上のために用いることができる。別の実施形態において、アスリートのトレーニングに起因して、筋肉は常時トレーニングに晒される。別の実施形態において、当該筋肉のタイミングを調整することにより、筋挫傷を本発明に従って調整する(タスク特定の調整(すなわち、ランニング、ジャンプなど))。別の実施形態において、アスリートは、本発明の装置を用いて運動する。別の実施形態において、本発明の装置を用いれば、負傷した筋肉または過労した筋肉の活動を低減させ(およびよって筋挫傷の休養および回復を促進させる)構成に調整することにより、過酷なトレーニング、過酷な競争または負傷を受けた後の回復時間が大幅に低減する。
【0088】
別の実施形態において、本方法は、予防対策として用いられる。別の実施形態において、本方法は、下肢関節異常または下肢筋骨格病変を起こしやすい対象者の負傷を回避するために用いられる。別の実施形態において、このような対象者は高齢の対象者であり、多様な下肢筋のタイミングを調整するべきであるかまたは多様な下肢筋の活動を増加させるべきか、またはこれらの任意の組み合わせを行う。別の実施形態において、調整すべき筋肉は、対象者の筋骨格状態によって異なり得る。別の実施形態において、このような対象者は、日常的活動において長時間の直立姿勢を経験する対象者(外科医、客室乗務員、調理師など)であり、その結果下肢を痛めることが多い。別の実施形態において、日常的活動において長時間の直立姿勢を経験する対象者が本発明の装置を利用すれば、下肢筋骨格病理の補償および回避が可能となり、適切な歩行サイクルの誘導が可能となる。
【0089】
別の実施形態において、本発明による筋肉調整および/または筋肉治療は、疼痛、硬直、腫脹、炎症、軟骨変性、骨錬、関節隙狭窄、浸出、筋萎縮、神経筋調節機能の低下、身体感覚の低下、ブレイシング、病的モーメント、制限された可動域、過剰な可動域、歩行障害、跛行、代償性歩行、疼痛回避歩行、歩行の非相称性、筋の防御、靭帯の弛緩、関節包の弛緩、靭帯の伸張、関節包の伸張、歩幅の縮小、単肢支持率の低下、単肢支持率の上昇、歩行速度の低下、またはこれらの任意の組合せの減少、緩和、低減、阻止、改善、後退および/または向上を含む。別の実施形態において、本発明による治療は、骨髄浮腫、病変、軟骨下骨の変化、軟骨の軟化、軟骨の細動および薄化、骨片除去、またはこれらの任意の組合せの減少、緩和、低減、阻止、改善、後退および/または向上を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0090】
別の実施形態において、筋肉調整および/または筋肉治療は、足、下肢および上肢腰部ならびに胴体の上部並びに他の身体部分および器官のための身体感覚的および/または運動感覚的エクササイズプランにおける多様な手技の実施を含む。別の実施形態において筋肉調整および/または筋肉治療は、足、下肢および上肢腰部ならびに胴体の上部並びに他の身体部分および器官のための様々な歩行および/または二足移動エクササイズプランの実施を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0091】
別の実施形態において、対象者は、下肢関節異常から生じる疼痛を患っている。別の実施形態において、対象者は、疼痛、関節痛、圧痛、硬直、ロッキング、浸出、またはこれらの任意の組合せを患っている。別の実施形態において、対象者は、軟骨損失を患っている。別の実施形態において、対象者は、疼痛に伴う運動低下を患っている。別の実施形態において、対象者は、局所的筋萎縮を患っている。別の実施形態において、対象者は、靭帯弛緩を患っている。別の実施形態において、対象者は、罹患した関節が動かされるかまたは触られた場合のパキパキという音(「軋音」)を患っている。別の実施形態において、対象者は、筋痙摯または筋の張りを患っている。別の実施形態において、対象者は、腱収縮を患っている。別の実施形態において、説明するような方法により、関節の疼痛が緩和される。別の実施形態において、記載のような方法により、関節痛の根本原因が治療される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0092】
変形性関節症
別の実施形態において、対象者は、変形性関節症を患っている。別の実施形態において、対象者は、下肢変形性関節症を患っている。別の実施形態において、対象者は、変形性股関節症を患っている。別の実施形態において、対象者は、変形性脊椎症を患っている。別の実施形態において、対象者は、変形性足関節症を患っている。別の実施形態において、対象者は、関節浸出(一般的に言う膝関節水症)を患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0093】
別の実施形態において、対象者は、変形性関節症を患う危険性を有している。別の実施形態において、対象者は、関節に対する機械的圧力の上昇にさらされている。別の実施形態において、対象者は、先天性要因または病原性要因により生じた骨のずれを患っている。別の実施形態において、対象者は、過体重または肥満である。別の実施形態において、対象者は、関節を支持する筋肉の強度低下、末梢神経の障害、関節、靭帯、筋、腱に過剰な圧力を加えるぎこちない動き、またはこれらの任意の組合せを患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0094】
別の実施形態において、対象者は、骨錬を患っている。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、関節隙狭窄が阻止される。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、関節隙が拡張される。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、軟骨下骨の密度上昇が阻止される。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、軟骨下骨の密度が低下する。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、軟骨の水含有量が上昇する。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、軟骨のプロテオグリカン含有量が上昇する。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、周囲の関節包の炎症が阻止される。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法により、関節縁上における「錬突起」または骨辣の形成が阻止される。別の実施形態において、本明細書において記載するような方法は、変形性関節症を患う危険性を有する対象者に対する予防措置として用いられる。別の実施形態において、変形性関節症を患う危険性を有する対象者は、変形性関節症を患っている近親者を有する対象者である。
各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0095】
別の実施形態において、変形性関節症は、一次性汎発吐結節性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、秦爛性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、炎症性変形性関節症である。別の実施形態において、変形性関節症は、他の要因により引き起こされるが、結果的に生じる異常は一次性変形性関節症の場合と同一である、二次性変形性関節症である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0096】
別の実施形態において、変形性下肢関節症(OA)は、疼痛、硬直、腫脹、炎症、軟骨変性、骨錬、関節隙狭窄、制限された可動域、浸出、筋萎縮、神経筋調節機能の低下、身体感覚の低下、ブレイシング、病的モーメン卜、歩行障害、跛行、代償性歩行、疼痛回避歩行、歩行の非相称性、筋の防御、靭帯の弛緩、関節包の弛緩、靭帯の伸張、関節包の伸張、歩幅の縮小、またはこれらの任意の組合せにより特徴付けられる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0097】
下肢筋骨格痛
別の実施形態において、本明細書中に記載される方法による筋肉調整により、下肢の疼痛が軽減および/または低減する。別の実施形態において、本明細書中に記載される方法による筋肉調整により、下肢の炎症が抑制または低減される。
【0098】
別の実施形態において、本明細書における「疼痛」という用語は、激烈な痛みを含む。別の実施形態において、本明細書における「疼痛」は、関連する筋および腱における灼熱感を含む。別の実施形態において、本明細書における「疼痛」は、持続痛を含む。別の実施形態において、本明細書における「疼痛」は、瞬間痛を含む。別の実施形態において、本明細書における「疼痛」は、季節痛(冬、夏、または天気の変化による)を含む。別の実施形態において、本明細書における「疼痛」は、スポーツなどの特定活動による疼痛または任意の他の身体活動に関係する疼痛を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0099】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛に罹患した対象者を治療する方法が、本明細書中提供される。前記方法は、以下のステップを含む:前記対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置、(2)疼痛位置に関連する最小下肢筋骨格、および(3)筋肉調整位置に構成するステップであって、前記均衡位置は、立脚相時における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって最小となる位置を含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップ。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。別の実施形態において、「最小」という用語は、低減されていることまたは最低であることを含む。
【0100】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛に罹患した対象者を治療する方法が本明細書中提供される。前記方法は、以下のステップを含む:前記対象者の足に装置を固定するステップであって、前記装置は、足固定手段と、前記固定手段に動作可能に取り付けられた支持部材と、可動型前側隆起部および可動型後側隆起部とを含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を(1)均衡位置、(2)疼痛位置に関連する最小下肢筋骨格、および(3)筋肉調整位置に調整するステップであって、前記均衡位置は、立脚相時における前記対象者の足の内反または外反が前記装置によって制御される位置を含む、ステップと、前記後側隆起部および前記前側隆起部を前記支持部材へ固定するステップとを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0101】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、前膝痛を含む。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝蓋骨/大腿骨膝疼痛を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0102】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、2つのタイプの外傷(すなわち、急性外傷および累積(過用)外傷)により生ずる。別の実施形態において、急性外傷は、運動中に身体に課せられる負荷がこの身体を支持する身体構造体の許容量を超過した場合に生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、大きな単一の負荷条件に関連する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝など(しかしこれに限定されない)の関節に対する激しい側方衝撃である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、関節に対する非定期的な過度の力の付加である。別の実施形態において、過用外傷は、運動中に身体に課せられる負荷は、基礎をなす身体構造体(骨、筋、腱、および靭帯)のいずれかの急激な不全を引き起こすのに十分な大きさではないものの、これらの構造体が損傷を受け、これらの構造体の許容量が負荷の反復的な付加により低下する場合に、生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、身体構造体における「消耗」により生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0103】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、疲労骨折およびシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)により生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足首骨折および中足骨折(急性損傷)により生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎により生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、リウマチにより生じる。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、軟骨断裂により生じる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0104】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、下肢変形性関節症に起因する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、梨状筋症候群に起因する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、転子滑液包炎に起因する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、仙腸骨痛である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、大転子の触診可能な圧痛を引き起こす。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、ハムストリング(膝腱)の肉離れに起因する。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、ハムストリング損傷に起因する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0105】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝蓋皮下織炎(角質増殖)の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板障害の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板損傷の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、変性関節疾患の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、下肢変性関節疾患の直接的な結果によるものである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0106】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、滑液包炎(例えば、外膜の、膝蓋骨前のもの)の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、滑液包炎は、膝の滑液包に対して直接的に付加される摩擦応力に応じて発生する。別の実施形態において、滑液包炎は、化勝陛滑液包炎である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、膝蓋骨上の圧痛および腫脹に関連する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0107】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、半月板障害および/または半月板損傷の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、半月板障害/半月板損傷は通常は、膝に付加される大きな力または高回転力(例えば、膝が負荷を受けている状態において前記膝が屈曲または捻られている場合)により、引き起こされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0108】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、疲労骨折/圧力反応損傷の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、「圧力反応」という用語は、再造形の証拠(痕跡)を有するが、骨折の放射線学的な証拠(痕跡)を有さない骨を指す。別の実施形態において、圧力反応/疲労骨折は、付加された力が骨の最大強度を上回り、骨が圧力に順応する自然なプロセスが回避された場合に生じる、骨に対する反復的な微小損傷によるものである。別の実施形態において、疲労骨折は、脛骨に関連するものである。別の実施形態において、疲労骨折は、腓骨に関連する。別の実施形態において、疲労骨折は、中足骨に関連する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0109】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足首の捻挫の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、前脛骨症候群の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、下腿外側部症候群の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足底筋膜炎の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、アキレス腱炎の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足の鶏眼の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、外反母趾の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、趾間神経腫(モートン神経腫)の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、足根管症候群の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、内反小趾の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、乾癖性関節炎の直接的な結果によるものである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0110】
別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、腫痛である。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、後天性扁平足の直接的な結果によるものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、異常な足の回内に推定起源を有するものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、不良な歩行パターンに関連するものである。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、不良な立脚に関連するものである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0111】
対象者
別の実施形態において、対象者は、関節の先天性障害を患っている。別の実施形態において、対象者は、糖尿病を患っている。別の実施形態において、対象者は、炎症疾患(ペルテス病、ライム病、慢性的な関節炎など)を患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0112】
別の実施形態において、対象者は、リウマチ様関節炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、アキレス腱損傷および腱炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、内転筋挫傷を患っている。別の実施形態において、対象者は、足首の捻挫を患っている。別の実施形態において、対象者は、前十字靭帯損傷を患っている。別の実施形態において、対象者は、腫骨滑液包炎を患っている。別の実施形態において、下肢筋骨格痛は、尾骨痛である。別の実施形態において、対象者は、区画症候群を患っている。別の実施形態において、対象者は、腸脛靭帯症候群を患っている。別の実施形態において、対象者は、内側側副靭帯および外側側副靭帯の損傷を患っている。別の実施形態において、対象者は、感覚異常性大腿神経痛を患っている。別の実施形態において、対象者は、モートン神経腫を患っている。別の実施形態において、対象者は、恥骨骨炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、膝蓋大腿症候群を患っている。別の実施形態において、対象者は、鷲足炎または腱炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、梨状筋症候群を患っている。別の実施形態において、対象者は、足底筋膜炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、後十字靭帯損傷を患っている。別の実施形態において、対象者は、膝蓋前滑液包炎を患っている。別の実施形態において、対象者は、転子滑液包炎を患っている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0113】
別の実施形態において、本発明による対象者は、歩行障害をさらに患っている。別の実施形態において、本発明による歩行者は、本明細書において記載するような装置を用いて歩くまたは走ることが可能なヒトである。別の実施形態において、本発明による対象者は、足装具10を用いて歩くまたは走ることが可能なヒトである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0114】
別の実施形態において、歩行障害は、歩行の非相称性、ひきずり歩行、ふらつき動作を伴う歩行、またはこれらの任意の組合せである。別の実施形態において、歩行障害は、変性関節疾患により引き起こされたものである。別の実施形態において、歩行障害は、変性関節疾患に起因して発生する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0115】
筋肉調整
別の実施形態において、本明細書中において記載されるような方法において、本明細書中に記載のような装置を用いた運動が行われる。別の実施形態において、運動は、歩行または他の任意の形態の歩行運動である。別の実施形態において、改善度は、歩行実験室、EMG、筋肉サイズ測定および他の筋肉関連試験によって測定される。別の実施形態において、対象者の身体的状態の改善度は、本明細書において記載するような方法を用いることによって観察される。別の実施形態において、筋肉調整は、対象者の生理学的状態の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、対象者の精神的状態の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、対象者の健康の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、関節痛などの疼痛の緩和である。別の実施形態において、筋肉調整は、歩行の均衡である。別の実施形態において、筋肉調整は、圧痛の緩和である。別の実施形態において、筋肉調整は、硬直の緩和である。別の実施形態において、筋肉調整は、ロッキングの緩和である。別の実施形態において、筋肉調整は、浸出の緩和である。別の実施形態において、筋肉調整は、軟骨損失の阻止である。別の実施形態において、筋肉調整は、新規の軟骨の構築である。別の実施形態において、筋肉調整は、動きの増大である。別の実施形態において、筋肉調整は、疼痛に伴う動きの増大である。別の実施形態において、筋肉調整は、局所的筋萎縮の阻止である。別の実施形態において、筋肉調整は、局所的筋萎縮の後退である。別の実施形態において、筋肉調整は、筋肉増強の誘発である。別の実施形態において、筋肉調整は、個別の筋肉増強の誘発である。別の実施形態において、各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0116】
別の実施形態において、筋肉調整は、歩行の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、バランスの改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、身体感覚、バランス、強度、またはこれらの任意の組合せの障害の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、身体感覚、バランス、強度、またはこれらの任意の組合せの障害の後退である。別の実施形態において、筋肉調整は、特定の変性関節疾患に関連する身体感覚、バランス、強度、またはこれらの任意の組合せの障害の特異的な改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、下肢関節炎に関連する身体感覚、バランス、強度、またはこれらの任意の組合せの障害の特異的な改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、変形性股関節症、変形性足首関節症、変形性足関節症、または変形性膝関節症に関連する身体感覚、バランス、強度、またはこれらの任意の組合せの障害の特異的な改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、転倒の減少である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0117】
別の実施形態において、筋肉調整は、歩幅の操作調節である。別の実施形態において、筋肉調整は、「歩幅差」の縮小である。別の実施形態において、筋肉調整は、単肢支持率の操作調節である。別の実施形態において、筋肉調整は、外/内牽引角度の操作調節である。別の実施形態において、筋肉調整は、歩行周期の調整(40:40:20)である。別の実施形態において、筋肉調整は、歩調の操作調節である。別の実施形態において、筋肉調整は、圧力中心(COP)の操作調節である。別の実施形態において、筋肉調整は、矢状面、前平面、および横断面における平均股関節運動、平均膝運動、平均足首運動、またはこれらの任意の組合せの矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、歩行ペースまたは歩行速度の改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、歩行ペースまたは歩行速度の向上である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、1.6〜4km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも2分間にわたる1.6〜4km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも5分間にわたる1.6〜4km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも10分間にわたる1.6〜4km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも15分間にわたる1.6〜4km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも2分間にわたる2〜3.5km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも5分間にわたる2〜3.5km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも10分間にわたる2〜3.5km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも15分間にわたる2〜3.5km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも2分間にわたる2.5〜3.2km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも5分間にわたる2.5〜3.2km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも10分間にわたる2.5〜3.2km/時の歩行速度目標の達成である。別の実施形態において、歩行ペースまたは歩行速度の改善は、少なくとも15分間にわたる2.5〜3.2km/時の歩行速度目標の達成である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0118】
別の実施形態において、筋肉調整は、膝、股関節、足首、または足のこわばりの弛緩である。別の実施形態において、筋肉調整は、立脚相における異常屈曲または異常伸展の矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、足先(つま先)が地面を離れる時における股関節伸展の限界の矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、下肢の異常筋肉活動の矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、立脚時の大腿四頭筋の過活動の矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、半腱様筋活動の矯正(短縮または延長)である。別の実施形態において、筋肉調整は、遊脚前における下腿三頭筋過活動の矯正である。別の実施形態において、筋肉調整は、遊脚終期における前脛骨筋の無症状の矯正である各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0119】
別の実施形態において、本明細書において記載するような方法は、本明細書において記載するような装置の使用および適切な投薬を含む併用療法をさらに含む。別の実施形態において、当業者は、本明細書において記載するような疾患または症状を患う対象者に対して、診断および適切な薬剤の投与を容易に行う。別の実施形態において、薬剤は、アセトアミノフェンなどの鎮痛剤である。別の実施形態において、薬剤は、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(N前記)である。別の実施形態において、薬剤は、セレブレックスなどのCOX−2選択性抑制剤である。別の実施形態において、薬剤は、ジクロフェナクなどの局所的N前記である。別の実施形態において、薬剤は、モルヒネまたはコデインなどのオピオイド鎮痛薬である。別の実施形態において、薬剤は、膝内に注入されるヒドロコルチソンなどのグルココルチコイドである。別の実施形態において、薬剤は、局所的カプサイシンである。別の実施形態において、薬剤は、ヒアルロン酸の関節注射である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0120】
別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において提示するような装置の最初の使用の直後に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において記載するような装置を用いた10〜1000000メートルの歩行後に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において記載するような装置を用いた50〜100000メートルの歩行後に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において記載するような装置を用いた500〜100000メートルの歩行後に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において記載するような装置を用いた500〜5000メートルの歩行後に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、本明細書において記載するような装置を用いた500〜3000メートルの歩行後に明らかになる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0121】
別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、下肢変形性関節症に関連のある異常の矯正である。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、変形性股関節症、変形性足首関節症、変形性足首関節症、または変形性膝関節症の矯正である。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、下肢変形性関節症の改善である。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、下肢変形性関節症に関連する症候の阻止である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0122】
別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、対象者が本明細書において記載するような装置を着用している際に明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、対象者が裸足で歩行している際にも明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、対象者がウォーキングシューズを着用している際にも明らかになる。別の実施形態において、本明細書において提示するような治療の成果は、対象者が作業シューズ(洗練されたシューズを含むがそれに限定されない)を着用している際にも明らかになる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0123】
別の実施形態において、個別の筋肉増強は、筋萎縮領域における筋肉増強の誘発を含む。別の実施形態において、個別の筋肉増強は、筋力低下領域における筋肉増強の誘発を含む。別の実施形態において、個別の筋肉増強は、筋損傷領域における筋肉増強の誘発を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0124】
別の実施形態において、本明細書において開示するような装置は、本明細書において提示するような疾患、異常、および/または疼痛の治療に関して即時的効果を有する。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、1〜5分間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、本明細書において開示するような装置は、本明細書において提示するような疾患、異常、および/または疼痛の治療に関して即時的効果を有する。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、10〜60分間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、30〜600分間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、1〜10時間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、5〜1000時間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、12〜96時間にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、1〜10日にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、7〜21日にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、短期間の即時的効果は、5〜30日にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0125】
別の実施形態において、効果は、1〜2か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、1〜24か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、2〜6か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、4〜10か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、6〜48か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、12〜24か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。別の実施形態において、効果は、10〜30か月にわたるこの装置を用いた歩行後に裸足の対象者において明らかになる。
【0126】
別の実施形態において、筋肉調整は、対象者の疾患または症状が改善されるプロセスを含む。別の実施形態において、筋肉調整は、経時的な改善である。別の実施形態において、筋肉調整は、経時的な継続的改善である。別の実施形態において、進展または改善は、本明細書において提示する任意の計測値の低減である。別の実施形態において、進展または改善は、歩行実験において計測される。別の実施形態において、進展または改善は、放射線方法により計測される。別の実施形態において、進展、治療および/または改善を計測するための放射線方法は、当業者には公知のもの(例を非限定的に挙げると、X線検査、MRI)である。別の実施形態において、進展または改善は、疼痛アンケートによって計測される。別の実施形態において、進展または改善は、屈曲、進展、背屈/底屈(足首)、筋肉周辺、内旋/外旋(股)、外転/内転(股および膝)、浸出、温熱膝/冷却膝など(これらに限定されない)の、可動域の検査を含む身体検査によって計測される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0127】
別の実施形態において、進展または改善は、歩行実験において計測され、速度、歩幅の増加率、歩幅差(対称)、単肢支持率(40%達成を目標とする)、単肢支持差(対称)、両肢支持率、足先が内反した歩行/外反した歩行、屈曲/伸展、可動域、屈曲/伸展、またはこれらの任意の組合せの計測を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0128】
別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、対象者の身体的条件に応じて対象者に対して指定される。別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、対象者の医学的条件に応じて対象者に対して指定される。別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、対象者の病歴に応じて対象者に対して指定される。別の実施形態において、指定は、この装置の使用法の指示を含む。別の実施形態において、指定は、使用頻度、日常使用、または日常使用距離に関する指示を含む。
【0129】
別の実施形態において、本明細書において提示されるような任意の処方は、対象者の歩幅改善と共に日常使用時間を増加させることを含む。別の実施形態において、本明細書において記載するような任意の処方は、対象者の機能レベルが改善するにつれて日常使用時間を増加させることを含む。別の実施形態において、本明細書において記載するような任意の処方は、対象者の疼痛が低減するにつれて日常使用時間を増加させることを含む。別の実施形態において、本明細書において記載するような任意の処方は、本明細書において記載するような対象者の疾患または症状が改善するにつれて日常使用時間を増加させることを含む。別の実施形態において、本明細書において記載するような処方は、対象者の医学的条件に応じて対象者に投薬することをさらに含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0130】
別の実施形態において、本明細書において記載するような処方は、対象者の下肢筋が調整されるかまたは不均衡となるにつれて装置を調節することをさらに含む。別の実施形態において、装置の調節は、本明細書において記載するような隆起部の調整または位置決めを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0131】
装置
別の実施形態において、装置は、対象者の足に直接的に固定される。別の実施形態において、「対象者の足に固定される」という言い回しは、対象者の足に固定されるシューズ、ブーツ等の(これらに限定されない)任意の足装具に対して装置を固定することを含む。別の実施形態において、足固定手段は、対象者の足に足装具10などの装置を固定する。別の実施形態において、様々な異なる足固定手段は、使用可能である。別の実施形態において、足固定手段は、複数の固定手段を含む。別の実施形態において、足固定手段は、靴ひもである。別の実施形態において、足固定手段は、ベルクロファスナーを含む。別の実施形態において、足固定手段は、固定ストラップ(帯)を含む。別の実施形態において、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動する足装具10を図示する図1図4を参照とする。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0132】
別の実施形態において、支持部材は、固定手段に作動可能に装着される。別の実施形態において、作動可能に装着されることは、固定手段と支持部材との間の十分な装着を含む。別の実施形態において、支持部材は、ソール(靴の底部)を含む。別の実施形態において、支持部材は、インナーソール(ソール上面)を含む。別の実施形態において、支持部材は、アウターソール(ソール下面)を含む。別の実施形態において、支持部材は、ミッドソール(ソール中面)を含む。別の実施形態において、支持部材は、アッパー(足の上部に接するシューズ(靴)の上側部分)を含む。別の実施形態において、アッパーは、固定手段(靴ひもなどだがこれに限定されない)に作動可能に装着される。別の実施形態において、アッパーは、ストラップ(帯)または足を完全に包囲するものを含む。別の実施形態において、アッパーは、固定手段として機能するストラップ(サンダルなど)を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0133】
別の実施形態において、足装具10などの装置は、1つまたは複数の対のシューズ様装置としてか、または1つ(片足分)のみのシューズ様装置として供給される。別の実施形態において、足装具10は、上側表面14を有するシューズソール(靴底)の形状の周辺部を有する支持部材12を備える。図示する実施形態においては、上側表面14は、外縁にリッジ(細長い突部)16が形成されるように窪んでいるは、他の構成の上側表面14も、本発明の範囲内に含まれると理解される。別の実施形態において、足装具10は、ブーツ18および/またはベルクロストラップ、バックル、および靴ひもなど(これらに限定されない)の固定具20によりユーザの足に装着される。別の実施形態において、足装具10は、シューズによりユーザの足に装着される。別の実施形態において、シューズは、スニ−カーの基本構造を備える。別の実施形態において、スニ−カーという用語は、ブーツを含む。別の実施形態において、スニ−カーという用語は、ウォーキングブーツを含む。別の実施形態において、シューズは、ランニングシューズの基本構造を備える。別の実施形態において、シューズは、上品な靴の基本構造を備える。別の実施形態において、シューズは、ウォーキングシューズまたはウォーキングブーツの基本構造を備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0134】
別の実施形態において、ブーツ18など(これに限定されない)の装置は、固定具20を用いてまたは用いずにユーザの足に装着されるように構成される。別の実施形態において、固定具20は、ブーツ18を用いずにユーザの足に足装具10を装着するための足固定手段として使用される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0135】
BP
別の実施形態において、本発明は、固定位置に隆起部を備える足装具10などの装置を提供する。別の実施形態において、本発明は、当業者には公知の任意の形状を有する隆起部を備える足装具10などの装置を提供する。別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの膨出隆起部を備える装置を提供する。別の実施形態において、隆起部は対称である。別の実施形態において、隆起部は非対称である。別の実施形態において、隆起部は、多角形、十角形、二角形、十二角形、九角形、一角形、十一角形、七角形、十六角形、六角形、二十角形、八角形、五角形、三角形、ペンローズタイル、不等辺四辺形、二等辺形、十一辺形、四辺形、菱形、長菱形、正方形、斜方形、台形、ポリドラフター、アルベロス、円、円盤、円、傍接円、三日月形、ドーム、楕円、半月形、長円、球、星芒形またはデルタ形の形状を有する。
【0136】
別の実施形態において、各隆起部22は、一つの同じ湾曲状の外側輪郭26を有する。別の実施形態において、各隆起部は、様々に異なる湾曲状の外側輪郭を有する。別の実施形態において、各隆起部22は凸形状を有する。
【0137】
別の実施形態において、隆起部は、ドーム形状を有する。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、複数の異なる凸度合(言い換えれば、凸具合、凸形状、張り出し度合、張り出し具合、張り出し形状、膨出度合、膨出具合、膨出形状)をさらに備えるドーム形状を有する。別の実施形態において、各隆起部22は、それぞれ異なる凸度合を備える。別の実施形態において、各隆起部22は、異なる一組の凸度合を備える。輪郭26の断面、すなわち支持部材12(図2に示す形状に対応する)の長手方向軸28(図4)についての断面、または支持部材12(図3に示す形状に対応する)の緯度方向軸30(図4)についての断面、または任意の他の断面は、任意の曲線形状を有してもよい。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0138】
別の実施形態において、輪郭26は、円錐断面の形状、すなわち円、楕円、放物線、または双曲線の形状を有してもよい。隆起部22の輪郭26の個々の断面は、同一にまたは異なるように形状設定されてもよい。別の実施形態において、隆起部の形状は、均等の円弧により画定される。別の実施形態において、隆起部の形状は、相互に一点で接続した異なる半径の種々の円弧により画定される。別の実施形態において、隆起部の形状は、対称である。別の実施形態において、隆起部の形状は、非対称である。別の実施形態において、隆起部は、膨出隆起部である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0139】
別の実施形態において、本発明は、2つの隆起部は地面の上に位置する際に2つの隆起部のみによって対象者の足を支持する足装具10などの装置を提供する。別の実施形態において、本発明は、2つの隆起部は地面の上に位置する際に2つの隆起部のみによって立脚中の対象者の足を支持する足装具10などの装置を提供する。別の実施形態において、本発明は、立脚中に、隆起部の2つの地面係合表面(地面に面した頂部または表面)のみが地面と接触状態になるのを実現する。別の実施形態において、本発明は、立脚中に、各隆起部の地面係合表面のみが地面と接触状態になるのことを実現する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0140】
別の実施形態において、少なくとも2つの膨出隆起部22は、支持部材12の下側表面24から突出する。別の実施形態において、2つのみの膨出隆起部22は、支持部材12の下側表面24から突出する。別の実施形態において、支持部材の下側表面は、アウトソールである。別の実施形態において、2つのみの膨出隆起部22は、支持部材12の下側表面24から突出する。
【0141】
別の実施形態において、前記装置の地面係合部分は、隆起部のみである。別の実施形態において、立脚相を含む全ての歩行相の際に、隆起部は、地面に係合している装置の唯一の部分となる。別の実施形態において、立脚相を含む全ての歩行相の際に、隆起部22は、地面と直接的に接触状態にある装置の唯一の部分となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0142】
別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、可動式である。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、固定式である。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、取付け式である。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、交換式である。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、支持部材の外面に沿って移動可能なものである。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、アウトソールの外面に沿って移動可能なものである。別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、支持部材の外面内において位置決めされ得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0143】
別の実施形態において、本明細書において記載するような隆起部は、トラック(レール、軌道)内などで移動可能または並進可能であり(例えば、前方、後方、横方向、または対角(斜め)方向など)かつ/または自身の軸または他の軸を中心として回転自在であるかまたはこれらの動作の組合せが可能である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0144】
別の実施形態において、隆起部は、事前規定された領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、1〜18cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、1〜6cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、1〜4cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、2〜8cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、3〜6cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、4〜10cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、5〜18cmの領域内において移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、4〜12cmの領域内において移動可能である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0145】
別の実施形態において、事前規定された領域は、円形である。別の実施形態において、事前規定された領域は、正方形である。別の実施形態において、事前規定された領域は、楕円形である。別の実施形態において、事前規定された領域は、矩形である。別の実施形態において、事前規定された領域は、四角形である。別の実施形態において、事前規定された領域は、当業者には公知の任意の形状を含む。別の実施形態において、事前規定された領域は、不定形である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0146】
別の実施形態において、隆起部は、支持部材上の任意の場所に位置決めされ得る。別の実施形態において、隆起部は、支持部材上の任意の場所に固定され得る。別の実施形態において、隆起部は、事前規定された領域内の任意の場所に位置決めおよび/または固定され得る。別の実施形態において、隆起部は、レールに掛合される。別の実施形態において、隆起部は、レールに連結される。別の実施形態において、隆起部は、レールに連結され、レールに沿って移動可能である。別の実施形態において、隆起部は、レールに連結され、レールに沿って移動可能であり、レールに沿って任意の場所に位置決めおよび/または固定され得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0147】
別の実施形態において、隆起部は、支持部材上にスライド自在に取り付けられる。別の実施形態において、隆起部は、支持部材12の下側表面24内に形成されたトラック(レール、軌道)36(図2)の上に装着され、このトラックに沿った任意の場所に選択的に位置決めされ、その場所に留められるおよび/または固定される。別の実施形態において、トラック36は、シューズソール(靴底)の一部分に沿って延在するか、またはシューズソールの全長に沿って延在する。代替的または追加的には、隆起部の突出量は、ねじ取付具38(図3)を用いて支持部材12に対して隆起部を取り付け、ねじ取付具を締め付けるまたは緩めることなどにより、調節される。別の実施形態において、「留める」および「固定する」という用語は同義的に使用される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0148】
別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、追加の一つの膨出隆起部または追加の複数の膨出隆起部、一つの非膨出(膨出した形状ではない)隆起部39、または図3に示す複数の非膨出隆起部をさらに備える。別の実施形態において、隆起部39は、ペグ(釘、杭)、スタッド(鋲、釦)、ボルト、ピン、およびだぼ(合せ釘、細くて丸い棒)などの形状で形成されるが、本発明は、これらの形状に限定されない。別の実施形態において、隆起部39は、剛性または可携性であってもよい。別の実施形態において、隆起部39は、種々の弾性特性またはショア硬度を有するなど、種々の弾性度(反発吐度合、弾力、反発力、弾性度)すなわち硬度からなるものである。別の実施形態において、隆起部39は、支持部材12の下側表面24からそれぞれ異なる量だけ突出する。別の実施形態において、隆起部39の突出量または高さが調節される。別の実施形態において、隆起部39は、支持部材12の下側表面24上の任意の位置において固定されるかまたは移動可能である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0149】
別の実施形態において、隆起部は、支持部材12の上にスライド可能に取り付けられる。別の実施形態において、足装具10などの装置は、足装具10のソール内部に隆起部用のスライド/シフト機構を備える。別の実施形態において、スライド/シフト機構は、非限定的にではあるが、内側にあるケーブルにより懸吊され且つ粘性基材(ソール内に形成されるチャンバー(空間)内の流体など)中で遊動する機構、または、固定手段を用いて隆起部を捕捉するニッチを備える。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0150】
BPの固定
図2において明確に示すように、一方の隆起部22は、他方の隆起部22よりも後方に位置決めされ得る。別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、少なくとも1つの前側隆起部を備える。別の実施形態において、本明細書において記載するような装置は、少なくとも1つの後側隆起部を備える。別の実施形態において、装置は、1つの前側隆起部および1つの後側隆起部からなる。別の実施形態において、装置は、1つの前側隆起部および1つの可動型後側隆起部を少なくとも備える。別の実施形態において、装置は、1つの可動型前側隆起部および1つの後側隆起部を少なくとも備える。別の実施形態において、装置は、1つの可動型前側隆起部および1つの可動型後側隆起部を少なくとも備える。別の実施形態において、装置は、1つの可動型前側隆起部および1つの可動型後側隆起部を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0151】
別の実施形態において、隆起部は、垂直方向に隆起しているため、各隆起部は、ベース端部および先端を備える。別の実施形態において、ベースの表面積は、先端の表面積よりも広い。別の実施形態において、前記先端は、立脚相における隆起部の地面係合部分である。別の実施形態において、先端は、全ての歩行相における隆起部の地面係合部分である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0152】
別の実施形態において、膨出隆起部22などの隆起部は、支持部材12の上側表面14から突出する。
【0153】
BPの位置決め
【0154】
一実施形態において、図1図4を参照する。図1図4は、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動する足装具10を図示する。一実施形態においては、足装具10は、1つまたは複数の対のシューズ様装置として供給されるか、または代替的には1つのみのシューズ様装置として供給される。別の実施形態において、シューズ様装置は、シューズの基本構造および隆起部を備える。一実施形態においては、足装具10は、足装具10などのシューズ上に適合するように設計される。一実施形態においては、足装具10は、サンダルまたはサンダル様足装具である。別の実施形態において、シューズの基本構造は、ブーツである。別の実施形態において、シューズの基本構造は、ハイキングブーツに類似する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0155】
別の実施形態において、足装具10は、上側表面14を有するシューズソール(靴底)の形状の周辺部を有する支持部材12を備える。別の実施形態において、足装具10は、上側表面14の上に配置されたインソールを備える。別の実施形態において、インソールは、足装具10の内底部である。別の実施形態において、インソールは、足の真下に位置する。別の実施形態において、インソールは、取外し可能、交換可能、またはこれらの両方である。別の実施形態において、インソールは、快音陛を上昇させて、形状、湿度、臭気、またはこれらの任意の組合せを調節する。別の実施形態において、インソールは、足の自然形状の欠陥を矯正するように配置されるか、あるいは、立脚中または歩行中の足の位置を矯正するように配置される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0156】
別の実施形態において、支持部材12は、アウトソールを備える。別の実施形態において、支持部材12は、下側表面24すなわち支持部材12のアウトソールを備える。別の実施形態において、下側表面24またはアウトソールは、天然ゴムまたは合成模造品から作製される。別の実施形態において、下側表面24またはアウトソールは、単体ピースを備え、または種々の材料からなる個別のピースを備えてもよい。別の実施形態において、下側表面24またはアウトソールは、より軟質またはより硬質であることが可能である。別の実施形態において、支持部材12は、アウトソールとインソールとの間に、殆どの圧力を減衰させる層であるミッドソールをさらに備える。別の実施形態において、支持部材12は、ミッドソールを有さない。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0157】
別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、検査中の対象者の足首を中心とした最小の外反トルク、内反トルク、背側トルク(足の甲側に作用するトルク)または底側トルク(足の底側に作用するトルク)が足装具によって加えられる位置である。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、検査中の対象者の足首を中心とした最小の外反トルク、内反トルク、背側トルク、または底側トルクが足装具によって加えられる位置である。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、最小または最低の下肢筋肉活動が足装具により実現される位置である。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、均衡のとれた下肢筋肉活動が足装具により実現される位置である。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、下肢筋肉の調整となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、歩行に関与する筋肉の運動に対する張力量または抵抗量の調整となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、足首、膝、および股関節の可動性を最大限に引き出し得る下肢からの負荷除去となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、筋肉活動の低減、受動的足首可動域の拡大、歩行能力の向上、またはこれらの任意の組合せの実現となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、歩幅、立脚時の相称性、またはこれらの任意の組合せを増大させる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、ヒラメ筋、後脛骨筋、および両誹腹筋など(これらに限定されない)の下肢筋肉における力作用点の長さを増大させる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、足底屈筋、背屈、反転および/または外転筋の調整となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、身体が静止状態の足に対して前方に移動する際の過剰な前方回転の防止となる。別の実施形態において、少なくとも第1の膨出隆起部および第2の膨出隆起部の均衡位置への位置決めは、腫の踏み出しの調整となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0158】
別の実施形態において、図4に示すように、隆起部は、支持部材12の中心線28などの支持部材12の共通長手方向軸の上に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部は、横方向中心線30の両側に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部は、支持部材12の中心線28からずれて、および横方向中心線30の両側に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部の先端は、支持部材の中心線の両側に位置決めされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。いくつかの実施形態においては、「隆起部は中心線からずれて位置決めされる」という意味は、隆起部の先端または地面係合表面は、中心線からずれて位置決めされることを含む。いくつかの実施形態においては、「隆起部は中心線からずれて位置決めされる」という意味は、隆起部の先端または地面係合表面のみが中心線からずれて位置決めされるが中心線は隆起部を通過することを含む。
【0159】
別の実施形態において、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側(正中線の反対側)に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側(正中線側)に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側に位置決めされ、後側隆起部の先端または地面係合表面は、中心線に位置合わせされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側に位置決めされ、後側隆起部の先端または地面係合表面は、中心線に位置合わせされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0160】
別の実施形態において、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側に位置決めされ、前側隆起部の先端または地面係合表面は、中心線に位置合わせされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側に位置決めされ、前側隆起部の先端または地面係合表面は、中心線に位置合わせされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0161】
別の実施形態において、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側に位置決めされ、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から外側に位置決めされ、後側隆起部の先端または地面係合表面は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0162】
別の実施形態において、中心線は、腫骨支持部分を長手方向に二等分し、趾骨/中足骨支持部分の方向に直線状にさらに延在する。別の実施形態において、中心線は、腫骨支持部分の弧を長手方向に二等分し、趾骨/中足骨支持部分の方向に直線状にさらに延在する。別の実施形態において、中心線は、腫骨支持部分の近位弧を長手方向に二等分し、趾骨/中足骨支持部分の方向に直線状にさらに延在する。別の実施形態において、中心線は、腫骨支持部分の図5図6に示すような支持部分を長手方向に二等分し、趾骨/中足骨支持部分の方向に直線状にさらに延在する。本発明の別の実施形態において、長手方向中心線は、支持部材の輪郭を境界設定する矩形の短辺の中央部同士を連結する長手方向直線として規定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0163】
別の実施形態において、隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされ、隆起部の先端は、支持部材の中心線の対向側部に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、隆起部の先端は、支持部材の中心線からずれる。別の実施形態において、隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、隆起部の先端は、支持部材の中心線の両側に位置決めされる。別の実施形態において、隆起部の位置決めは、隆起部の先端または地面係合表面の位置決めである。別の実施形態において、「先端」および「地面係合表面」という用語は、同義的に使用される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0164】
別の実施形態において、前側隆起部は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、前側隆起部の先端は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部の先端は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、前側隆起部の先端は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端は、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、後側隆起部の先端は、支持部材の中心線から内側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部の先端は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。別の実施形態において、後側隆起部のベースは、支持部材の中心線の上に位置決めされるが、後側隆起部の先端は、支持部材の中心線から外側に位置決めされる。
【0165】
別の実施形態において、図2に示すように、後側隆起部22Pは、支持部材12の腫骨(腫、足首)支持部分23のほぼ下方に位置決めされる。別の実施形態において、前側隆起部22Aは、支持部材12の中足骨支持部分25および/または趾骨支持部分27のほぼ下方に位置決めされてもよい。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0166】
別の実施形態において、図4の破線33によって示すように、前側隆起部22Aは、その先端が中心線28からずれた状態で、長手方向軸の上に位置合わせされ、また、後側隆起部22Pは、その先端が中心線28からずれた状態であるが、中心線28に対して22Aとは逆の方向にずれた状態で、長手方向軸の上に位置合わせされる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0167】
別の実施形態において、図5は、本発明の実施形態による、支持部材200の上の前側(前方)隆起部および後側(後方)隆起部のアライメントの概略図である。図12に示す実施形態においては、中心線216は、矩形の短辺214の中点同士を連結する長手方向直線(二等分線)として規定され、矩形の長辺212は、中心線216に対して平行であり、これらの短辺214および長辺212は、支持部材の輪郭210を境界設定する。本発明の実施形態においては、輪郭210は、足装具を形成するために使用される靴型に対応する足装具(250、図7を参照)のアッパー部分(上側部分252、図7を参照)により境界設定されるフットホールド(足の踏み場)の輪郭(254、図7を参照)である。本発明の他の実施形態においては、輪郭210は、足装具の最外輪郭である。本発明の他の実施形態においては、輪郭210は、足装具のソールの底部表面の輪郭である。いくつかの実施形態においては、「前方」および「前側」という用語は、同義的に使用される。いくつかの実施形態においては、「後方」および「後側」という用語は、同義的に使用される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0168】
本発明の実施形態によれば、図5に示すように、支持部材の前側(趾骨)部分(すなわち支持部材の前方部分)の前方隆起部218は、中心線216に対して内側にずれて位置決めされる。「内側にずれる」とは、隆起部218の先端表面(地面係合表面となり得る)(十字219で印される)は、中心線216から、他方の足(この図面には図示せず)の支持部材に対面する支持表面の内方側の方向に内側に変位されることを意味する。先端表面は、隆起部の他の表面に比べて支持表面から最も遠くに位置する隆起部上の表面である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0169】
本発明の実施形態によれば、図5に示すように、支持部材の後側(睡骨)部分(すなわち支持部材の後方部分)の後方隆起部220は、中心線216に対して外側にずれて位置決めされる。「外側にずれる」とは、隆起部220の先端表面(地面係合表面となり得る)(十字221で印される)が、中心線216から、他方の足(この図面には図示せず)の支持部材から離れた支持表面の外方側の方向に外側に変位されることを意味する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0170】
図5に示す隆起部のアライメントは、例えば以下の医学的徴候(すなわち、内側区画一膝変形性関節症、内側半月板断裂または内側半月板損傷、内反膝、膝蓋一大腿痛症候群、膝蓋一大腿骨の問題(位置整合不良)、外側側副靭帯損傷または外側側副靭帯断裂、骨挫傷MTP/MFC(またはそのAVN)、腰痛、股関節変形性関節症、股関節唇損傷(TCM)、転子滑液包炎、鷲足、足首の不安定症(回外およびext rut)、アキレス腱炎、および中足骨痛))のうち1つまたは複数を有するユーザを調整する際において有用である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0171】
図6は、本発明の実施形態による、支持部材上の前側隆起部および後側隆起部の別のアライメントの概略図である。本発明の実施形態によれば、図6に示すように、前方(前側)隆起部218は中心線216に対して外側にずれるが、後方隆起部220は中心線216に対して内側にずれる。図6に示す隆起部のアライメントは、例えば、以下の医学的徴候(すなわち、外側半月板断裂または外側半月板損傷、外側区画変形性膝関節症、外反膝、膝蓋一大腿痛症候群、膝蓋一大腿骨の問題(位置整合不良)、MCL靭帯断裂、骨挫傷LTP/LFC(またはそのAVN)、股関節唇損傷または股関節唇断裂、股関節痛、股関節OA、腰痛、足首の不安定症(回内)、アキレス腱炎、脛骨筋不全症、および中足骨痛)のうち1つまたは複数を有するユーザをの調整において有用である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0172】
図7は、後方隆起部220の高さが前方隆起部218の高さよりも高い、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動するスニ−カー250の概略図である。注目すべき点は、かかる構成により、ユーザがこのスニ−カーを着用した場合に、前方隆起部は地面と接触状態になるより前に、後方隆起部220と支持地面(この図面には図示せず)との間の最初の接触が促進されるという点である。両隆起部は、地面と接触状態に置かれると、スニ−カー250を着用しているユーザの足は、ユーザの歩行方向に対して下向きの傾斜を得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0173】
図8は、前方隆起部218の高さが後方隆起部220の高さよりも高い、本発明の一実施形態に従って構築されかつ作動するスニ−カー250の概略図である。この実施形態においては、両隆起部が地面と接触状態におかれると、スニ−カー250を着用しているユーザの足は、ユーザの歩行方向に対して上向きの傾斜を得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0174】
図9は、本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの最大領域の境界を図示する。この図面に示すのは、ユーザの右足に着用されるように設計されたスニーカーの底面図である。したがって、内側は、図面の右側であり、スニーカーの側部弧のうちの湾曲がより大きな方の弧に向いている。外側は、内側とは反対である図面の左側であり、スニーカーの側部弧のうちの湾曲がより小さな方の弧に向いている。ミッドソール401および靴型対応部/靴402が図示され、フットホールド(足裏部)の輪郭403は、スニ−カーの作製時に使用される靴型によって決定される。前方レール404および後方レール406は、隆起部を固定するために使用される。破線406により縁どられた領域は、本発明のいくつかの実施形態による、前側隆起部の先端表面すなわち前側隆起部の地面係合表面を配置し得る最大領域を示す。破線407により縁どられた領域は、後側隆起部の先端表面を配置し得る最大領域を示す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0175】
図10は、本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの有効領域の境界を図示する。ミッドソール501およびアウトソール502が図示され、フットホールドの輪郭503は、スニ−カーの作製時に使用される靴型によって決定される。破線504により縁どられた領域は、本発明のいくつかの実施形態による、前側隆起部の先端表面すなわち前側隆起部の地面係合表面を配置し得る有効領域を示す。破線505により縁どられた領域は、後側隆起部の先端表面を配置し得る有効領域を示す。「有効」は、筋肉調整を促進する本発明の実施形態による足装具の使用の有効性を指す。明瞭化のため、図9および図10は共に、36等分の区域に分割される。有効位置は、サイズに関わらず同一の区域の中となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0176】
図11は、以下の疾患および/または症状、すなわち外側半月板断裂/損傷、外側区画変形性膝関節症、外反膝、大腿一膝蓋痛症候群、膝蓋一大腿骨の欠陥(位置整合不良)、MCL靭帯断裂、骨挫傷LTP/LFC(AVN)、股関節唇損傷(断裂)、股関節筋骨格痛、足首の不安定症(回内)、アキレス腱炎、脛骨筋不全症、中足骨痛、またはこれらの任意の組合せに対する筋肉調整および疼痛緩和を含む本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの有効領域の境界を図示する。図示するのは、上記において図11に関して説明した疾患および/または症状に対する筋肉調整または疼痛緩和の際に、前側隆起部の先端表面すなわち前側隆起部の地面係合表面を配置し得る有効領域を示す破線710により縁どられた領域である。図示するのは、上記において図11に関して説明した疾患および/または症状に対する筋肉調整または疼痛緩和の際に、後側隆起部の先端表面すなわち後側隆起部の地面係合表面を配置し得る有効領域を示す破線720により縁どられた領域である。破線710および720により縁どられた領域は、図10において破線504および505のそれぞれにより縁どられた領域内に位置する。先述のように、図10は、36等分の区域に分割される。有効位置は、サイズに関わらずこれらの有効区域内となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0177】
図12は、以下(すなわち、内側区画膝変形性関節症、内側半月板一断裂/損傷、内反膝、大腿一膝蓋痛症候群、膝蓋一大腿骨の問題(位置整合不良)、外側側副靭帯(損傷/断裂)、骨挫傷MTP/MFC(AVN)、股関節変形性関節症、股関節唇損傷(TCM)、転子滑液包炎、鷲足炎、足首の不安定症(回外+ext rut)、アキレス腱炎、中足骨痛、またはこれらの任意の組合せ)に罹患している対象者に対する筋肉調整およびよって治療を含む本発明の実施形態による、支持表面に対する前側隆起部および後側隆起部の位置決めの有効領域の境界を図示する。ミッドソール601およびアウトソール602が図示され、フットホールドの靴型対応部603は、スニ−カーの作製時に使用される靴型によって決定される。前方レール604および後方レール605は、隆起部を固定するために使用される。図示するのは、上記において図12に関して説明した疾患および/または症状に対する筋肉調整または疼痛緩和の際に、前側隆起部の先端表面すなわち前側隆起部の地面係合表面を配置し得る有効領域を示す破線610により縁どられた領域である。図示するのは、上記において図12に関して説明した疾患および/または症状に対する筋肉調整または疼痛緩和の際に、後側隆起部の先端表面すなわち後側隆起部の地面係合表面を配置し得る有効領域を示す破線620により縁どられた領域である。破線610および620により縁どられた領域は、図10において破線504および505のそれぞれにより縁どられた領域内に位置する。先述のように、図10は、36等分の区域に分割される。有効位置は、サイズに関わらずこれらの有効区域の中となる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0178】
図13Aは、本発明の実施形態による、足装具上における使用に適した隆起部の等角図である。本発明の実施形態による滑り止め突部901は、ユーザが上に立つまたは歩く表面のグリップ向上を促進するために、隆起部の地面係合領域を覆うように配置される。図13Bは、本発明の実施形態による、足装具上における使用に適した隆起部の正面図である。先端表面は、十字902によって印される。貫通孔部904は、所望の位置に隆起部を固定するためのねじまたは他の固定部品のために設けられる。図13Cは、本発明の実施形態による、足装具上における使用に適した隆起部の側面図である。隆起部の凸度合905は、明瞭に示される。様々な凸度合を使用することが可能であり、これらは全て、典型的には隆起部の中心に(しかし必須ではない)先端表面を位置付ける。この表面は、ユーザが足に支持部材を装着して地面の上を歩くまたは立つ際に地面と接触状態となる表面である。
【0179】
図13は、本発明の実施形態による隆起部の概略図である。示すように、隆起部は、凸状905である(図13C)。本発明の実施形態による各隆起部は、ラッチ(棒状固定具)、ボルト、またはねじを中に配置するための固定穴(隆起部の固定用)904を備える。本発明のいくつかの実施形態においては地面係合領域902の中央部内に位置する隆起部の先端は、立脚時には地面と接触状態になる(図13B)。グリップするための構造は、901で示される。
【0180】
図14は、本発明の実施形態による、前側隆起部および後側隆起部の支持表面に対する位置決めの際の有効領域境界を示す。前記実施形態は、足首不安定性に苦しんでいる対象者の筋肉調整ならびによって治療および疼痛軽減を行うステップを含む。点線1001によって境界が記されている領域は、前側隆起部の先端表面(すなわち、前側隆起部の地面係合面)を配置することが可能な有効領域である。点線1002によって境界が記されている領域は、後側隆起部の先端表面(すなわち、後側隆起部の地面係合面)を配置することが可能な有効領域である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0181】
図15は、本発明の実施形態による、前側隆起部および後側隆起部の支持表面に対する位置決めの際の有効領域境界を示す。前記実施形態は、膝OAに罹患している対象者の筋肉調整ならびによって治療および疼痛軽減を行うステップを含む。点線1003によって境界が記されている領域は、前側隆起部の先端表面(すなわち、前側隆起部の地面係合面)を配置することが可能な有効領域である。点線1004によって境界が記されている領域は、後側隆起部の先端表面(すなわち、後側隆起部の地面係合面)を配置することが可能な有効領域である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0182】
弾性度、硬度および弾性
別の実施形態において、調整は、支持部材上における隆起部の位置決めを含む。別の実施形態において、調整は、隆起部の高さまたは突出度合の調節を含む。別の実施形態において、調整は、隆起部の弾性度の調節を含む。別の実施形態において、調整は、隆起部の硬度の調節を含む。別の実施形態において、調整は、隆起部の弾性の調節を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0183】
別の実施形態において、隆起部は、圧縮可能な性質を有する。別の実施形態において、隆起部は、変形可能な性質を有する。別の実施形態において、隆起部は、対象者の重量により圧力が加えられた場合に圧縮可能または変形可能である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0184】
別の実施形態において、隆起部は、異なる特性を有する任意の適切な材料(例を非限定的に挙げると、エラストマー、金属、または組合せ材料など)から構築される。別の実施形態において、隆起部は、異なる弾性特性またはショア硬度を有するなど、異なる弾性度または硬度を有する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0185】
別の実施形態において、隆起部は、より良好な安定性をもたらすためのスパイクまたはグリップ手段を備える。別の実施形態において、隆起部は、スリップ防止手段としてスパイクまたはグリップ手段を備える。別の実施形態において、図13は、小円型グリップ手段を備える隆起部を示す。別の実施形態において、スパイクまたはグリップ手段は、ゴムまたはプラスチック材料などのエラストマーなど(これらに限定されない)の、任意の適切な材料から構築される。別の実施形態において、スパイクまたはグリップ手段は、隆起部の一部分のみを覆う。別の実施形態において、スパイクまたはグリップ手段は、少なくとも隆起部の地面係合表面(立脚時に地面と接触状態になる表面)を覆う。別の実施形態において、支持部分に隆起部を固定するための固定手段は、スパイクまたはグリップ手段内に埋め込まれる。別の実施形態において、支持部分に隆起部を固定するための固定手段は、スパイク同士またはグリップ手段の間に配置される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0186】
別の実施形態において、隆起部は、30〜90ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、隆起部は、40〜55ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、隆起部は、50〜70ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、隆起部は、65〜90ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、隆起部は、55〜60ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、隆起部は、65〜70ショアAのショア硬度を有する。別の実施形態において、前側隆起部および後側隆起部は、同一のショア硬度を有する。別の実施形態において、前側隆起部および後側隆起部は、異なるショア硬度を有する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0187】
別の実施形態において、隆起部は、40〜55ショアAのショア硬度を有する軟質隆起部である。別の実施形態において、隆起部は、50〜70ショアAのショア硬度を有する中硬度隆起部である。別の実施形態において、隆起部は、65〜90ショアAのショア硬度を有する硬質隆起部である。
【0188】
別の実施形態において、隆起部は、1〜60mmの摩耗(DIN53516による)を有する。別の実施形態において、隆起部は、ラバーカップを備える。別の実施形態において、隆起部は、天然ゴム化合物を含む。別の実施形態において、隆起部は、TPUまたはTPRなどの合成ゴム化合物を含む。別の実施形態において、隆起部は、シリコーンを含む。別の実施形態において、隆起部は、PA6(ナイロン)、PA6/6(ナイロン)+ガラス繊維、ABS、ポリプロピレン、POM(ポリオキシメチレン)などのプラスチック材料を含む。別の実施形態において、隆起部は、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、真鐘、または合金などの金属を含む。別の実施形態において、隆起部は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラーまたはこれらの任意の組合せなどの化合物材料を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0189】
調整
別の実施形態において、異なる高さの隆起部を使用することが可能である。別の実施形態において、高さは、隆起部とアウトソールとの間にスペーサを加えることによって調整される。別の実施形態において、様々な重量の隆起部を使用することが可能である。別の実施形態において、重量は、隆起部とアウトソールとの間にスペーサを加えることによって調整される。
【0190】
別の実施形態において、前側隆起部の高さは、後側隆起部の高さとは異なる。別の実施形態において、前側隆起部または後側隆起部の高さは、支持部材すなわちアウトソールと隆起部のベース部分との間に位置決めされる円形スペーサにより調節される。別の実施形態において、スペーサは、アウトソールと隆起部のベース部分との間に固定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0191】
別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、50〜150mmの直径を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、55〜110mmの直径を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、60〜100mmの直径を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、80〜90mmの直径を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、85mmの直径を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、1〜12mmの厚さを有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、1〜4mmの厚さを有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、3〜10mmの厚さを有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、1〜3mmの厚さを有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、軟質スペーサとなる60〜70ショアAの硬度を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、硬質スペーサとなる90〜100ショアAの硬度を有する。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、中硬度スペーサとなる71〜89ショアAの硬度を有する。
【0192】
別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、2〜500gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、2〜250gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、2〜6gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、2〜20gの重さである。別の実施形態において、2〜20gの重さのスペーサまたは隆起部は、ナイロンから作製される。別の実施形態において、2〜20gの重さのスペーサまたは隆起部は、ナイロンおよび繊維から作製される。別の実施形態において、2〜40gの重さのスペーサまたは隆起部は、ナイロンおよびガラス繊維から作製される。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、3〜100gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、50〜80gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、60〜100gの重さである。別の実施形態において、スペーサまたは隆起部は、ナイロンガラス繊維、ポリウレンタン、合金(亜鉛合金などであるが、これには限定されない)またはこれらの任意の組合せを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を示す。
【0193】
非限定的となるように意図される以下の例を精査することにより、本発明のさらなる目的、利点、および新規の特徴が当業者には明らかになろう。さらに、上記で詳述したような、および以下の特許請求の範囲のセクションで特許請求されるような、本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれの実験的確証は、以下の例の中に示される。
【0194】
(実施例)
材料および方法
疼痛の尺度
全てのケーススタディにおいて、疼痛は、10cmの視覚的アナログスケール(目盛り)に基づく患者による等級づけとして表される。4/10の疼痛は、10cmのうち4cm(「0」が無痛、「10」が最大痛である)を意味する。
【0195】
位置決め方法
足装具に装着される隆起部の構成の各変更(調整、位置決め、最終的な固定)後、セラピストから10メートル離れた距離まで歩いて後戻ってくるよう、患者に要求した。これにより、患者が均衡状態に留まっているかどうか、および構成の変更によって所望の良好な成果(すなわち、疼痛の軽減、腫上昇のタイミングの改善など)が得られたか否かの確認をとった。
【0196】
装置の処方
装置は2組の足装具を備え、そのうち一方は左足用、他方は右足用である。使用される足装具は、軽量ウォーキングブーツである。
【0197】
運動処方中に、患者に対する一組の指示を含めた。これらの指示中に、1日当たりの装置着用時間の長さ(通常は1日30〜60分)を含めた。日常使用には、TVの視聴、コンピュータ作業、食事活動などを含み得る日常活動中の装置の着用を含めた。実歩行は、30〜60分のうち10〜25%となった。したがって、患者が1日当たり60分間にわたり装置を着用した場合、合計5〜10分が歩行にあてられた。
【0198】
例1:足首機能不安定性(FAI)(慢性の足首不安定性)における筋肉調整
両足首を長年繰り返し捻挫している23歳の男性患者に、治療センターに来てもらった。
【0199】
病歴:この患者によれば、最初の捻挫は12歳のときに左足首に発生した。その後まもなく、右足首も捻挫した。この患者によれば、不整地を避けようとしていると最初に診断されてから、足首捻挫の頻度が増加した。この患者は、足首ブレース(エアキャスト)を両側方向に用いていないときは、全てのスポーツ活動を避けていた。この患者は、1.5キロメートル(VAS左ー3/10、右ー4/10)を超えた距離を屋外歩行すると、必ず両足首の横側に疼痛が発生した。また、この患者によれば、長時間の歩行後、両ふくらはぎの横側に疲労を感じ、腓骨筋腱の両側方向に沿って軽い灼熱感を感じるとのことであった。
【0200】
身体診察:観察したところ、左右のくるぶしの前側において軽微な腫脹が認められた。両脚において、軽微な過回外アライメントが認められた。片脚立ちをしてもらったところ、右脚は5秒間、左足は8秒間であった。ロンベルグ試験を行ったところ、眼をつむったときに姿勢の傾き増加がみられた。足首の移動範囲は、両側方向全体にわたった。内反および足底屈に起因して、前記前距腓靭帯(ATFL)に沿って疼痛が発生した。前側引き出し試験を足首に行った結果は、両側方向においてマイナスであった。臨床歩行評価を行ったところ、過回外がみられ、また、左右の足のかかとを上げるタイミングが早いことがわかった。
【0201】
画像化および歩行実験:距骨傾斜X線は、機械的不安定性についてマイナスであった(右ー4度、左ー4度)。前側引き出しX線は、前側不安定性についてマイナスであった(右ー3mm、左ー2mm。)。X線で観察したところ、関節損傷は認められなかった。歩行実験パラメータを以下に示す:速度123.0cm/秒、左歩幅:64.8cm、右歩幅:65.3cm、左1肢支持:37.2%、右1肢支持:37.5%。
【0202】
治療:C字型凸部および「可撓性」弾性度(硬度)を備えた膨出隆起部(B.P.s)を、左足装具および右足装具の後足および前足の下側に接続および固定した。100グラムの重み付きスペーサ(円盤)(高さ2.5mm)を、右靴および左靴と後側右および左B.P.sとの間に取り付けおよび固定した。
【0203】
均衡:前記足装具を装着した状態での臨床歩行評価を繰り返し行って、患者用システムを調整および微調整した。このプロセスにおいて、踵蹴り出し、荷重応答、立脚中期および爪先離れ時における外反および内反を低減するために注意を払った。
【0204】
論理的根拠:裸足歩行時の早期の両側方向蹴り上げに起因して、足底屈を円盤を通じて維持する。FAI中の腓骨筋ブレースは、踵蹴り出しにおける内反への角速度の増加および立脚時における同心外反モーメントの原因となるため、その活動を支持する必要がある。よって、後側B.P.s.の横方向調整により、恩恵が得られる。また、本システム装着時における足首捻挫の再発の回避も確保される。
【0205】
内旋筋によるFAIにおける偏心動力生成が弱いことが判明したため、強化を偏心的に行うことが必要となった。これは、後側B.P.s.の横方向調整によっても達成される。
【0206】
疼痛:前記患者による疼痛の訴えは無かった。
【0207】
踵上げタイミング:前記患者に20mだけ歩行してもらい、均衡状態が維持されているかと、歩行サイクルにおける踵上げタイミングの適切さとについて確認した。その結果、裸足歩行においてみられた早期蹴り上げが矯正されたことが分かった。
【0208】
治療計画:前記患者に対し、治療における安全指示事項を簡潔に説明し、治療開始から第1週においては前記システムを自宅において1日45分間装着するよう指示した。このとき、前記患者に対し、日中の大半(80%)は座っておくよう指示し、日常的活動(例えば、電話をとる、飲み物の摂取)を行うときは立つよう指示した。第1週における1日あたりの合計重量支持時間は、7〜9分間(前記システムを使用する時間のうち20%)であった。次に、前記患者に対し、1週間あたりの装着時間を15分だけ増やすよう指示し、前記足装具による合計重量支持時間を20%のまま維持した。前記患者の初回センター訪問後、フォローアップ診断のため、4週間後、10週間後および5ヶ月後に前記患者にセンターを再訪してもらった。
【0209】
治療進展:1回目のフォローアップ診断において、前記患者によれば、前記システムを用いたときの方が、通常の靴の装着時よりも屋内の日常活動が快適に行うことができた。歩行実験データを表1に示す。その後、前記患者に対し、前記システムの装着時間を1週あたり15分間だけ増やすよう指示、合計重量支持時間を20%のまま維持した。2回目のフォローアップ診断において、前記患者の合計重量支持時間は3時間に到達した。前記患者によれば、屋外歩行が1.5時間を超えたときに感じていた不安定感が無くなり、足首横側の灼熱感もなくなった。歩行実験データ(表1に記載)から分かるように、歩行速度、右歩幅および左歩幅が増加した。また、このデータから分かるように、右方向および左方向の1肢支持も増加している。よって、前側および後側の右および左B.P.sの凸部がDレベルの凸部まで増加するように、この患者用システムを調整した。次に、前記患者に対し、現行の合計重量支持時間に対し、10分間の屋外歩行を追加するよう指示した。前記患者に対し、屋外歩行を5分ずつ増やすよう指示し、上限を30分とした。第3回目のフォローアップ診断において、前記患者によれば、ハイキングにでかけたところ、足首ブレースの支持は不要であった。そのため、後側B.P.sを前回の位置から内側方向に3mmだけ移動させた位置まで調整した。その結果、足首外転筋の活動が増加し、その収縮タイミングがさらに微調整された。
【表1】
【0210】
例2:アスリートのACL断裂を回避するための回避プログラム
20歳の女性プロバスケットボール選手に、治療センターに来てもらった。この患者はプロバスケ選手であり、身体的愁訴が無かった頃は、1週間に10回バスケットボールの練習を行っていた。チームの理学療法士によれば、この選手がジャンプから着地するときおよび走行時において方向を変更するときにおいて、膝に顕著な外反アライメントがみられた。また、特に女性アスリートの場合、このような運動制御の欠如は、ACL断裂危険性の大幅増加の原因となることが知られている。
【0211】
身体診察:診察時において、この患者の脚は過回内状態となっており、右膝および左膝は外反アライメント(推定で15度)となっていた。筋肉量は良好に見え、非対称性もみられなかった。膝および足首関節の安定性試験を行ったところ、結果は全てマイナスであった(膝:前側引き出し試験、外反負荷試験、内反負荷試験、ラクマン試験。足首:前側引き出し試験)。臨床歩行評価を行ったところ、膝外反以外は顕著な所見は認められなかった。落下垂直ジャンプ(階段飛び)試験の結果はプラスであった。過可動性についてのブライトンスケールはプラスであった。
【0212】
画像化および歩行実験データ:利用可能な画像は無かった。歩行実験パラメータを以下に示す:速度120.8cm/秒、左歩幅:63.8cm、右歩幅:61.9cm、左1肢支持:43.1%、右1肢支持:42.8%。
【0213】
治療:C字型凸部および「硬質」弾性度を備えたB.P.sを、左足装具および右足装具の後足および前足下に接続および固定した。100グラムの重み付きスペーサ(円盤)(高さ2.5mm)を、右靴および左靴と後側右および左B.P.sとの間に取り付けおよび固定した。
【0214】
均衡:前記足装具を装着した状態での臨床歩行評価を繰り返し行って、患者用システムを調整および微調整した。このプロセスにおいて、踵蹴り出し、荷重応答、立脚中期および爪先離れ時における外反および内反を低減するために注意を払った。
【0215】
論理的根拠:(特に、股関節外転筋および股関節外部回転筋)のタイミングを調整することにより、膝の近位部(大腿骨)の制御を向上させることが可能となり、よって、多様な活動における過外反を回避することができる。そのため、左右システムの後側B.P.を中立位置から内側6mmの位置において調整および固定した。
【0216】
大腿四頭筋の活動が増加すると、筋肉による衝撃吸収量が増加し、その結果膝への付加が低減する。そのため右システムおよび左システムの後側B.P.を中立位置から後側に10mmの位置において調整および固定した。
【0217】
均衡:前記足装具を装着した状態での臨床歩行評価を繰り返し行って、患者用システムを調整および微調整した。このプロセスにおいて、踵蹴り出し、荷重応答、立脚中期および爪先離れ時における外反および内反を低減するために注意を払った。
【0218】
疼痛:前記患者による疼痛の訴えは無かった。
【0219】
踵上げタイミング:前記患者に20mだけ歩行してもらい、均衡状態が維持されているかと、歩行サイクルにおける踵上げタイミングの適切さとについて確認した。その結果、踵上げタイミングに異常はみられなかった。
【0220】
治療計画:前記患者に対し、治療における安全指示事項を簡潔に説明し、治療開始から第1週においては前記システムを自宅において1日45分間装着するよう指示した。このとき、前記患者に対し、日中の大半(80%)は座っておくよう指示し、日常的活動(例えば、電話をとる、飲み物の摂取)を行うときは立つよう指示した。第1週における1日あたりの合計重量支持時間は、7〜9分間(前記システムを使用する時間のうち20%)であった。次に、前記患者に対し、1週間あたりの装着時間を15分だけ増やすよう指示し、前記足装具による合計重量支持時間を20%のまま維持した。前記患者の初回センター訪問後、フォローアップ診断のため、3週間後、6週間後および12ヶ月後に前記患者にセンターを再訪してもらった。
【0221】
治療進展:1回目のフォローアップ診断において、前記患者によれば、前記システムを用いると、屋内の日常活動が快適に行うことができた。歩行実験データを表1に示す。その後、前記患者に対し、前記システムを用いてスクワットをするよう指示した(1セットあたり10回、1日に4セット)、また、前記システムを用いてランジを行うよう指示した(各脚について1セットあたり10回、1日に各脚について4セット)。また、前記患者に対し、前記システムの装着時間を1週あたり15分間だけ増やすよう指示、合計重量支持時間を20%のまま維持した。2回目のフォローアップ診断において、前記患者の合計装着時間は3時間に到達し、スクワットおよびランジを簡単に実行できたとのことであった。落下垂直ジャンプ(階段飛び)試験を行ったところ、膝の外反が低減していた。左システムおよび右システムの前側および後側B.P.の凸部は、Dレベルの凸部に変化した。前記患者に対し、スクワットおよびランジの実行を継続するよう指示し、ジャンプショット、ドリブルおよび他のバスケットボールドリルを行うよう指示した。
【0222】
3回目のフォローアップにおいて、落下垂直ジャンプ(階段飛び)試験の結果はマイナスであった。
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D